2016-02-03 16:46:02 更新

概要

ついに第二話投下します

とある場所とある所で比企谷八幡は考える

4月16日について彼は悩む


前書き

今回は助走なんですよ

三段跳びで言う助走です

一番面白くないところですがここがないと次に進まないから書かざるを得ない感じで…

つーかデータ吹っ飛んだのでこれ書き直しなんですよ…急いで書いたので誤字脱字、気に入らない所は修正していきます。

新しくないですか?『進化するSS』ですよ!

なんでも言ったもん勝ちですね

んじゃ本編どーぞ♪



4月17日日曜日午前2時47分都内某所










「勇気はあるか?」










昔読んだ小説の書き出しだ


たしか軟禁され、椅子に手足を繋がれた主人公の男が目の前に知らない男が現れていきなり言われたのだ



そんな主人公はそんな男に向かって「実家に置いてきました」と即答するお話だ。





「きっついな」



深夜も深夜であるこんな時間に何言ってるんだろう?なんて俺は一息ため息を吐き出す…だが俺も多分実家に置いてきた、そして今俺は比企谷家にはいない…



あの主人公は『置いてきた』が俺は多分『忘れてきた』に近い。




何と言うか昨日と言うか今日と言うか今というかこれからと言うか…一日を振り返ればあの映画風に言えば



「ヘヴィな一日だぜ」



とマイケル.J.フォックス扮するマーティーマクフライならこう言うだろう



今の俺ならなんて言うかなこれ…



「ヘヴィな一日だぜ(まだまだ継続中)」



こんな感じか…ってよりヘヴィじゃねぇか

ってか言ってること何も変わってねぇよ…




さっきまで電源を落としていたケータイに目が言ったので電源を入れてみる



着信52件


新着メール22件…



なんだよ俺人気者過ぎんだろ…



「んんっ…」



ベットに寝る彼女が寝息を漏らす



ほんとマジ何が起きたらこうなるのか…



ちょっと一日振り返ってみるか…



何度振り返っても嫌になる…



それでも頭をフル回転させて今日一日を一個一個確実に全力で思い出そう。

色々考えなきゃなんねーんだ…



そんな4月16日から4月17日の俺だ。





――――――――――


4月16日土曜日午前9時22分千葉駅前待ち合わせ場所(八幡回想)






フザケナイデ!!!アナタガワタシノナニヲシッテルノ!!

ソンナコトワカルワケナイジャン!!!






「せんぱい!早くないですか?」





「は?なんでもういるの?」




…後ろからいつもと寸分変わらぬ猫なで声で俺は一色いろはに言われた


…そんな俺はと言うと千葉駅のタクシー乗り場の方から姿こそ見えないが女の子二人?の大声の喧嘩の声が気になってずっとそちらを見ていた。




「いやーお待たせするのも…アレかなぁとか思ったりして…ってかこっち向いてくれないんですか?」




「あーわるい…向こうでけん…」



…白の春らしい薄手のカーディガンに

薄い水色のスカート、黒に蝶々が散りばめられたニーハイ、赤いパンプスに身を包んだ一色に目をやって思わず…見惚れた



「すげーかわいい…」



…いや…ほんと思わずボソリと呟いちまったんだよ…恥ずかしいけどぶっちゃけホントに可愛かった。



「え…」



「…あっ…悪い。忘れてくれ」




「いや…めちゃくちゃ嬉しいです…その…ありがとうございます?」




「あ…やっべ」



「え?どうしましたか?」



「いや…こっちの話だ。で、どこ行く?家?それか家か?それとも帰るか?そうか帰ろう。寝てないんだ俺…」




…そうそう…買った誕生日プレゼントを思いっきり家に忘れたんだよ俺。それを思い出して…家に取りに行きたくなったから必死で一度家に寄ろうとしたんだった…




「家か帰宅しか選択肢が無いじゃないですか…ってゆーか先輩も寝れないこととか有るんですね!」




「近い…近い…ってお前…凄い隈だぞ…お前も寝てないのか?…大丈夫か?帰るか?俺んちで寝るか?」



「なっ…なななな!せんぱい!まさか…くd「口説いてねーよ」なんですかもぅ!最後まで言わせて下さい!ってか帰る帰るうるさいです!カエルみたいな目のくせに!」プンプン




