2019-12-03 00:52:48 更新

概要

主に重桜艦隊の話になるので、ロイヤルやユニオン等の登場は未定です。単発作品のつもりで書いているので、過度な期待はNGで。


前書き

この作品は、アズールレーンの二次創作です。
すべてフィクションであるため、実際の団体や地名等とはなんら関係ありません。

また、個人の妄想の域を出ない作品なので、キャラ崩壊や設定崩壊、適当な世界観等を容認頂ける方のみ、作品の視聴をお願い致します。

PS4のクロスウェーブをプレイしていたらふと思い付いた作品なので、若干作品のネタバレも含まれます。ご注意を。





ーーーーーーーーーーーーーーー









この世界は、『カノウセイ』の積み重ねで出来上がっている。だがそれは、定命の者が年を取っていくように、目に見えるモノではない。


しかし、いま現在この場所で俺が彼女らと共にしていることを考えれば、自ずと理解できてしまうのだ。決して交わることのなかった運命が交わってしまったのだから。


彼女らは俺と違う道を選んだ。それは、二度と交差することのない片道のレールである。俺と彼女らはただ、離れていく事しか出来なかった。


だが、ある日、俺は "彼女"と出会った。決して交わることない筈だった2人が『カノウセイ』という、未知で不確定な力に導かれ、こうして共にしている。


きっと、彼女らと道を違える事がなければという『カノウセイ』が、いま、俺と彼女らを出会わせたのだろう。




指揮官「俺はこの『カノウセイ』に全てを賭けてみたい。どんな未来が訪れるのか、楽しみで仕方がないからだ・・・っと」カキカキ



指揮官「さぁて、日報も書き終わったところで眠るとしますかねぇ・・・」


赤城「熱心に何かをお書きになられていたようですが、それはもしかして、赤城へのお手紙ですか?」ガチャリ


指揮官「・・・いつも言っていることだが、ノックの1つや2つはするべきじゃないのか?」


赤城「もう、私は既に2度も3度も行なっているのに、返事もして下さらない。指揮官様は赤城の事をどう思っておいでなのですか?」


指揮官「ああそれはすまなかったな。じゃあ改めてお詫びに伺うから部屋で待っていてくれ」


赤城「指揮官様が赤城の部屋に!? あぁ! 赤城は嬉しさの余りにどうにかなってしまいますわぁ! 支度を済ませておきますので、早くお越しになって下さいませ~」ガチャ バタン



