リヴァペトss
注意点だけ(^-^)/
*リヴァペトです
*年齢制限はないけどなんか変なのが苦手な方注意
*楽しんでねー
ペトラの足はまだ治るようには思えなかった。壁外調査の時に痛めてしまった。
ちゃぷん、、、カラカラ
氷水につけている足をゆっくり動かした。ハンジがこれなら治るよと言っていたのを思い出しやってみた。見上げると昔、友人と趣味で作った枠が木でできている時計が見えた。その友人はとっくのとうにこの世から旅立っていた。
「2時か…あと1時間で会議ね…」
手の届くところに置いてある小さい机に手を伸ばし手帳を広げた。先ほどつぶやいた通りの時間だった。ペトラはやることがなくとても暇だったから足を氷水から抜き包帯と白い布を出した。パカリ、と箱を開けると消毒の匂いがした。白い布を水に浸し足にかけその上から包帯を巻く。ブーツを履き終えるとペトラは顔をしかめた。
「うわーやっぱり目立つ。」
ブーツの上からでも包帯を巻いているのがわかるように膨らんでしまう。
(もうちょっと小さく…)
ペトラはブーツの上から膨らみを押した
「うっ!!」
ズキっと痛みが伝染する。ブーツの膨らみを諦めて団長の部屋へ歩き出した。朝部屋へ行った時はたくさんの書類があったはず。もうその書類は全てサインし終えているはずだ。
ゴンゴンゴン
重い木でできているようなドアをノックした。
「入りたまえ。」
ガチャ
「エルヴィン団長…」
「おお、ペトラか…どうだ?足の調子は?」
「団長、そんなことお気になさらないでください。なんともないですよ。」
「あの時リヴァイがいなかったらどうなってたか…あ、それよりもハンジとミケにこの書類を渡したいのだが。」
「あ、私持っていきますね。何かあるか聞こうかと思ってきていたので…」
リヴァイの話が出た時心臓がドキッと唸った。
「12メートル級接近。捕獲作戦実行します!」
ペトラは大声を出して班のみんなに伝えた。すると前方を走っていたリヴァイが
「エルド!オルオ!お前らは俺と奴を捕獲しろ。グンタ!お前は右翼側にこのことを伝えろ、ペトラは左翼だっ!」
「はい、わかりました!」
全員が声をそろえて返事をした。
すると巨人はなぜかペトラの方に向かってくる。ペトラは大きく目を見開いた。
「なんで…私のとこへ…奇行種?」
左翼に行こうとするペトラを巨人が追いかけてきた。
「も、もっと速く走らないと…
あああっ!!」
馬を加速すると同時にペトラの体は宙に浮いた。腕がガッチリ捕まれ、立体起動に移れない。
「ペトラァっ!」
(へーちょー?無理ですよもう…これで終わりだ…)
動けないペトラは目を固くつぶった。するとペトラを握る巨人の手がちぎれ巨人は転んだ。落下する手とともに落ちて行く。すると巨人の指が千切りにされてペトラはふわっと誰かに背中を支えられた。鼻に巨人の血のような匂いとともにいい匂いがした。
「へーちょー…」
地上に降りるとともに両足をリヴァイが持ち上げた。お姫様抱っこのような形で地上に降りた。降りるとともにペトラを下ろすと
「速く自分の馬に戻れ。」
と言った。
(私迷惑でしたよね…)
心の中で暗くなっているとハンジのやったぁぁぁぁぁ!というやけに明るい言葉が聞こえてきた。作戦が成功したことを示した。
(良かった…)
ペトラはふらっと座ってしまった。あ、と気づき立ち上がろうとするとズキっと足に痛みが走った。
「ペトラぁー?どーしたのー?」
ハンジが駆け足で近づく。その後からリヴァイが来た。
「なんか、足をひねってしまったみたいで…気にしないでください、大丈夫です。あっ、ちょっと…えっ」
笑顔で答えるペトラをリヴァイが背負った。
「な、なにするんですかぁ?」
「お前の馬まで運んでいく。いいな?」
リヴァイの無表情な顔からはなにも読み取れない。ペトラは額をリヴァイの頭の上に乗せた。リヴァイが動揺したのがわかった。
「あの…」
「なんだ?」
