2016-05-06 15:25:45 更新

概要

一人の少女の力により未来が繋がった

しかし、それを変えようとする一人の青年

未来は変わるのか


前書き

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【第二部】第五話 永遠のタイムトラベラー


みんなで共同生活を始めて数日が経った


最初にあった壁はもう気にならないくらいまでなくなっていた


ここ数日間がかけがえのないものになった


俺もそろそろ逃げるのはやめようそう思っていた


ー台所ー


ノビスケ「みんな揃ったか」


メイド「今日はまゆちゃんとまみちゃんが作ったんですよ」


スネ樹「へぇ〜料理できるんだ」


まゆ「別にあんたのために作ったわけじゃないからね!」


まみ「まぁまぁ、お姉ちゃんいい加減に許してあげようよ」


まゆ「まみ!忘れたの!ノビスケくんがあの後風邪引いて倒れたんだよ!」


まみ「そうだけど・・お兄ちゃんはもういいって言ってるしね?」


ノビスケ「そうだぞ?まゆ、もう許してやってくれよ」


まゆ「むむむ!」


スネ樹「ノビスケさん、まみさん、いいんですよ。」


まみ「よくないと思うけど・・」


ノビスケ「うむ・・・」


まゆ「ふん!」


その時机が大きく叩かれた


ノビスケ、スネ樹、まゆ、まみ「「っ!!」」


メイド「いただきます・・しようね?」ニコ


ノビスケ「そ、そうだぞ!せっかく食事の時間だ!そんな話はなしだ!」


スネ樹「は、はい!」


まみ、まゆ「ごめんなさい!」


ノビスケ「みんな!いただきます!」


まゆもああ言ってるが本当はもう許している


じゃなきゃ食事なんて作るはずもないからね


まぁ、まだ子供だって事だな


本人に言ったら怒られるので言わないけど


俺は食事の後半から皆に話した


ノビスケ「みんな聞いてくれ」


メイド「どうしたの?」


まゆ「味付けについてなら完璧の筈だけど?」


スネ樹「えぇ、凄く美味しいです」


まみ「いつも道理です!」


ノビスケ「いや、違うんだ。皆はおかしいと思わなかったか?俺が毎日家にいることに」


スネ樹「まぁそれは思いましたけど」


まゆ「何か理由があるんでしょ?」


まみ「お兄ちゃんから話してくれるまで待ってました」


メイド「聞かせてもらえるなら聞きますよ」


ノビスケ「みんな・・ありがと・・じゃあ聞いてくれるかな」


俺は皆に話した。俺が学校で犯罪者と言われ皆から恐れられている事


周りからの視線、噂、そして拒絶


俺はそれに耐えられなくなり最もらしい理由で学校を休んでいた


あれだけ耐えると言ったのに情けない奴だよ・・俺は


ノビスケ「でも、もう逃げるのはやめだ!明日から学校に行くよ」


メイド「・・・・何処の野郎ですか?そんな事をするのは?」


スネ樹「僕が言えた義理ではありませんが・・酷い話です」


まゆ「まみ・・落ち着きなさい」


まみ「なに行ってるの?お姉ちゃん私は落ち着いてますよ?落ち着いて・・るから・・ふふふ」


ノビスケ「もう大丈夫だから、家には皆がいるから・・それだけで凄く励みになるから」


メイド「わかりました。いつでも辛くなったら帰って来てください」


スネ樹「その・・愚痴くらいは聞きますよ」


まゆ「包丁しまいなさい!」


まみ「誰なの?お兄ちゃん」


ノビスケ「ま、まみ、た、頼むからさ、その包丁をね?こっちにね?」


まみ「誰なんですか!その○○○野郎は!」


スネ樹「ぶはっ!」お茶どばー


ノビスケ「うわっ!大丈夫か!」


スネ樹「ゲホッゲホッ・・なんとか」


メイド「まみちゃん女の子なんだからそんな下品な言葉は駄目ですよ」


まみ「許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない」


まゆ「ちょっとこっちに来なさい」グイッ


まゆ「ノビスケくん、メイドさん、その他の人、すいません明日になったら元に戻ってると思うんで・・ほら、行くよ」


まみ「」ブツブツ


ノビスケ「はははは・・・」


スネ樹「その他の人って僕だよな・・・ははは」


メイド「ノビスケの事を考えれば今のうちに・・いやでも・・」


こうしていつもの食卓は終わった


訂正いつもよりハードな食事は終わった


そして、次の日


ー学校教室前ー


ノビスケ「やっぱり怖いな・・皆のあの視線とか凄く怖いし・・人として見られてないって言うか・・これなら人思いに殴ってくれた方が楽だ・・」


ノビスケ「いやいや!向き合うって決めただろ俺!例えどんな事になろうとも逃げないって」


ノビスケ「これは全て俺が選んで決めた道なんだから」


ドアをゆっくり開ける


ノビスケ「あはよう・・ございます・・」


教室が静かになる


なるべく皆と視線を合わさず自分の席へ行くが


ノビスケ「あれ?俺の席にもう座ってる?」


まさか俺の居場所はもうここには・・


ノビスケ「だよな・・あたりまえじゃないか・・今更・・」


俺は教室を出るために出口へ向かう


やっぱり俺無理だったよ


「おい、待てよノビスケ」


クラスメイトの一人が俺を呼んだ


文句でも言うのだろうか・・


聞きたくないな・・


でも、最後だしいいか・・


「お前の席あっちだぞ」


ノビスケ「え?」


「席替えがあったんだよノビスケの席はここだ」


ノビスケ「でも・・いいの?俺いても」


「それなんだが・・皆」


「ノビスケごめん!」


「ノビスケくんごめんなさい!」


「すまん・・」


次々聞こえてくる謝罪の言葉に俺は混乱していた


ノビスケ「え?え?え?」


委員長「ここからは私が話すわ」


ノビスケ「委員長!何がどうなってるんだ?俺は皆に犯罪者だと」


委員長「もう大丈夫だよ。皆の誤解は解けたから」


ノビスケ「っ!!」


誤解が解けた?


なんで?あんなに弁解しても信じてくれなかったのに


まさか・・


ノビスケ「委員長何かしたの?」


委員長「何もしてないよ?ただ本当の事を言っただけ」


ノビスケ「本当の事?」


委員長「うん、本当の事をね私なりにまとめて・・その・・一時間くらい話したの」


ノビスケ「一時間?ん?授業あったよね?」


委員長「それは放課後補修で補ったから大丈夫よ」


ノビスケ「授業潰したのかよ!」


委員長「時間変更しただけよ!」


ノビスケ「いや、それでも一時間もよくかけたな」


委員長「私一人の力じゃなかったからね」


ノビスケ「ん?誰か他に手伝ってくれた人がいるの?」


考えてもこの学校で他に俺の味方になってくれるような人は思いつかない


委員長「花音さんに洋子さんあと真治くんよ」


ノビスケ「花音に洋子さんそれに真治まで!俺そんな話聞いてないぞ」


委員長「花音さんが黙ってるようにって言わなくても彼なら時期に来るからそれまで待ってあげてって」


ノビスケ「花音・・」


「そうだよ、あの子可愛かったな!ノビスケ羨ましいぞ!このこの!」


「あれは完全にノビスケに惚れてんじゃん!」


ノビスケ「いや、そんなこー」


委員長「さて!話の続きね!」


「おっと、忘れてたよ」ニヤニヤ


委員長「な、なに?」


「別に?」


ノビスケ「?」


委員長「ゴホン!それからね」


ーーーーーーーーーーーーーー


過去


ー教室ー


委員長「みんな!お願いだから聞いて!ノビスケくんは!」


休み時間ずっと皆に話を聞いてもらうために叫び続けた


しかし、誰も聞いてはくれなかった


この日の為に私はノビスケくんの事件について調べて無実だと言える証拠を洋子さんからこっそり本当は駄目だけど見せてもらったりした


ノビスケが関わった女子校の事件は極秘扱いされており


警察の人間でも見るのは難しいけど洋子さんに頼むと簡単に調べてきてくれた


そして、調べてもらって出て来たのはもう一つの事件


この事件は一般には公開されていないらしい


ノビスケくんともう一人を除いて刑務所にいた人は全員亡くなっているという事件だ


この事は誰にも言わないという理由で見せてもらった


詳しくはわからなかったけどノビスケくんは被害者だってわかった


刑務所近くでスピード違反で捕まってる人がいるけどこれは関係なかった


休み時間が終わりチャイムが鳴ると皆が席に着く


これはチャンスなんじゃ?


先生「授業始めるぞ!委員長も席につけよ」


委員長「先生・・ごめんなさい」


先生「え?」


委員長「きゃぁああああ!!」


他の先生「どうした!」


委員長「先生が私の胸を!」


先生「なにを言って!」


他の先生「ちょっと話がある!」


先生「ちょっと!生徒たち俺は何もしてないよな!」


「確かになにもー」


委員長「何も?」ギロ


「思いっきり触ってました」


先生「な、なんだと!」


他の先生「さぁ、校長室で校長先生が暇してる所だ話し相手になってあげなさい」


先生「な、なんで!!」


委員長(貴方の事は忘れません)


他の先生「君達は自習をしててくれ委員長こんな時頼むのもなんだが君になら任せられる」


委員長「大丈夫です。任せてください」


他の先生「いい生徒だ。ほら来い変態」


先生「うぅ・・・・」


先生がいなくなり教室はまた、休み時間のようになる事はなく


皆もくもくと自習の準備を始めようとしていた


先生の潔白が晴れるまでの一時間が勝負!


委員長「みんな手を止めて聞いてくれる!」


「どうした委員長」


「先生の代わりでもしてくれるのか?」


委員長「そうよ!この時間は私が先生よ」


「ほう・・みんな委員長が授業してくれるって」


「まじか!お願いします!先生」


「何するの?数学?現代文、日本史?」


委員長「これよ!」


私は大きく黒板にノビスケと書いた


委員長「ノビスケくんについてよ!」


「ノビスケ?誰だっけ?」


「知らねぇなそんな犯罪者」


「そもそも退学したんじゃねぇか?」


「そうそう退学してくれた方が助かるしな!」


委員長「ノビスケくんは犯罪者じゃないって事を教えてあげる!」


「いや、いいわ時間の無駄だし」


「馬鹿らし自習しようぜ」


「みんな無視しようぜ」


委員長「お願いだから聞いてよ!」


皆は私の言葉に反応しなくなり各々が自習をし始めて教室は静かになった


委員長「みんな・・・・」


ガラガラ


その時教室の窓が開いた


???「お邪魔しまーす!」


委員長「花音さん!」


花音「ハロー!花音でいいっていつも言ってるじゃん」


委員長「さん付けの方が呼びやすいので」


花音「なら仕方ないね」


「誰だお前!勝手に教室入って来るなよ」


「ここ三階だよな」


「結構可愛くね?」


花音「まぁ、なんだ?話は聞かせてもらったよ!とりあえずお前ら全員授業受けなさい」


「命令するなよ!部外者が!」


花音「好きだよそう言うの・・でも今は黙ってろよあぁ?」


「・・・・・・はい」ビクッ


花音「まぁ、私は通りすがりなわけなんだけど話くらいは聞いたら?」


委員長(確かに花音さんって隣町の高校よね?今日学校じゃないのかな?)


