【第1章】捨てられた鎮守府と捨てられた提督
一人の青年が鎮守府着任した。しかし、そこは前の襲撃で崩壊しており、機能していなかった・・・しかし、青年はそれを受け入れた受け入れるしかなかった・・艦むすが一人もいないここから青年の物語が始まる
初めて書きます。
専門用語とか全然分からず。文章力もありません。それでも構わない方はどうか見てやってください。悪口コメントなどはしないでください。クソだなと思ったらそっと戻るボタンを押して記憶から抹消してください。よろしくお願いします
青年「まじかよ・・・」
ボロボロの建物
地図はこれを示していた
青年「提督になれたと思ったら・・まぁそうだよな・・」
18才のガキがいきなり提督なれるなんておかしいと思っていたのだ
やはり父の事なのだろうか・・・
父がこの鎮守府の提督をしていたらしい
でも、あまりいい噂がなく、ここが襲撃された時は一番に逃げ出したらしい
そのせいでたくさんの艦娘達が亡くなった
今も行方不明らしく
その息子だった俺はその尻拭いをさせられたのだ
俺もあのクソ親父は大っ嫌いだ
正直関わりたくない
でも、俺は提督になるのが憧れだった
こんな形だが提督になれた
その代わりかなり待遇は悪いけど
俺はあのクソ親父みたいにはならない
青年→提督「よし!着任だ!」
ボロい門を通り中へ入る
提督「そういえば秘書艦は何処にいるんだろうか?」
貰った書類に目を通す
そこに書かれていたのは
『復興作業を急ぎ鎮守府を再開させよ。なお、秘書艦、資材、資金などは支援出来ない』
提督「・・・ふざけやがって!」ビリッ
書類を破り捨て執務室へ向かったのだった
提督「とりあえず部屋を見てまわったが酷いな」
執務室も他の部屋も使い物にならない程になっている
提督「廃墟だろこれ・・」
提督「まずはどうするか・・・」
提督「とりあえず一人ではなにも出来ない建造するしかないが」
工廠は無事なのだろうか
ー工廠ー
提督「よし、動くぞ!これなら!」
資材0
提督「せめて・・少しは残ってなかったのかよ」
全て回収されたという事なのだろう
提督「資材って・・どうすれば手に入るっけ?」
遠征は無理だ送ってもくれないだろうし
提督「どうすればいいんだよ・・」
悩んでいても仕方ない一つ一つ片付けるしかない
資材が手に入る方法それは遠征だ
艦娘がいないから無理?違うな!遠征要員ならいる!
提督「遠征行くぞ!」ゴムボート
数時間後
提督「資材って何処にあるか分からないのになにやってんだ俺は・・」日焼け
結局なんの成果もなく鎮守府へ戻る
提督「そうだ!なにも海にあるとは決まっていないなそこら辺を探索すれば」
とりあえず適当に探索をするが見つけたのは古雑誌(成人用)だけだった
提督「ああ!資材なんて何処にもないじゃないか!」
提督「こんなんじゃ何も出来ない!元帥に文句言ってやる!」
鎮守府へ戻る事にした
せめて資材か秘書艦くらいは寄越せっての!
元帥に電話をかけようとしたが、まず電話がない
仕方ないので近くで公衆電話を探してなけなしの資金(自腹)でかけた
提督「もしもし、元帥殿に取り次いでもらいたい」
提督「あぁ?忙しい?知るか!さっさと出せ!」
それから数分間資金が徐々に減っていくのを我慢しながら待った
元帥「元帥だが」
提督「おい!あんな廃墟に住まわせて秘書艦も資金も資材も支援出来ない?ふざけんな!なにも出来ねえだろうが!」
元帥「名を名乗れ馬鹿者」
提督「おんぼろ鎮守府の提督だ!さっさと資材か秘書艦寄越せ!」
元帥「貴様は勘違いしているようだから言っておこう」
元帥「貴様はあの極悪非道な提督の息子そんな貴様に支援出来るほどの余裕はない」
提督「くっ!なんでだよ!なんで俺がこんな目に・・」
元帥「恨むならお前を置いて逃げた父を恨むんだな」
元帥「本来なら貴様は憲兵に連れて行かれなければならない存在だった。それを助けたやった。そして提督になりたいという夢を叶えさせてやったのだぞ?」
提督「何が提督だ・・・こんなの」
元帥「逃げようだなんて思うなよ?」
提督「逃げねえよ・・・」
元帥「いいか?お前がもし私の満足いく働きをしなければ即憲兵に引き渡すそれを肝に銘じておけ」
提督「はい・・・」
元帥「なんだ?聞こえないぞ?」
提督「はい!!」
元帥「いい返事だ明日任務を言い渡す任務を遂行し成功させてみせろ」
提督「え?任務?聞いてないぞそんなの!」
元帥「では、期待しているぞ」
そう言って一方的に切られてしまった
提督「なんなんだよ・・くそが・・」
任務がどうとかを考えても仕方がない明日になったらその時考えればいいか
そう思った時腹が鳴った
提督「そういえば昼はなにも食ってなかったな・・」
ここに食堂はあるのだろうか最初に入った時軽く部屋を見て周ったが全てではない
鎮守府内の地図を見るとあるにはある
でも・・・
提督「やってないだろうな・・・」
ー食堂ー
提督「う〜ん・・おかしいな」
他の部屋と違い食堂は綺麗に掃除されている?
これは毎日掃除していないとおかしい
提督「誰かいるのか?」
返事はない
提督「冷蔵庫はっと・・」
中には普通に食材が入っていた
しかもどれも腐ってない
確信した。ここに誰かいる
提督「いるなら出てきてくれないか?今日からここの提督になった者だ」
反応はない
誰かいるのは確かだ
でも、出てこないという事は警戒してるとか?
とにかく無理矢理探すのはやめよう
提督「飯でも作るか・・だけど」
勝手に使うのはダメだよな
俺だって冷蔵庫に入れておいたプリンを食われた時は怒ったしな
でも、腹は減った
提督「そうだ!」
提督「食券は買えるな」
鯖の味噌煮定食を押して食券をテーブルに置いた
提督「さて、俺は執務室で書類とにらめっこでもするかなっと多少の音には気づかないわ〜」
これなら文句ないだろ。まぁ無視されたら今日は何も食えないけど・・
ー執務室ー
提督「ふむふむ、敵を倒した時に稀に艦娘が現れるのか・・なにそれ怖」
提督「艦娘の艤装ってこんな構造になってんのか・・自由に展開が出来る。でも、メンテは必要なのか」
艦娘についてなにも知らなかったけど調べれば調べるほど人間とは違うんだなっと実感させられる
怖いと思う反面会ってみたいとも思う
トントン
提督「ん?はい、開いてるぞ」
気のせいか?
いや、待てノックされたから普通に反応したがここには誰もいないはずだ
提督「誰だ」
返事はない
片手にナイフを持ちゆっくりとドアを開けた
瞬間味噌のいい香りがした
お腹の減ってる俺にはダイレクトに効いた
提督「こ、これは!鯖の味噌煮定食!」
横に半券も添えられていた
やはり食堂にはいるんだ
提督「でも、まさかおばけとかじゃないよな?」
まぁ、おばけでもなんでもいいや
こっちは金を払ったんだから
そう思いつつ食べてみると
提督「・・・・・・まずっ!!」
鯖は半生でご飯は芯だらけ
味噌汁はただのお湯
野菜は・・うん
提督「生のカボチャ丸々一個をどうしろと・・・」
提督「せっかく作ってもらったんだ全部食うか」
食器を執務室の前に置き
手紙に次はちゃんと煮込んでねと書いておいた
色々やる事も多いが今日は疲れた
風呂に入りたいが壊れてる
直したいが資金はゼロ
提督「はぁ・・やっていけるのかな・・」
不安にかられながらその日は眠った
執務室のボロボロソファーは中々だった
目覚めは最悪だった
部屋が汚いせいもあると思うが喉がイガイガする
これは掃除しないとな
提督「はぁ・・・鬱だ・・」
そうやって言っていても誰も助けてなどくれない優しい言葉をかけてくれる人も怒る人もいない
提督「なにやってんだろうな俺は」
トントン
提督「ん?どうぞ」
返事がない
警戒しつつドアを開けると
提督「ん?これは」
黒い焦げ焦げの何かとおかゆよりドロドロのご飯そして普通の?味噌汁
提督「また、カボチャあるよ・・」
昨日頑張って丸かじりしたから大好物とでも思われてるのか?
それは困るな
カボチャは嫌いではない寧ろ好きな方だ栄養価も高いしお通じもよくなる
まぁ、昨日のは良くなりすぎたけど
提督「だが、食券なんて買ってないんだが・・」
好意で作ってくれたのだろうか?だとするならやはり残さず食べるそれが作ってくれた人への感謝の気持ちになる
いただこう!
提督「あ、これ卵だな!ほんの少しだが・・卵の味がする」
黒い焦げ焦げの何かは卵焼きだった
提督「ご飯は・・まぁ消化にはいいかな?」
芯だらけじゃなかったら研いでないのか?
無洗米でも研がないと食えたものではないというのに
提督「味噌汁は美味い!」
味噌汁の中になにかの破片が入ってるけど
提督「これは・・インスタント味噌汁の袋の破片かな?」
容器に入れる時に一緒に入ってしまったのだろう
インスタントだから失敗のしようはないがせめて食べられる物を入れてくれ
提督「問題はこれか・・・」カボチャ
正直朝から食うのは辛い
てか、生は辛い
お願いだから調理してくれ
そう思いつつボリボリ食べるのであった
食器は執務室の外に出して簡単な感想を書いておいた
落ち着いて料理しようね
さて、活動を開始したいがなにもする事がなく
ただ、執務室を掃除していた
その途中で元帥に言われた事を思い出し電話ボックスへ向かった
少し躊躇いつつお金を入れる
数コール鳴ってから誰かが出る
元帥「遅いぞ提督!」
提督「時間言われてないし」
元帥「馬鹿者!軍人ならそのくらい言われなくても早めに動かんか!」
提督「分かりましたよ。すみませんでした」
色々言いたい事はあるが電話代が勿体無いので我慢する
早く終わらせないと
元帥「どうだ?鎮守府生活は慣れてきたか?」
1日で慣れるわけないだろ・・・
提督「元帥さっさと言ってくれないか?電話代が勿体無いので」
元帥「貴様質問をしているのだ黙って答えろ!貴様には報告義務がある」
なら電話くらい支給しろっての!
提督「・・・なんとかやっています。生活するだけならどうにか」
元帥「私は貴様に住居を提供したわけではない仕事をしろ。任務を言い渡す!返事は」
提督「はい・・・」
元帥「もっと大きく言わんか!」
提督「はい!!」
元帥「今日のヒトナナマルマルに監査官をそちらへやる。最低限鎮守府として機能しているか確かめるためだ。これは鎮守府に着任したばかりの提督全員にするお前だけではない。それに必ず合格しろ」
提督「もし出来なかったら?再試?」
元帥「憲兵に引き渡す」
提督「・・・そうですか」
元帥「元々無理を言って貴様を提督にしてやった。それは貴様が提督になりたいと強く思い願ったからだ。私を失望させるな」
提督「・・・・・・・」
元帥「憲兵に引き渡されば貴様は人権を剥奪されるだろうな。最早奴だけの身柄ではどうにもならないそれだけの事をしている」
父がなにをしていたかは詳しくは知らない
だけどあまりいい噂はなかった
艦娘の入れ替えが激しく
常に遠征に行かせていたり専門用語でオリョクル?と言うらしい
艦娘の撃沈率も高かく
よく分からないが解体や近代化改修というのもしていたらしい
いわゆるブラック鎮守府らしい
何処にでもあるねブラックな企業は
企業なのか?
まぁいいそれで肝心な時に逃げてしまった
ここら辺に人が少ないのはその時の襲撃で犠牲者がたくさん出てしまい
殆どが帰ってこなくなってしまったからだ
おかげで店が少ない買い物も満足に出来ん
元帥「だが、貴様にもせめてもの慈悲をくれてやろう」
提督「ん?艦娘くれんの?」
元帥「失敗した時は憲兵には引き渡さず私がこの手で殺してやる」
提督「はぁ?」
それが慈悲?広辞苑をねじ込んでやろうか?
提督「それはー」
元帥「任務に必要な書類や詳細などは送っておいた。そろそろ届くだろう。では、健闘を祈る」
またまた一方的に切られた
提督「はぁ・・・・」
それから少しして書類が届いた
着払いでな
ー執務室ー
提督「本当に書類しかねえな・・」
もしかしたらとほんの少しでも期待していたが無駄に終わった
こんな紙切れにまた俺の金が・・・
提督「嘆いていても仕方ないか・・えっと・・任務報告書と詳細ね」
あと、ついでに提督の為の提督本という本が入っていた
著作者 元帥
かなり重い
提督「こいつの所為で・・こいつの所為で!」
配達料金が高かったんだ
提督「いかんいかん!もしかしたらこの本になにか今の状況を切り抜けられるヒントがあるのかもしれない。読んでみるか」ペラ
元帥の無駄に引き締まった肉体の写真
提督「・・・・・・・・」ペラ
元帥の無駄に引き締まった肉体の写真
提督「・・・・・・・・・」ペラ
元帥の無駄に引き締まった肉体の写真
提督「・・・・・・・・・・」ポイ
その本をゴミ箱へポイした
なにが提督の為になるのか問いただしたいが電話代が勿体無いのでやめておこう
提督「無駄な時間をとってしまった詳細を見てみよう」
任務内容
鎮守府を最低限稼働している状態にせよ
ここで言う最低限とは襲撃に遭っても10分は持たせられるくらいのことを言う
その為には、秘書艦とあと一人の艦娘がいる事
工廠、入渠 、食堂が使える事
資材が100以上ある事
それらを満たした上で監査官の合格印を貰い大本営に送れ
以上
提督「まじかよ・・・・」
まず、秘書艦すらいない俺に鎮守府を最低限動かすのは無理という結果がもう出ているわけで・・
提督「やれる事からやるしかないか」
まずは鎮守府内からだ
工廠は動くと思うから大丈夫だろう
まぁ、試そうにも資材ないし
食堂はなんかいるし一応稼働はしてるよね
入渠をどうにかするか
地図を確認して入渠出来る部屋へ向かう
ー入渠ー
提督「・・・・・・・」
入渠は艦娘達の修理場と言えばいいのか風呂なんだけど怪我をしたらここの湯に浸かれば治るらしい
何個も浴槽が並べられその上にはタイマーがついている
知らない人が見たらただの風呂にしか見えない
ここも長い間使われていなかったから汚れているのは分かるし来る前に洗剤とか買って来て掃除をする気でもあった
でも・・・・・
提督「これ血だよな・・・」
床には這いずった跡のような赤黒い染みがついており
その周りや壁にもその赤黒い染みがついている
そして血となにかの腐った臭いがする
一体ここでなにがあったんだ
提督「うっ・・・・」
危うく戻しそうになった
掃除は今はやめておこう
入渠を後にした
艦娘だ!なにをするにも艦娘がいる!
という事でドロップを狙って遠征に行く事にした
しかし、ドロップは敵を倒さないとでない
今俺が持ってるのはナイフだけだ
これではどう頑張っても勝てない
ー電話ボックスー
提督「もしもし・・・」
???「はい、こちら大本営」
提督「元帥に代わってくれ」
???「貴方はもしや提督ですか?」
提督「ん?そうだけど急いでるから早く頼むよ」
???「それは出来ません」
提督「あ?なんでだよ」
大淀「紹介が遅れましたね。私は元帥の秘書艦をしております。大淀と言います。よろしくお願いします」
提督「あ、うん、それでなんで代われない」
大淀「元帥は多忙なのです。一々電話の応対などしている暇はありません」
提督「くそっ!」
大淀「安心してください。元帥は貴方が電話してくる事を知っていたようですので私が応対するようにと仰せつかっております。私の言葉は元帥の言葉と思って貰って構いません」
提督「そうなのかそれは・・・」
ラッキーじゃないか!あんな堅物相手に交渉するより断然いい!
この人なら頼み込めば少しくらい支援をしてもらえるかもしれない
大淀「それは?」
提督「え?あ〜それは・・大変ですね」
大淀「いえ、仕事ですので」
提督「あ、そう」
やばいな元帥級の堅物の予感がする
大淀「それでどのような御用でしょうか」
妙な小細工はなしだ電話代的にも
提督「支援をー」
大淀「それは出来ません」
最後まで言わせてもらえませんでした
提督「なぁ〜頼むよ・・少しでいいからさ?ね?艦娘一人くれよ・・」
大淀「その艦娘を物みたいに言うのはやめてもらえますか?同じ艦娘として腹が立ちます。私も貴方達と同じ生き物です人間です」
提督「あ・・えっと、すみません言葉の綾です・・」
大淀「私も貴方の鎮守府の状況は少しですが知っているつもりです。支援も出来るならしてあげたいのですが、元帥から資材及び資金それに艦娘の派遣などは絶対にするなとの事です」
提督「徹底されてんのな・・・武器もダメですよね?」
大淀「はい、お前ごときが武器など使えると思うなよと」
提督「ナイフはくれたのに・・・」
大淀「元帥の考えは私にも分かりませんがなにか考えがあるのかと」
提督「はぁ・・・・」
大淀「提督」
提督「ん?もう切っていい?」
大淀「待ってくださいお願いがあります」
提督「なんですか?」
大淀「私も支援以外なら力になりたいと思っています。なので分からない事など電話してもらえればいいのですが」
提督「なんかすみませんね・・それで?」
大淀「電話ボックスから掛けられるとちょっと面倒な手続きが必要になりまして鎮守府からの電話で掛けてもらえませんか?」
提督「ねえよ!!」
大淀「え?」
提督「だから!電話ないんだよ!支給してくれないんだよ!なんでわざわざ電話ボックスで掛けなきゃならないんだよ!」
大淀「そうだったのですか・・電話ボックスが好きなのかと」
提督「こんな金食い虫なんて大嫌いだ!」
大淀「・・・・・・・・」
大淀「分かりました。電話送ります」
提督「え?いや、大淀さん?言っておいてなんだけど元帥は部下だろうと命令を守らなければ・・」
大淀「やばいでしょうね・・だから私からの着任祝いとして個人で送ります」
提督「大淀さん・・」ウルウル
大淀「ただ、これも一度だけでしょうね二度目は流石に私が消されますから・・」
提督「大淀さん!貴女の優しさに・・俺は・・グス・・」
大淀「え?泣いてんですか!」
提督「優しくされたのなんか久しぶりで・・・ありがとうございます!俺頑張ります!」
大淀「は、はい、頑張ってください応援しています」
提督「では、失礼します」ガチャリ
提督「よし!遠征行くぞ!!」ダッ
ー大本営ー
大淀「ふぅ・・裏切り者の息子と聞いたからどんな人かと思えばいい青年じゃない」
大淀「どうにかしてあげたいな・・」
提督「今の俺ならあんな奴等敵じゃねえ!ふははは!」
ナレーション「楽しそうですね。アホみたいですね
彼はまだ肉体的にも精神的にも大人になれていなかった
無理もありません
だって彼はまだ10代です
テイションに身を任せてはちゃけるのは仕方ない事です
そう、彼は今青春しているのです!場の盛り上がりによりお酒を一気飲みするタイプです」
提督「ゴムボート準備オーケー!早速出発だ!」
提督「っと、ここで焦ってはいけないな!燃料を確認しておかないとな」
燃料は半分以下になっていた
途中でモーターが止まったらやばいな
提督「うむ、時間かかりそうだしな買っておくか」
そう思うと必要な物がたくさん浮かびあがってきた
少し冷静さを取り戻した
とりあえずゴムボートの燃料を買いにガソリンスタンドへ行った
資金(自腹)がやばい
案外近くにあった
ーガソリンスタンドー
提督「ここもボロボロだな・・やってんのかな?」
店員「ボロボロで悪かったね」
提督「あ、いや〜なんというか・・そう!味があっていいよね!」
店員「まぁ、別に気にしてないからボロボロでいいじゃない」
提督「すみません・・」
店員「謝らないでよ。それでなんか買いに来たんですよね?」
提督「はい、ボートのモーターの燃料が欲しいんですが」
店員「はい、少し待っててね」
提督「はい」
ここの店員はあの人だけしかいないのだろうか
なんというか綺麗な人だ。なのにツナギ姿が似合う
年上のお姉さんという感じだ
まぁ、実際俺よりは歳は上だろうけど
店員「お待たせ」
提督「じゃあ、はいこれ釣りは入りません」
少しカッコつけてみたり
店員「はい、お釣りね」
提督「あ、はい・・・」
スルーされた
店員「そういえば貴方見ない顔だね。こんな潰れかけの町にわざわざ来るなんて変わってるね」
そう言えば町の人達に挨拶をしていなかった
忙しいから後回しにしていたが
出来る所からやっておこう
提督「紹介が遅れましたね。昨日からここの鎮守府の提督に配属されました提督です」
店員「・・・・笑えない冗談だね」
提督「いや、本当ですってほら提督証明書」
店員「本物だね・・・・」
提督「という事なのでこれからよろしくお願いします」
店員「今更こんな子供を送ってくるなんて大本営は何を考えてんだか」
提督「確かにまだまだガキかもしれません!でも、やる気はあります!生半可な気持ちで来たんじゃありません必ず皆さんを守ります」
店員「そういうのいいから・・もう貴方は提督でここに来た時点でこの町から孤立したってわけ」
店員「誰も貴方の戯言になんか耳を傾けないよ」
覚悟はしていたと言えば嘘になる
でも、町の人達から見たらいい気はしないだろう
今までほっておいて今更新人にも程遠いヒヨッコの俺を送ったんだ
もう、この町は捨てられたと思っているのだろう
いや、もしかしたら本当にそうなのかもしれない
提督「そうですよね・・前の提督の所為で信用なんてないようなものですよね・・」
こんな事しても意味はないだろ逆に相手の怒りを買う事になるかもしれない
だけど
提督「前の提督の所為で皆さんを危険な目に合わせて・・すみませんでした!」土下座
店員「なにしてんの?喧嘩売ってんの・・・やめて」
提督「これしか今は出来ません!今は信じてもらうしか・・必ずこの町を守ります!だから信じてもらえませんか?いえ、監視していてもらえませんか?」
店員「監視?」
提督「もし、結果が出せなければ・・出せそうにないと判断したなら!俺は町の人達に身柄を渡します」
店員「・・・・・・・」
提督「殺すなり好きにしてください。遠慮はしないでください・・俺は前の提督の息子です」
店員「っ!」
提督「ですが、その時俺の元に艦娘がいるなら・・その子達に罪はありません見逃してあげてください。まぁ、まだ一人もいませんけど」
元はそうなってたかもしれない未来がある
だからそうなるなら大本営からじゃなく自分から・・
その方が町の人達も納得するだろうし
罪滅ぼしになるだろう
提督「では、失礼します」
店員「・・・・まだ子供ね」
提督の買った燃料
店員「忘れてるし・・・」
店員「・・・・・・・」
それから他の店にも必要な物を買いにいき
提督だと話した
怯えられたり、相手にされなくなっり、殴られたり、物を売ってくれなかったりと散々だった
でも、息子だとは言えなかった怖かったからだ
この町には味方は誰一人としていないと気付いたから
提督「いてて、みんなやっぱり怒ってるよね・・」
提督「早く結果を出してみんなに認めてもらおう!その為には艦娘が必要だ!」
ゴムボートに必要な物を詰め込み
燃料を入れて・・・入れて・・
提督「ガソリンスタンドに忘れてきた・・・なんで気がつかなかったんだよ・・取りに戻るか、いや、やめておこう」
店員「いや、取りに来なさいよ」
提督「え?あ、ガソリンスタンドの店員さん」
店員「はい、これ忘れ物」
提督「持ってきてくれたんですねありがとうございます!よくここだってわかりましたね」
店員「そりゃボートがあるのはここだけだし」
提督「わざわざすみません」
店員「お礼はいいよ。監視してるだけだし。それで?これで逃げるの?」
提督「いえ、艦娘を探します。あと、資材も」
店員「これで?」
提督「はい」
店員「馬鹿なの?」
提督「・・・ですが、こうするしかないんですよ。大本営は支援をしてくれませんから」
店員「全く?」
提督「はい・・電話機一つもくれません」
店員「だからっていきなりすぎない?もう少し時間を置いてからでも」
提督「時間がないんですよ・・今日の夕方には艦娘二人はいないと」
店員「成る程ね監査官が来るのね」
提督「知ってるんですか?」
店員「まぁね、新人提督には来るのは決まってるし。でも・・」
店員(少し早過ぎよ。せめて1週間はあるはずだけど・・)
提督「やはりみんな通る道なんですね」
店員「・・・・・・・」
提督「そろそろ行きますね。本当にありがとうございます。店員さん」
店員「明石よ」
提督「え?」
明石「私の名前明石って言うの」
提督「そうなんですか、いい名前です。それでは明石さんありがとうございました」
明石「ちょっと!」
提督「ん?まだなにか?」
明石「だから私の名前は明石!」
提督「ええ、明石さんですよね?分かってますよ」
明石「分かってない!」
提督「へ?」
明石「はぁ・・本当に提督なの?」
提督「証明書見せたと思うけど」
明石「そういう意味じゃなくて・・はぁ、もういい」
提督「なにか気に触るような事を言ってしまったならすみません」
明石「もういいです。さぁ行きましょ時間ないんでしょ」
提督「はい、って、え?来るの?」
明石「そうだけど」
提督「なんで」
明石「監視」
提督「危ないよ?」
明石「平気」
提督「でも、民間人を連れ出すのは・・・」
明石「このモーター結構やんちゃでね。途中で壊れたら直せる?」
提督「無理です」
明石「なら決まり」
提督「いやでも・・やっぱりダメ!こんな事が元帥にばれたら・・」
明石「情けない・・そんなことくらいで」
提督「元帥の怖さを知らないから言えるんだよ。あの人は異常サイコパスハゲ」
明石「恐れてるってそうは思えないけど」
提督「とにかくダメ!」
明石「仕方ない・・」ピッ
提督「ん?携帯?」
明石「もしもし、大淀久しぶりね!うん、元気にしてるって」
提督「ん?大淀?」
明石「それでね。ほら、例の子いるでしょ?海に出ようとしてるみたいで同行を許可して欲しいの」
提督「まじか・・・」
成る程
明石さんは大淀さん知り合いだったのか
だから明石さんも鎮守府や提督業の事について詳しかったのか
なら尚更大淀さんは判断するだろう
こんな危険な任務に明石の同行を許可なんかしないと
大淀さんは艦娘でも明石さんは民間人だ
いくら知り合い、いや、親友同士でも
明石「許可出たよ」
提督「嘘つけ!」
明石「はい、携帯」
提督「もしもし、大淀さん?」
大淀「提督貴方が海に出ようとしてるのは本当は危険ですし無謀です。ですが、状況が状況ですし明石を連れて行くことで許可します」
提督「待ってください!いいんですか?そんな民間人を」
大淀「民間人?誰が?」
提督「明石さんですよ!ガソスタの店員を連れて行くなんて危険ですって!」
大淀「ガソスタ?」
提督「ガソリンスタンドですよ」
大淀「そんな所にいたんですか」
提督「大淀さん!彼女が艦娘とかなら連れて行ってもいいですが彼女は民間人です。守られなければならない存在です。危険な事はさせられません」
大淀「え?明石は艦娘ですよ?」
提督「へ?」
大淀「では、連れて行ってあげてくださいね」プツリ
提督「え?へ?明石さんって艦娘なんですか?」
明石「名前で気づいてよ」
提督「艦種は?駆逐艦?それとも空母?まさか!戦艦!」
明石「勉強しようよ・・残念だけど私は工作艦で修理専門よ。戦えないことはないけど苦手ね」
提督「それでもいいですよ!へぇ〜生の艦娘って・・なんか人間と変わらないですね」
明石「艦娘との違いなんて艤装を展開出来るかくらいよ」
明石(まぁ、展開した後の力もあるけど)
提督「明石さんも出来るんですよね!やってくださいよ」
明石「嫌です!」
提督「ちょっとだけね?」
明石「そろそろ行かないと時間ないよ?」
提督「う〜ん明石さんを秘書艦にするとして・・」
明石「勘違いしないでくれる?貴方の下に着く気はないよ?さっきも言ったけど監視の為に行くだけ」
明石「私は不合格になって欲しいと思ってるし」
提督「そうですか・・・分かりました。では、明石さん同行お願いします」
明石「はい」
こうしてボートを走らせた
出発してから一時間が経ち
明石はボートの上で心配そうに海面を見ていた
提督はボートにはいなかった
やがて大きな水の音と共に
ザバーン!
提督「ウツボとったどーー!!」
海パン姿の提督がウツボを掲げる
明石「おお!デカイですね。これで何匹目?」
提督「ふぅ〜さぁ?でも、これだけ取れば資材も」
大量のウツボ達「」
雑誌(成人用)
長靴
提督「資材一つもないじゃないか!!」
明石「確かに資材は海の底にあると言ったけど・・ウツボは違うと思うよ」
提督「底にあると言ったのは明石さんじゃないか!底にウツボしかいねえぞ!」
明石「だからって!人の所為にしないでくれるかな?大体これは資材でもなくゴミでしよ!」雑誌(成人用)
提督「気付いたら持ってたんだよ!仕方ないだろ!それにそれは資源だ!」
明石「本来は艦娘がレーダーを使って艤装を使って引き上げるの」
明石「しかも底を掘ったりしなきゃいけない時もあって」
提督「掘ればいいのか!」スコップ
ザバーン!
明石「あ、ちょっと!」
明石「はぁ・・・・・」
ザバーン!
