2017-12-24 02:37:08 更新

概要

無人島に残されたノビスケを待つのはピンクの悪魔そして初めての買い物だった・・ドラえもんを助ける為未来へと

そしてスネ樹達は病院からの脱出を目指し

お嬢姉との別れの時を待つのだった

そして時代は現在へ花音が動き出すのだった


前書き

気に入らない方は戻るを押して忘れてね?それが貴方の為ですよ

それはそうと最近ウィスキーが美味しく感じるようになりました。戻るを押す前にオススメとか教えてください


【第二部】第十話 (裏北条家編)届かない笑顔


ーノビスケ編ー


前回までのあらすじ


タイムベルトで海から無人島?へ移動した俺とアヤカさん


時間だけしか移動できない筈なのに何故?島に?


そこではアヤカさんに誤解をさせて混乱させてしまう


弁解もする間もなく襲撃され


抵抗虚しくアヤカさんが謎の子供達に連れ去られてしまった


俺はアヤカさんを助ける為にほぼ見えていない状態の視界で子供達を追った


時代(現在から30年くらい前)


ここで言う現在とはノビスケ達が本来居る時代の事である


ノビスケ「ぐっ・・何処だ!」


ゴン


ノビスケ「いてっ!」


進むたびに木に当たり枝につまずく


身体中が痛い


パンツ一丁で上はタイムベルトを巻いてるだけの格好


寒い筈だけど今はその寒さを感じてる暇はない


転けた時に枝や小石などで身体に傷が増えてくる


ノビスケ「はぁ・・はぁ・・」


助けなきゃ・・助けなきゃ!


痛みも寒さも後でいくらでも感じてやる


だから動いてくれ!


ノビスケ「ぐぅうう!!」


倒れそうになるが気合いで踏み止まる


ノビスケ「アヤカさん・・・アヤカさん!」


焦ってしまう早くしないとアヤカさんが・・誰も彼女を知らないこの世界なら


何をされても何も出来ない一人になってしまう


ノビスケ「っ!!」


走る!何処へ走ってるかも分からない


それでも走った


何度も転けた


それでも走った


身体が痛いでも走る


少しだけ視界が回復してきた


ノビスケ「これなら!」


???「そこか!」ゴォオオオオ!


ノビスケ「っ!」


赤い何かが高速で近づいて来る


このままじゃあ当たる


瞬間その赤い何かに拳を突き出した


ノビスケ「っ!」シュッ


ゴツ!


???「ぐはぁ!」ズザァアア


赤い何かはそのまま吹っ飛んでいった


だけどこちらも拳にかなりの衝撃が


ノビスケ「あれ?そんなに痛くない?あ、そうか右手は義腕だったんだ」


最近色々な事があり忘れていた


ある一定の痛みを越えると一旦感覚が全てなくなるから強烈な痛みを感じる事がない


クソ狸が俺の本物の腕と交換(強制)でくれた物だ


???「てめぇ!なんて頑丈な手なんだ」


まだ視界がぼやける小さな赤い塊が喋ってる?いや、鳴いてる?


赤い塊「てめぇ何者だ?先住民か?そんな汚い格好してよ!」


ノビスケの耳には


赤い塊「ドラ?ドラドラドーラドラドラ!」


と聞こえた


ノビスケ「新種の虫か?それとも動物か?ああ!狸か」


赤い狸なんて珍しいな


赤い塊「ドラドラドラ!!(お前殺す!)」ゴォオオオオ!


ノビスケ「うわっ!」サッ


ノビスケ「避けたら向こうに飛んでいったか・・よし!今のうちに」


ゴォオオオオ!


ノビスケ「ん?やばっ!!」サッ


ノビスケ「一回だけじゃないのかよ!」


赤い塊「ドラ?ドラドラ!ドーーーラ!(怖いか?当たるまで止まらぇええよ!)」


ノビスケ「ぐっ!」サッ


視界がまだぼやけてて避けるので精一杯だ


いや・・


赤い塊「ドーーラ!(当たってきてるぜ?)」


ノビスケ「いっ!」サッ


段々速さが増して命中率も上がってきていた


直撃はしてないが何度もかすったりしている


このままだと直撃するのは時間の問題だ


早く目が回復しないと


うまく木を使って縦横無尽に飛び回る赤い塊


ノビスケ「ちょこまかと!」


もう一度殴ってやろうとするが


ノビスケ「そこだ!」シュッ


赤い塊「っ!」クイ


ノビスケ「避けた!」


赤い塊「ドォオオラ!!(同じ方法が通じるわけねぇええだろ!)」


ノビスケ「どらどら、うるせえ!」


さらにその赤い塊は飛びまわる


焦りと緊張そして恐怖でどうにかなりそうだった


その時思い出す海に落ちた時にも思い出していたがもう忘れていたようだ


こんな時こそ冷静にならなければ


見えにくい視界を見ようとするから駄目なんだ


目をつむった


ノビスケ「・・・・・・」


赤い塊「ドォッオオラ!!(諦めたか!死ねぇええ!)」


ノビスケ「っ!」サッ


あの赤い塊がうるさいお陰で目をつむってる方が避けやすい


ただこれもほんの少し時間を稼げるだけだ


すぐに次の手を


縦横無尽に飛び回り俺へ向かって突進をしてくる


と思ったが・・


音を風を切る音を聞くと同じパターンの音が繰り返し出ていた


もしかして突進にもパターンが決まっているのか?


だとするなら


ゴォオオオオ!


ノビスケ「っ!」サッ


シュッ


シュッ


ゴォオオオオ!


ノビスケ「っ!!」サッ


やはりそうだ音で大体何処へ来るか分かるぞ!


これも執事長に鍛えられたお陰なのだろうか


そっと執事長に感謝の言葉を言いながら右手の腕を捲り


シュッ


赤い塊「ドォオオラ!!(そこだ!!)」


ノビスケ「っ!!」ブン


その腕を思いっきり振った


赤い塊「ドラ!(馬鹿め!)」サッ


スカッ


振りかぶった腕はスカ振った


でもこれは分かっていた


クルッ


ノビスケ「っ!!もう一発!」ブンッ


スカ振った勢いをそのまま使い身体をくるりと横に一回りして


二回は避けられないだろう次は当てるつもりで振りかぶった


ドゴッ


当たった


赤い塊「どらっ!!(がっ!!)」


ノビスケ「ぐぬぬぬ!!」ググッ


まだ向こうの勢いが止まらない


踏ん張りどころだ。ここで負ければ吹き飛ばされてしまう


勢いが弱まってきた!


ノビスケ「ぐぐぐ!!」


腕がビリビリ言ってるがそんなのは関係ない


そしてそのまま地面に


ノビスケ「どりゃぁあ!!」シュッ


ドンッ!!


叩きつけた


バキッ


赤い塊「どはっ!!(がはっ!)」


赤い塊(こ、これはやばい!壊れる!)


ビリビリ・・ドカーーン


ノビスケ「うわぁああ!!」手を抑えて


赤い塊「ドラ?ドラドラ?ドラ!ドラドラ(なんだ?手が折れてる?違うこれは機械だ)」


ノビスケ「くそっ!クソ狸め!何が痛みはないだ!ぐっ!」


どうやらある一定以上の痛みはなくなるがさらにある一定までいくともう意味がないようだ


赤い塊「ドラドラドーラ・・ドラ(とどめを刺したいが無理か・・なら)」


赤い塊「スモールライト!」


ノビスケ「うぅ・・治ってきたか・・え?スモールライト?あれ?言葉が分かー」


ミニノビスケ「うわっ!」


赤い塊が大きくなる


周りの景色も大きくなったような


「ミニドラさん!オーケーですよ」


ミニノビスケ「っ!」


今の声聞いた事があるような


赤い塊「命拾いしたな。じゃあな」


ミニノビスケ「え?クソ狸?あ、待て!くそっ!」


ミニノビスケ「・・・・・・・」


今の声・・そして最後に見た赤い塊の姿・・クソ狸に似ていたような


なんだろう・・いや、考えても仕方ない追わなきゃ


ミニノビスケ「俺?小さくなったのか?いや、そんなはずないよな」


馬鹿な事を考えてる暇はないな


急がなければ


ツンツン


こんな時に誰だ?


ミニノビスケ「なんだよ!今忙しいんだよ!後にしてくれ」


相手にしている暇はない


ツンツン


ミニノビスケ「なんだって!・・今は相手にして・・・る・暇は・・」


その時やっと視界が完全に見えるようになった


カマキリ「・・・・・・・」


デカイな・・・・成長期?


そして理解した


ミニノビスケ「あ、俺小さくなってるね」


これは秘密道具だ!間違いない


タイムホールでクソ狸が使っていたビッグライトは物を大きく出来た


まぁ、その前に鈍器として使われたが・・


なら逆もある筈だスモールライトは名前の通り物を小さくする道具という事だ


なら、さっきの奴は!未来から


ミニノビスケ「ドラドラ言ってたし、もしかしてクソ狸の仲間か?だとしたら」


カマキリ「カマー!」


ミニノビスケ「ひ、ひえー!!!!」


視界が見えるようになったのは嬉しいが


どうせ食われるなら見えずに知らないままの方が楽だったかも


知らぬが仏ならず知らぬまに仏ってね


ミニノビスケ「何考えてんだかしょうもな・・かかって来いよ。くそカマキリ!後悔させてやるよ!」


カマキリ「カマァアア!!」シャキン


ミニノビスケ「あ・・立派なカマで・・いいですね〜後悔?ああ!俺食べたらお腹壊すよ?って言いたかったんです。はい」


これはあかん細切れにされる


全力で逃げる事にした


カマキリ「カマーー!!」シャキン


ミニノビスケ「やめてくれ!俺は美味しくないから!」


ーーーーーーーーーーーーーーー

ーーーーーーーーーー

ーーーー


ー恭介編ー


時代(現在)


花音「いくらなんでも遅い・・」


あの日からもう結構経ってる筈なのに連絡がない


ユウさんへ電話をかけるために携帯の電話帳を開く


便所マンという項目を選んでかける


数コール鳴らすが便所マンが出ることはなかった


便所に籠ってのんか?


花音「病院に直接かけようかな?」


花音「もしもし?ユウさんいますか?え?休暇?そう・・便所には?いない・・そう」ピッ


これはもしかしたら?


花音「確かめてみようかな」


自転車(ロード)に乗り目指すはノビスケの家へ


花音「久しぶりに乗るけど大丈夫よね」


ロード「パンクやら錆やらで動かんよ整備しろよ・・もう無理やで」


そう言わんばかりに自転車は前へは動いてくれなかった


花音「・・・・・関係ないし!」


ペダルを思いっきり踏んだ


ガキン


取れた


花音「な、なくても行けるし」


ガシャン


なんか色々と取れた


花音「・・・・・」


バス使おう・・・


それから近くのバス停へ行き目的地のバス停で降りた


そして数分後


ーノビスケの家前ー


花音「見たところもう入れると思うけど・・あ、でも鍵がなかった」


諦めて帰ろうかと思ったが


ボロボロのドアだったものが目に入る


もはやドアとしての機能を果たしていない


花音「入れるね。ラッキー!お邪魔しまーす」


確かあの机があるのは一階の奥の部屋だった筈


ふと階段の前で立ち止まる


花音「二階って確かノビスケの部屋よね」


今までも何回か家に来ることはあったがノビスケの部屋に入った事はなかった


凄く気になる


結局あの時も二階はあまり調べていなかったし


花音「ちょっとだけならいいよね?」


誰もいない家の中で同意を求めた


勿論返事なんてない


階段を上がり部屋へ入ると争った跡がまだ残っていた


窓ガラスは割れていて破片が散乱している


本や服も散らかっている


二階にはもう一つ部屋があり勉強道具などがあるけど破れたページが散乱している


並べられていた本もそこらじゅうに落ちてる


高校受験の参考書もある


ノビスケの部屋ではないのは確かだ


興味がないのでそこは調べなくていいや


押入れを開けるとビックリ


花音「メイド服?それに」クンクン


女性の匂いがする


よく見るとまるで押入れを部屋に使っているようだった


花音「ノビスケ・・そんな趣味が」


メイドさんを雇っているとは聞いていたけどまさか押入れに閉じ込めていたとは


これはノビスケに対する考えを改めないといけない


まぁ、私も人の事は言えないかな


押入れに敷いてある布団を下ろして


メイドさんには悪いけど押入れの中にあるものを全て出した


何か手掛かりになるようなものはないかと思い調べる


ここにはないと分かっていても何故か調べずにはいられなかった


花音「ん?なんだろう?」


押入れの奥の板の一部が周りとは少し違って新しいように見えた


丁度メイド服で隠れていた場所だ


花音「ノビスケのお宝本でも隠してあるのかな?」


汚れ具合から見て結構前になる


新しいと言っても若干だけど板も腐っている


そこを手で軽く叩いてみる


花音「やっぱり周りと違ってここだけ音が違う」


花音「空洞がある・・・」


花音「流石に壊して中を見るのは駄目よね」


人の家に不法侵入してからの部屋物色


完全に泥棒だ


これ以上は駄目よ


でも


花音「・・・・・」コンコン


気になる


中に何が


もしかしたら行方不明の手掛かりかもしれない


そうよ!