「助けていただいてありがとうございます。」
「当然だ。」
仲間を助けるのが当然、というリヴァイにペトラは少しだけ赤くなった。空はペトラと同じくらい薄い桃色だった。
「あとは…ハンジさんの部屋だけ…」
たくさんの書類の山を持ちながら角を曲がった。すると ばったりリヴァイに会ってしまった。
「あ、兵長。こんにちは。これからどうするんですか?」
リヴァイはペトラに気づくと足をちらっと見た。
「足の様子は?」
「だいぶ良くなりました。これからハンジさんに書類を渡しに行くんです。では、」
通り過ぎようとするペトラをリヴァイが引き止めた。
「足の様子、俺に見せろ。あとでお前の部屋にいくらな。」
「わ、わかりました!」
赤くなった顔を見えないようにペトラは小走りをした。
(兵長のことはとても尊敬してるっていうことで…す、好きじゃないんだよね…)
今のペトラは自分がどんな気持ちなのかがいまいち、よくわかっていなかった。ハンジの部屋に行くと案の定、ハンジは寝ていた。
「分隊長?入りますよ…」
大きな机の上に書類をばさっと置いた。そばにかけてある毛布を取りハンジにかけた。
自分の部屋に近づくにつれ先ほどのことを思い出し顔が赤くなっていった。部屋のドアを開けると先にリヴァイがついていて白いベッドカバーのうえに座っていた。
「兵長。早いですね。」
「そうか?ブーツを脱いでこっちに足もってこい。」
「あ、はい。」
ブーツを脱ぐ際に包帯が引っかかり顔をしかめた。包帯や布をとると思った以上に膨れているな、と感じる。びっこひきながらリヴァイの方へ足を出す。念入りに足を見ているリヴァイをペトラは見つめ言った。
「そ、そこまで悪化してませんよね?」
「そうか?」
リヴァイはちらっとペトラを見たが素早く目をそらした。
布を二重にして巻くとうえから優しく包帯で包んだ。
「ありがとうございます。」
ペトラが笑うとリヴァイはスタスタと部屋から出てしまった。
3週間後にはできのいいほど足が治った。
「シガンシナの部分を絶対に奪還したいな…」
今度の壁外調査の計画を話している時だった。ペトラは地図を見ながら案を発表した。
「ここを回避するといいと思うんですが…」
「俺も同じことを考えていた。どうだ?ハンジ。お前の感は結構当たるからな…」
「うん、いいと思うよ。でも、ここの左翼側の方も考えてね…」
この真面目でピリピリしている空気も好きだったが真面目な時のハンジやリヴァイの横顔が何よりも好きだった。夕方、夜食を済ませるとリヴァイに呼ばれ部屋へ向かった。
「今度の壁外調査には出るな。」
「え、、、なんで、、、」
部屋で向き合って話している時だ。
どきり、とした。そう言われるかもしれないという確信があった。でもそんなんじゃ調査兵団の意味が…
「前回のようにお前に怪我をしてもらっては困る。」
「で、でも…!それなら補給班に入ってもいいですか?」
「だめだ。」
「自分の健康、いや、生きるか死ぬかなんてちゃんと管理できます!」
「それじゃ、なんであの時立体起動で飛ばなかった?」
「そ、それは…」
「俺はお前のために言っている。次の次はいいとしよう。」
「いいえ、戦えます。私は兵士です。」
「だがな…」
「わたし、それほど信用されてなかったんですか?」
「口を閉じろ。言い過ぎだ。」
「そ、それじゃぁ、私に納得いくように貴方が説明して閉じさせてくださいよ!」
今まで我慢してきたことが一気に溢れ出てきそうだった。自分に抑制がかからないまま喋ってしまう。
「私、壁外調査に行かないで調査兵団のリヴァイ班にいるっていう意味ないじゃないで…んっ」
一瞬何が起きたのかわからなかった。目をつぶったままリヴァイに何でもかんでも叫んでいたペトラは薄眼を開けた。ものすごく近くにリヴァイの顔があった。唇に暖かく湿ったものが押し当てられる。
(え…何これ…こ、これって…
私初めてなのに…!)
