2016-11-27 21:08:38 更新

概要

タイムパトロール隊に追われてしまうノビスケ達だが、途中でノビスケはタイムマシンから落ちてしまい知らない時代で彼女と出会ったのだ


前書き

気に入らないなら戻るボタンを押して忘れるんだ良いね?どうしても無理や!別れた彼女ばりに忘れられないって人は酒を飲め!ストロングゼロがおすすめ


【第二部】第七話 (北条家編)信用出来ない男


『お母さんね・・・・』


『いいのもう長くないから言わせて』


『貴女に黙っていたことがあるの・・実はね・・』


『そうだよね・・怒るよね・・』


『ごめんね・・見つける事が出来なくて・・でもね。貴方にもちゃんと父親はいるのよ・・あ、待って』


『これでよかったんですよね・でも最後に・・会いたかったな・・あの人に・・・』


ガチャ


『っ!・・・・・・意地悪な人です』


私は怒りに任せてその場を出て行ってしまった


次に母を見た時もう母は・・・最後を看取る事が出来なかった


何も恩返しが出来なかった・・なのになんでそんなに安らかなんですか?


お母さん


ー???ー


メイド「・・・嫌な事思い出したな・・あの時私は・・言っても仕方ないか・・」


ドラえもん「よう、起きたか?」


お嬢姉「よかった・・全く動かないんだもん」


メイド「ドラえもんさんここは?」


スネ樹「忘れたんですか?僕達捕まったんですよ」


まゆ「・・・・・・」


まみ「・・・・・・」


ドラえもん「何処か頭でも打ったか?俺達はタイムパトロール隊に捕まって今はこの部屋に閉じ込められている。外で俺達の処遇について話し合ってるんだろうよ」


メイド「そう言えばそうでしたね。あれ?ノビスケは?」


お嬢姉「それは・・・」


スネ樹「メイドさん・・ノビスケさんは」


まゆ「大丈夫・・ノビスケくんなら・・大丈夫」


まみ「そうです!」


メイド「どう言うことですか?」


ドラえもん「お前軽い記憶喪失にでもなったのか?頭を貸せ」


そう言ってドラえもんさんは私の頭を触ると叫ぶ


ドラえもん「ドラメモリーズ!アンロック!」


スネ樹「ネーミングセンス・・」


ドラえもん「スネ樹は黙ってろ!」


「うっさいぞ!静かにしろ!」


ドラえもん「あぁ?殺すぞ!政府の犬が!」


「ほざけ!四次元ポケットがないお前はただの狸だろうが!」


ドラえもん「てめぇ!後で覚えてろよ!」ビリッ


頭が少しビリっとした瞬間


メイド「いっ!」


お嬢姉「大丈夫?」


ドラえもん「あ、すまん少し強過ぎた」


私は思い出した


ー少し前ー


タイムマシンが法定速度を軽く超えて激走していた


タイムパトロール隊から逃げるにはこれしかないからだ


ノビスケ「速すぎるぞぉおおお!!」


メイド「絶対に手を離しちゃ駄目よ!」


ドラえもん「俺は!風になる!」


スネ樹「か、髪型が!乱れる!」


まゆ「お願いだから!スピード落として!」


まみ「飛ばされます!」


ノビスケ「おい!ドラえもん!」


ドラえもん「馬鹿野郎!捕まったらなにされるかわからないんだぞ!下手したら殺されるかもしれない!」


ノビスケ「っ!あれは未来の警察だろうが!」


ドラえもん「警察か・・違うな。確かにいろんな時代に行き未来や過去を変えようとする奴らを捕まえたりするが、それは自分達の都合のいい未来をつくるためだ。それを邪魔しようとする奴らは存在すら消される。現に俺はそう言う奴らを何人も見てきた。自らタイムパトロール隊に捕まえた奴を引き渡した事もあった。殺してやった方がまだマシだという事も知ってたにも関わらずだ」


ドラえもん(のび太達が見てる前で殺すことは出来なかった・・すまない引き渡した人達よ・・)


スネ樹「それと僕達が追われてるのって関係ないんじゃ・・」


ドラえもん「大有りだ!俺がいる、過去が変わった、つまりそう言うことだ!」


スネ樹「そんな・・・ドラえもんさん!もっと速く!」


ドラえもん「はいよ!」


ノビスケ「ちょっ!まだ速くなるのか!まみ、まゆ、絶対に離すなよ!」


まゆ「わかってる!」


まみ「落ちたくはないです!」


お嬢姉「・・・・・」ムスッ


メイド「お嬢姉ちゃん私に掴まっててね」


お嬢姉「は、はい・・」


スネ樹「いいな・・・」


ドラえもん「スネ樹ほら俺に掴まってろよ」


スネ樹「はい・・・・何処に?」


スネ樹(首輪でも掴んでるか)


ドラえもん「殺すぞ!身体にしろ!」


スネ樹(怒られた・・・)


ドラえもん「さらに速度をアップ!ついでにこれでもくらえ!」ポチ


タイムマシンの後ろから風船のようなものが出る。てか風船だね


それがタイムパトロール隊のタイムマシンに触れると爆発した


ドカーン


ノビスケ「やったか?」


ドラえもん「フラグ立てんな!」


しかし、足止めにもならず向こうはレーザーを撃ってくる


ドラえもん「避けるぞ!!」グイッ


タイムマシンが大きく揺れる


ノビスケ「うわっ!」


ドラえもん「当ててみろや!」


お嬢姉「自分だってフラグ立てないで!」


ノビスケ「ん!なんだ前からバスみたいな乗り物が!」


ドラえもん「あれは未来の旅行会社のタイムバスだ!観光ツアーかなにかだろう」


窓からいろんな人達の笑顔が見える楽しい旅行なのだろう


ドラえもん「ちっ!レーザーだ!避けるぞ!」


ノビスケ「っ!いま避けたらバスに!」


ドラえもん「ぐっ!・・構ってられるか!」


タイムマシンはギリギリレーザーを避ける


しかし、そのレーザーは容赦無くバスを貫いた


そして爆発した


さっきまであった笑顔はもうない


タイムパトロール隊はそれを無視してまだ追いかけてくる


ノビスケ「っ!」


お嬢姉「酷い・・・」


スネ樹「なんて奴らだ!」


ドラえもん「ふざけやがって!!」


まゆ「ごめん・・私達のせいで」


まみ「お姉ちゃん・・・」


ドラえもん「やらなきゃ俺達がやられてた・・仕方ない事だ」


ガシャン


その時タイムパトロール隊のタイムマシンが変形した


そしてでかい大砲のようなものが出てくる


ノビスケ「なんだあれは!」


ドラえもん「超広域レーザー砲だ!あんなの撃たれたら避ける事なんか不可能だ!」


スネ樹「そこまでして僕達の存在は邪魔なのかよ!」


お嬢姉「どうしようドラちゃん!」


ドラえもん「だが、あれを撃つには上からの許可が必要ですぐには撃てなー」


大砲からレーザーが発射される


ノビスケ「すぐに撃ってきたぞ!ドラえもんの嘘つきが!」


ドラえもん「くそっ!あいつら!」


ドラえもんはポケットに手を入れて赤い布?を出した


ノビスケ「なんだそれは!」


ドラえもん「ひらりマント!」ポイ


ノビスケ「捨てた!」


そのマントをビームの来る方へ投げつけもう一つ道具を出した


メイド「懐中電灯?」


ドラえもん「ビッグライト!」ピカッ


たちまちマントは大きくなり俺達を丁度隠すくらいになった


ノビスケ「こんなマントで姿を隠してももう意味はないよ!」


スネ樹「当たる!!」


ドラえもん「まぁ見てろ!」


そしてマントにビームが当たる


ビームは俺達の所へは来ず別の方向へ跳ね返っていた


スネ樹「あれ?当たらない・・す、凄い跳ね返してる!」


ノビスケ「これなら!無敵だ!」


ドラえもん「だったらいいが・・」


ビリビリ


マントからそんな音がした


ノビスケ「・・・破れてね?」


ドラえもん「デカくしただけではやはり耐久度までは変わらないか」


スネ樹「悠長な事言ってないで!どうにかしないと!完全に破れたら」


メイド「次は私達ですね。マントよりも速く消し飛ぶでしょうね。案外一瞬なら痛くないかも」


スネ樹「なに言ってんですか!どうにかしないと!」


まゆ「スネ樹・・諦める事も人生よ」


まみ「です」


お嬢姉「仕方ないです・・ね」


スネ樹「なんで皆もう覚悟してんですか!まだなにかあるでしょ!」


ノビスケ「いっそ飛び降りるか」


スネ樹「そ、それはちょっと・・」


ドラえもん「何処かの時代へ降りることも出来るが」


お嬢姉「それは駄目!あいつらは着いて来る!そしてその時代をめちゃくちゃにしちゃう。そんな奴らよ!」


ドラえもん「今の俺たちはそれほどの事をしたんだ。過去に関わり過ぎたんだ。多分奴らの狙いは俺かノビスケお前だ」


ノビスケ「俺?なんで?」


ドラえもん「お前と関わった奴らへの影響が凄すぎるんだ。正直俺もビックリするくらいな」


ノビスケ「そうかも・・な」


お嬢姉「・・・・・・」


スネ樹「もう破れるよ!」


メイド「此処までですか・・」


タイムマシン「タイム嵐接近中」


ノビスケ「なっ!」


ゴォオオオオオオ!!


タイム嵐は俺達とタイムパトロール隊を飲み込んでいった


タイム嵐ってそんなに発生するものなのか?


ノビスケ「何回!巻き込まれてんだよ!」


ドラえもん「おかしい!いくらなんでもそんなに機敏にタイム嵐に遭遇するなんて!」


スネ樹「でも、向こうのレーザーも止まったし結果オーライじゃないですか?」


ドラえもん「馬鹿野郎!向こうはタイム嵐対応機だがこちらは旧式だからないんだ!このまま吹っ飛ばされたら死ぬより恐ろしい事になるかもしれないんだぞ!一生タイム嵐とタイムホールをさまよったりな!」


スネ樹「そんな!」


メイド「このままじゃまた飛ばされます!」


ドラえもん「こうなれば・・タイムパトロール隊に降伏して助けてもらうしか・・」


ノビスケ「だが捕まれば・・」


ドラえもん「殺されはしない・・と言いたいが・・すまんわからない」


ノビスケ「狙いが俺なら・・・」


ドラえもん「最悪・・俺とお前を使って交渉する・・いいか?」


ノビスケ「あぁ、覚悟はしておく」


お嬢姉「そんなのさせません!」


ドラえもん「もう話し合う時間はない!降伏する!まゆもまみも苦しそうだ。これ以上はガキに耐えられない」ポチッ


タイムマシンからSOS信号がだされる


ノビスケ「降参だ!助けてくれ」


タイムパトロール隊「よし!大人しくしていろよ。今隊員が助けに行く」


ドラえもん「腐っても隊員だ。腕は確かだ」


まゆ「助かった・・の」


まみ「ふらふらです・・」


ノビスケ「もう少しだからな」


スネ樹「・・・・・・」


ガタン


その時大きくタイムマシンが揺れる


まゆ「っ!」ツルッ


スネ樹「っ!」ガシッ


落ちそうになったまゆをスネ樹が掴む


まゆ「ごめんなさい」


スネ樹「気にすんな!っ!」


だがこのままだとスネ樹も落ちる!


ノビスケ「うぉおおおお!!」ガシッ


スネ樹、まゆ「っ!」


ギリギリ掴んだ


ノビスケ「スネ樹!まゆを離すなよ!」


スネ樹「はい!」


お嬢姉「みんな!引き上げよう」


まみ「はいです!」


メイド「お任せを!」


お嬢姉「ドラちゃんも!」


ドラえもん「あれは!タイム嵐の大きな波が来るぞ!」


隊員「総員!衝撃に備えろ!!」


ゴォオオオオオオオオ!!


ノビスケ「まじかよ!!」


「「「うわぁあああああ!!」」」


俺達は吹っ飛ばされた


隊員「吹っ飛んだ人達を助けるんだ!なんとしても!」


???「逃がすなよ」


隊員「はっ!」


ーーーーーーーーーーーーー

ーーーーーーーーー

ーーーー


メイド「思い出しました!私達は吹っ飛ばされてそれで・・みんな無事だったんですね!よかった」


ドラえもん「あぁ、よかったよ」


お嬢姉「一人を除いてですけど」


メイド「ノビスケは!もしかして!」


スネ樹「・・・・・・」


まゆ「ごめん・・なさい」グスン


まみ「お兄ちゃん・・・」


メイド「そんな・・・・」


ドラえもん「誰か来るぞ」


扉が開いた


そこから一人の男が現れる


後ろからはぞろぞろと銃を持った隊員達が出て来る


小隊長「皆さん私はタイムパトロール隊でこの小隊の隊長をしている小隊長です。よろしく」


ドラえもん「その前に銃を向けるのをやめろ!小さい子もいるんだぞ!カスが!」


小隊長「これはこれは失礼。君達銃をしまってください。」


隊員「はっ!」スッ


小隊長「これでいいでしょうか?」


ドラえもん「この人数でなにするつもりだ?あぁ?俺が怖いのか?小隊長さんよ!」


小隊長「ふふ、わかりましたよ。おい、お前らは下がってろ」


隊員「はっ!」


小隊長「これーっ!」


ドラえもん「死さらせぇええ!」シュッ


小隊長「これで話を聞いてもらえますか?」ドゴッ


ドラえもん「がはっ!」


お嬢姉「ドラちゃん!」


小隊長「今のは向こうが悪いんですよ?四次元ポケットもないのに馬鹿ですか?時間も惜しいんで話しますね?いいですか?」


スネ樹「くっ!この!」


ドラえもん「やめ・・ておけ・・大人しく・・聞け」


スネ樹「ドラえもんさん・・わかりました」


小隊長「わかってもらって嬉しいですが・・・そこの女も殺気を消してもらえませんか?」


メイド「・・・・・・・」


小隊長「あれ?聞こえませんでしたか?」


メイド「ノビスケは!何処にやった!」


小隊長「のび?なんですか?」


メイド「ころー」


スネ樹「メイドさん抑えて!」ガシッ


メイド「離せ!ノビスケを何処にやった!返せ!ノビスケを返せ!」


小隊長「う〜ん・・ああ!君達の仲間で一人助けられなかった人ですね?あれは残念でしたよ。私達も頑張ったんですがね?なにぶん嵐が酷いものでね?まぁ君達が早く止まっていればよかったわけですし?自業自得でしー」


スパッ


小隊長「・・・おかしいですね?頬が少し切れました・・痛いですね」


メイド「何が自業自得だって!ふざけんな!」


小隊長「おやおやナイフですか?没収した筈なんですがね?何処から出したんですかね?ああ!女性だから調べなかった所ありましたね?すみませんね?うちの隊員達は紳士なんで・・でも」


小隊長「次はないぞ・・」ギロ


メイド「っ!」


まゆ「怖い目・・・」


小隊長「褒め言葉ですね!」


まみ「あ、頭がぱーなのですね!」


小隊長「ははは、面白いね!半殺しにしたくなるくらいね」ギロ


まみ「ひっ!」


ドラえもん「さっさと言えよ!用があるんだろ?」


小隊長「おっと!忘れてましたよ。ははは!あまりに皆さんがアホなのでね!でも一人まともなのがいますね?」


お嬢姉「・・・・・・・・」


小隊長「嫌われましたか?まぁいいや!それで話なのですがあなた達の処遇が決まりましたので伝えます。一回しか言いませんからね?」


小隊長「そこのガキ三人と女」


スネ樹「僕達でしょうか?」


まゆ「そうみたいよ」


まみ「むむ!」


メイド「・・・・・・」


小隊長「まぁ初犯だし?手続きとか面倒だから強制送還で許そう」


スネ樹「元の時代に返すと言うことですか?」


小隊長「そう言うことですよ。まぁ記憶は消しますけど」


まゆ「忘れるの?」


小隊長「はい!とりあえずそこのドラえもんだっけか?と出会った後から全てをね。覚えられてると困るんでね!」


まみ「でも、私達変な人達に追われてて」


小隊長「知りません」


メイド「一応警察みたいなものなのにそれでいいの?困ってんだからなんとかしないの?」


小隊長「一応って・・警察ですよ。一々数分単位で事件解決してたら私達は倒れますよ?あなた達の時代にもいるでしょ?無能かもしれないけど警察が」


スネ樹「僕達が死のうと知った事ではないって事ですか・・」


小隊長「はい!わかってもらえて嬉しいです!でも、ちゃんと元の時代までは安全に届けますからね!」


ドラえもん「おい!随分勝手な事言ってんな!あぁ?」


お嬢姉「変わらない!何も変わらない!」


小隊長「ん?」


お嬢姉「最低・・・」


小隊長「・・・・ふっ」


お嬢姉「なによ」


小隊長「次です。ドラえもんさん貴方は上からの指示を無視して時間移動をした、そして秘密道具を使った。貴方は処分届けを受けましたので私共の所持するプレス工場でプレスします。不満ですか?」


