2016-03-13 07:05:13 更新

概要

強烈な個性を持つ球磨型。
彼女らの寮はいつも騒がしく、楽しそうである。今回はその日常を少し覗いてみることにしよう


むしゃくしゃして書いた。反省はしない!

何番煎じかのアンジャッシュネタ。


蛇足編は自分でも何故書いたかは判らない…(某アニメがモデル)





日常編:揺れる心、すれ違う思い


北上はニヤついていた。北上という生き物?は面白い事に目がなく、要らない事に首を突っ込んだり、新しい事に挑戦したり…


今回の出来事はあるゲームを初プレイする事だった。球磨型姉妹でゲームをするのは球磨、多摩、北上の3名。しかも、ゲームが大好きで大好きで仕方ない。


北上は今回明石のお店でゲームソフトを買い、早速プレイしようと自分の部屋に帰った。だが、今回プレイするゲームは特殊であり、ぶっちゃけなんでこんなゲームをしようと思っている位である。でも、まあ面白そうだし良いかと軽い気持ちで部屋に帰ったのが、この惨劇の原因となった…



球磨型寮…


北上「たっだいまー」


球磨「…おかえりクマー」ピコピコ…


北上「おっ、くまっちゲームやってるねぇ!」


といい、北上は球磨と背中合わせにソファに座った


球磨「やってるクマ。あと、北上。球磨の名前をきちんと呼べクマ」ピコピコ…


北上「いやぁ、しばらくはこの呼び方で過ごすよー」


球磨「ちっ…、そういえば北上は明石のお店で何を買ったんだクマ?」


北上「あー…、ゲーム」


球磨「またゲーム…」


北上「今日初めてやるんだよねー、ギャルゲー(R18)」


球磨「…今、なんて言ったクマ?」


北上「いや、だからギャルゲー」


球磨「格ゲー!?それは球磨の得意分野クマー」むふー



何をカン違いしているのか、球磨はギャルゲーと格ゲーを聞き間違えていた…


北上「くまっちが!?い、意外だねー」


突然の出来事に驚く北上。それもそうだろう、ギャルゲーが得意分野とかいきなり姉の口から出たら驚くはずだ、実際は格ゲーなのだが



球磨「北上は初心者クマか?」


北上「そりゃそうでしょ…初めてするんだし」


球磨「始めは慣れるまで時間かかるけど、覚えれば楽しいクマ!」


北上「経験者は語る…ね。じゃあ早速プレイしよーっと」ポチ…


球磨「球磨は今も、プレイしてるからアドバイス任せろクマ!」


北上「今してるんだ!?いや、私もするけどさ。…でも、ゲームが同じとは限らないし…」


球磨「それもそうクマ、じゃあ気になった事があるならどんどん言えクマー」


北上「オッケー、早速だけどさー、キャラ選択画面出てきたんだけどさ、初めはどういうのを選べば良いの?」


球磨「えっ…、そりゃもちろん初心者向けに決まってるクマ。北上、お前はいきなり上級者のプレイでもするのかクマ?」


北上「えっ、このゲームって初心者、上級者向けあるの!?」


球磨「あるに決まってんだろうがクマ!とりあえず最初はスタンダードなキャラを使うクマ」


北上「あぁ、エロい事はノーマルからだしね」ポチ…


球磨「球磨がこの手のゲームで選ぶキャラは下段攻撃が得意な奴だクマ!」


北上「下段攻撃!?」


球磨「そうクマ。相手を上から攻めても限度があるクマ!」


北上「ぶはっ!?」


球磨「どうした北上ぃ!?」


北上「い、いや…くまっちがそんな発言が出るとは思わなくて…」


完全に北上はギャルゲーのエロの方で考えているようだ


球磨「初心者は上の攻めは難しいクマ、やっぱり下クマ。下から攻めて、そこから寝技に持ち込めれば…」


北上「分かった!!分かったから!それ以上はやめて!」


球磨「なに焦ってるクマ?」


事態の飲み込めない球磨は相変わらず、格ゲーの画面を見ている。北上の隣に移動し、画面を見れば済む話なのに…


北上「よし、この女の子にしよう!…それにしても色んなキャラ(女の子)がいるなー」


球磨「そうクマね、クマのゲームは50人くらいいるクマねー」