花音「どうせ何も知らない噂に流されやすいだけでしょ?」


花音「決定的な証拠があるならいいけどあるの?」


「そ、それは逮捕されー」


花音「だから、誤認逮捕だって言ってんじゃん馬鹿な?」


「誤認逮捕でもされたってことは何かしら怪しかったからだろ?刑務所まで入れられたらしいし」


花音「・・・・・・遅いな」


委員長「それでも!なんでクラスメイトを信じられないの!」


「皆が言ってるそれだけで信憑性はある」


委員長「だから!それは誤解が誤解を生んだだけで!」


「さっきから聞いてたらよ?委員長もしかしてあいつの事好きなのか?」


委員長「なっ!なにを言ってるの!」


「怪しいな!そりゃ好きな奴なんだからやっててもやってないって言うわな?」


委員長「だから!違うって!私とノビスケくんは!」


花音「うざいな・・・・」


真治「失礼します!」ガラガラ


「また、なんか来たぞ」


「かっこいいかも」


花音「遅い!」


真治「あのな?結構難しいわけでなむしろ早い方だ」


真治「皆これを見てくれ」


「これは?名簿」


真治「これは全部じゃない。これの倍以上はある。これはノビスケを助けれる為に集めた署名だ」


「こんなに・・」


真治「なぁ?お前の言う皆って誰の事だ?どうせ嘘だろうが本当だろうがネタに群がるマスコミとかじゃないのか?」


「・・・・・・」


真治「それにノビスケを逮捕すると決めた署長は捕まっている。その意味わかるか?」


「まさか・・」


真治「じゃあ、後は委員長話してやってくれ」


委員長「えぇ、ありがとうございます。花音さんと・・え〜と」


真治「真治だノビスケの心の友だ!よろしーっ!」


花音「っ!真治!」


真治「わかってる!」


委員長「どうしたの?いきなり隠れて」


花音さんは教卓の下に隠れて真治くんは掃除用具入れに隠れた


その瞬間先生が入ってきた


他の先生「おい、お前らうるさいぞちゃんと自習・・」


しーーーーん


「・・・・・・」カキカキ


「・・・・・・ふむ」カキカキ


「・・・・・・」カキカキ


他の先生「ちゃんとやってるな・・おかしいな・・すまない」


花音「行った?」


真治「みたいだな」


委員長「なんでわかったの!」


花音「勘?」


真治「勘だな!」


委員長「皆も黙っててくれてありがとう」


「じゃあ、聞かせてくれよあいつの事」


「本当に信用出来るのかを」


委員長「うん!ではまず」


ーーーーーーーーーーーーーー


現在


ー教室ー


委員長「そんな感じで今にいたります」


ノビスケ「委員長って大人しい子だと思ったけど案外ワイルドと言うかなんと言うか・・ありがとな委員長」


委員長「いいの好きでやったことだから花音さん真治くん洋子さんにもお礼言っておいてね?」


ノビスケ「あぁ」


「なぁ、委員長が言ったのって告白じゃね?」


「好きでって言ったしね」


「ノビスケ返事してやれよ」


ノビスケ「え?」


委員長「ちょっとそんなんじゃないから!なに言ってる・・」チラ


ノビスケ「ん?」


「馬鹿返事待ってんだよ!言ってやれよ」


ノビスケ「お、おう!・・・・なんの?」


「だから!」


委員長「もう言わなくていいから!」


ノビスケ「そう言えば先生はどうなったんだ?」


「捕まったよ委員長の件もあるけどその前にも生徒に手を出してたみたいでね」


ノビスケ「そうなのか・・」


「どうした?」


ノビスケ「いや、なんでもない残念だねいい先生だったのに」


本当の事を言うとこのクラスで一番苦手だったのが先生だった


皆とは違い俺を殺気のこもった目で見ていたからだ


ノビスケ「これで・・日常が戻って来たんだ」ジワ


委員長「っ!なんで泣いてるの!」


ノビスケ「いやこれはね?・・はははは」


委員長「頭までおかしくなった!」


長った俺の戦いが終わった


やっとこれで普通の学生になれる


でも・・・・俺は気づいていなかった


まだ・・始まってもいないことに


これからが本当の戦いが始まると


それから、数日が経ち親達がまだ帰って来ないことに異変を感じ始めていた


ノビスケ「そろそろ帰ってきてもいいんだが・・電話は繋がらないし」


まゆ「ノビスケくんお風呂空いたよ」


ノビスケ「あぁ、わかった」


まゆ「ねぇ・・ママやパパはまだ帰って来ないの?」


ノビスケ「もうすぐ帰って来るよきっともうすぐ」


まゆ「なんで私達は連れて行ってくれなかったのかな・・邪魔者なのかな・・」


ノビスケ「それは違うよ!たけしさんやアーニャさんはそんな事思う筈ないだろ?逆に他人の子の面倒まで見るくらいだぞ?」


まゆ「じゃあ・・なんで」


ノビスケ「大丈夫帰って来るからね」


まゆ「うん・・」


まゆだってまだ小学生だ。さみしいと思うのは当たり前だろう


それにまゆの性格からするときっと妹に情けない所を見せないように我慢していたんだろう


本当は一番さみしがりやのくせにな


なら、俺はこいつらのまゆやまみそしてスネ樹の兄貴になって支えてやらねぇとな


ノビスケ「よし、風呂入って来るよ」


まゆ「・・・・・」


ノビスケ「何かあったら遠慮なく言えよ?俺はお前の兄貴なんだからな?」


まゆ「っ!・・うん!」


これで元気になってくれただろう


でも、もって二日だろう。それまでに帰って来てくれよ


風呂に向かう途中でまみを見つけた


まみは侵入禁止の部屋へ入ろうとしていた


そこは、お父さんに言われて絶対に入ったらいけないと言われている部屋だ


言われた日にこっそり覗いたがあったのは埃まみれのガラクタと机だった


何故侵入禁止なのかはわからないが別に触ろうとも思えず見ただけにしている


ノビスケ「まみ何してんだ?」


まみ「は、はわっ!」ビクッ


まみ「わ、私は何もしてないです!」


ノビスケ「ふ〜ん・・気になるか?」


まみ「え?」


ノビスケ「だから中に興味があるんだろ?」


まみ「な、ないです!」


ノビスケ「さっきから目線がそっちに行ってるぞ?」


まみ「あ・・それは」


ノビスケ「中ぐらいなら見てもいいぞ?物置みたいなところだしな」


まみ「いいのですか?」


ノビスケ「いいぞ、その代わり持ち出したり壊したりするなよ?俺が後で怒られるから」


まみ「はいです!」


ノビスケ「じゃあ俺は風呂入って来るから」


まみ「行ってらっしゃい!」ワクワク


ノビスケ「風呂〜♪」


スネ樹「あ、ノビスケさん」


ノビスケ「おう、スネ樹か勉強頑張ってるか?」


スネ樹「はい、今まで休んでた分取り返さないとですし、メイドさんの教え方が上手いのですぐ覚えられます」


ノビスケ「頑張るのはいいがあまり無理はするなよ?」


スネ樹「わかってますよ。おっと、手洗いで降りて来ただけだから急がないとメイドさんに怒られてしまう」


ノビスケ「風呂は?」


スネ樹「もう入りましたよ」


ノビスケ「そう、なら俺入って来るから」


スネ樹「はい」


メイド「スネ樹くんいつまでかかってるのかな?それともお腹壊したの?」


スネ樹「あ、違います!もう終わったんで今行きますから!では」


ノビスケ「最初の頃とは違う・・いい空気だ」


ノビスケ「さて風呂〜♪」


この時ゆっくりと家に入ってくる人物がいたが気づく事はなかった


今思えば元凶と言える奴だ


???「まみ・・今行くからな」


ノビスケ(男)の入浴シーンは需要がないので飛ばします


ノビスケ「ふぅ・・いい湯だった」


風呂から出てまゆの様子を見に行くと


ノビスケ「あれ?布団敷いてある自分で敷いたのか?まゆはもう寝てるのか」


まみ「ノビスケくん・・・」


ノビスケ「まゆ・・どんな夢を見てるんだろ」


まゆ「・・助けて」


ノビスケ「まゆ・・・・・・・」


起こすのも悪いので電気を消して部屋を後にする


スネ樹「やっと・・終わった・・」


ノビスケ「お疲れ様なんか凄く疲れてそうだね」


スネ樹「まぁね・・メイドってスパルタなんだね・・」


ノビスケ「まぁな怒らせないようにしろよ?」


スネ樹「しないしない、絶対に怖くてできないよ」


ノビスケ「だよね!もう寝るのか?」


スネ樹「えぇ、なにかあるんですか?」


ノビスケ「いや、特になにもないけど」


スネ樹「なら僕は疲れたのでもう寝ます。おやすみなさい」


ノビスケ「おう、おやすみ」


ノビスケ「まだ、寝るには早いよな・・」


メイド「お暇でしたら私から提案が」


ノビスケ「ん?メイドいつの間に」


メイド「メイドとは常にご主人様の近くにいるものです。それで暇なんだよね?」


ノビスケ「ま、まぁ・・」


メイド「なら、私とツイスターゲームをしましょう!」


ノビスケ「うん、却下でもう寝ろ」


メイド「しくしく・・」


ノビスケ「メイドも今日は疲れた筈だ休んでな命令とかではないけど」


メイド「そうだね少し疲れたかな・・じゃあ、おやすみなさい」押し入れへ


ノビスケ「おやすみ」


ノビスケ「さて、俺もすることないし寝るか・・って!まみの事忘れてた・・まだ、部屋にいるのか?」


お父さんに入るなと言われた部屋へ行き中を見てみるが


ノビスケ「まみ!まみ!何処にいる!自室に戻ってるのか?」


まゆとまみの部屋行くがいたのは寝ているまゆだけだった


ノビスケ「まさか・・誇りまみれだったから風呂か?」


風呂にもおらず


ノビスケ「スネ樹の部屋か?」


スネ樹の部屋にもおらずスネ樹が抱き枕を抱いて寝ていた


ノビスケ「俺の部屋?」


当然ながらおらず


ノビスケ「メイド!ちょっと失礼するよ」押し入れオープン


メイド「ぐが〜〜ぁ」


ノビスケ「いない・・メイド凄いいびきだ」


その後も家の中を隅々まで探した


冷蔵庫、洗濯機、トイレ、靴箱、ゴミ箱、台所全てを探しつくした


しかし、まみは何処にもいなかった


ノビスケ「こんな時間だし外に出る筈もない・・そういえば!まだ、最初に行った部屋をよく調べてなかった!」


さっきはチラッと見ただけだったから見落としてしまったのかもしれない


もう一度最初の部屋に行った


ノビスケ「最初に入った時以来だなそれ以降はドアを開けて見るだけしかしてなかったから入るのはこれで二回目か」


やはりガラクタしかないこの部屋に隠れる場所などなかった


ノビスケ「ゲホッ・・埃が凄いな・・まみ何処に・・」


その時ノビスケはあることに気づく


ノビスケ「あれ?机の引き出しが開いてるな・・前は確かガムテープとかで開かないようにしてあった筈だ」


足元を見ると取ったと思われるガムテープがあった


そして机の周りだけ埃が少ない


ノビスケ「まみは押すなって言われたボタンは絶対押すタイプだな」


まみがこの机を開けたのだろう


ノビスケ「だけど、ばれないように元には戻す筈なんだが・・机の中って何が入ってたのかな?」


机の中を覗きんこんで見ると


ノビスケ「っ!」


これは・・現実なのだろうか


俺は自分の頬を思いっきりつねった


ノビスケ「いてっ!!夢じゃない・・なんだよこれ!」


それはトンネルのような永遠に続く先の見えない空間だった


青い空間にいろんな時計見えるがどれも規則性なしに動いていた


時計の針は逆に動いていたり高速で動いていたり色も形も別で見ているだけでどうにかなりそうなほどの数の時計が空間の周りにあった


ノビスケ「なんで!なんでこんなもんが家にあるんだよ!」


そして、考えたくはない言葉が自然と出た


ノビスケ「まさか・・落ちたのか・・っ!なに言ってんだ!こんなのただのプラネタリウムと同じで光で見せてるだけだ!」


恐る恐る机の中に手を入れる


しかし、本来机の引き出しにはある筈の底がない


明らかに手は机の容量を超えてるくらいまで入れてるのに手は引き出しの下からも出ない


この事により入れた手は別の空間にあると言う事がわかる


そうなれば・・落ちたとしてもおかしくない


ノビスケ「違う!絶対に違う!」


認めたくなかった認めてしまったら


なにも出来なくなる


ノビスケ「違う・・違う・・そ、そうだお父さんに連絡を」


携帯を持つ手が震えてなかなか操作がうまくいかない


ノビスケ「出てくれよ・・」


しかし、電話には出なかった


何度もかけたが電話に出ることはなかった


ノビスケ「メールだ!」


文面はあの机は一体なんなのかをそれとなく聞く感じに書いた


ノビスケ「送信・・頼むから返事をくれよ」


結局俺は夜ずっと机から離れなかった


朝になると皆が起きる


まみがいないことは黙っておこう


きっともう・・帰ってくる筈だから


ー朝ー


まゆ「昨日はなんか嫌な夢を見た・・・」


ノビスケ「大丈夫か?」


まゆ「大丈夫よ・・それよりまみは?なんでまみがいないの?」


ノビスケ「っ!」


スネ樹「そういえばどうしてまみさんだけいないんだ?」


メイド「なにか知りませんか?」


ノビスケ「えっと・・朝早くから用事があるって出かけたんだ」


まゆ「用事?なんの?」


ノビスケ「それは聞いてない・・ごめん」


まゆ「別に謝る事なんてないよ。でも、まみも皆で食事ぐらいしてから行けばいいのに」


ノビスケ「急ぎだったんだろ?ははは」


まゆ「ふ〜ん・・あ、そろそろ行かないと行ってきます」


メイド「いってらっしゃい」


スネ樹「変な人について行くなよ」


まゆ「行くわけないでしょ!」


ノビスケ「・・・・・・」


メイド「ノビスケもうまゆは行ったよ」


ノビスケ「え?そんなのわかってるよ今送り出したんだから」


メイド「そうではなく!」


スネ樹「ノビスケさんなにを隠してるんですか?」


ノビスケ「なにも隠してないよ」


スネ樹「本当に?」


ノビスケ「あ、あぁ・・」


スネ樹「わかりました・・」


メイド「・・・・・・」


ノビスケ「俺もそろそろ行くから」


逃げるように家を出た


いつも通り学校へ行き日常生活を送る俺の欲しかった日常を


でも、まみの事で頭がいっぱいだった


ノビスケ「委員長・・・」


委員長「どうしたの?ノビスケくん」


ノビスケ「変な事聞くけどいいかな?」


委員長「・・・・法律に触れない程度なら」


ノビスケ「ありがと・・もしさ机の引き出しがさ・・」


委員長「机の引き出しが?」


ノビスケ「異空間の入り口だってことはあり得る?」


委員長「ノビスケくん・・漫画の読み過ぎなんじゃ・・」


ノビスケ「だよね!はははは・・ごめん」


今はどんな事でもいいあの引き出しの事を調べないと・・


今は手段は選んでられない


委員長は物知りだからもしかしたらと思ったけどダメだった


そして、俺は一つの結論に辿り着いた


俺は疲れているんだ・・あの机の引き出しは俺が見た幻覚でまみも偶然出かけてただけなんだ


しかし、家に帰るとそれは言い訳だとわかる


日が沈みいつもなら皆でわいわい食事をしている時間だ


でも、今日は・・・


まゆ「ノビスケくん!まみがまだ帰って来ないよ!ねぇ!まみは?ねぇ!」


メイド「これは警察に捜索願いを出した方が」


スネ樹「電話しよう!」


ノビスケ「ま、待ってくれ!」


メイド「なんです?まさかやめろなんて言うつもりじゃ」


ノビスケ「少し前に帰って来てな?友達の所に泊まりに行くからって」


メイド「友達の所に?」


スネ樹「なら、いいけどもっと早く言ってくださいよ」


ノビスケ「ごめんごめん忘れてたんだ。ははは」


まゆ「・・・・・」


皆が寝静まった頃俺はまた机の前にいた


何かをするわけでもないがここから離れられなかった


まみは別の所にいると思っていても心の何処かではここしかないと言っているのかもしれない


認めるしか・・ないのか・・この何かもわからない空間にまみは・・


ノビスケ「まゆに・・たけしさんにアーニャさんに・・皆になんて言えば・・」


また、俺は守れなかった・・・


玄関のドアが開く音がする


ガチャ


ノビスケ「っ!・・誰!」


玄関に行くが誰もいなかった


まゆの靴がない


ノビスケ「まゆ!」


急いで外に出る


ノビスケ「こんな時間に外にでるなんて」


スネ樹「ノビスケさん」


ノビスケ「スネ樹起きてたのか」


スネ樹「本当のこと話してください」


ノビスケ「本当のこと?なんのことだ」


スネ樹「まゆさん友達に片っ端に電話してましたよ」


ノビスケ「っ!」


スネ樹「誰もまみさんを知りませんでしたよ」


ノビスケ「まゆは何処に」


スネ樹「話してください」


ノビスケ「何処に行ったんだ!」


バシン


ノビスケ「っ・・」


頬が痛い・・どうやら叩かれたようだ


メイド「ごめんなさい・・後でいくらでも処罰は受けます」


ノビスケ「痛い・・・」


メイド「しっかりしろ!ノビスケ!」ガシッ


メイド「なんで一人でいつも考えるの!私達じゃ頼りにならないの!」


ノビスケ「そんなわけ・・ないよ」


スネ樹「まゆ・・ずっと泣いてたよ。本当はノビスケさんが何かを隠してるのも知ってた。でも、まゆは迷惑をかけたくないからってずっと信じて黙ってた」


メイド「でも、それも限界になってまみを探しに行ったの」


スネ樹「ノビスケさんが僕達の事を考えて黙っているのはわかります」


わかってないよ・・俺は自分の為に黙ってる・・最低な野郎だ


元はと言えば俺がまみをあの部屋に入れたのが原因だ


皆に責められるのが、また一人になるのが怖いだけなんだ


ノビスケ「何処にいる・・」


メイド「っ!ノビスケ!」


スネ樹「多分自分の家じゃないかな?家に帰ったのかもって言ってたし」


メイド「っ!」


ノビスケ「メイド手を離してくれ」


メイド「くっ・・言ってはくれないのですね」


ノビスケ「あぁ、ごめん」


メイド「・・・・・絶対にまみとまゆを連れて帰って来てください」


ノビスケ「うん・・絶対に・・」


スネ樹「いってらっしゃい」


ノビスケ「・・いってきます」


剛田商店に急ぐ


ー剛田商店ー


ドアは開いており入ることが出来た


まゆの靴もある


ここにいるようだ


ノビスケ「まゆ!まゆ!何処にいる」


そして見つけた


まゆ「ふぇえ・・・ひぐっ・・」ポロポロ


真っ暗な部屋に一人泣いていた


まゆ「まみ・・・・」


ノビスケ「・・・・・」


声を出そうとするが声が出なかった


俺に声をかける資格があるのか?