口が溶けてしまいそうなキスをリヴァイは繰り返してくる。
「ん…はぁっ」
ペトラはコツをつかんできた自分を恐ろしく思った。しかし終わらせ方がわからなかった。今度はリヴァイがペトラの首筋までにもキスを始めたのでペトラは自分が危ないと思いリヴァイから離れた。
「はぁはぁはぁ」
息遣いが荒く何も言葉が見つからない。
「何するんですか…こんな方法で黙らせてくださいなど言っていません」
「そうか?俺はこの方法で黙らせてくださいっと聞こえたが…本当は望んでたんじゃないか?」
ペトラはギクッとなった。
「違います。」
静かにペトラは切り出した。ゆっくり顔を上げながら
「よ、予想外でし…た…」
と、言った。その途端にリヴァイがペトラを抱き寄せた。
「っ…」
「壁外調査に出たいのなら死なないと約束しろ。お前が内地にいるのなら俺は帰って来る理由があると思って死なないと感じたからあんなことを言った…すまない…」
ペトラはリヴァイの思いを初めて知り嬉しくて涙が出てきた。
「兵……長……」
リヴァイが顔を傾けた。ペトラも今度こそちゃんと自分の素直な気持ちで臨めると思った。ゆっくりと目を閉じる。顔を傾け口をわずかに開く。リヴァイの大きな手がペトラの頭にまわった。
「っっ……んん…」
歯と歯の隙間から舌が入りペトラの口の中を暴れる。
「はぁはぁはぁ」
「はじめてだよな?」
「へ?」
リヴァイがペトラの片手を抑え右手でワイシャツのボタンを開き白い胸に手を伸ばし包み込むように触る。
「ふぁぁっ/////」
ペトラは自分の出た声に驚いた。急いでパッと口をふさぐとリヴァイがその手をどけた。
「そーゆう声もじゅうぶん聞きたいんだが…」
リヴァイがペトラの胸をゆっくり触りながらペトラの唇に唇を密着させた。
ハンジは廊下を歩きミケの部屋へ行く途中だった。あるドアの前で足を止めた。「はぁ、はぁ、はぁっ」部屋の中から変な声がする。ハンジは部屋のドアをうっすら開けた。部屋の中の光景を見るとハンジはニヤニヤしてしまった。
(リヴァイもリヴァイだな…ペトラがんばれぇっ)
静かに戸を閉めるとスキップしながらミケの部屋のドアを開けた。
ピヨピヨピヨ
朝陽が窓から注ぎペトラは薄眼を開けた。
(ゆめ……か……
ん?えええっ!)
ガバリと起き上がろうとするが上に誰かが乗っかり起き上がれない。体の皮膚全体に誰かを感じている…?