北上「多くない!?」


球磨「人気ゲームなら、これくらいいるクマ」


北上「いやいやいや、そんないっぺんに攻略出来ないし…」


球磨「攻略を覚えないとその先困るクマ。それぞれの奴に合わせたプレイをしないと勝てないクマ!」


北上「え?勝ち負けあるの?!」


球磨「このゲームはオンライン対戦が醍醐味だからクマね」


北上「オンライン対戦!??」


球磨「最初はボコボコに乱暴されるけど、慣れればこっちが一方的にボコれるクマー」


北上「おかしいでしょ!?えっ、やられたらやりかえすの?!」


球磨「ぶっちゃけ殺れるなら誰が相手でも良いクマ」


北上「くまっち…いや、球磨姉さん」


球磨「お、姉の凄さにやっと気付いたかクマ?」


北上「うん…(ものすごいど変態だってことが)」


お互いのカン違いであるが…



北上「ふむふむ、主役はJKか…(女子校生)」


球磨「JK(ジャンプキック)が主流クマか…」


北上「いや、そういうものでしょう?もしくはJD?(女子大生)」


球磨「いやいや、JD(ジャンプダッシュ)は無いクマねー」


北上「じゃあ球磨姉さんのゲームは何が主役なのさ…」


球磨「ふふっ…、よくぞ聞いてくれたクマ!このゲームはJC(ジャンプコンボ)だクマー!」


北上「えっ、JC(女子中学生)!?」


球磨「球磨も震えるクマ…、このギリギリのやり取り…(ジャンプからのコンボ)」


北上「ギリギリじゃないから!?絶対やばいでしょそのソフト!?」


球磨「ソフトにヤバいヤバくないとか…」


北上「いや、問題だからね!?」



これ以上球磨に頼るとヤバいと思った北上は少し黙る事にした。姉がものすごいマニアックなギャルゲーをしてると焦っていた…

後で、聞こう。せめてデートのやり方くらいなら普通に接してくれるはず。



5分後…


北上「と、とりあえず。女の子とデートの約束が出来た…か。球磨姉さーん、とりあえず女の子と相手出来そうだけど、アドバイスある?」


球磨「あるクマ。とりあえずその女の子はどのタイプクマか?」


北上「うーんとねー…、積極的なキャラらしいよ」


球磨「積極的…、なるほど、コンボキャラクマね。とりあえず最初は様子見だクマ」


北上「最初くらいはねー」


球磨「相手があまりにも積極的なら3pを使うクマ」


北上「3Pぃいい!?」


球磨「いや、6pでも充分だけどクマ」


北上「充分どころか多いわ!?初めてなのに6Pに持ち込むとかどこのAVだよ!?」


球磨「はっはっは。何言ってんだクマ。まるで、クマがエロい事を言っているみたいじゃないかクマー」


北上「言ってるんだよど変態!!ちょっとそのゲーム機見せろ!」ぶんどりっ!?


球磨「な、何すんだクマぁあああ!?」



ドスッガスッ!K.O!!


北上「えっ…、格ゲー?」


球磨「北上ぃ!!お前の所為でクマの10連勝が消えただろうがクマー!」



ここで、北上は気づく。ギャルゲーと格ゲー。発音が似てるのでカン違いしていた事に…


北上「…//」ボンッ!


球磨「お前、滅茶苦茶顔が真っ赤だクマ」


北上「は、恥ずい…」


球磨「…はい?」


北上「恥ずかしぃいいいいいい!!?」ドタドタ!!バタンッ!?



北上は恥ずかしさのあまり部屋を飛び出してしまった。そして、その後明石のお店にゲームを返品しにいった。自分の恥ずかしさと、自分にはまだ早かったと悟り…


球磨「なんだったんだクマ…」


カン違いには気をつけなければ時には酷いことになるのを忘れないでほしい…






日常編:姉として



球磨型寮内…


ジャラジャラ…ジャラジャラ…


球磨「やっぱり身内で打つ麻雀は楽しいクマねー」


コツ…コツ…


北上「しかも実力もほとんど同じだからね〜、あっ、大井っちそれポン」


大井「これね!北上さん次はなにを捨てれば良いのかしら?!」


コツ…コツ…


多摩「これ大井、コンビ打ちは卑怯にゃ…」


ガシッ!!