こうなったのは俺の所為なのに


まゆに拒絶される・・もう二度とあの笑顔が見れない


そう思うと声がかけられない


まゆは俺に気がついたようだ


俺は罵倒されるのを覚悟した


でも、まゆは笑っていた


まゆ「ノビスケくん・・ごめんね・・ちょっと家が恋しくなっただけだから」


まゆ「ここまで迎えに来てくれてありがと」ニコ


ノビスケ「っ!!」ギュッ


気づくと俺はまゆを抱きしめていた


まゆ「っ!」


ノビスケ「ごめん・・俺が悪いんだ・・まみは・・俺が!」


まゆの手が俺の口を抑える


まゆ「言わなくていいから」


その時俺は決心した


まみを助ける!


抑えている手をゆっくりのけて言うさっき言おうとしたこととは違う言葉を


ノビスケ「大丈夫・・今から迎えに行って来るから」


まゆ「え?」


瞬間全力で走った


目指すはあの机


俺たちがまだ知らない世界がこの世には存在しているのかもしれない


もしかしたらその世界に行ったのかもしれない


二度と会えないかもしれない


帰ることも会うこと・・死ぬかもしれない


それでも、まゆのまみの笑顔がもう一度見られるならこのくらいのリスクは安い


途中ホームレスの人からダンボールを貰った


家の前まで着くとゆっくり家に入り


あの部屋行った


部屋の前の侵入禁止を貼り直し


机にシーツを被せる


玄関に手紙をおいて


俺は


ノビスケ「すぅーーはぁーーとぉ!!」


机の中へ飛び込んだダンボールに乗って


ノビスケ「うわぁあああああ!!意味なかったぁあああ!」


ーーーーーーーーーーーーー

ーーーーーーーー

ーーーー


メイド「これは・・手紙?」


少しの間留守にします。まみは必ず連れ戻すので安心してください。あと・・・・ごめんなさい


メイド「・・・・ノビスケ」


メイド「私じゃ・・私じゃ力に・・なれないの・・」


スネ樹「・・・・・・・」


???「ただいま!」


メイド「っ!」


ーーーーーーーーーーーーーー

ーーーーーーーーー

ーーーー


ータイムホールー


少女「これで・・後は元の時代に帰れば・・」


少女「死にたくないな・・決心したのに・・こんなんじゃドラちゃんに怒られるよね・・」


少女「ずっとタイムホールにいれば生きていける・・でも、ズルはだめよね・・」


タイムホールでは時間という概念はない


何故ならそれは時間の外側にいるからだ


そして、タイムホールを移動する者同士が会うこともない


タイムホールの長さがとんでもなく大きいからだ


時間の最初が何処からかもわかっていない


わかっているのは地球が出来るよりもっと前だということだ


それだけの長いタイムホールで人と会うのは無謀とも言える


もし会えたらそれは奇跡と言える


少女「もうすぐ着く・・・最後に弟に会ってみたかったな・・」


???「うわぁあああああ!!」


少女「え?人!誰か流れてくる!ど、どうしよう!」オロオロ


少女「タイムマシン!」


タイムマシン「キャッチします」


ドン


???「ごふっ!」


少女「キャッチじゃなくて轢いただけじゃない!」


タイムマシン「早くしてください。引っかかってますがそろそろ」


???「」ぶらんぶらん


少女「あ、ごめん!よいしょっと!」


???「お腹が・・吐きそう・・」


少女「大丈夫?」


???「大丈夫だ・・ありがと助かったよ」


この人はなんでタイムホールに流されていたのかな?


普通に考えればタイムマシンから落ちたって事よね


時間のないこの空間をどれくらいさまよっていたんだろう


とにかくタイムホールに入っていたのだから未来の誰かよね


なら、あまり関わらないようにしないと


私は未来に干渉してはいけないのだから


でも、少しだけ


少女「えっと貴方はどうしてタイムホールに流されていたの?」


???「タイムホール?なにそれ?」


少女「冗談はやめてくれる?もう一度言うどうしてタイムホールをさまよっていたの?」


???「さまようとか流されるとかタイムホールとか・・訳がわからないよ」


嘘をついているようには見えない。なら何故ここにいるの?気になって仕方がない


少女「貴方はー」


???「あのさ?俺にも名前あるからさ名前で呼んでよ」


少女「貴方の名前私知らないけど」


???「あ、そうか!ごめんごめん」


ノビスケ「俺の名前はノビスケって言うんだよろしく」


少女「そう・・じゃあ、ノビスケくんはー」


ノビスケ「いや、俺も名乗ったんだから君も名乗ってよ」


少女「いやです」


ノビスケ「え?」


少女「いやだと言ったの馴れ馴れしくしないで」


ノビスケ「・・ごめん」


少女「それで?ノビスケくんはいつの時代から来たの?」


ノビスケ「俺はここがなんなのかすらわからない・・だから君が言ってることもよくわからない」


少女「じゃあ、どうやってここに来たの?」


ノビスケ「家にあった机の引き出しから入った」


少女「ふざけないで!」


ノビスケ「ふざけてないよ!本当だ俺はーっ!そうだ!まみを見なかったか?」


少女「まみ?誰?」


ノビスケ「もう一人俺と同じように流されて来た人はいないのか?」


少女「いえ、ノビスケくんだけよ」


ノビスケ「くっ!」


少女「ちょっと!なにをしようと!」


ノビスケ「なにって探しに行くんだよ!」


少女「だからってタイムマシンから降りようとするなんて自殺行為よ!今回は運がよかっただけなのよ!本当なら知らない時代に飛ばされるか、タイムホールを永遠とさまよい続けるのよ!」


ノビスケ「なら!まみはどうすれば!」


少女「話を聞かせてもらえないかな?」


ノビスケ「わかった!その代わりここの事も教えてくれ」


少女「言えることだけね」


そして、今まで起こった事を話した


ここの事も聞くことができた


少女「成る程ね・・本当に家にはいなかったの?」


ノビスケ「あぁ、家の中をゴミ箱から天井裏まで探したけどいなかった」


ノビスケ「それに足を滑らせたと思う跡も見つけたから間違えないよ」


少女「そう・・でも・・机の引き出しがタイムホールの入り口って事は・・でも・・う〜んノビスケくんのいた年月はまだだろうし・・机・・引き出し・・あ!」


ノビスケ「何かわかったのか!」


少女「ノビスケくん苗字教えてくれる?」


ノビスケ「ん?いいけど、野比だよ」


少女「っ!・・もう一つ野比のび太って人を知ってる?」


ノビスケ「お父さんだけど?」


少女「っ!!・・あと一つノビスケくんにお姉ちゃんはいる?」


ノビスケ「どうして泣きそうに・・」


少女「答えて!」


ノビスケ「いるよ」


少女「名前は?」


ノビスケ「お嬢だよ」


少女「やった・・やったんだね・・お嬢・・」ポロポロ


ノビスケ「え?え?泣かしちゃった!」


少女「会いたかった」ギュッ


泣いてたと思ったら今度は抱きついてきた・・


ノビスケ「っ!」


お、落ち着け!俺!相手はいってても中学生くらいの女子だ!平常心!平常心!


ノビスケ「ふ、ふぅーー」


少女「ノビスケ」ギュッ


ノビスケ「どうしたんだよ」


少女「ごめんなさい・・もう少しこうさせて」


何かはわからないけどこんな不安な顔を見たら嫌とは言えないな


ノビスケ「わかった」


それから少し経って


ノビスケ「もういいの?」


少女「うん、ありがと」


少女「そうか・・ノビスケくんがのび太さんの」


ノビスケ「お父さんを知ってるの?」


少女「のび太さんと静香さんでしょ知ってるよお姉さんの事だって知ってる」


ノビスケ「君は一体何者なんだ」


少女「・・・・・・・」


ノビスケ「あれ?君は一体何者なんだ!」


少女「・・・・・・・」


ノビスケ「・・・何者なのですか?」


少女「・・・・・・・」


ノビスケ「あの〜聞いてる?」


少女「お姉ちゃんと・・呼びなさい!」


ノビスケ「はい?お姉ちゃん?なんで?」


少女「いいから!」


ノビスケ「でも、君は俺より歳下じゃないかお姉ちゃんはおかしいよ」


少女「ならなにもいいません!」


ノビスケ「わかったよお姉ちゃん」


少女「・・・ふふ」


少女が今までにないくらい優しい顔をしていた


でも、すぐして今度は悲しそうな顔をしていた


少女は俺が思っていたよりも大人なのかもしれない


目を見ればわかる少女は今までそれは考えられない程の苦労をしていると


少女の瞳は子供の無邪気な瞳ではなく大人の汚れた瞳のようだった


それでもその瞳は輝きを失ってはいなかった


この子は・・強い子だ


この子ならもしかすると


ノビスケ「お姉ちゃん」


少女「なに?」


ノビスケ「いろいろ聞きたいことはあるけど俺はまみを助けたい。手を貸してくれないだろうか」


少女「・・・それは私に人探しを手伝えって事?いえ、未来をいじくり回せと?」


ノビスケ「あぁ、無理を言うかもしれないが頼む!」


少女「無理よ。そんなことしたら大変な事になる」


ノビスケ「そうだよな・・ごめん自分の力で探すよ」


少女「待って」


ノビスケ「手伝ってくれるの!」


少女「だから無理だって」


ノビスケ「じゃあなんだ?」


少女「元の時代へ帰りなさい送ってあげるから」


ノビスケ「それは遠慮しておくよ」


少女「駄目よ!送ります」


ノビスケ「ほっておいてくれ!」


少女「馬鹿!!タイムホールもろくに知らない癖に!何ができるの!ノビスケくん聞きなさい!タイムホールに落ちたら殆どが手遅れなのよ!」


ノビスケ「そんな事はない!現に俺は助かった!」


少女「運がよかっただけよ!もう一生分の運使ったかもね!」


ノビスケ「次は実力だ!」


少女「いい加減にして!無駄死にしたいの!」


ノビスケ「1%でも!可能性があるなら俺はやる!」


少女「本当に馬鹿よ!大馬鹿よ!」


ノビスケ「それでも!馬鹿でも大馬鹿でも俺は!」


ノビスケ「やれる時にやらないって事はしたくないんだ!どんな事になろうとも覚悟は出来てる!いや!受け入れる」


少女「ノビスケ!」ギロ


ノビスケ「うっ・・・くっ!」ギロ


少女の睨みは正直ちびりそうな程の怖さだった


でも、負けずとこっちも睨む


それから数分後(体感時間は一時間くらいあった)少女の顔が諦めに変わった


そして、またさっきの優しい顔になった


ノビスケ「・・・俺は行くよ」


少女「わかった・・ならその覚悟試させてもらうけどいい?」


ノビスケ「望む所だ!」


少女「案内するから座ってて」


そう言ってタイムマシンを操作しだした


どうやら何処かへ連れて行くみたいだ


少女「どうにか出来るかもしれないロボットを知ってるの」


ノビスケ「ロボット?」


少女「そう、猫型ロボットよ。間違えても狸なんて言わない事いい?」


ノビスケ「あ、あぁ・・」


ロボットで猫型で狸に似てるのか?


少女「彼は多分いえ絶対協力はしてくれない」


ノビスケ「・・説得しろと」


少女「そう・・出来る?言っておくけどノビスケくん一人なら絶対に見つける事は出来ない。彼の力を借りればもしかしたら見つかるかもしれないあくまでかもしれないだから」


ノビスケ「わかった・・連れて行ってくれ」


少女「もう着いたよ」


ノビスケ「え?何処?」


少女「ここよ」


ゴォオオオオオ


ノビスケ「なんです?この黒い穴は」


少女「入り口よ。さぁ行きなさい」


ノビスケ「お姉ちゃんは?」


少女「ごめんなさい私は行けないのこれを」


少女から渡されたのは古い懐中時計だった


少女「こんなのしかないけどこの時代の時間に合わせておいたよ」


少女「この時計の針がここまで来たらまた降りた場所に来ていい?」


ノビスケ「三時間か・・」


少女「いい?三時間たったら説得出来なくても絶対来なさいよ」


少女「もし出来たら彼をここに連れて来る」


ノビスケ「わかった。ありがと」シュッ


ノビスケは穴へ入っていった


少女「がんばってノビスケ」


ー裏山ー


シュワン


ノビスケ「おっと、本当出て来れた・・ここは裏山の頂上か」


町を見渡してみると今とは全然違っていた


ノビスケ「本当にタイムスリップしたのかよ」


ここに降ろされたと言うことはここにいるのかこの町に協力者が


ノビスケ「あ、名前と居場所きいてなかった!」


穴はなくなっていた


ノビスケ「いや・・戻れたとしても教えてくれないだろうな・・これは試練って事だろ」


今わかっていることは猫型ロボットだけど狸と言うとやばいぐらいだが


ノビスケ「情報が少ない・・今が西暦何年なのかもわからないし。とりあえず山を降りるか」


ノビスケ「なんか俺・・人探しばっかりしてるような気がする・・たまには向こうから来てくれないかな?」


その時空から声がする


???「あいつじゃないのか・・なに期待してんだ俺は」


ノビスケ「っ!・・と、飛んでる!」


???「おい、お前ここに何の用だ?今はこの時代に来ることは禁止されてるはずだが?」


ノビスケ「時代・・もしかして君が協力者か!」


???「はっ?」


ノビスケ「君は!ロボットで猫型の狸なんだよね?」


確かに見た目も狸に見えなくもないきっと少女の言ってた協力者になり得る人だ・・・人?


ノビスケ「君と話がしたい!」


???「・・・・・・・」ガチャ


何か筒状の物をポケットから出して手につけたぞ?


???「空気圧最大・・散りも残さん!!」ドン


ノビスケ「うわっ!」


驚きのあまり転んでしまった


でもそのおかげで避ける事が出来た


直撃した地面はえぐれていた


ノビスケ「なっ!」


こんなのがあたれば本当に散りも残らない・・まではいかなくても散りにはなる


ノビスケ「ま、待ってくれなんで怒ってんだ!」


???「・・・・・・・・」ドン ドン ドン


ノビスケ「よっ!はっ!とぉ!」サッ


???「ちっ!ちょこまかと!」


ノビスケ「頼む!話を聞いてくれ!」


???「・・・・空気圧最大限定解除・・・チャージショット!」ガチャン


筒状から出た圧縮された空気は問答無用にノビスケへと向かっていく


???「さぁ避けろ!避けた所をもう一発!」


ノビスケ「うぉおおらぁああ!!所詮空気!」ガシッ


俺は避けずに掴んだ


掴んだ筈だった・・・


掴んだ物はどうなったって?


