2016-03-20 13:56:30 更新

概要

無実の罪で逮捕されてしまったノビスケは刑務所で・・・・・


前書き

気に入らない方は黙って戻るボタンをよろしく!


【第二部】第三話 信頼する仲間達


看守A「ほら、早く来いよ」


ノビスケ「・・・・・」


数日前までは、セカンドライフだぁあ!とか言っていたけど


看守A「それにしても、君みたいな子がテロなんてね?最近の子は皆そうなの?皆テロっちゃうの?」


ノビスケ「知らないです・・そう言うのは貴方達の方が詳しいでしょ?」


看守A「いや〜興味ないからね〜」


看守A「俺の仕事ってこう言う案内くらいだから」


看守A「それで?どうなの?」


ノビスケ「え?」


看守A「だから、テロ流行ってんの?」鼻ほじほじ


ノビスケ「だから!知りませんって!鼻くそつけないでください!」


看守A「あ、こっちじゃなかったごめん」


ノビスケ「大丈夫なのか?この人」


看守A「えっと・・確かこの扉だと思う」


ノビスケ「うわ〜大きな扉だ!それに分厚い」


看守A「正直開けるの面倒だしなんでこんなのつけたんだろうな」


ノビスケ「この先に一体何が!」


看守A「君の新しい住居だよ!」


ノビスケ「つまり牢屋って事?」


看守A「そうそう!セカンドライフ楽しんじゃってよ」


ノビスケ「セカンドライフなら一日で終わりましたけど?サードライフだよ!いや・・サードライフも終わったから・・」


看守A「ん?なにか訳ありか?訳ありスイーツとか買う派?」


ノビスケ「今それは関係ないでしょ!・・・・たまに買うよ」


看守A「さてと、これから君の部屋に行くまでにここの事を教えておくよ」


ノビスケ「やっぱり新入りは歓迎とかされます?」


看守A「されんじゃね?」


ノビスケ「他人事だね・・」


看守A「うん!他人事だよ!」


ノビスケ「俺の命かかってんだぞ!真面目に答えてくれよ!」


看守A「そう言うのはさ?看守の見てないところでやるもんじゃん?看守知ってたら止めてるから俺が知るわけないじゃん」


ノビスケ「まぁ、確かに・・」


看守A「じゃあ言うぞ一度しか言わんからな」


看守A「ここは、少し訳ありの人達が収容されている刑務所だ」


ノビスケ「訳あり?」


看守A「ヤクザとか裏の人間とかお前みたいにテロなんかやってる奴らとかいろいろだよ」


ノビスケ「成る程」


看守A「あとここ結構給料がそれなりにある!」


ノビスケ「へぇ〜給料出るのか」


看守A「あ、俺の事だよ?」


ノビスケ「凄くどうでもいい情報ありがとう」


看守A「朝は6時起床で消灯は21時な覚えておけよ」


ノビスケ「・・・・・」


看守A「まぁ、詳しい事はこの紙に書いてるから」


ノビスケ「どーも・・」


看守A「着いたぞ!ここがお前の部屋だ」


ノビスケ「普通の部屋だな牢屋みたいな所じゃないんだな」


看守A「牢屋にしようか?」


ノビスケ「いえ、遠慮しときます」


最近の刑務所は住みやすくなったなぁ〜と思いつつ部屋に入るとベッドと机があるだけのシンプルな部屋だった


ノビスケ「トイレはっと・・」


トイレも別々にあった


露出されていてカーテンだけで仕切られていると思っていたが、どうやら違うようだ


看守A「じゃあ、今日はもう寝な!明日からな〜」


ドアを閉められ鍵のかかる音がする


ノビスケ「さてと・・ん〜〜手錠ってされたままなのか?」


ドアの向こうから声が聞こえてきた


看守A「あ、ごめん!手錠外すの忘れてた!悪いんだけどドアに穴が空いてる所があるだろ?」


ノビスケ「これかな?」


丁度両手だけが出せるような穴だ


看守A「ども!鍵はっと・・・あれ?・・あ、あった!」


看守A「じゃあ!良い夢を!」


ノビスケ「なんであの人看守になれたんだろう」


ノビスケ「もう今日は寝ようかな」


ノビスケ「布団も普通だし・・俺の思う刑務所と全然違うな」


ノビスケ「いつ出られるのかな」


ーーーーーーーーーーー

ーーーーーーー

ーーー


ーー数日前ーー


洋子「ノビスケくん!署長からいい加減に白状させろって言われたの」


ノビスケ「・・・・・・」


洋子「時間稼ぎもここまでのようなの・・ごめんね」


ノビスケ「・・・・・・」


洋子「ノビスケくん・・やっぱり私!署長に掛け合って!」


ノビスケ「署長も・・きっと上から言われてる・・無駄ですよ」


洋子「え?」


ノビスケ「やりました・・俺がテロをやりました・・」


洋子「っ!ノビスケくん!」


ノビスケ「これ以上時間を稼いでも・・無駄です・・ならもう・・」


洋子「くっ!・・証拠さえ!証拠さえあれば!署長も何も言えなくなるのに!」


洋子「誰か一緒にいなかったの?」


ノビスケ(真治や副会長それに会長なら・・でも、下手したら三人もテロの仲間って事にされる可能性が!)


ノビスケ「いえ・・一人でした」


洋子「そう・・」


ノビスケ(そういえば、真治はどうして逮捕されなかったんだ?一緒にいたから一緒に逮捕されたと思ったんだが)


洋子「そろそろ監視カメラが動きだす」


ノビスケ「洋子さん!全力で行きますよ!」ガタッ


洋子「・・・・来なさい!」


洋子「必ず助けるから!」ガタッ


監視カメラ「・・・・」ウィーン


ノビスケ「俺はやってねぇえええ!!」シュッ


洋子「っ!」サッ


ガシッ


ノビスケ「っ!」


洋子「はぁあああ!!」


流石だ。本気で殴りかかったのに簡単に避けられてそのまま腕を掴み俺の殴りかかる勢いを利用して投げた


ガシャーーーン


ノビスケ(すごく!痛い!)


警官「なんだ!大きな音がしたぞ!」


ノビスケ「うぅ・・ぐっ!」


洋子「ノビスケ!もう終わりです!」ガチャン


ーーーーーーーーーーーー

ーーーーーーー

ーーー


ーー刑務所ーー


ー朝ー


ノビスケ「むにゃむにゃ・・ふふ」爆睡中


〜〜♪


音楽が流れ始める


ドタバタドタバタ!!


「朝だぞ!起きろ!」


「早く起きろぉおお!」


ノビスケ「ふぁ〜あ!よく寝た」


ノビスケ「外が騒がしいな・・他の部屋の奴らか?」


〜〜♪


ノビスケ「この音楽って・・何処かで・・ああ!思い出した!」


おぉぉぉれぇぇええはジヤァアアアイアァァアアアンガァァアアアキィィイイ大将ぉおおおお〜♪


ノビスケ「たけしさんの歌だ!」


「ぎゃぁあああ!!」


「ぐっ!耳栓が!耳栓がぁああ!」


「あはは!目が見えねぇよ!あはは!」


ノビスケ「なんで皆たけしさんの歌を嫌うのかな?いい歌だと思うんだけどな」


ノビスケ「まぁ、少しうるさいけどね?目覚ましにはいいかも」


そして、音楽は一番だけで止まった


ノビスケ「どうせならフルで聴かせろよ」


お姉ちゃんが言うにはたけしさんの歌は核兵器らしい


あんなにいい歌なのに


コンコン


ノビスケ「はい!」


看守A「生きてるかぁ〜生きてるなら食堂に行くぞ〜」


ノビスケ「生きてますよ!少し待ってもらっていいですか?」


看守A「おお!まじかよ!ならこれはいらないな・・おい、AEDしまっておけ」


看守C「はい」


ノビスケ「え〜と布団をたたんでと・・着替えは・・これか?」


看守A「入るぞ」ガチャ


ノビスケ「おはようございます!」


看守A「てっきり脱獄でもするのかと思ったら違ったか」


ノビスケ「脱獄ね・・・」


看守A「そろそろ怒られるから行こう」


ノビスケ「はい」


ーー食堂ーー


おばちゃん「あら?見ない顔ね」


看守A「うっす!おばちゃん腹減ったぞ!」


おばちゃん「はいはい、相変わらずね一応ここは囚人用の食堂なんだけどね?」


看守A「おばちゃんの料理が美味い所為だ!」


おばちゃん「嬉しい事言ってくれるね!貴方は新しく来た子よね?」


ノビスケ「え、まぁ・・」


おばちゃん「私はここで皆の食事を作ってる節子(せつこ)って言うんだ!よろしくね」


ノビスケ「よろしくお願いします」


看守A「おばちゃん!早く飯!」


節子「前から言おうと思ったんだけどね?私まだ、おばちゃんって歳でもないんだけど!お姉さんと呼びなさい!」


看守A「いや〜おばちゃんの方がシックリくるって言うかね?ノビスケ」


節子「そうなのかい?」


ノビスケ「え?俺に振らないでよ!」


確かに美人だけど、なにかお母さん的なオーラを発していてお姉さんよりはおばちゃんの方がシックリくる


でも、おばちゃんは失礼だろう


なら、なんて?


普通に名前にするか?


節子さんでいいと思うが・・


この人が納得するわけがない


なら・・真治ならなんて呼ぶだろう


ノビスケ「姉御・・・」


節子、看守A「っ!」


看守A「姉御か!うん!いいね!」


節子「まぁ、おばちゃんよりはマシよね?マシだよね?マシでいいんだよね?」


看守A「全然いいよ!!姉御で決定な!」


「おお!姉御か!」


「まさに姉御の為の言葉だな!」


「姉御姉御姉御姉御」


「おかわりかまへん?」


周りの囚人達が騒ぐ


看守A「い〜やっふぅうううう!」


看守も騒ぐ


ゴゴゴゴゴゴゴ


ノビスケ「っ!」


節子「うるさい・・・・」


「「「・・・・・・・」」」


皆が黙る


節子「もう時間よね?早く行け!」


「「「ご馳走様でした!!」」」


あっと言う間に食堂から皆出て行った


節子「頑張ってくるんだよ!」


ノビスケ「・・流石集団行動はちゃんとしてんのな」


節子「貴方も早く行きな看守Aも仕事しな!」


ノビスケ「え?なにすればいいの?てか、飯は?」


節子「もう、時間は過ぎてるの!」


看守A「おいおい!そりゃないぜ!朝はちゃんと食わねぇとやっていけねぇよ」


節子「時間厳守!」


ノビスケ「・・腹へった」


看守A「・・そうだ!」


看守A「こいつはさ!今日が初めてなわけよ!だから、今から流れをゆっくり教えなきゃいけない!」


節子「そう?ならテーブルは好きに使っていいよ」


看守A「飯でも食いながらな?」


節子「大事な話しなんでしょ?食べながらじゃねえ?」


看守A「あぁ!凄く大事だ!だけど、腹がへっては耳に入らないそうだろ?」


ノビスケ「うんうん!」


節子「はぁ・・少し待ってなさい簡単な物しか作れないけど」


看守A、ノビスケ「お母さん!!」


節子「誰がお母さんじゃ!!」


数分後


節子「ほら!できたよ」


看守A「いやだから!説明する為だって!」


ノビスケ「ちょっと電話中です」


節子「そりゃあね、新入りを一日目から連れ出してんだから」


ノビスケ「やっぱり気付いてましたよね」


節子「あれで、騙せると思う方がおかしいね」


看守A「だーかーら!!説明する為だって言ってるだろが!てめぇ!頭にウジでも湧いてんのか!」


看守A「あ・・いや今のは言葉の綾で・・減給・・ちょっ!まっ!」


看守A「はぁ・・切られた」


節子「また減給?そろそろマイナスいくんじゃないの?」


看守A「・・・・なんでかなぁ〜」


節子「そんなのは、後で考えなさい!ほら出来たから食べな」


看守A「それもそうだな!いただきまーす!」


ノビスケ「いただきます」


ノビスケ「凄く美味しい!」ガツガツ


看守A「うまうまうま!」パクパク


節子「当たり前よ!」


さらに数分後


ノビスケ「ふぅ〜腹いっぱいだ!」


看守A「寝るか〜」


ノビスケ「その前に流れを教えてくださいよ」


看守A「昨日紙渡したろ?」


ノビスケ「鼻紙にして捨てましたよ・・おかげで鼻が痛い」


看守A「なら、仕方ないか」


看守A「姉御!」


節子「なによ!今片付けで忙しいんだけど」


看守A「コーヒー欲しいな!」


ノビスケ「あ、自分は砂糖二つで」


節子「はぁ・・ちょっと待ってな」


看守A「じゃあ、始めるか今日はお前は自由だから明日から集団行動な」


ノビスケ「すいませんね、許可とれたかは分からないけど」


看守A「もう減給してるしいいだろ」


看守A「朝六時起床なのはもう知ってるよな?」


ノビスケ「はい、それだけは見ておきました」


看守A「朝流れる鎮魂歌なんだが、ビックリしたろ?毎朝皆食堂で生存確認とかしてんだぜ?」


ノビスケ「鎮魂歌?なんで?いい歌じゃん」


看守A「強がるなよ?あれはな兵器なんだぜ?」


ノビスケ「兵器?」


看守A「あれはな?ここの看守長がとある雪山で見つけたんだよ」


ノビスケ「雪山?」


看守A「あぁ、施設みたいな所にあったらしい」


看守A「話しでは火事か何かでほとんど残ってなかったんだけどそこに残っていたらしい」


看守A「俺の勘ではその施設は兵器工場で他の敵に襲われて兵器を全部持って行かれたがこのCDだけは残っていた」


看守A「まさか、CDまでも兵器にしているなんて思いもしなかっただろうな」


看守A「こいつを使い出してから喧嘩が少なくなったんだ」


ノビスケ「え?どうして?」


看守A「吊り橋効果って奴か?お互い死の恐怖を味わう事で友情にも似た何かを得るって事さ」


看守A「毎朝みんな生きている事に感謝しているよ」


ノビスケ「なんかちょっと違うような・・」


ノビスケ(たけしさんの歌が兵器になってるよ!たけしさん・・やはり只者ではない!)


看守A「まぁ、これも何かの縁だこれをあげよう」


耳栓を手に入れた


ノビスケ「いや・・別に必要ないけど」


看守A「ノビスケ・・・」ポン


優しく肩を叩き彼は答えた


看守A「強がりたい気持ちはわかる・・でもな?命を無駄にしちゃいけない・・勇気と無謀を履き違えるな」


ノビスケ「・・わかりましたよ貰います」


看守A「それがいい」


ノビスケ(たけしさんの歌ってのは言わない方がいいね)


ノビスケ「朝は六時起床そのあと朝食ですね」


看守A「そうだ、あまり時間はないから今日みたいにしてると食い逃すからな?」


ノビスケ「はい」


看守A「これはお前ならないと思うが一応言っておく厨房には入るなよ?マジで消されるぞいいな?」


ノビスケ「え?・・えぇわかりました・・」


看守A「ここは、ちょっと特殊だが刑務所だろ?いるんだよね?特に新入りとかが無理矢理入ってね」


ノビスケ「どうなったんですか?」


看守A「ん?数ヶ月間は病院生活だったな」


看守A「今も一人行ってるよ親切心で手伝おうとしたんだけどな?姉御は厨房に入ると人変わるからな」


ノビスケ「そういえば一人で作ってるんですか?」


看守A「何人かいたんだけどね姉御が入ってすぐに邪魔だからって首にしちゃったんだ」


ノビスケ「すごい・・でもよく通ったな」


看守A「それだけ有能だったって事だよ現にここも臭い飯っていうか刑務所らしい飯だったんだけど姉御が全部変えちゃったんだ」


看守A「罪を犯しても人は人だ!ここは罪を償う場所だ!償おうとする人間に中途半端なものは出せないってね」


看守A「姉御のおかげで今ではみんな姉御だけには逆らわない」


看守A「一つのグループが出来てるんだ、だからここは他の刑務所と違い看守も少ないし自由に動ける時間も長い」


ノビスケ「姉御一人でかなり変わったって事か・・そう出来る姉御は凄いよ」


看守A「昔いろいろあったらしいからね」


ノビスケ「昔?」


看守A「まぁ、この話しはここまでと言うことで」


ノビスケ「気になるな・・」


看守A「仕方ないな俺が喋ったって言うなよ?ああなったのは尊敬する人がいたかららしい」


ノビスケ「どんな人なんですか?」


看守A「本人も知らないらしい」


ノビスケ「????」


看守A「戦争中だろ?だから学校に避難してたらしいんだけどその時助けてもらったらしい詳しくはしらないけど姉御が中学生くらいの時で助けてくれた人も自分と同じくらいの迷彩服を着ていた女の子だったって」


ノビスケ「迷彩服の女の子・・まさかね・・」


看守A「どうした?」


ノビスケ「いや・・聞く限りじゃ中学生くらいの子が戦争に出て生き残ったなんか聞いてないね・・」


看守A「ん?なんか知ってる風だな?」


ノビスケ「なんとなくですよ結構そう言うのが好きで調べてただけですよ」


看守A「まさか英雄とか知ってたりする?」


ノビスケ「そこまでは知らないですよ」


ノビスケ(聞ける機会があったらお父さんに聞いて見るか)


節子「はい!コーヒー」


看守A「お!サンキュー!この話しは終わりな」


ノビスケ「はい」


節子「変な事教えるんじゃないよ?」


看守A「わかってるよ」


節子「ならいいけど早く飲んじゃってよ片付けあるんだから」


ノビスケ「あ、これくらいなら俺が」


節子「厨房に入る気?」ゴゴゴゴ


ノビスケ「いえ!早く飲ませていただきます!」ゴクゴク


看守A「あつ!あつ!にが!」ゴクゴク


ノビスケ「ご馳走様でした!」


看守A「美味しかったです!よし!ノビスケ次は内部を案内する着いて来い」


ノビスケ「はい!」


節子「・・・・そんなに急がなくても」


節子「・・・・憧れね」


ーーーーーーーーーーー

ーーーーーーー

ーーーー


一方その頃外の人達はそれぞれで動き出していた


私はあの人は嫌いです


自分勝手で皆に迷惑をかけて変わろうとしているけど


あやめ「全然変われてないじゃない!」


所詮口だけ


あやめ「だけど・・・」


あの目は本気だった


あやめ「今回はノビスケ貴方を信じるからね!」


そうあの時のユウさんと同じ


たけるが死んだ時・・何かを強く決意した時の目


あやめ「こんなものね!」


私は街に出た


人目の多い場所に出て準備をする


机を置き用紙を取り出し


あやめ「私に出来ることをやらなきゃ」


あやめ「本当に手伝ってもらってよかったの?委員長」


委員長「うん・・私の勘違いでノビスケくんに酷いことしたし・・」


委員長「それにノビスケくんはテロなんて絶対しない!そんな人じゃないのはわかるよ」


あやめ「きっと周りの人は・・」


委員長「周りの人とかは関係ないよ!私がそう思ってる、そう信じてる、それだけでいい」


委員長「言いたい人には言わせておけばいい」


委員長「やりましょ!」


たった一日だけなのにこの子にここまで言わせるなんて・・変わっているのかもしれない


あやめ「そうね!ボールペンはある?」


委員長「いっぱい持ってきたから大丈夫よ」


あやめ「じゃあ、始めるよ!」


委員長「うん!」


あやめ「皆さん聞いてください!」


私は大きな声で言った


周りの人達は足を止めてこちらを見る


あやめ「先日起きたテロを覚えていますか?結構大きなニュースになりましたよね?」


あやめ「その時捕まってしまった人の一人を私は助けたいんです!名前は野比ノビスケです!」


あやめ「皆さんは思いますよね?なんで犯罪者を助けないといけないのかって!私もそう思います!」


あやめ「私は彼が!ノビスケがテロをやったとは思えません!そんな事する奴ではないんです!これは私の主観です!証拠もありません!でも、ノビスケがテロの仲間だという証拠もありません!」


あやめ「証拠がないのに!裁判もしないで!刑務所行きってなんなんですか!しかるべき措置を証拠もはっきりしてるなら私は・・辛いですけど受け入れます!」


あやめ「でも!こんなのは認めない!」


あやめ「お願いです!皆さん力を貸してください!」ペコ


委員長「お願いします!」ペコ


あやめ、委員長「署名をお願いします!!」


委員長「皆さんの名前を貸してください!」


あやめ「私は!あの人を信じたいんです!」


周りの人達がざわめき始める


「どうするよ?」


「大体女子校に男がいた時点で証拠になるんじゃないのか?」


「だよね?」


「犯罪者に手を貸すなんて出来るか!行こうぜ」


「あぁ、行こう行こう」


あやめ「お願いします!お願いします!」ペコペコ


委員長「待ってください!お願いします」


「寄るな!犯罪者の仲間が!」


委員長「きゃ!」


あやめ「っ!何をするんですか!」


「うっせぇ!」


あやめ「言ってるじゃないですか!ノビスケは無実なんです!」


「どうだかな!それに頼み方ってもんがあるだろうが!」


あやめ「頼み方って・・」


「犯罪者を助けたいから皆さん助けてくださいって土下座くらいしろよ!」


あやめ「っ!この!」


私は今の言葉で完全に冷静さを失った


振り上げた手は相手の顔へ行くはずだった


バシン


しかし、私よりも早く音がした


委員長の手が先に出たのだ


「っ!」


委員長「撤回しなさい!」


「この!ガキだからって調子に乗ってんじゃねぇぞ!」


委員長「貴方より!何倍も何百倍も!ノビスケくんの方がマシよ!貴方の方が犯罪者みたいよ!」


委員長「ノビスケくんは!」


ガシ


委員長「うっ!」


あやめ「っ!なにやってるの!」


委員長「待って!」


あやめ「え?」


委員長「これ以上事を大きくすれば・・」


あやめ「なにいってるの!」


委員長「ごめんなさい・・」


「お話しは終わったか?もう許さねぇよ!!」


委員長「な、殴るなら殴りなさいよ!」


「ならお望み通りに!」


あやめ「ノビスケ!ごめん!見捨てられない」ダッ


今助けるから!


サッ


あやめ「え?」


ガシ


「なんだ!」


???「邪魔よ」


「うわっ!」


一瞬の出来事だった


私が追い抜かれあの男の拳を受け止めてそのまま投げ飛ばした


???「ごめんなさいね?ちょっと邪魔だったんで・・用がないなら消えてもらえます?」ガシ


「こんな事して!覚えておけよ!」


???「残念ながらどうでもいい事はすぐに忘れるもので」ブチ


「ぎゃぁあああ!髪の毛がぁああ!」


あやめ「ちょっといいかな?」


???「なに?邪魔しないでよね?」


「助けて・・・」


ドゴッ


「ぎゃぁあああ!顔がぁあああ!」


???「酷いことしますね?いいの?」


あやめ「いいの・・貴方だけを悪者にするつもりはないから」


???「・・ふふふ、あっているみたいね」


あやめ「え?」


???「私は書かせてもらいますけどいいですか?」


あやめ「いいんですか?」


???「周りに流されて真実を見ようとしないおバカさん達とは違いますからね」


そう言うと周りの人達を見た


???「立てます?」


委員長「ありがとうございます・・」


???「何処に書けばいいの?」


委員長「あ、ここに」


あやめ「ありがとうございます!」


委員長「やったよ!一人目だよ!」


あやめ「うん!」


あやめ「えっとこれってなんて読むんですか?」


???「かのんって読みます」


あやめ「そうなんですかいい名前です」


委員長「助けてもらってありがとうございます。花音さん」


花音「ありがとう花音でいいよ」


委員長「ここはもう無理ね」


あやめ「そうね、多分いい噂にはなってないでしょうし」


花音「知ってます?さっきのもそうだけど人って単純でね多い方を正解だと思うのよ」


花音「つまり人が多ければ事実だろうと嘘だろうと関係ないし噂なんてすぐに吹っ飛ぶ勿論私は事実だと思ってるけどね」


あやめ「えっとつまり人が多ければいっぱい来るってことよね?」


委員長「でも・・人が集まらないと意味が」


花音「サクラって知ってる?」


委員長「花の?」


あやめ「っ!まさか」


花音「そのまさかよ」ピッ


あやめ「やってみる価値はあるね」ピッ


委員長「二人とも誰に電話を?」


あやめ「集めるのよ!協力者(友達)をね!」


花音「役者(奴隷)をね」


なにか花音の笑顔が怖かったけど、これなら行けるかもしれない!


もし、署名を集めても必ず助けられるわけではないけどジッとはしてられない


やれるだけの事はやるから負けないでノビスケ!


刑務所で自分を見失わないで!


