2016-05-11 19:30:28 更新

概要

【メタルギア×艦これ】のSSです。

【メタルギア×艦これ】ありえないかも知れない一つの物語

【メタルギア×艦これ】天国の外側

【メタルギア×艦これ】グラウンド・ゼロズ

の続きとなります。それらをお読み頂いてからこちらをお読み頂くと、よりこの作品を楽しめます。


前書き

艦隊これくしょん〜艦これ〜 と メタルギアソリッドのクロスオーバーです。
一応R-15(原作:PW基準)
PWからTPPをクロスオーバーでIFストーリー

地の文がふくまれる場合があります

キャラ崩壊があるかもしれません
ん。

オリジナル設定多々あり。

作者は携帯投稿が主流です。

文がおかしくなる事があります。

※重要 この作品は、『艦隊これくしょんー艦これー』と『メタルギアソリッドシリーズ』の二次創作です。実際の出来事、団体や組織、地名には一切関係ありません。


※最重要


このSSは、メタルギアサーガがら大きく外れたものになります。つまり、このSSからMG、もしくはMGS1に繋がることはありません。

以上が許せる方のみ、地獄から蘇った英雄(死者)の報復をご覧ください。







ダイヤモンド・ドッグズ所属艦娘




戦艦

長門、陸奥

2隻




軽巡洋艦

大井

1隻



駆逐艦


叢雲、吹雪、睦月、夕立、島風、雪風


6隻



工作艦


明石


1隻



給糧艦

間宮

1隻



練習巡洋艦


香取


1隻



以上12隻





















ーーばくだんはーー







ーーもう一つ、あるーー








ーー止せぇ!!!!!!ーー












ーーエンジン、大破!! 駄目です、墜落します!!!!ーー




ーー全員、衝撃に備えろ!!!ーー
















ーーボス……、ボス!!ーー






ーーボスゥゥゥゥゥ!!!!!!ーー






〜〜〜







一体、何度この情景を見なくてはいけないのだろう。


多くの仲間が死んで、たった1人の命も救えず、さらに多くの命が燃え尽き、海に呑まれた。


何度も何度も、悲劇のプレイバックを永遠と見せつけられる。これで何度めだろうか。それすらもわからない。いや、分からないのではなく、数えることを諦めたのだ。最後に数えたのは100か? 200か?


また同じ情景か……。いや、今回は違うようだ。ヘリから見た情景でなく、ベッドの上で寝ているのだろうか?









ピッ、ピッ、ピッ……………







ーーここは?ーー








ーー病院か。ってことはあれはナースだなーー







ーーあぁ、そうか……。あの時ーー






ーー駄目だな……。何もかもが曖昧だーー








ーー意識も追いつかないーー







ーーともかく、あのナースには………ーー





スネークは如何にかしてナースに今の自分を知らせようとする。だが、身体も動かない。そこで、声を出そうとするが………。




「………、…………」




出てくるのは言葉ではなく、呻き声とも取れる音だ。身体だけでなく、声帯までもが使い物にならないとは……。








スネーク「………! ……!!」


ナース「えっ?」


スネーク「! ………!!」


ナース「っ! 先生、 先生!! 患者さんが!!」


ナース「いま、先生を呼んできますので、お待ちください!!」






どうやら気づいたようだ。





ーーはぁ……。身体も動かないかーー





ーー少し、意識を手放すか………ーー








ーーあぁ……眠くなってきたなーー





















プルルルル プルルルル







ガチャッ






















ーーVが目覚めたーー































……V has coV has coV has comV has come toe tome toV has come toV has coV has cV has come toome tome toV has comV has come toe tome to………


































ーーV has come toーー





































???「…こ………か?」









???「き………す…?」










第1章 覚醒






第1話 英雄の覚醒







覚醒から3日





ーー今度は誰だ?ーー




朦朧とした意識の中で、何かを伝えようとする声が聞こえる。男の声だ




???「聞こえますか?」





意識が追い付いたようだ。今度は、はっきりと言葉が聞こえた。




ーー医者か?ーー








医者「聞こえていたら、返事をしてください」



スネーク「……! ……!!」




ーーやはり駄目だ、声が出せないーー




医者「声が、上手く出せませんか?」



医者「では、身体は動かせますか? 首だけでも動かせませんか?」




ーーいきなり質問攻めかーー






医者「聞こえていたら、頷いてください」







ーー首なら、まだ動くなーー







コクッ






医者「上を向いてください」





ーーここは、どこなんだ? 見た所、普通の病院の様だがーー




医者「言う、通りに、して、ください」






ーーこっちのことは無視かよ。……まぁ、仕方ないーー



などと思いながら、医者の言葉に従い、上を向く。ベッドの軋む音が、部屋に虚しく響く。







ギシ………






医者「では…………」


医者「……話せそうですか?」





スネーク「……………!」


医者「まだ、出せませんか?」








コクッ







医者「わかりました。あぁ、落ち着いてください。焦ることはありません」


医者「貴方に、お話があります。聞いてください」







コクッ






医者「貴方はずっと、昏睡状態でした。運び出されてから処置は行ったものの、心肺停止から蘇生までに時間がかかってしまい。一命は取り留めましたが……」



スネーク「………!」



医者「えぇ、貴方の聞きたいことはわかっています。どれくらいの長さか?」





医者「およそ、9年です」







ーー9年………か…。






医者「落ち着いてください。焦る気持ちも、落ち込む気持ちもわかります。ですが……」


医者「今の貴方には、現実を受け止めてもらう必要があるのです」


医者「いいですか?」







コクッ









医者「……まだ、声は出せませんか?」







スネーク「……だい……じょう…ぶ…だ」





どうやら少しはマシになったな。と、スネークは安堵する。




医者「……少し、身体を休めましょう。今は身体を、意識通り操れる様にすることを考えてください」


医者「身体が硬直してしまい、上手く動かせないかもしれませんが、少しづつ治っていきます。今は落ち着いて、ゆっくり身体と精神を休めてください」




スネーク「あぁ…………」










ーー9年………。










何か………、忘れている様な……







いや、いまは…………








休んで……、おく、かーー















覚醒から7日







《…………という供述をしており、日本海軍大本営は、『我々の預かり知らぬところで行われたものであり、責任は我々でなく、当事者が負うべきだ』との発言を残しています》



《続いで、次のニュースです。今日の午前2時、横須賀の………》






ラジオからの爽やかな男の声で、彼は目を覚ました。また、眠っていたようだと、少しうんざりする。思い通りにならないこの身体が、本当に自分の物なのだろうか? そんなことを思いながら……。





ナース「気分はどうですか?」




今回は気付いてくれたようだ。返事だけでもしておこう。




スネーク「あぁ…………」




よかった。声は出るようになった。後はこの身体だ。動くようになれば……。




《……以上、ニュースでした。》





それと同時に、医者が入ってくる。



医者「貴方の覚醒から、1週間が経ちました。少し、身体を起こしてみましょう。ナース」


ナース「はい」





ーー随分と、寝ていたんだなーー






ギシ………




医者「大丈夫。筋力は衰えていますが、昏睡中に筋肉運動等の処置を行っていたので、リハビリは必要ですが、じきに動かせる様になります」


スネーク「そうか……」


医者「ええ。ではこれから、貴方の状況を説明します。落ち着いて聞いてください」


医者「貴方は9年前に、爆発で重症を負いました。救出された時、貴方の身体には多くの破片が刺さった状態でした。摘出はしましたが、一部は残っています」


医者「こちらのレントゲンを見てください。脳に、金属片が刺さっています。無理に引き抜くと、脳内出血の恐れがありますので、そのままで」


医者「金属片は、比較的小さなものなので、顔の表面には出てきていませんが、何らかの衝撃が加わると視神経を圧迫し、幻視するなどの様々な症状が出るかもしれません」


スネーク「…………」


医者「それと、もう一つ。こちらも深刻ですが………、爆発の衝撃で、何処かに頭をぶつけたのでしょうか、軽い脳震盪を起こしていました。それと、心肺停止から蘇生までに時間がかかった為に、一部の脳細胞が破壊されてしまった恐れがあります」


医者「もしこの2つが関係性を持つ事があれば、貴方は軽度の『記憶喪失』を起こすかも知れません」


スネーク「記憶………喪失?」


医者「正確に言えば『記憶破壊』の方がしっくりきますかね。何処かしらの記憶が薄れている、或いは無くなるということです」


医者「『特定の誰か』か、『貴方の中にある、どこかの時間』か、と言うことです。10年前か? 20年前か? それは貴方自身の記憶ですので、医者からなんとも言えません」


医者「今の状態を診て、生命維持に必要な行動までは忘れていなさそうですので、生活に支障が出ることはないでしょう」


医者「いいですか? 貴方の記憶破壊は、あくまで予測であり、我々医者が考える最悪の状態です。運が良ければ、脳細胞が死滅していなければ、貴方は今までの記憶を残しているはずです」


医者「今の医療技術では、そこまでの事はわからないので、私からは何とも言えないのです。ご承知ください」



スネーク「あぁ………、わかった……」


医者「では、今日はもう休みましょう。身体を寝かせます。そのままゆっくりと。………そうです。」




医者「……休んで下さいね」










ーー記憶……か。






多分、覚えているはずだが……。







………いや、止めておこうーー






覚醒から12日後




近くから忙しない足音が聞こえる。しかし、9年間眠っていたのによくもまぁ寝れるなと、思いながら目を覚ます。




ナース「患者の体力を見ても、やはりまだ無理です!」


医者「いや、彼の覚醒が外に漏れてしまった! 一体どうして……!」


ナース「しかし!」


医者「いいから、急いでくれ! 」


ナース「………わかりました」


医者「お目覚めになりましたか」


スネーク「あぁ」


医者「今の話も?」


スネーク「少しはな」


医者「そう、貴方の覚醒を望まない者もいます。死んだはずの貴方が、生きていると知られれば、間違いなく世界中から襲われます」


スネーク「………」


医者「今から、少しでも身体を動かせるようにする為、リハビリを行います。ひとまず、強心剤を打たせて頂きます。いいですね?」


スネーク「あぁ……」


医者「今の貴方の身体には、負担が掛かるかも知れませんが、貴方には、この広い世界にてやるべき事があります」


医者「よって、貴方を狙う者から、貴方自身を守る為に、今後は『エイハブ』と名乗り、過去を捨ててください」


スネーク「エイハブ? あの『白鯨』の?」


医者「自分の身を守るものです。どうか……」


スネーク「……わかった」


医者「この写真は過去の物。そう、ここに写っている貴方は、貴方ではありません。名前も過去も、すべて忘れるのです」


医者「写真に写っている貴方は、明日にはファントムに成り………」




どうしたんだ?