指揮官「はいはい楽しみにしておくよ」


加賀「・・・・・」


指揮官「ん? 何か用か?」


加賀「いや、私はこれといった用はない。だが・・・」


指揮官「あぁ・・・、赤城に着いてきたものの、俺の話に浮かれた赤城に置いていかれた。そんなところか?」


加賀「・・・あまり、赤城を雑に扱って欲しくないものだ。あんな艦船 (ヒト) でも、私にとってはかけがえのない存在だからな」


指揮官「分かってるよ。じゃなきゃこうして話すら聞かないさ」


加賀「・・・そうか」


指揮官「そうさ。お前も来るのか?」


加賀「そうだな。どのみち目的地は同じだからな」


指揮官「それじゃあ行きますか。鍵閉めて行くから忘れ物とかするなよ?」


加賀「・・・その気づかいを赤城の前でしてくれれば、私も少しは気が休まるのだが?」


指揮官「はいはい。善処しますよ」





こうして、新しい『カノウセイ』に導かれて、俺は再び、重桜の指揮官としての道を歩み始めたのだから。






・・・・・







指揮官「ふぁ~あ。眠い眠い。眠くて何もする気がないわぁ~」


指揮官「大体、セイレーンが来たところで別に追い返すわけでもなし、情報を渡すでもなし、俺はただのお飾りのポジションだしぃ~」


指揮官「寧ろそういうのはお偉方がやるよであって、俺がどうこうできる問題でもないしぃ~」


指揮官「外交とかもぶっちゃけダルいんだよなぁ~。まあ鉄血とかヴィシアならまだ融通利くけどさぁ~」


神通「そのお話、円卓に皆を集めてまですべきものではないと思われますが?」


赤城「そこまで気を揉んでいらっしゃるなら、後で私が幾らでもお付き合い致しますわ。ふふふ・・・」


加賀「・・・指揮官、姉様も、真面目にやってください」


高雄「指揮官殿、このような事を話されるために、拙者たちを集めたわけではなかろう」


愛宕「余り怠けるなら、きつ~いオシオキが必要かしら?」


指揮官「・・・今回の議題は、レッドアクシズ、アズールレーン両陣営の対談において、我々重桜は参加するか否かって問題」


指揮官「まあ、本来は上のお偉いさんが決める事なんだが、生憎こっちに決定権が回って来ちまったんだなぁ。どうするかね?」


神通「確かに・・・難しい問題ではありますが・・・」


赤城「指揮官様は、どのようにお考えなのかしら?」


指揮官「俺は出来れば行きたくない。だって、言葉通じないし」


加賀「・・・少しくらいは覚えて行けばいいのでは?」


指揮官「それが出来たら苦労せんでぇ。ただでさえ仕事多い上に増やされちゃあ敵わねえや」


愛宕「あら、指揮官さっきまで駆逐艦の子達と遊んでたじゃない」


指揮官「ばっ、お前! なっ・・・何を言っているのかわかりませんなぁ・・・あはは・・・」


高雄「確か・・・綾波と部屋で何かをしていと記憶しているのだが?」


長門「なんと・・・破廉恥な・・・!?」


指揮官「待て待て待て!! 誤解だ誤解!!」


赤城「し・き・か・ん・さ・ま?」ゴゴゴ


指揮官「あ、赤城? ほら、これはちょっと周りの言い方が悪いだけで俺は決して疚しい事をしたわけでは--」


赤城「ええ、分かっていますわ。あ・ち・ら・でゆっくり聞かせて頂きます。うふふ♡」ズルズル


指揮官「おい、ちょ、どこに連れてく気だ!?」ズルズル


赤城「もちろん、赤城と指揮官様の愛の巣ですわ♡ フフフ♡」


指揮官「ま、待ってくれ! まだ会議中だろ!? まだまだ解決には至っていないのにこんなことをするなんてのは些か宜しくないと思うのだが」


指揮官「かっ、加賀! 助けてくれ!神通! 高雄!! 愛宕!! 御狐 (みこ) 殿ぉ!!!」


赤城「指揮官様? あなたの側に居るのはこの赤城なのに、どうして他の女の名前を呼ぶの? 赤城の事が嫌いなの? ねえ指揮官様!!!」ガシッ


指揮官「痛たたたっ!! ちょっ、爪を立てるな爪を!」


加賀 (なぜこうも姉様の地雷を踏み抜くようなことをするのだろうか?)


赤城「私の愛は無限大よ。ふふ、うふふ、アッハハハ!」バタン


長門「あ、相変わらず・・・その・・・いつもと変わらぬな。赤城も・・・」


加賀「長門様、申し訳ありません。あの2人はいつもあの様なもので・・・」





チョットマッ・・・アーッ!!