ペトラは自分が裸なのに気づいた。
「あ…」
昨日の夜のことを思い出す。
(私ったらなんてことを…)
「ペトラ……起きたのか?」
「あっ!兵長!す、す、すみません!こんな格好で!すぐ出るのであ、あの私が着替えるまで目つぶっててもらっていいですか?」
「ああ、いいけど…」
ペトラは赤くなった顔を隠すようにシャツを着た。
「ねえ、ペトラ。」
「ハ、ハンジさん!どうしたんですかぁ?」
昨日のことがばれたのではないかと思い声が裏返った。
「昨日の夜部屋にいた?」
ペトラはばれた、と思った。
「えっと…部屋に来たんですか?多分私はトイレに……」
「正直に言えばいいのにさ。別にダメだって言ってないでしょ?」
「はい…わ、私初めてだったんです…」
「そうか……そうだよね…」
「ハンジさんは…」
この時こんなことを聞いて失礼かと思ったが聞いてみた。
「処女…なんですか?」
「ふふふ、秘密だよ…」
「はぁ……私ったらなんて事を…」
夜、自分のベッドにボフッと仰向けに倒れた。
「ううぅ…」
手を動かし布団をかけ顔を枕に押し付ける。
(兵長に会わせる顔が…なんであの日の前に明日会う約束をしちゃったんだろう。)
ゆっくり瞼を閉じる。瞼の裏側に昨日の出来事が思い出される。
「あぁぁぁぁ…」
明日になって欲しくない、と思った。その時ドアが開いた。誰かがペトラの上にのしかかる。
(……!?!?)
枕に押し当てた顔を上げる。するとお酒の匂いがした。それとともにツルツルの頬をペトラの頬に当てて
「ペトラ…」
と呟く。口からはブドウのワインの匂いがした。
「へ、兵長!?」
ペトラは必死に押しのけようとリヴァイの肩をつかんだ。
「なにしてんですか?自分の部屋に戻ってください。」
しかしリヴァイはベロベロに酔っていた。
「やだ…帰らない…俺はペトラとヤる」
「……!なに言ってんですかぁ!
明日は休みですけど色々やることがあるんです…っん」
「…っ//// や、やめてください!」
「ペトラ……グゥグゥグゥ」
リヴァイはペトラの開きかけたワイシャツの上でねた。ペトラはリヴァイの手を自分の第四ボタンからずらした。布団をかけ直すと何事もなかったように眠りたかった。
(ね、ねむれないよ…)
狭いベッドだから後ろの背中にリヴァイの存在を強く感じた。シャツを通りこして熱が伝わってくる。リヴァイの手がピクリと動く。それだけでペトラの体はビクンっと動いた。
「おいペトラ!ペトラ!」
「へ……?」
日がよく降り注ぐ部屋の長テーブルでリヴァイ班の今後の動きを会議していた。ペトラはあまりにも暖かかった部屋で睡魔と戦い等々負けてしまった。そして今目の前にムスッとしたリヴァイの顔が見える。
「あ、、、え、えっと私はその…長いまばたきを…」
「言い訳はいい。他の奴らも見ろ。
みんな眠れなかったようだな…」
オルオはコクッコクッとなり机に顔をぶつけ呻いていた。エルドは腕組みをして動かなくなっていた。グンタはガッツリうつ伏せだ。
「私が寝れなかったのは昨日兵長がこっちの部屋に来たからですよ…?」
「ああぁ、あれか…でもヤらなかったからまだマシだろ?」
ペトラはカァァァっと赤くなり両手で顔を覆ってぐぐもった声で
「ヤる……って……やる寸前までいったんですよ?」
「は?」
「兵長、昨日のこと忘れたなんて言いませんよね……?」
まさか、と思い訪ねた。
「キスをしたところまでしか覚えてねぇな」
「えええええ?それじゃ無意識にわたしのワイシャツのボタンを開けてたんですか!?」
リヴァイは少し赤くなった。
「そ……そういうことになるな…」
エルドがもぞもぞっと動く。
「あ……」