ーーーーーーーーーーーー

ーーーーーーーー

ーーーー


ーー刑務所ーー


ー懲罰室ー


看守A「ここが懲罰室だ!と言っても全然使ってないからねほら」ガチャ


「お、看守Aもサボりか?」


「麻雀してんだけどやって行くか?」


看守A「看守達のさぼり場所と化してます」


ノビスケ「はははは、もう笑うしかないよ」


看守A「悪いな今こいつに刑務所案内してるからまた今度な」


「そうか、お前が新入りか」


「今度麻雀やろうぜ!」


ノビスケ「えぇ、機会があれば」


「いつやるか!」


「「今でしょ!」」


看守A「よし!次行くぞ」


ノビスケ「はい」


ーー拷問室ーー


ノビスケ「拷問・・ってどうせ使われてないんですよね?」


看守A「いや、ほぼ毎日使用してるよ。ここに来る奴らってスパイだった奴とかもいてな」


看守A「捜査とかで、依頼があったりしたら喋ってもらうためにするぞ?」


看守A「しかも、選りすぐられた拷問のエキスパートだ!今まで喋らなかった奴はいないくらいだ!いや、一人いたか」


ノビスケ「誰なんですか?」


看守A「ほら、今入院してる奴がいるっていったろ?そいつだよ」


ノビスケ「・・一人だけって・・どんな事をするんですか?」


看守A「う〜ん・・内緒にしてくれよ?」


ノビスケ「します!」


看守A「基本拷問は拷問員一人と看守の二人でやる。まぁ、看守は記録するだけなんだけとな」


看守A「内容は・・・」


その時拷問室から声が聞こえてくる


「ぎゃぁあああ!!」


「ほら!どうしたの!さっさと喋りなさい!」


ノビスケ「っ!」


看守A「今日も使ってるのか」


「早く言いなさいよ!」バチン


「ぎゃぁあああ!」


ノビスケ(これが!本場の拷問!声だけでもかなり過酷なのがわかる)


「わかった!喋る!喋るから!もっと強く叩いてください!」


ノビスケ「ん?」


「いい心がけね?でも貴方ごときが人間様の言葉を使うなんてね〜」


「ほら!床に這いずりなさいそして見にくく鳴くのよ!」バチン


「ぶっ!ぶひぃいいいいい!」


ノビスケ「・・・・・・・」


看守A「今日はこの子の当番だったのか相変わらず信者を増やしてんのな」


「仲間の居場所は何処!早く言わないとやめるわよ?」


「っ!仲間は!あー」


バチン


「あふん!!」


「もう一度言うわよ人間様の言葉を使ってんじゃない!」


「ぶっ!ブヒブヒブブブヒ!」


「いい子ね?ほら!ご褒美よ!」バチン


「ぶひぃいいいいい!!」


「記録係!今の言葉記録した?」


「え?・・いや・・ぶひしか言ってないような・・」


「あらあら、貴方新人ね?あまりお姉さんを怒らせると怖いわよ?もう一度聞くからちゃんと記録しなさい?いい?」


「は、はい!」


「ほら!もう一度いいな!この豚野郎」


「ぶっ!ブヒブヒブブブヒ!」


「ほら!記録!」


「えっ!・・ぶっ・・ぶひ?あれわかんなくなった!」カキカキ


ガシッ


「あらあら!悪い子ね?言われた事も出来ないなんて・・これはお仕置きが必要のようね?」


「どうしろと・・どうすれば!よかったんー」


「さぁ!見にくく鳴きなさい!」


バチン


「あ、あひーーーーん」


看守A「あ〜ありゃあ落ちたな」


ノビスケ「・・・・・次行きましょう」


看守A「もういいのか?挨拶とかしていかないのか?世話になるかもしれないし」


ノビスケ「それじゃその時にしますよ早く次に行きましょう」


看守A「あ、おい!待てって」


根拠はない・・だけど彼女の声を聞いていると辛い


まるで無理をしているように思えた


多分気の所為だろうけど


ーーーーーーーーーーーー

ーーーーーーーー

ーーー


ーー病院ーー


ユウ「大丈夫だからな?ちょっとチクっとするだけだ」


少女「・・・・・」ウルウル


ユウ「嫌かもしれないけどな?注射しといた方が早く治るからな?」


少女「・・・・・・」ウルウル


ユウ「う〜ん・・じゃあいくよ?」


少女「・・・・・」ポロポロ


ユウ「っ!・・・」


看護師「ユウさん・・ってまだ終わってないの?もう三十分は経ってるわよ?」


ユウ「仕方ねぇだろ・・」


看護師「抵抗はしてないんだからさっさとやってあげなさいよ」


ユウ「でもな・・」


看護師「ずっと辛い思いさせるのと一瞬とどっち?」


ユウ「少女ちゃん・・ごめんね」スッ


少女「っ!」ポロポロ


ユウ「うぅ・・や、やっぱり出来ない・・」


看護師「はぁ・・いつもは頼りになるのに・・なんで小さい子の注射だけは出来ないのかな・・貸して私がやるから」


ユウ「・・すまん」


看護師「ちょっとチクっとするからね?」


チクッ


少女「っ!!」ポロポロ


ユウ「ああ〜そんなに泣かせてひでぇ!血も涙もない」


看護師「はい!終わったよ?よく我慢出来たね偉いよ」ナデナデ


少女「・・・・・」ギロ


看護師「あれ?嫌われちゃったかな?ははは」


少女「・・・・・」チラ


ユウ「ん?」


少女「・・・・・・」シュン


看護師「・・・なるほど」


看護師「ユウさん頑張ったんだから褒めてあげたら?」


ユウ「そうだな、よく頑張ったぞ」ナデナデ


少女「・・・・・」ポッ


タッタッタッタッ


ガチャ


ドン


ユウ「なんだ?顔真っ赤にして出て行ったぞ?トイレか?まぁ、診察は終わったしいいか」


看護師「ユウさんってモテますよね〜」


ユウ「あ?俺がか?あり得ないな」


看護師「そうかな?私は結構そういう人見るけどね」


ユウ「ただの見間違いだよ」


看護師「じゃあ、あやめちゃんはどうなの?あれも見間違いなの?」


ユウ「・・・・・・・」


ユウ「そう言えば用があって来たんだろ?」


看護師「・・・・逃げるのね」ボソッ


ユウ「・・・・・」


看護師「お客さんが来てるからついでに休憩にしちゃってください応接室にいます」


ユウ「ん、了解」


看護師「ユウさん」


ユウ「ん?」


看護師「彼女は本気です・・本気で向き合ってあげてください!その気がないなら早く返事をしてあげてください!ふってあげて・・これ以上彼女のー」


ガチャ


ドン


看護師「・・・・・・」


看護師「じゃないと・・私は・・私のこの気持ちは・・どうなるのよ!」


ユウ(・・わかってるよ・・相手の好意くらい!でも!俺みたいな奴を好きになっちゃいけない・・俺に誰かを愛せる資格なんて・・向き合うことも出来ない・・臆病者だな)


ユウ「そろそろ向き合わないとダメだろうな・・あいつの泣く顔は見たくないが・・」


ユウ「このままじゃいけない・・そろそろ言わないと・・付き合うことは出来ないって・・何故なら俺とあいつは・・」


ユウ「っと客が来てたんだな応接室だったな」


ユウ「それにしてもなんかの工事か?病院内になんかの業者の人が多いな」


「全てだ!全てを封鎖しろ!」


ー応接室ー


コンコン


ユウ「入るぞ」


ユウ「随分と早かったな」


???「だが、全部は無理だったぞ?分かったことも多くはない」


ユウ「それくらいは分かっているさ。すぐに分かることなら頼んだりはしないから」


???「それは俺を評価してもらってるって見ても?」


ユウ「あぁ、今回はいきなりこんな事を頼んですまなかった」


???「そんな事あの時見捨てられた俺達の部隊を助けてくれた恩に比べれば」


ユウ「あれは偶然だっただけだ」


???「それでもさあの日以来俺達の部隊はユウさんが困った時は全力で助けるって誓った」


???「それで?あの時一緒にいた女の子は?」


ユウ「女の子?・・ああ、お嬢の事か」


???「言っちゃ悪いけど・・あまりいい目をしていなかったからな今にでも死んでしまいそうな」


ユウ「お嬢なら今は新しい親の元で元気にしてるよ」


???「それは、良かったよ」


???「おっとあまり長いをしていると外部に怪しまれるな」


ユウ「てか、お前なんで作業服なんだ?」


???「ユウさん・・お前じゃなくて名前で呼んでくださいよ」


ユウ「ん?ああ悪い・・俺お前の名前知らないぞ?」


???「あ、そうか・・あの時は少しは警戒していたから教えなかったんだったな・・お礼を言おうとしたらいなくなってたし」


ユウ「すまんな・・あの時トイレを我慢していてな危うく漏らす所だったよ」


???「確かにトイレは見てなかったな!」


ユウ「作業服で来た理由は?」


???「俺達はトイレ清掃員を装って来ているんだ」


ユウ「成る程な、もしあの件が裏でなにか起こってるならこちらもマークされてるかもしれないしな」


???「そういう事です」


ユウ「だが、多くなかったか?」


???「ユウさんが頼って来たってみんなに話したらみんなが行くと言い出してな」


???「とりあえずうちの部隊全員連れて来た」


ユウ「お前な・・一つのトイレにそんな大人数」


???「いえ!病院内全部のトイレを封鎖しました!」


ユウ「おいおい!そんな事したら!」


???「ですが!そうしないと何処で見られてるか!」


ユウ「うむ・・・まぁいい!そんなに時間は掛からないだろう」


???「はい!」


ユウ「で?」


???「ん?」


ユウ「名前だよ、それともまだ信用されてないのか?」


???「悪い!話がそれたな!俺の名前は大吾(ダイゴ)っていう」


ユウ「大吾な、了解」


大吾「じゃあ、早速調べた事を・・」チラ


ユウ「ん?監視カメラか?」


大吾「えぇ・・・」


ユウ「あれはダミーだから大丈夫だ気にするな」


大吾「そうか、すまんなこういう仕事をしてると気になってな」


ユウ「無理もない俺だって最初はそうだったからな」


ユウ「カメラの死角を通るようにしていたからなダミーだって気づいた時は虚しいものがあったが」


大吾「なかなか足を洗っても治らないものなんだな」


ユウ「あぁ」


大吾「では、確認します。ユウさんの依頼はあの女子校テロ事件でその時に捕まってしまったノビスケの現在の居場所そしてこの事件の裏で動いている奴らがいるかと言うことだったな」


ユウ「そうだ・・なにかわかったか?」


大吾「この事件裏には何か大きな組織が関わってるのは確かだ。だが、すまないそこまでしかわからなかった」


ユウ「いや・・それだけでもかなり助かる情報だ」


ユウ「そして、ノビスケの居場所は?刑務所は調べたが何処にもいない」


大吾「ノビスケは刑務所にはいない」


ユウ「どう言う事だ?」


大吾「ノビスケは刑務所ではない刑務所に行った」


ユウ「???・・それ刑務所だろ」


大吾「簡単に言えば非公式の刑務所だ」


ユウ「非公式の刑務所だと?」


大吾「そうだ、ごく一部の人間しか知らない。通称犯罪者の刑務所」


ユウ「???・・いやそれ普通の刑務所だろ」


大吾「普通とは違う。まず、非公式だからなんでもありだ」


ユウ「なんでもあり?例えば」


大吾「言いたくないが、あそこで殺されても罪にはならないだろうな」


大吾「犯罪者同士の喧嘩としか見られないだろうしな」


ユウ「そんな!刑務所あるはずが!国がほっとくはずが!」


大吾「だから、非公式なんだよ。だけど、国はこの刑務所の存在を知っているだけど黙認している」


大吾「何故かわかるか?」


ユウ「それが、国にとって必要だからか・・」


大吾「その通りだ。戦争があって二度と起こさないように必死らしい」


大吾「だから、一応は特殊犯罪者更生施設と呼ばれている」


ユウ「更生施設か・・」


大吾「それで、ノビスケなんだが早く助けだした方がいいかもしれない」


ユウ「ノビスケもそんなやわな奴じゃない。もしかしたら他の囚人を従えてるかもしれないぞ?」


大吾「ノビスケは看守と囚人全員を相手に出来るほどか?」


ユウ「どう言う事だ?」


大吾「これは、本当に裏の情報だ。聞いたらやばいかもしれないそれでも?」


ユウ「俺を誰だと思ってる覚悟ならお嬢を連れだした時からしてる!」


大吾「ふっ!聞いた俺が馬鹿だったな」


大吾「あの刑務所は、金さえつぎ込めば・・・殺しもやる」


ユウ「っ!」


大吾「さっき言った犯罪者の刑務所ってなんで言われてるかわかるか?」


大吾「あの刑務所はな?看守長以外は全員」


大吾「大罪を犯した犯罪者なんだ」


ユウ「なんだよ!それ!」


大吾「どうする?」


ユウ「・・・・すぐに行かないと!でも・・今日は大事な手術が」


大吾「日にちを変えるのは?」


ユウ「ダメだ!これ以上は危険なんだ!今日やらないと!」


大吾「どうします?なんなら私達が」


ユウ「それはダメだ!」


大吾「何故です!」


ユウ「これは俺達の問題だ!巻き込むわけには・・」


大吾「言っても無駄ですね・・」


ユウ「一週間は予定がある・・頼むノビスケ!それまで生きててくれ!」


大吾「一週間後ですか・・」ボソッ


その頃病院内のトイレでは


清掃員「いいか!お前ら俺達は清掃員だ!トイレを清掃するんだぞ!」


「はい!」


「お任せよ!」


「ユウキさんの役に立つなら!」


「今こそ恩返しです!」


大男「くそっ!ここもかよ!」


清掃員「ん?」


大男「なんで!トイレが何処も清掃中なんだ!」


小男「兄貴もう何処も清掃中です!」


大男「くそっ!静まれ!俺の中の暗黒竜よぉおお!!」ぎゅるるる


小男「おい!そこのあんた!」


清掃員「なんだ」


小男「頼む!トイレを開けてくれないか!兄貴がもうやばいんだ!」


清掃員「悪いが無理だ」


小男「なんでだよ!トイレの便器一室開けてくれるだけでいい!その間に別の便器を掃除すればいいだろうが!」


清掃員「無理だ!」


「臭い中掃除なんて勘弁だぞ?」


「はははは、漏らせよ」


「おい、やめろよここで漏らしたら清掃は俺たちだぞ」


「早く向こう行けしっしっ!」


小男「お前ら!俺らを誰だと!兄貴を誰だと!」シャキン


清掃員「・・・ナイフですか」ギロ


「「「・・・・・・」」」スッ


みんなが無言で構えるその姿は清掃員には程遠かった


清掃員「武器はダメだ!これでも一般人だ!向こうが手を出すまでこちらは手を出すな!いいな!」


「「「了解!」」」


小男「な、なんだ!や、やるのか!」


大男「小男下がってろ」


小男「兄貴ですが!」


大男「下がってろ!!うっ!!」ぎゅるるる


小男「兄貴!」


大男「小男!こいつらはただの清掃員じゃない!オーラでわかる!」


大男「悔しいが・・俺達じゃ厳しいだろうな・・」


そう言うと大男ゆっくり漏らさないように姿勢を低くし


小男「兄貴!!」


大男「頼む!1分!いや!2分じゃ・・5分だけ!トイレを開けてくれ頼む!」土下座


清掃員「・・・・・」


大男「幹部が!漏らしたら!下の者に示しがつかん!親父にも!それにこれ以上は!もう限界なんだ!頼む」


小男「あ、兄貴・・」ポロポロ


清掃員「駄目だ・・帰れ」


大男「っ!」


小男「兄貴!もう止めないでくださいよ!!」


清掃員「やるか?小僧」


小男「なめんなよぉおお!!」


大男「小男!!下がってろぉおおお!!」


小男「!!」ビクッ


大男「うぉおおおおお!!」ぎゅるるる!!


清掃員「お前と同じように俺達にも譲れないもんがある!隊長の命令なら俺はなんでもする!お前と俺達違いはあるか?」


大男「・・ハァ・・ハァ・ねぇな・・ははは」


大男「気に入ったよ・・お前がもし・・フリーならこっちに引き込みたいくらいだ・・クビになったらこっちに来な」


清掃員「・・悪いな、そんな組じゃ俺は飼えないぜ?それに俺達のクビは死を意味するどっちにしろ無理だ」


大男「そうか・・残念だ・ぐっ!ふふふ!!」ぎゅるるる


小男「ぐっ!兄貴・・やはり!」


清掃員「小僧いい加減に気づけよ?お前の兄貴の覚悟によ」


小男「え?」


清掃員「まだ、諦めてねぇよ」


大男「まだ!動ける!」ギラン


小男「兄貴!」


清掃員「それにこれ以上やるなら!」


清掃員「水のトラブルだけじゃすまなくなるぞ?」


小男「・・・・ここから!一番近いトイレは・・コンビニか・・兄貴頑張りましょう!」


大男「すまない・・・」


清掃員「おい!」シュッ


小男「これは・・」パシッ


清掃員「受け取れお前の勇気に敬意を払おう全員敬意!!」サッ


「「「はい!!」」」サッ!!


小男「ありがとう!」


小男と大男はゆっくりとその場を去っていった


小男の手にはトイレットペーパーが握られていた


清掃員「ふっ!柄にでもない事するんじゃねぇな・・よし!清掃を始めるぞ!!」


「「「了解!!」」」


大吾「お前ら!撤収だ!」


清掃員「撤収だ!」


「「「了解!!」」」


清掃員(さっきの奴らまだ病院内だよな?言っておくか・・)


清掃員「・・まぁいいか」


大吾「何がだ?」


清掃員「いいえ!なんでもありません!」


大吾「そうか!それより一週間後出るぞ準備しておけ」


清掃員「一週間後ですか?何処へ?」


大吾「大掃除にだ」


ーーーーーーーーーーーーー

ーーーーーーーーー

ーーーーー


ーー刑務所ーー


看守A「こんなものかな?」


ノビスケ(図書室に大浴場それに大きな運動場まるで学校だな)


看守A「学校かと思った?」


ノビスケ「えぇ、本当に学校みたいだ・・」


看守A「一つ言っておくが学校と同じように思うな・・いいか?ここは地獄だ覚えておけよ」


ノビスケ「は、はい・・」


ノビスケ(なんか・・雰囲気が)


看守A「よし!今度は更衣室だ!姉御のな!」


ノビスケ「え?」


看守A「お?今期待したでしょ?残念!マジで消されるからな?やめておけよ?」


ノビスケ「やらないですよ!」


看守A「次は職場な!覚悟してろよ?」


ノビスケ「はい」


ノビスケ(元に戻った・・)


ノビスケ「地獄か・・・そうには思えないんだけどな」


ー工場ー


看守A「まず、入る前にこれをくぐってくれ」


ジャーー


ノビスケ「霧吹き状のシャワー?これは一体?」


看守A「消毒だよなんせ衛生面が厳しいからな」


ノビスケ「くぐりました」


看守A「マスクと手袋とエプロン付けて」


ノビスケ「はいはい!」


ノビスケ「着ました」


看守A「うん!似合うぞ!」


看守A「さぁ!ここが今日から君の働く職場だ!」


ノビスケ「・・・・・・」


流れるライン、もくもくと同じ作業を繰り返す人達


見てるだけの者や、何かを乗せてる者、これは・・


ノビスケ「パン工場?」


看守A「おう!ここは、パン課だ!向こうがお菓子課な!」


ノビスケ「なんと言うか・・もっと油まみれのぎとぎとした工場かと・・工業系の」


看守A「単純作業ってさ?結構辛いわけよ?みんなやらないのよ?すぐに逃げるしでも追えないだろ?だから囚人にやらせてんだよ逃げられないしな」


ノビスケ「なんかな・・・」


看守A「少し見てみるか?」


ノビスケ「そうですね・・」


看守A「じゃあ、少し俺は用があるからそれまで見ててくれ」


ノビスケ「はい」


ーパン課ー


「おう!新人!見て行くか?」


ノビスケ「はい」


「ここは、パン課の○ごとバナナのバナナを乗せるラインだ!見てみ?」


「はぁあああ!!」スポスポスポ


ノビスケ「凄い速さでバナナの皮が!しかも剥いたバナナは空中で!」


ヒュ〜ーーー ポトッ


ノビスケ「ラインの生地に的確に落ちてる!」


「あっちを見てみろ」


「あたたたたたた!!」サッサッサッサッ


ノビスケ「手が見えない!」


「あたたたた・・っ!!」ピタッ


ノビスケ「止まった?」


「これは駄目だな・・」ポイ


ノビスケ「バナナを捨てた?」


「あれは少し熟しし過ぎてるな」


ノビスケ「あれくらい・・」


「駄目だ!お客様に届く時には黒くなってしまう」


ノビスケ「厳しいですね」


「食いもんの事だからな日本は特にうるさいだろ?」


ノビスケ「確かに・・・それにしても・・」


「慣れないだろ?この匂い」


ノビスケ「甘ったるい匂いが・・」


「3日で甘いもんが見たくなくなるくらいだ」


ノビスケ「俺は一日でなりそうです・・うぷっ!」


「おいおい!吐くなよ?吐いたらライン全部止めなきゃいけなくなる!」


「そして、明日から倍の仕事量が待ってる」


ノビスケ「大丈夫です!絶対吐きませんから・・」


「うむ!ここに配属になったらよろしく頼むぞ!」


ノビスケ「はい!よろしくお願いします。」


ノビスケ(当分バナナ見れそうにないや)


ノビスケ「ここはなんだろう?」


「ん?新人か?ここになったのか?」


ノビスケ「いえ、見学です」


「そうか、ここはパン課のスペシャルショートケーキの生地を作る場所だ」


ノビスケ「へぇ〜手作業なんですね?それでなにがスペシャルなんですか?」


「しらん!とにかくスペシャルなんだ!」


ノビスケ(ここにいる人達はボウルをもって必死にかき混ぜている・・偏見とかそんなのではないのだがゴツいおっさん達がエプロン姿でケーキを作ってるのはなんか変だ)


「おい!そこ気合い入れて混ぜろや!」


「はい!」


「おい!お前これでOKとか言わないよな?」


「え?」


ドゴッ


「ぐぁ!!」


ノビスケ「喧嘩か!止めないと!」


「泡だらけだろうが!これじゃあ!カスカスのケーキになるだろうが!」


「す、すいません!」


ノビスケ「まぁそれでいいならいいけど・・」


「お前もここに来たらビシバシいくからな!覚悟してろよ!」


ノビスケ「は、はいその時はよろしくお願いします。」


その後もいろいろな所を周ってみたが、みんな真面目に仕事をしていた


ノビスケ「少しバカにしてたかもしれないけど、これは大変そうだ。でもやるしかない」


ノビスケ「次で最後にしようかなっと」


ノビスケ「あの、見学を」


「ちょっと黙ってろ」


ノビスケ「え?はい」


おじさん「・・・・・・・・」


ノビスケ「ん?」


ノビスケ(ラインの前に一人立ち何かを待っている)


おじさん「いいぞ!」


「では!ライン速度三倍です!」ガチャ


スイッチを押した瞬間ラインから大量とクッキーが流れてくる


おじさん「っ!!」シュッ サッ シュッ シュッ サッ


「おお!!やはり何度見ても凄い!」


ノビスケ(クッキーを捨ててる?でも、全部じゃない)


「ここは、初めてか?ここはな焼き過ぎたクッキーや形の悪いクッキーとかを取り除く所だ」


「あの人凄いだろ?あんなに速く流れてくるクッキーを一つも見逃さずダメなクッキーだけを取ってる」


ノビスケ(す、凄い!かっこいい)


ノビスケ「目で見る前に既に手はクッキーの前へそして目で一瞬で判断して次へうつる」


「へぇ〜お前一回でそこまで気づけるなんてな」


「俺には何をやってるかもよくわからねぇ」


ノビスケ「目には少し自信があるもので」


「若いっていいなぁ〜」


「ラインストップ!」


ノビスケ「あれ?みんな仕事をやめたぞ?」


「今日はもうこれでおしまいだ」


「17時に終わる覚えておけよ」


ノビスケ「はい」


ーその夜ー


自室


ノビスケ「明日から俺も仕事か」


ノビスケ「看守Aさんが言っていたが何処に行くかは俺が決めていいらしい」


ノビスケ「うん!やっぱりあのクッキーのラインあそこがいい!」


ノビスケ「よし!明日から頑張るぞ!!」


壁ドン


ノビスケ「すいません!」


ーーーーーーーーーーーー

ーーーーーーーー

ーーーー


ー野比家ー


のび太「ダメだ!」


お嬢「どいてください!」


のび太「どいたら何処へ行く気だ?」


お嬢「ノビスケを助けにいきます!」


のび太「何処にいるかもわからないノビスケをか?」


お嬢「はい!」


のび太「静香も寝込んでしまった今僕達はゼロに近い事をしても無意味だ」


のび太「ノビスケは僕達に任せてくれ」


お嬢「こればかりはお父様の頼みでも無理です!あの時もっと早くノビスケに気付いていれば!こんな事にはならなかった!連れ去られる事もなかった!もう何日も待ったよ!限界なの!」


のび太「だからって!全国の刑務所を周るなんて無茶だ!」


お嬢「無茶でもやります!どいてください!じゃないと!」


のび太「お嬢・・・・」


のび太「なら!僕を倒していけ!」


お嬢「っ!」


お嬢「お父様のバカァアア!!」シュッ


のび太「え!!」ガーーン


ドゴッ


のび太「ごはっ!!」


のび太「くっ!」シュッ


お嬢「しまっ!!」


ピタ


のび太「殴れねぇよ!くそ!」


お嬢「お父様・・・」


のび太「・・僕だって行きたい!探して!連れ去った奴を!」


のび太「でも、駄目だ・・静香を一人出来ない・・」


お嬢「お父様・・ごめー」


のび太「謝るな・・ユウの所へ行け」


お嬢「え?」


のび太「ノビスケを頼んだ・・でも無理は絶対にするなよ?」


お嬢「はい!」ダッ


ガチャ ガチャ


・・・・・ふん!!