ドラえもん「上等だ!やれよ!」


小隊長「そして・・そこのガキ・・いや!重犯罪者!」


お嬢姉「・・・・・」


ドラえもん「おいこらぁああ!!殺すぞ!!」


スネ樹「重犯罪者?何言ってんだ!」


メイド「笑えませんね・・その笑顔キモいです」


まゆ「馬鹿よ!」


まみ「アホです!」


小隊長「あらあら!酷いなぁ〜でもね?実際お嬢姉さんのせいで未来結構変わっちゃってますよ?本来の未来をね?無視してね?我々の調べでこの先10万人の命がなかったことになってしまっているんですよ?それにその所為で不幸な子もいますしね」チラッ


メイド「なによ・・」


小隊長「いえ、なんでも」


ドラえもん「10万人・・・」


お嬢姉「・・・・・・」


小隊長「その中には未来で大発明をしたり有名人になる人もいてですね?それはもう大損害です。言えば10万人殺したのと同じなんですよ。そう言う事なんでお嬢姉さんは宇宙流しに決まりました」


ドラえもん「ふざけんな!!お嬢姉は!」


小隊長「私的使用で未来変えられたらこっちも困るんだよ!仕事増やしてんじゃねぇぞ!ポンコツ」


ドラえもん「だが!宇宙流しなんて!」


スネ樹「ドラえもんさん宇宙流しってなんですか?」


ドラえもん「それはなー」


小隊長「私が説明しますよ。宇宙に生身で放り投げます!それだけです!」


スネ樹「宇宙に生身でって・・」


メイド「身体が耐えられず内部爆発を起こして・・」


ドラえもん「くっ!頼む!俺なら好きにしていい!だから、お嬢姉だけは!」


小隊長「嫌です!」


ドラえもん「どうしてもか・・」


小隊長「はい!では、今から宇宙に行きましょう!皆で見ようぜ!おつまみも貰って来ますから」


ドラえもん「ふぅーーーー外道が・・・・ドラの力よ集結せよ」


メイド「そんな事させません!」


スネ樹「はい!」


まゆ「貴方が行きなさいよ!」


まみ「です!です!」


小隊長「お嬢姉さ〜ん?どうにかしてくださいよ?じゃないと貴方の為に死にますよ?こいつら」


お嬢姉「・・・・・・・」


小隊長「あれ?怖くて喋れない?それともこいつらの命より自分大事だったりする?」


スネ樹「お嬢姉さん!気にしないでください!」


メイド「絶対に守ります!」


お嬢姉「・・・・私は」


小隊長「ん?どうする?殺っちゃおうか?こいつら?」


お嬢姉「私は・・ここで死ぬわけにはいかない!でも・・私の命で助かるなら・・」


スネ樹「黙れ!!」


お嬢姉「っ!」


スネ樹「ここまで言ってんだぞ!何勝手に諦めてんだ!お前がなんと言おうと!僕は守る!ノビスケさんならこう言うんじゃないんですか?」


メイド「ノビスケにもう一度会えるまでは死なないよ。私も貴方も皆」


まゆ「死ぬ時は一緒よ」


まみ「でも死ぬ気はないです!」


お嬢姉「・・・・グスン」


小隊長「終わった?どうする?」


お嬢姉「生きます!私にはやらなきゃいけないことがあります!それまでは死ねません!」


小隊長「そうか・・・・残念ですよ・・ふふふ」


スネ樹「この人数に勝てるか!」


小隊長「ひとついいことを教えてあげますよ。タイムパトロール隊になる最低条件は素手でロボットを壊せる人間ですよ?ロボットが壊せるんですよ?人間なんて紙同然ですよ?それでも?」


お嬢姉「それでもです・・・」


小隊長「ふふふふ、面白いね!最高だよ〜ならお望み道理・・殺ってやるよ!!」ダッ


お嬢姉「っ!早い!」


スネ樹「お嬢姉さん!狙いは貴方です!」


メイド「させない!!」シュッ


ナイフを相手に投げるが


キンッ


小隊長「二度も同じ技くらうか!ほら返すよ!ナイフ」シュッ


メイド「っ!」サッ


ザクッ


メイド「うっ!避ける事を先読みされてた・・」バタッ


スネ樹「うぉおおおら!!」


小隊長「あらよっと!」ドゴッ


スネ樹「あが・・・・」バタッ


お嬢姉「っ!まゆ、まみ!逃げて!」


まゆ「こ、これ以上は行かせない!」


まみ「です!」


小隊長「どいてくださいよ。殺しますよ?」


まゆ「い、いやよ!」


まみ「で、です・・どきません!」


小隊長「なら死ね!!」


ドン


小隊長「いっ!誰だ!!」


スネ樹「ハァ・ハァ・・まだ!終わってねぇぞ!」


小隊長「背中に体当たりするとは・・いてて・・少し油断しましたね・・ははは、まずはてめぇからだ!!」ガシッ


スネ樹「うぐっ!!」


小隊長「首を貫いてやる!!」シュッ


ザクッ


小隊長「ぎゃぁああ!!」


メイド「背中がガラ空きですよ!」ガシッ


小隊長「このクソメイドが!!」


スネ樹「っ!」ドゴッ


蹴りを入れてその反動で相手の手の力が弱まった瞬間離れる


小隊長「くそっ!」


スネ樹「ゲホッゲホッ・・」


まゆ「大丈夫?」


スネ樹「大丈夫だよ・・」


小隊長「まじで!!殺す!!」


メイド「随分沸点が低いんですね?」


小隊長「てめぇは!いつまでくっついてんだ!!離れろ!!」シュッ


背負い投げをされ地面に叩きつけられる


さっきの傷が痛む


メイド「いっ!・・ああ・・」


小隊長「死ね!!」


スネ樹「だぁあああ!!」ダッ


小隊長「ワンパターンなんだよ!」ガシッ


体当たりをしようとしたスネ樹を掴み投げ飛ばす


スネ樹「ぐぁああ!!」


まゆ「スネ樹!この!」ダッ


スネ樹「や、やめろ!」


小隊長「ガキがぁぁああ!!」シュッ


まゆ「っ!」サッ


小隊長「なっ!」


まゆ「はぁああ!!」ガシッ


ドォオン!


相手の攻撃を避けて大きく飛び上がり相手の頭を掴みそのまま地面に叩きつけた


まゆ「ハァ・・ハァ・・なめないで!私は剛田家長女!何もしてないわけじゃない!」


まみ「お姉ちゃんかっこいいです!」


スネ樹「・・・まじかよ」


メイド「ナイスよ!」


小隊長「うぉおおおらぁああ!!」ダッ


まゆ「え!まだ動くの!まみ逃げて!まみは駄目なの!」


まみの方へ走って行ったこのままでは、まみが


まみ「え?こ、来ないで!」


スネ樹「やめてくれぇええ!!」


小隊長「死さらせぇえええ!」


ドゴッ


小隊長「がはっ!」


まみ「です!!」シュッ


ドゴッ


バキッ


まみ「でーーーす!!」ドンッ


小隊長「うぇえええ!!」


まみ「こ、怖いです!」ダッ


まゆ「もう大丈夫だからね?」


スネ樹「二人の方が怖いよ・・」


メイド「勝ちましたね・・」


スネ樹「あぁ、やったよ・・メイドさんは怪我大丈夫?」


メイド「これくらい平気よ」


お嬢姉「腰が抜けて何も出来なかった・・・」


スネ樹「皆無事なんだし良かったよ・・ドラえもんさんは?」


お嬢姉「ドラちゃんならそこに固まって動かなくなってるよ」


ドラえもん「ぷしゅーーー」ビリビリ


スネ樹「どうしたんだろ?」


メイド「さぁ?・・っ!嘘・・」


小隊長「へへへ・・・へへへへ」


まゆ「動ける筈ないのに!」


ゆっくりと近づいて来る


スネ樹「来るよ!」


小隊長「へへへへ・・・」シュッ


え??


皆がそう言った


いきなり見えなくなったのだ


気づくと目の前にいた


メイド「っ!」


小隊長「ぎぇえええ!!」シュッ


スネ樹「メイドさぁああん!!」


シュッ


ガシッ


メイド「え?」


ドラえもん「力集結完了!第二モード解放ドラえもん改!!」ビリビリ


小隊長「ぐるるるる!!」


ドラえもん改「あわれなり!!痺れろ!」ビリビリビリビリ


ドラえもん改の手から電流が流れる


小隊長「ぎぇえええ!!」サッ


瞬時に離れる間合いをとろうとしていたがドラえもん改はそれを許さなかった


ドラえもん改「逃がさねぇよ!!ドラスパーク!!」ビリビリ


ドラスパーク、全ての電気の流れるものを引き寄せる


ドラえもん改「引き寄せるのはてめぇだけだ!!」クイ


小隊長「っ!」


高速でドラえもん改の拳へと引き寄せられる


そこからドラえもん改は大きく振りかぶった


拳がビリビリと唸っていた


身体全てのファンがフル回転している


それでも間に合ってないのか身体から煙がでてくる


ドラえもん改「皆が世話になったな!これは礼だ!釣りはいらねぇええよ!」シュッ


引き寄せられる力とドラえもん改の拳の力が合わさり


ドラえもん改の拳は音速を超えた


ドラえもん改「ドラ、ザ、インパクト!!」ゴォオオオ!!


ドゴォオオオン!!


ドラえもん改「おまけだ!」ビリビリビリビリ


高圧電流が流れる


小隊長「あびゃびゃびゃ!!」


ドォオオン!


隊員達が後を聞きつけ入って来るが


ドラえもん改「ドラ地電流・・逃げ惑え絶望しろ!そして誇りに思え!食物連鎖の頂点に君臨する猫の力に殺られる己をな!」


地面を思いっきり小隊長ごと殴る


地面に電流が走る


ビリビリビリビリビリビリビリビリ


隊員達「っ!!!」


隊員達は一瞬で全滅した


何故か僕達は感電しなかった不思議だ


ドラえもん改「ふっ!たわいもない!命だけは助けてやる感謝しろ」


スネ樹(食物連鎖・・成立しないからそれ・・)


シュン


ドラえもん「ふぅ〜」


お嬢姉「今のは・・・」


ドラえもん「あ〜疲れたぁ〜」パカパカ


プシュー!!


メイド「ゲホッ・・凄い煙」


ドラえもん「仕方ないだろ限界ギリギリだったんだぞ冷却が完了するまで俺は動けないから」


まみ「凄く暑そうです」


スネ樹「でも凄いよ!ドラえもんさん!」


ドラえもん「おう!凄いだろ!ははは!」


メイド「ですが・・今の大丈夫でしょうか?」


ドラえもん「あ〜多分・・」


まみ「多分?」


ドカーン


大きく揺れる


まゆ「な、なに!」


ドラえもん「タイムパトロール隊のタイムマシンでもやっぱり耐えられなかったか・・最後のあの技で壊れたな落ちるぞ」


まゆ「かっこいいと少しでも思った私が馬鹿だった!考えてやりなさいよ!」


まみ「揺れるで〜す!」


タイムマシン「衝撃に備えてください!シートベルトを着用してください」


メイド「ないですよ?シートベルト」


ドラえもん「さぁて何処の時代に落ちるやら」


そして僕達はまた落ちると思ったが


タイムマシン「一定のダメージを受けました。タイムパトロール隊本部へワープします」


ドラえもん「しまった!」


スネ樹「え?」


ーーーーーーーーーーーーーー

ーーーーーーーーー

ーーーー


冷たい・・寒いよ・・寒いよ・・誰か・・


『辛いか?苦しいか?』


誰?


『辛いなら苦しいならその痛み代わってあげるよ・・いつものようにね・・』


誰なんだ!


『さぁ・・代わってくれ』


いらない!そんなのいるか!


『残念です・・・でも』


うるさい!出て行け!俺に構うな!


『・・・・・・・・』


ーーーーーーーーーーーーーー

ーーーーーーーーー

ーーーー


ノビスケ編


時代不明


ー何処かの公園ー


ノビスケ「・・・・・・」ポタポタ


「ママ、あの人なんで冬なのにびしょびしょなの?寒くないのかな?」


「ダメよ!見ちゃ」


ノビスケ(泳いでねぇよ・・気づいたらここにいたんだよ!)


気づくと俺は公園の噴水の中で倒れていた


水の丁度出る所にね


顔が水の中に入らなかっただけ運がいいと言える


入ってたら終わってただろう


今の子供の発言で今が冬だと言うことがわかる


まぁ寒さで普通にわかるんだけど


ノビスケ「寒くて・・動けない・・どうにか噴水からは出たが・・」


今はゴミ箱から出した新聞紙に丸まり寒さを誤魔化していた。実際誤魔化せてすらない


ノビスケ「これで寝たら確実に死ぬ・・」


ここが何処かもわからない今


行く所もない


ノビスケ「お金もない・・・」


まだ昼なのが救いだと言えるだろう


夜なら確実に朝にはマッチ売りに少女と同じ運命を辿るだろう


ノビスケ「ここでこうしても仕方ないが・・・寒くて・・眠く・・なって・・」バタッ


人は心臓が止まっても少しの間は感覚が残っているらしく最後まで残るのは聴力らしい


まだ止まってはいないが周りから声が聞こえてくる


誰か来た・・・


「おい倒れてるぞ」


「ほっとけよ!ホームレスなんて助けても言い事ねぇし」


「だな」


酷い奴らだ・・・・ん?誰かが触ってる?


助けてくれるのか?


「ちっ!財布も持ってないのかよしけてんな!」ペッ


唾を貰った・・少し温かい


「うわっ!きも!」


わかってるよ今の俺完全にキモいよでも口に出すな


「ん?なんか踏んだ?」


踏んだよ俺を


「ホームレスか・・まぁいいや」


いいのかよ


皆酷いな・・・・いや、これが普通なんだよな・・これが


???「大丈夫?生きてる?おーい」


財布なら持ってないぞ


???「まだ息はある・・これ着て」ファサ


温かい・・


???