シキカンサマァ♡ シキカンサマァァァ♡





加賀「あっ、あのような・・・\\\」


愛宕「あらあら~今日は何時にも増して激しいわね~」


高雄「何故だろうか、この後傾に慣れてしまった拙者を称賛する拙者と自身を律せよと訴える拙者が居るように感じてならないのだが」


長門「落ち着け高雄よ。余も未だに慣れぬ・・・」


神通「これで今日中に終わるのかしら・・・」ハァ



-約20分後-




赤城「ただいま戻りましたわぁ♪」 ツヤッツヤ


指揮官「・・・・・・・」 シナッシナ


愛宕「あらあら、指揮官、大丈夫?」


指揮官「・・・ぁぁ、だぃじょうぶさ・・・ははは」


神通「指揮官、このまま続けてもよろしいでしょうか?」


指揮官「そうか・・・まだ・・・途中だったな」 ハハハッ


加賀「・・・取り合えず、何か飲み物を淹れて来よう。指揮官、何がいい?」


指揮官「あぁ・・・出来れば・・・コーヒーが良いかな・・・」





-数分後-






加賀「お待たせしました。姉様」 コトッ


赤城「あら、ありがとう」


加賀「指揮官、ここに置いておくぞ?」 コトッ


指揮官「うん・・・ありがとう・・・ブラックだね」


指揮官「ブラックはいいよぉ・・・苦いものは良い・・・さっきまで甘かったから・・・甘くて苦くて・・・苦いものはいいなぁ・・・。すっきりするもんな・・・」 ゴクッ


高雄(かなり言動が不明瞭ではないか?)


神通「・・・それでは、全員が集まったので、再開させて頂きます」


愛宕「この雰囲気のままで続けられるのかしら?」ボソッ


長門 (神通、お前の肝の大きさに、余は感心するぞ・・・)







・・・・・





神通「--ということで、重桜は今回の会談には不参加の意思を表明することに致します」


赤城「正直、それが妥当なところだと思いますわ」


愛宕「鉄血やヴィシア、サディアの動向を伺うというのも一つの手ではあるけど」


高雄「主催がユニオンである上に、サディアは決して参加しようとはせぬだろう」


加賀「そもそも、時期が余りに遅すぎる。有益なものではないだろう」


長門「・・・」


指揮官「・・・」ガタッ


赤城「指揮官様?」


指揮官「・・・御狐殿。あなたのお気持ちは分かっているつもりです。ですが、今となっては遅すぎるのです」 スッ


長門「し、指揮官、御狐は止せとあれほど言っておるのに・・・しかも膝を着くなど、指揮官にあるまじき姿だと--」


指揮官「お叱りはごもっともですが、これは俺なりのケジメのつもりです。俺にとってあなたはかけがえのないお方ですから・・・」




高雄 (何というか、人が変わりすぎておらぬか? 先程までだらけていた指揮官だとは思えぬのだが・・・) ヒソヒソ


愛宕 (いろいろと搾り取られて素が出てきたんじゃない?)ヒソヒソ




長門「だからって・・・。余はただの艦船で、そなたは艦船を率いる存在・・・。そのような者が一艦船にひれ伏すなど・・・」


指揮官「俺も、御狐殿と同じように、争いは好みません。ですが、いま事を起こせばこの戦争は苛烈さを増すかもしれません。どうか・・・」


長門「・・・わかっておる。余とて、情勢くらいは心得ておる。あと、御狐は止せといつも言っておろうに・・・」


指揮官「・・・善処しましょう。それでは、今回の会議はこれにて解散ということで。各自あとは好きなように過ごしてくれ」


神通「それでは、解散と致しましょう」




・・・・・





指揮官「あぁ~、つっかれたぁ~」 グデー


加賀「・・・少しは襟を正して欲しいものだが?」


指揮官「もう無理~、疲れた~。加賀~、甘やかしてくれ~」


加賀「・・・もう一度姉様に搾りとって貰ったらどうだ?」


赤城「あら、私を"あばずれ"にするつもりなのかしら~?」


加賀「っ!? い、いきなり出てくるのは止めてください!」 ビクッ


指揮官「よし! 加賀、仕事をしよう! 今日は何かあったかなぁ?」


赤城「指揮官様? この赤城を頼って頂いても宜しいのですよ~?」


指揮官「もちろん頼りにしているさ。秘書艦殿」


赤城「はい~、お任せくださいませ~」 ニコニコ


加賀「では、私も微力ながら助力しよう。まずは--」








・・・・・








指揮官「--よし、これで良いだろう。次は?」


赤城「はい、艦隊の資源管理の書類ですわ」


指揮官「・・・燃料はまあいいとして、資金の巡りがおかしくないか? 何でこんなに支出の方が多いんだ?」


赤城「・・・さあ? 何故でしょうか?」



赤城 (し、不知火から蔵王製の艦載機を大量購入したからなんて、口が裂けても言えませんわ・・・)