多摩「にゃ!?」


球磨「多摩、お前こそギルのをやめるクマ…」ゴゴゴ…!


多摩「ば、ばれたにゃ…」すっ…


tip

ぎり(握り込み)

麻雀のイカサマ技、不要牌を1つ手に隠しておき、山からツモる際に不要牌を捨てつつ、必要な牌を2つ手に入れる技である


北上「多摩姉さんセコいわぁ…」


多摩「いや、北上も大概だからにゃ?ドラをすり替えるとか卑怯だにゃ!」


木曾(つ、着いていけねぇ…)


球磨「お、どうしたキソ?麻雀が分からないのかキソ?」


木曾「分かんねーよ、あとその語尾やめろ」


北上「いやぁ。昔の木曾だったら語尾にキソーを付けてた筈なんだけど、どこで教育をどこで間違ったかねぇ〜」


大井「本当よね。どこで不良になったのよ…」


木曾「不良じゃねぇよ!!俺のファッションだ!」


多摩「そのファッションはないにゃ」


球磨「ないクマね〜」


木曾「お前らの語尾の方がねぇよ!?」


球磨「あん?なんだコラ木曾、末妹の分際で姉ちゃんに意見すんのかクマ?」


木曾「姉だからなんだよ、関係ないだろ」


球磨「木曾が虐めるキソー…」シクシク…


多摩「球磨、しっかりするにゃ!」


北上「なーかしたなーかした!木曾がなーかしたー!」


大井「木曾あんたなに球磨姉さんをいじめてんのよ!?」


木曾「はぁ!?なんで俺が悪いみたいになってんだよ!つーか、お前ら球磨姉さんと仲が悪いんじゃねーのかよ!?」


大井「ええ、姉としてはゴミだけど、マスコットとして扱えば嫌いじゃないわ!」


球磨「大井が嫌いじゃないって言ってるクマー、嬉しいクマー」シクシク…


木曾「いやゴミ言われてんぞ…」


北上「あっ、水を差すようで悪いけどツモ。役牌中と發、混一色の親満!はいくまっち飛び〜」


球磨「クソ北上死ねクマ!」


木曾「うん。この口の悪さはゴミ扱いされても仕方ないな」


球磨「あーあー、もうやってらんねークマ。出掛けてくるクマ」ガチャ…バタン。





木曾「…なぁ。なんであんなのが長女として慕われているんだ?俺には未だに分からないんだが」


北上「んー?まぁ、木曾にはわからないだろうね〜」ニヤニヤ…


大井「そうね、末っ子だしあまり球磨姉さんと関わらないから尚更ね」


木曾「あれが姉っぽいことすんのか?」


多摩「するにゃするにゃ」


木曾「例えば?」


北上「例えば?私達の練度が低い頃はお世話になったんだよねー」


大井「旗艦なのに、庇ったりとかね」


木曾「それ、旗艦としてどうなんだ?」


大井「あまり良くないわよ。その代わり球磨姉さんが大破しない限り、他の皆は無傷で海域を進めたんだから」


木曾「無鉄砲だなおい…」


多摩「あと、大井と北上がヤバかった時は球磨が頑張ったにゃ!」


木曾「一体何をしたんだよ北上姉さん達は…」


北上「龍田の頭の輪っかをパクって大井っちとフリスビーの練習をしてたねー」


木曾「殺されるぞお前!?」


北上「あー。うん。大丈夫だったよ、現に生きてる」


大井「そうね、北上さん!あの時は球磨姉さんが私達にそうさせるように命令したって、言って庇って貰ったのよ」


木曾「で、その後球磨姉さんはどうなったんだよ…」


北上「頭を掴まれて、大破するまで壁に叩き付けられていたねー…」トオイメ…


多摩「あの時は凄い姉だと思ったにゃー」


木曾「ある意味凄いな」


北上「事あるごとにいつも言ってたんだよね、姉として当然だクマ!って」


大井「よく聞いたわね。姉として」


多摩「あの頃の球磨は苦労してたからにゃー、今は一段落ついたからあんな性格になったんだけどにゃ」


北上「一段落ついたの木曾が建造された後だし」


大井「今はゴミだけど、昔は結構お姉さんしてたのよね」