「うぅ・・寒い・とにかく病院に運ばないと!よいしょっと」


助けてくれるのか?お金もなにもないのに


???「ふぅ〜重い!」 ズルズル


引きずってるぞ


???「絶対に助けるから!待っててね」


・・・・・・・・


ーーーーーーーーーーーーー

ーーーーーーーーー

ーーーー


スネ樹編


ドラえもん「確か!五分でタイムマシンがワープする筈だ!その前にこのタイムマシンから出ないと!本部なんかに着いたらお終いだ!」


スネ樹「どうすれば!」


ドラえもん「多分何処かに俺達のタイムマシンがある筈だ!それを五分以内に探してだっしゅー」


お嬢姉「ゲホッ・・ゴホッ!」


ドラえもん「っ!」


メイド「大丈夫?」


お嬢姉「大丈夫・・・よ・・」


まゆ「なんか辛そうだけど」


まみ「顔色も悪いです」


ドラえもん「おい!今から言うことを聞け!」


メイド「なんです?」


ドラえもん「理由は言えん!だが、お嬢姉はこのままだとやばい!俺は動けない!」


ドラえもん「スネ樹とまゆ!」


スネ樹「はい!」


まゆ「なに?」


ドラえもん「俺達のタイムマシンを探して・・そのなんだ・・俺をそこまで運んでくれ!五分以内にだ!」


スネ樹「わかった!」


まゆ「任せて!行こスネ樹」ダッ


スネ樹「あぁ!」ダッ


ドラえもん「頼もしい返事だ。メイド、まみ」


メイド「早く言って!」


まみ「そうです!早く」


ドラえもん「俺のここら辺についてたポケットを覚えてるか?」


メイド「あのパンツみたいな奴ね!」


まみ「パンツですね!」


ドラえもん「・・認識は違うがわかってるならいい、それを探して来てくれ!急げ!」


メイド「了解!」ダッ


まみ「行くのです!」ダッ


ドラえもん「頼んだぞ・・・」


お嬢姉「ぶはっ!」ビチャ


ドラえもん「すまん・・薬はポケットの中なんだ・・」


お嬢姉「いいのドラちゃん・・はぁ・・皆の足手まといばかりだな・・ノビスケくんも心配だし」


ドラえもん「あいつならそう簡単には死なないよ!あいつを信じようぜ」


お嬢「うん・・・・」


タイムマシン「あと三分」


ドラえもん「カップ麺でも食いてぇな・・」


お嬢姉「食べる時間ないよ・・」


ドラえもん「まだ大丈夫そうだな」


その頃スネ樹達はタイムマシンを見つけた


まゆ「これよね?見つけたよ!」


スネ樹「よし!ドラえもんを運ぼう」


まゆ「うん!」


ーメイド達ー


メイド「パンツ・・パンツ・・白かったですよね?黒はないね」ポイ


まみ「確かそうだったです。これはピンクいらないです」ポイ


メイド「下着置き場にはないね」


まみ「なんで女性のばかりなんですか?女性なんていなかったのに」


メイド「さぁ?いたんじゃない?ゴリラみたいのが」


まみ「ゴリラさん見てみたかったです」


メイド「無事に帰れたら見に行きましょ」


まみ「うん!次の部屋です!」


メイド「私達のタイムマシンとは違い屋根もあって部屋もあるときました。ドラえもんさんはあまりお金がなかったのでしょう」ポイ


まみ「金欠です」ポイ


ースネ樹達ー


スネ樹「ドラえもんさん!見つけました!」


ドラえもん「でかした!さぁ!運んでくれ!」


まゆ「先にお嬢姉さんからにしましょ」


ドラえもん「そうだな頼む」


まゆ「スネ樹くんほら」


スネ樹「え?・・わかった!」


お嬢姉「ごめんね・・少し肩を貸してくれるだけで」


スネ樹「いえ!おんぶします!どうぞ!」


お嬢姉「いいの?その・・重いよ?」


スネ樹「平気です!それに・・」


お嬢姉をおんぶする


スネ樹「軽いですよ!しっかり掴まっててください」


お嬢姉「はい」ギュッ


まゆ「・・・・・」


スネ樹「まゆさん?」


まゆ「なんでもないから・・行こ」


スネ樹「はい」


ーメイド達ー


メイド「この部屋は開きませんね」


まみ「怪しいのです!」


メイド「小隊長部屋と書かれています。これはビンゴですね」ドン


まみ「無理やりあけます!」ドン


まみ「痛いです・・・」


メイド「カードキーで開くみたいね・・小隊長を調べれば出るかも」ダッ


まみ「私はその間頑張るです!」ドン ドン


まみ「痛いです・・・」


ドラえもん達がいる部屋へ向かった


そこに小隊長もいる筈


メイド「小隊長はいる?」


ドラえもん「よう!そこの焦げてるのがそうだ」


高圧電流で真っ黒になって気絶している小隊長をまさぐる


これで死んでいないのだから凄い


ゴソゴソ


ドラえもん「なんだ?そういう趣味なのか?」


無視する


メイド「あった!」ダッ


ドラえもん「さみしいな・・・」


メイド「まみちゃん!ありました!」


まみ「あとちょっと!!」ドン


まみ「はぁ・・はぁ・・まだ!」


メイド「・・・・・・」ピッ


カードキー読み込み中


ガチャ


まみ「おりゃぁああ!!」ドン


ドアが開く


まみ「開きました!」


メイド「カードキーありませんでした・・」


まみ「えっへん!私が開けたから大丈夫です!」


メイド「流石まみちゃん凄い」


まみ「えへへ」


タイムマシン「あと二分」


メイド「さぁ急ぎましょう」


まみ「はい!」


部屋は綺麗に片付けてあり机には写真があった


そこには小隊長と妻と思われる人と子供が笑顔で写っていた


メイド「・・・・・・・」


まみ「あった!」


メイド「戻りましょう・・ん?これって私達の情報が書かれた紙みたいね処分してーっ!」


まみ「どうしたんですか?メイドさん」


メイド「だとしたら・・私は・・」


まみ「メイドさん!」


メイド「はっ・・ごめんなさい」


まみ「それはなんですか?」


メイド「え?これはただのゴミよ」


近くにあったライターを使い紙を燃やす


一枚を除いて


それをこっそり懐に入れる


メイド「行きましょ」


まみ「・・・・・・はい」


あと一分しかない皆はタイムマシンの方へ行っていると思ったけど・・


まだあの部屋にいた


メイド「なにしてるの!早く行かないと!」


スネ樹「そんな事言われても!ぐぐぐっ!」


まゆ「ふぬぬぬ!!」


ドラえもん「情けないな!このくらい持てるだろ」


二人が必死にドラえもんを持ち上げようとしていたが全く動かず


スネ樹「手伝ってください!」


メイド「はい!まみちゃんもお願い」


まみ「はいです!」


今度は四人で持ち上げる


しかし・・


スネ樹「ダメだ!持ち上がったけど!・・重すぎる!!」


まゆ「くぅう!!動けない!」


まみ「ふぁああ〜」


メイド「こ、腰が・・・」


スネ樹「い、一旦置くぞ」


持ち上げるのを断念した


タイムマシン「あと一分」


スネ樹「どうしよう・・」


メイド「今から持ち上げてもタイムマシンまで間に合いません・・」


ドラえもん「ふっ・・置いていけ」


まゆ「な、何言ってるの!そんなこと」


ドラえもん「ならどうする!俺一人のせいで皆を危険にはさせられない!それに今のこの状態がタイムパトロール隊にばれたら・・お前らも宇宙流しにされるかもしれないんだぞ!」


まゆ「それでも!」


ドラえもん「俺がいやなんだよ!!お前らが死ぬ所なんか見たくない!言うことを聞け!!メイド連れて行け!」


メイド「・・・わかりました」


スネ樹「くっ!」


まゆ「そんなの嫌!」


まみ「行こ・・お姉ちゃん」


まゆ「嫌!嫌!」


メイド「わがまま言わないで!」


まゆ「動かないから!」


スネ樹「ごめん!」ヒョイ


まゆを抱きかかえる


まゆ「っ!離して変態!嫌!!」


スネ樹「行こう・・」


ドラえもん「すまん・・・」


お嬢姉「置いて行かないよ!ドラちゃん・・」フラフラ


スネ樹「お嬢姉さん・・・」


メイド「もう話してる時間はありません」


お嬢姉「ハァ・・ハァ・・まみちゃんポケット貸してくれる?」


まみ「はいです」


お嬢姉「ふぬぬ!」


ドラえもん「ちょっ!破れる!」


ポケットを大きく広げた


そしてそれをドラえもん頭に被せた


ドラえもん「な、なにを!」


お嬢姉「皆!足からドラちゃんを押して!」


メイド「よくわかりませんがわかりました」グイッ


スネ樹「押せばいいんだな」グイッ


まみ「ふぬぅううう!!」


まゆ「おりゃぁああ!!」


見る見るうちにドラえもんがポケットに入っていく


おかしいだろ!あんな小さいポケットなのに


ドラえもん「成る程!この手があったか!でも痛い!背中がいたい引きずられて痛い!」


お嬢姉「もっと!強く!」


ドラえもん「痛い!!尻尾が!引っかかって痛い!」


まゆ「まみ!」


まみ「はいです!」サッ


尻尾をグイ


カチッ


ドラえもん「」


まゆ「これで静かになった」


スネ樹「ひでぇ・・・」


そしてドラえもんが完全にポケットにはいる


スネ樹「やった!皆急げ!」


まゆ「はい!」


まみ「走るです!」


メイド「お嬢姉さん掴まってください」


お嬢姉「ありがとう・・・」


メイド「・・・・・・」ポイ


お嬢姉「写真?捨てるの?」


メイド「いいのよ・・行きましょ」


メイド(忘れないで貴方には守る家族がいることを)


急いで私達のタイムマシンまで向かった


スネ樹「メイドさん!お嬢姉さん!早く乗って!」


メイド「動くのですか?」


スネ樹「それなんだけど・・お嬢姉さん運転をお願いしていいですか?わからなくて・・辛いと思いますが」


お嬢姉「大丈夫よ・・・」


スネ樹「そのうちに俺は」ダッ


まゆ「どこに行くの!」


スネ樹「ハッチを開けないとタイムマシンが出られない!スイッチを探すから!」


タイムマシン「あと十秒」


まゆ「早く!!」


お嬢姉「エンジンかかったよ・・ゲホッ・・」


メイド「あと少し耐えて」


スネ樹「これか!」ポチ


ハッチが開く


スネ樹「間に合え!!」ダッ


タイムマシン「ワープします」


お嬢姉「もう限界です。動かします!」


タイムマシンが出口へ向かう


まゆ「早く掴まって!」スッ


スネ樹「っ!」スッ


ガシッ


スネ樹「やった!」


まゆ「っ!・・お、重い・・」フラ


スネ樹「なっ!」


ガシッ


メイド「引き上げるから!まゆちゃんよく頑張ったよ」


お嬢姉「ターボ使用・・」


タイムマシン「重量オーバーでつかー」


お嬢姉「あぁ?使えるよね?」


タイムマシン「ターボ使用!!」ゴオオオオ


そしてタイムマシンから出たその瞬間タイムマシンは消えた


スネ樹「ふぅ・・良かった間に合って」


まゆ「心配したんだからね!」


メイド「とにかくこれからどうしましょうか」


まみ「ドラえもんさん出さないと」


スネ樹「そういえばそうだったドラえもんさんはポケットの中ですよね?出せますか?」


まみ「任せてください!うんしょっ!」


スネ樹「手伝おうか?」


まみ「大丈夫です!うーーー!!出た!」


ツル


まみ「あ!」


まゆ「い!」


スネ樹「う!」


メイド「え!」


お嬢姉「・・・・お」


ドラえもん(電源オフ)「」ヒューー


メイド「ドラえもんさんが落ちましたね」


スネ樹「まずいぞ!追わないと!」


メイド「どうやって?落ちる?」


スネ樹「くっ!お嬢姉さん!」


まゆ「お嬢姉さん!」


お嬢姉「・・ハァ・・ハァ・・ごめん・・限界・・頼ってくれるのは嬉しいんだ・・・よ」ガクッ


ポチ


タイムマシン「了解しましたこの時代へ行きます」


シュン


スネ樹「ん?お嬢姉さん!!」


メイド「ここは何処?ドラえもんさんは?」


まゆ「なんか煙が出てるけど」


まみ「壊れたのですか!」


スネ樹「って事は!ここは全然関係のない所かよ!」


気づくとタイムホールから出ていたタイムマシンは煙を出しながら落ちた


ガシャーーン


「「「うわぁあああああ!!」」」


ーーーーーーーーーーーーー

ーーーーーーーーー

ーーーー


ーノビスケ編ー


ー???ー


ノビスケ「・・・・まずい」


今の状況を確認してみよう


知らない天井


知らない部屋


知らない時代なんだよな?


そして・・・


???「スゥー」


同じベッドで寝てる下着だけの女性


てか、俺は裸です・・・あ、パンツは履いてるけど・・ほぼ全裸です


考えろ!俺に何があった!思い出せ!俺!!


確か俺は寒さで倒れてそれで・・誰かに


ノビスケ「もしかしてこの人が助けてくれたんじゃ・・」


嫌だが!それでも多分同い年くらいだろうか・・男女が下着だけで寝てるなんて・・抱きついて寝てるなんて普通はない・・


ノビスケ「俺・・やっちゃったのかな・・はぁ・・覚えてないし・・鬱だ・・」


???「ふぁ〜あ、起きたの?」


ノビスケ「うん・・起きたよ・・そのごめん・・」


???「なんで謝るの?」


ノビスケ「俺が襲ったんだろ?姿を見たらわかるよ・・男は皆オオカミと言う人がいるが本当なんだな・・」


???「ん〜〜あ、もしかして勘違いしてる?」


ノビスケ「勘違いか・・勘違いで一夜の過ちを犯してしまった俺は最低だな・・いや、でも責任は取るし・・ってそんな立場か!馬鹿野郎が!」


???「よく聞いてね?昨日は貴方が倒れてたから病院も閉まってたし家まで連れて行って温めてあげただけだよ?」


ノビスケ「この恋は勘違いかもしれない・・でも本気になるよ・・なんだって?」


???「ほら、雪山とかで寒い時って人肌で温め合うじゃない?それをやっただけだから安心してよ」


ノビスケ「そうなのか・・いや、でも女性の肌に無防備に触れたし・・」


???「大丈夫!気にしない!」


ノビスケ「それはそれで虚しいな」


???「それより大丈夫?昨日は結構うなされてたよ?」


ノビスケ「そうなのか・・大丈夫だよ。それより助けてくれてありがと君がいなかったら俺は・・」


???「君じゃないよ!私の名前はハルだよ!季節の春でハル、貴方は?」


ノビスケ「俺は・・・・」


ここで名を名乗っていいのだろうか


俺は・・・・


ノビスケ「ノビスケだよ、よろしくな」


ハル「よろしくね!」


ノビスケ「それでなんだが・・」


ハル「なに?」


ノビスケ「服着てくれないかな?目のやり場に困って・・」


ハル「そう?わかった」


ハル「そういえば貴方は何処から来たの?よかったら送るけど?」


ノビスケ「いや・・その・・遠い所からかな?」


ハル「そんなに遠いの?」


ノビスケ「まぁね・・」


ハル「あ、服ここに置いておくからね!お兄ちゃんが使ってた服だから気にしないでね。貴方が着てた服ボロボロだったけど、どうする?」


ノビスケ「何から何までありがとう。その服は捨ててもらっていいですよ」


ハル「わかった」


ノビスケ「よし!サイズはピッタリだ。もう行きますね。服は後日返しに行きますね」


ノビスケ(返しに来れるかわからないけど・・多分無理)


ハル「行くとこないならさ当分はー」


ノビスケ「少しは警戒してくださいよ。俺も一応男なんですよ?それに君の親だって知らない男を連れてたら怒るよ?」


ハル「あの〜私一人暮らしだしそれに二十歳だよ?」


ノビスケ「嘘つけ、そんな二十歳がいるか精々中学生か高校生くらいだろ?」


ハル「むむ!」免許証


ノビスケ「マジかよ・・・」


ハル「お姉さんの言うことは聞いた方がいいよ!それに私当分はここに帰って来ないしね。あ、期待してた?」


ノビスケ「してねぇよ・・ロリに興味は持てない」


ハル「ロリじゃないって!あ、もう行かないと」


ノビスケ「何処か旅行か?結構な荷物だけど」


ハル「仕事よ泊まり込みのね。昨日は休暇をもらってたんだけどする事なくて歩いてたらノビスケくんを見つけたんだよ」


ノビスケ「仕事か・・」


ハル「じゃあ行くね!当分は使っていいから」ガチャ


ドン


ノビスケ「行ったか・・ごめんハルさん」


俺はここに居てはいけない


安易に関わってはいけない


とにかく早くこの時代を出る方法を考えよう


ノビスケ「いいのかなこんな高い服・・」


スーツのような服だが少し違う


なんか御奉仕とかしてそうな服だ


ノビスケ「まずは外に出て見るか」


上着を羽織り外に出る


服と一緒に俺の大事なナイフと懐中時計があった


ナイフがあったのにどうして・・


ノビスケ「不思議な人だ・・・さて案外ドラえもん達も来てるかもしれないしな」


ノビスケ「うん!行けるぞ!はははは!」


数時間後


俺は喫茶店に居た


ノビスケ「ダメだ・・なんにも起こらない・・そろそろドラえもん達が見つけてくれると思ったのに」


ノビスケ「まさか皆もバラバラに飛んで行って助けを待ってるんじゃ!スネ樹!まゆ!まみ!お姉ちゃん!あとついでにドラえもん!」


「お客様?他のお客様に迷惑なので大声はやめてください」


ノビスケ「すみません・・」


「それとお客様」


ノビスケ「なんでしょう」


「お冷だけで二時間もいられるのは困るのですが?」


ノビスケ「も、もうすぐ注文するよ」


お金がないなんて言える筈もなく


どうにかテーブルに置いてある角砂糖をつまんで空腹を満たしていた


ノビスケ「なんか食ってからでるんだった」


ハルさんの家を出るときメモと一緒に黒い何かが置かれていた


朝食よかったらどうぞと書かれたそれは見ただけでこの世の物ではない物質だとわかる


結局それを見て食欲が失せてしまいそのまま家を出た


ノビスケ「店員の目がやばいなそろそろ出るかな・・」


作戦ではある程度いたら注文すると見せかけ急用で店を出る


そして水と角砂糖だけで腹を満たす


糖分は重要だ!


「お客様相席よろしいですか?混んでいるのでいいですよね?」


ノビスケ「え?嫌だけど?」


「相席OKです!一名様ご案内」


この店員かなりの強敵だ


ノビスケ「勝てねぇな」


???「失礼するわ」


ノビスケ「はぁ〜」


???「どうしたの?悩み事?」チラッ


ノビスケ「そうですね・・現在進行形で」


???「ふ〜ん、コーヒーお願いねブラックで」


「・・・・は〜いブラックね」


ノビスケ「・・・・・・」


???「随分と険しい顔してるわね?」


ノビスケ「少し考え事してるんだよ。てか話しかけないでください」


???「なにかやらかしそうな顔してる」


???「例えばその懐にあるナイフとかでね」ギロ


ノビスケ「っ!」ビクッ


なんだこの人はいきなり確かにナイフを持ってるがぱっと見分かるわけもないのに


これは関わっちゃまずいタイプだ


???「あら?どうしたの?例えの話よ?それとも本当にするつもりだったの?」


ノビスケ「なんなんだよ!不愉快だ!帰る・・・っ!客が一人もいや、店員もいない!」


???「それはそうよ。殺し屋さん」


ノビスケ「は?」


バシュ


後ろから銃弾が飛んでくる


ノビスケ(赤)「代われ!!」サッ


紙一重でそれを避ける


そして


ノビスケ(赤)「待てよ!!」ガシッ


???「っ!」


女を掴み


ガン


机を蹴り上げ盾にしてその影に隠れる


ノビスケ(赤)「動くなよ?」シャキン


???「どうやら私の負けのようね・・いいわ殺しなさい」


ノビスケ(赤)「後でな!」


ノビスケ(なにしてんだ!)


赤(馬鹿野郎こうでもしないと!殺されるぞ!人質がいる限り向こうもそう簡単には撃ってこない)


ノビスケ(俺・・なんか悪い事したっけな・・怒らせるような事したかな・・)


赤(知らねえがあれは完全に命を取りにきてたぞ!きっとこいつの仲間かなにかだろう。まぁ俺に任せておけ)


ノビスケ(わかった。その人殺しちゃダメだからな)


赤(わかってるよ!)