提督「ウツボとったどーー!!」
明石「多いねここ」
提督「掘っても掘ってもすぐに埋まる・・」
明石「海なんだから当たり前でしょ」
提督「明石さん力を貸してもらえませんか?艤装でさ?」
明石「嫌よ」
提督「どうしてもダメですか・・」
明石「・・・・・・・」
明石「私は艤装を展開出来ないの」
提督「え?」
明石「部分解体されてるから」
提督「部分解体?」
明石「簡単に言えば戦う事を捨てて普通の生活を望んだ艦娘にされる処置よ。さっきも言ったけど違いなんて艤装を展開出来るか出来ないかくらいでそれをなくせば普通の人と変わらない。私はそれを望んだの」
提督「て事は明石さんは」
明石「艦娘としての使命を捨てて逃げた艦娘でも人間でもない存在よ?どう?幻滅した?」
提督「幻滅なんてしませんよ。良いじゃないですか貴女の人生貴女の好きにすればいい。それにそんな事言ったら俺の父なんてなんですか?自ら使命を帯びて仲間を捨てて・・母を捨てて俺を・・・・」
明石「・・・・・ごめんなさい」
提督「それに俺は明石さんがそんな人じゃないって分かります。じゃなかったら着いてきてなんかくれないですしね」
明石「・・・・・・・」
提督「移動しよう」
ボートをさらに奥へと進める
その間は二人ともなにも喋る事はなかった
もう少し俺がしっかりしてれば
明石さんはきっと言いたくなかった事なんだ
辛い事があったんだ
それを言わせてしまった
フォローも満足出来ず
最悪だ
ボートを進めてからいくら時間が経っただろうか
明石「止めて!」
提督「どうしたんですか!」
明石「あっちの方へ行って」
提督「分かりました」
言われた方へ行くと
提督「人が浮いてる!」
明石「早く!」
ボートを近くに寄せて確かめる
うつ伏せに浮いているあたりもう手遅れだという事が分かる
見たところ中学生くらいの女の子だ
提督「ダメだ・・脈がない」
明石「そう・・・」
提督「近くを探そう」
明石「なんで?」
提督「女の子が一人でここまで来るかよ。きっと船が沈没してー」
明石「いえ、この子一人よ」
提督「え?」
明石「この子艦娘よ」
提督「でも、艤装がないぞ」
明石「燃料が切れて維持出来なくなったのよ」
提督「そんな・・なんでこんな事に!ここは安全な海域な筈なのに!」
明石「野良艦娘よ」
提督「野良艦娘だって?」
明石「ドロップ艦娘の成れの果てよ」
提督「なんでドロップ艦がこんな事におかしいだろ!だって」
明石「ドロップ艦は見つけたら必ず連れて帰らなければならないからでしょ?」
提督「そうだって本に」
明石「そうよ。連れて帰り軍に協力してもらう。無理な場合は部分解体を施し生活出来るように支援する」
提督「なのになんで・・・」
明石「艦娘の誰もが軍に協力なんてしない。普通の生活を望む子だっている。そういう子の支援って基本その鎮守府の提督がやらないといけないの」
明石「連れて帰るにもドロップ艦は僅かな燃料しか持っていない補給させてあげないといけない。帰れば面倒な書類にいくらかの支援金が必要」
明石「そりゃ、後からいくらかは大本営が返してくれるけどその間数ヶ月間面倒を見なきゃいけない」
明石「しかも、ドロップ艦の書類は自己申告で、見つけたけど艦隊に分けるだけの燃料の余裕がなかったと言えば許される」
提督「じゃあ・・この子は」
明石「書類が面倒くさかったのか、ダブったからか・・普通の生活を望んだから」
明石「捨てられた」
提督「っ!」
提督「普通の生活を望んだから捨てただと!それを望んで何が悪い!普通の生活を手に入れる為に戦ってるのに!それなのに!望んだらだめなのかよ!」
明石「彼女達は艦娘だから。使命を果たす気がない子は」
提督「関係あるか・・そんな事」
明石「今の言葉は軍人失格ね」
提督「俺は軍人じゃない・・俺は提督だ!それ以外の何者でもない!たった一人の女の子も守れない人間が軍人なんて・・・いや、だからこそ軍人なのかもな・・なら!俺は軍人としてではなく提督としていち一人の人間として・・・」
提督「戦う!!」
そう俺は眠る彼女に約束した
提督「寒いだろ今すぐ上げてやるからな」
彼女を冷たい海から引き上げる
明石「綺麗な顔ね」
提督「あぁ・・・本当に綺麗だ」
この子にもこれからの未来があったのだろう
それなのに
彼女を抱きしめ泣いた
提督「ごめんな・・ごめんな!もっと早く見つけてあげてたら・・」ポロポロ
明石「・・・・・・」
提督「なぁ・・・」
明石「なに?」
提督「この子の名前教えてくれないか?知ってるんだろ?」
明石「如月よ」
提督「そうか如月よく頑張ったな」ナデナデ
如月「」ピクッ
ピカッ!!
提督「うわっ!なんだ!」
明石「え!」
如月が強く光りだした
そしてその光は弱くなり消える
提督「一体何が・・・」
明石「っ!艤装が」
如月「」ガシャン
提督「展開された!お、重い!」
明石「や、やばい!この重みにボートは!提督早く如月を海の外へ」
提督「」下敷き
明石「あー!沈む!!」
ボートは沈んだ
明石は泳げなかった。うすれゆく意識の中手を伸ばし掴んだ
ウツボ「っ!」
そして・・・意識を失った
提督「うぅ・・・あれ?」
如月「あ、起きたのですね司令官」
提督「へ?司令官?誰?」
如月「もう、貴方の事よ司令官」
提督「そ、そうなの?」
如月「はい!」
俺は今片手で如月に抱えられている
海を滑るように走っているのも驚きだが
もう片方の手には明石さんを抱えていた
それも驚きなのだが
一番は
提督「なんで生きてんの?」
如月「もう司令官ったら、あんなに熱い抱擁で起こしてくれたのに・・初めてだったんですよ?」
提督「いやいや、そんなので生き返ったの!凄いな艦娘って!」
如月「艦娘だとかじゃなくて司令官だったからよ」
提督「そ、そうなの?」
如月「はい」
提督「で?何処へ向かってるの?」
如月「司令官の鎮守府ですよ」
提督「分かるの?」
如月「はい!司令官と私は一心同体ですから〜」
提督「まじか」
如月「はい、まじです」
明石「絶対に離さないから・・ふふふ」ギュッ
ウツボ「っ!!」
提督「なんで明石さんはウツボを握りしめて気絶してるんだ?」
如月「さぁ?きっと好きなんですね」
提督「そうなのか?まぁ、好きには色々あるからな・・」
如月「はい、色々です」
その後鎮守府へ帰る事が出来た
終始ウツボを離さなかった明石さんは目覚めた瞬間ウツボを投げ捨てたので
今日の晩御飯という事で食堂に置いておいた調理してくれるだろう
悲鳴のような声が聞こえたような気がしたが気のせいだろう
ー執務室ー
時間はあまりないが、これだけはやっておかなければいけない
如月のこれからについて
提督「じゃあ、本当にいいんだね?」
如月「はい」
提督「よく考えて欲しいんだ。これは強制じゃない如月が戦いを望まないのなら普通の生活が出来るように全力で支援しよう」
支援する余裕はないが借金をしてでもする気だ
他の提督のような事だけは絶対にしない
如月「もう、意地悪言わないで司令官」
如月「私は側にいると決めたのよ。提督が戦いを望むなら戦うし、望まないのなら戦わない」
提督「俺はそうやって決めて欲しくないんだ君の人生に関わる事だ。よく考えてくれ」
もし、如月が戦わない事を望みそれが原因で捨てられたなら
俺は彼女を無理矢理でもここから出てもらい普通の生活を手に入れてもらう
如月「もう決めたの司令官は私がいるのが嫌なの?」
提督「そうじゃないよ。いて欲しいと思う・・でも、嫌な事を思い出させるかもしれないけど、どうして如月は捨てられていたんだ?」
如月「そ、それは・・・」
提督「戦いたくなかったんじゃないか?」
如月「・・・・・・・」
提督「如月無理はしないで普通の女の子になってー」
如月「ふざけないで!」
如月「確かに私はそういう理由で捨てられました。でもいきなり知らない人から提督の為に死ねるか?なんて聞かれて即答なんて出来ないじゃない!」
如月「だって私はその提督を知らない!いきなり言われても分かんない!知らない人の為に死ぬなんて・・」
提督「・・・・・・・・」
当たり前だ。俺だっていきなり知らない所で目が覚めた時に知らないおっさんの為に死ねるか?と聞かれたら知るかボケ髪の毛むしるぞって言うだろう
でも、如月や艦娘達はそれが当たり前でその道しかない
選べないんだ
如月「でもね・・私も艦娘だからなんとなくだけど自分のなすべき事が分かってるの・・だからこれはおかしくないっておかしいのは私なんだって・・そうやって悩んでたらいつの間にかいなくなっていたの・・」
悩む事が既に駄目なんだ。軍が欲しいのはぐじぐじ悩む奴ではなく
即決して戦闘意欲が高い奴だ。それこそ知らない提督の為に命もかける奴が欲しんだ
代わりのきく奴が
狂ってやがる
如月「私駆逐艦だから・・・そんなに必要にはされてなかったのよね・・」
提督「そんな事はないよ如月は駆逐艦は必要さ」
如月「優しいですね・・だからこそ私は決めたんです。知らない提督に命なんてかけられない。でも、貴方なら私は命をかけて戦う!いえ、戦いたい!」
如月「貴方の為に死なせてください!」
提督「却下だ馬鹿野郎!」
如月「え?・・あの、野郎ではないですよ?」
提督「細かいことは気にするな!それより俺の為に死ぬだ?残念だけどそんなスローガンうちの鎮守府は受け付けてませんので!」
如月「で、でも!」
提督「うっさい!この綺麗な髪の毛しやがって!」くしゃくしゃ
如月「きゃっ!司令官くすぐったい」
提督「いいか?よく聞け!いつか海から奴らがいなくなった時みんなで笑ってここを出る!如月もみんな全員!死ぬなんて許さない!如月戦う意思はあるか!」
如月「はい!」
提督「ならこの書類に名前を書け!」
如月「はい!きさらぎっと」カキカキ
提督「漢字はどうした!」
如月「分かりません!」
提督「ならよし!」
如月「はい!」
提督「生き残る意思はあるか!」
如月「はい!どんな事があっても司令官の元へ帰ります」ポロポロ
提督「ハンカチ使ってくれ」
如月「はい・・・ありがとうございます」
提督「意思があるなら年齢を書け!」
如月「分かりません!」
提督「ならよし!適当に書け」
如月「え?はい!」
提督「大体書類とはいえ安易に女性の年齢に触れようだなんて大本営が許しても俺が許さん!」
如月「別に年齢くらい・・」
提督「仲間と共に戦い!仲間と共に笑えるか!」
如月「はい!いけ好かない奴でも表で笑い、裏で泣きます!」
提督「なら!ここに判子を押せ!!」
如月「ないです!!」
提督「それは!!・・困った・・」
如月「サインじゃ駄目なの?」
提督「いいのかな?まぁいいかサインしてくれ」
如月「出来ました」
提督「確認する!」
【名前 きさらぎ
年齢 1日?
判子 (きさー)
備考 えふ、ふぉー、えふせんとうきゆるすまし】
提督「うむ!改めて如月鎮守府へようこそ!君を歓迎しよう」
如月「はい!」
提督「改めて自己紹介をする。提督だ。18歳 独身 よろしく」
如月「陸月型2番艦駆逐艦如月です!生まれて1日も経っていません。独身よろしくお願いします」
提督「よし、早速で悪いが如月には秘書艦をやってもらいたいんだが」
如月「お任せよ。司令官の役に立つんだから」
提督「期待してるよ。それとこれからだが、急を要するんだが・・っとその前にお茶が冷めてしまうね飲んでしまおう」
如月「はい、いただきます」
ゴクゴクゴクゴク
提督、如月「「っ!」」
ブーーーーーーー!!
提督「こ、これは・・ぐはっ!」
如月「あ・・・・・ふふ」バタッ
食堂でお茶を頼んだのがまずかったか・・・
なにか生臭い味がした
あ、これは・・・
提督「ウツ・・・・」バタッ
ー執務室ー
ガチャリ
明石「提督?いる?頼まれた物を持ってきたけど」
提督「」ピクピク
如月「」ピクピク
明石「ちょっと!どうしたの!しっかりして!」
提督「うぅ・・・ウツ・・・・ウィーっす」ガクッ
明石「案外元気そうね。それにしても如月まで」
如月「ふふ・・・ふふふ」ピクピク
明石「女の子がしちゃいけない顔をしてる・・」
明石「ん?もしかしてこれ?」
コップを手に取り匂いを嗅いでみる
明石「うわっ臭!なにこの生臭い匂いは・・少し飲んでー」
明石「うぇええ!こ、これは酷い100パーセント魚汁にさらに還元して濃縮した味よ」
明石「誰がこんな事を・・・お茶を入れられるのは食堂だけよね・・ん?反応がある」
明石「まさか!」ダッ
ー食堂ー
明石「不自然に綺麗・・提督が掃除したわけではなさそうね。でも、提督以外いないと言ってたし・・ん?」
テーブルに置かれたヤカンに目がいく
明石「これがさっきのお茶?中身は」
蓋を開けて中身を見ると
明石「っ!!」
ウツボ「」
明石「うっ!なんて事を・・・・」
ガタッ
明石「っ!誰かいるの!」
シーーーーン
明石「やっぱり誰かいるのね出て来なさい!」
明石「そう・・出てこないの・・なら・・艤装を展開してここら辺をスッキリさせよっかな?その方が探しやすいし・・ね?3秒だけ待ってあげる」
明石「3、2、1」
明石「ぜー」
???「ま、待って!出ますから!やめてーー!」
明石「貴女は!間宮さん」
間宮「お、お願いですから!食堂を壊さないでください!」
明石「成る程ね・・」
間宮「え?」
明石「これ作ったの間宮さん?」ヤカン
間宮「そうですけど」
明石「あら、随分素直に白状するのね」
間宮「え、まぁ悪い事してるわけではありませんし」
明石「へぇ〜自覚なしなんだ。って!そんなわけあるか!間宮さん!」
間宮「ひゃい!」
明石「いくらここの提督が気に入らないからってこういう事をするのは反乱よ反乱!」
間宮「ええ!そんな私何もしてません!」
明石「ちょっとしたイタズラのつもりだったのね・・提督もこの時ばかりは同情するわ〜」
間宮「話しが見えないんですけど・・」
明石「あぁ?こんな毒物作っておいて何もしてないって?しらばっくれるな!しかも、貴女ここに配属されたわけじゃないよね?不法侵入?」
間宮「ち、違います!ちゃんとここに配属されたんです!ほらこれ」
明石「配属指示書ね・・確かに本物だけど・・どうして提督は知らないの」
間宮「そ、その・・男の人が苦手でして・・提督が着任する1日前には来ていたんですけど・・・恥ずかしくて隠れてました。それでも私は提督の為に料理を作ってます!」
明石「悪意はないと?」
間宮「あるわけないでしょ!」
明石「飽きれた・・・じゃあ、本当になんでこんなもの作ったの」
間宮「ウツボって強そうですよね!」
明石「え?まぁ海のギャングって呼ばれる程には」
間宮「ならお茶に入れますよね!」
明石「はい?」
間宮「だから強そうなウツボとお茶を混ぜればなにか凄いものが出来るじゃないですか」
明石「もしかしてこの子・・・味見はしてるの?」
間宮「何を言っているのですか!私ごときが提督より先に頂くなんて出来ません!」
明石「はぁ・・・」
明石(間宮さんって基本料理スキルは高い筈なんだけど・・・)
間宮「あ、知ってますか?提督ってカボチャが大好きなんですよ?それはもうボリボリと食べるんで私嬉しくて!前の鎮守府だと誰も食べてくれなくて・・って聞いてます?」
明石「あ〜はいはい聞いてます聞いてます」
間宮「それでね〜」
明石(無自覚って怖いね・・・)
その頃提督は
提督「っ・・・・」
少しでも動けば口の中に残っているお茶の残り香が来る
何かこの味を濁すような誤魔化せる何かがあれば
提督「っ・・・」キョロキョロ
くそっ!こんな事をしてる暇はないんだ!早くしないと17時になってしまう
今時間になれば・・・俺は
如月「はぁ、はぁ・・ふふ」
如月・・・・その顔はあかん
そうだ!ポケットに
あった!
ブレス◯アだ!
これを食えば
だが・・如月は食えるのか?
如月「ふふふふふふ」
駄目だ。とてもじゃないが正気を失っている
提督「っ!」パクッ
考えてる暇はない!
ガシッ
如月「あ・・・・」
すまない!
提督「許せ如月」
息リフレーッシュ!!
ー執務室ー
提督「・・・・・///」
如月「どうしたの?司令官」
提督「い、いや、なんでもない。それより間宮さん」
間宮「は、はい」
提督「隠れていた事はいけない事ですが、ちゃんと食事(美味しいとは言っていない)を作ってくれていたんで今回はこれくらいで許します。これからは隠れないでくださいよ?」
間宮「はい・・すみませんでした」
提督「はい!お説教終わり!」
明石「甘いんだから・・・」
提督「いいんだよこれでお固い事ばかりだと疲れる」
提督「それより今はやらないといけない事があるだろ?」
残り時間は3時間か・・
提督「艦娘の人数だが、秘書艦は如月に決まった。間宮さんもいるからいいんだよな?」
明石「間宮さんは非戦闘艦娘よ。二人いるのは戦闘が出来る子じゃないとダメ」
提督「うむ・・明石さんは」
明石「言ってるでしょ私は監視だって。それにもう艦娘じゃない」
提督「ごめん・・ならあと一人必要だ」
如月「私一人でいいと思うのに・・」
明石「さっき説明したでしょ?元帥なら本気でやるよ」
如月「私より?」
明石「元帥とやる気?」
如月「場合によっては」
明石「勝手にすれば」
如月「ええ、そうするわ」
提督「如月命令だ。もし、そうなったらお前は見てろ俺の最期を見届けてくれ」
如月「嫌よ!そんなの!私は!」
提督「まぁまぁ、そう声を荒げるなよ。まだ、決まった事じゃない。俺は最後まで足掻くさ。だからみんな力を貸してくれ」
如月「勿論よ!絶対に成功させましょ」
間宮「ち、力になれる事なら」
明石「帰えっていい?」
提督「みんな!ありがと!」
明石「あ、無視ですか・・はぁ」
提督「時間がないから役割を言う」
提督「間宮さんには部屋の掃除を頼みたい全部じゃなくて監査官が通るかな?って所を頼む」
間宮「は、はい!頑張ります」
提督「明石さんは工廠と入渠を見て欲しい。直せる所があるなら直して欲しい」
明石「全部は無理よ?」
提督「ある程度動けばいいよ。工廠は作動はしたから問題は入渠かな」
明石「仕方ないな・・」
提督「如月は遠征に行ってきて欲しい17時までに資材を100集めて欲しい」
如月「100って・・一人じゃきついかも」
提督「ごめん、無理を言ってるのは分かるんだ・・でも、頼む」
如月「やって見るわ。あ、でも、燃料がないわ」
提督「明石さん」
明石「提督のなけなしの金で買えるだけ買ってきたよ。あと頼まれた物ね」
如月「必ず完遂させます!」
提督「ありがと明石さん。如月弾薬を買う金がなかったんだごめん・・代わりにこれを」痴漢撃退用スプレー
如月「あは、ますます強く、もっと美しくってね」痴漢撃退用スプレー装備
提督「そして俺は艦娘を探す」
明石「え?また海行くの?」
提督「いや、行かないよボートないし。少し聞きたい事があるんですが」
明石「なに?」
提督「他の皆は行動開始してくれ如月あんまり遠くへ行くなよ」
如月「はい!如月いっきまーす!」ダッ
間宮「掃除何処からすれば・・」ヨロヨロ
明石「それでなに?私も早くしないと終わらないよ?」
提督「一つ質問なんだけど、野良艦娘は全てが全て海で一生を終えてしまうんですか?」
明石「・・・・自力で海を出る子もいるけどそういうタイプはみんな軍を恨んでる関わらない方がいい」
明石「提督だと知ったら襲ってくるかもしれない彼女達は自由に艤装を展開出来るから勝てないよ」
提督「この町にはいますか?」
明石「なんで私に聞くのよ分かるわけないじゃん」
提督「時間ないんでそう言うのはなしで行きましょ」
明石「はぁ・・艦娘だった頃の名残りみたいなものよ。近くしか分からない」
提督「それで?この町には」
明石「一度反応があったのはここね。多分部分解体してないと思う」
提督「場所は?」
明石「地図ある?」
提督「これでいいかな?」
明石「確かここら辺よ」
提督「この距離なら行けそうだ」
明石「ねぇ、やめておいた方が・・最悪殺されるよ」
提督「俺もいきなり正体は明かさないようにするよ。まずそうだったら諦めるし」
提督「変装!!」
足先まであるコートに身を包み帽子で髪型を隠しマスクで口と鼻を隠す
最後にサングラスで完璧だ
そしてコートの下にはちゃんと正体を明かす為に提督の正装を着ている
提督「完璧だ!」
明石「あ・・それは」
提督「よし!各員健闘を祈る!」ダッ
明石「・・・まぁいいか」
ー近海ー
如月「資材〜資材〜♪」
レーダーが鳴る
如月「ここら辺にありそうね」
如月「髪の毛が潮風で痛んじゃうけど・・今はそうも言ってられないわね」
如月「艤装降下資材回収」ガシャン
今艤装を海底に飛ばして資材を回収している
本当ならこの間全くの無防備なので他の仲間が周りに警戒しつつやるのが普通なのだが
今は如月一人しかいない
つまり今は完全無防備状態
不安もあるけどそれよりも提督がいなくなる事の方が嫌だった
周りなんて警戒していても意味がない今は資材回収に全神経を集中させる
如月「完了っと〜♪」
資材5
如月「はぁ〜・・次々っと」
また少しして
レーダーが反応する
如月「敵影はなしね」キョロキョロ
如月「艤装降下!」ガシャン
艤装がまた海の底へと飛んだ
如月「・・・・・・完了っと」
それを繰り返しながら少しずつ資材を貯めていた
でも、まだ100までは程遠い
時間もあまりない
如月「っ!」
焦る
このままだと私の所為で司令官は
如月「・・・・・」
私の目の前に一人の艦娘がいる
どうやら野良艦娘のようだ
かなり弱り切っている
このままだと後少しして沈む
今助けて彼女は鎮守府まで耐えられるのか?
いや、無理だ
きっと途中で力尽きてしまう
艦娘「はぁ・・はぁ・・ぐっ・・」
このまま沈めば彼女は何も意味の無い死を遂げてしまう
なら、一層の事意味のある死をあげてあげた方がいいんじゃないか?
そう思った
そして、身体が勝手に動き
如月「っ!」
その艦娘の艤装を無理矢理剥ぎ取った
取られた艦娘は力を失い海へと沈んでいった
艦娘の艤装はかなりの資源になる
如月「貴女の死は無駄ではないわ・・だから・・」
そう言って髪留めを外して彼女の沈んだ方へと投げてその場を後にした
ー工廠ー
明石「ふぅ・・こんなところかな」
とりあえず見られたらまずいようなところは直しておいた
と言っても応急処置みたいなもので、動きはするけどこのまま使えば壊れる
明石「まぁ、今のままじゃ使えないけどね」
そう、ここには妖精がいない
艤装メンテナンスや解体などは出来るけど
艦娘を建造する事ができない
明石「まぁ、そこまで言われるわけないよね。動いてはいるんだから」
本当ならいけないけど、こればかりは監視官も文句は言えない
何故なら妖精は気付いたらいるというもので、意図して呼ぶ事は出来ない
だから、私が出来ることは何時でも工廠を使えるようにしておくだけ
明石「まぁ、細かな修理はまた今度にして、って・・私なにやってんだろ」
いつの間にか協力させられているが、私はこの鎮守府を反対してる反対派だ
何故こんな事をしているのだろうか
明石「はぁ・・そろそろ入渠施設も見ないと時間が足りなくなる」
入渠へと向かった
ー入渠ー
明石「・・・・・これは」
あちこちに血が付いている
血と肉の腐った臭いが鼻を刺激する
提督も知っていて頼んだのだろう
まぁ、お子ちゃまには少しばかり刺激が強いかな
明石「皆提督が帰ってくるのを信じて待ってたのね・・」
入渠は基本提督がいないと動かない
ここの前の提督は一番に逃げてしまった
だから、残された艦娘達は戦った
入渠の使えない状況で
でも、それでも、提督を信じていた艦娘もいたのだろう
だから待っていたのだ
他の鎮守府に逃げる事もなく
そして・・・・・
明石「たく、大本営も片付けるなら全部しなさいよ」
明石「いつまでもこのままだと嫌よね・・私も提督もそして貴女達も」
入渠の前にあったデッキブラシを持って掃除を開始するのだった
ー執務室ー
間宮「ここを一番に終わらせないといけなかった・・」
途中で一番大事な執務室の掃除をしてない事に気付き急いでやってきた
執務室はかなり汚れていた
間宮「よし、やるしかない!」
ふきふきふきふきふき
間宮「っ!」
ゴシゴシゴシゴシ
間宮「っ!!」
キュッキュッキュッキュッ
間宮「っ!!!」
間宮「ふぅ〜・・・テーブルも拭いておかないと」
ふきふきふき・・バキッ
間宮「あ、折れた」
元々壊れる寸前だったし私が壊したわけではない
間宮「て、テーブルくらいなくてもいいよね代わりにこれを」
みかんの段ボールを置いた
間宮「このソファーは・・ボロボロだけど・・いいのかな?」
所々破れており中身がでている
間宮「う〜ん・・ガムテープとか?」
とりあえずガムテープを貼ってみた
さらにボロボロ感が出た
間宮「これじゃあ駄目!剥がそう」
さらにもっとボロボロ感がでた
間宮「・・・・うん、これはどけよう」
ソファーを押して執務室の外へ出そうとする
間宮「ふぬぅうう!!」
少し動いた
間宮「ふぬぅうああああ!!」
ソファーが執務室のドアへと思いっきりぶつかった
ガタン
間宮「ふにゅ!」
ドアを開けるのを忘れていた
開けてから押さないと
しかし、それも必要なかったようだ
何故なら
今の衝撃で
ドアが取れたからだ
大きな音を立ててドアが倒れる
間宮「・・・・・・」
ドアのない執務室にボロボロソファー床には引きずった跡が
そして段ボール
掃除をする前より酷くなっていた
間宮「こ、このままじゃあ」
また鎮守府を追い出されてしまう
正直前の鎮守府や前々の鎮守府などは追い出されてもなんとも思わなかった
何故なら私の味を理解できていなかったからだ
でも、ここは違う提督は私の味の理解者だ
ここを追い出されたらもう行くところはない
大本営からもここが駄目ならクビだと言われている
なんとしてもどうにかしないと
間宮「背に腹は変えられないか・・」
財布の中を確認して少し考えた後
間宮は鎮守府の外へと向かったのだった
さて変装はバッチリだ
少し暑いがいいだろう
艦娘を探そうとするか
提督「と言ってもここら辺にあるのはあの建物だけだな思ったより早く見つけられそうだ。行ってみよう」
ー孤児院ー
提督「孤児院か・・」
あまりいい思い出はないな・・
提督「まぁ、あの時とは立場が違うしいいだろう」
入り口は鍵が掛かっていなかったので普通に入れた
一人の子供を発見した。孤児院の子供だろう
何かを探しているようだけど
提督「ん?あれかな?」
すぐ近くにボールがある
きっとあれを探してるのだろう
提督「君探し物ならここにあるよ」
子供「ん?っ!!」
提督「これだろ?はいどうぞ」
子供「た、助けてぇえええ!」ダッ
提督「あ、ちょっと!ボールいらないの!」
追いかけようとした瞬間
???「待ちなさい!」シュッ
槍が急接近!
提督「うわっ!危な!」サッ
???「ちっ!」
なんか槍を持ってる女の子が声をかけてきた槍を突き出しながら
頭に変なものが付いてるし背後にも・・あれ?
艦娘じゃね?
提督「もしかして・・」
???「貴方何者!そんな怪しい格好をして」
提督「え?怪しい?俺から言わせればそっちの方が怪しいぞ?ほら、槍は危ないからね?下ろして」
???「下ろした瞬間何かする気でしょ!」
提督「しないって!俺はただの通りすがりの純情無垢青年だ」
???「それの何処が純情無垢な青年だって?騙されないわよ!」
???「あ、分かった!貴方!」
提督「っ!」
しまった!どんなに変装していても俺の溢れ出る提督オーラで提督だとばれてしまった!
くそっ!
???「貴方!露出狂でしょ!」
提督「ばれてしまっーっ!なわけねえだろうが!」
???「そのコートの中は全裸なんでしょ!おもむろに広げて相手を不愉快な気持ちにさせるんでしょ!」
提督「だから違うって!」
???「なら、そのコート脱ぎなさいよ。あと、サングラスとマスクもね」
提督「っ!」
今度こそばれてしまう!俺のカリスマ的提督顔に相手は提督だと気付いてしまう!
くそっ!
サングラスとマスクを外してコートも脱いだ
なんだろう下には服着てるのになんでこんなに恥ずかしいのだろう
提督の正装に身を包んだ俺を見た女の子は
???「なによ、ただのコスプレ好きの人か」
提督「え?いやちがー」
???「もしかしてボランティアの人?丁度良かった人手が欲しかったの来て」
提督「ちょっ!引っ張らないで〜」
抵抗したが全く歯が立たなかった
やはり間違いないこの子は艦娘だ
そしてこの子の艤装にはなにも貼っていなかった
鎮守府に属している艦娘達はその鎮守府からステッカーを貰い艤装に貼っておかなければいけない
これはいざという時に何処に所属しているか分かるようにする為というのもあるけど
このような無所属の艦娘を割り出す為にやっているらしい
明石さんが言うには無所属の艦娘は軍に追われているらしく
野良艦娘が自力で陸へたどり着き密かに生活をしている子や
なんらかの理由で鎮守府から逃げ出した子もいたりする
中には復讐を企む子もいるらしい
どちらにせよ、艤装の付いた艦娘を放置は出来ないのだ
明石さんに言われなければ如月をステッカーなしで海へ出させる事になっていた
ステッカーを貼ってない艦娘はレーダーに敵として出てしまう
危なかった
まだまだ勉強不足だな
この艦娘の名は叢雲と言うらしい子供達が先程からそう呼んでいる
子供達にかなり懐かれているようだ
俺は子供達にコスプレ大好き青年として紹介された
なんか皆喜んでいた
叢雲は子供達と楽しそうに話したり笑っていた
こんな子が復讐を企んだり・・恨んだりしてるのか?