別にお宝本かも知れないとか関係なく


ノビスケの為


花音「そうこれはノビスケの為に仕方なく」


花音「でも、どうやってこの板を外そう・・」コンコン


花音「ふん!」ゴスッ


軽く叩くと板が突き破れた


花音「凄く脆い・・」


花音「箱?」


中から木箱が出てくる


木箱には触るな殺すぞと書かれている


そして開けられないように赤い紐が結んであった


花音「これは触っちゃまずいよね。殺すぞって書いてるし」


でも、気になる


それに赤い紐だけ全く汚れておらずなんか禍々しいオーラを出しているように思えた


凄く気になる


花音「ちょっと見るだけなら」


赤い紐を触ると


ビリッ


花音「いたっ!」


痺れた


花音「そう・・そんな事するんだ」


綺麗に蝶結びに縛られている紐を引っ張った


そして赤い紐は消えた


花音「あれ?まぁいいや」


期待に胸を膨らまし木箱を開けると


手紙と・・


花音「何これ?パンツ?帽子?」


白い帽子のようなパンツのような物が入っていた


多分何かのポケットだと思われる


花音「え?うそ・・・」


ポケットの中を見てみると


底が見えないそして変な空間になっている


花音「なんなのこれ!そうだ!手紙」


一緒に入っていた手紙を見る


『封印を解除したか・・馬鹿者!』


花音「あれ封印だったの!」


『これを見つけたと言うことはノビスケか?』


『ノビスケではない場合触るな殺すぞ』


花音「どうやって?」


『この先はノビスケへのメッセージだ』


『それ以外は読むなよ?殺すぞ』


花音「気になる・・・」チラチラ


周りを見て誰もいない事を確認して続きを読む


今だけは私はノビスケという事で


『単刀直入に言うタイムホールを塞ぐ方法が分かった』


花音「タイムホール?ああ、あの机のことね」


『何故俺が死んだのにタイムホールが塞がらないのか』


『それは俺の一部がまだその時代に残っているからだ』


『その三個目の四次元ポケットがな』


花音「四次元ポケット?これが?ダサいデザインね」


『全てのやるべき事が終わった時これを燃やして欲しい』


『そうすればタイムホールは塞がる』


花音「これを燃やせば・・」


タイムホールは消える・・でも


花音「ノビスケはどうなるの」


『そしてもうこの時代を出る事も入る事も出来なくなる』


『これでお前は未来を進む事ができる。もう過去へ行かなくても過去を過去だと思えるようになる』


花音「・・・・・・」


『読むなと言うのに読んだ馬鹿者へ』


花音「ん?」


『ノビスケは必ずとは言わないが帰ってくる。だから探すな』


『でもノビスケがもし帰ってこれないなら・・これをノビスケの信頼する人が見たなら』


『いつまで経ってもノビスケが帰ってこないなら』


『燃やせ、そしてタイムホールを塞げ』


『頼んだぞ、信じて待て』


花音「ノビスケ・・・・」


花音「分かった・・信じて待つ必ずタイムホールは塞ぐ約束します」


手紙に喋り掛ける


これは私の決意の証


私は私の出来ることをする


花音「このポケットはそれまで私が責任持って預かります。ん?まだ続きがある」


『おっと大事なことを忘れていた。この三つ目の四次元ポケットは他の二つと違う所があるそれは』


花音「それは・・」


???「なに読んでんだ?」


花音「誰っ!!」


???「来てもらおうか」


ガッ


花音「あ・・・」バタッ


???「ふふふ、やったぞ!」


「メイ追いかけて!」


「了解」


それから数時間後にユウ達が来ることになる


ユウ達は罠にかかったふりをして黒服の男を倒しボスの所まで案内させていた


ー車内ー


ユウ「余計な真似はするなよ?」


黒服の男「やらないよ、そんな無謀な事はよ」


恭介「ユウさん運転中の人にナイフをチラつかせるのは・・」


ユウ「恭介いいか?こいつがその気になれば事故を起こして俺たちごと道連れにする事も出来ー」


優香「ユウさん・・座ってよ?」


ユウ「あ、はい・・起きたんだな優香大丈夫か?」


恭介「優香には素直なんですね」


ユウ「うるせぇ!」


優香「大丈夫だよ」


黒服の男「主人の所までは案内するさ。俺もまだ死にたくないからな」


恭介「そうしてください。車内でユウさんが暴れたらどうにも出来ませんから」


ユウ「お前の部下起きねぇな貧弱すぎないか?」


黒服の男「まだ新人だからな。だが、やる気はある」


ユウ「そうか、それでお前名前は?」


黒服の男「そういえば自己紹介がまだだったな」


ユウ「最悪逃げたらその手の奴らに探させるからな」


黒服の男「偽名ならどうすんだよ」


ユウ「そうなったら関係ない奴が死ぬだけだ」ニヤリ


黒服の男「いい性格してるなお前は」


恭介「今のが冗談だって事を祈りたいよ」


優香「冗談だよ」


恭介「分かるのかい?」


優香「うん」


ユウ「てことだ、何故かは分からんが優香は相手の嘘に鋭い、嘘をつくなら黙ってないぜ?俺が」


優香「・・・・・」ジー


黒服の男「目を合わせていないのになんだこの威圧感は・・」


黒服の男「カイだ。主人に仕えてる執事だ。そこで寝てるのは新人執事だ」


ユウ「どうだ?」


優香「本当だよ」


ユウ「執事ね・・そうは見えないがな、どちらかと言うボディーガードに見えるが?」


カイ「今はそう思っても仕方ないが戦争前は強くなくちゃ執事は出来なかった」


ユウ「そんなに危険な仕事なのか?」


カイ「あぁ、命懸けのな。裏では執事四天王と呼ばれる奴らもいた」


ユウ「四天王?」


カイ「あぁ、そいつらは他の執事とはひと味もふた味も違う」


カイ「まぁ、俺もその一人だったんだがな年ってやつだ」


ユウ「それは分かるぜ俺も前ほど身体が動かない歳ってのは」


カイ「残酷だな」


カイ、ユウ「「はぁ・・・」」


恭介「優香あの人達みたいになったら駄目だよ?」


優香「よくわからないけど・・分かった」


恭介「それにしてもこの人は起きないね」


新人執事「」


優香「ユウさんあの時少し本気出してたから生きてるのが不思議」


恭介「それは・・よく生きてるねって思う」


ユウ「そういえばお前らはどうしてあの部屋に罠を仕掛けていた」


カイ「簡単だ調べたからさ。お前達がこの日にこの場所のあの部屋へ行くと知っていた」


ユウ「ちっ!やっぱり洋子の奴か」


恭介「まだそうとは!」


ユウ「カイどうなんだ?机の事は洋子から聞いたのか?正直に言えよ?」


優香「・・・・・」ジー


カイ「俺は主人に頼まれてお前らを連れてくるように頼まれた。机はもうなかったし洋子なんて女知らない」


ユウ「連れてくる?無理矢理拉致ろうとしていたように見えたが?」


カイ「お前の事を調べさせてもらってな悪いが信用できない奴をそのまま主人に会わせる事は出来ない。拘束しておきたかったんだ」


ユウ「ほう・・・」


カイ「もう一度言う俺は洋子なんて知らんしお前らがなんであの家に用があったのかも知らん」


カイ「ただ、ある男を監視しているうえでお前らの動きも見ていただけだ」


ユウ「優香どうだ?」


優香「嘘・・・」


ユウ「車止めろ・・」


カイ「っ!」


恭介「ユウさん!」


ユウ「ちっ!次はないぞ!」


カイ「ハッタリではなかったか」


カイ「お前らがあの家に行った時盗聴器をつけていた。だから分かったんだ」


ユウ「っ!いつからだ!」


カイ「・・1年前からだ」


ユウ「なっ!」


優香「本当・・・」


恭介「もしかして今回の襲撃事件って」


カイ「それは違う!あの時急いで向かったんだ。だけど行った時にはもう・・いなかったんだ!」


ユウ「お前らの目的はなんなんだ!」


カイ「それは・・俺の口からは言えん言いたくない!俺は正直反対派なんだからな」


ユウ「殺すぞ?」


恭介「やるなら覚悟してくださいユウさん」


カイ「ちっ!やれよ!!」


ユウ「上等だ!」


優香「二人とも・・やめて!」


恭介「ぐっ!!優香が見てるのにこの二人は!」


恭介「二人とも動くな!!」ガチャ


恭介「カイさん貴方は運転に集中してください。ユウさんは落ち着いてください。手掛かりをチャンスをなくす気ですか!」


カイ「もう話しかけんな・・運転に集中する」


ユウ「そうさせてもらうお前の主人から聞く事にする。寝る!」


恭介「優香大丈夫?」


優香「大丈夫だよ、ありがとね」


恭介「でもねユウさんが怒ってなかったらきっと俺が怒ってた。だからユウさんを」


優香「分かってるから」


恭介「優香は強いね」


優香「・・・・・・」


その時の優香の顔は何故か悲しそうに笑っていた


それから優香は何も喋る事なく目的地へ着いた


そこは大きな屋敷でやはり執事がいるだけあり凄い


新人執事を背負ったカイに案内され屋敷内へ


広い部屋に案内された


カイ「少し待てソファーにかけて待ってろ」


恭介「た、高そうなソファーだ」


優香「うわぁ〜凄い絵いくらするのかな?」


ユウ「お、このお茶うめぇ!恭介お前も飲んでみろよ!早く座れよ」


恭介「す、座るぞ!」


高そうなソファーへと恐る恐る座る


恭介「あ、これは・・」


一度だけ署長室へ用があり入った事がありその時署長がいない事をいいことに署長がいつも偉そうに座っている大きな椅子へ座った事がある


あの時は余りの心地よさに寝てしまい署長に怒られた事があったが


このソファーはそれすら凌駕する


一瞬で睡魔が・・・・


恭介「いかん!敵地で寝るなんて!」


ユウ「ほら、お茶だ」


恭介「あ、ありがとうございます。でもよく飲めますね。変な話毒とか入ってるとかは思わなかったんですか?」


ユウ「こんな高そうなソファーや絵に壺がある部屋を血で汚そうとは思わんだろ?」


恭介「それはそうですけど」


ユウ「それにこう言う事は俺が最初にやるって決めてんだよ」


恭介「やるって何を?」


ユウ「毒味だ」


恭介「それで!もし毒が入ってたらどうするんですか!」


ユウ「誰かがしなきゃいけない事だ。それにさっきも言ったがそうするならもっと部屋を選ぶさ。それに殺す隙は何回もあった」


ユウ「だから確信したんだ闇雲に飲んだり食ったりしてるわけじゃない。お、このチョコうめぇ」


恭介「言ってる間に!」


ユウ「だから確信があったんだってお前も食ってみろよ美味いぞ?」


恭介「結構です!ですが次からはもっと気をつけてください」


ユウ「分かったよ・・心配かけてすまないな、それと優香お前はチョコは食うなよ」


優香「え?」ビクッ


チョコを持っている優香が固まる


テーブルに置かれているそのチョコは箱を見ただけで高いのだと分かる


勝手に食べていいのか?まぁユウさんが食べたのだからいいのだろう優香もそれを分かって食べようとしてるのだろう


ユウ「え?じゃねぇよ!病人」


優香「はい・・・」


恭介「少しもダメなんですか?」


ユウ「糖分やカロリー制限は守らないとな」


優香「これ美味しそうだけど・・」


ユウ「駄目だ。かなりの美味だ」


優香「うぅ・・」


これはいくらなんでも酷い・・・


恭介「優香ほら」


こっそりとチョコを渡す


優香「っ!」


ユウ「むぅ・・」


ユウさんは確実に気付いている


やばい


ユウ「まだ来ないな・・」


だけど気付かないフリをしてくれた


恭介「ユウさん・・ありがとうございます。一つだけな」


優香「これは美味ね・・恭介も食べて?」


恭介「うん、貰うよ。美味しいね」


今思ったがもしかしてユウさんに上手く使われただけでは・・・


ユウ「ふっ・・・・」


ガチャ


その時ドアが開いた


???「大変です!」


ユウ「あぁ?」


恭介「ん?」


優香「・・・・・・」


女性の人が慌しくやってきた


???「さっき確認したら!口の悪い女の子が例の奴らに連れ去られて!あの!その!!」


ユウ「わけ分からんぞ!とりあえずお前は誰だ!」


???「え?ああ!私はここの屋敷の館主をしています。北条セイナです」


セイナ「とにかく大変なんです!」


恭介「あの、何が大変なのかよく分からないんですけど?」


優香「・・・・花音が危ない」


ユウ「どういう事だ?」


セイナ「だから、連れ去られたんです!」


カイ「セイナ、落ち着け!」


セイナ「でもでも!」


恭介「とりあえず落ち着いてね?」


ユウ「なんなら寝させてやろうか?あぁ?さっさと言え!」


カイ「実は俺がノビスケの家へ向かっている時にだ二階の盗聴器でおかしな声が聞こえてな。かなり口の悪い女だ」


ユウ、恭介((花音かな?))


セイナ「それで!その子は捕まって連れ去れたんです!」


ユウ「どういう事だ!」


カイ「俺が向かう前にあの家に女の子が入ったんだ。そして捕まった多分だが襲撃した奴らだろう」


恭介「誰です!そいつらは!」


カイ「主謀者は分かっている。俺たちもあの襲撃の後調べたからな」


セイナ「北条利光、北条家当主だった男です」


ユウ「北条利光?何処かで聞いた事あるような」


恭介「ユウさん、北条家と言ったら大きな財閥ですよ」


恭介「だけど戦争前に崩壊した筈だ。確か・・」


ユウ「とにかくそんな話は後だ!花音を助けに行くぞ!場所は!」


セイナ「今私の部下が交渉に行っています。なので今は待ってもらうしかありません」


ユウ「俺も連れて行け」


セイナ「すみません貴方達には用がありまして聞きたい事というより確認したいんです」


ユウ「それも後だ!今は!」


カイ「お前が動けば尚更危ないがいいのか?」


ユウ「なんでだよ!」


カイ「それも今から説明してやるから大人しく待ってろ!安心しろメイは交渉のプロだ」


ユウ「分かった」


カイ「だがこちらも聞きたい事はあるお互い情報交換としようや」


優香「自己紹介からする?」


恭介「恭介です。一応警察です」


カイ「お前らの事は知ってるから必要ない」


カイ「それでいいか?ユウキ」


ユウ「ユウキ言うなユウでいい話せ」


カイ「理解感謝する。すまないうちのお嬢様は焦ると周りが見えなくなるからな、本当なら先に交渉に行ったことを言うんだったんだが」


セイナ「すみません・・」


恭介「まぁまぁ、なんとなく気持ちは分かりますから」


ユウ「それで?この場合そっちからか?」


カイ「話の内容からしてそうなるな」


セイナ「皆さんとりあえず座ってもらってお茶のお代わりを」


恭介「あ、すみません」


ユウ「それで?聞きたい事ってなんだ?」


カイ「セイナが言ってくれ正直俺は半信半疑だ」


恭介「?」


セイナ「では、聞きます」


セイナ「タイムマシンってあるんですか?」


恭介「っ!」


ユウ「恭介こういう時はあまり顔にだすなよ優香を見習え」


優香「・・・・・・」


恭介「わ、分かりました」


恭介「タイムマシン?馬鹿ですか?あるわけないでしょ」


出来る限りの冷静な顔をしてみる


タイムマシンがあるなんて言えばまた別の問題が起きてしまう


それこそ、その話が表に出れば・・


カイ「セイナやっぱりないんだよ。あいつが未来人だったなんてありえない」


セイナ「じゃあ、なんで彼は突然いなくなったの!調べても見つからなくて・・やっと見つけたと思ったら」


カイ「似てるだけだろう」


セイナ「でも、タイムホールがどうとかって言っていたじゃない」


カイ「所詮は盗聴した時に聞いただけで遊んでいただけかもしれんぞ?ほらごっこ遊びとか?俺も昔あったぞ?」


セイナ「私が彼を見間違えるなんてありません!」


カイ「それこそ信憑性にかける!」


セイナ「それでも!ノビスケくんは!」


恭介、ユウ「「っ!!」」


優香「・・・・・・っ!」


ユウ「おい!ノビスケに会ったのか!」


恭介「何処に!何処で見たんですか!」


優香「何処!」


セイナ「教えてください。タイムマシンはあるんですか?」


ユウ「・・・・・・」


恭介「・・・・・・」


何も言えなかった。それが大きく変えてしまう事になるからだ


ある、その一言でこれから先の未来が変わる


何も言えない・・・


優香「あるよ・・タイムマシン、ノビスケくんは今何処か別の時代に行っていると思う」


セイナ「やっぱり」


カイ「まじかよ・・・」


ユウ「なぁ、この事は」


セイナ「言いませんから安心してください」


恭介「いつノビスケくんと会ったんですか?」


セイナ「ちょっと長くなりますけど良いですか?」


恭介「はい、お願いします」


セイナの知る限りのノビスケの事を聞いた


17年前くらいに突如現われ北条セリナというセイナの姉の執事をしていたらしく


戦争前にいなくなってしまったらしい


恭介「そんな事が・・・」


ユウ「・・・・・・・」


優香「ノビスケくん・・」


セイナ「私は彼に告白しました。それで振られてしまったんです。でも、彼は凄く辛そうで」


セイナ「無意識だと思いますけどこう言ったんです」


ノビスケ『この時代で幸せになってはいけないんだ』


セイナ「そう言ったんです」


恭介「そうだったんですか・・・でも、それだけで」


セイナ「初めて会った時周りとは違って浮いているようだったんです。それであの言葉を聞いてそれから幼いノビスケくんを見つけて貴方達から聞いて」


ユウ「それで?ノビスケが未来人だと知ってどうしたいんだ?」


セイナ「帰ってきた時に言ってあげたいんです。お帰りって」



セイナ「だからずっと監視をしていました。今度は幸せになって欲しいんです・・」


恭介「セイナさん貴女は凄いです。そこまで言えるなんて・・でも、やっぱり盗聴はいけません外してくれますね?」


セイナ「はい、その代わりノビスケくんが帰ってきたら」


恭介「一番に連絡しますよ」


セイナ「ありがとうございます」


優香「・・・・・・」


カイ「おい、ユウいいか?」


ユウ「なんだ?いい話では終われないのか?」


カイ「監視をしていた。だが、それは帰ってくるのを待っていただけではないんだ」


カイ「寧ろそっちが本題だ」


ユウ「どういう事だ」


カイ「あいつがあのノビスケだろうがそうでなかろうが産まれた時から狙われてたんだよ」


カイ「名前がノビスケってだけでな」


ユウ「襲撃と関係あるのか?」


カイ「あぁ、ノビスケは北条家に喧嘩売ってそのまま消えたからな、本当に馬鹿だよ」


ユウ「ふっ、少しはいい男になったんじゃないか」


カイ「それに襲撃されたのはノビスケの家だけじゃないんだぞ?剛田商店、骨川邸、野比家、もう向こうはあのノビスケだって気付いているんだろうな」


ユウ「それは知らなかった・・・・待てよ!北条家は崩壊した筈じゃ!」


カイ「崩壊はした表ではね本当は裏では崩壊はしかけていたがギリギリしてなかったんだ」


ユウ「そうだったのかでもなんで今頃なんだ?狙っていたならもっと早くに」


カイ「17年間は迂闊に動けなかった理由がある知ってるだろ?名は北条利光」


ユウ「時効か!」


カイ「そういう事だ。時効が成立して2年そろそろ動きだすとは思っていたがすまん正直ノビスケがあのノビスケだとも信じていなかったしその時数分間盗聴が機能しなくなって・・気付いた時にはもう」


ユウ「いや、それで良かったんだ。そうしなければノビスケは過去へ行かなかった」


カイ「こうなる事も決まっていたのか・・なんか嫌だな・・レールの上を走ってるみたいで」


ユウ「まぁな・・てことは俺たちに出来る事はノビスケを信じて待つ事と」


カイ「と?」


ユウ「その北条利光をぶん殴る事だろ?」


カイ「正気かよ」


ユウ「あぁ、まぁその前に花音をどうにかしないとな」


カイ「それは大丈夫だろうよ信じてくれ」


ユウ「待つのはあまり好きではないが今はそうするしかないか・・」


カイ「そういう事だ」


優香「はむはむ」もぐもぐ


ユウ「っ!なにチョコ食ってんだ!!寄越せ没収だ!」


優香「うぐぐ!!」


ユウ「離せよな?あぁ?優香!」


優香「あと少し!」


ユウ「駄目だ!!」


こうして俺たちはノビスケを信じて待つ事にした


そして帰ってきた時安心出来るようにする


そろそろお嬢達にも帰って来てもらおうかな


言われた通りノビスケ達が過去へ行ったと分かったし


ユウ「それにしてもあいつが執事か」


帰ってきたら紅茶でも淹れてもらうか


ーーーーーーーーーーーーー

ーーーーーーーー

ーーー


ーノビスケ編ー


時代(現在から30年くらい前)


無人島の中を小さくなった俺はカマキリから逃げる


カマキリ「カマァァア!!!!」シャキン


ミニノビスケ「とぉ!」サッ


走って逃げるが奴は飛んで追いかけてくる


その度に切りかかられ今の所はどうにか無傷だが


向こうは諦める気もないみたいだ


俺もただ逃げていたわけではない


喧嘩で勝つ為のコツそれは相手の癖を見つける事だ


癖はパターンになるパターンになれば隙が生まれる


そこをつけばいい


シュ


ミニノビスケ「ふん!」サッ


奴は大きくわけて横切りと縦切りしかしてこない


そこからもう少し詳しくすると


カマキリ「カマァァア!」シュ


まず、攻撃前に大きくカマを広げ切る所から大きく振りかぶる


それを見ていたら避けるのは簡単だ


避けるのが簡単なら後は


ミニノビスケ「てめぇを倒してやるよ!」


逃げる足を止めカマキリの前に立つ


カマキリ「カマァ?カマァァア!」シュ


縦切りが来た!


それをなるべく少ない動作で避ける


そして奴のカマを掴む


ガシッ


ミニノビスケ「どうだ!こんなカマへし折ってやる!!」


全力の力でカマキリのカマを折ろうとするが折れない


ミニノビスケ「く、くそう!」


もう片方のカマで横切りが来た


それをジャンプで避けてカマキリの腹部分を思いっきり蹴り上げた


手応えはあった


カマキリ「がはっ!」


どうやら効いているようだ


さらにそこから数発パンチを叩き込む


どうやらこういう痛みには慣れていなかったようでカマキリは苦しむ


そりゃそうだカマキリ相手に腹パンなんてする虫なんていないだろう


カマで攻撃するのを諦めたのか顔が近づいてくる


どうやら直接かじろうとしてるのか


甘い!甘過ぎるぞ!手をチョキの手にしてそのデカイ目に


ザクッ


ミニノビスケ「目潰し!」


なんとも言えぬ感触が襲う


ミニノビスケ「うゎぁ〜」


カマキリ「カマァァアァアア!!」


ミニノビスケ「よし、今のうちに逃げ・・・まじかよ」


気付くとたくさんのカマキリに囲まれていた


ノビスケ「いち、にい、さん、・・あ、数えきれない・・」


これは均等に俺を分けてもほとんどないぞ?


いいのか?カマキリさん一口もないぞ?


ミニノビスケ「まぁ、ね?落ち着いてね?俺は美味しくないしね?」


近づいてくるカマキリ達


さっき目を潰したカマキリも一緒に


ミニノビスケ「もう回復したのかよ!」


カマキリ「カマァァア!!!!」シャキン


大量のカマキリ達が襲いかかってくる


シュッ


ミニノビスケ「うわぁ!!」サッ


シュッ シュッ シュッ


止まらないカマでの攻撃


ミニノビスケ「普通こういうのはターン制だろう!守れよ!」サッ


縦切りがくる


ミニノビスケ「ほっ!」サッ


横切りがくる


ミニノビスケ「はっ!」サッ


縦切りと横切りの両方がくる


ミニノビスケ「とりゃあー!」サッ


単純な攻撃だが数が多いといつまで避けていられるか


シュッ


ミニノビスケ「っ!しまっー」


ザシュッ


ミニノビスケ「ぐぁ!!」


一発もらってしまった


それを見た大量のカマキリ達が一斉に飛びかかる


勝機と言わんばかりだ


ミニノビスケ「あ・・・だめだ」


掴みかかれ、噛みつかれ、カマで切られ


意識が薄れていく


ごめん・・俺はもう・・せめて・・


均等に分けてくれ・・


その時一筋の光が俺を包む


???「ビッグライト!!」ピカッ


ノビスケ「うぉおおお!!」大きくなる


身体が元に戻るぞ


大量のカマキリ達「カマァァア!」大きくなる


ノビスケ「これでカマキリなんて!」


ビッグカマキリ「カマ?」シャキン


ノビスケ「・・・・え?」


???「あ、しまった一緒に大きくなっちゃった」


ノビスケ「うわぁああ!来るな!」


???「スモールライト!」ピカッ


カマキリ「カマ?」小さくなった


ノビスケ「ふぅ・・助かった」


???「大丈夫?」


ノビスケ「助かったよありがと」


ビッグカマキリ「カマァアア!!」


ノビスケ「って、まだ一匹残ってるぞ!」


???「あ、やば!」


大きなカマキリは飛んで逃げていった


???「追いかけなきゃ」


ノビスケ「あ・・まっ・・」バタッ


???「あ、死にかけてる!う〜ん・・どちらにしようかな・・助けてやるか」


???「と言ってもあまり時間はかけられないし」


ノビスケ(青)「再生開始・・」


???「っ!!」


???「傷が塞がってきてる?それにいつの間にカラコン入れたの?」


ノビスケ「うぅ・・ありがと青」


青(あまり力を使わせないでくれ溜まってもすぐなくなってしまう)


ノビスケ(ごめん気をつけるよ)


ノビスケ「君も助かったよ・・あれ?小さいピンクのクソ狸?」


???「殺すよ?ピンクミニドラと呼びなさい。貴方は?先住民?私の言葉が分かりますか?」


ノビスケ「馬鹿にしないでくれ分かるよ。助かったピニドラ」


ピニドラ「ピニドラ?」


ノビスケ「おう、長いからピニドラ」


ピニドラ「まぁ、それでいいわ、って言葉が分かる事態おかしいわね?貴方何者?」


ノビスケ「・・俺はノビスケだ。君と同じ未来から来た訳があってこうなってる。赤い色のクソ狸と子供達に仲間を連れて行かれて」


ピニドラ「ノビスケ?・・ああ!ノロマの子ね」


ノビスケ「ノロマって・・お父さんのことか」


昔は凄くノロマだったらしいからそう呼ばれていたのかもしれない


ピニドラ「安心していいわ、その赤いのも子供達も私の仲間よ」


ノビスケ「あの子達は」


ピニドラ「悪い子じゃないから貴方が女性に襲いかかっているように見えただけよその格好だしね」


ノビスケ「う、それを言われると」


ピニドラ「かなり危ない状態だったからこのまま病院へ連れて行くわ」


ノビスケ「その赤いのも子供達も未来から?もしそうなら名前教えてくれないか?」


ピニドラ「確かに未来から来てるわね、確か一人はスネ樹って子だったわね」


ノビスケ「っ!無事だったんだ良かった・・」


それにあんなにたくましくなってやがって


嬉しさのあまり股間を蹴られたことも忘れるくらいだ


あ、いや、まだ痛いや


誰が蹴ったんだろう?スネ樹ではないだろうし・・・お嬢姉?いや、彼女ならこの痛みくらい知ってるからやらないだろうけど


なら誰だ?メイドか?いや、それならこのくらいで済んでないだろう最悪再起不能だ


一体誰なんだ?


ピニドラ「少しお互いを話した方がいいみたいね」


ノビスケ「そうだな」


ピニドラ「まぁ、その前に」カシャ


ポケットからカメラをだして俺を撮る


ノビスケ「ん?」


するとたちまちほぼ全裸から何故か服を着ていた


ノビスケ「うぉ!これは!」


未来の道具だ!すげえ!