ノビスケ(赤)「さてと?お前の仲間なんだろ?何処から狙撃してる答えろ」


???「殺しなさい私に人質としての価値はないわ・・」


ノビスケ(赤)「そりゃどうかな?店の外に結構ゴツいおっさんだらけだが?」


???「・・・・・・・」


ノビスケ(赤)「お前名は?」


???「自分から名乗りなさいよ馬鹿」


ドゴッ


???「がはっ!」


ノビスケ(赤)「答えろ向こうと交渉するからな名前くらい知らないとな」


???「・・・・・・・」


ノビスケ(赤)「おい・・言え」


???「・・・・・殺せどうせ生き残ってもすぐに殺される」


ノビスケ(赤)「そうかよ!ならお望み通り!!」シャキン


???「っ・・・あれ?」


ノビスケ「もういい俺がどうにかする。引っ込んでてくれこのナイフは人を殺すためのものじゃない」


赤(ちっ!・・わかった死ぬなよ)


ノビスケ(あぁ)


???「雰囲気が変わった・・」


ノビスケ「さっきはごめんこんなつもりじゃなかったんだ。今更信用してもらえないかもしれないけど、俺は君を殺そうなんて思ってない殺し屋なんかじゃない」


???「それをどう信じろと?」


ノビスケ「そうだね・・」スッ


彼女から手を離しゆっくり隠れてる机から出る


無数の赤いレーザーポインターが身体を包むあまりの多さにまるで赤い大きなスポットライトを浴びているようだ


今撃たれたら確実に蜂の巣だ破片すら残らないかもしれない


ノビスケ「・・・・・」


ゴツいおっさん達の中から一人の老人が出てくる


老人「お前のやった事はどういう事かわかっているか?今更降伏しても許さないぞ」


老人「お嬢様をこんな目に合わせたお前を許すわけにはいかん!」


どうやらあの女性は普通の人ではないようだ


お嬢様と呼ばれているし大金持ちの娘なのかもしれない


俺は身代金目的に誘拐でもすると思われたのか?だがあまりに異常過ぎる俺はあの人と一緒の相席になっただけなのに


第一アプローチをとってきたのは向こうからだ


もしかして詐欺か?


いや、それならあんな大掛かりな事は出来ない筈だ


なら何故?彼女の言っていたことを思いだしてみるか


『それはそうよ。殺し屋さん』


あの時言っていた言葉・・おれは殺し屋だと思われた


だから殺られる前に殺ろうと


だが、狙撃ポイントもそうだが結構時間がかかるはずだ。いつから見張られていたんだ?


それに気づいたら客も店員もいなくなっていたこの店もなにかあるのか?


なぜ殺し屋だと思った奴に近づいてきたんだ?


わからない


ノビスケ「・・・・・・」


老人「誰に雇われた!やはり跡目を狙う者か!」


跡目?もうわからん何言っても無駄だろうな


ならもう・・・


ノビスケ「ふふふ、殺せよ」


老人「なに?」


ノビスケ「殺せと言った!そしてお前らの知りたがってる情報をみすみす逃すがいい!ほら!殺せ」


老人「なら!」スッ


片手を挙げると銃を持ったゴツいおっさん達の手に力が入る


老人「この手を降ろせばお前は形も残らんぞ。言え!」


やはり食いついて来た!この人達は少しでも情報を欲している


なら!


ノビスケ「取り引きをしないか?」


老人「黙れ・・・」


手が降ろされようとしていた


ノビスケ(あれ?)


老人「残念だ話せば助けてやろうと思ったが」


ノビスケ(え?これやばくね?やば!!)


ノビスケ「ちょっ!まっ!」


老人「もういい!やれ!!」


ノビスケ「ぎゃぁああああ!!」


???「待って!!」


老人「っ!ストップだ撃つな!」


ノビスケ「ん?・・そこにいたら危ないぞ」


???「どいてもいいけどそんなに蜂の巣になりたいの?」


ノビスケ「それは困る・・・」


老人「お嬢様そこをどいてください!その外道を殺せません!」


???「今考えたら街中で銃の乱射はいけないわ。店もめちゃくちゃになるし、こいつは拘束して屋敷に連れて帰るいいわね」


老人「お嬢様がそうおっしゃるなら・・ですが拘束は私がさせてもらえますよ?」


???「それで構わないわ」


老人「では・・・」


???「命は助けてあげたんだから感謝しなさい。少し痛いかもしれないけど」


ノビスケ「元凶がよく言うよ・・」


老人「小僧・・覚悟!!」


ゴキッ


ノビスケ「うぁああああ!!」


そして俺は訳も分からず勝手に殺し屋と思われ殺されそうになって


そうなった元凶に助けてもらい感謝しろと言われ


ボコボコにされ捕まった


結果


感謝する要素が一つもない


大きな屋敷に連れて行かれ綺麗な玄関を通って地下へ


段々と汚くなるさっきまでの綺麗な玄関とは大違いだ


そして部屋にに入れられる


しかも凄く汚いです


手足を拘束され今まさに拷問されるんじゃないか?と思える状況だ


上半身裸にされ手足を拘束して満足したのかゴツいおっさんは何処かへ行ってしまった


え?放置?


ノビスケ「・・・・せめて座りたいな・・もしかしてこのまま死ぬまで放置か!それは嫌だぞ!」


暴れてみるが手足に付いてる拘束具が無駄だとジャラジャラ言うだけだ


ノビスケ「このままトイレも行けず風呂も入れず飯も食えず死ぬのは嫌だ!!」


一通り暴れた後疲れて倒れこむが拘束具が付いてるので拘束具に吊るされてる状態になる


水滴の落ちる音以外は何もしない


このまま本当に死ぬのかな・・思えばあの時ハルさんの言うことを聞いて家にいればよかった


ごめんなさいハルさん・・服返せそうにありません上着取られたし


ノビスケ「寒いな・・・このまま眠れば凍死出来るかな・・その方が楽かもしれない・・ははは」


ノビスケ「おーーい!誰かぁあああ!」


ノビスケ「はぁ・・・・」


老人「うるさい奴だ」


ノビスケ「っ!この際おじさんでもいい!一人にしないでくれ!」


老人「言われなくても今からお前に用があるからな!」


ノビスケ「それって・・ムチ?そういう趣味は持ち合わせていないよ俺は」


バシン


ノビスケ「がっ!」


老人「だまれ!今からお前を拷問する!死ぬなよ?」


ノビスケ「あの時は咄嗟にああ言ったが本当は何も知らないんだ!俺は殺し屋でもなんでもない!本当だ!」


老人「嘘をつくな!」バシン


ノビスケ「いっ!・・本当だ!ナイフだって大事な人の形見だったから持ってただけで」


老人「あの時脅しに使っていたように見えるが?」


ノビスケ「そ、それは・・・」


老人「私が鞭を持っている間に喋った方がいいぞ?」バシン


ノビスケ「っ、だから知らないんだ!俺は一般人だ!」


老人「なら聞こうお前はいつからこの街に住んでる」


ノビスケ「え?そ、それは・・1年位前からだ!」


老人「嘘をつくな!1年前にお前のような奴はいなかったぞ!」


ノビスケ「いたんだよ!貴方が知らなかっただけだろ!それともなにか?街に住んでる人全員知ってるのか?」


老人「そうだ!知っているが?」


ノビスケ「なっ!」


老人「お嬢様を守るためなら何でもする。だから私はこの街に住む人を把握している。街の入り口には私の雇った仲間を配置させ新しい人が来たら情報が入るようにしている。だがお前だけは知らずにいた!何処から入った!何者だ!誰に雇われた!言え!」バシン


ノビスケ「ぐぁあ!知らないものは知らない!」


老人「言え!」バシン


ノビスケ「知らない!!」


老人「そうか・・ならムチはいらん!素手だ」


ノビスケ「な、なにを」


老人「私は人体の全てを知り尽くしている。それが何を意味するかわかるか?」


ノビスケ「い、医者なのか?」


老人「アホが!気絶も死にもさせない!代わりに死ぬほどの痛みをプレゼントしよう」


ノビスケ「っ!や、やめ!」


ゴキッ


ノビスケ「っ!ーーー!!!」


老人「声にならないか?喋る気になったら言えよ?」グキッ


ノビスケ「!!!!!!!」


それから何時間経っただろうか


正直時間もわからないほどだ


もしかしたらまだ数分しか経ってないかもしれない


俺はただ痛みに耐えた


嘘でも言えばいいかもしれないがそうすれば別の人がこうなるかもしれない


それは嫌だし何より俺は嘘はつきたくない本当に知らない


それをわかってくれるまで俺は耐えてやる


老人「なかなか喋らないな」


ノビスケ「がはっ・ハァハァ・・・本当に・・知らないんだ」


老人「まだ言うか!」グシャ


ノビスケ「っー!!!!!!ぐぁあああああ!!」


老人「私はお前らを許さない!跡目だけでその為だけに手を出そうとするお前らを!!」グキッ ゴキッ


老人「お嬢様は!苦しんでいる!今のお前よりだ!先日の事故で父上様も母上様も亡くなり一人になられた時からずっと!他の奴は跡目の事しか頭にないし!その後も何度お嬢様を事故に見せかけて殺そうとしたか!それが無理だからって今度は殺し屋か!来るとは思ったが!許せん!依頼した奴もそれを受けたお前もだ!お嬢様はまだ高校生なんだぞ!それなのに学校にも行けず!友達もいない!この苦しみがわかるか!」ドゴッ


ノビスケ「ぐはっ!・・わかんねぇよ・・」


老人「なんだと!!」


ノビスケ「跡目とかはよくわからないが友達が出来ないのはあいつ自身が悪い・・そしてお前もな」


老人「お嬢様をあいつと呼ぶな!!」ドゴッ


ノビスケ「ぶはっ・・過保護過ぎんだよ・・それだから」


老人「黙れ!!」グキッ


ノビスケ「っ!!!本当の事を言ったまでだ!!」


老人「言うな!!」ゴキッ


ノビスケ「ぐぐぐっ!!嫌だぁああ!!」ガブッ


老人「っ!なんと!」


ノビスケ「ぺっ!まず!」


老人「この!!」


???「終了よ」


老人「お嬢様・・」


ノビスケ「へ・・・へへ」


???「終了だと言ったのとりあえず今は無害だって証明されたわ」


老人「ですが!こいつは!」


???「下がりなさい」


老人「お嬢様!触ってはいけません汚れてしまいます」


???「悪かったわごめんなさい今外すから」


ガチャン


拘束具が外され倒れこむ


もう立つ力も残っていないようだ


???「私が言うのもなんだけどもう大丈夫よ部屋まで運ぶわ」ダキッ


ノビスケ「自分で・・動ける・・」


???「そう?離したら倒れそうだけど?運んであげるから」


老人「それなら私が血で汚れてしまいます」


???「いいの私がやる」


老人「汚れて・・」


???「私達の勘違いでこうなったのにまだ言うの?少し頭を冷やして来なさい!」


老人「・・・・はいそうですね少し外に出てきます」


???「うちの執事をあそこまで怒らせるなんてやるわね貴方」


ノビスケ「・・・・・・」


???「それにしても貴方がね」


ハル「お兄ちゃん!大丈夫?ごめんもっと早く気付けたら」


ノビスケ「っ!」


???「ハルのお兄さんだったなんてね」


ノビスケ「へ?」ガクッ


???「気絶しちゃったわね」


ハル「早く治療しないと」


ーーーーーーーーーーーーー

ーーーーーーーーー

ーーーー


ノビスケ達の本来いた時間から数時間後の朝


ノビスケ達を追いかけていた黒服の奴らは机の中を調べるも分からず


その場を後にした


そしてノビスケの家へ向かう人影が


委員長「ノビスケくん最近学校に来てないしこれは私が勉強を教えてあげないと!」


委員長「あれ?なんかあったのかな?」


パトカーが集まっていた通る道なのに困ったな


でも・・止まってる場所って・・


委員長「そんな筈ない!」ダッ


同時刻別方向から


花音「あの野郎メール無視して奢らせてやる!」


花音「それにしてもうるさいな朝だよ。もう少し静か・・なにあれ?」


さらに別方向から


ユウ「少しだけだからな少ししたら帰る約束だいいな?」


優香「わかってます。少し顔を見るだけです」


ユウ「何で俺が休みの日にこんな事をしなきゃ」


あやめ「そう言いながら連れて行くツンデレ?」


ユウ「うるせぇ!」


優香「最近会いに来てくれないし・・嫌いになったのかな?」


あやめ「忙しくても少しくらい来なさいよ」


ユウ「あいつにもあいつの考えがある」


優香「わからないよ・・」


ユウ「一つ言えることはあいつがお前を嫌いになることは絶対ない」


優香「本当?」


ユウ「あぁ、なんなら聞いてみな」


優香「うん!」


あやめ「むっ・・」


ユウ「見えてきたぞあそこがノビスケの・・・」


優香「ユウ?」


あやめ(呼びすて!!)


ユウ「ノビスケ!!」ダッ


あやめ「っ!どうしたの!・・嘘・・」ダッ


優香「ま、待ってよ」


ユウ「お前らはそこで待ってろ!」


ノビスケ家前


委員長「あの!何が起こったんですか!」


警察「君は?」


委員長「ここに住んでるノビスケくんの友達で今日は用があって来たんです」


警察「そうか、何でも早朝に新聞配達の人がね家からたくさんの黒服の怪しい男達が出てきたって通報があってね」


委員長「ノビスケくんは!無事なんですか!」


警察「それが誰もいなかったんだよ。通報者の話しだとその・・血だらけで大きな袋を抱えていたって話しで・・もしかしたら」


委員長「そんな・・・ノビスケくんが・・」



警察「で、でもまだ遺体は見つかってないからね?生きてる可能性もあるかもしれない」


委員長「そうですか・・・・」


警察「君大丈夫?」


委員長「大丈夫で・・」フラ


警察「っ!」


ギュウ


委員長「あ、すみません・・ちょっとフラついて・・」


花音「また会ったね委員長」


委員長「花音さん・・・」


花音「今の話し本当なの?」


警察「え、えぇ・・家散らかり方から見ても中でかなり暴れまわっていただろうね」


花音「中へ入っても?」


警察「貴方は?」


花音「ノビスケの彼女です」


委員長「え?」


警察「それはお気の毒に・・今全力で探しているのでどうかお気を確かに」


花音「えぇ・・それで中に入れてもらえない?」


警察「関係者以外はすみませんが入れません」


花音「そこをなんとか!」


委員長「あれ?あれれ?」


警察「すみません・・」


洋子「その子たちは私達の連れよ入っても問題ないわ」


恭介「遅れました署から要請があって来ました恭介です」ピシッ


洋子「同じく洋子よ」ピシッ


警察「よく来てくれました。協力感謝です!」ピシッ


恭介「さっそく中に入りたいんだけどその子たちも構わないかな?外部に漏らしたりも絶対しない子たちなんで」


洋子「お願いします」


警察「わかりました、お二人が信用されている方ならいいでしょう」


恭介「ありがとうございます。洋子さん行きましょう」


洋子「えぇ、貴方達もおいで」


委員長「ありがとうございます」


花音「助かったわ」


あやめ「お邪魔します」


優香「・・・・・・」


警察「あれ?なんか多かったような?」


ー玄関ー


恭介「酷いな・・ドアが壊されている」


洋子「周りが気づかなかったのが嘘みたいね」


委員長「あの・・花音さん」


花音「ん?さっきの事?あれ嘘だよ安心して」


委員長「え?そ、そうなの!ま、まぁべ、別に嫌だとか思ってたわけでもないけど、ほ、ほらまだそういうのって早いでしょ?だからね?」


花音「そうだねー」


委員長「本当だよね?」


花音「うん」


委員長「ほっ・・・」


花音「ふふふ、それとちゃっかりいるのねあやめ」


あやめ「そう言う花音だって」


花音「その子は?」


あやめ「この子病院にいる子なんだけどノビスケに会いたがっていたから連れてきたんだけど」


花音「見た所私達と同じくらいに見えるけど?節操ないなノビスケは」


あやめ「そうなんだけど一応私達より歳上よ。ちょっと訳ありでね」


花音「ふ〜ん・・よろしくね?」


優香「っ!」フイッ


花音「嫌われたのかな?」


あやめ「ちょっと人見知りが激しくてね」


委員長「みんな次に行くみたいだよ」


花音「仲良くなるのは後ね」


あやめ「ははは・・・」


優香「・・・・ノビスケくん」


恭介「一階は酷いな・・居間は天井に穴が空いてるし」


洋子「それに鑑識の人達も倒れてるし・・・」


委員長「あ、動いた」


花音「鑑識寝てちゃダメでしょ」


あやめ「これって・・まさか!」


恭介「まだ犯人がいるって事か!」


洋子「何処に!いるの!」


委員長「そ、外の人呼ばないと」


花音「待ってそれはダメよ」


委員長「なんで」


あやめ「鑑識の人達は気絶してるだけだけどさっきやられたばかりだから呼びに行っていたら逃げられるよ」


恭介「そう言う事だ、君達はここに居てくれ洋子さん頼みますよ」


洋子「わかったわ、気をつけて」


恭介「あぁ」


居間を出て周りを見渡すボロボロのドアとめちゃくちゃになっている台所が見える


本来なら異常な光景だが今は異常なしと行っておこう


恭介「なにかあったら頼れるのは己の拳のみだ」


拳銃はこういう狭い場所では逆に邪魔になるだけだ


いきなり出てこられたらなにも出来ない


拳銃を奪われて撃たれるのが落ちだ


ゆっくり歩く


恭介「階段には誰もいないな・・階段の上にもいない・・」


台所へ向かう


恭介「レトルトカレーを食べた後があるが・・これは!」


そのレトルトカレーは賞味期限が数ヶ月前に切れている物だった


恭介「こんな物食ったら腹が大変な事になるぞ」


冷蔵庫の中を見る


恭介「何もない・・ノビスケくん・・君はどういう生活をしているんだ」


恭介「とりあえず考えろ!今あるもので考えるんだ!」


レトルトカレー(賞味期限切れ)


そして冷蔵庫の中は空っぽ


この事から導き出される答えは


恭介「啓めいた!!」クワッ


恭介「ノビスケくん・・」ポロポロ


ただ同情してしまうだけだった


ちなみに恭介はノビスケは一人暮らしだと思っています


恭介「また会えたら飯食いに行こうな・・」


恭介「ここらにはいないな・・二階へ行くか」


その時ドアの音がする


ガチャ バタン


恭介「っ!」


急いでその音がした方へ向かう


洋子さん達には動かないように言ってある


つまり居間以外にいる奴は敵だ!