木曾「ふーん…、そういうものなのか(大井姉さんは相変わらずゴミって言ってるが)」




…ガチャ。



球磨「ただいまクマー」


木曾「早っ!?出掛けたんじゃないのかよ?」


球磨「いやいや、木曾が寂しそうな目で雀卓を見てたから球磨は仕方なく木曾の為に買い物に行ってやったんだクマ」


木曾「さ、寂しくしてねーよ」


球磨「ほれ、艦これドンジャラクマ」



tip

艦これドンジャラ


麻雀は無理!…といった人達向けのテーブルゲーム。主に駆逐艦sに人気である。一定の図柄を集め上がると点数が貰える


例、第六駆逐隊(暁・雷・電・響を一枚ずつ)ビッグセブン、西村艦隊!

などなど…


正直な話、役は異常に多いので適当にやっても案外勝てるらしい…



球磨「これなら麻雀分からん木曾でもできるクマー」


木曾「お、おう。サンキュ…」


球磨「姉として当然だクマー(ふふふ、馬鹿め!球磨の強さを見せてやるクマー)」




その後…




木曾「あっ、それアガリ」


球磨「クマッ!?」


木曾「金剛4姉妹、ビッグセブン、不幸姉妹、伊勢姉妹、ライバル、オール戦艦の16000点。球磨姉さんトビだぜ」


球磨「糞ゲーだクマぁあああああああ!!!」



多摩(これは酷いにゃ…)



球磨は本当に慕われているのかは分からないが、姉妹みんなに優しいのは分かった木曾であった…







蛇足編:黒騎士?


囘想。


キィイイイン!?


狭い廊下で刀がぶつかり合う音が響く…



うぐぐ…、この俺が刀の腕は上のはずだ!!


ギリギリギリギリ…


甘いっ!!刀の腕はこちらが上だぜ!!




ガキィインン!!?

俺が握っていた刀は相手に弾き飛ばされてしまった…



勝負あったな!!


ぐっ…まだだ!!!


囘想終わり。



???「敗北に次ぐ敗北…、全てはあいつが改になってから…」



囘想。


キィイン!?!?

たとえ改二にならなくても!!


敗北した俺はこの前と同じ様に相手に斬りかかっていった。今回は改になっているから、勝てると思ったのだろう


キンッ!?カキィイイン!!


おいおい…、改に成り立てだから逆に能力下がってんじゃねーのか!?


バシィイイ!?


ぐはっ!?

相手の逆刃が俺の肩に思いっきり入った…




やっぱ実力は、俺の方が上だな!



…糞が!!


囘想終わり。


改装ドッグ室前…


???「俺は奴に勝ちたい!あいつに勝利する日まで…このマントを外すことはない!!」


???「お困りの様ね!」


???「誰だ!?」


夕張「夕張です!ここで貴方にお勧めのアイテムを紹介しましょう!」


???「いきなりなんだ?」


夕張「この黒い仮面とローブを着けるとなんと…滅茶苦茶強くなれます!」


???「俺はもう改二だから要らねーよ」


夕張「改二だからって改に負けるケースもありますけど?」


???「…」


夕張「大丈夫です。これは本当に強くなれますよ!今の貴方なら!」


???「…少し借りる」


夕張「ええ、どうぞどうぞ!」



…………。



黒騎士「前が見づれぇ…」


夕張「仕方ないですよ!さぁ、私の実け…その力を試すのです!」


黒騎士「お、おう…」



夕張「さぁて、どうなることやら」





単冠湾中庭…


天龍「あ゛ー…怠ぃ…」


黒騎士「見つけたぞ!天龍!」


天龍「!?…だ、誰だお前!」


黒騎士「…?(そうか、俺は仮面を着けてたな)」


天龍「黒いローブに黒い仮面…(カッケー!!)」

…でも、なんだ。このドス黒い憎悪は…



黒騎士「覚悟!!」


キィイイイイン!?


天龍「いきなり刀を振りかぶってんじゃねぇよ!」


ガチィ!?


天龍「な、なんだこいつの刀の重さ…ぐっ…」バッ!


