4月15日金曜日午後9時04分比企谷家八幡自室

ﾋﾟﾘﾘﾘﾘﾘ…ﾋﾟﾘﾘﾘﾘﾘ…

「は…『もしもしーせんぱいですかー？』…」

「！？……センパイ？チョットワカラナイデスー」←裏声

『あれー？小町ちゃん間違えたのかなぁー？すいませんでした間違えたみたいですー失礼しました』ｶﾞﾁｬ

「………………」

ﾓｼﾓｼｲﾛﾊｾﾝﾊﾟｲｰ?ｴｰ?ｺﾏﾁﾏﾁｶﾞｯﾃﾏｼﾀｶ?ｽｲﾏｾｰﾝﾓｳｲｯｶｲｵｸｯﾃﾐﾏｽﾈｰ!

「………………」

ﾋﾟﾘﾘﾘﾘﾘ…ﾋﾟﾘﾘﾘﾘﾘ…

「………………」

ﾋﾟﾘﾘﾘﾘﾘ…ﾋﾟﾘﾘﾘﾘﾘ…

「………………」

ﾋﾟﾘﾘﾘﾘﾘ…ﾋﾟﾘﾘﾘﾘﾘ…

「………………」

ﾋﾟﾘﾘﾘﾘﾘ…ﾋﾟﾘﾘﾘﾘﾘ…

「………ぜんっぜん諦めねぇじゃん…」

ｶﾞﾁｬ

「モシモシー？」←裏声

『あぁ！やっと出たぁ！！あれ？さっきの人っぽい？比企谷先輩のケータイですよね？』

「イエーチガイマスヨー」←裏声

『うーん…おかしいなぁ…むー…わかりました何度もすみませんでしたー失礼しますー』

「…………………」

ﾓｼﾓｼｲﾛﾊｾﾝﾊﾟｲｰ?ｴｰ?ﾄﾅﾘｶﾗﾁｬｸｼﾝｷｺｴﾃﾏｼﾀﾖｰ!

ﾊｲﾊｰｲ!

（あっ…しまった）

ｶﾞﾁｬ…ﾄﾞﾀﾄﾞﾀﾄﾞﾀ…ﾊﾞﾝｯ！！

「おにぃちゃん！いろは先輩から電話かかってたよね？」

「い…いやかかってないぞ…」

ﾋﾟﾘﾘﾘﾘﾘ…ﾋﾟﾘﾘﾘﾘﾘ…ﾋﾟﾘﾘﾘﾘﾘ…

「……………………………」

「……………………でて」

「いや…でも「良いから出て」…はい」

「もしもし…」

『もしもし…あ！せんぱいの声だ！ってか良くもやりましたね…！！』

「え…いやそのあれだ…今日からオフだから…俺完全にオフだし…」

『私傷つきました！本当に傷つきました！』

「いや…まで一色」

『な！の！で！明日朝10時に千葉駅まで来て下さい！！』

（あぁ…やっぱりだ最近コイツ関係の嫌な予感マジ当たるんだよなぁ…）

「…あぁ…すまん一色、明日は予定があってだな…亀仙人のじっちゃんに修行つけて貰うんだ…八幡ワクワクすっぞ」

『は？何言ってるのか分かんないですけど、小町ちゃんに聞いて明日も暇とリサーチ済です！この後に及んでまだ私を怒らせたいんですか？いい加減にして下さい！いい加減ウザいですよ！嫌いになりますよ！