指揮官「にしたってかなりの額が減ってるんだなぁ・・・」


赤城 (しかも、全て指揮官様の名義で購入したもの・・・。赤城の強さに惹かれて貰おうという魂胆なのに、思わず衝動買いしてしまった浅ましさに心を痛めつつ・・・)


指揮官「あっ! そうだそうだ、艦載機を増強しようと思ってたんだ。赤城?」


赤城「はっ、はい!?」


指揮官「艦載機を不知火や明石の所から見繕って欲しい。出来れば蔵王製がいいんだが、無いようならば他の物でもいい」


赤城「そ、それでしたら、赤城が既に用意しておりますわ」


指揮官「ん? 何で?」


赤城「指揮官様のお考えなら、赤城は全て分かっておりますわ。こちらがその明細です」


指揮官「どれ・・・・んー、まあ、これで良いか。で、どうして事前に艦載機を手配していたんだ?」


赤城「で、ですから、指揮官様のお考えなら赤城は--」


指揮官「そうかそうか。俺はこんなにも赤城の事を信頼しているのに、それに背くようなことをするのか。悲しいなぁ。指揮官は悲しいなぁ・・・」


赤城「そ、そんなことを言われましても・・・」アタフタ


指揮官「そうか。じゃあ死のう」ガタッ


赤城「指揮官様!? 」


指揮官「赤城が俺のことを信用してくれない~!!」 ダッ


赤城「し、指揮官様~! お待ちになって~!!」 ダッ





・・・・・




瑞鶴「翔鶴姉、私ね、最近こっちに戻ってきて良かったかもって思うんだ」


瑞鶴「もちろん、始めは不安もあったよ? 出奔した私を迎えてくれるなんて、思ってもみなかったし」


翔鶴「そうねぇ。昔は、先輩たちも随分と荒れていたし・・・」


瑞鶴「うん。でも、指揮官が来てくれて、重桜は一つになれた・・・んじゃないかなって思う。三笠大先輩からの後押しもあったから、私はここに居られる」


瑞鶴「そう思ったらさ、私が重桜を出ていったのも、間違いじゃなかったのかなって」


翔鶴「そうねぇ。でも・・・」


指揮官「赤城がぁ~!赤城が俺のことを信用してくれない~! 死んでやる~!!」 バタバタ


赤城「指揮官様ぁ~! 待ってください~!」 ハアハア



翔鶴「指揮官も、あんな感じなのよねぇ」


瑞鶴「あっちゃ~・・・また面倒そうなことになっちゃってるね~」


翔鶴「少し邪魔してみようかしら? 足を引っ掛けたり」フフッ


瑞鶴「多分、命の保証がないから止めた方がいいと思うな・・・」






・・・・・





赤城「何てこと・・・指揮官様を見失うなんて・・・」 ハァ…ハァ…


赤城「指揮官様ぁ~・・・どちらに居られるのですかぁ・・・」


三笠「指揮官なら、先ほど明石の所へと向かっていたぞ? 全く、廊下を走るなと皆に号令している立場の者があの様子では示しがつかぬ」


赤城「あら、三笠殿・・・。ご助言感謝致しますわ・・・指揮官様ぁ~!」 ダッ




・・・・・




指揮官「おーい、明石ぃー! 居るかぁ?」





シーン





指揮官「誰も居やしねぇ・・・。一体どこをほっつき回って--」


不知火「何かご用でしょうか?」ヌッ


指揮官「うぉっほい!? おい! いつもいつも言ってるけど、後ろからヌルッと出てくるなよ!!」


不知火「恐れ入りますが、工廠では音が反響するのでお静かにお願い致します」


指揮官「っ・・・だあぁぁぁ!! もういい! ・・・今日、赤城が艦載機を幾ばくか買っていかなかったか?」


不知火「申し訳ございませんが、商売人として、顧客の情報を第三者に流すのはご法度で御座います故」