ピニドラ「乙女の前でほぼ全裸は駄目よ?」


ノビスケ「乙女?何処に?」


ピニドラ「・・・・・」空気砲装備


ノビスケ「そ、それはマジでやめろ!!もう腕を飛ばされるのは勘弁だ」


ピニドラ「なら発言に気をつける事ね?それともあまりに意識しすぎて緊張したのかな?うっふ〜ん♡」


ノビスケ「うぉおおええ!!」


ピニドラ「・・・・・」空気砲装備


ノビスケ「ドキッ!これは恋だ!」


ピニドラ「よろしい、あ、襲っちゃ駄目よ?」


ノビスケ「はい・・・・」


その後ピニドラからは俺が落ちた後のスネ樹達の事を聞き


俺は落ちた後の事を教えた


ピニドラはみんなとはあまり干渉していないがポケットの中から見ていたらしい


なんかクソ狸をタイムホールに落としたらしい、まみが


流石だ・・怒らせると怖い


そして赤いクソ狸と他にもいるらしいクソ狸と情報交換をして


ピニドラは小さくしてしまった俺を元に戻すように言われたらしい


流石に死なれたらあんなクズでも未来が変わるかもしれないからなと


やはりクソ狸だ


そして俺をマサイ族の生き残りだと思っているらしい


いや、マサイ族はまだ滅んでないから


一通り話は終わった


ピニドラ「なるほどね、北条家の執事にね」


ノビスケ「死にかけていたのを助けてもらったんだ」


ピニドラ「自分がなにしたかは理解してる?」


ノビスケ「それは・・分かってるつもりだ」


ピニドラ「そう、ならいいけど」


ノビスケ「怒らないのか?」


ピニドラ「怒る?正直言うと消してやりたいくらいだけど?怒る程度で終わると?」


ノビスケ「ごめんなさい・・」


ピニドラ「それで?船で貰ったタイムベルトってそれ?」


肩に斜めにかけているベルトを指差す


正確に言うとピニドラは指はないから手を向けているになる


ノビスケ「そうです」


ピニドラ「ちょっと貸してね」


何か調べ始める


ピニドラ「なるほどね」


ノビスケ「何か分かった?」


ピニドラ「これ、時間移動のダイヤルが暗号化されてるね。これじゃあ行きたい時間に設定しても変な所に行くね」


ピニドラ「それにこれ高タイム鉱石が使われてる」


ノビスケ「高タイム鉱石?なんじゃそりゃ?」


ピニドラ「タイム鉱石のさらに上の鉱石よ」


ノビスケ「タイム鉱石事態分からんのだが」


ピニドラ「説明して欲しいなら態度で示しなさい」


ノビスケ「綺麗で可愛くて世界一美しいピニドラさん教えてください」


もし、俺が童話のピノキオなら鼻が数キロ先まで伸びるだろうな


と冗談はそこまでにして大気圏は突破するだろうな


ピニドラ「仕方ないわね」


ノビスケ「ちょろ」


ピニドラ「あぁ?」


ノビスケ「チョロQってもう売られていないのかな?」


ピニドラ「知らん」


ピニドラ「タイム鉱石は時間移動をする時に必要不可欠でタイムマシンの心臓と言っても過言ではない」


ノビスケ「燃料みたいなものか?」


ピニドラ「いえ、どちらかというとエンジンに近いわ」


ピニドラ「でも、これは寿命があってそれは分からない1日で壊れる物もあれば何年も保つのもある」


ピニドラ「それにこのタイム鉱石単体では時間移動は出来ないの高電圧バッテリーとハイオークでやっと移動出来るようになる」


ノビスケ「高電圧バッテリーとハイオクか案外簡単に動くんだな」


ピニドラ「ハイオークねハイオクとは違うから」


ノビスケ「まぎらわし!」


ピニドラ「とにかくタイム鉱石の事は少しは分かった?」


ノビスケ「まぁ、それなりには」


ピニドラ「そして高タイム鉱石は単体でも時間移動が出来るし、永久で使えるの、時間でエネルギーを勝手に補充してね」


ノビスケ「万能だな」


ピニドラ「その代わり扱いが難しくてあまりに危険だから法で道具に使用を禁止されているしかなり貴重で数が少ない」


ノビスケ「危険ってどのくらい?」


ピニドラ「ある学者達が研究中に消えてしまったくらいには危険よ。身体が耐えられず分子レベルまで分解されてしまったらしいわ」


ノビスケ「ぶ、分子レベルって・・このベルトも?」


ピニドラ「そう、使われているわね。だからこの道具は違法よ」


ノビスケ「あわわ!」


ピニドラ「それにしても作りがしっかりしてるわね。暴走しないように回数制限を付けてるし」


ピニドラ「どうやら、2回までなら連続で移動できるけどそれからは1日で1回分溜まっていくみたいね」


ノビスケ「てことは・・明日までは使えないと」


ピニドラ「そうね」


ピニドラ「それにしてもこれを通報すれば金一封が出るかも違法だしね!」


ノビスケ「っ!・・違法・・逮捕・・牢獄・・嫌だ・・もうあそこは嫌だぁあああ!」


ピニドラ「はぁ・・・・」


ピニドラ「黙っておいてあげるから」


ノビスケ「本当に!」


ピニドラ「その代わりに手伝ってね」


ノビスケ「え?何を?」


ピニドラ「あまり時間がないから移動しながら話す。これを付けて」


そう言って黄色いローター(タケコプター)を渡してくる


ノビスケ「何これ?」


ピニドラ「使い方分からないの?ノロマでも理解したのに・・ここに付けるのよ!」


そう言って尻に付けられる


そしてゆっくり尻から上に少し浮く


地面から数センチ浮いてるだけだ


ノビスケ「・・・・・」


ピニドラ「あ、そうか小さいからパワーが足りないんだ」


そう言うとその黄色いローターをさらに3個だして尻に付ける


尻から上に飛び上がる


ズボンが脱げそうだ


ピニドラ「着いてきなさい」


ノビスケ「おい、待て操作が分からんし頭に付けてんじゃねえか!なんで俺だけ尻に付けてんだよ!」


ピニドラ「うるさい、さっさと来なさい。行きたい方向を思えば頭の信号を読み取って進んでくれるから、その為に頭に付けるの」


ノビスケ「進まないぞ!てか、頭じゃなくて尻だ!尻に付いてんだよ!3つも」


ピニドラ「なら尻から行きたい方向を思いなさい!そのくらい分かるでしょ!」


ノビスケ「どうやって!!」


ピニドラ「早くこないと置いて行くから」


そう言って早々に先へ進む


ノビスケ「く、くそ!クソピンク狸が!」


とりあえずどうする?


尻に力を入れ行きたい方向振ってみる


駄目だ・・


尻の筋肉を行きたい方へピクピクさせてみるか


気持ちこっち側に


何故か真逆の方へ向かい出した


どうやら俺の尻は向こうへ行きたいようだ


ある意味懸命な判断とも言える着いていけば確実に面倒くさい事になる


動き出すとバランスをとるのも難しい


ノビスケ「くっ!落ちそうだ」


グラグラ揺れるし尻から飛んでるから前が見にくい


しかも真逆に向かってる


そして最悪の事態が起こる


ノビスケ「あ、」


ズボンが脱げた


そして黄色いローターが着いたズボンはピニドラの方へ向かって行った


ズボンはもうローターの操作を覚えたのか凄いな・・


そんな事を考えながら


俺は落ちた


ノビスケ「うわぁぁああ!!」


ガシッ


と思ったら空中でキャッチされた


ノビスケ「助かった・・誰かは知りませんがありがー・・」


ビッグカマキリ「カマァアア!!」


さっき取り逃がしたビッグライトで大きくなったカマキリだった


よだれが凄いです


そいつは目が潰れている


どうやら最初のカマキリのようだ


なるほどな偶然見つけたわけではなく


復讐か


やばいな・・なにもできない


カマキリの顔が近づいてくる


ノビスケ「ぐっ!!」


腕を前に出して防御するが意味はないだろう


ビッグカマキリ「カマァアア!!」


ドンッ!


ノビスケ「っ!」


噛まれない?目をゆっくり開けると


カマキリの首がない?いや、吹っ飛んだ


ピニドラ「空気砲よ、このノロマ!なんでズボンだけ来てんのよ!」


カマキリは力なく落ちていく


ノビスケ「てことは・・うわぁぁああ!!」


また、落ち出した


ピニドラ「受け取りなさい!」シュッ


ロープが投げられそれを掴む


ノビスケ「助かった・・でも、これは手が痛い早くそのローターを」


ピニドラ「ローターじゃなくてタケコプターね」


ノビスケ「早くしてくれ!ロープを掴んでるだけでもきつい!」


ピニドラ「ほら、じっとしてなさいよ」


投げられたタケコプターが頭に当たり


ノビスケ「いてっ」


尻に付く


そんなに尻が好きなのか?


とにかくそれで浮き出した


ロープで引いてもらう事で目的地へ着いた


ズボンは返してもらい履いた


そこにあったのは


ノビスケ「タイムマシンだ」


ピニドラ「わたしが頼まれたのはタイムマシンの回収よ一人じゃ難しいから貴方を使うようにって」


ノビスケ「断ったらどうするつもりだったんだ?」


ピニドラ「桃太郎印のきびだんごがあるから問題ない」


ノビスケ「なんかどんな道具か予想できてしまうな・・使わないでよ?」


ピニドラ「ちゃんとやってくれたらね」


ノビスケ「で?これをどうするの?見た感じ動きそうにはないが」


ピニドラ「ポケットに入れるのよ」


そう言って自分のお腹に付いてるポケットを指差す


四次元ポケットだっけか?なんでも入るポケットだ


でも、まず入り口から入らないと思うが


ピニドラ「解体してその部品を分けてポケットに入れる」


ノビスケ「面倒くさ!なんとかライトを使えよ。あの小さくなるやつを」


ピニドラ「壊れた誰かさんが無茶な使い方するから」


ノビスケ「はぁ・・・」


ピニドラ「やってくれたら女の元へ連れて行ってあげる」


ノビスケ「アヤカさんの事か!」


ピニドラ「さぁ、早くして急がないと・・あまり時間はないよ」


ノビスケ「分かったよ」


壊れたタイムマシンの前に立ち状態を見る


操縦席の横側が大きく凹んでいる


まるで思いっきり蹴ったようだ


ここから鉄板を剥がして中の機械部分を取り出すか


ノビスケ「やはり素手では無理か、工具はないのか」


ピニドラ「ふむ・・・・」


何かのレーダーのような物を見て唸っているようで聞こえていないようだ


ノビスケ「ピニドラなにを見てんだ?」


ピニドラ「ん?ちょっとね。それより終わった?」


ノビスケ「ただでさえ機械の技術なんて皆無なのにすぐ終わるか。工具ないと無理なんだが」


ピニドラ「あ、そタイムマシンの後ろ側に工具箱が付いてる筈よ」


ノビスケ「お、あったこれだな」


ドライバーやレンチにハンマー


それ以外は何が何だか分からない工具だ


とりあえずドライバーを鉄板の隙間に差し込みハンマーで奥まで打ち込む


鉄板が取れた


なにかオイルのような物が顔にかかる


凄く臭い


ノビスケ「・・・・最悪だ」


配線がビリビリいっている


これはやばい


ノビスケ「にげー」


ビリビリビリビリ


ノビスケ「うぎゃぁあああ!!」


感電した


ピニドラ「っ!どうしたの!しっかりしなさい」


ノビスケ「」


ピニドラ「心臓止まってるし!ノロマでも死んだらお終いでしょ!起きなさい!」


ピニドラ「死ぬな!戻ってこい!!ノロマァアア!ドラ電流!!」ビリッ


ノビスケ「ぐはっ!」


ピニドラ「あ、戻ってきた」


ノビスケ「げほっ!ごほっ!なんか一瞬三途の川が見えたような」


ピニドラ「気のせいよ。ゴム手袋使いなさい」


ノビスケ「あ、あぁ、ありがと」


少し寝てしまったようだ


気を取り直して鉄板を剥がした後の機械を見てみる


配線がビリビリいっている


これは危ないな当たったら下手すれば死ぬかもしれない


気をつけないと


ノビスケ「う〜〜ん・・分からん」


何処から手をつけていいか分からない


とりあえず外せそうなやつから片っ端に外していくか


ノビスケ「長くなりそうだ・・はぁ・・・」


ーそれから数時間後ー


やはり整備士でもないのに解体なんて出来るわけもなく


ただ時間だけが経つ


ノビスケ「もう無理だ!!こんなの出来るわけないだろ!ボルト一つ見つからん!」


ピニドラ「もう、本当にノロマね。仕方ない、これを使いなさい」


スモールライトを渡される


ノビスケ「・・・・・おい」


ピニドラ「修理したのよ」


ノビスケ「なら修理出来た時点で・・」


ピニドラ「貴方を立ててあげようとしたんだけど逆効果だったね」


ノビスケ「ほら、小さくなったぞ!さっさとポケット中に入れろ」


強引にポケットに入れる


ピニドラ「きゃ、強引な男は嫌われるわよ!!この変態!」


ノビスケ「なんで変態になんだよ!」


ピニドラ「乙女のポケットに無理矢理入れるなんて変態じゃないの!」


ノビスケ「乙女?誰が?何処に?ここにいないことは確かだな!」


ドンッ


何かが頬をかする


後ろの木に穴が空いている


ノビスケ「・・・・・・・」


ピニドラ「乙女よね?」


空気砲を持ってそう言うピニドラの顔は狂気に満ちていた


ここで違うだろなんて言えば俺はカマキリと同じ運命を辿ることになるだろうな


ノビスケ「ここにいました。はい、すみません」


ピニドラ「そうよねここにいるもんね!」


ノビスケ「はい!います」


ピニドラ「襲っちゃダメよ?」


ノビスケ「正直理性を抑えるので精一杯です(殴りてぇ!)」


ピニドラ「が、ま、ん、よ」


ノビスケ「はい!(俺はなにをしてるのだろうか・・)」


とにかく話を変えようじゃないと俺が持たない物理的な意味で


ノビスケ「とにかくここでやることは終わったしアヤカさんの所へ連れて行ってくれ」


ピニドラ「それはいいけど、どうするの?このまま他のみんなと合流するの?」


そうか、そうなるとスネ樹達にも会うことになるのか


このまま合流してタイムマシンを直して帰ればとりあえずは過去を変えてしまう事はない


俺たちの時代でも色々とあるがそれは俺たちがどうにかする事が出来る


過去ではもう決まった未来がある


俺が手を加えてしまって変わってしまった未来もあるだろう


でも、アヤカさんを元の時代へ返して


これはしちゃいけないのかもしれないけど


セリナを助けて


せめてそれが終わるまでは


俺は


北条家の執事だ


日にちを決めてそれまで・・


ノビスケ「まだ、合流は出来ない」


ピニドラ「あの女を返すの?確か船で寝てたのよね?本来なら死んでんじゃない?」


ノビスケ「かもしれない・・」


ピニドラ「なら、始末しないとね?あの女を」


ノビスケ「でも・・まだ」


ピニドラ「手伝ってもらったし私がやってあげるわ」


ピニドラ「どうせ海の底なら死体が見つからなくてもおかしくないし」


ノビスケ「やめろ!!」


ピニドラ「ならどうするの?まさか生かすの?貴方の勝手で」


ピニドラ「そんな事させると思う?」


空気砲をこちらへ向けて言う


これは威嚇ではない殺気もある


本気だ


ここで言えば間違えなく殺される


流石ロボットと言えるか感情に左右はされない


まだ、そのくらいの未来では人間の複雑な心情を作る事は出来ないという事だろう


ピニドラ「人1人が及ぼす影響は凄く大きい長い年で見れば何百いえ、何千、何万という人の生き死にが関わる」


ピニドラ「貴方の勝手で何万の人を殺す気?」


ノビスケ「でも、殺すなんて・・出来ない!」


ピニドラ「1人の命と何万人の命を同じにする気?」


ノビスケ「そうは言ってない!それに逆だってあるだろ!」


ピニドラ「確かに彼女が生きる事によって助かる人達も出るでしょうね」


ノビスケ「なら」


ピニドラ「なら、その人の為に本来助かるはずだった人には我慢して死ねってこと?」


ピニドラ「全員なんて助けられないし助けてはいけない。それはこの先の未来やバランスを崩してしまうからよ」


ピニドラ「いい?誰かが生きるということは代わりに誰かが死ぬという事よ」


ノビスケ「それでも・・・・」


ピニドラ「選びなさい1人の命を選ぶかそれとも何万人の命を選ぶか」


ピニドラ「返答によっては・・・」


ノビスケ「・・・・・・」


ピニドラ「答えない・・それが貴方の答えね。最悪ね」


ピニドラ「いつか貴方は選ばないといけなくなった時選べず両方を失う。いい気味ね」


ノビスケ「なら・・どうすれば!どうすればいいんだよ!!」


ピニドラ「なに?逆ギレ?そのうえ答えまで求める・・がっかりね」


ノビスケ「くっ!」


ピニドラ「じゃあ、私は行くわね。もう顔も見たくないしね」


そう言ってピニドラはタケコプターで飛んで行ってしまった


俺は置いていかれた


殺されなかった事を喜べばいいのか?


違うだろ!なんだよ!なんでなにも言えないんだよ!


自分に腹が立って仕方がない


ノビスケ「アヤカさんは大事な友達で・・でも、その為に他の人を犠牲になんて出来ない・・どうすれば」


考えても答えなんて出ない


いや、出てはいるのかもしれない


でも、それは俺の望まない


1人と万人こんなの誰に聞いても答えなんて同じだ


どうすればいいんだよ・・・


なんでこんな時は黙ってんだよ!赤でも青でもいい教えてくれ!


ノビスケ「何か言えよ!!」


返答はない・・・・


ノビスケ「・・・・なんだよ」


じっとしていても仕方がない


浜を目指して歩き出した


さっきまで暗かったのが明るくなっていた


どうやら俺はずっと機械いじりで一夜を明かしてしまったようだ


どうりで眠いわけだ


頭がぼーっとして


身体が休めや!とはやし立てる


少しだけ・・眠ろう


起きたらきっと


また、頑張れるから


木にもたれ掛かり、そっと目を閉じた


再び目を開けた時それは・・


ノビスケ「っ!冷た!」


ノビスケ「え?なんだこれ!」


腰のあたりまで水が来ていた


ノビスケ「いつの間に浜に出たんだ?いや、でもまだここは・・」


ノビスケ「少しずつ水かさが増してるような・・どうなってんだよ!」


ノビスケ「とにかく上へ逃げないと!」


本来の目的と逆の方へ走り出し


ギリギリ登れそうな急斜面を登る


何かが滑ったような跡がある丁度下にタイムマシンがあった事からここをタイムマシンが滑ったのだろう


ごつごつとした地面の悪いなか足を持っていかれないように気をつけつつ上がっていくと


大きな岩があった


そこには血がついていた


ノビスケ「みんな無事なんだよな」


誰一人欠けていない事を祈りたい


そして、水は更に上がってくる


ここでやっと気付いた


あのベルトが壊れてしまい場所も移動したのかと思ったがそうではなくて


場所は変わらない・・でも、時間は変わる


当たり前の事だ


この島はあの時代ではもう沈んでしまっていた


俺は運良く沈む前の島に時間移動しただけだ


場所は変わっていないんだ


ノビスケ「でも、今沈むなんてな・・最悪だ」


最悪、ベルトで更に過去へ行くしか


しかし、ベルトのエネルギーが溜まっていない


それにこのダイヤルは普通に動かしても行きたい時代には行けない


今できる事は


ノビスケ「とにかく上へ逃げないと!」


この島の山の頂上へ


頂上へ着く


ノビスケ「はぁ、はぁ・・着いた」


波の音が近い?


ノビスケ「まじかよ・・・」


登るのに夢中で見ていなかったがほとんどが沈んでいた


もう山の頂上部分が海からひょっこりと顔を出しているだけだ


ノビスケ「時期にここも・・」


それは遠くない


数時間か


いや、数十分か


数分か・・・・


ノビスケ「もっと!もっと上に」


山の頂上にあった電波塔を見上げる


そして・・・


電波塔の一番上に着いた


ノビスケ「救助なんて来ないよな・・」


もうここもあと少しで沈む


上がればどうにかなると思ったが


どうにもならなかった・・・


ここで死ぬのか


アヤカさんもセリナも守れるずこのまま・・・


ノビスケ「・・・・・・」


一人と一万人


悩む方がおかしいんだ


選べるわけなんて・・・・でも


もし、これがスネ樹達なら・・・


俺は・・・一万人を選ぶのか?


いや、そんな事は


でも、そうなると一万人が


ノビスケ「なんだよ・・・」


分からなくなる


俺はなにがしたいんだ?


俺は何の為に強くなりたかったんだ?


ノビスケ「もう目の前で大切な人達が死ぬのを見たくない」


大切な人達を場所を守りたい


そう思ったからじゃないのか?