とにかく話をしないと
ー孤児院屋根ー
提督「あの、叢雲さん?」
叢雲「黙って仕事しなさい」トントン
今俺は叢雲と二人で屋根の修理をしていた
雨漏りが酷いらしい
時間がないそろそろ言わないと
提督「叢雲さん聞いてください!俺は」
叢雲「提督なんでしょ」
提督「気づいていたのか。やはり俺の提督オーラに」
叢雲「オーラ?そんなの全然ないしバッヂがなかったらコスプレだとしか思わないし」
提督「あ、そ・・・」
叢雲「この町の鎮守府なのよね」
提督「はい」
提督「・・・・・・・」トントン
叢雲「・・・・・・・・」トントン
叢雲「捕まえに来たの?」
提督「そうだと言ったら?」
叢雲「この施設は関係ない。みんな私の事を艦娘だなんて知らない。だからここの人達にはなにもしないで」
叢雲「そうするなら私は大人しく捕まる」
提督「叢雲は見捨てられたのか?」
叢雲「違うわ。逃げ出したの貴方の鎮守府から」
提督「え?」
叢雲「貴方の前の提督よ。本当に酷い人だった」
提督「・・・・・・・」
叢雲「結局逃げたんでしょ?軍からも追われるようになっていい気味よ」
提督「そうだな・・・」
叢雲「貴方も大変ね。あんな人の尻拭いなんて」
提督「本当に・・そうだな・・なんでだろうな・・なんで」
あの人の息子として生まれてきてしまったのだろうか
叢雲「まぁ、でも、私を捕まえたらきっと昇進出来るんじゃない?一応あの鎮守府の生き残りになるし」
提督「捕まえないよ」
叢雲「え?」
提督「捕まえる資格は俺にはない」
やめよう・・
この子はこのままそっとしておこう
一度逃げ出した鎮守府に戻りたいなんて思わないし
戻れないだろう
だって、逃げた事には賢明だと思う
でも、それは他の仲間を見捨てたという事だ
あんないい笑顔をする子がなにも感じないわけがない
もし、説得に成功しても苦しむ事になる
叢雲「どういう意味なの・・じゃあ貴方は何をしに来たの」
提督「そうだな・・ここの子供達に挨拶をしておこうと思って・・そして必ず守るって約束をね」
提督「もう、逃げたりしない。信じてくれと言われてもすぐには無理だろうけど、これからを見守って欲しい。俺は誰一人欠けずにこの戦いを終わらせたい!」
叢雲「貴方・・・若いわね」
提督「丁度高いところにいるし丁度いいな」
立ち上がり皆が遊んでいる広場の方へ向き
提督「注目!!」
子供達が声に気付き騒ぐ
高いところ危ないよとかずるい俺もとかコスプレの人だぁ〜とか
中には「叢雲お姉ちゃんの彼氏さんなのです」だと言っている子もいた
ロリコンは犯罪です
叢雲「ちょっと!今の誰!」
人が話をしようと思ったのに騒ぎがさらに大きくなる
提督「ちょっと・・いいかな?ねえ!聞いて!お願い!」
子供達の騒ぐ声に俺の声はかき消される
提督「あの〜・・・」
提督「・・・・・」ショボーーン
叢雲「ちょっと大丈夫?」
提督「いや、もういいし・・うん寝るわお休み」
叢雲「すねないの!男でしょ!」
提督「すねてねえし!ちょっと眠いだけだし!」
叢雲「子供か!」
提督「まだ18ですから!子供です!」
叢雲「屁理屈言わない!さっき私に言ったようにしっかりしなさい!さっきのは少しかっこ良かったよ」
提督「本当に?」
叢雲「本当よ」
提督「噓つかない?」
叢雲「いい加減怒るよ?」
提督「・・・・よし!」
と、冗談はここまでにして
大きく息を吸って!叫ぶ
提督「俺は提督だ!ここの皆も俺が守る!以上!これからよろしく!」
子供相手に長話は朝の校長の話と同じくらい耳には入らない
必要な事だけでいい
子供達は黙ったままだった
やがて一人の子が言った
「なら、パパを返して」
提督「っ!」
そこから子供達は泣きながら俺に言った
家族を返せと
家を返せと
噓つきと
途中から頭に入らなくなった
分かってはいたんだ・・ここの子供達はきっとあの時の襲撃で親を亡くしていると
でも、この無邪気な笑顔に俺は甘えていた
平気だと思った
子供達の心の闇は・・薄れていっていたのかと思った
この子達は俺とは違い強い子達だと
たが、違った俺が思っていた以上にこの闇は深く触れてはいけなかった
当たり前のことじゃないか・・
勝手に決め付けて・・最低だ
叢雲「こういう事よ。綺麗事並べて勝手に満足するのは良いけど、それで傷付く人がいる事を忘れないで」
叢雲「そんなので着いてきてくれる人なんて余程切羽詰まった人か、信用されてる人だけか・・・」
叢雲「生っ粋のお節介者ね」
提督「・・・・・・」
叢雲「用がないならもう帰って」
追い出されるように俺は孤児院を後にした
???「なのです!」
提督の後ろを小さな影が着いてきているのを提督は知らなかった
提督「はぁ・・・」
いつからだろうか・・・
俺は孤児院を半端追い出されて
鎮守府への帰路へ向かっていた
色々考える事が多く
ただ、ただ、帰路を歩いていただけだった
やっと落ち着いてきた時と
後ろから妙な者が・・
???「うんしょ、うんしょ」ズルズルズル
全く身の丈に合っていないコートを着てサングラスをしている帽子もかぶってるがぶかふかだ
帽子からはみ出てる髪の毛から女の子だという事は分かる
彼女の着ているコートは端が擦れながらボロボロになってきている
歩きにくそうだ
そして、ずっと着いてくる
え?自意識過剰だって?
俺も最初はそう思ったが、こっちが止まれば止まり
振り向けば露骨に隠れる
路地に入れば路地に入り
ジャンプしてみると向こうもジャンプしたりと
明らかにおかしい
ー鎮守府近くの通路ー
提督「う〜ん」チラッ
???「っ!」キョロキョロ
バッ
何も隠れ所がなくなったのかその場でしゃがんで縮こまった
あれで隠れてるつもりらしい
背が小さいし子供のイタズラかな?っと思いほって置こうと思ったが
提督「鎮守府まで来られるのは厄介だな」
鎮守府は町外れにある為人通りの少ない道を通る
こんな小さい子がもし鎮守府まで来たら、きっと帰れなくなる
そうなれば今の俺じゃあ・・・
提督「送ってあげても誘拐だって言われるんだろうな・・・」
なんせ俺は子供達にまで嫌われる存在なったから
提督「はぁ・・・・時間はもうないか・・・」
もうすぐ約束の時間になってしまう
やっぱり叢雲に来てもらうべきだったか・・・
いや、彼女は今の場所を大切にしてほしい
俺の我儘でそれを奪いたくない
覚悟を決めるか・・・
せめて如月や間宮さんそれに明石さん達にはよくしてもらえるよう頼もう
それくらいならきっと元帥も・・・
提督「ははは・・・・駄目だよな・・あのハゲは髪の毛も情けも少なー・・ないからな」
提督「禿げろ・・」ボソッ
そう言ってしゃがんで隠れてるつもりらしい子の帽子を取る
別にこの子に禿げろと言ったわけではないから
???「はわ!」
続いてサングラス
???「返すのです!」
提督「ん?」
よく見ればこれは俺のじゃないか
孤児院に忘れたんだ
て事は
提督「わざわざ持ってきてくれたのか?なら、声掛けてくれれば良かったのに」ナデナデ
???「ふわぁ〜気持ちいいのです。コートも返すのです」
提督「ありがとな、ははは、コート下の部分ズルズルだな。お、ポケットにマスク入ってるな」
???「あ、ごめんなさい・・・」
提督「いいよ、安物だし」
俺が提督祝い(自分から自分へ)として貰ったものだから
そんなに高くは・・・・高くは・・
提督「な、ないからね」ナデナデ
???「本当に?」
提督「あぁ、本当だ。そろそろ暗くなるからね送って行きたいのは山々なんだけどごめんね一人で帰るかな?」
???「帰らないのです!」
提督「どうしてだい?」
電「電は提督に着いて行くのです!」
提督「え?俺に?」
電「はいです!提督の言葉に感動したのです」
提督「感動・・やめてくれ俺は自分勝手な事しか言ってない」
提督「守るって言っても・・もう遅かった・・失ったのに守るなんて無責任な事を・・」
電「なら、提督はもう守ってくれないの?孤児院のみんなは・・」
提督「守るさ・・その為に提督になったんだ。嫌われようとそれは変わらない」
電「なら、電も守るのです!この時をずっと待ってたのです!」
提督「待ってた?えっと電でいいのかな?」
電「はいです電は電なのです」
提督「電、君はどうして強くなりたいんだい?」
電「電が臆病だからなのです・・臆病だったから・・あの日襲撃の時・・なにも・・なにも出来ず・・・目の前で人が食べられて・・それで!!」
提督「もういい!やめろ思い出さなくていい」
電「・・・・・・今度は守りたいです・・守りたいんです!」
提督「電の気持ちはよく分かった・・でもね、こう言うのは大人に任せて」
電「大人は一番に逃げるのです!嫌いなのです!」
提督「俺も大人だよ。君の嫌いな」
電「提督はいいのです」
提督「なんでだ?」
電「勘です!それに目です」
提督「勘に目?」
電「あの時みんなの前で話した時の目がお姉ちゃん達に似ていたのです。なんか見てるとなんでも出来そうな気がするそんな目なのです!」
勘・・そして目・・どれも人を信じるには不確定過ぎる
危なすぎる
なのに俺は
提督「・・・俺を信じてくれるのか?こんな口だけの俺を!」
気付くとそう言っていた
民間人を仲間に入れるなんてそんな馬鹿みたいな事許されるはずがない
でも、電の真っ直ぐな目に力強い声で
電「信じるのです!」
言われた時
提督「ああ・・・電・・電!」ギュッ
嬉しさのあまり抱きついてしまった
電「はわわ!いきなりビックリするのです。よしよし」ナデナデ
純粋に今は信じてくれる、俺を認めてくれる人が欲しかった
性別や歳なんて関係なく支えてくれる人が
提督「我が鎮守府は・・・貴女を・・電を歓迎します!」
電「はいです!よろしくお願いします!」ガシャン
提督「これから君には副秘書官として俺のー・・・へ?電?それなに?」
電「なにって?」艤装展開中
提督「艦娘なのかよ!」
電「何を当たり前の事を言ってるのですか?暁型4番艦駆逐艦の電ですよ?」
提督「ははは・・この町艦娘多すぎだろ」
電が艦娘だと知って嬉しさもあったが少し寂しくもあった
俺は艦娘と人を差別するつもりはない
だけど・・・
人に認めてもらいたい・・・・
それはまだ先のようだ
でも、その先を照らしてくれる小さな希望の光は確かに此処に
電「電の本気をみるのです!」ガシャン
提督「え?ま、待て!ここで撃つ気か!」
電「目的捕捉!装填完了!確度調整完了!」
提督「だからここでは駄目だって!艤装をしまー」
電「提督、いえ、司令官号令を!」
提督「よーい!てぇーーーーー!!」
一度言ってみたかったんです・・・
電「あれ?でなー」ガシュ
ピカッ
ドカーーーーン!!
提督「うわぁあああ!!爆発したぁあああ!!」
希望の光は確かに此処にあった(過去形)
ー入渠ー
提督「しっかりしろ!電!」
電「は・・わ・・わ」大破
何故か艤装が爆発してしまい電が大破してしまった
近くにいた提督だったが爆発規模が小さかったので軽い傷だけですんだ
急いで電を抱えて鎮守府の入渠へ向かった
明石さんが掃除をしていてくれて尚且つお湯を張っておいてくれている
本当に明石さんには頭が上がらない
提督「ほら!入渠だぞ!」
どうするんだ?
とりあえず着ている服を脱がして
お湯の中へ入れた
電「」ぷかぷか
提督「これでいいのか?見た目は水死体みたいだが・・ん?」
タイマー【5時間30秒】
浴槽の上のタイマーが時間を表示しているぞ?
どんどん減っていってるが
提督「まさか!電の・・・・」
耐えられる時間だ!この時間までに処置をしないと5時間で電は死ぬ!
提督「ぐっ!何が入渠で全快するだ!そんなわけあるかと思っていたんだ!救急車に電話を!って電話がない!!」
早くしないと救急車を呼んでも此処に来るのは時間がかかる
提督「電話ボックスに!」ダッ
ドン
明石「いて!ちょっと前見て歩きなさいよ!」
提督「あ!明石さん!救急車を呼んでください!」
明石「どうしたの?ん?誰か入渠使ってるの?」
提督「入渠が全然機能しないんですよ!」
力なく浮かんでる電を指差して言う
明石「あれ?誰?」
提督「新しくうちに来てくれる事になった電だ。艤装がいきなり爆発してそれで」
明石「爆発?撃とうとしたの?」
提督「話しは後だ!救急車を!」
明石「落ち着きなさいよ!あれで大丈夫よ」
提督「でも!死のタイマーが!」
明石「死のタイマー?」
提督「あれ!」
タイマー【4時間56分35秒】
明石「本当にさ・・勉強しようね」
明石「あれは全快するまでの時間を表してるのつまり後この時間で元気になる」
提督「本当か?嘘つかない?」
明石「大丈夫だから落ち着いて」
提督「ほっ・・良かった」
明石「それで?なにがあったの」
提督「はい、実は」
さっき起こった事を話した
そして孤児院で起こった事も話した
明石「成る程ね、孤児院から着いてきたと」
提督「はい」
明石「今はしょうがないよ。それだけのことがあったからね」
提督「でも、電だけは俺を信じて頼ってくれた」
明石「良かったね期待に答えられるよう頑張れば」
提督「はい!」
明石「それはそうと・・聞いた感じだと爆発の原因はメンテしてなかったからじゃない?」
提督「メンテしないだけで爆発とは」
明石「いや、兵器だからね?扱いには気をつけないと」
提督「でも、本当に良かった・・もし死んだりしたら俺は・・」
明石「でも、タイマーの時間が多過ぎるのよね」
提督「な、なにか!悪いのか!」
明石「あ、そっか資材がないから倍以上かかるんだ」
提督「資材があればもっと早く回復させられたのか・・」
明石「ない物を言っても仕方ないって」
提督「そうだな・・・」
電「」ぷかぷか
提督「これ本当に生きてるのか?顔ずっとお湯に浸かってるけど」
明石「大丈夫だと思うけど他の艦娘がいれば一緒に入ったりすれば支えてあげられるに」
提督「成る程!なら!」ダッ
明石「ちょっと!何処行くの?」
提督「俺が入ればいいんだ。丁度俺も怪我してるし」全裸にバスタオルを巻いてる
明石「っ!馬鹿言わないの!人間がこのお湯になんて入ったら!全身の毛が抜けて高熱で地獄を見るのよ!」
提督「ふぅ〜いい湯だ」
電「はわ〜生き返る〜」
明石「入ってるし!・・え?嘘・・」
タイマー【完了】
明石「まだ4時間以上あったのに」
提督「10数えてから出るぞ」
電「はいです!」
10数えました
提督「よし、出るぞ。ちゃんと拭けよ」
電「はいです!」タッタッタッ
明石「ちょっと!髪の毛大丈夫?」
提督「やめろ・・後頭部の事は言うな・・ちょっと人より髪の毛が細いだけだ」
明石「いやそうじゃなくて、いや、もういい!じゃあ、高熱は?」
提督「いや、ないけど」
明石「傷も治ってる・・・なんで?提督何者?」
提督「普通の人間だけど?」
明石「本当に?艦娘とかじゃなくて?」
提督「男はいないって事くらいは俺でも知ってます」
明石「そうよね・・それじゃあ一体・・」
提督「まぁ、なんでもいいでしょう。それより」
明石「それより?」
提督「時間だ・・・そろそろ監査官が来る」
明石「あ・・・・でも」
提督「分ってる」
提督「さて、行くか・・・」
艦娘は秘書艦を含め二人いる
食堂、工廠、入渠、三つの施設は使える
しかし、まだ資材がない
如月が戻ってくる事を信じて時間を稼ぐしかない!
ー近海ー
如月「・・・・・・・」
イ級「ぐぉおおおお」
如月「っ・・こんな時に」
ー鎮守府前ー
不知火「今日の監査を大本営から頼まれました。不知火です」
提督「ここの鎮守府の提督です。今日はよろしくお願いします」
電「電は電なのです!」
この人艦娘かな?だとしたら駆逐艦かな?
不知火「なにか?」ギロ
提督「っ!」
あ、これは戦艦ですわ
怒らせないようにしないと
不知火「先に言っておきますが、買収行為などしようものなら問答無用で不合格にしますのでそのつもりで。それと安心してください。どんな奴でも公平な監査をします。例えそれがあの悪魔の息子でも」
提督「はい・・・」
不知火「では、早速始めましょう」
提督「ちょっと待った!」
不知火「なんでしょう?」
提督「そ、そのここって田舎じゃない?」
不知火「そうですね。どちらかと言われると田舎ですね。それがなにか?」
提督「ここに来るまでに疲れましたよね?ね?」
不知火「要件を早く言ってもらえませんか?」
提督「とりあえずは執務室でお茶なんてどうでしょうか?」
不知火「さっき言いませんでしたか?買収行為は禁止だと」
提督「何を言ってるんです!俺はただ純粋に疲れてると思うから言っただけです。このぐらいでどうにかしてもらおうなんて思ってません本当です。な?電」
電「はいなのです!司令官は純粋の塊なのです」
因み電にはここに来る前に軽く今の現状を話している
電「けして時間かせーっ!」
提督「な、何を言ってるのかな?電」口押さえ
電「ーーーっ!ー!」
提督「え?吐きそう?」
電「ーっ!!!」フルフル
不知火「あの、違うと言ってるようですが?それに今時間がどうとか」
提督「時間?あ〜実は時計がなくて電には時報を頼んでいたんだよね。今のは17時14分の時報ね」
不知火「は、はぁ・・」
提督「もう限界だって?やばい?出る?」
電「ーーー!!」ブンブンブンブン
提督「そんなに顔を横に振るくらい苦しいのか!不知火さん少し待っていてください」
不知火「早くしてくださいね」
ー鎮守府玄関ー
提督「電いいか?時間を稼ぐ事は不知火にばれてはいけない分かったか?」
電「はいなのです!」
提督「よし、電は間宮さんを探してお茶を・・・」
電「お茶を?」
提督「電、お茶頼めるか?」
電「間宮さんに頼まないのです?電よりー」
提督「電・・強くなりたいならお茶くらい淹れられないと」
電「淹れられないと?」
提督「淹れられないと・・そ、その、あれだ」
電「あれ?」
提督「そ、そう、あれ」
電「なんなのです!」
提督「あれだ!いいか!あれなんだ!」
電「なんかよく分からないけど分かったのです!」タッタッタッ
提督「まじか・・・」
ー鎮守府前ー
提督「お待たせしました」
不知火「電は?」
提督「はい、吐いてます」
不知火「大丈夫なのですか?」
提督「大丈夫です。少し拾い食いの癖があるだけです」
不知火「それは止めたほうがいいと思いす。あまりに酷いようでしたら提督の艦娘衛生管理義務に引っかかりますよ」
提督「はい、これで電も懲りると思うので、後でお茶を持ってこさせるので執務室へ」
不知火「それは衛生的に・・」
提督「折角用意したんですからどうぞ」
不知火「・・・・本当に監査には手を抜きませんよ」
提督「はい、大丈夫です」
とりあえず執務室で話に華を咲かせて大幅に時間を稼ぐ!
如月早く帰ってきてくれ
ー近海ー
ドォオン
如月「ぐっ!ストーカーめ!」小破
イ級「ぐぉおおお!」
如月「この資材だけは!沈んだって!持って帰るの!」
イ級「ぐぉおお!!」ドォオン!
如月「っ!」
ドカーーン!!
如月「まだまだぁああ!!」中破
あと少しであと少しで!鎮守府に
でも、このまま連れて行くわけには
如月「・・・・・これ以上来ないで」
逃げるのをやめてイ級の方へ向く
イ級「ぐぉおおおお!」
如月「ごめんなさい司令官・・・」
資材をその場に捨てて
イ級へと全速力で向かった
イ級「っ!」ドォオン!
如月「当たるか!」サッ
次を撃つのに時間がかかる
その隙を
イ級「ぐぐっ!!」
如月「早い!」
もう一発来る!
如月「させるか!」ポイポイポイ
まだ少し待っていた資材を投げつけた
イ級「ぐぉお!ぐっ!ぐぉお!ぐぉおおおお!!」
完全に怒ったイ級
しかし、その時には如月はすぐ真正面
如月「くらいなさい!私の最高の装備を!!」痴漢撃退用スプレー
プシューーーー
イ級「ぐ、ぐぉおおおおおおおお!!!」ジタバタジタバタ
如月「あ、効いた」
如月「あとは!」資材(鉄の塊)
ガンガンガンガン
如月「この!この!」ガンガンガンガン
とにかく叩きつける
イ級「ぐぉおおおお!」
視界が戻った!
如月「おかわりよ!」痴漢撃退用スプレー
プシューーーー
イ級「ぐぉおおおお!!!!!」ブクブク
如月「装甲が硬い!このままではキリがない!こうなれば!」
さっき他の艦娘から奪った艤装から燃料を出しイ級にかける
そして鉄と鉄を擦り合わせ
カチッカチッ
ボォウ!
火花を発生させた
イ級は炎に包まれる
イ級「っぐこ!くぉおお!!!!」
如月「うるさい!」ガポッ
そして艤装を奴の開いた口?に押し込む
その際に少し火傷をした
そして、全力で離れた
イ級「!!!!!」
ドカーーン!!
そして元々壊れかけていた艤装は炎の熱さで大破、爆発した
イ級を巻き込んで
如月「はぁ・・はぁ・・捨てた資材拾わないと・・」
如月「髪の毛痛んじゃったな・・」
如月「急がないと!司令官待ってて」
ー執務室前ー
提督「ここが・・・執務室?」
不知火「聞かれても困ります」
場所は執務室の筈なのだが、まずドアが無くなっている
その代わりにのれんが付いている
男と大きく書かれたのれんが
これって男湯とかの入り口にある奴だよね?
あれ?ここ風呂だっけ?
不知火「今はお風呂に用はないはずですが?まさか・・なにかいやらしい事でもしようと?」ギロッ
提督「いえいえ!そんな事しません!ちょっと間違えた・・だけで・・あれ?」
のれんの男と大きく書かれた少し下あたりにペンで執務室と書かれている
提督「あ〜えっとここが執務室です」
不知火「はい?」
提督「ど、どうぞ」
のれんをくぐり執務室へ入った
提督「あ・・・・・」
なんという事をしてくれたのでしょうか
出かける前と出かけた後で部屋が変わってました
古びた年季の入った提督机
少しガタガタしたり引き出しの開きが悪かったりしたけど中々良かったあの机
それが・・ビールケースを逆さにして置いており近くに座布団が置かれているだけの物になっていた
凸凹して書類を書く事出来ないよね?これ
提督「下敷あった・・・」
床は何故か一面に新聞紙が敷かれてるし
ソファーは・・なくなっており
お客様用のテーブルと椅子は
みかんの段ボール箱と数枚の座布団に
提督「なんでこんな事に・・・」
誰がやったんだ・・・如月は遠征だし、明石さんは工廠や入渠でそんな暇はないし
間宮さん?
え?本当に
不知火「提督説明してもらえますか?どうして捕虜収容部屋へ連れてきたのかを」
提督「こ、これは・・・」
不知火「まさか執務室と言いませんよね?」
その通りなんです!
でも、今惨劇を起こしたのは俺じゃない
はっきり言うか?間宮さんがやりましたって
でも、違うかもしれない
それにもしそれで間宮さんが酷い目にあったら・・
こうなれば
提督「お、俺の自慢の執務室ですよ」
不知火「自慢?・・・では、これは貴方が自分でしたと?」
提督「は、はい」
多分かなり焦っていると思う
不知火「・・・・・・」ジー
提督「・・・・・・」ダラダラ
不知火「そうですか・・提督座ってください。話があります」
提督「は、はい」
俺と不知火は段ボールを挟んで向かい合わせに座布団に座った
足に何か当たったと思って見てみると150円と書かれた値札だった
せめて値札くらいは取っておいてくれれば
不知火もそれに気が付いたようで少ししかめ面をしていた
提督「・・・・・」
不知火「提督これを見てください」
そう言って何かの書類を机(段ボール)の上に置いた
このゴミを机として使ってくれる所を見ると彼女の優しさが伺える
言われないなら黙っておこう
不知火「提督私は先程も言ったように公平な判断をします」
提督「はい、それは先程も聞きました。悪魔の息子な俺にも公平な判断をすると」
不知火「そうです。ですからこの場合の処置をとらせてもらいます」
提督「処置?この書類と関係が?」
不知火「読んでください」
提督「えっと・・・提督相談窓口?」
不知火「はい、これは全国の提督達の為に造られました」
提督「何故?」
不知火「艦娘との接し方が分からない方など、その他艦娘関係で人に言えない悩みなどがかなり多いんです。中にはストレスで倒れた方とかもいました。その負担を減らす為に造られました」
提督「成る程、艦娘の事ですから誰かれ構わず言えませんしね」
不知火「元々はお堅い軍人ですから、中々年頃の女性との接し方に戸惑う方が多いのです」
提督「まぁ、昔は軍人と言えば女性と関わりを持つ事なんてあまりなかったみたいですし、昔からいる方は大変でしょう」
不知火「そうです。ですから毎日対応が大変なようです。電話が火鑽なしに鳴ってるようで」
提督「大変だな」
不知火「この窓口は私の東鎮守府が運営をしていまして対応もそこの艦娘達がやっているのですが、人によっては深夜ずっと話を聞かされた人もいたそうです」
提督「でも、それだと鎮守府本来の仕事とかに支障があると思うのですが」
不知火「私の鎮守府は事務仕事を主にしていまして、出撃も出来るのですが、それは大規模作戦とか人手不足の時くらいで基本は窓口の対応や書類の作成そしてこうやって監査官をやらされたりするのです」
提督「そんな鎮守府もあるんですね」
不知火「戦う事だけが艦娘ではありませんから」
提督「そうですね。俺もそれは思います。俺の聞く話では艦娘の事を兵器としてしか見てない人が多いです。聞いていて虫唾が走ります」
提督「艦娘も人間も変わらず人だというのに」
不知火「・・・・・・・」
提督「不知火さん?」
不知火「いえ、なんでもないです。それで提督も悩みとかがあるならどうぞ電話してください」
提督「は、はい・・」
電話ないけど・・・
不知火「遠慮など必要ありませんよ?仕事ですから」
提督「でも、聞くと大変そうだし」
不知火「自殺される方が厄介なのでそう思うなら相談してください」
提督「まぁ、その時になったら」
心配してくれてるのかな?それならしてみるか電話ないけど
提督「でも、やはり電話するのに少し躊躇いはありますね。どんなものか分からないってのもありますし」
不知火「その為に書類の2ページ目を見てください」
提督「これは?」ペラッ
不知火「今までに来た相談事とそれに対応した艦娘とのやりとりのデータの一部です。でも、安心してください載せているのは相談者に許可を貰ったものだけですから」
提督「秘密は守ると」
不知火「はい」
思ったよりちゃんとしているんだな
これなら本当にいつか使う事になるかもしれない
そう思い書類を見てみる
色々と書かれていた
ただ、愚痴を聞いて欲しくて電話する人や
真剣に艦娘達の事を考えて相談する者もいたり様々だ
少なくはあるが暴力事もある
提督「やはり提督になると色々あるのですね・・艦娘達に洗濯物を別々に洗うように言われたってのもありますね」
不知火「そういう相談にも真剣に答えます」
提督「えっと?・・『貴方が臭いのではなくて?』ってこれただの悪口ですよね?」
不知火「真剣に答えてるだけです」
提督「それに胸の大きな艦娘が来ないんですってこれは相談なのか?セクハラじゃないですか?」
不知火「真剣に答えます」
提督「でも・・『それうちに喧嘩売っとん?ええで!買うたるわ!』ってこれはただ、怒ってるだけのように思えますけど」
不知火「後日この方の鎮守府は謎の襲撃を受けました。皆さん無事でしたが」
提督「それって絶対さっきのー」
不知火「真剣なんです!」
提督「それ言えばなんでも許されると思うなよ!」
提督「はぁ・・それでざっと読んでしっかりしたかは微妙な窓口だと言う事は分かったんですが、何故俺に?」
不知火「分かりませんか?」
提督「全く」
不知火「提督は虐められているのでは?」
提督「・・・・・・虐め?」
不知火「この執務室を見て思いました。監査官の仕事は監査は勿論の事提督と艦娘の関係が良好かも確かめなければいけません」
不知火「そして場合によっては相談窓口を紹介して対処をする」
提督「・・・・・・・」
不知火「何か言ってください」
提督「そろそろ監査始めましょう」
不知火「まだ、話は終わってませんよ」
提督「虐めっていつからの事を聞いてるんですか?孤児院ですか?学校ですか?町ですか?大本営ですか?それとも・・・・・ここだと言わないですよね?」
不知火「そのつもりで言いました」
提督「あんな!ゲス野郎と俺の仲間を一緒にするな!!」ギロッ
不知火「っ!」ビクッ
提督「俺の大事な居場所なんだ・・そんな事を言わないでくれ」
不知火「あ、あの・・・そ、その・・え、えと・・」ジワッ
提督「あ・・・・・・」
やってしまった・・つい大きな声で怒ってしまった
不知火さんは知らなかったから言ってしまっただけなのに
あんな奴らと如月達が一緒にされたと思い頭に血が上った
不知火さんは震えながら泣きそうな目でこちらを見ている
謝らないと
提督「っ・・・不知火さん大丈夫ですか?」
違うだろバカ!
でも、口が謝る言葉が出ない
・・謝ってしまえば如月達があいつらと同じだという事を認めてしまうって事になるんじゃないか?
そう思ってしまうと・・・
不知火「は、はい・・グスッ」
泣かせてしまった
提督「本当に虐めとかはありませんから」ナデナデ
不知火「っ!」
提督「あ、ごめん!手が勝手に」
不知火「い、いえ・・別に・・」
提督「不知火さんこれだけは譲れない事なんです・・ここの子達は俺の大切な仲間なんです。例え思ってくれて言ってくれてたとしても言わないでください・・・そんな事を」
提督「仮にそうだったとしても慣れてますから」
不知火「っ・・・」
提督「勿論そんな事実はありませんよ?少なくともこの鎮守府はね」
少しの沈黙が続く
怒ったかな?
