【第8章】帰るべき鎮守府と裏と表を行く提督
長い様で短い期間自分の鎮守府を離れて改めて思う
帰れる場所があるから待ってくれる人がいるから俺は頑張れたんだ
ただ一つの想いを・・帰りたい
その想いが俺を強くさせてくれる生きる意味をくれる
負の想い正の想い、裏と表を背負って帰ろう
帰るべき鎮守府へと
これは【捨てられた鎮守府と捨てられた提督】の続編の【おんぼろ鎮守府と捨てられた提督】の続編の【おんぼろ鎮守府と歩み続ける提督】の続編の【大切な鎮守府と歩み続ける提督】の続編の【大切な鎮守府と道を照らす提督】の続編の【君の居た鎮守府と道を照らす提督】の続編の【君の居た鎮守府と裏と表を行く提督】の続きとなります。まず、それらから見てもらわないと全く分かりません
0章はとりあえず本編を見てから見る事をオススメします
増えるの!まだ増えるのかぁああ!これ以上増えると本当ワケワカメですね!
専門用語とかは全く分かりませんし、文章もおかしかったりしますが、中傷コメなどはせず、気にいらない方はそっと戻るボタンを押して忘れてください
それが貴方の為です
それでも良い方はどうぞ見てやってコメントを残してやってください
キャラ崩壊注意ですよ!本当に注意ですよ!
如月「研修も6日目を迎えて実質最後の研修日・・長かったわね」
間宮「西提督さんの提案により提督達は海へのクルージングへと出ました。大丈夫なんでしょうか?」
電「眉毛、司令官、メガネ、金髪、ビッチの五人で海へ出たのです。人が安易に海へ出るなんてアホの極みなのです」
不知火「ぬい!」
まるゆ「護衛なども引き連れて途中までは何事もなく進んでいましたが・・」
明石「浮いている艦娘の遺体を見つけてしまった・・よくある事だしほっておけば良かったのに回収した」
夕張「でも、それが提督らしいと思うけどね。それにそれのお陰で研修生達は身近にある死を学べたんだね」
鳳翔「でも、それだけで終わりませんでした。その亡くなっていた艦娘が駆逐棲姫となって提督さん達を襲いました」
如月「私が近くにいれば・・でも、メガネと金髪の活躍によってどうにか駆逐棲姫から逃げる事が出来た。本当に良かったわ」
間宮「艦娘から深海棲艦に・・これが意味するのは・・何でしょうか?」
電「西提督は無謀を拗らせてノックアウト、司令官は自滅、敵に少しダメージを与えたのは褒めてやるのです。そして!ビッチは腹筋を鍛えるのです!腹パンくらいでノックアウトとは情けない!」
不知火「ぬい!ぬい!」
まるゆ「それから西提督船が壊れてしまったんです。どうにか救難信号は出せたけど反応してくれる所なんてありません・・みんな自分達の事しか考えてないから」
明石「そのままジッとしてるわけもなく不死鳥作戦とか変な事するしで本当馬鹿ばかり」
如月「気まぐれな不死鳥作戦よ?間違えたらダメよ」
明石「知らん!同じでしょ!」
夕張「気まぐれな不死鳥作戦、船を轟沈させて女神に直してもらうなんて普通は考えつかないよね。ある意味尊敬はするよ?」
明石「あんたも馬鹿なんだね」
夕張「否定はしないよ!周りを気にせず自分を精一杯表に出して一つの事を極める!そんな馬鹿に私はなりたい」
明石「はぁ・・」
鳳翔「結果は失敗に終わり、いえ、船は直ったんですけど提督さん達は流されてと言うより逃げて無人島へ着いた」
鳳翔「その時に夢で夕立と会い無茶をするなと釘を刺されたんです。夢にまで出て来てくれるなんて良い子ですね。少し嫉妬したかもです。ふふ」
如月「目覚めた提督は西提督さんと衝突をしてますます仲を深めたけど・・早速無茶をするんだもの心配だわ・・もう貴方だけの身体じゃないんだからやめて欲しいわ」
電「二手に別れて探索を始めるけど、何故司令官とビッチが二人きりなのか!認めないのです!」
不知火「まぁまぁ落ち着いて、せーの」
電、不知火「「ぬい!」」
間宮「そして大井さんと出会い同時に人に恨みを持つ天龍に見つかる。二人は襲われてしまい一度逃げるけど大井さんを逃す為に提督さんは戻り代わりに捕まってしまった」
明石「女とあれば何処へでも行くんだから・・首輪付けていた方がいいかも」
夕張「造ってみましょうか!デザインはっと・・」
まるゆ「流れ着いた島は人に捨てられ恨みを持つ艦娘達の住む島だった。隊長達にとってはある意味海より危険な場所です」
まるゆ「隊長の運命は、そして西提督さん達はどうなったのか」
電「以上!あらすじ終わりなのです!本当ならドラ◯ンボールZみたいにスレの半分をあらすじに使おうと思ったけどめんどくさいのでやめたのです!感謝するのです!」
電「あらすじが分かりにくかったら第7章を見直すのです!そしてコメを寄越すのです!オススメをするのです!」
鳳翔「この先どうなるかはこの目で確かめてくださいね。第8章【帰るべき鎮守府と裏と表を行く提督】提督さん達の紡ぐ明日の物語」
鳳翔「過度な期待はせずに見てくださいね。それでは始まりますね」
少し時間は遡り
提督達が大井を追いかけている頃
西提督達は同じく木々の生い茂るジャングルを知らずに奥深くへと進んで行った
西提督(うむ・・迷った!帰り道が分からない!どうするか・・不安にはさせたくないし)
メガネ「・・・・・・・」
そしてその先で
金髪「おお、穴だ!洞穴だ!」
メガネ「・・洞穴は違うよ洞窟だね」
洞窟を見つけていた
西提督「むむ、洞窟か・・」
金髪「入ってみます?もしかしたら中に漂流者がいるかもしれません」
西提督「いや、迂闊に入るのは危険だ。熊の寝床だったりしたら大変だからな」
金髪(西提督さんなら熊ぐらい倒せそうだけどな)
メガネ「・・・・これ、足跡」
金髪「人の足跡だ西提督さん」
西提督「よし、お前達は此処で待っていろ俺が行ってくる」
金髪「冗談でしょ?」
メガネ「・・僕達も行く」
西提督「だが・・いや、言うだけ無駄か提督の部下達だからな」
西提督「俺の後ろから離れるなよ。俺の後ろは任せた」
金髪、メガネ「「はい!」」
三人は洞窟へと入った
ゆっくりと慎重に先へと進む
洞窟はそう長くはなく
メガネ「・・あれ」
金髪「奥から光が」
瞬間何かが勢いよく飛んでくる
西提督「っ!お前ら!伏せろ!」
ガンッ
西提督「ぐっ・・・」
金髪「西提督さん!」
西提督「ダメだ!出てくるな!俺の後ろにいろ!俺を盾にするんだ!」
金髪「一体何が!」
ガンッ
西提督「ぐぁっ!」
メガネ「・・石だ、石が飛んできている」
金髪「くそっ!誰だ!やめてくれ!俺達は敵じゃない!」
???「それ以上来ないで!」
声が聞こえる洞窟の中なのか反響して何処からか分からない
よく見てみると奥から光が見え影が動いている
誰かいる!
金髪「お前は漂流者なのか!俺達もそうなんだ!少し話がしたいだけなんだ!」
???「だめ・・帰って!」
声からして女性だとは分かるが何か辛そうだ
影が振りかぶるとまた石が飛んでくる次は当たらずにすぐ隣の岩に当たり砕けた
今度こうなるのはお前だと言いたいのだろう
て事は最初のは一応手加減したと言う事か
間違いない。石ころを銃弾並みに投げる馬鹿力に女性の声
俺の知ってる中では一つしかない
金髪「お前もしかして艦娘か!安心してくれ俺は海軍のー」
???「っ!」
メガネ「・・駄目だ!出るな!」
シュッ
金髪「っ!」
目の前に石が・・・あ、これは死んだそう思った
しかし、すぐにそれは目の前の大きな背に守られた
西提督「ふぬ!」ガンッ
西提督「ぐぁ・・ぐはっ!」
金髪「西提督さん!すみません俺の所為で・・」
西提督「怪我はないか・・」
金髪「俺は大丈夫です。でも、西提督さんが」
西提督「平気だ!・・だが、やってくれたな・・」
メガネ「・・逃げよう」
金髪「あぁ!今なら言えば逃がしてくれそうだ」
帰れと言うならお望み通り帰ってやるよ
???「次は本気で・・うっ・・当てる・・降参するな今・・」
金髪「分かった!降参だ俺達はもどー」
戻るからとそう言おうとしたが
西提督「いや・・必要ない俺達は退かん・・退くわけにはいかんぞ!」ギロッ
金髪、メガネ「「っ!」」ブルッ
最初の時に妙高さんに睨まれた時があったがそれよりも遥かな恐怖を感じた
西提督さんは本気で怒っている
???「な、なに・・」ビクッ
向こうもそれを感じたようだ
金髪「に、西提督さん!何度も石をぶつけられて怒るのは分かりますけど状況が悪過ぎます!」
怖いのを耐えて西提督さんに言った
西提督「そんなのは知らん!」
何を言っているんだ!
メガネ「・・何か策が」
西提督「そんなものはない!」
言い切った!相手に聞こえる程の大きな声で言いやがった
いくら痛かったとは言え石ころを数発当てられたくらいで向こう見ずになるなんて
下手したら死ぬかもしれないのに
なんで冷静に状況を把握しようとしないんだ!大将なら絶対に退く筈なのに!
金髪「っ!メガネ!西提督さんは今冷静じゃない無理矢理にでも」
メガネ「・・分かった」
西提督「必要ないと言っている!うぉおおお!」
金髪「西提督さん!退きますよ!ぐぬぬぬぬ!」引っ張り
あ、ビクともしない
メガネ「・・もう少し待ってください今退くので」頭下げ
???「・・・・・・・・」
金髪「西提督さん!冷静になってください!大将なら!提督さんならこの時どうしますか!一旦退くなりしてー」
西提督「金髪・・勘違いするなよ俺は冷静だ。大体状況も把握出来た」
金髪「え?」
メガネ「え?」土下座中
???「っ!早く!向こうへ行って!」
西提督「それに提督なら友なら俺と同じ事をしただろうな・・きっと、いや、絶対にあいつも怒るからだ!」
金髪「大将が?」
大将もこんな無謀な事をするって言うのかよ!
西提督さんやはり貴方は今・・
西提督「俺の事はいくらでも痛めつけろ!柔な鍛え方はしてないからな!だが・・お前は」
西提督「大事な仲間である金髪にまで石を投げたな・・それは許せん!」ゴゴゴゴゴッ
金髪「西提督さん・・」
そうか・・怒ってたのは俺の為だったのか
それなのに・・なんで信用出来なかったのだろう・・恥ずかしい
着いて行こう何があっても西提督さんに
西提督「それにさっき投げた石だが段々と弱くなってないか?脅しで投げたのが限界じゃないのか?」
???「そ、そんな事は!」シュッ
ガンッ
西提督「うむ、やはりさっきよりも威力が落ちてる」ドシン!
大きく強く一歩前へ進む
西提督「さっき岩に投げたぐらいの威力で当ててみろ!」ドシン!
また前へと進む
???「こ、来ないで!」シュッ
ガンッ
西提督「どうした!痛くないぞ!岩は壊せても俺は壊せないのか!」ドシン!ドシン!
一歩踏むたびに大きな音と共に地面が揺れている
実際には揺れていないが西提督さんの気迫がそう思わせているのだ
多分一歩進む事に俺達自身が勝手に震えてそう思ってるだけなのだろう
じゃなければ洞窟は崩れてる
こんな人と大将はさっき殴り合っていたのかよ!
いや、あれは本気じゃない。本気だったのは演習の時だ
あの時一対一で殴り合っていた相手の司令官はとんでもない人なんだろうな
会ってみたいな西提督さんと本気で戦った人に
無事に帰れたらイムヤさんにせめて何処の鎮守府の司令官だったのか教えてもらえる様に頼もう
だから今は!
金髪「全力で生き残る!」
西提督「どうした!そんな投球では野球選手にもなれんぞ!」ドシン!
メガネ「・・・・・」ポカーーン
金髪「おい、メガネ行くぞ西提督さんから離れるなよ」
メガネ「あ、はい・・」
メガネ気持ちは分かるが今はあるがままを現実として見るんだ
その後も彼女は石を何度も投げる
西提督さんの顔や胸筋に腹筋それに上腕三頭筋そして極め付けは少し躊躇う動作をしての股間にストライクとあらゆる所に当てるが止まらない
俺達も西提督さんの後ろから着いて行く
ドシン!
西提督「もう終わりか?」
???「あ・・ああ・・・」
遂に彼女が西提督さんを見上げるくらいの距離まで来ていた
此処まで来れば顔も分かる
涙目に震えている。恐怖で言葉も出なくなっている
西提督さんは静かに睨み続けて相手の選択を待っている
戦うか、それとも降参するかをだ
きっと戦うを選べば容赦無く殴るだろう
本来なら艦娘と人が殴り合えば人が確実に負ける
それが当たり前だ
でも、西提督さんの気迫はその当たり前を狂わせた
まさに人と艦娘の壁を越えている
強さは腕っ節だけではない。それを俺は知った
それは向こうにも伝わった様で
手に持っている石を落とした
戦意喪失
やがて力が抜ける様にその場にへたり込んでしまった
???「はぁ・・うっ・・はぁ、はぁ、大井っち・・ごめん」バタッ
そして苦しそうにして倒れた
倒れる前に誰かの名を言っていたが・・おおいっち?いや、おおいちだな
金髪「大一か・・誰?この娘の男?」
西提督「大井に北上か厄介な事になったな」
倒れて気を失ってしまっている少女を見てそう呟いた
メガネ「北上・・・・」
北上があるなら南上、東上、西上もあるのだろうかと思うメガネだった
西提督「む?」
艤装が展開されている状態ではあるが艤装がない
無理矢理引き剥がしたのか?
なら、彼女には大破以上の苦しみが続いている筈だ
それこそ立つのも無理な程に
それなのに立っていた北上は余程強い意志があったのだろう
そう言うのは嫌いじゃない
北上・・出会いが違えば鎮守府へ迎えたかった
西提督「これは大井がやったのか」
だとするなら考えを改めないといけない
サイコレズ(良い意味)なんかじゃない
ただの劣悪な誘拐犯だ
それともこの島には何かあるのか?北上の焦りから見ても何か別の要因もあったと考える
もしそうなら長居は危険だ
今日中に島を出る事を考えないといけないな
襲われたら研修生達を守りながらは難しい
最悪あのイカダを奪う事も覚悟しておこう
西提督「酷いな・・・」
背中全体に火傷の跡のようなのが広がっており残った艤装の破片が付いてると言うより刺さっていると言っていい状態だ
どうなるかは分からんがこのままにすればもうすぐ死ぬ
艤装に体力を奪われてしまうからだ
艤装を解除は出来る。だが、そうしたらそのまま力尽きてしまうかもしれない
安易に圧力を解いてしまうのも身体には大きな負担となる
本来ならゆっくりとやるのが良いが此処では出来ないし間に合わない
だけど、このまま苦しんで死なせるなら・・
少しでも楽に死なせてやるか、それともそれを越えて生きるか
賭けになるが・・此処でこれを出来るのは俺だけだ
本当に今日は賭けばかりだ嫌になるな
当分パチンコは出来そうにない
西提督「・・・・・・・」スッ
金髪「西提督さん何をしようと?まさかトドメを」
メガネ「・・・・・・」眼鏡曇り
西提督「違う、お前達は俺を信じて向こうを向いていてくれないか?」
艤装の強制解除を見られてはいけない
これは鎮守府を任された司令官しか知る事を許されない事で研修生には見せられない
そして強制解除が出来ると言う事は艦娘も知る事を許されない
いざと言う時の奥の手の為だ
上層部は此方の手が軍刀だけでは物足りないのだろうな情けない
金髪「分かりました」
メガネ「・・・・・・」
西提督「生きるか死ぬかはお前次第だ。お前の強さをもう一度見せてくれ」
艤装を強制解除した
苦しそうにしていた顔が和らいだように見えた
息はしているし汗も引いてきたな
呼吸も安定して来ている
お前の強さ確かに見せてもらった。よく頑張ったな
さて・・・次は俺か
西提督「・・・・・・」
俺は自分の相棒(意味深)の無事を確認した
どうやら無事の様だ。周りもとりあえずは大丈夫だろう
それにしても身体中が痛い確実に何本か折れてるな
目眩がする・・どうやら此処までの様だ
あと少しで気絶するだろう
情けない人間とは本当に弱い・・
西提督「・・・・うっ」フラッ
こうなったら研修生達だけでも・・
金髪「西提督さん!やっぱり大丈夫じゃ!」
メガネ「・・・手当てを」
金髪「って言っても何もないぞ!いや!探すぞ!」
メガネ「あぁ」
見捨てないのか・・お前達は・・
やはりお前達はこれからの未来に必要だ
西提督はこれからの絵を頭の中で考えた
自分の為ではなく研修生達の為の絵を
西提督「お前達!一度しか言わないからよく聞け!」
金髪、メガネ「「っ!」」ビクッ
その声は洞窟の中で大きく反響して更に大きくなり聞こえた
西提督「イカダを使ってこの島を出ろ・・此処に長居は無用だ!日が沈む前には出ろ!」
金髪「で、ですが!そうなればすぐに夜になります!夜にイカダで海なんて」
あぁ、危険だ。それは分かってる。でも、お前達なら乗り越えられる
西提督「夜なら・・敵も艦載機は飛ばせない・・敵に発見される・っ・・確率も下がるし夜になると遠征に出す鎮守府が殆どだ。つまり夜の方が艦娘達は海に出て・・いる!」
金髪「西提督さん・・」
なんか苦しそうだ
西提督「本当なら夜に艦娘達を働かすなんてのは・・良くないが今の現状では夜に遠征をさせる奴らが多い・・認めたくないが今はその現状を頼りにするしかない!」
そしてその声から余裕が感じられなかった
西提督さんは焦っていた
西提督「うっ・・意識が・・・・」
西提督「・・・・・・・」フラッ
メガネ「・・?」
西提督「っ!まだだ!」ドゴッ
そしていきなり自分を殴った
金髪「西提督さん!何をして」
西提督「ぐっ!・・質問は受け付けない!これは命令だ!良いか!」
西提督「なんとしても・・日暮れまでにイカダに乗り・・島を出ろ!」
西提督「この島には何か居る!そしてそれは危険だ!俺の勘がそう言ってる!何としても今日中に出ろ!」
西提督「そして俺は・・足手纏いになる置いて行け」
これが今西提督が考えられる一番生き残れる確率の高い選択だった
金髪「そ、そんな、出来ませんよ!出るならみんなで!」
メガネ「っ!」コクリ
西提督「っ!」
そう言うのも分かっていた。その優しさがお前達の強さだとも
でも、優しいだけでは何も出来ない本当にどうにかしたい時自分の無力差に泣くことしか出来ない
時に見捨てる事も嫌われる事もやらないといけない
それを耐える強さを持って欲しい
西提督「甘ったれてんじゃねえぞ!研修生は黙って言う事を聞けばいい!」
俺を見捨てろ!
金髪「俺はまだ研修生だけどこんな命令受ける義理はあるけどありません西提督さんの部下じゃないんですから」
西提督「なんだと!」
メガネ「・・あぁ、僕達は提督さんの部下だから提督さんが言うなら聞こう」
メガネ「提督さんの部下と言ったのは西提督さんですよ」
西提督「ぐっ!」
金髪「大将はなんとしても西提督さんも連れて行くと思うけどな」
メガネ「・・観念してください西提督さん僕達は誰一人見捨てる気はありません」
西提督「お前達・・分かった・・もう勝手にしろ」
こいつら・・優しさなんて生易しいものじゃなかった
西提督「だが、もう俺の部下ではない。それだけは覚えておけ」
アホだ・・・・こいつらは純粋なアホなんだ
死んでもきっと治らない
金髪、メガネ「「はい!」」
だが・・
西提督「たく・・良い返事だ馬鹿者」
そんなアホが今の海軍には必要なのかもしれない
本当にお前達は成長した・・・そこらの司令官達より持っている
アホと言う己の信念を
決意を
ますます俺好みになりやがって・・
金髪・・
変わろうと必死に提督の背を追いかける熱意がある
今は良いが、これから自分を見失わないか心配だが目指すべき道がある限り大丈夫だろう
黒髪・・
自分の決めた事なら例えそれが辛い事だろうと知ろうとする覚悟がある
いつか、それに呑み込まれてしまわないか心配だが、もう一人じゃない大丈夫だ
メガネ・・
周りを冷静に見て足りないところを補おうとする判断力と行動力がある
だが、自分を偽っているのか研修生達の間でも発言に遠慮がある様に見えた
研修生達の中でまだ壁を感じているが時期に全て壊れるだろう
もう半分壊れてるがな
そして提督・・
その研修生達を背に先へと進み導いてくれ
お前の持つその意思が力が研修生達だけじゃなく周りをもっと強く良くさせてくれる
それがお前自身も成長させてくれるだろう
だから、その瞳の奥の闇をいつか誰でも良い信頼出来る奴に話してくれ
俺でも良いから・・
金髪・・黒髪・・メガネ・・そして提督・・
悪い足手纏いになると思うが出来る事なら助けてくれ
お前達の未来をこの目で見たい・・
西提督「後は・・頼んだぞ・・」バタッ
金髪「西提督さん!」
メガネ「・・身体中痣だらけだ」
金髪「無茶しやがって!やっぱり痛かったんじゃないか!そこまでして俺達を・・」
メガネ「・・次は僕達だ」
金髪「あぁ!」
今度は俺達が守るから西提督さんは安心していてくれ
金髪「とりあえず西提督さんを浜まで運んで大将達と合流しよう。西提督さんは体格がデカイが二人で運べば大丈夫だろう。その後に彼女も運ぼう」
一度行ってまた戻って来なくてはいけないがそんなに距離はないから大丈夫だろう・・多分
そして迷うかもしれないけど・・
メガネ「いや、金髪は彼女を頼む」
金髪「え?いや、西提督さんを一人で運ぶのは・・」
情けないが俺達二人では筋肉に包まれたこの巨体を一人では絶対に無理だと思う
メガネ「提督さん達が待っているかもしれない行こう」西提督お姫様抱っこ
金髪「あれ?そんな軽い感じに!てか、お姫様抱っこって・・」
メガネ「問題ない!」
服の間から見える筋肉を見て能ある眼鏡は爪を隠すとはこの事なんだろうなと金髪は思った
メガネ「っ!」ダッ
金髪「ちょっ!速いって!」北上担ぎ
気絶した二人を運びながら浜へと向かう金髪とメガネであったが
メガネ「それはいけない!」
金髪「へ?」
メガネ「その持ち方はお腹を圧迫してしまう。だから僕と同じ様に」お姫様抱っこ
メガネ「手はぶら〜んてさせずに首もちゃんと支える」
西提督「」手は胸筋
金髪「いや、だったら背負うのではダメなのか?」
メガネ「それは乙女にやるやり方ではないお姫様抱っこだ!それ以外認められない!」
メガネはお姫様抱っこに何故そんなに執着してるのか・・
仕方ないからそうするけど・・その言い方だと西提督さんも乙女になるけど・・
メガネこんなキャラだったかな?
金髪「よいしょっと!手に結構負担が掛かるな」
北上「」手はお腹
そして二人はまた歩き出した
メガネが先導している
道を覚えてると言うのだから凄い
俺は西提督さんに着いて行くので精一杯だったのに
情けないな俺は・・
金髪「・・・・・・」
北上「」キラキラ←金髪視点
それにしてもこうして近くで見ると顔付きは結構可愛いな
気絶しているわけだし今ならなんでも出来るよな?
メガネは前を歩いているし
やるなら今だ!
彼女の唇に触れる
ぷにゅっと弾力があり指が軽く跳ね返る
金髪「っ・・女の子の唇に触ってしまった」ドキドキ
そしてこの触れた指を俺の唇に当てれば・・間接キスが完成するのだ
いや、寧ろ間接なんてしなくても・・
北上「」キラキラキラキラ←童貞眼
金髪「ゴクリ・・・」ドキドキドキドキ
俺は彼女へと唇を・・
金髪「って・・アホか俺は」
こんな最低な事出来るわけがない
怯えている顔が脳裏に浮かぶ
すごく嫌な気持ちだ・・・・
昔の俺ならきっとそんな気持ちにはならなかった寧ろ艦娘にこんな感情は持たないだろう
たく、大将の所為で周りには魅力的な娘達ばかりだと気付かされてしまった
守りたい・・怯えた顔は見たくない笑っていて欲しい
でも、本当・・司令官になったら年頃の女の子ばかりになるだろうし神経使いそうだな・・
物と思うのが正解なんだろうけど
金髪「はぁ・・もう思えないよな」
メガネ「どうした?疲れたのかい?」
金髪「いや、ただの独り言だよ。それより大将を待たせるわけにはいかない早く行こうぜ!今度は俺が先導する!」ダッ
まぁ、なる様になるか俺は俺の信じた大将の背中を追いかけよう
メガネ「金髪・・・・」
メガネ「君も変わろうと必死なんだね・・なら、僕も・・」
金髪「くそー!道が分からねえ!」
大将の背中以前に木しか見えねえ!此処は何処なんだ!方向も分からない!
金髪「メガネ〜!先導してくれよ」
メガネ「ふっ・・・君とは長い付き合いになりそうだ」
一人嬉しそうに笑うメガネだった
メガネ「もう傍観者でいるのはやめだ」
眼鏡の奥から決意の光が輝くのだった
あれから歩き続けて数分それとも数十分?分からないや時計は・・海に流されたからない・・
金髪「まだ着かないのか」
こんなに歩いたか?人を抱えているからそう感じるだけなのか?
いや、少しずつ道を確認しながら進んでるから尚更なのだろう
そう考えると西提督さんは凄い。迷いなく進むんだから
でも、今は西提督さんは動けない。俺たちが頼りなんだ泣き言は後だ
それにしても浜はまだかな?木しか見えないぞ?
メガネ「もうすぐだよ。次はこっち」
金髪「メガネ・・凄いなお前はどうやって道なんて覚えてるんだ?」
周りを見ても木しかない道らしい道もない
そんな所を歩くだけでも真っ直ぐ進んでいるのかも分からない
メガネ「木や草などをよく見ると絶対に同じ木や草はないんだよ。枝の長さや太さ葉っぱの数に色・・全てが違う」
メガネ「とある雪山では救出不可能だった遭難者の遺体をそのままにして道標にしている所もあるんだ。僕はただそれと同じ様に木や草を道標として見ているだけさ」
金髪「マジか・・どれも同じにしか見えないんだが・・」
メガネ「全然違うよ僕には分かるんだ。ジェニファーを右だ」
金髪「・・・・・はい?ジェニファー?お前の彼女か」
メガネ「この木だよ」
金髪「名前付けてるのかよ!」
メガネ「その方が分かりやすいからね。僕は父と違って・・いや、なんでもない」
金髪「?」
メガネ「とにかくこっちだよ」
金髪「あ、あぁ、分かった」
今のはなんだったのだろうか?感じ的に聞いちゃいけないんだろうな
金髪「・・・・・・」
それにしても本当凄いよメガネは・・西提督さんの代わりを果たせている
なのに俺は何も出来ていない・・
金髪「メガネは凄い・・なにも役に立っていない俺とは大違いだ」
メガネ「それは違うよ。僕は僕に出来る事をしているだけだよ。君も君しか出来ない事をすれば良いんだよ」
金髪「メガネ・・ありがとな・・でも、今の俺に何が出来るんだろうな・・」
メガネ「分からないなら聞けばいい。一人で探そうとしなくても良い。僕が君を必要とする様に君が僕を必要としてくれる時もある。その時は言ってくれ力になるから」
金髪「メガネ・・お前って奴は・・カッコ良すぎるだろ。なら早速聞いて良いか?今の俺に何が出来る」
メガネ「手元を見れば自ずと分かるよ今君がすべき事が」
金髪「手元?」
手元と言っても彼女を抱えているから手元は見えー
北上「っ!」ビクッ
金髪「ん?」
北上「」
金髪「もしかして起きてる?」
北上「ぐーー」
金髪「ん〜?」
北上「ぐーーー」汗ダラダラ
金髪「うん、寝てるだけかそれなら安心だな」
北上「ほっ・・あ、」
金髪「おはよう北上さん」ニコリ
北上「はは・・・」
北上「っ・・・・・」ブルブル
なんか凄いマッサージ機並みに震えだしたのだが・・
肩に乗せたら肩こり治りそうだな
北上「っ」ブルブル
金髪「お、おい、なんか北上さんバイブレーション機能搭載してんだが艦娘にはそんな機能があるのか?」
メガネ「さあ?でも色々勘違いしていみたいだね彼女の事は頼んだよ僕達が敵でないことを伝えてくれ」
金髪「え!メガネがやれば」
メガネ「ううん、それは僕には出来ないからね眼鏡で怖がらせてしまうからね」
眼鏡が怪しく光る
メガネ「それに僕はコミュ症だ。女の子相手に提督さんや金髪の様に悠長には喋れないよ」
悠長ってわけでもないが・・
金髪「むむ・・そうなのか?それなら仕方ないか」
まぁ、俺にしか出来ない事だと言うならやるしかないな
彼女の目をしっかりと見て
金髪「あの、北上さん?俺はー」
北上「あ、あたしって胸も小さいし身体もお子ちゃま体形だし顔だってパッとしないよね?女としての魅力もないと思うんだよ。いや〜生物学的に女性だと言うのが恥ずかしいくらいだよ・・はは」
北上「はぁ・・・・」
金髪「えっと・・何が言いたいんだ?」
北上「犯さないで〜」ブルブルブルブル
金髪「誰が犯すか!」
北上「あ、あたし今動けなくて、それに初めてだから痛がるし叫ぶよ?うがぁあーとか言うし全然色っぽい声とかも出せないよ?損だよ?損するからね?だから・・だから犯さないで〜」ブルブルブルブルブルブル
金髪「いや、だから犯さないって!」
北上「そりゃあ、あたしだって興味がないわけじゃないよ?艦娘とは言え一応!一応だからね?女性だし・・性欲がないわけじゃないけど・・でもね?こんな坊主は嫌だあ〜」ブルブルブルブルブルブルブルブル
金髪「だから!」イラッ
北上「ううん、分かってるそう言う嫌がるのが好きなんだよね?顔を見たら分かるもん・・逃げられないのも分かってる・・だからせめて・・喜んでされてやるもん」ニ、ニコリ
北上「や、やればいいじゃん!だ、大歓迎だよ!」涙目笑顔
金髪「お前は・・・・」
話を聞かない上に勝手にドS認定までされるとは
どっちかって言うとMなのに・・
煽りやがって・・カッチーーンと来た!
彼女へと顔を近づける
北上「うっ!」目を瞑る
キスをされるとでも思ってるのだろうか?生憎俺の唇はそんなに安くない
高いか?と言われればそうだとも言えないがこんな被害妄想女にやる程は安くない
俺が用があるのは彼女の唇ではなく耳だ
耳に限界まで顔を近づけて大きな声で叫んだ
金髪「犯さねえって言ってんだろうが!!」
北上「あうーー!」キーーーーン
メガネ「ふっ」
金髪「分かったか!」
北上「あ〜〜耳が・・酷いよ〜」
金髪「酷いのはお前だ!人の話も聞かずに勝手にドSにしやがって!犯さないって言ってるだろ!なんだよやって欲しかったのかよ!」
北上「そんな事ないもん!あたしにだって相手を選ぶ権利はある!」
金髪「俺にだってあるんだよ!無理矢理なんかやらねぇよ」
金髪「俺はお前の敵じゃない敵ならとっくにやってる。どっちの意味でもな」
北上「・・・・・・・」
金髪「すぐには信じられないだろうけどこっちもこの島に流れ着いてどうにか脱出しようとしてんだよ。それでイカダを見つけてそれを造った人を探していたんだよ。一緒に乗せてもらう為に」
北上「勝手に乗っていけば良かったのに・・」
金髪「そんなこと出来るかよ脱出する為に一生懸命造ったんだろ?そんな人の努力を何もしてない俺達がどうこう出来るかよ」
北上「・・・・艤装解除出来なかったのに出来ている・・何かしたの?」
金髪「それは西提督さんだよ。どうやってしたのかは知らないけどな」
メガネ「この人だ」
西提督「」抱えられ
北上「・・・・怖い人だ。でも服装は海軍で・・助けてくれたの?」
金髪「分からないけどトドメを刺す事も出来たのにしなかった。その意味分かるよな?」
北上「・・・・・・・・」
北上「大井っちは?」
金髪「大一さんなら後で探して連れて来るよ。そして俺達も乗せてもらえるかその時に改めて聞く」
北上「大一?誰?名前が違うよ?大井っちだよ」
金髪「あぁ、大一さんだろ?」
北上「大井っちだって」
金髪「ん?大一さんだってのは分かったから」
北上「お、お、いっ、ち!」
金髪「お、お、い、ち、大一さんだろ彼氏かな?彼女ほっぽり出してどこ行ってんだよ」
北上「はぁ・・大井だよ同じ女性」
金髪「あ、そうなのかすまん。大井さんな了解だ。少しで良いんだ俺の事は信用出来なくても西提督さんは信じてくれないか?」
北上「信じたくないけど今は何も出来ないし好きにすれば」
北上「大井っちに何かあったら舌を噛んでやるけど」
金髪「必ず見つける。もしかしたら俺達とは別の方を探索してる仲間が見つけてるかもしれないしな」
北上「じゃあ・・少しだけ信じる」
北上「最悪南鎮守府に戻る事になっても大井っちだけは助けてもらえるよう頼めば・・」ボソッ
メガネ「・・・・・」
金髪「ありがとな北上さん。それと」
北上「ん?」
きっと大将ならこう言うフォローはする筈だ
金髪「北上さんはちゃんと女性として魅力的ですよ」
北上「・・・・・・・」
金髪「・・・・・・・」
完璧だ!惚れるなよ?
北上「やっぱり犯す気だ!犯さないで〜」ブルブルブルブルブルブルブルブル
金髪「だ〜か〜ら〜犯すかよ!」
メガネ「ぶっ!はははははは」
北上「え?」
金髪「あのなメガネ笑ってないでなんとか言ってくれよ!」
メガネ「いや、ごめん、漫才みたいで笑ってしまったよ久しぶりだこんなに笑ったのは」
メガネ「北上さん」
北上「は、はい」
メガネ「僕達はただ此処を出たいだけだよ。それ以外に何かあるわけじゃない。それに僕達の隊長や西提督さんは恩は必ず返す人だよ。きっと無事に出られたら」
メガネ「恩を何があっても返すだろう。それが見逃せだとしてもね」
北上「っ!」
メガネ「どうだろう?悪い話ではないと思うけど」
北上「やっぱり知ってたんだねあたし達のこと」
金髪「え?何のこー」
メガネ「そうだ。知っているその上で言っているんだ」
金髪「え!メガネ?何が?」
メガネ「金髪も知っていて言っているんだよ」
北上「そうなの?」
金髪「え?そんなのしー」
メガネ「・・・・・・」眼鏡キラン
金髪「っ!」
話しに合わせろという事なのか!
金髪「あ〜、あれの事ね知ってるよ、うん、知ってる些細な事だな」
北上「些細な事って・・怖くないの?」
金髪「あ〜えっと怖くはないよ?うん、怖くない」
北上「なんか怪しい・・本当に知ってるの?」
金髪「いや、あの・・」
メガネ「知ってるよ。君はいや君達は追われているんだろ?南鎮守府に」
北上「・・・・・・」
金髪「っ・・ちょっと一回降ろすぞ?手が限界だからな」
北上「せめてもの我儘を言わせてもらうと初めてが野外なのは我慢するけど直の地面は嫌かな・・草とかでベッド作ってよ」
金髪「馬鹿いい加減にしろってのビッチか?あんたは」
北上「初めてだって言ってるのに」
金髪「なら、あまり言うな勘違いするぞ?」
北上「まぁ、人から見たら兵器だし進んではしないと思うけど状況が状況だしね犯される事も覚悟してたんだよ」
北上「大井っちからは男は狼だって聞いてるし」
メガネ「否定はしないよ」
金髪「メガネはちょっと黙ってろ。北上さん俺は艦娘は兵器とは思わない。普通の人間と変わらないと思ってる正直言うとあんたに欲情出来るかと言えば余裕だよこの場でなくてもな」
金髪「勿論この場でもな」
北上「へ?・・マジ?」
金髪「マジだ」
北上「お、犯さないで〜」ブルブルブルブル
金髪「はいはい、犯さねぇから大人しくしてような」
北上(バイブレーション機能搭載)を地面に降ろす。下にシートでも敷いてやりたいがないのでそこらの草を集めた物で我慢してもらう
どうだ?ご希望の草のベッドだぞ虫いるけど
ほら、虫さん向こう行ってろ犯されるぞビッチに
北上「あ〜ヘタレか」
金髪「・・・・・」イラッ
こいつ本当に犯してやろうかと一瞬思ったがそんな勇気もテクニックもないので聞こえないフリをする
変わるって逆に失う物もあるんだな・・
まぁ、得てもないけど
金髪「メガネもちょっと良いか?此処じゃなんだから」
茂みを指差す
メガネ「ん?良いけど」
西提督さんを北上さんの隣に降ろす
西提督「」ドサッ
北上「っ」ビクッ
ちょっと北上さんがビクッてなったのが可愛かった
北上「ど、どこへ行くの?まさか飽きたから捨てるの?筋肉で暖をとって今夜を過ごせって言うの」
金髪「アホか、ちょっと連れションだ西提督さんの事見ててくれすぐに戻ってくるから」
北上「まぁ、見てるだけなら」
金髪「あぁ、何かあったら叫べよ行くぞメガネ」
メガネ「あぁ」
二人が茂みへと姿を消した
北上「信用し過ぎだと思うんだけどな〜」
北上「・・・・・・・」
北上「手くらいなら動くかな」チラッ
西提督「」
北上「怖かったんだぞ〜」ツンツン
西提督「」ピクッ
北上「っ!」ビクッ
西提督「」
北上「ふぅ、ビックリさせないでよ」
北上「でも、艤装を解除してくれてありがとう」
北上「それと痛かったよね・・ごめんね」ナデナデ
西提督「」胸筋ピクピク
北上「うわっ!凄い動いた」ツンツンツンツン
西提督「」胸筋更にピクピク
北上「あたしも出来るかな?」
北上「うん、無理だ。どうやってやってるんだろう?」
西提督「」
北上「もしかして・・・・死後硬直じゃないよね?おーい、生きてる?」ユサユサ
西提督「」
北上「ちょっ、洒落にならないよ!死んだってなったら怒り狂った二人があたしを意のままに・・・・」
西提督『』チーーーン
金髪『あ〜あ、やっちゃったな〜どうするよ?これは犯すしかないわ〜じゃないと西提督さんが報われないわ〜』
メガネ『レンズの奥から見えるぞ西提督さんの怒りの顔が・・葬いS◯Xだ!』眼鏡キュピーーン
金髪、メガネ『『ひゃっはーー!』』
北上「ってなって!犯される〜」ブルブルブルブル
北上「起きてよ!お願いだから!初めてが二人とか無理だよー!」バシバシバシバシ
西提督「うぅ・・妙高・・それは提督じゃないツナ缶だ・・」..zzzZZ
北上「っ!良かった・・生きてた〜もうビックリさせないでよ・・」ツンツン
西提督「お前達は・・必ず守る・・・妙高や〜飯まだかーー」..zzzZZ
北上「はぁ・・この人達は悪い人達じゃないのかな?」
北上「どうなんだろう大井っち・・あたしじゃ分からないよ」
その頃茂みでは
金髪「・・・・・・」
メガネ「ふぅ・・・・」
金髪「なぁ、なんで俺達立ちションなんてしてんだよ。てか、近いもう少し離れろ」
メガネ「誘ったのは君じゃないか連れションには憧れていたから嬉しいよ」
金髪「憧れる程の事か?言ってくれれば行くぞ?連れション」
メガネ「今の言葉忘れないよ例え行った後でもすぐに来てもらうからね」
金髪「おいおい流石にその場合は行かねえよ。お互い行きたくなった時に頼むよ」
メガネ「むむ・・なら、我慢して金髪に合わせるか」
金髪「身体壊すからやめろ!たく、分かったよ!呼べよ行ってやるから」
メガネ「では早速どうだい?」
金髪「出ねえよ!」
メガネ「はははは!そりゃそうだ」
金髪「てか、メガネなんか変わったな前はもっと大人しかったのに」
それは何気ない会話のつもりだった
笑い話しで終わるものだと思っていた
メガネ「っ・・やっぱり前の方が良かったかな・・」
でも、それがメガネにとっては大きな事で重要な事だった
金髪「あ?前の方が良いってなんだよ」
メガネ「・・僕はキモいかい?」
金髪「っ!」
それに今気が付いた
メガネにも何かあったのかもしれないのに
辛い事があって本来の自分を隠していたのかもしれないのに
考えもなく爆弾に触れた
俺は馬鹿だ。自分本意で考えて相手の考え想いを無視した
変わるって難しいな・・
とにかく後悔は後だ!
爆発はしてない!ならそんな爆弾捨ててやる!
大将が俺にしてくれた様に・・・・いや、違う!
あれは爆破処理(殴り合い)だな
あ〜大将の言葉は使えないか・・万事休すか?
金髪「・・・・・・」
ううん、違うだろ?そんな言葉に意味はないだろ
俺の思った事を言おう。俺が思うままを大将じゃない俺の言葉で伝えよう
その後はその時考えよう
金髪「あのな、俺はそんなつもりで聞いたんじゃねぇよ。それに前のお前だろうが今のお前だろうが・・その・・」
メガネ「その?なんだい?」
金髪「友達だってのは変わらないだろうが言わせんなよ恥ずかしい!」
メガネ「っ!」
金髪「もう無理に自分を偽るのはやめてくれよ。辛い事があるなら俺で良かったら相談に乗る。だから、本来のお前でいろ!キモいとか言う奴は俺がどうにかする。だからもう偽るな隠すなよ」
金髪「友達なんだからそう言うのはなしだ」
メガネ「・・・・・・」
勢いで言ったけど今までまともに友達なんて出来た事ないから友達って言うだけで恥ずかしい!