ノビスケ「そうか・・・答えは出てたんだ」


ただ、言い方を変えられたから錯覚していたんだ


大切な人を場所を壊そうとする奴らが一万人になっただけだ


俺は正義の味方じゃない執事だ


執事なんだ


ノビスケ「俺はアヤカさんもセリナも助ける!一万人だろうがそんなの知った事か!俺は」


一万人よりも一人を選んだ


ノビスケ「なくしたくない!その一人を」


その時空から声がする


そこにはピニドラの姿が


ピニドラ「ロープに掴まりなさい」


ノビスケ「ピニドラ!」


ピニドラ「もう、世話の焼けるノロマね」


こうして俺は島を脱出した・・と


なる事を予想して大きな声で自分の決意を叫ぶが・・


ピニドラの姿は現れず


波の音だけがどんどん近くなって行く


ノビスケ「俺は!!一人を選ぶぞぉおおお!!」


山彦のように声が反響する


誰も来ない


ノビスケ「まさか・・本当に行っちゃったのかよ・・」


折角自分の気持ちを再確認出来て


覚悟も決めたのに


それを生かせず俺は死ぬのかよ


ノビスケ「くっ!嫌だ!嫌だ!!助けてくれ!ピニドラ!執事長!メイド長!!ハル!!セリナ!!」


ここにいるはずもない人を叫ぶ


もしかしたらと期待を込めて


でも、来ない


船もヘリもなにも来ない・・・・


ノビスケ「嘘だろ・・・こんな最後って・・」


その場にへたり込む


もう電波塔の半分が水に浸かっている


電波塔がなかったら終わっていた


もっとも・・寿命がほんの少し伸びただけだった


ノビスケ「・・・・はぁ」


なんか落ち着いてきた


溺死って苦しいのかな・・・


ノビスケ「もう、いいかな・・」


俺は完全に諦めた


倒れこみ空を見上げる


綺麗な空だ


ノビスケ「そういえばセリナとまた遊園地に行くって約束・・・執事長と香水を買いに行くって・・メイド長と格ゲーやるって・・ハルと・・ハルはないや・・」


結局ハルが俺を避けるようになってそれからいなくなった


帰っては来ると言ってたけど


このまま別れるのは・・寂しいな


生きたいな・・・・


ノビスケ「足掻いてみるか?最期の最期まで」


考えろ


なにか


なにかあるはずだ


これは電波塔・・っ!


ノビスケ「電波塔なら電波塔を発信する為のものが」


電波塔のスイッチボックスのようなものがあった


ノビスケ「南京錠で開けられないようにされてるな」


もしこれが電波発信装置なら


動いてくれるなら


外部の人間に知らせる事が出来るかもしれない


止まってる筈の電波塔が動き出すんだ


必ず確認をする筈だ


ノビスケ「南京錠をどうにかしないとな」


手では外せないか・・当たり前だ


でも、錆びているから強い衝撃があれば


ノビスケ「生憎ナイフもなければここには何もない」


あるのはタイムベルトだけだ


壊れるかな?まぁいいや


ノビスケ「ワァタ!!!!」バチン


ベルトを鞭のようにして叩く


変な音がするが気にせず叩く


南京錠は取れた


ボックスを開ける


いろいろごちゃごちゃしているが、こういうのは大きなレバーっぽい奴を上げれば


ノビスケ「これかな?」ガチャン


ビリビリビリ


ノビスケ「あばばばば!!!」


プツン


ドカーーン


ノビスケ「うぎゃぁああ!!」


一瞬作動して一瞬で止まった


俺は吹き飛ばされ電波塔の外の海へ


ノビスケ「」


考えたら分かることだ


沈む事は多分もうみんな知っている筈だ


だからここには人がいない


なら電気を通す意味もない


今のは残留電気だったんだ


海の水に浸されている状態でここら全体に電気が流れ俺は感電してしまった


海水は電気をよく通す


これで普通に動く筈なんてない


もう、本当に出来る事は終わった


と言うより身体が動かない


海へ投げ出されそのまま浮いた状態で麻痺してしまったのか


まるでこれでは死んでいるようだ


水中に顔をつけている状態だ


もう長くは持たない苦しい・・でも、身体が


動いてくれ!頼む!!


ノビスケ「っ!!」


こんな・・・最期って・・・


執事長、メイド長、ハル、セリナ、まみ、まゆ、メイド、スネ樹、お嬢姉・・・・クソ狸・・


ごめん・・・・


俺は・・・


ゴォオオオオ!!


海の底から何か音がする


それは段々と大きくなる


あれは!


ドーーン


ノビスケ「ごふぉっ!!」


ぶつかった


身体が動くようになった


ノビスケ(当たっておいて!なに沈んでんだよ!)ガシッ


俺はすぐさまその当たった奴を掴んだ


ーーーーーーーーーーーー

ーーーーーーー

ーーー


時は遡り


ー数時間前ー


島が沈む前


ピニドラはノビスケにタイムマシンを解体させている時調べている事があった


それは今回の任務、タイムマシンの回収より最優先される事だ


ドラえもんの発見


ドラえもんからはミニドラ達しか分からない周波を出している


それがレーダーに映るのだ


レーダーを見てピニドラはこのレーダーは壊れていると決めた


何故ならレーダーは今ピニドラの居る場所を指しているからだ


何処にもドラえもんなんかいなかった


ピニドラ「一応報告しておこうかな」ちらっ


ノビスケ「ぐぬぬぬ!!硬い!!」


ピニドラ「あいつには言わなくていいか」


そしてさらに時は遡り


ー数百年前ー


この島がまだ他の大陸と繋がっていた頃


この辺りには二つの部族があった


その部族はお互いに仲が悪く


喧嘩が絶えませんでした


さらにはお互いの領土を取り合う


取って取り返してまた取ってが繰り返されていました


その二つの部族領土の端の方に小さな村があり


戦いを望まない人達が暮らしていました


その村には神様と呼ばれるものが祀られていた


ある時何もない空間から突如現れたそれは


村の人々から神様と崇められた


村の端に置かれているそれは青い狸のような猫型ロボットだった


未来では一部の人間からクソ狸と呼ばれている


毎日のように村の人々は神様の前に果物をたくさん置いていた


そして戦いの無い世界を祈った


クソ狸(困った・・・・・)


クソ狸(動けねぇ・・・)


あの時まみに尻尾を引っ張られて電源が切れたと思っていたが


引っ張りが足りなく待機保持モードになってしまっている


待機保持モードとは最低限のエネルギーで身体を保持して意識だけがある状態だ


こうなると身体は動かない電源が切れてるのと変わらない


もう一度尻尾を引っ張れば元に戻るが


この人達は俺に触れようともしない


毎日神と崇められ食えない果物を置いてく


勿体無い


そして・・・・


村の人達が果物を持ってくるまでの時間は以外は神聖な場所らしく人は立ち入らない


だけどいつもこの時間になると


少女「誰もいないかな?」


一人の少女がやってくる


こいつはいつも一人でやってきては俺に話しかける


つまらない事や村の事や悩みまで


そしていつも最後に


少女「〜〜♪」


歌を歌って帰るのだ


少女の名はササラ、どうやら他の部族の子らしい


いつもこっそり来てこっそり帰る


正直うるさいし歌も下手だしうざかった


だけど・・気付くと俺はその子をいつも待っているようになった


クソ狸(そろそろ来る時間か・・前に言ってた事はどうなったんだろうな)


ササラ「誰もいないよね?・・こんにちは神様さん」


クソ狸(おう、よく来たな)


ササラ「えっとね・・昨日言ってた事なんだけどね」


たわいも無い会話だ。向こうの一方的な


でも、退屈な俺にはそれが楽しみだった


そして時が経つほどにササラも成長していく


そうして数年が経ち


まるで俺は父親のようにその成長を喜んだ


毎日来る事はなくなったが


たまに来てくれる


それが俺にはたまらなく嬉しかった


ササラ「こんにちは神様さん」


クソ狸(・・・生傷が増えてるな)


ササラのいる部族達は喧嘩の絶え無い場所で


ササラも戦っているのだ


だけどサララは


ササラ「いつまで続くのかな・・こんな無駄な争いは・・なんでみんな仲良く出来ないのかな?」


クソ狸(人はそうしないと自分を保てないからさ・・辛い事だが)


ササラ「本当はあんな村逃げだしたいよ・・でも」


クソ狸(家族がいるだろ?たった一人の弟を守るって言ったろ?だけど・・)


ササラ「弟はほっておけないし」


クソ狸(この村なら・・弟とここに来いよ。きっと受け入れてくれる)


ササラ「そろそろ時間ね・・あ

、忘れてたね。今日も歌うね」


ササラ「〜〜♪」


ササラの歌もかなり上達してきている


ササラの歌は俺の薄汚れた心を溶かしてくれる


この時代に日にちなどは無いが約一ヶ月経った


ササラが現れない


嫌な予感が胸を過る


動きたい動いて確かめたい


ササラに会いたい


ササラの歌を・・・聴きたい


それからさらに半年後


ササラが現れた


ササラ「・・・・・・」


クソ狸(よく来た!心配したんだぞ!)


でも、ササラは喋らない


クソ狸(どうした?そんな悲しそうな顔をして)


ササラ「・・・・・・・」


クソ狸(ササラ?・・っ!!)


ササラの首に大きな傷があった


きっと戦いで負った傷なのだろうが


喉を潰されたのか!


ササラの身体には前以上に傷が多かった


もう前までの綺麗な肌や瞳はなく


ただ、悲しそうに俺を見ていた


そして痛々しそうに喋った


声は小さく苦しそうだったけど


村が襲撃され弟も殺され敵の捕虜にされ


毎日のように・・・辱めを受けていた


隙を見て逃げだしたらしい


それを聞いて俺は怒りに震えた


ふざけやがって!!ササラの綺麗な声を瞳を肌をよくも!!


そしてササラは俺に初めて触れた


そしてずっと泣いていた


俺はただそれを見ているだけだった


そして・・・・ササラは村の人達にばれてしまった


彼等ならササラを保護してくれるに違いない


ササラこれで苦しまずに済むぞ


そう思ったが・・・


村の人々は怒っていた


他の村の奴だと言うのもあるが神様である俺に触れていた事が彼等の逆鱗に触れたらしい


ササラは捕らえられ


俺の目の前からいなくなった


ササラはどうなったんだ?


ササラ・・・ササラ・・


久しぶりにササラの姿を見た


前よりもボロボロになっていた


クソ狸(お前ら!!なにしてんだ!!)


そして村長が言った


村長「神に触れた此奴を処刑する。そうすれば神は怒りを鎮められる」


クソ狸(やめろ!!逆だ!そいつに手を出したら!!許さんぞ!)


ササラ「・・・・さようなら」


両脇にいる村人が槍をササラに


クソ狸(やめろ!!やめんかぁああああ!!!)


ザクッ


ササラ「っ!!」


彼女に槍が刺さった


クソ狸(っ!!)


クソ狸(うぉおおおおおお!!!)


俺の身体のセンサーが警告をだす


お前は保持モードなんだと


しかし俺は動こうとした


センサーがそれを許さない


動くなと


村長「首を切れ」


プツン


センサーが壊れた


クソ狸「てめぇら!!」ビリビリビリ


村長「神様が!!」


村人達が怯える


村長「神よ!此奴は死にました。もう怒りをー」


クソ狸「そいつに触れるなぁあああ!!」ビリビリビリビリビリビリ


もうなにも考えられなかった


この村の人達も他の部族の奴らのことも


ただ、怒りでいっぱいだった


何が神様だ!何が争いのない村だ!何が!何が!!


怒りでどうにかなりそうになりながらササラの元へ向かった


クソ狸「ササラ・・ごめんな」


ササラを優しく抱き抱えた


まだ生きていた


クソ狸「っ!」


ササラ「神様・・・」


クソ狸「喋るな!今治してやる」


もう未来や過去など考えられず四次元ポケットに手を


クソ狸「ない!そうだ!まみが!」


四次元ポケットはまみが持ってるんだ


くそっ!俺の失態だ


ササラ「怒ら・・ない・・・で?神様」


クソ狸「くそっ!こんな神様が居てたまるか!一人の女の子も救えない!くそ・・」ポロポロ


こんなに無力感を味わうのは初めてだ


こんなに何も出来ない自分に腹がたつのは・・


初めてだ


クソ狸「ごめんな・・ごめんな・」


腕の中で確実に弱っていくササラを撫で続けた


ササラは凄く幸せそうな顔をして


ササラ「ササラ・・・です」


クソ狸「知ってるっての毎日嫌と言う程聞いた・・楽しかったよお前の話し・・」


ササラ「良かっ・・た・・神様」


クソ狸「神様じゃねぇよ・・ドラ・・」


ドラえもんか・・・なんでも出来る高性能ロボット


今の俺はその名に相応しいか?クソだな


クソ狸「クソ狸だ・・」


ササラ「・・・・・」


ササラ「クソ・・狸・・さん」


クソ狸「ん?なんだ?」


ササラ「ありがと・・・ね・・」ニコッ


その笑顔は今までで一番綺麗だった


その言葉を最後にササラは動かなくなった


ゆっくりと開いたままの目を下ろす


クソ狸「よく頑張ったなササラ今解放してやるからな」


汚れた傷だらけの身体から


また、綺麗なササラになるんだ


今度は争いのないそんな世界にな


クソ狸「ドラここにありて全ての生きる者の頂点なり」ゴォオオオオ!


クソ狸「争いのない世界を想像せし者」


クソ狸「これで最後だ・・狸の歌を聴いてくれ・・」


クソ狸「その者世界の平和を望みし清く儚い歌その姿咲き誇るが如く花のように」


クソ「その強き心は時とし牙を持つ戦士へと」


クソ狸「されど蘭のように優雅にそして真の平和を望む者なり」


クソ狸「歌姫は永久に願わん」


ストン


ゆっくりと拳を地面につける


クソ狸「ドラ、ザ、インパクト・・・咲冴蘭(ささら)」


クソ狸「さよならだ」












その付近の大陸の半分が音もなく静かに吹っ飛んだという


その威力はササラの誰よりも強い心のように


そして音のない爆発はササラの望んだ静かな世界を連想させた


音もなく静かにされど威力は絶大


ドラ、ザ、インパクト咲冴蘭


すべての力を使いきった最初で最後の技


そしてドラえもんはまた深い眠りに入った


それから数百年後


ん?


久しぶりの光だ・・眩しいな


どうやら俺は海の底にいるらしい


あれから何年経ったんだろうな


いや、何十年かもしれないな


エネルギーもないし・・これで終わりかな


ふっ・・助けられなかった


それだけじゃなく未来を大きく変えてしまったかもしれない


そういや、あいつらは結局助けに来なかったな


まぁ、探しても簡単には無理だろうしな


ササラ・・・のび太・・ノビスケ・・すまない


ビリビリビリビリビリビリ


「あばばばばばば」


ドカーーン


何か間抜けな声と爆発音が聞こえたなんだ?


ビリビリビリ


うぉお!痺れるぜ


ピッ


ん?


身体が動くぞ!


まだ、壊れるわけにはいかねえって事か・・ふっ


いくぞ!!


ゴォオオオオ!!


クソ狸「急速上昇!!」


ドン


「ごふぉっ!」


誰かにぶつかった?


あ、また動かなくなった沈む!


ガシッ


誰かが俺を掴む


誰だ!


クソ狸「っ!」


ノビスケ(当たっておいて!なに沈んでんだよ!)


クソ狸(バカか!お前沈むぞ!)


ノビスケ「っ!」


ノビスケ(重い沈む!)


しかし、沈まずに上がった


ノビスケ「ぶはぁ!死ぬかと思ったってなんで飛んでんだ!」


尻を見るとあの黄色いローターが付いていた


そして腰あたりをピニドラが掴んでいた


ピニドラ「手を離すんじゃないよ!!」


ノビスケ「遅いっての!死んでたぞ!」


ピニドラ「仕方ないでしょ!迷ったのよ!こんなに早く沈むなんて思ってなかったのよ!」


ピニドラ「それより!ドラえもんさんを離したらノビスケも離すからね!」


ノビスケ「凄く重い・・・」


ピニドラ「我慢しなさい。男でしょ!」


ノビスケ「ぐぐっ!」


ピニドラ「褒めてあげるわよ。ドラえもんさんを見つけたんだから」


ピニドラ「ノロマではないって認めてあげる」


ピニドラ「とりあえず電波塔に降ろすわよ」


電波塔に降りた


ノビスケ「重かった・・・」


ピニドラ「ココ以外は全部沈んでるわね」


ノビスケ「本当にビックリしたんだぞ?なにしてたんだ?まさか本当に」


ピニドラ「なわけないでしょ?流石にこの時代の人間をこのままにはしないわよ。少し散歩してたのよ一人で考える時間も必要でしょ?」


ノビスケ「沈むって事は知ってたんだよな?」


ピニドラ「えぇ、でもまさかここまでと早いとは思わなかったわ」


ノビスケ「で?迷ったと?」


ピニドラ「・・・そうよ」


ピニドラ「一瞬だけ電波を受信してね。それで来れたのよ」


ノビスケ(電波受信するんだ)


ピニドラ「まぁ、少しだけ謝ってあげる。ご、め、ん」


ノビスケ「はは、もういいよ(殴りてぇー!)」


ピニドラ「さて、答えは後で聞くわ。その前にざっと見た感じ壊れてる所が多過ぎるわね。可哀想に」


ノビスケ「完全に青の塗装は抜けてるな錆だらけだし」


ピニドラ「とにかくここを出ましょお願いね」


ノビスケ「また持てと?」


ピニドラ「当たり前よ」


ノビスケ「スモールライトで小さくしろよ」


ピニドラ「そんな事出来るわけないでしょ!恐れ多いわ」


ノビスケ「しろ!」


ピニドラ「嫌よ!」


ノビスケ「このままじゃ本当に再起不能になるぞ?いいのか?」


ピニドラ「くぅ〜分かったわよ」


それから俺たちはアヤカさんのいる病院へ向かった


答えを言った時ピニドラに空気砲を突きつけられたが答えを変えず考えてる事を話したら


ドラえもんさんの事がなかったら殺してたわよと言って見逃してくれた


本当は最初からそうするつもりだったんじゃないかと思ったが


考え過ぎか


ドラえもんの事はまだみんなに話さないらしい


ピニドラは治してからにしたいと言っていたが見つかった事くらいは話してもいいと思うが・・


ノビスケ「なぁピニ・・・・」


ピニドラ(治して褒めてもらうのは私よ。ふふふふ)ゲス顔


ノビスケ「・・・・・・・」


この事に関して触れない事にした


病院へ着いた


ここにスネ樹達がいる


ピニドラ「私は病院の外で待ってるから女を連れて来なさい」


つまり今は一人だ


緊張する


病院の人に聞いてみるがアヤカと言う子は入院していないらしい


ノビスケ「ピニドラの奴嘘つきやがって!」


看護士「あ、でも、貴方の言うような人で名前の分からない子なら」


ノビスケ「その子です!」


考えば分かる事だ


アヤカという名前を知ってるのは俺だけなんだ


案内され部屋へ向かう


退院手続きを済ませて


無保険というものの恐ろしさを知った


部屋には誰もおらずアヤカさんが眠っていた


ノビスケ「無事で良かった・・」


今はスネ樹達の所へ帰れないなら会わない方がいいだろう


ここに手紙を置いて立ち去ろう


そうしようと思った時足音がする


スネ樹達だ


どうするか考えた結果窓から


ノビスケ「あ、無理だ・・・」


スネ樹「失礼します、っ!」


ノビスケ「ん?」


ばれてしまった・・


まみ「あれ・・・・」


まゆ「ノビスケくんだよね!」


メイド「ノビスケ・・・」


ノビスケ「みんな・・無事で良かった」


みんなが無事な姿で安心した


数ヶ月会わなかっただけなのに凄く久しぶりな気がする


帰ってこれたんだみんなの所に


お嬢姉「ノビスケくん!」


でも・・・・


ノビスケ「でも今はごめん!」


窓から飛び降りるのは諦めて


アヤカさんを抱えて部屋を出ようとする


ミニドラ「ん?・・・ちっ!また無駄な仕事増やしやがって」


ピニドラが言っていた赤いミニドラだ


信用していいんだよな?