「いや…帰る気ねーよ、蛙とか言うなよ…泣いちゃうぞ?俺…冗談だ八幡ジョーク。誕生日おめでとな…一色」ナデナデ



…小町を宥める要領で一色の頭をポンポンと撫でていた。あまりの無意識で俺自身が全くなにをしてるのか気づかなかったが撫で心地は最高だったとここでは言っておく



「あ…ありがとです…覚えててくれたんですね」ナデナデ



「おう…それでどっか行きたいところあんの?」ナデナデ



「い…いえ…特には」ナデナデ



「そうか…ってかあー後、俺のチャリ貸したままだけどどうすんの?」ナデナデ



「あ…乗ってきましたよ…」ナデナデ



…時計を見ると確か9時31分だったんだよ「く・さ・い」に見えたから覚えてただけだけど…

それでチャリでシューマッハならぬチャリマッハならプレゼント取りに行って10時には戻ってこれるんじゃね?と思ったんだ、だから一度取りに帰って10時に間に合わそうとしたんだ




「良し…そこのおさーれ(笑)なカフェで待っててくれすぐ戻るからちょっとチャリ貸せあっ…」ナデナ…



…ここでやっと頭を撫で続けてた事に気づく駅前の往来で一色の頭を撫ててるのに気づいたんだよ…いや、一色のやつ顔真っ赤にしてたし怒ってるんだと思ってな…アレは焦ったな…うん。



…確か脅迫のネタを手に入れられたとヤバいと思い、土下座を辞さない覚悟で謝ったのは覚えてる




「一色…すまん…あれだ…その…違うんだこれは…あれなんだ!」



…俺はあたふたと必死で言い訳をしてたら

彼女はニコリと笑顔を見せ、自らの人差し指を「えいっ♪」っと俺の唇に押し当ててきた



「せんぱい、どうせせんぱいの事だから脅迫…いやお手伝いの理由にでもされると思ったんでしょうけど大丈夫です。その…嬉しかったですし…幸せです…」



…今思い出して見たら思いっきり脅迫って言ったじゃん…

隠しきれてねーよ…その悪意有る策略…

それよりこの人差し指にこんなセリフと共に上目使いの3コンボ…こんなの俺じゃなかったら100%落ちてるぜ?実際半落ちしたんだけど…心の中では『一生俺の味噌汁つくっ…』までは行ってた



「一つだけ…良いですか?」



「なんでしょう!?」



「その…今日は下の名前で呼んで下さい」



「断る」



「んなっ!?何でですか!勢いで呼べば…ってせんぱい!顔真っ赤ですよ!」



「うっせ…じゃあ…いろは…す?」



「あー!惜しい!惜しいです!す?ってなんで疑問っぽいんですか!もう!ドーンと来て下さいよ!い・ろ・は!です!はい!!」



「どーんってなんだよ…ヴォルビック」



「もー!」


…胸をポカポカとすこし目を潤ませながら叩いてくる一色、可愛かったな…あざとさは小町も変わらないが質がやっぱりちょっと違う



「まぁ…先輩が唐変木なのは今に始まったことじゃ無いので諦めますか…あと!カフェで1人はやですー!あーでも少し行きたいので一緒に行きましょう!」




「は?お手?」



「なんでそうなるんですか…繋ぎましょうよ」



「なんで?」



「なんでって…その…繋ぎたいから?です…」



…いきなり手を目の前にヌクッと出してきやがったわけだそれにしても小さな手だったな…コイツ



「お断りします」



「んな!何でなんですか!こんな可愛い後輩と彼氏気分で手を繋げるんですよ!」



「なんですか口説いてるんですか?ごめんなさいあざと過ぎて無理です」



「ちょちょ!真似しないでくださいよ!はぁ…あぁ…いきなり先輩に駅前の人いっぱいの中で頭を撫でられたって雪ノ下先輩に言いたくなってきたなぁ…」



「結局脅迫してんじゃねぇか…はぁ…分かったから行くぞクリスタルガイザー」



手を握った時可愛らしい手は仄かに湿ってたが温かくて正直恋人とかってこんな感じなのかと一色には見せられないけど

多分ニヤついてたと思う。






―――――――――――


4月17日日曜日午前3時14分都内某所





ok.ここまではなんの問題も無い寧ろ途中まではなんの問題も無かったんだよ


強いて言えば俺が家にプレゼントを忘れてきたと言うミス以外は何一つ問題無かった筈だ。


無責任で心に何かを思うこともないそんな時間だったな…純粋に一色をからかう事も、手を繋ぐことも無責任に出来た。


形もない何かに心を捕らわれる事なんて無かったからな。




――――――――――


4月16日午前9時37分千葉駅周辺某喫茶店

(八幡回想)