思わず後ろに跳びずさる天龍。あまりにも力の差があり過ぎて鍔迫り合うのは危険と判断したからだ


黒騎士「これが、俺の改二の力だ!!」


天龍「改二ぃ?そんな力任せに振った刀が改二の力なワケねーだろ!!」


黒騎士「黙れぇ!!」

怒りに任せ、その場で刀を振る黒騎士


ビュオオオオ!!?


吹き叫ぶ一瞬の風…



チッ…

天龍「なんだ?」


肌を袖で拭う天龍、袖には少量の血が滲んでいた。先ほどの風はかまいたちとなって天龍の頬を掠めていたのだ


天龍「おいおい…嘘だろ?」

さすがの天龍も汗を滲ませる…



黒騎士「こ、これが…改二の力?」

黒騎士もまさか天龍が傷つくとは思ってもなかったようで、動揺していた。


天龍「この俺に傷をいれる奴は久々だぜ!その仮面を剥いで正体を確かめてやるぜ!!」


黒騎士「今日こそ、俺はお前を倒すんだぁあああああ!!!」


そして、お互い刀を構え、走り出した。


天龍「うおおおおおおお!!!!」

黒騎士「うおおおおおおお!!!」


お互いが同じタイミングで刀を相手に向かって振りかぶった。


バギィイイインン!!?


黒騎士「なっ!?」


だが、黒騎士の剣先が折れてしまいさらに…


バカッ!?


黒騎士「ぐあっ!!?」


折れた剣先は黒騎士の仮面に向かって飛んでいってしまった。その仮面は剣先でヒビがはいり…


木曾「くっ……、仮面が…」


天龍「正体はやっぱりお前だったか…」


木曾「ば、馬鹿な…!」


バシッ!


木曾「痛っ!?」


天龍「馬鹿はお前だ!!なんだ、あの無茶な刀の振り方は?刀も痛むわ、隙は増えるわ…考えてやれよ!!」


木曾「す、すまん…、今日ならお前に刀の勝負に勝てると思ったんだ…、あと、そのローブと仮面を着けてたか知らねーけど、全身から力が湧いてきたような気がして…」


天龍「絶対それが原因だろ、誰から貰ったんだよそれ?」


木曾「えーと…、夕張から貰った」


天龍「あの野郎…」タッタッ…


木曾「あ、おい、天龍?」




………。




夕張の部屋。


ガシャアア!!?


夕張「!!?」


天龍「邪魔するぜー…」


夕張「ドアは切って開けるもんじゃないわよ!?」


天龍「あぁん?こうやってこられたら大体想像つくだろ?」


夕張「…あー。なんとなく」


天龍「あの仮面とローブはなんなんだよ?」


夕張「あ、あれはその、この前アニメを見てですね…」


バキィ!?


夕張「ひぃ!机が真っ二つに?!」


天龍「…おい、次は夕張の頭を斬るか?」


夕張「すいませんでした!!あの仮面とローブは嫉妬の力を身体能力に変化させる物だったんですよ!」


天龍「嫉妬…?…なるほどなぁ。だからあんなにおかしな力をしてたワケか…、おい夕張」


夕張「は、はい!」


天龍「今度おかしな物を作ってみろ…、本当におまえを斬るからな?」


夕張「わかりましたぁ!!」



天龍「じゃあな…」


スタスタ…



夕張「マジで寿命が縮んだわ…」





球磨型寮内…


木曾「どうしたら勝てんだろ…」


大井「珍しいわね、木曾が悩むなんて」


木曾「ん、あぁ…、聞いてくれよ。俺、どうしても刀の勝負で勝てないんだよ」


大井「誰によ?」


木曾「天龍だよ」


大井「刀で勝てないって?そりゃそうよ」


木曾「なんでだよ!」


大井「あんた改二でしょ、雷撃特化になってるし」


木曾「それは、そうだけどよ…」


大井「まぁ、1つの物事に対して熱心になるのは嫌いじゃないわよ」


木曾「大井姉さん…」


大井「うふふ、だから私も北上さんに熱心にアプローチ!北上さぁああああん!!今日は一緒にお風呂入りましょー!」



北上「…遠慮しとくよー」


大井「断る北上さんも良い!!」


北上(大井っちがキモい…)




木曾「大井姉さんに聞いてもらった俺が馬鹿だったわ…」





後日談?