指揮官「ほう、実は帳簿の数字との誤差があってな。事と場合によっては軍法会議物だが?」


不知火「それは、妾の預かり知らぬ所です。こちらの発行する書類に不備はございませんから」


指揮官「・・・はぁ、わかった。お前には負けたよ。元々は別の理由があった訳だしな。実は艦載機を幾つか見繕って欲しくてな」


不知火「艦載機でございますか。少々お値が張りますが、よろしいでしょうか?」


指揮官「構わん構わん。設計図でも何でも、取りあえず艦載機に纏わる品なら買わせて貰う」


不知火「左様ですか。それでは、何か希望の物は御座いますでしょうか?」


指揮官「そうだな。取りあえず蔵王製が望ましい。無理ならクラップ社でも何でもいい」


不知火「では、蔵王製のものを手配致しましょう」


指揮官「それと、赤城が買っていったもの以外で頼むぞ」


不知火「かしこまりました。・・・・・・あっ!」


指揮官「おいおい、顧客の情報は厳守じゃなかったのか?」


不知火「い、1ヶ月前にも、赤城さんはご購入されて行きましたので・・・」


指揮官「1ヶ月前に "も" か。なるほどなるほど」


不知火「そ、それは揚げ足取りでは--」


指揮官「どうせ商品の目録も、購買の履歴も正式な書類としていつかは上がってくるんだ。早い内に認めておけって」


不知火「・・・参りました。確かに買って行かれました」


指揮官「その時に何か言っていたか?」


不知火「それは--」 ヒソヒソ










赤城「指揮官様ぁ~! やっと見つけましたわぁ~」



指揮官「おっ、やっと来たか。なんだ、会議の前に俺に良いところを見せたい不知火の所から勝手に艦載機を買っていったそうだな?」


赤城「な、何のことでしょうか?」


指揮官「ああ、別にしらを切るならそれでもいいが、無断行為は厳罰に値するわけだ」


赤城「赤城は、指揮官様のことを思って--」


指揮官「だとしてもだ。一人の振る舞いが、一つの大きな集団の成りを左右することもある。・・・お前になら十分わかるよな?」


赤城「・・・・・・」 シュン


指揮官「そして一人の勝手な振る舞いを認めれば、他の者に示しがつかないのもわかるよな?」


赤城「・・・・・はい」


指揮官「賞罰はしっかりと。それが俺のモットーの1つだ。なら、今からお前がどうなるかわかるよな?」


赤城「・・・・」


指揮官「赤城、歯ぁ食いしばれ!!」


赤城「っ!!」 キュッ





指揮官「--ていっ!」 デコピン


赤城「痛い!? えっ!? 」 ポカーン


指揮官「なーにが良いとこ見せたいからだよ。お前のことなんざ、こーんなちっせぇときから相手してるっつうの」


指揮官「だから、俺の前でくらい、変に取り繕うとするな。お前の良いところなんざ、数えきれないくらいあるんだからよ」


赤城「指揮官様・・・」



指揮官「 ま、罰として明日の秘書艦は加賀に変更だな」 ワシャワシャ


赤城「・・・もう」 フフッ




パシャッ パシャッ




指揮官「ん?」


赤城「あら?」


青葉「よっしゃ! 特ダネゲット! 邪魔物は退散!!」 ダッ


指揮官「あ、青葉てめぇ! 待ちやがれ!!」ダッ


青葉「待てと言われて待つブン屋がいるかって話ですよー!!」 ピュー


指揮官「てめえその写真記事にしてみろー! 絶対に許さねぇからなぁぁ!!」ピュー



不知火「追わなくて宜しいのですか?」


赤城「えぇ。あのまま放っておけば・・・フフフッ」ニタァ