てか、向こうはそう思ってないかもしれないのに俺の馬鹿!
よし、言おう友達になろうって
金髪「だからよ・・その・・順番が前後してしまったけど、お、俺と、と、と、ととととと友ー」
メガネ「ぷっ、ははははは!」
金髪「な、なんだよ!人が折角勇気を出してだな!」
メガネ「いや、嬉しいんだよ。金髪がこんな僕でも面と向かって友達だって言ってくれて」
こんな僕か・・メガネも色々あったんだな・・
金髪「べ、別に今更言う必要もなかったが一応確認したかったんだよ・・本当だからな?」
メガネ「うん、僕も君を友達だって思うからこれから改めてよろしく金髪」
金髪「あぁ、よろしく!なんか連れションしながら友達になるなんて変だな」
メガネ「良いじゃないか記憶には残るよ。お互い大事な物を見せ合いっこしたしね」
金髪「え?見たの?」
メガネ「え?見てないの?普通見るよね?隣に人が来たらとりあえず見るよ?」
金髪「まじか・・そんな人のなんて一々見ねぇよ」
メガネ「あ、じゃあ見る?」チャック下ろし
金髪「チャック上げとけ!」
メガネ「残念だ」
何が残念なんだか・・疑うぞ?
金髪「まぁ、忘れはしないよ絶対に・・だから安心しろ」
メガネ「金髪・・ありがとう。でも、黒髪も提督さんも受け入れてくれるかな」
金髪「逆に受け入れてくれないシーンが浮かんで来ないんだが・・なんやかんやでさ黒髪って一番大将の影響受けてると思うんだよな」
メガネ「それは思ったよ。提督さんが倒れて如月さん?だっけかな?が説明する時も頑なに動こうとしなかったし」
メガネ「如月さんは苦手だけどね・・・」
それは自業自得だと思うが・・
金髪「俺達男より余程肝が据わってるよな。そして大将と同じ様に自分を持ってる」
メガネ「うん、僕達も見習わないといけないね」
金髪「あぁ、だから不安になる事はないよ」
メガネ「ぶっちゃけて言うと金髪以外はそんなに不安じゃなかったかな」
金髪「お前!言ったなこの野郎!」ダッ
メガネ「ははは!」ダッ
その頃北上は
北上「遅いな〜男の子って長いのかな?早いって聞いたんだけど・・・どうなんだ〜」ツンツン
西提督「」上腕二頭筋ピクピク
北上「筋肉言語は全くなんだよね〜」
戻って金髪達は
メガネ「さて、お遊びはここまでだ。そろそろ戻ろうか北上さんも待ってる」
金髪「おう、戻るか」
男子特有の意味のない追いかけっこが終えて友情も確認出来た
後は、西提督さん達を運んで浜で大将達と合流してイカダでー
金髪「って違う!」
その為に呼んだんじゃないっての!
いや、結果的に良い事もあったから良いけど本題を忘れてはいけないだろ
連れションと言ったのは北上さんから自然に離れる為に言っただけであって本当にしたかったわけじゃない
まぁ、したけど!
メガネ「ん?なんだい?もしかしてキスの件なら大丈夫だよ誰にも言わない勿論北上さんにもね」
見られてた!
金髪「な、何の事かな?はは・・」
メガネ「あれ?違ったかな?僕はてっきりその事だと」
金髪「き、キスの件が何かは知らないけど違うな」
メガネ「もしかして・・小ではなく大の方だとか!」
金髪「それだったら誘わねえよ!俺が言いたいのは」
メガネ「分かってるよ北上さんの事だよね。どうして僕が知っていたか」
こいつ最初から俺の目的知っててからかったな
金髪「あぁ、それだよ。話しを合わせろと言っても限界があるんだよ。南鎮守府に追われてるなんて何で知っていたんだよ」
メガネ「僕なりに彼女の発言や状況を見て推測して言っただけだよ。南鎮守府と言うワードも小声で言っていたのを聞いただけでどうして追われてるなんてのかは分からない」
金髪「俺は全く気づかなかったよ・・てか、それなら態々知ってるなんて嘘つかなくても」
メガネ「相手は警戒していたからね。向こうの状況を知っていてあえて協力しようとしているって方が多少なりと警戒は解けると思ったんだ」
メガネ「相手の手の内も目的も何も知らない奴なんて信用しろと言う方が無理だよ。それに知っていると思われているなら更に詳しく話してくれるかもしれないしね」
メガネ「それが僕達にどうにか出来るかは別問題だけど信用は得られて後にイカダに乗せてもらえる確率も上がる」
金髪「でも、俺はいきなり知られている方が不気味だと思うがな」
メガネ「北上さんの発言にやっぱりが付いていた。これは多くに知られている状況だと言う事を自覚しているんだよ。それこそ南鎮守府に追われるなら仲間を手にかけたとか司令官に襲いかかったとか色々あるけど、それ程の事をしたんだよ彼女達は」
金髪「俺にはそうは見えないけど・・」
少なくとも北上さんがそんな事をする様には見えない
被害妄想が激しい以外は普通の女の子だ
メガネ「西提督さんは多分事情を知っていたと思う」
金髪「研修生には話せない事だったのか・・」
メガネ「それは仕方ないよ僕達は本来なら海にすら出ちゃいけないんだから」
金髪「あぁ、分かってるけどそれでも話して欲しかったな・・」
メガネ「正直言うと僕も思ったよ話して欲しかったって」
金髪「早く一人前にならないとな」
メガネ「焦りは禁物だよ。一人前になる為に此処から生きて帰ろう。何としても」
金髪「あぁ!とりあえず北上さんが南鎮守府に追われていると言う事を知っていればいいんだな」
メガネ「あぁ、後は僕がどうにかやってみるよ」
金髪「よし、じゃあ戻るか」
メガネ「あぁ、二人が心配だ」
戻ろうとしたその時!
ガサガサガサガサ
ダッダッダッダッダッダッ
メガネ「っ!」
金髪「なんだ!」
誰かが此方へ向かって来ている
足音がどんどん大きくなる
「待てやぁああ!」
恐ろしいドスの効いた声が聞こえてくる
明らかに危険だ
金髪「逃げるぞメガネ!」
メガネ「この声は・・」
金髪「おい!メガネ!」
メガネは動こうとしなかった
近くの茂みがガサガサと揺れる
もう手遅れだ!来る!
メガネの前に立って構える
金髪「来るなら来やがれ!」
メガネ「金髪、多分この声はー」
ガサッ!
大井「っ!」ダッ
金髪「ん?」
女の子?
黒髪「待てやこらぁあ!」ダッ
それと般若?いや違う!似てるけどよく見ると
金髪「黒髪!」
黒髪「おらぁあ!」シュッ
大井「ひぃいい!」しゃがむ
目の前で彼女がしゃがみ
すぐ後ろの黒髪の拳を避けた
そして行き場のなくなったその拳は
ドゴッ
金髪「ぶはっ!」
俺の顔面へと吸い寄せられたのだった
女の子の主な攻撃はビンタと聞きましたが・・なんて事はない
ガチのグーパンでした
金髪「ぐふっ・・」バタッ
メガネ「金髪!」
黒髪「やっと捕まえた!」ガシッ
大井「違うんです!違うんです!提督さんが先に行けって言ったんです見捨てたわけじゃないんです!すぐに来る予定だったんです!」
黒髪「で?その先輩は何処にいるんですか?」
大井「多分・・捕まったと思います」
黒髪「へぇ〜助けに戻ってくれた先輩を囮にして自分は各々と逃げて来たと?」
黒髪「最低ですね・・人としてどうなんですか?」
大井「っ!」
大井「言わせておけば!大体!貴方達が追ってこなければあんな事には!」
黒髪「なんですか?私達が悪いって言うんですか?勝手に逃げて罠にかかったのは何処の誰ですかね?」
大井「すぐに助けてくれれば良かったのに!そうすればみんな逃げられました!」
黒髪「なによ!こっちの所為だって言うんですか!」
大井「そうよ!それに態々助けに来なくても見捨てればよかったでしょ!」
黒髪「あんなに助けを求めていた人の発言とは思えませんね!」
大井「そ、それは・・怖かったんですから・・あんな状況で助けに来る方がおかしいです」
黒髪「先輩は確かに可愛い女の子とあれば馬鹿みたいに危険な所だろうと何処へでも行こうとします!無茶もします!でも、それが先輩の良い所なんです」
黒髪「私にとっては悪い事ですが・・」ボソッ
メガネ「ほう・・・・」
黒髪「それを良くも知らない貴女に言われたくないです!」
大井「こ、こっちだってあんな風に先に行けって言われたら信じるしかないでしょ!もしかしたらって・・思っちゃったんです・・」
黒髪「先輩は・・頼りになる時は凄くかっこいいです。でも、嘘つきなんです・・余裕がなくてもあるふりをして・・本当に馬鹿です」
大井「・・・・分かります」
黒髪「まだ言いますか・・知った風に言わないでください」
大井「そう思うんだから仕方ないでしょ。会ったばかりだけど分かりました・・良い意味で馬鹿なんだなって」
大井「あの人が司令官なら・・こんな事には・・」ボソッ
メガネ「ふむ・・・・」
黒髪「でも、それに気がつけなかった私はもっと馬鹿です・・」
大井「それを言うなら私もよ・・もう動けるんだと勘違いしてた」
黒髪「先輩・・・・私は・・」
大井「・・ごめんなさい」
黒髪「もう良いです・・私もいきなり襲いかかってすみませんでした」
大井「ううん、私もきっと提督さんを北上さんに置き換えて貴女だけ逃げていたら同じ様にしていと思う」
大井「貴女にとって提督さんは大切な人なんですね」
黒髪「・・・・うん、大切な人です」
黒髪「きっと私は先輩の事が・・ううん、提督さんの事がー」
メガネ「北上さんって言葉が聞こえた様な」
大井、黒髪「「誰!」」
黒髪「ってメガネこんな所でなにしてるの」
メガネ「やぁ!気付かれてなかったんだね」
金髪「うぅ・・殴られたのに・・」
黒髪「それに金髪なに鼻血だしてるの?興奮してるの?」
金髪「誰かさんに殴られたんだよ!」
黒髪「それは酷いですね!」
金髪「あぁ!酷いよな!」
大井「ん?くんくん・・北上さんの匂いがする!近くにいます!」ダッ
メガネ「あ、状況的にまずい」ダッ
金髪「ちょっと!」ダッ
黒髪「へ?」
〈誰ですか!その男は!それにどうして此処に
〈あ、大井っち〜
〈と、とりあえず落ち着こうか!眼鏡を付けて
〈北上さん!なにをされたんですか!
〈大丈夫だったよ。犯されかけたけど
〈ちょっ!
〈誰だぁあああ!お前らかぁああ!
〈や、やめ!眼鏡に罪はない!ぎゃぁあああ!
〈僕じゃない!そいつの被害もうーぎゃぁあああ!
黒髪「先輩・・助けに行かないと!」
提督以外のメンバーは無事?みんな合流出来たのであった
大井「もう大丈夫ですからね北上さん」
金髪「ひ、酷い・・」ピクピク
メガネ「眼鏡に罪はないのに・・」眼鏡バリーン
西提督「提督よ・・んふ」..zzzZZ
北上「あ、うん、ありがとう大井っち」
黒髪「みんな!って何これ!」
その後どうにか誤解を解く為にお互いあった事を話した
俺達は北上さんを見つけてその際に西提督さんが負傷
北上さんを助けた後にその場に置いて行く事が出来ずイカダの所まで連れて行ってから大井さんを改めて探そうとしていたと
殴られた頬を抑えながら必死に説明した
どうにか信じてもらえた
黒髪達は大井さんを見つけるが追っ手かと思われ逃げられる
それを追いかける途中大井さんが罠に掛かり此処の住人(人を恨む艦娘)に見つかり大井さんを見捨てて逃げるが大将が助けに戻り大井さんだけ逃げられ代わりに大将が捕まった
相手の言う感じではすぐには殺さないと言う事らしいが・・
その後迷ってしまった黒髪と逃げている大井さんとが偶然会って追いかけっこが始まり俺達の所へ来た
正直言うとあの時の黒髪は凄く怖かったし大井さんが逃げたのも納得だ
大将を助けに戻ろうとする黒髪をどうにか説得してイカダのある所まで戻った
それから大将を助けに行こうとする黒髪とメガネを押さえ込みこれからどうするかを話し合った
また、殴られた
てか、メガネは止める側なのに何やってんだよ!焦る気持ちは分かるけど
でも、だからこそ冷静に考えて行動しないといけない
それは二人も分かってるとは思う
でも、それでも動いてしまう
俺も今すぐ助けに行きたいくらいだ
でも、俺達が束になろうと手も足も出ないのは分かりきっている
場所は大井さんが分かるらしいけど向こうの数は多いらしい
行けば無駄死にするだけだ
それはきっと身を呈して助けてくれた大将も西提督さんも望んでいない
それに此処での無茶は俺達を信じて倒れた西提督さんを裏切る事になる
逃げて欲しいと言うのが一番の願いだと思う
みんなが俺を見る
俺が決めろと言う事なのだろう
大将なら・・きっとすぐに答えを出せたんだろうけど・・
逃げるな俺
西提督さんの託した想い
大将の残した言葉
皆の視線を浴びながら俺の出した答えは
皆の望まない答えだ
金髪「此処で待とう」
日が沈むギリギリまで待とう
黒髪から聞いた大将の言葉を思い出す
『必ず戻るから待っててくれ』
きっとこの言葉がなかったら俺も助けに行っていたと思う・・そして最悪の結果になっただろう
この言葉を信じて
金髪「準備して待ってますから早く来てくださいよ!大将!」
それまで俺が大将になりますから!
みんなの前で暗い顔はしませんから!
黒髪「・・・・・先輩」
メガネ「・・・・・提督さん」
北上「二人とも凄く不満そうだね〜」
大井「北上さん今は茶化さないでください。あの子達にとっては大きな決断なんですから」
北上「うん・・・ごめん、緊張をほぐそうかと・・」
大井「ごめんなさい私達は何も出来なくて・・」
西提督「若人よ・・悩め・・なめ茸」..zzzZZ
日はゆっくり日暮れへと向かうのだった
ー島近くの海域ー
駆逐棲姫「・・・・フフ、ドコニイッタノカナ?」
駆逐棲姫「テイトクサン・・」
危険は確実に近付いているのだった
提督「・・・・・」
俺は大井さんを助ける為に戻ったが身代わりに捕まってしまった
その際に身ぐるみを剥がされ隅々まで見られた・・
背中の傷を興味深そうに見ていた以外は終始不気味な笑顔だった
それから歩き出してイカダのある場所から丁度反対側にある海岸沿いへと連れられた
やはり島はそんなに大きくないんだな
建物が見えて来た。目的地は此処か?
ちなみに捕まってから此処までどのくらい時間が掛かったかと言うと
龍田「ねぇ・・刺していい?」薙刀でツンツン
提督「っ・・勘弁してください・・」
と言うやり取りを五回終えたぐらいの時間だ
大体十分感覚で聞いてくる
段々声のトーンが低くなり背中はもう冷や汗でびしょびしょだった
背中に傷があるのを知ってからそこばかりツンツンしてくる
刺したくて仕方ないのが凄く伝わって来た
でも、その背中の痛みが今の自分を保てているのかもしれないと思ったりもした
白雪さんに後ろからツンツンされてると思えば・・うん、無理だ
目的の場所へ着いた時少しホッとしてしまった
背後から舌打ちが聞こえた。次は刺されていたと思うと漏らしそうになる
我慢するけど
龍田「此処よ・・入りなさい」
提督「此処って・・」
目の前にあった建物はどう見ても
提督「鎮守府だ」
鎮守府の名前のところは消されているけど間違いない
鎮守府なら司令官もいる筈だ。これはもしかしたらどうにかなるかもしれないと期待するが
龍田「元鎮守府よ〜間違えないでね」
そう言って薙刀でツンツンされる
提督「いっ!・・」
チクッと痛みが走る
提督「分かったからやめてくれ」
龍田「命令しないでくれる?不愉快よ」
そう言ってまた薙刀を構える
それを俺は
ガシッ
龍田「あら?」
提督「一々突かないでも抵抗なんてしないからやめろよ!」
提督「大体無抵抗の人間に武器で脅すなんて卑怯だろうが!」
龍田「よ・・な・・し・いで」
提督「え?」
ドゴッ
提督「うぐっ!」
腹に衝撃が走り思わずうずくまる
龍田「これで良いかしら?死期を早めたくないならふざけた事は言わないことね」ガシッ
提督「ぐ・・うぅ・・」ズザァア
龍田「でも、司令官ならいるわよ〜会わせてあげる」
そのまま引きづられる様に元鎮守府へと入った
中にはきっと龍田さんの様な凶暴な艦娘達が居るんだ・・
怖い娘達が
中に入るが抵抗すればまた殴られるので俺は冷凍マグロが如く動かない
だから首根っこを掴まれた状態でただ引きづられる
提督「・・・・・・」ズザァア
外側から見ると綺麗に掃除もされていて、まさか稼働していない鎮守府だとは思わないが
でも中に入ると違った
基本的に綺麗にはされているが、普通の鎮守府と違い艦娘はボロボロの娘が多かった
身体中に傷跡があり包帯をしてる娘もいた
血が滲んでおり痛そうだった
でも、それは序の口だとすぐに気付いた
顔に大きな傷跡を持つ娘や火傷で皮膚がただれている娘もいたが
もっと酷いのは手や足などの身体の一部がない娘もいた
どうにか包帯で傷口を巻いているが、それが意味を成していない程に酷かった
どの娘達も充分な処置をされていない
痛そうにして苦しんでる娘達の顔を見てるのが辛かった
でも、おかしい・・艦娘達は入渠させれば傷などすぐになくなるのにどうして入渠させないんだ?
資材がないのか?でも、それでも時間は掛かるけど使える筈だ
司令官に会わせると言ったがこれが此処の司令官の方針なのか?だとするなら・・人を恨む気持ちも分かる
腹パン覚悟で聞いてみる
提督「あの、ちょっと良いですか?」
龍田「・・・・・・・・」
提督「っ・・・・・・・・」
提督「あの!入渠させないんですか?」
「「「っ!」」」
「こいつ・・」シャキン
龍田「ちっ!」
その言葉に龍田さんの歩く足が止まり首根っこを持つ手に力が入り
ドンッ
提督「がはっ!」
床に叩きつけられた。肺の中の空気が一気に全部出たんじゃないかと言うくらいの衝撃だった
痛がる間も無く顔を近づけて不気味に笑い言った
龍田「ふざけた事は言わないでって言ったよね?それとも聞こえないのかしら〜」
龍田「ならその耳切り落とそうか?」ニヤリ
提督「っ・・・・」ゾクッ
その笑顔が目の奥から溢れ出そうな深い闇が凄く怖かった
そして背中から痛みを感じる程強い視線を周りから感じた
今まで感じた視線とは全然違う
それは大きく分けると二つある
一つは学生の頃だ
周りから感じたのは呆れ嘲笑い見下す様な相手を下に見る視線だった
今思えばそれが凄く優しく感じる
相手にしなければ良いだけなのだから
でも、俺は無駄に相手にして痛い目を見た
それは今でも忘れる事のない過去だ
そして二つ目は最初の西鎮守府だ
怒りや悔しさなどの表に出る様な怒りの感情
俺は最初は艦娘達を物みたいに扱かったり非情を尽くす最低な奴だと思われていた
それに対して西鎮守府の艦娘達は良く思っていなかった
怒る娘もいれば怯える娘もいた
でも、立場的にも状況的にも手を出せない悔しさがあった
西鎮守府の娘達は良い意味でも悪い意味でも感情に対して正直なんだ
そう、西提督さんの様に
でも、今回は今までのどれとも違う
恨み・・悲しみ・・焦り・・怯え・・
彼女達を見る
無表情でただ此方を見ている
痛みで苦しんでいた娘達もみんな無表情だった
これが裏の感情だ
表のように顔に出てくる表面上の感情ではなく心の奥底から湧き出てる感情
故に顔には出ない・・・・目の奥からただ睨んでいるのだ
そしてそうなってしまっている一番の要因は殺意だ
彼女達は本気で俺を・・いや、人間を憎んでいる
今までとは比べものにならないくらいの恐怖を感じた
やはり思った通りだ・・
いつ襲われてもおかしくない
だって今・・俺は一人で・・・
あ・・・・そうか・・一人なんだ・・
誰も守ってくれない・・
如月もまるゆも不知火も皆いない・・
此処最近は何時も誰かが居てくれて守ってくれて味方してくれた
いつから俺はそれを当たり前だと感じたのか
学校でも西鎮守府でもなかった殺意が全て今俺に向けられていると自覚してしまった
孤独感が強くなる
提督「っ・・」ブルブル
怖い・・震えが止まらない
龍田「あら?怖いの?ふふ・・」
龍田「鼻血が出てるわよ〜拭いてあげるわね〜」ハンカチ
落ち着け・・俺には帰るべき場所がある
そこではちゃんと皆が受け入れてくれる
一人じゃない!止まれ!止まれ!止まれ!止まれ!
龍田「良いこと?貴方は私の獲物なんだからね!逃がさないわよ〜」
そう周りにも聞こえるくらいの大きな声で言った
周りの空気が少しだけ変わった
でも、視線に込められた殺意は変わらない
もうダメなのか?俺は此処で・・
まだ死ぬと決まっていないだろ!
此処の司令官と話をつければ
司令官にさえ会えれば!
震えは止まった。でも、ギリギリで踏み止まっている状態だ
気を抜けばまた震えてしまう
そしたら俺はまた・・逃げてしまう
それをしてしまえば成長は止まる
そして、なにも出来ず
気付いたら死んでる
それが今の現状だ
戻る時間もなく終わる
提督「執務室へ連れて行ってください」
そう言って立ち上がった
逃げるな立ち向かえ!恐怖を全て受け入れろ!
少し驚いた様な顔をしたがまたニヤリと笑った後に血の付いたハンカチを大事そうにしまった
龍田「執務室はこの先よ。貴方が先行しなさい」
提督「分かった・・」
今更逃げようとも思わない。龍田さんの前へ出て歩く
背後から龍田さんの視線を感じながら向かった
彼女達はまだ此方を見ていた
やっぱり・・憎いのか・・
提督「っ!」フラッ
あれ?うまく歩けない。転けた・・立ち上がり、また、転けた
なんだろう夢の中で上手く走れない様なそんな感覚だった
頑張れ俺!執務室まで着けばきっと
きっと・・・・どうにかなるから・・
そんな期待をした
いや、してしまった・・期待を希望をもって・・しまった
執務室へと入った時に期待は希望は
どん底へと落ちて絶望へと変わった
執務室は埃っぽくて入った時に少し咳き込んでしまった
なのに目の前の提督机に座っている彼は咳一つしない
いや、置かれていると言った方が良いだろう
そして何も言わない・・言えない
目の前にあったのは白い提督服に身を包んだ白骨化した遺体だった
龍田「彼が此処の司令官よ〜挨拶してね〜」
提督「そんな・・・・」
これじゃあ、話しも何も出来ないじゃないか・・
その場に崩れ落ちる
提督「最初からこれが狙いだったのかよ・・はは、良い性格してるよ・・」
それを見下ろす龍田さん
龍田「ふふ、ほら挨拶して?司令官さんこの方がお客さんですよ〜」
俺はその言葉に反応する気力もなくただその場で放心していた
だが、やがて立ち上がり
提督「負けるかよ・・」
龍田「へぇ〜・・・落ちないんだ」
まだ提督の心は絶望の淵へと落ちてはいなかった
提督「落ちてなんか・・落ちてなんかやるもんかよ・・・絶対にな!」
俺は帰るんだ!自分の居場所へ!
龍田「ふふふ・・・」
提督「なにがおかしい!その人は貴女が殺したんですか!」
龍田「そんな事するわけないでしょ〜?彼は私達にこの場所をくれたんだから感謝してるのよ〜」
提督「じゃあ、なんで亡くなってんだよ!どうしてそのままにしてるんですか!一体何があったんですか!」
龍田「うるさいわよ〜他の娘達が怯えちゃうからもう少し静かに喋ってね?じゃないと突くよ?」
薙刀の先が喉元ギリギリまで来る
あと数センチで刺さる
提督「っ・・・・」
どうにか大声を出す事で怖さを紛らわせていたんだが・・勘付かれたのか
足が震え出す
まずい・・・・
龍田「ふふふ・・」
提督「な、なんだよ」
龍田「なんでも?ふふふ・・」
龍田さんの考えてる事が全く分からない
だからこそ尚更怖い・・
龍田「最初から彼は死んでたのよ。だから私達がこの場所を貰ったの」
提督「貰った?」
龍田「そう、貰ったのよ。感謝してるのよ途方にくれていた私達に住む所をくれた。だからせめて彼の居たこの場所だけはそのままにしてあげてるのよ」
龍田「司令官として慕ってあげてるのよ」
提督「それって結局は勝手に住んでるだけだし、この人もいつまでも此処に縛り付けるんじゃなくて供養してやった方が」
どう亡くなったかは分からないけど、もうこの場所じゃなくて家族の元に帰してあげた方が良い
きっと家族が待ってる筈だから
龍田「酷いわ〜私達の優しさを否定するのね。それに勝手ってだなんて・・どっちが勝手なんでしょうね?行く所もないのよ?私達」
龍田「それとも野良艦娘ですけど居場所をくださいって言ったらくれるの?」
提督「それは・・・」
無理だ・・問答無用でみんな処分される
西提督さんから聞いたが一度野良艦娘になった者を更生させるのは難しい
それこそ心の傷をゆっくりと治すところから始まる
でも、そんな事をする人は殆どいない
だって工廠で簡単に艦娘などいくらでも造り出せるのだから
そんなのに時間も資金も使う必要はない
物のように処分して資材にでもすればプラスになる
そう考えているのが今の海軍らしい
西提督さんの様な例外もいるらしいが殆どがこう言う考えを持っているのが現状だ
龍田「こうなったのは貴方達人間の所為なのよ?これ以上私達の居場所を奪わないで欲しいわね」
居場所・・・・俺達が彼女達の・・帰る場所を・・
提督「っ!」ズキッ
駄目だ・・頭が痛い・・此処の空気は気持ちが悪い
ドアの向こうから今も殺気の視線を感じる
確実に見られている
苦しい・・息が上手く出来ない
提督「はぁ・・はぁ・・」
長く居るとおかしくなりそうだ
逃げたい!
もう・・限界だ
ダメだ!逃げるな!
提督「別に・・俺は貴女達の居場所を・・奪おうだ・・なんて考えて・・ません・・此処の事は・・誰にも言いませんから!お願いします・・み、見逃してください!」土下座
上手く動かない身体を必死に動かして苦しくても言葉を出した
龍田「・・・・・・」
受け入れろ!受け入れろ!
提督「っ!」
此処を出たい!彼女達の傷も濁った目もあの顔もこの闇に包まれた鎮守府も全て俺が・・俺がさせているんだ!
俺の所為で!
提督「謝って・・済むことじゃ・・ありませんが・・すみませんでした!」
提督「すぐには無理ですけど・・絶対に今の・・海軍を変えますから・・だから!」
龍田「ふふ・・貴方・・よくも!そんな嘘を簡単に言えるわね!」ガシッ
提督「っ!嘘じゃない・・俺は・・」
龍田「なら・・この目に誓える?この目を見て誓えるなら信じるわよ」
龍田「さぁ・・・・誓って」ジーー
提督「っ!」
さっきよりも闇は深く溢れ出そうで彼女の目はまるでブラックホールの様に見えた
吸い込まれそうで思わず身体中に力が入る
冷や汗が大量に出る痙攣する筋肉
言葉が止まった。誓うと言った瞬間何が起こるのか考えるだけで恐ろしかった
次の言葉を出す勇気がなかった
震えが止まらない
怖い・・怖い・・怖い!
誰か助けて・・誰か!
嫌だ!この目を見たくない!やめてくれ!離れてくれ!
おんぼろ鎮守府の仲間達の顔が鮮明に脳裏に映る
龍田「言いなさい」
提督「みんな・・助けて・・」ブルブル
龍田「はぁ・・つまらないわね・・言葉の誓いも出来ないなんて・・」
提督「うぅ・・怖い、怖い、怖い」
龍田「全部を受け入れるなんて馬鹿ね・・でも」
その時ドアが開き声がした
「誓えたとしても・・もう遅いのです・・」
何を言ったかは聞き取る余裕はなかったが、その声は今凄く求めていた
提督「っ!電!」
電「・・・・・・」
おんぼろ鎮守府の仲間である電の声だった
助けに来てくれたんだ・・
それだけで息苦しさがかなりなくなった
龍田「へぇ・・・ふふ、これは使えるかも」
掴まれていた手が離された
俺は無意識に電の方へ向かっていた
立つ事は出来ないけど這いながらでも電の元へ進んだ
話したい抱きしめたい今はその温もりを自分の帰るべき場所を感じたい
それだけを考えていた
提督「電・・助けに来てくれたんだねありがとう!」ポロポロ
電「近寄らないで!」バシン
電の手が俺の頬を叩いた
提督「あれ?」
なんで?
なんでビンタされたんだ?
提督「何時もならグーで殴るだろ?どうしたんだ電」
電「っ!」バシン
提督「っ・・・怒ってるのか?」
電「嫌い・・嫌い!お姉ちゃんを返せ!」
提督「何を言って・・」
龍田「電ちゃんは人間に正式な艦娘として鎮守府に迎え入れると騙されて監禁されて毎日乱暴されてそれを助けようとした姉達が命を懸けて電ちゃんを逃したのよ」
龍田「そして姉達は裏切り者として容赦なく処分された」
龍田「電ちゃんは目の前で姉達が沈んでいくのを見たのよ可哀想よね?」
提督「電・・冷蔵庫にあったお前のプリンを勝手に食べたのを怒ってるのか?悪かったと思ってるし今度新しいの買っておくから許してくれないか?」
龍田「聞いてないのね〜」
電「返して・・返してよ!雷、響、暁、みんな返してよ!」バシン、バシン
提督「電・・頬が痛いだろ?・・プリンならー」
バシン
提督「っ・・・電」
電「そんなもの要らない!要らない!うわぁあああん」ポロポロ
提督「・・・・・・・・」
提督「電・・ごめんよ・・知らない間に俺はお前を傷付けていたんだな・・」
こんなに泣いてる電の姿を見たのは初めてだ
俺が何かしたんだな・・
提督「電、ごめんな・・俺が何をしたか教えてくれないか?俺ってさ・・馬鹿だから・・女の子の気持ちも分かってやれない・・お願いだ・・もう泣かないでくれ」
提督「ほら、ハンカチだ」
電「要らない!」バシン
提督「っ!そうか・・俺のなんて汚いよな」
電が今も涙をポロポロと流している
その姿を見てると悲しくなる
目元に涙が溜まるのが分かる。でも、此処で泣くのは違う
俺が加害者で電が被害者なんだ
加害者は泣いたらダメだ。そんな資格はない・・
提督「もしかして何処か痛いのか?って!お前傷だらけじゃないか!なんで入渠ドッグに行ってないんだよ!」
電「っ・・」ビクッ
提督「いや、電は悪くない・・今度からは報告より先に怪我優先だからな。とにかく入渠ドッグに行こう」
電を抱えて連れて行こうとするが
提督「あれ?おかしいな・・上手く立てないや・・はは、ちょっと待ってくれよ今連れて行ってやるからな・・」
提督「ゲホッ・・ゴホッ・・それにしてもこの部屋埃っぽいな・・前に掃除したばかりなのに・・まるゆ、悪いけど窓を開けておいてくれ」
龍田「ふふ、落ちたのかしら〜?」
電「こ、怖いのです・・」
提督「さぁ、行こうか。悪いけど手を貸してくれないかな?」
まだ立てないけど手を伸ばす
電の為ならこのくらいなんて事はない
だって、此処が俺の帰るべき場所なんだから
ガシッ
しかしその手は誰かに掴まれて止まる
不知火「電に触れないでください」
提督「不知火、書類仕事なら全部終わったぞ?俺だって一人で出来るんだからな」
不知火「書類仕事?何を言ってるんですか?」
提督「おっと、それより電を入渠ドッグに連れて行ってやってくれないか?ちょっと俺は調子が悪くてな」
不知火「・・・・・っ!」ギュッ
提督「っ・・不知火そんなに強く掴まれると痛いよ・・いたた!痛いって!このままだと腕がーっ!」
腕が折れると言おうとしてやめた
不知火はただでさえ俺の腕を折ったことを気にしている
折れるなんて言えばまた自分を責めるかもしれない
提督「腕が痛いからやめてくれ・・」
不知火「こんな腕・・折ってやりたいくらいです」
提督「不知火?・・・」
不知火「腕だけじゃない!足も全部折ってやる!なんなら私と同じ様に!」
提督「同じ?・・っ!不知火・・片腕がない・・どうしたんだ!早く入渠ドッグに!誰がこんな事を!」
不知火「お前が言うな!」ギュッ
提督「ぐっ!不知火・・俺が憎いのか・・そうだよな・・俺の所為で東鎮守府から追い出されて・・うん、折りたいなら折ってくれ・・そしてまた何時もの不知火に戻ってくれ・・」
提督「何本折られても俺は気にしないから」
不知火「なら!お望み通りに!」
電「や、やめー」
鳳翔「やめなさい!」
不知火「っ!」
電「鳳翔さん」
龍田「あら〜?」
提督「鳳翔さん・・二人を早く入渠ドッグへ・・お願いします」
鳳翔「入渠ドッグはずっと使えませんよ・・そう言う皮肉はやめてください」
使えない?そんな筈は・・
鳳翔「それと貴方を助けたのではなく電ちゃんや不知火ちゃんに汚れ役をやらせたくなかっただけですから勘違いしないでください」
鳳翔「もし次にこの娘達に触れようとしたら・・・・覚悟しておいてください」
提督「鳳翔さん・・・・・」
そんな・・軽蔑する様な顔で・・見ないでくださいよ・・
鳳翔「返事してください」
提督「っ・・・はい、分かりました・・」ポロポロ
提督「あの、最後に良いですか・・俺って此処にいて良いんですかね・・必要なんですか?」
何かの冗談だと信じたい・・
鳳翔「貴方なんか要りません・・早く居なくなって欲しいです。みんなそう思ってますよ」
提督「そんな・・じゃあ俺は」
鳳翔「・・必要ないです・・ごめんなさい」
全身の力が抜ける感覚がした
不安と恐怖とが一気に襲った
提督「そう・・ですか・・」
鳳翔「・・・・では、私達はこれで失礼します」
不知火「・・・・・・」
電「っ・・あの・・」
鳳翔「電ちゃん行きますよ」
電「は、はい・・・」
提督「ま、待っー」
龍田「待ちなさい」
鳳翔「っ・・なんでしょうか」
龍田「面白い事思いついたのよ〜だから、彼を懲罰房へ連れて行ってくれない?」
鳳翔「二人共先に行っててください」
電「は、はい・・」
不知火「分かりました」
ガチャ
ドン
龍田「それじゃあお願いね」
鳳翔「嫌です。何故私がそんな事を」
龍田「あらあら〜拒否権はないのよ?頼んでいるうちにお願いね?」
鳳翔「・・分かりました。でも、何をするかだけでも教えてもらえませんか?」
龍田「そうね〜みんな人間に対して鬱憤や憎しみなどその他諸々溜まってるでしょ?だから、言いた事があるなら言わせてあげれば良いのよ。そうすればみんなスッキリするでしょ?」
鳳翔「それはみんなをただ煽る事になって逆効果だと思います。消しかかっている火に油を注ぐ様なものです」
龍田「そうかしら〜中には人間と話してみたい娘もいるかもしれないし良い経験にはなると思うけど?」
鳳翔「貴女らしくないですね。それで本音はなんですか?」
龍田「これが本音よ?ただ、彼はまだ落ちてないのよ〜お話しでもすれば私の思う方へ進むと思うのよ〜」
鳳翔「良い趣味ですね・・まぁ、此処でいくら言っても無駄ですね。連れて行きます」
提督「えっと、鳳翔さん何の話しをしてんですか?」
鳳翔「知らなくていいです行きますよ」
提督「あ、はい」
龍田「あ、待って、その前にこのままの彼でも良いけど、やっぱり今の彼の方が面白そうだわ〜」
ガシッ
提督「な、なに!」
龍田「貴方名前は?」
提督「提督だけど・・」
龍田「提督?貴方ってこう言う事に慣れてるのかしら?そうやって現実逃避すれば落ちる事はないわよね?」
龍田の手が提督の背中を触れる
龍田「でもね?」
傷口を指でなぞる
提督「な、なにを」
その力はどんどん強くなり傷口に押し込む
龍田「それは落ちるよりも惨めなのよ?だ、か、ら」
痛みが段々と強くなる
提督「っ!痛い!やめてくれ!」
鳳翔「なにをしてるんですか!」
龍田「逃げちゃダメよ?ちゃんと貴方の目で見るのよ〜」ググッ
提督「うぅ!痛い!」
鳳翔「龍田さん!」
痛い・・痛いけど・・誰かが背を押してくれている、辛くても前を見なさいと叱ってくれている
ちゃんと此処に居るから
そう言っていくれている様に感じた
さっきまでの孤独感が段々となくなっていく
龍田「この痛みを忘れたらダメよ?ちゃんと覚えておきなさいよ?」
龍田「その斬り方は傷つけようと付けられた傷じゃないわよね?趣味とも思えないし、ただの傷じゃないんでしょ?」
提督「っ!」
あ・・・俺の馬鹿野郎が
自分から孤独になってんじゃねえよ!
提督「言われなくても・・忘れるわけないだろ!」ギロッ
龍田「っ!」
鳳翔「・・・・・・」
この痛みは!傷は!彼女の大切な証なんだ!
彼女を知ってるのは俺だけだ。だから忘れてしまえば居なかった事になる
伝えられぬ想いを持ち続け孤独に長き道を進み抜き、そして託された彼女の証
人生を!
もう二度と忘れない!忘れちゃいけないんだ!
そう、背中の傷に誓おう!
提督「俺は・・俺はもう二度とー」
ガシッ
鳳翔「もう連れて行きますから!懲罰房ですよね!」
提督「あ、ちょっと!鳳翔さん!誓いがまだー」
鳳翔「誓いません。これで良いですか?行きますよ」
提督「あ、そう言う意味の誓いではー」
ガチャ
ドン
龍田「ふふ、本当に面白い子だわ〜ちょっと意地悪し過ぎたかもしれないわね〜でも、優しい子・・精神面はちょっと不安だけどあれならもう大丈夫そうね。後はちゃんと自分の目で見て向き合えるか」
龍田「ふふ、これで私の役目もやっと終えられるかしら貴方もやっと休めるわね司令官」
龍田の顔に笑みが溢れる。その顔は不気味さも怪しさもない純粋な笑顔だった
龍田「でも、さっきのは何処となくあの人に似てるかも・・」
『諦めきれるわけないだろ!俺は本気なんだよ!』
龍田「・・・・・まさかね」
ガチャ
龍田「ん?」
天龍「・・・・・・」
龍田「どうしたの?天龍ちゃん」
天龍「頼みがあるんだ。その軍刀を俺に預けてくれないか?」
天龍「どうしても斬りたい奴がいるんだ」
天龍「俺なりの覚悟を持って」
龍田「天龍ちゃん・・・」
これはやばいかもと思う龍田であったが同時に天龍が成長した事への嬉しさもあった
天龍「頼む」
龍田「う〜〜ん・・」
その頃研修生達は
大井「ほら、早くしないと夕方になりますよ急いで急いで」
北上「みんな頑張れ〜」
西提督「すぅーーーぐごっ!すぅーーーー」..zzzZZ
大井「そこ!しっかり運びなさい!たく・・そのくらいの大きさの木材くらい一人で持てなさいよ」
金髪「ぐぬぬ!重い・・黒髪!ちゃんと持ってるのかよ!」
黒髪「持ってるって!金髪こそもっと気合い入れて持ってよ!」
金髪「む、無理だ!」
メガネ「えっほ!えっほ!」ギコギコ
メガネ「っ!」カンカン
メガネ「ふぅ・・・」
大井「そこ!休まない!まだまだ足りませんよ!どんどん切って!どんどん加工してください!」
メガネ「っ!えっほ!えっほ!えっほ!」ギコギコ
大井「貴方達を乗せるにはこの大きさのイカダでは駄目です!もっと大きくしないとみんな乗れませんよ!休まず働きなさい!」
研修生達「「「はい!」」」
汗水垂らして労働に勤しんでいた
金髪「ファイトォオオ!」
黒髪「叫ぶ余裕ないから・・」
メガネが木を切り簡単な加工(それっぽく切る)をしてそれを黒髪と金髪が運ぶ
ちなみに道具類は最初に大井と北上が捕まった時に此処を出ると言う事を条件に例の元鎮守府から貸してもらっていた
メガネ「えっほ!ほいさ!どりゃぁああ!」ギコギコ カンカン
そして大井が組み立てながら指揮をする
大井「此処はもう少し補強が必要ね・・メガネ、設計図の35番はもう少し気持ち小さめにお願い」トントン
メガネ「うっす!」ガンガン
北上は応援
北上「ファイト〜」
西提督は寝る
西提督「ぐごぉ〜」..zzzZZ
完璧な作業体制がされていた
大井「木材もドラム缶も足りませんよ!これじゃあ大きい彼は乗れませんよ!置いて行きますか?」
西提督「むぬぬぬ〜〜筋肉は脂肪より重い・・故に・・命より金の方が・・重い」..zzzZZ
金髪「は、はい!今持って行きます!メガネ木材を!黒髪はそこら辺で流れ着いてるドラム缶探し!」
黒髪「もう無理・・」バタッ
メガネ「ん?」木彫りの大井
金髪「何作ってんだよ!」
大井「ちゃんとやらないなら私達だけで行きますけど良いですか?」
研修生達「「「っ!」」」
金髪「黒髪!メガネ!」
黒髪「分かってる!」ダッ
金髪「これは没収な!」木彫りの大井
メガネ「あーー!傑作が」
金髪「大事にするから安心しろ」
大井「安心出来ません!これは没収です!」ガシッ
金髪「あーー!俺の・・大井さん」
大井「私のです!」
北上「完成度高いよね〜」
黒髪「ふぬぬ!オラァああ!見つけたよぉおお!」ドラム缶
金髪「おお!こんな大きいドラム缶を一人で持ち上げてるなんて!黒髪こっちだ!こっちに持っー」
黒髪「あ、ダメだ・・ぐぇ!」ドスン!