』

「…ウザくて結構だし、嫌いになってくれて嬉しいわ。絶対行かねぇからな」ｲﾗｲﾗ…ｶﾞﾁｬ

「ふー…おいこm「おにぃちゃん…」ひゃい！！」

「おにぃちゃんなんで行かないの？」

「逆になんで行かなきゃなんねーんだよ…何あの態度すげぇ腹立ったんだけどってか小町いつもより機嫌悪すぎじゃね？さっきまでめっちゃ上機嫌だったじゃん…」

「誰のせいだと思ってんの？良いから早くかけ直して」

「嫌だっつてんだろ」

「良いから！」

「いい加減に…」

ﾋﾟﾘﾘﾘﾘﾘ…ﾋﾟﾘﾘﾘﾘﾘ…

「出て」

「はぁ？絶対やだ」

「今出なかったらこれから比企谷さんって呼ぶ間がらになるからむしろ今もなりそうな位怒ってるから」

「はぁ…横暴だ…」

ｶﾞﾁｬ

「もしもし…」

『も…もしもし…ﾋｸﾞｯ……ぜんぱぁい…あの…ﾋｸﾞｯ…ごめんなさい…その…』

「はぁ…10時に千葉駅な…」

『ﾋｸﾞｯ……ホ…ホントですか？嫌いに…なってないですか？ﾋｸﾞｯ…ｴｸﾞｯ』

「…はぁ…なって無いから…ちゃんと行くから泣くのやめろ」

『………………ほんとですか？ホ、ホントに？』

（…なんでマジで泣いてんだよ）

「おう分かったから…ちゃんと行くからじゃあまた明日な…おやすみ一色」

『あたしの事…きらいじゃないですか？』

「嫌いじゃないがあの言い方はムカツイたでも…その…なんだ…言い過ぎたわりぃ…」

『ごめん…なさい…絶対嫌いにならないで…そんなの耐えられ無いです…おやすみなさいｶﾞﾁｬ…ﾂｰﾂｰﾂｰ』

（さすがいろはす最後にあざと発言ぶっこんだな）

「はぁ…小町さん？俺にプライバシーとかそういう類のものって無いわけ？」

「あるわけ無いじゃん〜ごみぃちゃんだし！じゃ！明日楽しんで来てね〜」

さっきまでの激おこは何処へやら…

小町はそのまま自室に去っていった

人はコレを横暴と言う。

人はコレを圧政とも言う。

苛斂、抑圧、圧制、弾圧、制圧もこの言葉達も現在俺が比企谷家にて置かれてる立場とするとにはなるが近い…因みに最初のは「カレン」って読むぞ国語3位なめんな。

そしてコレは虐待ととっても良いのではないかと俺自身も思うわけだ。

「俺はっ…！外に出ずにぃ…！ゴロゴロしたかったんですうわぁぁあんんんん！！！」とあの人のように会見を催し情けなく叫んだとしても100%無実の俺はあの人と同じように俺は弾劾される。

これはでもこの家庭において仕方ないことなので割り切れる。

だがもう一つの俺の問題は最近の奉仕部だ

一色にやたら拉致られる様になってから由比ヶ浜と雪ノ下から強烈な罵詈雑言を突き立てられる頻度が凄い。

奉仕部に行く度に約一時間は俺に対する妄想で突然罵倒される始末だ。

やれ、一色を脅迫してるだのなんだの…

されてるのはこっちだっつーの

たまに机を蹴飛ばして帰りたくなるまである…まぁ…そんな事しないけど、正直あの2人といるのは最近苦痛だと感じる時がある、いや正直苦痛だ。

これは本音だ。

だから、今日の一色のあの電話越しのあの態度にあんなに腹を立ててしまったのかも知れないあれは言いすぎた。

たまに平塚先生が来て雪ノ下と由比ヶ浜を優しく「比企谷はそんな事しない」と諭してくれるがその後も平塚先生が帰るなり雪ノ下、由比ヶ浜からねっちねっちねっち…言葉による圧倒的暴力が発生するのだとくに酷いのは雪ノ下だが…晴れて総武高一年生になった小町もよく奉仕部に遊びに来るのだがたまに怒ってると思う。あいつ怒る時静かに怒るからな…このまま行けば小町の中の眠れる獅子が…くっ…頭がっ（厨二感）

閑話休題

今疑問に思ってることをまず考えよう。

明日が何を意味するのかも俺は知っている。

「なんで俺なんだ？」

と、月曜日渡すべきだと判断し、学校の鞄に突っ込んどいた綺麗な包装紙に包まれたプレゼントを取り出し、寝転びそれを眼前に見せ、目の前で1人キャッチボールよろしく投げては取り、投げては取りを繰り返し思考を巡らせた。

「考えるだけ無駄か…」

明日超熱が出ないかなぁなんて思いつつプレゼントを机に置き昨日から読みはじめた小説に手をつけた

手をつけた

手をつけた

手につかない

やっぱなんで俺なのん？

一色いろはとはあざとく誰にでも媚び、男を道具として見ていても可笑しくない様なあざとい系小悪魔女子…いや中身を知れば悪魔女子だ子なんて生半可なもんじゃい多分中身は俺同等もしくは俺以上に腐ってる（海老名さん的にではなく）