「せんぱい!チョコクロ食べましょ!チョコクロ!」



「は?なにそれ…おぉ…これか…美味そうだな」



「ですです!これちょー!美味しいですよ!あーでもエッグベネディクトも美味しいんですよねーハムハムもおすすめです!」



「でた(笑)エッグベネディクトお前みたいなのが好きそうだな…」



「なんか悪意有る言い方ですけど…まぁ良いです!せんぱいはチョコクロ食べて下さいね!おすすめですから!私はせんぱいが言うエッグベネディクトにします!」



「そーか…コーヒーでいいか?席とっといてくれ」



「え?でも私も払いますよ?」



「アホか…誕生日に金は流石の俺でも出させねーよ」



「うぅ…やっぱあざといです‥じゃ…じゃあ席取っときますね!」





…この時はたしか…やっぱ一色は素の笑顔が可愛いと思ったんだよな…


ニコニコしながら選んでる彼女を見て確かそんな事思ったのは覚えてる


会計とコーヒーを待ってる間に小町にメールをしたんだっけか?『机の上に一色に渡すプレゼントがあるから起きたらすぐ持ってきてくれ。何でも言うこと聞くからたのむ』


…たしかこんな感じだった。

まぁ小町は基本こんな時間寝てやがるので起きたらすぐと伝えといたんだよ


これがあーなるとはなぁ…ふえぇ言葉って責任を感じるよね!くそっ!!



「せんぱーーい!こっちですよー!」



「うるせーよ…お前…目立っちゃうだろうが」



「何気にしてるんですか…せんぱいなんて私以外見てませんよ…誰も」



「バッカお前。ちょっとひそひそ話するぞ耳貸せ」



「え?コソコソ話って言いません?」



「どっちでも良いだろーが…見てみろそこの男の大学生みたいなのの集まり…なんで俺みたいなのとお前みたいに可愛いのが一緒にいるんだみたいな話をしてるだろ?こっちを話してはチラチラ見てきてる…それに…あっちの…うわぁ…」