手と一緒に飛んでいったよ


そう、俺の片腕と一緒にね・・


ノビスケ「うぁあああ!!」


???「馬鹿かこいついきなり空気圧最大限定解除の空気砲を掴むなんて」


ノビスケ「ぐっ・・・止血・・いや、まずは腕は何処に?いや、止血が先か」


???「案外冷静なんだな・・うむ・・少しだけなら聞いてやるか」


???「おい!話は聞いてやる話してみろ」


ノビスケ「その前に止血しないと意識が・・あ・・ダメだ」バタッ


ここで俺の意識はなくなった


ーーーーーーーーーーーーー

ーーーーーーーーー

ーーーーー


気づくと不思議な空間にいた


タイムホールとはまた違う感じの空間だ


浮いている?下はどっちだ?上はこっちか?ダメだ・・自分がどっちを向いているのかもわからない


方向感覚がまったくない


無重力状態のこの空間にはいろんな物が浮いている


懐中電灯?なにかのローター?ピンクのドア?こんにゃく?うわ〜さっきのクソ狸の色違いだ


と言うか・・・俺・・


ノビスケ「片腕がない・・・」


利き腕の右腕がなくなっていた


包帯が巻かれて止血処理もされているが


ノビスケ「変な感覚だ・・・」


腕はないのにある感覚がしてしまう。気持ちが悪い


ノビスケ「綺麗に傷口が閉まってる・・痛みもない」


さっきの奴が助けてくれたのか?いや、だが奴は攻撃してきたし


他の奴が助けてくれたのか?いやでもなら何故俺はこんな所にいるんだ?


こんな事が出来るのは協力者だと思われるクソ狸ぐらいだ


ノビスケ「おい!クソ狸!いるのか!ここから出せ!」


大きな声で呼びかけてみる


「起きたか今から質問するからな。正直に言えよ」


クソ狸の声がしてきた。やはりクソ狸仕業か


ノビスケ「とにかくここから出せ!あと腕返せ!」


ビリッ


ノビスケ「っ!」


ビリビリビリ


突如身体が痺れる


ノビスケ「うっ!うう!!」


クソ狸「質問以外に喋るなよ?」


ノビスケ「・・・・・・」


ビリビリビリ


ノビスケ「ぐぁ!・・喋ってねぇだろうが!」


クソ狸「返事しろカス野郎」


ノビスケ「ここは何処だ!」


ビリビリビリ


ノビスケ「うぁあああ!!」


クソ狸「質問は俺がする。てめぇに質問する権利はない」


このままでは、本当に死んでしまう。悔しいが今は従うしかないか・・


クソ狸「貴様は何処から来た」


でも、やはりむかつく!


ノビスケ「この町からだ」


嘘は言っていない


ビリビリビリ


ノビスケ「ぎゃぁあああ!!」


クソ狸「次は電力あげるぞ?いつの時代から来たんだ!」


ノビスケ「○○○○年だ!」


クソ狸「本当だろうな?」


ノビスケ「あぁ本当だ」


クソ狸「どうやって来た?タイムマシンか?それとも偶然この時代に落ちたのか?」


ノビスケ「送ってもらった」


クソ狸「ほう・・そいつの名は?」


ノビスケ「知らん」


ビリビリビリ


ノビスケ「ゔぁあああああ!!」


やばい・・


クソ狸「答えろ!」


ノビスケ「本当に知らないんだ!」


ビリビリビリ


ノビスケ「がぁは!」


これは・・血?本格的やばい


クソ狸「俺はお前が死んでも痛くも痒くもないんだぞ?あぁ?」


ノビスケ「・・本当だ!俺は・・タイムホールに落ちたんだ!それを助けてもらった。困っていることを話したらこの時代に協力者がいるからって聞いて連れて来てもらったんだ!」


クソ狸「なら!そいつは何処にいる!名前は!」


ノビスケ「知らないと言ってるだろ!素性はなにも教えてくれなかった!」


ビリビリビリ


ノビスケ「ああああああああ!!」


クソ狸「もう一回!」


ビリビリビリ


ノビスケ「ああああああああ!!」


クソ狸「答えろ!!」


ビリビリビリ


ノビスケ「あががああさたためつたてやけねねややえひな!」


意識が・・・・


ノビスケ「がはっ・・・」ガクッ


クソ狸「死んだか?くそっ!処理面倒だな。まぁいい」


ポケットからノビスケを取り出し


付けていた電流パッチを外す


クソ狸「加減がわからないな・・次からは気をつけるか・・面倒だしタイムホールに捨てるか」ポイ


ノビスケはタイムホールへと投げだされた


クソ狸「悪いな・・俺にも守らなきゃいけない者たちがいるんでな」


ータイムホールー


タイムホールの中をただ流れているだけだった


動く事も喋る事なくただ流されていく


このまま死へと向かっていくのだろう


しかし、ノビスケの中では・・


ノビスケ「」


赤『心臓が止まってるな・・』


青『そうだな・・もうノビスケは無理だ』


赤『見捨てるのか?』


青『それしかないだろう・・じゃないと僕達も消えてしまう。今消えるわけにいかないそうだろ?』


赤『そうだが・・・』


青『君がノビスケくんを気に入っているのは知ってる・・でも』


赤『べ、別に気に入っているわけではない!少し興味があっただけだ!あんなガキ別にどうなろうが気にならん!』


青『そうか・・なら離れよう』


赤『だが・・このまま逃げたら前と変わらないような・・』


青『都合が悪くなると逃げる・・確かに僕達の生き方そのものだ』


赤『ギリギリまで足掻いてみないか?』


青『それは・・』


赤『こいつの為じゃない!ただ、少しは変われたと言える結果が欲しいだけだ』


青『結果か・・そうだね。ギリギリまでやってみよう』


赤『よし!ならどうする。俺は馬鹿だからわからん!』


青『僕達の力で身体に電気を流す』


赤『おいおい、さっきは電気にやられたのにさらに追い打ちをかけるのか?』


青『心臓が止まってるいんだ。AEDと同じようにして心臓を動かす』


赤『成る程!だが・・』


青『あぁ、力を間違えたら終わりだ。俺達もノビスケくんも死ぬ』


青『やるか?』


赤『へっ!やるに決まってるだろ』


青『同調するよ!』


赤『あぁ!』


シュン


紫『これで準備完了だ!ノビスケ・・生きてみろ!私をがっかりさせるなよ?』


ビリッ


ドスン!!


ノビスケ「っ・・・がはっ!」


紫『力が切れたか・・元に戻るぞ・・何故私がこんな事をー』


シュン


青『後は・・』


赤『頼んだぞ・・』


ノビスケ「ゲホッ・・ゴホッ・・ああ!!ぐっ!・・がはっ!」


ノビスケ「ハァ・・ハァ・・うぁああああああ!!」


ノビスケ「ぐっ・・心臓が痛い!」


ノビスケ「ハァハァ・・落ち着いてきた・・ふぅ〜」


ノビスケ「・・・・・・・」


ノビスケ「ここはタイムホールか・・一生さまようのか・・ごめんまみ・・」


ギュィイイイイン


ノビスケ「なんだ?この音・・っ!」


高速で何かが突っ込んで来ている


ノビスケ「あれは!タイムマシンか!」


少女「きゃぁああああ!!止まらないいいいいい!!」


ノビスケ「こっちに来るな!!」


少女「無理ぃいいいい!」


このままじゃ俺は!


ノビスケ「っ!」サッ


紙一重でタイムマシンを避けてタイムマシンに乗り込む片手だけだけど、どうにかなるものだ


ノビスケ「ぐっ!速い!」


少女「きゃぁああああ!!」


ノビスケ「何があった!」


少女「ノビスケくんがタイムホールへ落ちたってタイムマシンが教えてくれて!その・・急いで助けないと思って!この赤いボタン押したら!なんか速くなって!」


ノビスケ「なら!もう一回そのボタン押せばいいだろ!」


少女「それで止まるの?速くならない?」


ノビスケ「とにかくこれしか方法がないだろ!押せ!」


少女「わかった!」ポチ


タイムマシンは元の速度に戻った


ノビスケ「はぁ〜どうにかなったな」


少女「寿命が縮まったわよ・・あ、でも縮む程ないか」


ノビスケ「なに縁起でもない事言ってんだこれからだろ?」


少女「そ、そうよね?ごめん・・それより失敗したんだね」


ノビスケ「・・・・・ごめん」


少女「何があったの?って!腕どうしたの!」


ノビスケ「協力者だと思う青い狸みたいな奴には会えたんだけどいきなり攻撃されて負けて・・変な空間で拷問されてタイムホールに捨てられた・・腕はその時にやられてな痛みはないんだけど変な感覚だ」


少女「それ本当?」


ノビスケ「あぁ・・約束は約束だ・・大人しく帰るよ・・」


少女「ドラちゃん・・守らなきゃいけないのはわかるけど・・かわいい弟を!」


ノビスケ「あの〜聞いてる?」


少女「行きましょ!次は私も行く」


ノビスケ「え?」


少女「面倒ね!部屋へ直行!」


ーのび太の部屋ー


クソ狸「さてとこれで処理は済んだか・・殺す気はなかったがすまんな小僧」


クソ狸「そろそろのび太が帰ってくるか・・さて猫でも被るか・・ん!」


シュン


クソ狸「タイムマシンだと!」


少女「ドラちゃん!」


クソ狸「お嬢姉!どうした?やはり助けて欲しいのか?俺に任せろどんなことをしても助けー」


パシン


少女がクソ狸を叩いた


これはやばい!少女を助けなきゃ!あのクソ狸はなにするかわからない!


ノビスケ「その喧嘩待った!」


少女「ちょっと黙ってて!」


ノビスケ「はい・・・」


クソ狸「お前は!殺した筈だぞ!」


ノビスケ「死なねぇよ・・まだやることがあるからな」


クソ狸「ほう・・まぁいい!なら喋ってもらおうか!」


ノビスケ「やってみろよ!」


クソ狸「また苦しめ!」


パシン


また少女がクソ狸を叩いた


少し泣きそう顔をしているようにも見えるクソ狸が


クソ狸「お嬢姉・・痛いじゃないか」


少女「ドラちゃん!弟を虐めるなんて!最低よ!殺そうとまでして!」


少女「ドラちゃんなら力になってくれると思ったのに!」


クソ狸「何を言ってる!弟?なんのことだ!」


少女「ノビスケくんを!タイムホールに捨てるなんて考えられない!腕も返しなさいよ!」


クソ狸「ノビスケ?弟?ちょっと待ってくれ!こいつが?俺のサーチでは正体不明になってるんだぞ?ノビスケなら反応する筈だ!」


少女「ドラちゃんが壊れてるんでしょ!」


クソ狸「そんな筈はない!点検はちゃんとしてる!」


少女「とにかく!ノビスケくんはノビスケくんなの!」


クソ狸「なら証拠を見せろ!」


少女「ノビスケくん!」


ノビスケ「え?え〜となにかないかな・・」


ノビスケ「・・・・・」シャキン


俺はナイフを取り出した


常に持ち歩いていたりする使うわけではない


ただのお守りだ


クソ狸「なんだ?やんのか!」


少女「ノビスケくんそれは?」


ノビスケ「俺を命懸けで助けてくれた人が持ってたナイフだよお守りとして持ってる武器じゃないよ」


クソ狸「それを信じろと?」


ノビスケ「・・・・無理か?」


クソ狸「無理だが・・そうだなお前がノビスケならわかるだろ?あの戦争の結果をよ。タイムテレビじゃあ戦争の途中までしか見れないだから俺は結果を知らない」


ノビスケ「詳しくは知らないけど・・あまり教えてくれなかったし」


クソ狸「話してみろ」


ノビスケ「わかった」


少女「ゲホッ・・ぶはっ!」ビチャ


ノビスケ「っ!血を吐いた!おい!大丈夫か!」


クソ狸「しまった!ここは時間内だ!」


ノビスケ「病院に運ばなきゃ!」


クソ狸「どけ!!」ドン


ノビスケ「いて!」


クソ狸「ほら!速くお前もタイムマシンに乗れ!早くしろ!」


ノビスケ「何処へ行くんだ!病院が先だろ」


クソ狸「こいつは病院じゃあ無理なんだ!タイムホールへ行く早く乗らねぇとおいて行くぞ!」


「ドラちゃん誰かいるの?」


誰かが階段を上がってくる


クソ狸「くそ!ママか早く乗れ!!」


ノビスケ「わかったよ!」


タイムマシンに飛び乗りタイムマシンタイムホールへ


ータイムホールー


クソ狸「また、こいつを使うか・・あまり使いたくないが」ブスッ


ノビスケ「大丈夫なのか・・お姉ちゃんは」


クソ狸「今は眠ってるだけだ・・今はな・・」


ノビスケ「今はって!お姉ちゃんは・・」


クソ狸「眠ってる今だから言うがこいつは自分の寿命を使って人を助けたんだ・・たくさんの人をな」


ノビスケ「寿命って!なんでそんな事させたんだ!このクソ狸が!」


クソ狸「殺すぞ!!俺だってさせたくなかった!でもこいつはやるって聞かなかった!俺は動きを制限させられている・・助けることも出来なかった」


ノビスケ「・・・・助けた人ってのはお姉ちゃんが命をかけてまで助けたかった人なんですか・・」


クソ狸「・・・お前がもしノビスケならこう言ったらわかるだろ。お前の両親に妹に仲間達そして・・お前だ」


ノビスケ「っ!!両親・・妹って!お嬢の事・・」


クソ狸「ほう・・わかるか・・そうだ。お前達はあの戦争で死ぬ筈だった。それをこいつは死ぬ未来を変えたんだ」


ノビスケ「ま、待ってくれ!なんで俺達を」


クソ狸「聞いてないのか?お姉ちゃんって呼んでるから聞いてるかと思ったが」


ノビスケ「そう呼んでくれって言われただけだったから」


クソ狸「あいつらしいな・・」


ノビスケ「お姉ちゃんは一体・・」


クソ狸「お嬢の姉だ。聞いたことはあるだろ?」


ノビスケ「姉・・お姉ちゃんが話してたもう一人の姉・・でも、結構前に亡くなって・・っ!!」


クソ狸「気づいたか?そうだお嬢姉だ」


ノビスケ「そんな・・だからあの時抱きしめて・・そんな!そんなの酷すぎる!クソ狸どうにかしろ!」


クソ狸「したいが・・俺には何も出来ない・・それにあいつの仕事はまだ終わっていない」


ノビスケ「仕事ってなんだよ!もういいじゃないか!こんなに苦しそうにしてるのに!これ以上何をしろと!」


クソ狸「死ぬことだ・・彼女の死がないとのび太とお嬢は前へ進むことが出来なくなる」


ノビスケ「そんな・・でも!二人なら!」


クソ狸「お前に二人の何がわかる!今はどうか知らんがのび太もお嬢もこの頃はまだ弱かった・・支えが必要なんだ!今のお前みたいにな」


ノビスケ「・・・また俺の弱さかよ・・」


クソ狸「違う!これは決まっていた事なんだお前が強かろうが弱かろうが変わらない」


ノビスケ「いや・・まだチャンスはある・・タイムマシンがあれば・・だが・・」


クソ狸「おい!聞いているのか?なに一人ブツブツ言ってる」


ノビスケ「クソ狸教えろ!お姉ちゃんがお父さん達を助けた時代を!」


クソ狸「お前・・まさか!」


ノビスケ「あぁ、寿命なんて使わせねぇよ!」


クソ狸「無駄だ・・お嬢姉に持たせた道具は時間を巻き戻すだけの道具・・巻き戻す前の時間を知る者は使用者だけだ。仮に助けに言っても既に寿命を使って何度もやり直した後だ」


ノビスケ「くっ・・・」


クソ狸「それにお前俺に何か頼みがあったんだろ?」


ノビスケ「・・・・・・」


まみを助けたい・・その為にここへ来た


でも、今ここで苦しんでる子を・・お姉ちゃんを見殺しに出来るか?