二人はエルドを見た。起きてはいなかった。しかし口元は微笑んでいた。
「私、買い出し行ってきますね。」
昼ごろ、ペトラは夕飯の買い出しに行こうとしていた。ジャケットとマントを羽織りボタンを留めて出口へ向かう。
「俺も行く。」
「へ?なんでですか?兵長。」
「……ダメか?」
「いいえ……そんな…」
その時ちょうどすれ違ったハンジが二人に声をかけた。
「あれれー?二人でどこかへお出かけかな?明日の朝には戻ってくるんだよー?」
そう言うとペトラの頭をなでた。
「はぁ?」
リヴァイがすごい目をして睨む。
「ご、ごめんっ言いすぎちゃったかなーー?あはは…ひぃぃぃっ」
ハンジはかけあしで逃げていった。
「ハンジの言うことは気にするな」
「は、はい…。」
外へ出ると暖かく、いい天気だった。外への洗濯物が干された家々。いつかここが壊されてしまったら…そんな事が脳裏をよこぎる。
「おい、ペトラ?心配ごとでもあるのか?」
リヴァイは心配そうなペトラの表情を察し、訪ねた。
「いいえ、そんなことありません。ただ…壁が本当にこの先もつのか…もし、この壁が壊されてしまったら私たちのような思いをみんなが…」
両手をぎゅっと握りしめる。その手をリヴァイが包んだ。
「いいか、もしこの壁が壊されたとしてもお前は死なない。死ぬようなことがあったら、きっと俺が先に死んでる。」
「そんなっ。」
「俺がお前を必ず守るということだ。たとえ…命が尽きようと。」
「へー…ちょー…」
すると、遠くで聞き覚えのある声が飛んできた。
「あれ、兵長じゃねっ?」
「そーだっそーだよっ」
エルドとグンタが走ってきた。
「兵長?どうしたんですか?こんな街中で、、、買い出しですか?俺らがやりました!」
「お、おう…すまねぇな。」
「いえ、別に大丈夫ですよ。」
エルドが布の袋をよいしょ、と背負った。
「今日の夕食はなんだ?」
「シチューの予定ですけど…」
ペトラが手帳を開く。横からグンタが覗き込んだ。
「お前いつもそれメモってんのか?」
「べ、別にいいじゃない。」
パチン、と手帳を閉じる。グンタやエルド、ペトラの様子を見てリヴァイはずっとこの時が続くことを願った。
「おかえりーーーあれ、エルドとグンタも一緒だったの?ペトラ?」
「あ、はい。途中で会ったので。今日はシチューですよ」
ペトラがニコニコ笑っているのをハンジは不思議そうな顔で見た。
「リヴァイと二人きりじゃなかったんだね?」
「ええええっそんなっ」
手からマントを落としそうになってペトラはワタワタしていた。そして落ち着くとペトラはマントをたたみながら
「私は夕飯の準備をします。」
と言い布の袋を持って台所に向かった。
優しくジャガイモをなでるように転がし包丁を若干傾ける。皮がむけツルツルになったジャガイモを8当分にし水につける。ひとつひとつ丁寧に行うペトラを見てミケが匂いを嗅いだ。
「ど、どうしたんですか?ミケさん」
「ん?ペトラ、今日はシチューだな」
「そうですよ〜シチューは好きですか?」
全てのジャガイモを剥き終わり今度はニンジンを向いているペトラは指に張り付いたニンジンの皮を取った
「好きだ。シチューは暖かいからな。あと、俺はペトラの花のような匂いも好きだ。」
「わ、私って花の匂いなんですか」
ペトラは不思議そうに自分の体を見た。
「あぁ、でも時々リヴァイの匂いがする。この前は強くリヴァイの匂いがした。一日中、あいつといたのか?」
「え…ひ、秘密ですよ!」
「はぁ…ごまかすのが下手だな」
ミケは鼻でフッと笑いながら台所を出た。
鍋からいい匂いが出てきた時全員がテーブルに座っているのを見てペトラはすごく驚いた。