「可愛いって!もー!せんぱい言い過ぎですよ!ん?どうしたんですか?固まってますけ…ど…」



‥そうだ…ここであの魔王がニコニコと手を振ってたんだ。



「あれー?比企谷君といろはちゃんじゃーん!ひゃっはろー」



「は…陽さん先輩やっはろーです…」



「あっこんな休日から授業ですか?頑張って下さい。お帰りはアチラですよ?」



「あーん釣れないなぁー比企谷君はー今日はなに?デート?ガハマちゃんと雪乃ちゃんほっぽり出して浮気とはやりますなぁちょっとおねぇさん怒ったぞ比企谷君はー」



「今あいつら関係ないでしょ」



「ふーん…随分と尖った口調だね比企谷君」



…最近の奉仕部の事もありアイツらの名前にイライラしてしまった俺は多分凄くキツイ口調で言ってしまった



「ほんと放っといて貰えますかね?」



「ふーん…じゃあいろはちゃん!一緒していい?」



…俺が思うことがあると分かったんだろう

面白いことを知りたい悪魔は一色が断れるタイプじゃ無いと分かってターゲットを一色に絞ったんだろうな…今思い出してみるとそれで納得がいくな…



「あぁ…あの「断ってくれこの人と話したくない」…あの…す…すみません」



「今いろはちゃんに聞いたんだけど?」



「そうですね。なら俺が帰りますどーぞお二人で」



…俺は自分のトレーを持って帰ろうとした

あの時は本気で帰ろうと思ったんだ



「ま…待ってくださいよ!」



「ふーん…なんか悪いことしちゃったかなーじゃあ一緒するのは諦めることにするよ…おねーさんショックだわオヨヨヨ…」



「すいませんね、生意気な事言ってほんと今日は見逃して下さい」



「ふーん…分かったでも逃げても君の言う本物なんて手に入るのかなぁ…」



この言葉に腹を立てたのは覚えてる



「別にあんたから逃げた所で関係ないでしょあんたは俺の保護者かよ」



「今日はヤケに噛みつくね比企谷君。まぁ正論だけど…でも少し口の聞き方に気をつけなさい」


…あのニコニコとした外骨格を外し真剣な顔をしたあの人は本当に怖かったなぁ…

ほんとなんであんな言っちまったんだよ俺…


そうして彼女はもう一度分厚い仮面をつけニコリと笑うと去っていった




「すまん…一色誕生日なのに」



「い…いえ…でもせんぱいらしくなかったですなにかあったんですか?」



「まぁ色々とな…俺にも思うことはあるんだよ…」



「まぁ粗方見当はつきますけど…あの2人ですか?」



「……………………………なぁ…一色お前に少し話していいか?少しお前にも関わるんだ」


‥ここで俺はここ最近の事を一色に全部話したんだ。


最近、雪ノ下と由比ヶ浜に一色を脅迫してるだのなんだのあらぬ疑いをかけて罵ってくること


それが一日一時間以上に及ぶこと

それで奉仕部に居るのが正直苦痛だと思ってること



「せんぱい…ごめんなさい私のせいでそんな事になってたなんて…」



「ちげーよバカ…俺は一色を悪いなんて思ってない。なぁ…少しだけ本音を言っていいか?気持ち悪いかも知れないけど…」



「まぁ…はいどーぞ…」



「その俺もこういうの言うの恥ずかしいんだが…一色に無理矢理だが連れてかれて何かする空間は…何と言うか居心地が良いんだよ…んで俺もだな…一色に逃げてるんじゃねーかとか思ったんだが…それなら俺は奉仕部に行かないだろうし…多分逃げて無いんだ…その…わかんねーけどただあそこにもう俺にはあの場所は今苦痛なんだよ…」



「でも私もそういう事言っちゃいますよ?振ったり目が腐ってるって言ったり」



「なんつーか一色のはよ…俺がなんがしたりで言ってくるだろ?なんか別に気になんねーんだよ、んでだあいつらのは違うんだ勝手に雪ノ下が妄想してそれに由比ヶ浜が乗っかって攻撃してくるんだよ。ほら、雪ノ下って口が達者で毒舌だろ?だから言い返してもその3倍で降りかかってくるんだよ…」



「そうですか…先輩…なら一個質問良いですか?」



「なんだよ」



「その…私は迷惑でしたか?」



「いや…まぁ帰りたい時も有ったし校内放送で呼び出された時はマジかよって思ったけど俺はお前といる空間は嫌いじゃない…と思ってる」



「私といるのは……好きですか?」



「あぁ…そうだな寧ろ楽しんでるな…俺」



「そうですか…じゃあ私が…あの…わ…私が!!」



「ん?うっせーな…声のトーンおとせ!なんだよ?」








「私が先輩の居場所になってあげます」








…時間が止まったわあん時は…

いや何時もの冗談ぽい感じなら「はいはいあざといあざとい」言えたんだけどあんな真面目な顔されてらたなぁ…



「なっ…え…?」



「だから!私がなってあげますよ!学校でも私生活でもいつでもせんぱいの居場所になってあげます」



「は?」



「奉仕部居心地悪いんですよね?」



「まぁ…そうだな…」



「私がいつだって側にいて居場所になってあげますよ。その…なんて言うかでも条件があります」



「ん?条件?」



「せんぱいが私を完全な居場所にしたいのなら奉仕部でちゃんとそれを2人に説明して下さい!そしたら、私はいつだってせんぱいの居場所になってあげます。あ、ちなみにこの気持ちに恋愛感情は関係なしです。絶対そこだけは勘違いしないで下さい、でもその無い訳じゃ…あぁ!!でもまぁそんな感じです!」