医者の言葉が途切れたと同時に、俺が寝ているベッドを、医者が蹴りあげようとする。



医者「ぐっ…………うぐっ………ごっ……あっ…………!!!!」グググッ…………


スネーク「っ!」



医者「おごっ…………あがっ………ぐうっ…………あっ……がっ……!!!!」ガンッ




スネーク「ぐっ………!」ガシャン




よく見ると、何者かに首を絞められているようだ。紐か何かだろう。医者が俺を隠すためにベッドから突き落とすつもりだったのだろうか? 今となってはわからない。




医者「あ゙がっ゙………あ゙っ゙、あっ゙、………がっ゙……がぁっ………ぁあ…………」





声が段々と弱々しくなり、医者は膝から崩れ落ちる。そして医者の死体近くから、足音が聞こえる。






スタ、スタ、スタ……




ようやく姿を見る事ができた。女だ。恐らく、この女が医者を殺したのだろう。女は俺がいたベッドから少し離れ、耳に手を当てる。無線での通話だろう。しかし……





ーー誰だ? この女ーー




少なくとも、俺の知っている女ではない。



謎の女「まだよ。……隣の患者に顔を見られたわ。……了解、わかったわ」




謎の女「…………」 スタ、スタ、スタ……




女はナイフを手に持ち、俺の方へと近づく。間違いない。俺を殺す気だ。




ーーまずい! どうにか……ーー




ーーくそっ! 身体が動かんーー



諦めかけたその時、男ーー恐らく隣にいた男ーーが、女の動きを止めようとしがみつく




謎の男「こいつ!」ガシッ



謎の女「邪魔を……しないで!」



しかし女は、しがみついた男を振り解き、俺のすぐ隣に吹き飛ばされる。



謎の男「ぐあっ!」ガシャン



あの女に投げ飛ばされた男は、医者達が俺の治療に使っていたであろう薬品などが入ったワゴンに当たる。




謎の男「っ……くそっ!」



そして男は、ワゴンから床に落ちた点滴のパック、それを置いておく盆、薬品の箱、見境なく目に入った物を女に投げつける。



カンッ



カシャン



カンッ



パリンッ



謎の女「少し、大人しくして」



しかしその抵抗も虚しく、女は手に持ったナイフを男を目掛けて投げる。


謎の男「ぐうっ……!」ドスッ




どうやら肩に当たったようだ。男はうずくまり、呻き声を上げる。


そして、邪魔をする者を片付けたと言わんばかりの足取りで、女は俺の方へと歩み………





謎の女「あなたは、死んで貰うわ」




俺の首へ手を回す。





スネーク「ぐっ………あがっ………がっ………!!!」グググッ…………






ーーやはり、俺が狙いか。くそっ、息が………っ!!ーー



自身で抵抗しようと試みるが、先程まで動かなかった身体である。何もできない。




スネーク「ぐぅ…………ぁ……あっ………ぁあ……………」






そうして、俺の意識は朦朧としていく。そんな意識の中で、鼻唄が聞こえる。



スネークは幻聴かと疑う。なぜならその唄はこの世のものとは思えないほどの美しい声で唄われていたからだ。そこで何故か、スネークはある疑問を持った。




ーー俺は1度、こいつに会った事がある?ーー





そう思いながら意識が途切れようとした、その時ーー







ドスッ








謎の女「っ!!!」




女は首を絞める力を弱め、俺を床に投げ捨てた。九死に一生とはこの事だ。まだ視界は霞んで見えるが、それでも女の顔が歪んでいるのは見て取れる。




スネーク「ぐあっ!」ドサッ




視界が少しづつ戻っていくと同時に、肺が大きく空気を取り入れる。助かった、そう思ったのも束の間の出来事。そして次の瞬間………。




チンッ




ヒュンッ




謎の女「いやぁ!!!! あぁぁぁぉぁぁああ!!!」



女が悲鳴をあげる。視界が戻って行き、女の方を見ると、身体中が燃えている。だが、あの燃え方は尋常じゃない。恐らく、発火性の強い何かを用いて火をつけたのだろう。


女はどうにかして火を消そうと、床に転がり揉み消そうとしていた。火が弱まった所で、俺たちに近づこうと立ち上がった瞬間、隣の男は女に向かって何かを投げる。




ヒュンッ






パリンッ





謎の女「キャアアアアァァァァァァァ!!!!! あぁ!! ! ぁああっ!!! 」



ーーなっ!?ーー




火の勢いが更に強くなる。天井を焼く程の高さまで燃え上がる。そして……。




謎の女「あぁ!! うわぁぁ!!! ぁあああ!!! あああああああ!!!!!! 」




謎の女「キャアアアァァァァァァァァァァァァ!!!!!!」ガシャンッ




………全てが一瞬の事で、スネークが呆気にとられていると、男の方から近づいてきた。







謎の男「大丈夫か?」






頭の整理が追いつかず、自分を助けた男に聞いてみる。






スネーク「あの女はどうした………?」


謎の男「女? あぁ、炎を背負ってそこの窓から落ちたよ。俺は9年間、お前を見守っていた。そうだな……、『イシュメイル』と呼んでくれ」


スネーク「『エイハブ』ときて『イシュメイル』。俺は相当『白鯨』に好かれたらしいな……」


イシュメイル「ははっ。ともかく、ここから逃げよう。世界中があんたを狙ってる。ここに居ても、いずれ殺されるだけだ」


スネーク「俺を助けてくれるのか?」


イシュメイル「ある連中に頼まれたんだ。あんたに万が一があったら助けてやって欲しいとな。奴らが待っているのはあんただ。俺じゃない」


スネーク「どういう意味だ?」


イシュメイル「……いや、気にするな。ともかく、早くここから出よう。まだ歩けないかもしれないが、大丈夫だ。俺がカバーする」


スネーク「頼めるか?」


イシュメイル「あぁ。任せてくれ!」







第1話 英雄の覚醒 完











第2話 英雄の姿




イシュメイル「エイハブ、歩けるか?」


スネーク「ちょっと待ってくれ………」






ガシャンッ





スネーク「くそっ……」


イシュメイル「まだ無理か……仕方ない、エレベーターで行こう」


スネーク「待て、エレベーターは止められたら終わりだ。階段で行こう」


イシュメイル「大丈夫か?」


スネーク「あぁ。そこまで柔じゃない」


イシュメイル「………わかった。何かあったら俺に言ってくれ」


スネーク「すまん」


イシュメイル「気にするな。さぁ、行くぞ」



「………!」


「…! ……!!」



スネーク「誰の声だ?」


イシュメイル「少し待っててくれ」




ナース「大丈夫ですよ。落ち着いて………」


患者「何が起きてんだよ………」



イシュメイル「ナースと患者だな。念のためにここで待機しよう。嫌な予感がする」





2人は病室の壁に張り付き、廊下の様子を見守る。






ナース「患者さん、助けが来ましたよ! ほら!」



ナースが指をさした先には、一機のヘリが飛んでいた。



患者「お、おおい! こっちだ!!」


ナース「早く! 患者がここにいるわ!!」



2人はヘリに自分達の存在を報せようと手を大きく振る。ヘリはこちらに気付いたのか、機体を近づけてくる。だが、ヘリは正面をこちらに向け、2人に機銃を放つ。イシュメイルとスネークは、ヘリに悟られないように姿を隠す。


聞こえるのは患者とナースの悲鳴と、機銃による爆音だった。見境なしかと、スネークは顔をしかめる。機銃の音は止み、スネークとイシュメイルはそちらを確認する。そこにあったのはナースと患者の死体、ガラス片、大量の銃痕と、凄惨な出来事を確信させる生々しい現場となっていた。





イシュメイル「エイハブ、どうする?」


スネーク「少しなら歩けそうだ。ヘリに見つからないように身を低くして進もう」


イシュメイル「わかった。そうしよう」





2人は、ヘリに見つからないように身を低くして廊下を渡る。9年眠っていたとはいえ、伝説の英雄。その動きは未だ衰えていない。そしてイシュメイルの動きは、とても素人とは思えない動きだ。