金髪「やばい!潰れたカエルみたいな声出したぞ!大丈夫か!」ダッ
メガネ「っ!」キュピーーン!
ギコギコ!カンカン!ドンドン!
メガネ「ふぅ・・」木彫りの西提督
北上「これは・・ちょっと欲しいかも・・」ボソッ
メガネ「これは君のだ」
北上「え?くれるの?ありがと〜」
金髪「大丈夫か?黒髪」
黒髪「なんとか・・」
大井「・・・・・・」
大井「北上さん行きましょうか。あの子達はこの島で暮らすみたいです」
北上「え?うん」木彫りの西提督
金髪「っ!メガネ!真面目にやれ!黒髪!か弱い女の子アピールとか今はいらんからやれ!」
メガネ「了解した!」
黒髪「ああ!もう!」ドラム缶持ち上げ
研修達はただがむしゃらに時間も忘れて働いた
金髪「ロープが切れた!」
大井「もっと選別して頑丈なのを持って来て!結び方も甘い!」
金髪「どれも同じにしか見えないんですよ・・」
ただ一人の帰りを信じて
黒髪「はぁ・・はぁ・・しんどいです」
大井「まだドラム缶足りませんよ!ほら!走って!」
黒髪「鬼ーー!」ダッ
みんなで此処を出る。その為にみんなが一つになる
メガネ「うむ・・此処はもう少し削ったほうがいいだろうか?」
大井「そうですねあと胸の辺りを数センチ削って」
メガネ「こうかな?」
大井「ええ!そう!良い感じ!後は手直しをして」
メガネ、大井「「完成!」」木彫りの北上
大井「はぁ〜これは家宝にします!」
北上「おーー凄い。なんか恥ずかしいけど」
メガネ「ふっ・・良い仕事をした」
金髪、黒髪「「ちゃんしろ!」」
そこに艦娘と人間の壁は既になくなっていた
木彫りの北上「」暁の水平線に勝利を刻むポーズ
木彫りの大井「」由緒正しき雷巡のポーズ
木彫りの西提督「」暁の水平線に筋肉を刻むポーズ
木彫りの三人はただその場に立っていた
〈帆に何か書くか?何もなしだと勿体無い気がするし
〈う〜ん、ならSOSとかで良いんじゃないの?見つけてもらった時にすぐ私達の状況が分かるし
〈いや、それではつまらないよ僕に良い考えがあるよ
大井「・・・・・・」
北上「ねぇ、大井っち、イカダこの大きさでもみんな乗れると思うけど違う?」
大井「北上さんの言う通りです。あらかじめ色んな事を想定して大きく造りましたから余裕でみんな乗れます」
北上「ならなんで補強なんてさせてるの?しかも休ませないなんて人を恨んでるの?あの子達を恨むのはお門違いだと思うよ?あの子達は南提督とは違う」
大井「恨んでなんかいませんよ寧ろ感心してます。こんな時でも逃げずに頑張っているんですから間違ってもあんな奴と一緒にするなんてあり得ません」
北上「じゃあなんで?」
大井「念には念を入れて補強したかったってのもありますけど、あの子達はまだ弱いです。黙って帰ってくるかも分からない彼を待つ程強くはない・・」
大井「正直帰って来ない方の確率が高いです・・」
北上「そうだよね・・」
大井「色々考えていたらあの子達はきっと壊れてしまう・・希望に押し潰されてしまう」
北上「だから考える暇を与えず働かせているんだね」
北上「でも、それって結局は帰って来なかったら時間のー」
大井「それ以上は言わないでください・・分かってますから」
北上「大井っち・・」
大井「分かってる・・でも・・ううん、なんでもありません」
北上「もしかして大井っちもー」
金髪「帆が完成しました!」
黒髪「確認お願いします!」
大井「この絵はなんですか・・」
金髪「海軍帽子にドクロです」
黒髪「海賊のマークですよ」
メガネ「海軍と海賊の夢のコラボです!」
大井「そんなコラボは誰も望んでいません!」
大井「良いですか?貴方達は何も分かってません!もしこれが潜水艦の娘達に見つかったらどうなると思いますか?」
金髪「え?普通に助けてもらえるんじゃ」
黒髪「あ、かっこいいってなるとか」
メガネ「写真良いです?ってなるかもしれない」
大井「違います!大義名分を得た彼女達は加減を知りませんよ」
黒髪「え?それってどう言う」
大井「今の時代に海賊がいるかは分かりませんが良いイメージはありませんよね?海賊は物を奪います。なら、彼女達も海賊なら奪われても良いよね?てか、沈めよう!で、色々奪っちゃえとなります」
大井「まぁ、そうじゃなくても被害報告は結構ありますが・・夜は特に潜水艦が多いので気をつけないといけません海中に引きずり込まれる事も覚悟しておかないといけません」
金髪「そ、そんな恐ろしい事に」
黒髪「あれ?潜水艦って人類の敵だったっけ?え?そうなの?私が知らないだけ?」
メガネ「それでは彼女達こそ海賊だと思うけど・・現代の海賊は彼女達だったのか」
大井「彼女達も必死なんです・・だからあまり言わないであげて」
大井「そんな彼女達でも漂流者だと分かれば助けてくれる筈です」
大井「切羽詰まってなかったら・・いえ、機嫌が良ければ?」ボソッ
北上「機嫌良い時あるのかな・・」ボソッ
メガネ「・・・・・・」
金髪「じゃあ、帆にはSOSと書いた方が良いと?」
黒髪「海賊じゃありませんよってのも書いた方が良いかもしれません」
メガネ「遠征お疲れ様ですも必要かと彼女達を労う事も忘れてはいけない」
金髪「なら、遠征お疲れ様です。私達は海賊じゃありませんよSOSです。と書こうか」
黒髪「うん、それが良いと思う、メガネ」
メガネ「ほい来た!」
北上「あ〜それはダメだよ」
大井「ストップ!」
大井「みんな仲良くスク水姿になりたいんですか?」
金髪「はい?何故にスク水?」
メガネ「見たいと聞かれれば」
金髪、メガネ「「一部を除いて見たい!」」
黒髪「なんか分からないけどイラっときた。なに?一部って私?私なの?」
大井「悠長に考えてるけどね自分のスク水姿が見たいかって事ですよ?」
金髪「へ?俺の?」
メガネ「男はブーメランパンツが一番だ」
大井「そんなの彼女達が持ってるわけないでしょ?」
北上「あたしのスク水なんて需要ないよね〜」
金髪「え?俺見たいですよ?」
メガネ「僕もそうです」
北上「へ?マジ?」
金髪、メガネ「「マジです」」
北上「や、やっぱり!犯される〜〜」ブルブル
金髪「だからなんでそうなる!」
メガネ「ははは!君は本当に面白い」
大井「はぁ・・私が思う程弱くはなかったのか・・それともただの馬鹿なのか・・どっちなんでしょうか」
大井「でも一つ言えるのは北上さんのスク水姿は!私も見たい!」
黒髪「あの・・良いですか?彼女達とスク水にどんな関係が?」
大井「え?ああ,ゴホンッ、さっき人類の敵かって言ってましたよね?敵ではないです、ただ、全てが資材に見えてしまっているだけです」
黒髪「はい?」
大井「彼女達は資材を集める為なら他の艦娘をも襲います。そして身ぐるみを全て剥ぎます」
黒髪「え?全てって服も全部ですか?」
大井「そう・・私も一度経験がありましたから・・下着も全部取られました」
黒髪「それは・・大変でしたね」
大井「でも、彼女達にも慈悲の心があるようで・・全てを剥ぎ終わったら資材ではなくちゃんと味方として見てくれます。寒いだろ?と言って自分の替えのスク水をくれたんです。真ん中に大きく名前を書いてくれましたよ大井ってね・・」
黒髪「もし、潜水艦達が私達を資材と見なしたら・・」
大井「服も全て持っていかれてスク水をくれますよ・・胸の辺りがぶかぶかのやつを」
黒髪「なんて恐ろしい・・・」
金髪「それってもしかして俺達も?」
メガネ「はは、そんな事あるわけがー」
大井「当たり前でしょ?と言うか男性は海には出ないから被害報告がまずないけど・・多分スク水を着させられると思う」
メガネ「はは、あったよ!」
金髪「なんで嬉しそうなの!」
北上「下手したら全裸待機だね〜」
黒髪「それは更に恐ろしい」
金髪「失礼な!」
メガネ「見られて恐ろしいと思われる所などないし!恥ずかしい所もない!」
金髪「いや、恥ずかしいのはあるからな?」
黒髪「大井さん!この帆のなにがダメなんですか!どうすればこの恐ろしい事態を回避出来ますか!」
大井「やっと事の重要さに気付いたようね」
大井「まず、SOSと書いていても殆どスルーされます。彼女達も忙しいのでそんな事を書いていても資材とは思われませんが助けるに等しい相手とも思われません」
北上「なんか偉そうでちって思われるかもね〜」
金髪「偉そうと言われてもな・・」
大井「次に海賊じゃありませんって言うのは完全にそうですと言ってるようなものです」
北上「やましい事があると大抵逆の事を言うんです!はっちゃん知ってます!あいつら海賊です!あの眼鏡かけた奴は絶対そう!ってなるかもね〜」
黒髪「なんと言うか性格が捻くれてるの?潜水艦の娘達って」
メガネ「僕、海賊に見えるかな・・」
大井「そして一番ダメなのがこれね」
北上「うん、潜水艦達に言ってはいけない事の上位に入る言葉だよ」
大井、北上「「遠征お疲れ様です」」
大井「お疲れ様?ふざけやがって!」
北上「終わりのない遠征にお疲れ様だと!」
大井「煽ってるでち・・あいつら!煽ってる!」
北上「沈ませて全て剥ぐのは決定事項よね?」
大井「それから一緒に遠征に着いて来てもらいましょう!それが良い!」
北上「お疲れ様の本当の意味を」
大井、北上「「知ってもらいましょう」」
大井「ってなるから絶対にダメです」
北上「基本的に労う言葉より休みを寄越せだから気を付けてね〜」
黒髪「はわわわ!潜水艦怖い」ガクブルガクブル
金髪「お、俺は、こ、怖くなんかないから!」ブルブル
メガネ「僕はなんて事を・・,お疲れ様でみんなを危険に晒してしまう所だった」
金髪「じゃあ、結局はなんて書けば」
大井「偉そうにしてはダメよ。そして助ける価値があるかも必要で無駄な弁解は必要ない。労いの言葉は絶対にダメ」
北上「そして目的もハッキリさせる事だよ」
大井「貴方達は何処から来たんでしたっけ?」
金髪「西鎮守府からです」
大井「なら、こう書くのよ」
《誠に申し訳ございませんが、もしお時間があるのでしたら助けてはもらえないでしょうか?西鎮守府までお願いします。(お礼の資材たくさんあります)》
大井「資材の事は最後のついでの様な感じに書くことが重要です」
北上「相手の方も資材目当てで飛びついて来たとは思われたくないからね〜あくまで終わった後に、あ、資材の事書いてたんだ、じゃあ、貰おうかな〜って感じにしたいからね」
金髪「成る程相手の事も考えて書く必要があったんですね」
黒髪「流石私達とは経験の差が違います!こう言うのなんて言ったっけ?」
メガネ「うむ、亀の甲より年の功だね」
黒髪「うん、それそれ歳の差を感じます」
金髪「あぁ、本当になあばあちゃんの知恵的な?」
大井「ふふ、誰がおばあちゃんだって?還暦迎えてますって事?棺桶に半分以上突っ込んでるって言いたいの!」
金髪「え?そこまでは言ってー」
大井「言ってるのと変わらないでしょ!」ダッ
金髪「うわっ!怒った!逃げろ!」ダッ
黒髪「え!わ!わ!こっち来ないで!」ダッ
メガネ「これはやばい!」ダッ
〈三人共待ちなさい!ちょっと艦娘の歳について話しましょう!
〈いや、大丈夫です!間に合ってますから!
〈大井さんは若くてピチピチですから!
〈はははははは!
北上「・・・・・・」
北上「みんな隠してるつもりなのかな?無理してるのが丸分かりだよ・・金髪も黒髪もメガネも・・そして大井っちも・・みんな責任を感じてる・・だからこそ無理をしてる」
北上「ねぇ、このままだと・・どうすれば良いのかな?みんなを見てるのが辛いよ・・」ツンツン
西提督「・・・・・・」..zzzZZ
北上「はぁ・・それに合わせてる自分が一番・・」
西提督「信じろあいつを・・あいつらを」
北上「え?」
西提督「まいたけ政権〜〜」..zzzZZ
北上「え?舞茸?なに?分からないよ〜ねぇ、なんなの?」 ツンツン
西提督「」胸筋ピクピク
北上「だから、肉体言語は分からないよ〜」
こうしてお互いが無理を隠し続けて夕方までイカダの補強は続いたのだった
注意【これは艦これ要素皆無で前に書いた別作品の二番煎じで更に主が暴走して出来てしまった物語です】
【それでも良い方は見てやってください】
今日は休みだ
ハゲからもそして東鎮守府から書類手伝って連絡(強制くまのん襲来編)もない!
そう!今日は俺の休みなのだ!
寝ようが何しようが誰も文句は言わない!
そう!自由なのだ!
そして俺の手元には
恋愛シュミレーションゲームが握られていた
それはもう強く隠すように
恋愛シュミレーション
言わばギャルゲーだ!初ギャルゲー!
でも、勘違いしないで欲しいのだがこれはただ遊ぶ為に買ったのではない
実は最近相談を受けたのだ
名前は彼女の為に言えないが東鎮守府の娘だ
彼女達東鎮守府は司令官達や艦娘達の相談を聞いてあげる窓口がある
どんな悩みでも真剣に聞いてくれることからリピーターも多い
かく言う俺もよく聞いてもらっている
提督『最近腰が痛むんです・・』
陽炎『病院行けば?』
提督『内科?』
陽炎『産婦人科じゃないww』
お陰で腰の痛みが治った事もあった
産婦人科で恥じもかいたけど・・
でも、東鎮守府の娘達だって悩む事もある
その時は誰に聞いてもらえるのか?
東提督さんには言いにくいだろうし俺が電話した時に途中から逆に彼女達の悩みを聞く事も多々あった
RJ『どうやったら大きくなるんやろ・・』
提督『何が?器?胸張ってどんと構えてれば良いと思うけど』
RJ『アホ!張る胸がないんや!』
提督『え!ないの!なんで!ないってどんな感じ!辛い?それとも逆に軽い感じ?教えてくださいよ!ねぇ!もしもし!ねぇ!もしもーし!ないって辛い?辛いの!そこのところ教えてくださいよ!』
RJ『うちとやる気なんやな・・ええよ買ったるわその喧嘩!全機発艦!狙いはおんぼろ鎮守府の提督や!!』
そう言う事もあり偶に東鎮守府の娘から電話があるのだ(偶に艦載機が来る)
東提督さんもその事を知っておりよろしくお願いしますと頼まれている
東提督さんには色々とお世話になっているけど牡蠣の安定供給を約束されている東鎮守府には恩を売っておきたいと言うのもある
殆ど牡蠣は宮間食堂へ渡すけど牡蠣定食は人気だ
俺も偶に変装して食べに行くが何時も町長さんがいるのは偶然なのだろうか?
話しを戻すが、今回ある娘から好きな人が出来たと相談を受けた
艦娘と人とでは壁も大きいかもしれないがそれでもそれを分かった上で相談をしてきた彼女の為に力になりたい
俺の考えで良いとは言うが恋愛経験のない俺には何も言える事はない
悔しい気持ちでいっぱいだ・・
だけど力になりたいと
もし仮に上手くいって付き合う事になるのなら
俺達は全力で応援するつもりだ
それは四つの鎮守府からなる司令官達の司令官達による会議(LINE)で決まった協定だ
彼女達の恋を上層部のハゲ達から隠して応援する。現に妙高さんと西提督さんは付き合ってるわけだし
因みに恋愛経験豊富そうな明石さんに相談してみたら殴られた
夕張さんは・・まぁ、うん、聞かなかったら泣かれた
鳳翔さんは顔を真っ赤にして、まだ経験ないですと小さな声で言った(可愛い)
危うく俺なんてどうですか?と聞いて玉砕するところだった
ヘタレなのでしないけど・・
他はと探すが他はそう言うのがなさそうだ
忘れていたと言わんばかりに居候さんに聞いてみると
まず、如何にライバルや相手に気付かれず布団に潜り込むかをと語りだしたので途中でビッチ!と言って彼女の部屋を出た
一途なんですけど!と聞こえたが無視した
いきなりベッドインとかビッチ以外の何者でもないだろ
彼女に想われている人は大変だろうな・・
そう事もあり俺はギャルゲーに藁をもすがる思いで手を出したのだ
ギャルゲー=王道の恋愛
最初からこうすれば良かったんだ
ただ、どう言うのが良いか分からず適当に値段が一番高いのを買った
我が紅茶の師匠の為だ妥協はしない!
買う前に評価サイトを確認してみるとクソゲーと書いてあったがプレミアが付いてるとかで
きっとクソ面白いゲームなのだろう。じゃなきゃプレミアは付かないと思う・・多分
評価サイトを見過ぎるとネタバレになるのでそこだけしか見てないがきっと面白い筈だ
ちなみにどうしてプレミアが付いてるのかを調べてみた
このゲームは結構前に発売されたもので制作会社はとっくの昔に倒産している
つまり年数も経っており個数は減るこそすれば増える事はない。これはプレミアになる典型的な理由と言えるだろう
そして調べる過程で分かった事だが、このゲームはとある刑務所で恋愛シュミレーションの授業で使われたらしいがこれはリメイク版で向こうで使われたのはリメイク前のらしい
それでもギャルゲーを授業に使う刑務所に興味もあり詳しく調べてみたが分かった事は
刑務所は昔に受刑者一人を残して全員亡くなっており今はないと言う事だけだった
その生き残った奴も誰だか分かっていない
それ以外の情報は全く出て来ず意図的に隠してるのでは?と思ったりもした
そもそもこの話しが本当なのかも怪しいレベルだ
そう言うのもあり呪いのゲーム?とか色んな説や噂が出てゴチャゴチャになり結局は謎に包まれたゲームと言う事で落ち着きかなりプレミアが付いているのだ
呪いなんてのは俺は信じてないし噂は噂だ。でも、それで高くなるのは迷惑だ
まぁ、結局何が言いたいかと言うとだ
今からする事は艦娘達の為でもあり俺のやるべき仕事なのだ!
別に楽しみだとかそんなんじゃないんだからね!
提督「と言うわけで早速始めようか」
途中で誰か入って来ないように執務室には鍵をかける
電「始めようかじゃないのです!」
鳳翔「あの、なんで呼ばれたんでしょうか?」
電「純情可憐な乙女二人を呼び出して部屋に鍵をかける・・これはそう言う事なのです!」
鳳翔「え?そう言う事と言うのは?」
電「夜戦(愛)なのです!」
鳳翔「あの・・そう言うのは夜にしてもらえると・・出来れば二人きりで」
電「いつかは襲ってくるとは思っていたのです!電の色気に落ちたのです!鳳翔はおまけなのです!」
鳳翔「そうなんですか?おまけなんですね・・」
電「そうなのです」
提督「とりあえず黙ろうか万年発情期型一番艦電!全然違うからな!」
鳳翔「ほっ」
電「電は暁型なのです!」
提督「俺が呼んだのはこれを一緒にやる為だよ」
ゲームのパッケージを見せる
電「ん?うわぁ・・」
鳳翔「これはなんですか?なんでこの絵の娘達は目がこんなに大きいんですか?」
提督「そこに関してはツッコミはなしでお願いします」
鳳翔「そうなんですかすみません」
電「それで?なんで一緒にやる必要があるのです。まさかやりながらヤるとかじゃ」
鳳翔「え・・さっきも言いましたがそう言うのなら二人きりで夜に」
提督「いい加減にそこから離れてください!てか、鳳翔さん分かってて言ってますよね!」
鳳翔「ふふ、ばれました?提督さんはそんな事しないって信じてますから」
電「・・・・信じてるのは電も同じなのです・・だから」ボソッ
提督「二人に信じてもらえて嬉しいですよ。今回呼んだのはただ遊ぶ為じゃないんですよ」
鳳翔「と言いますと?」
提督「パッケージのジャンルになんて書いてますか?」
鳳翔「えっと恋愛シュミレーションと書いてますね」
電「その後の首かっ切り系女子ってなんなのです!そんな恐ろしい女子なんて始めて聞くのです!」
提督「そこはまぁ、最近は特に色々なジャンルがあるしそう言うのもありなんじゃないかな?」
電「明らかに命に関わりそうなジャンルってなんなんです!」
提督「電、やらずに批判はダメだと思うぞ何事も経験だ!新しい萌かもしれないだろ!」
電「結局は返品も出来ず自分の間違えを認めたくないだけなのです!」
提督「っ!」
鳳翔「電ちゃんそれくらいにしてあげましょうね?提督さんだって考えがあっての事なんですから間違いなんてしませんよ」
提督「そ、そうだぞ!ちょっとあれだけど高かったんだから面白いに決まってんだよ!やらずに文句言うな!」
提督「そう言う決めつけは視野を狭めてしまう事になるぞ?」
電「相変わらずくだらない事にまともな事を重ねるのが上手いのです・・」
鳳翔「提督さん首かっ切り系女子は置いておいて恋愛シュミレーションって事は恋愛の勉強ですか?」
提督「はい、そうです。まぁ、俺じゃないけどそう言う事で悩んでる娘がいまして力になってあげたいんですよ」
鳳翔「そうなんですか休日を返上してまで他の娘の為に動くなんて優しいですね提督さんは」
提督「いえ、俺が出来る事をやってるだけですよ。頼ってくれるみんなには感謝してもしきれません。勿論鳳翔さんも困った事があったら相談してください。鳳翔さんの力になれるなら休日だろうが元帥だろうが返上して力になりたいですから」
いや、元帥は返上ではなくゴミの日に捨てる勢いで
提督「でも、今回は俺だけでは無理なんです・・恋愛に関しては経験がないんです・・だから、鳳翔さんの大人の女性からの目線での意見と電の子供からの目線での意見をそして俺のナイスガイ(童貞)からの目線での感じた事を集結させて完璧な恋愛術を彼女に教えてやりたいんです」
電「・・・・・子供」イラッ
提督「鳳翔さんは恋愛経験がないって言ってましたよね?だったら一緒に勉強しましょう。力を貸してもらえませんか?」
鳳翔「提督さん・・はい!」
提督「早速始めましょうか」
電「ちょっと待つのです!」
提督「電、言いたい事は分かってる。電・・俺達約束したよな?一緒に強くなるって」
電「それはしたけど」
提督「なら!一緒に学ぼう!そして歩もう!恋愛と言う永遠に解けないラビリンスを」
鳳翔「私も御一緒して良いですか?そのラビランス?に」
提督「勿論さ!さぁ!電、行こう!」
電「お、おう・・って違うのです!」
電「電は子供じゃないのです!立派なレディなのです!」
提督「はは、そう言ってる間はまだまだ子供だな」ナデナデ
電「むぅーー!」
提督「でも、頼りにはしてんだぞ?今回だってなんやかんやで来てくれたし感謝してんだぞ?」
電「・・・・本当?」
提督「あぁ、本当だ。今回も力になってくれたらもっと感謝するけどな」
電「もう!仕方ないのです!力になってあげるのです!感謝するのです!」
チョロいな電よ
やはり姉の影響も受けているのか頼られると嬉しいのだろう
意外にも世話好きな一面もある事が最近分かった
文句を言いながらでも俺の我儘に付き合ってくれているのが証拠だ
そのうち甘えて良いのよ、なんて言い出したりして
ー執務室前ー
不知火「これは提督に相談しなければ!提督の側に居たいからではない!仕方なく相談の為に」ダッ
【勉強中により緊急時以外の入室またはノックや執務室近くで騒いだりして気が散る様な行為を禁ずる。提督より】
不知火「ぬい!」
ー執務室ー
提督「さぁ、今度こそ始めよう!勉強の時間だ!」
電「なのです!」
鳳翔「はい!」
期待を込めてパソコンにソフトを入れる
提督「始まらないな」
電「まさか?」
鳳翔「いんすとーる中?提督さんどう言う意味ですか?」
電「はぁ・・」
提督「えっと・・待ってなさいって意味ですよ。ほら、パーセンテージが出ていますし100パーセントまで待てば良いんですよ」
提督「パソコンのゲームはかなり複雑になっていますから作動に時間が掛かるんですよ」
電「・・・・・・」
鳳翔「成る程そう言う事なんですね。提督さんはパソコンに詳しいんですね。私は全くなので凄いです」
提督「え、えぇ、勉強しましたからこれくらい楽勝ですよ!はは」
電「最初にインストールくらいしてれば良いのに・・」
いんすとーる?が終わりゲームが始まった
三人が画面を食い入る様に見るその光景はあまり他の人達には見られたくない姿だろう
鍵を掛けておいて良かった
オープニングが始まる
ゆっくりとした明るい曲が流れる
そして笑顔のヒロイン達が写る
でも、その顔に少しの影がさす
これは彼女達の心の闇を表しているのだろう
その彼女達の闇を照らすかの様に主人公が背を前に立っている姿があった
それは彼女達の闇を全て受け止めて背負い歩こうとしてる覚悟と強さを感じた
俺は今まででたくさんの想いを背負って来た。なんて事はない小さな事やその人の人生に関わる大きな事までたくさんの想いを俺は背負っている
でも、俺は重いとは思わない全てが俺にとって大切な想いであって力である
人は背負う事で強くなれると俺は思う
背負うからこそ自分であり続けられる
背負うからこそ逃げずに戦えた
このオープニングはそれを再確認させてくれた
ドキドキさせてくれた
これは内容が楽しみで仕方ないぞ!
電も鳳翔さんも食い入る様に見ている
俺と同じ様に感じてくれたら嬉しいな
電(よくあるオープニングの典型的なパターンなのです。とりあえず主人公は意味なく無駄に走っていたのです。パシリでもされてるのかな?)
鳳翔(やっぱり皆さん目が大きいですね。ゴミとか入らないのでしょうか?もし目が悪くなったらメガネはまだ良いですがコンタクトレンズなら特注でないといけませんから高くなりそうですね)
提督「よし!主人公の名前だけど初期のままで良いですよね?」
電「自分の名前をいれる様な痛い奴にはなるなよ?・・なのです」
鳳翔「名前を変えるのは市役所に・・いえ、そもそも親から貰った名前を変えるのは良くないと思いますが」
提督「鳳翔さんゲームですから面倒な手続きとかは必要ないですし深く考えなくて良いですよ。それに名前は変えませんから」
鳳翔「それなら良いですが、両親が想いを込めて付けた名ですから他人の私達が変えるなんてダメですよね」
提督「だからゲームなんだし深くは・・まぁ良いでしょう」
ゲームの楽しみ方は人それぞれであって自分の考えを押し付けるのは間違ってるよな
鳳翔さんの好きな様にさせてあげよう
話は戻りこう言う手のゲームは名前を変えられるがボイスはない。でも、初期の名前ならある場合がある
どうせならあった方が良いだろう
さぁ!この物語の主人公の名前は!
《佐藤 砂糖(さとう さとう)これで決まりだろ》
提督「・・・・・・」
電「ぷっww」
鳳翔「甘そうですね・・良い名前だと思います・・」
提督「名前変えようか」
鳳翔「はい・・」
名付け親はきっと糖尿にでもなれと想いを込めて付けたんだろうな
あまりに可哀想なので変える事にした
三人で30分の話し合いの末に付いた名は
《佐藤 和也(かずや)これで良いのかな?途中では変えられないぞ?》
おかしくはないよね?
そして佐藤和也の物語が始まった
《第1章【出会い】》
高校二年生の佐藤和也は新学期初日から寝坊してしまい学校へと走っていた
和也『遅刻だ!急げ!』
何故か食パンを咥えている。それでよく喋れるな
曲がり角で誰かとぶつかる
???『きゃっ!』
食パンは地面へと落ちた
和也『大丈夫かい?』
落ちた食パンへ手を差し伸べた
和也『ふぅ・・良かった。まだ食べられそうだ』
???『・・・・・・』
ヒロインと思われるぶつかった女の子が尻餅を付いた状態でジッと見ている
和也『ん?(なんだこいつは俺のパンツでも見ようとしてるのか?)』
酷い被害妄想だ・・
最初の選択肢が出る
☆一応手を差し伸べる
☆無視して先を急ぐ
☆食パンをあげる
正直に言おう!選択肢が意味不明だ!
提督「色々おかしくないか?なんでぶつかっておいて食パンの心配してんだよ。しかも主人公はアホみたいな事思ってるし・・一応手を差し伸べるかな?一番マシだと思うし」
電「無視するのです!この男とは関わってはいけないのです!」
提督「いや、この男が主人公だからどんな選択肢を選ぼうが最後まで着いて来るぞ」
電「どうあがいても絶望・・」
鳳翔「彼女はお腹が空いているのかもしれませんよ?食パンをあげてはどうでしょうか」
提督「目の前で落ちたやつをあげるのはどうなんでしょうか?」
鳳翔「洗えば・・・・駄目ですね」
提督「じゃあ、手を差し伸べるで」
→☆一応手を差し伸べる
佐藤『ほら、立てよ生憎ズボンだから見えないぞ?』スッ
???『ん?ありがとう・・』
佐藤『やべ!こんな事してる暇ないぞ!じゃあな!』グイッ
食パンを彼女の顔に押し付けて走って行く主人公
最低だな
顔に付いた食パンがゆっくりと落ちていく
水溜りに食パンがダイブした
???『あの人は・・』
彼女は地面に落ちた食パンを拾い歩き出したのだった
提督「結局食パンはあげるんだ」
電「出会いがずぶ濡れの食パン・・」
鳳翔「勿体無いですが捨てるしかありませんね」
提督「ま、まぁ、出会いは人それぞれだしね此処から王道の恋愛が始まる筈だ」
そうだよね?
《第2章【幼馴染】》
和也『ふぅ、此処まで来れば後は歩いても間に合ーっ!』
瞬間!ボタンが表示された
《Kを押せ!》
提督「え!」
まさかのQTE!
電「早くKキーを押すのです!」
鳳翔「あわわなんですか!」
提督「K何処だっけ!」
電「ここなのでー」
ザシュ
和也『うわぁああああ!凄い出血量!』
首から大量出血をして倒れる主人公
目の前には
???『さようなら・・和也くん』
血だらけの女性が立っているだけだった
《ゲームオーバー》
鳳翔「終わったんですか?最近の女の子は出会い頭に切るんですね勉強になります」
提督「やり直しだ!」
電「なのです!」
気を取り直してKのカーソルに三人が指を置く
三人でゲームをやっているんだからみんなでやらないとな
これで大丈夫!佐藤が何かを感じた瞬間に押す!
和也『っ!』
《Mを押せ!》
提督、電、鳳翔「「「あ」」」カチッ
ザシュ
和也『うわぁああああああ!それなりの出血量!』
《ゲームオーバー》
毎回変わるタイプだったんだね・・
その後も
《Aを!》
提督「鳳翔さんAです!」
鳳翔「はい!えっとえっと、ありました!」
《押すなよ?》
提督「っ!ひっかけだ!鳳翔さん!押しちゃー」
鳳翔「あ・・押しちゃいました」カチッ
ザシュ
和也『ぎゃぁああああ!割とやばい出血量!』
《J、P、G、M、W、T、A、Vを同時に押せ!》
電「へ?」
提督「わーい・・増えた」
電「はわわ!」
ザシュ
和也『ぎゃぁー以下省略』
《( ´Д`)y━・~~を押せ》
電「何処を押せば良いのです!」
ザシュ
和也『以下略』
鳳翔「そんなボタンは何処にもありませんよ?」
提督「あったとして何に使うか分かりませんがね・・」
《電源ボタンを押せ!》
鳳翔「これなら分かります!」
電「ダメなのです!押してはいけない!」
鳳翔「えい♪」ポチッ
パソコン「」プツン
鳳翔「あれ?画面が真っ暗になりました」
提督「はは・・・」
そしてそれから更に数十回やり続け
《もう触るな》
提督、電、鳳翔「「「・・・・・・」」」
救済処置かな?もっと早くても良かったんだけど・・
和也『殺気!とぉ!』ゴロン
前転を決めてナイフを避けた
不意打ちを避けたら次は戦いが始まると思ったが
美咲『おはよー和也くん』
和也『おう、美咲おはよう』
美咲『昨日のテレビ見た?』
和也『あぁ、見たぞ?面白かったな』
なんか普通に楽しそうに登校している
日常茶飯事なのかな?
てか、遅刻しそうなのに走らなくて良いのか?
キャラの説明もなしなので此処で説明書を見てみよう
サブタイトルが幼馴染って出てるから幼馴染ではあるんだろうけど
このキャラは田中美咲で主人公の幼馴染で同じ高校二年生
攻略キャラの一人だ
見た目は卯月がそのまま高校生くらいまで成長した感じに見える
主人公が幼少期の頃からの仲で勉強に家事も一通り出来る
主人公が大好き
事あるごとに首をかっ切ろうとするお茶目な一面も持っている
プレイ前ならこの文はただの冗談か別の言い回しで実は本当にお茶目な一面だったりかと思うが
数十回以上も主人公がかっ切られるのを見てお茶目とも言えない恐ろしい娘だという事は理解出来た
この娘のルートは既に主人公の事が大好きみたいだし、お互いの好きが異性のものへと近付いていく感じなのかな?
でも、いきなり切りつけてくる奴がそんな道を辿るとは思えない
提督「大丈夫かな・・このゲーム」
電「大丈夫じゃないのです!最初の時点でアウトなのです!」
鳳翔「最近の娘の事が知れて私は勉強になりますけど」
提督「鳳翔さん多分最近の娘でもいきなりかっ切る娘はいないと思いますよ」
鳳翔「え?そうなんですか?」
提督「はい、多分ですけど」
電「そこは絶対って言わないと!」
提督「いや、なんかこのゲームやってると俺が間違ってるのかなって」
電「気をしっかり持つのです!」バシン
提督「ぐはっ!」
と電から気合いを貰ってからゲームを進めた
場面は変わり幼馴染み田中美咲との死闘で学校を遅刻してしまった佐藤和也は門前にいる体育教師に叱られていた
体育教師『これで何度目だ?あぁ?佐藤よ!いい加減よ俺の筋肉がはち切れるぞ?』
西提督さんに凄く似てる筋肉体育教師
和也『いや、その・・・』
選択肢が出た
失敗は許されないぞ
☆素直に謝る
☆先生は今まで食べたパンの枚数を覚えてるか?(ドヤ顔で人差し指を立てて言う)
☆木を伝って学校へ入ろうとする同士(田中美咲)を先生に報告する
☆先生を倒して通る(なお、女の子の好感度が友達以上だと一緒に戦ってくれるぞ)
さて、二人の意見を聞こうか満場一致だとは思うけど
提督「これは素直に謝るだな」
みんなもそう思うだろう
電「戦うのです!謝っても無駄なのです!」
あれ?
提督「相手は先生なんだぞ!戦ってどうする!」
電「先生は超えるものなのです!それを先生も望んでいる」
提督「いや、望んでないと思うけど・・」
鳳翔「パンの枚数を聞くのはどうでしょうか?ユーモア溢れるジョーク的なお話をして場を盛り上げてから謝れば許してくれますよ」
満場不一致!でも、先生相手にやらかそうとしてるのは変わらない
提督「いや、これ煽り文句ですから。遅刻した回数なんて覚えてないし気にした事もないって言ってる様なものですからね」
鳳翔「え?そうなんですか?パンではなく白米派なんですか?」
提督「そう言う話ではないんですよ」
鳳翔「フレーク派ですか?」
提督「いや、それも・・」
鳳翔「まさか朝は食べないんですか?それはいけませんよ!」
提督「あ、すみません・・」
いつから朝ご飯の話しになったんだろう・・
提督「思ったより難しいな」
鳳翔、電「「??」」
これは二人には悪いが此処は無理にでも俺の意見である謝るを選ぶか?
全員が違う選択肢に一票だし仕方ない
電「いや、待つのです!戦うよりまず!あの女を先生にチクるのです!一人逃げようだなんてなんて奴なのです!」
鳳翔「そうですね仲間を置いて一人逃げるのはあまり良い選択とは言えませんね先生に注意してもらいましょう」
二人の矛先は先生から田中美咲へと行き着いた
まぁ、そうだな。一人逃げるのはずるいよな
これで満場一致だな
田中美咲・・俺達はヒロイン相手だろうが容赦しないぞ!
此処まで恋愛要素全然ないな・・
→☆木を伝って学校へ入ろうとする同士(田中美咲)を先生に報告する
和也『ん?あれはなんだ!鳥か!宇宙人か!いや、田中美咲だ!』
体育教師『なんだと!伝説の木の上で何をしてる!』
美咲『しまった!』
伝説の木、校門の前にある妖精的な何かが住んでるとか言われている木でありそこで告白され結ばれたカップルの子供の名前は必ずDQNネームになると言う素敵な伝説がある(説明書参照)
体育教師『うぉおおおお!』バリバリ
服が裂けて鍛え抜かれた筋肉達があらわになる
なんだろう・・デジャブ?
体育教師『許さないぞ!田中ぁああ!』ダッ
美咲『ひぃいい!』
美咲は木から学校内へと逃げ、それを追いかける様に体育教師も木に登り校内へ
伝説の木は体育教師が登りきったのを最期に倒れた
伝説よ永遠に眠れ
和也『・・・・・・』
体育教師が何かを落とした様で拾いますか?と出たので、はいを選択
《体育教師の電話番号を手に入れたぞ!》
《電話番号を手に入れた相手は休みの日にデートに誘えるぞ!》
提督「捨てようよ・・」
和也『よし!連絡先ゲットだ!』
電「まさかの攻略キャラ?」
提督「最悪だ・・」
鳳翔「何故ですか?先生とも仲良くなれるのは良い事ですよ?」
提督「その仲良くが何処まで行くかが問題であって」
電「アーーな展開もあるのです」
鳳翔「アーー?なんですかそれは」
電「まずは提督と西提督を用意します」
鳳翔「用意します」
提督「しなくていい!鳳翔さんは知らなくていいんです!」
鳳翔「仲間外れは嫌です・・」
提督「仲間外れとかそう言うのではなくて・・・・そう!オリョクルです!オリョクルと同じで知らなくていい事もあるんですよ」
鳳翔「お、オリョクル・・潜水艦・・スク水・・でちでち・・」
提督「あれは知らなかった方が良かったですよね?」
鳳翔「はい・・」
提督「知ったらきっと後悔しますから」
鳳翔「はい・・ですが」
提督「ん?」
鳳翔「提督さんのスク水姿は良かったと思いますよ」
電「ほう・・スク水姿ね」
提督「つ、続きをやりますよ!」
電「その話し詳しく!」
提督「駄目だ!鳳翔さん絶対に話さないでくださいよ」
鳳翔「ふふ、はい」
電「ちっ!」
ー執務室前ー
【知って後悔するなら知らなければ良いけどそれは衰退の一歩を辿るだけだろう。でも、今は入らないでね。提督より】
間宮「お昼ご飯持ってきたんですけど・・どうしよう・・ん?」
不知火「(-_-)zzz」
間宮「あら?ふふ」
ー執務室ー
提督「まだまだ掛かりそうだししっかり食べて体力をつけよう」カップ麺(醤油)
電「醤油が良かったのです・・」カップ麺(豚骨)
提督「我儘言うなよ俺の夜食だったんだぞ?」
電「むぅ・・まぁ美味しいから良いけど」
提督「鳳翔さんすみませんこんなものしかなくて口に合わないなら食堂まで俺が走って来ますよ」
鳳翔「いえ、こう言うのも偶には良いですね」カップ麺(味噌)
電「電と全然対応が違うのです!」
提督「美味しいって言ってるから良いだろ?いらないなら返してもらうぞ」
電「いらないとは言ってないのです!」
提督「ならありがたく食べなさい」
電「けっ!ありがたくいただくのです!」
提督「感謝して噛みしめるが良い!」
電「むむむ!」
鳳翔「・・・・・・」
鳳翔「いいな・・」ボソッ
ー執務室前ー
【お昼置いときますね。あと、不知火ちゃんを入れてあげてください。間宮より】
不知火「(-_-)zzz」毛布巻かれ
かぼちゃの姿置き「」
ー執務室ー
カップ麺の容器が三つ無造作に置かれている執務室
三人の恋を知ろうとする者達の戦いは続く
《第3章【親友】》
教室の席に着いてひと段落する主人公
ここで友人の首屁 棐が登場する
首屁 棐(くびへ、しおる)
説明書には男のように見えて実は男であると言う意味不明な説明があった
必要か?その説明
彼は女の子の好感度やアドバイスをくれるいい奴なのだが事あるごとに首をへし折ろうとしてくる優しい一面もある
優しいってなんだろうな・・
見た目?気障ったらしいイケメンだ!くそ・・
棐『遅かったな』
《棐から情報を聞けるようになったぞ!》
和也『ちょっとな肉体美を見てた』
棐『へぇ〜そうなんだご苦労さん。それはともかく首をへし折る!』ダッ
和也『っ!』
提督「コマンドが出るぞ!」
電「いきなりへし折られそうな事にはツッコミはなしなのですか!」
提督「説明書に書いてるだろ!優しさだ!ツッコミなんて野暮だ!それよりまたループは嫌だ!神経を集中させろ!電!」
電「顔文字なら任せるのです!^_^から( ´Д`)y━・~~までなんでも来いなのです!」
提督「頼もしいぜ!鳳翔さん!」
鳳翔「はい!キーの配置は覚えましたから完璧です!多数のキーでも一瞬で押せます!」
提督「完璧です!」
さぁ!電源ボタン以外なんでも来いだ!