それでもその美貌と洗練された自分がどうすれば可愛く人に映るかという計算され尽くしたポーズによりバカな男子共を魅了している。まさに引く手あまたの筈だ

なにより葉山はどうしたのあの子？

今週一週間を今日は金曜日ということも有るので思い返す

月曜日は奉仕部で小説を読んでいると突然一色が襲来して「本物」とボソッと脅迫され生徒会の手伝いをさせられた挙句、「暗いので送ってください」と家まで送らされた

火曜日は奉仕部で小説を読んでいると突然一色が襲来して「責任」とボソッと脅迫され部活が終わると買い物に付き合わされた挙句昨日とおんなじ理由で家まで送らされた

水曜日は学校終わりは特に無かったが…登校したら自転車置き場にいて明日弁当を作ってくるから味見しろと言われた。丁重にお断りして逃げた。

木曜日は弁当のことを忘れて購買に寄ってベストプレイスに向う途中昼休み突然校内呼び出しと言う恐ろしい技で一色は俺を生徒会室に呼び出し弁当を食わされ放課後はサイゼに行って勉強を見させられた。そして月、火曜日と同じ理由で家まで送らされた

弁当は普通に美味かった

今日は今日で昼休み突然教室に襲来し大きな声で俺を呼び出し「せんぱーい！一緒にごばんたべましょー！」等とのたうち、返事も聞かずに俺の腕をガッチリ掴みそのまま生徒会室に連行し、またもや弁当を作ってきてくれて食べされられた。うまかったな…あれ…

そしてその昼の顛末を見ていた由比ヶ浜に放課後、奉仕部部室で由比ノ下小町（長いから纏めてみたよ）にそれはもう尋問された。

尋問中我慢できずトイレに行きマッ缶買って帰ってくると雪ノ下と由比ヶ浜は何も言わ無くなってた

ラッキー次からコレで逃げよう名づけて「時間が解決」ってそのまますぎんだろ…久々に奉仕部にいて心が安らいだ

小町はなにやら困った顔の様な顔をしてたが、まぁ女の子なので色々あるだろうからと無視して小説に目を落としたがさっきまでとは違いあの2人にはその後も一切尋問はしてこなかった。

部活終わり由比ヶ浜と雪ノ下と小町は話があると3人だけで去っていった。

小町に誕生日のプレゼント相談しようと思ってたのに…

めっちゃバブられてんじゃん…

なんで3と1になるんだよ…ドンマイ俺‥

まぁぶっちゃけ誘われても今日はいけないし、あんな中に行く気にもなれないので、自転車置き場に行くと一色が人の自転車に跨り送れ送れとぶーぶー行ってきたが「用事があるから無理」と言ったが尚も言うことを聞かないので自転車貸すから帰れと帰らせて…一色への誕生日プレゼントを買いに行って帰ってきた

で、今日の夜はこれである

なんなんだよこれは…一色DAYSなんて曲が俺の一週間オリコンチャートで1位じゃねぇか…

「お…俺のこと…す…好きなのか？」

いや…無いな。

便利な道具程度のもんだろう

最近の俺の気持ちも考えてみたら正直帰れなくなるのは癪だが…最近の奉仕部より一色と居る空間の方が居心地が良いぶっちゃけ昼飯はあんな呼び出しを食らったせいでムカツイたにしろ、「おいしいですか？」と聞かれて「うまい」と言うと満面の素の笑顔で喜んでくれたのは正直…グッと来た。

一色も一色で何故か未だに一日一回は振ってくるし、何かニヤニヤしたりすると「気持ち悪いです」だの言ってくるが俺が何かしたりなにか言ったりした時だから別にイライラもしない。雪ノ下と由比ヶ浜は勝手に想像して攻撃してくるからイライラするのだ