イシュメイル「エイハブ、こっちだ」


スネーク「どうした?」


イシュメイル「銃を持った奴がいる。多分、俺たちを狙ってるんだろう」


スネーク「数は?」


イシュメイル「確認できるだけでも…………2人だ」


スネーク「少し、様子を見よう」


イシュメイル「何をする気だ?」


スネーク「奴らから銃を奪っておこうと思ってな」


イシュメイル「大丈夫なのか?」


スネーク「まだまだ鈍ってないさ」


イシュメイル「………わかった」







ーーあんたが英雄として生き続けるならーー








ーー俺はあんたを守り続けるーー







スネーク「何か言ったか?」


イシュメイル「い、いや! それで、どうだ?」


スネーク「あぁ、やはり2人だけのようだな」


イシュメイル「そうか、なら奪ってやるか?」


スネーク「勿論だ」





〜〜〜







イシュメイル「ふぅ、大したことは無かったな」


スネーク「そっちはどうだ?」


イシュメイル「サプレッサー装着のハンドガンだ。そっちは?」


スネーク「こっちも同じだ。これで少しはマシになるだろ」


イシュメイル「さぁ、早くここから出よう」







2人は病院を哨戒する兵士の視界を避けて進み、襲撃を受けてから約1時間で、病院のエントランスに辿り着いた。そこにたどり着くまでに、多くの死体を目にしてきた。恐らくここの人間の殆どが殺されたのだろう。中には息のある者もおり、スネークは助けようとしたがーー




「あんたの命が最優先だ」




とイシュメイルに釘を刺された。一体この男は何者なのだろう。その疑問は解けることはなかった。なぜならーー




イシュメイル「エイハブ、敵が多すぎる。俺が囮になろう。その間にあんたはここから逃げてくれ」




気がつくと病院のエントランスに着いていた。階段の下には兵士が6人ほど確認できる。





スネーク「止めろ、危険だ! 死ぬぞ!」


イシュメイル「………心配するな」





イシュメイルはそう言い残し、ハンドガンに装着していたサプレッサーを取り外し、敵部隊の真ん中に投げる。サプレッサーの落下音に気を取られていた兵士を、イシュメイル撃ち殺し、このエントランスから外へと敵をおびき寄せようとする。彼を見つけた敵はまんまとおびき出され、障害を排除しようとその場を離れる。


彼の行動を無駄にはしないと自分に言い聞かせ、スネークは病院を後にする。刹那ーー








ヲ…ヲヲ……ヲヲヲ!!!!






と、不気味な雄叫びが耳を劈く。これは明らかにヒトの物ではない。スネークはそう確信し、辺りを見渡すと、複数の黒い物体が空を飛んでおり、それがこちらに近づいている事が確認できた。




スネーク「何だ………あれは」






それは飛行機でもヘリでもなく、ヒトの知恵で編み出した物ではない。人々を恐怖に貶める存在。爬虫類や鳥の頭様な造形をしたそれは、スネークを見つけるや否や、チェインガンでスネークを蜂の巣にしようとする。





スネーク「危なっ!!」





間一髪のところで、スネークは病院の中に戻り、身を隠す。こちらに近づいて来た謎の物体。それは深海棲艦が用いる艦載機だった。スネークを仕留め損ねて引き返すと思えたが、艦載機はそのままこちらに向かってくる。


何をしでかすのかと不安に思っていると、艦載機はスピードを上げ、病院の外壁に衝突していった。その度に爆発が起き、建物が揺れる。




スネーク「特攻隊のつもりか……」




あちこちで爆発と火災が起こる。ここから逃げるにも敵艦載機が哨戒している中を歩いて行くのは自殺行為だ。諦めかけたその時ーー




イシュメイル「エイハブ! 乗れ!!」




イシュメイルが車を持ってきたのだ。これならば逃げられる。スネークは車に乗り、イシュメイルと共に病院を後にする。


案の定、病院周辺は大パニックとなっていた。多くの緊急車両が病院に向かう中を、スネークの車は逆走していくのだ。右、左、右と蛇行しながら車両間を通り抜ける。


細い道に入った所で、背後から銃撃を受けた。さっきの艦載機だ。追いついたのだ。イシュメイルはハンドルを小刻みに操り、攻撃をすり抜ける。すると艦載機はヤケになったのか銃撃を止め、スピードを上げてこちらに近づく。スネークは勘付いた。



スネーク「イシュメイル! 気をつけろ、突っ込んでくるぞ!!」


イシュメイル「奴ら……終いには見境なしかよ!」




スネークの言葉通り、艦載機はこちらを仕留めようと特攻を始める。イシュメイルはアクセルを思い切り踏み込み、特攻を回避しようと試みる。1つ、2つと爆発していくが、3つ目の艦載機が車の前方で爆発する。


車は艦載機の爆風で制御を奪われ、道路を大きく外れる。イシュメイルは気絶してしまったらしく、ハンドルに倒れ込み、クラクションが鳴り続けている。スネークは助手席からイシュメイルをシートに寄り掛からせ、ハンドルを握るが、その甲斐も虚しく、前方に張られていたバリケードに突撃してしまう。


車は宙を舞い、ルーフが地面と接する形となった。スネークの意識はそこで途絶えてしまった。







第2話 英雄の姿 完














第3話 英雄の相棒(パートナー) 前編







どれ程時間が経ったのだろうか、スネークは目を覚ました。意識が朦朧とする。段々と視界がはっきりとして来たところで、スネークはある事に気がつく。




スネーク「イシュメイル? どこに行ったんだ?」




自分の命を救ってくれた男の姿がないのである。夢か? そんな筈はない。現に夢であれば自分は病院のベッドにいる筈だ。そんな事を考えていると……。




???「ボス! ご無事ですか?」



後ろから男の声が聞こえた。イシュメイルか? と振り向くと、長く白い髪にウェスタン風の格好をした男が、乗っていた馬から降り、こちらに近づく。確かこいつは……




オセロット「ジョン、無事か?」


スネーク「オセロットか!」


オセロット「えぇ。貴方のいた病院が襲われたと聞いて駆けつけたのですが、病院は半壊状態。辺りを捜索していました。ご無事で何よりです」


スネーク「オセロット、お前ここに来るまでに、顔を包帯で覆った男を見なかったか?」


オセロット「いえ、見ていませんが……」


スネーク「そうか……」






ヲヲヲヲヲヲ!!!!






オセロット「ボス、まずはここを離れましょう! さぁ、後ろに。私が馬を牽きます」


スネーク「あぁ! 頼むぞ」







〜〜〜





数10分後





スネーク「雨か……」


オセロット「雨が降れば、奴らは近づけません。ご安心を」


スネーク「オセロット。色々と聞きたいことがあるんだが……」


オセロット「どうぞ。答えられることなら幾らでもお答えします」


スネーク「何故お前はあの場所に居たんだ?」


オセロット「ある連中から依頼を受けました。正確には、カズヒラ・ミラーと艦娘からですが、貴方を守って欲しいと。貴方が昏睡中も頻繁に出入りして居たのですが、今日に限ってやられるとは……」


スネーク「じゃあもう一つ。俺は、何をすればいい?」


オセロット「まずは、ミラーを救出します。覚えていますか? 彼のことを」


スネーク「あぁ。9年前のことは覚えてる。大丈夫だ」


オセロット「ミラーは、貴方より覚醒が少し早かった。彼はゲリラとして活動していたが、今はアフガニスタンで囚われています」


スネーク「アフガニスタン?」


オセロット「あぁ、昏睡していたんでしたね……。今から4年前に、ソ連がアフガニスタンへ侵攻。それに対してイスラム教徒が抵抗し、西側がそちらに肩入れしている状態です。ミラーは反政府ゲリラの教官として活動している所をソ連側に捕らえられました」


オセロット「ともかく、今はミラー救出を最優先にしてください。貴方にとってミラーは、無くてはならない存在です。貴方はミラーを救い、また貴方の部隊を作り上げる。それが、貴方が生き残る唯一の方法です」


スネーク「……わかった」


オセロット「では、アフガニスタンまでは長旅になります。少し、お休み下さい」


スネーク「……あぁ」







馬を走らせるとこ30分。港に到着する。どうやら船を使うそうだ。なるほど、長旅ってのはそういうことか。








太平洋航行中 船内



スネーク「そういえば、この船はどうやって手に入れた?」


オセロット「日本が所有していた戦艦、『三笠』ですよ」


スネーク「三笠? まだ動くのか!?」


オセロット「9年前のあの日、貴方がいた横須賀の建物が倒壊した中で、唯一残ったのがこの三笠です。あの出来事以降、三笠は度々日本で使用されていましたが、ミラーが日本との交渉で、一時的に租借している状態です」


スネーク「こいつには随分と世話になった。しかし、よく日本は快く受けてくれたな」


オセロット「ミラー曰く、日本は俺たちに助けてもらった恩があるから快諾してくれた、と言っていましたが?」


スネーク「まったく、器がでかいと言うかなんと言うか……」


オセロット「えぇ。まったく」


スネーク「そういえば、お前さっき『艦娘』と言っていたな。話は聞いているのか?」


オセロット「ええ。日本が未知の存在、深海棲艦と対峙するために作り上げた兵器。かつての大戦で日本が使用していた艦の魂を受け継いで、深海棲艦と戦う存在だと」


スネーク「あぁ、そうだ」


オセロット「実は、貴方が昏睡中に世界情勢だけでなく、深海棲艦との情勢も変わっていったそうで……」


スネーク「どういう事だ?」


オセロット「深海棲艦と人類の戦いは一進一退の攻防を繰り広げていたものの、2年前に人類側が押されてきました。太平洋、主に日本近海で確認されていた深海棲艦が、大西洋、インド洋と世界各国の海洋で確認されました」


オセロット「その結果、艦娘も世界各国へと進出。日本は『海上自衛隊』を『日本海軍』と改名する事を決定。かつての大戦時の様な形態をとっている様です」


スネーク「そうか……」


オセロット「ミラーは反政府ゲリラの教官としてだけでなく、艦娘の指揮、教官を行う『提督』としても活動しているそうです。他に何かありますか?」


スネーク「いや、大丈夫だ」


オセロット「色々と積もる話もありますが、やっと、貴方の元で戦える………。それをどれだけ待ちわびた事か」


スネーク「……これからも、頼むぞ。ジュニア」


オセロット「えぇ、ジョン。お任せを」



第3話 英雄の相棒(パートナー)前編 完

















第4話 英雄の相棒(パートナー) 中編





数日後






アフガニスタン








スネークとオセロットは、ミラーを救出する為に、アフガニスタンへと赴いた。アフガンは広大な砂漠が広がるため、徒歩で進むのは中々ハードだ言うオセロットの言を聞き入れ、馬を使って砂漠を移動する事になった。