ドン


ガシャーン


のび太「・・・扉壊して行きやがった!」


静香「のび太さん・・なにか大きな音が・・」


のび太「さぁ?三河屋さんでも来たんじゃないのか?それより寝てな」


静香「でも・・三河屋さん頼んだ覚えが・・」


のび太「間違えたんだよあの人お茶目だからね。ほらほら布団へGO」ヒョイ


静香「の、のび太さん!お姫様抱っこなんて!」


のび太「久しぶりだよな・・ちょっと僕も照れたかも・・」


静香「・・・・・ノビスケ」


のび太「ん?寝たか・・」


のび太「大丈夫絶対に連れて帰るからね静香」


のび太「さてと・・じっとしておくか?僕・・なわけないよ」ピッ


のび太「もしもし?実は頼みたい事が」


ー病院ー


お嬢「ハァ・・ハァ・ユウさんは!何処に!」


ドン


お嬢「あ、ごめんなさい」


ヤクザ?「ぬぉおおお!!やばいぃいいい!!」


手下?「兄貴!コンビニまで!あと少しです!耐えてください!」


ヤクザ?「わかってる!絶対に辿り着いてやる!」


手下?「最悪!このトイレットペーパーで・・」


ヤクザ?「それはしまっておけ!」


手下?「ですが!」


ヤクザ?「それは、男と男の証だろ?使うわけにーうぉおお!!」


手下?「っ!兄貴!急ぎましょう!」


ヤクザ?「あぁ・・悪いな嬢ちゃん・・」


お嬢「え、えぇ・・気をつけて」


お嬢「なんだったの?でも、いい目をしてた・・決意は固い・・」


お嬢「看護師さん!」


看護師「お嬢さんどうしたの?」


お嬢「ユウさんいますか?」


看護師「ユウさんならさっきまで誰かと話してたけど、もう帰って今は休憩中よ」


看護師「なんか気難しい顔していたけど・・」


お嬢「・・・・・・」


看護師「あ、お嬢さん!今は」


看護師「行っちゃった・・私は蚊帳の外なのかな・・」


お嬢「確かここよね?・・ん?」


大吾「一週間後ユウさんと共に救出する!いいな!」


「「「了解!!」」」


お嬢「誰を救出するって?」


「あぁ?女には関係ない!しっしっ!」


大吾「・・・・もしかして」


大吾「お嬢さんですか?」


お嬢「なんで知ってるの?」


大吾「当たり前じゃないですか!貴方達には命を助けられたんですから」


お嬢「命を?もしかしてあの時のはぐれ部隊?」


大吾「そうですはぐれ部隊ですよ久しぶりですお嬢さん」


お嬢「久しぶりね」


「あの・・先ほどの御無礼をお許し・・いや!どうぞ!お好きにしてください!」


お嬢「大吾さん聞きたいことがあります」


「はぁ!無視!あの時も無視されたけど!なんか・・いい!」


大吾「黙ってろ!」


「はい・・」


大吾「名前を言いましたっけ?」


お嬢「直接は言われてませんが皆がそう呼んでいたのを聞いていましたので違いましたか?」


大吾「いえあっています。それで聞きたい事とは?」


お嬢「ユウさんに何を依頼されたの?何を話したの?」


大吾「・・・・何故依頼されたと?たまたまいただけかもしれませんよ?」


お嬢「こういうことには、私達より詳しいしなによりユウさんの名前が出た時点でノビスケ絡みだとわかる」


お嬢「ユウさんに話した事を全て私にも話しなさい」


大吾「成る程・・失態でしたね少し有頂天になっていたようです」


大吾「悪いですが、お嬢さんの頼みでもそれは言えません我々にも譲れないものがあります。依頼主以外に情報を提供する事は出来ません」


お嬢「わかってる・・でも、お願い!私もノビスケを助けたいの!」


大吾「・・それはわかります。ですが・・すいません」


お嬢「お願いします!」


大吾「すいません・・・」


お嬢「・・・わかりました。ユウさんから直接聞きます・・」


大吾「・・・多分ですがユウさんは教えないでしょう」


お嬢「・・・・・・・」


大吾「言えることは一つです・・この事件裏で仕組んでる奴がいることです・・これ以上は言えません」


お嬢「・・・そんなの最初から知ってます・・もういいです!」


大吾「これは独り言です。警察署の何処かに事件の裏の事まで書かれている重要資料室があるとかそこにもしかしたらこの事件の資料があるかもしれません。ただ入れる人も限られていますが」


お嬢「・・・・・・・・」


大吾「では、失礼します。何かありましたらここへ連絡を出来うる限り力になります。 」


お嬢「・・・・・・」


コンコン


ユウ「悪いが今は一人にしてくれないか?」


ガチャ


ユウ「だから!一人にって・・お嬢」


お嬢「ユウさん話しがあります」


ユウ「・・・ノビスケは心配いらないだからー」


お嬢「そんな事聞きに来たんじゃないんですよ?」


ユウ「お前は家で待ってろ必ず連れて帰る」


お嬢「嫌です!」


ユウ「俺はなにも喋らないぞ?」


お嬢「・・ならいいです!私は私で動きますから・・じゃあ」


ユウ「おい!」


ユウ「くそ!あいつ喋ってねぇよな?問題ばかり起こりやがって!どうすれば!」


看護師「先生そろそろ時間です」


ユウ(考えるのは後だ!今は目の前の命救わねぇと)


ユウ「あぁ、わかった」


お嬢「・・・・・」ピッ


お嬢「もしもし?頼みがあるの」


お嬢「本当なら私がやればいいんだけど・・貴方の立場を利用する真似をしてごめんなさい」


お嬢「うん・・ありがとう」ピッ


お嬢「さぁて!次よ」


ーーーーーーーーーーーー

ーーーーーーー

ーーー


ーー次の日ーー


ー工場ー


ノビスケ「ハァ・・ハァ・・」サッサッ


おじさん「これ!そこのやつも駄目だろうが!」


ノビスケ「はい!師匠!」


「おいおい!あれなんだ?」


「なんでも新入りがあれを見て爺さんに弟子入りしたとか」


おじさん改めて師匠「そんなんじゃ何年経っても追いつけんぞ!」


ノビスケ「はい!!」


師匠「よく見ろ!そして身体もそれに合わせろ」


ノビスケ「はい!!」


ノビスケ(少しは自身はあったんだが!目で追えても身体が追いつかない!追いつかないと見逃しが出来てそうするとさらに遅くなって!)


ノビスケ「やばい!ごちゃごちゃしてきた!」


師匠「ライン止めろ!」


ガチャン


ノビスケ「ハァ・・ハァ・すいません・・」


師匠「まぁ、一日目にしてはよく出来てるライン速度を普通に戻そう」


ノビスケ「はい・・」


「なぁ・・・」


「ん?」


「一日目で二倍速ってどうなの?」


「鬼畜だね!俺達でも普通の速度じゃないと出来ないのに」


「爺さん結構あいつに期待してんじゃないのか?」


「それ程の逸材なのか?」


師匠「お前らも入ってこい」


「じゃ、新入りにいいとこ見せますか」


「だな!」


ノビスケ「はっ!とぉ!これも!とっ!」サッサッサッサッ


師匠「うむ!」


「なぁ・・・・」


「・・・言うな・・わかってるから」


ーーーーーーーーーーーーー

ーーーーーーーーー

ーーーー


ーー警察署ーー


ー資料室ー


絶対に助けるから待っていてノビスケくん!


洋子「う〜ん・・多いな〜この中から探さないといけないなんて・・はぁ・・いや!約束したんだし!頑張れ私!」


ガサゴソ ガサゴソ


洋子「テロ・・テロわっと・・タ行から探せばいいのかな?ってそんなふうに分けてはないのね・・」


洋子「事件の概要がわかれば、少しは真実に近づけるはず!」


洋子「えっとこれかな?【ふんどしカップ麺テロ事件ファイル】」


洋子「・・・・どんな事件なんだろう・・気になる」


そっとファイルを開けようとして自分の目的を思い出す


こんなのに時間をかけている場合ではない


洋子「でも・・気になる」


???「それは数年前ふんどし姿の数人がカップ麺工場を襲って立てこもった事件だよ」


洋子「え?」


???「事件の落ちは主犯格がカップ麺好きで立てこもっている間もカップ麺ばかり食って倒れてそのまま逮捕だ。ファイルにはなんページも書かれているが要約して説明したけどよかった?」


洋子「あ、ありがとうございます。えっと貴方は?」


???「ん?俺は恭介だ。一応刑事だ」


洋子「刑事以外ここに来ることはないと思いますけど?」


恭介「何故かいつも一般人と間違われるものでね・・調べ物?」


洋子「はい・・先日起きたテロについて」


恭介「っ!」


今一瞬顔色が変わった


まさか、この人あのテロについてなにか知っているのかもしれない


洋子「何か?知りませんか?」


恭介「・・・・やめておけ」


洋子「質問の答えになっていませんが?」


恭介「どういうつもりか知らないですが、あの事件は無闇に関わっていいことじゃない」


恭介「貴方はマスコミかなにかですか?ここは立ち入り禁止ですよ」


洋子「マスコミって!ふざけないで!刑事に決まっているでしょ!」


恭介「それは失礼・・質問の答えは知りません」


私は結構署内でも問題を起こしたりしている


だから、ある意味有名人(悪い意味)だという自覚がある


そんな私を知らない・・まさかあのテロの関係者!


洋子「そう・・話は変わるけど私って結構署内じゃ有名人なのよ?さっき貴方は私をマスコミと言ったよね?」


恭介「なにが言いたいのですか?」


洋子「貴方本当に刑事?」


恭介「貴方を知らないだけで刑事か疑われるって・・どれだけ自意識過剰なんですか?知らない人だって一人や二人いるでしょ?」


恭介(正直お嬢以外の女性には興味がないからな)


洋子「もし仮に刑事だとしましょう」


恭介「いや!刑事だから!」


洋子「じゃあ!貴方はここでなにをしていたんですか?」


恭介「はぁ・・すいませんが急いでいるので作業に戻らせてもらいます」


洋子「まだ!話が終わってないでしょ!貴方はここでなにを調べてるの!いえ!探してるの!」


恭介「ファイル以上」


洋子「全部そうでしょ!答えなさい!じゃないと!」


恭介「逮捕ですか?出来るんですか?」


洋子「場合によってはね!貴方はファイルを見つけ出して証拠を消そうとしてんじゃないんですか?」


恭介「もうここには用はない失礼するよ」


洋子「待ちなさい!待て!」


恭介「もう一度言います。関わるな死にたいのか?」


洋子「死ぬのが怖くて刑事なんてやれますか?覚悟はしています!私はこのテロで捕まってしまった人を助けたいの!ノビスケはやっていないって私は信じてるから」


恭介「・・・・・・・」


洋子「だから!もし貴方が私の思うような人でないなら協力しなさい!」


もし彼が仮に私の思う奴だった場合そうでない場合どちらでもいい尻尾はいずれ出る


一つ確信しているのは彼がこの事件に全く関係ないということはありえないということだ


なら監視の意味も込めて協力してもらう


恭介「何故ノビスケくんを信じられるただの他人だろ?」


洋子「勘よ!私の刑事のね!」


恭介「勘か・・・・」


洋子「それに約束したの絶対に助けるってだから!お願い協力して!」


恭介「・・・・・・・・」


洋子「お願い!」


恭介「」ピッ


ふと携帯を取り出し電話をする


恭介「もしもし、お嬢言われた通り資料室を調べたがあの事件に関するファイルはなかった」


恭介「ああ、これはやはりおかしいなにかあるな」


恭介「ん?そうだな・・勘かな?刑事の」


恭介「あぁ、笑うなよ。これからどうする?・・また無茶な事を」


恭介「いや、やるよ。こっちには協力者がいるからな」


恭介「大丈夫だ!信用出来る奴だから」


恭介「ああ、任せてくれじゃあ」ピッ


恭介「さて、行くか!」


洋子「誰に電話を?」


恭介「そんなのはどうでもいいだろ?」


恭介「行くぞ重要資料室」


洋子「っ!」


ーーーーーーーーーーーー

ーーーーーーーー

ーーーー


ーー刑務所ーー


ー食堂ー


「悪いな小僧こればかりは譲れないのさ!」


「恨まないでくれよ」


ノビスケ「ぐっ!・・くそ!」


「負けたらしいぜあいつ」


「さっきまであんなにほざいてたくせにな!」


「小僧これがここのやり方だ!わかったか」


ノビスケ「俺は・・もう負けないって言ったのに!また負けるのか」


「小僧これが人生や!負ける時もあるだが、そこで諦めればそこまでだ。小僧諦めるか?」


ノビスケ「そんなの!嫌に決まっているでしょ!」


ノビスケ「何度負けてもまた!挑みます!貴方からそれを勝ち取るまでは!」


「ふふふ、いい目だ。俺を超えてみろ!」


ノビスケ「はい!」


「さぁ!受け取れ」


ノビスケ「っ!勝ったのは貴方です!これは貴方のです。」


「そうだ、俺が勝った!だからこれは俺の好きに出来るそうだろ?」


ノビスケ「班長!!」


班長「ふふふ、今度は実力で取ってみな小僧」


ノビスケ「ありがとうございます。」


「感動的だな・・・」


「あぁ!おっさん泣いちゃったよ」


節子「なんでもいいけど早く食べてくれる?プリンジャンケンにいつまで時間かけてのよ・・」


ノビスケ「いや〜姉御のプリン凄く美味しいんで!」


「みんなが必死に取り合うのもうなずけるだろ?」


ノビスケ「はい!」


節子「も、もう・・・」


「おい!もう一個余ってるぞ!」


「「「っ!」」」


ノビスケ「っ!」


最初はグーー!!


ーーーーーーーーーーー

ーーーーーーー

ーーー


ー剛田商店ー


ジャイアン「ふふ〜ん♪」


アーニャ「どうしたの?へんな鼻歌なんか歌って」


ジャイアン「ん?俺は俺なりによ!ノビスケを助ける為の準備さ!」


アーニャ「どうする気?まさか爆発でもするの?」


ジャイアン「もうそんな事出来るわけないだろ?」


ジャイアン「悔しいが、今の俺達がどう頑張っても助けられる事は出来ないだろう」


アーニャ「居場所すらわからないし・・」


ジャイアン「ん?居場所ならもう特定してるぞ?」


アーニャ「え?いつの間に!」


ジャイアン「したはしたけど厄介な所でな」


ジャイアン「まず、助けだすのは無理だろうな・・今の俺達じゃ」


ジャイアン「もう、あの頃の俺達には程遠くなってしまっている」


ジャイアン「のび太は静香ちゃんを見ていないといけないし」


ジャイアン「スネ夫達は今仕事で海外だ」


ジャイアン「俺一人じゃもう自分の家族を守るので精一杯なんだ・・」


アーニャ「そうだね・・・」


ジャイアン「だからって!心の友を見捨てるなんてしない!」


アーニャ「どうするの?」


ジャイアン「金だ!悲しい事だが、金でどうにかなることが世の中のほとんどだ」


アーニャ「裏金で釈放させる気?でも、うちもあまりないよ子供二人学校にやっているのにそんな余裕は・・」


ジャイアン「そのくらいわかってるさ」


アーニャ「なら・・いえ!そんな事言ってられないよね!よし!」


ジャイアン「それはダメだ」


アーニャ「え?まだ言ってないけど?」


ジャイアン「お前に危険な事はさせない」


アーニャ「じゃあ!どうするの?他に方法があるの?」


ジャイアン「これだ!!」


剛田たけし一日だけの復活ライブ


アーニャ「・・・・あの日の悪夢を!!」


たけしはあの後一時期だけアイドルとして活躍していた


歌に関しても前とは比べものにならならいくらい上手くなった


だけど、いつも最後に必ずあの歌を入れてくる


たけしが小学5年生の時に生まれてしまったレクイエム


昔とは比べものにならないくらいの威力を発揮している


最後のライブで最後全員が意識不明になった誰も覚えていない幻のライブ


アーニャだけはあの時の悪夢を覚えていた


いや、一人いたライブが終わった時拍手をしていた人が


ノビスケだ


アーニャ「絶対だめ!!」


ジャイアン「なんでだ!」


アーニャ「じゃあ!あの歌禁止で」


ジャイアン「は?メインなしのライブなんて誰も来ないだろう」


アーニャ「とにかくやめて!」


ジャイアン「だが!どうすれば!」


アーニャ「もう回りくどい事はやめにしましょ」


ジャイアン「・・・・・・」


アーニャ「私達にはこれがあってるそうでしょ?」ガチャ


ジャイアン「子供達はどうする」


アーニャ「それは・・・」


ジャイアン「もう昔とは違うお前も俺も変わってるんだあの頃みたいに動けるかもわからない」


アーニャ「私は!いける!」


ジャイアン「・・よし!決めた!」


ジャイアン「今回俺たちは関与しない」


アーニャ「見捨てるつもり!」


ジャイアン「違うずっと迷ってたんだ。余計な事じゃないのかってな」


ジャイアン「アーニャあいつはノビスケはのび太の息子だ。そう思うとどうにかなりそうに思わないか?いやどうにかしちゃうんじゃないか?」


アーニャ「そう言われると・・そうかも」


ジャイアン「なら、俺達はあいつの帰りを待っていようぜ」


アーニャ「そうだね!ノビスケなら大丈夫だよね!」


「ただいま〜」


「ただいま〜です」


ジャイアン「お!俺達のお姫様が帰ってきたぞ」


アーニャ「手を洗ってうがいしなさいよ〜」


アーニャ「さてとおやつでも用意してあげましょうかね」


「「はい〜」」


ジャイアン「このままじっとしてるわけないよなのび太・・」


プルルルル


ピッ


ジャイアン「もしもし、俺達ももう歳だぞ?若い奴らに任せるのもいいと思うが?・・へ!言ってみただけだ」


ジャイアン「だろうな・・わかった連絡を待つ」ピッ


ジャイアン「少し運動でもしておくか」


ーーーーーーーーーーーー

ーーーーーーー

ーーーー


ーー刑務所ーー


ー拷問室ー


拷問員「あら?新人さんかしら?」


ノビスケ「はい!今日はここを手伝うように言われました」


拷問員「そう、いい顔ね?貴方を可愛がってあげたいわ〜」


ノビスケ(この人って前に拷問室紹介してもらった時に聞こえた声と同じだ)


ノビスケ「ははは、勘弁してくださいよ・・ははは」


拷問員「あら可愛い〜さてはじめるわよ?」


「・・・・・・・」


やはり苦手だ・・だけどこれも仕事


ノビスケ「絶対に喋らないって顔してますよ」


拷問員「いいわ〜少しは楽しめそうよ」ムチ装備


バシン


「っ!」


ノビスケ(痛そう・・・)


拷問員「さぁ、答えなさい!」チラ


ノビスケ「ん?なにか?」


拷問員「質問は貴方の持ってる紙に書いてるのよ?さっさと言いなさい!」バチン


ノビスケ「いっ!いてぇ、叩かなくてもいいじゃないですか!」


拷問員「あら?口答えするの?」バチン


ノビスケ「っ!だからやめろって!」


拷問員「口答えするんじゃないの!」バチン


ノビスケ「くっ!」


拷問員「この豚野郎!」バチン


拷問員「醜く鳴きなさい!」バチン


ノビスケ「だから!・・・・やめ・」


拷問員「どうしたの?この!」バチン


チン


ムチが急所にあたる


ノビスケ「っ!!」


拷問員「やっとひれ伏したわね!」グイグイ


ノビスケ「ーー!!」


拷問員「ふふふ、男ってみんな同じでつまらないわ・・もうそこで寝てなさい」


「・・・大丈夫か?小僧」


ノビスケ「な、なんとか・・・うぅ・・」


拷問員「あんたもこうなりたいの?」バチン


「っ!」


拷問員「やっと喋ったと思ったらなに?大丈夫かって?自分の心配してなさいよ!」バチン


「っ!・・・寂しい女だな」


拷問員「うるさい!」バチン


「好きなだけやればいいそれでもそのモヤはなくならないだろうがな」


拷問員「この!この!この!」


バチン バチン


もう既に彼女は本来の仕事を忘れていた


このままだと殺してしまう


そうなればきっと彼女はもう・・


彼女の抱えてるものはきっと俺じゃ理解出来ないものかも知れない


ノビスケ「うぅ・・やっとうご・けそうだ・・いてて」


でも、それでも


拷問員「あんたなんか!!」


俺には彼女が無理をしているようにしかみえなかった


やっと気づいただから苦手なんだ


ノビスケ「・・・・拷問員さん」


ガシッ


拷問員「っ!貴方いつの間に!」


ノビスケ「もうやめましょう拷問員さんこれじゃあただの暴力です。」


拷問員「うるさい!私に逆らわないで!」


ノビスケ「逆らってなんか!」


拷問員「逆らってるじゃない!そうじゃないなら!ほら!床を這いずり周りなさい!」


ノビスケ「はぁ・・少し必要みたいですね」


ムチを奪う


ノビスケ「仕方ありませんね・・ここでやめてくれれば俺も許そうと思いました。」


拷問員「な、なによ!」


ノビスケ「いいムチだ・・・」


拷問員「えっと・・目が怖いけど」


ノビスケ「先に言っておきます。今からやることは俺の自分勝手の行動です。罰則もなんでも後で受けます・・覚悟はいいか?返事は求めてねぇけどな」


拷問員「い、今なら!ゆ、ゆるし」ブルブル


ノビスケ「自分が傷つくからと言って他人を傷つけていい通りにはならない・・悪いことをしたらそれそうの罰が必要だよ」


拷問員「っ!」ビクッ


ノビスケ「大丈夫傷はつかないようにするから」


拷問員「え?」


ノビスケ「ひゃっはぁあああ!!えっと・・こうか!」


ペチン・・


拷問員「・・・・・」


「・・・・最近の若い奴は怖いな・・頑張れ小僧」


ーー数分後ーー


ノビスケ「・・・なにやってんだろう俺は・・」


拷問員「うぅ・・わぁあああん!汚されたぁああ!」ダッ


彼女は何処かへ行ってしまった


ノビスケ「あ!ちょっ!・・変な言い方しないでって・・報告されたかな・・」


罰則を覚悟したが罰則もなにもなかった・・喋ってないのか?


そして、あの男は終わった後に全てを喋った


「俺もこれをされたら耐えられそうにないんでな」と言っていたが


そんな酷いことはしてないはずなのだが・・むしろ傷のつかないようにしたのだが・・


ノビスケ「恨まれてるだろうな」


ここでの生活が始まり数日・・毎日が大変だ・・でも・・


少しほんの少しだけ楽しいと思ってしまった


ーーーーーーーーーーーーー

ーーーーーーーーー

ーーーー


ーー???ーー


看守A「失礼します。」


看守長「うむとりあえず座りたまえ」


看守A「・・・・・」


看守長「座れ!命令だ!」


看守A「はい・・・・」


看守長「そうやって来様は言うことだけを聞いてればいい」


看守A「・・・・・・」


看守長「コーヒー飲むか?」


看守A「用はなんですか?」


看守長「飲むかと聞いてるのだが?」


看守A「コーヒーは飲めません」


看守長「おかしいな?君はいつも飲んでいたように見えたのだが?」


看守A「今は要らないだけです・・要件をお願いします」


看守長「ふん、つまらん奴だな。まあいい」


看守長「およそ察しはつくだろう?」


看守A「・・ノビスケですか」


看守長「うむ、そうだ!奴をー」


看守A「断る!」


看守長「いいのか?そんな事言ってお前の大事な妹が」


看守A「何度も言ってるだろ!あいつと俺はもう関係ない!俺はあいつを見捨てたんだぞ!今更あいつがどうなろうと気にもならない!」


看守長「ほう・・なら、彼女にはここに来てもらおうかな?うちの刑務所は男ばっかりだからな〜花も必要だ!唯一の親族も許可していることだしな」


看守A「看守長!!」ガタッ


看守長「座れよ!クズが!本当にやるぞ?」


看守A「ぐっ!・・」


看守長「明日から始めろいいな?」


看守A「・・・・・・」


看守長「返事をしろよ」


看守A「・・・・はい」


看守長「話は以上だ。明日からまた刑務所勤務だ!頼んだぞ?」


看守A「・・・・・・」


看守A「ノビスケ・・・すまない」


ーーーーーーーーーーーー

ーーーーーーーー

ーーーー


ーー重要資料室ーー


洋子「それにしても簡単に入れたわね?」


恭介「ちゃんと言えば入らせてもらえるよ」


洋子「最初私が言った時向こう首縦には振ってくれなかったけど?」


恭介「だからって無理矢理横に振らすなよ。危うく騒動になってたぞ?」


洋子「私はね今回の件でもし警察が敵になっても逃げたりしないよ」


恭介「無謀と勇気を履き違えるなバカ」


洋子「なによ!少しエリートだからって調子に乗らないでよね!」


恭介「大きな声を出すな」


洋子「あ、ごめん・・」


恭介「感情の上下が激しい人だな・・まぁいい手分けして探そう」


洋子「うん・・」


ここには、表に出せないような事件のファイルが保管されている


もし、お嬢の言うように裏に誰かがいるならここにある可能性が高い


警察は正義だと信じてきた昔の俺には辛い場所だっただろうな


ー数時間後ー


恭介「うむ・・興味深い事件だ」


洋子「これも違う・・これも・・」


洋子「みつかった?」


恭介「おっと!すまん別の読んでた。今から探す」


洋子「なにやってのよ」


恭介「えっと・・お!あったぞ!」


洋子「ちゃんとしてよね・・見せて」


恭介「女子高テロ事件って書いてある日にちもあっているしこれで間違えはないだろ」


洋子「主犯格はやはりノビスケくんになってるわね」


恭介「無理があり過ぎるだろうに書いた奴は余程のバカなんだな」


洋子「同意よ」


恭介「なんだよこれ・・デタラメばかりだ!」


洋子「何時間もこんなふざけたファイルを探してたなんて・・無駄だった・・」


恭介「いや、あながちそうとも言えないこれを見てくれ」


洋子「名前?」


恭介「これを書いた奴の名前だろ」


洋子「その人から直接聞くのね」


恭介「そう言うことだ」


恭介「早速会いに行くか」


洋子「わかるの?」


恭介「一応全く知らない人ではないからね。今はこの署にいると思う」


洋子「じゃあ、さっさと行きましょ」


恭介「そうだな」







恭介「はぁ?いない?どう言うことだ新人刑事」


新人刑事「今日も来ていません・・もう何日も・・」


恭介「困ったな・・仕方ない家に行くか」


新人刑事「え!いや、あの家にもいないと・・思います」


恭介「なんでわかる」


洋子「貴方なにか知ってるの?」


新人刑事「・・・知りません」


洋子「目を見て話しなさい!」


新人刑事「は、はい!」


洋子「本当に知らないの?」


ジーーー


新人刑事「っ・・・ここじゃあちょっと・・外に出ませんか?」


恭介「わかった行こう」


「おい!新人」


洋子「あ、ちょっと新人借りるから」


「ちょっ!」


洋子「借りるから」


「はい・・・・」


新人刑事「すいません・・そんなに時間はかからないので」


俺達は近くの喫茶店へ行った


恭介「じゃあ、早速だけど話してもらえるか?洋子さん俺が奢るから適当に注文してくれ」


洋子「わかったわ!すいません〜このパフェをえっと・・三個お願ー」


恭介「コーヒー三つでお願いします!」


洋子「え!!コーヒー飲めないよ」


恭介「なんで大事な話の時に皆でパフェなんか食わないといけない」


洋子「え?・・三個とも私のだよ?」


恭介「なおさらいかん!」


洋子「なに?甘いもの苦手なの?コーヒー飲んで大人ぶりたいの?」


恭介「もう大人だ!」


新人刑事「あの〜いいですか?話して」


恭介「すみませんではお願いします」


洋子「パフェ・・・・」


恭介「・・・・一つだけな」


洋子「っ!!ありがとう」


恭介「あの事件を担当したのは貴方の上司で間違いありませんね?」


洋子「すいません〜このパフェとこのパフェとこのアイスとプリンもいいわね!」


恭介「・・・・・・・」パッ


洋子「あ!」


新人刑事「はい、間違いありません」


洋子「メニュー返してよ!」


恭介「店員さん」


店員「は、はい!」


恭介「今の全部なしでコーヒー三つでお願いします」


店員「か、かしこまりました」


洋子「酷いよ・・・」


新人刑事「それで、これを」


恭介「これは鍵?」


新人刑事「はい、上司はもし自分が来なくなったらここを開けてくれって」


恭介「これは何処の?」


洋子「あ、それデパ地下のコインロッカーの鍵だよ」


恭介「よく知ってるな」


新人刑事「はいそうなんです」


恭介「で、中身は?」


新人刑事「実はまだ開けていなくて・・開けてくれとは言われましたけど、こうも言われました。それを見たら間違いなく狙われてしまうだろうって・・だから、覚悟があるなら開けてくれそして彼を助けてあげて欲しいと」