「な、なんでこんなに早く…」
するとリヴァイが
「オメェの夕飯が待ちきれねぇんだよ。」
「そーですよ」
「まぁ、そーゆーことだな」
とみんなが便乗する。
「へ…?」
ペトラは今回のシチューが自分の思った以上にまずかったらどーしよう、と思った。
「はぁ?お前の食事がまずい?そんなわけねぇだろ。あのな、昨日のクソメガネの夕食、食べただろ?」
リヴァイが腕組みをしながら言った
「はい…」
「みんなろくにたべてないんだよ」
「あーーー。それで、か…わかりました。すぐ用意しますね」
ペトラが準備をするとドアの向こうからみんなの話し声が聞こえた。
「おい、ハンジ。昨日のイモリ焼きみてぇな夕飯はなんだ?」
「えー?あれ?唐揚げなんだけど…」
「え…」
「ちょ、ちょっとミケまでそんな風に言わなくたっていいじゃん。」
ペトラは一人でふふっと笑いながら大きな鍋を持ってドアを開けた。
口の中を暖かいシチューが溶けてゆく。何度食べても飽きないくらいの美味しさだった。みんなが食べ終わってしまうとハンジが何を思ったのか台所に行き酒とつまみを持ってきた。
「ねぇねぇみんなぁーお酒飲もうよ」
「え”…!」
「ほらペトラもどーぞー、この前飲み会でお酒になれたでしょ?」
「で、でも私…お酒飲むと…うっあっ」
美味しいワインの味がしたと思いきや喉の奥がジュワッと熱くなる。一気に飲み干すと頭がクラクラして気分が良くなる。ペトラは頬を赤く染めながら
「も、もういっぱい〜〜」
といった。その飲みっぷりにその場のみんなは唖然とした。リヴァイがハンジを睨んだ。
「だからダメっていったじゃねぇか」
「??ペトラはお酒飲んだら…」
「す、すごく酔うんですよ」
エルドがこっそり教える。
「オメェがこの前の打ち上げで寝てる間ペトラは酒飲んでものすごく酔ったんだ。」
〜一週間前〜
ペトラは今日の打ち上げ会がとても楽しみだった。自分が一昨日の誕生日で成人を越し、やっとみんなと酒が飲めるということや夜遅くまで打ち上げ会場にいることができる、ということが去年と違った。去年はリヴァイ班のみんなやハンジやミケ、エルヴィンは酒だったが、ペトラはコーラで我慢しろ、と言われとても悔しい気持ちだった。
(よし、今回は前回のように悔しい思いはもうしないし好きな分だけお酒だって飲めるっ!あぁ、楽しみだな、お酒ってどんな味なのかな…)
そんなことを思いながらテーブルをテーブルクロスで拭きながら考えた。自然に笑顔になりながらテーブルを拭くペトラを見たリヴァイは
「今回が初めてだからって飲みすぎるんじゃねぇぞ。」
と警告をした。ペトラは首を傾げて
「一番飲むのって兵長なんじゃ…」
「人によって飲むやつと飲まないやつといる。お前はどっちだろうな」
「私はあまり飲まないと思います。」
「わからねぇぞ、それは。エルヴィンだって結構飲む方だからな」
「え”っ!団長飲むんですか!」
リヴァイは余計なことを言った、という顔になった。そしてペトラの頬をさらりと撫でた。
「っ!////」
「打ち上げがもうすぐ始まるぞ」
「そ、そうですね…」
「かんぱーい!はい、ペトラが一番最初に酒飲んでっ!」
ハンジがコップにウィスキーを入れる。ペトラは今まで飲んだ中でも一番美味しいんじゃないか、と思う飲み物だった。
「ぷはーーっ美味しいですねっ」
「うん、どんどん飲んでね」
「飲みすぎるんじゃなくて焼肉も食えよ」
グンタが肉を取りながら言った。
「へ?ウィスキー美味しいよ?」
「ペトラ…ほら肉食え。酒ばっか飲むんじゃねぇ。酔うぞ?」
「兵長もそんなこと言わずにぃ〜
ヒック」
(こいつ…もう酔ってんのか…?)