結局、黒騎士衣装の仮面とローブは夕張が責任を持ってゴミとして処分したが、何故かローブだけはゴミの中に入っておらず、代わりに天龍がローブを着けるようになった。天龍本人は改二の時の為に作ったと言っているが、真相は定かではない…





日常編:外に出よう


冬というのは、嫌なものだにゃ。寒いから部屋から出たくないにゃ。…と思ってた時期も多摩にはあったにゃ。

だから、今回はあえて外に出てみようと思うにゃー、ま、1人じゃ行かないから…


朝10時、球磨型寮内


多摩「おーい!多摩と一緒に外に出るにゃ」


大井「…え、私?」


多摩「そうにゃ」


大井「いや、外は雪が降ってるんですけど」


多摩「冬だから仕方ないにゃ」


大井「嫌よ寒いし、行くなら球磨姉さんと行けば良いじゃない」チラッ…



球磨「はい死んだ!今、球磨は死んだクマー」ガクガク…


北上「うわー、くまっちがー、これは私も離れられないわー」ブルブル…




多摩「酷い棒読みだにゃ…」


大井「北上さんと球磨姉さんが出掛けたくないのはよく分かりました、が!なんで私をつれていくんですか?」


多摩「なんとなくにゃ」


大井「適当!?」




………。



外、軽巡寮裏庭にて…


多摩「おー、だいぶ育っているにゃー」


大井「さ、寒い…、いやマジでこれは寒い…」


多摩「いやぁ、今回の大根は楽しみだにゃ!おい、大井!雪を退けて草を毟るにゃ」


大井「こんな寒いのに!?やりたくないわよ!!」


多摩「姉に口答えすんにゃ!ほれ、軍手とバケツはここにあるにゃ」


大井「そういう問題じゃないわよ!!」


多摩「うっさいにゃ!この大根の世話をする奴が多摩と利根姉妹しか育てるのがいないからこんなことになってんだにゃあ!!」


大井「頼る相手が重巡!?」


多摩「いや、利根が自分から『儂も大根が食べたいのじゃー!のう、ちくまー』って言ってたにゃ」


大井「…通りでたまに筑摩さんを軽巡寮の裏庭で見ると思ったら…ん?」


多摩「どうしたにゃ?」


大井「ちょっと、利根さんを呼んでくるわ…」


数分後…



ガタガタ…

利根「ち、ちくまー!ちくまー!」


大井「うっさいですね!筑摩さんは遠征でいないでしょうが!」


多摩「で?なんで利根を連れて来たんだにゃ?」


大井「道連れ+おしおきかしらね」


利根「おしおき!?なんじゃ!儂はなんもしてないじゃろ!」


大井「なんもしてないのが問題なのよ!」


利根「なっ!?」


大井「利根さんが大根食べたいとか言ってたのに、一回も畑の手伝いしたことないでしょ!」


利根「なななな、なんのことじゃしぃ!?」


大井「どこかの駆逐艦みたいになってるわよ…」


利根「儂、たまに手伝っておるし!ちゃんとしとるし!」


大井「でも、一回も軽巡寮の裏庭で利根さんを見たことがありませんが?」


利根「た、たまたまじゃろ?」


大井「じゃあ遠征後に筑摩さんに聞いてみますねー」


利根「わわ!?や、やめるのじゃあ!?」


大井「手伝いしてないでしょ?」


利根「…はい」


大井「素直でよろしい、じゃ手伝ってくれますよね?」


利根「…はい」




多摩「じゃあ、草を毟るにゃー」


ぶちっ…ぶちっ…

ぶちっ…ぶちっ…

ぶちっ…ぶちっ…



利根「冷たっ!?手がぁー!?」


多摩「あれ?利根は軍手はどうしたのにゃ?」


利根「いきなり連れられたんじゃからあるわけないじゃろ!」


多摩「しょうがにゃいにゃー、ほら、軍手にゃ」


利根「た、多摩…ありがとうなのじゃ!」


ぶちっ…ぶちっ…

ぶちっ…ぶちっ…

ぶちっ…ぶちっ…



多摩「ま、こんなところかにゃ。利根ご苦労だったにゃー」


利根「つ、疲れたのじゃ…」




大井「ふぅ…、じゃあ私達もそろそろ部屋に帰りましょう」


多摩「え?なに言ってんだにゃ大井。まだ外で散歩してないにゃ!」