「うーん…一色かぁ…」

ふと時計を見るともう12時をとっくに過ぎていた。

なんであのバカ後輩のせいでこんな悩まにゃならんのだと諦めに似た気持ちで目を閉じた

『絶対嫌いにならないで…そんなの耐えられ無いです…』

その言葉が妙に俺の頭にこびりついた

――――――――――

4月15日金曜日午後9時11分一色家いろは自室

やった！やった！脅迫…違う無理矢理では有るけどデートに誘えた！しかも自分の誕生日に！！舞い上がる私に先輩が突きつけてきた言葉はこれだ

「ウザくて結構だ。嫌ってくれて嬉しい。絶対に行かない」

といつもより冷たい声で言われ「ごめんなさい！」言おうとした瞬間電話を切られ、ﾂｰﾂｰっとなっていた時世界の終わりすら感じた。

刀でザクッザクッザクッっと3回切られたかのように

「ウザくて結構」　ザクッ！！

「嫌われて嬉しい」　ズシャアッ！！

「絶対に行かない」　バシュッ！！

とにかく謝らなきゃと他に何も考えられずリダイアルしようとしたら戸部先輩から電話がかかってきた

「はい」

『もしもーしいろはすー明日いろはすー誕生日じゃんー？んでなんつーの？隼人君も呼ぶしさー？皆で誕生日会やんねーかなー？ってサッカー部で話になったんよーんで…』

「ごめんなさい。予定があります」

ブチッと電話を切り先輩に電話をかけ直した

すると涙が止まらなくなり必死で我慢して謝ったそこからはあんまり覚えてない。

ただ明日は先輩とデートが出来ることとなにやらクッソ恥ずかしい事を呟いて焦って切った気がした

先輩への電話を切った後ベットにうつ伏せになり枕に顔面をへばりつけバタ足の練習をしてると戸部先輩からまた掛かってきた

…しまった。めっちゃ失礼な切り方したじゃん…とビビリながら電話に出た

『ないわーいろはすーまじないわーいろはすーあんさーさっきのは流石の俺でもないわー』

「すいません。ばたついてて」

『あーそなん？後いろはす超声怖かったでしょー！忙しかった関係なしにあーゆうのはでも良くないべ？みんなも集まってくれようとしてんだしーんで、明日は行けないのなー？』