洋子「彼ってノビスケの事?でも、ファイルにはノビスケが犯人だって書いてたのに」


恭介「あれは上司が書いたものじゃないと言うわけか・・」


新人刑事「貴方達が見たファイルの内容はわかりませんが、上司はノビスケくんは無罪だって言ってました」


恭介「そうか、ありがとう行こう洋子さん」


洋子「そうね!ありがとうございます新人刑事さん」


新人刑事「あの!」


恭介「ん?なんですか?」


新人刑事「僕はこの世界に入ったきっかけは上司でした本当に刑事の鏡でした・・僕が言う資格はないかもしれませんが・・どうかノビスケくんを助けてあげてください!」


恭介「言われなくてもそのつもりですよ。大事な弟(予定)だからな」


洋子「ん?兄弟なの?男の兄弟なんていなかった筈だけど?」


恭介「そう言う意味じゃないのだが・・」


洋子「じゃあ、行こうか覚悟は出来てる?」


恭介「覚悟なら刑事になった時にしてるよ!さあ!行こう!」


店員「コーヒーお待たせしました」


洋子「あ、コーヒー来たわよ」


恭介「飲んでから行きますか・・」


新人刑事「はははは・・・」


新人刑事「・・・・・・・」


恭介と洋子はデパートの地下へ向かった


そこにあったコインロッカーには、手帳とファイルだった


恭介「これに真実が・・上司さん貴方の残した手がかり使わせてもらいます」


洋子「・・・・・・・」


恭介「まずはメモ帳を見てみよう」



これを見ているのは自分なのかそれとも別の人なのかもし自分なら喜ぶべき事だろうが違うのならば私は死んだのかまたは行方不明なのだろう


ここから先に書いてある事は私のメモ帳と全く同じ内容だ

覚悟して見て欲しい


私はこの事件に違和感を感じた


聞く限りではやったのは高校生らしいが、高校生がテロなどできる筈がない


ましてや、少し学歴に問題があるだけの男にそんな事は出来ないだろう


だが、私は上からの命令で言われるがままを書いた


嘘の報告書を書いたのだ


そして、命令したのが署長だった


私は署長がなにからしら関係しているのではないかと思い調べることした勿論署長には内緒で


もし、あのファイルを見ていたならあれは全部嘘だ


恭介「署長が・・・・」


洋子「怪しいとは思ってたけど・・」


恭介「だが、まだこの時点では黒かわかっていない」


洋子「もう今の時点でほぼ黒だけどね・・嘘の報告書を書かせるなんてやましい事があるからよ」


恭介「続きをみよう」


探れば探る程違和感ばかりの情報が大量に出てくる


これは、確実にはたけば出てくる


そう思った私は独自のルートでその情報を探りに探った


答えは黒だった


何処からか大量の額が署長の個人口座に振り込まれていた


そして、電話の内容をこっそり聞く事も出来た


相手の声は聞こえなかったが、どうやら何かを頼まれているようだった


そう殺しを・・・


恭介「くそっ!!」


洋子「落ち着きなさい」


そして、私はノビスケくんとその時一緒にいた友人達がいたという情報を手に入れた


真治、会長、副会長、幼馴染だ


その友人達の家に向かったがいなかったあの日から帰っておらず病院で預かっていると電話が来ただけで病院の場所も教えてもらっていないらしい


会長と副会長の親はこの件に関わろうとしなかった


何故だ?自分達の娘が何処の病院にいるかもわからないんだぞ?いいのかそれで?


まるで、何か怯えてるようにも見えた


どうやら署長の後ろにはもっと大きな何かがいるのかもしれない


とにかくこの四人の行方を探すことにした


恭介「警察が・・そのトップが!殺しだと!!ふざけんな!!」ダン


洋子「恭介くん!落ち着いてね?」


恭介「今から!署長のところへ行って!!話しつけてやる!!」


洋子「待って!今行っても変な人だと思われるだけよ!証拠がないのよ?」ガシ


恭介「離せ!殴らないと気が済まない!」


洋子「もう!だから!落ち着きなさい!冷静にならないとなにも見えてこないでしょ!」バシン


恭介「っ!・・そうだったな・・ふぅー」


洋子「叩いてごめんなさいね」


恭介「いえ、冷静になれなかった自分が悪いんです。さっきはありがとうございます。」


洋子「叩いてお礼言われるのも複雑よね・・」


恭介「だが、殴るのは決定事項だ!」


洋子「その時は私もね」


恭介「今更だが、本当にいいのか?これ以上はやばいぞ?今なら俺だけが知ってるって事にすれば」


洋子「見て見ぬ振りをしろと?一番私の嫌いな事ね」


恭介「ふっ・・なんで独り身なのかわからんな」


洋子「う、うるさい!独り身で悪いか!」


恭介「いや、褒めたつもりだったのだが・・・」


洋子「もう!・・続き見ましょ」


また独自のルートで居場所を特定する事ができた


彼らは、街外れの病院に入院していると言いたいが


監禁とも言えるだろう


私は警察ということをふせて彼らと話すことができた


まずは真治くんだ


ノビスケくんとは親友だと言う


彼は腹に一発撃たれておりまだ、動ける身体ではなかったが、ノビスケくんの事を話すと助けに行くと暴れ出した


どうにか、説得に数時間かけて必ず助けると約束した


次に会長、副会長、幼馴染と話をした


ノビスケくんの事を話すと全員泣き出してしまい話すことがあまり出来なかった


だが、真治くんを含む四人は全員これだけは言っていた


自分はどうなってもいいから助けくださいと


私も刑事の端くれ何十年も刑事をやっているとわかるのだ


嘘をついてるか本気なのかがね


彼らは本気の目をしていた


親友はともかくあって間もない人にここまで言わせるのは余程の信頼がある者でないと言わないだろう


ノビスケくんという人物を私はどうしても助けないといけない彼のような人間が必要なんだ!


命をかけても


この先は私の調べたファイルの説明を書いている


そこにあるファイルと一緒に見てくれ


そして、この未完成の証拠を完成させてほしい


私はもうすぐいなくなるだろう狙われている


だから!未来の為にも私の為にも


この悪を見逃すな!


恭介「・・・・・洋子さん」


洋子「・・・なに?」


恭介「俺は今からこれを完成させます!」


洋子「ノビスケくんはどうするの?見捨てるの?」


恭介「見捨てるわけないだろ」ピッ


恭介「お嬢さんノビスケくんの居場所がわかりました」


恭介は調べたことを全部話した


恭介「それでなんだが・・え?わかった!任せてくれ」ピッ


洋子「誰に電話を?」


恭介「仲間だよ。ノビスケくんの事は彼女達に任せる」


洋子「民間人じゃないわよね?」


恭介「民間人だよ」


洋子「貴方!自分がなにを言ってるかわかってるの!」


恭介「民間人だけど俺達警察が束になっても勝てるかわからないよ」


洋子「え?」


恭介「だから俺はこいつを完成させる洋子さんはもし行くなら気をつけて」


洋子「はぁ・・本当に大丈夫なの?信用できるのその人は」


恭介「あぁ、信用出来る」


洋子「なら、私も手伝うわそれを完成させるのに」


恭介「いいのか?」


洋子「言ったでしょ私もあいつをぶん殴りたいの」


恭介「そうか・・よし!徹夜でやるぞ!」


恭介「打倒」


洋子「ハゲ」


「おい!」


恭介「・・・・・・」


洋子「・・・・・・」


恭介「では、俺の家に行きますか」


洋子「あら?いいのお邪魔しても」


恭介「この場合どちらかの家でやるしかないでしょう俺も女性の家に上がり込む程無粋ではありません」


「おい!聞こえないのか!」


洋子「別に気にしないけど?」


恭介「俺が気にするのそれに他人の家は落ち着かないんですよ」


洋子「もう照れ屋さん♪」


恭介「それに貴方も無防備過ぎます。最近知り合ったばかりの男を家に入れようとするんですから・・もっと警戒心をですね」


洋子「私はこれでも人を見る目くらいは持ってるわ貴方はそんな事しないって」


恭介「・・・・・」


洋子「それに・・もしそうなっても責任とってくれれば」


「もういい!お前ら殺っちまえ」


恭介「洋子さん・・」


洋子「はい・・」


恭介「逃げろぉおおお!!」ドゴッ


「ぎゃぁああ!」


洋子「了解!!」ゴキッ


「腕がぁああ!」


「くそ!逃げたぞ追え!」


恭介「ここまでくれば大丈夫だろう」


洋子「それにしても演技だって気付いてなかったわね」


恭介「女優も夢じゃないかもな」


洋子「あんたもね」


恭介「女優は無理だけどな」


洋子「それで何処へ行くの?」


恭介「俺達の家は多分すぐに特定されますし・・」


恭介「ちょっと知り合いの家を訪ねてみようと思います。もしかしたら力を貸してくれるかもしれない」


洋子「そうじゃあ行きましょ」


恭介「少しは警戒してくださいって」


洋子「さっきも言ったけど信用してるんだよ、演技だったかもしれないけど言ってることは・・・本音だよ」


恭介「・・・やっぱり女優にはなれないよ君は」


洋子「そうね・・・」


洋子「恭介くん・・」


恭介「行こう」


洋子「・・・・へたれ」


恭介(殴られるよな・・)


ーーーーーーーーーーーーーー

ーーーーーーーーーー

ーーーーー


ーー???ーー


真治「あ〜退屈だぁ〜」


副会長「さっきからそればかり少しは大人しくしててよ集中できないでしょ!」



真治「勉強するなんて本当に真面目な奴だな。性格は最悪だけど!」


副会長「うるさい!」


会長「まぁまぁ、二人とも喧嘩しないでって・・このやり取りもう何回目?」


幼馴染「う〜ん忘れちゃった途中までは覚えてたんだけど」


副会長「いつまでここに閉じ込められなきゃいけないの!真治はともかく私達は別に怪我もしてないのに!」


幼馴染「大丈夫だよ!そのうち出してくれるよ」


副会長「本当マイペースねあなたって・・閉じ込められてるのよ!おかしいと思わないの?しかも!男二人と同じ部屋よ!一人は犯罪者だし!」


真治「おい!」


幼馴染「隆司くんは犯罪者じゃないよ?いい人だよ」


会長「そうよ!悪そうな人には見えないよ」


隆司「・・・・すまんな」


副会長「最初はそりゃ守ってもらってるのかな?なんて思ったけど今の今まで一度も外を見てないのよ!」


副会長「今日は部屋移動とか言われてやっと外の見える部屋かと思ったら前の部屋と変わらずしかも犯罪者と同じ部屋に入れられたのよ!ノビスケはテロの主犯になってるみたいだしもう頭が混乱してきて・・外はどうなってるのよ・・」


会長「副会長・・」


真治「隆司とここで再開出来たのは嬉しいが喜んでいられる状況でもないし・・あいつノビスケを助けられたのかな・・」


幼馴染「きっと今頃は誤解も解けて出られてる筈だよ!」


真治「それならノビスケはここに真っ先に来るだろうなそうだろ?」


幼馴染「確かに・・・」


真治「今の状況で一番あてはまるのは俺達もノビスケと同じ何かしらの事件に巻き込まれてるって事だ」


会長「そうなのかな・・ノビスケくん大丈夫かな・・」


真治「くそっ!身体さえ満足に動けばこんな病院すぐに!」


隆司「真治一つ聞きたい」


真治「なんだ」


隆司「ノビスケはあの時からあの事件から変わったのか?」


幼馴染「・・・・・」


副会長「事件?」


隆司「すまん君には辛いことを思いださせてしまったか」


真治「変わってないよ」


幼馴染「っ!」


真治「変わらず俺の親友だ」


隆司「・・・そうか」


真治「隆司にも聞きたい事がある」


隆司「なんだ?答えられる事なら答えよう」


真治「隆司はなんで病院に?」


隆司「・・・・少しやらかしてしまっただけだ」


真治「隆司をここまでするんだ余程の奴なんだな」


隆司「そ、そうだな」


副会長「開けなさい!」ドン ドン


会長「やめなさい!怒られるよ」


真治「おい!静かにしろ!」


副会長「っ・・・・・・・」


真治「ん?妙に素直だな」


監視カメラ?下についてるのは銃!


ウィーン


隆司「そこから離れろ!!」


真治「幼馴染」ドン


幼馴染「ぎゃあ!」


隆司「会長」ドン


会長「ふぎゃ!」


真治、隆司「副会長」ドン


副会長「なんで私だけ二人!!きゃあああ!!」


バン


さっきまで副会長達がいた場所に一発銃が撃たれた


真治「確定だ!」


隆司「だな!」


副会長「そ、そんな・・・安全じゃないの!」


会長「・・テイッシュ」鼻血たら〜


幼馴染「はい会長」


会長「ありがと」


監視カメラ「うるさいぞ!黙ってろ」


真治「どうする」


隆司「そうだな」チラ


隆司「悔しいが今はなにもできない真治無理はするな」


真治「無理なんてしてない」


隆司「腹血が出てるぞ?」


副会長「真治!血が!治療しなきゃ!」


会長「救急箱って何処にあったけ」


幼馴染「ここにあるよ!」


副会長「早くそこに寝て」


真治「このくらい大丈夫だって」


副会長「お願いだから!言うこと聞いて・・」ウルウル


真治「・・・わかったよ」


真治「おい!監視カメラから見てる卑怯者!大人しくしておいてやるから!その物騒なのしまってくれないか?」


監視カメラ「・・・・・」ウィーン


銃が収納される


真治「まだ、死なれたら困るってか・・・まあいい・・っ!もっと優しく頼むよ」


副会長「ごめん・・・」


真治「調子狂うな・・・」


会長「隆司さんも寝てください」


隆司「ん?俺は平気だ」


幼馴染「ほぉ!」つん


隆司「ーーーー!!」


幼馴染「我慢はいかんよ?」


会長「ほら寝てください二人ともけが人だと言うことを自覚してください」


真治「・・・・ノビスケ」


絶対に助けに行くからな!


ーーーーーーーーーーーー

ーーーーーーー

ーーー


ーー刑務所ーー


ー大人数教室ー


ノビスケ「今日は仕事はないんですか?」


「仕事だけじゃなく社会復帰の為に授業もあるんだ」


「そして、今日はシュミレーター授業の日だ」


ノビスケ「しゅ?シュミレーターって?」


「お前シュミレーターもわからんのか?若いのに」


ノビスケ「いや、なんとなくはわかるんですけど・・」


「簡単に言えば外の世界での日常をシュミレートしながら覚えていくのさ」


ノビスケ「へぇ〜そんな事をするんですか」


「しかもお前は運がいいぞ!今日からまた新しいソフトになるらしい」


ノビスケ「それは楽しみです!」


「お、ほら始まるぞ」


部屋が暗くなり前の映写機から映像が映される


映された映像はなんと言うか・・これ授業なんだよね?


「今回のヒロインはなかなかだな!」


「誰ルートから行く?」


ノビスケ「・・・・・」


確かに日常ではあるかもしれないでも!