俺の言ってる事は他の人からしたらどうでもいい事で
関係のないただの勝手だ
自己中的な考え
沈黙が重く苦しい
不知火「・・・・・はい、分かりました。私こそ勝手に決め付けた発言をしてしまい申し訳ありません」
提督「っ!」
意外だった。何か言われる事は覚悟していたのに
先程までの重い口は軽々と謝罪の言葉を言えた
提督「俺も怒鳴ってごめんなさい」
不知火「いえ、私こそ失礼な事を悪魔の子だなんて・・」
提督「いや、それは当たり前なんだ。みんな言ってるからいいんです」
不知火「ですが・・・私は最低です」
提督「いやいや!それを言われると俺もいきなり怒鳴るサイコパスさんだぞ?」
不知火「それなら私は!」
提督「なら、俺は!」
不知火「でしたら!」
提督「これなら!」
というやり取りが少しの間続き
その後お互い笑い話になり
監査を始めた
結局お茶は来ないままだった
そして如月も・・・・
無事なんだろうか・・・
ー近海ー
如月「どうしよう・・・足りない・・グスッ・・司令官・・」
捨てた資材を回収したが、全然100には足りない
もう時間はとっくに過ぎている
もしかしたら指令官は・・・・
如月「ぐっ!!」
如月は全速力で鎮守府へと向かった
まずは食堂がちゃんとやっているかの確認だ
不知火を連れて食堂へ
ー食堂前ー
提督「ここが食堂です」
不知火「入り口だけでも分かります。綺麗に掃除されてますね」
提督「ありがとうございます。さぁ中へ」
不知火「はい」
食堂の扉を開けて先に入れようとした時
提督「ん?・・不知火さん」
不知火「はい、なんでしょう」
提督「少しだけ待ってもらえますか?」
不知火「え?少しだけなら」
なんか最初の時より少し優しくなったような
口調は変わらないけど、最初のような固さはなくなっていた
どうして不知火を止めたかと言うと
食堂の扉を開けた瞬間異臭がしたからだ
ー食堂ー
提督「臭い・・・・なんだこの臭いは」
厨房に二人の影が見える
提督「あれは電と間宮さんだ。何をしてるんだ?」
二人は不気味な色のした液体を煮込みながら話していた
電「はわわ、お茶とは程遠い物が出来たのです」
間宮「お客様ですし奮発しないとね」
電「何を入れてるですか?」
間宮「隠し味のプロティンよ。これで完成」ドバッ
電「司令官と不知火さんに持っていくのです!」
間宮「そうね持っていてあげてきっと喜ぶわ」
電「その前に忘れてたのです。味見をしないとです」
間宮「それは駄目よ。私達が先に頂くのは」
電「でも、美味しいか分からないのです・・・もし、不味かったら・・」
間宮「仕方ないわね、不味い事は絶対ないけど飲んでみましょ」
電「はいなのです!」
提督「あ、コップに注いで・・飲んだ!」
間宮さんは一度痛い目を見た方がいいと思うが電は無関係だ!
提督「よ、よせ!」
間宮「」ピクピク
電「」ピクピク
提督「すまない止められなかった」
液体を処分して換気をした後二人を隠した
提督「ん?なんだこのヤカンは」
何かずっしりと重いな
フタを開けてみると
ウツボ「」
提督「なんてことだ・・ここにいたのか」
ウツボ茶も処分して
提督「ここが食堂です」
不知火「広いですね。なにか臭いませんか?」
提督「そうですか?俺には何も」
不知火「なら何故鼻栓をしているのですか?」
提督「鼻炎が酷くて・・気にしないでください」
不知火「・・・・・・あの」
提督「はい?」
不知火「敬語は使わな・・いえ、なんでもありません」
提督「そうですか。それでどうですか?」
不知火「そうですね。一品何か出してもらいたいのですが、一応食べられる物を出せる証明が欲しくて」
提督「はい、分かりました席に座って待っててください」
不知火「はい、簡単な物で結構です」
ー厨房ー
提督「間宮さーん起きてー」ツンツン
間宮「」ピクピク
提督「これ入渠入れた方がいいかな?」
一応、応急処置はしたが
まぁ、でもこれで少しは料理がマシになるかな
その為に電は犠牲になったのだ
提督「仕方ない俺が作るか」
と言っても簡単な物しか作れない
でも、一つ言える事は間宮さんよりは上手く出来る自信がある
知らない人が聞けばきっと俺の料理レベルをかなり上に見るんだろうな
だが、このレベルは男の一人暮らしの料理レベルで余裕で勝てると思う
提督「へい!お待ち!T(提督)S(スペシャル)T(卵)K(かけ)G(ご飯)だぜ!醤油をお好みでかけてお食べよ!」
不知火「TSTKG?これは・・・ただの卵かけご飯では?」
提督「おまけだ受け取ってくれるか?」かつお節
不知火「えっと・・頂きます」モグモグ
不知火「美味しいです」
提督「おかわりは?」
不知火「結構です」
提督「食堂はどうですか?」
不知火「・・・・・・・」
提督「ゴクリ!」
不知火「合格です」
提督「よっしゃあ!」
不知火「まだ、油断してはいけませんよ?」
提督「分かってますよ。次は何処にしますか?」
不知火「では、工廠に行きましょう」
提督「あの・・工廠は最後にしてもらえないですか?」
不知火「何故ですか?」
提督「えっと・・その・・工廠って最後って感じがしませんか?」
不知火「しません」
提督「するの!」
不知火「そうですか・・では、最後にしましょう」
提督「ふぅ・・・助かった」
不知火「では、次は入渠ですね」
提督「はい、では、案内しましょう」
不知火「その前に入渠の使い方などは知っていますか?新人の方は使い方を分からず、禿げてしまったり高熱をだしたりと大変なので説明するように言われていますが」
提督「そうですね。では、教えて貰えますか?」
不知火「はい、それでは」
提督「話しは執務室の方でいいですか?」
二人をこのままには出来ないし
不知火「分かりました」
提督「それで先に行ってもらってもよろしいですか?少しお手洗いで」
不知火「待っていますよ」
提督「察っしてくださいよね?お腹がね?」
不知火「失礼しました。では、先に執務室へ行ってます」
不知火が食堂から出た瞬間
二人を確認
顔色があまり良くない
本当に何を入れたんだよ・・・
二人を担ぎ入渠へ向かう
提督「えっほ!えっほ!」
そう言えば次は入渠を見るんだ!その時に二人も湯船に浮いているのはやばい
だが・・・・今は一大事!そんな事は気にしていられない!
入渠に二人を服のまま投げ入れて
執務室へ戻った
ー近海ー
如月「燃料がない!!」
如月「沈むの・・・このまま司令官のに恩返しも出来ず・・・」
如月「こんな・・・ごめん・・指令官」
如月「・・・・・・・」
如月「足が着く?」
如月「指令官!!」ダッ
如月「あ・・体力が・・」バタッ
明石「やばっ!ガソリンスタンド開けっ放しだった!・・ん?誰か倒れてる?」
明石「如月!!」ダッ
明石「入渠させないと!艤装解除させて」
殺気を感じすぐさま如月を抱えてその場から離れた
明石「っ!」サッ
さっきまでいた場所に槍が刺さる
明石「誰!」
叢雲「・・・・・・」
明石「貴女・・・」
叢雲「電を・・電を何処へやったぁぁああ!!」ダッ
明石「ちょっ!」
電は黙って出て行ったようです
ー執務室ー
不知火「簡単に説明するとそんな感じです。提督の承認で使えるので艦娘達は勝手には使えません覚えておいてください」
提督「はい」
ほとんどは明石さんが教えてくれた通りだ
それにしても不知火の説明は分かりやすい馬鹿な俺でも十分理解できた
時間稼ぎの為に聞いたが、これは聞いていて良かった
不知火「注意点ですが、必ず浴槽一つに対して一人で入渠させてください」
提督「確か一人ずつじゃないと修復機能が作動しないんですよね?」
俺が電と一緒に入ったのは艦娘じゃないからセーフなのか?後で聞いてみよう
不知火「はい、ですから入渠はいくつも浴槽があるのです。ここはいくつありますか?」
提督「えっと・・確か5つです」
不知火「5つですか。他の鎮守府と比べると多い方ですね」
提督「そうなんですか?」
不知火「はい、基本は2つでそこからは提督の判断と資金に相談です」
提督「やはり高いんですか?」
不知火「安いと思いますか?」
提督「いえ、物凄く高いんでしょうね」
不知火「それはもうかなり」
提督「ははは、ならこれ以上は増やせないな」
不知火「充分過ぎる数ですから大丈夫ですよ」
不知火「あと、もう1つ提督は入渠に入らないようにしてくださいよ」
提督「え?駄目なの?」
明石さんにも言われたがそんなに危険だとは思えない
よし、電と一緒に入った事を言ってみるか
不知火「大変な事になりますのでやめてくださいシャレにもならないので絶対に」
提督「わ、分かりました。次からは気をつけます」
とてもじゃないけど聞けないな
てか、よく考えたら
家族でもない女の子と一緒にお風呂・・・逮捕されるんじゃね?俺
うん、絶対喋らない!
不知火「次からはって言葉は一度してしまった人が言う言葉ですよ?現代文は苦手ですか?」
提督「え、えっと・・間違ってはいないかな?」
不知火「・・・・・・入ったんですか?」
提督「はい・・すみません」
提督「でも!一人で入りました!!」
瞬間!不知火が間近まで来て身体中まさぐる
提督「ちょっ!やめっ!あんっ!」
不知火「何処かに影響があるかもしれません!じっとしてください」サワサワ
提督「や、やめっ!ひゃいー!」
不知火「特に異常はない・・・熱は」デコペタ
提督「そ、その・・近いよ?」
あ、あと少しで・・・キ、キス
何を考えてる!俺!
不知火「ない・・・髪は」ワシャワシャ
提督「うわぁ、髪形が乱れる!やめえぇ〜」
不知火「っ!・・後頭部が薄いです・・これは影響してますよ」
元からじゃぁああああ!!
提督「はは、気をつけないとな」
不知火「はい、結構薄いですよ」
うわぁぁああああん!!
不知火「では、そろそろ行きましょうか」
提督「そうですね。入渠に二人入ってますけど気にしないでください」
不知火「はい」
明石「ちょっと提督いいかな?」
提督「明石さん今監査中でして」
提督「って!ボロボロじゃないですか!」
明石「ちょっと入渠まで来てくれない?」
不知火「私の事はいいので言ってください」
提督「すみません」
明石「如月が帰ってきたボロボロの姿で」
提督「っ!」
ー入渠ー
提督「如月!」
明石「そこの浜で倒れてたの怪我も酷いしきっと襲われたのよ。入渠しないと承認してくれる?」
提督「ああ!如月大丈夫か?」
如月の身体はボロボロで手には火傷を負っている
提督「髪の毛まで・・・・」
如月の大事な髪の毛は先が少し焦げている
如月「し・・れい・・かん・・」
提督「ごめんな!無茶な事をさせてしまって・・・」
如月「良かった・・・まだ、生きてて・・・」
提督「簡単に死ぬかよ・・・」
俺の心配してんじゃねえよ
如月「ごめん・・なさい・・資材取って・・これなかった・・・」
提督「もういいんだ!よくやったよ如月は!」
如月「で・・も・・司令官が・・このままだと・・」
提督「資材な大丈夫になったんだよ。だから合格出来る」
如月「本当に・・・」
提督「あぁ、本当だ。だからもう休め・・な?」
如月「じゃあ・・少しだけ・・休みま・・す・・・」
如月「・・・・・・・」
提督「おい!如月!おい!!」
明石「眠っただけよ。このまま入渠させてれば明日には元気になる」
提督「・・・・・・・」
明石「提督?・・・泣いてるの?」
提督「・・・泣いてねぇよ」
初めてだった・・俺の為に命をかけてくれた人がいる事が・・
初めてだった・・自分より俺を心配してくれた人が・・
初めてだった・・人の為に本気で泣く事が出来たのが・・
提督「くっ・・・如月・・」
なのに俺は無謀な指示をだし如月に無茶をさせた
遠征の方法も明石さんから聞いていた
一人で行かすなんて無謀だったんだ
弾薬も持たせず・・丸裸で・・
死ねと言ってるようなものじゃないか
なのに俺は・・・最低だ
これじゃあ・・父と変わらない
如月が戦ってる時俺は何をしてた!
安全な鎮守府でなにをしてた!!
提督「っ・・・・・・・」
明石「落ち込むのはいいけど此処で何もせず泣いてる事が如月が死にかけてまでしてくれたー」
提督「分かってるよ明石さん・・・・如月ありがと」
提督「俺最後まで諦めないから・・・だから、これからもよろしく頼む」
提督「明石さんお願いがあります」
明石「なに?」
提督「一発殴ってくだー」
明石「しゃぁおら!!」ドゴッ
提督「ぐはっ!!」
提督「最後まで言わせろよ!」
明石「面倒い!てか、私も結構やばいの入渠するからね」
提督「え?出来るの?」
明石「これも艦娘だった頃の名残よ!だから私は人間でも艦娘でもないの」
提督「いえ、明石はちゃんと人間してますよ」
明石「あっそ・・・ほら、出て行った」
提督「あ、その前に一ついいですか?」
明石「早くしてよ」
提督「なんで・・叢雲がここに?しかも入渠中?なんで?」
叢雲「」ぷかぷか
明石「あんたの所為だろうが!!幼女誘拐犯!!」ゴスッ
提督「ぐほっ!!」
二発目も殴られました
そのまま入渠を追い出されました
入渠の浴槽5つ全て満員です
ー執務室ー
不知火「確認して来ました。入渠は使用出来ていますので合格です」
提督「そうですか・・良かっです・・いてて・・」
不知火「大丈夫ですか?殴るなんて酷いですね」
提督「大丈夫大丈夫、お陰で少し楽になったから・・」
本当に明石さんには頭が上がらないよ・・・・なんかお母さんみたいだな
今度お母さんって呼んでみようかな?
絶対無事じゃ済まないか
不知火「マゾ?」
提督「かもな」
不知火「うわぁ・・・・」
提督「本気にしないでくださいよ!」
不知火「冗談はそのくらいにして提督・・・聞きたいことがあります」
提督「なんですか?」
不知火「資材は本当にあるんですか?」
提督「・・・・・・・・」
不知火「入渠時間を見ました。皆さんあり得ないほど時間が掛かります」
提督「っ・・・・・・・・」
不知火「提督が勿体無いからと言って使わないとは思いたくありません・・どうなんですか?」
提督「ごめんなさい・・・・」
不知火「何故謝るのですか?資材を節約する事はそんなに悪い事では」
提督「資材はありません」
不知火「そうですか・・・・・」
提督「不知火さん!お願いがあります!」
不知火「出来ません!」
提督「まだなにも!」
不知火「見逃せと言うのでしょ?」
提督「お願いします!不知火さん!」
不知火「無理です・・すみません」
提督「そこをなんとか!」
不知火「それは私の鎮守府を裏切る事になります!もし、私がここで不正をすれば東鎮守府の信用が落ちます。そうなれば東鎮守府が私の仲間達が・・路頭に迷ってしまいます」
不知火「それでも言いますか?」
提督「・・・・・・・」
言えない・・・・
そんな事を言われたら何も言えないじゃないか!
不知火「提督・・・監査の結果を言います」
提督「はい・・・・・」
不知火「・・・この鎮守府は最低限の稼働を確認出来ませんでした」
不知火「貴殿の不合格を言い渡す」
提督「・・・・・・はい」
不知火「残念です・・・ごめんなさい」
提督「いえ、こちらこそ無理を言ってしまい・・すみません」
不知火「ですが、再試験の余地はあります。次がありますから」
提督「次ですか・・・・」
次はない・・・
不知火「はい、そう上へ報告して置きます。なので安心してくださいと言うのはおかしいですけど」
それを言うべきか
提督「・・・・・・・・」
やめておこう
不知火「では、私はこれで・・」
提督「外まで送りますよ」
不知火「はい、ありがとうございます」
提督「・・・・・・・」
覚悟を決めておくしかないか
でも、せめて・・・・・・
あの子達だけは
提督「・・・・・・」
覚悟を決めろ・・・
不知火「大丈夫ですよ。次は合格しますよ」
提督「・・・・・・・」
なんの?覚悟だ?
不知火「これは言ってはいけないのですが、実は一回で合格する事って中々ないんですよ?皆さん一度は何処かに問題があって不合格になるんですよ?一度で合格って凄いことなんです」
提督「・・・・・・・・」
死ぬ覚悟か?
不知火「元気を出してください・・大丈夫ですか?顔色が悪い様な・・」
提督「あぁ・・・・大丈夫です・・」
最後まで諦めないってのは嘘なのか?
簡単に破るのか?
如月が命を張って
電が光を照らしてくれて
明石さんが道を造ってくれる
間宮さんが危機感を煽る色んな意味で
ここまで信じて着いてきたみんなを裏切るのか?口だけなのか?
覚悟を決めろ!
提督「不知火さん!!」
不知火「どうしたんですかそんな大声で」
提督「やはりどうしてもダメですか?」
不知火「ごめんなさい」
提督「なら、仕方ありませんね」
ゆっくり不知火に近寄る
不知火「な、なにをするつもりですか!」
提督「これしかないんですよ」
不知火「やめて提督!そんな事をしてー」
提督「お願いです!!見逃してください!!」土下座
不知火「・・・・・なにをしてるのですか?」
提督「土下座だ!なんなら土下寝をする覚悟もある!」
不知火「止めてください。そんな事をしても無理なものは無理なんです」
提督「そこをなんとか!なんなら!靴でもなんでも舐めます!!」足にしがみつく
不知火「へ、変態!ちょっと!やめて!提督!再試験の申請ならしますから!スカートの中!見えちゃうから!」
提督「そんなのには興味ない!俺はロリコンじゃないからな!お子様パンツなんて見てもなにも思わないから安心してくれ」
不知火「・・・・・」イラッ
提督「不知火さんそれじゃあダメなんです!今回合格しないと俺は!」
不知火「この!離れろ!!」ドスッ
提督「ぐぼぉ!!」
不知火「お子様って・・なによ・・お子様って・・」ボソッ
提督「いてて・・・・」
不知火「とにかく終わった事です。貴方も男なら潔くしてください」
提督「っ!」足にしがみつく
不知火「きゃっ!やめてって言ってるでしょ!」
提督「見逃せと言ってるだろ!」
不知火「っ!これ以上するなら!艤装展開!」ガシャン
提督「っ!」
不知火「無傷では済みませんよ。最悪死にますよ?」
提督「や、やれるのかよ」
不知火「これが私の仕事ですから・・こういう事は今までなかったわけではありません。艤装を展開しても貴方のように諦めなかった人がいました」
提督「その人は今」
もしかしたらその人も俺と同じだったのかもしれない
不知火「死にました。私が殺しました」
提督「不知火さんが・・・」
不知火「はい、その時もその人はそうやってしがみついてきました」
提督「っ・・・・」
不知火「提督・・・私にさせないでください。貴方の事は少しながら他の方とは違う人だと思っています」
提督「・・・・・・・」
不知火「貴方ならもしかしたらって・・思ってるんですよ?」
提督「・・・・・・・」
不知火「本気ですよ?」
提督「・・・・・・・」
不知火「焦らないで・・・貴方はまだ若いです。何度でもやり直せます」
来世でか?来世がフジツボならどうする?
子孫を残す事に頑張ればいいのか?
提督「・・・・・・・・」ギュッ
不知火「それが答えなんですか・・」
提督「頼む・・・・」
不知火「残念です!!」ギロッ
不知火の目付きが変わった
そして素人の俺でも分かるほどの殺気
殺られる!
俺は来るであろう痛みに耐える為に咄嗟に目を瞑った
提督「うっ!」
次に開ける時は天国かな・・・母よ今行きます・・
提督「あれ?来ない?・・ん?」
不知火「・・・・・・っ」
提督「不知火さん?」
不知火「提督・・お願いです・・・」
本当に不知火は人を殺した事があるのだろうか・・
そう思ってしまうほど不知火の顔は弱々しく俺に頼むように見ていた
でも
それでも
提督「・・・・・・ごめん」
守りたいんだ
不知火「提督っ!!」
プップーーー!!
その時車のクラクションが聞こえる
提督「なんだ?」
不知火「なに!」
ブロォオオオオン!!
工事用の大型ダンプがやってきた
大型ダンプは荷台に何かを載せていた
よく見てみると
今最も欲している資材だ
その資材がたくさん乗ってるダンプがこちらへ来てるのだ
少しくれないかな
ダンプは目の前で止まった
提督「な、なんだ?」
不知火「ここに用なのでしょうか」
不知火「一度離れません?ずっと足にくっつかれるのは・・困ります」
提督「え・・・・分かった」
ダンプから人が降りてきた
誰が乗ってんだ?
こんな大きなダンプに乗ってる人だ、きっと工事現場にいそうな格好をしたムキムキのおっさんなのだろう
と思ったが
望月「どーも、望月でーす・・あ、名前言っちゃあダメなんだっけ?まぁ、いいや、荷物届けに来たよ」
工事現場にいそうな格好をした幼女だった
提督「あれ?迷子?」
望月「荷物だって言ってるじゃん」
提督「へ?荷物?」
望月「そうだよ、予定時間過ぎたのは迷ったからで勘弁な」
不知火「貴女は望月ですね」
望月「あ、ばれた・・あ、名乗ってたか・・現役の不知火だったっけ?頑張るね〜」
提督「不知火さん知り合いですか?」
不知火「いえ、直接の知り合いではありませんが、あの子は艦娘です。おそらく元ですが」
提督「あんな小さな子まで艦娘なのか・・・」
そりゃあ、軍が良く思われてないのも頷ける
ここだけじゃなく、他の町でも反対派は多いらしい
こんな小さな子まで戦場に送らなきゃいけないなんて
だけど、不知火が言うに部分解体をしているようだ
良かった・・・それでいいんだ
ちょっと格好がおっさんみたいだが
だが、気になる事がある
望月「さっさと終わらせたいんで・・提督って人は何処?」
提督「それは俺です」
望月「ほい、これにサインしてくれ」
提督「これは?」
望月「受け取りのサインだよ」
提督「差出人の名前がないぞ?」
望月「そりゃあ、表だって送れないからうちに頼んでくるわけで・・あ、これも言っちゃあ不味い・・まぁいいや、とにかくサイン頂戴」
提督「はぁ・・分かりました」
サインを書いた
望月ちゃんへと名前も書いて
望月「・・・・いや、ファンじゃねえし・・まぁいいや、荷物何処に置く?運ぶのを手伝えと言われてるからさっさと教えてくれ」
提督「え?女の子に持たせるのもあれだし俺が持ちますから手渡しで良いですよ」
望月「おお!提督よ男らしいな!なら、はいこれ」箱渡し
提督「はい、確かに」
望月「おーい!三日月ここで良いって」
提督「ん?」
三日月「分かりました。そのままです?」
望月「おう、そのままどばぁーっと!」
ダンプの運転席からもう一人の幼女が顔を出した
提督「え、もしかしてその資材も」
ダンプの荷台が傾き資材が雪崩れ込む
三日月「あ、避けてください危ないですよ」
提督「うわぁああ!!来るな!」
不知火「提督こっちへ!」ガシッ
不知火が俺をお姫様抱っこしてその場から飛び退く
艤装を展開している状態なので俺ぐらいは軽々と持てる
かなり恥ずかしい
シュタッ
不知火「ふぅー、危なかった。もう少し安全に出来ないのか!提督に何かあれば貴様らの命だけでは済まんぞ!」
三日月「ご、ごめんなさい」
望月「悪い悪い」
不知火「提督大丈夫ですか?」
提督「は、はい、大丈夫です!降ろしてください・・」
不知火「あ、すみません」
提督「いえ・・・・ありがとうございます」
望月「じゃあ、帰りますぜ、資材運び頑張ってくださいね〜」
三日月「失礼します」
提督「あ、待ってくれ!」
帰る前に聞きたい・・・きっと今知らないと後悔するから
望月「なんだ?あたし達の事は話せないよ」
三日月「会わなかったという事でお願いします」
提督「いや、訳があるのは分かっている。そうじゃなくて気になる事が」
望月「あ〜三日月のスリーサイズは上からー」
三日月「ちょっと!何を言ってるんですか!」
望月「いや、聞きたいって言うから」
三日月「そ、そうなんですか?」
不知火「・・・・・・」ギロッ
提督「いやいや!興味を持ったらやばいでしょ!ありえません!」
三日月「そうですよ・・こんなお子様体型が・・グスッ・・ヒグッ・・女としてなんて見れませんよ・・」
望月「泣かした〜」
不知火「・・・・・」ギロッ
提督「え!でも、ダメでしょ!人として」
幼女に恋愛的感情を持つのは人として終わってる
それを言いたいのに
三日月「人としてダメな体型でごめんなさい!うわぁあああん!」
提督「違う!そういう意味では!!」
望月「三日月そろそろやめてやろうぜ」
三日月「はぁい!ごめんなさいね?反応が面白かったので」
提督「へ?嘘?泣いてないの?心が傷ついたりしてない?」
三日月「ふふふ、本当に面白い方ですね」
望月「惚れたか?」
三日月「さぁ?どうですかね?」
提督「ふぅ・・良かった」
不知火「・・・・・・・」
望月「それで?聞きたいことってなんだ?三日月のアドレスなら本人に聞いてよ」
三日月「聞きます?」
提督「い、いや、結構です」
携帯ないし
三日月「そうですか・・・・」
提督「うっ・・・」
あれは演技あれは演技!
望月「で?」
よし、言おう最初から気になっていた事を
提督「このダンプ大きいですよね?」
望月「さっさと言えよ〜時間なんてかけても喜ぶのは三日月くらいだぞ?」
三日月「もう、望月怒るよ」
不知火「・・・・ぬい!」ギロッ
なんか、ぬいって言った?今言った?
提督「そうじゃなくて、いや、三日月さんも魅力的で側に長く居たいとは思うんですよ?」
2度の失態は踏まない!
三日月「え、えっと・・あ、ありがとうございます・・・」顔真っ赤
望月「暑いわ〜」
不知火「ぬい!!」
言ったな・・・・
提督「ダンプって足がペダルに届くんですか!運転出来るんですか!それが気になって仕方なかったんですよ!」
望月「なんだそれかよ・・届かないよ」
提督「え?じゃあ、どうやって」
望月「運転を二人でやるんだよ上と下で」
提督「へ?」
望月「さっきは、あたしがハンドル操作で三日月がペダル関係の操作をしていただけだよ」
提督「それって三日月は前は見えるか?」
三日月「見えませんよ。望月を信じてますから」
望月「あたしも三日月を信じてるし」
提督「成る程・・お互い信じあってるから出来ることなんだな」
望月「そゆこと、じゃあ、そろそろ行くよ」
提督「お届けありがとうございました」
望月「はいよ〜」
望月がダンプへと乗り込んだ
ツンツン
提督「ん?」
三日月「メアド聞きますか?」
提督「・・・・・・・」
三日月「・・・・・・」ウルウル
提督「・・・・・・・」
三日月「いえ、なんでもないです・・」シュン
提督「・・メモで貰えますか?覚えが悪いんで」
三日月「はい!」パァア!
なんて嬉しそうな顔なんだ
これも演技なんだよね?
三日月のメアドを手に入れた
携帯ないけど
そして望月達はダンプに乗って去っていった
ダンプの動きに全く違和感もなく二人で運転しているなんて嘘のようだった
でも、一体誰が?こんなにたくさんの資材を
多分だが1000くらいはあると思うこんなに俺にくれる人なんているはずがないし
誰なんだろう
だけど、これで資材も揃った
とりあえず箱を地面に置いてから不知火に向き合う
提督「不知火さん」
不知火「・・・・なに」
あれ?なんか怒ってる?
提督「これで合格じゃないですか?こんなに資材があるんですから」
運ぶ事を考えるとため息しか出ないけどそれは些細な事だ
不知火「・・・・・・」
提督「ダメですか?」
不知火「・・・再試験をするだけでいいんですよ?ちょっと来て見るだけで・・後はお茶でもなんでも付き合いますから・・」
提督「お願いします不知火さん・・後がないんです」
不知火「それはどう言う意味ですか?」
提督「・・・・実はー」
元帥「なにをしてるんだ?」
元帥「もう試験は終わったのだろ」
提督、不知火「「っ!」」
提督「元帥・・・」
不知火「元帥!」ビシッ
元帥「挨拶はいい、それより試験用紙を渡せ」
不知火「わざわざ取りに来なくても持って行きましたのに」
元帥「こいつとは約束があってな、そうだろ?提督」
提督「・・・・・・・」
不知火「提督返事をしてください。元帥に失礼です」
元帥「いい、それより早く渡せ」
不知火「それが・・・・・」
元帥「ん?」
不知火「少し訂正する所がありまして」
提督「不知火・・・」
元帥「ほう・・・」
不知火「ですから渡せません」
元帥「訂正などいらん渡せ」
不知火「無理です。それに訂正がなくとも一度東提督に確認をしてもらいー」
元帥「確認の件なら心配ない東提督には私から言ってある。是非お願いしますと言われたが?」
不知火「東提督・・・・」
元帥「渡せ」
不知火「訂正が・・・・」
元帥「これで最後だ渡せ」
提督「不知火渡せ」
不知火「提督・・いいんですか?」
提督「渡すんだ」
不知火「これです・・」
元帥「確認する・・・」
元帥「ほう、この状況で艦娘を集め各施設をも使えるようにした。それに間宮とも会えたようだな」
元帥「素晴らしいぞ!提督」
提督「・・ありがとうございます」
ここで喜んでも意味はない
こいつは
元帥「だが、資材が0か・・残念だ。不合格だ」
上げて落とすのが大好きなドS野郎だからだ
提督「・・・・・・・」
不知火「元帥それはー」
提督「黙ってろ!!」
不知火「っ・・」ビクッ
元帥「命拾いしたな不知火・・あと少しでも喋っていたら殺してたぞ?」
不知火「・・・・・」
元帥「提督・・約束を覚えているな?」
提督「資材はある」
元帥「試験の時点でないと意味がない。これはさっき来たのだろ?じゃなければここにはないし訂正という事もないだろう不知火は優秀だからな」
提督「・・・・・・」
元帥「それとも貴様は不知火の落ち度を主張するか?なら、不知火にはそれ相応の罰を受けてもらうが?」
提督「・・・・・悪いのは俺だ」
元帥「続けろ」
提督「俺が!無理矢理不知火に頼んだんだ!不正をしろと!」
提督「だから、悪いのは俺なんだ・・負けだよ・・元帥・・好きにしろよ」
元帥「・・・・・・・」
元帥「貴様の父は絶対に自分の非を認めない奴だったな。どんな事があっても俺は悪くないの一点張りだった」
提督「父とは違う・・認める!俺が悪い・・・殺せ」
不知火「っ!」
不知火がビックリしている。それはそうか不合格が死を意味してるなんて知らなかったんだから
でも、声をあげたりしないあたりはやはり不知火が優秀だという事が分かる
提督「でも、俺の・・仲間達だけは優遇してやってくれ・・せめてもの情けだと思って・・お願いします」
いくら元帥でもそれぐらいはしてくれる筈だ。俺との仲も長い筈だし
最後くらいは
元帥「提督・・上の責任は部下の責任でもある」
提督「まさか・・・」
元帥「上が非を認めれば部下も非を認めなければいけない!」
提督「そんなのはおかしいだろ!」
元帥「おかしい?お前は部下達の命を預かっている身だ。そして部下達はそんなお前に命を預けてる。意味は分かるな?お前の決断がお前だけではなくお前を信じて着いてきた部下達にも及ぶ」
元帥「お前はもう一人の立場ではない!何時までもガキでいるのはやめろ!」
提督「ふざけんな!如月達をどうする!」
元帥「部分解体をした後にとある屋敷へ売渡す。そこの主人はロリコンでな元駆逐艦の子を高く買ってくれる」
提督「人身売買する気か!!」
元帥「人身売買?それは人を売るという事だ。艦娘は人じゃない。物だ」
その言葉で何かがプツンと切れた
提督「元帥!!」ダッ
何も考えられなかった
ただ、ここにいる元帥を殴りたい
しかし、拳は届かなかった
不知火「っ!」ガシッ
ドンッ
提督「ぐあっ!」
不知火によって組み伏せられ地面に倒される
不知火「提督!ダメです!そんな事をすれば本当に死にます!」
倒れた俺の上に不知火が乗り腕を関節技をかけられ拘束される
提督「離せ!不知火!こいつは!艦娘達を不知火を!物って言ったんだ!許せない!」
不知火「私は大丈夫ですから!落ち着いてください!」
不知火の拘束は強く離せない
何も出来ず地面で拘束されているだけだ
提督「くっ・・・・・」
元帥「不知火よくやった。もしこいつがかかって来ていたら、殺していたぞ」
不知火「・・・・・・・」
提督「くそっ・・・くそっ!」
元帥「提督、これが今の現場だ!綺麗事では何も出来ない。そんな奴はお前のように早死にすることになる」
元帥「利口になれ!馬鹿者!」
元帥の足蹴りが当たる
提督「がぁ!」
不知火「元帥無抵抗の人間になにを!」
拘束されてる手の力が弱まる
今なら拘束を解く事も出来る
元帥「拘束を続けろ!もし解かれたら!こいつを殺す!そしてお前もな」
不知火「っ!」
提督「不知火!ちゃんと掴んでろ!!」
不知火「はい!!」
提督「これで文句ないだろ!」
元帥「そうだな!!」
さらに元帥は蹴る
提督「っ!」
不知火「っ!や、やめー」
提督「喋るな!力が弱まってるぞ!」
不知火「ぐっ!・・はい!!」ポロポロ
提督「ありがと・・・・」
俺の為に泣いてくれて
元帥「まだ余裕があるか!」
それからも元帥の一方的な攻撃は続いた
提督「ぐはっ・・ぺっ!・・まだ・・まだ・・だ・・」
不知火「もう・・・・やめて・・・お願い・・・・」
元帥「仕方ないそろそろ楽にしてやるか」ガチャ
提督「けっ・・・・・」
不知火「っ!」
元帥「今を生きたいなら今を見て今に合わせて生きるようにする事だ。間違っても変えようだなんて思わない事だいいな?」
元帥「この言葉を来世のお前の為に残してやる」
提督「・・・・・・・・」
今を見て今に合わせるか・・・・
それって結局は現状維持だ
現状維持と言ってもあれは後退するだけだ
今のこの日本・・艦娘に対する考え
上層部の腐り具合
こんなの認めてたまるか!