「はぁ…?ふーん…まぁありがと?」



「良いことおしえてあげます!せんぱい」



「なんだよ?今日どうしたお前…」



「私はせんぱいを信用してます、雪ノ下先輩より由比ヶ浜先輩より平塚先生も葉山先輩も戸部先輩より誰より先輩を一番信用してます」



「いつの間に俺はお前に全幅の信頼を寄せられたの?ビックリしたんだけど…」



「聞きたいですか?」



「うーん恥ずかしいからいいや…」



「そですか!残念です!でもこうやって話してくれたのは嬉しかったです!せんぱいってそう言うの言わないタイプじゃないですか?」



「まぁ…確かにな…うわぁ…その理論だと一色が信用おける相手なの…俺…」



「なんで…ここまで言って分かってくれないかなぁ…この人は…ってか!もー!なんですか!その言い方!」



「そのまんまの意味だろ…………サンキューな一色」



「えへへ…はい!んじゃお茶も飲めたので行きましょっか!美味しかったですか?チョコクロ!」



「おう…新たな新発見だったわ、サンキュー…な」



「はい!」



「んじゃどっか行くか」






――――――――――

4月17日日曜日午前3時47分都内某所



ふえぇ…思い出しちまった


雪ノ下さんに喧嘩売っちまったんだ…


やべーよ…まじこえぇ…




そして一色の言った言葉だ


「居場所になってあげます」


正直嬉しかった。

ただそれはあの2人に対して奉仕部に対して俺は逃げてるだけなんじゃ無いかと


ただ一色はこうも言った「2人にちゃんと説明しろ」


これに関してコイツが何を考えて言ったのかはわからないがさっき考えた逃げは無くなり消える。


ちゃんと説明…


つまりもし俺が一色に居場所を求めたとするなら


「奉仕部に俺の居場所は無い。俺は一色といたい」


これか?


なにか違う…絶対にこんなのはおかしいんだ


なにより一色いろはは俺の唯一の…認めよう大事な後輩だ


あざとく狡賢くそれでいてたまにポンコツだが無理矢理で負けず嫌いで一生懸命な可愛い後輩だ



そして女だ。



その考えが甘いのか?

一色に対しての認識を間違えてるのか?



今日はつかれた…明日考え…



ダメだ




出来る限り俺は考えなければならない

『今日のあの時』みたいにあけすけで無責任な言葉ではダメなんだ。




わかんねぇよ…今日は一度寝よう…明日考えてみるとするか…





やっぱりダメだ





明日とか明後日じゃダメなんだ

大事なのは今でこの思考が迷路のように待ってくる今しか無いんだ…


なにかヒントが有るはずなんだ今日一日に何かヒントが必ずある。


思いだせ。


何でも良いから些細なことも全部思いだせ



――――――――――――



4月16日午前10時07分千葉駅周辺

(八幡回想)






「なんかどっか行きたい所あんのか?んでなんでナチュラルに手を繋いでんの?」



「あー特に行きたい所は無いです…ね…」



「おう。無視とはやるな…んなら少し本屋に寄っていいか?そっちの道の済に有るんだ」



「あー…あそこおっきい本屋さんですよね…い…きましょ…」



と、言ったところで一色はフラリと倒れかけた幸い手を繋いでいたので瞬時に支えれたので地面にコケることは無かった


「おい!?一色!大丈夫か?」



「あー…あははごめんなさい実は一睡もしてなくて…」



「…ダメだな今日はお前家で休め…な?明日でも来週でも付き合ってやるから」



「いやです…少し休めば治りますから!」



「いや…でもなぁ…流石に俺でも気が引けるぞ今、お前顔真っ青だぞ…」



「私それでも帰りたくないです…もし帰るなら私ここでずっと座り込みますから!」



「…ったく何なんだおい…なんかねぇかな…休む…所だろ…」



「ごめんなさい。わがまま言っちゃいましたやっぱり帰りましょうか…」



「まん喫…お前行ったことあるか?」



「え?でももう…」



「漫画喫茶だ。漫画が沢山有ってドリンクバーがあってな、ソフトクリームも食えるんだぜ?休憩したら元気になんだろ?行くか?帰りたくないんだろ?」



「あぁ…行ったこと無いです!そんなに楽に出来ますか?」



「おう。フラットシートって言ってな寝転べるスペースも有るからな」



「じゃあそこ行ってみたいです」



「良し、ゆっくり行こうな…次コケられたら困るし」



と仕方なくフラフラと覚束ない一色の肩を支えて歩き出した



…そう…こんな会話だった

ラブホやら風俗っぽいのが沢山有る中にある漫画喫茶に向かったんだ。



「せんぱい…まさか私の体調を悪いことに…ホ…ホテルに連れ込むおつもりですか!?」



「アホか…こっちなんだよ…駅の近くにも有るんだがそこドリンクバーは有るけどソフトクリーム無いんだよ…しかもそっちのが高いしそっちは臭いんだなんか…」



「納得はできましたけど…臭いって逆に気になりますね…あっ!ホテルいきます?」



「帰るぞ…お前」



「わーわー!冗談ですよ!オススメの漫画とかおしえてくださいね!」



「まぁ…てきとーになほら着いたぞここの4階だ」



…エレベーターで4階に上がって店員に会員カードを一色のを作られせて部屋を俺は別々にしようとしたが、アイツが一緒がいい!とかギャーギャーわめいたから仕方なくペアのフラットルームに行ったんだ、