（真勝手なサプライズである。気持ちは嬉しいけど…）

「ごめんなさい…あ、は…はい。あの…か…彼氏とデートですので…」

『えー！？いろはすに彼氏なんかいたん！？まじかー！んならしゃーねーべ！ってか隼人君はどしたん？』

（やっべ…嘘ついちゃった）

「あぁ…全然好きじゃ無かったっぽいです…」

『まぁなんとなく分かってたってか…分かんねーけど良かったなーいろはすー幸せになー誕生日おめでとーまたなー』

やっちまった。

今日の私はいつもより攻撃的な気がする

奉仕部でも先輩がいない隙に実はかなりやらかしている…

思い出すと「やばい」しか思いつかないくらいやばい

とにかく明日褒めてもらえるように全力でオシャレをしようと私は服を漁り始めたのだった。

「全力で比企谷八幡の彼女になる」

昨日までも全力だったけど今日からの私はもっと全力だ。

そう宣戦布告したんだから

――――――――

4月15日放課後奉仕部部室〜サイゼリア内

小町は全員の味方でありたい

でも今は小町はいろは先輩を応援しようと決めた

分かりやすくおにいちゃん事を好きな奉仕部の2人だけど何かに怯えたように二人共一歩踏み出さない

1人は自分の気持ちに分かってなくて

1人はただ怯えてる。

多分それで間違いない

その癖ここ最近いろは先輩とばっかりいるのはしっかりご不満のようでお兄ちゃんを罵ったりしている

そんな2人を見て小町はずるいと思った。

お兄ちゃんも悪くないしいろは先輩だって悪くない、嫌ならもっと方法は有るはずなのにただネチネチと言ってるだけ

強烈な罵詈雑言を本人がいない所で陰口の様に言ったり、本人にも思いっきり投げつけてる特にここ一週間は酷い。　

「ヒッキーキモいよマジでいろはちゃんが襲われたらどうしよう」

「一色さんが脅迫されてる」

はっきり言ってムカツク。

照れ隠しや嫉妬の度を超えてると思う。

冗談でも笑えない。お兄ちゃんは絶対そんなことしない

お兄ちゃんは大事な家族で捻くれてても兄より優しい人を見たことは無いと小町は思う。

そんな優しい兄を何故ここまで言えるのか？単純に調子乗ってるとしか思えないお兄ちゃんは何も言わないけど多分相当キてる。

小町も言えないのも良くないかも知れないけど、本人が耐えてるのに小町が怒ってしまうのはあんまり良くない気もする奉仕部はあの3人で奉仕部なんだから。

そんな今日の部活中いろは先輩は突然嵐の様に現れた

おにいちゃんがいないのを確認すると

「私は比企谷先輩が好きです！心から大好きです！お二人には負けませんから！渡しませんから！今日はお二人に宣戦布告に来ました！なにか言いたいことありますか？」

雪乃さんも結衣さんも固まってモジモジと何も言えなかった。

それを見て

「なにも無いなら戻りますでわ！！」

と大きな声で高らかに宣言し帰っていったわずか30秒にも足らない出来事だった

でも小町は気づいてた。

いろは先輩の足はガタガタと震えてたことに

そんな必死の宣戦布告を見て小町は感動した

廊下に飛び出しいろは先輩の後ろ姿を呼び止め聞いた

「おにいちゃんの事すきですか？」と

「大好きだよ。全部愛してる」と即答で言ってのけ綺麗な笑顔を見せ足早に去っていった

格好いいと本気で思った。

お兄ちゃんはトイレから帰ってきて不穏な空気を察知したようで2人を無言で見つめたあと小町をジーッと見てきたがあんなのお兄ちゃんには言えないので曖昧に目を逸らした。

部活が終わり

小町はあの2人と話があるとおにいちゃんを1人で帰らせたなにやら「ララポでその…贈り物っつうか…買い物が…」とかブツブツ言ってたが無視した

そして3人でほぼ無言でサイゼに向かい

ドリンクバーを注文して2人に単刀直入に聞いた

「おにいちゃんの事すきですか？」

――――――――

4月15日金曜日午後19時37分雪ノ下マンションリビング

自分がどれだけズルい人間なのかと言う自己嫌悪に駆られた。

『本物が欲しい』と言った彼に私はそんなのわからないと逃げ出した

そしてそれから分かろうとした

あれだけ必死で伝えてくれた彼に私が出来たのは

今の所何一つ無かった

小町さんのあの質問にもまだわからない感情を言い訳にしてまた彼を罵り好きになるはずが無いと嘘をついた

なぜ嘘なの？

「好きになるはずがない」はどうして嘘になるの？

それが分からなかった

小町さんは「帰る。付き合ってらんない」と私達にドリンクバーのお金は机にドンと置いて帰っていった

私達はそうやって彼女が作り出した重々しい空間に取り残された

姉に言われた「お人形さん」が頭をグルグルかき乱す

自分の感情が分からない。

今日は由比ヶ浜さんが家に泊まりに来た

あの後で1人になりたく無かったんだろう

私も同じで有るように

そして彼女はその事が無かったかの様に明るく家で振舞っているそれが唯一の心の支えになっている

明るく接する彼女が今は私を私でいさしてくれているようだった。

それを嬉しく受け止めた

こんな欺瞞に満ち溢れた嘘に近い逃げが

彼は一番嫌いだとわかっているのに

―――――――――

4月15日午後8時18分雪ノ下家浴場

だれが何と言おうと私はヒッキーが好きだ

それなのにあの時のいろはちゃんの言葉に小町ちゃんの言葉に何も言えなかった

本心の気持ちを小町ちゃんにも言うことは出来なかった