不知火「これは新しい・・・いや、止めておきましょう。我が身一筋でありますゆえ」




・・・・・






指揮官「・・・・暇だな」



赤城「そうですねぇ・・・」



加賀「・・・・・・」



指揮官「・・・何か甘いものでも食べるか?」



赤城「・・・出来れば、コーヒーを口にしなくても食べられるものがいいですねぇ・・・」



加賀「・・・・・・」



指揮官「・・・・お前まだコーヒー飲めないのか?」



赤城「あら? あのような泥水を飲むなら海水か醤油を飲んだ方がまだ・・・・」



加賀「・・・・・・」



指揮官「・・・明石が、上等な玉露が手に入ったとかいって幾らか寄越してくれたな」



赤城「あの守銭奴が・・・珍しいこともあるのねぇ~」



加賀「・・・・・・・」



指揮官「・・・・・・あんみつでいい?」



赤城「・・・・いただきますわ」



加賀「・・・・・・・・・・・・・・・・・」



指揮官「なぁ、そろそろ許してやったらどうだ?」


赤城「・・・・何がですか?」





指揮官「・・・・・・何で加賀はお前の椅子にされてんの? 俺さっき暇とか言っちゃったけど、だいぶ大事だぜ?」


加賀「・・・・・・・指揮官、それはだな--」


赤城「椅子が口答えなんて随分な態度じゃない? 大人しく四つん這いになってなさい」



加賀「っ・・・・・・・・・」




指揮官「ねぇ、俺マジで何を見せられてんの? すっげぇ気になるんだけど」


赤城「まあ、大したことでは御座いませんの。長門様のおやつをこの白狐が奪っただけのことですから」


指揮官「・・・・代償が破格じゃないか? 御狐殿も少しは折れろよ」


指揮官「んで、お前はもうちょっと抵抗しろよ! 何でいいなりになってんだよ! 一航戦のプライドを持てよ!」





加賀「・・・・・・・」




指揮官「お前ほんとに頑なだな。すげぇよ。尊敬するよ、ある意味で」



赤城「長門様のいる手前、このような暴挙に出るしか手はありませんもの」



指揮官「暴挙っていう自覚はあるんだな。少しほっとしたわ。て言うか、菓子の一つや二つなら俺が買ってやるからさ、勘弁してやれよ」



加賀「・・・・・・実は、それが三笠大先輩からの頂き物とは露知らず・・・・」



赤城「私の言うことが聞けないの? 椅子は大人しく四つん這いになってなさい」



指揮官「お前・・・・ほんっとうに容赦ないな。敵に回って欲しくないタイプだとつくづく思うよ。まあ、実際回ったけど」





・・・・・




指揮官「--という訳なんですがね」


三笠「ふむ、大体のことは理解した。3人とも、頑なな性格をしておるからな。さぞ面倒をかけたことだろう」


指揮官「いや、別に面倒ってわけではねぇですけど。ただ、加賀はいたたまれないし、御狐殿も納得していただけねぇし、赤城も赤城で板挟みだしで、もうどうしてよいやら」


三笠「今回のこと、我にも責任の一端はあろう。指揮官、長門達と少し話したい。諸々の手配を手伝っては貰えぬだろうか?」


指揮官「もちろん! 姉さんの頼みとあっては断る筋合いはねぇし、何より加賀がもう目も当てられなくて・・・」



三笠「うむ、助かるぞ。それと、我のことは三笠と呼べと昔から言うておるだろうに・・・」


指揮官「これでも妥協した方なんですがね。本来ならこんなタメ口なんか使えねぇし、姉さんなんて呼ぶのさえ烏滸がましい。あなたは重桜の軍神様であり、俺を含めた皆の憧れでも有るんですから」