「うわっペトラ!その顔どーした!?」
二時間後エルドはペトラの顔を見て驚いた。ペトラは顔が真っ赤になりエルヴィンに酒を勧めていた。
「ふぇ?あ、エルドォ〜お酒のムゥ?ヒック おいしいぉぉぉぉ」
「ちょ、おれは…ハンジ分隊長に」
「ハンジなら寝てるが?」
リヴァイが指を指す先には酔いつぶれたハンジがいた。
「それよりおれは帰んないと…」
エルヴィンがいそいそと帰る準備をするとペトラがエルヴィンのワイシャツの裾をつかんで
「帰んないで…ね?」
と上目遣いでいう。リヴァイが舌打ちをした。
「オメェ完全によってんだろ?」
ペトラの額をツン、と触る。
「?へぃちょぉ〜 ヒック」
「な、なんだ?」
「私に…キスしてくれますか?」
エルドがむせた。
「あ”ぁ?」
リヴァイは動揺する顔を必死で隠すと何言ってんだ?という顔になった。
「兵長、前みたいに夜を過ごしたいです。」
「ブーーーーーー」
ミケが笑いを押しこらえ、エルドとグンタは吹き出した。
「…?なんで笑うの?」
「おいペトラ、それは無理もある」
エルドが苦しそうに机をバシバシ叩いた。ヒーヒー言って起き上がるとエルドは「電話がなったので外に」
と出て行ってしまった。(おい、グンタもそーゆー時は空気を読むんだ。とグンタも道連れになった。)リヴァイが机の下でペトラの手を握る。ペトラの体はビクンッと跳ねた。酒臭い顔をペトラに近づけながら
「油断してたら襲うぞ?」
といったものだからエルヴィンとミケが顔を見合わせてむせた。そして2人で外に出て行ってしまった。
まっすぐリヴァイを見つめる。
「兵…ちょっんっっ///」
リヴァイはペトラの頭を抑え唇を押し付けた。歯の間から舌を通す。
「はぁっんんんんっ」
窓の外から見ていたエルドとグンタは「きゃっ」と声を上げた。
ぽかぽかと日差しが良く暖かかった。
(アタマが痛い…)
机にうつ伏せになりながら昨日の食事のあとどうなったか思い出せない。
(ハンジさんにウィスキーを勧められて…覚えてないや)
薄く目を瞑る。今日は休暇になったから良かったものの会議があったらどうしようかと思った。
(今頃みんなはどーしてるかな)
ずっと自分の部屋でゆっくりしているペトラはみんなの様子が気になった。ふらふらとした足取りで部屋のドアを開ける。廊下には誰もいなかった。なぜか不安になる。外を見ても誰もいない。
「予想はできてたけどね…」
小さなため息をつき食堂に向かった。誰かいるはずだ。両手でドアをゆっくり開くと昨日のままの荒れた状態だった。シチューのナベはそのままで中身がナベにこびりついていてウィスキーのビンがそのまま横倒れになっている。そして誰かが用意した簡単な敷布団が3つ…しかし1つには誰かが寝ていた。他の布団は誰かが寝て起きたのか、ぐしゃぐしゃになっていた。ペトラは不思議に思い誰が寝てるか見てみようと布団の近くに寄った。顔を覗き込むとその人は寝返りをうち掛け布団の中に消えた。もっと覗こうとやけになって布団の端と端を両手で押さえた。すると急に布団の中から手が出てきてペトラのアタマをつかんだ。掛け布団からヌッとアタマが出てくる。
リヴァイだ。そのまま顔を引き寄せられ酒の匂いがする唇にキスをされた。驚きを隠せず目を見開く。するとリヴァイは機嫌が悪そうに眉をしかめて顔を離した。ペトラが逃げないように袖をつかむ。
「おい、キスのやり方ぐれぇ早く覚えろ。反対だろうが。口を閉じて目を開くんじゃねぇ。口を開けて目を閉じるんだよ。」
真っ赤になった。
「そ、それじゃあ失礼します。」
「あ”ぁ?」
すごく不機嫌な顔になる。そして掛け布団を持ち上げ手招きした。
「えっえっと…」