オセロット「砂嵐を抜けます。どうですか? お加減は」


スネーク「あぁ。問題ない」


オセロット「ミラーは囚われて約1週間が経っています。体力的に見積もって、長くても3日。それを過ぎれば、ミッションは失敗。9年前の報復も出来なくなります」


スネーク「3日だな? わかった」


オセロット「それと、ミラーにこれを渡して下さい」




そういって渡してきたのはサングラスだ。そう言えばあいつは何時もこれを掛けていたなと、スネークは懐かしむ。






オセロット「貴方はずっと、戦場を駆ける私たち戦士にとっては伝説、憧れの存在だった。ミラーを単独で救出することが、貴方がビッグボスとして返り咲くただ一つの方法です」


スネーク「………あぁ、わかってる」


オセロット「ミラーが率いていたのは精鋭揃いの部隊でした。それが全滅です。敵の戦力には充分警戒を……」


オセロット「まずはミラーの居場所、敵戦力を調べるために情報を集めましょう。この道をまっすぐ進んでください。そうすれば、大規模な敵の拠点が見えてくるはずです。当然、敵は厳重に警戒しているはずです」


スネーク「あぁ。気をつけよう」


オセロット「では、ボス。ご無事で……」


スネーク「任せておけ」





スネークは自分の乗る馬に鞭を入れる。馬は大きく嘶き、坂道を下る。半分を過ぎたところで、後ろからオセロットの声が響く。




オセロット「さぁ行け! 伝説を取り戻して来い!!」









〜〜〜







馬を走らせてからどのくらい経ったのか、突然オセロットが無線をかけてきた。




オセロット「ボス、聞こえますか?」


スネーク「あぁ、どうした?」


オセロット「前方に集落が見えてくる筈です」


スネーク「あぁ、建物が見える。そこだな?」


オセロット「はい。そこは元々、一般人が暮らしていた集落でしたが、ソ連のアフガン侵攻によって、ソ連兵に占拠されている状態です。かなり大きな拠点なので、ミラーに関する情報が得られるかと」


スネーク「わかった。探してみよう」




オセロットの言う通り、そこはかなり大きな集落だった。尤も、住民がいたことなど過去の事だということが伺える。哨戒中の兵士は間違いなくソ連兵だ。スネークは1人の兵士に尋問することにした。




兵士「そ、そこの建物で、様々な情報を管理している。もしかすれば、そこに何かあるかも知れんぞ!」





兵士が示した先には、高い建物がある。ここを司令塔として居るのだろう。スネークはその兵士を気絶させ、他の敵に自分の痕跡がばれないように物陰へと運ぶ。そしてスネークはその建物へと向かうと、情報通り、確かに書類があった。





スネーク「オセロット、カズに関する情報が書かれた書類を見つけたんだが?」


オセロット「さっき渡した端末を、それに翳してください」


スネーク「こうか?」



iDROID《ーーNow Loading…ーー》



iDROID《ーーCheck Completeーー》



iDROID《ーーMission info updatedーー》




オセロット「マップにマーキングが付いたはずです。恐らくそこに、ミラーが囚われているはず。ボス、東へ」


スネーク「わかった」






幾ら馬があるとはいえ、距離はかなりのものだ。目的地まではここから約数十km。すっかり日も暮れてしまった。


目的地の拠点にそびえる建物。ここにミラーが居ると敵兵士から情報を得たスネークは、慎重に建物へと潜入する。二階の一角にある小さな部屋。片手を手錠で繋がれている1人の男がいた。恐らくミラーだろう。スネークは近づく。



スネーク「カズ、俺だ! 助けに来た!」



ミラー「スネーク…………」




スネークは男の顔を持ち上げる。間違いない、カズだ。スネークは手錠を外し、オセロットから渡されたサングラスをミラーに掛けてやる。見た所、相当の拷問を受けたのだろう。体がボロボロだった。


更に驚いたのは、右腕と左脚が無いのである。俺がいない間、迷惑をかけた。などと考えていたスネークだが、それを察したのか、ミラーはゆっくりと口を開く。






ミラー「遅かったじゃないか……」


スネーク「話は後だ。逃げるぞ」



そういって、スネークはミラーを抱える。



オセロット「ボス、ミラーは?」


スネーク「あぁ、無事だ。ヘリをよこしてくれ、回収する」


オセロット「わかりました。マップにランディングゾーンを表示します。ミラーを連れて、離脱してください」






スネークは、ミラーを抱えて拠点を後にする。麻酔弾を装填したハンドガンで敵を無力化していき、指定されたランディングゾーンへと向かう。




ミラー「ボス、俺は……ずっと信じていた。あんたは………必ず戻ってくると」


スネーク「あぁ。待たせたな」


ミラー「ふっ……何年待ったと思ってるんだ………? 」


スネーク「9年だ」


ミラー「……元気そうだな。ブランクがあるとは……思えん」


スネーク「お前は?」


ミラー「俺は……、少し軽くなったな……」




パイロット《こちらピークォード、まもなくランディングゾーンに到着》




スネーク「何だ?この霧……」


ミラー「霧………」


オセロット「こちらからも確認しました。どうやらその周辺に、ガスが充満しているようです!」


パイロット《エイハブ、聞こえるか? こちらピークォード!》


スネーク「どうした?」


パイロット《ガスが急速に増大中。降下できません! 一時離脱します!!》



ミラー「まずい……。奴らが……来る……!!」


スネーク「奴ら?」





霧ーースモッグと言うべきかーーの先に、影が見える。だがそれは、ゆらゆらと左右にふらつかせている。まるで、ホラー映画に出てくるゾンビの様な動きだ。


近づいてきたところで、それが人でないことがわかった。とても奇妙な生き物だ。鯨の頭の様な、魚雷の様な形をしたものに、2つの足が生えている。



スネーク「待て、こいつは……!」



ミラー「深海棲艦………」



スネーク「馬鹿な! 奴らは……!! 」




奴らは深海、ひいては海上でしか活動しなかった筈だ。そう言いかけたのも束の間で、深海棲艦ーー駆逐イ級の様なものーーは口を大きく開く。砲塔の様なものが見え、そこから砲弾をこちらに向けて放つ。威嚇射撃のつもりだったのか、弾はスネークとミラーから大きく外れたところに着弾した。





オセロット「まずい! 逃げろ!!」




言われるまでもなく、スネークは自分が乗っていた馬の背にミラーを乗せて自分も馬に乗り、逃げようとする。


だが奴らは追いかけてくる。二本の脚で駆けてくるそれらは、遠巻きに見ればダチョウの様にも見えなくもない。尤も姿が不気味なので恐ろしいことこの上ないが。スネークは持っていたライフルを深海棲艦へと向けて発砲するが、全くダメージを与えられていないと解り、とにかく逃げることを第一に考えた。


暫く馬を走らせると、次第にスモッグは晴れていく。追っ手もなくなったようだ。近くにヘリを送ると言うオセロットの通信を受け、2人はそこに向かう。




ミラー「あんたに、見せたいものがあるんだ……」


スネーク「見せたいもの?」


ミラー「俺たちから……、全てを奪った連中に報復する。その第一歩となる場所だ………」


パイロット《こちらピークォード。ランディングゾーンに到着!》


オセロット「ミラーをヘリに乗せてくれ!」





Mission info updated




Mission Complete










ヘリ機内





ミラー「ボス……、あの時何が起きたか覚えているか………?」


スネーク「あぁ。多くの仲間が死んだ………」


ミラー「それだけじゃない。……横須賀周辺海域の警備に当たらせた彼女たちも……殆ど行方が知れない」


スネーク「なぁ、詳しく話してくれないか? あの時のことを……」



ミラー「………あの時、武器庫、工廠、あらゆる所で爆発が起きた……。事態を把握しようにも、命令系統が混乱して情報が何も入ってこなかった。何人かの兵士は俺を逃がそうと護ってくれたが………」


スネーク「彼女達は?」


ミラー「サイファーの連中は……、深海棲艦をも手中に収めたらしい。横須賀襲撃と同時に深海棲艦が大艦隊を率いて横須賀近海に展開………。彼女達はそちらにしか手が回らず、その後の安否は不明………。唯一確認できたのは、叢雲と大井。明石と間宮の4人だけだ……。今は俺たちの下にいる」


スネーク「そうか………」


ミラー「俺は……、もう一度やり直す。かつての様にあんたと部隊を作って、奪われた全てを取り返す。その為に俺は9年間……、サイファーの監視から逃れて『戦争の犬』になった。金になることなら何だってやった。………『ダイヤモンド・ドッグズ』。それが今の家だ」