元帥「最期に言う事はあるか?」
提督「絶対・・・俺は!お前のような上を認めない!お前のような奴がいるから今が変わらない!」
元帥「・・・・・・・」
提督「今を変えるのが怖いか?今が変わり地位がなくなるのが怖いか?艦娘が自分より上に立つのが怖いか?」
不知火「提督・・・・・・」
提督「約束してやるよ!来世で絶対にてめえを!元帥の座から引きずり下ろしてやるよ!」
提督「それまで震えて待ってろ!老ぼれジジィ!」
提督「俺は!お前や!父のようには絶対にならない!!」
提督「ほら!殺せよ!!」
元帥「・・・・・・・・」
元帥「貴様に一つ教えておいてやる。私が部下だと思った人間は一人しかいない」
元帥「それ以外は駒だと思っている。お前もな」
提督「だからなんだ・・」
元帥「それだけだ・・・・ふふふ、流石奴の子だ」
今の言葉にどんな意味があるのか俺はまだ知らない
元帥「後は・・・・不知火」
不知火「は、はい!」
元帥「そいつの片腕を折れ!そうだな右手だ」
不知火「これ以上は・・出来ません!」
提督「やれ!不知火」
不知火「いや!」
元帥「それで提督の試験を免除してやろうと言うのにか?」
不知火「それは・・本当?」
提督「騙されるな!そいつは嘘つきだ!嘘つきハゲだ!」
元帥「黙れ!」
元帥の蹴りが重くのしかかる
提督「ぐあっ!!あ〜いてぇ・・・」
今のは絶対本気で蹴りやがった
今までの比じゃないほどの痛みが
いや、違う・・俺の身体がそれ程やばいという事なのか
元帥「約束しよう」
不知火「・・・・・・」
提督「よせ・・不知火」
不知火「提督・・後で私も同じようにしていいですから」
提督「・・・そんな事出来るわけないだろ・・」
不知火「優しいんですね・・提督・・・っ!!」
バキッ
提督「っ!ーー!ぐわぁあああ!!」
不知火「これでいいでしょ!」
元帥「よくやったぞ!不知火!これで!終わりだ!」
元帥が思いっきり提督の頭を踏みつけた
それを最後に提督の意識は闇へと落ちた
不知火「提督!!」
元帥「提督!今回の試験は免除してやる!これからも国の為に精々働くがいい!」
不知火「提督・・今救急車を」
元帥「必要ない!帰るぞ不知火」
不知火「このままには出来ません!」
元帥「奴はまだ生きてる。それだけで充分だ」
不知火「ですが、このままでは死んでしまいます!」
元帥「帰るぞ!じゃないと今すぐそいつを殺すそして貴様もな!」
不知火「・・・・分かりました。ごめんなさい提督・・」
元帥「さっさと行くぞ」
不知火「はい・・・・」
元帥「そうだそれでいい」
元帥「こんな屑に命をかけるなんて馬鹿げている」
不知火「屑?・・・誰が?」
元帥「提督だよ。見てみろあの姿をぼろ雑巾のようだな!見ているだけで吐き気がする。そうだろ?不知火」
不知火「っ・・・・・」
元帥「・・・・・・・・」
元帥「お前もそう思うだろ?なんせ悪魔の子だと言っていたからな」
元帥「私もそう思うぞ!」
不知火「っ!」バシン
元帥「むぅ・・」ヒリヒリ
不知火「確かに言いました!私は会ってもいないのに勝手に決め付けて言いました!でも・・会って私は自分の愚かさを知りました・・・」
不知火「だって!私は多くの提督を知らない人達の勝手な考えに惑わされて公平な判断とかいいながら!公平な判断をしようとしませんでした・・」
不知火「私は自分が嫌になりました・・・それでも貴方は心の奥では少しでも彼を認めてると・・・そう思ってた」
元帥「何故そう思った」
不知火「さっきの話を聞いてそう思いました・・」
不知火「何故自分の事を何も言わないと有名な元帥が自分の事を喋ったんですか・・・本当は提督の事を・・」
元帥「・・・・・・・」
不知火「でも、私の考え過ぎだったようです・・・」艤装展開
元帥「おい、戻って来い帰るぞ」
不知火「嫌です」提督を抱える
元帥「殺すぞ?」
不知火「やりますか?やれますか?」ギロッ
元帥「本気だぞ?」ギロッ
不知火「私もです」
元帥「ほう・・・・・・・・」
不知火「・・・・・・・・」
元帥「・・・・・・・・」
元帥「ふっ・・・勝手にしろ」
不知火「はい、そうします」
元帥「だが、罰は受けてもらうぞ」
不知火「はい、覚悟しています」
元帥「不知火!貴様の落ち度!そして私に対する暴力行為!貴様は上位にある東鎮守府から出て行ってもらう」
不知火「はい・・・・」
元帥「そして、この下位の下位にあるこの鎮守府へ着任してもらう!」
不知火「っ!はい!」
元帥「では、また、近いうちに連絡する!東鎮守府には戻るな貴様の様な下位の艦娘には足を踏み入れて欲しくない。私物はすぐに送る様に手配する」
不知火「はい!ありがとうございます!」
元帥「・・・・・・・」
こうして監査は無事?に終わった
このまま俺は生きてこの先も歩む事が出来る
そう知ったのは
病院のベッドの上だったけど
本当によかった・・・
起きたら天井が見えて天国ってなんか普通だなっと思ったのは秘密だ
ー病室ー
提督「暇だなぁ〜」
気付いたら病室で眠っており
一瞬ここが天国なのか?と思ったが病院特有の匂いとゴリラみたいな看護婦さんが現れたのを見て此処は天国ではないと悟った
元帥に踏みつけられてから気絶してしまい
いつの間にか監査は元帥が言った通り免除された
本当に分からないジジイだ
その際に何故か不知火が報酬艦という名目でうちにやってきた
自分の東鎮守府からこんなボロボロの鎮守府に着任させられて落ち込んでるかと思えばそうでもなく
キラキラした眼差しで
不知火「これからは私が提督の右腕になります」
とやる気が溢れていた
あまり右腕の事は気にしなくていいのに
不知火があの時躊躇っていたら確実に俺は天国に行っていただろう
感謝こそするが責める事なんてない
右腕なんてならなくていいからと言った時のあの絶望した顔は凄かった
絶望を絵に描いてさらに絶望をふりかけたような顔だった
思わず右腕になってください!って頼んでしまった
まぁ、その後はそれを聞いた如月が不知火と口論になり、電は俺が寝てるにも関わらずベッドの上をぴょんぴょん跳ねるものだから傷が悪化して、明石さんは自分で持って来た見舞いの品を食べて帰るしで大変だった
周りからの視線は凄かったし
電が跳ねる度に手から変な音がしたし
明石さんは高そうなお菓子食べてたしで休む暇もなかった
お菓子食べたかったな・・・・
おかげで一人ずつしか面会を許されなくなってしまった
それでも毎日みんなが一人ずつ来てくれる
それが凄く嬉しかった
見舞いに来てくれる人がいるっていいね
提督「此処に来てもう2週間か・・」
まだ、退院させてもらえない
普通骨折とかなら入院なんて必要ない筈なのだが
なんでも少し身体に異常があったらしく
その異常事態は早期発見出来たので、薬で簡単に治るらしい
トントン
提督「はい、どうぞ」
如月「司令官・・入っていいですか?」
提督「いいよ、どうぞ」
如月「あ、あの・・・・・」もじもじ
提督「どうしたんだ?」
如月「これどうですか?」
そう言って如月が入ってくる
提督「ん?なにが?」
如月「もう、よく見て」
提督「ん〜〜」ジー
何時もの如月だよね
変化と言えば・・・髪の毛を少し切ってるくらいだけど
それは遠征で襲われ焦げてしまった髪の毛を切っているだけだ
あまり触れてやるのはいけない
他は・・・・・
提督「少し太った?」
如月「司令官・・・それ他の子に絶対言っちゃダメですよ?」
提督「お、おう」
如月「髪切ったのよ・・気付いてい欲しかったです」
提督「気付いてはいたんだけど・・その・・」
如月「司令官、私は気にしてないって言ってるでしょ?」
提督「そうは言ってもな・・・・」
如月は特に髪の毛に関して結構なこだわりを持っている
その髪の毛を俺の無謀な命令で傷つけてしまった
本人は気にしてないと言っても気になってしまう
如月「もう、この話しは終わりよ。分かった?」
提督「分かった。その髪綺麗だよ」
如月「っ!・・あ、ありがと・・不意打ちは卑怯よ」
提督「え?不意打ち?」
如月「なんでもないわ、それより腕の調子はどうです?」
提督「あぁ、痛みも今は感じないし綺麗に折れていたらしいから前より頑丈になるってよ、はははは」
如月「もう、笑い事じゃないのよ。まさか階段から転げ落ちるなんて気をつけてくださいよ?私ビックリして死にそうだったんだから!」
提督「次は受け身をとるようにするよ」
如月「そういう問題じゃなくて!もう司令官は司令官だけの身体ではないのだから・・もうやめてよ」
提督「あぁ、ごめん。そしてありがとな心配してくれて」
如月「うん・・・」
提督「そんな顔するなよ」
如月「本当に・・怖かったんだから・・」
提督「・・・・気をつけるから」なでなで
如月「・・・・・・うん」
心が痛いな・・・
不知火の為とは言え如月に嘘をついている
でも、もし本当の事を言えば如月は・・不知火を許さないだろう
これは、自意識過剰とかでもなんでもない
如月は俺の為なら命も投げ出すし汚れる覚悟もある
あの時そう確信した
だからこそ、俺は如月や他の仲間達に無茶をさせない為に
演じるしかない
だから、これは不知火と俺だけの秘密なんだ
でも、騙すのは苦しい
よし、話題を変えよう
提督「それで鎮守府の様子はどうだ?」
如月「え?えっと・・・」
提督「どうした?まさか!また元帥が!」
如月「いえいえ、今の所は元帥は来ていませんから」
提督「そうか、もう一度言うけど」
如月「分かってますって元帥が来たら、ドアを開けない、話さない、視界に入れない、同じ空気を吸わないでしたよね?」
提督「あぁ、分かってるならいいけど・・なにがあったんだ?」
如月「そ、その・・・」
提督「俺がいない間は他の所から代わりの提督が来ている筈だが・・まさか!そいつが何かを!」
如月「それはないです・・けど、やはりいい顔はされませんでした」
提督「ごめんな俺の所為で」
如月「だから、そういうのはなしって言ってるでしょ?」
提督「だが、裏切り者の息子の鎮守府を任せられるんだいい気はしないだろうな」
如月「それなら大丈夫だから心配しないで、ただ・・」
提督「なんなんだ!頼む言ってくれ!やはりその下衆な提督が何かしたんだろ?」
如月「何もされてませんから落ち着いてください司令官。まずそこから間違ってるんです」
提督「じゃあ!なんだ!下衆のさらに上か!よし、今から行こう」
骨折がなんだ!検査がなんだ!右手が駄目なら左手で殴ればいい!
なんならこの右手のギブスで・・・固いし大丈夫だよね?
如月「あ、司令官まだ腕が」
提督「如月・・俺はこの命ある限り如月達を守るって決めたんだ。俺の力なんて僅かだけど・・・それでも守りたいんだ!如月達だけに守らせるなんてさせない!」
如月「司令官・・・・素敵です!」ポッ
提督「まず、そいつのピーーをピーーして、それからー」
如月「っ!司令官聞いてください!」
提督「止めるなぁあああ!」
如月「提督はいないんです!」
提督「へ?」
ゴリラ看護婦「うるさいぞコラ・・」
提督「あっ・・す、すみません」ビクビク
如月「ご、ごめんなさい」ガクブルガクブル
ゴリラ看護婦「また、お前か面会時間は終わりだ。帰るんだな」
如月「は、はい!帰らせてもらいます!」ダッ
提督「あ、如月まだ話しが!」
如月「私達の事は大丈夫なので!提督は治療に専念してくださいね!」
提督「如月ーー!俺も行ー」
ガシッ
ゴリラ看護婦「元気がいいな?一本いっとくか?」
提督「や、やめてくれ。あ、あれだけは」
ゴリラ看護婦「問答無用!」プスッ
提督「ひゃん!」
別の日
それは提督が起きる前から始まる
ー病室ー
寝込みを襲う輩から提督を守る為に提督の盾となり布団へ入る
提督「う〜ん・・朝か」
もぞもぞ
提督「ん?誰か布団の中に?」
不知火「すぴーー」
提督「いつ来た」
ー医師の診察時間ー
診察の時間も油断してはいけない
提督の命を狙おうと医師のふりをしているかもしれない
不知火「むっ」ピクッ
医師「提督さん診察に来ました。腕の調子どうですか?」
奴の動き全てに神経を集中させる
提督「はいなんとか痛みもなくなってきましたし動くようになりました」
医師「腕は大丈夫そうですね。身体の異常もなくなってきてますし、少し胸の音聞きますね」聴診器
医師(し、尻がかゆい!)もぞもぞ
今奴はおかしな動きを見せた!
不知火「待ってください」ギロッ
医師「え?なんですか?(尻かいたのばれた?)」
不知火「妙な真似するなよ?もし、提督になにかあったら・・・許さないぞ?」ギロッ
医師「ひ、ひぃいい!(尻かいただけなのに!)」
提督「不知火・・・・」
不知火「はい!」キラキラ
提督「退場」
不知火「そんな・・・」ガーーン
こんな時もある・・きっと機嫌が悪かったのだ
ー病院トイレー
私は常に提督の側に居て手足とならなければならない
提督「・・・・・・」
不知火「どうぞトイレットペーパーです」キラキラ
提督「なんでいるの?」
不知火「あ、お尻拭きますね」
提督「ごめん、出てくれない?」
不知火「?、出たんじゃないんですか?」
提督「出て行け!出るもんも出んだろうが!」
追い出されてしまった。恥ずかしがらなくてもいいのに
ー病院食堂ー
食堂のような広い場所こそ危険
不知火「ふむ・・危険物はなし」危険物探知機
提督「なんか変なもの持ってるし」
不知火「この席がいいでしょう。座ってください」
提督「あ、あぁ、そこまでするか?」
不知火「・・・・・不審者は」キョロキョロ
患者(すげぇ〜可愛い子だな〜)ジー
不知火「っ!!」ギロッ
患者「っ!!」ジョバーー
「きゃーいい歳した人が漏らしたー!」
「ママ〜お漏らしだ!」
「見ちゃだめよ!」
提督「ん?なんか向こうが騒がしいな」
不知火「提督、どうぞ!あーん」キラキラ
提督「自分で食えるから」
不知火「遠慮はなしですよ提督」
提督「もう、動かせるようになってきたから、ほら」くいくい
不知火「ふむ・・失礼します」ツン
提督「いっーー!!」
不知火「あーん!」
提督「・・・・・あーーん」
だから私は常に提督の側にいないといけない
なのに・・・・・
ー病室ー
この時間になると奴が来る!
私と提督を突き放そうとする奴が
ゴリラ看護婦「面会は終わりだ帰るんだな」
不知火「来ましたね」グワッ
ゴリラ看護婦「ほう・・・・」ギロッ
今日こそは負けません
提督「あわわわわ!」
医師「提督さん、血圧測り・・」
不知火「帰りませんよ?」グワッ!
ゴリラ看護婦「ほう!・・・」ギロッ!
提督、医師「「ひぇええええ!!」」
医師「あ・・・・・・・・」ジョロロロ・・・
医師「ぼ、僕は・・・なんて事を」遠い目
提督「・・・・・・・・」
提督「・・・・俺もあったよ。4歳の頃だったかな・・だから恥ずかしい事なんてないんですよ。誰もが通る道です」優しい顔で肩に手を置く
医師「・・・・・・僕は今年で45ですよ・・」
不知火「帰りません!」グワッ!!
ゴリラ看護婦「ほう!!」ギロッ!!
これが約1時間程続きました
不知火が来るたびに一人の医師と患者が漏らすようになったという
しかし、この二人は決して拳を交えることはなかった
それが唯一の救いだった
ー病室ー
電「お見舞いに来たのです!」ヒョコ
ベッドはもぬけの殻
電「何処に行ったのです?」
電「・・・・・・・」
ベッドはもぬけの殻なんだぜ?
電「はわ・・・・」
提督『電いいか?ベッドはぴょんぴょんする物じゃないからな?そんな事をすれば壊れてしまういいね?』
電「・・司令官に言われたのです・・ダメなのです」ゴクリ
ベッドはもぬけの殻で部屋には誰もいないんだぜ?
今こそ!その欲望を解放せよ!
電「むむむ・・・そぉい!なのです」ヒョイ!
提督「購買でお菓子買っちゃった〜ばれないように隠しておかないと・・この音は・・」
ぴょんぴょん
電「電は鳥なのです!鳥になるのです!」ぴょんぴょん
提督「あ・・・・」
電「このベッドはよく跳ねるのです!いいベッドなのでーっ!」ぴょんぴょー
電「よいしょっと・・」スタッ
電「お見舞いに来たのです!」
提督「電・・この布団やらシーツのぐしゃぐしゃになったベッドはなんだ?ナースコールが床に落ちてるぞ?」
電「さ、さぁ・・・」ダラダラ
提督「はっきり言おうか?」
電「はい・・・・・・」
提督「で?これは?」
電「となりの病室の山田さんがやったのです!」
提督「そうか、山田さんがやったのかぁ〜成る程ね、確かに山田さんならやりそうだな!はははは」
電「そうなのです!山田さんには言っておくのです」
提督「山田さん昨日退院したんだけどな・・・」
電「っ!」
電「む、向かえの部屋の山下さんです!山下さんが!」
提督「電・・山下さん昨日家族に見守られながら老衰で亡くなったよ。丁度100歳だったって」
電「は、はわわ!山下さーん!」ダッ
ー向かえの病室ー
電「山下さーん!お菓子くれる山下さーん!」
山下「なんじゃ〜うるさいの〜」
電「良かったのです!まだ生きてるのです!」
山下「まだまだ、死なんわい!ふぉふぉふぉ!さぁ、飴をあげよう」
電「ハッカ味なのです・・・・・」
ー病室ー
提督「こんなに散らかして・・ナースコール壊れてないよな?」
念の為に押してみた
連打した
ピポンピポンピポンピポンピポンピポンピポンピポンピポンピポンピポンピポンピポンピポンピポンピポンピポン
看護婦「どうしました!提督さん!」ダッ
提督「うん、壊れてないな、あ、看護婦さんなんでもないんで帰ってもらって構いませんよ」
看護婦「・・・・ゴリラ看護婦さーん」イラッ
電「司令官!飴を貰ったのです」
提督「」ピクピク
電「司令官?お昼寝なのですか?」
電「電も寝るのです」もぞもぞ
電「あったかいのです・・」
提督「」ピクピク
こうしてこの日は電とずっと昼寝?をしていた
気がつくと電は居らず、ハッカ味の飴が置かれていた
提督「スースーする・・・」
提督「退屈だな・・・・」
骨折もほとんど治りギブスを外しても大丈夫な状態まで治っている
昔から傷の治りが早い方だったけど今回は特に早いように思える
そろそろ退院させてくれないかな・・
ゴリラ看護婦「まだ無理だ」
提督「うわっ!いつの間に!」
デカイ癖にステルス能力まであるとは厄介過ぎるぞ
ゴリラ「お前に客だ。今までの奴らとは違い礼儀をわきまえているな」
提督「え?」
まさか・・・元帥!
あの人表ではちゃんとした人で通ってるからそう思われても仕方ない
提督「会いません・・帰ってもらってください」
ゴリラ看護婦「それは出来ない軍の人間だからな」
やはり!
提督「じゃあ、寝てるんで」
寝たふりでやり過ごすか?
いや、無理だ
あの威圧感の中寝てられる人間はいないだろうな
諦めるか
提督「はぁ・・分かりました。その代わり・・」
ゴリラ看護婦「ん?」
提督「側にいてください!」
何かあったら流石に助けてくれるだろう
元帥といい勝負をしそうだ
ゴリラ看護婦「私には・・夫がいる・・すまない」
提督「え?」
明石「失礼します。私の部下の見舞いに来たのだがここであっているか?」提督正装
ゴリラ看護婦「あ、どうぞ〜」ダッ
明石「慌しい方だ」
提督「ええ!明石さん?」
明石「ちょっと待って誰もいない?」キョロキョロ
明石「ふぅ〜疲れた。」
提督「え?なんで明石さんが提督の正装を?それに口調も」
明石「やっぱりあの子達話してなかったか・・・報告ぐらいしなさいっての」
提督「何処かで頭でも打ったんですな?」
明石「いやいや、提督ぐらいになると外を歩く時は常に見られていると思って行動しないといけないのよ」
提督「提督?明石さん!提督になったんですか!」
明石「代わりよ・・・あんたの」
提督「まてまて、代わりなら他の鎮守府から」
明石「その他の鎮守府の提督を追い出しちゃったのよあの子達」
提督「まじか・・・・」
明石「まじよ・・理由はまぁ、お察しの通り」
提督「俺か・・・・」
明石「そう、提督の事を馬鹿にされたらしくてそれで・・」
提督「・・・・・・」
俺はどうすればいい、命令を守らず。上官に逆らった事で仲間達を怒るべきか
それとも、よくやったと褒めるべきか
どちらも出来ない
提督「それで、代わりに明石さんが提督に?」
明石「そうでもしないと鎮守府がまた、止まってしまう。そうなれば多分もう二度と稼働は出来なくなる。今回は特別だからね」
提督「明石さん・・」
明石「お礼はいらないから、はいこれ」
提督「五円チョコだ・・・」
明石「忙しいのに見舞いに来てあげたんだから、それで充分」
提督「ありがと明石さん」
明石「あと、一つ言っておくことがあって」
提督「なんですか?」
明石「捕虜が逃げ出した」
提督「捕虜?」
え?そんなのいたっけ?
明石「あ〜本当にあの子達なんの為に見舞いに来てんのよ!」
提督「ははは・・・・」
明石「入渠で叢雲を見たでしょ?」
提督「そう言えば・・」
すっかり忘れていた
提督「なんで叢雲がうちの鎮守府に」
明石「簡単に言うと、電を提督が誘拐したと勘違いしてたみたいなの」
提督「誘拐?」
明石「そう、電、黙って出てきていたようでそれで」
提督「やっぱりか」
明石「やっぱりって知ってたの!」
提督「まぁ、こっそり来てたからね」
黙ってきたんだろうなとは思っていた
孤児院とも話しをつけないと、とは思っていた
でも、その時は監査の事もあり後日と考えていた
電話でもすればいいと思ってたし
電話なー・・・今はある
あの時望月が持ってきた資材と手渡しで渡された箱
箱の中身は電話機だった
そして一言着任祝いと書かれていた
それを見た瞬間俺は病室のベッドを抜け出し電話ボックスで1時間に渡るお礼を言った
かなり金が掛かったが、それでもよかったくらい嬉しかった
流石大淀さん!
提督「でも、誘拐だっていう誤解は解けたんですよね?」
明石「そう何度も言うんだけど、・・提督に会わせろって煩くて」
明石「なんか病院に突撃しそうな感じだったからとりあえず閉じ込めた」
明石「でも、ちゃんと孤児院には連絡したから、借りまーすって」
提督「なんか軽いな・・まぁいいや、それで最初に戻るわけだ。って、逃げたのか!」
明石「だからそうだって言ってるじゃん・・だからここに来てないかなって思ったけどいないみたいね」
提督「やっぱり怒ってるよね・・」
明石「でしょうね・・・そう言えばいなくなる前の日に不知火がなにか話してたみたいだったけど」
提督「不知火が?なんだろう?」
明石「まぁ、そういう事だから気をつけてね。何かあったらナースコール押せばいいし」
提督「最近押しても3回に1回来てくれたらいいってレベルになってて・・」
明石「なにしたのよ・・・」
提督「如月がな・・・何かあるとすぐ押すんだよ」
明石「なにかって?」
提督「例えば・・前は」
提督『手が痒い〜でも、届かない・・ギブス外したら怒られるだろうな』
痒みの波到来
提督『あ〜痒い痒いー!』
如月『し、司令官、ど、どうしよう・・もしかしてこのままだと!』オロオロ
手が痒い→なんやかんやで提督死亡
如月『っ!!看護婦さーーん!来て!早く!』 ナースコール連打
提督「とかがあって」
明石「ちょっと異常ね・・」
提督「まぁ、心配してくれるのは嬉しいんだけどね・・少しでもなにかあると看護婦さん呼ぶもんだから・・実は今日からナースコール押しても鳴らなくなったんですよ」
明石「オオカミ少年の末路ね・・」
提督「まぁ、でも、病院の場所とかは知らないだろうし大丈夫ですよね?」
明石「う〜ん、まぁそうなんだと思うけど一応注意しておいてスタンガン置いておくから」
提督「おお!バチバチ言う!」バチバチ
明石「いざという時にそれを使えば気絶くらいはさせられるでしょう。それでもし害をなすようなら・・」
提督「大本営ですね」
明石「うん、そうしないと貴方も反乱分子として消される」
提督「分かった・・・・その時は」
たくさんある病院の一つにたどり着けるはずも無いさ
明石さんも心配性だな
その時はそんな悠長な考えでスタンガンを引き出しの奥へしまった
提督「そう言えば間宮さんはどうですか?まだ、落ち込んでますか?」
明石「間宮さんならその日のうちに元気なったから大丈夫だけどここには来れないわね」
提督「ですよね」
間宮さんもお見舞いに一度来てくれたのだが
間宮さんが向かったのは俺の病室ではなく食堂
そこからは察しの通り
飯テロが起こり大変だった
間宮さんという名前は一般の人達にも知られていて有名らしい
あの間宮さんが来たぞって食堂に押し寄せるほど
食堂の人達はそんな間宮さんの手伝いを軽く承諾
そして、間宮さんという名前に泥を塗って塩を擦りこんだ
これは全国の間宮さんにまで影響した
軍の人間はこんな不味い飯を食ってるのかと同情され
大本営の間宮さんに呼び出しをくらい怒られたらしい
それから最近は個人レッスンを受けているらしい
提督「一生懸命だってのは分かるんですけどね・・明石さん達は大丈夫ですか?」
明石「私達は各々が作ってるから大丈夫」
提督「なら良かったです」
明石「まぁ、提督が帰ってきたら間宮食堂はオープンするでしょうね。みんな覚悟はしてるから」
提督「お、俺もしておこう」
明石「さて、長居しちゃったわね。そろそろ帰るから」
提督「はい、お見舞いありがとうございました」
提督「あ、外の資材はどうなりました?」
明石「東鎮守府の提督が代わりに来た時に手伝わせて工廠に運んでおいたから大丈夫よ」
提督「そうか、良かったよ。それと分かってると思うが」
ん?良かったのか?まぁいいや
明石「遠征も出撃もさせてないから安心して勿論演習もね」
流石だ。俺の言いたい事を言われなくても理解してる
明石さんに任せれば安心出来る
提督「もうしばらくの間鎮守府をお願いします」
明石「はぁ・・・早く退院してよ」
提督「それは医者次第ですね」
明石「・・・・しっかりね」
提督「はい」
別の日の夜
その日・・・彼女は来た
ー病室ー
提督「っ!・・・・・・」
叢雲「動かないでよ」シャキン
何かの気配を感じて目を開けたら叢雲がいた
提督「なんで、叢雲が・・あ、」
そう言えば明石さんが言ってたな
本当に来るとは
部屋は閉め切られており音を洩れにくくされていた
叢雲はナースコールを床に落として看護婦さんを呼べないようにする
それダミーだからわざわざ落とさなくても
叢雲「大声だしたら殺すいいわね?」
提督「まぁ、出したら怖いから出さないけど・・」
叢雲「あら、随分と素直に聞くのね」
提督「怖いからね」
ゴリラ看護婦が
叢雲「ふ〜ん、まぁ、返答によっては無事に帰えしてあげるからそんなに怖がらなくてもいいわよ」
提督「それはいいんだけどさ?ずっとその、乗っかかられてると・・俺も男だし・・ね?」
叢雲「っ!」バッ
提督「そんないきなり離れなくても・・なにもしないから」
叢雲「ふん!出来るものならやってみなさいよロリコン誘拐犯」
提督「ロリコンじゃねえよ。てか、明石さんから聞いたろ?あれは、電が自分から望んだ事で」
叢雲「うるさい!」
叢雲「それでも止めなさいよ。あんたは子供にまで戦わせる気?」
提督「電が決めた事だ」
叢雲「どうして電があんたに着いて行ったのかは少し分かる・・言ったでしょ?綺麗事ばかり言ったって上手くはいかない。あんたも電もそれを分かってない」
叢雲「だから、元帥に病院送りにされるのよ」
提督「・・・誰からそれを」
叢雲「秘密よ」
提督「不知火か?」
叢雲「さぁ?」
提督「まぁ、いいや。それで叢雲もお見舞いに来てくれたのか?見舞い品は?その持ってる槍?槍はいらんよ?」
叢雲「ふざけないで!電を返しなさい」
提督「・・・・・・・」
叢雲「電はあんたに着いて行くって私の言う事を聞いてくれない。でも、あんたから言ってもらえれば電も諦めるはず」
叢雲「分かるでしょ?電はまだ幼過ぎる子供なの、その子を戦場に出すなんて・・あんた言ったよね?町の皆を守るって・・」
叢雲「ちょっと言われたくらいであんたが諦める人間だとは思わない。今も思ってんでしょ?守りたいって」
叢雲「電も町の人達の一人なんだよ!」
提督「違うよ。電は軍人であり俺の仲間で部下だ。もう、守られる側の人間じゃない」
叢雲「っ!あんたも他の奴等と変わらないって事ね!そうやって自分の正義かなにか分からない事を艦娘達に押し付けて自分は安全な所で偉そうにする」
提督「そのつもりはない。俺は電達だけに押し付けるつもりもない。電達は俺が守る」
叢雲「どうやってよ?なんの力もないくせに!」
提督「だとしても・・出来ることがある筈だ。俺はそれを見つける」
叢雲「・・・・協力は出来ないと」
提督「すまない・・」
叢雲「なら・・鎮守府自体をなくすしかないようね・・」
提督「殺す気か・・・・」
叢雲「これが最後よ。もう貴方の鎮守府の件については邪魔もしない反対もしないから・・せめて電を返して・・あの子を巻き込まないで」
提督「・・・・・・・・」
叢雲「お願い・・・」
叢雲の気持ちは痛い程分かる
俺も最初は止めた
電を戦わせたくない
でも、あの言葉、あの覚悟、あれはもう・・子供とは呼べない
立派な覚悟を持った人の目だ。それに子供や大人なんて関係あるのか?