『遅刻〜♪』


ドン


『きゃっ!』パンツチラ


「「おお!!白だ!」」


ノビスケ「エロゲやないか!!」


「おい小僧黙れ」ギロ


「選択肢が出てるんや!みんな必死で考えよんや!邪魔すなや」


ノビスケ「・・・すみません」


「今回のも難しいな!」


「あぁ!」


「そうや!新人お前これどれやと思う」


ノビスケ「え?俺こんなのやったことないし・・」


「勉強や新人!」


ノビスケ「そんな皆さんが悩むようなレベルのなんて・・」


1、大丈夫?立てるかい?と手を差し伸べる


2、白や!白のパンツや!と歓喜する


3、拉致る


ノビスケ「・・・・1かな?常識で考えると」


「もっとよう考えや!」


「俺は2番だと思うなあれはわざと見せてるんだってなら反応してあげないとな!」


「俺も思う男を見せな!」


ノビスケ「いやいや、初対面の人にパンツは見せないでしょ?この状況どう見ても相手の本意ではないですよ」


「小僧・・彼女出来た事あるか?」


ノビスケ「・・・・・ないですよ」


「だろうな小僧!女に恥欠かせたらあかんって」


ノビスケ「パンツの色言われた方が恥をかくと思うのだが・・」


「まだ若いからわからんかの見とれ」


1、大丈夫?立てるかい?と手を差し伸べる


→2、白や!白のパンツや!と歓喜する


3、拉致る


ノビスケ「本当に2番にした」


『白や!純白や!やっほぉおお!』


『きゃっ!変態!』


『そう言うと彼女は俺の首をかっ切って逃げて行った』


『がぁっ!!』バタッ


ゲームオーバー


ノビスケ「うん・・選択肢の間違えはあるけど日常とはかけ離れてるねなんで彼女はナイフなんて持ってたのかな?」


ノビスケ「すみませんそのそふとのパッケージを見せてもらえませんか?」


「ん?ちょっと待っとれおい!看守B」


看守B「なんだ?ゲームの文句ならやめてくれよ」


「小僧がパッケージを見せてくれだとよ」


看守B「なんだ興味津々か?ほらよ」


ノビスケ「ありがとうごさいます・・・」


ノビスケ「看守Bさん一つ質問いいですか?」


看守B「なんだ?いいぞ」


ノビスケ「この授業は日常を知っていっていつか出た時に役立つ知識をつけるためですよね?」


看守B「そうだ!なんか不満か?」


ノビスケ「このジャンルに書いてある首かっきり系女子って日常にいると思います?」


看守B「・・・いるんじゃね?」


ノビスケ「適当だな・・」


看守B「リ○ルバスターズと迷ったんだけどな・・なんかこっちのほうが面白くね?向こうは向こうで現実離れしてるって聞いたし」


ノビスケ「?・・どっちにしろそれしか選択肢がなかったんですか・・」


看守B「とにかくこれをクリアしないと次の予算おりないからよろしく」


ノビスケ「・・・まぁこんだけ人数いるんだしどうにかなるか」


「くそ!なんでだ!また切られたぞ」


「兄貴!切る前に殺っちまうのは」


「馬鹿野郎!」


「ぐはっ!」


「女を一方的に殺るなんてなに考えてる!」


「すいません!」


「あえて向こうの土俵に乗ってやろうぜ」


「はい!」


ノビスケ「楽しそうだし・・いいか」


ノビスケ「おーい!仲間に入れてくださいよ!ここはこうすると思いますよ!」


「うむ・・そうなのか?」


ノビスケ「たぶん!」


「ふっ!いいだろう小僧やってみろ」


ノビスケ「はい!」


ーーーーーーーーーーーーーー

ーーーーーーーーー

ーーーー


署名を集めて数日が経ちそろそろ目標人数まであと少しだった


あやめ「ふぅ〜初日のあれが効いたおかげでこんなに集まった」


委員長「集めた署名は警察署へ持っていくんですよね?」


あやめ「そう、これはを署長に渡せばー」


花音「どう?集まった」


あやめ「花音おはよう、もう結構集まったから警察署に持っていこうかなと思ってるの」


花音「警察署・・ね」


あやめ「なにか問題でも?」


花音「そう言うわけじゃないんだけど・・なんか今の警察はギスギスしてるというか・・多分聞く耳もたないと思うよ?下手したらその署名全部シュレッダー行きかも」


委員長「ですけど・・ならこれはどうすれば」


花音「誰か信用出来る警察関係の人間とかいないの?」


あやめ「う〜ん・・」


「おっ!いたぞ!」


あやめ「ん?」


委員長「あれって・・」


花音「初日に因縁つけてたハゲね大人数を連れて来たけど署名してくれるのかな?」


「おい!前はよくもやってくれたな!」


「こいつらが?いい女じゃないか」


「本当に好きにしていいんだな?」


「あぁ、好きしていいぜ!こいつらにはそれ程のことをされた」


「なら仕方ないな!ひひひ」


委員長「っ!」


あやめ「大丈夫だから」


花音「アホくさ・・馬鹿じゃない?」


「なんだと!」


花音「そうやって群れてないとなにも出来ないなんて本当にあんた男?」


「この!」シュッ


花音「触るな!」ドゴッ


「ぐっ!」


「やるなこの女・・おい!囲め」


「おう!」


花音「あやめ、委員長逃げなさい!」


あやめ「なに言ってるの!あなたも」


委員長「花音さん!」


「おら!」ドゴッ


花音「っ!・・はやくにげー」


「そら!!」ドゴッ


花音「ぐっ!」


あやめ「委員長だけでも逃げて私は!」ダッ


「ん?」


あやめ「あああああ!!」シュッ


「おっと!いらっしゃい!」サッ


ドン


あやめ「きゃっ!逃げて委員長」


委員長「私は・・・」


「ん?待てよ」


委員長「いや!来ないで!」


「なかなか俺のタイプじゃん?ふふふふ」


委員長「うぅ・・私は逃げない!」


あやめ「なにを!」


花音「馬鹿!」


委員長「か、かかってきなさい!」木の棒装備


「ふふふふ!それじゃあ遠慮なく」


委員長「お、おりゃぁあああ!」ブンブン


「ふははは!何やってんだ?」


コツン


「っ!・・いてぇ〜なぁ〜?」


委員長「あ、ごめんなさい・・」


あやめ「謝らなくていいのよ!」


花音「そうよ!むしろお礼言われてもいいくらいよ!」


「黙ってろ!」ドゴッ


花音「いっ!・・顔はやめなさいよ!馬鹿」


「こいつ!!」


委員長「や、やめなさい!」ポイ


あやめ「あ!」


飛んでいった木の棒は花音を殴ろうとした男に直撃


「おごっ!」


「おい!大丈夫か?」


花音「ざまぁ!」


委員長「あ、ごめんなさい!」


「そ、そこの女を捕まえろぉおお!!」


委員長「うわぁ!!いっぱい来た!」


あやめ「ま、待ちなさい!」ガシッ


「ぎゃぁ!」ズテン


花音「この!」ガシ


「うわぁ!」ズテン


あやめ「やばい!残りが全部委員長に!」


「待てこら!!」


「捻り潰してやる!」


委員長「わ、私を捻り潰しても楽しくないですよ!」


「そういう問題じゃねぇ!」


委員長「じゃ、じゃどういう問題なんですかー!」


「しるかぁああ!!」


委員長「不公平過ぎるよーー!」


「捕まえたぞ!」


委員長「うぅ・・許して」


「許すと思うか?」


委員長「・・・・だめですか?」


「お前だけは!許さん!」


あやめ「お願いします!先ほどの事は謝りますから!」


花音「そうよ!謝ってあげる」


「こいつら!おい!全員連れてけ」


あやめ「触らないで!」


花音「私に触れていいのは!裕司だけなんだから!」


委員長「いやぁあああ!!」


その時黒いスーツを着た人達がやって来た


こいつらの仲間なのだろうか


だとしたら私達はとんでもない人の喧嘩を買ってしまったのかもしれない


あやめ「ユウさん・・・助けて」


???「うむ・・・これは」


「おい!こいつらは?」


「さぁ?お前が呼んだのか?」


「いや、俺は呼んでないが?」


「おい!今取り込み中だ!邪魔するなよ!」


???「成る程・・理解したお前達やれ!」


「「「はい!」」」


「おい!なんかやばくないか?」


???「少々私達と遊んでくれますか?」


「な、なめんなよ!お前らって全員やられてる!」


???「大丈夫ですか?」


あやめ「貴方は・・」


???「私は青龍会の元幹部をやっておりました元幹部とでも呼んでください」


元幹部「あの事件の時も私は参加しました・・」


あやめ「どういうつもり仇でもうちに来たの?ならほっとけばよかったのに!」


委員長「あやめせっかく助けてもらったのに」


花音「いてて・・」


部下「大丈夫か?」


花音「触らないで!」


部下「す、すまない」


元幹部「今はもう青龍会は解散してしまいました・・ですが、私達はけじめだけはつけないといけないと思い皆さんを探していました」


あやめ「消すって事・・・」


元幹部「おい!お前ら!」


そう言うと元幹部含むそこにいた全員が土下座をした


元幹部「あの時は上の命令とは言えカタギに手をだしてしまった・・こんなのでは、許されないのはわかっているだが、すいませんでした!」


「「「すいませんでした!!」」」


元幹部「私達に出来ることはなんでもします!ノビスケさんの事は聞きました!どうか私達をボロ雑巾の如く使ってください!」


委員長「な、なんなのかな?」


花音「なにしたの?」


あやめ「はぁ・・もういいから頭上げて」


元幹部「ですが!なにか!なにかさせてください!」


あやめ「なら、これに署名してくれる?」


元幹部「はい!」


あやめ「それで、信用出来る警察とか知りませんか?」


元幹部「警察ですか・・すいませんが」


あやめ「ならもういいから今日は帰って」


元幹部「では、皆さんの傷の手当てを」


あやめ「帰れ!」


元幹部「わかりました・・何かあればここへ連絡をください」


部下「こいつらどうするよ」


元幹部「全員車に積んどけ殺しはするなよ?」


部下「はいよ」


元幹部「では、失礼します」


元幹部達はその場を去った


あやめ「・・・・・」


委員長「なにも聞かないから」


花音「興味もないしね」


あやめ「ありがと・・・」


新人刑事「おーい!大丈夫かぁ〜」


花音「なんか来たよ今更」


新人刑事「大丈夫か!近くにいたのが僕だけだったからって花音ちゃん」


花音「あ〜誰でしたっけ?」


新人刑事「ほら!僕だよ昔よく遊んでたお兄さんだよ!懐かしいなぁ〜何年ぶりだろうか」


新人刑事「両親は元気かい?裕司くんとはうまくいってるかい?まさかもう付き合ってたりするのか?」


花音「・・・・もう死んでるからみんな・・」


新人刑事「え?」


花音「あんたが夢を叶えるとか言って出た後おばさんは病気で亡くなって私の両親も裕司も亡くなったよ」


新人刑事「そ、そんな・・なんで連絡して」


花音「何度もしたわよ!馬鹿!何度も何度も何度もでも!貴方はでなかった!」


新人刑事「・・・・・」


花音「まぁ、もう済んだことよそれよりあんた警察になれたのよね?」


新人刑事「あぁ・・一応な・・」


花音「一応ね・・ねぇ?あんたに頼みたい事があるの」


新人刑事「なんだい・・」


花音「あんたがこの数年間を無駄にしていなかったって証明してほしいの・・私は一人でいえ、裕司と一緒に頑張って来たその裕司ももういないけど」


新人刑事「・・・・・・」


花音「さみしかった・・辛かった何度死のうかと思った・・でも、それを助けてくれた人がいたの私はその人を助けてあげたい」


花音「もう耐えたんだよ・・私のこの今までの時間が無駄じゃないって・・教えて」


新人刑事「花音ちゃん・・僕は」


『君が今日から入る新人かいい面構えだ!期待してるぞ』


新人刑事「君が思うほど・・」


『立派になるまで連絡は取らないのか・・好きにすればいいさ!でも、私から見たらもうお前は立派な刑事だよ』


新人刑事「出来る人間じゃない・・ヘタレで弱虫で・・」


『君を巻き込んでしまったすまないここからは私だけで行く君はなにも知らないいいね?』


新人刑事「最悪の野郎だ!」


『君にしか頼めない・・これをこの鍵を捨ててくれ』


新人刑事「でも!」


『絶対に許せない!』


新人刑事「許せない・・許せないんですよ!」


花音「これお願いね」


新人刑事「確かに・・ありがとう」


新人刑事「絶対に無駄にはしない」


花音「うん・・がんばって」


あやめ「これで、私達の出来る事は終わりよ委員長、花音さんありがとね」


委員長「ううん、こちらこそだよ同級生を友達を助けてくれてありがと」


花音「そうね、私も同じよ後呼び捨てでいいから」


あやめ「あの人大丈夫かな?なんか最初は頼りなさそうな感じだったけど・・」


花音「大丈夫よ・・なんせ私の初恋の人なんだから」


委員長「わぁ〜大胆です!」


あやめ「大丈夫?」


花音「・・・・・・大丈夫」


ーーーーーーーーーーー

ーーーーーーー

ーーー


そして、ついに明日・・何かが起こる


しかし、それを知るよしもないノビスケ


明日もいつも通りの朝を迎え夜を迎えるとそう思っている


ノビスケ「さてと、明日も早いし寝るかなっと・・・」


ノビスケ「この生活も悪くないって思うのは・・どうなんだろう」


ノビスケ「まぁ、先の事を気にしても仕方ないか」


ーーーーーーーーーーーーー


看守A「着いたか・・・」


看守A「俺にそんな権利はない・・だが、やらなきゃ・・くそっ!」


看守A「・・俺はどうすればいいんだよ・・教えてくれよ」


看守A「あやめ・・・・」


ーーーーーーーーーーーー


節子「また・・作らなきゃいけないの・・本当は皆で笑ってほしいのに」


節子「こんなものを!使わないといけないの・・」


彼女の手に握られていたのは毒薬だった


節子「いっそのこと!私が・・くっ!」


拷問員「・・・・・」そぉ〜と


節子「うぅ・・ごめんねノビスケ」ポロポロ


拷問員「・・・・・」冷蔵庫ガサゴソ


拷問員「あった・・・」サッサッ


節子「誰!」


そこには誰もおらず開けっ放しにされた冷蔵庫があっただけだった


節子「おかしいな・・・閉め忘れただけよね?」


節子「私はあの人のようには・・もう・・なら・・」


ーーーーーーーーーーーー


のび太「成る程・・そんな事が」


恭介「はい、だから俺はこれを完成させてあいつに叩きつけてやりたいんです!」


洋子「私もそうです!」


のび太「だから、何処か安全で隠れられる場所を教えてほしいと今まではどうしてた」


恭介「友達の家を転々としていましたが・・」


のび太「長くは持たないと?」


恭介「はい!もうお父ーじゃなくてのび太さんくらいしか頼る人がいないんです!お願いします」


洋子「お願いします!」


のび太「わかった・・この場所へ迎えここなら誰も来れないだろうからな」


恭介「ありがとうございます!」


のび太「その代わり例の病院関係の資料を貸してもらえないだろうか?」


恭介「あの、ノビスケくんの友達がいる病院ですか?」


のび太「あぁ、頼む」


恭介「それくらいなら、はいどうぞ」


のび太「ありがと、じゃあ頑張れよ」


恭介「はい!」


洋子「ありがとうございます!」


のび太「さてと・・・やはりか」


ーーーーーーーーーーーー


ユウ「・・・・・」


看護婦「明日は・・」


ユウ「明日は用事だ」


看護婦「ダメです!手術の予定が」


ユウ「明日はなにもないだろ?予定を間違えるなんて看護婦らしくないぞ」


ユウ「明日から俺は有給休暇だ」


看護婦「な、なら!私とデートしましょ!」


ユウ「・・・・・・」


看護婦「・・・何か言ってよ」


ユウ「すまん・・・」


看護婦「・・・何処に行くの」


ユウ「・・家で積みゲー消化する」


看護婦「なら、行ってもいいよね?」


ユウ「・・・・・・・」


看護婦「本当の事を言ってよ」


ユウ「今日はいつもより積極的だな・・」


看護婦「たまには・・いいでしょ・・それより質問に答えて」


ユウ「俺の為に死ねるか?」


看護婦「え?それってどういう」


ユウ「どうだ?」


看護婦「・・・・・うん、死ねるよユウさんの為なら」


ユウ「っ・・なんでこんなクソ野郎に・・俺の周りの奴らは馬鹿ばかりか・・もっと自分を大切にしろよ」ボソッ


看護婦「私ユウさんの事がユウキさんの事がすー」


ユウ「俺はそんなお前が嫌いだ!」


看護婦「っ!」


ユウ「俺の為に死ねるだと?ふざけんな!」


看護婦「嘘じゃない!本当に!」


ユウ「だからだ!こんな奴に命かける必要はない!」


看護婦「こんな奴って!ユウさんはこんな奴じゃない!ユウさんは!ユウさんよ!」


ユウ「違う俺は・・今までにどれだけ人を殺してきたと思うか?」


看護婦「助けられた命があったら助けられなかった命も!」


ユウ「そう言う話じゃねぇんだよ!」


ユウ「俺は助けられなかった奴の事なんかもう忘れてる!俺はそんな奴だ!」


看護婦「嘘よ!今でも墓参りに行ってるの知ってんだよ!」


ユウ「っ!」


看護婦「ユウさんはユウさんが思うほど悪い人間じゃないよ!もう自分を許してあげて」


看護婦「もう一度言います!私は貴方が好きです」


ユウ「・・・本当に馬鹿ばかりだ・・」


看護婦「先生に似たんじゃない?」


ユウ「ふっ、かもな・・」


看護婦「ユウさん・・・」


ユウ「でも、今は自分をまだ許せない・・今回が成功すれば少しは許せるかもしれない・・行かせてくれ」


看護婦「・・そんな事言われたら行くななんて言えないよ・・必ず帰ってきて」


ユウ「あぁ・・じゃあ俺は行くな」


看護婦「あ、ちょっと待って!」


ユウ「ん?」


看護婦「遠出になるなら、ちょっとカバン失礼」


ユウ「ちょっ!」


看護婦「これだけじゃダメね!まず、酔い止め、乗る前に飲んでくださいね?次にあら?替えの下着は?ないの?ダメね、これ入れとくからね?」


ユウ「な、なんで俺のパンツを!」


看護婦「タバコとかは吸ってないみたいねよかった、エチケット袋入れときますね、我慢はダメよ?」


看護婦「あ、頭痛とかしたらどうしよう・・あ、私のがあったからこれ入れとくね?使いかけだけど」


看護婦「風邪ひいたら大変よね?風邪薬は・・あ!ここ病院よね?薬剤師さーん!これとこれ処方してください!」


ユウ「あのな?」


看護婦「あとは、もう!替えの服もないの?ダメよ!これ入れとくからね?」


ユウ「なんで!男物の服を持ってんだよ!サイズピッタリだし!」


看護婦「防犯ブザーはここにっと、下着には名前書いておきましょ」


ユウ「なにやってんだ!ああ!そんなにデカく書くなよ!」


看護婦「いいの!これなら誰かわかるから」


ユウ「いや!わかったらまずいって!」


看護婦「腹痛の薬にあとキシリトールガム紳士のエチケットね、タオルも何枚かと・・これもしもの時のお金と連絡先ね」


ユウ「俺は子供か!それにこれお前の携帯番号じゃないか!せめてあやめあたりに!」


看護婦「なんで?あやめちゃんに迷惑かけちゃだめ!」


ユウ「いや、だってあいつはー」


看護婦「あいつは?」


ユウ「何でもない・・・」


看護婦「防犯ブザーもう一個つけときましょ・・さらにもう一個・・もう一個・・あと一個・・盗聴器も」


ユウ「なんだよ!防犯ブザーだらけじゃないか!やめろ恥ずかしい!それと盗聴器なんてなんで持ってるちゃっかりつけてんじゃねぇ!」


看護婦「ちっ!」


ユウ「もう行くな!」


看護婦「待って!」


ユウ「もうなんだよ!いい加減にー」


看護婦「・・・・気をつけて」火打石カチッカチッカチッ


ユウ「いつの時代だよ・・」


大吾「ユウさん」


ユウ「大吾!どうして・・」


大吾「俺らも行かせてもらいますよ」


ユウ「・・・悪いな」


大吾「いえ、力になりたいだけですから」


カチッカチッカチッカチッカチッ


大吾「ん?なんだこの音は」


ユウ「気にしないでくれ」


看護婦「・・・・・無事に帰ってきてください・・」カチッカチッカチッカチッカチッ


ーーーーーーーーーーーーー


お嬢「船にゆられて〜♪私は進む〜♪」


「姉ちゃんこれ車なんだが」


お嬢「気にしない気にしない」


「そ、そうか?」


お嬢「・・・・・・」


「その写真は?」


お嬢「弟です・・あの子本当に世話のかかる子で・・」


「今から行くところに関係が?」


お嬢「・・・・・・・」


「おっと、聞いちゃまずかったか」


お嬢「いえ、大丈夫ですよ、ただ迎えに行くだけです」


「そうか・・見つかるといいな」


お嬢「見つけますよ・・必ず」


「まだ、もう少しかかりそうだし少し寝てるといいよ起こしてあげるから」


お嬢「・・・・でも」


「会うだろ?そんなクマだらけの顔で会うのか?最近寝てないんじゃないか?」


お嬢「・・・・それは」


「よし!さっき乗せてやる代わりに俺の言うこと一つ聞くって約束だったよな?」


お嬢「えぇ、タダで乗せてもらうのは悪いので」


「寝ろ」


お嬢「え?」


「寝ろ」


お嬢「え?・・え?」


「言うこと聞いてくれるんだろ?」


お嬢「でも!それじゃあ」


「俺さ寝顔フェチなわけよ大丈夫襲ったりなんかしないよ」


お嬢「ふふ、わかりました約束ですもんね」


「あぁ」


お嬢「お休みなさい」


「お休み」


「・・はぁ本当に俺って馬鹿なのな」


「そんな辛そうな顔された・・な」


それぞれが動きだした明日を生きる為に


ーーーーーーーーーーーーーー

ーーーーーーーー

ーーー


ーー刑務所ーー


ー自室ー


まだ、暗い早朝皆が寝静まっている時


誰かの声が聞こえた


「ノ・・・ケ・・お・・ろ」


誰・・・


「ノビ・・ケ・・お・・ろ!」


誰なんだ


「ノビスケ・・起きろ!」


起きろ?寝てるのか?


「ノビスケ!起きろ!」


ノビスケ「っ!」


目を開けるとそこには覆面をかぶった奴がナイフを振りかぶっていた


ノビスケ「うわっ!!」


気づいたがおそく回避が間に合わない


ノビスケは咄嗟に腕でガードするが腕にナイフが刺さる


ザクッ


ノビスケ「ぐっ!!」


相手はすぐにナイフを抜こうとするがそれを掴んで馬乗りになっている相手をそのまま足で蹴り離す


ノビスケ「だ、誰だ!」


覆面「・・・・・・」スッ


ノビスケ「また、ナイフか!」


相手はもう一本ナイフを持っていたようだ


そのまま相手は突進してくる


部屋が狭いのもあるが、腕に刺さったナイフの痛みの所為で動きが遅れた


ノビスケ「しまった!」


ナイフは胸を貫く勢いだった


このままでは、死ぬ


でも、動けない


ノビスケ「や、やばい!刺さー」


その時


覆面「っ!」


ノビスケ「っ!」


ノビスケは身体を捻り紙一重でかわした


ノビスケ「身体が勝手に!」


かわした後相手に隙が出来たそこへ


ドゴッ


覆面「ぐぁ!」


ノビスケ「どうなってんだ!」ガシッ


すぐさま相手の首を腕で締める


そして頭を掴み


ノビスケ「まさか首を折る気か!」


ノビスケ「や、やめろ!そこまでする必要はない!くそ!身体が言うこと聞かない!」


覆面「ーー!!」


ノビスケ「くそ!!」


ノビスケ?「おいおい、また殺されるかもしれないんだぞ?」


ノビスケ「っ!」


ノビスケ「それでもだ!助けてくれたのは感謝するが!勝手な事するな!返せ俺の身体を!」


ノビスケ?「ちっ!まぁいい今回は助けてやったが、次はないからな!」


ノビスケ「っ!」パッ


身体は動くようになった


覆面「っ!」ドゴッ


ノビスケ「ごはっ!」


覆面はすぐに逃げて行った


今チャンスだったはずなのだが


ノビスケ「どうにかなったか・・いてて・・血が止まらない」


ガタン


止血帯、緊急セット


ノビスケ「え?落ちてきた」


ノビスケ「使えって事か・・」


どうにか血を止めることが出来た説明書付きだった


ノビスケ「一体誰が・・」


気づくもう朝食の時間だった


看守には今朝のことを伝えたこれできっと大丈夫だろう犯人もすぐにわかるだろう


ノビスケ「腹減った・・」


ー食堂ー


ノビスケ「・・なんだろうこの空気」


今までと違い誰一人喋っている人はいなかった


看守A「よう!おはよさん!ノビスケどうした?その腕の包帯」


ノビスケ「あ、おはようございます。久しぶりですねこれはちょっとね・・何処かに行ってたんですか?」


看守A「まぁな・・気をつけろよ?ほら食おうぜ」


ノビスケ「はい」


そして、食事が進むと自然と周りからの話し声も聞こえてくるようになった


よかったと言う声も聞こえてきたがどうしたのだろうか


そして、食事は終わった


と思ったが


節子「ノビスケ」


ノビスケ「姉御今日も美味しかったですよ」


周りの空気がまた固まる


節子「今日でここに来て一週間ね」


ノビスケ「もうそんなに早いですね」


節子「これそのお祝いって言ったらおかしいけど受け取って」


ゆっくり渡されたのは姉御特製プリンだった


ノビスケ「え?いいですか!俺だけに」


節子「その為に作ったんだから」


ノビスケ「やった!ありがとうございます!・・あの」


節子「な、なに?」


ノビスケ「手を離してくれないと取れないんですけど・・」


節子「え?ごめんね・・今離すから・・」


ノビスケ「取れないですよ!」


看守A「なにをやってる!」


節子「わかってる!ノビスケ無理矢理取って!」


ノビスケ「ふぬぬぬぬ!!っと!取れた」


節子「あ・・・」


ノビスケ「じゃあ!早速いただきー」


節子「待って!」


看守A「節子!」


節子「へ、部屋でたべてくれるかな?みんな見てるしね?ほら一人だけ食べてるのを見せるのもかわいそうだしね?」


ノビスケ「え?・・そうですか、なら仕事終わりか」


看守A「今日は休みだ!」


ノビスケ「え?でも日程表には」


看守A「お前ら食ったら部屋待機だいいな!」


ノビスケ「いきなりなんで・・」


看守A「伝達ミスだすまん部屋に戻れ」


ノビスケ「・・わかりました」


いつもなら移動は看守付き添いが厳守だが、部屋の前まで一人だった


ノビスケ「おかしい・・」


師匠「おい、ノビスケ」


ノビスケ「あ、師匠おはようございます」


師匠「うむ、おはよう早速だが、プリンを分けてくれないか?」


ノビスケ「え?・・でも」


師匠「ほう・・師匠の言うことが聞けないと?」


ノビスケ「ですが・・」


師匠「わかったならもう教える事はない」


ノビスケ「わかりましたよ!持ってけ!」


師匠「うむ・・・ノビスケ」


ノビスケ「はい・・・」


師匠「部屋から離れてなさい」


ノビスケ「え?」


師匠「今から起きる事は現実だノビスケ生きろ」


そう言うと師匠は俺の部屋へ入って行った


ノビスケ「どう言う意味だよ」


ガタン


ノビスケ「っ!部屋からだ」


ガチャ


部屋へ行くとそこには・・


師匠「」


血だらけの師匠が倒れていた


手には食べかけのプリンがあった


ノビスケ「っ!なんで!うっ!」


ノビスケ「誰か来る!」


咄嗟に押入れに隠れる


看守A「・・ノビスケ聞こえるかノビスケ?開けるぞ」


ノビスケ「・・・・・・」


看守A「っ!ノビスケじゃない!」


ノビスケ「っ!」


看守A「くそっ!何処に行った気づいてたのか!」


ノビスケ「なんで・・なんで!」


ガタガタ


看守A「ん?押入れからなにか」


ガタン


ノビスケ「なんで!助けたんだよぉおおおお!!」ポロポロ


看守A「っ!」


ドゴッ


看守A「ぐぁっ!」


ノビスケ「看守A!!どうしてだ!どうして!!」ガシッ


看守A「仕方なー」


ドゴッ


看守A「ぐっ!」


ノビスケ「仕方ないじゃねぇよ!」


ガン


看守A「がぁは!そうだな・・なら殺せ俺を殺せ!」


ノビスケ「なんだと!」


看守A「殺せって言ったんだよ!ボケ!」ドゴッ


ノビスケ「っ・・・」


看守A「殺せよ!」ガシッ


ドゴッ バキッ ドスッ


ノビスケ「うぇ!!」


看守A「どうした!!」ドゴッ


ノビスケ「がはっ・・・」


看守A「今朝はそんなんじゃなかっただろうが!」ドゴッ


ノビスケ「っ!・・・」ポロポロ


看守A「な、泣いてんのか!」


ノビスケ「も、もう・・俺の為に・・誰かが・・死ぬのは・・もう嫌だ・・看守Aさん」


ノビスケ「殺してくれ」


看守A「っ!」


ノビスケ「わかります・・看守Aさんが・・なにかを守る為に・・そうするしかないって・・だったら守ってください」


ノビスケ「もう疲れました」


看守A「っ・・くそっ!あやめ!俺は」


ノビスケ「っ!」


看守Aはナイフをゆっくり取り出し


看守A「ノビスケすまん!!」シュッ


ノビスケ「ま、まっー」


拷問員「待った!!」


看守A「っ!」ピタッ


ノビスケ「ふぅ〜助かった・・」


看守A「なんだ今取り込み中だ」


拷問員「殺すんでしょ?なら私にやらせてよこいつには少し恨みがあるんでね」


看守A「・・・・・・」


拷問員「それにこの部屋でやるとね?次に使う人が困るでしょう?拷問室使うから」


看守A「・・・・わかった頼む」


拷問室「はいよ、来な抵抗はするんじゃないよ」


ノビスケ「する力も残ってないよ」


ー拷問室ー


ノビスケ「・・・やるなら苦しまずにしてくれると助かる」


拷問員「怒らないの?」


ノビスケ「何故?」


拷問員「私のは逆恨みだよ?女に殺されるなんて屈辱でしょ?」


ノビスケ「あれは俺が悪かった君の為とは言え暴力に訴えた男として最低の行為だ・・」


拷問員「・・・貴方は」


ノビスケ「それにこんな美人に殺されるなら本望ってな・・ははは変態だな」


拷問員「最後になんで手加減したの傷のつかないように配慮まで女だから?」


ノビスケ「違うよ・・女でもあんな事したら多分俺は殴ってる傷も作ってる」


拷問員「なら、なんで!」


ノビスケ「泣いてた」


拷問員「泣いてなんか!」


ノビスケ「見える意味の泣きじゃないよ、心がって言うか無理してるような感じがしてた」


拷問員「っ!」


ノビスケ「お父さん達がそう言うのに結構鋭くてな・・俺もそう言うのは結構・・な」


ノビスケ「もしかしたら昔になにかあったのかなって・・ただの同情心だよ」


拷問員「やっぱり・・貴方は他の男とは違う」


ノビスケ「違わないよ・・最低野郎さ」


拷問員「私の家ってさ代々メイド家系なのだから私も数年前までメイドだったんだけどね・・っ」


ノビスケ「辛いことは思い出さない方がいい忘れる事もまた勇気だよ」


拷問員「ありがと・・はじめてだよ・・お母さんが言っていた意味がやっとわかった」


拷問員「本当にご奉仕したい人に出会えたら本当の意味でメイドになれるって」


ノビスケ「ご奉仕?拷問員さん?」


拷問員改めてメイド「メイドと呼び捨てでお呼びくださいご主人様」


ノビスケ「え?メイド?」


メイド「これから私は貴方に一生尽くしていくことを約束します」


ノビスケ「え?え?・・なにを?」


メイド「そして謝る事があります、今日の朝の襲撃の時私は様子見をさせてもらっていました・・看守Aに襲われているのを黙って見ていました」


メイド「どんな処罰も受けます」


ノビスケ「もしかして・・あの止血帯とかって」


メイド「はい、私です見いて罪悪感にとらわれてしまい・・本当なら出て来て治療すればよかったのに」


ノビスケ「なにをあの時はありがとうございます!お礼を言うことはあっても文句を言うことなんかないよ」


メイド「ありがとございます!あの時かっこよかったですよ?」


ノビスケ「あ、ありがとう照れるな」


メイド「独り言もまたかっこよかっです」


ノビスケ「あ〜うん・どーも」


メイド「では、ご主人様命令を」


ノビスケ「あのさ?」


メイド「はいなんでしょうか?」


ノビスケ「俺なんかがさ?人を使うなんて出来ないよ・・」


メイド「やはり私は不要ですか・・邪魔ですか・・」


ノビスケ「そうじゃないよ!わかった!君が必要だ!」


メイド「っ!」ポロポロ


ノビスケ「わぁ!ごめん!なんで泣いて・・いや!俺の所為に決まっている!土下座するしか!」


メイド「違うんです!」


ノビスケ「ジャンピングダイナミック土下座って・・へ?・うぎゃ!」ズテン


メイド「必要だなんてはじめて言われたから・・嬉しいです」


ノビスケ「そうなのか・・よし、わかった・・メイド俺はここを出たい君と一緒に」


メイド「っ!はい・・」ポロポロ


ノビスケ「泣き虫なメイドさんだな」


メイド「ご主人様・・一緒に出ましょうそして・・」ケチャップ


ノビスケ「ん?ケチャップ?」


ブチューーーー


ぎゃぁあああああ!!


ーーーーーーーーーーーーー

ーーーーーーーーー

ーーーーー


ユウ達は車で向かっていた


ユウ「・・・・・・」


大吾「どうした?そんなに薬なんか見つめて」


ユウ「いや、頭痛の薬って言ってたんだが・・」


大吾「ん?・・あ〜そりゃあ困るよなこんなの貰っても」


大吾「どうする?捨てるか?」


ユウ「いや、持っておくよ」


その時車が急ブレーキをする


ユウ「うわっ!」


大吾「どうした!」


「隊長!事故です!かなりの渋滞だ」


ユウ「くそっ!」


ーーーーーーーーーーーーーーー


お嬢「・・・・・・・」イライラ


「事故だなこれはかなりかかるぞ」


お嬢「早く!早く!」


「少しずつ動いてはいるが・・まぁ、弟には少し待ってもらってな?」


お嬢「待ってる暇なんか・・」


「ほら、落ち着いて深呼吸」


お嬢「早く早く早く早く早く」


「・・やばいかも」


ーーーーーーーーーーーーーー

ーーーーーーーーー

ーーーーー


ーー刑務所ーー


ガラガラ


「拷問員さんこれは?」


メイド「ご主ーノビスケの遺体です見ます?」


「いや、いいです」


ノビスケ「・・・・・・・」


今俺は台車の上に寝ている状態だケチャップまみれで上から布を被せている状態


正直ばれないのが信じられない


メイド「それより気安く名前を呼ばないでくれる?」


「す、すいません・・」


メイド「失せなさいこうなりたいの?」


ノビスケ(ケチャップまみれになりたいの?って事?)


メイド「貴方の場合は本物でね?」


「ひっ!意味はわからんが!すいませんでしたぁああ!」


ノビスケ(・・ベトベト)


メイド「もう誰もいませんね」


メイド「ご主人様このようにしてしまい・・」


ノビスケ「いいんだよ、助けてくれようとしてくれてんだろ?ならどんな形だろうと構わないよ」


メイド「ご主人様・・・」ウルウル


ノビスケ「ちょっ!ダメ今は泣いちゃ!」


メイド「そうですね!今はですね!」ゴシゴシ


ノビスケ「それにしてもよくこんな方法思いついたよね」


メイド「数十年前の戦争をご存知ですか?」


ノビスケ「え?まぁ・・」


メイド「あの時私はまだ赤ちゃんで生まれたばかりでした」


メイド「あの頃は街に入るのも大変でましてや他の街に住んでた私達なんて入れてもらえなかった」


メイド「でも、母は入れたんです」


ノビスケ「どうやって?」


メイド「聞いた話ではー」


ーーーーーーーーーーーーーー


ー過去ー


ー街の入り口ー


門番「寝み〜」


母「やはりここも門番がいるのね困った・・」


赤ちゃん「あぶぅ〜」


母「いいわね呑気で・・よしよし〜」


母「誰か来る!隠れなきゃいい子だから大人しくしててね?」


「なぁ、この荷車には何が入ってるんだ?」


「そんなの知るか!俺たちは命令されたことを黙ってやってればいい」


「でも、気になるな・・確か病院に運べばよかったんだよね?」


「あぁ、そうだ!この任務が終われば出木杉様から褒美がもらえるそれでいいだろ?」


「そうだな!ならさっさとやりますか!」


母(あらあら、敵さんじゃない止めなきゃいけないけど・・無理よね・・あら?誰か来た)


女「ん?出木杉がなんだって?もう一度言ってみ?」


「っ!誰だ今の話聞いていたか!」


女「バッチリでっせ!」


「どうします?」


「殺れ!」


「ですが!女ですよ!」


「いいから殺ー」


ガシッ


女「うるさい・・」


ゴキッ


バタッ


「ひっ!!」


女「女だからって舐めってっと痛い目みるぞ?あぁ?」


母(わぁーお!かっこいい)


「た、たすけー」


ガシッ


女「だから・・うるさい!」


ゴキッ


ドサッ


女「敵に背を見せるなんて・・こんな奴らに私達は!落ち着け私・・」


母(うむ・・なにか訳ありかな?ん?また来た)


兵士1「さて!どうやって入るかな・・」


幼女「普通に入っちゃダメなの?」


兵士2「俺達は最前線にいるはずだからな、ここで帰ってきたのがわかれば出木杉軍の奴らに感ずかれる」


兵士3「どうする!入り口はここしか」


女「ねぇ!ねぇ!」


母(仲間なのかな?)