飲み物と漫画取りに行く時もぴょこぴょこ後ろを着いて来てたな…何と言うかカリメロのオープニング思い出したわ


知ってる?カリメロのオープニングすげぇ可愛いんだぜ?


なんかあのカリメロが後ろに着いてきてる感じだった



「せんぱい…ありがとうございます、いつもわがままばっかりでごめんなさい」



「はぁ…?なに?一色が謝るとか気持ち悪いんだけど…俺は俺で楽しんでるから気にすんな。ソフトクリーム食ったら少し寝とけ、俺はなんか楽しめそうな所探しといてやるから…」



「気持ち悪いって…素直に謝ってるのに…楽しみにしてますからね…」



…一色はすやすやと寝だしたからブランケットを掛けてやったんだ

そこでPCが立ち上がるまでの間に俺はオニオンスープを取ってきて部屋に戻ると


こちらにブランケットの縁から小さな足の裏を見せてすーすーと寝息を立ててたんだ。


俺はその足の裏に少し欲情したんだ

女の子と個室に2人きりなんて小町以外なら初めてで「おれ?アレ足の裏フェチなんて凄い属性の持ち主だったの?」って位その足の裏を凝視してた。


触りたくなってしまったがそこは理性の化物たるところ…グッと堪えてPCで良さそうな所を探して適当にチェックしてたら俺も睡魔に襲われてそこで意識を失った。









ピピピピピッ!!ピピピピピッ!!