恭介「ここか」


トイレのドアの前に立つ


恭介「人影も見える中にいる!」


「うわっ!流し忘れじゃないか!うぇ〜・・誰のだ?流してやー・・待てよ?持って帰って調べれば誰のか分かるかもしれない!犯人のかもしれないぞ!よし!持ってかー」


大きく息を吸ってドアを思いっきり開けてすぐさま殴りかかる


ガチャ


恭介「おらぁああ!!なっ!!」シュッ


「ん?」ドゴッ


恭介「ぐはっ!」ガシャーン


花音「なんか大きな音したよ!」


洋子「行ってみましょ!」


洋子「どうしたの!大丈夫!」


花音「生きてる?」


恭介「うぅ・・生きてるよ・・」


???「ビックリさせるなよ」


洋子「今度は私が相手よ!かかって来なさい!」


「ちょっと待てよ・・お前ら」


花音「貴方は」


恭介「待て!いいんだ!」


恭介「ユウさん何時の間に」


ユウ「お前らこそ何時の間にあやめに優香は待ってろって言ったろ」


あやめ「どうしても気になって」


優香「ごめんなさい」


花音「貴方確か病院にいた」


ユウ「ん?お前はノビスケの見舞いによく来てた奴だろ?ノビスケの彼女なのか?」


花音「違うよ、私は貴方をもっと前に見たような気もするけど」


ユウ「まぁ医者だからな会ってるかもな」


恭介「それでユウさん鑑識の人達は」


ユウ「俺がやった、邪魔だったから寝てもらった」


恭介「あのですね・・下手したら捕まりますよ?いや、捕まります!」


ユウ「大丈夫だ、証拠は残さないからそれに見られてないから」


恭介「はぁ・・もういいですよ」


洋子「えっと・・それで何かわかりました?」


ユウ「二階はあらかた見てきたがメイド服があったくらいだな」


恭介「メイド服だって!(ノビスケくん君は心までおかしく・・)」


あやめ「私も前貸してもらったけど何着あるんだろ?」


委員長「メイド服好きなのかな・・」


花音「お?着るの?」


委員長「着ません!」


ユウ「もう一つの部屋にはパソコンとか勉強道具があったな二階は特にこれってものはなかったよ」


恭介「え?」


ユウ「ん?そうだろ?」


恭介「・・そうですね」


洋子「なんで泣きそうな顔してんの?」


花音「で?一階はどうなの?」


ユウ「おう、流し忘れのあれを見つけたぞ汚い話だがこれは腹壊してるな」


ユウ「犯人のかもしれない持って帰るぞ」


花音「いや、しないでしょ常識的に」


ユウ「腹を壊せば場所なんて選ばねぇよ」


委員長「あの〜流しましょうよ」


ユウ「犯人の手掛かりを流す?ふざけるな!」


委員長「は、はい!すみません」


あやめ「ユウさん!」


ユウ「だが・・・」


恭介「・・・・・・」


洋子「どうしたの?」


恭介「いや・・少しな」


食べた後のカレー(賞味期限切れ)


これはノビスケくんが金欠で食べる物がなかった・・だから仕方なく


なんで頼ってくれなかったんだ


今言っても仕方がない


食べた後お腹を壊したのは間違いない


なら次はどうする?


恭介「っ!」


トイレだ!


ノビスケくんはトイレに行ったんだ!そして用が済んだ時犯人達が進入してくる


慌てただろうな流し忘れるんだ


怖かっただろうに・・


なら何処から出たかだ


恭介「ちょっと向こうに行ってくる」


洋子「わかったわ」


あやめ「もう!流す!!」ガチャ


ジャァアア


ユウ「ああ!!手掛かりが!」


恭介「台所から裏口へ続いているが・・ここも酷く壊されている裏口からも出られないか」


なら何処へ?考えろ玄関と裏口から挟まれた状態で大人しく捕まったのか?いや!ノビスケくんに限ってそんな事はないだろう


恭介「トイレから・・」


優香「ねぇ・・」つんつん


恭介「うわぁ!ビックリしたどうしたんだい?」


優香「ん・・」


彼女が指差したのは居間の隣にあるもう一つの部屋だ


恭介「ここ?」


優香「うん・・」


居間のように散らかった感じもしていないし綺麗だ


見た感じ物置にしているのだろう


机や古いタンスなどがある


掃除も行き届いている


恭介「ここは関係ないだろう」


優香「んん」フルフル


彼女は大きく首を振る関係があるのか?


あやめ「どうしたの?あ、ここって物置でしょ?前に少し覗いたんだけど・・・あれ?」


恭介「あやめさん?」


あやめ「前見た時は埃まみれだったのに凄く綺麗になってる。ノビスケ掃除したんだ、それともメイドさんかな?」


恭介「メイドさん?ノビスケくんの彼女さんかい?」


あやめ「恭介さんは知らないんですか?今泊まり込みでメイドさん雇ってるんですよ。二階にメイド服があったのもそういう事だよ」


恭介「そうだったのか・・」


ノビスケくん信じていたよ


あやめ「でも、ここは入ったらダメだって言ってたしメイドさんが勝手に入って掃除するわけもないし、やっぱりノビスケがやったのかな?」


恭介「ともかくここは関係ないだろう他をーいっ」


誰かにつねられた


優香「ここ!!」


人見知りなんだよね?痛いよ


恭介「はっきり言ってくれないとわからないよ、この部屋に何かあるなら言ってくれ」


優香「・あ・・・・」


あやめ「優香さん言ってみて」


優香「・・するの・・」


恭介「する?何が?」


優香「ここ・・凄く・・血の匂いがする・・」


恭介「血の匂い?でも血の跡なんて・・・っ!!そうか!」


あやめ「え?わかったの?」


恭介「ノビスケくんはここを掃除してないんだよ、したのは犯人達だ!ここを調べられると困ることがあるんだ」


あやめ「みんな!こっちに!」


ユウ「あぁ!くそ!」カポッ


委員長「そうやっても戻ってきませんよ?」


洋子「馬鹿みたい・・呼んでるわよ」


花音「どうしたの?」


あやめ「この部屋が怪しいって」


恭介「優香さんがいなかったらわからなかったありがと」


優香「う、・・うん」


その後みんなにさっきの事を伝えてこの部屋をみんなで調べる事にした


この人数で部屋を調べる身逃しなんてないだろう


恭介「あらかた調べたがなんかありましたか?」


花音「なんにもないよ」


あやめ「う〜んないよ」


ユウ「そうだなやっぱりトイレに」


委員長「念のためもう一回流しておきましたよ」


ユウ「なんて事を!」


洋子「外を調べてみましょうか」


優香「あの・・」つんつん


恭介「何かわかったのかい?」


優香「机が・・血の匂いが強い」


恭介「机か・・引き出しは特に・・あれ?開かない」


ユウ「恭介そっち持て」


恭介「はい」


ユウ「一気に引っ張るぞ掛け声頼む」


恭介「せーーの!!」


机の引き出しが開く


どうやらなにかで開かないようにされていたようだ


そしてこれが隠そうとしていたものだとわかった


まだそこには血がついていて


そして


ユウ「嘘だろ・・・」


恭介「夢じゃないよな・・」


花音「はわぁ〜すげぇ〜」


委員長「な、なにこれ?」


洋子「これが・・・・」


優香「タイムホール・・・」


恭介「タイムホール!」


お嬢さんから聞いた時間を移動出来るトンネル


それが今目の前に


ーーーーーーーーーーーーー

ーーーーーーーーー

ーーーー


ノビスケ編


目が覚める身体中が痛い


最近まともに寝ていないかもしれない


そして一瞬で今の状況を把握する


身体中に包帯が巻かれてベッドで寝ていた


傷めつけられて治療されるドラえもんの時と同じだな


違うと言ったら痛みが残ってるか残ってないかだ


ノビスケ「さてとどうしたものか」


多分だが誤解は解けたとは思うがあまりここに長くはいたくない


動こうにも今は動けない


別に痛いのは我慢すればいいが


俺にもたれかかるように寝ているハルさんを起こしてしまうかもしれないからだ


きっとずっと見ていてくれたんだなそう思うと起こすのも悪いな


ハルさんもここで働いてるって事はあいつらの仲間だよな・・でもハルさんには何度も助けてもらった


感謝しても仕切れないくらいだ


ハル「ふにゅ〜・・ふふ」


ノビスケ「ハルさんは信用できるよ・・ありがと」


寝顔を見ていると眠くなってきた


もう一回寝ようかと思ったが


ノビスケ「・・・トイレ行きたい」


仕方ない・・起こすしかないか・・


ノビスケ「ハルさん起きてくださいハルさーん」


起きない


やばい、いきなりダムが決壊寸前まで来た


ノビスケ「起きてください!ハルさん!」ゆさゆさ


起きない


ノビスケ「頼む!起きてくれ!」


起きないダムの警戒音が鳴り響く


ノビスケ「こうなれば無理矢理!」


そう思いハルさんの肩を掴むとあの事を思い出した


起きた時見た下着姿のハルさん


俺だって男だ、あの出来事が嬉しかったか?と聞かれると嬉しいとすぐに答える自信はある


なんというか・・やっぱり男とは少し違うな・・いい意味で


ノビスケ「はっ!い、いや!俺は別にそういう事を考えて触ったわけではなく・・ど、どいてもらうために」


誰もいないのに弁解を始める


いや、誰も見ていないと言った方がいいか、ともかく馬鹿だ


ノビスケ「ど、どうしよう」顔真っ赤


ハル「あ、起きたんだね、どうしたの?顔真っ赤だよ?」


ノビスケ「ああ!!馬鹿馬鹿馬鹿!!」ドンドン


ハル「なにやってんの!」


ノビスケ「離してくれ!こんな変態抹消すればいいんだ!!」


ハル「私じゃどうにも出来ない!誰か!」


ガチャ


老人「起きたか!くらえ!」クキッ


ノビスケ「ぐえ!」


ハル「やめてください!」


老人「攻撃したんじゃないよく見てみろ」


ノビスケ「・・・あれ?なんともない」サスサス


老人「落ち着いたか?」


ノビスケ「はい・・なんか落ち着いてきました」


???「起きたのね、ハルご苦労様」


ハル「いえいえこのくらい楽勝ですよ!」


老人「こら!いい加減にお嬢様に対する口の利き方を」


???「執事長いいの」


老人改め執事長「お嬢様がそう言うなら」


???「さて、貴方には聞きたい事があるんだけどいいかしら?」


ノビスケ「また拷問でもするのか」


執事長「こいつ!」


???「執事長!大人しくしていなさい」


執事長「はい・・」


???「手荒な真似はしたくないの

答えてくれる?」


ノビスケ「もうされたが?なんだよ」


???「そうね、まずは自己紹介からいきましょ、私の名前はセリナよ北条セリナ、北条家の次期当主よ」


執事長「お嬢様それは・・」


セリナ「いいのすぐに分かることだから」


執事長「では、まさか」


セリナ「そのまさかよ」


執事長「私は反対です!」


セリナ「貴方の意見なんて聞いてないわ」


執事長「そうですか・・・わかりましたそれがご命令ならば」


セリナ「そうよ決めるの私よ貴方はそれに従う」


執事長「その通りです」


ノビスケ「なんだよこの茶番寝ててもいい?」


ハル「起きててあげてください後茶番ではないです」


セリナ「ノビスケ貴方を雑用として雇います。いいわね?勿論貴方に決める権利はないけど」


ノビスケ「ここで働けと?嫌に決まってるだろ、第一俺は未成ー」


未成年だ、と言おうとした時ハルさんが大声を出す


ハル「わわ!!ちょっと待って!」


セリナ「どうした?ハル」


ハル「ちょっとだけお兄ちゃんと二人で話したいことがありまして・・」


セリナ「今じゃなきゃダメ?」


ハル「お願いします」


セリナ「わかった五分だけよ、執事長」


執事長「わかりました」


ガチャ バタン


ハル「ふぅ・・」


ノビスケ「あ、俺も出なきゃいけないよね・・それでお兄ちゃんは何処に?」


ハル「貴方よノビスケくん」


ノビスケ「へ?そう言えばそんな事言ってたよ・・えええええ!!いやだって!あれ?俺に妹なんて・・まさか!隠し子か!お父さんの野郎!」


ハル「違うよ!そういう事にしてるだけ!幸いな事にお兄ちゃんの服を着てたからお兄ちゃんって事にしたのそうするしか助ける方法がなくて・・ごめんなさいね嘘でもこんな妹・・なんてね」


ノビスケ「事情はわかったよ、ありがとそれとこんな妹なんて言わないでくれ最高の妹だよ、可愛いし」


ハル「可愛いだなんて・・へへへ」


あ〜ギュッてしたいかも


ノビスケ「それで俺はお兄ちゃんって事にしとけばいいんだな」


ハル「そう、私が二十歳だから貴方は二十二歳って事にして欲しいの」


ノビスケ「わかった、だけどここで働くのは・・」


ハル「気持ちはわかるけどまだ完全に信用はされてないのきっと監視の意味も兼ねてるのよ。悪いようにはしないから少しの間お願い」


ノビスケ「・・・・・でも」


ハル「やっぱりダメだよね・・この窓から逃げて時間は稼ぐから」


ノビスケ「でもそうしたら!ハルさんは!」


ハル「気にしないでどうにかなるよ」


ノビスケ「くっ・・」


ガチャ


セリナ「そろそろ時間よいいかしら?」


ハル「もう少しお願いします!」


執事長「ダメだ!これ以上無駄な時間を作らせるなど何様だ!」


ハル「お願いします!」土下座


ノビスケ「っ!」


ハルさんは俺を逃がすためにここまで!


確かに俺はここから出たい


出て帰る方法を探さないといけない


でも、俺に何が出来る?住むところもなく外で凍え死ぬのが落ちなんじゃないんだろうか


それにハルさんには大きな借りもある


これ以上ハルさんに迷惑はかけられない


セリナ「そこまで言うなら」


ノビスケ「必要ないですよ」


ハル「っ!」


俺は痛む身体を起こしてハルさんの前に立つ


ノビスケ「わかりました。雇ってください」


ハル「ノビーお兄ちゃん・・」


今ノビスケって言いかけたぞお兄ちゃんで統一するのか?どちらでもいいが


セリナ「どう言う風の吹き回しか知らないけどいい判断よ」


セリナ「その治り具合なら明日から大丈夫そうねちょっと異常だけど、今日は休みなさい、それと仕事の事は全部執事長に一任してるから執事長、ノビスケの事お願いね」


執事長「はっ!何処の馬の骨かわかりませんが最低限使えるようにはします」


ノビスケ「え?ハルさんじゃなくて?」


セリナ「ハル?ハルはメイドだし最近入った新人よ?彼女はメイド長が見てるの今日の夜には帰ってくるわ後で挨拶に向かわせる」


セリナ「それともメイドになりたいの?」


ハル「メイド服着ます?」


ノビスケ「いえ、遠慮しておきます」


セリナ「なら話は以上よ」


執事長「ゆっくり休めよ」


ノビスケ「俺の懐中時計とナイフは?」


セリナ「それならこっちが預かってるわ、貴方が何かしない限りは何もしないわ逃げたりしたらなにかするかもしれないけど」


ノビスケ「人質ってわけかよ」


セリナ「そうよ、どうする?無理やり取り返す?」


執事長「・・・・・」


ノビスケ「わかったよ・・壊すなよ?」


セリナ「触らないから大丈夫よ、じゃあ明日からよろしく」


執事長「命拾いしたな感謝しろよ」


ガチャ バタン


ノビスケ(いい性格してやがるよ)


ハル「緊張した〜」


ノビスケ「土下座までしなくて良かったのに」


ハル「いいの、いいの私の土下座にそんなに価値ないし」


ノビスケ「ありがと・・ハルさん」


ハル「いいってことよ!後私の事はハルの呼び捨てにしてね?お兄ちゃん」


ノビスケ「そうか・・確かに歳上って事になるからそう呼ばないとおかしいな」


ハル「じゃあ、私も行くね!メイド長が帰ってくる前に掃除しとかないと怒られるから、ゆっくり休んでね」


ノビスケ「あぁ、色々とありがとこれからよろしく」


ハル「うん!」


ノビスケ「さてと・・今はドラえもん達が見つけてくれるまで頑張るしかないな・・よし!」


ノビスケ「あ、トイレ行きたかったんだった!」ダッ


ー夜ー


こんなにまともに寝たのは久しぶりだ


なんて心地いいんだ


ノビスケ「夜か・・そろそろ起きー」


???「・・・・・・」ジー


ノビスケ「誰だ!」


目の前にメイド服を着た女性が無言でこっちを見ていた、いや睨んでいた


???「私はここのメイドをやっております。メイド長とお呼びください、眠っておられるので起こすのも悪いと思いまして」


ノビスケ「そうですかよろしくお願いしますメイド長さん」


ノビスケ(ずっと居られる方が困るぞ)


メイド長「メイド長で結構です。偽名なので」


ノビスケ「え?」


メイド長「メイドは本来名は明かさないものなのです。明かしていいのは本当に信頼出来る者だけです。それが私の家系の代々メイドをやってきた先祖達が守ってきた掟です」


ノビスケ「へぇ〜って事はハルも」


メイド長「いえ、ハルは本名です。ですが私達メイドはゲームで言うならモブキャラです。名なのど不要なのです。」


ノビスケ(なぜゲームで例えた?)