小町ちゃんはそんな私達を見かねたのか怒って帰ってしまった。

小町ちゃんが帰った後私は1人になりたくなくてゆきのんの家に泊まることになった

そこで明るく振る舞いながらお風呂を貸してもらい1人で考える。

恥ずかしいから？怖いから？

今あるものを壊すのが嫌だから？

いろはちゃんも小町ちゃんもは分かってない

私達がどれだけ苦しんで今が有るのかを

分からないからあんな事言えるんだ

きっとあの子達はバカなんだ

そんな気持ちが押し寄せては本能で違うとその意見を押し曲げるいろはちゃんも小町ちゃんはバカなんかじゃない。

私がバカだ。

多分いろはちゃんは分かってる

だから今日来てあぁやって言ってきたんだ。

何もかもぶち壊してでもヒッキーを手に入れるそういう事なんだ

小町ちゃんもそれが分かってたんだこのままじゃ奉仕部はいけないと

じゃあそれを分かった今なら

あの時の小町ちゃんの質問に答えれると思った「好きだと」

多分答えられない。

私は答えられないと思う。

いろはちゃんの真っ直ぐな眼差しの前でその戦場に上がる勇気は多分無かった

自分の心すら伝えられない

今もいろはちゃんがこうやって問題を定義してくれた…くれたのに何も無かったかの様に振る舞う

ダメだと分かってるのに止まれない。

ゆきのんが話のキッカケをくれないかと待ってる…違う、逃げてる

身体を洗いお風呂からでてゆきのんに「ありがとう」と感謝を良い少し冷静になる

私はヒッキーを好きってこんなのでホントに言えるのかな？

「ねぇ…ゆきのん」

私はゆきのんに問う

「これからどうなるのかな…？」

――――――――

4月15日午後18時32分帰宅途中

あの2人をサイゼに置き去りにして小町は家に帰ってた。

信号でケータイを少し見るといろは先輩からメールが来てた

from一色先輩

title今日はいきなりごめんね！

本文

いきなり押しかけてごめんね！

あのー後申し訳ついでになっちゃうんだけど先輩の番号教えてください(｀；ω；´)

私いつも聞こう聞こうとしても勇気がなくて…明日先輩とどうしても一緒にいたいんですどうかお願いします(*∩ω∩)

ふーん…でも今の小町はいろは先輩には何も感じて無いけど少し気分が悪い

『好きだよ。全部愛してる』

んー…あの言葉が頭をリフレインする。

取り敢えず電話していいか聞くといろは先輩が掛けると伝えてきて今大丈夫がどうかのやり取りの後電話が掛かってきた

『も…もしもし小町ちゃん？』

多分家にいるのであろうあの時より低く落ち着いた声が聞こえた。

「そうですよー小町です！どうしましたか？」

『えぇーとあのね…どうしても先輩と明日一緒にいたいんだ！…それで…あの…』

「うーん…差し支えなければ理由とか言ってくれると嬉しいんですけど…」

『あぁ！あの…あのですね…その…』

ごにょごにょと言い出すいろは先輩

ちょっと恋するオトメ感は小町的にポイント高いけど…さっさの事で不機嫌な小町としては言ってくれないと話が前に進まないのでもやもやする

「はぁ…小町も忙しいんですよ…あのーいろは先輩言ってくれないと流石にお兄ちゃんのプライバシーも有るので教えられないですよ！」

少し語尾は荒ぶった

いろは先輩は悪くないのに…申し訳ないと思いつつも感情と言葉はストップが効かなかった。

『あぁ！あのごめん！ちゃんと言うから！あの…あたしその…明日誕生日で…放課後先輩に伝えようとしたけどあしらわれて…その…何と言うか先輩は誕生日なんて忘れてそうだけど明日は絶対一緒にいたいんです！！』

わーお！わーお！わお！わお！わーお！

さっきまでのイライラが全部綺麗に吹っ飛んだよ！

そして帰り際お兄ちゃんがららぽで買い物がどうとか言ってたのも繋がった！

どーした！？お兄ちゃん！小町的に超ポイント激高だよ！

「そんな事なら！任せて下さいよ！無理矢理にでもお兄ちゃんを行かせますよ！説得も任せて下さいよ！後でメールでお兄ちゃんのアドレスも番号も送りますね！明日ですよね！任せて下さい！」

『ままままま！まって小町ちゃん！』

「へ？どうしましたか？」

『自分で言いたい。ちゃんと自分で言って誘いたいだから小町ちゃんは教えたくれるだけで大丈夫なの！で、お兄ちゃん…じゃない！先輩が暇になったタイミングだけ教えて欲しいんだぁ…迷惑とかかかると嫌だから…』

「なるほどです！じゃあ電話番号送るので自室に篭りだしたら今大丈夫ってメール送りますね！多分8時半を過ぎたら大体篭るので」

『あー！凄い助かる！ありがとね！小町ちゃんじゃあね！』

あー！こんなに思って貰えるなんてお兄ちゃんは幸せモノですなー！あ！いろはさんに小町から一つプレゼントをあげよっと！

「待って下さい！いろは先輩！多分…多分ですけどお兄ちゃんいろは先輩の誕生日忘れてませんよ！楽しみにしてて下さい！でわでわ！」

『え！？どー言う意味！？』

と聞こえてきた所で電話を切った。

さ！仕方無いから今日は唐揚げ小町スペシャル☆でもお兄ちゃんに作ってあげようかな！

さっきまでの重いテンションはどこえやら私は気分良く帰宅するのだった

―――――――――

4月16日土曜日午前9時22分千葉駅

「せんぱい！早くないですか？」

「は？なんでもういるの？」

こうして4月16日という長い一日が始まった。

　　　　　　　　　　　to be continued