…ケータイのアラームで予め寝る直前に2時間後にセットしていたアラームが鳴ると俺は顔にかかる温かい風と手に伝わる温かさを感じた。


目を開けると手は重なり合いその手の分だけの距離で一色の顔があった…少し動かせば当たるこの距離


どちらからとも無く目を開けて2人の目が合った



「せんぱい…」


プクリとピンク色に可愛らしい唇が少し動き俺を呼ぶ



「一色…」



…心臓がドキドキどこじゃなかった、ドクドクどころじゃなかったズキズキと音を立てた



ピピピピピ…ピピピピピ…ピピピッ…


アラームが止めること無く都合よく止まる。


何秒…何十秒…何分と経っていた気がするお互いにお互いの目が離せなくなる。



「せんぱい…今雰囲気に流されそうですか?」


女の色香とはコレだろう目をトロりとさせた目で俺を見つめていた



「ヤバい…理性が崩れそうだ」



「私もです…でも…見つめるのがやめられないです…」



「おう…わかってるそれは俺もなんだ、これ以上刺激しないでくれ」



「…ふふっ…せんぱいはせんぱいだなぁ…私こんなにドキドキしてるの初めてです」



…俺もだってのこんなにひとりの女に欲情したのは初めてだった。


こんな経験なかったからな



「俺もだよ…」



「私このままだとせんぱいにファーストキス奪われますね…」



その言葉で一気に冷静になれた

そこは俺の心に『欲望』では無い何かが

心を覆い尽くした


この気持ちはなんなんだろうとあの時の俺は必死で考えたけど、あの時の俺には分からなかった。


「ふぅ…冷静になれた…良し、そろそろ出るか?元気になったか?」



「…………せんぱいは…私じゃダメですかね?」



「ちげーよ、伝えられないけどそうじゃない。なんなら今さっきまで一色が相手ならって本気で思ってた、でも…ダメだ雰囲気に流されてなんてダメだ」



「せんぱいの彼女になる人は大変そうですね…でも私の初めてを大事に扱ってくれて…ありがとうございます」



…そういってアイツは俺の頬にキスをして来た柔らかい感触だった。

さっきまでのドロドロとした気持ちじゃなくて温かくなる様な気持ちになれた。



「おまっ!…あのなぁ…」



「せーんぱい♪やっぱりせんぱいは私の思った通り信用できる人でした!それが嬉しいのでこれはお礼ですよ!」



ニコりと笑う彼女にまた心を奪われかけた。


そしてすっかり元気になった一色と俺は漫画喫茶を後にした


ケータイを見ると小町からメールが入ってたので「取り敢えず飯食ってくるから昔家族で行った千葉駅の近くのイタメシ屋にいるから頼む」と歩きながらメールを返信した



―――――――――


4月17日日曜日午前4時27分都内某所




ふぅ…今俺はバタ足の練習がしたい。


切実に…。


ここが家なら枕に顔を預けて奇声を上げるまである…


あの時の俺の心を包み込むんだあの気持ちはなんだったんだ…


その直前までは全部欲望のおもむくままにしそうになっていた


一色が初めてと言った瞬間に

心が本当に包み込まれたんだ…知らない感情に決して嫌なものじゃなかった


温かくて俺から出るものとは思えなかった


大事にしたい気持ち


言葉にすると簡単だ…

でもそんな簡単なモノじゃない

合っているけど違う。


もっと簡単な言葉で括れる気もしたあの感情は…きっと…


それはもう自分でもわかってるのかもしれない。


分かってるのにそれからまだ逃げようとしてる自分が情けない…




―――――――――


4月16日金曜日午前11時12分千葉駅前










「ごめんね…ゆきのん。きつい言葉を言っちゃって」



「えぇ…その…わたしの方こそごめんなさい…」



私達は喧嘩をした。

初めて喧嘩をした。



街の真ん中で周りの人の目も気にせず

大声で


お互いに分かりあいたくて

それを分かって欲しくて…


そんな気持ちをお互いに言い合い


それが分かった瞬間嬉しかった



「私の本音ってほんと情けないものだったのね…」


とゆきのんは言った


「私もだよ…ほんとに大きな声を出してごめんねゆきのん…ほっぺた痛くない?」



「えぇ…由比ヶ浜さんこそお互い朝も早くから何をしてるのかしらね」




「あはは…そだね!」



そしてまた笑顔が戻った


それからダラダラとお互いどういう気持ちを持っているか駅前のオープンカフェで本音で話し合ったそれはお互いヒッキーへの気持ちだった



「アレ〜結衣じゃん!なにしてんー?」



道行く雑踏の中に聞き覚えのある声が聞こえた



「あぁ!戸部っち!やっはろー!」



「あら?戸部くんこんにちわ」



その明るい声も普段ゆきのんとわたしの2人なら煩わしくも感じる時も有るけど

喧嘩して仲直りした私達には気にならなかった




「ってか!マジっべーわ!やべーでしょー!」




「え!?どしたの?とべっち!」



「いやーなんつーかなー?言っていいのかなー?まさかヒキタニ君がなぁ…」



突然戸部っちからヒッキーの名前が出て来たことにビックリした



「え?ヒッキーがどうかしたの?」



「いやーなんつーの…いやぁ色々っつーの?」



「…いろはちゃん?」



思わず声に出てしまったその名前


言うんじゃなかったと後悔するのはすぐ分かった。



「えーなになに?結衣知ってたん?あんさー今日いろはす誕生日じゃん?んでさー…」



「そう言えば一色さんがそんな事を言ってたわね」



「あぁ!そうだったんだ!」



「んで、昨日誕生日会を皆でやろーって事になったんよーサッカー部でー」



嫌な予感がするそれでも戸部っちは続ける



「そしたらいろはすが彼氏とデートだって言うから結局今日の誕生日会は流れたんよ!んでさっき!そこら辺でいろはすとヒキタニ君がいてよー声掛けようとしたけどいきなりヒキタニ君がいろはすを抱きしめててさーマジフリーズしたわー」



「んで、そのままなんか抱きしめあって喋っててそのままあっちのラブホに肩抱き合ってむかってんたんだわー超ラブラブでさー羨ましかったわー」





私達の心がパリンと割れる音がした。





―――――――――――



後書き

次回予告 4月16日part2

「なんで…なんで私の大事な気持ちを…あなたが言うんですか…?」





ふーなんとか形にはしましたが…やっぱ前のほうが良かったなぁこれ…

「今の所いろはすルートじゃねぇか!!」

えぇわかります!言いたいことは私も分かりますとも!