ノビスケ「悪いね、そうしなきゃいけない程の理由があるんだ」


ミニドラ「言っておくが高くつくぞ?」


ノビスケ「うん、わかってるよ。だけどあと少しみんなを頼む」


ミニドラ「その女と関係があるのか?」


ノビスケ「いや、ないとは言えないでもただ巻き込まれただけなんだ」


ミニドラ「そうか、わかったこっちもどうにかしてみる。あいつは好きに使ってくれ役に立つ」


あいつとはピニドラの事だろうか


ノビスケ「あぁ、ありがと」


スネ樹「ノビスケさん・・」


ノビスケ「スネ樹いい顔になってるよ。みんなを頼む」


スネ樹「帰ってくるんですよね?」


ノビスケ「いや、帰っては来ない」


正確には帰ってこれない・・


スネ樹「っ!そんな・・」


ノビスケ「帰ってはこれないんだ。だから頼む」


スネ樹「そんな・・そんな・・」


まゆ「ノビスケくん・・もう私達は・・」


ノビスケ「それは違うよ」


まみ「じゃあ、どう言う意味なんですか!」


ノビスケ「それは今は言わないほうがいいだろう」


混乱させてしまうかもしれないし


それに、これは俺の我儘だ


殺気のこもった視線を感じた


それがメイドだとすぐ分かった


ノビスケ「メイド」


メイド「・・・・・」


ノビスケ「メイド?」


メイド「・・・・・・」


ノビスケ「・・・ごめん」


メイド「ぐっ!」


スネ樹「メイドさん!」


メイド「・・・何でもありません。お気をつけてノビスケさん」


ノビスケ「・・・・・うん」


お嬢姉「ノビスケくん」


ノビスケ「身体は大丈夫か?」


お嬢姉「うん、気をつけてね」


ノビスケ「あぁ、じゃあ行くね」


ノビスケ「本当にごめん・・」


それから部屋を出た


長く居ては俺の決心が鈍ってしまうから


帰りたいと・・思ってしまうから


メイドのあの視線は怒りとかそんなんじゃなかった


もっと奥にある殺気・・・


ノビスケ「メイド・・俺はなにをしてしまったんだ・・」


残る不安と二枚のメモを残して病院を出た


メモの一枚目は領収書だ。未払いのね


いきなり頭突きをかましてきた赤いミニドラへのプレゼントだ


まぁ、それ以外の理由もあるけどな


二枚目はあの船の事件から二週間後の夕方にタイムマシンで迎えに来てくれと書かれた紙だ


住所も時間も書いた


船からセリナを助けた後二週間で別れを済ませて


終わらせようと思う


勿論別れを済ませると言ってもセリナ達には黙ってだけどね


せめて俺がいなくなっても困らないくらいにはしておきたい


さて、帰るかセリナの元へ


ノビスケ「帰ろうピニドラ」


ピニドラ「そ、そうね」


ノビスケ「このタイムベルトの操作を頼めるか?分からなくてな」


ピニドラ「・・・ん〜嫌よ」


ノビスケ「なんでだよ!」


アヤカ「うるさいわね・・」


ノビスケ「なんでこんな時に目覚めるんだよ・・空気読めよ」


アヤカ「あれ?私・・え?・・なんでおぶってんのよ!降ろしなさい変態!!」


ノビスケ「暴れるなって分かったから」


アヤカ「いたっ!靴がないのに地べたに降ろしてんじゃないのよ!」


ノビスケ「降ろせって言ったじゃん・・」


アヤカ「うっさい!おぶりなさいよ!」


ノビスケ「はぁ・・・」


ピニドラ「とりあえず着いてきなさい落ち着ける場所を確保してるから」


ノビスケ「あぁ、そうさせてもらうよ」


アヤカ「何処に連れて行くつもりよ!ここは何処よ!」


アヤカさん・・完全にキャラがぶれてるぞ・・


うるさいお姫様をおぶりながらホテルの一室へ


と言ってもここは閉館してしまったもう使われていないホテルだけどね


だから中はそれなりに汚い


ノビスケ「勝手に入って良かったのか?」


ピニドラ「お金あるの?」


ノビスケ「ないです。アヤカさん大丈夫?」


アヤカ「え、えぇ・・・」


当然閉館してしまってるホテルだから入る事は普通なら出来ないが


タケコプターを使い窓から入った


ピニドラが俺を掴み誘導して俺はアヤカさんを落とさないように掴んでいた


その時アヤカさんはずっと震えていた


ちょっと可愛いと思ってしまった


まぁ当たり前だが・・大人しくなったしいいか


アヤカ「ね、ねぇ、貴方達は何者なの・・・」


完全に警戒されている


ピニドラ「それでノビスケは帰りたいのよね?」


それを気にせず話を続けるピニドラ


ノビスケ「そうだ」


俺もそうする事にした


アヤカ「ね、ねぇ!」


ピニドラ「うるさい女ね!未来人ですが?それがなにか?」


ノビスケ「なにばらしてんだよ」


ピニドラ「うるさいから仕方ないでしょ」


アヤカ「未来人・・・・本当なの?ノビスケくん」


ノビスケ「・・・・あぁ」


アヤカ「お願いどうなったか教えて次はちゃんと話を聞くから」


不安そうな顔から何かを決心した顔になる


受け入れようとしていた


タケコプターの影響が大きいのだろう


ノビスケ「・・・ピニドラ」


ピニドラ「勝手にすれば?」


ノビスケ「話すけど約束して欲しい。ここで聞いた事あった事は絶対に誰にも言わないと」


アヤカ「・・・分かったわ」


ノビスケ「俺はアヤカさんがいる本来の時間からはっきりはしないけど16か17年くらい先の未来から来た」


アヤカ「へ?もっと遠い未来を想像したんだけど・・その頃には時間移動が出来るようになってるのね」


ノビスケ「いや、無理だから」


アヤカ「ならなんで?」


ノビスケ「それは今とは関係が薄いから話さなくていいだろ?長くなる。とにかくそのくらいから来た目的は・・・・これも内緒だ」


アヤカ「むぅ・・内緒ばかりね」


ノビスケ「勘弁してくれよ」


アヤカ「なら、私はどうしてここに?」


ノビスケ「まぁ、簡単に言うと」


船からここまでを話した


個人的な事やそういう事はうまく誤魔化した


所々衝撃を受けていたが受け入れてくれたようだ


ただの良いところのお嬢様かと思ったが強い心を持っている


セリナとはまた違った強さがある


本当ならこんな事話してはいけない


ほとんどを嘘でどうにかしようと思った


でも、アヤカさんの受け入れようとする気持ちやその目に俺は気付くと本当の事を話していた


アヤカさんにはそういう魅力があるのかもしれない


魔性の女?言い過ぎか


ノビスケ「大体こんな感じだ」


ピニドラ「ぼかせよバカ本当の事喋るなんてアホね」


ノビスケ「自分でもビックリしてるんだ。そう言わないでくれ」


アヤカ「・・・・・・・」


ノビスケ「いきなりこんな事言われて混乱してると思う。でも、もう大丈夫だから」


ノビスケ「後はアヤカさんの元の時代へ帰っていつも通りにー」


ギュッ


ノビスケ「・・・・アヤカさん?」


突然抱き着かれてしまったアヤカさんは俺の胸に顔を埋めたまま動かない


もしかして・・・・


ノビスケ「アヤカさん・・同情ならやめてくれ」


アヤカ「そんなんじゃない!苦しくないの?ノビスケくんは・・帰りたくないの?自分の時間に」


ノビスケ「・・・・・・・」


船から先の事しか話していない


俺がセリナの執事になってるのもみんなと離れ離れになった事も全部知らない


アヤカさんは優しい・・優しいからこそ


きっとなんとなく気付いているのかもしれない


顔に出てたかな・・・・


でも、だからこそ


ノビスケ「アヤカさん」


俺はこんな所で立ち止まってるわけには行かないんだよ


アヤカ「なに?なんでも話してみてノビスケくんの力にー」


ノビスケ「病院からそのまま来たからその服だと間から見えるな胸」


アヤカ「なっ!!」


瞬時に俺から離れて


アヤカ「この!!変態!!」ドゴッ


ノビスケ「ごはっ!!」


腹パンを貰いました。やばい吐きそう


ビンタを予想していたが違っていたグーに腹ときた


アヤカ「人が心配してるのに!もう知らない!」


ノビスケ「アヤカさん!ごめんって」


アヤカ「知らない!」


別の部屋に篭ってしまった機嫌が直るまで時間がかかりそうだ


ノビスケ「・・・・・・・」


ピニドラ「アホね」


ノビスケ「だな・・」


ピニドラ「あんたの事よ?」


ノビスケ「分かってるよ」


ピニドラ「そう、なら大馬鹿ね」


ノビスケ「そこまで言うかよ容赦ないな」


ピニドラ「これでも抑えた方よ?そういうのがかっこいいとか思ってるの?」


ノビスケ「割とな」


ピニドラ「訂正する。このピーーー野郎」


ノビスケ「そこまで言うかよ」


ピニドラ「そんな事してるといつか自滅するわよ?」


ノビスケ「・・・・・・」


ノビスケ「そんな事はしないさ出来ないさ」


ノビスケ「ここにたくさん背負ってるものがあるからな」


ピニドラ「それがなくなった時どうなるか見ものね」


ノビスケ「厳しいな」


アヤカ「・・・・」チラ


ピニドラ「なんか覗いてるわよ」


ノビスケ「なんて言えばいいんだよ」


ピニドラ「着替えてるみたいだし服褒めてみたら?」


ノビスケ「アヤカさんそのジャージ似合ってますね」


そしてまた殴られた


勿論グーで


ピニドラ「さて、そろそろ本題に戻るわよ」


ノビスケ「はい・・頬が痛い」


ピニドラ「貴方達は帰りたいのよね?」


ノビスケ「当たり前だろ?早く戻ってセリナを助けないと」


ピニドラ「だけどー」


アヤカ「セリナも来てたんだ気づかなかった。まぁ、ノビスケくんが乗ってたって方がビックリだけど」


ピニドラ「ざんねー」


ノビスケ「どうせ貧乏顔だよ」


ピニドラ「聞け!」


アヤカ「そこまでは言ってないでしょ?まぁ、ほぼ正解だけど」


ノビスケ「けっ!!」


ピニドラ「話し聞けこら!!」


ノビスケ、アヤカ「「すみません」」


ピニドラ「いい?帰りたいなら帰ればいいわ。ただし私はなにもしないけどね」


ノビスケ「それは困るタイムベルトの操作をしてもらわないと」


ピニドラ「私はタイムマシンの解体を手伝ってもらった報酬はあげたはずよ?その女の場所へ案内して上手くいくように手を回してあげたのよ?下手したら貴方死んでたわよ?」


ノビスケ「それは感謝してるが帰れないと困る」


アヤカ「私このままここで暮らすの?嫌よ!こんな男と暮らすなんて耐えられない!」


ノビスケ「心にダイレクトな攻撃ありがとよ!こっちだって御免被る!ピニドラ冗談ならやめてくれ」


アヤカ「なに私じゃ不満なの!」


ノビスケ「さっき自分が言った事覚えてるか?」


アヤカ「忘れた!」


ノビスケ「アヤカさんって馬鹿なんですね」


アヤカ「むきーー!!」


ピニドラ「冗談じゃないわよ本気よ」


ノビスケ「頼む協力してくれ」


ピニドラ「協力?いいわよ」


ノビスケ「なら」


ピニドラ「協力ってお互いの利があってする事よね?なら私になにか利はある?」


ノビスケ「心がなにかで満たされる」


アヤカ「よく分からないけど良い事すると気持ち良いよ?」


ピニドラ「ぺっ!んなもんいらん」


ノビスケ「ならどうしろと・・」


ピニドラ「協力には賛成してるわ。ノビスケ私は今から動かなくなったドラえもんさんを修理するわ」


そう言ってさっき小さくしてたドラえもんを取り出し元の大きさに戻す


あの時海で体当たりされてから動いていない


ピニドラ「必要な修理道具を買ってきて欲しいのそうすれば元の時間へノビスケから言ったら元の時間ではないけど帰してあげるわ」


ノビスケ「買い物へ行けばいいと?」


ピニドラ「そうよ」


アヤカ「買い物くらい行けば?私はここで待ってるから」


ノビスケ「はぁ・・分かったよ。で?なにを買ってくればいい?」


ピニドラ「それはー」


???「それはなにかな?」


ピニドラ「っ!」


ノビスケ「なんだろう嫌な予感しかしない」


ピニドラだけでも面倒くさいのに


三色のミニドラ達が現れた


青と緑それに黄色だ


ピニドラは驚いているようだ


青ミニドラ「ピンクミニドラこれはどういう事だい?」


ピニドラ「そ、それは・・」


緑ミニドラ「ドラえもんさんですね?」


ピニドラ「な、なんでそれを」


黄ミニドラ「隊長が様子が変だからって隊長にはお見通しみたいだぜ?」


ノビスケ「・・・・・・」


まともなのか?


青ミニドラ「まぁいい、とにかく見つかって良かった」


緑ミニドラ「修理をするなら多いほうがいい手伝おう」


黄ミニドラ「皆でやればすぐに終わるさ」


ピニドラ「ちっ・・みんなありがと〜」


ノビスケ「あざといな・・・」


ピニドラ「なにか言った?」


ノビスケ「いえ、なにも」


ノビスケ「なら、俺たちはもういらないだろ?さっさと元の時代へ」


青ミニドラ「それなんだが・・こっそり聞いていたがピンクミニドラの言い方が悪かった」


青ミニドラ「手伝え、じゃなくて頼む立場なのに・・」


ノビスケ「頼む?」


緑ミニドラ「ピンクミニドラ立場は理解してるね?」


ピニドラ「分かったわよ・・」


ピニドラ「ノロマ・・いえ、ノビスケお願いします。私達を助けてください」


さっきとは変わり心から頼んでいるように見えた


青ミニドラ「うむ・・やはりなんだかんだでこの青年を認めているようだ」


ピニドラ「私達はここから動く事が出来ないのお願いします!」


ピニドラ「ドラえもんさんを私達を助けて」


青ミニドラ「お願いします」


緑ミニドラ「早く帰りたいのは分かります。でも君達しか頼めない」


黄ミニドラ「頼む」


ノビスケ「そこまで頼まれたら仕方ない買い物くらいなら行くよ」


ノビスケ「それで具体的にはなにを買ってくればいいんだ?」


ピニドラ「ありがと・・・」


青ミニドラ「それなんだけど少し時間が欲しい。黄ミニドラ、緑ミニドラ」


黄ミニドラ「分かった」


緑ミニドラ「すぐに終わらせるよ」


ノビスケ「なにをするんだ?」


青ミニドラ「ドラえもんさんの何処が故障してるかを調べて必要な物をメモしているんだ」


ノビスケ「なるほど」


青ミニドラ「未来へは行った事は?」


ノビスケ「ん?ないけど・・え?まさか買い物って」


青ミニドラ「未来だよ。この時代には売ってないからね。ドラえもんさんは今時代への移動が制限されていて今はどうにか誤魔化せてるけど未来へは入った瞬間ばれてしまう。それはドラえもんの部下であるミニドラ達も同じなんだ」


ノビスケ「だから俺が?」


青ミニドラ「君なら入っても気付かれない」


ノビスケ「そうか、助けてもらった恩もあるし任せてくれ」


青ミニドラ「君はいい青年だ。感謝する」


ノビスケ「あぁ、それはそうとアヤカさん大人しいですね」


アヤカ「話しについていけないのよ・・もう訳が分からない」


ノビスケ「まぁ、未来へ買い物に行くだけさ」


アヤカ「未来!行く!行ってみたい!」


ノビスケ「いや・・それはまずいというか・・」


ピニドラ「いいんじゃない?ここにいても邪魔だし」


ノビスケ「いいのかよ」


ピニドラ「アヤカ絶対に喋っちゃダメだからね」


アヤカ「約束するわ絶対に喋らない」


青ミニドラ「うむ、なら少し未来の事を話しておきますか」


ピニドラ「そうね、向こうの事も少しは知っておかないとね」


アヤカ「お願いします」


アヤカは青ミニドラとピニドラから未来の事を教えてもらっている間


壊れたクソ狸の所へ行った


未来の法律とかそんなのを聞いても俺じゃ理解出来そうにないし


ノビスケ「まだかかりそうか?」


緑ミニドラ「やぁ、ノビスケくんだったかな?」


ノビスケ「クソたー、じゃなくてドラえもんはどうだ?」


緑ミニドラ「見た目程は壊れていないよ。長い間土の中だったみたいだけどそれは高性能ロボットだからね。そんなにダメージはないよ問題があるのは」


緑ミニドラ「オイルがないのと制御センサーだね。この二つさえあれば後は細かい所はこの腕で治せる」


ノビスケ「オイルか・・原付きのオイルとかじゃダメなのか?ホームセンターにあるような缶の」


緑ミニドラ「ノビスケくん君は中々の男だと聞いているが今私を怒らせる事が君のしたい事なのかな?」


ノビスケ「いや、ごめん冗談で言ったんだが・・」


緑ミニドラ「笑えない冗談はただの煽りだ。やめておけ」


ノビスケ「はい・・・」


緑ミニドラ「君は喉が渇いたからと言って泥水を飲むかい?」


ノビスケ「それしかない状況なら飲む」


緑ミニドラ「だが、身体を壊してしまう違うかい?」


ノビスケ「なにが言いたいんですか?」


緑ミニドラ「ドラえもんさんともなると決まったいいオイルを使わないと壊れてしまう」


緑ミニドラ「メモの準備をしな」


ノビスケ「はい、どうぞ」サッ


緑ミニドラ「早いな流石だ。マツシバデラックスオイル2リットル缶だ」


ノビスケ「はい、マツシバデラックスオイル2リットル缶ですね。次を」


緑ミニドラ「マツシバR2型センサー」


ノビスケ「マツシバR2型センサーですね、はい」


緑ミニドラ「あと、マツシバ塗装下地液ドラ、ブルー」


ノビスケ「マツシバ塗装下地液ドラ、ブルーですね、下地液という事はその上に塗る塗装が要りますね」


緑ミニドラ「いや、これだけでいいんだドラえもんさんのあの高貴な青は下地液だからね。もとはその上にちゃんとした塗装を塗ってあったんだ」


ノビスケ「てことはクソ狸の青色って」


緑ミニドラ「うむ、下地だ。あとクソ狸言うな」


ノビスケ「塗り直しとかはしなかったのか?」


緑ミニドラ「それは言ったことはあるのだがどうやら理由があるらしくドラえもんさんしか知らない」


ノビスケ「理由ね・・まぁいいやマツシバ塗装下地液のドラ、ブルーでいいんだね」


緑ミニドラ「うむ、頼みましたよ」


ノビスケ「あぁ」


黄ミニドラ「ちょっと待ってくれ」


ノビスケ「なんだ?」


黄ミニドラ「まだ、ピンクミニドラ達は話してるみたいだ今戻っても邪魔になるだけだ」


ノビスケ「まぁ、そうだな正直あの輪には入りたくないしな」


黄ミニドラ「ドラえもんさんの武勇伝聞いてみたくないか?」


ノビスケ「ないね、じゃあ」


興味もないし向こうの話しも終わったようだ


ピニドラ達の元へ向かった


黄ミニドラ「ドラえもんさんの凄さを知りたくないのか!おーい!」


ノビスケ「もう知ってるっての・・」


あんなボロボロでも気合いで動いたんだ


それだけでも凄いよ


ノビスケ「ピニドラ終わったか?」


ピニドラ「えぇ、終わったわ」


青ミニドラ「君のタイムベルトを少しいじらせてもらったよ、あのままでは目立つからね」


ノビスケ「これはペンダント?」


青ミニドラ「小さくなったが機能は変わらない。いらない部分を捨てただけだからね」


ピニドラ「いい?絶対に真ん中の高タイム鉱石を囲んでるカバーを壊しちゃだめよ?」


ノビスケ「え?どうして?凄く壊したいんだけど」


ピニドラ「殺す・・・・」


ノビスケ「じょ、冗談ですよ・・はははは」


貰ったペンダントは高タイム鉱石が真ん中に付いておりそれにクソ狸の形をしたカバーを付けている


ピニドラ「これのカバーを外して宝石に触れればどっか飛ばされるか身体が耐え切れず爆散するから気をつけなさい」


ノビスケ「は、はい」


なら外せよと思ったがきっとこれがあるから時空を移動できるのだろう


でも、このカバークソ狸の形にする事はないだろ


ノビスケ「アヤカさんどうです?」


ピニドラ達から教わった未来の事を聞いてみる


アヤカ「今覚えてるから話しかけないで」メモ中


ノビスケ「はい、そうですか・・」


最近の女性陣は厳しい人ばかりだ


もっと優しくしてほしいものだ


例えば


ノビスケ「セイナさんとかな・・」


後悔してる


でもこれでよかった


そう決めただろ俺


ノビスケ「ピニドラ設定は終わったのか?」


ピニドラ「今からするわこのペンダントの裏の部分にダイヤルがあるからこれを使って」


青ミニドラ「緑ミニドラからメモは貰ったかな?」


ノビスケ「これですか?言われた物を書きました」


青ミニドラ「うむ、思ったよりは壊れていないようだね。でも、これは駄目だ」


そう言ってマツシバデラックスオイルをバッテンする


ノビスケ「やっぱり原付ので良いって事ですよね?」


青ミニドラ「死にたいなら相手になるよ?」


ノビスケ「冗談です・・・」


やはりみんなまともではなかった


ピニドラ「どれ見せて・・あのバカ!緑ミニドラ!」


緑ミニドラ「え?なに?ピンクミニドラ」


ピニドラ「オイルの部分これ正気?」


緑ミニドラ「え?・・・あ、そうか!すみません書きなおしてもらえますか?」


ピニドラ「仕方ないわね確認して正解よ」


ノビスケ「あの話が見えないのだが」


ピニドラ「オイルなんだけど新品なんて使ったら大変な事になるわ」


ノビスケ「え?なんで?元(クソ狸)がボロだからか?」


ピニドラ「一々喧嘩売らないと喋れないのかな?」


青ミニドラ「やはり死にたいのか」


ノビスケ「じょー」


ピニドラ「まさか?また、冗談とか言うの?」


青ミニドラ「それはないだろういくらこの青年が馬鹿でもそこまで学習能力が無いはずがない」


ノビスケ「ぐぬぬ・・」


これはやばい・・・


アヤカ「準備完了よ」


その時大きな音がして少し揺れた


ドン!!!


地震だろうか?