出来るわけがない!


まみ・・ごめんもう少し待っててくれ


ノビスケ「後だ!」


クソ狸「ほう・・じゃあどうする?何をする?」


ノビスケ「・・・・・」


なにか・・なにか!なにかないのか!


クソ狸「俺はお嬢姉が起きたらあの時代へ連れて行く。死に場所にな」


助けに行った時には手遅れになる・・


一人で戦ってる時にはもう遅い・・


ノビスケ「・・・・・・っ!」


ノビスケ「なら!お姉ちゃんが戦場に行く前に」


クソ狸「行ってどうする」


ノビスケ「一緒に戦う!」


クソ狸「お前・・戦争なめんなよ!!」ガシッ


ノビスケ「なめてなんかない!なめてんのはお前だろが!クソ狸!」ガシッ


クソ狸「なんだと!!」


ノビスケ「戦場に一人女の子を送るなんてなに考えてんだ!他に方法を探せよ!動けなかった?何も出来ない?勝手に諦めてんじゃねぇぞ!!足掻けよ!足掻いてみろよ!」ドゴッ


クソ狸「ぐっ!」ドサッ


ノビスケ「教えろ!!嫌とは言わせない!」


クソ狸「・・・・・」ピッ


クソ狸はタイムマシンに何かを入力していた


クソ狸「お嬢姉はどうにかする・・行ってこい」


ノビスケ「あぁ」


クソ狸「お嬢姉を頼む・・・頼む!」


ノビスケ「わかってるよ!必ず助けるそれまではお姉ちゃんを頼む」


クソ狸「あぁ・・それとこれ」


ノビスケ「これは?手?取れたやつか?」


クソ狸「違う義腕だ。悪かったな腕。見た目は本物と変わらないからし自動修復機能もついてる。全壊しない限りは時間はかかるが治る。感覚もちゃんとあるし一定の痛覚を超えると一旦感覚が全てなくなるから痛くもない。やるよ」


ノビスケ「いいのか?凄く高そうだが」


クソ狸「高そうじゃなく高いんだよ!いいから持っていけ。ここを押したら取れるから。まぁ取ることなんてないと思うが」


ノビスケ「わかったありがと」


ノビスケ(ますます人間離れしてきてるな・・俺)


クソ狸はお嬢姉をポケットに入れてタイムマシンを降りた


ノビスケ「なんでも入るんだな・・よし!タイムマシン頼んだぞ!」ガチャン


腕に違和感はないし触っても普通の腕と変わらない感触だ


未来の技術すげぇ!でもなんで持ってたんだろ?考えても仕方ないか


必ず助けてやるからな!待ってろよお姉ちゃん!


ーーーーーーーーーーーーーー

ーーーーーーーーーー

ーーーーーー


過去


ー戦場へ向かう前ー


ドラえもん「辛いぞ・・お前に何ができる・・・敵を全滅させることが出来るのか」


お嬢姉「無理に決まってるよ、だから、静香さん・・いや!私達のお母さんを守るんだよ!」


ドラえもん「あぁ〜ポンコツロボットだからな〜道具勝手にでてきたぞぉ〜」


ポケットから投げ出された道具は腕時計だった


ドラえもん「ほとんどの道具は正式登録がされてるだから、使うとばれる・・違法の道具を除いてな」


お嬢姉「ありがと・・なんでそんなのを持ってるかは聞かない方がいいよね」


ドラえもん「あぁ・・それと」


ドラえもん「それは、渡してなんだが、なるべく使わないようにしてくれ」


お嬢姉「どうして?」カチャ


腕時計を付けると時計に数字が表示された


お嬢姉「99?この数字は?」


ドラえもん「お前の寿命だ・・」


お嬢姉「後99時間ってこと?」


ドラえもん「いや!わからない最大で表示出来るのが99時間なんだそれ以上は表示できない」


お嬢姉「そう・・それでこれでどうするの?寿命なんて知っても」


ドラえもん「ボタンあるだろ?そこに・・」


お嬢姉「これね!これが?」


ドラえもん「失敗した時・・諦めきれなかったら押せ、だが、一回だけだ!絶対だからな!」


お嬢姉「・・・・わかった」


ドラえもん「・・・後向こうの時代ののび太達には正体をばれないようにしろ絶対だ、未来が変わってしまうかもしれないし・・タイムテレビで見たとうりのび太があれだからな・・」


お嬢姉「お嬢とも・・ダメなの?」


ドラえもん「あぁ・・お前はもう死んでる人間だ・・本来交わってはいけない・・・それでも行くか?今なら・・」


お嬢姉「行くよ・・・ドラちゃんいろいろありがとね」


ドラえもん「着せ替えカメラ」


カシャ


お嬢姉「うわぁ!凄いこの服高そうな・・いいの?」


ドラえもん「動きやすい服にしたんだそんなに高くない・・・お嬢姉!」


お嬢姉「なに?ドラちゃん」


ドラえもん「無理はするな・・」


お嬢姉「大丈夫だよ・・」


お嬢姉「行ってくるね」


ドラえもん「あぁ・・・」


ガチャン


お嬢姉「おお!動いた!」


ドラえもん「・・・・・」


お嬢姉「ごめんね・・」


ドラえもん「!!」


お嬢姉のタイムマシンが消える瞬間


もう一台のタイムマシンが現れる


ノビスケ「ここか!!」


ドラえもん「なっ!」


お嬢姉「っ!」


シュン


タイムマシン「今出発しました。追いますか?」


ノビスケ「あぁ!追ってくれ!」


ドラえもん「誰だてめぇは!」


ノビスケ「ん?クソ狸か!じゃあな!」


ドラえもん「行かせるか!!」


タイムマシン「点灯」ピカッ


ドラえもん「うわっ!まぶし!」


シュン


ノビスケのタイムマシンも消えた


ドラえもん「どう言うことだ・・一体なにがどうなって・・」


ータイムホールー


タイムマシン「向こうが到着した時点で時間の影響を受けてしまいすぐに行っても既に寿命を使っている状態です」


ノビスケ「なら、向こうに着く前に先に言ってれば!」


タイムマシン「それも無理です。向こうが着いた瞬間時間の影響を受けます」


ノビスケ「なら!どうすれば!」


タイムマシン「時間の影響を受けない方法は一つ一分一秒狂わず同じ瞬間に入ることです」


ノビスケ「出来るのか?」


タイムマシン「無理です」


ノビスケ「くっ!・・」


タイムマシン「一つ方法があります」


ノビスケ「なんでもいい教えてくれ!」


タイムマシン「貴方が向こうのタイムマシンに乗ればいいのです」


ノビスケ「乗るか・・だが・・」


タイムマシン「はいその通りです。かなり危険です。落ちたら助ける事も出来ません」


タイムマシン「あと少しで到着しますが・・」


ノビスケ「・・・いい!行ってくれ」


ノビスケ「飛び乗る!」


タイムマシン「・・・・・・」パカ


ノビスケ「なんだそれは?」


タイムマシン「・・・・・・」


ノビスケ「押せと?だがオススメはしないってわけか」


ノビスケ「いいぜ!!」ポチ


ギュィイイイイイイイン


ノビスケ「うぎゃぁぁあああ!」


お嬢姉「もうすぐ着くわね・・待っててね必ず助けるから!」


ギュィイイイイイイイン


お嬢姉「なんかうるさいわね?」


ノビスケ「うぎゃぁああああ!!」


お嬢姉「え?え?な、なに!誰!」


タイムマシン「今です」


ノビスケ「どりゃあ!」ヒョイ


ドン


お嬢姉「きゃっ!」


ノビスケ「ふぅ・・乗れた」


お嬢姉「こ、この!」ポカポカ


ノビスケ「な、なにしてんだ?」


お嬢姉「ど、どろぼーね!出て行きなさい!それとも未来からの使者!未来を変えるのを阻止する為に来たの!」


ノビスケ「そんなんじゃない!」


お嬢姉「嘘よ!こうなったら!」


お姉ちゃんがふと自分の腕時計を見る


あれが時間を巻き戻す道具


俺はとっさに腕を掴んだ


ボタンを押させない為に


お嬢姉「っ!」


ノビスケ「これが・・悪魔の道具!」


クソ狸から外し方は聞いた


腕時計を外した


お嬢姉「返しなさい!」


ノビスケ「駄目だ!こんな物持ってちゃいけない!」


お嬢姉「それがないと!」


これは下手したら取られてしまい使われてしまうかもしれない


一度でも使われてしまったらお終いだ


なら・・・


ガチャン


お嬢姉「っ!貴方それが何か知ってるの!」


腕時計を俺の腕につけた


ノビスケ「ほら、押すなら押せよ」


お嬢姉「押せるわけないでしょ!」


お嬢姉「それがないと・・私・・」


ノビスケ「こんなの使わなくてもいい!その為に俺が来たんだ」


お嬢姉「貴方は味方なの?」


ノビスケ「あぁ、未来から君を助けに来たんだ」


ノビスケ「君はここで死んではいけない!」


お嬢姉「信じていいの?」


ノビスケ「あぁ、お姉ちゃん」


お嬢姉「お姉ちゃん?」


ノビスケ「お嬢がお父さん・・いや、のび太の養子になったのは知ってるだろ?」


ノビスケ「俺は野比ノビスケだ今から助けに行く静香の息子だ」


お嬢姉「っ!!」


ノビスケ「会えて嬉しいよお姉ちゃん」


お嬢姉「え、えと・・あ、あの・・うぅ・・ごめんね・・こんなお姉ちゃんで・・の、ノビスケくん」


ノビスケ「い、いやむしろ大歓迎です!」


ノビスケ(なにを言ってんだ俺はでも不意打ち過ぎるだろ!危うく惚れそうになったぞ)


お嬢姉「えっと・・・大歓迎って・・」


ノビスケ(とにかく今はそんな感情は捨てないと!)


ノビスケ「お姉ちゃんそれで俺はどうすればいい?あまり状況を理解していないんだ」


お嬢姉「え?それなのに来たの?」


ノビスケ「ごめん・・急いでいたんで・・お姉ちゃんの事を知って一秒でも早くって思って」


お嬢姉「はぁ・・なにか作戦とかあったわけでもないのね・・」


ノビスケ「ごめん・・」


お嬢姉「ふふふ、でものび太さんとそういう所は似てるのね。いいわ一緒に考えましょ?」


ノビスケ「お姉ちゃん・・ありがとう!」


お嬢姉「まず、しなきゃいけないことはのび太さん達が来るまで静香さんを守ることよ」


お嬢姉「タイムテレビで見たらこのままだと静香さんは殺されてしまう。つまり貴方も生まれないことになる」


ノビスケ「成る程・・それでタイムテレビってなに?」


お嬢姉「ドラちゃんの未来の道具よ。現時点で一番可能性がある未来が見えるの」


ノビスケ「ドラちゃん・・あぁクソ狸の事か」


お嬢姉「クソ狸?」


ノビスケ「気にしないでくれ。お母さんを守ればいいんだな了解!」


お嬢姉「・・・・・・」


ノビスケ「どうした?」


お嬢姉「やっぱり今からでも・・元の時代に送るからね?帰らない?」


ノビスケ「・・・・お姉ちゃんはどうするの?」


お嬢姉「私は・・行くよ。じゃないとノビスケくんが生まれないから」


ノビスケ「俺の為に命をかける必要なんてない。かける価値もない」


お嬢姉「・・・・・・・」


ノビスケ「なんで俺になんか皆命かけるんだよ・・」


お嬢姉「しっかりしなさい!ノビスケくん男の子でしょ!」


お嬢姉「貴方の価値を決めるのは貴方じゃない。決めるのは相手よ。貴方を助けた人は貴方にそれだけの価値があると思ったから助けたのよ。それをわからない?ふざけないで!皆の思いを命をなんだと思ってるの?そんな甘えた態度だといつか貴方は貴方自身の重みに潰されるわよ!」


お嬢姉「私はノビスケくん達がいる世界を守れるならそれでいい」


ノビスケ「・・・・・・・・」


お嬢姉「ノビスケくん貴方に会えて本当に良かったわ。なんとしても未来を変えないとって思えたから」


お嬢姉「ノビスケくんはなにも悪くない。これは仕方ない事なのよ。わかってね?」


ノビスケ「・・・・・・」


お嬢姉「ごめんね・・説教みたいになって・・さぁ貴方の時代を教えて送るからね?」


ノビスケ「わかった・・」


お嬢姉「うん、ありがと」


ノビスケ「俺も覚悟決めるよ!お姉ちゃんは必ず守る!」


お嬢姉「っ!」


ノビスケ「俺はお姉ちゃんを命をかけて守る価値があると思ってる。否定しないでくれよ?俺の思いを命を」


お嬢姉「ノビスケくん・・ずるいわ」


ノビスケ「悪いね。これが俺なんだ」


ノビスケ「さぁ行こう」ポチ


お嬢姉「だめ!」


彼女の叫びも虚しくタイムマシンは戦場上空へ出た


ー最前線本部近くー


ノビスケ「ここが・・お母さん達がいる本部か」


お嬢姉「ねぇ帰らない?」


ノビスケ「嫌です。とりあえず上空にいたらやばそうだし降りてタイムマシンを隠そう」


お嬢姉「ノビスケくん帰ろうよ〜」ユサユサ


ノビスケ「揺らすな落ちるだろ」


茂みにタイムマシンを隠した


ノビスケ「う〜んこれならわからないな!」


お嬢姉「ノビスケ君!帰るよ!」


ノビスケ「強く言っても嫌だ」


お嬢姉「危ないからね?ノビスケくんにもしものことがあったら私・・」


ノビスケ「やる前からそんな事言うなよ。大丈夫必ずうまくいく」


お嬢姉「どうやって本部に入るの?」


ノビスケ「それなんだが・・先に謝っておくよお姉ちゃん」


お嬢姉「え?」


ノビスケ「動かないでよお姉ちゃん!」大量の泥


お嬢姉「そ、その泥をどうするの?」


ノビスケ「かけるんだよ!」


お嬢姉「きゃぁあああ!」


バシャン


ノビスケ「後俺にもかけて」バシャ


ノビスケ「服も少しボロボロしないと」ビリビリ


ノビスケ「さぁお姉ちゃんも」


お嬢姉「へ、変態近寄らないで!」


ノビスケ「変態って・・家族だからノーカンだ!」


お嬢姉「っ!・・きゃぁあああ!」


ビリビリ


ノビスケ「こんなもんだろう」


お嬢姉「汚された・・ノビスケくんに・・」シクシク


ノビスケ「変な言い方しないでくれ・・まぁ、汚したのは事実だがこれで俺達は命からがら逃げて来た一般市民だ。軍の人なら助けてくれるだろ」


ノビスケ「よし後は軍の人が保護してくれれば中へ入れるな」


「おーい!そこの奴!」


ノビスケ「ほら、来たぞ」


ゴスッ


そんな音がすると同時に俺は倒れた


ノビスケ「がっ!」


「このロリコン野郎が!見ていたぞ」


「大丈夫かい?」


お嬢姉「あ、あの・・」


ノビスケ「違う誤解なんだ!なぁ?お姉ちゃん」


お嬢姉「・・・・・・・・」


ノビスケ「お姉ちゃん?」


お嬢姉「この人がいきなり襲ってきて・・私怖かった」


ノビスケ「そんな・・・」


「なんて奴だ!拘束させてもらうぞ!本当ならここで殺してやりたいがたけしさんの許可なしでは出来ないからな!」


ノビスケ「なんで!なんでだ!」


お嬢姉「・・・・・」


「さぁ、中へおいで」


「お前はこっちだ!」


ノビスケ「くそがぁああああ!!」


ガッ


バタッ


お嬢姉「ごめんね・・・・」


ーーーーーーーーーーーーーー

ーーーーーーーーー

ーーー


ーテントー


気づくとテントの中にいた


どうやらここはそういう奴らを入れておくテントなのだろう


入り口に人影が見える


交代で見張っているのか


本当に俺はこういうのに縁があり過ぎるだろ


お姉ちゃんがどうして見捨てたのか・・考えればわかっていたことだ


お姉ちゃんは一人でやるつもりだ


そんな事させるわけには!また寿命を使って!