つーかメモアプリを恨むぞあたしは…
因みに足の裏フェチはウチの猫のこはるの肉球をなでなでしてる時に思いつきました

多分次はコレを修正しつつ一週間後にはなんとか…ってかんじです!

またコメントとかお待ちしてます!

ではまた次回お会いしましょー!


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2016-02-03 22:22:25

SS好きの名無しさんから
2016-02-03 21:14:28

このSSへのコメント

11件コメントされています

1: SS好きの名無しさん 2016-02-03 21:48:46 ID: 1__r-ARz

八色になるとは限りませんよ…
↑これ気になってるんですが、まさかいろはが不幸になるってことは
ないですよねえ?
予告もなんか不穏だし…

#1#2と一気に読めて長さを感じない面白さ、流石ですね。
続きが楽しみです。

2: SS好きの名無しさん 2016-02-03 23:07:32 ID: 89sKoQSR

期待

3: SS好きの名無しさん 2016-02-04 01:01:19 ID: E6AkpebI

米1に禿同。
自分も全く同じ感想です。
いろはす……。

お話はすごく良いと思います!
全ての作品読ませていただいております。
これからも頑張ってください。

4: SS好きの名無しさん 2016-02-04 02:18:20 ID: 1XPh9u9K

むしろ、いろは√でおねがいしたいですよ!!!
次も楽しみにしてまーす

5: イトマルきゅう 2016-02-04 02:43:00 ID: 1TXs5Gn5

これからの展開が本当に気になります!

6: たまご 2016-02-04 10:24:09 ID: jLC934C0

>>1さんコメントありがとです♪
タイトル!
いろはすが宣戦布告してたら可愛いなぁってあたしは思ったんですけどねー(ノ∀`)
>>3さんへコメントありがとです!
なるほどなるほどですね!全作品!はわわっ!頑張りますのでよろしくです( •ω•ฅ).。.:*♡

>>4さんへコメントありがとです!いろは√!まぁまぁ!長い目で見てあげてくださいな!



私もですねやっぱりいろはすが好きなんですよねーあざとくて可愛らしくて

一つだけ言えるのは誰か悪者にしなければならないんですよ。お話を作る上でそういう役回りを作らないとただただハートウォーミングな話になっていきます。

それが好きなんですけど今回の宣戦布告はドロドロです。そして宣戦布告というタイトルはこの物語の一番大きな伏線?となりうる存在かも知れないです。

実はコレ最終話だけは90%は完成してましてその内容が期待に添えるように私もがんばりますね!

7: たまご 2016-02-04 10:27:23 ID: jLC934C0

>>2さんへコメントありがとです!
期待に添えるように頑張りますのでよろしくです!


>>イトマルきゅうさんへ
コメントいつもありがとです(*˘︶˘*).。.:*
期待に添えられるかなー!期待しててもらえると光栄です!

8: SS好きの名無しさん 2016-02-04 11:01:55 ID: XcO7hU6D

八色は僕の大好物なんで、いろは√だと期待して読んでます‼

9: SS好きの名無しさん 2016-02-04 22:32:04 ID: W1DR8L0g

ちょうどよい長さ
かなりいい 期待

10: たまご 2016-02-05 01:26:00 ID: 0k2gfQa7

>>8さんへコメントありがとです!
さぁ…どうなることやら!いろはす頑張って!とあたしも思ってます!



>>9さんへ
コメントありがとです♪
長さは出来る限り長くしないようにしてます!気づいてくれてうれしいですよ!

たまご的に超ポイント高い!
これも30000字有ったんですよねぇ!それを分割して今の長さに整えました!

だって30000字とか言われると「うへぇー」ってなるじゃないですか?

そう言っていただけるのは嬉しいですよ!

11: SS好きの名無しさん 2016-02-20 00:58:43 ID: G89U8B6y

これって自分だけなんでしょうか?
戸部にイラっとしてしまいました。
確かに戸部の言ってることは誇張されてるわけでもないし、八幡といろはの行動は誤解されても仕方ないかもしれないですが、戸部がそれをポロっと漏らしてしまう所に「それってどうなの?」と思いました。
つまりは、原作の戸部のキャラとの乖離を感じてしまいました。私の戸部に対する印象が他の方とは違うだけかもしれませんが...とにかく戸部、お前この野郎{(-_-)}
と言いつつもとても楽しく読ませてもらっています!批判コメントのようになってしまいすいません。。。


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