兵士2「どうした?アーニャ」


女「一般市民のふりをすれば?」


兵士2「軍服を着た一般人がいるか?」


母(あんた達は何着ても一般人には見えないって)


女「なら!これしかないね」


兵士2「なんだ?」


女「用意するものは!これ!」



ケチャップ


毛布


荷車


母(さっきの荷車ね)


兵士2「これをどうする?それと荷車何処で・・」


女「そこに落ちてた!」


兵士2「そこって・・え?」


兵士1「これって!爆弾」


幼女「荷車にいっぱいね」


兵士3「近くに人倒れてるし」


女「くれた!」


兵士2「奪ったろ!」


女「てへ!」


兵士2「はぁ〜どうするんだよ!」


兵士3「ジャイアン!これ!」


兵士2「どうした!」


母(なにか手に持ってる?)


兵士2「病院を爆破しろ!って書いてるぞ!」


母(あら物騒ね)


兵士1「まさか!阻止しちゃった」


幼女「どうする・・もう爆破はしないってこと」


兵士2「・・いや!多分これはフェイクだ」


兵士3「どういうこと?」


兵士2「出木杉の事だからなばれてしまった場合を考えてわかりやすいフェイクを作ったんだ」


兵士1「確かに出木杉ならこんなわかりやすくはしないだろ」


女「みんな!!ちょっと来て」


兵士2「何かあったか!」


母(さっきの爆弾ね)


女「これ!偽物だよ!」


兵士2「アーニャ・・爆発するとは考えなかったのか?」


女「自信あったもん!!」


兵士2「はぁ〜」


幼女「思い立ったらすぐ行動するタイプね」


女「さて!時間ないんでしょ!のび太、スネ夫さん、たけしさん乗って!」


兵士1「ん?乗るの」


兵士3「俺達が?」


兵士2「アーニャを信じてみようぜ」


女「乗ったら適当に横になって!そうそう!お嬢!ケチャップ」


幼女「はい!これ」


母(ふむ・・・・)


女「えい!」


ブチューーーーー


ぎゃぁぁああああ!!


ベトベトやぁ!!


重いよ・・・


女「後は毛布をえい!どう!何に見える?」


母(これは!)


幼女「・・死体を積んだ荷車」


女「そういう事!私達は顔知られてないでしょ?」


母(いける!)


赤ちゃん「あぅ〜」


ーーーーーーーーーーーーーー


メイド「それで、その人達が捨てていったケチャップを幼かった私にかけて入ったらしいです」


ノビスケ「マジか・・そんな奴がいたのかよ!」


メイド「それを母から聞き今回使ってみようと思いあらかじめキッチンからケチャップを拝借しました」


ノビスケ「案外ばれないもんだな」


ノビスケ「もしかしてメイドって俺と歳そんなに違わないのかな?」


メイド「十代とだけ言っておきます。」


ノビスケ「苦労して来たんだな」


メイド「ご主人様ほどではありませんよ・・このまま外に出ましょう」


ノビスケ「あぁ」


メイド「あ、ご主人様」


ノビスケ「なぁ、ノビスケでいいよ」


メイド「いえ、そう言うわけには」


ノビスケ「頼むご主人様なんて呼ばれたらむず痒くてしかたない」


メイド「わかりましたノビスケさん」


ノビスケ「まぁ、ご主人様よりましかそれでなに?」


メイド「寄りたい場所がありますがよろしいでしょうか?」


ノビスケ「構わないよ」


メイド「では・・人が来ました」


ノビスケ「」くて〜


「なんだそれ?遺体?」


メイド「触ったらわかるよね?」


「ひっ!は、はい!」


メイド「失せなさい」


「はーーい!!」


ノビスケ「もういいか?」


メイド「はい大丈夫です」


ノビスケ「それで行きたい場所って?」


メイド「もう着きます」


ガチャ


メイド「誰もいませんね・・いいですよ出て来て」


ノビスケ「ふぅ〜ケチャップ臭え」


メイド「シャワーがあるので使ってください」


ノビスケ「ここは?」


メイド「女子更衣室です」


ノビスケ「失礼しました!」


メイド「ノビスケさん出てはいけません!」


ノビスケ「だ、だって!ここは男子禁制だ!俺は男子なんだ!」


メイド「今は仕方ないんです!我慢してください」


ノビスケ「だが・・・」


メイド「早くシャワーを浴びて来てください」


ノビスケ「・・・・・」


メイド「なら、二つ私の言うことを聞いてください」


ノビスケ「え?」


メイド「二つでいいんです」


ノビスケ「いや、二つと言わず頼みなら出来る限りは」


メイド「二つ必ずです」


ノビスケ「わかったそれで?」


メイド「一つ目です。シャワーを浴びてこれに着替えてください」


ノビスケ「これは?」


メイド「看守の服です」


ノビスケ「わかった」


男のシャワーシーンは需要がないので飛ばされます


ノビスケ「ピッタリだ!」


メイド「帽子を深く被ってください」


ノビスケ「わかった・・ってそれメイド服か?」


メイド「母の形見ですから」


ノビスケ「そうなのか・・ごめん」


メイド「何故謝るのですか?同情とかしてたりします?」


ノビスケ「違うよ・・同情は他人の自己満足だってスネ夫さんに言われましたから・・まぁ、最初はしてたけどね」


ノビスケ「でも、今は違うよ!似合ってるよ」


メイド「っ!・・あ、ありがとうございます」


ノビスケ「二つ目は?」


メイド「それはまた後です。」


ノビスケ「そうか、これからどうする?」


メイド「入り口から出ます」


ノビスケ「堂々と?」


メイド「はい」


ノビスケ「出来るの?」


メイド「それしかありません」


ノビスケ「それ以外ないなら仕方ないか・・行こう」


二人は女子更衣室から出て入り口へと向かう


途中何人かとあったがばれなかった


ノビスケ「ん?あれは」


メイド「どうやら師匠さんの葬儀をやっているようです」


ノビスケ「なんでここで」


メイド「表には出せないからです」


ノビスケ「・・・・・」


メイド「行く気ですか?」


ノビスケ「止めるか?」


メイド「いいえ」


「師匠さん・・ありがとうございました!」


「なんで!あんな小僧なんかを!」


「殺してやる!」


「馬鹿野郎!師匠さんが命をかけて守ろうとしたのにかよ!」


「だが!この怒りを何処へ!」


「ノビスケは・・何処に」


メイド「失礼します」


「ん?なんだ!メイドがいるぞ!」


メイド「線香をいいですか?」


「あぁ、あんな奴いたっけな?」


メイド「どうぞ」スッ


ゆっくりと目をつむり手を合わせる


ノビスケ「・・・・・・」


ノビスケ「・・・・・」


ノビスケ「・・・」


ノビスケ「行こう」


メイド「もういいのですか?」


ノビスケ「うん・・別れはすませたから」


メイド「では、これで失礼します」


「あ、あぁ・・」


「やっぱりノビスケを俺は!」


「やってみろよ!てめぇを殺すぞ」


「あぁ?やんのか!」


「上等だ!」


ノビスケ「なんだよこれ・・」


メイド「ノビスケ派と看守A派が別れたと見るのが妥当でしょう」


メイド「どちらにせよこっちには好都合です」


ノビスケ「・・・・くっ!」


メイド「ノビスケさん?」


ノビスケ「やめろ!!」


「な、なんだ!」


「あいつだ!」


ノビスケ「ノビスケなら!ここだ!」


「見つけたぞ!」ダッ


「なにやってんだ!」ガシッ


「くそっ!離せ!」


「逃げろ!」


ノビスケ「やめろって行ってんだろうが!」


ノビスケ「師匠さんの前でやめろよ!!」


「「「っ!」」」


あたりがシーンと静まり返る


ノビスケ「こっちに来い!決着つけようや」


メイド「な、なにをしてんですか!」


ノビスケ「ごめんな・・でもな?わかってくれ」


メイド「わからないです!こんなの・・」


「おい」


メイド「え?」







ノビスケ「ここなら広いしいいだろう」


「小僧覚悟しろ!」


「師匠さんの仇とらせてもらう!!」


「ノビスケを守るぞ!」


「師匠さんはそんなの望んでない」


ノビスケ「必ず生き残る!」


ガシッ


ノビスケ「え?」


いきなり後ろから掴まれる


「お前はこっちな」ヒョイ


メイド「行きましょ」


ノビスケ「え?え?」


「ここは、俺達に任せろ」


「行きな小僧生きろ」


ノビスケ「なにを言ってるんだ!俺も戦う」


「邪魔なんだよさっさと行け!」


メイド「みんなの思いを無駄にするんですか?」


ノビスケ「っ!・・ありがとうございます・・絶対死なないでください!」ダッ


メイド「・・・・・私は」


「ふっ!お前もまだ若いこんなおっさんはほっとけこれからだろ?行け」


メイド「ありがとう・・」ダッ


「行ったか・・当初の作戦とは違うが・・気合入れろお前ら!」


おおおおおおおおお!!


メイド「ノビスケさんこっちです!急いで」


ノビスケ「くっ!・・・」


メイド「みんな貴方に託したんですよ前を見なさい!」


ノビスケ「なんで・・俺なんか」


メイド「その答えは今見つけなくてもいいんです。ゆっくり探せばいいのです。その為の人生だから」


ノビスケ「・・メイド・・そうだな!まだ、時間はある探すよ」


メイド「はい貴方なら見つけられます」


メイド「ここを曲がってください!」


ノビスケ「はい!」


メイド「次は広場を通った方が近いです!」


ノビスケ「広場だな!」


ーー広場ーー


ノビスケ「・・見逃してはくれないよな」


メイド「・・・・・読まれていたのね」


看守A「めんどくさい事しやがってよ・・囚人共全員を使うとは」


ノビスケ「全員?そんな筈はない逆に俺を殺そうとしている奴らもいた」


メイド「気づかなかったのですか?」


メイド「あれは全部演技だったんです」


ノビスケ「え?」


看守A「知らないのかよ・・」


メイド「ああやって騒動を起こしてノビスケさんが逃げる時間を稼いでいたんです。争っていたように見せたのは看守長の判断を遅らせるため」


ノビスケ「判断って・・」


メイド「邪魔者の排除です。こっち側の人間がいたら排除は出来ませんからね・・まぁそれも時間の問題です」


ノビスケ「じゃあ!あいつらは死ぬのをわかって!」


メイド「はい・・そうです」


ノビスケ「なんで言わなかった!」


メイド「言ったらついて来ましたか?」


ノビスケ「戦った!」


メイド「そして仲良く犬死ですか?」


ノビスケ「犬死って!メイド!」


メイド「あの時逃げなかったら皆なんの為に命をかけた事になるの?犬死させたかったの?」


ノビスケ「っ!・・それは」


メイド「ノビスケさん戻りますか?」


ノビスケ「くっ!・・・進むよそれしか出来ないんだ」


ノビスケ「だから!どけ!看守A!」


看守A「無理だ!はははは」


ノビスケ「看守Aさん!あの時言ってたあやめってもしかしてー」


看守A「言うな!何も言うな!」


ノビスケ「あやめは!」


看守A「黙れ!」シャキン


ダッ


メイド「来ます!」


ノビスケ「無事です!病気も治って元気にしてます!今度会いにー」


看守A「っ!俺にそんな資格はない!」シュッ


メイド「あぶない!」


ザクッ


メイド「っ!」バタッ


ノビスケ「っ!メイド!」


看守A「くっ!・・邪魔なんだよ・・」


ノビスケ「メイド!」


メイド「に・・げて・・」


ノビスケ「そんな・・」


看守A「これはお前の弱さが招いた結果だ・・どうする?」


ノビスケ「・・・・・」


看守A「ほら、拾え!そいつで俺を殺してみろ」


ノビスケ「っ!!」


ナイフを拾う


看守A「・・次はお前だノビスケ!」ダッ


シュッ


ナイフが近づいてくる


その時ビックリするほど冷静だった


こんなに怒っているのに・・何故だろう


ノビスケ「っ!!」シュッ


看守A「すまんな」ニコ


ピタッ


ナイフが止まる最初から止めるつもりだったのだ


ノビスケ「っ!」


こっちは止めることが出来ない


冷静なら止められる筈だ


そうか!


ザクッ


看守A「っ・・がはっ」


ノビスケ「ああ・・!!」


冷静なんかじゃないんだ


そう思っていただけだったんだ


結局あの時から何も変わってなんていなかった


看守A「」バタッ


ノビスケ「俺は!あああああああ!!」


メイド「・・・生きてる」


メイド「血はついてるのに痛くない・・」チラ


看守A「」


メイド「・・・バカ」


ノビスケ「うわぁぁあああ!!」


メイド「ノビスケさん!」ダキッ


ノビスケ「メイド!メイド!俺は俺は!」


メイド「大丈夫・・大丈夫だかね」ナデナデ


ノビスケ「うぅ・・俺は・・・」


メイド「今は泣きなさい・・泣いたらまた前を見るの・・前をね」


ノビスケ「うわぁああああん」


ーーーーーーーーーーーーーー

ーーーーーーーーー

ーーーーー


その頃ユウ達は渋滞にまだ巻き込まれていた


ユウ「くそ!長すぎるぞ!何をやってんだ」


大吾「あぁ、わかった」ピッ


ユウ「どうだ?」


大吾「どうやら検問をやっているようだ。かなりやばい」


ユウ「これを見られると流石に」


大量のむさい男達フル装備


パスポート?なにそれ?食えんの?


ユウ「引き返すしかないのか・・」


そこから少し前にいる車


お嬢「・・・・・・」イライラ


「まぁ、落ち着いてな?」


お嬢「私は落ち着いていますよ?ふふふふふふふふ!」


「これはやばいな・・・」


お嬢「ノビスケ・・ノビスケ・・」


「訳ありか・・ふっ!捕まってろ!」


お嬢「っ!」


そして、何処かの病院では


のび太「ここか・・どう思う?」


ジャイアン「あぁ!匂うぞ!怪しい匂いが」


スネ夫「調べによれば正式な病院ではない」


のび太「そんなところに入院なんてさせるわけないよな」


スネ夫「あぁ、ありえないな」


ジャイアン「スネ夫本当によかったのか?アンリに全て任せてきて」


スネ夫「大丈夫さあいつ俺より仕事出来るしな」


のび太「もうアンリが社長でよくないか?」


スネ夫「それいいかもな!って!それ言ったら殺されるから」


のび太「まさかだけど黙って来たの?」


スネ夫「おう!言ったら着いて来るしなのび太達もそうだろ?」


ジャイアン「あぁ、心配かけさせたくねぇからな」


のび太「考える事は皆一緒か」


ジャイアン「よし!集合!」


のび太「懐かしいな・・」


スネ夫「早く行かねぇと殴られるぞ?」


のび太「だな」


ジャイアン「今回のミッションはなんだ!」


のび太「はっ!人質三人の救出」


ジャイアン「そうだ!真治、会長、副会長の救出だ!これは最重要事項だ!失敗は許されない!いいな」


のび太、スネ夫「はい!」


ジャイアン「次は!」


スネ夫「はっ!この病院で何をしていたかを探る」


ジャイアン「そうだ!また変な薬なんて使っていたならその関係者を殺す事も視野にいれておけいいな」


のび太、スネ夫「はい!」


ジャイアン「じゃあ、堅苦しいのはここまでだ!行くか」


のび太「あぁ、行こうぜ」


スネ夫「最初の頃のメンバーだな」


ジャイアン「あぁ、あの時から始まったんだ」


のび太「出会いがあり別れがあった」


スネ夫「俺達の選択は正しかったのかは分からないけど」


のび太「お互い帰りを待つ者がいる生きて帰るぞ」


ジャイアン「死ぬなよ?」


スネ夫「ジャイアンこそな?」


ジャイアン「誰に言ってんだ?」


スネ夫「さぁな?」


のび太「じゃあ!」ガチャ


スネ夫「ミッションスタートだ!」ガチャ


ジャイアン「リサイタル開始だ!」ガチャ


ーーーーーーーーーーーーーーー

ーーーーーーーーーー

ーーーーー


ーー広場ーー


ノビスケ「その・・なんかごめん」


メイド「何故謝るのです?」


ノビスケ「情けない所見せちゃってさ・・今はそんな事してる暇なんてないのに・・完璧な人間なら・・」


メイド「そうでしょうか?私は完璧な人間ほどつまらない人はいないと思っています。情けない所を見せてもまた立ち上がれる人は素敵だと思いますがノビスケさんどちらですか?」


ノビスケ「・・どっちでもないよ・・でも、そうなるようには頑張ってみるよ君にとっての素敵な人にね」


メイド「はい、お供します」


ノビスケ「看守Aさん・・ありがとうあやめさんは絶対に守ります」


メイド「これを」


ノビスケ「これは?」


メイド「看守Aさんのペンダントです中はあやめさんの写真だと思います。届けてあげましょう」


ノビスケ「あぁ、そうだな」


ノビスケ「なら、さっさとここを出よう」


メイド「はい、こちらです」


メイド「この部屋を出たらあと少しです」


ノビスケ「妙に静かだ・・」


メイド「・・・・・急ぎましょ」


ノビスケ「嫌な予感がする」


メイド「もしかしたら・・」


プシューー


ノビスケ「なんだあれ?」


メイド「っ!」


メイド「処分が始まりました!あれは毒ガスよ吸っちゃ駄目」


ノビスケ「なんで!毒ガスなんか!」


メイド「そんな事はいいから!早くこの部屋から出ないと!」


ノビスケ「っ!開かない!」


メイド「ドアを壊してでも!」ドン


ノビスケ「おりゃ!」ドン


メイド「せーのでいきますよ!」


ノビスケ「はい!せーの!」


ドン


メイド「やはり無理ですか・・」


ノビスケ「ゲホッゴホッ・・ここまでなのかよ・・」


メイド「そう言えば・・確か」


メイド「やはり非常用にガスマスクが隠してあった!早くこれを」


ノビスケ「あ、ありがとう!助かる」ガポッ


メイド「いえ、ゲホッ・・お役に立てたゴホッ・・よかった・・で」


バタッ


ノビスケ「っ!メイド!君の分は!」


メイド「あるのは・・一つだけです・・」


ノビスケ「なら!俺はいらー」


メイド「二つ目のお願いです・・貴方だけでも・・い・・き・・て・」


ノビスケ「っ!ふざけんなよ!おい!しっかりしろ!おい!」


メイド「」


ノビスケ「ふざけんな・・最初っからそのつもりだったのかよ!」


ノビスケ「一緒に出るってのは!うそだったのかよ!」


ノビスケ「・・・・ご主人様の言ったことも守れないのかよ!」


ノビスケ「くそっ!また、俺は何も出来ないのかよ・・」ポロポロ


ノビスケ?「・・諦めるのか?」


ノビスケ「・・・・・・」


ノビスケ?「あの子はまだ助かるぞ?」


ノビスケ「っ!」


ノビスケ「でも!出られないんじゃ・・」


ノビスケ?「おいおい!何の為の試験だったんだ?あぁ?こんな所で諦めるような奴だったのか?」


ノビスケ「くっ!・・」


ノビスケ?「あがいてみろ!嘆くのはその後だ!俺をがっかりさせるなよ」


ノビスケ「・・・・・・」ガポッ


ガスマスクを外しメイドにつける


ノビスケ「待っててくれ・・こんなドアぶち壊してやる!」


ドン


ノビスケ「ふん!!」


ドン


ノビスケ「くそっ!諦めなーぐはっ!・・ゲホッゴホッ・・あまり時間はない!」


ドン


ノビスケ「一緒にここを出るんだ!」


ドン


ノビスケ「約束したろ!」


ドン


ノビスケ「がはっ!・・ハァ・・ハァ・・まだ!まだだ!」


ドン


ノビスケ「うっ・・意識が・・遠のいて・・」


『メイド俺はここを出たい君と一緒に』


ノビスケ「っ!俺は!俺はぁあああああ!!」


「やるぞ!合わせろ!」


「うん!やはり僕の見込んだ通りだ!」


ノビスケ「「「チェストォォオオオオオ!!」」」


ドンッ!!


ドアは吹き飛んだ


ノビスケ「メイド!」ガシッ


ノビスケ「出るぞ!」


「たく!世話のかかるガキだ」


「その割りには結構気に入ってたりするんじゃないのかい?」


「あぁ?なわけねぇだろうが!」


ノビスケはメイドを担いで外へでようとするが


ノビスケ「そういえば姉御は食堂かな」


ノビスケ「あの人もきっと被害者だ・・一緒に出よう」


食堂へ向かったが・・・


ノビスケ「・・・・姉御」


ノビスケ「何故そこまでして抗わなかったんですか・・」


そこにいたのは既に冷たくなっている節子さんだった手には俺にくれたのと同じ食べかけのプリンがあった


ノビスケ「・・本当に大人は・・自分勝手過ぎる・・ふざけんなよ!」


ノビスケ「死んだら今までやってきたことの意味がなくなるだろうが!節子さんがここに来てまでしたかった・・しなきゃいけなかった事は!なんだったんですか!」


ノビスケ「俺は!看守Aさんも節子さんも囚人さん達も!大っ嫌い・・・だ」


ノビスケ「美味しいご飯ありがとうございました・・もう行きます」


プシューー


ノビスケ「ここも毒ガスかよ・・急ぐか」


ーーーーーーーーーーーーーー

ーーーーーーーーー

ーーーー


ユウ「やばい後ろにも車があって引き返せねぇ!」


大吾「仕方ない!」ガチャ


ユウ「それはやめろ!」


大吾「だが、多少の犠牲は仕方ない事だそうだろ?」


ユウ「前の俺ならそうだと言うかもしれないが今の俺は長い間ぬるま湯に浸かりすぎたあいつ程じゃないがあまあまになってしまった」


大吾「それはつまり」


ユウ「一般人は巻き込むな」


大吾「だが、そうも言ってられないだろ?このままだと手遅れになるぞ?」


ユウ「・・・・だが」


大吾「仕方ない・・なら・・ん?」


ユウ「なんだ!前の方の車一台がいきなり検問突き破って行きやがった!」


大吾「ふっ!好機!2号車3号車俺の後に続け!」


ユウ「お、おい!まさか!」


大吾「俺らも行くぜ!!」


検問員「ちょっ!!まっ!」


ー検問突き破った車ー


お嬢「やっほーー!!」


「ひゃっはーーー!俺は風になるぜ!」


ーーーーーーーーーーーーーー

ーーーーーーーーー

ーーーーー


ノビスケ「おらっ!!」


ドンッ!