待てよ?時計を使ったって事は一度は必ずお姉ちゃんは生きていた状態にあった筈だ!


失敗してなおかつ生きていたから使えたんだから


それに時計は俺が持ってる


今の状況から見てまだ、事は始まっていない


まだ間に合う


ノビスケ「だが・・どうするか」


「そろそろ中の奴起きるんじゃないか?」


「ちょっと中を見てみるか」


ノビスケ(まだ起きてないふりをしておこう)


「ちっ!まだ寝てやがる」


「こんな奴さっさと殺せばいいのに・・そうだ!こいつが暴れて仕方なく殺ったって事にすれば」


ノビスケ(っ!こいつなに考えてやがる!殺すだ?そんな簡単に・・そうか!今は戦争中なんだった人を何人殺そうが罪には問われない)


ノビスケ(でも俺はまだ高校生なんだぞ?子供なんだぞ?それでも・・なのか・・そうやって殺された子供達もいたんだろうな・・)


シャキン


「やっぱりナイフで人を切る感触はやめられないな・・ふふふふ」


ノビスケ(狂ってる・・・)


「前に助けを求めてきた子供をよかったなぁ〜いい声で泣いたふふふふ」


ノビスケ(・・・・・・・)グッ


「お前はどう泣くのかな?ふふふ」


奴が俺に手を伸ばした瞬間


ノビスケ「っ!」グワッ


相手の腕を掴みそのまま投げ倒した


「なっ!」


ノビスケ「お前は!」


グキッ


「ぎゃぁああああ!!腕がぁぁああ」


ノビスケ「俺のナイフ返してもらうよ」


「悲鳴が聞こえたぞ!」


ノビスケ「やばいな・・じゃあなクソ野郎!」


「おい!大丈夫か・・テントに穴が開けられてる!ここから逃げたのか」


「助けてくれ・・腕を折られた」


「くそっ!許さないぞ!」


ノビスケ「何処か!隠れる場所は!」


近くにあったテントの中へ逃げ込むが


ノビスケ「っ!」


そこには大量の死体の山だった


ノビスケ「うっ!うぇえええ!」


出ようとするが外から兵士達の声が聞こえてくる


今出たら捕まってしまう下手したら殺されてしまう


ここはそれすら許された世界なのだから


ノビスケ「ぐっ・・ハァ・・ハァ・・」


ただ息をするのが精一杯だった


ノビスケ「ここにずっといたらどうにかなりそうだ・・」


しかし出たら捕まる


一つ案が浮かび上がるがそれは下手したらここにいるより大変な事だ


ノビスケ「ここの人達から服を借りるしか・・」


兵士になりきればもしかしたら・・


ノビスケ「うっ・・だが・・」


考えてる暇はない


やらないとお姉ちゃんが


ノビスケ「すいません・・服借ります」


兵士の服を借りた


ノビスケ「匂いは・・仕方ない。ありがとうございました・・これしか出来ませんが」


そう言って自分が最初に着ていた服を被せてテントを出た


ノビスケ「さてとお姉ちゃんを探して尻でも叩いてやろうか・・そんな事したら本当の変態になるからしないが・・だけど文句ぐらいは言わせろよ!」


その時大きな爆発音がする


ドカーーン


ノビスケ「っ!」


俺は爆発のした方へ走った


未来は変わる


なら・・・・


ノビスケ「お姉ちゃん!」


「おい!武器も持たず行くなんて死にたいのか!こいつを使え!」


銃を渡された


ノビスケ「使い方がわからない!」


「簡単だ!ここを引いて後は狙って撃て!」


ノビスケ「ここをこうか!」ガチャン


「お前みたいな若い奴まで戦わせなきゃいけないなんてな・・」


何も言えなかった・・・


ノビスケ「・・・・・あれは!」


本部を囲んでいた壁が一部壊れており敵が入ってきていた


「撃て!」バン


ノビスケ「っ!」


銃弾の飛び交う中俺は・・・動けなかった


ノビスケ「これが・・お父さん達が戦ってきた戦争」


あまりの過酷さにただ見ることしか出来なかった


一人の敵がこちらに気づいた


そして銃を向けて・・・・撃った


バン


「危ない!」ガバッ


ノビスケ「っ!」


ノビスケ「おじさん!」


「」


目の前で死んだ・・・俺のせいで


ノビスケ「馬鹿が馬鹿がぁあああ!!」ガチャ


バン


撃った弾は敵のすぐ横を通り敵が腰を抜かした隙に走った


俺のせいで死んだ・・でも俺はそれで生き残った


なら俺はそれを無駄にしちゃ駄目だ!


ノビスケ「あそこにお姉ちゃんはいなかった!お母さんを探せば!」


「おい!敵前逃亡は死刑だぞ!」


ノビスケ「法律なんてないだろうが!お前らに誰かを裁く権利なんてない!」


ただ走った


するとテントの前に小太りの男がいた


皆が戦っているのにおかしい


いくら素人が集まった兵士でもあの数でここまで行けるのか?


いや無理だ。その前にお父さん達が来てしまう


なら短時間で制圧しなければいけない


そうなると何か計画を立てている筈だ


映画とかで見た事がある


短時間で制圧する方法は


それは・・・・


小太り「そこにいるんだろ?静香」


「駄目!あの人は!」


「大丈夫よ彼は味方よ?」


「違うの!あいつは裏切り者です!」


「え?」


内部からの攻撃だ


ノビスケ「っ!」ダッ


小太り「ちっ!ばれたか!だが、いるんだな!死ね」ガチャ


ノビスケ「おらぁああ!!」ドゴッ


小太り「がぁ!」


ノビスケ「今のうちに逃げろ!」


「その声はノビスケくん!」


ノビスケ「早く行け!」


「貴方も早く!」


テントから出て来たのはお姉ちゃんと若い頃のお母さんだった


ノビスケ「・・・綺麗だ」


静香「え?そんな・・綺麗だなんてふふふふ」


ノビスケ「そうじゃなくて早く逃げてください!お姉ちゃん頼んだよ」


お嬢姉「うん・・っ!後ろ!」


小太り「うぉおりゃぁああ!」シュッ


後ろから小太りが攻撃しかけてきた


しかし俺は振り向かずにそのまま片手を後ろに思いっきり振った


小太りの顔面に手があたり倒れる


ノビスケ「寝てろ肥満野郎!さぁ逃げろ!」


お嬢姉「ノビスケくんも!」


ノビスケ「いいから行け!」


お嬢姉「嫌よ!来なさい!」


ノビスケ「行け!」


お嬢姉「嫌!」


ノビスケ「なんだ?」


お嬢姉「なに?」


静香「あの・・私はここに残ります。皆を置いて逃げるなんて出来ません」


お嬢姉「そういうことよノビスケくん」


ノビスケ「ちっ!俺といた方が危険なんだよ!」


お嬢姉「それでも・・私は貴方と一緒にいたいのノビスケくん」


ノビスケ「ああああ!!勘違いすんぞ!この!」


静香「え?きゃあ!」


俺はお母さんをお姫様抱っこした


ノビスケ「少し我慢してくださいね。行くぞお姉ちゃん」


お嬢姉「うん!勘違いしてもいいよ?」


ノビスケ「バカ・・・・」


小太り「ま、待て・・・」


バン


小太り「」


隊長「役立たずが!」


ノビスケ「なんて奴だ!走れ!」


お嬢姉「はい・・っ!」ズテン


ノビスケ「お姉ちゃん!」


お嬢姉「いてて・・私の事はいいから行って」


ノビスケ「そんな事出来るか!背中に掴まれ!今手が使えないから」


お嬢姉「いいの?重いよ?」


ノビスケ「いいんだよ!早くしろ!」


お嬢姉「お、おじゃまします・・」ガシッ


ノビスケ「ちょっ!お前ちゃんと飯食ってんのか!軽過ぎるぞ!」


お嬢姉「体重の事は言わないのが普通でしょうが!デリカシーなさ過ぎです!」


ノビスケ「別に重いとは言ってないだろ!お母さんの方は重いけどな!」


静香「親孝行なんだね?偉いよ。きっとお母さんも喜んでるよ」


ノビスケ「え?あーそうだね」


隊長「逃げ切れると思っているのか?」ガチャ


ノビスケ「やばい!撃たれる・・っ!」


茂手「動くな!裏切り者!」ガチャ


隊長「ほう・・・・・」


ノビスケ「貴方は!」


茂手「行け!ここは任せろ」


ノビスケ「はい!お願いします!」


静香「降ろして!茂手さん一人じゃ!」


ノビスケ「貴方に何が出来るんですか!妊婦の貴方に!」


静香「でも!それでも私は皆の!」


ノビスケ「いい加減に!」


お嬢姉「いい加減にしなさい!」


ノビスケ「っ!」


お嬢姉「貴方になにができるのよ!守る力もないくせに!貴方が無茶すれば!周りの人が死ぬ!それを自覚しないさいよ!バカ!」


静香「そんなの・・そんなのわかってるわよ!でも!お願いだから離してこれは命令よ」


ノビスケ「悪いな。俺の姫はこいつなんでな。貴方の命令よりこっちが優先なんでな」


お嬢姉「お姉ちゃんでしょ!こいつ呼ばわりしないで!」


ノビスケ「悪い悪い〜」


静香「この!」ポカポカ


お嬢姉「バカにしてるでしょ!」ポカポカ


ノビスケ「両肩がいい感じにマッサージされていいね!いてて!顔はやめて!」


ノビスケ(さっきの人怪我をしていた・・言っちゃ悪いがあれは・・もう・・今は遠くに逃げることを考えないと!全力ダッシュだ)


ノビスケ「おりゃぁあああ!!」ダッ


バン


銃声がする


何故かその銃声だけは確信できる音だった


あの人が殺られたと・・・


ノビスケ「くっ!」


静香「茂手さん・・・」


お嬢姉「ごめんなさい・・」


ーーーーーーーーーーーーーー

ーーーーーーーーー

ーーーー


隊長「ただの時間稼ぎかよ。無駄なことしやがって」


茂手「」


隊長「しかし・・あのガキ二人は見ない顔だな・・何処から」


「隊長!戦車が迫って来ています!指示を」


バン


バタッ


隊長「死ね以上だ」


隊長「早く野比静香を殺さなければ!私の命が!」


ーーーーーーーーーーーーー

ーーーーーーーー

ーーーー


ノビスケ「ハァ・・ハァ・・ここも敵がいるな・・」


隠れながら出口を目指すが敵はどんどん増えていっている


二人を持った状態がこのまま続くわけもない


早く二人を安全な所へ


安全な所・・・


ノビスケ「・・・・・・」


お嬢姉「ねぇ?もう降りていいよね?」


静香「私も歩けるから」


ノビスケ「駄目だ・・二人は俺が守るだから我慢してくれ」


静香「でも・・」


お嬢姉「ノビスケくん・・ごめん!さっきから言おうと思ったんだけどもう限界なの!」


ノビスケ「え?」


お嬢姉「ノビスケくん凄く臭いの何かが腐ったようなそんな匂い」


ノビスケ「そりゃそうだこの服は借りてきた奴だからな。あそこのテントから」


静香「あそこって・・亡くなった人達がいる場所よ」


お嬢姉「何考えてるの!仏から服取ったの!」


ノビスケ「こうでもしないと殺されてたんだ・・そうだ!あそこなら人来ないよな!」


静香「え?」


お嬢姉「ま、待って!」


ノビスケ「考えてる暇はないよ!」


テント中へ入る


ノビスケ「うっ・・・」


静香「うっ・・駄目・・吐きそう」


お嬢姉「ノビスケくん!ここじゃあ貴方に害が!」


ノビスケ「・・俺は平気だ」


お嬢姉「違う!お腹の方よ!」


ノビスケ「そうか・・だけどここしかないんだ。静香さんすみませんが少しここにいてください」


静香「私は大丈夫よ。みんな私の為に戦ってくれた人達なんだから・・」


ノビスケ「お姉ちゃん少しだけ待っててくれ!周りが安全か確かめる。それまではここにいてくれ頼んだ」


お嬢姉「わかったけど急いでよ」


ノビスケ「あぁ」


お嬢姉「あ、ちょっと待って!」


ノビスケ「え?」


お嬢姉「まだ待って」


ノビスケ「どうして・・」


すぐ外で大きな爆発がする


ドカーーーーン


どうやら手榴弾か何かが爆発したんだろ


すぐに出てたらやばかった


お嬢姉「気をつけて・・・絶対に死なないで」


ノビスケ「わかってるよ」


テントから一人出て周りを見る


仲間の兵士達はほとんどが殺られていた


逃げようとしても見つかってしまう


ノビスケ「・・・・・っ!」ガチャ


隊長「見つけたぞ」ガチャ


ノビスケ「お前仲間だったんだろ?なんで裏切った!」


バン


ノビスケ「っ!」バン


隊長「何処に撃ってる?」


ノビスケ「うっ!足が・・」


ノビスケ「ぐっ!・・まだ大丈夫だ!」


隊長「冷静なんだな?ここの兵士達とは少し違うようだな。悪いが時間がない野比静香の居場所を言え」


ノビスケ「わざと急所を外したって言いたいのか?」


隊長「そうだ命が惜しいだろ?なら言え。そうすればお前を特別に見逃してやる」


ノビスケ「・・・・・・」


見逃す気は絶対にない


それだけはわかる!