その場の雰囲気や強がりで言ってるわけでもない
電は俺と同じように守る人間になりたいんだ
なら、止める資格は俺にはない
なにより俺が電と一緒に強くなっていきたいと思う
提督「断る・・」
叢雲「そう・・なら・・もう・・」
叢雲の持っている槍が真っ直ぐこちらへ向かってくる
それをベッドから転がり落ちるようにして回避
頼みのスタンガンを取る暇はなかった
提督「っ、」
腕が痛む
叢雲「ちっ!」
すぐに体制を立て直し突きを放ってくる
こっちは立っている暇もない
提督「うぉおおお」ゴロゴロ
叢雲「小賢しい!」
壁にぶち当たる
提督「いてっ!」
叢雲「覚悟!」
逃げ場をなくした俺へ止めの一撃をくらわそうとした時
提督「転けろ!」足払い
叢雲「っ!」グラッ
体制を崩した
その瞬間飛びつく
提督「とぉ!」ガシッ
そのまま寝技へ移行する
艤装を展開されていたら突き飛ばされて終わるけど
どうやら叢雲は今艤装を展開出来ない
ならば!
両足でガッチリホールド身動きを取れなくする
手は添えるだけ痛いから
他から見たら大好きホールドと呼べる状態だが
こっちは身動きを取れないようにするので必死だ
でも、やはり女の子のいい香りが・・
叢雲「は、離せ!や、やめ、いや!」
提督「ギブアップ?」
叢雲「す、するかぁ!」
提督「だが、これでもう動けまい」
叢雲「ふぬぬ!離してよ!この変態!」
提督「おう、もっと大きな声を出して看護婦さんを呼んでくれよ」
叢雲「くっ!卑怯な」
提督「こうなれば体力勝負といくか?どっちが先に力尽きるか。言っておくが俺は負ける気がしない!」
叢雲「ぐぬぬぬぬ!離せ〜離してよ〜!」
提督「大人しく帰るか?」
叢雲「それは嫌よ」
提督「ならこのまま」
仕方ないこういう事はしたくなかったが・・・
提督「ふむふむ」クンカクンカ
叢雲「っ!」
提督「げへへ!いい匂いがするぜ!へへへ、これ以上粘るなら何をするか分からんぞ?」ゲス顔
叢雲「や、やれるものなら・・やればいいじゃない!」ウルウル
叢雲「どんな事をされても・・絶対に屈したりなんかしないんだから!」
叢雲「こんな変態を電の近くになんか絶対に置かせてはいけない」
提督「・・・・・・・」
逆効果でした・・・
提督「叢雲・・さっきのは」
叢雲「こうなれば・・・」艤装展開
提督「っ!!」
叢雲「ふん!」
提督「ぐっ!」
拘束はあっさりと解かれた
再び槍を構えた叢雲が槍を突き刺す
どうにか避けるが
また、壁へと追い詰められる
提督「しまった・・・」
叢雲「追い詰めた・・・これで・・ぐっ・・」フラフラ
辛そう?なんでだ?さっきの大好きホールドがそんなに効いたのか
提督「っ!」
その理由はすぐに分かった
叢雲の艤装が火花を散らしながら今にでも爆発しそうな程大破しているからだ
艤装を展開している時は艤装と艦娘は一心同体
艦娘が傷つけば艤装も動きが悪くなる
艤装が傷つけば艦娘も体力を奪われる
艤装は入渠では直らない
本来入渠前に艤装を外して工廠でまだ見た事ないけど、妖精さんに頼んで修理してもらうのが普通らしいが
うちの場合は明石さんがその代わりをしてくれてるからどうにかなっている
いつ艤装が壊れたのかは分からないけど、明石さんは敵か味方かも分からない叢雲の艤装を直す事はしなかったらしい
まぁ、ぶっちゃけ・・艤装直すのって結構するんだよね
請求書・・溜まってんだよね
あと、メンテ代とかも・・・
叢雲「はぁ・・はぁ・・・」
槍を突き刺すが力がこもってないのか当たってない上に
それを杖にして立つのがやっとな状態だ
提督「叢雲・・・勝負ありだ。もうやめておけ」
叢雲「まだ・・まだよ!こんな変態に・・電を!」
提督「さっきのは冗談なんだ。俺は電にも誰にも手なんて出さない!」
叢雲「そんなの信用出来ない!」
叢雲の艤装の砲口がこちらを向く
提督「撃つ気か・・・・やめろ、そんな事をしたら」
叢雲「死ぬでしょうね確実にあんたは」
提督「違う!そんな状態で撃てば爆発するかもしれない。そうなれば俺だけじゃなくお前も此処にいる他の患者さんも」
叢雲「そ、そんなの関係ない!あんたが死ねば!あの鎮守府は」
提督「なくならないよ。俺が死んでも」
提督「他の人が来るだけだ。そうなれば・・今いる俺の仲間は」
提督「人以下の扱いを受ける事になるだろう・・・」
叢雲「っ!、う、嘘よ・・そんなの!」
提督「勿論、電達が他の提督に従うって話しならそうはならないと思うけど・・」
叢雲「けどってなによ!」
提督「これは自惚でもなんでもなく言える、電達は従わない」
叢雲「あんたを殺した後すぐに!電を連れて逃げるから!」
提督「そんな身体でか?無理だろ」
提督「もっと現実を見ようぜ?叢雲」
叢雲「あんたが!あんたが!現実なんて語ってんじゃ!」
撃つ気だ
提督「っ!」ダッ
叢雲「っ!」
すぐさま叢雲の後ろへ回り込んだ
提督「ぐっ!」ジュウ
カチッ
叢雲「なに!」艤装解除
提督「うっ・・手が・・・」
叢雲「なんで・・艤装が勝手に・・どうして!」
提督「艦娘の艤装にはな・・内部に緊急解除スイッチがあってな・・それを押されると1日は艤装は展開出来ない」
叢雲「そんな!」
提督「勉強不足だな叢雲」
叢雲「こんな奴に・・・・・」
まぁ、火花を散らして爆発しかけの艤装に手を突っ込んだ所為で火傷したが
訳も分からず放心している叢雲を背にして引き出しからスタンガンを取り出す
艤装の煙で警報器が作動する
もう、逃げる事も出来ない
提督「ごめんな、叢雲」スタンガン
叢雲「・・・・・・・」
提督「電は必ず守るから・・・」
叢雲「・・・・・・・」
バチッ
叢雲「」バタッ
扉バーン!!
ゴリラ看護婦「なにがあった!・・・これは・・」
提督「・・・・電話貸してもらえますか?」
その後叢雲は大本営に引き渡された
こうするしかなかった
此処まで大事になってしまってはもう自分ではどうする事も出来ない
それからは何事もなく
退院日も決まり
無事退院が決まった
叢雲の事は黙ったままにしておいた
そして鎮守府に帰りみんなに歓迎された
帰れる場所があるのがこんなに嬉しいだなんてな・・
それから提督業や勉強を必死にやった
色々と詰まるところはあったけど一人じゃないって思えると不思議と簡単ではないけど続ける事が出来た
俺はもう、あんな事にならないようにこの身を削ってでも戦うつもりだ
絶対に誰一人欠けさせない
叢雲に誓った約束を守る為に・・・・
でも、俺は正しい事をしたのだろうか?
大本営からは少なからず報酬が送られてきた
でも、全然嬉しくもなかった・・・
それに俺自身納得というものをしていなかった
なにが正しいのか悪いのかも分からなくなってきている今を俺はがむしゃらに走っていくしか道はなかった
一つ言える事は俺一人には背負うには大き過ぎるという事だ
このまま進んでその答えは見つかるのか・・分からない
でも、次にもし、叢雲に会えるなら・・・・俺は・・きっと
そのままうやむやな答えしか出せずに半年の時が流れたのであった
ー執務室ー
提督「ふむ、床も綺麗になったし提督机も新品ではないが中古でいいのを見つけた」
提督「このソファーも中古だが、最高だ!」
提督「そして、このドアも前とは違い閉まる!最高だ!」
あれから半年経ったが書類仕事ばかりしかしておらず
資金援助はないものの、給料という形では金が入ってくるので、どうにかギリギリで運営出来ていた
一応少しではあるが艦娘達にも給料を渡している
いらないと言っているがこればかりはちゃんとしておきたい
彼女達は俺に命を預けてくれている
今の俺に出来る感謝の気持ちはこのくらいしか出来ない
最近はさらに書類仕事が多くなり
少しだけ余裕が出来たので(出撃とかしたら一発で赤字になるレベル)半年間お世話になったビールケースやダンボールなどを捨てて家具を揃えたと言うわけだ
提督「あとは、これをすれば」
提督と書かれたネームプレートを机に置いた
提督「完成!これでまともな執務室になった!」
???「やりましたね隊長」
提督「あぁ、まるゆ専用の机もあるぞ喜べ」
まるゆ「はい、これでダンボールとはお別れです。湿気ったらふにゃふにゃになる机なんて初めてでした」
提督「だが、今日からは湿気ってもふにゃふにゃにはならないぞ!これからも電話番頼んだぞ」
まるゆ「はい!まるゆは隊長の役に立つ為に頑張ります」
彼女は俺が退院してから少ししてうちに来た艦娘だ
元帥からのプレゼントらしい・・・裏があるんだろうなっと思っていたりしたが
案の定その通りで
艦種は潜水艦らしいのだが・・・・一度どんなものか見ようと思い海へ行ったのだが・・・
提督「さぁ、見せてくれまるゆの力を」
少ない弾薬を使っての的当て
如月「あまり緊張せずにね?」
まるゆ「は、はい!」ぶくぶく
沈んだっきり浮いてこず
潜水艦すげえ!っと思ったのもつかの間で
提督「・・・・的が壊されないな」
如月「浮いてもきませんし・・・」
提督「潜水艦って言うくらいだし溺れたりはしないよな?」
如月「大丈夫でしょう潜水艦ですし」
提督「でも、そろそろ的壊してくれないかな」
弾薬を持たせてるので撃てる筈なのだが
如月「司令官の指示待ちでは?」
提督「ん?そうか」
提督「よーい!てぇーー!」
シーーーーーン
提督「撃たないな」
如月「ですね・・・ん?」
提督「ん?、あ・・」
まるゆ「」ぷかぷか
如月「浮上?」
提督「違うだろ!如月救出だ!俺はAEDを探す!」
如月「はい!まるゆしっかり!」
溺れていた
どうやらまるゆは潜水艦だが、潜水出来ないらしい
正確に言うと潜水は出来るけど浮上が出来ない
いや、さらに言うと浮上は出来る
溺れてから
やはりこういう事か・・・・
居ても役に立たないし・・・大本営に返すか?と思ったのだが
まるゆ「も、もう、あの怖い人の所には帰りたくありません・・なんでもしますからまるゆをここに置いてください」
と言われ
この子も元帥の勝手に振り回された犠牲者なんだな・・・
そう思ったら、まるゆを手放せなくなり
事務員として雇う事にした
だが・・・
提督「この書類とこの書類を頼むよ。こっちの書類を書き写すだけでいいから」
不知火「人手が足りていない所だったので助かります」
まるゆ「は、はい」
提督「悪いね。ちょっと東鎮守府の提督が腰を痛めてね。暇そうな鎮守府に代わりにやるようにって来てしまって」
腰痛めたの絶対俺達の所為だろうな・・
不知火「すみません・・・」
提督「いいんだってやる事ないよりはマシだ。その分貰うもん貰えるし」
東提督はやった分だけ必ず誤魔化さずくれるので、結構助かっている
不知火「と言うわけで新入りさん頑張ってください」
提督「まぁ、そんなに多くはないから頑張ろう」
まるゆ「・・・・・」かきかき
提督「おっと、集中してるようだね。俺もやりますか」カキカキ
ー1時間後ー
提督「まるゆ・・これは?」
まるゆ「ご、ごめんなさい・・実は字を書くのはあまり得意ではなくて」
提督「得意不得意の以前にこれは字なのか?」
ミミズがダンスしている様を描いたようになっている結構上手い
ある意味で芸術だ
不知火「提督、こちらは終わりましたが・・・なんですか?これは」ギロッ
まるゆ「ふぇっ!」提督の後ろに隠れる
不知火「ふざけてるのですか?」
まるゆ「そ、そういうわけでは・・」
提督「不知火、まるゆも初めてだったんだしね?許してやってくれ」
不知火「提督がそう言うなら・・ですが、書類仕事は向いていませんね」
まるゆ「あ、あの・・捨てないでください・・」
提督「捨てたりなんかしないよ。苦手なんて誰にでもある」
まるゆ「・・・・隊長」
提督「隊長?俺が?」
まるゆ「はい、隊長」
不知火「提督、まるゆは陸軍生まれの潜水艦らしいです」
提督「なるほど、だから隊長なわけね」
まるゆ「隊長と呼ばれるのは嫌ですか?」
提督「いや、それでいいよ。呼び方なんて人それぞれだし」
まるゆ「隊長太っ腹です。普通の人は呼び方から結構うるさいのに」
提督「個々の個性を壊したくないだけだよ」
まぁ、限度内での話でね
例えばクソ提督とか呼ばれたりしたら流石に怒るけど
まぁ、そんな事言う奴はいないだろ
書類仕事が駄目という事は、雑用でもやってもらおうか
そうだな、まずは
ー鎮守府廊下ー
提督「この鎮守府は無駄に広いくせに人が少ない。だけど、だからと言って使う部屋だけ掃除するのは間違ってる、違うか?」
まるゆ「でも、使わない部屋なら掃除しても意味ないと思いますよ?」
電「これだから新入りはいけないのです」
まるゆ「すみません・・・」
電「はわわ、そんなに落ち込まないで欲しいのです・・」
提督「まるゆ、いつか来る仲間の為に掃除しておくのもいいと思うんだ。そうすればいきなり来ても対処出来るし、一部だけ汚いとね?なんか嫌じゃない?」
まるゆ「なるほど・・」
電「ですから、少しずつでも綺麗にしていくのです!」
提督「だから、とりあえず廊下掃除から始めようと思う」
電「司令官のなけなしのお金で買ったワックスなのです。大切に使うのです!」
提督「うん、そう言うのはいちいち言わなくていいからね」
まるゆ「使ってもいいのでしょうか・・」
提督「使ってもらわないと買った意味がないから」
まるゆ「は、はい」
提督「じゃあ、始めようか。軽く水拭きは電がやってくれたからワックスを塗ってピカピカにするぞ!電、ワックスを」
電「ここに」コトッ
業務用の奴だから大きいがちまちま買うよりは安く済む
提督「少し布に塗って吹いていくんだぞ」ふきふき
電「つけ過ぎ注意です!」ふきふき
まるゆ「えっと・・・」びちゃびちゃ
電「つけ過ぎなのです!」ダッ
提督「電、走るな!」
まるゆ「ふぇ!」ツルッ
コンッ
ワックスドバァーー!
提督「やばい!こぼれたぞ!走ったりするなよ」
まるゆ「いてて・・・」
電「はわっ!」ツルッ
ゴンッ
電「な・・・の・・で・・す」ガクッ
提督「電!」全速力
まるゆ「あ、隊長走ったら・・」
提督「しまっ!」ツルッ
ゴスッ
提督「うぎゃぁああ!頭がぁああ!」
間宮「て、提督、お昼をお持ちしました〜」闇鍋
まるゆ「あ、危ない・・」
間宮「あら?」ツルッ
バシャ
提督「あちぃいいい!!そして何か暗黒的な何かを感じる!!」ジタバタジタバタ
間宮「提督!ごめんなさい!」
まるゆ「あわわ!・・どうしよう」
という事があり、その後も食堂の手伝いをさせると間宮さんの料理と合わさり殺傷性が増してしまったり
工廠では、数分で明石さんに出禁されるしで
結局行き着いたのが、この電話番だった
ただ、うちの電話は無口なので鳴ることはありません
なんか寂しいね
まぁ、こういう事で新しい仲間を迎えてのこれからが始まるという事だ
我が工廠は他の鎮守府と違っている
まず、妖精いません
何時まで経っても来ません
鎮守府の稼働が認められた所には必ずやってくるのですが来ません
ですが、俺もなにもしなかったわけではありません
妖精さんはこんぺいとうが大好きらしいと聞いたので
ー工廠ー
提督「妖精さん来てください」こんぺいとうを置く
明石「後で掃除しろよ」
こんぺいとうは結構高いです
しかし、妖精さんは来ません
提督「妖精さん来てー」こんぺいとうを投げる
明石「機械の中入るからやめろ」
でも、来ません
一人ではダメなんだ!
提督「妖精さっさと来いや!」こんぺいとうを全力投球
如月「司令官が呼んでんでしょうが!」こんぺいとう投げ
不知火「ヌイ!」こんぺいとうヌイ!
電「美味しいのです」こんぺいとう食べ
まるゆ「ごめんなさいごめんなさい」こんぺいとう謝罪
間宮「これは新たな料理が!」こんぺいとう閃き
明石「ちょっ!まっ!えっ?こらぁあああ!!」
結局来ず、俺は明石さんに殴られただけだった
工廠は必ず必要だ。艤装のメンテナンスや修理
それに弾薬の供給、資材保管
そして、艦娘達の強化や武器の開発
全てがこれから必要になる機能だ
これがないとまともに鎮守府など動かない
それはやばいと思い
たまに来るくらいだった明石さんに頼み込み交渉をした
それで、生まれたのが、明石工廠店だ
工廠を全て明石さんに自由に使っていいという事でこちらの艤装のメンテナンスや修理その他を受け入れてくれる事になった
勿論明石さんは部下でもないので、金は掛かるけど格安にしてもらうのとこちらの仕事を優先してもらう事でどうにかなった
場所を提供するから安くしてくれという事だ
しかし、別の仕事もしつつこちらの仕事もするとなると明石さんだけでは大変だろうと思ったら
既に明石さんは応援を呼んでいた
彼女の名前は夕張
明石さんの友達らしく
軽巡の夕張型一番艦
駆逐艦しかいない今みんなの為に彼女を仲間に出来ればと
思ったのだが・・・
提督「これから一緒に戦おう!」
夕張「残念だけど、私部分解体してるからごめんね〜」
明石さんと同じ部分解体をしており戦う事は出来ないようだ
残念と思う気持ち半分と良かったと思う気持ちも半分
提督「なら、これから工廠をよろしくお願いします」
夕張「本当に自由に使っていいの?」
提督「はい、でも、出る事ならうちの依頼を優先してもらえると助かります」
夕張「了解〜!そういえば明石から聞いたよ。入渠に入って平気だったんでしょ?」
提督「ああそれですか、そうですね今の所は何か身体に異変を感じてはいませんよ」
あの一回きり入ってはいないけど
不知火から絶対に入るなと言われている
後頭部の事を気にしているようだが、あれは元からなんだと言えず
まぁ、自分から入る事もないかと気にしていなかったりする
夕張「本当になんともないんです?」
提督「ええ、平気でしたよ?」
夕張「う〜ん・・・なんか後頭部が薄いけど、これって」
提督「元からじゃぁあああ!」
夕張「うわっ、そんなに怒らなくても・・・あ、でも、今のは私が悪かったかな、ごめんね薄くないよ〜ふさふさですよ」
提督「ぐはっ!」
こいつ精神的に攻めてきやがる
夕張「提督って若いよね?何歳です?」
提督「18歳ですけど・・・」
夕張「へぇ〜・・・ふふふ」
なんか視線が・・・
夕張「ねぇ、少し身体を見させてもらっても?てか、触らせて」
提督「え?嫌ですよ・・恥ずかしいし」
夕張「大丈夫よ・・お姉さんが手取り足取りね?」ハァハァ
提督「ちょっと・・夕張さん怖いですよ・・」
夕張「ねぇ?ちょっとだけね?優しくするからね?」
提督「いやぁあああ!来ないでぇええ!」
夕張「あばれるなって!」
提督「やめてぇええー!」
ゴツン
夕張「ふぎゅう!いたぁい!」
明石「こんなところで油売ってないでさっさと手伝う」
夕張「ちぇ・・提督今度ゆっくりね?」
明石「ほら、さっさと来る!」
明石「提督悪気はないと思うから・・・多分」
提督「・・・・・ふぇええ」
俺は夕張さんが苦手だ
こうして工廠は一応使えるようにはなった
夕張さんも腕は確かで、こちらの仕事も完璧にこなしてくれる
提督「メンテナンス代つけでお願いします」
夕張「なら身体まさぐらせて」
提督「ひ、ひぇええ・・・払いますから!」
でも、苦手です
ー執務室ー
提督「そろそろ資材がやばいかな・・・」
まるゆ「・・・・来ない」電話番中
提督「この減り具合だと、またすぐに枯渇してしまう」
艤装のメンテナンスや修理には資材が必要だし、新たな装備の開発にも必要で弾薬を造るだけでもかなり資材を消費する
装備の開発はまだ出来ていないが、弾薬を増やさないといざという時に大変な事になる
あの、襲撃の時ここら辺の敵は一掃されたが、0ではない
現に如月を襲った奴もいたわけだし
いつ、また襲われるかもしれない時に弾薬がないので戦えませんって事にだけはならないようにしたい
せめて、町民達が逃げる時間は稼ぎたい
そうなると、やはり資材はどんどん減る
貰った資材もあっという間に減る
提督「そろそろ、書類仕事だけじゃな・・・」
金は入るが資材は入らない
それに金もギリギリだし
今のままで更に資材が欲しい
そうなるとやはり遠征か・・・
え?弾薬は買えばいいじゃないかって?
高いから無理、明石さんに頼んで造ってもらったほうが資材は減るけど安く済む
まだ、この状態で遠征には出したくない
提督「どうしようか・・」
その時今まで無口だった電話が
プルルルルル
まるゆ「はい、ま、まるゆです!」ガチャリ
提督「あ・・・やべ」
電話番は電話が無口だから任せたけど
相手によっては・・
いや、電話対応ぐらいは出来るだろう
まるゆ「そ、その声は・・・はい、分かりました」
まるゆ「隊長・・・元帥からです」
提督「よし、切れ」
まるゆ「いいんですか?」
提督「うん、許す」
まるゆ「あ、あの切れという事なので、切ります・・・え?・・はい」
まるゆ「新たな任務だそうです。切ったら、その、まるゆもろとも殺すって・・・」
提督「はぁ・・・」
関わりたくない・・・半年間何もなかったから安心していたのだが
大体元帥がこんなおんぼろ鎮守府に任務をわざわざ言ってくるのがおかしい
暇なのか?
あまり待たせると煩いので、電話を受け取った
提督「もしもし・・・」
元帥「どうだ?骨折は治ったか?」
提督「えぇ、おかげさまで、どこぞの誰かさんが折れなんて言わなければこうはならなかったでしょうけど、その誰かさんは元帥なんですけどね」
元帥「ほう、病院代を立て替えてやった私にそんな口を?」
提督「だから!その原因を作った奴に言われてもな」
元帥「なら、請求書を送ろうか・・勿論・・着払いでな」
提督「や、やめろ!ただでさえギリギリで資材もやばいのに!」
元帥「ほう・・やばいか?」
提督「そりゃもうやばい!だから、資材と資金を送れ!そっち払いで」
元帥「貴様に支援はしないと言ったが?」
提督「くそっ!」
元帥「だが、チャンスはやろう」
提督「なんだよ・・・・」
元帥「1週間後に西鎮守府と演習をしろ」
提督「はぁ?出来るわけないだろうが!まだ、第1艦隊の数の6人も揃ってないんだぞ!」
元帥「潜水艦をやったろ?」
提督「あんな!潜水もでー」
潜水も出来ない潜水艦が戦力になるわけないだろうと言おうとして口を止めた
まるゆが近くにいるじゃないか
確かにまるゆは潜水も出来ない戦力にはならない
でも、役に立とうと頑張っている
努力している
それでいいじゃないか
まるゆは戦力にはならないけど、この鎮守府にはなくてはならない存在だ
提督「確かに貰ったが・・・・」
元帥「ならやれ命令だ!」
提督「だが・・・演習なんてしたら資材が・・・」
元帥「それに関しては向こうが用意する。この演習も西鎮守府の西提督が言ってきた事だからな」
提督「そこまでしてなんで俺の鎮守府と、西鎮守府と言ったら結構大きな鎮守府だと聞くけど、弱い者イジメ大好きなの?」
元帥「弱いと認めるか」
提督「戦闘経験もないに等しいうちが強いはずがないだろ。西提督はそんな事も分からないのか?それとも分かって言ってんのか?いい性格してるよ」
提督「アホの遊びになんて付き合ってられるか」
元帥「ほう・・・・命令だぞ?」
提督「命令だろうが、仲間達を負けると分かっている戦いにだして笑い者にされるなら断る!」
元帥「・・・・・・・」
提督「笑われて・・拒絶されて・・蔑んだ目で見られるのは俺だけでいい」
元帥「やれ・・必ずな。1週間後に迎えを寄越す」
提督「断る!」
元帥「貴様に拒否権はない!」
提督「ふざけんな!大体こんな俺にとってはなんも得がない演習になんの意味がある!遊びでこっちはやってんじゃねえんだよ!」
元帥「貴様聞いていなかったのか?これはチャンスだと」
提督「なんだよ」
元帥「もし、これに勝てば、西提督はお前の所に資材をたくさんくれると言っている金も出すとな」
提督「っ!」
元帥「ピンチなんだろ?今」
提督「そ、それでも・・・」
元帥「落とし所は間違えると結局何も手に入れられなくなるぞ?」
提督「何を言ってる」
元帥「そうだな・・もし、勝てば大本営から艦娘を一人好きな奴をくれてやる。そしてこれを受けなければ」
元帥・・・・あんたは・・・どうしてそこまで・・・
艦娘を物みたいにいいやがって・・
元帥覚えておけ・・もし、仲間達にまで危害を加えるような事があるなら・・その時はお前が殺しにくる前に
俺がお前を!