ノビスケ「外だ・・・ゴホッ・」


ノビスケ「ハァ・ハァ・・出られたのか・・メイドは!生きてるか!なぁ、返事しろよ!!」


ノビスケ「頼む!もう俺の為に誰が死ぬのは・・嫌なんだ!」


メイド「・・揺らさないでください・・生きてますから」


ノビスケ「よかった・・・」


メイド「でも、動けそうにありません・・」


ノビスケ「ははは、俺もだ」


メイド「また、助けられましたね」


ノビスケ「お互い様だろ?」


メイド「・・・・ふぅ〜ノビスケさん私は貴方のー」


バン


銃声がする


ノビスケ「がはっ!」バタッ


メイド「ノビスケさん!!」


看守長「駄目だよ?拷問員ちゃん?今はメイドだっけ?多少の事は見逃したけどね?仕事を邪魔するのはいけないよ」


看守長「囚人共をたぶらかしたのもお前だろ?おかげで全員処分するのに時間がかかったぞ!」


メイド「ノビスケさん・・うぅ・」


看守長「聞けよ!」


メイド「・・ノビスケさん・・早く殺すなら・・殺しなさい」


看守長「ちっ!抵抗ぐらいしろよって動けないか」


看守長「なら、お望み通り死ね」ガチャ


メイド「ノビスケさん今行きます」スッ


ノビスケ「看守長ぉおおお!」シュッ


ザクッ


看守長「あ?・・ナイフが刺さって・・」


ノビスケ「いてて・・勝手に殺すなよメイド・・涙を拭きな」


メイド「ノビスケさん!」


ノビスケ「少し待ってろ」


ノビスケは立ち上がり看守長にゆっくり近ずく


看守長「ははは、落ち着け血は出てない!病院に行けば」


ノビスケ「っ!」


ガシッ


刺さったナイフを掴む


看守長「な、なにを!や、やめろ!」


ノビスケ「返せよ・・これはお前のじゃない」スッ


看守長「ーーーー!!」


バタッ


ノビスケ「さよならだ」


ノビスケ「・・これで本当の殺人犯か・・」


メイド「私がやったことにすれば!」


ノビスケ「そんな事はしないよ俺がやった・・」


メイド「なら!私も共犯です!」


ノビスケ「メイド・・・」


キィイイイイ


ノビスケ、メイド「っ!」


そこへいきなり車が突っ込んでくる


目の前で止まる


ノビスケ「あ、あぶねぇ!」


メイド「潰れるかと・・」


「着いたぜ!」


お嬢「ありがとう後は車を置いて逃げてください!警察が来ます」


「悪いがそれは出来ない!」


お嬢「なんで!それに乗ってたら」


「相棒なんだこいつはこいつと一緒ならなんでも出来る気がするんだ」


「来たか・・じゃあな!」


お嬢「待って!」


「警察共こっちだぁあああ!!」


お嬢「男って・・本当にバカ」


ノビスケ「姉ちゃん!」


お嬢「ノビスケ!助けに来たよ!早く逃げるよ」


ノビスケ「それなんだけど無理なんだ・・」


お嬢「無理ってどうして・・・これは・・ノビスケが?」


ノビスケ「あぁ!俺がやー」


メイド「やったのは私です!」


ノビスケ「メイド!」


メイド「やったのは私だからノビスケさんはなにもしてない!」


メイド「中の状況も全部私よ!」


ノビスケ「ふざけんな!俺だやったのは全部俺だぞ!姉ちゃん!」


メイド「私です!お姉様!」


ノビスケ「違うっていってんだろうが!!」


メイド「こっちもいってますが?認めなさい!」


お嬢「・・もうどっちでもいいから!逃げるの!ノビスケいい?それとそこの奴はお姉様って呼ぶな」


メイド「そんな・・」シュン


ノビスケ「どっちでもって!俺は!」


お嬢「そうするしかなかったそうでしょ?見たらわかるよ」


お嬢「中もそうなんでしょ?ノビスケがやらなかったら私がやってたよ」


ピクッ


お嬢「撃たれてるしそれに・・」ガチャ


バン


ノビスケ「っ!」


看守長「な!なんで・・・」


お嬢「そいつまだ生きてるし私は引き金を引いてない撃ちそびれちゃった」


看守長「がはっ!・・看守Aなんで!生きてる!」


看守A「・・・・・・」ガチャ


バン バン バン バン


看守長「」バタッ


ノビスケ「看守Aさん!」


看守A「ノビスケ・・お前はあま過ぎるとどめくらいさせよ・・バカか」


メイド「ゴキブリみたいね」


看守A「うっせい!さてと」


お嬢「動くな」ガチャ


ノビスケ「姉ちゃん!看守Aさんは!」


お嬢「・・・・・・」


看守A「・・・・・・」


お嬢「・・・・・」スッ


ゆっくりと銃をおろす


看守A「っ!」ガチャ


バン


お嬢「っ!」


バタッ


看守A「」


ノビスケ「看守Aさん!」


大吾「目標沈黙確認近くに敵の姿なし」


ユウ「ノビスケ無事か!」


ノビスケ「ユウさん・・今のはユウさんがやったのか!」


お嬢「・・・・・・」


ユウ「そうだ俺がやった」


ノビスケ「っ!馬鹿野郎!」ドゴッ


ユウ「ぐっ!」


ノビスケ「なんで!なんで!」


ユウ「好きなだけ殴れ・・」


ノビスケ「ぐっ!!なら!そうさせてー」


ガシッ


お嬢「やめなさい・・」


ノビスケ「なにすんだ!離せこいつはこいつは!」


お嬢「ごめんノビスケ!」


ゴスッ


ノビスケ「」バタッ


メイド「・・・・・」


お嬢「冷静なのね」


メイド「・・・・・・」


大吾「ユウさんはなんであんな嘘を」


ユウ「・・・・さぁな撤収しよう奴らが来る」


大吾「それなんだが、ここの現場を俺が預かる後は任せてくれ」


ユウ「わかった・・お嬢行こう」


お嬢「歩ける?」


メイド「・・・・・・」


ユウ「俺が運ぼう嫌われてるみたいだしな・・ノビスケを頼む」


お嬢「えぇ、わかった・・看守Aさんって言ったかな?この人もう銃に弾が入ってない・・なのにどうして」


ユウ「それがあいつなりのけじめだったんだよ・・」


お嬢「死ぬ事がけじめなんて・・」


こうして刑務所から脱出した


その後あの刑務所で起こった事件は闇に消えた


元々存在していない刑務所だったからおかしいと思う人は誰もいない


そして、署長は恭介さんと洋子さんの活躍により悪事が公にされ逮捕される


その時の姿がテレビで流れていたがかなりボロボロの姿だった


そして、大量の署名と証拠不充分と一人の刑事の活躍により無罪になった


恭介さんや洋子さんやあやめさんや委員長そして名も知らない刑事に感謝しないといけない


あと花音にも・・ダメだ裕司の名残が残ってしまっているな


それにしてもこれは偶然なのか?


助けに来てくれたユウさんやお姉ちゃんにも


あの後ユウさんが撃ったのではないとわかったが何故あそこで嘘をついたのかはわからないし教えてくれなかった


メイドさんは病院で入院中だ


なんでも持病があったらしく治すのに少し時間が必要のようだ


これからどうするんだろう?メイドさんならやっていけるだろう


どうでもいいことだが不思議と撃たれた場所は3日で治った


お父さん達は険しい顔をしていたがなんでだろう


そして、真治達は俺とは違い普通に生活が出来ていたらしい本当によかったあんな目に会ったのが俺だけで


あの事件以来お父さん達が慌ただしくなっている以外は前と同じ平和な日々が戻ってきた


みんなありがとう!


でも、みんな俺に何かを隠しているみたいにも思えた・・


気の所為だよな・・


ーー数カ月後ーー


ノビスケ「さてと今日からまた学校だ!」


メイド「ノビスケさん寝癖が出来てますよ?」


ノビスケ「いや、このくらい大丈夫さ」


メイド「ダメです少し屈んでください」


ノビスケ「え?こう?」


メイド「これならすぐに」治し中


メイド「ほら!もっとシャキッとしてください!」


ノビスケ「あ、はい・・あれ?なんでいるの?」


メイド「おかしな事を言いますね?」


ノビスケ「俺?メイドなんて雇ってないけど?」


メイド「ここに契約書がありますよ?」


ノビスケ「・・・え?これお母さんの字じゃないか!」


メイド「はい、ノビスケさんのお母様から頼まれました」


ノビスケ「な、なんで!」


メイド「心配だからそうです」


メイド「大丈夫ですよ?報酬はもらっていますから」


メイド(お金ではありませんが)


ノビスケ「でも、歳の近い若者が同じ屋根の下っていうのは・・」


メイド「それと伝言を預かっています」


ノビスケ「伝言?」


メイド「では・・ゴホン」


メイド「ノビスケ、当分帰らないから頑張れよ」


メイド「ノビスケあいつに少しは外で遊ぶようにさせてくれ」


メイド「ノビスケ!手ぇだしたらわかるよな?」


ノビスケ「ん?ごめんわからない」


メイド「お父様とお母様とお姉様そしてその友人達が当分の間いなくなるので子供達を頼んだとの事でノビスケだけじゃ心配なので私が呼ばれました」


ノビスケ「子供達って!嘘だろ!」


メイド「二人きりではありませんがこれからよろしくお願いしますノビスケさん」


ノビスケ「まじかよ・・・」


続く














【第二部】第3.5話 初恋


俺はあの時初めて恋をした


叶うとこのない恋を


あれは俺がまだ入院している時だった


3日で傷はふさがったが精神面でいろいろと疲れ切っていた


そんななか病院生活にも慣れて来ていた頃いろいろと考えるようになっていた


ノビスケ「・・本当にこれでよかったのだろうか・・」


刑務所を脱出して無罪も勝ち取る事が出来た


しかしその為に失った代償はかなりのものだった


刑務所にいた囚人達は残念ながら全員助からなかった


看守Aさんも節子さんも含めて全員


俺が女子校に行くなどと言わなければ・・俺が捕まらなければこうはならなかった


そう思うと俺は後悔をしてしまいそうになる


でも後悔はしてはいけないそれは看守Aさん達を侮辱することになるからだ


それでも思ってしまう俺が死ねばよかったのにと・・


あの時聞こえた声そしてあの力


俺はどうなってしまったんだ


ノビスケ「ダメだ・・悪い風にばかり考えてしまう・・」


駄目だ!そんなんじゃ!助けてくれた人達に・・


思われてしまう


助けるんじゃなかったって


ノビスケ「馬鹿か・・そんな事思うはずないのに・・なのに」


プレッシャーで押し潰されそうだった


ノビスケ「俺が死ねば・・俺が死ねば・・俺が死ねばよかったのか」ポロポロ


もう頭の中はそれしかなかった


今にでも自殺してしまいたいくらいに俺は精神的に弱り切っていた


ノビスケ「もう・・死にたい」


ギュッ


ノビスケ「あ・・・」


その時温かいなにかに包まれた


いい香りと温かさで俺はすぐに眠りに落ちた


お嬢「お願いだから・・そんな事言わないで」


お嬢「ノビスケは大事な家族だよ絶対私より先にいなくなったらダメだよ・・もう大事な人を失うのはやだよ・・」


ノビスケ「姉ちゃん・・・」


気付くと朝になっていた


体調は最悪だった


お姉ちゃんが来ていたような気がしたけど・・来たのだろうか?


看護婦「おはようノビスケくん体調はどう?」


ノビスケ「頭が痛いですし気分が悪いです・・・胸のあたりも痛みますし」


看護婦「ユウさんの話ではもう傷は完治とはいかないけど普通に生活出来るレベルにはなってる筈だし毒も身体には残ってないから」


ノビスケ「でも・・痛むんです・・凄く」


看護婦「ノビスケくんそれはきっと精神面から来ていると思うの」


看護婦「ノビスケくんここに来てから元気ないでしょ?ご飯もほとんど食べてないし」


ノビスケ「食欲ないんですよ・・」


看護婦「それでも食べなさいほらここに置いておくから食べるのよ」


ノビスケ「・・・・・」


看護婦「ノビスケくんになにがあったのかはわからないけど私でよかったらいつでも相談に乗るからね」


ノビスケ「はい・・・ありがとございます」


相談か・・なんて言えばいいのだろうか


俺のせいで死んでしまった人達が夜な夜な夢に出て来て食事をとろうとすれば節子さんや師匠の事を思い出して吐いてしまう


言ったところでどうにもならない


それに精神的にと言われても自分ではわからない


ただ本当に身体は痛むし気分も悪い


精神的な問題だけなのか?何処か悪い所があるのかもしれない


もしそうなら・・それも悪くないかもしれない


それで死んでしまうならそれでいいと思う


ノビスケ「だめだ!変な事ばかり考えてしまう・・少しでいいから食べるか」


ゆっくりと口に運び入れた


モグモグ


ノビスケ(お、いけそう!)


ゴクリ


ノビスケ「食べられーっ!」ガタッ


結果から言うとまた吐いてしまった


結局それ以上手を付ける事が出来なかった


それから少し時間が経ち時計を見る


ノビスケ「そろそろか・・・・」


ガチャ


花音「よ!元気?生きてる?」


ノビスケ「病院にいる奴が元気なわけねぇだろ・・一応生きてるよ」


花音「ノリ悪いな・・それに一応って・・」


彼女は俺が入院してから毎日来てくれるようになった


俺を助けてくれた一人だ


ノビスケとして彼女とは会ったことがないのにも関わらず彼女は毎日友達ような振る舞いをしつつ来てくれるそのおかげで俺も気を使わず接することが出来る


今では真治と幼馴染の次に気兼ねなく話せる友達と呼んでもいいくらいになっている


そしていつも


花音「今日はこれ持って来たよ」カロリーメイトメープル味


俺が食べられるような食べ物を買って来てくれる


ノビスケ「毎日なんか悪いな・・」


ちなみに今までで持って来て貰った物で食べれたのはまだない


どれも吐いてしまう


花音「前はゼリーだったから今日は固形物よ!しかもメープルよ!」


なのにいつも自腹をはたいて買ってきてくれる


お金を払おうとしても受け取ってくれない


花音「ほら、あーん」


ノビスケ「自分で食べれるから」パク


花音「そう言って食べるんだ」


ノビスケ「うるせい」モグモグ


ゴクリ


ノビスケ「うっ!!」


花音「っ!」サッ


彼女はすかさずビニール袋を出して服が汚れないようにしてくれた


花音「これもダメか・・・ノビスケ好き嫌い多すぎ」


ノビスケ「健康食品ばかり持って来られてもな・・昨日のゼリーといい三日前のプロテインなんて酷かったし」


花音「粉7と水3の黄金比!」


ノビスケ「ほとんど固形物になってんだよ!」


花音「馬鹿野郎!世界中の筋肉に謝れ!」


ノビスケ「筋肉にか!お前が謝れ!」


花音「我儘言わないプロテイン持って来るぞ!」


ノビスケ「理不尽だ!」


花音「少しは元気になった?」


ノビスケ「あ・・少しなありがと」


花音「よし、私学校あるしもう行くね」


花音には感謝しているだけど


花音は俺を裕司の代わりにしてるんじゃないのだろうか


だとしたら・・


ノビスケ「なぁ、お前って」


花音「ノビスケの思ってるような事はないから安心して私はそんなに弱くないよ」


ノビスケ「ならどうして・・」


花音「友達だから・・じゃだめ?」


ノビスケ「だめって聞く時点でおかしいが・・そうだな納得だよ」


花音「そうならよかったじゃあ」


ノビスケ「あぁ、じゃあ」


ノビスケ「・・・・・・」


皆に迷惑ばかりかけてるな・・・


でも、早く元気にならなくちゃ・・


ノビスケ「・・・・なれるのか」


やはりさっきからマイナスの方に考えてしまう


このままだと自分でも思うがやばい


下手したら自殺とかしかねないかもしれないと本気で思う


コンコン


ノビスケ「はい、どうぞ」


また、誰か来たようだ


ユウ「俺だ回診に来たぞ元気か?」


ノビスケ「元気ではないです・・」


ユウ「飯は食えたか?」


ノビスケ「すみません・・無理でした」


ユウ「そうか・・なら点滴で補うしかないがやり過ぎもダメだからな」


ノビスケ「どうしても・・・食べ物が・・」


ユウ「聞いた話では毒殺されそうになったと聞いたから無理もないがここのは毒なんて入ってない信用してくれよ」


ノビスケ「それは・・わかっています・・でもダメなですどうしても身体が拒否するんです。」


ユウ「わかった点滴にしておこう、なに急がなくてもいいゆっくり治して行こう」


ノビスケ「はい・・・すみません」


ユウ「ノビスケお前謝るの禁止な」


ノビスケ「はい・・すみまーわかりました」


ユウ「・・・・・」


ユウ「ノビスケ・・あまり自分を責めるなよ」


ノビスケ「・・・はい」


ユウ「お前はー」


看護師「先生!山田さんの痔が!」


ユウ「あの馬鹿!あれ程動くなと行ったのに!わかった今行く」ダッ


ノビスケ「・・大変だなユウさんも」


ノビスケ「俺はユウさんみたいに強くなんてなれないよ」


いろいろ考えるのが疲れてきていたようだ


気付くともう夕方だった


お見舞いの品が何個か置いてあった


どうやら誰か来ていたようだ


気づかないなんてな・・


お見舞いの品のリンゴを取り一口食べる


ノビスケ「うっ・・ダメだ!」


吐いた


看護婦「ノビスケくん無理はしちゃダメよ」


ノビスケ「すみません片付けさせちゃって・・」


看護婦「いいのそれが私の仕事だからね」


ノビスケ「ありがとうございます・・」


また迷惑をかけてしまった


もう自分が嫌になってきた・・


誰か・・誰か・・助けて


夜になってもこの気持ちは変わらず


さらに強くなる


ノビスケ「・・・・・」


ただ虚空を見つめている


人形のように・・


もう限界だ考えるのも生きているのも疲れた


ノビスケ「死のう・・・」


そして、隠してあった看守Aさんのナイフを首に持っていく


切れ味がいいようで軽く当てただけで少し切れる


後はこれを思いっきり引けば・・


ノビスケ「ごめん・・・皆」スッ


???「待って!」ブン


そう言って投げられた物は頭へ直撃


ノビスケ「うぎゃあ!」


ナイフを床に落としてしまう


そのまま投げた人は俺に


???「馬鹿!」バチン


ビンタした


ノビスケ「あ・・痛い」


この時自分がなにをしようとしていたのかに気付く


一番やっちゃいけない事をしようとしていたのだ


ノビスケ「俺は・・なにを・・なにやってんだ!俺は!」


???「辛いかもしれないけど逃げちゃだめよ!いい?」


ノビスケ「ありがと・・助かったどうお礼を言えばいいか」


???「気づいたならいいのもう二度としないでね?」


ノビスケ「あぁ・・って君誰?」


優香「優香(ゆうか)って言うの君の名前聞いていいかな?」


ノビスケ「ノビスケだよ」


優香「ノビスケくんねよろしく」


ノビスケ「それで優香さんはなんでここへ?」


優香「呼び捨てでお願いねノビスケくん」


ノビスケ「ですが、あきらかに俺より歳上だし」


優香「もう!とにかく呼び捨て!呼ばないと言わない!」


ノビスケ「わかりましたよ優香どうしてここへ?」


優香「いつも見てたからだよ」


ノビスケ「え?」


優香「私もここに入院してるのだからノビスケくんの事見てたんだよいつも元気なさそうで今にでも自殺しそうだったよだから目が離せなかったの」


ノビスケ「はぁ・・・」


優香「そしたら胸騒ぎがして来て今に至るってわけ」


ノビスケ「本当に偶然だったわけですね」


優香「そうだね・・それでノビスケくんご飯食べないの?」


ノビスケ「ご飯・・もう片付けられてますよ」


優香「ちょっと待ってね」


そう言うと彼女は部屋を出ていった


数分後帰ってくると彼女は夕食を持ってきた


ノビスケ「なんで・・・」


優香「ノビスケくんこのままじゃご飯食べる事が出来なくなるよ」


ノビスケ「もう既に食べられませんよ」


優香「そう言うことじゃなくて食べたくても食べるという行為が出来なくなるって事よ」


優香「三大欲求の一つ食欲がなくなるそれはもう・・死んでるのと同じ・・いえ!死んだ方がマシよ」


ノビスケ「そんな大げさな・・」


優香「大げさじゃないんだよ!ほら、食べて」


ノビスケ「いらないよ・・」


優香「あーんして!」


ノビスケ「ほっておいてくれ」


優香「食べろ!」


ノビスケ「ほっとけって言ってるだろ!」バシ


優香「あ!」


はねのけた事により彼女の持っていたスプーンが床に落ちる


これで諦めてくれるだろう


ごめん・・


優香「勿体無い・・・まだあるからね・・」スッ


彼女はまた俺の口に食べ物を運ぶ


ノビスケ「っ!いらないって!」バシ


また落ちる


優香「・・・・まだあるから」スッ


ノビスケ「なんなんだよ!お節介はやめろ!」バシ


何度も落ちる


優香「全部なくなっちゃったね・・」


ノビスケ「・・・・・出ていけ」


優香「・・・・・わかった」


俺は何をしてんだ・・・


でも、これでいい


俺に関わらない方が皆いいんだ


朝になり昼なるそしてまた夜なる


ノビスケ「皆毎日見舞いに来てくれる・・早く治らないと・・」


ノビスケ「真治も委員長や会長達も元気そうでよかった・・」


ノビスケ「眠い・・寝よう・・」


永遠に眠れたら楽なのかな・・


今が何時なのかもわからないそんな時に


優香「起きて!」ゆさゆさ


彼女に起こされた


ノビスケ「なにしに来た・・」


優香「ご飯食べよ?」


ノビスケ「いらないって!」


優香「ほらあーん」スッ


ノビスケ「なんなんだよ!」バシ


やめろ!


優香「あーん!」スッ


ノビスケ「俺なんかほっておいてくれ!」バシ


これ以上俺を


優香「・・・・・」スッ


ノビスケ「こんな野郎になんでそんなに!」バシ


最低野郎にしないでくれ


優香「・・・・・」スッ


ノビスケ「っ!」


ノビスケ「いい加減にしろよ!」ガシッ


俺は彼女に掴みかかった


やっちゃいけない事なのはわかってる


でも、もう止められない


ノビスケ「何が目的だ!どうして!俺をそんなに困らせる!そんな事して楽しいのかよ!」


優香「・・・痛い・・やめて」


ノビスケ「答えろ!!」


優香「いや・・虐めないで・・いや・・」ポロポロ


ノビスケ「っ!」


少しは頭が冷えたようだ彼女を掴んだ手を離す


ノビスケ「・・・ごめん」


優香「痛いよ・・痛いよ・・」ポロポロ


ノビスケ「何処か痛いのか・・見せて」スッ


俺は彼女に手を伸ばした


優香「いや!!」バシ


拒絶された


当たり前だ


俺がさっきしていたことを彼女がした


優香「っ・・・」ダッ


ノビスケ「ちょっ!待って!」


ノビスケ「・・・これはきついな俺はこれを何回彼女にしたんだ・・」


ノビスケ「それでも怖いのか・・俺は」


朝になるまた昼になるそして夜なる


ノビスケ「花音め・・無理しやがって風邪引いてまで来るなっての」


ノビスケ「そんな事してまで会いにくる価値は俺にはないよ」


ノビスケ「・・・・・」


気付くと眠っていた


ゆさゆさ


誰かが俺を揺らしている


まさか・・優香か?そんなわけないか


優香「起きて!」


ノビスケ「・・優香」


優香「ねぇ少しでいいの食べよ」スッ


わかったなら見せてやるよもう手遅れだって証拠を


ノビスケ「・・・・・・」パク


ノビスケ「うっ!」


また俺は吐いた


優香「大丈夫?」さすさす


ノビスケ「これでわかっただろ・・もう食べるのが苦痛で仕方ないんだよ」


ノビスケ「食べ物が怖いんだよ!毒が入ってるかもって思ったら身体拒絶するんだ」


ノビスケ「俺だって食べたい!でも無理なんだ!だからほっておいてくれ!」


優香「・・怖いの?」


優香「毒なんて入ってないよ」


ノビスケ「そんなの・・口だけならなんとでも言える!」


優香「はむ・・ちょっと薄味かな?」モグモグ


優香「美味しいよ?」


ノビスケ「偶然そこだけ入ってなかったのかもそれか食べる瞬間に入れるのかも」


優香「疑り深いね・・でも、仕方ないよねあんな怖い目にあったんだもん・・」


ノビスケ「お前に何がわかる・・」


優香「わかるよ・・・」パク


ノビスケ「何度食べてもそんなの」


優香「・・・ノビスケくん」モグモグ


ガシッ


彼女は俺の頭を両手で動かないように持つと


チュッ


ノビスケ「!!」


キスした


その時に何かが口の中に入る


彼女がさっきまで食べていた物だ


それを本能的に飲み込んでしまう


ノビスケ「ぷはっ!な、なにを!」


あまりのことに混乱状態になるが


ノビスケ「っ!・・吐き気がしない!食べられた・・」


優香「ん!」パク


ガシッ


ノビスケ「いや、あの二回もしなー!!」


ノビスケ「ぷはっ!・・あわあわあわあわ!!」


焦るが吐き気はしなかった


優香「ん!」パク


ノビスケ「ま、まさか・・全部やる気?」


優香「ん」コクン


ガシッ


ノビスケ「ま、待ってくー!!」


ノビスケ「ぷはっ!頼む待ってくれ!こんなのー!!」


彼女は聞く耳を持たなかった


気付くと皿からは全部なくなっていた


ノビスケ「全部食べれた・・・美味い!美味い!」ポロポロ


優香「ふぅ〜」顔真っ赤


ノビスケ「顔真っ赤じゃないですか!無理しなくても」


優香「無理なんかしてないよ」


ノビスケ「・・・ありがと」


まだ俺は・・立ち直れるかもしれないそう思った


優香「うん・・じゃあねまた明日」


また明日か・・期待してもいいんだよね


ノビスケ「・・・・また明日」


次の日から全部ではないけど少しずつだけど食べれるようになっていった


優香はいつも夜に来て夕食を持ってきてくれる


口移しで食べたのはあの日だけで次の日から彼女の手から食べさせてもらった


自分で食べるのと彼女に食べさせてもらうとでは全然違った


不思議なくらい食べられるのだ


優香「はいこれで最後」スッ


ノビスケ「美味い・・・」パク


優香「よし、今日も全部食べられたね今日は何を話してあげようか?」


彼女は全部食べると話をしてくれる


彼女は大学生なのだが学校であったことやいろいろ教えてくれる


たまに勉強も見てくれる


優香「う〜ん・・ここはこうじゃないかな?」


ノビスケ「いえいえ、これはこうですよ」


優香「あれ?そうだっけ?」


ノビスケ「高校生の問題ですよ?」


優香「ははは、私実は数学が苦手で歴史が得意なの!」


ノビスケ「ならそれをしましょう」歴史の教科書


優香「なんで本持ってるの!」


ノビスケ「やりましょう!」


優香「過去は振り返らないのさ!」


ノビスケ「なんじゃそりゃ!はははは」


自然と笑顔も戻ってきていた


こんなに笑うなんて今までなかったかもしれない


彼女存在は俺にとって大きくなっていった


ノビスケ「ふぅ〜こんなものかな?」


優香「うん良く出来たね!偉いぞ!」ナデナデ


ノビスケ「ちょっ!やめてくださいよ・・恥ずかしいじゃないですか」


本当は嬉しかったりする


優香「ふふふ、じゃあ今日はもう帰るね」


ノビスケ「え?もう・・」


彼女との時間は気付くと俺にとって大切な時間になっていた


優香「明日も来るからね?」


ノビスケ「うん・・」


優香「また明日」


ノビスケ「また明日」


俺はどんどん元気になっていった


花音「最近元気になってきたよねノビスケ」


ノビスケ「まぁな、カロリーメイトうめぇー!」


花音「私の役目は終わりかな?」


ノビスケ「今度は何も持って来なくてもいいからたまには来てくれよ?淋しいし」


花音「はいはい、じゃあ」


ノビスケ「また明日」


花音「明日来るかわからないのに?」


ノビスケ「いいんだよ」


花音「そう?また明日」


ノビスケ「早く夜にならないかな」


真治「ノビスケが元気になってよかった」


ノビスケ「あぁ、心配かけてごめんな」


真治「それはともかくノビスケ恋してんじゃないのか?」


会長「っ!」ビクッ


副会長「へぇ〜ノビスケが?」


真治「そんな感じがするんだよな、どの看護婦だ?気になるよな?」


副会長「お、気になる気になる誰?」


会長「やめようよね?ノビスケくん困ってるから」


ノビスケ「いや、そう言うんじゃないからね?」


真治「てことはいるんだな?」


ノビスケ「しまった!」


会長「・・・・・」


副会長「早めに吐いた方が楽になるよ!って会長?どうしたの」


会長「ふぇ〜」ポロポロ


真治「あちゃ〜やりすぎたノビスケさっきの嘘だよな?」


ノビスケ「え?まぁ・・そうだな」


ノビスケ(・・・どうなんだろう)


会長「本当に・・」


ノビスケ「本当だよ」


会長「よかった・・」


副会長「ほう・・・」


真治「これは・・・」


副会長「どうする?」


真治「どうするもなにもなるようになるしかない」


副会長「会長が可哀想よ」


真治「だからってなにも出来ないだろ?」


副会長「・・・そうだけど」


会長「どうしたの?」


副会長「な、なんでもないよ!ねぇ?真治」


真治「お、おうなんでもないぞ!」


副会長「そろそろおいたまさせてもらおうかな?」


真治「そうだな」


会長「そうなのもう少しいたかったけど仕方ないよね」


副会長、真治(残れよ!!)