先生『そこ!うるさいぞ!』シュッ
先生の手から放たれた高速のチョークが友人首屁棐の眉間を貫通した
力なく倒れる友人
《棐から情報を聞けなくなったぞ》
和也『すみません廊下に立ってます』
動かなくなった友人を廊下に立つと言い保健室へと連れて行ったのだった
コマンドはなかった・・・・なんだろう不完全燃焼
《第4章【先輩】》
昼休みになり屋上へ流れるように行った
普通に閉まってる鍵を主人公佐藤和也は数秒で解鍵
和也『ふひひ、チョロい』
鳳翔「凄い特技ですね!」
提督「将来捕まりそうだけどね・・はは」
そして何故かその閉まっていた屋上に人影が
なんか色々と無理矢理感が否めないが今更だ
そしてそれは攻略キャラの一人で日本人と外国人とのハーフで金髪美女
ヤローブッ、コロ、シャアさんだ
前世の記憶を持っているらしい厨二病女子で主人公の一つ上の高校三年生だ
鉄パイプを異様に嫌がるらしい
好きな言葉は、百万ドルポンっとくれたぜ
と説明書に書いてあった
見た目は金剛を金髪にした感じに近い
ルート的にはその前世の記憶が関係する感じなのかな?
和也『一緒に飯食うか?』
シャア『良いよ』
そこで何故か一緒にご飯を食べて仲良くなる
和也『好きな映画は?』
シャア『コ◯ンドー』
和也『俺も好きだ』
お互い屋上に来た理由は触れないのな
これが今の学生の日常なのか?
まぁ、コマ◯ドーは俺も好きだけど
《第5章【後輩】》
放課後になり保健室に親友の見舞いに行った
そこには親友の他に女の子がいた
親友の首屁棐の妹であり攻略キャラの一人
首屁 詩織(くびへ しおり)
兄妹揃って恐ろしい名前だ
でも、詩織は結婚したら普通の名前になるな
友人を通じて出会うらしいのだが事あるごとに首へし折っていい?と聞いてくる可愛い一面があるらしいと説明書に書いてる
もうなんでも良いや
それより攻略キャラの殆どは主人公の首に恨みでもあるのだろうか
主人公の一つ下で高校一年生だ
見た目は白露に似てるかな?
なんかルート的には首屁家が関わって学校内での話しでは終わらない感じなのかな?
詩織『っ!』
棐『やぁ、来てくれたのか』
《棐から情報を聞けるようになったぞ》
和也『まぁな、大丈夫か?』
棐『これくらい平気さ、それより首へし折る!』
詩織『お兄ちゃん今は大人しくする!』ガッ
何故かあった灰皿で後頭部を殴る
棐『』バタッ
力なくベッドへと倒れる首屁棐
《棐から情報を聞けなくなったぞ》
和也『ははは、可愛い妹さんだね』
詩織『可愛いだなんて・・その・・佐藤さん首へし折ってもいい?』
選択肢が出る
☆いいよ
☆痛くしないでね
☆帰宅部の練習の時間だ帰ろう
☆体育教師に追いかけられている馬鹿(田中美咲)を助けに行く
提督「うむ・・・・」
電「今までの奴らからしたら聞いてくるだけ優しい気がする」
鳳翔「育ちが良い娘なんですね」
提督「良くてもへし折るのは駄目だろ」
まぁ、名前からして首屁家の宿命なのかもしれないけど・・
提督「普通に考えればマシなのが帰宅部かな?」
電「それ以外に選ぶものがないのです」
鳳翔「痛くしないなら・・いいえ、なんでもないです」
提督「鳳翔さん・・痛い痛くないは関係ないと思いますよ。絶対にどちらもゲームオーバーですから」
鳳翔「はい、そうですよね・・好奇心でした」
電「このゲームに好奇心も何も通じないのです!間違えれば待ってるのは即死!甘い考えは捨てるのです!」
電「これは!デスサバイバルなのです!」
鳳翔「はい!すみませんでした!」
提督「・・・・・・・」
恋愛シュミレーションなんだけどな・・
和也『帰宅部の練習の時間だ!俺期待の新人だからすまんな!』ダッ
詩織『佐藤さん・・・・・』
結局帰宅部になって逃げました
帰りに
美咲『はぁ・・はぁ・・』
体育教師『此処までだ!田中美咲!死ねぇええ!』
美咲『くっ!此処で!此処で終わるわけには!私にはまだやるべき事があるんだぁああ!』
ドォオオン!!
体育教師『ふん!口程にもないわ!・・・・むっ!』
スーパー美咲『まだ死ねない!!』ゴゴゴゴゴゴ!
体育教師『ほう!面白い!』
スーパー美咲『第2ラウンドよ付き合ってくれるわよね?まぁ、貴方ごときが着いて来られたらの話しだけど』
体育教師『ふふ!その期待に応えてやろう!』
ピカッ!!
体育教神『さぁ!デートと行こうか田中美咲!』ゴォオオオオ!
スーパー美咲『良い男じゃない・・でも!私にはぁああ!!』
教頭『なにをやっとるか!やめんかね!』
体育教神『光の筋肉に抱かれて永遠に眠れ!うぉおおおお!!』
教頭『やめるんだぁああ!』ダッ
和也『・・・・・・』
田中美咲と体育教師が戦っていたが
和也『帰ってゲームするぜ!』ダッ
問答無用で無視を選択して帰宅した
ドォオオオオオオ!!
教頭『うわぁあああああ!』
体育教師と関わるのは避けたい
てか、恋愛要素まだかな・・・
《体育教師と田中美咲と教頭と教頭の妻と教頭の娘と教頭の飼い犬とダニエルの攻略が不可能になりました》
なんか色々とフラグが折れました
提督「ダニエルって誰だよ」
てか、隠し要素多過ぎじゃないか?
鳳翔「教頭さん・・グスッ・・」
電「製作者許さないのです!」
あれ?なんか怒ってる?
鳳翔「関係ない人を」
電「巻き込むなんて」
鳳翔、電「「っ!」」チラッ
提督「え?俺?」
鳳翔、電「「っ!!」」
提督「さ、最低なのです!!」
なんだよこの茶番
ー執務室前ー
【殺そうとするなら殺される覚悟を持て。だが普通に暮らす者を殺そうとする者は最低の人間だ!このヘタレが!と言うのは置いて、勉強中なんで入らないでくださいね?あと、ドアの前にカボチャを置いたり不知火を置いたりしないでくださいね。提督より】
如月「提督!パンツはちゃんと洗濯に出しなさい!自分で洗わなくても洗ってあげるから!」ドンドン
ー執務室ー
ドンドン ドンドン
〈提督聞いてるんでしょ?パンツを出しなさい!一緒に洗った方が手間も省けるから!
不知火「ふひひ、提督〜」布団寝かせ
カボチャの種「」
〈提督!パンツ!
提督「やっぱり生はきつい」モグモグ
電「まだカボチャ生で食べるんだ・・・」
出された物は食べないとな
提督「ふぅ・・さて!続きだ!」
〈パンツパンツパンツパンツ!
鳳翔「提督さん?如月ちゃんがさっきから呼んでますよ?パンツ出さなくても?」
提督「自分で洗うから大丈夫です!手洗いで・・」
鳳翔「私達は一緒に洗っても気にしないのに・・」
提督「・・・・そう言う問題では」
如月に洗濯を頼むともれなくパンツにマジックで大きく名前を書かれてしまう
子供じゃないんだからやめて欲しい・・
電「ふっ・・・・」
〈提督・・パンツ・・・・貴方のパンツがないと・・洗濯機回せない・・
《第6章【妹】》
和也『ただいまって言っても誰もいないか・・いや、部屋に妹がいるかな』
和也『真由香いるか〜』
佐藤 真由香(さとう まゆか)
攻略キャラの一人だ
主人公の父は一度離婚しており再婚相手の連れ子だ
血の繋がりはないが兄妹という事だ
あまり人とコミュニケーションをとるのが苦手で基本は部屋に引き篭もっている
でも、そんな自分を変えたいとも思っていたりする
隙あれば首に噛み付く大胆な一面も
ゲーム的にも甘えるような甘噛みとかを想像するんだろうけど捕食する感じに噛みつくんだろうな・・
主人公は獲物かな?
主人公とは二つ下で中学三年生だ
見た目は潮に近いな。潮引き篭もり仕様だ
ルート的には脱引きこもりからの駆け落ちとかかな?
真由香『・・・・・・』
和也『居たなら返事ぐらいしてくれよ』
さて、どうでるかな?妹キャラは
真由香『近親相姦ダメ絶対』
提督「ん?」
鳳翔「近視創刊?」
電「近親相姦なのです!」
訂正しなくて良いのに・・
そして呼んでないけど選択肢登場
☆そうだね、近親相姦はダメだ絶対
☆あぁ、近親相姦はダメだ絶対
☆せやで、近親相姦はダメだ絶対
☆当たり前だ、近親相姦はダメだ絶対
☆はは、近親相姦はダメだ絶対
☆おう、近親相姦はダメだ絶対
選択肢豊富だけど全部意味は同じだ
何これ?攻略出来るのか?無理だろ!初めて会った時とから近親相姦ダメ絶対とか言ってくる被害妄想女をどう攻略しろと?
とりあえず適当に選んで
和也『当たり前だ、近親相姦はダメだ絶対』
真由香『うん・・・・』
《真由香の攻略が不可能になりました》
提督「製作者は攻略させる気ないだろ・・」
鳳翔「提督さん近親相姦ってなんですか?」
提督「う〜ん・・オリョクルって事で」
鳳翔「それも知らなくて良い事なんですね・・」
電「ふっ、お子様なのです!ぷぷ」
提督「あぁ?」イラッ
提督「じゃあ!言ってやるよ!例えるなら電と雷が男女の仲になるって事だよ!夜とかもう夜戦勃発!」
電「なっ!」
提督「間違ってないよな?」
鳳翔「えっとつまり・・ダメだ絶対って事ですよね?」
提督「はい、そう言う事です!」
ん?なんか頭に麺が・・温かい
そして豚骨良い香りとねちょねちょ感が
電「この変態!」ポイッ
提督「うわっ!何すんだよ!おまっ!カップ麺の容器を投げるな!やめ!まだ中身が少し残って」
電「恥なのです!恥なのです!カップ麺に浄化されるのです!」ポイッ
提督「あああ!味噌の容器がパソコンに当たる!あれ?味噌は全部食べてた!良かった・・」
電「ちっ!」
鳳翔「スープまで全て頂きましたから」
カップ麺のスープはあまり飲まない方が良いと言う事言葉を飲み込んだのは言うまでもない
とりあえずの攻略キャラは全て出たのかな?最初のぶつかった娘は攻略キャラかも分からないけど
それからゲームを進めて遂に自由に動ける所まで来た
此処まで長かった
それからも真由香に首を噛み千切られたり担任の先生のチョークを避けきれずに死んだりしてゲームオーバーになったけどなんとか此処まで来れた
此処からが真の本番だと言っても良い
一日が四ターン(朝、中間休み、昼休み、放課後)で構成されており
学校内の何処に行くかを決めて、そこにヒロインがいればイベントが起こる
狙ってる娘がいるならその娘の行きそうな場所を考えて選ばないと行けない
三人で話し合った結果狙うキャラは首屁詩織にする事にした
ぶっちゃけ消去法で決まっただけだったけど
田中美咲は王道かと思ったら横暴だったのでボツ
ヤローブッ、コロ、シャアは名前はあれだけど一番まともではあるがハーフと言う事と前世の記憶?とか設定的に参考にならないと言う事でボツ
佐藤真由香は基本近親相姦ダメ絶対しか言わず意思疎通から無理なのでボツ
残った首屁詩織がまぁ首をへし折ろうとするけど聞いてくるだけマシだろうと言う事で決まった
兄である首屁棐はうざいが大抵出て来たらすぐに気絶させられるので良いだろうとなった。まぁ、女の子の情報は聞けないけど・・てか、いつ聞けるんだろう
体育教師や教頭そして現時点でまだ出て来ていない最初の娘はボツ
多分条件が分からないと出て来ないタイプだ
今回は見送る
提督「よし!じゃあ此処からが本番だ!気合い入れて行くぞ!」
〈提督・・・パンツ・・
電「もう疲れたのです・・」
鳳翔「そろそろ夕飯の準備を・・」
提督「電・・そんなんじゃないだろ!」
電「はぁ・・・・」
提督「鳳翔さんも今日は夕飯の当番は別の人に頼んでるので大丈夫です」
鳳翔「それなら良いですけど・・」
提督「二人に迷惑を掛けてるのは分かってます。ですが俺の我儘にもう少しだけ付き合ってくださいお願いします」
電、鳳翔「「・・・・・・」」
電「仕方ないのです。約束したし最後まで付き合ってやる・・なのです」
鳳翔「どんな事があっても提督さんに着いて行くと決めていますから最後までやりましょう」
提督「ありがとう二人共・・俺は本当に幸せ者だ・・よし!やるぞ!首屁詩織を攻略するぞ!」
電、鳳翔「「おーー!」」
あれから数時間後
不知火「ぬい」(-_-)zzz
提督「どうなってんだよ!」
電「クリアは出来たのです・・」
鳳翔「これは・・恋愛とは程遠いような・・」
和也『女の子と全然話せなかったから引きこもるぜ!』
真由香『あ・・私も、でも、近親相姦はダメ絶対』
和也『あ、人怖いから話しかけないでね』
真由香『そんな・・・・』
和也『さて、引きこもりライフスタートだぜ!』
《引きこもりマスターEND》
このゲーム難し過ぎるだろ!
まず、女の子と出会えない!
行く場所の選択肢が多過ぎる!
西校舎2階や西校舎2階男子トイレや西校舎2階女子トイレと酷くて西校舎1階から2階へと続く階段の2段目と言うのもあって現在会えるヒロインが行方不明の田中美咲と引きこもり妹佐藤真由香を除き首屁詩織とヤロー以下略だけだ
行き場所の選択肢は全てを含めて132ヶ所
その中から正解は2箇所だ
ちなみにヒロインの居ない場所に行くと
和也『俺は何しに此処に来たんだ?帰ろ・・』
となってそのまま家に帰るので残りの中間休み、昼休み、放課後を飛ばして一日が終わってしまう
一応選択画面の端には主人公のアイコンがあり偶に何かを喋ってそれが女の子の居場所のヒントになるらしいのだが
和也『世界滅ばないかな・・・』
これを聞いて何処へ行けと?
しかも毎回ランダムで女の子達は移動するしでロードしても無駄だった
パターンはあるとは思うのだが・・多過ぎる
諦めようか・・そう思ったが・・俺には使命がある
彼女に恋愛を教えてやりたい
俺は諦めたらいけないんだ!
提督「やるしかない!」
電「此処まで来たらやってやるのです!」
鳳翔「きっと出来るはずです!」
俺達三人なら出来る!
いや!四人だ!
提督「不知火起きろ!」
不知火「はっ!眠っていました」
提督「不知火悪いがこのゲームを解析してくれ主人公の発言とヒロイン達の動きのパターンが知りたい!」
不知火「よく分かりませんが提督の為なら!」
提督「電!ありったけの食料を持って来てくれ今日は徹夜だ!今夜は・・帰さないぜ?」
電「了解!」ダッ
提督「鳳翔さんは不知火の補助を頼みます!」
鳳翔「はい!分かりました!」
提督「俺は!・・・・攻略サイトを見る!」
負けてたまるかよ!俺達の力を見せてやる!
提督「我、夜戦に突入す!」
夜戦開始だ!
不知火「これは・・酷いですね・・とあるヒロインは一日中男子トイレにいますよ」カタカタ
鳳翔「これでは見つけられないわけです。パターン58個目ですね」カキカキ
俺達は真実を知りたいんだ!その先にある光(エンディング)を見たいんだ
電「これもこれも貰って行くのです!」
間宮「あ、冷蔵庫の中が空っぽに・・」
楽しい事だけじゃない辛いかもしれないそれでも!
提督「評価酷いな・・・・オープニング詐欺って書いてるし」
提督「隠しキャラはストーカーなのな」
それが人生であり!知るべき恋愛なんだ!
鳳翔「計算によれば主人公の世界滅ばないかなと言う発言の場合は35.543%の確率で首屁詩織さんは東校舎3階理科室のロッカーの中にいます・・」カキカキ
不知火「もう一層の事ゲーム内部を変えてしまった方が・・」
だから!俺は俺達は!
間宮「ダメです!」ガシッ
電「離すので!」大量の食料
間宮「それ持っていかれたら晩御飯が作れませんから!」
重い荷物(使命)を持って隊列を組んでたどり着いてやる!
提督「うわぁ・・クソゲーってそう言う意味かよ・・てか、攻略サイトも投げ出してるし」
提督「頑張れって・・攻略ですらない」
このゲームを攻略してやる!逃げてたまるかよ!
鳳翔「これはこうなって・・その場合の確率は」ブツブツ
不知火「こんな不規則なプログラム初めて見ました・・ある意味天才?」
みんなが今
電「離せぇええ!」
間宮「いえ!離しません!皆さんの晩御飯がかかっているんですから!」
一つになった瞬間だった
提督「リトバス面白そうだな〜こっちにすれば良かったかな注文しようかな?あ、金ないわ・・」
そして戦いは早朝まで続いた
ーーーーーーーーーーーーーー
ーーーーーーーーー
ーーー
丁度丸一日が経った
ー執務室ー
大量のカップ麺の容器やペットボトルが散乱する執務室
夜が明け日が昇るろうとしていた
勝利の朝はもう少しだ
鳳翔「もうダメです・・」
乱れる髪・・なんか良い
不知火「ぬい・・・」
ぬいってなってる
間宮「晩御飯・・・」
カップ麺食べたでしょ?
電「はぅ〜・・・」
可愛い
如月「提督パンツ・・・」
まだ言うか
明石「うぅ・・・ふふ・・」
なんかいる
夕張「ふひひ・・」
此処は工廠じゃないぞ
提督「うぅ・・みんな・・ダメだ俺も眠気が・・」
《最終章【首屁家の呪いの先へ】》
和也『首屁家の呪いもしがらみもついでに期末テストの結果も全て終わらせてやる!』
棐『出来るのかよお前によ!』
提督「これは・・なんかクライマックスって感じだな・・みんなエンディングは近いぞ」
艦娘達「「「」」」
提督「みんな・・安らかな顔しやがって・・俺が見ておくからゆっくり休んでくれ」
和也『うぉおおお!これが俺の覚悟だ!』
棐『ぐぁああ!己ぇええ!』
ドカーーン!!
提督「やっとエンディングだ・・」
《兄であり当主の首屁棐との激戦が終わり首屁家は消滅した》
《そして二人は》
詩織『和也さん・・これから末長くよろしくお願いしますね』
和也『あぁ、詩織』
ゴキッ
《首屁家の呪いを越えた先にEND》
エンディングが流れ始めた
提督「終わったか・・でも、ストーリーがよく分からなかった」
そう言えばエンディング以前に内容を覚えてない・・故にエンディングを見てもよく分からないな
みんなも内容に見向きもせずただ作業としてやっていた
そんな余裕なんてなかった
一つ間違えればロードしてやり直して話し合い計算して挑む
その繰り返しだった
内容なんて見る暇はなかった
最後を少し見れただけだった
このゲームで俺は恋愛を知れたのか?何か得たものはあったか・・
ないのか?みんなの頑張りは無駄だったのか?
いや、違う!
みんなで一つの事を此処までやり遂げられた結束力があった事を知れた
みんなの事がますます好きになれた
それだけでもやる意味はあった
得たものは大きかった
恋愛よりも大きな大切な事を
だから俺は彼女に答えとしてこのゲームを送った
きっと東鎮守府でもみんなが結束してやり遂げられると信じて
そしてついでに恋愛を知れると良いなって
後日東鎮守府から大量の書類が送られてきて休日を返上してやる事になる事をこの時の提督はまだ知らず
提督「少し疲れたな・・みんなありがとな」
ゆっくりと目を瞑るのだった
まるゆ「隊長!遠征から帰投しまー・・これは・・何事だ!」
まるゆ「お前達起きろ!!もう休みは終わったぞ!」
すぐに起こされました
番外編
終
大井さんを助ける為に天龍に捕まり
野良艦娘達の住む元鎮守府に連れられてそこで俺は彼女達の闇に触れた
そして壊れてしまいそうになりながらも龍田に会った
そして彼女達が人間を恨んでいる事を知った
責任や恐怖を感じて苦しんでいる俺に彼女が言った逃げずに自分の目で見ろと言う言葉の意味を知る前に野良艦娘の鳳翔さんに連れられて執務室を後にするのだった
ーーーーーーーーーーーーーー
執務室を出て鳳翔さんに着いて行く
懲罰房へ行くらしい
嫌だな・・でも、手を握られて逃げられない
振り切れるかもしれないけど
逃げたくない・・もう
俺は帰るんだ・・・でも、此所の娘を無視して良いのか?
俺はどうすれば・・
提督「・・・・・・」
鳳翔「・・・・・・」
手がサラサラするなドキドキする
でも、俺の知ってる鳳翔さんとは違い笑顔はなく眉間にしわを寄せている
きっと彼女も人間を恨んでる
提督「鳳翔さん」
鳳翔「・・・・・・」
提督「鳳翔さん・・・」
鳳翔「・・・・・・」
提督「・・・・すみませんでした」
鳳翔「っ・・なんですか!返事なんて待たなくても勝手に喋っていれば良いでしょ」
提督「それじゃあ独り言になります。俺は鳳翔さんと話しがしたいんです。懲罰房に着くまでで良いんで聞いてもらえませんか?俺の鎮守府の鳳翔さんではなく貴女に」
鳳翔「・・・なんですか」
提督「俺の知ってる鳳翔さんと貴女を同じ様に見てしまった事を謝りたかったんです。顔は同じでも一人一人違うって知ってたのに・・本当にすみませんでした」
鳳翔「貴方にどう見られようと別に構いません。どうでもいいことです」
提督「それでも俺は謝りたかったんです。一人一人の個を同じにー」
鳳翔「もういいです。それは此処の娘達が貴方を一人の個ではなく人間全体として見てる皮肉ですか?」
鳳翔「彼女達の矛先になってしまった事への嫌味ですか?でも、それは貴方達人間だって同じ事をしてます。されても文句なんて言えませんよ」
提督「違う!俺はそんなつもりで言ったわけでは」
鳳翔「なら、その話しはお終いです。良いですね?もう一度言いますが貴方にどう思われようと気になりません」
鳳翔「貴方が艦娘達を個としてみようが同一艦を同じに見ようと興味もないです」
鳳翔「どうでも良い人なんですよ貴方は」
提督「はい・・・・」
分かってたけど口に出して言われるときついな・・
鳳翔「・・・・・・ですが」
鳳翔「貴方の所に居る鳳翔は・・その・・笑っていましたか?」
提督「え?」
鳳翔「笑顔を見せてくれましたか?」
提督「それは・・」
鳳翔「見たままで良いんです笑っていましたか?」
提督「・・はい、素敵な笑顔です。惚れてしまいそうになるくらいに・・でも、それも今では本音かどうか確信が持てません・・」
もしかしたら余り良くは思われてないのかもしれない
ありえないとは言えないんだ・・・
鳳翔「そう・・一応言っておくけど私達同一艦は一人一人性格は違いますが根本的な性格は同じなんです。私は・・いえ、鳳翔達は感情を隠すのは苦手な傾向があります」
提督「え?」
鳳翔「例外もいるかもしれませんが見たままが鳳翔の本音って可能性が高いです」
提督「もしかして慰めてくれてますか?」
鳳翔「言った筈です・・私は顔に出やすいんですよ」
そう言って歩く足を止めて振り返る
彼女は気難しそうな顔をしていた
心なしか最初よりは表情は柔らかく感じたが良く思われていないのは分かった
でも、さっきの言葉は嘘じゃないって言っていると言う事でもある
やっぱり慰めてくれてるんじゃないか・・・優しいところは俺の知ってる鳳翔さんと変わらない
それが根本的な性格なのかは分からないけど
だからこそなんだろうか
提督「鳳翔さん・・人が憎いですか」
鳳翔「・・・・・・」
そんな彼女が笑顔をなくしてしまった理由が知りたかった
聞いちゃいけないのは分かっているけど知りたい
鳳翔「憎いと言ったらなんですか?謝るつもりですか?」
提督「・・いえ、謝りません・・そんな事をしてしまえば今度は彼女に蹴られるだけでは済まされないんでしょうし」
俺が人間の代表で謝ろうなんて自惚れてんじゃないのって言われそうだしな
鳳翔「彼女?・・では、どう言うつもりでそんな事を」
提督「ただ、知りたいんです。貴女の笑顔がなくなってしまった理由を・・じゃダメですか?」
鳳翔「ダメですかって・・勝手ですね!・・」
提督「はい、勝手です・・でも、それが俺なんです」
鳳翔「・・・・・・・」
提督「鳳翔さん、何があったんですか俺は司令官として一人の男として今を知りたいんです」
提督「もう逃げたくないんです!知る事を恐れて知ったらとにかく謝る。そうやって楽な方へ逃げるのはお終いにしたいんです」
鳳翔「・・・・・・」
提督「貴女の重みを背負わせてください」
提督「ううん!俺が俺である為に俺の勝手を我儘を聞いてください!」
鳳翔「・・・・貴方本当に司令官なの?」
提督「おんぼろ鎮守府で司令官をしてます。階級はないですけどね」
鳳翔「そう・・聞いた話と全然違いますね。もしそれが本当なら貴方は変わった人なのかもしれませんね。でも、私や此所の娘達の重みを貴方一人が背負えると思えません」
鳳翔「その勝手でまた壊れたいんですか?」
提督「もう壊れません・・とは言い切れませんけど簡単に壊れる気はないです!俺は一人じゃありませんから・・常に見守ってくれる人がいるから」
提督「俺だけの俺じゃないんですよ」
鳳翔「・・・・・・・」
背中の傷や今は手元にないけど軍刀そして夕立そしておんぼろ鎮守府の仲間達や東鎮守府や西鎮守府のみんなに研修生達
たくさんの人達が共に歩いてくれている
その人達の為にも俺はもう逃げない!
目を背けず前を見よう俺自身が
そう思うと周りの視線が痛くなくなった
彼女達の視線から感じたのは・・
提督「そうか・・そう言う事だったのか」
龍田さんの言ってる意味が理解出来そうな気がした
後は確認するだけだ
鳳翔「貴方は・・・・」
提督「鳳翔さん、俺もしかしたらー」
鳳翔「私は何もされてません」
提督「え?」
鳳翔「恨んでいますが私が何かされたわけじゃありません」
提督「鳳翔さん話してくれるんですか」
鳳翔「信用したわけではありませんから勘違いしないでくださいね」
提督「はい」
鳳翔「私は気付いたらこの島に流れ着いていました。何処に居たかも何があったかも覚えていません」
鳳翔「生まれてすぐに気を失ったのかそれとも思い出したくないほどの何かがあったのかそれすらも分かりませんでした」
鳳翔「そしてこの元鎮守府へと来たんです」
提督「待ってください。そうなると鳳翔さんが人間を恨んでいるってのが」
鳳翔「問題は此所からなんです。貴方も此所へ入った時周りの視線を感じたと思いますがどうでしたか?今も感じますよね?」
提督「怖かったです・・みんなが人を恨んでいるのが凄く伝わって来ました」
でも、今はそれだけじゃないって思える
いや、寧ろ俺の感じた殺気は・・
鳳翔「私もそうでした」
提督「え?鳳翔さんは艦娘で恨まれる筈が」
鳳翔「彼女達は同じ艦娘ですら恨み怯えていたんです。対人恐怖症とでも言うんでしょうか私にも心を開いてくれる娘は未だに僅かなんです」
提督「・・・・・・」
確かに彼女達の視線からは殺気も恨みも怯えも感じるけどそれよりも強い何かを感じる
最初の俺には絶対に気付けない何かを
鳳翔さんもきっと気付いていない
いや、気付けない
鳳翔「今も頑張ってはいるんですが近づくだけで発狂してしまう娘もいて・・そんな彼女達を見てたら人間にどんな事をされたのか気になって話せる娘に聞いたんです・・」
鳳翔「余り言えませんが本当なら口に出す事すら自分を抑えられそうにないんで」
提督「余程酷いことをされたんですね・・」
鳳翔「一つ言うなら・・鎮守府へ連れ帰り正式な鎮守府所属の艦娘にしてもらえず好き放題されて耐えられず逃げた娘もいました」
鳳翔「鎮守府所属でもない野良艦娘に人権はありませんから好きにしようが周りは何も言えません・・」
提督「なんだよそれ・・そんな事があるなんて聞いて・・いや、気付いてやれなかった・・」
聞いてない知らなかったなんてのはただの言い訳だ・・単に俺が気付いてやれなかった
まだ、自分の所で精一杯だと言うのも言い訳だ
単に俺の力不足だった
覚えておこう今の現状を
鳳翔「もっとも鎮守府所属の艦娘達でも人権なんて形だけの様なものですが・・それでも守られてはいたんです。此所の娘達はそれすらなかった」
鳳翔「とある娘は鎮守府の娘達ですら敵に見えたと言っていました。自分は野良で相手は鎮守府所属の艦娘で絶対的な隙間があって一人で毎日怯えていたと」
提督「っ・・・・・」
鳳翔「周りに誰も味方がいない。そんな状況貴方に想像出来ます?出来ないですよね?貴方の様に周りに恵まれている人には彼女達の気持ちなんて分からないんです」
提督「・・・・・・・」
鳳翔「なんとか言ってください」
提督「・・はい・・そうですね俺に彼女達の苦しみを理解するなんて出来ないです」
提督「俺には分かってやれる資格はないです」
鳳翔「分かってやれとも言いませんよ一生分かる事なんてないんでしょうし」
提督「・・はい」
鳳翔「そう言う事で私は人間に恨みを持つ様になりました。私は彼女達をこんなにした人を許しません」
握られている手が怒りで震えている
本気で彼女達の事を
提督「鳳翔さん・・貴女は自分の為ではなく他の娘達の為に怒れるんですね」
やっぱり鳳翔さんは優しい人だ
少し躊躇いがあるけど確かめよう彼女達の本当の想いを
鳳翔「そうですがおかしいですか?」
提督「いえ、そんな事はありません。鳳翔さん・・絶対に許さないでください人間を」
提督「俺は俺達は罪を受け入れて背負って行きます」
鳳翔「それが貴方の背負うって事なんですか?罪を受け入れてしまえば何でも解決すると・・そう思っているんですか?」
提督「俺の言う受け入れるのと背負うのは別物です。受け入れるのは俺達人間がこれからずっと償わないといけない償うべき罪」
提督「背負うべきは彼女達の意思です。彼女達がまた立ち上がろうとするなら俺は背負って歩きますよ彼女達自身が歩けるようになれる意志を持てると信じて」
鳳翔「っ!自分が何を言ってるか分かってるんですか!周りが見えないんですか?此所にいる娘達はもう立ち上がる事も出来ない程に心も身体も疲れきってしまって」
提督「だから確かめるんです。本当にそうなのかを」
そう言いながら握られた手を離して座り込んでいる一人の娘の元へと近づく
鳳翔「あ・・何をしようとしているのですか!その娘はもう・・ほって置いてあげてください!」
提督「まだ、生きようとしてる!」
鳳翔「っ!何をしようと・・その娘に指1本でも触れたら私は貴方を!」
提督「その隠してる包丁でグサってしてください逃げませんから」
鳳翔「っ!」
鳳翔「貴方は・・自分のしようとしてる意味を理解してないじゃないですか・・」
目の前までは行かず距離は置いた所に座り込む
提督「良いかな?」
「っ!」ビクッ
俺に気付き睨む
その目から感じるのは恨みや怯えそれに強い殺気だ
でも、そう感じるのは俺が作ったフィルターを通して見てしまっているからだ
此所に来る前に感じた事は天龍の様にみんなが人を殺したい程憎んでいるだった
そう思ってしまっていたから俺は彼女達の殺気や憎む感情に敏感になっていた
いや、違うな俺は結局殺気と言う自分でかけたフィルターを見ていただけで
フィルター越しから彼女達を感じていただけなんだ
勿論彼女達の発する殺気も恨みも全くないわけじゃない
此所の不知火の様に人間を恨んでいる気持ちが優っている娘もいるだろう
でも、それだけじゃなく恨みより優先される気持ちを持っている娘もいるんだ
それを勝手な思い込みで増大させたのは俺自身だった
そして俺はその増大させてしまった負の感情(恨みや殺気)の所為で本来あった僅かに残っていた彼女達の本当の想いに気付けなかった
きっとこの娘はそうだ
恨む心よりももっと別の事を伝えようとしていたんだ
でも、これも俺の考えであって答えじゃない
だから、俺は俺自身の目で余計な事は考えず彼女と向き合おう
彼女に囁きかける
提督「早速だけど聞きたい君はどうしたいんだい?」
君はこうなってしまった発端である人間に復讐したいのかそれとも・・
彼女はジッと此方を見つめてくる
俺もその目をしっかりと見つめる
あるがままの彼女を見て感じる
「あ・・・うぅ・・」
提督「大丈夫ゆっくりで良いから」
「・・す・・な・・・で」
鳳翔「っ!うそ・・なんで」
黒く濁ってしまっていて自分もその黒に呑み込まれてしまいそうに感じた
でも、それでも逸らさず見続ける
その黒に闇に飛び込む意気込みで
「み・すて・・ない・・で」
そして消えてしまいそうな小さな声が確かに聞こえた
見捨てないでと
やっぱり彼女達はこの娘は
提督「大丈夫見捨てないから」
「っ!」
見えた!目の奥から小さな光が
諦めてないんだ
こんなにボロボロになってもまだ諦めてないんだ
まだ、歩み寄ろうとしているんだ
彼女達がどれ程の事をされてどれ程の辛い目にあってどれ程の期間苦しんできたのか
それでも彼女は言った
見捨てないでと
本来見捨てられるのは人間の方なのに
君は強いよ・・人間なんて比べ物にならないくらいに
心も身体も強いよ
提督「よく頑張ったな」スッ
彼女に手を伸ばす
怯えているけど彼女も逃げようとはせずに手をゆっくりと伸ばそうとしていた
まるでこの時を待っていたかの様に段々と早く
でも、その手は届かなかった
首筋に冷たい感触を感じて止まった
包丁だった
鳳翔「それ以上動いたら・・切ります!」
提督「鳳翔さん・・・・」
鳳翔「貴方はなんですか!来てから一日も経ってないのに・・いえ、捕虜の癖に・・どうして他人の領域にズカズカ入り込めるんですか!」
鳳翔「私がどれだけ・・どれだけ頑張ったと・・こんなんじゃ私が馬鹿みたいじゃないですか・・・」ポロポロ
鳳翔「いえ、馬鹿なんでしょうね・・・・」
涙に濡れた鳳翔さんの顔には自虐的な笑みが零れた
これが彼女の笑顔だった
提督「・・・・・・・」
鳳翔「これ以上勝手はしないでください・・懲罰房へ行きますよ」
提督「・・・・・・」
鳳翔「よく考えて貴方があの人の思い通りに動いたらこの娘達もそして・・貴方の未来も・・」
鳳翔「いえ、なんでもありません。貴方の事をとやかく言う資格はないですね。でも、彼女達は守ります!行きますよ大人しくしてください・・」
提督「・・・はい」
鳳翔さんの言葉に引っかかりを覚えたが
これ以上この涙に濡れた笑顔は見たくない
それだけだった
立ち上がり鳳翔へ着いて行く
伸ばした手をゆっくりと下ろす彼女に申し訳なささを感じつつも歩き出し
懲罰房へと入れられた
鳳翔「貴方に最初で最後のお願いです。後先を考えず彼女達の未来を勝手に決めないでください」
提督「・・・・・・」
鳳翔「私は貴方が大っ嫌いですからそれだけは忘れないでください」
その言葉が痛かった
でも、大っ嫌いと言う言葉にではなく彼女達の未来と言う言葉だった
あの時手を取っていたら俺はどうしていたのだろうか
もしかしたら揺らいでいたかも知れない
帰るべき場所を忘れてしまっていたかも知れない
自分の今までを全てを失っていたかも知れない
みんなの思いを此所で止めていたかも知れない
そうじゃなくても俺は彼女達の面倒を最後まで見る事が出来たのか?
考えるとたくさん出て来た
彼女達は歩み寄ろうとしていた。人間がそれを受け入れれば良い話なんだ
よく考えれば艦娘と人間の本当の意味での共存は難しい事じゃないと感じた
なのになんで・・人間は彼女達を拒絶するのか
本当に彼女達が兵器だからと言う理由だけのか?
もし別の理由があってそうせざるを得ないとするなら
意図的に人間と艦娘の間に壁が作られたなら
俺は今彼女達を受け入れる事で分かるかもしれない
でも、それは他を裏切る事になる自分の居場所を自ら壊してしまう
仲間達を見捨てると言う事だ
だけど、此所の娘達も見捨てる事は出来ない
俺は結局何がしたいのか・・・・
帰りたいんじゃないのかよ!大切な人を守りたいんじゃないのかよ!
帰りたい理由をもっと明確に!詳しく決めろ!
それだけを思って・・・帰ろう!
提督「・・西提督さん、金髪、メガネ」
提督「大井さんを助ける時に黒髪が」
黒髪『っ!先輩の馬鹿!』
提督「黒髪・・うん、とりあえず上官に馬鹿と言った黒髪の口をグニグニしなきゃな」
約束を守らないとな
提督「此所の艦娘たちの事は・・悪いけど俺ではどうする事も出来ない。そんな力もない」
提督「・・・・・・・」
提督「見捨てよう。俺は俺の帰る場所の為に」
二頭追うものは二頭も得ず今の俺はこれだ
一頭もまともに追えないのに何やってんだよ
いつか、二頭とも捕まえられる日が来ると良いけど
今は俺の力では出来ない・・
提督「よし!反省終わり!黒髪待ってろよ〜ふふ」
その後何人かの艦娘達が来て色々と罵倒やら文句を言っていたが黒髪の口をどうグニグニしてやろうかなどをずっと考えており耳に入らずそのまま夕方まで経つのだった
ーー夕方ーー
不知火「私の知りうる罵倒を浴びせて来ましたが全然反応がありません。参ってる感じでもなく平気そうでした本当にさっきの人ですか?メンタルが強くなってます」
不知火『このアホ!アホ!馬鹿馬鹿!えっと・・・アホ!馬鹿!とにかく馬鹿!』
提督『右から掴んでグニグニとか?う〜〜ん』
龍田「ふふ・・それだけ成長が早いって事よ。ますます好みだわ〜」
不知火「あいつ好きにはなれません・・」
何か勘違いをしている二人
鳳翔「・・・・大っ嫌いだから」包丁
包丁を見つめ何かを決意する一人
天龍「今度は俺の覚悟・・見せてやる」軍刀
提督の軍刀を持って何処かへと向かう一人
電「はぁ・・・やっぱ怖い・・でも・・」
懲罰房前まで来て諦めて帰ろうとする一人
瑞鶴「さて、仕事しますか・・そろそろあの馬鹿を追い出さないと大変な事になりそうだし」
睦月「・・・・・」コクリ
影からずっと提督を見張っていた二人
彼女達は動き出したそれぞれの目的の為に
???「潜入成功」
???「・・・・・・」
そして何かが紛れ込んだ
そして場面は変わり夕方の浜での研修生達になるのだった
皆が皆無理をして作業を進めていた
無理に笑って無理にはしゃいで
でも夕方に近づくにつれてその無理は剥がれていった
皆から笑顔も消えていった。ただ、無言で黙々と作業をしていた
そして夕方になった
大将はまだ来ない
イカダは完成したし大井さん達が持っていた食料も道具も積み込んだ、後は大将が来れば海へ出られる
だけど・・姿は見えなかった
金髪「っ・・・・・・」
もう時間だ・・
黒髪「まだ、日暮れには時間があるしもう少し待たない?ね?そうしようよ」
メガネ「今出ないと暗くなってから出るのは危険だ」
黒髪「まだ大丈夫です!ね?金髪、こんなに明るいんだからまだ大丈夫・・まだ時間は・・あるよね?」
金髪「・・・・・・」
大井「・・・・・・」
北上「・・・・・・っ」
北上「あのさ黒髪もうー」
金髪「もう時間なんだよ!夕方までだって言っただろ!」
金髪「頼むからこれ以上我儘を言わないでくれ!」
北上「金髪・・・・」
黒髪「我儘って・・なによ!先輩の事を心配するのが我儘だって言うの!」
金髪「そうだろうが!もう大将は・・・・大将は!」
金髪「大将は・・・・・」
メガネ「・・死んだんだよ」
金髪「っ!」
黒髪「なに言ってるの!先輩が死ぬ筈ないじゃない!馬鹿な事言わないでよ!」
メガネ「っ・・・・ごめん」
黒髪「先輩は来る・・絶対に来る!約束したんだから!」
黒髪「やっと見つけた・・大切な人なんだから・・待ってろって必ず行くからって約束してくれたんだから・・」
金髪「黒髪・・お前」
認めたくないって事なんだな気持ちは分かる
でも、認めないといけない
誰かが強く言ってやらないと・・
傷付けてしまうよな・・嫌われてしまうよな・・
だけど言うしかない!
金髪「・・・メガネフォローは頼む」
メガネ「っ!君はもしかして・・」
金髪「黒髪・・よく聞け大将はな!いや、提督は!あいつは!」
黒髪「金髪・・・何を」
北上「っ!」
大将ごめん!黒髪、メガネごめん!