ピニドラ「何かしら?」


ノビスケ「結構強かったな」


アヤカ「何か落ちたような衝撃だったけど隕石かな?」


ノビスケ「向こう大丈夫かな?病院のほうだったけど・・」


ピニドラ「あ、タイマー設定してたんだ。そろそろタイム移動が始まる!」


ノビスケ「あ」


ペンダントが光身体が包まれていく


ピニドラ「やば!!よく聞いて!!ペンダントは向こうに着いてから二日後にタイマーが作動して今の時代に戻ってくるようにしたから肩見放さず持ってなさいよ!」


青ミニドラ「それは場所は移動出来ないから出来る限り着いた時と同じ場所にいるんだ!いいね?」


緑ミニドラ「女!青年に抱きつけ」


アヤカ「え!」


緑ミニドラ「くっついてないと置いて行かれるぞ!」


アヤカ「分かったわよ!変なとこ触ったら殺すからね!」ダキッ


ノビスケ「おふっ!」


アヤカ「変な声出すな!きも!」


ノビスケ「いきなり抱きつくなって心の準備させろよ」


アヤカ「そんなの待ってたら行っちゃうでしょ!」


ピニドラ「えっと!あとは・・もう!」


全身が光に包まれアヤカさんも包まれる


そして


ピニドラ「あ、このメモを!!」


黄ミニドラ「任せろ!ノビスケ!口を開けろ!」グイッ


ノビスケ「ふがっ!」


アヤカ「変な感覚・・・」


ピニドラ「貴方達は二日後だけど私達は一日後にまた会いましょ」


黄ミニドラ「見当を祈るぞ!死ぬなよ」


シュン


タイム移動した


口の中にメモを押し込まれて


ゴクリ


ーーーーーーーーーーーーーーー

ーーーーーーーーーーー

ーーーー


ースネ樹編ー


ノビスケが病院から去った後僕達はこれからどうするかを話していた


スネ樹「ノビスケさんがどうしてあんな事を言ったのかは分からないけど、きっとやらなければいけない事がある。だから僕達はそれが終わるまで待とういいね?」


みんながどうしていいのか分からない状況で僕は自分の気持ちも無視して言った


本当は気になるしノビスケさんに着いて行きたいくらいだ


でも、それはしてはいけない


邪魔になってしまうからだ


まゆ「やることってなによ!私達より大事な事なの!」


スネ樹「分からないけど・・」


まみ「見捨てられたのかな・・」


スネ樹「うっ・・・」


このままではノビスケさんの帰ってこられる場所がなくなってしまう


いつもなら真っ先に言ってくれるメイドさんも黙ったままだしミニドラさんは考え込んでるし


お嬢姉「信じようノビスケくんをね?」


その一言でまみもまゆも黙ってはいるけど納得したようだった


流石お嬢姉さんだ


メイド「・・本当に信用していいのでしょうか」


スネ樹「メイドさんどうしたんですかさっきからおかしいですよ」


メイド「ノビスケを信用出来るか不安になってしまいました・・」


スネ樹「メイドさん・・」


ノビスケさんと会った時も様子がおかしかった


なにか理由があるとは思うけど


全く分からない


だってメイドさんだよ?ノビスケさんを一番見て一番信頼してる人だ


その人がなんで


スネ樹「・・・・・」


なにも言えなかった


なにも知らない僕が安易に言ってもいい事ではないから


また、周りが暗くなる


帰れるかも分からない


そんな不安もあるのだろう


ミニドラ「ん?なんだお前ら暗くなってよ。病院だし診てもらうか?」


まゆ「・・・・・」


まみ「ですね・・・」


メイド「はぁ・・・・」


お嬢姉「・・・・・」


スネ樹「これからどうしますか?ミニドラさん」


ミニドラ「反応が酷いな・・こりゃかなり重症か」


ミニドラ「だが、このままここにいて嘆くにもここはお前らの居場所じゃない。そういうのは帰ってからしろ」


ミニドラ「いいか?俺たちは今からタイムマシンを修理してノビスケを迎えに行く」


その言葉にみんなが反応する


まゆ「迎えに行くって?」


まみ「会えるの?」


お嬢姉「なるほどね」


メイド「・・・・・・」


スネ樹「説明をお願いします」


ミニドラ「おぉ、元気になったじゃないか!メイドは睨むな怖いだろ」


ミニドラ「そうしたいが今はこの病院を出なきゃいけない話はそれからだ」


スネ樹「じゃあ、出ましょう」


ミニドラ「待てよ」グイッ


スネ樹「うわっ、なんですか」


ミニドラ「部屋の外をこっそり見ろこっそりだぞ?」


スネ樹「え?分かりました」


部屋の外をこっそり見てみると


唯一の出口であるエレベーターの前に看護婦が待機していた


そしてその近くにも自然を装って別の看護婦が立っていた


スネ樹「ん?」


僕達の部屋の前に堂々と立っているナース服を着た女の子がいた


凄いドヤ顔でこっちを見ていた


女の子「・・・・・・」フンス!


スネ樹「あ、あのなにか?」


女の子「お帰りですか?」


スネ樹「えぇ、まぁもう帰ー」


ドゴッ


スネ樹「ごはっ!」


ミニドラ「悪いなまだ帰らないからな!じゃあ」


女の子「あ・・・・・」


スネ樹「ミニドラさんなにをするんですか!」


ミニドラ「見たろ?あれが一番厄介だ」


スネ樹「なにがなんだか、いてて」


お嬢姉「説明してよ、大丈夫?」サスサス


スネ樹「あ、大丈夫です」


まゆ「・・・・・ちっ」


まみ「??」


ミニドラ「実はー」


メイド「ちょっと待ってその前に」ギロ


女の子「っ!」サッ


ミニドラ「覗いてやがったかあのガキ!お嬢姉」


お嬢姉「はいはい、見張ってますよ」


メイド「これで説明してくれますか?」


ミニドラ「簡単だ。金がないから出られないそれだけだ元凶はノビスケだ!」


スネ樹「へ?」


まみ「お兄ちゃんが?」


ミニドラ「そうだ!あの野郎押し付けて逃げやがった」


スネ樹「さっき渡されたのって領収書だったんですね」


まゆ「ノビスケくんにこの額は払えないわよ。その未来の道具でどうにかならないの?」


ミニドラ「無理だ!あるならとっくにそうしてる」


メイド「殺りますか?」


ミニドラ「殺らねぇよ!冗談でも言うな。とにかくあの女の治療費がないから出られん奴ら(看護婦)も見張ってるしな」


まみ「メイドさん今のってほんー」


まゆ「しっ、まみ、今は言っても駄目だよ」


まゆ(きっとノビスケくんが戻って来たら元に戻ってくれるから・・きっと)


スネ樹「ツケには出来ないんですか?」


ミニドラ「無保険をツケにしてくれると?本当なら北条家の人間が払ってくれる筈だったんだが・・リナの奴が」


スネ樹「北条家?知り合いですか?」


まゆ「リナって誰?」


まみ「ミニドラさんの彼女ですか!」


メイド「ないからありえないこんな奴に彼女なんて」


ミニドラ「イラッ・・いや、忘れてくれ。それを望んでるからな」


スネ樹「・・・・・・」


リナ・・なにか引っかかる


でも、駄目だ・・分からない


スネ樹「う〜ん・・」


ミニドラ「考えるな無駄な事はするな。それでだこっそり出なきゃいけないが奴らめガキを使いやがって」


ミニドラ「せめてガキがいなくなれば・・飽きたりしないか?」


そう言って部屋の外を見る


すると角度で姿は見えないがお嬢姉さんと女の子の声が聞こえてきた


お嬢姉「そうなんだお母さんのお手伝いしてるんだね偉いね」


女の子「うん、お母さん言ってた払わない奴がいるから困ってるって」


お嬢姉「それは駄目だよね。頑張ってね」


女の子「うん!頑張る!!」


スネ樹「なんか向こうはやる気アップしてますね・・」


ミニドラ「あの糞女め!」


まゆ「糞女って・・」


まみ「言い過ぎです!」


ミニドラ「へいへーい」


ゴスッ


ミニドラ「いてっ!てめぇ!」


メイド「私に方法があります」


ミニドラ「その前に言う事あるよな?ん?」


メイド「クソ狸が」


ミニドラ「よし、殺す!」


スネ樹「今はそんな事をしてる場合では!」


ミニドラ「だとよ?降参しろよクソメイドさんよ!!」


メイド「クソ狸がなにか言ってますね?分かりませんね?ぽんぽんー!どうです?私の言葉分かりますか?」


ミニドラ「ええ度胸やな!女!!犯してやー」


ガシッ


ミニドラ「ふぎゃ」顔を掴まれる


まみ「・・・・・・・」ニコリ


ミニドラ「はわわわ」ピクピク


まみ「・・・・・・」四次元ポケットにしまう


まみ「ふぅ・・喧嘩はいけませんメイドさんも・・だ、め、だ、よ?」


メイド「そ、そうですね・・すみません」


スネ樹「ははは・・・」


まゆ「あんたが止めなきゃいけないのに情けないわね」


スネ樹「面目無い・・・・」


まみ「それで方法ってなんですか?」


メイド「ここには窓がありますね」


スネ樹「え?まさか・・・」


メイド「はい、ここから降りましょう」


まゆ「ここが何階だと思ってるの!無理よ無理!」


メイド「五階です」


まゆ「だめよ、メイドさんは今正気じゃないわ」


メイド「私は正気です」


まゆ「何処がよ!ノビスケくんがいなくなって会えたと思ったら何かおかしいし!イライラしてるようにも見えるし!今のメイドさんは!メイドさんじゃない!」


メイド「貴女になにが!!」


急にまゆに掴みかかろうとした


まゆ「っ!」


まみ「やめて!!」


スネ樹「ごめん!」バチン


僕はそれを止めるためにメイドさんを叩いてしまった


自分でも咄嗟にやってしまった


でも、止めないときっとここで終わってしまうように思えたからだ


ここでは終われないノビスケさんの帰る場所を守るんだ


メイド「っ!」


スネ樹「メイドさん・・本当にどうしてしまったんですか」


メイド「・・・・・・」


その場に座り込んでしまうメイドさん


自分の両手を信じられないように見て震えていた


メイドさんも手が出てしまった事に驚いているようだ


そんなメイドさんが我を忘れて飛びかかるほどの何かに僕達は踏み入ってしまったのか


そうだとしても


スネ樹「今のメイドさんは・・見ていて不安です」


メイド「っ!!」


不安・・・この言葉がメイドさんにとってどれ程の言葉かを僕は知っている


だからこそ言ったのだ


メイド『メイドはどんな状況でも冷静でいないといけません。主人を不安にさせるようなメイドは三流以下です』


メイドさんが言っていた言葉だ


後はこれで気付いてくれるか


今の自分を


メイド「・・・・・・・」


まみ「やめてよ・・やめてよ!!メイドさんだって不安になる事や怖くなったりします!だからみんなで助け合うんだよ?今は私達にはメイドさんがいます!でも!メイドさんには誰も・・・」


まみ「けんかは・・だめです・・」ポロポロ


まみは泣いていた


スネ樹「あ・・・・・」


まゆ「・・・・ごめん」


ナデナデ


まみ「ふぇ?メイドさん?」


メイド「そうですね・・喧嘩はいけません。ごめんね一番不安だったのはまみちゃんだったのにごめんね」


まみ「私は大丈夫です」


メイド「まゆちゃん、ごめんなさい知らなくて当たり前なのに私は・・」


まゆ「私こそ・・ごめんなさい!メイドさんの気持ちも考えないで・・」


メイド「いつか必ず話します。だから」


まゆ「待ってるから・・いつくらいになりそう?」


メイド「そうですね。ノビスケに次会えた時がその時になるかもしれません」


まゆ「うん、待ってる、いえ!行くからその時に!」


メイド「はい」


スネ樹「メイドさんもう大丈夫ですか?」


メイド「はい、スネ樹さん止めてもらってありがとうございます」


スネ樹「あ、いえ、痛くなかったですか?」


メイド「痛かったです。心も・・スネ樹さんの言葉も全部が」


スネ樹「すみませんでした!」


メイド「ありがとうございます。おかげで目が覚めました」


スネ樹「へ?」


メイド「ですが、これからはあまり女性を叩くのはよろしくありませんよ?」


スネ樹「え?、あ、うん・・(なんかよく叩いてるように言われてるような)」


メイド「それでは、メイド復活します!!」シャキン


まゆ「おお!光ってるような気がする!今ならいい案が浮かぶんじゃ!」


メイド「窓から降ります!」


まゆ「かわってない!!」


ちなみにスネ樹達が口論している間のお嬢姉は


「貴女になにが!!」


「やめて!!」


お嬢姉「なにやってんのよ・・部屋の外まで聞こえるんだけど・・」


女の子「どうしたの?なにか聞こえる?」


お嬢姉「私を見て〜」ガシッ


女の子「なんで耳塞ぐの?」


お嬢姉「ちょっと早いかな?って」


女の子「え?なんて聞こえないよ」


お嬢姉「青春さ」ウィンク


女の子「目にゴミ入ったの?」


お嬢姉「かもね」


戻ってスネ樹達


まゆ「メイドさん疲れてるのね少し休んでね?」


メイド「安心してください。ちゃんと方法はあります」


まゆ「なら話してよ」


メイド「はい、みなさんは病院にはあらゆる事を想定した対策措置がとられているのは知っていますか?」


まゆ「対策措置?」


メイド「例えば震災などで電力の供給が出来なくなった時こういう大きな病院は地下に自家発電機がありそれで三日は持つと言われています」


スネ樹「確か三日以内には物資が安定するんでしたっけ?」


メイド「そうです。ですが実際はそんなにすぐには無理だから三日分を切り詰めて何日か伸ばすようにするらしいです」


スネ樹「なるほど」


メイド「病院ではなにが起こるか分かりません。だから色々な措置がされています」


まみ「へぇ〜凄いです」


メイド「もっと簡単に言うなら病院は火災報知器みたいなものが多いと言うことです」


スネ樹「それで窓から降りるとどういう関係が?」


メイド「例えばこの部屋の周りが炎に包まれて私達は窓際まで追い詰められます」


メイド「逃げ場所はもう窓から飛び降りるしかない」


メイド「飛び降りれますか?」


スネ樹「五階からですか・・僕は無理です」


まゆ「私も無理・・」


まみ「一か八かの飛んでみます」


まゆ「まみ馬鹿な事をー」


まみ「なにもしないで死ぬなら一か八か試します!」


スネ樹「でも、五階だよ?」


まみ「それでもです!」


まゆ「呆れた・・」


メイド「私も飛び降ります。理由はまみちゃんと同じです」


メイド「時には運に頼るのも強さです。多分ですが、クソーではなくミニドラさんもお嬢姉さんも飛び降りるを選ぶでしょうね」


メイド「ですが、ただ飛び降りるだけでは生き残れる可能性は低いですね。スネ樹さん飛び降りる以外で何か方法はありますか?」


スネ樹「飛び降りる以外ですか?う〜ん・・・ロープでもあれば伝って降りればいいけど」


スネ樹「え?まさか!」


周りを見てある物を探す


そして当たり前にあるそれを強く引っ張る


破れないこれならもしかして


スネ樹「メイドさんもしかしてこれを使うつもりですか?」


メイド「御名答!流石スネ樹さんです」


スネ樹「う〜んでも・・」


メイド「これも、もしもの措置なんですよ」


まゆ「措置?これが?ただのカーテンじゃない」


まみ「ニ○リですか?」


メイド「実は病院やデパートなどでは火災などの時にカーテンをロープ代わりに使う事を想定して頑丈に作られているのです。だからこれをロープを代わりにすれば」


まみ「・・・・無視された」ムスッ


スネ樹「ちゃんと聞いてたよ」ナデナデ


まみ「はわ〜」


まゆ「長さ足りないけど」


メイド「結べば伸びます。安心してください絶対に解けない結び方を知っています」


そう言って二枚のカーテンを結んで繋げた


スネ樹「確かにこれなら解けそうにはない。これなら」


まゆ「わ、私は反対よ五階からカーテンを伝って降りるなんて無理よ!」


まみ「お姉ちゃんは高い所が苦手なのです」


メイド「ですが」


まゆ「それにこの部屋だけのカーテンじゃ足りないし」


スネ樹「あ、確かにこれじゃあ足りません」


まみ「部屋からは出られないですし」


メイド「・・・・・・」


ピピピピピピ


スネ樹「ん?なんか鳴ってる?」


メイド「私ではありませんよ」


まゆ「私も違う」


まみ「私も違います」ピピピピピピ


スネ樹「でも、まみからしますよ?」


まゆ「ポケットの中からする」


メイド「とり出してみては?」


まみ「なんだろう?」ガサゴソ


まみ「タイマーと注射?」


スネ樹「なんでしょうか?」


メイド「タイマーと注射誰かの薬の時間とかですか?」


まゆ「普通ならポケットの持ち主よね」


スネ樹「ならこれはドラえもんさんが?」


メイド「危ない薬でしょうか?」


スネ樹「否定できない」


その頃お嬢姉は


お嬢姉「あっち向いて、ホイ」右


女の子「よっ!」左


女の子「ジャンケンぽん!」


女の子「あっち向いて、ホイ!」右


お嬢姉「あ、負けた」右


女の子「お姉ちゃん弱い〜」


お嬢姉「いや〜強いねお姉ちゃんの完敗よ」


女の子「次は何して遊ぶ!」


お嬢姉「次はね〜」


ドクン


お嬢姉「ぶはっ!」ビチャ


女の子「え?血が・・お、お母さん呼んでくるから!」


お嬢姉「ま、待って!呼ばなくていいから・・ハァ・・ハァ・・これは特技よ」


女の子「え?特技?」


お嬢姉「そう、口からトマトジュースを出す事の出来る」


女の子「え!そうなの!凄い!」キラキラ


お嬢姉「だ、だから・・しん・・ぱい・・しないでね?」


女の子「顔色悪いよ?」


お嬢姉「奥義よ・・顔の色を変えられるね・・」


女の子「凄い!お姉ちゃん凄いよ!」


お嬢姉「なら、お礼もらえる?」


女の子「え?私なんにも持ってない・・・」


お嬢姉「膝貸してくれるだけでいいの・・少し・・疲れた・・から」


女の子の膝にゆっくりと倒れこむ


女の子「お姉ちゃん?寝ちゃったの?疲れたのかな、よしよーし」ナデナデ


スネ樹「お嬢姉さんこの注射って、っ!お嬢姉さん!」


まゆ「お嬢姉さん!」


まみ「はわわわ!!」


女の子「え?え?」


スネ樹「今たすー」


口元を押さえられる


スネ樹「ん!」


お嬢姉「と・・まと・・ジュースだ・・から・・」プルプル


まゆ「なに言ってるのこれはどう見ても」


スネ樹「まゆ、これはトマトジュースだよ」


まゆ「は?」


まみ「はわわわ!!」


スネ樹「二人ともこのトマトジュースを拭いてくれ、その間に僕は命に代えてもこの注射をお嬢姉さんに!」


弱っているお嬢姉さんの代わりに僕が打ってやるんだ!なに、やり方は多少の知識ならある!出来る!