元帥、提督「「殺す」」
元帥「分ってるじゃないか。演習だから轟沈する事はない。受けた方が失う物がなくていいだろ?」
提督「・・・・・・」
元帥「では、1週間後を楽しみにしている」
そう言って電話は切れた
まるゆ「あ、あの隊長・・・」
提督「ごめん・・まるゆ今日はもう部屋に戻ってくれないか?電話はきっと今日は鳴らないと思うから」
まるゆ「はい・・・・・・」
まるゆ「まるゆも・・やりますから!」
そう言って部屋を出た
提督「・・・・・・・・」
提督「くそがぁ!!なんで軍の奴は自分勝手な奴ばかりなんだ!ふざけんなよ!」
提督「ふざけんなよ・・・・なんで、そんな悪いタイミングばかりに・・くそ・・・くそ・・・」
こうなってしまったのは自分の所為だ・・この半年間なにもしていなかった俺の・・
だから、元帥につけ込まれたんだ
奴ら軍の考えを今はどうする事も出来ない
でも、俺自身はどうにか出来たはずだった
腹が立って仕方がない・・・
今の俺に
ー執務室前ー
不知火「この声!提督になにか!または提督が今なにか悩んでいる!力にならないと」ダッ
まるゆ「不知火止まってください」
不知火「邪魔をする気ですか?」ギロッ
まるゆ「ひいっ!で、でも今は一人にさせておいてあげてください!」
不知火「ですが・・・・」
まるゆ「お、お願いします!」
如月「今はそっとしておいてあげましょ?」
不知火「如月・・貴女まで」
如月「待つのもいい女の役目よ」
不知火「いい女って自分で言いますか」
如月「えぇ、そうでありたいから。あの人にとって・・」
不知火「如月・・・貴女は」
如月「そうでありたいんですよ私は・・どんな事があっても」
不知火「・・・・・」
不知火「私もです・・・だけど私はここからは動きませんよ」
まるゆ「まるゆもそうします」
如月「はい、じゃあみんなで待ってましょ」
まるゆ、不知火「「はい」」
それから数分後
まるゆ、如月、不知火「「「・・・・・・・」」」ドアに耳当て
明石「なにしてんの?あんた達」
夕張「なんか分からないけど私も仲間に入れて〜」
明石「ちょっ!」
電「・・なのです」チラッ
ー執務室ー
電「よいしょっと・・窓からこんにちはなのです!」
電「司令官!電がいるのです!」
提督「ぐがぁ〜〜〜〜」爆睡中
電「あら〜〜」
みんなを食堂に集めて演習の事を言った
ー食堂ー
提督「という事でみんな・・ごめん、こんな勝ち目のない戦いをやらせる事になって」
明石「あっそ、どんまい」
夕張「なんかつまらない話しですね・・」
夕食の時間、みんなに演習の事を話した
怒られても、泣かれても仕方ないと思う
戦闘経験もないのに戦闘経験豊富な奴らと戦わせられるんだから
提督として失格だ
なのに・・・
如月「司令官・・・本気で言ってますか?」
提督「あぁ、この演習は1週間後にある・・本当の話しだ」
如月「もう、違いますって!私が言ってるのは」
不知火「最初から負けを認めているのは・・・本気ですか?」
電「なんで最初から負けを認めるのです?」
まるゆ「まるゆが言うのもおかしいですけど、やってみなきゃ分からないと思います」
提督「みんな・・・」
如月「司令官が負けろというならそうします。接待で負けなければいけない時もあると思いますし、ですが、もしそうでないのなら」
如月「やる前から諦めるのは嫌です」
提督「でも・・相手は」
電「司令官はもし、ここにまた襲撃が来た時勝てないからって・・諦めるんですか?逃げるんですか?・・孤児院で言った守るは嘘なのですか?」
提督「っ!」
なんて事だ・・・・
もしこれが、命に関わる事なら俺はきっと無理でも全力を尽くそうとしていただろう
なのに、俺はやる前から・・これが実戦なら電の言う通り・・諦めて死を受け入れるか
それか逃げるかだ
演習だからって・・誰も犠牲になる者がいないからって俺は
舐めていた・・・
孤児院で・・鎮守府で・・
叢雲に
誓った守るは嘘なのかよ!
違うだろ!
やる前からぶるってんじゃねえよ!!
提督「電・・・・」
電「はい!」
提督「俺が病院から退院した時に言った事を言ってくれないか?まるゆや夕張さんにも聞いてもらいたいから」
夕張「なんか面白い事になってきました〜」
まるゆ「なんでしょうか?」
明石「・・・・・・」
電「はいです!」
電「ゴホン、あー、あー、」
電「もしこの先俺が間違った事を言ったり言おうとしたら、遠慮なく言ってくれ。そして容赦なく殴れと」
電「お前達は部下でもあり仲間でもある。なんでも言ってくれ」
電「以上なのです!」
提督「電が俺って言うとなんか変だな。よし、こい!!」
さっきの情けない俺を殴れ!
電「なのですスペシャル!抉るように打つべし!」ドゴッ
提督「ごはっ!」
脳が揺れ衝撃が顔面を襲う
電「さらに!なのですスペシャルパート2!」シュッ
明石「はい、そこまで一発でいいでしょ」ガシッ
電「あ、残念です・・・ふふ」
明石(少し興奮してる?まさか・・この子)
提督「よし!気合い入った・・少しなんか脳が揺れてるような感じはするけど」
不知火「っ!提督を殴った!」ガタッ
如月「はいはい、落ち着いてね?」
夕張「よし!お姉さんも気合い入れちゃいますよ!」
まるゆ「やる気出てきました」
間宮「みなさんやる気ですね。私も出てきました!バックアップ(食事)は任せてくださいね」包丁
如月「っ!」ビクッ
提督「ま、間宮さんはとりあえず包丁置いてください。なんか怖いです」
間宮「え?は、はい」
提督「みんなありがと。そうだよな最初から諦めるなんておかしいよな?」
提督「さっきの言葉は撤回する!この演習必ず勝つぞ!」
艦娘達「「「おおーー!!」」」
夕張「明石!工廠行くよ!1週間の予定全部キャンセルだよ!」
明石「そんな事できるわけないでしょ!客来なくなるから!」
夕張「うう・・でも・・お願い!ここで提督達にお姉さんの威厳見せないとただの痴女になっちゃうよ!」
明石「痴女って・・誰に言われたのよ」
夕張「電に・・・これが痴女なのです!って」
明石「多分痴女の意味分かってないと思うけど・・・暇さえあれば提督にちょっかい出すから言われたのよ」
夕張「お願い!今度夕張メロン奢るから!」
明石「ねぇ?それわざと言ってる?」
夕張「本気です!」
明石「はぁ・・・分かった、他の客の分は私一人でどうにかしてみるから・・1週間だけだからね!その間私は手伝えないからそのつもりで」
夕張「明石ありがと!よし、早速工廠へ!」ダッ
明石「はぁ・・呼んだの間違いだったかな」
間宮「さぁ!とりあえずご飯をー」
提督「こうしてはいられない!執務室で作戦会議だ!行くぞ!」ダッ
艦娘達「「「はい!」」」ダッ
間宮「・・・・・・」チラッ
明石「あ〜〜貰おうかな」
ー執務室ー
提督「演習は1週間後だ。正直あまり時間はない。勝てるかも分からない。だけど、必ず勝つ!その為にこの1週間は辛い練習の毎日になると思うが覚悟はいいか?」
如月「覚悟なら司令官に着いて行くと決めた時にしています。司令官!如月を虐めぬいてください」
提督「その言い方はやめてくれ誤解されそうだから」
不知火「私もそうです。どんと来いです。提督の期待に応えられるよう頑張ります」
提督「あぁ、期待しているぞ」
電「電は大丈夫なのです!司令官を殴るのは任せるのです!」
提督「殴る前提で言うのはやめてくれ電」
まるゆ「私も大丈夫です!多分・・・」
提督「多分は余計だぞ」
みんなやる気だな!これなら本当に勝てるかもしれない
でも、油断も慢心もしない!殴られるし
提督「よし、なら!如月、不知火、電は明日から海上での練習をしてもらう。その際俺は別にする事があるから、不知火に二人の練習を見て欲しい」
不知火「私がですか?」
提督「あぁ、基本的な動きとかだけでいいんだ。不知火は東鎮守府にいたから少しは実戦経験があると思ってな。無理か?」
最低限の基本的な動きなら1週間でどうにかなると思いたい
不知火「いえ、正直あまり経験はありませんが出来る限りの事はやってみます」
提督「頼んだ」
まるゆ「あの・・まるゆは?」
提督「まるゆは声をかけるまで待機していてくれ」
まるゆ「はい・・・」
提督「別に仲間外れにしてるわけじゃないんだ。ちょっと色々とあってな必ずまるゆにも練習はしてもらうから覚悟してろよ」
まるゆ「はい!」
提督「では、今日はこのまま解散にしよー」
トントントン
提督「ん?どうぞ」
間宮「・・・・・・」
提督「間宮さんどうしたんですか?」
ドンッ
カップ麺人数分
間宮「ふんっ!」
提督「間宮さん?」
間宮「て、提督達なんてこれでも食べてればいいのよ!うわぁあああん」ダッ
提督「あ、ちょっと!間宮さん!」
提督「そう言えば・・夕食、食べてなかったな・・」
作ってくれていたのだろうか?
なら、悪い事をしてしまった
後で謝らないと
電「カップ麺なのです!電はカップ麺大好きなのです!豚骨貰うのです!」
如月「美味しいわよね。私味噌で」
不知火「久しぶりに美味しいのが食べられますね。塩ありますか?」
まるゆ「まるゆは醤油味がいいです」
提督「じゃあ、これ食って解散って事で」
カップ麺でこんなに喜ばれてるなんて間宮さんは思ってもいないんだろうな
間宮さんの料理は命の危険はなくったけど、やはりまだ不味い
でも、みんなそれを言えずにいる
みんな間宮さんを悲しませたくないからだ
でも、このままじゃいけない
どうにかしないと
ー食堂ー
解散した後
やはり、間宮さんに謝りに行こう
部屋にはいなかったからきっと此処に居るはずだ
まだ、明かりが点いている
席に一人座っている間宮さんがいた
なにか思いつめた顔をしている
近くに明石さんが寝ている。部屋で寝ればいいのに余程疲れていたんだろう後で運んでおこう
提督「間宮さん」
間宮「っ!」
焦ったと思うとすぐに逃げようとする
やはりまだ一対一は無理なのか
明石さんから聞いたが間宮さんは男性が苦手らしい
最近は馴れてきたと思ったんだけど、まだ、二人だけは無理か
正確に言うと明石さんもいるから三人だけど寝てるしね
それでも今逃すわけにはいかない
提督「間宮さん待ってください」ガシッ
間宮さん「は、離して!」
提督「間宮さん!俺謝りたくて」
間宮「と、とにかく!離してください」
提督「逃げません?俺逃げるの反射的に追いかけちゃうから」
間宮「提督は犬かなにかですか!」
間宮「逃げませんから」
提督「じゃあ、離しますよ?」パッ
間宮「っ!」ダッ
提督「あ、逃げた!」
厨房へと逃げ込んだ後で少しだけこっちに顔を出して様子を伺っていた
間宮「食堂からは・・逃げてませんから」
提督「・・・・・・・」
ここまで、逃げられると結構心にくるな・・・
まぁ、仕方ないと思ってないといけないな
間宮「そ、それで・・なんですか?やはり私は・・」
提督「間宮さんに謝りたくて夕食作ってもらったのに演習の事で忘れてしまい」
間宮「・・・・・・・へ?」
提督「ごめんなさい間宮さん決して!絶対に!命を懸けて!間宮さんの料理が食べたくないと思っていたわけではありませんから」頭を下げる
例えあまり美味しいくなかったとしても、俺たちの為に作ってくれた物を俺はスルーしてしまった
謝るのは当然だ
間宮「提督頭を上げてください・・貴方は提督なんですよ。私はただの料理人ですよ」
提督「そんなの関係ありません!提督だろうとなんだろうと人の好意を踏みにじった。謝るのが当たり前です」
間宮「提督は・・・・本当に他の方とは違うのですね。普通ならあんな事をした私が怒られる筈なのに」
提督「いや、怒られるのは俺であって間宮さんじゃない。俺ならカップ麺すら用意しないですよ。次から自分で作れって怒鳴り込んでやりますよ。または当分はみんなの苦手な物ばかりだしてやるまでありますよ」
間宮「ぷっ!・・ふふふ、それは酷いですね」
提督「これからも食堂をよろしくお願いします。間宮さん」
間宮「追い出される事も覚悟していたのですが」
提督「追い出したりなんかしませんよ。間宮さんも大切な仲間ですから、出て行く事になったら泣きながら追いかけて止めますよ」
間宮「ふふふ、大袈裟ですって」
提督「噓じゃありませんから」
間宮「分りました。これからもよろしくお願いします」
提督「はい、間宮さん」
気付くと間宮さんは厨房からこちらへ来て握手を交わしていた
まだ、少し手が震えているけど
この笑顔には嘘がない
そう思えた
ついでに寝ている明石さんもそれなりブルブルしていた
寒いのかな?そっと上着を被せておいた
提督「それで、間宮さん提案があるんですが」
間宮「はい?」
俺は今の食堂を変える為にある提案をする
次の日
ー食堂ー
不知火「卵が卵です!」
電「このお味噌汁インスタントじゃないのです!」
如月「今日の朝ご飯は美味しいです」
まるゆ「はむはむはむ!!」
明石「う〜ん・・昨日の夜の記憶がない・・・」
夕張「普通に美味しいですね」
提督「実はな今日から1週間は俺と間宮さんで料理をする事になったんだ」
間宮「提督は凄いです。私の知らないような料理方法を知ってたりで参考になります」
提督「いやいや、間宮さんも中々」
食べ物を食べ物じゃなくする方法なんて全然知らなかったよ
参考にはならないけど
如月「へぇ〜〜」
電「一緒に料理なんて新婚さんみたいなのです!」
不知火「ぬい・・・・・」
まるゆ「はむはむはむ!!美味しいです!」
提督「これは人が増えてきての間宮さんの負担を減らす為に考えた事だ。この1週間はみんなに練習に集中して欲しいという事で俺がやる。1週間が過ぎてからは当番制で間宮さんと料理をしてもらいたい」
こうやってストッパーを配置する事により酷いものを作らせないようにすればいい
間宮さんは料理についての考え方がちょっと変なだけで基本的な料理スキルはかなり上の方にある
誰かが間宮さんを上手く導けば俺の一人暮らしレベルの料理なんて外にある雑草と変わらない程の差が出来る
現にこの朝ご飯もかなり美味い
間宮「私は一人でも大丈夫なんですけど提督がどうしてもって」
提督「昨日の一件で間宮さんのありがたみを嫌という程知りましたから」
間宮「提督・・・・・」
提督「という事だから今日からみんな頑張ってくれ。バックアップは俺と間宮さんそれに夕張さんに任せてくれ」
艦娘達「「「はい!」」」
こうして、今日からそれぞれが動き出した
1週間後の演習を勝つ為に
提督「さて、やる事はたくさんあるぞ!」
俺も出来ることをやる!
ー執務室ー
まずは情報が必要だ
西鎮守府の事について調べないと
提督「だけど、情報屋なんて知らないし払う金もない・・」
提督「・・・・・・・・」
電話に手をかけて電話をかけた
一回のコールで相手はすぐに出た
元帥「もしもー」
ガチャリ
すぐに切った
本当に暇なんだなあのジジイは
やはり大本営に直接かけても駄目か
提督「確かメモが・・・・」
机の引き出しをあさる
今掛けようとしているのは大淀さんだ
大本営に掛ければ大抵大淀さんが出る
実は偶に掛けていたりするのだ
最初は鎮守府の運営に関するアドバイスなどを貰っていたのだが
それからプライベートの話などもする事が増えていき
気付けば1時間ぐらい大本営の回線を使ってシャチの捕食について話していた事もあり
流石にやばいなってなり
大淀さんのプライベート番号をゲットしたのだ
殆どは仕事なのでそっちに掛けても出られない
今日は休みなのかな?なら、そっちに掛ければ出るかな
でも、もし、デート中とかの場合もある
大淀さんだって聞く限りじゃ俺より年上だ
あんなに優しい人なんだ
彼氏の一人や二人いてもおかしくない
いや、二人いたらやばいか、そんな人ではないと信じたい
それはともかくメモが見つからない
提督「確かここに入れた筈なんだけど・・」ガサゴソガサゴソ
折角手に入れた電話番号なのに
こうなるなら登録しておけばよかった
提督「お、あった!」
くしゃくしゃだが、あった
あれ?俺こんなに字綺麗だっけ?
それにこれ電話番号じゃなくてメールアドレスだ
提督「う〜ん・・・なんだろう」
ーとある場所ー
三日月「はぁ・・・やっぱり嫌われたのかな」携帯見つめ
望月「もう、半年経つしさ諦めたら?男なんて星の数ほどいるし」
三日月「別に気にしてませんし・・そういうのではないですから」
望月「そうは見えないんだけどな。そんなにあの青年がよかったの?」
三日月「本当に・・気にしてませんから・・提督さんなんて知りませんから」
望月(提督なんて言ってないんだけどな・・・)
望月「まぁ、メアド悪用されなかっただけいいと思わないとね」
三日月「・・・・・・・・」
望月「ほら、仕事の時間だよ。行こ」
三日月「はい・・・」
ー執務室ー
提督「・・・・・・・・あ!」
提督「これ!三日月のメアドだ!」
提督「すっかり忘れてた・・やばいどうしよう」
でも、向こうもきっと忘れている筈だ
うん、そうだ!
きっと俺がメールをしても
こいつ本当にメールしてきやがったって笑い者に・・・
提督「そんな子じゃないだろ・・何を考えてるんだ」
自分の都合の良いように考えてしまうのはいけない
逆で今もメールを待っていたり・・
提督「ないな・・・・ははは」
だけど、一度くらいはしておかないといけないな
携帯ないけど・・・
提督「近いうちに携帯ショップに行くか」
そうだな・・演習で勝利すれば少しは余裕も出来るだろう
その時までこのメモは大事にしまっておこう
ー食堂ー
まるゆ「・・・・・・」チラッ
提督「何処にあるんだろう・・・」
執務室を探したが結局メモは見つからず
何処かで落としてしまったのかもしれないので色々探しているのだが
提督「ここにもないか・・・」
間宮「あ、提督早いですね。もう始めるのですか?」
提督「え?」
間宮「お昼の準備ですよね?呼んでもらえればよかったのに」
提督「あ〜・・」
そろそろいい時間ではあるが・・・
提督「そうだな、よし、始めようか」
間宮「はい!」
探し物は後だ
今は訓練を頑張っている如月達に美味い物を作ってやらないとな
その後みんなと食事をして昼も引き続き練習をするように言って
メモ探しを再開した
ー工廠ー
まるゆ「・・・・・隊長」チラッ
提督「落とすならやはり此処かな」
夕張「お、やっと来た。こっちこっち」
提督「夕張さん」
夕張「じゃあ、早速何を造ればいいです?お姉さん今ならなんでも造れそうな気がする!」
提督「えっと、それはまた後でお願いします。それとは違う用事で来たんですよ」
夕張「違う用事?まさか!やっとお姉さんに全てを委ねるてくれる決心が!」
提督「そんな決心は多分来ませんから!」
夕張「あら、残念ですね。でも、多分なんでまだ期待していいんですよね?」
提督「勝手にしてください・・・」
夕張「はーい!」
俺だって健全な男子なんだ、夕張さんの様なスタイルのいい女性に迫られて嫌とははっきり言えない
そう、これは男だから仕方ないのだ
でも、受け入れることも出来ない
なんか、怖いから
という事で曖昧な事しか言えずにいる
くそっ!煩悩よ!出て行け!
煩悩「じゃあ、人間やめろ」
ごめんなさい
夕張「それで?用って?」
提督「ちょっと探し物をしてまして電話番号の書かれたメモなんだけど知りませんか?」
夕張「う〜ん、見てないですね。明石は見た?」
明石「今忙しいんだから話しかけないで!」
夕張「提督が電話番号のメモ探してるんだって」
明石「知るわけないでしょ!あー!忙しい!」
夕張「だそうです。私も見つけたら言いますけど、多分ないですよ?」
提督「とりあえずお願いします」
工廠にはないか・・・・
ー入渠ー
提督「ここには来ないけど・・一応」
間宮「ないですね・・・」
提督「すみません探し物手伝ってもらって」
間宮「いえ、私もこれから夕方までやる事ありませんし。提督が手伝ってくれるので夕方くらいから準備すれば間に合いますから」
提督「ありがとうございます」
間宮「浴槽内にもありませんね・・・あら?」
提督「どうしました?」
まるゆ「・・・・・・」ぶくぶく
提督「まるゆ、入ってるなら入ってるって言ってくれよ。メモ見てないか」
まるゆ「・・・・・・」ぶくぶく
提督「まるゆ?お湯が口まで浸かっていたら喋れないだろ?一旦ぶくぶくをやめて」
まるゆ「・・・・・」ぶくぶく
チャプン
間宮「あ、潜っちゃった」
提督「なんで?」
間宮「そう言えば朝はずっと鎮守府内をウロウロしてましたよ?執務室の前で待ってたりもしてましたし」
提督「まさか・・・・・」
間宮「なにかまるゆと約束をしていたのでは?」
提督「してはいませんけど、俺が声かけるまでは待機と言いました」
間宮「では、拗ねちゃったんですね。ずっとほっておいたんですよね?」
提督「そうなのかな?まるゆが拗ねるとは思えないんですが」
間宮「まるゆも艦娘ではありますが、まだ見た目同様で子供なんです。大好きな提督が相手にしてくれないから拗ねてんですよ」
提督「大好きね・・・・」
間宮「不満ですか?」
提督「いや、そうではなくて・・」
電話番しかさせられていない俺を好いてくれているのだろうか
間宮「声かけてみては?」
提督「分かりました」
長く息続くなと思いながら彼女も潜水艦なのだからという理由で納得しておこう
浴槽へ近づき声をかける
提督「まるゆ、ほっておいて悪かった。決して忘れていたわけじゃないんだ。少しこっちの用事が思ったより掛かってしまって・・悪かった」
最近なんか謝ってばかりだな俺
チラッと少しだけ水面から顔を出した
チャンスだ!
提督「まるゆを練習に参加させなかったのは、まるゆには俺が練習に付き合う為だったんだ。だからそれまで待ってもらおうと思ったんだ」
まるゆ「本当に・・・」
提督「あぁ、本当だ。そうだ、今探し物をしていてそれを手伝ってくれないか?」
その瞬間ショボーンとしていたまるゆの顔がパァア!ってなった
まるゆ「はい!」
そしてそのまま浴槽から出てきた
間宮「あ、そのままは」
提督「っ!ちょっ!」
まるゆ「??、どうしたんですか?」水着
提督「ふぅ〜なんだ水着だったのかよかった・・」
まるゆ「水着ではダメでしたか?」
提督「いや、それで良かったんだ」
全裸だったらやばかった
いや、何がやばいかって言われるとそれは・・・
まぁ、色々とあれなのだ
一つ言える事は俺はロリコンではない!
まるゆ「隊長それで何を探していたのですか?」
提督「電話番号の書かれたメモなんだけど」
まるゆ「電話番号の書かれたメモですか・・・それなら確か」
提督「え?」
ー執務室ー
まるゆ「前に落ちていたのを見つけまして、言おうとは思ったんですけど、忘れてました」まるゆの机ゴソゴソ
まるゆ「ありました」
提督「おお!これだ、ありがとう、まるゆ」
まるゆの机だけは見ていなかった
勝手に人の机は見れないしな
提督「よし、まるゆ、電話を掛ける!」
まるゆ「はい!まるゆは何をすればいいですか!」
提督「いや、今はなにー」
なにもないって言えば、また拗ねてしまうかもしれない
まるゆ「今は?なんでしょう」
提督「今は・・・俺を守ってくれ」
まるゆ「はい!隊長を守ります!」
まるゆ「少し準備してきます」ダッ
提督「何処行ったんだろ・・」
このうちに狙われたりするとは考えないのだろうか
まぁ、今回は別に狙われてるわけではないからいいけど
やっとこれで当初の予定が出来る
プルルルルル
電話が鳴る
提督「もしもし、おんぼろ鎮守府」
大淀「提督?元帥から貴方が私に用があるって聞いたんですが、すみません少し別の用事で出られませんでした」
提督「・・・・・・・」
休日じゃなかったのか
ああ、俺は意味の無いことをしていたようだ
もし、メモが見つかっていてもきっと大淀さんは出なかった
大淀「提督?」
提督「はぁ・・・・」
大淀「ため息?なにか私しましたか?」
提督「いえ、こっちの事ですから大丈夫です」
大淀「そうですか」
提督「大淀さん頼みたい事があります」
大淀「演習の事ですよね?」
提督「やはり聞いていましたか」
大淀「西鎮守府に用がありまして電話をしたのですが、その時に西提督が言っていました。その・・・悪魔の息子をこの手で倒してやるんだって」
大淀「そして、艦娘達を奴から助けると」
提督「・・・・・・・」
大淀「すみません、いずれ向こうで言われてしまう事なら知っておいた方がいいかと思いまして」
提督「いえ、慣れてますから大丈夫です」
大淀「西提督は結構情熱系と言いますか、脳筋であまり頭は良くないですが、持ち前の明るさや熱さで艦娘達からも慕われていますし、業績も結構残しています」
大淀「彼の町では西提督はみんなのヒーローと慕われています」
大淀「ですが・・私はそうは思いません。提督の事を知りもしないであんな事を言うんですから!」
提督「大淀さんありがとうございます。俺はそう思ってる人間が一人でもいるだけで嬉しいですし十分過ぎます」
でも、西提督は俺からしたら好感が持てる
だって彼は俺の事を悪魔の息子と言っている
彼の中では俺はきっと酷い奴なのだろう
そんな俺から艦娘達を助けようとしている
クソな提督ばかりじゃないって知れて嬉しくて思える
大淀「提督・・・・・」
だからこそ・・・・
俺は西提督に勝たなければいけない
勝って彼に認めてもらう
提督「向こうはなにかこちらの事を聞いてきましたか?」
大淀「いえ、聞いてきませんでしたが」
こっちを舐めて聞かなくても勝てると思ってるのか?
それとも正々堂々と戦う為にあえて聞かないのか
いや、聞く限りじゃ艦娘達を大切にしている人だ
舐めてかかったりして艦娘達に怪我なんてさせる事を良しとはしないだろう
なら、あえて聞かなかった
その上で勝とうというわけか
提督「西提督・・・会ってみたいぜ」
でも、これは所詮俺の予想に過ぎない
それでもそういう奴がいるかも知れない
そう思えるだけでも俺は前を向いて歩ける
まだ、終わってないって
大淀「提督は西提督の事を聞きに来たんですよね?本当はいけませんが、少しなら」
提督「いえ、必要ありません」
西提督がそうするなら俺も正々堂々っていう戦いをしてみたくなった
編成は6隻いや、6人だったよな
いいぜ!やってやんよ!
大淀「え?じゃあなんで電話なんか」
提督「大淀さんの声が聴きたかったからですよ」
大淀「へ?な、何を言ってるんですか!冗談はー」
提督「冗談じゃありませんよ。今度またゆっくり話しましょう。それでは」ガチャリ
大淀「ちょっと!提督ー」
電話を切った
提督「うちの鎮守府の全力見せてやる!」
まるゆ「隊長お待たせしました!」黒スーツにサングラス装備
提督「・・・・・・・・」
まるゆ「隊長をお守りします!」
提督「あ、う、うん、お願いします」
まるゆって形から入るタイプなんだな
その日ずっとまるゆはこの姿で離れなかったという
1週間なんてあっという間だ
次の日から次のステップへ進もう
次の日
ー執務室ー
まるゆ「・・・・・・」電話番中
提督「今日も引き続き如月、電は不知火に基本的な動き方を教えてもらってくれ」
如月「はい!今日も司令官の為に頑張ります!」
電「はいなのです!早く海に行くのです!」
提督「無理はしないようにな。不知火頼む」
不知火「はい、ですが・・」
提督「ん?どうしたんだ?」
不知火「その・・・・」チラッ
如月達を見ている?二人の前では言えない事か
提督「如月、電は工廠で夕張さんに一応艤装を見てもらって来てくれ。間違っても明石さんに頼むなよ?ギリギリらしいからな」
如月「朝早くにメンテナンスは終わりましたけど、またするのですか?」
電「早く海へ行くのです!もっと強くなるのです!」
提督「一応だよ一応、電も行ってきてくれよ爆発はもう嫌だろ?」
電「また爆発するのですか!」
提督「あり得るぞ?」
電「い、嫌なのです!もうあんな事にはなりたくないのです!夕張の所に行くのです!」ダッ
如月「あ、電待って。それでは司令官・・・」
提督「ん?どうした?」
なにかモジモジしてる?
如月「不知火と変な事しちゃダメよ?」
不知火「っ!」
提督「するわけないだろ?早よ行け!」
不知火「これは・・・・複雑ですね」
如月「はい、失礼します」
提督「不知火これでいいかな?」
不知火「・・すみません」
提督「いや、いいんだ。それで何か不満があるのか?なら遠慮なく言ってくれ」
こんな素人提督に不満を持たないなんて普通はありえない
何を言われても受け入れつもりだ
何も知らない彼奴らと違って不知火は理解してくれている存在だ
一語一句聞き逃さない
不知火「いえ、そういうわけではないのですが、昨日の練習なんですけど・・」
提督「二人はまだちゃんとした実戦経験がないんだ。1週間で覚えさせるのは難しいとは分かっているんだけど、基本動作くらいは出来ないと勝てない。無理は承知でどうにか1週間でー」
不知火「いえ、違うんですよ提督」
提督「違う?そうか、俺が着いて練習を見てやりたいのは山々なんだけどー」
不知火「それも違います。提督が他の事で忙しいのはみんな分かっていますから」
提督「じゃあ、なんだ?」
不知火「最初に提督が言った事の逆なんですよ」
提督「逆?」
不知火「二人とも初めてとは思えない動きをしまして、正直私ではどうにもなりません」
提督「まじか・・・・」
不知火「はい、特に如月なんかは、駆逐艦の域を超えています。基本的な動きなどは少しぎこちなくとも、それを充分過ぎるほど補う火力とスピード本当に駆逐艦?と疑いたくなります」
提督「俺はまだ、駆逐艦しか知らないけど、今の如月はどれなら納得出来る?」
不知火「軽巡・・いえ、重巡と互角かもしれません」
不知火「提督本当に如月は戦闘経験がないんですか?」
提督「一度だけ遠征の時に戦っただけだ。それ以外はない」
不知火「何故でしょうか・・謎です」
提督「う〜ん・・電の方はどうなんだ?」
不知火「電の方は動きの方はかなり慣れている感じですね。実戦を結構やっている動きです。ですが、基本能力は駆逐艦の平均より下ですね。特に射撃能力が酷いです」
提督「電に関しては前は孤児院にいたって事しか知らないんだ」
不知火「孤児院ですか・・・では、その前に何処かの鎮守府にいたのかもしれませんね」
提督「その可能性はあるかもしれない」
不知火「電に聞いてみましょうか?如月も自分の強さに関して何か知っているかもしれませんし」
提督「いや、それはやめてくれ」
不知火「何故か聞いてもいいでしょうか?」
提督「向こうから言ってこないからだよ。それは知られたくない事なのか、それとも自分でも分からないからなのかそれともその両方でもない何かなのか、どれにせよ。向こうから言ってくるのを待つよ。絶対に知らなければいけないってわけじゃないしね」
不知火「提督らしいですね。なら私もそうします」
提督「引き続き頼めるかな?」
不知火「ですが、私には力不足です」
提督「そうかな?俺は不知火しかいないと思うけど」
不知火「そんなお世辞を言われても・・」
提督「如月、電の能力を一日で把握するのは凄いことだ。どこが良くて悪いかも言える。それだけの観察能力があるんだ誇っていい」
不知火「提督・・・・」
提督「二人を見てやって欲しい勿論不知火も練習をしながらだから完璧にしろとは言わない。でも、無理にとは言わない。無理ならまた別の案を考えるから」
不知火「いえ、その必要はありません提督」
提督「不知火やってくれるのか?無理にとは・・」
不知火「いえ、やらせてください!この不知火!必ず提督の期待に応えてみせます!此処まで言っていただいたのに断るなんて私のプライドが許しません提督命令を」
提督「分かった不知火引き続き頼む。何かあったらすぐに知らせるように」
不知火「了解です!では、言ってきます!」ダッ
提督「ふぅ・・・・」
二人の能力についても知りたいが、こればかりは聞くわけにはいかない
如月は初めて会った時は既に息がなかった。あの時ドロップしてすぐに捨てられたと言っていたし
艦娘には見えない数値(レベルとも呼ばれる)で練度というのがあり、それは練習や演習それに実戦を重ねて溜まっていく数値で、これが多ければ多い程強くなるわけだ
ドロップ艦は例外なく数値は1の筈だ
低い値は上がりやすくはなっているらしいが、ただ一戦をしただけでそんなに上がるものなのか?