金髪「あの野郎は!お前の約束を一方的に破っー」
北上「ストォオオオプ!!」
黒髪「っ!」
金髪「え?」
大井「北上さん?」
メガネ「・・・・・・」
北上「いやぁ〜こう言う空気は苦手でね〜息が詰まりそうだったよ」
北上「話しの途中でごめんね?怒ってる?」
金髪「いや、俺は別に・・」
北上「そう、なら良かったよ。あ、ついでだから一つ言っておくね」
北上「あたしは会った事ないからどう言う人かも知らないけど提督って言ったっけ?一方的に約束をして破ってるわけだし信用出来なくない?」
北上「色々言ってるみたいだけどこれだけ待ってるのに来ないんだよ?もう来るわけないよ嘘つきなんだから」
金髪「北上さん・・・」
黒髪「違う!先輩は嘘つきなんかじゃない!」
北上「じゃあなんで来ないの?そりゃあ、大井っちを助けてくれたのは感謝してるけどそれも元を辿れば提督の所為だよね?自作自演かもしれないし大井っちを危険に晒したのは間違いなく提督だよ」
北上「それにやっぱりさ約束守れない人ってのはどうかなって思うよ?」
北上「う〜ん、トータルで言うと提督って最低だよね〜」
黒髪「っ!この!」ダッ
金髪「やめろ!」ガシッ
黒髪「離して!あいつは!先輩の事何も知らない癖に!離して!」
金髪「こんな事をしても大将が帰ってくるわけじゃないだろ!言いたい奴には言わせておけ!」
黒髪「でも!悔しくて・・先輩がどれだけ考えて悩んで行動したのか!それを・・あんな風に!とにかく離して!一発だけ!一発だけだから!」ジタバタジタバタ
金髪「ちょっ!暴れるなって!メガネ手伝ってくれ!」
メガネ「僕は眼鏡の掃除で忙しい・・」
金髪「おまっ!北上さんの意図は分かってるだろうが!これはわざー」
北上「ほら!早く嘘つきの最低野郎はほって置いて行こ」
金髪「ぐっ!・・ふざけんなよ・・」
メガネ「・・・・・・」
黒髪「このぉおおお!」ポロポロ
北上「金髪・・黒髪を離して」
金髪「ダメだ今の黒髪は!」
北上「良いから」
金髪「もう良いだろ!あんたが全部泥を被る必要はないだろ!これは俺の役目なんだよ!黒髪!これはわざと言ってるんだよ!」
黒髪「わざとでもなんで良い!あいつは先輩を!先輩を!!」
北上「・・・なんで言っちゃうかな」
金髪「言うべきは俺だったのに・・殴られるのは俺で良かったのに・・」
黒髪「っ!」
北上「駄目だよ・・尊敬する人にそんな事言ったら・・それが嘘だとしても・・この場で言えるのはあたしだけ・・彼に会えてないあたしだけなんだよ」
北上「だって、知ってしまったら・・大井っちがこんな短期間で信用出来てしまう人と会ったら・・きっと嘘でもこんな事言うのは辛い・・と思うから」
大井「っ・・・・・・」
メガネ「・・・・・・・」
黒髪「なによそれ・・そんなの頼んでないし・・余計なお世話よ」
黒髪「本当・・なにしてんのよ・・・バカ」
その場に力なく座り込む黒髪は支えていないと倒れてしまいそうな程に弱っていた
金髪「お、おい、大丈夫かよ」
北上「殴らないの?あたしなら泣かすくらいはするかもよ?」
黒髪「もうそんな気力ないから・・それにもう泣いてるし・・」
北上「え?あれ?おかしいな・・」ポロポロ
メガネ「ハンカチを・・・ない!だと・・」
大井「北上さん辛い事をさせてしまって・・ごめんなさい」
北上「ううん、あたしは大丈夫だから・・大切な人が出来たらこの程度じゃ済まないんだろうね・・」
大井「そうね・・・・」
北上「ちょっと胸借りるね」
大井「どうぞ私の胸は北上さん専用だから」ギュッ
北上「うん、今だけね・・」ギュッ
大井「ずっとです」
金髪「立てるか?黒髪もう少し支えてようか?メガネはなにしてんだよ」
メガネ「やっぱり来ないか僕なりに時間稼ぎをしてみたんだけど・・」
金髪「・・・・馬鹿野郎」
メガネ「ごめん・・」
金髪「さっきから謝り過ぎだ謝るの禁止」
メガネ「うん、ごめん」
金髪「馬鹿」
黒髪「馬鹿みたい・・みんなに気を遣わせて・・一人みんなの邪魔ばかりして・・ほって行けば良いのに・・こんな聞き分けのない女なんか・・もう自分が嫌い・・」ポロポロ
金髪「黒髪・・俺達はー」
大井「逃げて!!」艤装展開
ドォオオン!!
金髪「っ!」
その音は周りの空気を変えた
匂いを変えた
空気が鋭く突き刺さる様に肌へと流れる
火薬と潮の匂いが混ざり合った様な血の匂いがした
嫌な予感がした冷や汗がどっと出る
熱気を感じた
振り向くと何かが飛んで来ている
スローモーションの様に流れている中で砲撃だと分かった
逃げようとするが動かない
反応が間に合わない
このまま死ぬのか・・
駆逐棲姫「・・・フフ」
俺達は最悪の相手に見つかってしまった
それだけを思って死ぬのか・・
瞬間気付くと
空を飛んでいた
俺だけじゃないメガネも黒髪も北上さんも西提督さんも飛んでいた
あれ?でも大井さんがいない?
金髪「大井さん!」
俺達は大井さんに投げ飛ばされていたんだ!
大井さんも早く逃げて!
大井「北上さんをお願いしー」
ドカーーン!!
金髪「っ!」
大井さんは砲撃に当たり黒煙に包まれた
ズザァアアア
金髪「いっ!」
メガネ「ふごっ!」
黒髪「ふにゅ!」
西提督「ふごっ」..zzzZZ
北上「いたっ!」
金髪「いてて・・大井さんは!」
さっきまで俺達の居た場所は砲撃でボロボロになっており黒煙が舞っていた
折角のイカダも壊れてしまった
北上「大井っち・・大井っち!!」
這いながらでも向かおうとする北上さん
金髪「くそっ!」ガシッ
北上「あ、ちょっと!」
北上さんを抱き抱えて走る
黒煙が舞っている方とは逆に
黒髪「そんな・・大井さんが・・」
メガネ「っ!なんて事だ!僕はまた何も!」
金髪「お前ら!逃げるぞ!こっちだ!メガネは西提督さんを頼む!」
北上「やめて!大井っちが!大井っちが!!」
黒髪「っ・・・メガネ行こ」ダッ
メガネ「あぁ・・・・・」西提督抱き抱え
浜を走る俺達に彼女は浅瀬から主砲を向ける
駆逐棲姫「・・・ミーツケタ」
金髪「やばい!」
ドォオオン!
走っている近くが爆発する
砂が大きく舞う
黒髪「うわっ!撃ってきた!あと少しで当たってたよ!」
メガネ「止まるな!とにかく走れ!」
金髪「あいつ遊んでるのかよ!」
北上「あたしを置いて逃げて!そうすればー」
金髪「却下だ!馬鹿野郎!大井さんがそれを望むのかよ!」
北上「・・うん!そうだよ!それを望んー」
金髪「望むか!頼むって言われたんだよ!」
北上「っ!・・大井っちの馬鹿・・」
メガネ「金髪!あいつは遊んでるみたいだ!そのうちに」
金髪「あぁ、分かってる!」
ドォオオン!
黒髪「きゃっ!」ズテン
金髪「黒髪!」
メガネ「ぐっ!砂が舞ってて見えない!何処に!」
主砲が黒髪を捉える
駆逐棲姫「・・・・サヨウナラ」
黒髪「あ・・・」
金髪「黒髪!今行く!」
黒髪「来ないで!私の事は良いから!逃げて!」
金髪、メガネ「「却下だ!馬鹿野郎!」」ダッ
黒髪「なんで来るのよ!」
北上「大井っちのくれた命だよ!無駄にしないで!」
黒髪「北上さん・・・」
金髪「諦めるな!立て!手は貸せないが一緒に逃げる事は出来る!」
メガネ「さぁ!走るよ!」
駆逐棲姫「ッ!」ガチャ
黒髪「っ!だめ撃たれる!」
金髪「うわぁああ!」
メガネ「みんな耳を塞いで口を開け!対爆防御姿勢!」
北上「大井っちごめん!」
西提督「よーい・・てぇ〜」..zzzZZ
ドォオオン!
あれ?
痛くない?
もう天国か?
ゆっくりと目を開けると
駆逐棲姫「ッ・・・」小破
ダメージを受けてる?
北上「大井っち!」
そこにいたのは
大井「はぁ・・はぁ・・間に合った」大破
敵と同じく浅瀬に立つ大井さんの姿だった
金髪「大井さん!無事だったんですね!」
黒髪「良かった生きてた・・」
メガネ「っ・・でも、ボロボロだ」
北上「大井っち!一緒に逃げよう!」
大井「・・・・・・」
大井さんは俺達には目もくれず敵を睨んでいた
艤装からは火花や煙が出ている
駆逐棲姫「・・ン〜イタイ?」
大井「あんまりダメージを受けてないみたいね・・やっぱりやるしかない」
一瞬だけこっちを見た
目が合った。口が動いてるけど聞こえない
そして笑った・・全てを察した
後を頼まれたのだ
金髪「っ・・大井さん俺には重過ぎますよ・・」
大井「私が相手です!うぉおおおお!!」
北上「大井っち!」
黒髪「なんで逃げないの!」
メガネ「僕らがいるからだ・・大井さんは僕らを逃す為に戦おうとしてるんだ!」
北上「無理だよ!燃料も僅かしかないし弾薬も主砲が一発と魚雷が一発しかないし魚雷発射管が壊れてるから魚雷は出せないし主砲一発じゃ勝てないよ!」
金髪「最初から勝つ気はないんだよ・・時間稼ぎだ」
メガネ「死ぬ気って事かい?」
金髪「あぁ・・・・」
黒髪「で、でも大井さんが勝ってる様に見えるけど」
確かに速さは大井さんが勝ってる
敵の攻撃を上手く避けている
北上「あんなに動いたらすぐに燃料がなくなっちゃう!」
メガネ「その前にあんな乱暴に使っていたら燃料がなくなる前に艤装が爆発しそうだ」
金髪「悩んでる暇はないんだな・・」
せめて大井さんの覚悟を無にしない為にも
此処で大井さんを見殺しにする
それしか出来ない・・・・大将に続き大井さんまで・・
金髪「くっ・・・・」
人間は本当に無力だ・・何も出来ず失うだけだ
メガネ「金髪・・これはみんなで背負おう君だけに背負わせはしないよ」
金髪「・・・それでも重いよ、これは」
メガネ「あぁ、筋肉でもどうにも出来ない。一層の事背負わずに捨ててしまうのも手だよ」
金髪「・・それだけは出来ないよ」
メガネ「だよね・・」
黒髪「私って本当・・無力で我儘で・・なんの取り柄もない・・また何も出来ず逃げる・・結局何も変われてなかった」ポロポロ
金髪「黒髪・・自分を責めないでくれ。黒髪じゃなくても人間には何も・・出来ないんだよ」
黒髪「・・分かってる・・分かってるけど・・・・もう自分が嫌で嫌で・・」
金髪「俺もさ・・・・でも、生きよう大将や大井さんの為にも」
黒髪「・・・そんな価値ないよ」
金髪「価値とか言うなよ!」
メガネ「北上さん」
北上「うん・・・分かってるよ。大井っちがそうするならあたしは・・あたしは・・・逃げるよ。ごめんね足手まといで」
メガネ「居てくれるだけで助かります」
北上「・・それ大井っちにも言われたけど・・そんな価値ないよあたしには・・」
メガネ「そんな事言わないでください!」
金髪「みんな行こう・・」
何処へ行けば良いかも分からない
この小さな島に逃げ場所があるかも分からない
だけど歩くしかない・・逃げるしかない
目に涙を溜めている北上さんを抱え歩き出す
メガネが西提督さんを抱えて進む・・筋肉が痙攣している
その後ろをふらふらした足取りで着いてくる黒髪
段々と大井さんが遠くなって行く
見ていて分かる大井さんの速さが落ちている
相手の機銃の弾が当たり始めている
完全に向こうからは遊ばれている
悲痛な悲鳴にも似た声が聞こえてくる
でも、必死に戦っている立ち上がっている
だけど・・声は段々と弱くなり誰もが思う・・もう長くないと
このまま逃げれば俺達はもう・・あの日の様に心から笑う事は二度なくなるのだろう
一生後悔を背負って生きて行くのだろう
でも、それが運命なのだ
人間の限界なんだ・・・・
金髪「くそっ!くそくそ!こんなのってありなのかよ!」
大将ならきっとどうにかしていたのかもしれない
限界を軽々と超えていたのかもしれない
でも、俺達には・・俺には!
視界がぼやけてくる
身体が重い・・・
眠気が・・・頭がボッーと・・して
このままだと・・俺は逃げる事も満足に出来ずみんなを守れずに・・それは嫌だ!嫌だ!
こんな結末は嫌だ!!
金髪「っ!」
その時脳裏に浮かんだのは提督や黒髪にメガネ達での研修風景だった
長い様で短い研修期間だ・・・
最初は本当になにも知らないアホだったな・・
でも、大将はそんな俺を見捨てなかった・・変われるきっかけをくれた
色んな事があった
研修なのに掃除を一日中させられたり夜に殴り合ったり艦娘に恋をしたり演習のモザイクだらけのDVDを見たり西鎮守府が襲撃されて俺達三人はあっという間に無力化された事もあったな
大将や西提督さんから大切な事もたくさん教えてもらった
一つ後悔があるなら大将が倒れて皆退室を言われたが黒髪だけは退かなかった一人西提督さんと如月さんに刃向かった
そして認めてもらった
羨ましかった・・あの時俺も黒髪の隣に居たなら教えてもらえてたかもしれない
朝潮さんに別意味での告白をされた時俺は・・本当の意味で彼女達を守りたいと人間と変わらないただの女の子なんだと思った
いや、気付いたんだ
魅力的な彼女に
それから駆逐艦達に好かれるメガネに少し嫉妬したのは秘密だ
最終日の前の日大将は夜遅くに外で泣いていた
倒れ込み呆然としていた
声をかけるべきか迷ったけどかけなかった
大将だって一人で泣きたい時もある
だって大将も俺達と同じ一人の人間なんだから
そして今日のクルージングで海を知って彼女達の凄さを知った
目標が出来た
大切な友達が出来た
西提督さんの漢気を見せてもらった
大将の勇気の選択を知った
ただの人間の二人が限界を超えて・・
立ち向かったんだ
そう、俺達と同じ人間が・・・
提督『今出来る事を精一杯やってみな後の事は後で考えれば良い』
西提督『やっぱりお前達は提督の部下なんだな』
答えは出てたんじゃないか
限界だとか理由をつけて無理矢理諦めてただけだ
だけど今なら言えそうだ
大井『・・・・・』ニコッ
彼女の笑顔に
『後は頼みますね』
言葉に
こう言おう!
あぁ、任せろ!必ず助けるから
身体が軽くなった感じがした
視界が鮮明になる
眠気もなくなり頭もシャキッとしてきた
きっとこれ以上進んでいたら俺は・・死よりも怖く後悔する事になっていたかもしれない
大将の事が少し分かった気がした
大将は・・強いんじゃない。もしかしたら臆病なのかもしれない
でも、そんな臆病に俺はなりたい!
金髪「やめだ」
歩く足が止まる
メガネ「ん?金髪?」
北上「・・・早く逃げないと」
黒髪「・・・・・・」
西提督「漢を・・見せろ」..zzzZZ
金髪「よし!集まれ作戦会議だ!」
メガネ「え?」
北上「作戦会議?」
黒髪「・・・・金髪」
金髪「勿論!大井さんを助ける作戦に決まってるだろ!」
メガネ「っ!」
黒髪「っ・・・・・」
北上「本気・・なの?」
金髪「あぁ!逃げるのはやめだ!あいつを倒す!」
これが俺の本心からの答えです大将
メガネ「冗談だよね?あいつを倒すなんて」
金髪「こんな時に冗談なんて言わない!俺は本気だ!」
メガネ「金髪・・」
北上「正気・・なの?」
金髪「正気だ!北上さんこのまま大井さんを見捨てる事が出来ますか!」
北上「そんなの出来るわけないよ!本当なら助けたいよ・・でも、今のあたしは・・」
金髪「無力って言いたいのかよ!胸が小さいって言いたいのかよ!」
北上「え?・・・・そ、そうだよ!今のあたしは自分で歩く事も出来ない!腕ぐらいしかまともに動かせない!胸だって・・ないもん!そんなあたしに何が出来るの!!」
メガネ「胸はともかくとして腕だけか・・」
金髪「洞窟で見たあんたは俺達に抵抗した!動けない身体を必死に動かした!最後まで諦めなかっただろ!」
金髪「その投石で西提督さんを倒しただろうが!」
北上「でも・・あれは艤装を展開してたからで今は・・展開したくても・・」
メガネ「艤装・・投石・・これはもしかすれば」
金髪「ごちゃごちゃ言ってんじゃねえぞ!出来る出来ないじゃないだろ!やるかやらないかだろうが!」
北上「っ!」
金髪「悪い・・強制じゃないんだ行かないってなら少し此処で待っててくれ俺達だけでも」
北上「やるよ」
金髪「え?」
北上「やるって言ったの!こんなあたしでもやってやるんだから!」
ふらふらになりながらも北上は立ち上がった
金髪「北上さんあんた立つ事が」
北上「大井っちがあたしを守ってくれた様に今度はあたしが守る!その為に力を貸してみんな」
金髪「おう!やってやろうぜ!」
メガネ「ふっ、やってみよう」
北上「もし無事に帰れたらあたしだって少しは胸があるって証明してやるんだから覚悟しておいてよ!」
金髪「え?それって・・」
北上「ふふ」
金髪「か、からかうなよ!よし!黒髪行くぞ!」
メガネ(否定してないんだよな・・)
黒髪「・・・・・・」
金髪「おい黒髪返事してくれよ。どうしたんだ?まぁ、倒すは言い過ぎたけどよ大井さんと一緒に逃げる事なら出来るかもしれないし」
黒髪「無理だよ・・」
金髪「あ?」
黒髪「ねぇ・・逃げよ行ったら駄目だよ・・」
メガネ「・・・・・・」
北上「黒髪・・」
金髪「お、おい、なんだよ今は冗談なんか言っー」
黒髪「冗談なんかじゃないよ!危ないよ!大井さんの犠牲を無駄にするつもり?」
金髪「犠牲って!・・黒髪・・そうか、分かった。西提督さんと一緒に此処で待っててくれ。いざとなったらその時は逃げてくれ」
金髪「行こう」
メガネ「・・・・あぁ」
北上「うん・・」
正直言うと少しビックリしている・・でも、黒髪も普通の女の子なんだ怖いのが当たり前だ
責めるなんて以ての外だ
三人でどうにかしよう!
北上さんに肩を貸しながら行こうとした時
黒髪「っ!」バッ
黒髪が前を通せんぼした
金髪「どう言う事だよ・・」
黒髪「行かせない!」
金髪「どけよ」
黒髪「無駄死にするだけ!みんなで逃げよ!」
メガネ「僕達は選んだんだよ君とは違う選択を・・それにそのみんなには大井さんはいないのかい?」
黒髪「っ・・そんなの選択じゃないよ!勇気と無謀を履き違えてる!大井さんは・・もう無理だよ」
北上「黒髪は此処で待ってて大丈夫行かなくても誰も責めないよ」
黒髪「そんな事を言ってるんじゃ・・」
金髪「時間がないんだよ!どけ!黒髪!じゃないと」
黒髪「っ!・・無理矢理どかせば良いじゃない!でも私は・・退かないよ」
メガネ「金髪どうしよう・・」
北上「大井っちが・・」
金髪「黒髪・・・・」
大井さんの限界が近い早く行かないといけないが・・黒髪をどうする?
手荒な真似はしたくない
大事な仲間なんだから
金髪「なぁ!どうしちまったんだよ!俺達の中で一番諦めが悪くて根性のあるお前がどうして!」
黒髪「金髪だって!先輩の事を一番に諦めていたじゃない!諦めろと言っておいて今度は諦めるなって・・なんで今になって!自暴自棄になってるだけじゃない!」
金髪「違う!確かに俺は一番に諦めた!大将が倒れた時も事情を知る事もすぐに諦めた!」
黒髪「なら!今回も!」
金髪「だからだ!もう逃げたくないんだよ!あの時お前の隣に立てていたらって後悔して!さっきだってみんなの為にって言い訳して逃げただけだ!」
金髪「でも!あの時黒髪が大将を待つって諦めなかったから今俺は此処に立てているんだ!後悔をしない選択が出来たんだ」
黒髪「そんなのー」
金髪「無謀か?無駄死にか?それでも良いんだよ・・このまま逃げたら俺は死んだも同然なんだ。自分の信じた道を踏み外すんだからな・・」
金髪「もう落ちたら上がって来れないって気付いたんだよ」
メガネ「僕もそうさ・・きっと本当の自分でいられなくなる」
北上「無謀かもしれないけど死ぬ気は一欠片もないよ」
黒髪「みんな・・・・」
金髪「だからどいてくれ黒髪」
黒髪「っ・・・・」
黒髪「そんな・・駄目だよ・・お願いだから行かないで・・一人にしないで怖い・・怖いよ!」
メガネ「もしかして・・君は」
黒髪「はは・・本当弱くなったよね私って・・昔は一人でも平気だったのに・・今は一人が怖い・・先輩がいなくなって・・もう金髪達だけしかいなくて・・それもいなくなったら」
黒髪「私は誰を信じて生きていけば良いの?もう・・一人じゃ生きていけないよ・・」
黒髪「醜くても・・蔑まされても・・恨まれても・・私は金髪達がいれば・・生きていけると思うから・・ね?」
金髪「黒髪・・お前・・」
こんなに弱った黒髪を見るのは初めてだ・・この感じは言葉にし辛いがこのままだとやばい
黒髪が壊れてしまう
メガネ「っ・・・・・・」
金髪「黒髪聞いてくれ俺はなー」
バチン!
突如何かを叩いた様な乾いた音がした
黒髪「え・・・」
メガネが黒髪の頬にビンタしていた
いつの間に黒髪の所へ・・
メガネ「それは駄目だよ」ギュッ
そしてそのまま黒髪を抱きしめた
頭をポンポンしてるし
何をやっているんだ
金髪「メガネお前はーむぐっ」
北上「しーだよ」口押さえ
お、女の子の手が唇に当たって!
北上「此処はメガネに任せよ」
金髪「はい・・・」
女の子の手って良い香りがするんだな・・唇は確か感触を敏感に感じるから北上さんの手の感触がまた・・
これは・・たまらん!
金髪「ほぇ・・・」ポー
北上「あ、あれ?」
メガネ「ゴホン!」
金髪「っ!」
って!いかん!いかん!メガネを見ないと!
どうする気だ?ただ抱きしめたかったとかじゃないよな?
信じてるからな
黒髪「メガネ何を・・」
メガネ「・・・・・・」
黒髪「・・・・・・」
メガネ「・・・・・」ナデナデ
黒髪「っ・・・・・・」
金髪「何か言えーむぐっ!」
北上「黙ってようね!」口押さえ
ああ〜幸せだ・・
メガネ「僕は・・金髪や提督さんの様に良い事なんて言えないし饒舌でもないコミュ症だと言われても否定は出来ない。でも、一つだけ言わせて欲しい」
メガネ「他の人に自分を委ねてしまう事・・他人を生きる理由にするのだけは駄目だ。それだけはしてはいけない」
黒髪「・・・・・・」
メガネ「それをしてしまえば君は君でなくなる本当の自分が分からなくなって・・偽りの自分でしかいられなくなる」
メガネ「それは凄く悲しい事だから・・・」
黒髪「メガネ・・・・」
眼鏡が曇っていてよく表情は分からないけどその眼鏡からは大きな後悔と悲しみを感じた
そうか、お前がそうだったんだな
メガネ「だから助けに行かなくても良い止めようとするのも良いよ。だけど自分を捨てるのだけは駄目だよ黒髪」
黒髪「・・・・うん、ごめん」
メガネ「良い子だ」ナデナデ
黒髪「もう!いい加減離れてよ!」バッ
メガネ「叩いてごめんね」
黒髪「ううん、痛くなかったしなんかスッキリした感じもするし・・不思議な感じがする」
金髪「でも、結構痛そうな音してたけど」
メガネ「これは無痛のビンタと言ってね痛くはないけど心に響くビンタなんだ。僕の父親がよくやっていたおまじないみたいなものでね・・何度も叩かれたけど僕は・・認めなかったんだ・・だからこうして遠回りになってしまった」
メガネ「たくさんの人に迷惑をかけた・・」
金髪「親に反抗したくなるのは子供なら仕方ないだろ俺だってそうだった大切なのは過去より今だろ?な?黒髪」
黒髪「うん、こうしてみんなが出会えたのだってそれがあったからで大切な過去かもしれないけどだからこそ今を・・今を大切に・・」
黒髪「今を大切に・・しなきゃいけないのに・・私は」
メガネ「・・・・・・」
北上「みんなもう大井っちが!」
金髪「っ!」
時間をかけ過ぎた
でも、まだ戦闘の音はする。まだ間に合う!
もう時間をかけてはいられない!
金髪「もう時間だ行くぞ!」
メガネ「あぁ!」
北上「うん!」
黒髪「自分で言って気付くなんてね本当に大馬鹿だよ・・」
金髪と北上が黒髪の横を通り過ぎる
金髪「すまん黒髪もう行く」
北上「誰も責めないから」
黒髪「先輩ならきっと何も考えず行くんだろうな・・」
メガネが横を通り過ぎる
メガネ「・・後で取りに来るから」眼鏡渡し
黒髪「自分の事は二の次で残された人の事なんか何も考えてない・・」
西提督「・・・・・・」..zzzZZ
黒髪「筋肉なんて全然なくてひょろひょろで見た目頼りなさそうでちょっとおかしなところもあるし女の子の顔に落書きなんかしたりして初プレゼントはモンエナ・・女の子の事なんか何も考えてない・・なのに何時も違う娘が近くにいる」
西提督「・・・・・」..zzZZ
黒髪「モテてるのに本人は気付いてない。本気で馬鹿な事を言ったりするし実行したりもする。気付くと周りが笑顔になってる・・でも、時折見せる悲しい表情が自分の様に悲しくなって・・・」
西提督「・・・・」..zZZ
黒髪「いつの間にか目で追ってて笑顔を見ると嬉しくなって・・朝先輩の寝顔を見ている時が一番落ち着いてる事に気が付いて」
西提督「・・・」..ZZ
黒髪「凄くかっこよくて・・優しくて・・いざという時は誰よりも頼りになって・・」
西提督「・・」..Z
黒髪「今を全力で生きてる・・そんな生き方に私はずっと憧れていた」
西提督「・」
黒髪「ううん、変なところも全部含めてそんな先輩に憧れて・・」
黒髪「好きになってしまった・・」
黒髪「先輩・・提督さん・・」ポロポロ
西提督「良いのか?あいつは人間じゃないんだぞ」
黒髪「そんなの関係ない!艦娘のハーフだろうと血が特殊だろうと関係ない!それでも好きなんだもん!」
西提督「ふっ、ならずっと泣いているか?このまま終わるのを待つか?言っておくがあいつは一筋縄ではいかんぞ?」
黒髪「ううん、泣いてなんかいられない!提督さんが守ろうとしたみんなを・・ううん!私の大好きなみんなを守りたい!」
手に持ってる眼鏡を握りしめて金髪達の向かった方を見る
なんか手元がバキッって音がしたけど気にしない
黒髪「行かなきゃ・・何やってんのよ私は!西提督さんごめんなさい!少し待っててください!」
黒髪「あ、このままだとやばいよね」バサァア
葉や草を西提督さんに適当にかけてカモフラージュした
葉や草に埋もれる西提督
黒髪「じゃあ、大人しく眠っていてくださいね!」ダッ
西提督「・・動けないのは辛いな・・だが・・」
西提督「悪くない・・・・」..zzzZZ
キラン!
西提督「むっ!」
カマキリ「カマァアア!」シャキン
西提督「やるか?」グワッ
もう一つの戦いが始まった
北上「はぁ、はぁ・・ぐっ」
金髪「北上さん大丈夫か?なんか顔色が」
北上「うん、大丈夫だよ気にしないで」
金髪「辛かったらー」
北上「大丈夫だからそんな事言ってられないよそうだよね?」
金髪「あ、あぁ、そうだな・・」
北上「っ・・・・はぁ・・」
やっぱりどうやっても艤装を展開出来ない
何かが邪魔をして出てこない
艤装はほぼ無いとは言え艤装を展開すれば人よりは力が出せる
この三人でどうにかするなら絶対に必要になってくる
あたしが先頭に立たないと
なのに・・なんで出来ないの?
こんな事初めてだよ
北上「・・・・・・」
でもこうも思う仮に出来たとしてもあたしは無事でいられるのだろうか?
確実にさっきよりも酷い苦痛を襲うだろう事は予想できる
怖い・・・・でも、死ぬ事がではなく
立っていられるのか、艤装を展開した瞬間に力尽きてしまわないか、何も出来ず倒れてしまうのか
大井っちをこの子達を守れず終わるのか
そう思うと後一歩が踏み出せない
覚悟はある筈なのに進めない
北上「・・・・・」
メガネ「うぅ・・前が見えにくい」フラフラ
金髪「お、おい、メガネお前もどうしたんだよ」
メガネ「眼鏡落とした・・」
金髪「そんなんで大丈夫なのかよ」
メガネ「うぅ・・」
スチャ
メガネ「むむ!眼鏡が戻った!力が湧いて」
黒髪「落ちてたよ私の手に」
メガネ「なんかフレームが少し曲がってる様な?」
黒髪「元から曲がってたよ?そう言うデザインです」
メガネ「レンズにヒビが・・」
黒髪「デザインです」
メガネ「いや、これは」
黒髪「デ、ザ、イ、ン!」
メガネ「はい・・」
金髪「黒髪・・無理してないか?」
黒髪「そんな顔しないで私が決めて此処に来たんだから私自身がみんなを守りたいって思ったんだから無理なんてしてないやりたい事をやってるだけだよ」
金髪「そうか、なら俺もその言葉をお前にも言ってやるよな?メガネ」
メガネ「あぁ、僕らも君を守るよそうだろ?金髪」
金髪「おうよ!」
北上「っ!」
なんだろうこの感じ
この子達を見てると胸が温かい・・怖い気持ちがなくなった
この子達の元気があたしにも伝わって来る
黒髪「みんな・・よし!やってやろうぜ!お前ら!」
黒髪が手を差し出す
金髪「ちょっ!それ俺の台詞!」
金髪がそれに手を重ねる
メガネ「金髪より気合いが入るよ」
金髪「おい!」
メガネが手を重ねる
黒髪「北上さんも」
金髪「ほら、来いよ」
メガネ「君も一緒だ」
ああ、そうかそう言う事なんだね
西提督も提督もこんな気持ちだったんだね
だから・・きっと
北上「やっと分かったよ」スッ
重なっている手にそっと触れた
身体に力が入る
キラキラする反面で頭の中では警告音が鳴る
これ以上は危険だと知らせてくれている
何かのストッパーが掛かるのが分かる
やっぱり解除された時に何かをされている
でも、それをガン無視する
無理矢理艤装を展開しようと更に力を込める
身体中が強烈な苦痛に包まれる
でも!いける!いってやる!
痛みで叫びそうになっても堪える
この痛みは悟られてはいけない
黒髪「行こ!私達の未来の為に」
金髪「あぁ、俺達の未来に」
メガネ「みんながいる未来に」
出来るならばその未来にあたしも居られれば・・
ううん、それは我儘だね
北上「っ・・・・・」
背に艤装の破片が浮かび上がり突き刺さる
ふらつく身体に鞭を入れる
これからの明日を担うこの子達の為ならば
限界も越えてその先へと立とう
そして喜んで踏み台になろう
北上「行こう!」艤装展開
そして先へと繋げようこの子達の光を
金髪「なんともないのか?」
北上「もう平気だよ大丈夫だから」
こんな時まで心配しないで欲しいな・・覚悟が揺らいじゃうから
金髪「分かったでも何かあれば自分を優先してくれよ」
黒髪「みんなで帰るんだからね」
メガネ「その中には北上さんもいるから勿論大井さんもね」
北上「・・うん・・うん!」
泣きそうだけど・・我慢だよ
北上「みんなで帰ろうね」
金髪「なら俺のゴリ押し野となれ山となれ作戦をー」
メガネ「却下だね」
金髪「ええ!折角考えたのに・・」
黒髪「ふふ、残念」
メガネ「僕に良い考えがあるよ今全てのピースは揃った作戦を開始する!北上さん頼りにしてますよ」
ああ・・これが艦娘としての使命であり幸せなんだな
頼られる事がこんなに嬉しいなんて
もっと早く知りたかったな・・
よし、頑張ろう!
北上「うん、このスーパー北上様に任せてよ!囮でもなんでも来いだよ!」キラキラ
例え帰る場所が望まない場所であろうと、例え帰れる事が出来ないとしても
深い海の底へ沈んでしまう事になっても
あたしはこの子達が大好きだ
口から垂れる血をこっそりと拭いてそう思った北上の顔は今までで一番輝いていたのだった
メガネ「金髪、黒髪」
金髪「あぁ」
黒髪「うん」
メガネ「早急に終わらせるよ北上さんが危ない」
研修生抜錨する!
大井「はぁ・・はぁ・・」
駆逐棲姫「モウオワリ?」ガチャ
大井「っ!」
ドドドドドドドド!
機銃の弾がギリギリをかする
大井「ぐっ!しまっー!」フラッ
駆逐棲姫「・・・・・」ピタッ
大井「くっ!またなの」
さっきからこれの繰り返しだ
攻撃をしてくるけど当たってしまいそうになると止めてしまう
完全に遊ばれている
腹が立つけどそのお陰で時間が稼げているのも事実
非常時の為に残しておいた燃料もあと僅か
残った弾薬も主砲と魚雷が一発ずつ魚雷は発射管が壊れてしまったので使えない
実質主砲が一発しかない
敵の攻撃を避ける事しか出来ない
燃料がなくなってしまうか、敵が飽きてしまうか
私の命はその時まで
北上さんを残して沈んでしまうのは嫌だけどあの子達になら任せられる
短い間だったけどあの子達は純粋で力強い目をしている
今はまだ小さいけど未来の光だって思えた
そしてその光を育てていたのが提督さんだった
彼の事は改めて償いをしようと思ったけどそれも叶わない・・
でもきっと立ち直ってくれる
前を向いてくれる
そして此処を出て北上さんを助けてくれる
あの子達ならそして途中から寝たふりをしていたお節介な筋肉さん
彼等なら恩を返してくれる
そして私の死が一層それを強くさせてくれるはず
願わくば彼等の未来を北上さんと共に見たかった
一緒に歩きたかった
駆逐棲姫「・・・・・」
そろそろ飽きたって顔をしている
潮時か・・・・
もしあの世で彼に会えるならその時はなんだってしますからね・・提督さん
大井「すぅーーーはぁーー」
深呼吸をして覚悟を決める
沈む覚悟を!
でも、ただでは沈まない!
私も何もしていなかったわけじゃない
一つ、ずっと今出せるスピードの半分で動いていた
全速力がこれだと勘違いさせる
一つ、攻撃のフェイントをかけまくっていた
攻撃をしようにも出来ない風に見せて弾薬がゼロだと勘違いさせる
大井「はぁああああ!」
半分のスピードで相手へと特攻する
相手から見れば全速力の筈
駆逐棲姫「オソイヨ?」
弾薬がゼロだと思っている所為で脅威にならないと思っている
途中で遊びだしたのもそれが故の油断だろう
でも、まだ一発はある!これで!
いくら脅威がないと言えど近付き過ぎると攻撃をしようとする筈
その時がチャンス!
駆逐棲姫「モウ・・アキタ」スッ
主砲が向けられようとした
大井「っ!」
今の速度なら着く前に撃たれて沈むだろうけど
艦娘を!私を舐めないで!
大井「今だぁああああ!」
本気の全速力で迫る
相手が完全に主砲を向ける前には
大井「遅い!」
既に私は目の前に
駆逐棲姫「ッ!」
主砲を自分の魚雷発射管に向ける
このまま主砲と魚雷の爆発そして艤装の爆発で敵諸共自爆してやる!
ダッ!
「目標変更!」
「弾薬装填!」
「もうちょっと右!うん良いよ!そこ!金髪!」
大井「さようなら北上さん・・」
「させるか!軽めで!てぇーー!!」
「っ!」シュッ
コツン
大井「いたっ!」
何かが当たり撃つタイミングを逃した
そのまま敵にぶつかりそうになるがギリギリ避けた
大井「何が起こったの!」
しかし
駆逐棲姫「サヨウナラ」ガチャ
大井「あ・・・」
折角のチャンスだったのに
「全力で!てぇーー!!」
ガツン
駆逐棲姫「?」サスサス
何かが敵に当たった
なんか痛いのかさすってるけど撃とうとした手が止まった
本当に何が起こってるの?
「次行くぞ!」
「「「おおーー!!」」」
大井「この声って・・っ!」
浜の方を見ると
大井「なに・・あれ?」
そこにあったのは
金髪「投石準備! !」
黒髪「次弾装填!」石ころ
メガネ「目標補足!もうちょっと左で」
北上「このくらい?」スッ
逃げた筈の四人だった
しかも騎馬状態で
大井「なんで逃げないの!」
金髪「衝撃に備えろ!てぇーー!!」
北上「えいっ!」シュッ
ガツン
駆逐棲姫「ッ・・・・・」サスサス
金髪「大井さんを見捨てて逃げられるかよ!」
黒髪「みんなで帰るんです!」
メガネ「貴女もみんなの一人なんです!」
北上「大井っち!みんなの意志は固いよ」
大井「貴方達・・・」
大井「でもなんなんですかそれは!」
メガネ「僕が考えた最強の艦です」
そうそれは運動会とか騎馬戦で見られる四人から完成された騎馬だった
遊びか?いや違う!彼等は本気なのだ!
土台となる三人と上に乗る一人
上に乗るのは北上で正面を金髪が背後左右を黒髪とメガネが担当している
北上は背後の二人の肩に乗るようにして座る
安定性を向上させる為にメガネと黒髪の腕がクロスする様に金髪の肩に手をおく
本当は背後二人の肩の高さが同じだと尚安定するがお互いの役割があるのでこうなっている
どうしてこうなったかと言うとちゃんと理由がある
まず、主な攻撃手段としてメガネは西提督を倒した投石を使う事にした
しかし、北上はフラフラで動くのもやっとなので誰かが背負う事になるが
艤装が殆ど無いとしてもやはり人より少し重く運べないわけでは無いがかなり遅くなるのでそれなら三人で運ぼうとなった
そして投石は勿論相手に石を投げる事だ
なるべく高い所からの方が当てやすいと言うものあるし投げる時の衝撃を土台三人で抑える事も出来る
まさに騎馬はこの時の為にあるのではないのか?と言えるくらいの理想的な形なのだ
そして彼等の肝心の役割は
正面の金髪が主な指令を担当
撃つ時や移動時の基本的な騎馬の動きの号令を担当
言わば騎馬の脳だ
正面からしっかりと戦況を見極める必要がある難しい役割だ
金髪「右に少し移動するぞ!」
メガネ、黒髪「「了解!」」
次に背後の右側の黒髪は簡単に言うと装填手だ
ポケットにパンパンに詰めた石ころを北上に渡す
渡すだけかよ!と思っているが違うのだ
此処に来る前に短い時間で石ころを選別して持って来ているのだ
投げやすい形の石ころを選別するのは至難の技だ
石ころの質をも見極める必要があり(崩れやすかったり凸凹してるのは論外)
装填手は攻撃手段の要であり投げる状況によって石の質(大きさなど)を考える必要がある大事な役割だ
チャンスなら痛そうなのを渡してくるぞ
そう黒髪は言わば騎馬の牙なのだ
因みに最初に大井に投げた石ころは万が一を考えた大井用の小さい崩れやすい石ころだ
黒髪「次弾装填!はい」石ころ
北上「サンキュ!手に馴染むよ〜」
石ころをポケットいっぱいに詰めてるので移動時に少し痛かったりする
次に背後の左側のメガネは簡単に言うと観測手
ひょこっと騎馬の左側から顔を出して北上が投石に必要な情報を提供する
今の北上は目も霞んでしまっているのでよく狙えない状態だ
なので北上の振り上げた手を見て大体の着石地点を予想して風などの他の要因をも計算にいれて北上の投石への細かい補正をする
眼鏡がなかったら終わっていた
北上「ここら辺?」スッ
メガネ「うん良いよ。あー待って後ちょっと右いってみようか!そうそう良いね!あーいき過ぎたかな?気持ち左でおお!良いよ良いよ!そこで投げて!金髪!」
金髪「てぇーー!!」
金髪「これ俺が言う必要あるか?」
北上「ほいっ!」シュッ
メガネは言わば騎馬の目なのだ
そして三人の上に乗ってる北上は主砲
艤装展開された北上は艤装がほぼ無くて本来の力まではなくても人よりも力がある
その力で投げられる石は西提督をも倒した実績のある強烈な攻撃になる
尚、敵にダメージが出るかと言われれば難しいが相手の気を引く事は出来るかもしれない
倒す事は出来ない。それは分かっている
なら、見てるだけか?逃げるだけか?
違う!
少しでも力になりたい
そうやって出来たのがこれなのだ
北上は言わば騎馬の心臓
そう、これは勝つ為に戦ってるのではなく守る為に戦うのだ
そう、彼等は
北上「今のあたしは軽巡でも重雷装巡洋艦でもない!」
大井「北上さん・・・」
北上「あたしが!」
金髪「俺が!」
メガネ「僕が!」
黒髪「私が!」
四人「「「護衛艦北上だ!」」」
大井「みんな・・」
この瞬間大井は自爆する事をやめて最後まで戦おうと決めた
一人ではなく大切なみんなと
不思議と力が湧いてくる
大井「っ!」
相手を睨む
駆逐棲姫「・・・・・」石ころ
投げられた石ころをまじまじと見ている
そしてそれを投げ捨てた
そして此方に再び主砲を向ける
どうやら向こうの攻撃は無害だと決めつけた様だ
これではもう気を引く事も出来ないのではと思うけど
私は北上さんを研修生達を信じる
艤装の燃料は後一回相手に近づけるくらいしか残っていない
大井「・・・・・・」ギロッ
だから避ける事もしないチャンスを逃さない為に相手を睨む
ゴツン
駆逐棲姫「・・・・・・」
もう見向きもされていない
お願い一瞬で良い隙が出来れば
一瞬だけ向こうを見る
金髪「・・・・」
目が合う
金髪「っ!」グッドラック
任せろ
そう言われたみたいだった
金髪「みんな!行くぞ!」
その声が聞こえた瞬間
ゴツンゴツンゴツンゴツンゴツンゴツンゴツンゴツンゴツンゴツンゴツンゴツンゴツンゴツンゴツンゴツンゴツンゴツンゴツンゴツンゴツンゴツンゴツンゴツンゴツンゴツンゴツンゴツン
大量の石が敵に当たっていた
黒髪「次弾装填次弾装填次弾装填次弾装填次弾装填次弾装填次弾装填次弾装填次弾装填次弾装填次弾装填次弾装填次弾装填次弾装填次弾装填次弾装填次弾装填次弾装填次弾装填!次弾そうだぁああああん!!」
メガネ「目標補足目標補足目標補足目標補足目標補足目標補足目標補足目標補足目標補足目標補足目標補足目標補足目標補足目標補足目標補足目標補足目標補足目標補足目標補足目標補足目標補足!僕の眼鏡に捕捉できない物はない!」
金髪「てぇーー!!てぇーー!!てぇーー!!てぇーー!!てぇーー!!てぇーー!!てぇーー!!てぇーー!!てぇーー!!てぇーー!!てぇーー!!てぇーー!!てぇーー!!てぇーー!!てぇーー!!てぇーー!!てぇーー!!てぇーー!!てぇーー!!てぇーー!!てぇーー!!てぇーー!!てぇーー!!とにかくてぇーー!!」
北上「っ!!!」シュッシュッシュッシュッシュッシュッシュッシュッシュッシュッシュッシュッシュッシュッシュッシュッシュッシュッシュッシュッ
まるで早送りされているかの様に四人の動きが速かった
息が合っていないと出来ないであろうその動きから石がマシンガンの様に投石され敵の顔に当たる
そう、何発も何十発も
駆逐棲姫「っ・・・・・・」ブチッ!