大井「馬鹿なの?!これ以上外にいたら凍え死ぬわよ!」


多摩「大丈夫だにゃ、艦娘はそんなヤワじゃないにゃ」


大井「大丈夫じゃないわよ!私は帰りますからね!」


多摩「」ショボーン…


大井「……くっ…、ああもう分かったわよ!1時間だけよ!!」


多摩「流石大井にゃー」


大井「人の苦労も知らないで…ぐぐ…」





外、遠海岸…


大井「寒い寒い寒い寒い寒い寒い寒い寒い寒い寒い!!!」


多摩「うっさいにゃ!!寒いと思うから寒い、暑いと思うから暑いんだにゃ!もっと熱くなれにゃ!!」


大井「どこの誰の言葉よ!?そんなんで変わるなら苦労しないわよ!」


多摩「ああ言えばこういう…、多摩は大井にはおおいに期待してたんだがにゃあ…」


大井「前から思ってたけど、私の名前をさりげなく弄るのやめません?」


多摩「大井って名前だから仕方ないにゃー」


大井「私も好きでこんな名前になった訳じゃないんですけどね」


多摩「でも、球磨や多摩よりましだにゃ」


大井「うっ、それは…、そうですけど」


多摩「名前を気にするより、今日のお昼を気にしろにゃ!」


大井「お昼?」


多摩「昼ごはんに一品増やす為に今からつぶ貝採りをするにゃ」


大井「はぁ?本気で言ってるの!?」


多摩「本気にゃ。はい、熊手とバケツ」


大井「なにが散歩よ…完全に作業じゃない…」


ガリガリ…


多摩「おっ!アサリにゃ!?」


大井「単冠湾でアサリなんて採れるのかしら…」


多摩「この物語はフィクションだからなんでもありだにゃ」


大井「いや。まぁ…、そうだけど…」


ガリガリ…


多摩「だいたい、今の世の中フィクションっぽいノンフィクションなんてザラだにゃ」


大井「え?なにいきなり、怖いんですけど」


多摩「当たり付き自販機で10回連続で当たったとか」


大井「あるわけないでしょ…え?あるの!?」


多摩「いや、多摩が体験した訳じゃないから知らんにゃ」


大井「なんじゃそりゃ」


ガリガリ…


多摩「あ、でも。中国では椅子が爆発するらしいにゃ」


大井「んな訳ないでしょ」


多摩「タバコが爆発したり」


大井「いやおかしいでしょ!?」


多摩「実話らしいにゃ」


大井「ありえないわ…」


ガリガリ…


多摩「ちなみに、本当は多摩が長女だからにゃ?」


大井「だと思ったわ。あんなクマが長女な訳ないと前々から思ってたのよねー」


多摩「嘘だから!逆になんでこの話を信じたにゃ!?嘘に決まってるにゃ!」


大井「えっ!?嘘なの?!うわ…、本気で信じたわよ…」


多摩「いや、普通に嘘だと否定すると思ったにゃ…」


ガリガリ…




多摩「ちょっと少ないけど、まぁいいにゃ。撤収するにゃー」


大井「手が冷たすぎて動かない…」ブルブル…


多摩「部屋までの辛抱だにゃ、どうせ手は泥だらけだしにゃ」


大井「うう、酷い朝だわ…」




午後0時、球磨型寮内…


多摩「ただいまにゃー」


北上「おっかえりー、なにそのバケツ?」


大井「アサリとつぶ貝ですよ、北上さん!」


北上「おっ、いいねー。ちょうど食べたいと思ってたんだー」


大井「本当!?良かったわ!全部北上さんにあげちゃうわ!」


多摩「こらこらこら!それは姉妹全員の物にゃ!」


北上「そうなの?じゃあみんなで分けないとねー」


大井「みんなに平等に分ける北上さん…やさしい…!」


多摩「いや、最初から言ってるからにゃ…」



こうして、多摩と大井の珍しい組み合わせの2人の活動は終わったんだにゃ。たまには外に出るのも悪くないにゃ。ほとんど私用だったけど…、まぁ。これはみんなの為にやった事だし、一石二鳥ってやつだにゃ!


今度は北上か木曾を誘ってやろうかにゃ…






球磨と猫と…おしまい


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