数十時間後




太平洋上空 ヘリ機内







ミラー「スネーク……、見てくれ……」


スネーク「ここは?」


ミラー「………『ラバウル基地』だ。横須賀と同じ、『鎮守府』。ここが、俺たちの新しい家だ」



パイロット《降下します》




オセロット「ボス、ご無事で」


DD兵「ボス!!」


オセロット「ミラーは怪我人だ。担架に乗せてくれ。医務室に運ぶ」


DD兵「さぁ、ミラー副司令。こちらに」


ミラー「スネーク……」


スネーク「何だ?」


ミラー「俺たちは9年間、あんたが還る家を作る為に、戦争の犬になった。だが、それは今日で終わりだ」



スネーク「……………」


ミラー「あんたが目覚めたんだ。もう、掃き溜めの犬じゃない」






ミラー「ダイヤモンドの犬だ」




ミラー「俺たちは、サイファーを討つ。その為の力を得るんだ!」


スネーク「ああ。だがカズ、いいか? 俺たちは過去でなく、未来の為に戦う。仇を討つ訳じゃない、俺たちの未来を変える為に奴らを討つんだ」



ミラー「……………あぁ」





オセロット「さぁ、運べ!」


DD兵「はっ!!」




DD兵は、ミラーを乗せた担架を医務室へと運ぶ。ミラーを見守っていると、オセロットが話しかけてきた。




オセロット「ボス、『彼女達』の元へ行きましょう」


スネーク「どこにいるんだ?」


オセロット「実は、貴方がここに戻ってくる間に出撃させていました。現在はドック入りです」


スネーク「そうか。なら待っていよう。ところでオセロット……」


オセロット「なんでしょう?」


スネーク「お前、彼女達をどうやって見つけ出した?」


オセロット「ミラーの覚醒は貴方より早かった。ミラーはかつての力を得る為に、あらゆる人材を登用していた。その中で偶然会ったんだ」


スネーク「ほう」


オセロット「基本、艦娘は鎮守府に所属している形なので単独で行動することはあり得ません。そんな中、太平洋を彷徨っていた艦娘が居ました。そう、叢雲ですーー」





〜〜〜






叢雲「誰よあんた?」


オセロット「俺はオセロットだ。あんたは?」


叢雲「………特型駆逐艦、5番艦の叢雲よ」


オセロット「叢雲………。あぁ、あんたビッグボスの元にいた艦娘だな?」


叢雲「あんた……、まさか彼奴らの!」


オセロット「待て! 少し話を聞いてくれ」


叢雲「ふざけないで! 誰があんたの言葉なんか!!」


オセロット「落ち着け!」


ミラー《おい、オセロット! 何やってんだ!》


オセロット「丁度良かった! おい、ミラーからも言ってやってくれ!」


ミラー《何だ!?》


オセロット「9年前の生き残りだ! 叢雲。艦娘だ」


ミラー《何!? おい、代われ!!》


叢雲「ミラーって………? もしかして、ミラー副司令!?」


オセロット「あぁ、今繋がってる。ほら」


叢雲「ミラー副司令……、ですか?」


ミラー《無事だったか……》


叢雲「ねぇ、ボスは?」


ミラー《そこに居る男が知ってる。なぁ、また俺たちと共に来てくれるか?》


叢雲「………あんた達が戻ってくるのを何年待ったと思ってんのよ!」


ミラー《決まりだな。オセロット、そのまま叢雲を連れて引き返してくれ!》


オセロット「よし、なら行こう」








〜〜〜









オセロット「……って感じにな。そこから明石、間宮、大井と見つかってな。中々骨が折れた。全員が口を揃えて、『ボスは何処だ?』 『ボスを返せ!』 『サイファーの仲間か?』ってな。大変だったさ」


スネーク「俺のせいか?」


オセロット「あぁ。全部あんたのせいだ」


オセロット「まぁ、俺も人のことは言えないが………」


スネーク「おかげで助かってる。すまなかったな」


オセロット「気にしないでくれ、ボス」



スネーク「……そうだ、オセロット。一つ頼みがあるんだが……」


オセロット「ええ。何なりと」


スネーク「この基地について詳しく知っておきたいんだ。案内してくれると助かるんだが」


オセロット「………わかりました。では、参りましょう」







貴方の下で戦える。20年来の夢だった。あの時から、ずっと………。








第4話 英雄の相棒(パートナー ) 中編 完



















第5話 英雄の相棒(パートナー) 後編







オセロット「………………と、まぁこんなものかと」


スネーク「さほど、横須賀とは変わらないんだな」


オセロット「ええ。基本、施設や設備は変わりませんからね」


スネーク「そんなものか………」


オセロット「それと、ボス。ミラーから頼まれた事がありました。ここの運用についてです。まずはこれを……」


スネーク「懐かしいな。フルトン回収装置か!」


オセロット「ええ。かつての様に優秀な人材を登用し、組織を拡大化させる。サイファーに対抗する唯一の方法です。使い方は?」


スネーク「大丈夫だ」


オセロット「それを聞いて安心しました。それと、ミラー救出の際に渡した端末は?」


スネーク「あぁ、持ってる。これだな?」


オセロット「ええ。作戦遂行に必要な情報だけでなく、ここラバウル基地の情報ネットワーク並びにデータベースを一覧することができます。スタッフの配属先や、遠征部隊、艦隊運用など、ミラーが行う殆どを貴方自身でも指示できるということです」


オセロット「スタッフの配属先や艦隊運用など、貴方に考えがあれば使ってみてください」


スネーク「わかった」


オセロット「ラバウル基地の運営、並びに艦隊運用はミラーが一任します。私は戦闘支援、諜報活動と新兵の調練でも行いましょう。貴方はいつも通りに」


スネーク「わかった」


オセロット「…………では、昼食でも摂りましょうか」


スネーク「そうだな。ここには間宮が居るんだろう?」


オセロット「ええ。9年前の生き残り、我々が保護しています」


スネーク「間宮の飯は食ったか?」


オセロット「ええ。それはまぁ……」


スネーク「美味かっただろう?」


オセロット「そうですね。確かに」


スネーク「20年前にはあれほど美味い飯はなかった。あの時は蛇やらキノコばっか食べてたからなぁ。良くて即席ラーメン、カロリーメイトか……」


オセロット「20年前………。スネークイーター作戦の事ですか?」


スネーク「あぁ。あの時敵同士だった俺とお前が、今ではこうしているとはな」


オセロット「そうですね………」


スネーク「あの時は俺がバックパックに保管していた食料を、お前が根こそぎ持っていったおかげで、初めから食料を調達する羽目になったなぁ……」


オセロット「まだ覚えてたのか……。あの時は俺も若かったからな。あんたに追いつこうと、あんたを理解しようと必死だった」


スネーク「俺が獲った食料は美味かったか?」


オセロット「…まぁ、それは………」(根に持ってるのか?)


スネーク「エヴァは即席ラーメンを持っていったしなぁ………」


オセロット「………と、とにかく、間宮の所に行きましょう」(早くこの流れを切ろう………)




iDROID《Refit completion》





オセロット「……………ボス、彼女たちの入渠が終わりました」


スネーク「そうか。なら早いところ会いに行くか」


オセロット「間宮の所に居るように伝えておきます」


スネーク「わかった。頼むぞ」




iDROID《Send a message》




スネーク「……………ところでオセロット」


オセロット「はい?」


スネーク「さっきの、お前が食料を持っていった話で思い出したんだがな?」


オセロット「……………」(まだ引っ張る気かその話)


スネーク「お前、俺と初めて会った時に何でマウストラップを持ってたんだ?」


オセロット「マウストラップ………、あぁ! あれか!!」


オセロット「あの時の食料は大したものがなかったからなぁ。配給されるのも大して美味くない軍用携帯食だ。あんたみたいに動物を捕まえた方が美味いものが多かった。だから持ってたんだ」