ノビスケ「誰が言うかバーカ!」


隊長「そうか残念だ・・まぁいいここで殺してやるのもいいがお前にはあの人の実験材料になってもらおうかな?死ぬより辛いぞ?」


ノビスケ「上等だやってみろよ」


隊長「ふふふ、そろそろ到着する頃だ」


「隊長!」


隊長「どうした?」


「我々の戦車が!一台の車を追って何処かへ行ってしまい!二名ほどがこちらへ向かっていますかなり押されています!」


隊長「なんだと!たった二人にか!」


「隊長撤退命令を!戦車がこちらへ来ない時点で作戦は失敗です!」


隊長「くっ!あの人は何を考えてる!だが、今撤退したら後で何を言われるか!」


ノビスケ(話に夢中でこちらを見ていない今のうちに・・)コソコソ


隊長「仕方ない!実験体を確保しただけでもなんとか言えるか。撤退するぞ!そこの奴を連れてこい」


「そこの奴?」


隊長「そこにいるだーっ!くそっ!逃げられたか!何処へ行った!」


「血の後がありますが?」


隊長「よし!追うぞ!」


「はっ!」


ノビスケ「ハァハァ・・テント一度戻って・・ぐっ・・」


「ん?止まれ!」ガチャ


ノビスケ「っ!」


バン


「」バタッ


ノビスケ「あれ?」


???「静香ちゃん!何処にいる!」


???「ジャイアンあそこに誰かいるぞ!見ない顔だ!敵に間違えない」


ノビスケ「っ!」


そこにいた二人を俺は知っている


???「まだ若いな・・だが許すわけにはいかない」ガチャ


たけしさん!


???「ジャイアン何か知ってるかもしれないし捕まえて吐かせるのは?」


スネ夫さん!


今気づいたが・・俺敵だと思われてる?


ジャイアン「そうだな!なら!」ダッ


ノビスケ「うわっ!」


たけしさんが全速力で走って来ていた


怖い


ガシッ


ノビスケ「ぐっ!」


ジャイアン「どりゃぁああ!!」


ドン


ノビスケ「がっ!」


たけしさんは俺を投げ飛ばしさらに追撃をしようとする


それを俺はどうにか腕でガードするが意味もない筈だが


ノビスケ「ああぁっ!腕が・・ってあれ?痛くない」


ジャイアン「ぐっ!なんて硬い腕だ!」


ノビスケ「あ、そうか右腕は義腕なんだった」


ジャイアン「ふん!」ドゴッ


ノビスケ「ごはっ!」


スネ夫「大丈夫か?ジャイアン」


ジャイアン「あぁ、大丈夫だ。それにしても硬い腕してやがる」


スネ夫「ねぇジャイアンこいつ片足撃たれてるぞ」


ジャイアン「もしこいつが怪我なんかしてなかったらやばかったかもしれないな」


スネ夫「そうだね。どうする?やっぱり殺すか?」


ジャイアン「まだ立つか・・」


スネ夫「え?」


ノビスケ「ぐっ・・まだ死ぬわけにはいかない・・たけしさん・・スネ夫さん聞いてください!」


ジャイアン「何をだ」


スネ夫「なんで俺達の名前を」


ノビスケ「俺は・・」


バン


ノビスケ「がはっ!」


銃弾が腹を貫いた


ノビスケ「ぐっ・・いてぇ〜」バタッ


隊長「見つけたぞ」


ジャイアン「隊長か、どういうつもりだ!」


スネ夫「なんでこんなに本部が攻められている!お前がいてなんで!」


隊長「それはですね?」ガチャ


「すみませんたけしさん!」ガチャ


ジャイアン、スネ夫「っ!」


隊長「俺が裏切り者だからだ!」


ノビスケ「っ!!」


ノビスケ「うぉおおりゃぁああ!」ドン


隊長「ぐっ!」バン


「うわっ!」バン


ノビスケ「たけしさん!スネ夫さん今です!」


ジャイアン「スネ夫!」ダッ


スネ夫「おう!」ダッ


ドゴッ


ゴキッ


隊長「ぐぁっ!」


「ぐっ・・」


あっという間に二人は倒され拘束する


そこで俺は意識を失い・・まだ言わなきゃ!


ジャイアン「おい、しっかりしろ!」


ノビスケ「静香さんは・・テントの中で・・す・・後はお願いしま・・す」


ジャイアン「っ!スネ夫」


スネ夫「テントと言われてもいっぱいあるが!全部探すよ!」ダッ


ジャイアン「死ぬなよお前には聞きたいことがあるからな」


そこで完全に意識を失った


ーーーーーーーーーーーーーー

ーーーーーーーーーー

ーーーー


ーテントー


お嬢姉「・・・・・」


静香「・・・・・心配?」


お嬢姉「・・・はい」


静香「貴方達は兄妹なの?」


お嬢姉「多分静香さんが思ってる兄妹ではありませんがそうです」


静香「そうなの、ねぇ聞いていい?」


お嬢姉「なんですか?」


静香「どうして見ず知らずの私を助けてくれたの?」


お嬢姉「見ず知らずではないからです。彼も私もそれしか言えません」


お嬢姉「命をかけて守る価値が貴方達にはある」


静香「貴方達?」


お嬢姉「そうです。生きてください。何があっても彼のためにそしてわたしのために」


静香「うん・・その代わり貴方達も一緒よ。皆で生き残るのよ」


お嬢姉「・・・・はい」


ドクン


お嬢姉「ぶはっ!」ビチャ


静香「血!」


お嬢姉「大丈夫だから・・」


静香「大丈夫なわけないでしょ!」


お嬢姉「ハァ・・ハァ・・っ!誰か来る!」


足音がこちらへ向かってくる


お嬢姉「お願い・・次こそは・・」


そしてテント前まで来る


???「ここも調べておくか」


お嬢姉「入ってくる!」


静香「この声は」


お嬢姉「静香さん!私が隙を作ります。だからそのうちに!」


スネ夫「静香ちゃんいるか!」


静香「あ、スネ夫さん」


お嬢姉「ていやぁああ!!」ドン


スネ夫「ごふっ!急所に・・」


お嬢姉「静香さん今のうちに!」


スネ夫「あ、あ〜〜!」


静香「スネ夫さん!」


お嬢姉「え?」


タイムテレビで見たことのある人が倒れてピクピクしている


もしかして仲間?


お嬢姉「あ!馬鹿の人!」


スネ夫「酷くね!」


静香「スネ夫さんどうしてここに?」


スネ夫「それは後で説明するよ。いてて・・とにかく二人ともついて来てくれ一人撃たれてやばい奴がいる」


お嬢姉「っ!」ダッ


スネ夫「あ、おい!場所わかるのか!行ってしまった」


静香「あの子・・・・」


ーーーーーーーーーーー

ーーーーーーー

ーーー


ジャイアン「くそっ!脈が弱まってきている。まだ死ぬな!」


ノビスケ「」


ジャイアン「お前は誰なんだ!どうしてここにいる!なんで静香ちゃんを助ける!死ぬ前に言え!」


ノビスケ「」


ジャイアン「っ!・・救護班はまだか!」


お嬢姉「どいて!」


ジャイアン「うわっ!なんで子供が」


お嬢姉「もう大丈夫!静香さんはこれで助かる。もう出来る事はない。ありがと」


お嬢姉「だけど最後に手を貸して!お願い」


ジャイアン「何をしてる!」


お嬢姉「貴方は黙ってて!お願いノビスケくんをドラちゃんの所までお願い・・もう嫌これ以上ノビスケくんが死ぬ所見たら私・・」


ノビスケ「」ピクッ


お嬢姉「っ!」


ジャイアン「っ!」


ノビスケ(青)「うぅ・・君には辛いことをさせてしまった・・」


お嬢姉「・・いえ、私が望んだことです・・ありがとうございました」


ジャイアン「え?なんで・・立てる筈がないのに!」


ノビスケ(青)「僕が強かったら君を巻き込む事もなかったのに・・」


お嬢姉「でも、それだったら私達は出会えなかった。そうでしょ?」


ノビスケ(青)「本当に君はいい子だ・・君みたいな子が生き残るべきだったんだ・・なのに・・いや、これ以上言うと君を否定してしまうことになるね・・もう一度言うありがと」


お嬢姉「こちらこそだよ・・行こっか歩ける?」


ノビスケ(青)「あぁ、大丈夫だ。それよりノビスケには言うのか本当の事を」


お嬢姉「・・・・うん」


ジャイアン「おい!待てよ!」


お嬢姉「もう行きます。後は貴方達次第です。未来をお願いします」


ノビスケ(青)「・・・・・」


ジャイアン「お前達は一体何者なんだ!」


お嬢姉「あ、これあげます」


ジャイアン「これは・・日記?」


お嬢姉「後で読んでください。今は絶対に見ないでね」


ジャイアン「あ、あぁ」


スネ夫「ジャイアン!」


静香「たけしさん!」


ジャイアン「静香ちゃん無事だったか」


スネ夫「あれ?女の子と怪我人は?」


ジャイアン「ん?あぁ、帰ったよ」


静香「・・・・・・・」


スネ夫「帰ったって・・ここ戦場なんだけど・・」


ジャイアン「・・あの人達はきっと」


ーーーーーーーーーーーーー

ーーーーーーーーー

ーーーー


俺は一体どうなったんだ?


まさかまた死んだのか?


なら、今度こそは地獄にでも行くのかな・・


まぁ、お姉ちゃんを助けられたから悔いもな・・まみ!


まだ、まみを助けていない!死ねるか!


おい!試練でもなんでもやるから生き返らせろ!


俺はまだ!!


ガバッ


ノビスケ「死ねないんだぁあああ!!」


ノビスケ「あれ?見覚えのある部屋だ・・ここは・・そうだ!ここはお父さんの別荘だ」


クソ狸「まだ俺の別荘だ」


ノビスケ「クソ狸!いてて」


クソ狸「殺すぞ?死にかけてたんだ今は大人しく寝てろ」


ノビスケ「俺生きてるのか・・」


クソ狸「試してみるか?」


ノビスケ「やめておくよ・・上手くいったんだよね?」


クソ狸「・・・・・・あぁ」


ノビスケ「これでお姉ちゃんは死ななくてもいいんだね」


クソ狸「・・・・・・あぁ」


ノビスケ「ねぇ・・なんで喜ばないんだ?」


クソ狸「喜んでるよ・・喜んで・・」


ノビスケ「?」


ノビスケ「お姉ちゃんは何処にいるんだ?」


クソ狸「今呼んでくるから待ってろ」


ノビスケ「わかった」


ノビスケ「よかった・・本当によかった」


数分後お姉ちゃんは来た


綺麗な浴衣を着て


お嬢姉「ど、ドラちゃんがこれで行けって言ったの!だから!」


ノビスケ「凄く綺麗だ・・・」


気がつくとそう言っていた


お嬢姉「っ!」


ノビスケ「い、いや!今のは!」


お嬢姉「うん!ありがとノビスケくん」ニコ


俺は守れたんだ・・この笑顔を


ノビスケ「緊張するな!ははは、でもこれからもっと見れると思うと嬉しくてたまらないよ」


お嬢姉「っ・・・ふふふふそうね」


今一瞬だけあの時と同じ顔をしていた


始めて会った時の優しい顔だけど悲しみを隠しているあの顔に


万が一にあり得ないと思い・・遠回しに聞いた


もう終わったんだよねって・・


ノビスケ「俺の傷が治ったら元の時代へ帰ろう!君も一緒にね」


ノビスケ「まぁ?中学校からだけどね。と言うことで俺がお兄さんな!ははは」


お嬢姉「・・・・・・・」


ノビスケ「っ!・・返事くらいしてくれよ。それとも怒ってるのか?冗談だよお姉ちゃんはお姉ちゃんだよ」


お嬢姉「ノビスケくん外行こっか」


ノビスケ「え?」


お嬢姉「今日は夜空が綺麗だよ。だからね?」


お嬢姉「お姉ちゃんの言うことは聞くこといい?」


ノビスケ「うん!」


考え過ぎだきっと疲れているんだな


別荘から海が近く俺達は浜に来ていた


海の潮のいい香りがする


そう言えばこの時代では夏だ


隣には浴衣を来た美少女


そして綺麗な海に空


二人きりの空間


俺リア充じゃないか?爆発するのか?


二人で浜を歩きながら空を見上げて星座を探すお姉ちゃんは浴衣が慣れていないのか歩き方がぎこちなかった手を繋いで一緒に歩く


あったかい・・・


家族の話をしたりこれからの事を話したり冗談を言ったり


まるで本当に付き合ってるみたいだった


それでもいいと思ってしまった


でも俺は今が幸せだった


お姉ちゃんは疲れたのか浴衣なのを気にせずその場に座り込む


俺もその隣に座る


肩と肩があたっているくらい近い距離だ


いい香りがする・・


お姉ちゃんを見ると


泣いていた


ノビスケ「お姉ちゃん?」


お嬢姉「ノビスケくん・・ごめんね?ごめん・・」ポロポロ


ノビスケ「どうしたんだ?何処か痛いのか?クソ狸を呼ぼう!」


お嬢姉「いいの・・ここにいて」ギュッ


手を強く握られる


これは離してくれそうにないな


ノビスケ「わかった・・何があったのか話してくれる?ゆっくりでいいから」


お嬢姉「うん・・あのねノビスケくん・・私ノビスケくんを騙していたの」


ノビスケ「騙す?・・・」


お嬢姉「本当は・・失敗してたの」


ノビスケ「え?」


お嬢姉「これ・・・」


お姉ちゃんの手には時計があった


あの悪魔の道具だ


ノビスケ「っ!それは俺が持っている筈・・ない!なんで!」


お嬢姉「ノビスケくんから取ったの」


ノビスケ「何を言ってるんだ!そんな隙なんて・・それに取り方わからないだろ」


お嬢姉「・・・正規の取り方じゃないから・・」


お嬢姉「ノビスケくんから悪いと思ったけど・・どうしても認めるわけにはいかなかったの」


ノビスケ「認めないって何を?」


お嬢姉「ノビスケくんの死を・・これは無理やり取ったの・・動かなくなったノビスケくんから」


ノビスケ「っ!」


お嬢姉「本当は!一度で成功したんじゃないの・・何度も何度もやり直して・・それで」


ノビスケ「そんな・・・嘘だろ・・だって俺は一度も死んでない・・冗談なんだろ?ドッキリなのか?カメラは何処だ?クソ狸何処に隠れてる!」


お嬢姉「ノビスケくん・・聞いて・・時計の影響を受けるのは持っている人だけだよ・・他の人には普通に流れるようにしか感じない」


ノビスケ「嘘だ・・嘘だ・・」


お嬢姉「何度もやり直してたらね?時間があと少しだけになっちゃった・・・」


ノビスケ「っ!もう一度!タイムマシンで!」


お嬢姉「ノビスケくん!もういいの・・もういいんだよ・・私もうね一生分の幸せを貰ったから」


ノビスケ「そんな事言うなよ!まだ、全然あげれてないじゃないか!これからだろ!」


お嬢姉「ノビスケくんと出会って・・お姉ちゃんだけど妹のように甘えられて・・お姉ちゃんだけど・・・彼女のように過ごせて・・私・・もう・・胸いっぱいだよ」ポロポロ


ノビスケ「頼むから!生きたいって!もっと我儘を言ってくれよ!もっと一緒にいてくれよ!」ポロポロ


お嬢姉「駄目だよ・・・これ以上・・」


お嬢姉「ノビスケくんに!!」


お嬢姉「・・迷惑かけられないもん!!最後くらい頼れるお姉ちゃんでいさせて・・」


ノビスケ「嫌だ・・・嫌だ!!」


お嬢姉「・・・・ノビスケくん」


やめろ!