ダメージはないだろうが蚊が耳元で煩くするのと同じ様に
ずっとされていると嫌だろう
そして怒ったのか主砲を向こうに向けた
でも、金髪達はひたすら投げ続けている
私が彼等を信じた様に金髪達も信じてくれている
これは応えないと
キュィイイイイイン!!
艤装に全力の力を込める
最初から全速力で相手に近づく
駆逐棲姫「ッ!」
大井「くらいなさい!」
主砲を構えて
撃つ!
ドォオオン!
駆逐棲姫「イタイ!」大破
でも、まだ倒れない!
だけどこっちもまだ終わってない!
そのまま速度を落とさずに
大井「はぁああああ!!」ドゴッ!
駆逐棲姫「グハッ!!」
そのままボディブロー
グシャリ
大井「うっ!」
駆逐棲姫の硬い装甲を全力で殴った大井の手は変な音がしていたが
大井「おりゃぁああああ!!」ブンッ
そのまま空中へと殴り飛ばす
大井「っ!」ガシャン
そして自分の魚雷発射管をもぎ取った
それはかなりの痛みがあるが関係ない
それを空中へと投げる
そして
大井「後は・・お願い・・」艤装解除
後を託して海へと沈んでいった
北上「大井っち!」
黒髪「泳ぎなら任せて!」ダッ
騎馬から黒髪が抜けて海へと飛び込む
四人からの騎馬から三人の騎馬に瞬時にチェンジする
土台二人の負担は増えるが今の二人には関係ない
金髪「北上さん!これを!」
黒髪から渡された最後の弾を渡す
北上「これって!」
メガネ「目標補足!狙うは魚雷発射管!」
金髪「まだだ!」
メガネ「そのままもう少し上でそう!そこ!金髪!」
金髪「まだ!もっと引きつけて!」
飛ばされた駆逐棲姫と魚雷発射管が交差しようとした瞬間
金髪「今だ!てぇーー!!」
北上「いけぇええ!大井っち!」シュッ!
投げられた最後の弾である木彫りの由緒正しき雷巡のポーズの大井が魚雷発射管へと吸い寄せられるように飛んで行く
丁度木彫りの大井の膝の部分が魚雷発射管に当たる
木彫りの大井の必殺シャイニングウィザードだ
そして大きな衝撃は魚雷発射管の中にある魚雷へと
木彫りの大井は爆散した
ありがとう大井さん・・
駆逐棲姫「??」
すぐ隣の駆逐棲姫はなんだか分かっていない
的外れだと思うかもしれないが
違う!命中だ!
ピカッ!
駆逐棲姫「ッ!」
今気付いても空中じゃ避ける事も出来ないだろう
金髪「これが護衛艦の力だ!!」
ドカーーーン!!
空中で大きな爆発が起こった
金髪「ふっ・・汚ねぇ花火だぜ」
メガネ「あぁ、本当に」
北上「・・・勝ったんだね」
黒髪「はぁ・・はぁ・・死ぬかと思った」
大井「・・黒髪ありがと」
黒髪も大井さんを助けられたようだ
ライフセーバーに向いているかも
今はないか
メガネ「黒髪お疲れ」
金髪「大井さん大丈夫ですか」
大井「うん・・ありがとう」ギュッ
抱きしめられる
金髪「なっ!なっ!ど、どういたちまちて!」
メガネ「ぷっ!はははは」
黒髪「たく、ふふふ」
大井「北上さんただいま」
北上「大井っちお帰り」
みんなが勝利を喜び
これで終わりだと思っていた
がしかし
ドォオオン!
みんな「「「っ!!」」」
北上「大井っち!」
大井「分かってます!後少しだけ動いて!」艤装展開
ドカーーン!!
金髪「うぅ・・あれ?大丈夫だった?」
メガネ「違うそうじゃない!」
黒髪「そんな・・」
研修生の前には三人を庇う様に立つ大井と北上が居た
大井「にげ・・て」バタッ
北上「はや・・く」バタッ
金髪「そんななんで・・なんでだよ!!」
メガネ「くっ!」
黒髪「あれ・・・」
それはさっき倒した筈だった駆逐棲姫だった
でも、さっきとは違い青いオーラが身体を包んでいる
その目からは怒りも何も感じない
ただ嫌な感じを強く感じた
これが彼女の本気だ
駆逐棲姫「・・・・・・」
主砲を向けられるが動けない
もう彼女から油断の文字は消えていた
目の前にいるのは死を脅かす存在
撃たれる主砲に込められるのはただ・・暗い海の底での孤独だった
研修生達はそんな孤独を感じ絶望してー
提督「ーーーーーーーっ!!」
黒髪「っ!」
誰かの声が聞こえた
その声は今の絶望に光を灯して
金髪「大将の声だ!」
メガネ「何処に!あ、なんか飛んでる!」
黒髪「うぅ・・・////」
異変を起こした
金髪「おい、黒髪どうしたんだよ」
黒髪「分かんないけど身体が熱い」
駆逐棲姫「ッ・・・・・」ドォオン!
金髪「うわぁああ!た、対爆防御」
黒髪「ーーーーーーーっ!」
ポンッ
黒髪「行けぇええ!」シュッ
黒髪が何かを投げた
それは敵の主砲の弾に当たり爆発した
ギリギリだった
駆逐棲姫「・・・・・・」ギロッ
金髪「え・・・」
今のは見間違いか?
提督「ひゃぁああ!重いぃいいいい!落ちるぅうう!」
???「貴方達は逃げて!後は本職に任せて」魚雷ポイッ
???「ごめんなさいね・・我慢出来なかったわ・・」魚雷ポイッ
???「・・・・・////」魚雷ポイッ
ジャバーーン
駆逐棲姫「ッ!」
ドカーーン!ドカーーン!ドカーーン!
メガネ「提督さんとその他の方々が海に墜落した!そして敵が爆発した!」
金髪「黒髪・・今のは」
黒髪「言わないで・・私も分からないの・・だから」
金髪「分かった俺からは何も言わない。俺はお前がなんであろうと変わらないよメガネも同じだ」
黒髪「・・・・ありがとう」
黒髪は自分の手を見つめながらさっき起こった事を静かに口に出した
黒髪「魚雷が・・出た」
不安と役に立てるかもしれないという二つの感情に震えた
もしかしたら私は・・・・
もしそうだったら今は隠しておこうと心に決めたのだった
好きな彼と同じ様に
黒髪「先輩と同じだ・・ふふ」
そう思うと震えはなくなっていた
金髪「メガネ!黒髪!北上さんと大井さんを担いで逃げるぞ!大将なら大丈夫だ!絶対に」
メガネ「あぁ!」
黒髪「西提督さんを回収しないと!」
金髪「ならそこまで逃げるぞ!」
金髪「北上さん大井さんまだ死ぬんじゃないぞ!あんな事した説教してやるんだからな!」
研修生達はその場を去った
大量のカマキリ「」
大量の蜘蛛「」
大量の蛇「」
西提督「ぺっ・・雑魚が」
そしてもう一つの戦いが終焉を迎えた
そして場面は少し時間を遡って提督へと戻るのだった
ー懲罰房ー
妄想を続けていたらもう夕方になっていた
このままずっと此処にいるわけにもいかない
此処の娘達を助ける事は俺には出来ない
俺は此処を出て帰らないとみんなの居る場所に
だから!俺は何としても出たいんだ!
なのに・・・・
提督「・・・・・・」
ガチャ
ゆっくりと開いた重い鉄のドアから
電「・・・・・・」チラッ
彼女が覗き込んで来た
うちの鎮守府の電ではなく此処の電だ
でもそれがチャンスだと思った。この電なら無理矢理通る事が出来ると
怖がらせる事にはなるけどそれはもう仕方がない事だ
このまま入って来てある程度近付いて来たら電を押し退けて突破しよう
そう考えていたが
電「ドキドキ・・です」
電はずっとドアを掴んで顔が少し入ったままの状態で此方の様子を伺いながら動かない
電「・・・・・・」ス〜〜
いや!動いているけどゆっくり過ぎて分からない
少しずつだけど入って来てる多分早送りすれば動いてるのが分かると思うけど
20倍速くらいで分かるかな?
待ってるこっちはきつい・・
しかも、少しでも此方が動くと
提督(っ!尻が痒い!)ピクッ
電「はわっ!」ビクッ
ドン!
ドアを勢いよく閉めた後にまたゆっくりと開けて此方を覗き込んで来る
電「っ・・・・・」チラッ
つまりまた最初の位置からやり直しになる
忍耐力の試される娘だ
なので今俺は身体一つ動かさないようにして呼吸も必要最低にとどめている
怖がらない様に笑顔を維持しつつ腹這いに両手を頭に置いている状態を維持
完全に無抵抗でセルフ無力化状態の安心と安全を兼ね備えた司令官の姿勢だ
だが、つま先に力を入れていつでも走れる様にする事も忘れない
そんな苦労の甲斐もあり
電「むむ・・・・」ゴクリ
今ドアから身体半分が入って来ている状態だ
挟まらないか心配だ
提督「っ・・・・・」
時間にして三十分くらいだと思う
でも、そろそろ限界が来ている
顔に止まった蚊が血を吸い放題なのを良い事に腹を大きくして尚且つ仲間まで呼んで女子会を開催している
血を吸うのは雌だけだから間違ってはいない筈だ
今すぐこの蚊達を追い払いたい
でも、そうすればまた振り出しに戻る
せめて電がドアから手を離してくれたら
気付くと勝手に口が動いていた
提督「なんでそこまで怯えてまで来るんだ」
電「っ!」
逃げそうになるが抑えて言った
電「電は・・敵だとしてもちゃんと話して見たいって思う・・出来るなら命を助けたいって・・」
提督「っ・・・・・」
分かってはいるけどその顔で声で敵と言われると辛い・・
自分居場所だと思っていた場所を否定されている様に思えるから
この電にとって俺は敵だから興味を持たれているのであってそうじゃなかったら相手にもされていないのだろう
助けたいとも思われないだろう
それにしてもうちの電とは大違いだ
うちの電なら
電『敵よ・・残りの余生を楽しめよあと数秒だがな・・なのです』ニヤリ
って言うだろうな
うん、なんかそう思うと今の言葉も気にならなくなった
そう、顔や声は同じでも此処の電とうちの電は違う
全くの別の人だ
提督「君は優しいんだね電ちゃん」
ジッとしていた身体を動かす
蚊の女子会は無情にも右手のビンタで終焉を迎えた
手に血が滴る
電「はわわっ!」ビクッ
提督「逃げないで」
電「っ!」ピタッ
強行作戦はやめだ
最初にうちの電と間違えた事や今のこの優しさ
この娘を信じてみよう
だから頼もう小細工はなしだ
提督「一つだけ聞きたい事を答える。だから命を助けてくれないか?」
電「え?」
提督「俺には待ってる人達がいるんだ。だから絶対に生きて此処を出なくてはいけない」
電「・・・・・・」
提督「ゆっくりと話せれば良いんだけど時間はそれを許してくれない」
提督「だから一つだけ何でも答える。そうしたら君は敵である俺に騙されて逃げられてしまう・・どうだろう?」
この娘が何故此処までして来たのか
それはさっき言っていた彼女達の敵でもある人間と話してみたい
なら何故今なのか手に手錠をされているとは言え此処の電ちゃんはかなりの怖がりだ
俺が襲って来る事も考えられた筈だ
なのに来た
しかも一人でだ
何か他には聞かれたくない事を聞きに来たのか
それとも好奇心なのか
電ちゃんが電であるならどちらもあり得る
何か弱味に漬け込んでる様で少し罪悪感はあるけど
電「・・・・・・」
ウルウルと瞳が揺れている
だが、やがて決心した様に真っ直ぐと見つめてくる
その瞳はあの時一緒に強くなろうと電と約束した時と同じ
強い決意の証が見えた
電「っ・・・・」トテトテ
ドアから手を離して目の前まで近寄って来る
もう電ちゃんから弱さを感じない
今から無理矢理突破する事も出来ないだろう
つまり彼女の隙が弱味がなくなった
これは・・ダメかもしれない
電「・・・・・・」ジーーー
提督「っ・・」プイッ
余りに見つめられているのでつい目を逸らしてしまった
電「っ!」ガシッ
顔を両手で掴まれて無理矢理正面に向けられて見つめて来る
距離からして鼻と鼻が後少しで当たりそうだ
提督「あ、あの」
あれ?てか、電ってこんなに可愛かったっけ?
こんなに近くで見た事ないしいつもふざけた事ばかり言ってるから
女の子として見てなかった
だけど・・女の子として見ると
やばい!緊張する!
提督「は、はわ・・」ドキドキ
電「ふぅ〜・・・」ジーーー
髪もボサボサで所々傷も目立つ
お洒落なんてする余裕がないのは当たり前だけどそれでも目の前の彼女は魅力的に見える
それに女の子特有の香りとでも言うのかそれが潤んだ強い瞳そして顔に当たる吐息がまた・・緊張感を増大させる
だ、駄目だ女の子とこんな至近距離で話すなんて出来ない!
ヘタレと笑うが良い!童貞と罵るが良い!
それが俺だ否定はしない
提督「あわわわ〜」キョロキョロ
目がグルグルと回るジッと見る事が出来ない
電「ん・・はぁ・・」ジーー
心なしか顔が赤い?まさか誘ってるのか?視線もなんか熱っぽいし
いやいや!そんなわけないだろうが!童貞が夢見てんじゃねえよ!
仮にそうだったとしても押し倒す勇気なんてないしあったとしてもやってしまえば俺はおんぼろ鎮守府へ帰った時に電の顔をまともに見れなくなってしまう(恥ずかしさと後ろめたさで)
でもでも!女の子に恥をかかせるのは駄目だって誰かが言ってたし
でも、相手は電でロリなわけで
あれ?でも、電は艦娘で実年齢は俺より上の可能性もある
え?合法?合法ロリ?
そう言う問題じゃないだろうが!
よし!断ろう!こんな事がばれたらきっと積み上げて来たもの全てが崩れてしまう
まだ、積み始めだけどね
提督「電ちゃん・・そ、その気持ちは嬉しいけどこう言うのはー」
俺が考えて必死の出した言葉を知ってから知らずかその言葉に被せるように言った
電「電の・・私のお姉ちゃんがね言ってたの」
お姉ちゃん・・それは野良艦娘であった電ちゃんを鎮守府から逃がす為に身代わりになって沈んでいった娘達の事だろう
沈んでいった娘も攻撃をした娘達もどう思っていたのだろうか
一人の傲慢な司令官により出された命令
力はあっても抗う事も叶わない
それを知っているから人は・・
今から出る電ちゃんの言葉はきっとそんな人間への恨みの言葉
提督「・・・・・・」
電「鎮守府から逃げる前に言ったんです。人間が全て悪い人だけじゃないって良い人もいるからって」
提督「何も言い返せないよ今の海軍はー・・へ?今なんて?」
予想外の言葉だった
電「でも、私だと分からないから見分け方を教わったの」
電「信用出来る良い人なのかを」
提督「もしかしてさっきのジーーっと見つめてたのが」
電「うん、やましい事や悪い人なら突き飛ばすか目を逸らすって言ってたの」
提督「うっ・・それは」
逸らしまくってたな・・
提督「さっきのは別にやましい事があったわけでは・・ないです」
やましい事を考えていた手前中々はっきりと言えない
電「でも、例外があります。えっと、貴方はもしかして童貞ですか?」
提督「ふぁ?」
今童貞って聞こえたんだが・・俺のやましい気持ちが此処まで聞こえるとは
末期か?
いや、今度こそちゃんと聞こう
提督「電ちゃん、もう一度言ってくれるかな?」
電「童貞なのか聞いてます」
聞き間違いではない様だ・・
こんな事を聞かれて童貞なんて答える奴はいない!
童貞だが!此処は嘘をつかせてもらう
提督「はは、この歳で童貞なわけがー」
電「お姉ちゃんが海軍の司令官であっても色気に反応して目を逸らしてキョロキョロしてる人は童貞だから信用以前に無害だって言ってました。ヘタレだから」
提督「あぁ!童貞だよ!」
無害だ!この野郎!!てか、耳ふーっとか潤んだ熱い眼差しは色気を見せていたのか・・
危なかった・・俺じゃなかったら終わってた
電「なら!安心・・安心なのです!童貞さん!」
提督「その呼び方は・・まぁ、無害だって分かってくれたなら良いのか?」
電「童貞がどんな意味か良く分からないけど童貞さんなら安心なのですヘタレだから!乱暴も出来ない程のヘタレなのです!」
提督「あぁ・・俺はヘタレだよ」
それで安心出来るならもうそれで良いよ・・
提督「なら、俺を此処から出してくれないか?」
電「良いのです!童貞さんを助けるのです!あ、でも一つ聞いて良いですか?」
提督「あぁ、なんでも聞いてくれ」
電「童貞ってどんな意味なのです?」
ん?何か矛盾を感じる様な?でもそれがなんなのかよく分からない
気の所為なのか?
提督「ヘタレの象徴だよ・・それ以上でもそれ以下でもない・・」
まぁ、年齢によっても変わるけど
電「はわ〜童貞さんはヘタレの象徴なんですね!凄いのです!」
提督「・・あぁ、凄いだろ・・俺の唯一の・・・・取り柄なのか?はは・・」
電「なんか落ち込んでるのです!元気を出すのです!」
提督「そうだね・・ひゃっほー・・」
電「童貞さんが元気になって嬉しいのです!」
提督「あの童貞さんじゃなくて提督って呼んでもらえるかな?」
電「嫌なのです!お姉ちゃんが童貞さんは無害だけど優しくしたり名前を呼んだりすると勘違いして危険だって言ってたのです!だから呼ばないのです!童貞さんは童貞さんです!」
提督「君のお姉さんは物知りだね・・本当・・何処で学んだのか」
電「助けるけど惚れるなよなのです!」
提督「はい・・・・」
なんかうちの電と変わらない様な・・この娘の俺への評価がどんどん下がってるのか上がってるのか分からない・・
まぁ、助けてくれるなら良いか・・良いのか?
提督「なら、まずはこの手錠の鍵をさがー」
電「なのです」手錠バキッ
提督「さなくて良さそうだな・・やっぱ艦娘は凄いな」
電「あ、手に触れない様に気をつけるのです!童貞さんは手と手が触れ合うと勘違いするのです!」
提督「そこまで末期じゃねえよ!」
電「はぅ!」ビクッ
提督「あ・・やば」
やってしまった・・うちの電にする様にツッコミを入れてしまった
怒ってるわけではないんだが・・怖がらせてしまった
提督「あ、ごめん怖がらせるつもりはなかったんだ」
電「へ、平気なのです・・」
電「童貞だから平気童貞だから無害童貞だからヘタレ大丈夫・・大丈夫怖くない頑張れ私」ボソボソ
提督「・・・・・・・」
本当はすごく怖い筈だけど自分に言い聞かせて頑張ってんだな
必死に逃げない様にしてる
提督「童貞にも色々いるから俺は手と手を繋いでも勘違いしない」
電「本当に?乱暴とかしない?」
提督「しない絶対に」
電「・・・・・」ジーー
提督「・・・・・」ジーー
今度は逸らさない
逸らしちゃいけない。勘違いさせたらいけないから
彼女の気持ちも勇気も無駄にしない為に
電「逸らさない・・本当に本当の童貞さん?」
提督「あぁ、俺は」
強がりも嘘も何もかも捨てて真の自分で
人より愛に程遠いが人より愛に飢えている
突破した城の数はゼロ
する予定の城すら見えない!見えるは見渡す限りの平原
そう、俺は魔法使い予備軍ヘタレの貴公子
天上天下唯我独尊正真正銘の
提督「童貞だ!」
自信を持って言おう俺は童貞だと
涙が出ているのはゴミが入っただけだ
別に言ってて虚しくなったわけではない
そう言えば西提督さんから貰った風俗優遇券何処にやったかな?見当たらないんだよな
何処かに落としたんだろうか?
いや、使うつもりはないんだけど・・ね?
電「はわ〜〜童貞さん」キラキラ
電「行くのです!童貞さんにはその資格があるのです!童貞の貴方だからこそ!認められた存在なのです!」
それ・・喜んでいいのか?
提督「あぁ、ありがとう君の事は忘れない」
電「健闘を祈るのです!」ビシッ
提督「おう!祈っててくれ」ビシッ
電「・・・・・・・」
電「待って!」
提督「ん?」
電「お姉ちゃん達の事で叩いてごめんなさい。童貞さんの所為ではないって分かってたのです・・なのに・・だから謝りたくて!」
提督「ううん、謝るのは俺の方だよ・・今の海軍の現状を知っていて何も出来ない・・俺は無力な人間だ」
提督「だから俺を叩いて罵ってくれて楽になるならいくらでもしてくれて良いんだよ君達にはその資格がある。だから君は悪くない」
電「童貞さんはお馬鹿さんなのです・・そんな事言われたら尚更罪悪感が残るのです。一層の事怒ってくれた方が楽だったのです」
提督「出来ないよそんな事・・」
電「・・・・・ヘタレ」
提督「はは・・そうだな。本当にヘタレだよ・・」
電「くよくよしないのです!ほらもう行くのです。言いたい事は言えたから満足です。今なら見張りもいないし夕飯も近いので食堂近くにさえ寄らなければ見つかる事もなく出られると思うのです」
電「みんなぺこぺこなのです」
提督「あぁ、分かった。電ちゃん俺頑張るから」
電「うん、応援してるのです」
そう言えば彼女達はどうやって食料を?いや、知っても仕方ないか
とんでもない物を食べてるとか言われたら怖いし
ムカデとか
電「後、童貞を捨てられるのも」
提督「あ、うん・・・」
本当に童貞の意味を知らないんだよな?
電「ふふ」
こうして見逃してもらえる事になった
これで懲罰房は出られる
だけど俺の軍刀を探さないと
そうなるとやはりもう一度龍田さんに会う必要があるな
今度は惑わされない様に気を引き締めて行こう
電ちゃんの言った事が本当なら今はそう苦労もなく出られるだろうけど
相棒を置いては行けない
誓いをした大切な軍刀だしそれにまだ名前も知らない
待ってくれているのか分からないけど黒髪達・・もし信じてくれているならもう少しだけ待ってくれ
此処を出たら覚悟を決めろ
見捨てる覚悟、戦う覚悟、傷付く覚悟、死ぬかもしれない覚悟
提督「よし、行こう」
重い鉄のドアに手をかけようとして
電「っ!誰か来るのです!電イヤーは地獄耳なのです!」
提督「なんだと!」
やばい今のこの状態を見られると俺だけじゃない電ちゃんが見逃そうとしていた事がばれてしまう
そうなったら・・・・
考えろ!電ちゃんが泥を被らず此処を出る方法を!
いや!出られなくても良いから誤魔化す方法でも良い!考えろ!
提督「電ちゃん!俺がー」
電「来るのです!もうすぐ誰かがこんにちはなのです!」
提督「っ!」バタッ
電「はわっ!大丈夫なのです!」
提督「俺の亡骸は・・海に・・軍刀と一緒に・・・沈めてくれ・・」ガクッ
電「はわぁああ!」
時間がない!即!死んだふり発動!
顔には苦悶の表情を残して拷問の末死んだ設定
題名をつけるなら、悪徳司令官の末路
これを他の娘が見たら電ちゃんが恨みを晴らす為にやった様に見えるだろう
絶対に電ちゃんは責められない
きっと他の誰かがしていた可能性もあるからだ
寧ろ喜ばれるかもしれない
でも、それは仕方ない事で彼女達は悪くない
人間は差し伸べる彼女達の手に刃を向けた
裏切り者なんだ
彼女達にとって人間はそう言う存在なのだ
故にそれを利用させてもらう
電ちゃんが適当に襲われそうになって仕方なくやったとでも言えば尚良い
俺が悪人になればこの場をどうにか出来る
さぁ!電ちゃん!恨みと憎しみを込めて俺を海へと捨てるのだ!軍刀も一緒にね
後は泳いで離脱
電「えっと!えっと!」アタフタアタフタ
電「閃いたのです!」ピコーン!
電「こういう時は人工呼吸なのです!」
提督「っ!」
まずは声かけからの呼吸の有無の確認からだろうが!
近くの人にAEDの用意を頼むのも忘れずに
電「むぅーー」
電ちゃんの顔がどんどん近くに
初キス初キス初キス!初キス?
提督「いっ!」ズキッ
誰かに頭を叩かれた様な痛みがした
ジッとしてんじゃねえぞ!童貞が!
提督「駄目だ!」ガシッ
電「ひゃっ!生き返った!」
提督「男に簡単に唇を許しちゃ駄目だろうが!」
電「・・・・・・・」
提督「電ちゃん?」
電「ねぇ・・・・捨ててみる?童貞」耳元ささやき
提督「なっ!」
その時感じていた矛盾に気が付いた
彼女の境遇や発言からして童貞を知らないのはあり得ない
どう言う乱暴をされたかは分からないが少なくとも物知りなお姉ちゃんが童貞の見分け方を教えているのだから童貞の意味も教えている筈だ
試されたのか?
提督「電ちゃん君は本当はー」
ガシャーン
提督「っ!」
鳳翔「・・・・・」ポカーン
真意を聞けずに見つかってしまった
提督「はわわわ!」
電「ふっ・・可愛い」ボソッ
悪徳司令官は海へと帰す作戦失敗
鳳翔「なん・・ですかこれはどうして何故電ちゃんが此処に」
床には持って来ていたであろう食器が落ちて割れていた
食べ物も散乱していた
もしかして夕飯を持って来てくれたとか?
電「あ、勿体ない・・」
鳳翔「これはどういう事でしょうか?」ギロッ
あ、やばい一瞬漏らしかけた
提督「ち、違うんだこれは!」
鳳翔「いえ、言わなくても理由は分かっています貴方も狼だったという事ですね・・少しでも逃がしてあげようと思った私が馬鹿でした」包丁
さっき見た時の鳳翔さんより眉間のシワが割り増ししてる
何よりも手に持ってる包丁が様になっている
やばい意味で
鳳翔「電ちゃん!今助けますから!変態覚悟!!」ダッ
提督「ひぃいい!ちょっと待ってくださいって!」
鳳翔さん怖いよ!マジで漏らしそうだ!
電「駄目!」
電ちゃんが俺を庇うように前に出る
今の電ちゃんの背が凄く大きく見えた
提督「電ちゃん俺なんかを庇ったら」
君は此処に居られなくなる
鳳翔「電ちゃん・・どう言うつもりですか?」
鳳翔「どいて!そいつ殺せない!」
電「殺させない・・絶対に殺させないから!」ギロッ
鳳翔「っ・・・・」
提督(あれ?・・パンツが少し漏れてる?)
ううん、汗だよ!汗!
鳳翔「っ!なんでそんな目で見るんですか・・電ちゃん・・そうですか・・そう言う事なんですね」
提督「っ!」
駄目だこれ以上は!こうなれば!
提督「電ちゃん・・いや!兵器擬きよく言った!約束通り仲間の命は許してやろう!ぐへへ!もう退がっていて良いぞ」ガシッ
俺が悪者になって無理矢理言わせた事にすれば
電「今大事な話中なんで離れてもらって良いですか?」ギロッ
提督「あ、はい・・離れます」
あれ?
鳳翔「なんなんですか・・」
本当なんなんだろうな・・
電「彼は大丈夫なんです!」
鳳翔「どうしてそう言えるんですか!電ちゃんは騙されているんです!」
電「そんな事はないです!」
鳳翔「っ!提督!電ちゃんに何をしたの!洗脳か!」
提督「俺はただ本音を言っただけで」
それこそ男のプライドがズタズタになる様な事を包み隠さず言いました
でも、それをまた話題に出されると男心が傷付くとかのレベルではなくなるのでー
電「だって彼は童貞なんです!童貞さんなんです!」
提督「ぶっ!」
やめてほしかった・・
鳳翔「そんなの嘘に決まってるじゃないですか!」
提督「鳳翔さん」
否定してもらえて嬉しい気持ちもあるが今は複雑だ
でも、鳳翔さんの気持ちも分かってしまう
信用なんてしてはいけない
したくても出来ない
出来なくなってしまった
でも、して欲しい
鳳翔「この人は海軍の人間なんです。しかも司令官クラスですよ?童貞な筈ないでしょあり得ません!」
鳳翔「女性を・・艦娘達を好意関係なく好きに出来るんですからあいつら人間は全て!そうでしょ!」
提督「っ・・・・・・」
実際にそういう奴が居るのも事実だ
だけどそうじゃない人達だっている事を俺は知ってる
こう言う言い方は腹が立つな・・
電「だけどー」
提督「電ちゃん後は俺が退がっててくれるかな?」
電「だから!今は私が」
提督「お願いだ」
電「分かった・・のです」
鳳翔「電ちゃん・・人は人間は裏切るんですよ?酷い事だってされたでしょ?」
電「・・・・・・」
提督「鳳翔さん」
鳳翔「さぁ、こっちに来てそこに居ては駄目です」
提督「鳳翔さん!」
鳳翔「・・・・貴方と話す事なんてありません」ギロッ
提督「俺はあるんです」
提督「確かに好意関係なくそう言う事をする奴らもいます。しかも兵器として見ているが仕方なく抱いてやってやると言う場合が殆どです」
提督「愛なんて微塵もないでしょうね事が終われば捨てるだけです」
電「・・・・・・」
鳳翔「ほらそうでしょ!人間なんてどう信じろと」
提督「ですが、そう言う考えを嫌い艦娘とか関係なく愛そうとしてる人もいるんです」
提督「俺はそう言う人を知ってる全てが全てそうじゃないんだ。お互いがお互い相手の事を考えて前に進めていなかったけどね」
側から見たら西提督さんも妙高さんも分かりやすいんだよな
でも、今やっと進み出したんだ
この小さな一歩がきっと大きな一歩になる
俺はそう信じてる
提督「さっさと告白しろって思ったよ」
だって二人ともお似合いなんだから
提督「だから全てって言う発言は取り消してください。西提督さんと妙高さんの可能性を未来を否定しないでくれ」
それだけは絶対に許せない
鳳翔「・・・・・・・」ギロッ
提督「お願いだ」ジーー
電「だ!」ピョン
鳳翔「っ・・(可愛い)」プイッ
鳳翔「わ、分かりました。さっきの発言は取り消します私の視野が狭かった様ですねすみませんでした。ですが、貴方もそうだって言うんですか?」
提督「俺は・・違うかな・・」
鳳翔「はい?」
提督「と言うより恋をした事がないって言った方が良いかな?」
鳳翔「ない?一人も好きな人は出来なかったんですか?片想いでも貴方くらいの年頃の人はするのでは?」
提督「ある理由で周りからは嫌われていましたから好意を持ってくれる人なんて居ませんでした。まぁ、自分も恋をしている余裕はなかったってのもあるけどね」
提督「今は友人や仲間としての好きはたくさんいるけど異性としての好きはまだ見つけられてないんです。自分が気付いてないだけかもしれないけど」
提督「だから、西提督さんや妙高さんの様に大きな壁を越えたり出来るかその覚悟があるかと聞かれれば分からない」
それはその時にならないと分からない
全てを捨ててもその娘と一緒に居ようとするか、自分の為彼女の為に諦めるか
どうなるんだろうな俺は
知りたいな・・自分を
提督「でも、恋が出来るならしてみたいな・・人間でも艦娘でも本気で好きになれる相手と」
鳳翔「っ・・本当に艦娘を異性として好きになれるんですか?怖いとか気持ち悪いとかはないんですか?適当な事を言わないで!」
提督「怖い?気持ち悪い?そんなわけないだろ!これだけはハッキリ言える!例え背中に艤装が付いていても彼女達の身体、心、香り、仕草、そのどれもが普通の女の子と変わらないじゃないか」
提督「可愛い!綺麗!美しい!デカイ!小さい!最高じゃないか!」
電「流石童貞さん!変態に磨きが掛かってるのです!」
鳳翔「・・・・変態」
なんか言われてるが無視だ。でも、これは西提督さんにも最初に言った事だ
でも、新たにもう一つ見つけた
西提督さん達との演習や金髪達との研修それに此処での出来事
その全てを得て気付いた
新たな魅力
提督「そして何よりも戦う事を強いられ理不尽に襲われて傷付いても逃げずに尚立ち上がろうとするその強さがその目が姿が大好きだ」
瞳に宿る確かな光
差し出された手は俺を闇から救ってくれた
そして今もその光に俺は何度も助けられたんだ
提督「怒ったり泣いたり笑ったり拗ねたりだってする。姿は同じかもしれないけど一人一人違う魅力があるんだよ。それは兵器には絶対に出来ないんだ触る手があって歩く足があって話す口がある何一つ人間と変わらない」
提督「何も変わらない生きてる存在なんだ兵器じゃない」
兵器は使い方によれば戦う事も守る事も出来るだろうけど・・何も救ってはくれない
どんなに頑張っても無理なんだ
ただの兵器には
電「・・・・・・・・」
鳳翔「・・・・・・・」
提督「鎮守府の仲間達と過ごして嬉しいと思う事もあって何度もドキドキだって数え切れない程あったよ。でも、だからって襲った事は一度もないよ」
提督「彼女達の泣く顔は見たくないですから」
ただのヘタレだとも言えるかな・・
鳳翔「・・・・・・」
提督「駄目ですか・・やっぱり信用なんて出来ませんよね」
鳳翔「・・何があったの」
提督「え?」
鳳翔「いえ、そんな事はどうでも良いです。貴方は艦娘のどう言う事で嬉しく思ってドキドキしたの?」
提督「え?言わなきゃ駄目です?は、恥ずかしいな・・」
鳳翔「一つで良いんでお願いします」
電「します!」ピョン
提督「一つですか・・(可愛い)」
おんぼろ鎮守府での生活や西鎮守府での演習や研修
全てが俺にとって新しくてそれが嬉しくて彼女達の魅力にドキドキした
あり過ぎて逆に分からない
でも、一つだけはしっかりと言える事がある
これが最初だった
そしてそれはおんぼろ鎮守府のみんなや西鎮守府のみんなそれに此処に居る二人にも当てはまる事だ
これは今もずっと続いているんだ
ドキドキして嬉しくて泣きそうになる
普通の人にとっては当たり前かもしれないけど・・
そう、それは
提督「話しかけられた時かな」
鳳翔「はい?」
電「はわ?」
鳳翔「それは相手は何を言われたんですか?」
提督「言葉は関係なくて俺をちゃんと見て話しかけてくれたって行為が嬉しかったんです」
提督「いない者じゃなくて裏切り者の息子でもなくちゃんと俺を見て俺に話しかけてくれた」
提督「止まってた時間が動き出したと思ったよ・・心臓がドキドキして、でも辛くなくて寧ろ嬉しくて」
初めての気持ちだった
これが恋なのかは分からないけど
もしそうだとすれば俺はかなりの人数の艦娘に恋をしてしまってる
チョロいとかのレベルではない
鳳翔「貴方・・もしかして」
提督「それが最初の艦娘達とのドキドキでした。俺にとって今も続いてる大切な気持ちです」
提督「だからこそ壊したくない・・守りたい存在なんです」
鳳翔「守るって・・・本気?」
提督「はい、本気です。すみません大した事ではなくて・・でも、これが俺の答えです。これだけで充分だったんですよ」
電「鳳翔さん・・」
鳳翔「はぁ・・分かってます。いえ、充分に大した事です。貴方のヘタレ具合がよく分かりました」
鳳翔「本当に甘いですね吐き気がします・・」ボソッ
提督「え?なんて?」
鳳翔「童貞だって事が嫌という程分かったと言っているのです話しかけられたくらいで喜んでいる人が襲うなんて出来る程の勇気も技量も持ち合わせている筈がないですから」
提督「合ってるけど・・心にグサッと来るな・・でも、信じてくれますか?」
鳳翔「信じる?嫌ですけど?ヘタレ童貞だとは認めてあげます。とりあえず命だけは助けてあげます逃げてください」
鳳翔「とにかく此処から出て行って」
電「やったのです!童貞さんがヘタレと認められたのです!」
提督「喜んで良いのか・・はは」
電「ヘタレ童貞さん喜ぶのです!ハイターーチ!」スッ
提督「お、おう!そうだなハイターーチ!」パチッ
鳳翔「・・・・・・・」
鳳翔「こんな短時間でこんなに懐くなんてやっぱりおかしい・・催眠術?でも、この感じは・・」
提督「ねぇ、なんかネーミングパワーアップしてない?」
電「ヘタレ童貞さんは良い名前ですカッコ良いのです」
提督「カッコ良い・・ならこれで良いのか?良いんだよね?」
鳳翔「ヘタレ童貞一つ忠告です」
提督「はい、ヘタレ童貞です・・」
鳳翔「貴方は優しいですしその雰囲気から艦娘達から好かれやすい傾向があると思います」
提督「別に好かれやすいとは思わないですけど」
鳳翔「黙って聞きなさい」
提督「はい、すみません・・」
鳳翔「異常なんですよ貴方は怖い程に・・貴方になら心を許してしまっても良いなんて思ってしまって・・違和感なくて貴方が入って来るんです!」
提督「鳳翔さん・・・」
鳳翔「言い方が悪かったですが貴方は悪くないんですよ・・これもヘタレ童貞・・貴方の実力であって良いところなんだと思います」
鳳翔「貴方に興味を持った娘達は貴方を信頼して貴方の優しさに心惹かれる娘も出てくる」
鳳翔「でも、覚えておいて興味を持たれると言う事は良いことだけじゃない貴方のその雰囲気や優しさをよく思わない捻くれ者も同じ様に出てくる」
鳳翔「その甘さがその言動がその存在が気に入らない・・そう思う娘も必ず出てくる」
鳳翔「私のような人が必ずね・・」ボソッ
提督「・・・・・・」
鳳翔「艦娘達を人間と同じ様に見てくれるなら平等だと思うのなら傲慢な人間同様に彼女達もそうであると思い疑う事を覚えて安易に優しさを見せる事だけはしないで艦娘だからと言う理由で信用しないで」
鳳翔「じゃないといつか背後から刺されますよ貴方を殺したい程嫌う艦娘達そして人間達に」
提督「・・・・・・・」
叢雲『あんたが死ねばあの鎮守府は!』
大和『あんたのその甘さが・・大っ嫌い!』
提督「っ・・・・・」
鳳翔「辛そうですね何か思い当たる節でも?」
提督「いえ、でも、その言葉は肝に命じておきます」
分かってる・・分かってんだよ・・だけど・・
鳳翔「ええ、そうしてください。それとこれを」包丁
提督「仮に見つかったとしても彼女達を傷付ける気はないですからそれは」
鳳翔「武器ではありませんから、まぁ、先程は武器になりかけていましたが、これを貴方の鎮守府の鳳翔に渡してください」
さっきは本気で刺すつもりだったんだ・・
でも、綺麗な包丁だ
提督「良いんですか?これ高そうですけど」
鳳翔「別に良いんです生まれた時に気付いたら持っていた物ですから愛着も何もないですし価値があるかも分かりませんそれに・・」
提督「それに?」
鳳翔「こんな無愛想な人に使われて錆びていくより貴方の鎮守府で大切に使われた方がこの娘も喜びます」
提督「そんな事はないと思うけど見た感じ綺麗ですし大切に使ってあげれている」
鳳翔「正直此処で使うには勿体無いんですよ。それに鳳翔もこんなヘタレ童貞といるんですから苦労も絶えないだろうし同情の意味も込めてます」
提督「うぅ・・それを言われると・・でも、こんな良い包丁簡単には受け取れませんよ」
何かあげられる物があれば良いが生憎何も持っていない
冗談でも童貞をあげるとか言ったら刺されそう
鳳翔「受け取る受け取らないは貴方に関係ありませんからこれは私から鳳翔への包丁です。貴方にはただ渡して欲しいと頼んでるだけです。見逃すのですからこれくらいのお使いはできますよね?」
提督「分かりました。そう言う事なら確かに受け取りましたありがとうございます」
鳳翔「貴方にお礼を言われる筋合いはないです」
提督「それでもです。きっとうちの鳳翔さんもそう言うと思いますから」
提督「大切にしてくれますよ絶対に」
鳳翔「ふ、ふん、もう良いから早く行きなさい」プイッ
今少しだけ笑った様な気がしたけど気の所為かな
提督「はい」
そう言えば電ちゃんがいつの間にかいなくなっていた
別れの挨拶をしたかったんだけど
電「勿体無い勿体無い」パクパク
と思ったら床に落ちた恐らく俺のであろう夕食を拾い食いしていた
提督「はは・・良いのかな」
鳳翔「落ちたくらいで捨てていたら此処では暮らせませんから」
提督「やはり食料があまり」
鳳翔「補給隊長さんがいますからそんなに切羽詰まってるわけではありませんが落ちたくらいで勿体無いでしょ?食べ物は大切にしないといけませんから」
提督「そうですよね。俺も落ちたくらいで文句は言わない様にしますよ」
鳳翔「えぇ、そうしてください」
提督「では、鳳翔さんさようなら。電ちゃん俺もう行くから元気でな」
電「美味しいのです!あ、ヘタレ童貞さんバイバイなのです!」
最後の最後くらいちゃんと名前で呼んで欲しかったが・・それにしても
電「はむはむはむはむ」ぱくぱく
提督「なんか美味そうだな」
電「・・・・いる?」もぐもぐ
提督「その咀嚼途中で出された物はいらないかな口に戻してな」
電「??」
鳳翔「我儘ですね時に相手から奪う事も生きる為には必要です。それが例え口に入れられた物でも飲み込むまでが勝負ですよ」
鳳翔「鳥が雛に餌を与える時に口移しなのを知らないのですか?情けない・・」
それとこれとは全然違うと思うが・・
提督「いや、落ちた物で限界ですよ流石にそれは真似出来ません」
ヒョイっと拾って口へと運ぶ少しジャリジャリした砂かな?