まず血管を探して・・一番血管が通ってるお尻を


スネ樹「で、でも、お尻は駄目だよね・・いや、そんな事言ってる場合ではお嬢姉さん!お尻をー」


お嬢姉「ふん!!」ガシッ


ぶんどるようにお嬢姉さんに注射器を取られ


躊躇いもなく自分の首筋に刺した


スネ樹「あ、慣れてらっしゃる・・・」


お嬢姉「ふぅ・・・・」


女の子「また寝ちゃったお眠さんね」ナデナデ


女の子「そう言えばもう帰るの?」


スネ樹「えっと・・」


メイド「まだ、帰りませんよ」


女の子「そ、そう!帰る時は言いなさいよ」


メイド「スネ樹さん部屋に戻りましょう」


スネ樹「お嬢姉さんをお願いしますよ」


女の子「うん、任せて」


スネ樹「あと、床は汚いからね?そこの長椅子にお願いね」


部屋に戻った


帰らないとは言ったが脱出の手段は未だ見つからない


窓から飛び降りるのは絶対にしたくないし


メイド「これで窓からいけますね」


スネ樹「え?なんでこんなに大量のカーテンが?」


メイド「さっきの間に取ってきました」


スネ樹「何処から?」


メイド「他の部屋です。大丈夫空き部屋からなので大丈夫です」


スネ樹「ならいいけど、いいのか?」


まゆ「・・・・・」


まみ「・・・・・」


スネ樹「おかえり、ごめんね片付けを任せちゃって」


まゆ「別にそれはいいんだけど」


まみ「怒られました・・」


スネ樹「え?」


まゆ「トマトジュースって言ったら通りすがりのおばさんが勿体無いじゃないって・・」


まみ「頭叩かれたです・・・」


メイド「まゆちゃん、そのババアではなく、クソババアは何処にいるんですか?」


まゆ「もういいから、ああ言う子供が嫌いな人もいるし」


まみ「仕方ないです・・・」


メイド「・・そうですか」


スネ樹「・・・・・・」


メイドさんは煮え切らない顔をしてるけど本人達は気にしてないようだし話題をそらしたほうがいいだろう


スネ樹「メイドさんそれより本当にやるんですか?」


メイド「むぅ・・やりますよそれしか方法がありません」


まゆ「私は無理!絶対無理!!」


メイド「ですが、これくらいカーテンがあれば下まで降りれますよ?」


まゆ「そういう問題じゃなくて!」


メイド「では、どういう問題なんですか?」


まゆ「そ、その・・」


スネ樹「・・・・・・」


メイドさんは意地悪で言ってるわけではない


きっと気付いていないんだ


まゆは高い所が苦手な事に


タイムマシンに乗った時も我慢していたが一番怖がっていた


でも、妹の前でもあるし怖いとは言えないのだろう


仕方ない


スネ樹「メイドさん僕は高い所が苦手で・・」


まゆ「っ!」


まみ「あれ?そうなんですか?そうは見えなかったです」


スネ樹「隠していたんだよ。正直ちびりそうだ」


まゆ「な、情けないわね!でも、それなら仕方ないわね!メイドさん他の案を考えましょ?まだ時間はあるし」


メイド「他の案ですか?なにかありますか?」


まゆ「え?それは・・・・」


メイド「ないならカーテン結びを再開しますね」


黙々とカーテンを結んで長い縄を作っていた


まゆ、まみ、僕の三人で他の方法を探すが結局見つからず


メイドさんの準備が終わってしまった


そこで苦し紛れに言った


スネ樹「あの、一人ならまだしもこの人数が降りるのは目立ち過ぎますよ?」


時間をおいて一人ずつ降りればいい


そう言われると思ったが


メイド「確かにそうですね・・・」


納得してくれた


少し考えた後メイドさんはまみのお腹あたりについてる四次元ポケットを見る


メイド「これなら行けるかも」


スネ樹「え?」


メイドさんの考えた作戦はこうだ


四次元ポケットに入って一人が降りる


その後四次元ポケットから取り出してもらう


これなら降りるのは一人で済むから一目も時間帯に気をつければ行ける


時間帯は夕方が丁度いい


それならメイドさんカーテンで降りてもらえば


そう思ったが・・・無理だ


取り出す過程でまみ以外は四次元ポケットを使えないという問題に当たる


そうなると


四次元ポケットにまみ以外が入りまみがカーテンで降りる


その後出してもらう


という事になる


スネ樹「まみにさせるのは・・」


まゆ「落ちたらどうするの!」


メイド「そうですね・・こうなれば実力行使で」


まみ「私やります!」


スネ樹「なにを言ってるんだ!五階からですよ?」


まゆ「そうよ!危ないからやめなさい」


メイド「まみちゃんもうこの案はなしです」


まみ「やるったら!やる!!」


そう言った瞬間まみはお腹に付けてる四次元ポケットを手に持ち広げて襲いかかった


スネ樹「なっ!」


ガバッ


まみ「まず一人です!次!」


メイド「まみちゃん落ち着いてください!」


まみ「私はもう見てるだけの役立たずにはなりたくないです!」


まみ「みんなを私も守りたい!邪魔するならメイドさん容赦しません!」


メイド「そこまで言うならやっー」


ガバッ


まみ「二人目!」


まゆ「最後まで言わせてあげなさいよ!」


まみ「お姉ちゃん!!」ダッ


まゆ「私はそんな事絶対させない!」


まみの飛びかかりを避けた


まゆ「どうよ!」


しかし、既にまみの姿は消えていた


まゆ「え?何処?何処にいるのよ!まみ!・・ん?っ!!」


まみ「っ!!」天井に張り付き


まゆ「まみ!パンツみえー」


ガバッ


まみ「三人目!後一人!」ダッ


その頃お嬢姉は


お嬢姉「さっきはありがとね?」


女の子「いいよ、私も眠い時お母さんにしてもらうもん」


お嬢姉「お母さんか・・・いいね。優しい?お母さんは」


女の子「うん、怒ると怖いけど」


お嬢姉「大切にするのよ?」


女の子「うん!」


お嬢姉「そろそろ行かなきゃかな」


女の子「え?言っちゃうの?」


お嬢姉「ごめんね?」


女の子「じゃあ、これ・・」領収書


お嬢姉「ぜ、ゼロがいっぱいね・・こ、これは」


まみ「み〜つけた!」ニヤリ


女の子「ひゃい!」


お嬢姉「え?なに?怖いよ?まみちゃん?え?いやぁああ!」


ガバッ


まみ「終わったのです」


女の子「」


まみ「寝たのですか?丁度いいです。今のうちに」


まみ「ん?」モゾモゾ


ポケットがモゾモゾしてミニドラが出てくる


ミニドラ「話しは聞かせてもらった!復活!」


まみ「邪魔するのですか?」


ミニドラ「いや、寧ろ応援するぜ?ほら、お前の四次元ポケットからついでに探して持ってきたスーパー手袋だ。使いな」


まみ「スーパーの手袋?」


ミニドラ「まみ、伝って降りるのはな?自分の体重をその手に全部かかるんだ。今のまみでは無理だ」


まみ「・・・・・・」


ミニドラ「睨むなよ。だからこのスーパー手袋さえあればまみの力は並大抵の男の比にもならないほどになる」


ミニドラ「それをつければ岩だって壊せるぜ?」


まみ「ミニドラさんも?」


ミニドラ「こ、怖い事言うなよ・・まぁプレスするのは楽だろうな・・するなよ?」


まみ「冗談です。ありがとうございます。ミニドラさんもポケットの中へどうぞ」


ミニドラ「いや、だがまみを一人にするのは・・」


まみ「一人じゃないです。この中にみんないるから」


ミニドラ「分かったよ死ぬなよ?カーテンは結んでおこう後は下に投げて降りるんだぞ?」


まみ「はい」


ポケットへ入ったのを確認してスーパー手袋をつける


まみ「う〜〜ん・・」


信用してないわけではないけど本当に力がついたのだろうか?


まみ「てい!」シュッ


軽く病室にあるベッドを殴ってみた


ガシャン


まみ「っ!」


凹んだ


「なんですか!今のは」


「あの部屋よ!急いで」


まみ「っ!」


看護婦さん達が気付いてしまった


急いでカーテンを下に下ろした


そしてそれを掴み降りた


一動作ゆっくりと一歩一歩下へ降りていく


下を見ないようにして


さっきまでいた部屋の窓からは看護婦達が何か言ってる


時間はかけられない下に待ち伏せされては意味がない


手に力が入ったその時


ビリッ


まみ「っ!」


カーテンがスーパー手袋の力で掴んだ所が破れてしまった


急いで別の所を掴むが


ビリッビリッビリッ


破れながら落下する


まみ「はわぁああああ!!」


遂にはカーテンから手が離れてしまった


地面が近づいてくる


このまま落ちればまず助からないだろう


モゾモゾ


まみ「っ!」


ヒョコ


まゆ「まみ!だいじょーっ、ふにゅ〜」ガクッ


まみ「ポケットから出て来たら駄目なのです!」グイッ


ポケットから顔を出したまゆをポケットに押し込む


せめてお姉ちゃん達だけでも!


地面が近づいてくる最期に言わせて欲しい


まみ「みんなぁああごめんなさぁあああい!」


地面に当たる瞬間まみは反射的に両手を前に出した


前に出した所で転けた時のように受けみが取れるわけでもないのに


腕ごと潰れて・・意味なんて


まみ「っ!!」


ドンッ!!!!


大きな衝撃と共にあたりが大きく揺れた


地面に大きなヒビが出来ていた


まみは両手だけで立っていた


まみ「え?」


スーパー手袋の力のお陰で両手で着地出来たのだ


まみ「?????」


周りの人達が驚いている


その中から看護婦さん達の姿も見えた


まみ「逃げないと!」


看護婦「ま、待ちなさい!」


ヒョコ


メイド「今度は正解のようですね」


メイド「お土産です。煙幕手榴弾」ポイ


ポケットから顔を出したメイドさんが何かを投げて


ポケットへまた潜った


まみ「え?なに?」


その一連の動作に気が付かなかったまみは混乱する


ミニドラ「着いてこい!」


いつの間にかポケットから出ていたミニドラさんが先導する


ミニドラ「タケコプター三つ!!」


まみ「はわ!ミニドラさんが飛びました!」


ガシッ


ミニドラ「暴れるなよ?」


まみを掴み飛んだ


まみ「っ!!!」


こうして病院から脱出成功した


ミニドラ「ふぅ〜やったな!まみ、随分大人しいな」


まみ「」気絶中


ミニドラ「まぁ、暴れられるよりはいいか、このまま目的地まで向かう」


数分後


ミニドラ「確かここら辺だと聞いたが」


まみ「はわっ!」


ミニドラ「お、起きたか」


まみ「さっき飛んでたような?」


ミニドラ「気のせいだろ?それより他の奴らをだしてやれよ」


まみ「あ、そうですね」


みんなを取り出し中ーー


「ん・・・しょ・・んっ・・あ・」


「スネ樹さーん何処ですか?」


「お姉ちゃーん出てきてよー」


「お嬢姉さん見つけました!あ、見失なっちゃった」


「メイドさん!遊んでないで出てきてください!」


諸事情により時間がかかっております


終了ーー


スネ樹「なんか凄く罪悪感があるのは何故だろう・・・」


まゆ「高い所・・怖いよ・・」


まみ「よしよし」ナデナデ


まゆ「はぅ・・」


お嬢姉「そ、その・・まぁ、ね?」


メイド「何故でしょうか・・少し恥ずかしいですね」


ミニドラ「みんな無事のようだな!よし、ここへ入るぞ」


まゆ「・・ここに入るの?」


まみ「大きい建物です!汚いけど」


スネ樹「なんというか廃墟みたいですね」


メイド「ホテルと書いていますね。見る限りではもうやってはいないようです」


お嬢姉「そうかな?結構綺麗だと思うけど」


ミニドラ「ドラの兄貴を見つける事が出来たんだ。それで今仲間達がここで修理をしている見つかったとは言え壊れていたらしい」


スネ樹「っ!」


ミニドラ「それを聞いて修理の手伝いに来たんだ。それにタイムマシンの修理もしないといけないからな」


まみ「なら早く行きましょう!」ダッ


ホテルの玄関入り口へと走っていくまみ


入り口は普通に鍵をされている筈だけど、ここから見てもわかる壊されている


入りやすくしてくれたのかな?


なんか犬の置物まであるけど


ブルドッグかな?


ミニドラ「ん?あれは!待て!まみ止まれ!」


まみ「え?」


まゆ「まみ・・まみぃいいい!!」ポロポロ


いきなり泣きだす、まゆ


まゆ「まみ!!まみ!!置いて行かないでよ!!」


もう嘘泣きとかそんなのではないと分かるほどのガチ泣きだった


まみ「は、はわわ!!お姉ちゃんどうしたんですか!もう此処は高くないのです!」


まゆ「うわぁぁああん」ポロポロ


スネ樹「まゆ、どうしたんだ」


メイド「ど、何処か痛いのですか?」オロオロ


お嬢姉「これ使う?私も使ってるやつで少し危ない薬だけど」


スネ樹「お嬢姉さん!冗談を言ってる場合では」


お嬢姉「本気なんだけど・・」


ミニドラ「とにかくまみ戻ってこい!まゆ、絶対に動かないぞ」


まみ「分かりました!」


戻ってくるとあっという間にまゆは泣き止んだ


まゆ「疲れた・・・・」


スネ樹「結構大きな声で泣いてましたからね」


メイド「何処も痛くないですか?」


お嬢姉「ミニドラさん、まさか」


ミニドラ「あぁ、そうだろうな」


まみ「それでこれはどういう事なんですか?」ナデナデ


まゆ「まみ、もういいから」


まみ「そうですか」


まゆ「私でもなんで泣いたのか分からないのよ」


スネ樹「まさか・・あの犬の置物」


ミニドラ「ほう、お前も気付いたか流石だな」


ガシッ


まみ「知ってるなら早く言ってください」ギロ


ミニドラ「い、言うから、に、睨むなよ・・」


ミニドラ「まゆがいきなり泣きだしたのは玄関入り口にあるあの犬の置物の所為だ」


スネ樹「やはり秘密道具なんですね」


お嬢姉「多分だけど人を寄せ付けないような効果があるんじゃないかな?」


スネ樹「それか、人を脅かすとかですかね?まゆが犬が苦手で泣いたとか?」


まゆ「本当に分からなかったの!まみが遠くに行った瞬間急に寂しくなってまみに会いたくて仕方なくなって・・」


メイド「とにかくあの犬の置物が何かあるなら壊すまでです」


ナイフを投げようと振りかぶるメイドさんにミニドラさんが言った


ミニドラ「秘密道具なめんなよ?そんなもんで壊れるか」


メイド「ならどうするんですか?」


スネ樹「これはやはり人を寄せ付けない道具なんですか?」


ミニドラ「確かにこれは人を寄せ付けない道具だ。だからまみを止めようとして結果的にまゆを泣かせば戻ってくると道具が判断したんだろう」


ミニドラ「俺の仲間達が部外者が入ってこないように設置したんだろ。玄関は開けてくれたが道具の回収を忘れたのだろう」


スネ樹「中に入る仲間達に連絡して回収してもらえれば」


ミニドラ「さっきからしてんだが反応がない多分忙しくてそれどころではないのだろう」


ミニドラ「こうなると厄介だぞ」


メイド「方法はないのですか?」


ミニドラ「あるにはあるが・・」


まみ「どんな方法ですか?」


ミニドラ「秘密道具も完璧じゃない。こういうやつはゴリ押しでもいけない事はない」


ミニドラ「いいか?玄関入り口に着くまでは何も考えるな。帰りたくなっても、俺たちの誰かが呼んでも行くんだいいな?」


ミニドラ「そして、あのゴーゴードッグのスイッチを切れ」


スネ樹「ゴーゴードッグ?あの道具の名前ですか?」


ミニドラ「おう、そうだ。あれの逆で特定の人を呼びつけるのがカムカムキャットだ」


メイド「それで?誰が行きますか?私は・・すみませんが出来ません」


まみ「私も・・無理です」


まゆ「まみに泣かれたら無理」


お嬢姉「・・・スネ樹くんはどう?無理なら」


スネ樹「僕は・・」


正直言うなら嫌だ・・


でも、ここは男の僕がやらなきゃいけない!あまり役に立ってないし・・


まみやまゆに泣かれたりしたら無理だろうな・・


お嬢姉さんが泣いてたら絶対に戻っちゃうし


変わるって強くなるとは限らないんだな


なんか情けなくなってきてるな・・


いや、そんな事言って逃げるのは駄目だ


出来るか分からないけど!いや、やってやる!


スネ樹「やります!やらせてください!」


ミニドラ「ほう・・ならやってみな」


まゆ「ないとは思うけど私が泣いても来ないでよ!」


まみ「です!」


メイド「泣きません」


お嬢姉「うん、大丈夫だから」


スネ樹「はい、では!」


一方前へ進む


なんともない


二歩前へ進む


なんともない


まゆ「早よいけ」


スネ樹「分かってるよ」


次は歩き出す


そして早歩きになる


道具との距離は後半分これなら行ける


その時


まみ「うわぁぁああん!」ポロポロ


まゆ「帰って来てよぉおお!」ポロポロ


二人が泣き出した


ミニドラ「立ち止まるな!行け!」


スネ樹「ぐっ!ごめん二人とも!」


メイド「スネ樹さん・・・・」ツー


メイドさんはただ立ち止まり涙を流しながらいつもの顔で小さく名を呼んでいた


スネ樹「メイドさん!」


お嬢姉「スネ樹くん行って」


ミニドラ「こんな俺は・・うぉおおおおおお!!」ガンガン


地面に頭を打ち付け始めるミニドラさん


あれは止めないとやばい


スネ樹「っ!」


お嬢姉「止まらないで行きなさい!前を見て!」


スネ樹「はい!」


まゆ、まみ、メイドさん、ミニドラさん、ごめんなさい!