三笠「重桜の未来は若人達に委ねた。大昔の遺恨にすがっては、重桜の栄華はない。だから我は長門に全てをだな--」


指揮官「わかってますよ。それじゃあ、すぐにでも手配しますんで」


三笠「うむ、よろしく頼むぞ」





・・・・・





赤城「・・・・・・・」




指揮官「・・・・・・・」




加賀「・・・・・・・」




指揮官「・・・・・・何とか許して貰えたな」




赤城「・・・・・・はい。何とかですけど」




加賀「・・・・・・本当に、申し訳ないことをしました」




赤城「・・・・・・謝罪より、感謝の方が先でしょう?」




加賀「・・・・・・・指揮官。本当に感謝している。それと、お手を煩わせたこと、申し訳ない」




指揮官「・・・・・・別に、気にすんな」




赤城「・・・・・・・」



加賀「・・・・・・・」



指揮官「・・・・・・・あんみつ、食べるか?」




赤城「・・・・・・・頂きますわ」




加賀「・・・・・・・ご相伴に与るとしよう」




指揮官「・・・・・・・じゃあ、用意してくるから少し待ってな」 スタスタ




加賀「・・・・・・姉様。何故、三笠大先輩があの場に来られたのか。あまりにも不自然です」


赤城「ふふっ、指揮官様がお呼びになったのよ」


加賀「指揮官が?」


赤城「そもそも、あんなつまらない争いに、指揮官様は関与するはずが無いわ。『自分達で解決しろ』って、はね除けるはずよ」


赤城「それでも指揮官様が手を尽くしてくれたのは加賀、あなたの為よ?」


加賀「私の・・・・・・?」


赤城「指揮官様の前で、あなたをあのように扱えば、指揮官様は居ても立っても居られないもの。必ず動いて下さるわ」


加賀「・・・・・・だから、長門様の前であのような事を言ったと?」


赤城「ええ。それに、長門様もさほどお怒りではないもの。まあ、始めのうちはそうではないかもしれないけど」


赤城「それに、指揮官様から加賀がこんな目に遭っていると長門様にお伝えすれば、私が実際に行動に移したという信憑性も高まるわ」



加賀「・・・・・・そういうことでしたか。これで私も合点が行きました」




赤城「・・・・・・本当にお優しいお方。初めてお逢いした時からずっと・・・・・・ずっと・・・・・・・」



加賀「・・・・・・・・・そうですね」






加賀 (・・・・・・・姉様。あなたは・・・・・・・・・)