腕をグイッとひっぱる。ペトラは促されるままソロソロと一人用サイズの布団に入る。その時ペトラの心の中に何かが湧いた。
リヴァイは自分から手招きしたものの少し恥ずかしかった。ペトラからくるりと背中を向けた。するとペトラは何を思ったのか背中に抱きついてくる。
(!?!?!?/////)
冷静な声を保ったまま振り返らずに言う。
「お前、どうしたんだ?」
「・・・・・。」
さっきより強く抱きしめペトラの足がリヴァイの足に絡んでくる。太ももの間に足を入れられリヴァイはまっかになりそうだった。リヴァイは寝ているだけだから薄いシャツを着ていた。そのせいでペトラの柔らかく丸みを帯びたものを押し付けられるのがわかった。足を少し動かすとペトラは
「ひゃぁっ」
と小さく叫ぶ。だんだん布団の中がどうなってきているのかわかってきた。しかしリヴァイには先ほどペトラのあげた小さな悲鳴が癖になった。もう一度動かす。
「んん…」
ぐぐもった声が背中に聞こえる。太ももをさらに締め付けてくるペトラが可愛く思えた。ゆっくり正面を向く。ペトラと目が合いペトラの頬は少し火照った。ムラムラしたものが身体中に広がりアレが立つのを感じた。その時ペトラは絡んでいる足を離した。リヴァイは不思議そうにペトラを見た。正面から抱きつき再び足を絡める。リヴァイにとっては絡めつけられた太ももよりも自分の胸板に当てられるものが気になった。リヴァイは顔を屈めてペトラの耳に甘噛みに近いキスをした。リヴァイのワイシャツを触るペトラの手がシュッと丸まる。首筋のあたりから流れにそってワイシャツの中に手を入れた。
「へ、兵長!!今昼間ですy …ああっ」
全身に広がる快感をペトラは感じる。その時勢いよくドアが開きハンジが入ってきた。
「いやーこれは昨日のあとひどいねー …あれ?そこ誰かいるの?」
ハンジが急にドアを開けたからペトラはビビった。リヴァイの布団から這い出ようと体を捩じらせる。
「兵長、出ますね」
その時リヴァイに口を塞がれ布団に押し込まれた。
「ねえ、そこー?聞いてる?」
ハンジの足音が大きくなる。
「俺しかいないが?」
リヴァイが声を出してハンジに伝えた。するとハンジは驚いたような声を出して
「いたんだー」
と言いながらシチューの鍋をかたずけ始めた。
(ハンジさんもちゃんとシチューのあとかたずけてくれるんだ…)
ペトラはハンジの意外な面を知り一人で笑顔になった。
「おい、ハンジ。あとは俺がやっておく。お前は部屋にいって二日酔いのはずだから静かに寝てろ。」
ハンジはふふっと笑いながら
「リヴァイは優しいね。」
と言う。ペトラはなんか嫌な気持ちになった。ハンジの行動は彼女らしいのだが少し距離が近すぎではないかと。するとハンジが意外なことを言った。
「ペトラとヤってる途中だったんでしょ?ごめんねー邪魔したね」
リヴァイとペトラはギクリとなった。ハンジはニヤニヤして部屋のドアを閉めた。沈黙が訪れた。ペトラが布団から出てリヴァイの顔を見るとリヴァイは衝撃的な顔をしていた。「なんで…」かすれ声を出したリヴァイは咳払いをしてから
「なんであいつは俺たちが二人いるって知ってたんだ?」
「不思議ですね」
布団から這い出てシャツのボタンを止めながらペトラは言った。でも普通一人用の布団に二人も入っていたらわかるのではないか、と思った。
「兵長、私あのかたずけをしに来たのでやりますね。」
リヴァイは納得したように頷くと自分の布団と二つの布団をかたずけ始めた。
不快に思った方ごめんなさい!
楽しんでもらえたら嬉しいです
話が過去と現在が入り混じっていてわかりにくいですよね、すんません。
このSSへのコメント