如月が嘘をついてるとは思えない。仮に嘘をついたとして何も得する事はない
そして、電は孤児院の前に何処かにいたという可能性についてだが
聞いた動きからして数値は高いはずだ
しかし、何故孤児院に行く事になったのか
多分それを知ってるのは叢雲だろう
叢雲は電を戦わせる事を嫌がった
それは電について何かを知っているからだ
もう、叢雲に聞くことは出来ない
なら、やはり孤児院か
これも無理な話しだ
孤児院からは完全に敵対されてしまったからだ
何度か鎮守府に孤児院の子がやってきては同じ事を繰り返し叫んでいた
電を返せ、叢雲姉ちゃんを返せ
叢雲は此処にはいないと話し
電が此処に来たのは彼女自身の判断だという事も言ったが聞く耳を持ってくれなかった
電、本人からも言ってもらったが、信用してもらえなかった
もう、俺があの父の息子だという事は孤児院にも知れてしまった
信用されないのも当たり前だ
しかし、ある時から孤児院の子達は来なくなった
何かをする準備をしてるのか、それとも諦めてくれたのかは分からない
でも、俺から会いに行ったら無事では済まないだろう
とにかくこの話しは一旦置いておこう
二人が話してくれる日まで
だが、孤児院や町での鎮守府に対して敵対している状態はどうにかしなければ
少なからず影響を受けている
俺も何度か石をぶつけられた
俺だけなら我慢出来る。前より今の方が自分を理解してくれる存在がいるだけマシになっているからなんともない
前より良くなっているのだから
たが、もし
これが、如月達にまで及んだらと思うと・・
俺は・・・・二度と彼等との和解は出来なくなるだろうな
それは、この場所に鎮守府のある意味をなくしてしまう。それだけはなんとしても回避しなければ
これは近いうちにどうにかしないとな
まぁ、今は演習だ
この演習の結果が良い方向へ進む事を祈りたい
提督「うーーーんしょ!」背伸び
まるゆ「ふわぁ〜」あくび
提督「よし、こっちも始めますか。まるゆ電話番はもういいぞ」
まるゆ「やっとですか!」
提督「悪いなずっと待たせて。さぁ行こうか」
まるゆ「はい!」
如月達が頑張ってんだ。俺達もそろそろ動き出しますか
まるゆを連れて浜へと向かった
目的はまるゆの特訓の為に
時間は少し戻り昨日の夜
ー執務室ー
提督「明日はどうするか・・・」
する事は決まっているのだが、何をすればいいのか分からない
まるゆの特訓だ
潜水艦は駆逐艦と違い水上を走る訓練も必要なければ、砲撃訓練も必要ない
何故なら潜水艦は水上を走らないし主砲もない・・・たぶん
何をさせればいいんだ?
まるゆに聞いたが、まるゆもよく分かっていなかった
魚雷の扱いもよく分かっていない
艦娘は生まれた時から自分の艤装は使用法を知っている
赤ちゃんが産まれた時に最初から備わっている眠ると同じようなものだ
しかし、まるゆには艤装がない
いや、あるにはあるが、魚雷を持っていない
だから、使い方も分からない
提督「時間がない・・・」
あと、準備期間は明日を入れて5日
前の日はみんな休ませてやりたいから
後4日までにどうにかしなければ
焦りが混乱を生む
頭の中でまるゆがグルグルと回る
まるゆだらけだ
これは・・ダメなパターンだ
諦めたわけじゃない
今無理に考えてもいい案は出ない
休憩だ
最近ハマっているのは
提督「誰もいないよな?」キョロキョロ
執務室は俺以外誰もいない
この時間だ。みんな寝ている
俺の勘では今日は如月も来ないだろう
机から袋を取り出す
提督「ふふふ、こいつは最高に美味しい」ココアパウダー
こいつをお湯に溶かして飲む
それだけで1日の疲れがなくなるように感じる
こいつが中々いい値段(462円)するからみんなにはばれないようにしたい
このくらいの贅沢はいいだろう
執務室に置いてあるポットでお湯を沸かして入れる
本当なら牛乳を使いたいが、そうなると食堂まで行かないといけない
何度か深夜に食堂へ行った事があったのだが
必ず間宮さんが現れる
そして、牛乳を少し温めるだけでも手伝おうとしてくる
いついかなる時も必ず間宮さんは食堂へ行くと現れる
そこからは、ココアを飲み終えるまで間宮さんとお話しをする
一見すれば何が嫌なんだって思うかもしれないが、嫌ではない
寧ろ話し相手になってくれたりするのは嬉しい
でも、深夜にわざわざ起きてもらうのも悪い
一度監視カメラでもあるのかと調べたがそんなのはなかった
もう、間宮さんには標準装備で何かしらのセンサーが付いているんだと自分に言い聞かせた
人は不可解な物に恐怖を感じてしまう
幽霊が怖いと思うのもそれがあるからだ
だから、なるべく深夜に間宮さんのセンサーに触れないようにしているのだ
その為にポットを買った
だが、一番の理由は
偶には一人になりたい時があるという事だ
間宮さんは男性に慣れていないにも関わらず俺に積極的に関わろうとする
それは、間宮さんなりの努力であり応援する事だ
それを一人になりたいからと言って拒むのはおかしいし俺も嫌だ
だから、この時間は食堂は使えない
提督「まぁ、お湯でも充分に美味い」
ココアの甘さが五臓六腑に染み渡る
落ち着いて来た
提督「誰か相談出来る人がいればな〜」
ふと、つぶやいた言葉が今のリラックスした頭になにか閃き的な衝撃が走る
そう、それは電に殴られた時と同じくらいの
提督「閃いた!」なのです!
そうだ!相談だ!なにも一人で考える事はないんだ
提督「大淀さんならきっと」ピッ
なにも考えず電話をした
提督「あ、大淀さん実は相談したい事が」
大淀「・・・・・・・・ちっ」
今舌打ちされたような
提督「大淀さん?」
大淀「あぁ?今何時だと思ってんだ?」
提督「へ?」
結果
提督「はい、すみません・・はい・・・失礼します」ピッ
怒られた
深夜にいきなり電話されて大淀さんは怒っていた
いつもと口調も違い・・・それは優しいお姉さんではなく
怖い姉御だった
正直ちびりそうになった
提督「大淀さんって寝起き悪かったんだ・・・」
新たな知りたくもない一面を知れて俺はこれからどう接すればいいのだろうか
提督「今度謝罪の電話しないと・・いや、今するか・・でも・・悪いかな?でも、時間を置くのは・・こうなれば!やけだ!」
その頃大淀さん
大淀「・・・・・やっちゃった」
大淀「どうしても寝起きだけは駄目なのに・・はぁ、寄りによって提督だなんて・・謝らないと」
大淀「でも、今するのは・・あ〜でも、時間を置くのは良くないし・・明日にする?いや、それでも遅いし・・こうなれば!」
提督、大淀「「どうにでもなれ!」」ピッ
提督「電話中だと!」
大淀「電話中・・・」
その後数回に渡る電話掛け合い合戦が続いた
提督「やっと!」
大淀「繋がった!」
お互い謝りました
提督「はい、では、お休みなさい」ピッ
提督「あ、相談するの忘れた」
世間話をしただけだった
提督「もう掛けられないし・・」
まだ、日が昇るのには時間がある
せめて、まるゆに少しでも教えられる事があれば
提督「他に頼れる人は・・・」
駆逐艦組みはまず無理だろうし
明石さんなら・・・駄目だ。工廠から不気味な笑い声がする。怖くて近づけない
夕張さんは・・・うん、無理だろうね
間宮さんは戦いに関しては専門外だろう
他は・・・・
提督「元帥か・・・・」
論外、禿げろ
提督「他は・・・望月と三日月だけど運送屋が知るわけないか」
携帯ないし
提督「俺って・・人脈狭いな・・」
分かっていた事ではあるが、本当に友達が一人もいないって事を実感させられる
提督「・・・・・・・」
いや、一人だけ友と呼べる奴がいたな
元気にしているだろうか
提督「机の中になにかなかったかな・・」
とりあえず困ったら机をあさる
なにか、四次元的な空間で未来の道具なんかが出てくる・・筈もなく
ましてや青い狸型ロボットのクソ狸も出てくるわけもなく
入れた物しか出てきません
中はごちゃごちゃ状態でとてもじゃないが他人には見せられない
提督「お、なにか書類があったぞ」
それに書かれていたのは
提督「提督相談窓口か」
不知火が元いた東鎮守府が運営している全国の悩める提督を艦娘達が相談に乗るサービス
これなら・・もしかするかもしれない
提督「俺も提督だし・・掛けてもいいよな?」
書類に軽く目を通して気をつける事を確認する
この窓口は悩める提督の為にある
遊び半分で掛けたり性的目的で掛けたり罵倒目的に掛けたりする事を禁ずる
もし、そういった事があった場合
憲兵が遊びに来るという事だ
時間はいつでもオーケーらしい
提督「よし、掛けるぞ」
番号を押し相手が出るのを待つ
ワンコールも鳴らないうちに出た
???「もしもし、こちら提督相談窓口です」
提督「あれ?」
???「どうかしましたか?」
男性の声?
確か艦娘が対応するんだよね?
あれ?まさかの
提督「随分と男性っぽいお声ですね」
???「いえ、僕はこの東鎮守府の提督をやらせてもらっています。東提督ですよ」
提督「東提督ですか」
東提督の事は不知火から聞いたり、資材を運ばせたり、仕事を代わりにやったりしたりで知ってはいるけど、こうして話すのは初めてだ
あの時は大淀さんを介していたので話したことはなかった
東提督「夜は対応している艦娘が昼間より少ないので、こうして偶に手伝っていたりするんですよ。艦娘に代わりましょうか?」
確か不知火から聞いた情報では40代後半のそれと言った特徴もなく平凡な提督らしい
基本腰が低いらしいけど
話してる感じではしっかりとした人というのがある
ただ、元帥に脅されて監査の権利を譲ってしまったと言われれば納得する
声がまさに弱々しいような気がする
それはまさに、万年窓際族のサラリーマンのような
でも、その奥に強さを感じる・・ような気がするかもしれないかもしれない
だからこそ聞きたい事があった
これは俺個人の事で艦娘にも言えない
40代後半なら・・
提督「あの、東提督さんで良いので聞いてもらえませんか?」
東提督「ええ、僕で良かったら聞きますよ」
提督「実は・・俺最近よく艦娘達から後頭部が薄いとよく言われまして・・ちょっと人より髪の毛が細いだけなのに・・最近は頻度は減りましたけど、偶に本気で心配されてそれが結構心に響きまして」
東提督「それは・・精神的にかなり来ますね・・僕も最近後頭部が薄くなってきていまして・・うちの艦娘達は良い子達なので口には出して言いませんが・・分かるんですよね視線で・・」
提督「まだ、口に出さないだけ良いじゃないですか・・うちのは悪意無しで言ってきますからそれが逆に苦しくて・・」
東提督「年齢を聞いても?」
提督「18です」
東提督「18?・・・例の鎮守府の提督ですか?」
提督「っ!」
あ、しまった。ばれてしまったら相談なんてしてもらえなくなる!
提督「え、い、いや、俺は・・」
東提督「安心してください。僕は噂は信じない事にしてますから」
提督「え・・・・」
東提督「僕はね、書類仕事ぐらいしか出来ないけど、一つだけ得意な事があるんだ」
東提督「それはねその人の字を見れば大体その人の人となりが分かるんだよ」
東提督「君があの人の息子だとしても、君があの人と同じような人だとは思わない、寧ろ逆にそうだからこそならないように一層思う筈だ。君みたいな人はね」
提督「東提督さん・・・・」
東提督「仕事を手伝ってもらってありがとう助かりました」
提督「ですが、あれは・・」
東提督「元は僕の所為でしたから、お互いこれで痛み分けという事しませんか?と言っても君は元帥にかなりボロボロにやられたようだけどね」
提督「気にしてませんよ・・もう」
東提督「電話口ですが、すみませんでした。不知火に言われました。仕事を途中で放棄するなんて見損ないましたと・・・・」
東提督「僕はその言葉がかなり心にきましてね・・3日も寝込みましたよ。でも、自分のした過ちに気付けました。そして誓いました。二度と途中で放棄しないと」
不知火の言っていた事と少し違うような感じはしていたけど、それは心境の変化によるものだったのか
提督「・・・・・・・」
東提督「不知火の字も見ました。あんな生き生きとした字は僕は初めて見ました。不知火は君の事を心から信頼しているようだ。本当にありがとう」
東提督「あと、もう一人の字が個性的な子も君の役に立とうと必死だってのが伝わってきます」
個性的な字・・まるゆの事か
東提督「僕は君の力に慣れたらと思っている。何時でも掛けて来てください」
東提督の電話番号を手に入れた
提督「東提督さん・・こちらこそありがとうございます。これからよろしくお願いします」
東提督「はい、よろしくお願いします。さて、君の相談事なんだけど僕の愛用の育毛剤があるから送るよ」
提督「え?良いんですか?その、お金が・・」
東提督「気にしなくていいですよ。40のおっさんがカッコつけたいだけですから、受け取ってやってください僕からのささやかな贈り物です」
贈り物が育毛剤という以外はカッコ良い!
提督「はい!いただきます!」
東提督「では、また後日今度は東鎮守府へいらしてください。歓迎しますよ」
提督「はい、是非!」
なんて良い人なんだ東提督は噂に流されず、勝手に決めつけない
これこそが上司であるべき人間なんだ
上に立つ人なんだ
この人が元帥だったらと思ってしまう
だけど、やってはいけないのだろうな
彼が元帥になれば、今の形は崩れ落ちて海軍そのものが無くなってしまう
悔しいけど、元帥のような冷血な奴しか今の軍を支える事は出来ないだろう
だけど、俺は諦めない
いつか、この形を跡形もなく壊して新しい形を見つける
だから、今は俺の戯言だ
戯言が本物になるまでは
提督「・・・・・・・」
東提督「演習頑張ってください応援してますから」
提督「はい!」
絶対に俺は負けない
諦めない
信じてくれる人がいる限り
良い感じで電話を切ろうとしたが
東提督さんの演習という言葉に本来の目的を思い出した
そうだ、演習に勝つために電話したんだよ俺は
提督「あ、東提督さん電話を切らないでください」
東提督「ん?まだ何かあるのですか?」
提督「本題です」
東提督「先ほどのが本題ではなかったのですか?」
提督「・・・・・・・」
提督「二つ目の本題です。こちらも急を要するのです」
東提督「なんでしょうか?先程の相談と同じくらい急を要する事ですから、きっと大事ですね」
提督「えぇ、それはもう大事です」
提督「実はうちには潜水艦が一人いるんですが、潜水艦としての動きが分からないようで」
東提督「ん?言っている意味が?分からないとは?潜水艦として生まれてきたなら分からない事はないと思いますが?」
提督「恥ずかしながら潜水をして溺れるレベルで魚雷はまだ一発も撃てずにいます」
東提督「それは本当に潜水艦なのかい?君の部下を疑うわけではないけど偽物とかでは?」
提督「艤装はちゃんとありますし、入渠も出来ます。艦娘であるのは確かなんですよ」
東提督「その子の名前は?」
提督「まるゆです」
東提督「もう一度言ってもらって良いですか?」
提督「まるゆです」
東提督「まるゆって・・陸軍が開発した。あのまるゆですか?」
提督「そうですね多分それで合ってます」
東提督「驚いた・・まだ、残っていたとは・・」
提督「残っていた?その言い方じゃまるで・・」
東提督「気分を悪くするかもしれないけどいいかな?」
提督「お願いします・・」
東提督「まるゆはね、あまりにも潜水艦として使えず。それにすぐに轟沈してしまう事から外れ艦娘と呼ばれていたんですよ」
提督「・・・・・・・」
東提督「そして、数年前に正確な時期は分かりませんが、そのくらいからまるゆはドロップでも、工廠でも、全く出なくなってしまったんです。そして一年前に絶滅艦娘に認定されている」
提督「絶滅艦娘って・・・」
東提督「恐らくまるゆは君の所にいる一人だけです。僕としては部分解体をして普通の生活をさせてあげるのが良いと思います」
提督「・・・・・・」
東提督「言わない方が良かったですね」
提督「いえ、まるゆの事が少し分かったので、ありがとうございます。ですが、まるゆは一緒に戦うと自分で決めて言いました。だから、部分解体もしません」
東提督「辛い事になるかもしれないですよ?」
提督「大丈夫です。艦娘達だけに戦わせたりしませんから。艦娘達が海を他の人達を守るなら俺は艦娘達を守る。そう決めていますから」
東提督「君は・・まだ、若いね。厳しい事を言うようだけど、そんな考えを持っていると失った時きっと君は」
提督「立ち上がれないでしょうね・・だけど、失う事を前提に考えてなんておかしいと思いませんか?」
東提督「最悪の場合も想定する。それが軍人であり上に立つ者のする事です。提督さん君はいつまで逃げ続けるんですか?」
提督「・・・・・・逃げるか」
逃げてるのか?
東提督「意地悪が過ぎたね。今言ったことは心の隅にでも置いておいてください」
提督「はい・・・」
東提督「君の鎮守府の事だ君が決めれば良い。僕も微力ながら手伝いますから」
提督「東提督の所に潜水艦はいますか?話しをさせて欲しいんです」
東提督「分かりました。それで君の抱えてる問題がどうにかなるなら代わりましょう」
提督「はい、お願いします」
東提督「少し待っててください」
提督「はい」
受話器から音楽が流れる
東提督の言うことは正しい
俺はそれでも彼女のまるゆの意思を尊重したい
轟沈・・・考えないようにはしていたけど、艦娘だって死ぬんだ
その事実は知っておかなければいけない
戦う覚悟として
提督「轟沈なんて・・させねえよ」
もし、今回演習までにまるゆが何も出来ないと判断したら・・まるゆには見学してもらおう
だけど、それまでは俺も頑張るから
逃げるのはここまでだ
やがて、音楽が途中で止まり声がする
???「もしもし、潜水艦の伊19なのイクと呼んで欲しいの」
伊19「東提督から話しは聞かせてもらったの。正直部分解体した方がまるゆの為になると思うな〜」
提督「えっと、イクさんで良いですかね?」
伊19「イクで良いの!」
提督「じゃあ、イク、そういう事を聞いてんじゃないんだ。別の方に代わってもらった方が良いかな?」
伊19「意思は固いと・・・」
提督「じゃなきゃ電話はしませんよ。まるゆも君達と同じ何か意味があって生まれてきたと思うんだ。意味のない・・・外れ艦娘なんて者はいない!俺はそう思っている」
伊19「気に入ったの!悪魔の息子と聞いたから生半可な覚悟かと思ったけど違うみたいなの。なんでも聞くの!」
提督「では、教えてください。イクさんの練習方法を」
伊19「今はこう言う相談事とかしかしてないから練習とかはしてないけど、前の鎮守府では練習らしい練習はしてなかったの」
提督「え?じゃあ、どうやって」
伊19「イクは生まれた時から艤装の使い方も泳ぎ方も分かっていたの。でも、そこの提督がオリョクルばかりさせるから、それで無駄に練度とストレスが上がったの」
でた、オリョクル
よく聞くがあまり分かってはいない
オリョクルってなんだ?
提督「あの、オリョクルってなんですか?」
伊19「知らないなら知らないほうがいいの・・」
提督「あ、そうですか」
どうやら触れてはいけない事だったようだ
伊19「イクのやり方でなら簡単に説明出来るけど?聞く?」
提督「頼みます」
伊19「泳ぎは・・とにかく落ち着く事なの!潜水艦は基本長く海に潜れるから焦らない限りは結構長く潜れるの」
提督「なるほど、確かに焦ったりすると長くは続かないですね」
落ち着く事が必要か
伊19「攻撃方法は補給をしっかりして魚雷出したいな〜って思ったら出て、その魚雷の推進力を利用して相手に近づいて投げつける!」
提督「遠くから普通に撃つのはダメなんですか?」
伊19「弱い奴なら当たるけど、強い奴は大抵避けられるの。近くまで行ってギリギリまで軌道を修正しつつ相手に投げつる方が当たるの」
提督「巻き込まれたりはしないんですか?」
伊19「自分の魚雷の範囲は把握してるから大丈夫なの」
提督「うむ・・・」
中々4日ではどうにかなるとも思えない
伊19「イク的には、まず、潜水が出来ないと論外なの。でも、魚雷が出せないともっと論外なの」
提督「そうですね・・・」
伊19「でも、やるんでしょ?やってやるの〜って感じなの?」
提督「はい、やれるだけの事はやります」
伊19「応援するの!また何かあったら遠慮なく掛けてくるの」
提督「ありがとうイク」
伊19「まるゆをお願いするのあの子もイク達の潜水艦仲間だから」
提督「必ず守ります」
そう言って俺は電話を切った
伊19「守る・・か」
東提督「・・・・・・・・」
電話を切ってかなり時間が経っている事に気付く
ココアはもう冷たくなっていた
提督「冷たいココアもまた美味い」
もうそろそろ寝るか
提督「ふぁ〜、明日からまた頑張るか」
と言っても0時は過ぎてるので今日になるのか
まだ、不安は残るけど、大まかにやる事は分かった
まだ、起床時間まで少しある
最近まともに寝てない気がするが・・
今は寝るのも惜しい
期待されてる、信じて貰えてる、この俺がだ
それが嬉しい
だけど、今だけは少しだけ寝させて欲しい
少し寝たら、また頑張れるから
まだ、ここはちゃんとした鎮守府とは呼べない
それでも、一つ言える事がある
ここは、もう捨てられた場所じゃない
大切な俺の居場所だと
初めて守りたいと思った場所
一人の青年はそう思いつつ眠りについたのだった
【捨てられた鎮守府と捨てられた提督】
終
【おんぼろ鎮守府と捨てられた提督】に続く
コメント残してね!そしてこれからよろしく!
艦これはやってはいますが、キャラの口調などおかしい点などがあると思いますがよろしくお願いしますね
思ったよりかなり見てくれる方が多く焦ってたりします(PV100いけたらいいな〜って感じでした)
こんな思いつきとテイションに任せたSSを評価、コメント、応援、オススメしてくれるなんて・・・ありがとうございます
捨てられた鎮守府と捨てられた提督はこれで終わりになります。ここまで書けたのは皆さんのお陰です。ありがとうございます
あ、でも、続編は書きますから、その時はまたよろしくお願いします
本当にここまで、ありがとうございました!
また、次回のおんぼろ鎮守府と捨てられた提督でお会いしましょう!
あ、コメントなどは随時受け付けていますのでお願いしますね
普通に面白い。
続きが楽しみです
アテナさんコメントありがとうございます!
更新は遅めだと思いますが頑張ります!
良いですね!
続きを待ってます!
シリアスとギャグのバランスがすごくいいですね
更新お待ちしております
な ん だ こ の s s
笑 い 過 ぎ て 腹 が
Abcdefgさんコメントありがとうございます!
そして、名無しの方もありがとうございます!
早目に更新できるように頑張るのでこれからもよろしくお願いします!
これから艦娘が増えていくかもしれません。その時口調などおかしい点もあると思いますが、寛容な精神で見てくれると嬉しいです
読んでみたらドツボに嵌ってしまった、こういう感じのいいなあ
更新楽しみにしております
そぬよみのさん!
もっと嵌ってもいいんですよ〜
更新早く出来るように頑張りますね!
ウツボで笑ってしまったww 応援してます。
ウツボってかわいいよね〜
面白い!
自分の好きそうな感じの話( ^▽^)
そう言ってもらえると嬉しいです!
伝家の宝刀自腹がツボやった。期待してます。
提督!良い奴なのに・・・頑張れぇ~!
面白いです!期待しています、ぽて神さんも更新頑張って下さい!
自腹こそ至高!
期待通り出来るように頑張りますね!
万屋頼さん
コメントありがとうございます!
万屋頼さんも更新頑張ってください
更新の頻度と量が凄いのに面白さのクオリティーが全く落ちないですね。
楽しく読ませていただいてます。電ちゃん可愛いw
楽しく読ませてもらってます!頑張ってください!
アテナさん!
コメントまたまたありがとうございます!
これもアテナさんや皆さんがコメントして頂けるおかげです。これからもよろしくお願いしますね
うみひら(さのや)さん!
はい!ありがとうございます!更新は不定期ですけど頑張ります!
面白い!
更新がんばれ!
戦艦れきゅーさん!
面白いと言ってもらえて嬉しいです!これからも頑張るのでよろしくお願いします!
続きが楽しみすぎて毎日更新楽しみにしてます(  ̄ー ̄)ノ
頑張ってください、ヌイヌイかわいいヌイ
面白いです!更新楽しみにしてます!密かに響の登場を待ってます。
コメントありがとうございます!
毎日の更新は無理ですけど、頑張りますね!
当分響を出す予定はまだ、ありませんけど考えてみますね。期待はしないでくださいよ?
面白いれす
よかったれす
これからも頑張ってください...
9-@-9さん!
コメントありがとうございます!
面白いと言ってもらい嬉しいです!
これからも頑張りますぜ!
いい人だな(青年)
親父さんは何やってんの 更新頑張って
密かにゆうしぐの登場に期待したいかもー
早く続き書いてぇぇぇぇ
ここからどうなるのか...期待して待ってます。 ファイトー
matuさん!
ゆうしぐってのは夕立と時雨の事ですよね?
まだ、出す予定はないですけど期待せず待っててください
不定期更新なので・・続きを楽しみにしてもらってますが、もう少しかかりそうです・・
ファイト!俺!
更新はあまり気にせずゆっくりどうぞ~
こちらとしてはこの作品を読めるだけで嬉しいので
30番さん(すみません漢字が分かりませんでした)
はい!そう言って貰えると助かりますけど大丈夫です!
焦っても書けないのは分かってるのでマイペースでいきます!
元帥がクズすぎてわろたww
アテナさん!
少しクズ過ぎたかな?と思いつつGOしゃいました!
後悔はしてません!
(´;ω;`)ブワァ
感動
俺も感動
。・°°・(>_<)・°°・。
内容はとてもいいけど提督がきめーよ……
感情が制御出来てない危ない奴にしか見えん
まだ、若いですから・・・ね?そういう事にしてくれると助かります
クソ提督の時点で提督がフラグを立てたな
これからも頑張って
読んで行くと提督の純粋さに心を打たれます。元帥もただの屑野郎という訳ではないようですし。本当に読んでて面白いと思います。続きに期待します!夕張さんがいい感じですww
あと出来れば皐月を出してもらえないでしょうか
更新頑張って下さい!長文失礼しました。
夕張にまさぐられるとか御褒美だな!(  ̄ー ̄)
提督が俺と同い年…だと…?
matuさん!
フラグとはなんの事でしょう?知らない子ですね(棒)
39番さん!
よく読んでくれているのが分かるコメントありがとうございます!
これからもよろしくお願いします!
皐月については、まだ予定はないですけど・・期待はせずに待っててくださいね
40番さん!
自分もそう思ってますよ。まさぐられてぇ〜
うみひら(さのや)さん!
提督は18で立派なのに・・主は22でまだ、子供ですから・・・
まゆるはここで電話番という名の窓際に配置されて退場になってしまうのか・・・・
43番さん!
どうなるかはこれからを見てもらえれば分かります!
あと、あけましておめでとうございます!
今年もよろしく!
ポテ神さん!
はい!よろしくお願いします!
今年も貴方にとって良い年でありますように
他にも艦娘は増えていく感じ?
47番さん!
増やしていく予定ではありますが、空気になる艦娘が出てくる可能性もあるので、増やすのは慎重にちょっとずつにしていきたいと思っています
把握出来るかも心配ですしね・・
リクエストをくれている方もいるのですが、応えられるかも分かりません
お、俺にも育毛剤を,,,,まだ20なのに薄くなってきた気がするのでくださいな、東提督!
なぁ…叢雲は無事なんだよな!?
叢雲が無事じゃねぇなんて信じねぇからな!
無事と信じて次も待ってるからな!?泣
49番さん!
お、落ち着くんだ!ま、まだ、そんな禿げるような歳では・・・
ないと思っていた時期が私にもありました・・育毛剤送ります・・着払いでな!!
XLIV Lotusさん!
今はなんとも言えません・・・
叢雲のニーソっていいよね!
続編楽しみにしてます
matuさん!
期待せず待っててくださいね!
期待されるとプレッシャーで潰れますぜ
とても引き込まれる内容でした!
続きを期待してますよ!
とても面白いです!提督よ!駆逐艦の本気を見せてやれ!!
54番さん!
ありがとうございます!次回も頑張るのでよろしくお願いしますね
ストラップさん!
駆逐艦の人だぁ〜!
駆逐艦は可愛いだけじゃないんですよ!それを見せてあげますよ
全てはここから始まったのか…
春雨麻婆豆腐さん!
さて、本当に此処からだったのかな?
面白い。
俺もこんなssが書けたらなぁ。
銃士・十一式さん!
ありがとうございます!貴方のも少し見させてもらいましたが普通に面白かったですよ!参考にさせてもらいますね
元帥がクズすぎてウザイ 元帥変えて欲しい
61番さん!
上とはそう言うものですよ・・・変えて欲しくても・・無理なんです・・(遠い目
飽きずに第2章も見てくれると嬉しいです!
とても面白かったです!
読点を入れるともっと読みやすくなると思います
所々笑わしてもらいました!
あれ・・目から汗が・・
本村智裕さん!
ご指摘ありがとうございます!気をつけてみますね!
64番さん!
そら、良かったわー次の章もよろしゅうな〜
凄く...面白いです///
crazyさん!
う、嬉しいです///
一気読みしちゃう