スネーク「本当に?」


オセロット「あぁ……………」


スネーク「………ツチノコ」ボソッ


オセロット「 ! 」


スネーク「…………食ってみたかったなぁ」


オセロット「そうか…………」























ラバウル基地内 食堂






スネーク「随分と広いな………」


オセロット「今は人材が乏しいのでそうですが、いずれはもの凄い数が押し寄せて狭く感じますよ。さぁ、間宮に会いに行きましょう」




間宮「いらっしゃ〜い。 あら!」


オセロット「よう、順調か?」


間宮「えぇ。何だか皆さん、いつもより活気に満ち溢れていて何かいい事でもあったのでしょうか?」


オセロット「すぐわかるさ。何時もの、頼めるか?」


間宮「はい! 少々お待ちくださいね」


スネーク「すまん、俺にも一つ貰えるか?」


間宮「はい、ただいま………えっ!?」


スネーク「待たせたな。美味そうな匂いがしたんで、ここに戻ってきた」


間宮「ボス………、本物……ですか……?」


スネーク「あぁ。また、美味い飯を作ってもらえるか?」


間宮「………はい! それでは夕飯には腕によりをかけたご馳走をご用意させていただきますね。それと、他の艦娘にも会ってあげてください。皆、心配していましたから」


スネーク「あぁ、わかった。楽しみにしてるぞ」


間宮「では、少々お待ちください」


オセロット「ボス、どうぞ」 つ

コーヒー


スネーク「すまん。…………ん、美味い」


オセロット「ボス、そちらに」


スネーク「あぁ。………何だかな、開き直って会うのも気が引けるというか」


オセロット「そうですか…………」






叢雲「間宮さん!!」


間宮「あら、いらっしゃい♪ 」


大井「何かいい事でもありましたか?」


間宮「ええ。とっても♪」


明石「見当がつきませんねぇ」


間宮「後ろを向いてみて?」


一同「 ??? 」


スネーク「俺はそんなに影がうすいか?」


叢雲「………えっ?」


大井「………夢?」


スネーク「おぉ………、その反応は予想外だな」


オセロット「………無理もないさ。俺だって未だに実感がわかないしな」


明石「………本物?」


オセロット「俺が連れてきた。それは保証する」


スネーク「………まぁ、改めてだ。待たせたな」


叢雲「………何年待ったと思ってるのよ」


スネーク「9年だな」


叢雲「9年と3ヶ月よ……」


大井「それにしても、9年間放ったらかしにしてよく戻ってこられましたね」


スネーク「ふっ、その様子なら心配は要らないな」


大井「…………………馬鹿」


明石「無事で、良かった…………。あれからずっと、会えないんじゃないかって………」


スネーク「……大丈夫だ。安心しろ」


明石「本当に………良かった」


スネーク「………また、俺たちと共に戦って貰えるか?」


叢雲「当たり前じゃない。あんたが戻ってくるのを待っていたんだから………」


明石「貴方と共に戦える事をどれだけ待ち望んだことか………」


大井「………お帰りなさい、ボス」


オセロット「(このくだり何処かで見たような気が…………?)」


間宮「お待たせしましたぁ〜!!」


スネーク「そら、お前の分だ」


オセロット「あぁ……、すまない」


スネーク「美味すぎる!!!」


オセロット「(こんなほのぼのとして良いのか?)」


スネーク「何してる? お前も食え!」


オセロット「あ、あぁ…………」


叢雲「相席いいかしら?」


スネーク「あぁ、構わんが?」


大井「失礼しまーす!」


明石「お邪魔しまーす!」


オセロット「(どんどん集まってくるなぁ…………)」


叢雲「ボス、食事が終わったら訓練に付き合って貰えない?」


大井「9年ぶりに手合わせをと思いましてね?」


スネーク「そうか………。よし、やるか! オセロット、お前も付き合え!」


オセロット「……わかりました。やりましょう」






第5話 英雄の相棒(パートナー) 後編 完













第6話 極東の英雄












3日後











ミラー「ボス……………」


スネーク「カズ!? 大丈夫なのか?」


ミラー「ベッドの上は落ち着かんからな」


スネーク「そうか……」


オセロット「ボス、今ちょっとした依頼が来ているんだが請けるか?」


ミラー「もちろんだ」


スネーク「カズ!」


ミラー「俺たちには、選り好みする様な余裕はない。サイファーに対抗する為の力を得ることが最優先だ」


オセロット「………依頼は、”極東の英雄”と讃えられている人物の抹消だ」


スネーク「極東の英雄?」


オセロット「なんでも、50の敵を相手に一歩も引けを取らずに撃退させたらしい。そいつの勇姿に感銘を受けた連中が極東の英雄と祭り上げて、軍神として崇めているそうだ」


オセロット「依頼主は、やがて自分達の権力を脅かすと考え、そいつの殺害を依頼してきた」


スネーク「なるほど。しかし何故、そいつを自分達の所に取り込もうとしない」


オセロット「”極東の英雄”というイメージが作られつつあること。そして軍神として崇められたりと、一つの宗教として確立しようとしているからだ。政治に宗教が絡むと碌なことにならない。だから連中はそいつを始末する選択をしたわけだ。宗教は時に政治や国をも脅かすからな」


ミラー「この依頼は、多額の報酬が入る。俺たちにとって、これほど美味しい話はない。ボス、やってくれるか?」


スネーク「……あぁ」






〜〜〜









〜フィリピンのとある街〜





漁師「いやぁ〜、助かった。すまないなぁ、こんな所まで来てもらって」


???「いや、気にしないでくれ。これが私の仕事だからな」


漁師「本当に助かったよ。よかったらこれ貰ってってくれ。今日漁れたばかりの物だ」


???「それは貴方が売るためのものだろう? 気持ちだけ受け取っておくさ」


漁師「英雄さんに助けられなかったら、俺の命はなかった。これくらいはさせておくれ」


???「…………わかった。ならありがたく頂こう」




店員「おぉ! 英雄さん、よかったらご馳走させてくれ」




男性「英雄さんじゃないか! 一杯奢らせてくれよ!!」



女性「英雄さん! よかったらこれ、持っていって!!」








???「全く、英雄なんて柄でもないんだが………」


???「あら? 満更でもないんでしょう?」


???「しかしだなぁ………」


???「ねぇ、それよりもあなた、流暢に構えている暇もないわよ?」


???「あぁ。もちろんわかっているさ」


???「ならいいけれど。仲間にまで追われて逃亡生活を送るのも、いい加減にしたいわよねぇ………」


???「そろそろ、私達も潮時かもしれないな」


???「そろそろねぇ………。私からすれば9年前からの気もするけれど………………」


???「もう、9年か………。大きく変わってしまったなぁ。国も、私達も…………」







〜〜〜




フィリピン近海上空 ヘリ機内









ミラー《ボス、聞こえるか?》


スネーク「あぁ。大丈夫だ」


ミラー《今回の依頼は、極東の英雄と呼ばれている人物の殺害だ。事前に送り込ませた諜報班からの情報で、ターゲットの場所は特定できている。ボス、頼んだぞ》


パイロット《ボス、お気をつけて!》



オセロット《ボス!》


スネーク「オセロットか?」


オセロット《作戦展開地域になっているフィリピンは、1970年に発足されたモロ民族解放戦線(MNLF)や、新人民軍(NPA)による紛争、内乱が続いている。最近になって、政府側のやり方も変わってきた》


スネーク「どういうことだ?」


オセロット《見境がなくなったということだ。それに加えて深海棲艦の脅威もある。どちらも警備は厳重だ。見つかるなよ》


スネーク「わかった」


ミラー《ボス、今回の依頼だが、あんたの推測通りクライアントは日本だ。そしてターゲットは………》


スネーク「艦娘だな?」


ミラー《…………そうだ》


オセロット「すまないが、ターゲットの顔までは特定できそうにない。9年前の生き残りかもわからない。ボス、作戦展開地域にいる人間から聞き出してくれ」








〜〜〜




スネーク「こちらスネーク。目的地に到着」


オセロット《こちらの予想より早く着いたな》


ミラー《いいか、ボス。今回の作戦展開地域は政府軍、反政府軍が睨み合っている場所だ。いつ銃撃戦が始まってもおかしくないが、そこの戦争にあんたが加わる義理はない》


スネーク「わかってる」


オセロット《わかってると思うが、これは潜入任務だ。見つかるなよ》


スネーク「大丈夫だ」






〜〜〜






スネーク「(あいつら……)」⊃ 双眼鏡 ⊂





敵兵A「なぁ、俺たちはどちら側につくんだ?」


敵兵B「政府側か反政府側ってことか?」


敵兵A「そうだ。姐さんはどちら側に乗るつもりなんだろうなと思ってな」


敵兵B「姐さんのことだ。姐さん也に考えは有るだろう。俺たちはそれに従うだけだ」


敵兵A「………そうだよな。”極東の英雄”様だしな。俺たちを窮地に追いやることはしないよな?」


敵兵B「そうとも。だから姐さんについてきたんだろう?」


オセロット《ボス、やつらの話は聞いていたか? この地域の組織は政府軍か反政府軍だけと思っていたが、実際はもう一つの組織があるようだな》


スネーク「極東の英雄が率いる組織か。果たしてそれがゲリラ組織かレジスタンスか…………」


ミラー《ともかく、奴らの内のどちらかに接触してくれ》





スネーク「動くな!」


敵兵A「!? な、なんだ!」


スネーク「吐け」


敵兵A「っ…………! 無駄だ。何も話さんぞ!!」


スネーク「」グッ



敵兵A「ぐぅっ……ぁっ…」STN


スネーク「」ピピッ


敵兵A「…………! うおぉぉぉぉぉ!!!!!!」パシュッ


ミラー《よし、回収した》


スネーク「なかなかいい兵士だな。目がまっすぐだ」


ミラー《新兵じゃないのか?》


スネーク「あぁ。なかなかの手練れだろうな。極東の英雄か…………」







〜〜〜










ミラー《ボス、朗報だ》


スネーク「どうした?」


ミラー《極東の英雄の正体が分かった!》


スネーク「なに!? 一体どうやって?」


オセロット《あんたが回収した兵士が口を割った。俺たちを率いるのはビッグボスだと知った瞬間、あんたの為に戦いたいと言っている》


スネーク「おぉ、そうか。で?」


オセロット《あぁ。9年前の生き残りだ。誰だと思う?》


スネーク「…………もったいぶるな」


ミラー《長門。戦艦長門だ!!》


スネーク「ほう……、極東の英雄ねぇ………。ぴったりじゃないか」


ミラー《ボス、作戦変更だ。長門をなんとしても連れて帰れ。絶対にだ!!》


スネーク「もちろんだ。奴が同意すればの話だがな」


オセロット《奴らの基地をマップにマーキングしておく》







第6話 極東の英雄 完













第7話 真実は何処で眠る





地の文が入ります。ご注意を












スネーク「地下に通じる穴があるな………」


オセロット《恐らくそこに居るだろうな。暗視ゴーグルは?》


スネーク「持っている」


オセロット《なら大丈夫だろう。バッテリーは無限じゃないからな。残量を確認しつつ進んでくれ》


スネーク「わかってる」








〜〜〜










〜地下〜








長門「なぁ、陸奥。私たち以外に、あの惨劇を生き延びた者はいるのだろうか……?」


陸奥「さあ? あの時、全員が必死だったし、私自身周りの事なんて見えていないかったもの。あれ以来、ボスを始め、副司令にも、他の艦娘にも連絡は取れないし…………」


長門「………私達が出来るのは、あの人の意志を継ぐことしかない。しかしその意志が理解できない。だから………」


陸奥「だから、あの人が作っていた組織を模倣したものを作った?」


長門「……………」


陸奥「貴女は、あの人が憎い?」


長門「……………そんな事はない。むしろ、感謝しているくらいだ。今でもな」


陸奥「感謝?」


長門「覚えているだろう? あの人に初めて会った時の事……。私はかつての歴史に囚われていたんだ。あの光で命を失ったあの時の事に」


陸奥「……………ビキニ環礁での事ね?」


長門「あぁ。私は過去に囚われるあまり、何も見えていなかったんだ。ただ、自分の身に起きた事に悲嘆するしかなかった。何もかもを、否定するだけだったんだ」


長門「『何故、あの大戦を生き延びたのだ?』。『何故、私があのような悲劇を負わねばならなかったのだ?』。私は、仲間すら信じられなかった。だってそうだろう? 仲間の為に戦ったのに、仲間から裏切られたようなものだ」