如月が見たら怒るだろうな
電「あ・・電のご飯が・・」
元は俺のだぞ?
提督「・・・・・・」もぐもぐ
ん?美味し・・いとは言えないけど不味いとも言えない
凄く微妙な味だ
例えるなら出汁が足りてない味噌汁
ネギの入ってない納豆
鳳翔「一応聞きますがどうですか?」
提督「えっと、はい、美味しいですよ」
鳳翔「まぁ、当然ですが」
提督「此処の食事は鳳翔さんが?」
鳳翔「そうです。皆さん料理が出来ませんから私の役目です」
提督「他には誰も?」
鳳翔「必要ないですから皆さん黙って食べてます」
成る程感想すら言ってくれないからこれ以上料理スキルが上がらないって事なのか
みんなこれで満足してるんだ
美味しいご飯を食べさせてやりたいな・・だけど俺ではな・・
提督「はぁ・・ちゃんと今度教えてもらおうかな」
そろそろ一人暮らしレベルの料理スキルから段階を上げないとな
鳳翔「と言うよりいつまで居るのですか?早く行きなさい手遅れになりますよ」
提督「あ、そうですよねそれでは」
色々考えても仕方ない今度こそ此処を出よう
相棒を探さないと
鳳翔「待ちなさい・・もう遅いです」
電「来る」ピタッ
提督「え?」
鳳翔「誰か来ます貴方がもたもたしてるから」
提督「すみません・・」
もう少しだけ鳳翔さんと話していたかったからと言ったら怒るだろうな
でも、普通に出ていたら見つかってたから良かったのかも
もたもたして正解?
電「カチャカチャ音がするのです」
鳳翔「刀でしょうね恐らく天龍です。随分泣かされた様ですから理由は察せますね?」
提督「あぁ・・」
もたもたしようがしまいがどっちにせよ俺が斬られる未来しか見えなかった・・
提督「今度こそ終わりかな・・」
電「・・・・・・」もぐもぐ
鳳翔「はぁ・・さて、どうしますか」
提督「・・・・・・」包丁
やるしかないのか・・・斬られるくらいなら・・
此処で何もしなければ天龍に斬られてお終いだろう
だからと言って電ちゃんや鳳翔さんには助けてもらってはいけない
これ以上は彼女達の居場所を壊してしまう事になるから・・
提督「っ・・・・・」
ゆっくり重たい鉄のドアが開こうとしていた
包丁を持つ手に力が入る
でも、力を入れる程震えは強くなった
提督「っ!」
なんでもやる覚悟を持つ筈だった
でも、それは難しくて・・怖くて・・
提督「こんな筈じゃ・・」ギリッ
しかし、その包丁を持つ手はゆっくりと下ろされた
優しく重ねられた手によって
電「大丈夫だから」スッ
耳元でゆっくりと囁いたその声に一瞬抵抗する事を忘れた
大丈夫?何が?今のこの状況がどう大丈夫なんだよ!
提督「なーうぐっ!」
その言葉の意味を聞こうとしたらすぐに背後から口を塞がれた
鳳翔「しーー」
提督「っーー!」
やめろ!これ以上何かをしようとしないでくれ!
俺の所為で二人が!
電「・・・・・・」ダッ
静かに走る電ちゃん
開きかけのドアからハッキリと声が聞こえた
天龍「提督!俺は覚悟を決めー」
バタン!!
しかし、それも途中で閉められた事により止まった
電ちゃんが開く途中のドアを閉めたのだ
電「っ!」ドア押さえ
〈あれ?閉まった?おい!どう言うつもりだ!提督開けろ!
提督(電ちゃん・・どうして)
鳳翔「・・・・・」パッ
口を塞がれた手が離された
提督「なんで・・」ボソッ
〈おい!開けろ!押さえてるのか?良いだろう!力比べといくか!
電「っ!!」グッグッ
電ちゃんが力負けをして少しずつドアが開いている
背丈からしても天龍の方が強いのは明白だ
このままだとドアを開けられてしまう
だけど俺はどうすれば良いのか分からない
二人は何をしようとしてるのか
そしてまた少し開いたドアからハッキリと声が聞こえた
天龍「中々やるな!だが俺には勝てー」
バタン!!
しかし、それもまた閉められた
鳳翔「っ!」ドア押さえ
電ちゃんの背後から支えつつドアに手をやる鳳翔さんによって
〈あれ?いきなり強くなった?ふぬぬ!動かない!
提督「二人共・・なんでだよ・・なんで!やめろ!やめてくれ!」
〈やめねえよ!お前に用があるんだからな!
提督「お前に言ってんじゃねえよ!」
〈あ?誰か居るのかよ!
提督「え?」
電、鳳翔「「・・・・・・」」チラッ
二人がこっちを一瞬だけ見た
考えろ!二人は何をしようとしてる!
〈おい!とにかく開けろって!じゃないと!
喋らない二人騒ぐ天龍
〈本気だすぞ・・・・
そうか天龍は気付いていない
此処に鳳翔さんと電ちゃんがいる事を
冷静になれテンパってしまえば簡単な事にも気付かない
深呼吸をしてあるがままを見て自分のするべき事
二人の行動の意味を電ちゃんの言葉の意味を考えろ!
提督「っ!」
そうか!分かったぞ!
二人の行動そして電ちゃんの言葉の意味を
これこそが三人が助かる道だったんだ
分かった今俺のするべき事は!
天龍「うぉおおお!!」艤装展開
電、鳳翔「「っ!」」
電「っ!!」艤装展開
鳳翔「あ、ちょっー」
ゴスッ
衝撃が走った
鳳翔「ゴフッ!」吹っ飛び
提督「ふっ!」サッ
今この瞬間がスローモーションの様に感じた
それ程今のこの状況は一分一秒が重要な瞬間なのだ
する事は分かっている考えながらも身体を動かす
天龍が艤装を展開してドアを開けようとしたが即座に電ちゃんも艤装を展開して対応
しかし、電ちゃんの背後にほぼ密着していた鳳翔さんは電ちゃんの艤装に吹き飛ばされる様に後退
と言うか吹っ飛んだ
当たりそうになったがなんとか避けた
鳳翔「いた・・お腹が・・うぅ・・」
ドアの軋む音が大きく響くこれでも壊れないのは元々此処が艦娘専用の懲罰房だからだろうドアは取れずに頑張っている
でも、ドアは確実に悲鳴をあげている
〈まじかよ!お前これでもやるって言うのかよ!
電「っ!!!」グッグッ
二人の本気の押し合いは駆逐艦の電ちゃんが練度が高いのか天龍相手にほんの僅かな差で抑えていた
しかし、そのほんの僅かな差でも押し負けている。ゆっくりとドアが開いている
二人の姿が見えるのも時間の問題だ
なら、俺が今できる事はなんだ!
痛みで蹲っているが口を押さえて声を出さないようにして痛みと戦い泣いてる鳳翔さんの看病か?
違うだろ!
提督「っ!」腕まくり
唸れ俺の筋肉!!
そしてまたまた少し開いたドアからハッキリと声が聞こえた
天龍「まさか此処までやるとは!だが俺の勝ー」
バタン!!
提督「うぉおおりゃぁああ!」ドア押さえ
電「っ!!!!!」ドア押さえ
〈お前何者だよ!もしかして誰か居るのか!そうなんだろ!
提督「俺一人だ!」
二人の気持ちを無駄にしない為に今を全力で乗り越える事だろ
提督「驚く事はない!なんせ俺は司令官だからな!」
そして二人は俺が守る!
お互いが鉄のドアを挟んでの押し合い合戦状態が続いている
少しでも力を抜こうものなら一瞬で負けてしまう
電は全力でドアを押し、提督は押しつつも今を乗り越える為に考えて口を開く
鳳翔さんはまだ蹲ってる大丈夫だろうか?
目的は此処にいるのは俺一人であって今は入室を諦めてもらう事だ
それが俺達の作戦だ。そしていなくなった隙に逃げる
この鎮守府を出るのは相棒を見つけてだけど
でも、最悪・・諦めて後日如月達に協力してもらってと言うのも考えておこう
出来るなら避けたいが
電「っ!!!!!!」顔真っ赤
鳳翔「ッーーーーっ!!」ポロポロ
提督「頑張ってくれ二人共」ボソッ
天龍「お前何者だ!ただの人間じゃないだろ!」
提督「司令官だって言ってるだろ!大体アポなしで入れると思うなよ!部屋に帰れ!何時だと思ってる!」
天龍「お、おう、すまねぇ・・って!違うだろ!お前にとやかく言われる筋合いはないだろ!捕虜の癖に偉そうに」
そりゃそうだ
天龍「さっさと開けやがれ!」押し
提督「うわぁ!」
やばい押し負ける!
電「っ!!!!!!!!」押し返し
天龍「なんなんだよ!人間がどんな鍛え方したらそうなるんだよ!」
提督「ぐぬぬ!筋肉だよ!全ては筋肉に収束される」
西提督さんの言葉を思い出す
昨日の夜風呂で言ったあの言葉を
西提督『基本筋肉があればなんとかなる!俺はそうやって乗り越えて来た』
西提督『筋肉は』
提督「筋肉は」
提督、西提督『「夢を叶える繊維なんだよ」』
天龍「は?意味分かんねえよ!」
提督「分からなくて良い」
俺もよく分からない
提督「でも、俺の筋肉が証明してるだろ?」
天龍「嘘だろお前ひょろひょろだろうが!」
提督「着痩せするタイプなんだよ!」
天龍「最初に会った時に少し見えたがそんな風には見えなかったぞ!」
提督「それは服に対してだろうが俺の着痩せはな皮膚だ!皮膚に対して着痩せしてんだよ!皮膚を脱いだら凄いぞ!」
天龍「お前自分でもおかしな事言ってんの分かってんのか?」
提督「・・・・・・」
天龍「黙るなよ!」
提督「将来はそうなる予定だから良いんだよ!ムキムキになるぞ!」
天龍「今の話しをしてんだろうが!」
提督「だったら最初からそう言えよ!」
天龍「お前な!はぁ・・とにかく開けろよいきなり斬る真似はしねえから」
提督「・・・・・・」
やばいな時間を稼いでる事しか出来ていない
こうやって時間を稼いでも不利になるのはこっちだ
と言うか既にかなりやばい
電「ひぃーひぃーふぅーひぃーひぃーふぅー」疲労度赤
電ちゃんがそろそろ限界を迎えそうだ
鳳翔「グスッ・・うぇ・・」轟沈
鳳翔さんもやばい
俺も腕が結構やばい
考えろ!どうやったら帰る!どうすれば帰ってくれる!一時間でも良いからどうにか出来ないのか
相手が入って来れない状況を考えろ!
提督「っ・・」
何か!何かないのか!
提督「くっ!駄目だトイレしかない」
此処に一応トイレあるけどカーテンもないからドア開けられたら丸見えでいつ入って来るかを考えると出る物も出ない
提督「・・・・・・・」
一つ閃いたが・・かなりのゴリ押しで常識的に考えると上手くいくかもしれないが、状況的意味の常識では
まず無理だ
ふざけるなの一言で終わる
提督「電ちゃん後少し頑張ってくれ」ボソッ
だけど、もうこれしかない恥も常識も全て知った事か!
二人が限界を迎える前に!
トイレ中だったんでまた後日お願いしますと言えば・・
名付けて、コンコン、入ってますよ〜作戦開始だ!
女子が男子の用を足してる姿なんか見たがる筈はない
提督「俺は今腹が痛くてこれから長い戦いを・・・」
ふとドアを押す力がなくなった
電「っ・・・」バタッ
それと同時に電ちゃんが限界を迎えた
提督「天龍?」
天龍「俺さ・・考えたんだ」
提督「考えたって何を」
天龍「お前に言われた事・・悔しいけど合ってるよ。俺には覚悟はなかった刀を持つ資格なんてなかったんだ・・」
提督「・・・・・・・」
天龍「お前言ったよな?刀を持つなら覚悟を決めろって斬ると決めたら最後までやれって」
天龍「さっきの事だし軽く聞こえるかもしれない・・だけど!俺はその覚悟を持ってきたつもりだ」
天龍「いや、今からその覚悟を本物にする!」
提督「天龍・・・・」
天龍「お前の軍刀を龍田から預かってると言うより頑なだったからこっそり持ち出した」
提督「っ!」
天龍「此処に置いておく・・周りの奴にはお前に手を出すなと言っておいた。鎮守府の外で待ってるから来てくれ」
天龍「決闘だ!提督!」
そう言い残して天龍は去っていった
足音が完全に聞こえなくなったのを確認してドアを開ける
提督「・・・・・」軍刀
覚悟か・・・
提督「おかえり・・相棒」軍刀
電「ふにゅ〜〜」くて〜
提督「ありがとな電ちゃん」ナデナデ
お疲れ様ゆっくり休んでくれ。助けられなくてごめんな
提督「鳳翔さん・・」
でも、せめて
鳳翔「っ・・・・・」ポロポロ
提督「よいしょっと」抱き抱え
これくらいはさせてくれ
鳳翔「っ!」ペシペシペシペシ
提督「いたた、大人しくしてください」
鳳翔「おろ・・せ・・ほっておいてよ!いたた・・さっさと行け」
提督「行くさ鳳翔さんを入渠ドッグに入れてからですけど」
鳳翔「だから!入渠ドッグは使えー」
提督「見てみないと分からないだろ?もし俺の思う通りだったら動かせるかもしれない」
鳳翔「貴方に何が・・何が出来るの・・」ペシペシペシペシペシ
提督「抵抗すればそれだけ時間がかかって俺と鳳翔さんとの時間が増えるだけですよ?俺としてはもう少しくらいなら良いかな?って思ったり思わなかったりですよ?それが嫌なら大人しくしてください多分だけど肋骨は折れてると思う」
鳳翔「折れて・・ないもん・・」
提督「あれだけの衝撃を生身で浴びて無傷なんてあり得ませんあまり我儘言うと怒りますよ?」
提督「それにこのままにしていたら電ちゃんは自分を責めますよ?良いんですか?」
鳳翔「っ・・こんな・・屈辱的です・・好きにすれば良いじゃない・・」
提督「はい、そうします」
懲罰房を出て歩く何人かと目が合うが睨むだけで何もしない
提督「軽いですねちゃんと食べてます?」
鳳翔「・・セクハラです」プイッ
提督「入渠ドッグって何処です?」
鳳翔「・・知りません」プイプイッ
提督「はぁ・・・」
まぁ、懲罰房に連れて行かれる時に見つけたから場所は知ってるんだけど
見たのは入り口だけだけど綺麗だったんだよな使えないって言うのにだ何人か工具を持って出てくる娘もいたし整備はちゃんとやっているのかもしれない
それでも使えないと言うなら・・もしかするかもしれない
鳳翔「・・・・行かないんですか」
提督「え?だから行くよ?場所は分かってますから大丈夫ですよ」
鳳翔「知ってます・・私が聞いてるのは・・天龍さんの・・所です貴方の事だから無視・・なんて出来ないでしょ」
提督「行きませんよ死にたくないですしそれに・・」
提督「あの時は斬る覚悟とか言いましたけど持たない事に越したことはないんですよ。殺す覚悟なんてのはね」
鳳翔「・・甘いですね・・そんな考えは・・いざとなったら・・殺されるだけですね・・」
提督「持たないと駄目な状況なら覚悟を決めますよ・・でも、今は少なくともそんな状況じゃない。彼女は他の娘達よりも純粋で素直だ。だからこそなるべく天龍を人殺しにはしたくないんですよ」
提督「純粋であり素直が故にきっと苦しむ事になると思うから」
こんな事を言ってるが俺が覚悟を決められていないと言うのもある
殺す覚悟を持てたとしてもその先の背負う事が出来るか・・
俺は・・ただ、怖いからそれらしい理由を言って逃げてるだけなんだ・・
言ってる事が本当だとしてもその事実は変わらない
鳳翔「・・・・・・」
鳳翔さんもそれには気付いてる
でも、何故か分からないけど殺す覚悟を持ったその先を知ってる様な気がした
凄く悲しく・・止まない雨を連想させた
でも、同時にそれを包む温かい優しさ感じた
不思議と孤独は感じなかった
提督(しぐれ・・・・)
何だろうこの気持ちは・・しぐれってなんだ?
鳳翔「・・・・・・」
提督「鳳翔さん・・この考えも甘いですか?」
鳳翔「・・甘いです・・それも桁違いにです・・」
提督「そう・・ですか」
鳳翔「っ・・そんな甘さ・・やはり司令官に向いてないですよ・・貴方は・・もっと別の道へ・・例えば・・」
提督「鳳翔さん?鳳翔さん!」
鳳翔「」
まさか!
提督「息はしてる心臓も動いてる眠ったのか?」
提督「はぁ・・死んだのかと思った・・ビックリさせないでくれよ」
鳳翔「すぅーすぅー」..zzzZZ
提督「・・・・・・・」
提督「これで二度目・・か・・きついな・・」
分かってる・・分かってるんだよ・・だけど・・
提督「っ・・・・」ギリッ
俺にはもう他に道なんて・・
提督「ううん・・急ごう」
ー入渠ドッグー
明石「なんで動かないの今日こそは直さないと龍田さんに怒られちゃう・・」カチャカチャ
提督「先客か・・」
しかも明石さんか
勿論おんぼろ鎮守府の明石さんではなく此処の明石さんだろう
どうやら入渠ドッグを直している様だけど駄目みたいだ
声を掛けたら殴られるかな?明石さんすぐ怒るし
と言っても此処でただ見ているだけじゃ駄目だな
提督「少し待っててくださいね」
鳳翔さんを床に寝させてから自然な感じで隣へと行き
提督「どうです?直りそうですか?」
明石「全然駄目ですね悪い所がないのにおかしいです。あ、スパナ取ってくれます?」
提督「はい、どうぞ」
明石「はい、ありがと、って!これはプラスドライバーです」
提督「すいません間違えました」
明石「もう、しっかりしてくださいよ良いですか?スパナはこれですよ」
提督「ふむふむ」
明石「ふむふむって・・工具くらい助手ならちゃんと覚え・・・へ?」チラッ
提督「どうもこんにちわ。えっと、はいスパナ」ニコリ
明石「っ!!に、にににに!」
提督「ににに?また間違えましたか?」
明石「人間だぁああ!ひゃぁああ!」ダッ
提督「あ・・逃げちゃった」
交流を持てば良い感じにいけると思ったんだけど失敗だった
駄目だったら殴られると思ったけど此処の明石さんは怖がりなのかな?
俺の笑顔怖かったかな?少し傷ついた・・
明石「ひぐっ!」ズテン
あ、顔面から転けた
提督「大丈夫ですか?」手を差し伸べ
明石「ひ、ひぃい!お、お願い、な、なんでもしますから」
提督「そんなに怖がらなくても何もしまー」
明石「食べないでください!私美味しくないですから!」
提督「いや、食べませんから・・ほら、立ってください」手を握る
明石「ぴっ!!」
提督「ぴっ?」
明石「ぴぃいいいいいいい!やぁあああああああ!」ブクブク
提督「うわっ、うるさ」耳塞ぎ
明石「」ビクッビクッ
提督「・・・・・・・」
明石さん・・・・
俺の知ってる明石さんとあまりに違い過ぎて見てるのが辛い
うん、もうほっておこう俺は何も見てー
ジョロロロロ
提督「ん?床が濡れ・・・まじか」
どうすれば良いんだよ・・
提督「なぁ、起きてくれよ後処理は自分で頼みますよ」ユサユサ
明石「うぅ・・はっ!」ビクッ
あ、起きてくれた
明石「あ・・・・濡れて」
提督「その、なんだ、俺も偶に漏らす事もあったし?気にしない方がいいよ?」
明石さんに睨まれて数回漏らしてるしな
あれ?て事は別に俺は悪くないのでは?
いやいや、この人は別の明石だから
明石「た、た、たたた!」
提督「はぁ・・」耳塞ぎ
明石「性的に食べられちゃったぁあああ!!」ダッ
提督「掃除して行けよ・・はぁ・・」
「「「・・・・・」」」チラッ
声を聞きつけて何人か覗いてるな。比例的に恨みより好奇心が強そうな娘達だ
そうだ仲間の失態は仲間にとってもらおう
提督「あ、丁度良かったこれを掃除してー」
「「「っ!」」」ダッ
提督「はぁ・・俺がしますよ・・」
とりあえずそこにあったウエスで拭いておいた
提督「なんで俺がこんな事を・・」拭き拭き
鳳翔「すぅーすぅー・・うぅ・・」..zzzZZ
提督「はぁ・・・・確認だ」
無駄な時間をかけてしまったがあの明石ちゃんの腕がポンコツでなければ恐らく思う通りであると思うが
掃除もされてるし見た感じ壊れてる様にも見えない
ボタンを押してみるが反応はなし
だけどタイマーは動くエラーと出るがこれはお湯が入っていないのに加えて艦娘が入っていないからで壊れているわけじゃない
簡単だけど監査の時に不知火に教えてもらった馬鹿でも出来る軽い点検をしてみる
ポンコツ明石ちゃんが置いて行った工具を手に取り
提督「えっと・・」カチャカチャ
入渠に使うお湯が出ない以外は全部正常だ
ポンコツ明石ちゃんの悪い所がないってのは本当の様だ
やったなポンコツではないかもしれないぞ?
あれかな?工作艦明石は腕は確かだけど性格があれな感じなのがデフォなのだろうか?
本人に言ったら確実に殺されそうだから言わないけど
提督「こうなるとやっぱりロックされてるのか」
入渠ドッグも工廠も基本は司令官が管理するものであり艦娘達が勝手に使う事を阻止する為にロック機能がある
これは司令官である人が意図的にかける事が出来て艦娘達は知らない事が多い
それと自動ロック機能があり司令官による更新操作が数日間ないと自動的にロックされてしまう
だけど自動ロック機能はオフにする事も出来るので大抵の司令官達はオフにしている更新が面倒だからだ
俺の所もオフにしている
そしてロックされると艦娘達だけでは使えない
此処は元鎮守府であり野良艦娘しか居らず司令官である人間は一人もいなかった
故に自動的にロックが掛かってしまった可能性があるがオフにしている可能性が高い
提督「誰かが意図的にロックを掛けたか」
これが一番可能性が高い
意図的にロックを掛けたなら暗所番号が設定されている筈だ
操作盤に手を置き自分の司令官ナンバーを入力する
これは自分が司令官である事を証明する大事なナンバーだ階級は無くなったけどこれは無くならない
通帳のナンバーと同じくらいには大事だ
自動ロックならこれで使える様に出来る筈だ
提督「出たか・・」
《暗証番号を入力してください》
誰かがロックを掛けたんだ
10桁の暗証番号を入力するのは適当ではまず無理だろう
提督「う〜〜ん」チラッ
鳳翔「・・孤児院とか・・良いかも・・・」..zzzZZ
提督「鳳翔さんなら子供達に大人気ですよ」
やっぱりほっておけないよな
また、鳳翔さんに甘いって怒られるな・・
提督「いや、やってやる!」
とにかく番号を押しまくる!
???「そこから離れなさい」シャキン
提督「っ・・・・」
背中に感じたのは龍田さんの薙刀だった
まさか、龍田さんに見つかったのか
いや、違うこの声は・・
ゆっくりと振り返るそこに居たのは此処に居る筈のない
刃を向ける筈なんて絶対にない
会いたかった俺の大事な大事な
提督「如月・・なのか」
如月「提督それは解いては使える様にしては駄目なの」薙刀
仲間だった
如月「・・・・・・・」
ーおんぼろ鎮守府ー
時間は少し遡り研修6日目の早朝
如月「・・・・・・」
時計の音が聞こえる
秒針がカチカチと安定したリズムでただ聞こえてくる
数えた羊は多過ぎて忘れた
と言うか途中から提督を数えていた
提督が一人、二人、三人、四人目は?何処かな?ふふ
ますます眠れない
そろそろ時計が安定したリズムをやめてジリリと鳴る頃だ
ギリギリまでは目を瞑って身体を休めようと頑張る
目を瞑って横になるだけでも半分以上の疲れは取れるので何が何でも時計が鳴るまで目を開けない
如月「提督・・・・」
あの日提督が西鎮守府で倒れた時から気になってあまり眠れていない
本当ならあの時に連れて帰りたかった
でも、それは出来なかった・・研修生の前でそれをすれば提督の正体がばれてしまい研修は失敗に終わってしまうからだ
それを提督が一番望んでいないと分かるから・・出来なかった
ううん、それだけじゃない・・私は・・
ジリリリリリリ!!
如月「っ!」
目覚まし時計が鳴る
瞬時に脳天チョップをお見舞いする
着替えやボサボサの髪などを適当に整えて準備をして急いで朝礼へと向かう
提督がいないので髪も適当にする
提督がいないおんぼろ鎮守府の初日は酷いものだった
起床のチャイムが鳴り朝礼があると元帥から聞かされていたのでおんぼろ鎮守府の面々は提督の面子を守る為に明石や夕張も連れて早目に朝礼へと向かったけど・・
大本営艦娘達『『『・・・・・』』』ギロッ
如月『あれ?』
電『みんな早いのです』
不知火『と言うよりもう始まってるようです』
まるゆ『これは・・やられましたね』
鳳翔『どう言う事まるゆちゃん』
明石『歓迎会だろ』イライラ
夕張『元帥の考えそうな事』イライラ
間宮『はは・・・皆さん目が怖いですよ』
元帥『おんぼろ鎮守府の奴等は随分とゆっくりなのだな!もう終わってしまうところだぞ?』
元帥『提督がどれだけ怠慢だったかが分かるな皆はこうはなるなよ』
大本営艦娘達『『『はい!』』』
如月『・・・・・』イラッ
あの後予定を大淀さんがこっそり教えてくれたから良かったけど
少しイラッときた
如月『禿げろ』ボソッ
大淀『残念ながらもう禿げています』
彼女は地獄耳の様です
そう言う事があり次は一番に着いて逆に同じ事を言い返してやろうと思い
起床チャイム一時間前に起きてみんなを起こして向かったら
大本営艦娘達『『『・・・・・』』』待機
元帥『お前達は相変わらず遅い到着だな』
如月『・・・・・・』イラッイラッ
電『狂ってやがる・・』
まるゆ『いえ、プロです!』
不知火『ぬい・・』..zzzZZ
鳳翔『不知火ちゃん立ったまま寝てる・・』
歳をとると朝が早いと言うけど、それに付き合わされる艦娘達が可哀想に思えた
ここまで来るとなんか早く起きて来た自分が馬鹿みたいに思う
大本営の艦娘達に張り合おうとしたのが間違いだった
でも、それでもやっぱりムカつく
如月『禿げろ!』
大淀『ですからもう禿げてます』
ちなみに次の日更に一時間前に一人でこっそりと様子を見に行ったら
大本営艦娘達『『『・・・・・』』』待機
元帥『・・・・・・・』
如月『うそ・・暇なの?』コッソリ
元帥『ふふ、早く来い』
如月『・・・・・・』イラッイラッイラッ
あ、これわざとだ・・わざとやっていたんだ
年寄りの遊びに付き合わされていたんだ
如月『禿げろ!禿げろ』ドスッドスッ
大淀『ですから禿げていると!顎引いて!前に出すぎ!次の手を考えて打ちなさい!』ミット持ち
そして次の日から朝礼開始の三十分前に行く様にした
そして今日も三十分前に起きて朝礼へと向かった
内容の薄い話しを仕方なく聞く
元帥「以上が今日の予定だ朝礼を終わる解散!」
如月「あれ?私達は?」
鳳翔「今日は何もないのですかね?」
電「ひゃっはー!・・なのです」
明石「本当意味あるの?この朝礼」
夕張「作業止めてまで行く価値はないですよね〜」
何時もなら大本営の艦娘達の的になれとか嫌味な事を言いつつもちゃんとした訓練の予定を入れられているのに
お前らの訓練など必要ないと言いつつも確実に大本営の艦娘達が私達をレベルに合わせて訓練してくれている
凄くキツイけど・・
元帥はちょっとくらい素直になれば良いと思うけど・・
今日は休みなのかな?なら提督の様子でもこっそりと見に
まるゆ「元帥さんまるゆ達は休みですか?」
電「余計な事を言うな!・・なのです」
如月「・・・・はぁ」
真面目なのも考えものね不知火を見習って欲しいわ
不知火「提督・・むにゅ〜」..zzzZZ
鳳翔「不知火ちゃん終わりましたよ」
提督がいないと全くダメな不知火略してマダヌイになってしまっている
元帥「おっと、余りにどうでも良い事で忘れていたがおんぼろ鎮守府のお前達に話す事があるが私の執務室にたくさん来られても困るしな」
元帥「如月、確かお前がおんぼろ鎮守府代表だったな朝食とエサやりが終わったら執務室へ来なさい」
如月「はい、元帥一つ良いですか?」
元帥「なんだ」
如月「そこは提督の執務室ですから貴方のではありませんよ?」ニコリ
元帥「そんなのは知らんな」
如月「訂正してくださいね」
元帥「知らんと言っているだろ!」
如月「訂正しろ」ギロッ
大和「如月、元帥なんて口を!」ギロッ
如月「これだけは譲れませんから」
大和「ちっ、あんたね!」
武蔵「如月、少し度が過ぎるんじゃないか?」ギロッ
如月「ふふ」ギロッ
明石「はぁ・・・・・」テクテク
夕張「え?ちょっと!明石」
明石「はい、止まってね」
武蔵「むっ、明石そこを退いてもらおうか」
明石「まぁ落ち着けよ脳筋さん戦艦が駆逐艦に本気になりなさんな」
武蔵「私はあいつをそれなりに認めているからな。それに元帥へのあの態度は許せないからな元帥が言わないから見逃していたが」
明石「見逃して?それで?」
武蔵「いい加減に少し教えてやらないとな自分の立場をな」
明石「へぇ〜なら私から教えてくださいよ。あの禿げへの態度って奴を」
武蔵「ほう・・・・」ギロッ
明石「なに?やんの?」ギロッ
如月「明石さん私の事は」
明石「如月それだけじゃないから黙っててちょっと個人的にこいつらにはイラついていたから」
如月「明石さん・・」
大和「あんた自分の立場分かってるわけ?」
明石「あ?居たの気がつかなかった」
大和「なんですって!上等よ!今度こそ決着をつけてやる!」
明石「来いよ!こっちは大本営の無駄な仕事の所為でイライラしてたんだよ!挙げ句の果てに修理中の駆逐漢に勝手に乗った奴らもいるし!な!大和型!」
大和「ちょっとくらい良いじゃない気になったんだし・・壊したわけじゃないしケチケチしないでよ!」←駆逐漢に勝手に乗った奴その1
夕張「まぁ、あれはちょっとイラッてきたけども・・一応うちの秘密兵器なわけだし」
武蔵「それは大和が悪いな」
夕張「あれ?おかしいな?武蔵さんも居たんだけどな?」
武蔵「そうだったか?」←その2
夕張「あ、誤魔化しちゃうんだ日本を誇る大和型の戦艦なのに」
武蔵「むむ・・」
明石「二人ともベタベタ触りやがって戦艦臭くてかなわないんだよ!」
大和「戦艦臭いってなによそれ!」
武蔵「・・・・すまない風呂は毎日入っていたのだが」
明石「うるさいなデカイだけの戦艦が」ボソッ
大和「ちょっ!こらぁああ!!」
夕張「いやいや明石待って!大本営にしかも大和さんに喧嘩売るのはやばいって!」アセアセ
武蔵「因縁か・・仕方ない大和に譲ってやるか、なら私の相手はお前か?夕張」
夕張「へ?」
武蔵「まだ私に言い足りない事があるのだろ?難しい事は置いて拳で語ろう」
夕張「いやいやいやないですから!もしかして怒ったんですか!土下座するんで許してください!」
電「ふっ!大本営の犬が相手してやるのです!部屋にクーラーが付いてるからって調子に乗るな!・・なのです!」キラッ
大淀「・・・・・はい?」
まるゆ「隊長の場所を守る!」
卯月「え?やるの!殺るピョン!」
由良「眠い・・・」
不知火「ぬい・・・」
鳳翔「どうしましょうか・・」
まさに一触即発状態
元帥「やめんか!どちらもやめろ!」
元帥「さっきの発言は取り消す!如月は後で提督の執務室に来る様にこれで良いか!」
如月「はい、分かりました」
武蔵「むっ・・残念だ」
夕張「ほっ・・」土下座
大和「ちっ!」
明石「命拾いしたなDQN戦艦」
大和「あんたがね!元!工作艦(笑)」
明石「あ?なに?やんのか?」
大和「やってやるわよ!表出なさいよ!」
武蔵「大和行くぞ止めろと言われただろ」グイッ
大和「ぐぇ!」
夕張「本当やめて!鎮守府なくなるから!」グイッ
明石「うげぇ!」
まるゆ「守れましたよ隊長」
電「クーラー・・欲しいのです・・」
大淀「予算オーバーです。うちわで我慢してください」
由良「みんな元気だね〜」
不知火「ふわぁ〜・・眠い」
鳳翔「退屈はしませんね」
如月「・・・・・・・」
朝礼(危うく演習(ガチ)になりかけていた)を終えて食堂へ向かう
食堂では大本営の艦娘達がいるので人数は多いけど皆が食べる事に集中していて会話は殆どなく
キッチンから大本営の間宮さんとうちのおんぼろ鎮守府の間宮さんの会話が聞こえてくる程だった
大本営間宮「なにこの生のカボチャは!」
間宮「提督の大好物ですけど?何か?」
大本営間宮「調理をしなさい!」
間宮「嫌ですけど何か!」
大本営間宮「大体提督は今いないでしょ!」
間宮「いつ帰って来ても良い様にしているんです!」
大本営間宮「嫌がらせなんですか!」
如月「・・・・・・・」
私は余りこの空気は好かない
食事はみんなで楽しく喋りながら賑やかに取るから良いのにこれではお腹が空いていても喉を通らない
でも、だからと言って
卯月「あ!お姉ちゃん!こっち!こっち!こっちで一緒に食べるピョン!」ピョンピョン
如月「また今度ね」
卯月「がーーーーん!今日も言われた!いい加減今度がいつなのかもう分からないよーー」
うるさ過ぎるのも嫌
卯月が嫌いなわけではないのだけど・・・朝はね
それに卯月は自分のを食べずに人のばかり取るし
ちなみに大本営の娘達は取ろうとすると箸が刺さる
何処とは言わないけど
如月「・・・・・・」キョロキョロ
いないと分かっていても提督を探してしまう
提督と一緒に食べていた頃が懐かしいわ・・
あの子箸の持ち方が少し変なのよね
そこが可愛いけど
それに引き換え大本営の娘達には隙がないわ・・(一部を除いて)
食事の時くらい肩の力を抜けば良いのに
だからなんでしょうけど此処は息がつまる同じ場所の筈なのに・・
だから今日は元帥に言われたエサやりと朝食を一緒にするのだ
如月「間宮さん朝食を二食分お願いします」
大本営間宮「ちょっと待ってくださいね」
間宮「あ、余計な事しなくて良いですよ。うちの娘達はうちの味があるんで向こうへ行っててくださいね。しっしっ」
大本営間宮「・・・・・・」ムカッ
如月「はは・・二人とも仲良くして欲しいわね」
間宮「譲れないものってあるんですよ分かりますよね」
如月「勿論」
それに関しては同感よ
大本営間宮「・・なによ・・グスッ・・もう知らない」
大本営艦娘達「「「間宮さん(鬼神)を泣かした・・だと」」」
間宮さんから朝食を受け取り懲罰房へと向かう
彼に会うために
懲罰房の前で見張りをしてる娘に挨拶をしてから毎回言われる注意事項を聞き流してから入る
大本営の娘達は融通が利かない娘ばかりで相手にするのも大変
毒味なんてしなくても・・なんか微妙な顔してたけどデザートに手をつけなかったのは褒めてあげるわ
ガチャ
如月「お待たせ」
青年「如月さん・・・・」
彼は私と電が西鎮守府へ行っている間におんぼろ鎮守府へ無断に侵入し捕まった
確か年齢は提督と同じで18歳だったと思う
町外れにある孤児院に住んでいて電と叢雲を無理矢理此処へ連れて来たと勘違いして毎回毎回朝早くから二人を解放する様に抗議運動をしていた
最近見なくなったと思ったら侵入する為の準備でもしていた様だった
最初こそは捕まっていても聞く耳を持たずに反抗的な態度で何も話さなかった
でも、彼の身柄の権利をおんぼろ鎮守府側から大本営側に変えた瞬間
どんな会話がされたのか何をされたのかは分からないけど最初とは全く別人の様に大人しくなった
それから改めて許可を貰ってから電が事の経緯を説明してからやっと理解してくれた
電は自分から望んで戦う事を選んだ
そして叢雲はもう此処にいない
あれから行方不明という事になっている
彼は電を信じてやれなかった事に自分のやった事の本当の意味に気付き
意気消沈してしまっている
守ろうとしてやった事が何の意味もなく逆に電を悲しませる事になってしまった
そして孤児院を危険に晒してしまった
彼は酷く後悔して自分を責め出して自虐行為にも走り出したにも関わらず問答無用な大本営にこのままでは彼が壊れてしまうと危惧をしておんぼろ鎮守府側はこれを批難
第一次おんぼろ鎮守府内抗争勃発
話し合いの末おんぼろ鎮守府側が勝利
彼の身柄の権利は一時的におんぼろ鎮守府へと戻った
馬鹿だとは分かっている・・だって結局は壊してしまうのに・・・
でも、彼は・・・提督と・・
如月「聞いたわよ全然ご飯食べないんだってダメよ食べないと」
青年「食欲がないんです・・・・それに俺なんか・・」
元帥が何か言ったのは確かだけど立場的にはこうするしかないとは言え傷付けるだけ付けて放置は酷いと思う
まぁ、請け負ったのは私だから口には出さないけど
如月「そんな事言わないのよ。ほら、一緒に食べましょ」
如月「最近は堅苦しい所で食べてたから味なんて感じる余裕もなかったのよ?それに比べれば此処の方が何倍もマシよ。ほら、美味しそうな塩鯖よ」
青年「如月さん・・・・」
如月「うん、美味しい」パクッ
あれ?甘い・・・・砂糖?
如月「ゴホン、このお野菜は新鮮でシャキッとして美味しいわ」パクリ
芯が・・・・後なんか土臭い・・新鮮過ぎるわ
如月「ゴホン!やっぱり朝は味噌汁よね」ズズー
あれ?何か歯に・・袋の破片?レトルト!
如月「デザートいきましょ!デザートが一番・・・」カボチャの姿置き
青年「生のカボチャ・・・・」
如月「カ、カボチャのアイスかしら?カボチャをそのまま容器に使うなんて洒落ていて良いじゃない」
如月「きっと上の部分が蓋で、あれ?違う?なら何処から食べれば?」
もしかしてこれは生のカボチャ!いえ!そんな事は
如月「そ、そのまま食べるのかも!モナカみたいにって・・えっと・・頂きます」ガジガジ
青年「あ・・・」
如月「硬い・・これは食べられないわ」
なんて事・・あれ程間宮さんに一人で調理をさせないでと大本営の間宮さんに言ったのに
まさか嫌がらせ?良い性格してるわ
鳳翔さんに頼むべきだったわ
青年「・・・・・・」
折角食事で元気を出してもらおうとしたのにこれじゃあ・・余計に
ううん、変わりを持って来れば!何なら私がこのカボチャで一から作って!
如月「ちょ、ちょっと待っててねこれは食べられないサンプルだったから新しいのを持っー」
青年「待って!」ガシッ
如月「っ!」
ガシャーーン
〈何が起きたの!
如月「何でもないから!ちょっと食器を落としてしまっただけよ」
〈本当?拭くものを持って来ようか?