・・・・・






ーー母港 噴水前ーー




指揮官「ここ最近、冷えてきたなぁ」 ヨッコイショ


赤城「最近は季節がおかしくなってしまいましたからねぇ」


加賀「とはいえ、昔と比べれば遅すぎる寒さだがな」


指揮官「はぁ、いやだねぇ四季を感じないのは。重桜の魅力の一つが失われていく感じがして」ヤレヤレ


加賀「その魅力にいちいちケチをつけるような奴が、どの口でそれを言うのか」


指揮官「だって暑いもんは暑いし、寒いもんは寒いだろ。はぁ、春と秋だけが交互に来れば良いのに」


赤城「夏と冬があるからこそ春と秋があるのではなくて?」


指揮官「それもそうなんだよなぁ・・・」


加賀「・・・結局、この話は平行線のままで終わってしまうのだな」


指揮官「決着が着かない話題ランキング第3位だな」


赤城「・・・それは誰が作られたランキングなのですか?」


指揮官「・・・俺」


加賀「・・・・・・」


赤城「・・・・・・」


指揮官「・・・・・・」


加賀「・・・そういえば、ロイヤルやユニオンでの行事が重桜にも渡ってきて、駆逐艦達の間で話題になっているとか」


指揮官「あぁ、ハロウィンって奴かな。元々は日本のお盆みたいなやつなんだが、こっちに渡ってきたのは仮装やらがメインになって、まあ俺らには無縁な行事だなぁ」


加賀「なんでも、子供たちが大人のもとを訪れてお菓子をねだるのだと」


指揮官「もともとの行事には魔除けの意味合いがあるから、それを子供達が大人に知らしめる・・・という意味なのかは知らんがな」


赤城「物騒な世の中ねぇ。私たちも準備した方が良いのかしら?」


指揮官「まあ、俺が禁止と言えば禁止になるし、別の事をやらせてもいいんだが、娯楽もあまりないからなぁ。少し位は容認してやりたいと思ってる」


赤城「それでは早速準備を致しましょうか?」


指揮官「まあ、とっくの前に終わってしまったけどな。俺が子供の頃は聞いたことすらなかったから、時代の流れを感じるよ」


加賀「・・・それ、何年前の話だ?」


指揮官「・・・・・・」


加賀「・・・・・・」


赤城「・・・落ち葉が増えてきますわねぇ。お掃除するのも楽ではないというのに」 チラッ


指揮官「それじゃあ、集まった落ち葉で焼き芋でも作るか。といってもまだまだ先だけど」 チラッ


加賀「・・・・・・はぁ。分かった、分かりましたよ。2週間後にでも上物を取り寄せられるようにしておきます」


赤城「あら、ありがと」


指揮官「多く取り寄せとけ。余ったらスイートポテトなり大学芋なり作るさ」


加賀「・・・それは全て誰が作ると思っているのだ?」


指揮官「俺が作るつもりだったけど? なに?手伝ってくれんの?」


赤城「もちろん赤城も♡」


指揮官「おっ、助かるねぇ。といってもまだ先の話だけど」


赤城「また楽しみが増えましたわ~」


加賀「・・・・・・」


指揮官「・・・仕事始めるか」


赤城「では、赤城も秘書としてお手伝いを」


指揮官「いや、今日はいい。たまにはゆっくり休め」


加賀「なら私がーー」


指揮官「お前はもっと休め。残業手当を支給する見にもなれ」


赤城「残業手当なんて頂いたことあったかしら?」


指揮官「いや、言ってみたかっただけ」


加賀「・・・・・・」


赤城「・・・・・・」


指揮官「なんだよ、ちょっとした冗談じゃないか。さてさてぼちぼち始めるかぁー」ヨッコイショ


指揮官「あぁそうそう、夕方から冷え込むらしいから風邪引くなよ?」


加賀「それを私たちにいうのか・・・」


赤城「指揮官様のお気遣い、心より感謝いたしますわ~」フフッ


指揮官「それじゃあ先に戻ってるからな~」ヒラヒラ


加賀「・・・・・・」


赤城「・・・・・・」


加賀「・・・戻りますか?」


赤城「・・・ねえ加賀? 私たちにこんな平穏が待っていたなんて、誰が想像できたかしら?」


加賀「姉様・・・? 突然どうされたのですか?」


赤城「だってそうじゃない? 人類を裏切った私たちが、こうして指揮官様の元に集まって、人類の為に戦おうとしている。滑稽じゃない」


加賀「・・・後悔されているのですか?」


赤城「後悔? いいえ。後悔なんてしていないわ」


加賀「・・・そうですか」


赤城「そうよ」


加賀「・・・そうですね。私も、後悔はしていません。人類を裏切ったことも、指揮官の元に集ったことも。姉様と共にあっての私ですから」







ーーもしこれが、カミの采配だとすれば、なんと惨たらしいものなのだろうか。





ーーあいつは一体、いつまで縛られなければならないのだろうか・・・






ーーあいつにはもっと、別の「カノウセイ」があった筈なのに・・・・・・







後書き

この作品を読んで頂き、ありがとうございます。R-18タグを付けましたが、もしかしたら書かないかもしれません。

コメント等を残して頂けると喜びます。跳ねます。コイキングみたいに。


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