ノビスケ「そうか今日はありがとな」


真治「はぁ・・・・」


副会長「はぁ・・・・」


会長「〜♪」


夕方になり俺は考えた


もしかして俺は好きなのか?


ノビスケ「いやいや!ありえない俺はあいつに・・・少し気になって一緒にいると楽しくて落ち着いてて少し緊張して・・あれ?矛盾?」


ノビスケ「・・・・わからない」


そして夜になる


優香「やっほーだよ!ノビスケくん」


ノビスケ「お、おう!やっほー!」


優香「どうしたの?」


やばい意識すると顔が見れない


ノビスケ「な、なんでもないよ」


優香「じゃあ!ご飯食べよっか」


優香「あーんして」


ノビスケ「それなんだが・・もういいんだ一人でも食べられるよ」


優香「え・・・」


ノビスケ「わざわざ食べさせに来てもらうのも・・ほらかっこ悪いだろ?」


優香「私はもういらない・・って・こと」


この時俺は彼女の顔をちゃんと見てやれなかった


ノビスケ「いや・・そう言うわけじゃなくてな・・その・・今度は遊びに来るってことで来てくれると」


優香「っ!・・ごめんなさい・・・それは無理です」


ノビスケ「なんで!俺はもう助けられるだけじゃ!優香と対等にーって!なんて顔してんだ!」


彼女の顔は涙と鼻水で酷いことになっていた


優香「・・それが・・なかったら・・もう・・会える・・ことできないよ・・効果が・・きえー」


ノビスケ「会えばいいじゃないか俺はお前と対等で!助けて助けられるそんな関係がいいんだ!俺は優香が!」


ノビスケ「好きなんだ!!」


優香「っ!!」


ノビスケ「俺はもう大丈夫だから」


優香「・・そうだねノビスケくんならもう大丈夫だよね」


優香「ノビスケくんなら私がいなくても・・」


ノビスケ「なにを言って!」


優香「私は!ノビスケくんの事嫌い大っ嫌い!見てるだけで・・吐き気がす・・・る」ポロポロ


ノビスケ「じゃあなんで泣いてんだよ!」


優香「っ!」ダッ


ノビスケ「待ってくれ!」ガシッ


優香「離して!」


ノビスケ「本当に嫌いなら!嫌いなら!ちゃんと振ってくれよ!こんなの別れ嫌だよ!」


優香「言えるわけないじゃない!!私も好きだよ・・」


ノビスケ「なら・・なんで!」


優香「私はダメなの!私はもうー!!」


俺は彼女にキスをしたあの時のお返しに


彼女の抵抗は弱まり強く抱きしめる


頬の涙が伝ってくる


そして血の味がした


ノビスケ「いっ!!」パッ


優香「ごめんね・・」


ノビスケ「優香・・・」


優香「今まで楽しかったありがと最後にお願い聞いて欲しいの」


ノビスケ「最後とか言うなよ・・優香ならなんでも!」


優香「一つでいいの」


その時急に眠気が襲ってくる


ノビスケ「あ・・・」フラ


ダキッ


耳元に彼女の声が聞こえる


優香「私を探さないで」


そこから深い眠りに落ちる


朝になり俺は最初の頃のようにただぼーっとしていた


今はなにもする気になれなかった


ノビスケ「・・・・・」


またご飯を食べなかったら来てくれるのか?


なら・・・


でも、それは彼女を裏切る事になってしまう


そんな事は出来ない


探すなと言われた・・それはつまりもう会いたくないということだろう


振られたのだ


ノビスケ「はぁ・・・・」


ユウ「最近元気になったと思ったらどうした?」


ノビスケ「なんでもないです」


ユウ「嘘つけ言ってみな」


もう終わったこと・・でも、言えば少しはまぎれるかもしれない


ノビスケ「好きな子がいたんです」


ユウ「ほう・・・」


ノビスケ「その子のおかげでご飯も食べられるようになって毎日が楽しくて・・それで・・」ポロポロ


ユウ「わかったもういいから辛かったな・・」


ノビスケ「初めて好きになって・・それで!俺」


ユウ「わかるぞ・・初恋は実らないもんだそれで男は大人になるんだ」


ノビスケ「でも!俺好きで!」


ユウ「もう忘れろ女なんてな星の数ほどいてだな」


ノビスケ「俺は優香以外嫌だよ」


ユウ「優香?そいつがノビスケの初恋相手か・・偶然か?」


ノビスケ「どうしたんですか?」


ユウ「いや・・な?うちの病院にも同じ名前の子が入院してるんだが」


ノビスケ「それですよ・・彼女言ってましたからここに入院してるって」


ユウ「バカ言うなってありえないよ」


ノビスケ「なんでですか?」


ユウ「なら、会いにいってみるか?」


ノビスケ「無理です・・・」


ユウ「なんで?」


ノビスケ「彼女最後に探さないでくれって言ってましたし・・会いたくないってことでしょ」


ユウ「・・・・・・」


ユウ「他になにか言ってなかったか?」


ノビスケ「・・もう思い出すのも辛いです・・好きだって言ってたのに・・もう会えないとか女心はわかんないよ・・」


ユウ「ちょっと来いよ」


ノビスケ「嫌です!」


ユウ「いいから来い!」


ノビスケ「嫌だ!」


ユウ「来い」ギロ


ノビスケ「はい・・」


ユウさんは睨むと凄く怖い


仕方なく行くことになった仕方なくだ


ユウ「ここだ」


ノビスケ「入らないんですか?」


ユウ「入れよ俺はここで待ってる」


ノビスケ「そんなの無理に決まってるじゃないですか!」


ユウ「男だろうが!初恋実らすくらいの気で行って来い」


ノビスケ「さっきと言ってることが違いますよ!」


ユウ「いいから行け!」ギロ


ノビスケ「はい・・・」


ガチャ


ドン


ユウ「初恋は実らないが・・あいつならって期待してしまう・・俺も本当にあまちゃんになったな・・・」


ユウ「悪くはないがな」


ー病室ー


ノビスケ「お邪魔します・・」


どうやらここは一人部屋のようだ


窓が開いており風がゆっくりと吹き抜けていく


そこに一人の少女が眠っていた


いろんな機械や点滴などに繋がれている


まるでこれでは寝たきりのようだ


名前は確かに優香だ


でも、見た目も中学生くらいで昨日まで歩いていた優香がこんなになっている筈もない


ノビスケ「人違いか・・それにしても可哀想に・・」


顔をのそぎこむと鳥肌が立った


ノビスケ「っ!」


似ている・・痩せているしかなり幼い感じはするけど凄く似ている


妹さんか?いや、それでもそんなには似ない


それに優香の顔を見間違えるなんてない毎日見ていたんだ


この子は優香だ


ノビスケ「どう言うことだよ!」


ユウ「どうだ?この子か?」


ノビスケ「・・信じられないかもしれないですけどこの子です。」


ノビスケ「でも、大学生だって言ってましたし見た目も大学生くらいでしたし」


ユウ「この子な・・眠り続けてから結構経っててなちょうど今が大学生くらいになるんだよ」


ノビスケ「え・・なんでそんなに眠って・・」


ユウ「自殺未遂だ」


ノビスケ「っ!」


ユウ「それと精神的かなりきていたのもある」


ノビスケ「じゃあもう・・」


ユウ「俺は幽霊とか信じねぇがお前の前に現れたのは理由があるんじゃないか?」


ノビスケ「・・・・そうか俺は優香と同じようになりかけていたんだ・・だから・・」


ユウ「・・俺もやれることはなんでもやったでも・・すまん」


ノビスケ「・・・・ユウさん俺も同じですよ・・幽霊なんて信じてませんし信じるつもりもありません」


ノビスケ「あそこにいたのは優香です・・幽霊なんかじゃなく優香という一人の人間です・・」


ノビスケ「・・・・幽霊なんて信じるか・・・」


ユウ「・・・・ノビスケ」


ピーピーピー


その時機械が大きな音を出した


ユウ「っ!やばい!脈拍が弱まってる!」


ノビスケ「そんな!優香!」


ユウ「看護婦!」


看護婦「わかってます!」ガタッ


ユウ(なんでベッドの下に?)


ノビスケ「優香!優香!」


その後処置を施しどうにか死ぬことはなかったが


看護婦「ユウさん・・これ以上は・・もう」


ユウ「そうか・・・」


ノビスケ「ユウさん!なにを押そうとしてるんですか!」


ユウ「この機械の電源だ・・」


ノビスケ「そんな事したら!」


ユウ「そうだ!これ以上苦しめるのは可哀想だ・・この子はもう身よりは誰もいない親にも見捨てられた子だ」


ユウ「もうここに残しておいても可哀想なだけだろ?」


ノビスケ「でも!」


ユウ「優香を苦しめ続けるのか!」


ノビスケ「くっ・・だけど!」


ユウ「なぁ、考えろお前の中で一番最善の道を・・」


ノビスケ「・・そんなのいきなり言われたって!」


ユウ「ノビスケ覚えておけ!選択はいつも突然だ・・逃げることも後にすることも出来ない・・ならどうする?選ぶしかないんだ」


ユウ「ノビスケ!楽にするかまだ苦しめるか選べ!」


ノビスケ「・・・俺は」


ユウ「看護婦出るぞ」


看護婦「は、はい」


ガチャ


ドン


ノビスケ「・・・俺はどうすれば俺はどうすればいいんだ!!」


彼女が好きだでも苦しんでいるなら助けるよどんな状況でも


でも・・そうすれば彼女はいなくなる


だからってこのまま苦しめるのか


なら早く楽にしてやるしかないのか


彼女為に・・・


ノビスケ「・・・このボタンだな」


ノビスケ「優香・・ごめんなごめんな・・」ギュッ


ノビスケ「苦しいか・・そうだよな・・今楽にしてやるからな」


ノビスケはボタンを押した


機械の止まる音がする


脈拍が弱まるのがわかる


ピーの音がどんどん早くなっていく


もうこれで俺は・・・俺は!


ノビスケ「っ!」


ノビスケ「・・・・ごめん!やっぱり俺!」ポチ


機械が動き出す


ノビスケ「苦しいかもしれない!でも!俺も一緒だ!一緒に頑張っていこう!」


俺は彼女を楽にはさせなかった


しかし、脈拍は弱くこのままでは


俺は藁にもすがる思いで


ノビスケ「・・なぁ聞こえてるか」


ノビスケ「俺の中にいる奴らだよ聞こえてるんだろ・・頼む力を貸してくれ!頼む!」


ノビスケ「・・・・・・」


ノビスケ「聞こえてんだろ!返事くらいしろ!」


ノビスケ「いいか!お前らが俺になにをさせたいのか知らんが!もし彼女が死んだら!俺も死んでやる!いいのか!それでもいいのか!」


ノビスケ「助けられたら必ずどんな事があっても協力する・・お願いだ!」


ノビスケ「頼む」ポロポロ


ノビスケ?「約束守れよ・・」


ノビスケ「っ!はい!」


ノビスケ?「今からお前をそいつの心の中にダイブさせる見た所こいつは生きる気力が足りていないだけだ・・説得して来い」


ノビスケ?「上手くいくかはお前次第だチャンスは一回だいいな」


ノビスケ「はい!」


ガチャ


ユウ「おい、終わっーなにをしてる!」


俺は優香の頭を掴んでいた


ノビスケ?「行って来い!」


ノビスケ「はい!優香今行くぞ!」


ノビスケ?「行ったか・・」


ユウ「てめぇ何者だ!」


ノビスケ?「さあな?悪いが出ていってくれよな?邪魔なんで」


ユウ「言うこと聞くとでも?」


ノビスケ?「だろうな・・・」


ーーーーーーーーーーーーーー

ーーーーーーーーー

ーーーー


ノビスケ「・・・ここは何処だろう」


「次移動教室だぞ急げ!」


ノビスケ「学校だ・・・でもなんで学校に」


「またあの子トイレで虐められてるらしいよ」


「あんた助けてやりなさいよ」


「いやいや、めぇつけられたら嫌だし」


ノビスケ「いじめか・・あの時助けてくれたら・・俺は」


「なんていったっけ?あの子優香だったっけ?」


「多分そうだと思う可哀想に」


ノビスケ「っ!」ダッ


優香と聞いた途端俺は走り出していた


ートイレ前ー


「そろそろいいんじゃねぇか?」


「まぁ、待てよ呼ばれたら行くそれまで待ちな」


「楽しみだな!はははは」


ノビスケ「・・・・・」


「あぁ、誰だてめぇ?向こう行けよ」


ノビスケ「清掃委員だ!清掃を開始する!!」


ートイレ内ー


優香「あ、あの・・」


女不良「お前さなんかむかつくんだよね!」


優香「・・・・ごめんなさい」


女不良「あ〜謝らなくていいからおい!お前ら」


「は〜い!」サッ


バシャン


優香「っ!」ポタポタ


女不良「これが本当の水も滴るいい女ってな!はははは!」


「こいつがいい女なわけないじゃん!」


優香「うぅ・・・・」


女不良「こいつ生意気にうちの彼氏に手を出そうとしてさ?むかつかね?」


「うわ〜最低」


優香「あれは・・向こうから・・それに断ったし・・」


女不良「はぁ?喋れなんて言ってないんだけど?もういいちょっと入り口に男友達待たせてるから相手してよね!」


優香「っ!・・やめて・・いや」


女不良「きも!泣いてやんの!」


「もう行こうぜ!」


女不良「そうだな!」


女不良「おい、適当に相手してやんー・・・え?」


「なにこれ・・・」


男友達だった者たち「」


ノビスケ「どーも清掃員でーす!」ふきふき


女不良「ちょっ!それ私の顔!」


ノビスケ「ああ!!落ちねぇな!」ゴシゴシ


女不良「ちょっ!やめ!殺すぞ!!」


ノビスケ「黒い黒すぎる!だが諦めない!!」ゴシゴシゴシゴシ


女不良「ぎゃぁあああああ!!」


「ちょっ!ありえない!」ダッ


ノビスケ「あ、逃げた・・よ〜く狙って・・」キュポキュポ


ノビスケ「トイレのつまりもこれ一本!そぉい!」ブン


キュポ


「ふぎゃあ!」


ノビスケ「その詰まった心もそれで取ってろ」


ノビスケ「大丈夫か?」


優香「ふふふふ、今のは・・やばいつぼった!」


ノビスケ「よかった無事で」


優香「ありがとね」


周りの景色が歪み気付くとまた別の場所にいた


ノビスケ「・・・・ここは」


「ねぇ聞いた?」


「なになに!」


「ほらあのロリコン疑惑のある先生がまた生徒を体育館裏に連れて行く所を見たって子がいたんだって」


ノビスケ「汚職教師か・・」


「うわ〜関わらない方がいいよね」


「そうね」


「優香さんもうすぐ始まるのに戻ってこないね」


「着替えに時間かかってんじゃない?」


「そうかな、はぁ、体育の後の数学は嫌だなぁ〜」


ノビスケ「あの野郎!!」ダッ


ロリコン先生「だから俺の言うとおりにしないと成績さげるぜ!」


優香「・・・・・・・」


ロリコン先生「さぁ!脱ぎなさい」


優香「・・・・嫌です」


ロリコン先生「教師に逆らう気か!」バシッ


優香「っ!・・・・」


ロリコン先生「これはご両親報告だな」


優香「っ!それだけは!」


ロリコン先生「ならわかるよな?」


優香「うぅ・・はい・・」


ロリコン先生「早くしろよ!」


ピンポンパンポン


授業開始2分前放送の時間です!


早速ですがニュースです


ただいま体育館裏でロリコン先生がロリコンにあるまじき行為をしようとしています。


至急先生方は体育館裏へどうぞ


ロリコン先生「なっ!」


優香「っ!」


ガチャ


ロリコン生徒達「YesロリコンNoタッチ!!」


校長「君これはどういうことだ!」


ロリコン先生「校長違います!生徒のイタズラですよ!私はここで生徒の相談を!」


校長「そうなのか」


ロリコン先生「そうだよな!」


優香「えっと・・・はい・・」


校長「うむ・・そうか・・ならこのテープも偽物になるのかな?」


ロリコン先生「え?」


そこには生徒を脅しているロリコン先生姿があった


ロリコン先生「こ、これは!」


校長「校長室でお茶でもどうだい?ん?」


ロリコン先生「くそっ!こうなれば逃げて!」


熱血先生「熱くなれよ!!」ドゴッ


ロリコン先生「バーニング〜〜」バタッ


校長「大丈夫かねすまないもっと早く気づいていれば」


優香「いえ・・ありがとうございます」


優香(あの声・・・)


ノビスケ「ふぅ〜ありがと助かったよ」


「いえいえ、自分はただ盗撮してただけだから」


ノビスケ「そういうことにしておくよ」


「君みたいのがいたら・・・彼女は」


ノビスケ「辛い過去は楽しい未来で埋めればいい」


「本当に面白い奴だよ」


そしてまた景色が歪む


ノビスケ「ここは・・家か」


父「・・・・・・」


母「・・・・・・・」


優香「・・・・ご馳走様」


ノビスケ「会話がない・・いるだけで空気がピリピリするのがわかる」


ノビスケ「どうやら暴力とかはない・・でもこれは無関心かな・・」


ノビスケ「なんの悩みも相談出来ず・・家に居場所もない・・」


ノビスケ「お前ら親だろなのに!なにさせてんだよ!なに子供に気を使わせてんだよ!くそ!もういい!」


母「・・・・・・誰?」


父「・・・・・・・さぁ?」


ー部屋ー


優香「・・・・はぁ」


優香「学校も家も私の居場所はない・・もう嫌になってきた・・」


優香「いっそのこと死ねば楽になるかな・・」


優香「台所から包丁持ってきたしこれで・・」スッ


優香「お父さんお母さんさようなー」


ノビスケ「待ちやがれ!」ブン


俺は咄嗟にポケットにあったものを投げた


投げたそれは相手に命中


優香「うぎゃあ!」


そして俺は


ノビスケ「この馬鹿が!」バチン


頬を叩いた


優香「痛い・・・」ヒリヒリ


ノビスケ「この包丁は没収だ!」


優香「あ、返して!」


ノビスケ「嫌だ!こんなもの君には似合わないよ!」


優香「うるさい!それに貴方は誰なの!ここは私の家だよ!」


ノビスケ「俺はノビスケだ君を助けに来た」


優香「助けなんか欲しくない!帰って!」


ノビスケ「嘘だね!待ってたんだろ誰か助けてくれるのを!」


優香「そんな事ない!なんでわかるのよ!」


ノビスケ「俺もそうだったからだ!苦しくて辛くて死にたくなった!もう嫌になってどうでもよくなって!でも、誰かに助けて欲しかった」


優香「助けてもらったの・・」


ノビスケ「あぁ、頭にそれを投げられたよ」


俺は彼女に投げたそれを指差す


優香「髪飾り・・なら!これは大事な物なんじゃ!」


ノビスケ「大事な物だよ・・俺にとってそれは三番目に大事な物さ」


優香「三番目?」


ノビスケ「そうだから返すよ君に二番目の君にね」


優香「え?私が二番目それって・」


ノビスケ「一番目は自分さ彼女が助けてくれた命無駄には絶対にしないって決めたんだ・・だからって自分を優先するわけじゃない」


ノビスケ「優香!」


優香「は、はい!」


ノビスケ「苦しいなら言ってくれ辛いなら言ってくれ・・さみしいなら言ってくれ・・俺が助けるから」


優香「私と一緒にいても・・」


ノビスケ「君と一緒にいたいんだ行こう」スッ


優香「ノビスケくん・・」スッ


彼女が俺の手を握ったその時また景色が歪む


ノビスケ「っ!離すなよ!」


優香「・・ありがとねノビスケくん」パッ


ノビスケ「っ!優香!」


そして気付くと何も暗闇の空間にいた


ノビスケ「優香!何処にいるんだ!くそ!また行かなきゃ」


???「待って!」ブン


ノビスケ「いて・・・これは髪飾り」


???「それは貴方が持ってて私には必要ないから」


ノビスケ「っ!優香!」


そこにいたのは優香だったでも姿はあの時と違い最初に会った頃の大学生の姿だった


ノビスケ「優香ーー!」ダキッ


優香「おっと・・ふふふ、よしよし」


優香「ノビスケくんありがと・・貴方のおかげで私は決心したよ」


ノビスケ「決心?」


優香「うん・・私が消える決心だよ」


ノビスケ「っ!そんなー」


ギュッ


ノビスケ「うわっぷ!」


優香「お願い聞いて!時間がないの・・」


優香「私はね・・ここの優香じゃないの」


ノビスケ「っ!」


優香「私は偽物だよ・・貴方に助けられた別次元の私・・どうしてこうなったのかは・・きっと君が現れるのを待っていたからだよ君がここに来たことによって・・」


優香「私は役目が終わった・・後はどうなるかはわからない・・ごめんね・・ノビスケくんを騙す真似をして・・」


優香「あの日君を見て私は願ったのあの子を守りたいって・・そしたら私が動けるようになって・・でも、もう守らなくても大丈夫になったら私は消えるそういう約束だから」


優香「結局私は・・ノビスケくんが好きな私は・・偽物なの・・ごめん・・ね」


優香「最後に会えてよかった・・もうすぐ彼女は目覚めます・・助けられなかった優香が・・」サッ


ノビスケ「・・・・・・」


優香「・・・・じゃあね」


ノビスケ「偽物なんかじゃないよ!」


優香「っ!」


ノビスケ「君もこの子もどっちも優香なんだ!どちらが本物なんてない!どっちも俺の好きな優香なんだ!!」


優香「・・・・」


ノビスケ「君は消えないよ!消させない!」


優香「ノビスケくん・・・」


ノビスケ「さぁ!行こう!」


俺は優香の手を引いて走った


何処に行くかもわからずただ走った


歩けば止まれば彼女が消えてしまうかもしれないからだ


ノビスケ「嫌だ!嫌だ!」ポロポロ


優香「・・・・・・」ポロポロ


ノビスケ「っ!」


段々と握っている手が軽くなる


ノビスケ「やめろ!やめろぉおおおお!!」


優香「さようなら・・・」


握っている感触が完全になくなる


ノビスケ「あ・・・・・」


彼女はさようなと言った


いつものようにまた明日ではなくさようならと


これは永遠の別れを意味していた


ノビスケ「う・・うわぁーーーん」


これが俺の初恋


出会いは突然だったそして別れも突然だった


俺はこの初恋を忘れる事はないだろう


ー病室ー


ノビスケ「・・・・帰って来たのか・・」


ユウ「おう・・ノビスケ帰ってきたか・・ならどいてくれないか?」


ノビスケ「え?なんで俺ユウさんに馬乗りになっているんだ?」


ユウ「聞くな・・いてて・・」


看護婦「隙あり!えい!」ブス


ノビスケ「え!」


ユウ「バカ!もう終わったのに!」


ノビスケ「あ〜眠くなってきた〜」バタッ


看護婦「後は解剖するだけですね・・」


ユウ「もういいから!やめろ」


看護婦「なんでですか?ユウさんにあんな事したのに?」


ユウ「いいんだよあれはコミュニケーションだ」


看護婦「血が飛ぶコミュニケーションがあるんですか!」


ユウ「男ってのはそんなもんだ」


看護婦「男って・・・」


ユウ「さてとわかりやすい時間稼ぎに乗ってやったんだノビスケ上手く出来たのか」


優香「・・・・・?」


ユウ「嘘だろ・・・看護師!」


看護婦「はい!」


ユウ「やりやがったノビスケ!」


ノビスケ「」


看護婦「ノビスケくん許しませんからね・・」ボソッ


その後彼女は目覚めたと聞いたが彼女は全ての記憶を失っていたそれでも優香は優香だ


もう好きな人としては見れないかもしれない


それでも俺は後悔してないと言われれば嘘になる


それでも・・・


ノビスケ「ほら、あーんしろ」


優香「嫌です!」


ノビスケ「しろ!」


優香「嫌!」


ノビスケ「食わないと大きくなれないぞ!」


優香「ふん!いいもん」


ノビスケ「なら俺ももう来ないぞ」


優香「それは・・嫌です・・」


ノビスケ「なら、好き嫌いするなよほらあーん」スッ


優香「うぅ・・あーん」パク


ノビスケ「よし!よく出来た偉いぞ」ナデナデ


優香「へへへへ」


ノビスケ「ん?もうこんな時間か今日はもう帰るな」


優香「また来てくれるよね・・お兄ちゃん」


ノビスケ「あぁ、でも明日から学校が始まるから当分は来れないかもな」


優香「そんな・・」ウルウル


ノビスケ「大丈夫!必ず会いに来るから好き嫌いせずになわかったか?」


優香「うん・・わかった」


ノビスケ「じゃあな」


優香「お兄ちゃん!」


ノビスケ「ん?」


優香「また明日!」


ノビスケ「・・・・・・」


ノビスケ「お前馬鹿だろ」


優香「酷いです!」


これでよかったんだと心から思っている


ノビスケ「・・・優香」


優香「なによ!」


ノビスケ「ほれ」ポイ


優香「なにこれ?」


ノビスケ「髪飾りだやるよ」


優香「ありがと!大事にするね!」


ノビスケ「あぁ、大事にしろよ」


完全には消えてないのかもしれないなと思ったり思わなかったりした


続く




失った信用を取り戻す為に・・・


次回、過去の代償



後書き

次回は、ジャイアンとスネ夫の子供達が登場します!


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