メイド長「そうハルにも教えたのですが教えた瞬間に自己紹介をされました。本名のね、信頼してくれてるのかそれとも単純に理解してなかったのか・・今だにわかりません。貴方は兄妹と聞いてるので知っていてもおかしくはありません、もし貴方がハルと他人で名前を知っていたならやはりわかっていなかったとわかるのですが」


ノビスケ「そ、そうですね」


俺は信頼されたのか?それとも・・


メイド長「ですから私の事はメイド長と呼んでください」


ノビスケ「わかりました」


メイド長「それと覚えておいてください。私達はメイドも執事もみんなお嬢様という主人公とは違うモブだということをモブはモブらしくあれと言うことを」


ノビスケ「??」


メイド長「簡単に言います。余計な事はするなと言うことです。貴方は言われた事をやるだけで結構ですので」


ノビスケ「わ、わかりました・・」


メイド長「では、自己紹介も済んだところで説明をしたいと思います」


ノビスケ「俺自己紹介したっけ?」


メイド長「お嬢様から聞いていますので結構です」


ノビスケ「そうですか・・」


メイド長「この屋敷では、お嬢様と私とハルと執事長しかいません」


ノビスケ「こんなに広い屋敷なのに?」


メイド長「お嬢様は少なからず命を狙われている身です。少ない方が対処が出来ます」


ノビスケ「それなんだがどうして命を狙われなければ」


メイド長「金に目のくらんだ馬鹿達の所為です。貴方はそうでないと祈りたいです。あまり人を殺すのは私も避けたいので、それとこの話はあまり表に出さないでください」


ノビスケ「はい・・拷問の時に聞いたような・・う〜ん」


メイド長「貴方は明日から色々と覚えてもらいますので覚悟しておいてください」


ノビスケ「え?執事長が見るって言っていましたけど?」


メイド長「明日は私が執事長から任されました。掃除など基本的な事を教えます。」


ノビスケ「わかりました、明日はよろしくお願いします」


メイド長「では、失礼します。ハルをそろそろ逆さ吊りから解放してやる時間なので」


ノビスケ「逆さ吊り?」


メイド長「埃が残ってました」


ガチャ バタン


ノビスケ「・・・俺やっていけるかな」


不安と不安と不安を背負い朝を迎える


朝起きるとハルが吊るされていた


ハル「気分悪い・・・あ、お兄ちゃん〜おはよう〜」ぶら〜ん


ノビスケ「大丈夫かなハル」


メイド長「ハルの料理は壊滅的ですね」


ー書斎部屋ー


メイド長「では、ノビスケさんこの部屋をお願いします、書斎部屋です」


ノビスケ「難しそうな本だらけだ、でも綺麗ですよ?掃除する必要はないと思いますが?」


メイド長「吊るされたくなかったらやってください私は他をやるので」


ノビスケ「行ってしまった・・教えてくれるんじゃないのかよ・・」


メイド長「これ置いていくので使ってください。掃除の事なら知ってますので」


ノビスケ「これって言われてもな・・」


ロープでぐるぐる巻きにされているハルさんをどうしろと


ハル「解いてくれると嬉しいな」


ノビスケ「いつもこうなんですか?」


ハル「入って一週間毎日こうです!」


ノビスケ「とりあえず解くよ」


ロープを解く巻き方がちゃんと怪我をしないように巻かれていた


ノビスケ「とりあえずここはもう綺麗だと思うんだけど」


ハル「お兄ちゃんよく見てごらんよ。本の上に少し埃があるし机も汚れているソファも破れてないかとか見て窓も拭いてここの花も替えてってする事は多いよ」


ノビスケ「なるほど、わかったやってみるよ!」


ノビスケ「ちなみに二人きりでもお兄ちゃんって呼ぶの?」


ハル「はい、慣れるために」


ノビスケ「慣れるね・・・」


ハル「ここも汚れてるよ!」


ノビスケ「はいはい!」


ハル「ここも!」


ノビスケ「ふむふむ」


どうにか一通り終わらせた


ハル「これでこの部屋は終了だよ」


ノビスケ「ふむ・・・」


ハル「どうしたの?」


ノビスケ「ハルって意外に出来るんだね」


ハル「舐めてもらっては困る!これでもメイドですから!」


メイド長「ここの拭きも甘い、窓は外側も拭かないといけないし本棚も埃が残ってる」


ハル「め、メイド長!いつの間に」


メイド長「吊るす!」


ーホール玄関ー


吊るされ中


ノビスケ「すみません・・」


ハル「私もごめん・・」


ノビスケ「ロープ切れたりしないよね?」


ハル「多分・・・」


ノビスケ「うぅ・・高いな・・」


ハル「慣れるよ」


ノビスケ「慣れたくないよ!」


ハル「まぁ力抜いて」


ノビスケ「はぁ・・ん?あれは」


執事長「・・・・・・」


ハル「あ、執事長さんだ」


執事長「・・・・・」プイッ


ノビスケ(目をそらした?何故?そう言えば結構高い所に吊るされていてハルはメイド服でスカート執事長はハルの真下にいるわけではないが真下に少しずつ動いているような)


執事長「・・・・・・」ササッ


ノビスケ(確定だ!あのエロジジイ!)


ノビスケ「それ以上動くと執事長の思惑をハルに言うぞ!」


執事長「な、なんの事だ!わ、私は知らないぞ!」


ノビスケ「ハルのパー」


執事長「おっと仕事の時間だ!」ダッ


ノビスケ「どうにか守ったか」


ハル「なになに?思惑って」


ノビスケ「ん?俺の勘違いだよ」


メイド長「次の仕事を教えます」


ノビスケ「やっと解放された」


ーキッチンー


メイド長「この屋敷ではコックは雇っていませんので私達が作らなければいけません。料理が出来るか見させてもらいますので肉じゃがは作れますか?」


ノビスケ(肉じゃがか・・確かメイドから教えてもらったな)


ノビスケ「はい、大丈夫です」


メイド長「材料はここにあります。ハルも作ってください、今朝の事は水に流すので次は本気でふざけず作ってください」


ハル「今朝のも本気です!」


メイド長「あれが本気ならまた吊るさなきゃいけないのだけれど?」


ハル「次は本気でいきます!」


メイド長「よろしい、では始め!」


ノビスケ(メイドには感謝だな)


ノビスケ「まずは・・・」


メイド長「手際はいいわね」


ハル「えっとこれかな?」


メイド長「なにそれ?」


ハル「肉じゃがです」


メイド長「出来るまでは待ちます。作り直すなら今のうちです」


ハル「大丈夫です!」


メイド長「・・・・・・」


そして両者完成


メイド長「ハル・・これはなに?」


ハル「肉じゃがです!」


ノビスケ「うぅ・・匂いだけでやばい・・」


ハル「ちょっと待っててくださいね」


ハルはその肉じゃが?を丁寧に皿に分ける


ハル「はい、メイド長」


メイド長「・・・・・・」


ハル「はい、お兄ちゃん」


ノビスケ「・・・・・・」


セリナ「何してるの?」


ハル「あ、お嬢様!丁度いいところに」


セリナ「なに?」


ハル「はい、お嬢様」


セリナ「・・・ゴミ?」


ハル「肉じゃがです!」


セリナ「冗談よね?」


メイド長「お嬢様それは捨ててください」


セリナ「悪いけどそうさせてもらうわ」


ハル「そんな・・・」


メイド長「勿体無いですが仕方ありせん」


ハル「・・・はい」


ハルなり一生懸命作ったものなのだろうだからあんなに落ち込んでんだ


一生懸命になればなるほど拒絶されればキズも大きくなる


俺が恐れていた事だ


俺も一生懸命になる事を恐れていた時期があった


でも、みんながいたからみんなを信じられるようになったから


ハルにもきっと必要だそんな人が


俺はいついなくなるかわからない


でも、それまでは俺が


ハル「お兄ちゃんも捨ててください・・」


ノビスケ「いただきます!」


大きく口を開け入れる!


信じてやる!