長門「そんな私を変えたくれたのは他でもない、ビッグボスだ」


陸奥「『戦う事しかできない奴らが殺しあうくらいなら、一緒になった方がいい』だったかしら?」


長門「あぁ。私の我儘に付き合わせたというのに、それを咎めることなく私を仲間に入れてくれた。たった一言で、私は救われたようだったんだ」


陸奥「ふふっ。極東の英雄様を救った、伝説の英雄様のお話ね」


長門「出来る事なら、あの時の様にボスの下で戦いたいものだ」














スネーク「なぁ、また俺の下に来る気はあるか?」












長門・陸奥「えっ?」










スネーク「長門、陸奥。9年ぶりだな」


長門「…………」


陸奥「…………無事だったのね?」


スネーク「まぁ、なんとかな。しかし、お前が極東の英雄か………。なかなか様になってるじゃないか」


長門「い、今の話は………、聞いていたのか…………?」


スネーク「ん? なんの事だ?」


長門「いや、何でもない………」


スネーク「そうか。ところで、お前たちは何でこんなところにいるんだ?」


陸奥「あの時、私達は何とか生き残れたわ。それから長門と2人で太平洋を彷徨っていたの」


長門「そこで、深海棲艦に襲われていた漁船を救助していたんだ。そんな事を繰り返していたら私が極東出身ということでな、いつの間にか『極東の英雄』なんて呼ばれてしまって………」


陸奥「長門は満更でもなかったみたいだけどね?」


長門「陸奥………」


陸奥「冗談よ。それからは、色々な人が集まってきたわ。『極東の英雄の為に戦わせてくれ』って。そして貴方の真似をして見たってわけ」


スネーク「誰も指揮を執らずか?」


長門「あぁ。私達だけでも多少の戦略は執れる。まぁ、提督から承けるのが最善の方法だが………」


陸奥「私達艦娘は、戦うことしかできないもの。策を練るのは苦手よ」


長門「提督が策略を練って、私達がその通りに動く。これが理想の形だ」


スネーク「成る程な。しかし、随分と慕われていたんだな」


陸奥「あら? 長門はビッグセブンの一人って話は知っているでしょう?」


スネーク「お前もだろう? あぁ、知っているさ」


長門「ま、まぁ自分で言うことでもないと思うが、私はもともと、ひ、人に好かれる性格というか……、なんというか…………」


陸奥「そうねぇ。貴方と同じよ? ビッグボス」


スネーク「…………」


陸奥「ふふっ。照れない照れない」



長門「まぁ、そんな事があって人が集まってきたんだ。そしてどうせならボスの様な組織を模倣して活躍していたんだ」


陸奥「けれど、日本って国からみたら、私達はただの武装組織や愚連隊よ。日本の下で戦っていたのに、今じゃあ彼らの敵よ」


長門「日本側から姿を隠す為に、ここまできて潜伏していたってわけだ。だが……………」


陸奥「どこからか情報が漏れたみたいね。私達を狙っている奴がいるって話を聞いたわ」


長門「それが、まさかボスだったとはな………」


スネーク「……………」


陸奥「ねぇ? また、貴方と一緒に戦わせて?」


長門「………ボス、お願いする」


スネーク「もちろんだ。だが………」


長門「彼らの事なら大丈夫だろう。自分たちで選択してくれるさ」


スネーク「俺たちの所で戦って貰う手もあるぞ?」


長門「………だが、決めるのは彼らだ」


スネーク「………お前も変わったな」


長門「9年間もほったらかしにされたからな」


陸奥「本当よ。逆に鍛えられた気がするわ」


スネーク「カズ、ターゲットと接触。回収させる」


ミラー《了解。ヘリを寄越す。随分と簡単に決めてくれたそうじゃないか》


スネーク「乗り気だったようだ。『出来る事なら9年前の様に戦いたい』と」


長門「なっ!?」


陸奥「聞かれていたみたいねぇ、長門?」


長門「」///


陸奥「あらあら、耳まで真っ赤になっちゃって」


スネーク「さ、ここから出るぞ」










〜〜〜





彼女らが潜伏していた地下から出ると、深い霧が襲ってきた。いや、霧ではなくスモッグだ。






スネーク「…………ん?」


陸奥「霧…………?」


長門「奴らだな………」


ミラー《ボス、あんたがいる付近でガスが急速に発生している。来るぞ…………!!》













ドォーンと、鈍い音が一帯を覆い尽くす。艦砲だ。







深海棲艦だーー!!!!






撃てぇ!!!!



撃ちまくれぇ!!!!



ぐわぁぁぁぁぁぁ!!!!!










深海棲艦の襲撃を聞き、多くの兵士が銃声を響かせる。だが、その抵抗を打ち砕くような艦砲射撃の音がすると、一斉に静まり返る。銃声も、人の声も、ましてや艦砲の音も聞こえず、静寂な時間が流れる。







長門「何が……………?」


スネーク「長門、暗視ゴーグルは持っているか?」


長門「あ、あぁ……」


スネーク「付けておけ。視界が悪すぎる」


長門「わ、わかった。陸奥」つ 暗視ゴーグル


陸奥「了解」


スネーク「それと、無線の回線を伝えておく。何かあったら、な?」


長門「あぁ。了解した」


スネーク「2人で相手できるか?」


陸奥「えぇ。大丈夫よ」


長門「ビッグセブンの力、もう一度ボスに見せよう」


スネーク「よし、頼むぞ」


長門・陸奥「了解!!」






スネーク自身では深海棲艦に対抗する術を持っていないために、長門と陸奥の両名に対応させる事にし、スネークは生存者の捜索を行う。どういうわけか、深海棲艦の存在は確認できなくなっており、生存者も0に等しく、死体の山があちらこちらに広がっている。少し経ってから無線で連絡が来た。









長門《ボス、海上に敵を確認した》


陸奥《片付けてくるわね》


スネーク「あぁ。無理はするなよ?」











ーー-------!!!!!!








無線を終えた瞬間、地響きのような声が霧の中から聞こえる。獰猛な獣の様にも取れるその音が聞こえた方角に、スネークは足を運ぶ。





スネーク「……何だ?」







ーー-------!!!!!!




先ほどの様な音が響いた瞬間、霧の中から巨大な手が飛び出し、スネークを掴み上げる。







スネーク「っ!!!」









ミラー《おい、ボス! どうしたんだ!?》







ミラー《ボス………?》










………………










スネーク「…………何だ? この手は」


スネーク「…………駄目だ、動けん」


???「これはこれは、ビッグボス。随分と眠っていたようだな………」




スネーク「…………」








???「貴様も酷い姿だな…。鬼になったのは『あんな兵器』の為か?」




スネーク「…………」









髑髏顔「まぁ、貴様もいずれ真相に辿り着くだろう」




スネーク「…………っ!」






髑髏顔「生きてここから帰れたらな」





-------!!!!!!!!






先ほどとはまた別の声が鳴り響く。すると近くでまた銃声が鳴り始める。先ほどまで人など居なかった筈なのだが………。






な、何だあいつは!!





う、撃て! 撃てぇ!!













ドォーン







ぐわぁぁぁぁぁぁ!!!!!






な、まさか………!!!




おい! おい!! 何やってんだ!!





ドォーン






ぐあ!!







髑髏顔「…………今度こそ、安らかに眠れよ」


スネーク「お前……!!」


髑髏顔「地獄で会おう、ボス」







男がそう言い放つと、スネークを掴んでいた巨人の手がゆっくりと開く






スネーク「っ!」ドサッ





スネークは銃を構え、男の方に向けるが、スネークを掴んだ巨人がその男を連れ去っていってしまった。巨大な手に巨大な地響き。巨人というより、妖魔の類なのか。それの答えは先程から一帯を覆うスモッグの中だ。



ミラー《ボス、奴は?!》



スネーク「霧の中だ。姿が見えん」


ミラー《あの巨人はいったい……?》






ウ、ウゥ……………






後ろでうめき声が聞こえ、スネークはその方を向く。すると、その声の主は他でもないここを警備していた兵士だった。







う、ウゥぅぅぅぁァァァ!!!!








その兵士は、此方に歩み寄ってくる。だがその動きは人間の動きではない。ゆらゆらとゾンビの様に動き、何者かに操られる人形の様である。そして、糸を切られたかの様にその場に倒れる。





ミラー《ボス! 深海棲艦の反応だ!! あんたの所に近づいているぞ、逃げろ!!!!!》






あらゆる所から足音が響く。そしてその音は近づいてくる。1番音が響いた所で、此方に何かが跳んでくる。深海棲艦だ。





ミラー《奴ら、重巡クラスだな。気をつけろ! 撃たれたら丸焦げじゃあ済まないぞ》


オセロット《奴らは照準を合わせられなければ撃ってこない。奴らを上手く撹乱するんだ》





簡単に言ってくれるとスネークは思う。しかし、文句や愚痴を言っても仕方ないので、アドバイス通りに何とかやり過ごそうとする。






長門《ボス、海上は片付けた。そっちは?》


スネーク「陸で襲われている」


長門《陸か…………。ボス、海岸沿いに誘き寄せて貰えるか?》


スネーク「…………わかった。ビッグセブンの力、見せてもらおう」





スネークは長門の提案を受け入れ、深海棲艦に銃を撃って気を引かせる。撃たれた事に気がついた深海棲艦は、スネークの方に砲口を向けてくる。アドバイス通り、照準を合わせようとしているのか砲口が左右にブレていることがわかる。