スネ樹「うぉおおお!」


でも、なんでお嬢姉さんは平気なんだろう


正直お嬢姉さんが一番僕の足を止めるには適していると思う


だってお嬢姉さんが泣いてたら多分戻っちゃう


もう一度お嬢姉さんの方を見る


笑顔で手を振ってくれた


その隣は鳴き声や叩きつける音などでうるさいけど


一人でも送り出してくれる人がいるなら!僕は


スネ樹「行ってやるぅうう!!」ダッ


お嬢姉「行かないで!!」


スネ樹「っ!」


道具を掴みスイッチを切った


道具の効力は切れた


まゆ「あー疲れた・・二回もはきつい」


まみ「でも、すっきりしました」


メイド「メイドとしてまだまだですね私は」


ミニドラ「いてぇ〜」


みんなが元に戻っていた


一人を除いて


お嬢姉「スネ樹くん・・スネ樹くん・・」ポロポロ


お嬢姉さんが泣いていた


スネ樹「お嬢姉さん!」ダッ


すぐさまに駆け寄りノビスケさんなら抱きしめたりするのだろうが


僕には出来ない


座り込んで泣いてお嬢姉さん近くにただいることしか出来なかった


言葉が出ない


スネ樹「あ、あの・・・これを」


そっとハンカチを差し出した


それを見たお嬢姉さんは


ニコッと笑って


お嬢姉「ありがとねスネ樹くん」


スネ樹「はい!あの、大丈夫ですか?」


お嬢姉「ごめんね、もう落ち着いたから大丈夫だよ」


お嬢姉「本当はね?スネ樹くんが一歩踏み出した時から悲しくなっちゃって」


スネ樹「え!」


お嬢姉「まゆちゃんが早よいけって行った時なんか少しムッとしちゃったし」


スネ樹「でも、お嬢姉さんも行けって言って」


お嬢姉「うん、悲しかったけど・・なんだろうね・・私の我儘で止めるなんて出来ないと思ったの」


道具の効力はかなりのものだ


それを耐えて僕を応援してくれた後押ししてくれた


スネ樹「お嬢姉さんは本当に強いですね・・」


お嬢姉「最後の最後で爆発しちゃったけどね」


スネ樹「ビックリしたんですよ」


お嬢姉「ごめんね、ふふふ」


ミニドラ「おい、イチャついてないで行くぞ」


スネ樹「ちょっ!」


お嬢姉「はーい」


まゆ「ムッ・・私も頑張ったのに」


まみ「よしよし」ナデナデ


その後ミニドラさんに連れられホテルの部屋へ


そこの部屋のドアだけ他と違い


機械の扉だ


まゆ「この部屋だけ違うわね」


まみ「なんかボタンが付いてます」


ミニドラ「暗証番号と音声認証が必要だ」


スネ樹「分かるんですか?」


ミニドラ「あぁ、任せろ」ピッ


ミニドラ「暗証番号はこれでよし、後は音声認証だ。ドラの力は不滅!」


ガチャ


ドアが開いた


ピニドラ「やっと来たわね遅い!」


ミニドラ「あぁ?外にゴーゴードッグなんて置いてるからだろうが!」


ピニドラ「あ、忘れてたごめんなさいね」


ミニドラ「まぁいい、手伝おう」


ピニドラ「お願いタイムマシンのほうは今青ミニドラと黄ミニドラが見てるからドラえもんさんをお願い」


ミニドラ「おお!ドラの兄貴なんと嘆かわしい姿・・すぐに修理しますから!よし!やるぞ!」


スネ樹「・・僕達蚊帳の外ですね」


メイド「そうですね」


お嬢姉「はははは・・・」


まゆ「それにしても随分ボロボロね」


まみ「錆だらけです」


ミニドラ「おい、お前らそこに突っ立ってないで手伝えや!」


スネ樹「なんか怒られましたね」


まゆ「なにすればいいのよ!」


ミニドラ「まゆ、スネ樹はタイムマシンの方を!メイド、まみはこっちへ来い高貴なドラえもんを修理する手伝いをさせてやる」


お嬢姉「ねぇ!ねぇ!私は!」キラキラ


お嬢姉さんが輝いているように見えた


お嬢姉「一度でいいからドラちゃん解体してみたかったし、タイムマシンもやってみたかったし!ねぇ!どっち!」


ミニドラ「お前は・・そうだな」


ピニドラ「お前はそこで見てろクソ女」


お嬢姉「ん?」


ピニドラ「ドラえもんさんに気に入られてるからって調子に乗るなよ?クソ女が!!」


お嬢姉「別に調子になんて」


ピニドラ「うわ〜嘘つくんだ!これだからクソ女は」


お嬢姉「・・・・・・」


ミニドラ「このピンクのやつ解体するか?」


お嬢姉「え!いいの!」キラキラ


ピニドラ「ちょっ!」


ミニドラ「あぁ、いいぞ」


お嬢姉「やった!じっとしててね〜」


ピニドラ「や、やめ!」


お嬢姉「っ!ゲホッ!・・ぶはっ!」


スネ樹「お嬢姉さん!!」


ミニドラ「血を吐いたか!緑ミニドラ!」


緑ミニドラ「お嬢姉さん君の身体を見せてもらうよドラ心眼!」グワッ


ドラ心眼・・人の身体から心までも全てを見る事が出来る医者に向いている


ミニドラ「どうだ?」


緑ミニドラ「うむ・・・・すまない」


ミニドラ「くそ、こうなるとはなドラの兄貴に言われた通りにするぞ!みんな俺に触れろ!!」


スネ樹「え?」


まみ「なんですか!」


まゆ「触ればいいの?」


メイド「嫌ですが?」


青ミニドラ「聞いていましたが長くないようですね」


黄ミニドラ「少しは話してみたかったんだが仕方ないな」


緑ミニドラ「うむ」


ピニドラ「助かった・・・」


みんながミニドラに触れた


お嬢姉さんを除いて


お嬢姉「ぐっ!・・もう・・時間なの!こんな!・・・」


ミニドラ「お前は触るな」


お嬢姉「・・・・・はい」


何かを察したようにお嬢姉さんはその場でジッとしていた


そして一言


お嬢姉「みんなありがどね。楽しかったよ未来をお願いね」ニコッ


それがお嬢姉さんとの最後の会話だった


スネ樹「え?」


ミニドラ「ドラの力は世界をも凌駕する!ウルトラウォッチ!」カチ


ミニドラ「もう離れていいぞ」


メイド「空気が変わりましたね」


まみ「なんだろう・・・」


まゆ「凄く静かになってる」


スネ樹「・・・・・」


周りを見渡す


変化はない


静かになったのかも空気が変わったかも分からない


スネ樹「ただの冗談かな?」


いや、違う


もしかしたら


スネ樹「お嬢姉さん!」


お嬢姉さんがいなくなっているのかもしれない


だから別れのよう言葉を


お嬢様「・・・・」ニコッ


お嬢姉さんは居た


さっきと変わらず笑顔だけど少し寂しそうにしている顔だ


スネ樹「ほっ・・周りを静かにするだけの道具とかだったのかな?」


スネ樹「お嬢姉さん大丈夫ですか?」


メイド「スネ樹さん彼女はもう」


ミニドラ「察したようだな。だが言うなよ?これは自分で気付いて乗り越えなきゃいけない」


メイド「そうですね」


スネ樹「お嬢姉さん?どうしたんですか?ずっと笑って何か面白い事でもあったんですか?」


まみ「っ!・・窓の外が!」


まゆ「なるほどね・・でもどうして」


スネ樹「お嬢姉さん?返事してくださいよ。その・・怒りますよ?」


お嬢姉さんはさっきと変わらず、ずっと笑顔で・・全然変わらず


瞬きをしない


息もしてない


動いていない・・・・


死んでいるのか・・・嘘だ・・ろ


スネ樹「うわぁぁああ!!」


メイド「スネ樹さん!落ち着いてください!お嬢姉さんは!」


スネ樹「ミニドラぁああ!!」ダッ


もう何も考えられない!ミニドラが何かしたのは確かだ


とにかく今はこの怒りをミニドラに叩きつけてやりたい


ミニドラ「空気砲・・これ以上来るなら撃つ!本気だぞ!」


黄ミニドラ「悪いねみんな!狙え!」


青ミニドラ「撃たせるなよ?」


緑ミニドラ「やめろ!止まれ!」


ピニドラ「しょうもな!私はやらないし」


スネ樹「うぉおおお!!」


まみ「お姉ちゃん!」ダッ


まゆ「分かってる!あの馬鹿!」ダッ


メイド「今度は私が止めます!」ダッ


まみのタックル


スネ樹「ぐほっ!」


さらにメイドのビンタ


スネ樹「へぶっ!」


まゆ「次は私よ!」


メイド「飴と鞭の鞭はやりました!まゆちゃん飴をお願いします」


まみ「飴です!食べますか?きんかんのど飴」サッ


メイド「しまっておこうね」


まゆ「え?え?・・えっと!とぉ!」


ギュッ


飛びつきからの抱きつき


まゆ「スネ樹落ち着いて!お願いだからお嬢姉さんは死んでないから!」


スネ樹「っ!本当です・・か!本当なんですか!!」


まゆ「本当よ!だから落ち着いてね?」


スネ樹「・・はい、まゆ、ありがと」


まゆ「これくらい気にしないでよね」


スネ樹「それはそうといつまでも抱き着かれてるとその・・・」


まゆ「っ!離れるし!」


まみ「よかったです」


メイド「はい、本当に」


ミニドラ「ふっ、スネ樹命拾いしたな」


スネ樹「ミニドラさん、まみ、メイドさんすみませんでした。説明をお願いします」


メイド「多分ですがさっき使っていた時計で時間を止めたのではないのでしょうか」


まゆ「窓の外を見れば分かるけど鳥が空中で止まってるし」


まみ「鳥だけじゃなくて全部です!」


スネ樹「ほ、本当だ・・こんな事って」


メイド「あの時計は持っている人とその持っている人を触っている人だけ道具の効果を受けないと思います。さっきお嬢姉さん以外がミニドラさんに触ってましたし」


ミニドラ「ほう、正解だ。やるなお前ら」


まゆ「だけど・・」


まみ「どうしてこんな事をするのかは分からないです」


メイド「納得出来る説明をしてください。じゃないと私も飛びかかるかもしれませんよ?」


ミニドラ「怖いな・・ははは」


まゆ「私もよ!」


ミニドラ「おお!おお!怖い怖い」


まみ「私もです!」


ミニドラ「それは洒落にならん!」


スネ樹「ミニドラさんお願いします」


ミニドラ「はぁ・・お前らは仕事に戻れ」


ピニドラ「はいはい」


青ミニドラ「予定の時間をかなりロスした」


黄ミニドラ「時間止まってるから大丈夫じゃね?」


緑ミニドラ「そういう問題なのか?」


ミニドラ「さてと、あいつがお前らとは違う時間枠の人間だってのは分かるよな?」


スネ樹「はい、初めて会った時にはタイムマシンに乗ってたのでそうだとは思っていました」


ミニドラ「お前らのいる時間枠ではな?あいつもう死んでんだわ」


スネ樹「・・・・そうですか」


いつの時代の人間かは分からないけど


お嬢姉さんにはお嬢姉さんの未来があり人生がある


寂しいけどきっとお嬢姉さんは普通に生きて好きな人を見つけてけ結婚して子供達に囲まれて


おばあちゃんになって人生を終えるのだろう


病弱だけどきっとそうなるって思えるんだ。病気もきっと治る


メイド「それがお嬢姉ちゃんだけの時間を止めた理由とどう関係するんですか?」


ミニドラ「あいつのいる時代はお前らの時代から二十年の差もない」


スネ樹「え?」


それって・・二十年の以内には死ぬってこと・・


スネ樹「そんな・・・」


なんで、どうして!


ミニドラ「あいつはある理由で治らない病を抱えている。そいつがもう限界なんだ」


スネ樹「限界って・・もう長くないって事ですか?」


聞きたくない


なのに勝手に口が動いていた


ミニドラ「おそらく後一日もない」


スネ樹「っ!!そんな・・」


ミニドラ「此処で死なれては困るんだ。ちゃんと自分の時代で死んでもらわないとな」


スネ樹「そんな言い方酷いです!」


ミニドラ「本当にそう思うか?誰も自分を知らない時代で誰にも知られず死ぬ・・誰にも看取られずひっそりとな。それが本当にいいのか?」


まゆ「それは・・嫌だけど・・」


スネ樹「どうにか!どうにか出来ないんですか!秘密道具で!」


ミニドラ「無理だ・・もうどうにかなるレベルを超えてる」


まゆ「本当に無理なの?意地悪してるなら助けてあげてよ」


まみ「そうです一人くらいー」


メイド「二人とも黙りなさい」


まゆ、まみ「っ!」


メイド「一人の存在がどれ程大きいか分かりますか?一人くらいなどと簡単に言わないでください」


まゆ「でも!だからってこのまま元の時代に返して弱っていくのを病死するのを待つの?」


まみ「なら、少しの可能性も試してみたいです」


メイド「それは・・・・そうは言ってませんが」


ミニドラ(本当にこの女は好かれてんだな。だが、これだけは言っておくか)


ミニドラ(すまん・・・)


ミニドラ「あいつの死因は病死じゃない」


スネ樹「っ!病気は治るんですか!」


ミニドラ「いや、病死する前に死ぬ。殺される。ナイフで心臓をグサッてな」


その言葉でみんな黙ってしまった


殺された?誰に?誰が?誰だ!!


まゆ「酷い・・・」


まみ「誰?」


スネ樹「誰ですかそいつは!」


メイド「許せませんね・・・」


ミニドラ「ふっ、そう思うか?」


スネ樹「当たり前でしょ!!」


ミニドラ「ならこの話は終わりだ。仕事に取りかかれ」


スネ樹「まだ肝心なことを!」


ミニドラ「知ってどうする!まさか?助けると言うんじゃないよな?」


スネ樹「・・助けます!」


まゆ「うん!」


まみ「です!」


メイド「はい!」


ミニドラ「ちっ!だからお終いだ!仕事しろ!」


スネ樹「納得できません!誰です!僕はそいつを許せません!」


ミニドラ「くそっ!だから言えねぇんだよ!」


メイド「何故です!」


まゆ「納得できないわ!」


まみ「なんで言えないんですか!」


ミニドラ「ああ!!うるさい!」


ゴスッ


ミニドラ「いて!誰だ!スパナ投げた奴!」


ピニドラ「私よ。てか、うるさい黙れ!さっさとしろ!あと投げたスパナ返せ」


ミニドラ「ちっ!!じゃあ、最後だこれで話は終わりだ!いいか?あいつはそいつに殺される事を望んでいる!以上!」


スネ樹「なっ!なー」


ミニドラ「うるさい!質問もなしだ!仕事しろ!じゃないとウルトラウォッチでてめえらも時間止めるぞ!」


スネ樹「くっ!」


メイド「それが貴女の最後なんですね・・幸せだったのでしょうか」


ミニドラ「少なくとも不幸とは思ってないだろうなあの笑顔少しぎこちないが心からの笑顔だ」


メイド「はい、凄く可愛いです」


まゆ「望んだなら仕方ないのかな?」


まみ「その殺した人も辛いのかな?」


ミニドラ「そう思うだけでもあいつもそしてお嬢姉も幸せだな」


スネ樹「くそっ!僕は・・僕は何も出来ないのかよ!」ポロポロ


動かないお嬢姉にすがるように僕は泣いた


そんな僕を彼女はただ、ただ、変わらない笑顔で見ていた


今はその笑顔が・・・辛い


スネ樹「うわぁぁあああん!!」


近くにこんなに近くにいても・・もう・・彼女は・・遠くに僕達の届かない所へ行ってしまっている


この笑顔も・・もう届かない


スネ樹「ああああああくそぉおおお!!」ポロポロ


ミニドラ「・・・・・・・」


メイド「ミニドラさん、すみません」


ミニドラ「あぁ?」


メイド「嫌な役をさせてしまいました」


ミニドラ「ふっ、慣れてるよこのくらい。それよりあいつらに声かけなくていいのか?」


メイド「大丈夫です。あの子達は強い子達です。きっと乗り越えてくれます」


ミニドラ「・・・そうだな。さあて始めるか」


メイド「はい」


ーーーーーーーーーーーーー

ーーーーーーーーーーー

ーーーーー


ー恭介編ー


時代(現在)


頭が痛い・・・まだ意識がはっきりしない


何をしてたんだっけ?


ここは何処?


私は誰?


そこまではなってないか


でも、なにしてたっけ?


あ、そうよ!ノビスケの家で変なポケット


確か・・四次元ポケットよ


それで手紙を読んでいて


あの後も確か続きが書いてあって


それを読もうとしたら


そうよ!殴られたのよ!


いきなり後ろから


か弱い女の子相手に後ろから!


そう思うと腹が立ってきた!


意識がはっきりしてきた


お腹も空いてきた


さぁ、目を開けて!


花音「はっ!」グワッ


瞬時に起き上がり周りを見渡す


身体を確認なにか変な事をされていないか


大丈夫のようね


何もないただの部屋だ


本当に何もない


あるのは何処へ出るか分からないドアだ


ガチャ ガチャ


花音「開くわけないか・・」


どうやら閉じ込められてしまったようだ


花音「いてて・・あれ?頭に包帯が巻いてある」


死なれちゃ困るって事か


花音「何処か出口は・・てか、トイレもないし窓もない無理じゃん!」


持ち物は駄目全部取られてるか


なんとかして外に連絡をとれないだろうか


考えた結果


花音「・・・・・・」


トン トン トン


トントントントン


トントン トントン


壁を叩き音で外へ連絡(それっぽく叩いただけ)


何処にいるかも分からないけど


そんなのは些細な・・・・・些細な事ではないか


手が痛いのでやめた


花音「むぅ・・・」


もう駄目じゃん・・・・大人しく待って返してもらうしかないか


返してくれるのか?大丈夫だよね?


よし、来たらもう恥なんて捨てて泣きわめいてやる


花音「・・・なんかますます殺られそう」


その時


ガチャ


ドアが開こうとしていた


花音「っ!」バタッ


瞬時にさっきと同じように倒れた状態になる


つまりは気絶のふりだ


足音では多分二人だと思う


男「こいつだ」


女「へぇ〜この子が」


花音(女性と男性が一人ずつか)


男「怪しいだろ?こんな変な手紙も持っていたしな」


花音(最後まで読んでないんだから返せ!)


女「こんなのただの誰かの黒歴史でしょ?年頃の子はこういう文を書きたくなるものよ」


男「だが、現にここに四次元ポケットっていう物がある」


女「見せて・・こんなのただのおもちゃよ。それにこの子だって関係ないよ。さっさと解放してあげなさい」


男「うるさい!これをあの方に見せれば俺は!」


女「ただの一般人とこんな誰の妄想かも分からない中ニ丸出しの文を?本気?」


女「死ぬよ?」


男「ぐっ!さっきから!お前俺の手柄を横取りする気だな!あいつの家を突き止めて誰にもばれないようにしてやっと手に入れた手柄を!」


女「コレが手柄?何処の誰か分からない一般人を見せてなんて言うの?」


男「そ、それは何か知ってるかもしれないだろ!拷問は得意だ」


花音(拷問って!なにする気!逃げないと助けて女性の人)


女「やるのは勝手だけど何も出てこないわよ?」


花音(救いはないのか・・)


男「なんでだよ」


女「だってこの子ノビスケのただのストーカーだもん」


花音(あぁ?)


男「はぁ?ストーカー?」


女「そうよ。考えてみて?友達とかならいなくなったことはニュースとかで分かるでしょ?それにあんなボロボロの家に入ろうとなんてしない彼女には目的があったのよ」


男「目的それは?」


女「下着よノビスケのね。その四次元ポケットと呼ばれるのはただのパンツよ」


男「まじかよ・・・・でもこれ足通す場所ねぇぞ」


女「・・・と、とにかくパンツよ信じなさい。この女はノビスケがいない事をいい事に家に侵入して下着をクンカクンカしてただけよ」


男「むう・・だが」


花音(・・・この女許さん!)


だけど気絶のフリを続けるしかない


女「信じて・・・」


男「わかっーいや!信じないね!考えてみればお前らは北条家を追放されて恨んでる筈だ!手助けなんてする筈!」


花音(北条家!!)ビクッ


男「ん?今なにか」


ダンッ


花音(がぁ!!・・この・・女踏みやがった・・)ガクッ


女「・・・・ごめんね」ボソッ


男「まさか起きたのか?いや、気絶してるな・・」


女「・・・・・・」


男「恨んでんだろ?俺たち北条家の人間をよ?元北条家さん?」


女「・・・わかった本音を言うわ。私貴方に」


女(もうまともに機能もしてない組織がほざけ!)


男「え?ババアはちょっと・・・」


女「ぐっ・・このこの!」ビリビリ


男「ああ!その手紙を破るな!」


女「とにかく!この女の子は私が預かりますいいですね!」


男「いや、だが」


女「あんだけ説明してまだ理解できないの?」


男「手柄が・・・それにやはりこの四次元ポケットとかいうのも中を見たら本当に四次元かもしー」


ポケットの中を覗き見ようとした瞬間


ゴンッ


男「ごはっ!」バタッ


ポケットから何かが飛び出しそれにあたり男は倒れた


信じられないかもしれないけどポケットから顔だけが出ている


女「え?なに!」


???「あら?ここは?何処ですか?まみちゃんは?もう病院から脱出できたのですか?」


女「何者!」


???「私は・・いえ、誰でもありません。出口を間違えました。失礼します」


そう言ってまたポケットに潜ってしまった


女「なんなの・・・もう!台無し!仕方ない何回か叩けば記憶消えるかな?ふふふ、ババア呼ばわりしたお礼もね?」


ーー見せられないよーー


男「」ピクピク


女「こんなもんかな?この子は返してもらうよ。このポケットもただのポケットってわけではなさそうね」


女「指紋も形跡も決して、じゃあね」


女「あれ?非常用に持ってきていた煙幕手榴弾がない?忘れたのかな?まぁいいや。さっさと撤退しよっと」


ーーーーーーーーーーーーーー

ーーーーーーーーーー

ーーーー


ーセイナの屋敷ー


恭介「この紅茶凄く美味しいです!」


カイ「当たり前だろ淹れ方から素材まで全てが最高級だ」


恭介「あ、あの・・・」


カイ「ふっ、お代わりだろ?あるぜ?飲むか?」


恭介「っ!頂きます!」


セイナ「そうですかご苦労様です。帰ってきてください」ピッ


ユウ「誰からだ?」ググッ


セイナ「メイドのメイからです。貴方たちの仲間を確保したと」


ユウ「お前らも中々やるじゃないか」グググッ


セイナ「当たり前ですよ。なんせメイですから」


ユウ「メイって奴は知らんがまぁよくやった」ググググッ


セイナ「後はここで待っていれば一時間くらいで帰ってくるでしょう」


ユウ「なら、待っているとするか」グググググッ


セイナ「あの・・」


ユウ「あぁ?」ググググググッ


セイナ「さっきから何をして?」


ユウ「さぁな?こいつに聞いてくれ?なぁ?優香!」ググググググググッ


優香「ふぬぬぬぬ!!」ググググググググッ


ユウ「いい加減に離せよ?な?もうチョコレートは駄目って言ったよな?」


優香「あとちょっと!」


ユウ「そう言って何個食った?あぁ?もう駄目だ!な?離せよな?キレるぞ?ん?」


優香「ゆずれないものがあります!」


ユウ「口元にチョコレートつけて言うセリフじゃないよな?何個オーバーしてると思ってんだ?あ?仏の顔も五度や六度じゃねぇぞ?」


ユウ「さっきから頭の中でお前の糖分やカロリー計算してるんだぞ?そろそろ暗算ではやばいんだぞ?」


優香「むぅ・・なら電卓使えば良いです」


ユウ「そう言う問題じゃないよな?な?」


セイナ「あの、たくさんあるので」


ユウ「そういう問題じゃねえんだよ!てか、お前もさっきから食い過ぎだ!」


セイナ「え?」


ユウ「カロリーをざっと計算したが糖尿になるぞ?あと太るぞ?優香みたいに若くないんだから気をつけろ」


セイナ「っ!!」


優香「ユウさん!酷いデリカシーがありません!」ググググッ


ユウ「そう言うのはまずこの手を離してからにしろよ?あぁ?」


セイナ「私・・太るのかな・・・」


カイ「紅茶の淹れ方教えてやろうか?」


恭介「いいんですか!是非!」


紅茶の淹れ方を覚えた


セイナ「あれ?メイから電話?もしもし?え?・・分かったわすぐに助けを出すわ」


場の空気が変わった


セイナ「追ってに追われているらしいの助けに行かないと」


ユウ「場所は?」


セイナ「メイの事だから多分ここを通るはず」


ユウ「仕方ない少し待ってろ」


恭介「俺も行きますよ」


カイ「行けって言われるのは分かってるしな。あれでも可愛い妹だしな」


セイナ「メイがこんな失敗するなんて珍しいし・・みんな気をつけて」


ユウ「優香はお留守番なチョコレートは全部持っていく」


優香「っ!!」


ユウ「やはり待ってるのは俺の性分じゃねえな」


恭介「準備完了です」


ユウ「よし、行くか!」


ーーーーーーーーーーーーーー

ーーーーーーーーーーー

ーーーーー


ーノビスケ編ー


時代(未来不明)


ピニドラに頼まれておつかいをすることになり未来へ


場所は移動出来ないので着いた場所は俺たちがいたホテルの一室


今思えばホテルが取り壊されていたら移動した瞬間落ちていた


それはなく喜んで良かったのだが


ノビスケ「なぁ・・ここって」


アヤカ「私は知らないし!こんな所!」


ノビスケ「でも、ピンクの照明に回転ベッドに変な自販機そしてこのDVD・・あのホテルって未来では」


アヤカ「言わないで!」


ノビスケ「ラブホじゃね?」


アヤカ「変態!この!」


ノビスケ「なっ!物を投げるなよ!」


ノビスケ「っ!誰か来る!」


アヤカ「え?なんで分かるの!」


ノビスケ「とにかく隠れろ」


アヤカ「ど、何処に」


ノビスケ「もう来るか、ごめん!」サッ


アヤカ「あれ?何処!ノビスケくん!」


そしてドアが開かれた


アヤカ「っ!」


続く


後書き

次回、未来での買物の筈が何故かタイムパトロールと関わる事に


このSSへの評価

1件評価されています


SS好きの名無しさんから
2017-12-24 03:25:06

このSSへの応援

このSSへのコメント


このSSへのオススメ


オススメ度を★で指定してください