ハル「っ!」


メイド長「なにを!」


セリナ「面白いことを」


ノビスケ「なかなかの歯応えだ!そしてこの・・なんというか・・新たな新世界を連想・・あばばばば」バリボリバリボリ


バタッ


メイド長「ノビスケさん!」


セリナ「ちょっと!洒落になってないから!」


ノビスケ「」泡ブクブク


メイド長「泡吹いてます!」


セリナ「ちょっと!ハルなんとかしなー」


ハル「食べてくれた〜はぁ〜嬉しいな〜」キラキラ


セリナ「なんて笑顔!自分の世界に入っちゃってる」


セリナ「執事長!」


執事長「なんでしょう」サッ


セリナ「ノビスケをどうにかして!」


ノビスケ「」ピクピク


メイド長「吐き出しなさい!」ベシッ


執事長「トドメを刺せばいいのですか?」


セリナ「違うわよ!とにかく暗黒物質を出させて!」


執事長「こういう事ならハルの方が向いているかと」


セリナ「あれ見て」


ハル「はぁ〜」キラキラ


執事長「いい笑顔だ」ポッ


セリナ「あれじゃあ使えないでしょ?多少強引でもいいから吐き出させて」


執事長「わかりました」


メイド長「吐き出せ!!」ドン ドン


ノビスケ「」


執事長「メイド長交代しましょう」


メイド長「お願いします」


執事長「ふむ・・・・」ドスンッ


ノビスケ「うっ!」


執事長「口を開けろ」グイッ


ここからは少し表現が激しくなるので省略


ノビスケ「ゲホッ・・ハァ・・ハァ・・生きてる」


執事長「ぺっ・・感謝しろよ」


ノビスケ「ありがとうございます・・でもなんか気分が悪い・・」


メイド長「次からは気をつけなさい」鼻血たら〜


ノビスケ「あの、鼻血が出てますよ」


メイド長「気にしないで」


ハル「はっ!私はなにを!」


セリナ「やっと帰ってきた色々やってたらもう夜ね」


メイド長「晩御飯の支度をしなければ」鼻血たら〜


セリナ「そこに肉じゃがあるじゃないそれでいいわ」


メイド長「これはノビスケさんが作ったものですが」


セリナ「へぇ〜美味しそうじゃない」


メイド長「では、後で部屋に持って行きます」


セリナ「お願い」


ノビスケ「・・・・・・」


メイド長「さて、私達は残りの材料でまかないでも作りましょうか」鼻血たら〜


執事長「私がやりますよ。まずはその鼻血を止めなさい」


メイド長「わかりました」


ノビスケ「そう言えば俺はどうなんですか?」


メイド長「肉じゃがですか?そうですね・・では、一口だけ」パク


メイド長「っ!」


ノビスケ「どうです?」


メイド長「ノビスケさん・・この味を何処で?」


ノビスケ「不味かったですか?一応・・知り合いから教わったんですが」


メイド長「知り合いですか・・・では、貴方に聞いても仕方ありませんね」


ノビスケ「なにかあるんですか?」


メイド長「いいえ、特別なにかあるというわけではありませんので、私はこれをお嬢様に持っていきます。味は完璧とはいきませんが中々良かったですよ」


ノビスケ「よっしゃ!」


ハル「すごいよ!お兄ちゃん!メイド長は中々褒めないよ」


ノビスケ「そうなのか」


ハル「うん!今度私にも作ってね!私も作るから」


ノビスケ「作ってはやるからハルは見てるだけでお願いします」


ハル「遠慮しないの」


ノビスケ「いえ、遠慮とかではなくて・・」


執事長「出来たぞ、さっさと食え!」


ノビスケ「はい」


ハル「いただきます!」


ー夜ー


セリナ「ここが今日からノビスケの部屋よ好きにしなさい」


ノビスケ「うわ〜凄く埃まみれだ・・蜘蛛の巣もたくさんだ」


セリナ「使ってなかったからね、文字通り好きに使いなさい、じゃあお休み」


ノビスケ「お休み・・」


部屋はベッドと机だけのシンプルな部屋だ


床は汚れだらけの埃まみれで蜘蛛の巣も惜しみなくある


ベッドだけは綺麗だが、それだけだ


今日は疲れたしこのまま寝てしまおう


明日も早いし


ノビスケ「お休みなさい・・・」


ハル「さぁて!掃除〜」


ハル「〜♪」


ノビスケ「・・・・・・」


ハルがいつの間にか入ってきて床を拭いていた


ハル「掃除しがいがあるな〜」


ノビスケ「あの〜ハル?」


ハル「あ、お兄ちゃんまだ朝じゃないよ」


ノビスケ「いや、それはわかってるんだけど」


ノビスケ「なにやってんのかなって思って」


ハル「掃除だけど?見てわからない?」


ノビスケ「いや、わかるよ、だけどなんで俺の所を?」


ハル「だらしない兄を助けるのは妹として当たり前でしょ!こんなところで寝たら風邪ひくよ」


ノビスケ「今は二人っきりなんだから兄妹設定はなしでいいでしょ」


ハル「設定?・・・あ〜確かそうだったごめんなさい・・」ションボリ


そんなに落ち込む事か?でも、まぁいいか


ノビスケ「いや、まぁ疲れないならその・・変な話俺の方が歳下ですけど、兄と思ってもらっても」


ハル「う〜んそう言われると複雑だな・・まぁ今まで通りで今日は寝てください。私は掃除してます」


ノビスケ「わかった、でも一人で掃除させてるのに寝るなんてできないよ、俺も掃除手伝うよ」


ハル「優しいんですね」


ノビスケ「普通だよ、ほらさっさと終わらせようぜ」


ハル「はい」


ー朝ー


メイド長「さて、今日が見極めの日ね・・気を引き締めなきゃ」


メイド長「失礼します。ノビスケさん朝ですので起きー・・」コンコン


一つのベッドに二つの膨らみ


メイド長「ノビスケさん?」ガバッ


布団取るそこには


ノビスケ「むにゃむにゃ・・」


ハル「ぐがぁ〜」下着姿


男女が同じベッドで寝ている光景だった


メイド長「吊るす」


ー玄関ホールー


ぶらーん


ノビスケ「朝からはきつい・・」


ハル「でしょ?私は毎日だから」


ノビスケ「なんで居たんだよ部屋に戻れよ」


ハル「いや〜それがね」


ーーーーーーーーーーーーー


ー昨日の夜ー


ノビスケ「終わったぁあ!」


ハル「うん!綺麗になった」


ノビスケ「もう疲れた寝る」ベッドにダイブ


ハル「私も〜」ベッドにダイブ


ノビスケ「ハルは部屋に戻って寝てくれ」


ハル「あ〜そうだったここ私の部屋じゃなかったんだった」


ノビスケ「俺は寝るから、お休み」


ハル「少しだけ休憩したら部屋戻るからって寝ちゃった」


ハル「・・・・・・・」


ハル「くかぁ〜・・・」爆睡中


一時間後


ハル「うぅ・・寒い」ベッドへ行く


ハル「なんでベッドじゃない所で寝てたんだろ・・まぁいいや」ガサゴソ


ハル「寝にくいな・・あ、そうか服が邪魔なんだ」ぬぎぬぎ


ハル「抱き枕なんか買ったかな?まぁいいや」ギュッ


ーーーーーーーーーーーーーー


ハル「だったような気がする」


ノビスケ「それ俺は悪くないじゃないか・・なんで俺まで吊るされて」


メイド長「いくら兄妹でもああいう事はダメです。反省してください」


ノビスケ「はい・・・」


ハル「はい!」


ノビスケ「あの〜そろそろ降ろしてもらえると・・」


メイド長「そのまま聞いてください今日の予定はー」


セリナ「あら朝から二人とも仲がいいのね一緒に吊るされて」


ノビスケ「降ろして〜」


ハル「へへへ・・仲がいいだなんて」


メイド長「お嬢様おはようございます」


セリナ「おはよう、今日の予定なんだけど外の木を寒い今のうちに枝とかを切って欲しいの暖かくなるとやりにくくなるから」


メイド長「わかりました。二人とも準備してください」


ノビスケ「だから!降ろせ!」


ハル「へへへ」


メイド長「そうでした」


降ろしてもらった


ノビスケ「ああ〜足が付くって素晴らしいと思う」


セリナ「私は先に執事長と行ってるから早く来なさいよ。二人は着替えて来てノビスケはもうそれでいいわ来なさい」


ノビスケ「はい」


ー庭ー


ノビスケ「で、どの木を切るの?」


執事長「いい加減に口の利き方を!」


セリナ「執事長黙ってなさい」


執事長「はい・・・」


ノビスケ「ふっ」ニヤ


執事長「・・・・」イラッ


セリナ「ここから見える木全部よ」


ノビスケ「冗談だろ?庭の端の方にたくさん木があるんだけどあれ全部?」


セリナ「そうよ」


ノビスケ「俺と執事長とメイド長とハルだけで?」


セリナ「私もやるから」


ノビスケ「それでも人数足りないよね?」


セリナ「本当なら庭師を雇ったらいいんだけど・・」


ノビスケ「なにか問題でもあるのか?やっぱり狙われてるからか?」


セリナ「それはあまり気にしてないわ執事長もメイド長もいるし」


ノビスケ「強いんだね」


セリナ「当然よ北条家を荷なう身ならこのくらい突破しないと」


ノビスケ「俺も出来る限り手伝うから頼ってくれよ」


セリナ「貴方は今の立場でよく言えるわね」


ノビスケ「それが俺の強ささ」


セリナ「まだ、貴方を疑ってるということを忘れないで」


ノビスケ「わかってるさ、それで?話を戻してどうして庭師を雇えないんだ?」


セリナ「さっきも言ったけど狙われてるかもしれないってのもあるけど一番の理由はお金よ」


ノビスケ「お金?大金持ちのお嬢様でも払えないほど高いのか?」


セリナ「私はあくまで次期当主候補よ。それまで財産はお爺様の物よ」


セリナ「毎月送られてくるお金でやりくりしなきゃいけないの」


ノビスケ「ちなみにいくらほど?」


セリナ「耳を貸しなさい」


ノビスケ「おう」


セリナ「ーーーー」


ノビスケ「そんなに貰ってるのかよ!」


セリナ「でも、これほとんど屋敷の光熱費とかメイド長達の給料で消えるのよ」


執事長「お嬢様私は給料などいらないと言っています」


セリナ「執事長これだけは譲れないの貴方にはそれそうのことをしてもらってる私に出来る恩返しはこれくらいしかないの」


セリナ「お金の事だけはちゃんとしておきたいの」


ノビスケ「それで?結局月いくら使えるんだ?」


セリナ「耳貸しなさい」


ノビスケ「ふむ」


セリナ「ーーーーー」


ノビスケ「ちょっと待ってよ・・え〜と・・ギリギリじゃね?」


セリナ「そうよギリギリよ、というよりアウトなのよ・・執事長もメイド長もこっそり自分のお金を使ってる時もあるし・・バイトでもしようかな・・」


執事長「だめですぞ!そんなのは認めません!」


セリナ「なわけでやりくりが大変なのよ」


ノビスケ「貧乏なお嬢様なんて初めて見たよ」


セリナ「言わないで虚しくなるから」


メイド長「お待たせしました」


ハル「着替えて来ました」


二人のジャージ姿はなんか違和感があった


ジャージだけで寒くないのかな?


セリナ「じゃあメイド長はここからあそこまで」


メイド長「はい」


セリナ「ハルはあっちからあっちまで」


ハル「多いですね」


セリナ「執事長は向こうの大きな木をお願い」


執事長「はっ!」


セリナ「ノビスケはそれ以外ね」


ノビスケ「それ以外って多くね?みんなの倍以上はあるぞ!」


セリナ「若いんだからそのくらいしなさいよ」


メイド長「・・・・・・」


ハル「私も若いんだけどな・・・」


ノビスケ「わかったよやるよ」


セリナ「もう枝という枝は全て切っちゃって、どうせ夏頃には元に戻るから、後脚立から落ちないように気をつけて」


執事長「よし!散れ!」


みんなが言われた場所へ向かい作業を始める


それにしても本当に広い庭だ


みんなが霞んで見えるくらいだ


仕事は簡単だ。脚立から落ちないようにと道具の使い方を間違えなければ安全だ


ノビスケ「ふぅ〜こんなものかな?」


枝を全部切るとただの棒にみたいになった


これでいいんだよね?


ノビスケ「まぁいいか、一本事態はそんなに時間はかからないが本数が多すぎるな」


ノビスケ「考えても仕方ないな」


脚立から降りて次の木へ向かおうとした時足元を見て思った


ノビスケ「この切った枝とかはどうするんだろう?このままにしてたら風で飛ばされたりして庭が汚れそうだな」


庭の真ん中にセリナが立っている。どうやらみんなの作業を監視しているようだ


周りを見て頷いていたりするまさしく現場監督だ


聞いてみるか


ノビスケ「セリナぁあああ!!」


大きく叫ぶ


セリナがこっちに気づく歩いて近ずいてくる


別方向から執事長が全速力で向かってくる


ハルが何故か手を振ってる


とりあえず振り返しておく


メイド長が脚立から落ちそうになっていた


どうにか落ちないで済んだようだがフラフラしているな


執事長「こらぁああ!!用があるならてめぇから行けや!」


ノビスケ「少し聞きたいことがあって」


執事長「だからてめぇから行け!お嬢様を歩かせるな!」


セリナ「執事長!さぼらないで持ち場に戻って」


執事長「ぐっ!・・はい」


セリナ「それで?なに?まさかもう弱音?」


ノビスケ「早すぎるだろ、この切った枝とかはどうする?そのままにするのはやばいぞ」


セリナ「確かにこのままにはできないわね」


ノビスケ「それで提案なんだがこの枝とかを一箇所に集められないかな?」


セリナ「そうね・・わかった私がやるわ」


ノビスケ「いいのか?汚れるぞ?」


セリナ「見てるだけなのは嫌いなのよ」


ノビスケ「じゃあ、頼むよ」


セリナ「執事長!」


執事長「はっ!」サッ


セリナ「切った枝を一箇所に集めるから庭の真ん中に集めるようにしてここは私がやるから、この事をメイド長とハルにも伝えて、なんなら二人一組でやってもらって」


執事長「わかりました」ダッ


ノビスケ「じゃあ頼む」


セリナ「任せて」


俺が木を切って落ちた枝とかをセリナが集めて真ん中へ持っていく


ある意味俺の作業より疲れそうだ


作業も終盤になる


ノビスケ「この木で最後だ」


セリナ「えぇ」


セリナ「・・・・・・」


ノビスケ「どうした?」


セリナ「ねぇ不安じゃないの?こんな所に監禁まがいのことをされて」


ノビスケ「監禁まがいと言うより監禁だろ」


セリナ「そうよね」


ノビスケ「不安じゃないって言ったら嘘になるけど色々ありすぎて慣れてくるんだよ。ここの生活も悪くないって思うし」


セリナ「・・・・・・・」


ノビスケ「それよりも俺は学校にも行かないセリナの方が心配だな。学校も危険なのか?」


セリナ「余計なお世話よ。別に危険かと言われるとそうでもないわ警備もちゃんとしてるし行こうと思えば行ける。でも私は行きたくないそれだけよ」


ノビスケ「何故?」


セリナ「察しなさいよ」


ノビスケ「無理だ、何故?」


セリナ「誰にも言わないでよ」


ノビスケ「おう」


セリナ「北条家はここら辺じゃ知らない人はいないってくらい有名なの」


ノビスケ「自慢?」


セリナ「黙って聞きなさいよ、だから学校でも私は有名人だった」


ノビスケ「いい事じゃないか」


セリナ「貴方にはわからないかもしれないけど辛いものよ・・誰一人として私を見てくれないのよ」


ノビスケ「どういう意味だ?」


セリナ「みんな私を北条家の娘としか見てないの・・北条セリナとしては誰も見てくれない・・近寄ってくるのは私に媚を売ったり、逆恨みしている奴らばかり」


ノビスケ「・・・・・・」


セリナ「そういうのが長く続くとわかるようになるの・・その人の裏がね・・私は本物が欲しかった、だからそういう奴らを片っ端から跳ね除けたの」


セリナ「近寄るなって・・そしたらいつの間にか誰も寄って来なくなってた・・噂では私はみんなを見下しているって思われてるらしい」


セリナ「でも、耐えた・・私からも声をかけた・・でもダメだった」


ノビスケ「・・・・・・」


セリナ「そして両親の死・・もう限界になって・・・見下してると思われてるなら本当に見下してやるって思って・・・」


ノビスケ「思って?」


セリナ「朝の集会で全校生徒に罵倒や今まで思ってたことを言って逃げたわ」


セリナ「今思えば私の性格にも問題があったんだって・・これじゃあ友達も出来ない・・何もない私には・・」


ノビスケ「セリナ・・・・」


セリナ「どう?幻滅した?元から期待もしてないわよね?悪いけどそう思ってても貴方にはここに居てもらうから」


ノビスケ「最初にも思ったけど本当にいい性格してるよ」


セリナ「皮肉ね褒め言葉として受け取っておくわ」


ノビスケ「あぁ、そうしてくれ褒めてんだから」


セリナ「っ!馬鹿にしなで!」


ノビスケ「馬鹿にはしてないよ本当にそう思っただけだ」


セリナ「私には何一つ良いことなんてない!それは私がよく知ってる!」


ノビスケ「本当にいい奴ってのは自分じゃ気づかないもんだよ、俺いい奴だからって言ってる奴ほど信用出来ないものはないよ」


セリナ「何が言いたいのよ・・」


ノビスケ「評価っていうのは周りがするものだ自分じゃない」


セリナ「さっき言ったでしょ私は学校でも」


ノビスケ「セリナだってさっき言ったじゃないか学校の奴らはセリナを見てないってなのになんで評価出来るんだ?」


セリナ「それは・・・」


ノビスケ「俺はここに来てから日も浅いけどさっきの言葉を聞いて確信したよ」


セリナ「なによ」


ノビスケ「セリナは人思いで優しいよ」


セリナ「っ!」


ノビスケ「お人好しくらいにね」


セリナ「いい加減な事言わないでよ!」


ノビスケ「いい加減じゃないよ本心だ」


セリナ「なら言ってみてよ!何処が優しいのか!お人好しなのかを!」


ノビスケ「わかった、まず俺が拷問をされてた時平然を装っていたけど汗かいてたよね?あれってハルの話を聞いて走って来てくれたんじゃないか?もしかしたら拷問事態してることを知らなかったんじゃないか?」


セリナ「知ってたわよ・・それに汗は暑かっただけよ」


ノビスケ「冬なのに?」


セリナ「・・・・・」


ノビスケ「それに知ってたんだろ?俺とハルが兄妹じゃないって」


セリナ「はぁ・・何でわかるの?」


ノビスケ「ハルって嘘つく時少し目が泳ぐだろ?数日間で気付けたんだならセリナはもう知ってたんだろ?」


セリナ「死なれたら困るからよ・・それだけ」


ノビスケ「それに運んでくれたのセリナだろ?」


セリナ「執事長よ」


ノビスケ「いい香りがしたけど女の子のいい香りが」


セリナ「変態」


ノビスケ「やっぱりそうじゃないか」


セリナ「気まぐれよ」


ノビスケ「そうか」


セリナ「それだけ?ならー」


ノビスケ「まだあるぞ、セリナってみんなと食事をとらないで部屋で一人食べてるよね?あれって食事の時くらい気兼ねなくして欲しいからじゃないか?やはり一緒に暮らしていても気を使わないといけないしなご主人様の前だとゆっくりも食べられないだろうし」


セリナ「一人で食べるのが好きなだけよ」


ノビスケ「凄く寂しそうな顔してたけど?」


セリナ「・・・・・・」


ノビスケ「それに学校だって行ってないけど学費払ってんだろ?退学だってしないのは有名人ともなる北条家の娘が自主退学なんかしたらその学校に悪評がつくかもしれないからだろ?」


セリナ「それは・・ただ」


ノビスケ「学校側にとっては当たり前の金かもしれない。でも、生活費を削ってまでも払う必要はあるのか?」


セリナ「当たり前よ・・」


ノビスケ「セリナの服だって同じようなのばかりだ。みんなの給料はきちんと払ってるけど・・自分の小遣いとかはどうしてんだ?」


セリナ「貯金してるだけよ」


ノビスケ「嘘だな、目泳いでるぞハルと同じだ」


セリナ「そんな筈!」


ノビスケ「嘘だけど?」


セリナ「騙したな!」


ノビスケ「少しでいいから自分の小遣いも入れろ。みんなもわかってくれるはずだ」


セリナ「・・・・わかったわよ」


ノビスケ「他にも今日の作業だって俺たちにやらせて自分は部屋でくつろいでいればいいのにしなかった」


セリナ「みんなが頑張ってるのにくつろげるわけないじゃない!」


ノビスケ「そう言えるのは凄い事なんだ。優しいよセリナは」


セリナ「っ!」


ノビスケ「まだあるぞ」


セリナ「もういいから!やめて!」


ノビスケ「いや、認めない限りは言うぞ」


セリナ「認める認めるから!」


ノビスケ「じゃあ復唱して、私は」


セリナ「わ、私は!」


ノビスケ「お人好しの大馬鹿野郎です!」


セリナ「お人好しの大馬鹿野郎です!野郎じゃないわよ!」


ノビスケ「おーけ!」


セリナ「おーけ!」


ノビスケ「あ、それは言わなくてよかったの」


セリナ「まぎらわしいのよ!もう・・・・」


セリナ「ありがと・・・」


ノビスケ「セリナは自分より他人を優先する。そして無茶をする。そうなる前に誰かに相談しろよ執事長とかメイド長とかに」


セリナ「執事長やメイド長にはこれ以上迷惑はかけられないわ、それに言えない・・言いたくない」


ノビスケ「ハルは?」


セリナ「論外よ。話が広まりそう」


ノビスケ「否定できないな。仕方ない俺を頼れ」


セリナ「捕虜のお手伝いさんに?冗談を」


ノビスケ「だからこそだよ、俺は味方でも敵でもないなら話してなにかあってもどうなっても迷惑にはならないそうだろ?」


セリナ「・・・・・・味方であってほしいわよ・・」ボソッ


ノビスケ「ん?なんか言ったか?聞こえなかったぞ?」


セリナ「なんでもないわよ!」


ノビスケ「少なくとも今はセリナが信じてくれるなら俺は味方になるよ」


セリナ「聞こえてんじゃないの!」


ノビスケ「都合のいい耳なもんで考えておいてよ」


セリナ「・・わかったわよ考えるだけだけど・・」


ノビスケ「あぁ、それでいい、そろそろ向こうも終わったみたいだなこっちも持って行こう」


セリナ「うん」


セリナ(だから今日が無事に終われば・・そうすればみんな貴方を信じてくれる)


残りの枝を持って庭の中央へ行く


執事長「ご苦労だったな」


ノビスケ「そりゃどうも」


ハル「もう・・動けない」


メイド長「疲れました」


みんなのヘトヘトになっていた


冬なのに今だけはこの寒さが気持ちいい


セリナ「あまり長く外にいると風邪引くわよノビスケこれどうするの?」


大量の枝を指差して言う


もちろん!あれをするのさ!