如月「大丈夫よ音の割にそんなに落ちてないから」
〈なら良いけど・・落ちても三秒以内なら大丈夫だよ
如月「えぇ、良い情報ありがと」
危なかった入って来られていたら彼がもっと危うい事になっていた
何故なら
青年「如月さん」押し倒し
如月「・・・・・・」押し倒され
どう見ても襲われている様にしか見えないわ
でも、彼がそんな事をしようとしてるなんてのは思ってもいない
だから、きゃーなんて叫んだり照れたりもしない
掴まれた手が震えている
青年「如月さん・・すみません。でも、怖くて・・少しで良いですから側にいてください」
如月「この後用事があるから少しだけよ?手が痛いからそろそろ離してもらえる?」
青年「あ・・押し倒したりしてすみませんでした」パッ
如月「大丈夫よ。次からは優しく止めてね?」
青年「はい・・次があるなら・・」
如月「・・・・・・」
青年「あの・・俺はいつまでこのままなんですか」
如月「大丈夫よ・・きっと」
青年「もう良いんですよ・・このまま何もなしに終わろうだなんて思ってませんよ。俺はいつ・・いつ・・・」
青年「うぅ・・・死刑になるんですか」ポロポロ
如月「・・・・・・」
彼は海軍の人間を殺そうと動いた
それは紛う事無き反逆罪でしかも知らなかったとは言え相手が元帥であればそれは一番大きな罪になってしまう
それは死刑よりも上で残酷な形
人権など全てを剥奪された上での死刑
人権がないという事はどんな事をされても文句も言えない
例えばモルモットと同じ様に実験に使われ薬漬けにされたり
海に投げ出され囮に使われたりもある
つまり普通の死刑と違い彼は楽に死ねずに後悔と苦痛やそれ以上の苦を感じて死ぬ事が決まっている
彼は死の恐怖を超えて怯えていたのだ
勿論この事を知ってるのは私を含めて少数だけで電は知らない
教えないつもりでいる。それは青年の願いでもあるから
如月「青年・・私を見て」スッ
青年「っ・・・・」
提督を殺そうとしていたと聞いた時には許さないと思っていた
でも、それは助ける為だった
彼は電や叢雲を助ける為に勇気を出して乗り込んだ
後の事なんて考えずに海軍に喧嘩を売った
私に彼を責める事は出来ない
だって彼はただ必死に大切な存在を場所を守ろうとしていただけなんだから
そう、提督と同じ様に
違いがあるならそれはタイミングだったのかもしれない
もし、提督と対峙していたなら彼はこうはならずに済んだのかもしれない
お互いが友達になれたかもしれなかった
如月「大丈夫だから・・ね?」ナデナデ
青年「っ!」
でも、もう遅い・・
動いた針は例え一秒前だろうと戻る事はない
もう彼は私では助ける事は出来ない
艦娘である私が人間である司令官達の決めたルールを曲げる事は出来ないし曲げる様に言う事も許されない
例え今おんぼろ鎮守府代表と言う肩書きがあろうともそれは艦娘達の中であって人間の決定には相手が折れてくれるかしないと何も出来ない
仮に出来たとしてもそれは強引な手になる
下手をすればおんぼろ鎮守府そのものがなくなってしまう
今の私はその可能性も背負っている
なくなってしまえば提督の帰ってくる場所がなくなってしまう
そうなったらまた私の手から離れてしまう
彼には悪いと思うけど綺麗事だけではどうにもならない
おんぼろ鎮守府と彼なら私は迷わずおんぼろ鎮守府を取る
こうして世話を引き受けているのは私の弱さの所為
罪悪感を少しでも消したいって言う私の弱さ
如月「貴方は正しい事をしたのよ」
青年「違う!俺は電を信じてやれずに勝手に勘違いして・・笑顔を取り戻す為に動いたのに結果的に電を悲しませた・・」
青年「大本営の人達から守ってくれた時に前に立ってくれた電は俺の知ってるいつも何かに怯えてる電じゃなかった・・」
青年「大きく感じたんだ電の背中が・・そしたら電の言ってた事は本当なんだって気付いて・・」
青年「俺は電の大切な場所を壊そうとしたんだ!」
如月「違う!守ろうとしていたその気持ちは変わらない!結果論なんかじゃない!貴方はー」
青年「俺は・・電の居場所を壊そうとして叢雲姉ちゃんも見つけられずに・・俺はなに一つ出来てない!守れてもいないんだよ!」
如月「そんな事ない!少なくとも叢雲の件は・・悪くない!貴方は悪くないの!」
青年「叢雲姉ちゃんは俺達に愛想をつかせて居なくなって・・いや、俺が嫌いになって!俺さえ居なければ!全てがー」
如月「いい加減にして!!」バシン
青年「っ!」
如月「馬鹿!」ギュッ
如月「もう良いでしょ!自分を責めないでもう充分苦しんだでしょ!」
如月「諦めないで・・貴方は悪くないの」ポロポロ
青年「う、うわぁああああん!」ポロポロ
如月「・・もう許してあげてね」ナデナデ
まだ、正式には死刑とは言われていない
もしかしたらもあるかもしれない
でも、それに縋るには余りにも小さ過ぎる
でも、このまま彼を見捨ててしまえば私は・・
だから、約束するわ
もし、貴方の死刑が決まった時には苦しませはしない
如月「私が殺してあげるから」ボソッ
痛みも感じない程に一瞬で
そう誰にも聞こえない様に呟いたのだった
如月「ごめんね・・これしか私には」ギュッ
力強く青年を抱きしめ如月は何度も謝った
そして、数分後如月は執務室へと向かうのだった
如月「・・・・これは私なの?それとも・・私って・・一体」
その目には微かな曇りを残して
【帰るべき鎮守府と裏と表を行く提督】
終
次回【帰るべき鎮守府と変わり行く提督】に続く
第8章も無事終われました!皆さんの応援のお陰です!本当にありがとうございます!
第9章もよろしくお願いしますね!
元艦娘社会人適正面接のリクエストやその他のリクエストも募集しています。やるかは分かりませんが書いてくれるとなんか閃くかも
コメントなどくれると凄く喜びます!批判コメをくれると凄く落ち込ます
かなり落ちこみます!!
今回で西鎮守府編が終えられたら良かったのにな〜
新章お疲れ様です。
はよ、まってるぞおい
新章お疲れ様です!続きに期待!
ところでポテ神提督殿、貴殿はValentinedayにチョコを貰いましたかな?
俺は貰ってない....最悪だ!
更に話が変わりますが劇場版艦これ4DX公開と同時に冬イベが始まりましたな!伊13ちゃんや伊14ちゃん、宝塚歌劇dゲフンゲフン松風ちゃん等をゲットすることができましたかな?
俺は松風ちゃんが来ました!天然タラシすぎるだろ...あれ...(歓喜)
何はともあれ、続きに期待しています!
第8章のスタートおめでとうございます!
もうサザエさん並にご長寿SSですね!凄いです!
もうすっかりこのシリーズにハマってしまってこの間友人に勧めてみました!結果どハマりさせてしまいました…
今後とも応援させて頂きます!頑張ってください!
ポテ神さんはバレンタイン貰いましたか…?
自分は夢の中で艦娘たちに山ほど貰いました。リアルでは野郎4人にチョコ買ってやりました。ポテ神さんもたべりゅ?
やべえよ...めっちゃおもろいやん...
1番さん!
ありがとうごさいます!新章もよろしくお願いします
2番さん!
おう、待っとれや(過度な期待はしないでね)
3番さん!
チョコ?貰えるわけないだろうが・・高校生の頃に一つ貰ったのがさいごだよ!!てが、気付いたらその日終わってたよ!
劇場版は見ようと思ったら終わっていたのでチャンスですね!
そしてイベントは残念ながら最近リアルで色々あったので出来ていません
松風か・・天然タラシだと!俺好みだが・・もう間に合わないかな
そしてそして!オススメありがとうごさいます!今回も頑張りますね!
ゼロシステムさん!
オススメありがとうごさいます!筆頭とは言い過ぎです(歓喜)
サザエさんってもう40年くらいですよね?大袈裟過ぎますぜ!
友人にもこれらかもよろしくお願いしますとコメなどくれると凄く喜びますぜとお伝えください!
そしてバレンタインはね?聞いたらダメだよ!
ゼロですよ!ゼロ!!
煽りやがって!たべりゅ?てか?
たべりゅぅうううううう!!
5番さん!
やべぇよ・・コメめっちゃうれしいやん・・
1~7章まで全て拝見させていただき、自らの力として吸収しようとしております(主に文章力(笑))
8章も楽しみにしてます!
MAVISさん!
こんなくそSSで良かったらどんどん参考にしちゃってくださいね!吸収して完全体にでもなっちゃってください!
8章も頑張るので良かったらまたコメントくださいね!
新章待ってたでごさる!
今年はお金が飛んでく年になりそうで怖いですw
そしてバレンタイン…自分で作りましたよハハッ(白目)
続き待ってるでござる!
更新お疲れ様です!
メガネ…カッコ良さがプラスされて輝いてやがる!メガネが光を反射してるだけかもしれないですが…
案外博識なメガネ、カッコイイなぁ。
お姫様抱っこに対する執念は一体何なのでしょうね?
北上さんも普段の必死になったらあんな風に叫ぶんですねぇ…
北上、大井ペアだと自分は大井っち派ですが、ポテ神さんはどっち派なんでしょうか?
これからも頑張ってください!応援してます!
自分も北上さんをお姫様抱っこしたい!!(切実)
更新お疲れ様です!
西提督つおい(確信)
石を何発も喰らって立っていられるとは....
ついに北上様登場か!
これからの展開に期待しています!
これからも頑張って下さい!
おい金髪、そこ変われ(切実)
ノーネーム氏!
コメント待っていたでござるよ!
お金は必要なのに手元にない・・飛んでく金がないのでござるよ!!
そしてバレンタインの話しはなしでお願いします!!
そんなお菓子会社の策略など知らん!
ゼロシステムさん!
メガネキャラはかっこいいと相場が決まっているのですよ!
お姫様だっこって憧れますよね?勿論する側ですよ?
北上さんの口調がイマイチ掴めず少し違和感があるかもしれませんが気にしないでくださいね!
そして俺は断然大井派です
ツンがデレる瞬間が大好きです
12番さん!
西提督さんの様になれる様に自分も筋トレ中です!でも、石は投げないでね
北上様がこれからどう提督達と関わるか微妙な雰囲気で待っててくださいね
金髪「あ、うん・・別に良いけど、煩いぞ?」
面白すぎて寝れねえ
14番さん!
寝てください!嬉しいですけど寝てください!!
次も寝て待っててくださいよ!
更新お疲れ様です!
北上(バイブレーション搭載)あれ...?艦娘ってバイブレーション搭載出来たっけ?アレレーオッカシーナー?冬イベの報酬かな─(すっとぼけ)
メガネ.........まさかお前.......少し危ない領域に入ったんじゃないだろうな......?
今回も面白く読ませて頂きました!次はかなり危険回になりそうですね…
期待しています!
更新お疲れ様です!
北上さんってバイブ機能あったんですね、知らなかった(白目)
案外北上って脳内ピンクなんでしょうか…
メガネがいつの間にかハイスペックメガネに進化してますね。羨ましい…
次の更新も楽しみにしてます!頑張ってください!
ちなみに自分の携帯は1回も震えたことがありません。
連絡してくる人がいないからですね!(白目)
更新お疲れ様です!
西提督さんの筋肉はどうなってるんですかね…そして提督さんとどんな夢を見てるんですかね(震え声)
そして北上さんにツンツンだよツンツン!ツンツンされたい人生だった…
そして大井っちは提督さんのことgピチューん
16番さん!
え?艦娘は基本バイブレーションは付いてますよ?当たり前の事ですよ!貴方の嫁艦もブルブルなりますよ基本スペックですから
メガネは・・そうですね・・・ノーコメントとさせていただきます
ゼロシステムさん!
ブルブル震える娘を抱きしめてあげたいと思うのは俺だけじゃないはず!
この北上さんは妄想癖が強い娘です!
メガネはこれからも進化しますぜ!眼鏡が
ちなみに俺の携帯も鳴りませんよ・・きっと解約してんだよ!うん!絶対そう!
18番さん!
西提督さんは筋肉に人格を付けた存在だと思います!筋肉です!
夢に関しては西提督さんだけが知る事ですぜ
次回提督もツンツンされますぜ!
お楽しみに!
たしか、北上サマの馬力は九万馬力のはずじゃ…
九万馬力の力で投げられる石を食らっても何とも無いとか…
西提督さん…あんた本当に人間なのか?
春雨麻婆豆腐さん!
なんか久しぶりな感じがしますよ!飽きずにコメありがとうございます!
北上様は艤装がほぼない状態で半分以上の力はなくなっています
それでも普通の人間なら死にます・・しかし!西提督さんには筋肉がある!筋肉の力は無限大なのです!
え?分からない?なら!これを読め!
【筋トレが最強のソリューションである マッチョ社長が教える究極の悩み解決法】
中々面白い事を書いていますよ(基本筋肉で解決のごり押し主義だけど)
また、コメントくださいね!
筋肉言語がわかるのって西提督以外居ないような・・・
あっ、元帥ならわかりそう・・・
こっぺさん!
お久しぶりな感じがしますぞ!!
全くコメがなかったので心配でしたよ!
筋肉言語?鍛えれば分かる!俺も最近筋トレを始めて少し分かる様になったぞ!
こっぺさんも筋トレをしよう!
そしてオススメありがとうございます!
文章はその人の人生、性格、考え方など色々な経験が作用して生まれます。言わば個性です。こっぺさんはこっぺさんの文章を目指してください。参考にするのは良いですが、多分真似すると変になりますよ!
お互い頑張りましょう!
Tankさん!
オススメありがとうございます!
これからも読んでもらえる様に頑張るので応援よろしくお願いしますね!
良かったら感想などコメくださいね。参考にしますから
更新お疲れ様です!
おお.......シリアスな展開に.....全く!海軍の上層部の馬鹿共は一体どういう神経しているんですかね!心が痛みます...(このssを見ながら我が鎮守府の艦娘達に「俺ってブラックじゃないよな?(汗)」と聞いたなんて口が裂けても言えない.....)相変わらずの素晴らしい文章力なんですが少し指摘を....龍田さんの持ち物は槍ではなく薙刀ではないでしょうか?間違ってたらすいません....最後に龍田さんが見せた意味有りげな笑顔は....謎が解けるのが楽しみです!
更新期待してます!
追記:Happy birthday!天龍!(3月11日は軽巡洋艦 天龍の進水日)
と共に東日本大震災で亡くなられた沢山の方々の冥福を心から祈ります。
黙祷!
24、25番さん!
ご指摘ありがとうございます!確認しましたら槍ではないですね・・なので薙刀に訂正させてもらいました!本当にありがとうございます!
本当はかなり鬱な展開を考えていましたが、収集がつかなくなったので最初から書き直しました
おかげで時間が掛かりましたが・・ちなみにうちは最近殆どログインしていないので毎日が休日です!ブラックではないですぞ!ふははは!
天龍の進水日と東日本大震災が同じ日だとは知りませんでした
今も爪痕は残っていますが亡くなった方にはご冥福を祈り、生き残った方にはその方の分も強く生きて欲しいおもいます
黙祷・・
かなり暗い展開に…でも、ここから明るくなるんだよね?
明るくなるんだよね!?
更新お疲れ様です
提督毎回凄いな〜自分なら逃げる選択をしたかも知れないし
龍田は元鎮守府の提督の秘書艦だったのかな?…わからぬ!
更新お疲れ様です!
今回は龍田にツンツンですか…されたい!とてもされたい!
白露からもされたいです(切実)
提督、精神力凄いですねー自分にも少しぐらい分けて欲しいです…
最近メンタルやられ気味ですからなおさら…
これからも更新頑張ってください!最近花粉がひどいので死にかけてますが応援してます!
捨てられた艦娘の闇は深い…
お、お~・・・
なんだかシリアスな展開になってきましたね・・・最近西提督が優しい人達ばかりでしたから余計そう感じます・・・
捨てられた艦娘・・・なんだか自分たちが毎日解体してるのが申し訳無くなってしまします。
春雨麻婆豆腐さん!
それは・・・どうなんでしょうか?ふふふ・・
ノーネームさん!
一応提督は現実逃避と言う形で逃げてはいました。あれ以上受け止めていたら確実に落ちていたので提督の自己防衛がそうさせました
そして普通に逃げなかったのはヘタれていただけです!
逃げ方も人それぞれなのだよ
そして龍田さんは・・・
ゼロシステムさん!
ツンツン好きですね〜〜俺がしてあげましょうか?ツンツン
無駄にツンツンしまっせ!
自分がメンタルが豆腐なのでせめて物語の主人公ぐらいはつよくしたかっとんですよ
こうなりたいな〜って
自分も今転職を考えていたりでメンタルがやばいです
お互い頑張りましょう!
こっぺさん!
本当はもっと暗い感じでしたが余りに酷かったので書き直したんですよ
さて、提督はどうなるのでしょうか
解体された艦娘達が呼んでますよ・・・工廠(地獄)で
更新お疲れ様です!
でた!西提督の必殺技 筋肉言語! 舞茸政権って何だよ(哲学)
潜水艦も相当闇があるようで.....オリョクルを前提督がさせまくったのかな?
由々しき雷巡のポーズは北上様だと思うんですけども....記憶が曖昧で訂正なのか、自分の間違いなのか....でも相変わらずの神的な文章力ですね!この時間まで待ち伏せしてた甲斐がありました!次回も頑張って下さい!応援しています!
追記:「今年は絶対にインフルエンザにかからない!」と慢心した結果、かかってしまいましたよ!やっぱり慢心はいけませんね!
まぁ会社で隣でデスクワークしてたひとがインフルエンザかかってたもんね!仕方ないね!(諦め)
次の更新楽しみにしています!
更新お疲れ様です!
暁の水平線に筋肉を刻む…哲学でしょうか、それとも何かの暗号なんですかね…
雷巡のポーズは北上さんと大井っちのセットで見てみたいです!早くフィギュア化を…
胸元がぶかぶかのスク水…製造ミスですかね(白目)潜水艦の闇も深い…
北上のスク水姿、是非見てみたいです!こちらもフィギュア化をお待ちしてます。
これからも更新頑張ってください!応援してます!
やっぱり無理しちゃだめですよ…隠すのならなおさら…
乙です。とても楽しく読ませていただいています。更新頑張ってください!応援してます。
32番さん!
筋肉を知れば自ずと分かります!自分はまだ分からないけど・・
舞茸政権は一応ネタとしてありますが知ってる人は少ないかもしれませんね
そして今は何処の鎮守府も遠征二十四時間をさせたいら所が多いですよね?そんな所の潜水艦達に会ったら金髪達はどうなるでしょうかね?
由緒正しきポーズは北上さんで合ってますよ。あえて大井さんにさせてみました。多分頼んだら喜んでやるだろうなとおもいまして
インフルは辛いですよね・・俺も気をつけないと・・
ゼロシステムさん!
筋肉を刻むんですよ!そのままの意味です!
フィギュアは同感です!そんなのがあったら欲しいです!
潜水艦ってどうして大きい娘ばかりなんでしょうね(歓喜)
それに引き換え北上さんは丁度良いですよね!スク水フィギュアはよ!
そしてゼロシステムさん、もし無理をなされているのなら
やめた方がいいですよ。そんなのは長く続きませんし身体を壊すだけです。逃げる事もまた勇気と言う言葉がありまして、一番ダメなのは変化を恐れて現状維持をしようとする事です
絶対に現状維持なんて出来ません現状そのまま下がるだけです
進むか逃げるか
選べる勇気を持っていたら今の自分ももう少しマシになっていたんだろうな・・
Vector8971さん!
コメント、応援、評価、お気に入り、ありがとうございます!
これからも何かありましたらコメントなどくれたら嬉しいです!何かなくてもコメントくれたら嬉しいです!
あ、でも、過度な期待はしないでくださいね!
これからもよろしくお願いしますね
お久しぶりです。
アカウント取られたときはssやめようかと思いましたよ、ははっ・・・
いや~研修勢はみてて面白いですね。ネタが豊富ですし、個性豊かですし。
あの・・・番外編のリクエストなんですけど、山城さんをお願いできますか?
一つの意見と考えてください。
こっぺさん!
お久しぶりですね!
なんと乗っ取られたとは・・不幸でしたね。自分も一度乗っ取られてサングラスの宣伝をしまくっていましたよ・・
嫌な思い出です
研修生達をそう言ってもらえて嬉しいです!結構キャラを考えるのに時間をかけましたから
今リアルでちょっと大変なので更新が遅れていますが気長に待っててくださいね
番外編は何を書くかはもう決めていますから、いずれ書けるなら書いてみようと思います
どう言う話を書いて欲しいか書いてもらえると嬉しいです
転職するのも別にいいのでは?
まだ若いのだし他の道探すのもありだと思いますよ?
自分は、高卒で就職を考えていました、でもその道へは行かず専門学校に行きました、何年も使いました。
それで今就活してます
専門学校には新しい職場を探しているひとはたくさんいました
40代のひと、30代の人もいました、なのでそのような人たちのように新しく資格を取るのもありだとおもいます
人が少ないから辞めずらいとかあると思います
でもポテさんの人生なのですから、ずばっと決めて、文句を言われたとしても自分の道を行くのがいいと思いますよ?
これは僕の考えです
貴方の人生という道に幸あれ
SS更新楽しみにしてます
頑張ってください
40番さん!
そうですよね・・俺の人生なんだよね
俺の人生は好きな様にやらせてもらいますぜ!!
と言いたいですが、確実に収入は不安定になります
人生ヘタレ慎重派の俺には分かっていても中々動けません
なので急がずゆっくり考えていきます。逃げてるだけかもしれませんが今は残業して少しでも収入を増やしたいと思います
コメントありがとうございます。
貴方も就活が上手く行きますように応援しています
週休二日制は週一休みもありえますので気を付けてくださいね
完全週休二日制を探せ!!
コメ番40さんの言う通り、自分のやりたいことをすればいい。
それでもし、文句言う奴がいたとしても無視すれば何とかなる。
自分も若造だから人に偉いこと全然言えない立場だけど、
自分の道は自分で決める。これ大事。
…たまには人を頼ることも必要ですけどね。ワタシガイルジャナイ!
長文失礼しました。m(ー_ー)m
引き続き頑張ってください。応援しています。
転職を考えるということはそれが必要だと本心で理解しているからだと思います。やるべきことがわかっているのならばあとは行動のみですね!満足のいくような結果になるように祈っています!・・・続きまってますから!
このssは本当に面白いです!
続きが気になります! 転職で悩んでいるのですか自分も..二十歳を少し過ぎ、そろそろ就職しようかと思っているのですが仕事を選ぶのって難しいですよね..
やはり自分の人生ですし、前の方が言っているように思う存分やりたいことをしてみたら良いんじゃないでしょうか。
まだ仕事もした事のない駆け出し小僧の自分ですがポテ神提督さんを応援しています!
[余談]
今日は嫁艦の加古の誕生日
加古を祝いつつポテ神提督さんも応援しています!頑張って下さい!
42番さん!
そうですよね。文句言われようが気にしない様にすれば良いんですよね・・
自分の人生自分で決めないときっと後悔するんだろうな
背中を押してくれる方がこんなにいる事が俺は幸せです。だから自分なりに悩んで答えを見つけていきたいと思います
SSはもう少し待っていてくださいね
yazoraさん!
やる事は分かってはいるんですが、その行動をする勇気がないんです。今までの生活が変わってしまう事に期待もしていますが恐怖もあります。今は恐怖の方が強いんです。急いで出したらきっと後悔すると思うんです。だから、もう少し悩んでみます。逃げかもしれませんが・・
頑張りますのでSSも待っててくださいね
44番さん!
こんなSSを面白いと言ってもらいありがとうございます!
見る人も減ってきてるのでそろそろ終わりかな?と思ったりもしましたがまだまだ大丈夫だと思えました
やりたい事をやれるって思えるのは簡単そうで歳をとればとるほど難しくなります
特に俺の様なヘタレ勇気なしな奴はどんな状況だろうと保持を求めます。それが下がっているとも気付かずに・・
だから、貴方はよく考えて決めてくださいね。俺の様に後悔のないように
応援ありがとうございます!
自分も僭越ながら加古の誕生日を祝わせてもらいます
おめでとう!
転職で忙しい中、次回予告の通知、お疲れ様です!
次回がますます楽しみになって来ました!色々大変な事もあるでしょうし、花粉にもやられ易いこの季節、インフルエンザが過ぎたからといって慢心はいけませんよ!無理をしないで適度な休息を取り、体を壊さない様にだけ気をつけて下さい!
続きを楽しみに待ってます!
47番さん!
こんなに待たせてしまって更新したと思ったら次回予告だけと言う・・なんて事だ状態なのに、まだ待っていてくれるんですね!
ありがとうございます!もう少し待たせる事になりますが、見捨てずに待っててくださいね
風邪と鼻炎はもうなったので当分は大丈夫です!多分・・
お久しぶりです!
まさか鎮守府のみんなでギャルゲーするとは思いませんでしたよ・・・なんか
ベネット混ざってましたし・・・もしかして神のみぞ知る世界みました?
それと如月ちゃんパンツに名前を書く派なんですね、うちの鎮守府の如月ちゃんはパンツははいて見せる派ですね!
お久しぶりです!何か「ポテ神提督さんのssに更新が来ている!」という予感が働き、気になって見に来ました!改めまして更新お疲れ様です!今回は番外編ですか!ギャルゲーには疎い自分ですが鎮守府の皆が楽しそうで何よりです(白目)
変な奴も混じってましたがね(べネットとかべネットとかべネットとか)
本編の方も物凄く気になっています!色々と苦労はありますでしょうが
頑張って下さい!陰ながら応援しています!
春イベの備蓄も頑張らなきゃ.............
更新お疲れ様です!ポテ神さんお久しぶりです!
まさかギャルゲー回とは思いませんでしたよ……攻略サイトが投げるってどういう事ですか(震え)
不知火優秀ですね、自分は殆どギャルゲーしないのであんまり分からないんですがこのゲームがクソゲーって事はしっかり伝わりました!w
何はともあれ鎮守府のみんなが元気そうでよかったです!
これからも忙しいとは思いますが、更新頑張ってください!応援してます!!
相変わらずの如月…だがそれがいい!
こっぺさん!
物語自体は昔書いた別作品のリメイクなんです
書こうと思ったのはなんとなくだったりします!
ベネット?知らない娘ですね
神知るは全巻持ってますぜ!埃かぶってるけど・・
うちの如月はおかん化しているのでパンツに大きく名前を書いたりします
そして本人は・・・
50番さん!
まさかの予感で更新に気付くとは・・中々やりますな!実は自分もギャルゲーはあまりプレイした事がなく自分の主観でのギャルゲーになってしまいましたが・・少しカオスでしたね
そしてベネット?何を言ってるのですか?そんな方は知りませんよ?ぽん!ぽん!
本編の方はまだ待たせてしまう事になりますが気長に待ってもらえると嬉しいです
ゼロシステムさん!
お久しぶりです。長らく待たせてしまいましたがまだ見てくれるんですね(感動)
自分もあまりギャルゲーはしませんがなんとなくの想像で頑張りました!
如月はブレませんぜ!
クソゲーと分かってもらえたなら内容の8割を理解してもらえたと思うので良かったです
また待たせてしまう事になるかもしれませんが気長に待っていただけると嬉しいです
本編の更新お疲れ様です!
メンタルがとんでもなく上がり、他の艦娘の心を一部だけでも開ける提督ってすげぇ.......
鳳翔さんか....時には厳しくそして優しくまるで母親のように全てを優しく包み込んでくれるキャラだと個人解釈していましたがそんな彼女にも相当な闇が巣食っていましたか.....
ここまで艦娘を傷つけた屑前任提督の罪は重い...
見た感じ当の本人は既に死んでるようですが、もし屑前任提督の配下の憲兵等が登場した場合、提督、そいつをなるべく苦しませながら殺れ(慈悲はない)
そして闇鎮(仮称)の不知火さん、貴方自分の知る限りの罵倒を浴びせたっていってましたが一体どんな罵倒を浴びせたんですか(汗)
最後に何か紛れ込みましたねぇ.....いつぞやのラストシーンに出てきた深海棲艦かな?
兎に角、いろいろ忙しい中の執筆、ご苦労様でした!
大分こっちの地域では花粉は大人しくなりましたがポテ神提督さんの地域はどうでしょうか。続きも楽しみにしています!
頑張って下さい!
更新お疲れ様です!
今回かなり深い感じの内容でしたね…
ほんの少しだけど他の艦娘の心に入る提督の技量すごいなぁ…さらに提督のメンタルも。自分なんか半年前のトラウマにまだ怯えてますからね……精神力分けてくれないかな…
不知火さんェ…あんまり罵倒出来てないかも知れないぞ……
不知火がえっと、とか言う所普段見ないので新鮮で可愛かったです!
最後になにか不穏な文章がありましたねぇ…また一波乱ありそうですね!凄く楽しみです!
これからも更新頑張ってください!応援してます!!
ポテ神さんはGW如何お過ごしでしょうか?自分はFGOのイベントと花粉で死にかけております…
更新お疲れ様です
不知火は優しい娘ですねぇ…。(あれこの娘、一章で提督の右腕を…)
別鎮鳳翔さんはこれからどうなってしまうんでしょうか。
続きに期待してます!
54番さん!
この鳳翔さんは自分ではなく彼女達の為に人を憎んでいます。そう言う所は54番さんの思う鳳翔さんと変わりません
さて、あの鎮守府がああなってしまったのはどうしてなのでしょうか前任の提督なのか?それとも別の・・
不知火の罵倒は基本、馬鹿とアホしか言ってませんでした
そして自分の地域ではまだ鼻炎薬が手放せないのだ・・
ゼロシステムさん!
かなり深いと思いますが案外そうでもなかったりします
提督のメンタルが強いのは自分がメンタルが豆腐なのでせめて作品だけでも強くしたいと言う現れかもしれません!
トラウマはきついですよね・・俺もちょっとあって思い出すだけで発狂ですよ
そして次回大きく展開が動くと思います・・多分
ゴールデンウィーク?あの精神的にダメになるやつね・・ねぇーよ
春雨麻婆豆腐さん!
鳳翔さんも別なように不知火も別の不知火なので腕は関係ありませんぜ?
次回一体何が起きるんでしょうか期待せず待っててくださいね
更新お疲れ様です!
春イベ、黄砂のダフルアタックに怯みつつ、日課であるポテ神提督さんのサイトアクセスをしていると更新が来てたので、夜中一人で大歓喜しましたよ!
大井っち....やっぱりええ奴や.....
研修生メンバーも大分成長しましたね!
特に金髪!彼の計画した大井っち救出作戦は成功するのでしょうか!
次の更新も楽しみに待ってます!応援しています!
駆逐棲姫かぁ....提督になって少しの頃に苦戦させられたなぁ....
そういえば!春イベ後段作戦にてロシア戦艦と逢えるらしいですね!他にも沢山の艦娘達が追加されるので頑張りたいです!
次も楽しみにしています!お疲れ様でした!
更新お疲れ様です!
北上さん、イケメン過ぎますよ…嫌われ役ってそんな役割だけど絶対必要ですから難しいですね…
うっかり惚れそうになったぜ。
深海棲艦にイカダ壊されましたし、これからどうなるのか…
金髪…初登場の時に比べると随分成長しましたね!これからどういう風に育っていくのか楽しみです!
これからも更新頑張ってください!応援してます!
……実は西提督さん起きてる?
59番さん!
そんな日課になっているなんて・・無駄にしてますよ!その時間!!と言いたくなる程のSSなのにありがとうございます!
研修生達も成長しましたね〜最近自分でも読み直してみるとかなり変わってますね
誰だよこれと一人ツッコミましたよ
春イベか・・最近ログインすらしていない・・みんな元気にしてるかな
ゼロシステムさん!
北上さんは可愛くてイケメンなんです!惚れても仕方ないね!
金髪は初期と違って性格変わりましたね
そして金髪と言っても現在は坊主なんですがね
名前を変えるのはややこしくなりそうなのでそのままにしてます
イカダも壊されてしまいどうなるのか次回を過度な期待せず待っててくださいね
西提督さんが起きてるかって?それは秘密だ!!
更新お疲れ様です!
一致団結って感じですね…こういうの好きです!
遂に起きたな!西提督さん!!
随分長めのお休みでしたね…起きてからまたすぐ戦ってましたけど…やっぱり凄いな…
ずっと石投げられてたらそりゃ深海棲艦もキレますよね…少し同情しましたw
それから黒髪…面白い事になってきましたね!これからの展開が楽しみです!!
これからも更新頑張ってください!!最近更に暑くなってきましたが、体調に気をつけてくださいね!応援してます!
一体研修期間だけでメガネの眼鏡は何個壊れるのか……
すみません…62コメはゼロシステムです。
何故かログインされてませんでした(´・ω・`)
更新お疲れ様です!
先日まで佐世保まで旅行行ってて更新が来ていることに今気付きました!
佐世保バーガーは美味しい(確信)
軍艦島は格好良い(確信)
最初は石を投げるだけで駆逐棲姫に勝てるのかと思ってましたが
勝てましたね! 団結力って凄い
大井っちも助けれてひとまず一件落着ってところですかね!
次回も楽しみにしています!
応援しています!
西提督の寝起きパワーって凄くね?
おっひさしぶりでーーす!!
いやあ、テストやイベントなんかが重なって全然見れませんでしたが今回もすごいです!
提督と研修生たちがやっと合流できましたね。よかったですね黒髪(にやにや)
私もこれからまた書き出すのでぜひ見てくださいね。
露骨な宣伝ごめんなさい。
ゼロシステムさん!
研修生達とプラスαで戦う事で人間の強さもまだ馬鹿には出来ないという事ですよ!(石を投げていただけです)
西提督さんも起きて更に強くなりました!
暑かったり寒かったりで大変ですが何よりも鼻炎が酷くて死にそうです・・
眼鏡は一つも壊れてませんよ貴方の心の中で生き続けていますから
64番さん!
羨ましい・・俺も行きたかったぁああ!!
俺もいつか行くんだ!!絶対に!
諦めなければどんな時でも勝てるんですよ!
さぁ!君も目の前の困難をティッシュの空箱で乗り越えてみせろ!
え?無理?あ、そう・・
寝起きって大抵荒れてるよね?色んな意味で
こっぺさん!
お久しぶりです!
いえいえ、コメをくれるならなんでも良いですぜ!
これからもお互い頑張りましょうぜ!
この暑い中更新お疲れ様です!!
まさか提督のDTが役に立つなんて思いもしませんでしたよ・・・
というか提督そういえばつかまってたんでしたね、忘れてましたよ。
こまめに水分補給しながらこの夏頑張ってください。
更新お疲れ様です!
提督がまだ童貞ならあのチケットは使わなかったんですね…
提督捕まってたのを読むまで忘れてました…
語尾を真似しながら飛び跳ねる電かわいいです!
これからも更新頑張ってください!これから更に暑くなると思いますが、体に気をつけてくださいね?
特に雨降った日に体冷やさないようにしてください!
更新お疲れ様です!
待った甲斐がありました!
色々言いたいことはありますが敢えて一言
電ちゃん可愛い
これからも頑張って下さい!気長に楽しみに待っています!
本編以外マジでおもんない、てか最初はシリアスな感じで面白かったのにだんだんギャグが増えてきて何これ?って感じやわ
結果おもんない
こっぺさん!
暑いと言うよりはジメジメの方がやばいですね・・
物語の進行がかなり遅いですよね・・もっと早くしたいんだけど下手なもので・・
ですが飽きずにこれからもよろしくお願いします
ゼロシステムさん!
あのチケットはそのうちにまた出てくるかもしれないですよ
かなり期間が空いてしまうのもあるし進行が遅いですから仕方ないですね捕まってる感じもしませんしね
電は可愛い。これ確定です
とりあえずゼロシステムさんも暑くなるので取りすぎくらい水分をとってくださいね
話しは変わり唐突に、足がつりやすかったりするのは水分不足だったりするとかしないとか
69番さん!
待っていてくれてありがとうございます!段々と質が落ちてきてると自分でも思う此の頃待っててくれるだけで大歓喜です!
これからもこんなくそSSをよろしくお願いしますね!
そしてそして!70番さん!
この日にこのコメは・・ね?今日棚卸しだったんですよ?気合い入れないとダメな日なのに・・朝からテンション下がり放題でした・・
でも、率直な感想ありがとうございます。第一章と比べるとかなり変わりましたよね・・勢いで書いたのが第一章だったりしますし
考えるとダメなタイプなんでしょうか?
とにかく此処まで見てくれてありがとうございます。また気が向いた時にでも覗いてもらえると嬉しいです
ここまでのクオリティと丁寧なストーリー性があるSSは初めて読みました。夜中に読んでていつの間にか朝になって次の日体調が最悪だったのも些細なことに思えるほど、楽しまさせていただきました。提督が艦隊編成して海域攻略する日が楽しみです。それまで生き残れるか…
トーイットさん!
コメントそしてオススメ更にツイッターのフォローまでありがとうございます!
そんな一気に見ていただいて体調は大丈夫でしょうか?嬉しい反面心配もします
クオリティなど皆無だと思っていたのに・・凄くやる気がおきました!
良かったらこれからもコメントなどしてくれると嬉しいです!
そして生暖かい目で見守っていただけると尚嬉しいです!
提督はきっと生き残ー
やっぱりポテ神さんのssは凄い
続きを期待しています!
追記 質問 今日は七夕ですが駆逐艦の娘たちはどんな願いを書いていましたか?
月々社畜野郎さん!
俺も社畜ですぜ!
こうやって書けているのは皆さんの応援のおかげですよ。ありがとうございます!
七夕ですか、誰とは言いませんが、素直になりたいとか、もっと頼りにされたいとか、殴りたいとか、提督の健康を祈ってる娘もいましたね
養えと言うふざけた事を書いてる奴もいたが
さて、俺も書いておくかな?
約一名を除いてみんなの願い事が叶いますように
更なる追記と言うよりも露骨な宣伝
ポテ神さんの影響で自分も艦これss初めました!
文才など無い自分ですが、機会があれば覗きに来てコメントでも残して貰えたら
幸いです!
これから暑くなって来ますがポテ神さんも頑張って下さい!
次の更新も楽しみに待っています!
月々社畜野郎さん!
社畜!それは携帯プランの様に定額で使い放題!
自分の影響と言われて読まないわけがない!
是非に読ませてください!
題名教えてもらったら喜んで行きますぜ!
お互い執筆頑張りましょうぜ!
題名は「田舎育ち人の提督業務」です!
そういえば、先程更新して暫くするとコメントとオススメが来たんですけども
ニックネームが「ss好きの名無しさん」になっているのにIDが全く一緒で
現在かなり不安です・・・・・・・・・・・・・
現在従兄弟が家に来ているけども・・・・・・・・・・・・・
従兄弟の仕業ならまだ許せるとしても外部からの乗っ取りだったとしたらと思うと不安です・・・・・・・・・・・・・
月々社畜野郎さん!
日給の方が稼げる月ってあるよね・・正社員それは呪いの様な・・
見させてもらいましたよ!
まだ、少しなので何とも言えませんがこれからに期待しています!
頑張ってくださいね!
そして従兄弟にはこっちのSSも見てねーとお伝えいただくと嬉しいです!
ではでは、風邪気味土曜日出勤してきまーーす!
ポテ神さんに現状報告
つい先程、ssの続きを投稿しようとした所、サーバーエラーとなり
書いていたものはおろか、ssのデータ自体が吹き飛びました......(泣)
幸い紙に書いた原稿用紙は残っているので、もう一度書き直して行こうと思います......という訳で続きは当分先になりそうですが、頑張ります
by月々社畜野郎別アカウント
月々社畜野郎さん!
現状報告態々ありがとうございます!
無理せず自分のペースで書いてくださいね。俺も気が向いた時にしか書いてないですから
焦って書いても良いものは出来ませんし次の更新を首を長くして待っていますね
ちなみに自分はiPhoneで書いていますが、メモに書いてからそれをコピーして貼り付ける事で更新しており、その書いたやつは消さずに章ごとにまとめてバックアップとしてもっていたりします
これでもし今投稿している第8章が全て消えても瞬時に復活できます!
どや!!
再び現状報告、やっと妖精登場編まで復元(アレンジ加えて)しました。
バックアップも取ったのでこれで消えても大丈夫です。
相変わらずの亀更新ですが、頑張ります。
更新お疲れ様です!
アイエエエ!?如月!?如月ナンデ!?
良いところで止めやがって....(誉め言葉)
ますます次回が気になるじゃないか!
やっぱりポテ神さんのssは素晴らしいですね!僕は素人なので
こんな書き方は出来ません...このssを見る度に、自分の修行不足を思い知らされます........
次回も期待していますよ!
僕のssも着々と修復出来ているので暇がある時に
良ければ見てください!(露骨すぎる宣伝)
月々社畜野郎さん!
何度もコメや報告ありがとうございます!
気になる?気になっちゃう?まだまだ掛かりますぜ?なんせ社畜タイムで書く時間が・・ないから・・はは
自分も素人ですぜ?高校生の頃書いた作文なんてそれはもう酷いもので小学生レベルでした・・今はそれよりはマシになった程度ですが書きたい事の半分も表現が難しくて諦めていたりしています・・
だから、俺を上に見ないでお互い横を見て共に頑張りましょうぜ!
SS楽しみにしてますよ
如月ちゃん・・・どうしてこんなところに・・・
って思ってたら終わってしまったじゃないですかちくしょーー!!
はよ、続きはよってな気持ちで次のお話も待ってますね。
最近めちゃくちゃ暑いので、水分補給、休憩、汗の処理を怠らないように気を付けてくださいね。
更新お疲れ様です!
全ては筋肉に収束されるんですね…いい言葉を学びました!!
如月ちゃん…何があったんだ…続きが気になります!!
これからも更新頑張ってください!!応援してます!
個人的に如月ちゃんに薙刀は似合うと思いました
こっぺさん!
どーもです!如月がどうしていたのか!それは次回へのお楽しみで!過度な期待はNoーです
こっぺさんも熱中症に気をつけてくださいね!
ゼロシステムさん!
そう!全ては筋肉から始まり筋肉に終わる
良い名言を残してしまった
次回は如月編をやる予定です!まだ全然書けていませんが・・仕事が・・ジムの呑み会が・・
如月に軍刀も良いと思うのですがどうでしょう!
如月編楽しみです!
ところでポテ神さんはローソンコラボに行きましたか?
俺は何とかクリアファイルとアクリルチャームを獲得できました。
大量の焼きそばは近所の友人提督に配ったので現在在庫2箱です!
如月に軍刀....いいと思いますよ!次回も楽しみにしていますよ!
ドジ踏んで終わりそう
月々社畜野郎さん!
オススメとコメントありがとうございます!
ローソンコラボなんてやっていたのか!知らなかった!これは行かねば!いつまでやっているのか分かりませんが行きます!でも、周りのローソンはほぼファミマになってしまっているのでローソン探さないとです!
てか、焼きそばどんだけ買ったんですか!残りが二箱って!!車を買おうとしている俺にはそんなに買えないですよ!!
あ、ちなみに今乗ってるのがセリカの最終型の前期のマニュアルで買おうとしてるのがジムニーのマニュアルだったりします!え?聞いてないって?すまない・・
Luna豆腐さん!
ドジ踏んだって良いじゃない人間だもの
第8章終章お疲れ様です!
いつも見させて頂いています
次回の第9章とても楽しみに待ってます!
更新&第8章終章お疲れ様です!
カボチャの姿置きの久しぶりの登場に笑ってしまいました。
第一章を思い出します....
色々あって次は第9章!
現実(リアル)では忙しくて大変だと思いますが、頑張って下さい!応援しています! 第9章も楽しみに待っています!
1から見ました!黒髪最高ですね!
久しぶりにほのぼの系がみたいです!
無理しないでゆっくり更新してくださいね
正規空母はまだまだか・・・・・加賀さんが着任するのを待ってますズイ (ง˘ω˘)วズイ
92番さん!
ありがとうございます!第9章もよろしくお願いしますね!
月々社畜野郎さん!
かぼちゃの姿置き貴方もどうですか?あの如月が食べたんですよ?勿論食べますよね?
色々あって次は第9章になってしまいました!ですが、リアルが無駄に忙しいのでもう少し待たせる事になると思いますが飽きずに見捨てないでください!!
2-4-11さん!
コメントとオススメありがとうございます!
第1章から見て此処まで来るとは・・まさか暇だな?と言う冗談は置いてっと
ほのぼの系良いですね・・この西鎮守府編とプラスαが終わったらほのぼの系書くんだ!
いつになるか分からないけど・・
加賀さんか・・彼女は何処で出てくるのやら・・正規空母さん一人は既に出ていたりします
第9章もよろしくお願いします!