そして何とかポイントまで誘き寄せることに成功した。ここまで無事に来られたのは奇跡だと自分でも思う。







長門《ボス、確認した!!》


スネーク「発射時間は任せる。自分のタイミングで撃て!!」


長門《…………よし、三式弾装填! いけるぞ!!》


陸奥《いつでもいいわよ!》


スネーク「いいぞ、ぶちかませ!!!」


長門《全主砲、斉射!! 撃ぇ!!!》


陸奥《選り取り見取りね。撃ぇ!!!!》



海上から鉄のカーテンが降り注ぐ。大量の鉛が流星群の様に深海棲艦を貫く。全ての深海棲艦が力尽きて倒れた所で、スモッグが晴れる。





スネーク「ふぅ………」


長門「ボス、無事か?」


スネーク「あぁ、何とかな」


陸奥「ねぇ、他の人は?」


長門「そうだ、私達についてきた彼らは? どうなったんだ?」


スネーク「…………深海棲艦にやられていた。生存者は確認できなかった」


長門「………そうか。少し、待って貰っていいか?」


スネーク「あぁ、構わんが?」


陸奥「ボス、私も………」








そう言い残し、長門、陸奥の両名は潜伏していた地下の入り口まで戻っていった。ひと段落ついたので辺りを見渡す。スモッグに覆われていたのでわからなかったが、然程距離が無いことに気がつく。余裕を持てなかった証拠だなと呟く。







長門「………………」


陸奥「………………」






どうやら死んでいった仲間たちに黙祷を捧げているようだ。その時ばかりは、『戦艦長門』『戦艦陸奥』ではなく、死者を労わる一人の『人間』であった。その2人の姿に、9年前の惨劇を目の当たりにした自分の姿が重なっているように見えた。








長門「………待たせた。さぁ、行こう」


スネーク「カズ、ヘリを寄越してくれ」


ミラー《了解、ヘリを派遣する。依頼主には、天国の外側に送ったと伝えておく》











Mission Info Updated













Mission Completed















ヘリ機内












ミラー《ボス、深海棲艦についてだが、9年前とは大きく変わってきている》


スネーク「あぁ、奴らは海上でしか活動しなかったはずだ」


ミラー《あんたの前に現れた髑髏顔の男と、そいつを連れ去った巨人。そいつらに呼応するかのように、深海棲艦が現れる………。奴らは一体………?》


スネーク「サイファー………」


ミラー《だとしたら、奴らは何を企んでいるんだ? 深海棲艦を引き連れて、一体何を………?》


スネーク「さあな」


ミラー《それと、気になることがもう一つ》


スネーク「長門が引き連れていた組織の兵士だな?」


ミラー《あぁ。スモッグに覆われて深海棲艦から襲撃を受け、数十秒で全滅。その後の彼らの行動は、誰かに操られたようだった》


スネーク「わかっていることは、奴らが深海棲艦を使って何かをしようとしていることだ」


ミラー《あぁ。少しだが奴らに近づいている。いずれ、真実に辿り着くだろう。いずれな…………》











第7話 真実は何処で眠る 完















第8話 艤装開発の権威





ラバウル基地 司令室







ミラー「ボス、ある科学者がアメリカからの亡命に協力して欲しいとの依頼があった」


スネーク「科学者? 俺たちに何の関係があってわざわざ依頼を?」


ミラー「その科学者は、二足歩行開発を専門としており、艦娘の艤装開発にも関わった人間だ。そしてその男は、俺たちにとっても重要な人物だ」


スネーク「まさか………!?」


ミラー「名前はエメリッヒ。そう、9年前に俺たちの元にいた科学者だ。当時はヒューイと名乗っていた」


スネーク「そいつが亡命を?」


ミラー「あぁ。アメリカに帰国した後、科学者として、専門の二足歩行兵器の開発に関わっていたらしい。そして4年前、深海棲艦の活動範囲が広がり世界各国から出現する様になってから、艦娘の艤装開発にも携わる様になったらしい」


スネーク「そこまで活躍しておきながら、何故亡命を?」


ミラー「亡命の理由は、アメリカの横暴に耐えられなくなった、と………」


スネーク「サイファーか?」


ミラー「少なくとも俺はそう考えている。つまり、博士を俺たちの元に引き入れることでサイファーの情報を得られると共に、奴らより優位に立てる。俺たちの戦力向上に繋がる」


スネーク「あぁ。だが、その話は信用していいのか? 奴らが俺たちをあぶり出すために仕組んだ罠とは考えられないか?」


ミラー「確かに、話が出来過ぎだ。罠の可能性も捨てきれない。どちらにせよ、決めるのはボスだ。あんたの好きにしてもらっていい」


スネーク「博士の場所は掴んでいるのか?」


ミラー「もちろんだ。奴はアメリカのサンディエゴ海軍基地にいるそうだ。やれるか?」


スネーク「………よし、ヘリを出せ。オセロットに招集をかけろ。出るぞ」


ミラー「了解」









ヘリ機内









パイロット《目標地点までまもなくです》


ミラー《ボス。アメリカのサンディエゴ海軍基地にいる、エメリッヒ博士を救出してくれ。この博士は、サイファーに繋がる糸口であり、彼の研究技術は俺たちの力になる》


スネーク「作戦の手順は?」


オセロット《サンディエゴに近づいたところで、ヘリを低空飛行させる。レーダに引っかからないようにな。そのあとはいつも通りだ》


スネーク「俺1人でか?」


ミラー《すまないが、追加の戦力は出せない。危険を伴うミッションだが、俺たちにとってエメリッヒの存在は必要なことだ。ボス、頼んだぞ》


パイロット《敵レーダーの索敵範囲内です。高度下げます》


オセロット《よし、そのままの高度を保て》


パイロット《了解》


ミラー《ボス。ランディングゾーンにヘリが着いたら直ぐに降りてくれ。早々にヘリを離脱させたい》


オセロット《敵にあんたの潜入を悟られないためだ。いいか?》


スネーク「わかった」






〜〜〜








パイロット《ボス、お気をつけて》



スネーク「随分と警備が手薄だな……」


ミラー《サンディエゴ海軍基地には、軍の関係者の他に民間人も生活している。民間人に不安を与えないようにわざと手薄にしているんじゃないか?》


スネーク「いや、それにしても兵士が少なすぎる」


オセロット《まぁ、敵が少ないなら潜入は容易だろう? 》


スネーク「まぁ、そうだな………」



スネーク「………そういえばカズ、お前どうしてラバウルに基地を置いたんだ?」


ミラー《あぁ、ラバウルは大戦中、日本が航空隊の基地としても運用していた場所だ。俺たちの戦力は陸上、航空。とりわけ航空戦力は、人員を戦地に送る際に最も重要だ。まぁ、俺たちの航空隊はヘリで、当時は艦載機だがな。時代の流れってやつだ》


ミラー《それに、世界の中心とはいかないが、アメリカ、ソビエトのどちらにも程よい位置にある。距離はあるが、ヨーロッパ諸国にも手を伸ばせる。それに、万が一攻められるような事があっても、ラバウルは『龍の顎』とも呼ばれる天然の要害だ。大戦中にも、連合軍の艦隊を幾度となく苦しめている》


ミラー《物資の面を考えても、石油や天然ガスの宝庫であるブルネイに近い。中々に良い立地だと思うが?》


スネーク「それで、ラバウルの基地を使っている訳か。わざと9年前を模倣して?」


ミラー《そうだ。奴らは、9年前の俺たちに負ける事になる。そして、9年前と同じ轍は踏まない。今度は敵を見ている》


スネーク「しかし、どうやってそこを手に入れたんだ? 元々日本の海軍基地だろう?」


ミラー《日本には、俺たちに貸しがある》


スネーク「9年前の話か?」


ミラー《いや、違う。あんたが昏睡中、日本は一度深海棲艦に侵攻を受けた。横須賀、佐世保、呉、舞鶴。日本に点在する鎮守府総出で迎え撃った。だが戦況は硬直、原因は日本側の資材不足に加え、艦娘達の練度不足だ。そこで、日本政府は俺たちに依頼を申し込んだ。内容は『艦隊の強化』。要は、教官として雇われたって事だ》


スネーク「日本側が俺たちに依頼するとは………。よくもまあ請けたな?」


ミラー《日本は、9年前の惨劇の関与を否定している。白々しいとは思っていたが、詮索しても意味がないからな。請ける事にした。その時には叢雲、大井が合流していてな》


スネーク「彼女達が望んだという事か?」


ミラー《まあそうだ。あんたに鍛えられたからな。そんじゃそこらの艦娘よりかは腕が立つ。それに………》


スネーク「…………あぁ、そういえばそうだな。乗り気だったと?」


ミラー《そういう事だ。まぁーー》


大井《何ですか? 余り調子付いたこと言うと、魚雷撃ちますよ?》


ミラー《…………》


スネーク「見事に自白したな」


大井《えっ? な、何の事でしょうか? オホホホ…………》


ミラー《まぁ、その礼として譲ってもらったんだ。俺たちとしては家ができる。日本からすれば深海棲艦からの攻撃の前線として使えるといったところだ》


スネーク「なるほど……」(見事にスルーしたな)


ミラー《ボス、目的地に着いたか?》


スネーク「あぁ、丁度着いた所だ。格納庫らしき物が見えるんだが………?」


オセロット《こっちでも確認した。成る程な、確かに普通の格納庫よりはるかに巨大だな》


スネーク「あそこに居るな」


ミラー《何!? 根拠は?》


スネーク「エメリッヒは元々二足歩行兵器の開発専門だ。9年前前に見た二足歩行兵器の格納庫に酷似していた」


ミラー《つまり、エメリッヒが開発した二足歩行兵器が彼処にあるとすれば、まさかあの時出会った巨人が?》


スネーク「恐らくな。とにかく向かうぞ」