ノビスケ「それなんだが必要なものがあって」


セリナ「必要な物?」


執事長「普通は先に用意してるものだがな」


ノビスケ「そうしたかったんですけど・・先立つ物がなくてですね」


セリナ「あまり余裕ないのよ、それで何をするつもりだったの?」


ノビスケ「この枝を燃やして」


ハル「燃やして?」


メイド長「屋敷でも燃やすつもりですか?」


執事長「遂に正体を現したな!」


ノビスケ「待ってくれ!そうじゃなくて!」


執事長「問答無用!!」シュッ


ノビスケ「っ!」


セリナ「やめなさい!!」


執事長「ちっ!何故止めるのですか!」


セリナ「最後まで聞いてないのに勝手に決めつけないで最近おかしいわよ執事長!ノビスケに対する態度が異常よ」


執事長「私は・・認めていないだけだ!こんな奴をお嬢様の近くに置いておくなんて・・」


メイド長「それには私も同感です。私達はそれぞれの過程をクリアして苦労して今があります。過程をクリア出来ず誰にも雇ってもらえない人もいます。彼は過程をクリアしたんですか?それに彼は捕虜ですよね?ならば閉じ込めておくのが普通かと」


ハル「普通ならそうかもしれないけどね?私のお兄ちゃんだよ?もう敵じゃないってのはわかってることじゃないですか?ただ念のために」


メイド長「黙ってなさい、勝手に口を挟まないで」


執事長「君には聞いてない」


ハル「ですが!!」


メイド長「吊るすぞ!」


ハル「吊るされても!これだけは譲れません!」


執事長「もう一度拷問すれば何かわかるかもしれない」


ハル「させるわけないでしょ!あんなの!」


メイド長「いい考えですね。なんなら私がやりましょうか」


ハル「お兄ちゃん!逃げて!」


執事長「逃げられると思ってるのか?」


メイド長「では拘束させてもらいますよ」


ハル「やめてよ・・・」


ノビスケ「ハル・・いいんだ。今何を言っても無駄だ・・抵抗もしない好きにすればいい、だが執事長達が知りたい事は俺は何一つ知らない」


執事長「今はそう言ってろ、言っておくが次は死ぬかもしれないぞ?今のうちに喋っておくなら半殺しで許すが?」


ノビスケ「なにを喋れって?本当の事か?じゃあ言ってやるよ。俺は未来人でタイムマシンから落ちてこの時代に来た、どうだ?満足か?」


執事長「ふざけやがって!メイド長始めるぞ!」


メイド長「では今から地下室へ」


セリナ「許可できないわ」


執事長「お嬢様これはお嬢様を守る為の行動です。お嬢様を守る為なら例えお嬢様だろうと命令を無視する事が出来る。契約書に書いてあります」


セリナ「それは私が決断をするのに困難な状態または出来ない状況だった筈だけど?」


執事長「困難な状態だとお見受けします」


セリナ「馬鹿にしないでくれる?何処が困難なの?執事長、貴方の方が余程的確な判断が出来ない状態に見えるわ」


執事長「何を言っていますか!私はこの通り冷静です!この野郎の所為で少しだけムカついてるだけです」


セリナ「仕事に個人の感情を持ち込むのは的確な判断には程遠いわよ。これ以上ふざけた事を言うなら解雇しますよ」


執事長「お嬢様!何故こんな奴を庇うんですか!何処の馬の骨かもわからない奴を!」


セリナ「私はただ的確な判断をしたまでです。庇うとか庇わないとかは関係ない」


執事長「やはりお嬢様は少し混乱されている。今を持って私がこの場の当主代行になります。契約書に書かれている項目にそっての処置である。当主を除く人の一致で決定される」


セリナ「っ!」


メイド長「執事長の意見に」


ハル「認めません!」


執事長「ハルこれには執事またはメイド以上の役職ではないといけない本来いるはずのない見習いは入れません。よってメイド長の承諾により今から明日までは私が当主代行です。お嬢様の権限全てが私に移ります」


ハル「そんな・・・・」


ノビスケ「ハルありがと・・これ以上はやめてくれ・・な?」


ハル「ごめんなさい・・役に立てなくて」


セリナ「・・・・・・・」


ノビスケ「さぁ連れてけよ」


執事長「連れてけ」


メイド長「はい」


ノビスケ「・・・・・・」


焼き芋・・したかっただけだったのにな・・


ノビスケ「情けないな・・」


執事長「ハル、お嬢様をお部屋へお連れしなさい」


ハル「・・・・・・」


メイド長「ハル!」


ノビスケ「ハル・・言うことを聞くんだ。一時の感情に身を任せるな、後で後悔することになるから」


ハル「ノビスケくん・・・・」


セリナ「行くわよ・・ハル」


ハル「はい、お嬢様」


二人は部屋へ戻って行った


俺は二人に連れられまた地下室へ来た


二回目ともなるとなんとなく余裕があったりもしない・・怖い


そこでまた手足を縛られあの痛い拷問が始まるのだろうか


思えば自分が捕虜だというのにでしゃばり過ぎたのがいけなかった


この生活を少しだけ楽しいと思ってしまった


その心が余裕を生みしなくていい事までしてしまった


いや、しなくていいことなんてない


俺は自分のした事に後悔はしない


した事に誇りを持つくらいじゃないとな


『覚えておいてください、私達はモブだということを』


『余計な事をはせず言われた事だけをやってください』


メイド長の言葉か・・


忠告を何度もしてくれてたんだな


それを俺は破った・・・でも俺はモブになる気は・・


ノビスケ「縛らないのか?」


執事長「そうして欲しいならしてやるよ」


メイド長「執事長本来の目的を忘れないでください」


執事長「少し痛めつけたほうが手っ取り早い」


メイド長「私はそれには反対したはずよ」


執事長「ちっ!俺は信用してない」


メイド長「それは私もです。だから確かめるのです」


ノビスケ「???」


何が起きてるんだ?


メイド長はさっきまで俺をボコボコにしたがっていたのに


今は逆に庇ってる?


何故?


情緒不安定なの?メンヘラなの?


メイド長「今変な事考えてなかった?」


ノビスケ「いえいえ!それよりどういうことだよ俺を殺すんだろ?」


メイド長「そんな事は言ってませんよ」


執事長「お前気づかなかったのか?」


ノビスケ「へ?」


メイド長「外に居た時誰かに見られている気配がしました。悪いとは思いましたが、少し無理矢理感はありますが貴方をだしに使って屋敷へ入りました」


執事長「てっきりお前も気づいているものかと思ったが」


ノビスケ「全く気づかなかった」


メイド長「それでそのついでに貴方の事をハッキリさせておこうと思いまして」


ノビスケ「敵か味方かって事か?」


メイド長「そうです。悪いですが色々なルートで貴方を調べさせてもらいました」


執事長「お嬢様の近くに置いてるんだ身元がわからないのは怖いからな、少し高い金を払ってまで調べた、勿論マイマネーだ」


ノビスケ「無駄遣いって知ってるか?」


メイド長「ですが、貴方の情報はなかった・・貴方は全く私達を警戒していなかった。微塵もです。それだけで敵ではないという証明になります。」


ノビスケ「そんな事してたのかよ」


執事長「ただの馬鹿かもしれないがな、そんな奴を送り込んだりはしないだろう」


ノビスケ「そうだったのか・・じゃあ、セリナもハルもあれは演技だったのか?」


執事長「勿論だ。お嬢様は貴様など到底及ばない程の天才なのだ。あれも敵の視線に気づいての演技だろう」


メイド長「ハルは・・あれに気づいてたか微妙です。それ以前に・・」


執事長「メイド長、それは」


メイド長「そうでした」


ノビスケ「??、だけど向こうも本格的に動きだしたって事か向こうの正体は掴めてるんですか?」


執事長「話の順序を間違えるな馬鹿が」


メイド長「敵ではないと言いましたが身元がわからない奴に話す事はありません」


ノビスケ「身元を証明しろということか・・・困ったな」


俺この時代にいないぞ!身元なんて保証出来ないし・・


ノビスケ「今って何年でしたっけ?」


執事長「ふざけてんじゃねぇぞ!やっぱり痛めつけて」


メイド長「待ってください、今はーーー年です」


ノビスケ「・・・・・・」


嘘だろ・・あの戦争が起こる一年前じゃないか


俺が産まれたのがちょうどあの戦争が終わった時だったから


俺も産まれてない・・証明なんて無理だ


どうする・・・本当の事を言うか?信じるわけもないか・・


ノビスケ「証明となると・・・すみません無理です」


メイド長「教えられないと?」


執事長「なら力ずくになるぞ」


ノビスケ「俺はノビスケそれだけしか言えません・・すみません」


メイド長「なら仕方ありませんね」


執事長「ノビスケ、覚悟しろよ」


ノビスケ「抵抗くらいはさせてもらいます!」


勝てる事はまずないだろう


この二人は強い


一対一でも勝てないだろう


でも、何もしないのだけは自分でも許せない


ノビスケ「行くぞ!」


「目を瞑って!!」


ノビスケ「え?」


その言葉にすぐに反応して目を瞑る


カランコロン


ピカッ


メイド長「しまった!」


執事長「うわっ!」


目を開けると二人が目を抑えて悶えていた


何があったんだ?


ハル「お兄ちゃん!こっちに!」ガシッ


ノビスケ「え?ハルどうして」


セリナ「説明は後!早く」


ノビスケ「え?え?セリナまで」


ハルに手を引かれ連れて行かれた


ー屋敷車庫ー


ノビスケ「ここは?」


セリナ「車庫よ。とにかく逃げましょ」


ノビスケ「いいのか?こんな事して」


セリナ「いいの二人には悪いけどあのままには出来なかった」


ノビスケ「てか、演技じゃなかったの?」


セリナ「演技?なにそれ?」


ノビスケ(メイド長、執事長、気づいてなかったみたいですよ・・まぁ結果的に助かったわけだが)


ハル「車のキー持ってきました!」


セリナ「運転出来る?」


ハル「・・・・・・」


ノビスケ「免許は?」


ハル「ないです・・・お兄ちゃんは?」


ノビスケ「ごめん・・ない」


セリナ「どうにか運転してみてよ簡単よ」


ハル「お願いします!お兄ちゃん」


ノビスケ「まぁ・・運転の仕方ならわかるけど・・げっ!これマニュアルじゃないか!無理です」


セリナ「マニュアル?何か違うの?」


ノビスケ「オートマより難しい。とてもじゃないが練習しないと乗れない」


ハル「お兄ちゃん!お嬢様!乗ってください!」ママチャリ


ノビスケ「え?何処に?」


ハル「後ろにほら!」


ノビスケ「いやだが・・」


セリナ「言ってる場合じゃないよ!執事長とメイド長が向かってきてる」


ノビスケ「いやな!セリナそこに乗ると俺の乗る場所がなくてだな!」


ハル「前のカゴがあります!早く!」


セリナ「早く!」


ハル「おっと!」


セリナが自転車の後ろへ乗る、少しふらついたぞ大丈夫かハル


ノビスケ「無理だって!!」


メイド長「待て!」


執事長「くそっ!まだ目が」


ノビスケ「わわっ!」


ハル「早く!」


セリナ「カゴへ」


ノビスケ「もうわかったよ!!とぉ!」スッ


カゴにケツがはまる


ノビスケ「あ、これ抜けないわ」


ハル「お、重い・・・ふぬぬぬ!掴まっててください」


ノビスケ「前見えるのかよ!」


ハル「大丈夫よ!お兄ちゃんが見えてるそれだけで・・」


ノビスケ「あ、ダメだ」


セリナ「さぁ!行きなさい!」


ハル「はい!」


ノビスケ「カゴはやっぱり痛い!ケツが痛い!」


ハル「しゅっぱ〜つ!」


自転車がゆっくりと走り出す


何処に行くの?


執事長「待て〜」ドン


メイド長「きゃっ!」


執事長「あ、すまん」


自転車は段々と速くなる


ノビスケ「ハル何処に行くんだよ!てかこれ凄く怖い!」


ハル「とにかく屋敷から出ましょう」


セリナ「門開けなきゃ!先に行ってるから」


セリナは自転車を降りて自転車より速く走っていった


結構スピード出てるはずなんだが


ハル「ノビスケくん!」


ノビスケ「どうした!」


ハル「ごめんなさい・・巻き込んでしまって」


ノビスケ「ハルの所為でも誰の所為でもないよ。誰かの所為になるならそれは・・・」


この時代に来てしまった俺の所為だ


ハル「門が見えてきました!開いてます」


セリナ「はぁ・・はぁ・・乗せて!」


ハル「止まれませんので飛び乗ってください!」


セリナ「はいよ!」


セリナが帰ってくる、てか結構スピード出てる自転車に飛び乗るって身体能力半端ないな


セリナ「明日まで隠れられる場所を探しましょ」


ハル「このまま私の家に行くのは?」


セリナ「一番に突入されるわね」


ハル「やっぱり・・・」


セリナ「ノビスケ!明日まで隠れられる場所に心当たりは?」


ノビスケ「明日まででいいのか?」


セリナ「明日になれば私に全ての権限が帰ってくる。そうすれば二人は何も出来ない筈よ」


ノビスケ「そんな事で聞いてくれるとは思えないんだが」


セリナ「二人はメイド、執事のプロよ。プロはルールには厳しいの今日が終われば二人も貴方には手を出さない。それは二人のプロとしてのプライドもあるから命令に抗う事はしないわ」


ノビスケ「信用してんだな」


セリナ「長い付き合いだからね」


ノビスケ「この街の事は全くわからないからな・・友達の家にかくまってもらったりは」


セリナ「友達・・・いないのよ」


ノビスケ「ごめん・・・」


セリナ「いいの・・」


その後俺たちは行くところもなく逃げ回るがどんどん追い詰められ


ハル「ここからは走りましょ!」


セリナ「えぇ!」


ノビスケ「ま、待ってくれ!カゴからケツが抜けない!!」


セリナ「なにやってんのよ!」


ノビスケ「俺の事はいい!先に行け!」


セリナ「馬鹿なの!それじゃあ逃げる意味ないでしょ!」


ハル「引っ張ります!!」グイッ


ノビスケ「痛てて!待ってくれもっと優しく!」


ハル「そんな事言ってる場合じゃありません!」


セリナ「こっちからも引っ張ってみる」


ノビスケ「いぎゃぁあああ!!」


スポッ


セリナ「抜けたわ」


ノビスケ「よし!逃げようって」


ハル「囲まれてますね」


黒服の奴らに囲まれていた


ノビスケ「見てたなら手伝ってくれてもよかったんですがね」


執事長「もう鬼ごっこはお終いです」


メイド長「悪いですがお爺様に連絡をしてこの人達に応援に来てもらいました」


セリナ「お爺様に連絡したんだ」


執事長「これもお嬢様の為です」


セリナ「なにがよ・・・」


ノビスケ「もう逃げられないか」


メイド長「観念してください。もう私達で貴方をどうこうするつもりはありません」


ハル「どうするつもりですか」


メイド長「さっきも言いましたが身元も何もわからない限りは屋敷には置けませんですから私達なりに考えて無理矢理にでも聞こうという事になりましたが諦めました」


メイド長「後は警察に引き渡してそれで終わりです」


ハル「それじゃあ!」


メイド長「当たり前です。彼はお嬢様を誘拐しました」


ハル「誘拐って・・ふざけないで!」


メイド長「ふざけているのは貴方達よ!それに自分の心配をしなさい!ハルこれ以上邪魔するなら学校に送り返しますよ」


ハル「っ!」


メイド長「一度屋敷に行ったメイドが学校に送り返される。その意味がわからないとは言わせませんよ」


ハル「うっ・・・」


セリナ「執事長!最低!」


執事長「わかっております・・ですが」


セリナ「こんな事お爺様に知られたら・・」


執事長「今のお嬢様を調べられますね。学校の事や屋敷でのこと」


セリナ「知られた私はここに居られなくなる・・それだけは絶対に!」


執事長「なら、これ以上邪魔をしないでください。そうすればお爺様の件はどうにかしましょう」


セリナ「・・・・・・・」


セリナ達執事長達と話しをしている


ハルもセリナも何か思いつめた顔をしていた


その顔には焦りや悲しみがあった


みんなには俺には知ることのない過去があり過去があるから未来がある


過去から積み上げたものは高く確実なものになる


でも、それは崩れやすく一度崩れれば積み上げることはもう出来ない


俺は今彼女達の過去を未来を潰そうとしている


少しだけほんの少しだけ


その未来を積み上げるなかの一つになれたらなと思っていた


ノビスケ「潮時だ・・・執事長!」


執事長「なんだ観念したか?」


ノビスケ「あぁ、どうにでもしてくれ喋る事も喋るよ」


執事長「いや、それはもういいノビスケの身柄は警察に引き渡す」


ノビスケ「っ!」


警察!もうあんな事には!なりたくない!


嫌だ!警察だけは嫌だ!


ノビスケ「頼む!警察だけはやめてくれ!お願いだ!」


執事長「もう決めた事だ」


ノビスケ「お願いします!もう刑務所には行きたくない!」


執事長「貴様!刑務所に入ってた経験があるのか!尚更お嬢様には近づけさせん!」


ノビスケ「ち、違う・・違うんだ!俺は・・」


見っともない姿だというのはわかる


こんな事をしても無駄だというのも


あ〜次の刑務所には・・優しい人がいませんように・・


ノビスケ「・・・・・・」


セリナと目が合う力強く俺を見て何かを決心したような目をする


そして口を開こうとした


だけど俺はそれを首をゆっくり横に振ることで止めた


口を動かして言葉には出してないけど


ありがとうと言った


セリナの目に涙のようなものが浮かぶ


俺の為に泣いてくれるなんて・・やっぱり優しいな


セリナ「こんなのって・・・」


執事長「通報する」ピッ


メイド長「これで終わりです」


ハル「くっ・・私は」


セリナ「・・ハルもういいの」


ハル「・・・・・・・」


サイレンの音が近くなりそして止まる


執事長が警察と何かを話している


やがて俺の元へ来た警察は俺に手錠をかけ車の中へ


何かを言っていたが聞き取れなかった・・なにも聞こえなかった


これで良かったんだ


そう自分に言い聞かせるのに必死で


セリナ「これで後はノビスケ次第よ」


執事長「なかなか骨のある奴になってきたあいつなら・・」


メイド長「・・・・・・・」


ハル「ノビスケくん・・・私は・・ごめん」


パトカーのサイレンは段々と遠くなり聞こえなくなる筈だが音は大きくなる


そしてまた一台パトカーが来る


セリナ「え?」


続く


後書き

次回、どちらも選ぶ事の出来ない決断に迫られる

どちらを助けどちらを見捨てるか

ノビスケはどうする


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