ノビスケ「嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ」


聞きたくない!


お嬢姉「さようなら・・・」


ノビスケ「そんなの!認めるかぁあああ!!」


お嬢姉「お願い!!ドラちゃん!」


クソ狸「寝ろ・・・」


ドゴッ


ノビスケ「ぐっ!・・邪魔をするな!!クソ狸!!」


ドゴッ


ノビスケ「がっ!」


クソ狸「ビックライト・・・すまん」


ガッ


ノビスケ「」バタッ


お嬢姉「ノビスケくん」ナデナデ


クソ狸「これでよかったのか・・」


お嬢姉「うん・・こうでもしないと私・・これ以上言われたら・・言っちゃうから・・ノビスケくんに助けてって・・生きたいって!妹やのび太さんを見捨てて生きたいって!そんなのは許されない!私には二人の道標にならなきゃ・・未来のために・・ノビスケくんのために」ポロポロ


クソ狸「お前は強いよ・・・」


お嬢姉「ドラちゃん最後にお願いを聞いて欲しいの・・」


クソ狸「なんだ?」


お嬢姉「ノビスケくんを送る時にね・・・」


クソ狸「っ!・・・・・本来なら許されない事だ・・だが、お前の大事な弟だ。わかった任せておけ」


お嬢姉「ドラちゃん・・ありがと」


クソ狸「・・・・・・あぁ」


ーーーーーーーーーーーーーー

ーーーーーーーーー

ーーーー


ノビスケへ


まぁ・・そのなんだ・・こう言うのを書くのは初めてなんでな


変かもしれないが気にするな


まず、謝らさせてほしい。俺は知っていたんだ


お嬢姉が助からないってことを


でも、お前を見ていたらほんの少しだけでも信じてみたくなってな


でもやはりあいつの死は決まってしまっていたようだ


いいか?お前はやれる事はやったんだ


お前は充分に戦った誇ってもいいくらいにな


あまり長いのは面倒だから本題に入る


今お前がいるのは俺が使っていた秘密基地だ


人除け装置を起動させてるから人は寄って来ない


そしてここはお前がタイムホールに飛び降りた日の三日前になる


あいつから聞いたどうして俺の所を訪ねて来たのかをな


お前の事だ。いなくなって次の日くらいにタイムホールに飛び込んだんじゃないか?


図星だろ


選べ


その連れを落ちる前に助けるだけか


それとも助けた後二人で身を隠すかだ


お前の連れがいなくなった事によりお前はタイムホールへ飛び込んだ


助けるだけならすぐに見つかりお前はタイムホールへなんか行かない


つまり俺達とは会っていない事になる


結果お前は全てを忘れるだろう


もし助けた後にその連れと身を隠したなら、連れは見つからずお前はタイムホールへ飛び込み俺達と出会い


辛い思いをする


どちらが正しいとかはない


忘れる事で前を向けるなら忘れろ


戦争の辛さ痛みお嬢姉の事を覚えていてそれでも前を向けるなら覚えていてほしい


背負える覚悟があるなら・・


決断はお前に任せる


どちらかを必ず選べ・・じゃないと全てを失う


じゃあな・・・・ノビスケ


そして・・・ごめん


クソ狸より


ノビスケ「・・・・・・・」


目が覚めるとそこは知らない部屋だった


目の前に手紙が置かれており俺はどうやら帰ってきたようだ


ノビスケ「・・・・・選べか」


狸って言われるの嫌いじゃなかったのか自分で書いて・・わからない奴だ


ノビスケ「俺は・・どうしたいんだろう・・」


お姉ちゃんの事を考えると胸が苦しい・・これなら全てを忘れてしまった方が楽になれるんじゃないか?


考えれば考えるほど・・俺は自分が情けなく・・腹が立つ


ノビスケ「なんか・・落ち込んでばかりだな・・お姉ちゃん・・」


ノビスケ「ん?ポケットなにか・・これってお姉ちゃんの懐中時計だ!そういえば返すの忘れてた」


懐中時計の蓋を開け時間を見る


時間は全然あってなかった


蓋の内側を見ると小さな写真のようなものが貼ってあった


ノビスケ「っ!」


その写真は俺とお姉ちゃんが浜で楽しそうに会話をしている途中の写真だった


俺もお姉ちゃんも笑顔でお姉ちゃんの浴衣姿は何度見ても綺麗だ


お姉ちゃんは忘れたんじゃなくてくれたんだ。大事な懐中時計を


ノビスケ「うぅ・・・」ポロポロ


やっと気がついたよ・・・


お姉ちゃんは俺の心の中で生き続けているって


俺はお姉ちゃんと過ごした時間を忘れたくない


例えそれが短くても


最初っから答えはわかってたんだ


ただ、少し戸惑ってしまっただけだ


もう決めたよ


懐中時計の蓋を閉め握りしめて叫んだ


ノビスケ「俺は!もう二度と後悔はしない!皆がくれた命!確かにここにある!力になってくれる!俺は幸せ者だ!いつか俺が誰かの命なれたら・・・その時まで俺は逃げない!この時計に誓う!」


ノビスケ「よし!なら明日はこの時間くらいに行けばちょうどいいか」


ノビスケ「なんか腹減ってきたな・・ん?あれ?クソ狸の手紙もう一枚ある」


あと机の件だが本来俺が未来に帰るか俺が死ねば自動的にタイムホールは塞がれる筈なんだ


だから残っているのがおかしい


可能性としては偶然塞がらなかっただけか何かしらの力がかかっているかそれか・・俺が生きてるかだ


どちらにせよそいつは危険だ


机の引き出しには鍵をかけて誰も近づけないようにしておけ


間違っても一般人にばれるようなことはないようにな


ノビスケ「鍵買ってきて付けるしかないか・・・ん?」


追伸


三日分の食料は用意しておいたぜ感謝しろよ


あと、写真見たか?こっそり撮って貼っておいたぜ!お嬢姉には内緒でな


ノビスケ「クソ狸・・やるなグッジョブだ!」


あいつこと少しは好きになれそうだだが、相変わらずクソ狸だがな


ノビスケ「腹減った・・手紙には食料はあるって言ってたな冷蔵庫かな?」


ノビスケ「デカイ冷蔵庫だ!どんな食材が入ってるのかな!楽しみだ!」冷蔵庫オープン


大量のどら焼き


ノビスケ「ここはまぁあれだ・・下の冷凍庫はきっと冷凍の肉とか」冷凍庫オープン


大量の冷凍されたどら焼き


ノビスケ「・・・・・・・」


やっぱり俺の事嫌いだろ・・


ノビスケ「俺も嫌いだからな!クソ狸!」


ドラえもんが相手にどら焼きをあげるのは相手を信頼していて認めている証拠だということをノビスケは知らない


ー次の日ー


自分の家の前まではどうにか来ることが出来た


ここからはばれたらお終いだ


家にいる皆は家族同然だと思ってる


でも今だけでは敵だ!大事な記憶を守るため!


ノビスケ「よし!行くか!万一のために顔を隠して」レスラーマスク装着


ノビスケ「まずはドアをこっそり開けて・・今俺は風呂に入ってるのかな?メイドとスネ樹は二階で勉強中」


ノビスケ「警戒するは・・まゆか・・いやまゆは確か寝てたな。なら簡単に終わらせられそうだ」


ゆっくりとドアを開け玄関に入る


ノビスケ(自分の家なのに緊張する・・)


ノビスケ「まみ・・今行くからな」


ゆっくり一歩ずつ廊下を進みまゆ達の部屋の前を通る


その時


まゆ「誰?」


ノビスケ「っ!」レスラーマスク装備


まゆ「きゅ〜」バタッ


ノビスケ(なんだ?いきなり寝たぞ?・・もしかしてこのマスクの所為か?そんなに怖いかな?とりあえず布団まで運んでおこう)


まゆ「ノビスケ・・助けて・・」


ノビスケ(寝言で助けを求められるとは・・大丈夫助けに来たからね)


まゆを部屋まで運んだ


ノビスケ(このまま畳に寝させるのも駄目だな・・布団敷いておくか)


ノビスケ(これでよし!まゆおやすみ・・マスクは外しておくか・・気に入ってたんだが)


そしてあの部屋の前まで来る


ノビスケ「無事でいてくれよ」


部屋に入ると既に机の引き出しは空いていた


それは手遅れを意味していた


ノビスケ「そんな・・遅かったのか・・」


これで俺は忘れてしまうんだ・・・大切な記憶を


ごめんお姉ちゃん・・俺駄目だったよ・・


そう思ったが寝息が聞こえてきた


ノビスケ「・・・・机の下からか」


しゃがみ込み机の下を覗き込む


まみ「すぅー」睡眠中


ノビスケ「まみ!」ギュッ


まみ「はわっ!お、お兄ちゃんどうしたの?」


ノビスケ「心配したんだぞ!」


まみ「えっと・・ごめんなさいです」


ノビスケ「よかった・・間に合って・・・」


まみ「そういえばお兄ちゃん机の引き出しの中が変なんです!」


ノビスケ「わかってる・・落ちそうになったりとかはしてないか?」


まみ「ちょっと覗き込んだだけです」


ノビスケ「よかったよ・・」


まみ「あれはなんですか?」


ノビスケ「ただの映像だよ」


まみ「凄くリアルでした!」


ノビスケ「でも約束を破ったのはいけないな?触るなといったろ?」


まみ「あ・・ごめんなさい」


ノビスケ「でも無事でよかったよ次からは気をつけろよ?」ナデナデ


まみ「はい!」


ノビスケ「まみ頼みが二つあるんだがいいか?」


まみ「なんですか?お兄ちゃんの頼みならなんでも来いです」


ノビスケ「ありがと。一つ目はこの事は俺とまみだけの秘密にしてほしい。そしてこの机には近づかないようにしてほしい」


まみ「二人だけの秘密・・わかりました!」


ノビスケ「二つ目は・・その・・俺と一緒に来て欲しい」


まみ「え?」


ノビスケ「嫌かもしれない・・でもお願いだ」


まみ「今から?」


ノビスケ「あぁ」


まみ「私だけを?」


ノビスケ「あぁ」


まみ「それって・・」


まみ(テレビで見たことある!駆け落ちってやつです!)


ノビスケ「お願いだ。一緒に来てくれ」


まみ(でも・・駆け落ちって皆幸せになれないし・・お姉ちゃんにも会えなくなるし・・でも選んでくれたし・・)


ノビスケ(真剣な顔だ。無理もない二日とは言え俺と二人になるんだ。嫌なのかもしれない・・あ〜そう思うと涙出てきた)


まみ(やっぱり駄目です・・ちゃんと皆で話し合えば納得してくれる筈です!ここは断っーなんで!泣いてるんですか!)


ノビスケ(目かゆい・・・時間がないな・・でも無理矢理は駄目だし)


まみ(う〜ん・・覚悟決めなさい私!ここまで言われて曖昧な答えじゃ駄目!お姉ちゃん・・パパ・・ママごめん・・)


まみ「うん・・行くよ」


ノビスケ「本当にいいのか?」


まみ「うん・・・」


まみ(私幸せになります!)


ノビスケ「二日間よろしくな」


まみ「??」


ノビスケ「皆には内緒にな」


まみ「????」


ノビスケ「じゃあ行こう」


まみ「あれ?駆け落ちって二日間くらいなのかな?」


ノビスケ(後はばれないように出るだけだ)


ー外ー


ノビスケ「まぁ・・すぐに出られたんだけどね」


まみ「・・・・・」ムスッ


ノビスケ「怒ってるようにも見えるが・・まみ?」


まみ「なんですか?」


ノビスケ(やはり不安なんだろう。ここは安心させなければ)


ノビスケ「まみが思ってるような事は絶対ないから安心してくれ」


まみ「・・・・」


ノビスケ「まみ?」


まみ「疲れました・・おんぶしてください!」


ノビスケ「ん?あぁ、わかった着くまで寝てるといいよ」


まみ「はいそうします」


まみを背負って目指すはお父さんの別荘だ


ノビスケ「時間的に終電は間に合いそうだ」


そしてあることに気づく


ノビスケ「う〜ん・・結局まみはタイムホールに落ちなかった・・でもいなかった・・これって俺が連れて行っただけになるよな?」


ノビスケ「原因俺だ!自作自演じゃないか!」


ノビスケ「まぁでも・・未来は変わったけど怖い思いをしたまみはいなかった・・よかった」


これで忘れる事はないだろう・・この選択が俺にとって正解だったのか不正解だったのかはまだわからない


でもいつかそれが正解だったと言える。そう確信はあった


何故ならその記憶が俺にとってかけが得ない記憶だからだ


あの笑顔を見れる事はもう二度とないだろう。それでも俺の胸の中で彼女はお姉ちゃんは生き続けてる。そう思っているから


ー二日後ー


メイド「玄関に手紙?」


メイド「・・・ノビスケまた一人で無理して」


ガチャ


ノビスケ「ただいま」


まみ「ただいま」


メイド「え?」


まゆ「まみ!」


まみ「お姉ちゃん!」


まゆ「バカ!心配したんだからね!」


まみ「ごめんなさい・・」


スネ樹「見つかってよかった」


まゆ「ノビスケくん・・ありがと探してくれて」


ノビスケ「あ、あぁ・・・」


メイド「・・・・・」


ノビスケ「ん?どうしたの?」


メイド「なにか顔つきが変わりました?」


ノビスケ「変わったのかな?自分じゃわからないや」


メイド「気の所為かな?」


ノビスケ「まぁ、あれだ人は常に成長し続けるって事だよ」


メイド「そうですね・・」


懐中時計を取り出し時間を確認する


メイド「その時計は?」


ノビスケ「ん?大切な宝物さ」


メイド「いい時計ですね」


ノビスケ「あぁ、そうだろ?」


メイド「ですが時間は合ってませんね」


ノビスケ「これでいいんだよこれで・・」


メイド「はぁ・・」


ノビスケ(これでよかったんだよね・・お姉ちゃん)


お姉ちゃんのくれた未来頑張って生きて・・そして次に繋げるから


ありがと・・・お嬢姉


続く


次回 未来の過ち過去の償い


後書き

次回は遂に物語が動き出す事件が


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1件応援されています


のんび~りさんから
2016-05-08 06:14:11

このSSへのコメント

2件コメントされています

1: SS好きの名無しさん 2016-05-07 22:23:19 ID: rPYbfsSj

これだけ書いてPV数が3桁を超えない
それでも尚、書き続けるその気力には関心する
流石というべきか、哀れというべきか

2: ポテ神 2016-05-07 22:51:43 ID: 1HnTielG

一番さん!

一人でも見てくれる方がいるならそれで良いんですよ

と、言うけどただの自己満足です。それに付き合ってくれる僅かな人に感謝を

コメントありがとうございます


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