2017-11-30 15:39:33 更新

概要

前作↓
雷「いかずちの鎮守府日記!」の、続編
摩耶ルートです

艦これ成分の海戦シーンなどはありません


オリジナルストーリー設定


前書き

世界観 人物設定↓

艦娘↓
対深海棲艦部隊として各国で編成されている
艦娘は各国によってバラバラであるが、日本は表向きでは応募制にしているが…
裏側はクローンによって形成されている、その事は一部の政府と軍の人間しか知らない

世界情勢↓
第四次オイルショックとも呼ばれるほどガソリン価格が高騰、第一次と比べるとまだやさしい

アメリカドルが暴落寸前でアメリカの経済力が低下、自国優先体制と変わり在韓米軍は撤退
在日米軍基地は嘉手納 横須賀あたりのみとなった
基本海路は使えない状況が続いている為、発展途上国は厳しい状態

舞鶴鎮守府↓
今作の摩耶達の鎮守府

摩耶↓
今作の主人公及びメインヒロイン
前作で奇襲攻撃を仕掛けてきた深海棲艦に対して摩耶達の艦隊が舞鶴鎮守府から日本海に急派したが
肉弾戦を仕掛けてきた軽巡ト級に腹わたを殴られ意識不明の重体になる

提督↓
舞鶴鎮守府の提督、大学生の時に彼女と妹を亡くしており
今もなお引きずっている、原因でもある深海棲艦を恨んでいる

鳳翔↓
クーデター以降、大阪で定食屋を営むオカン

夕張↓
クーデター以降、研究所に引きこもって仕事をしている




摩耶「いでっ!?」ズキッ


軍医「落ち着いて、今アンタは肋骨を三本も完全に折れた重傷者なんだ」


摩耶「てか…見ない景色だが、ここはどこだ?」


軍医「ここか?ここは大阪市立大学病院だ」


摩耶「大阪?自衛隊舞鶴病院じゃないのか?」


軍医「アンタの怪我具合から、その病院だと機材不足ということで、ここに搬送された訳だ」


摩耶「高速修復材じゃあ駄目なのかよ」


軍医「まぁ表に出されてないから仕方がないか…」ボソボソ


摩耶「なんか言ったか?」


軍医「いや、それで治る怪我じゃ無かったからここに搬送されてるんだろ」


摩耶『確かに…ビックリするぐらい身体に力がはいらねぇ…』


軍医『まぁ、高速修復材の正体はヒロポンと同じ成分のメタンフェタミンが入った覚醒剤だ、

瞬時に治ったと思えるのは、頭がイカれさせているからなんだが…』


摩耶「ゔっ!」ガクッ!


軍医「おいっ!どうした!」


摩耶「」グルンッ!


軍医「くそっ!白目むいてやがる!看護師だ!看護師を呼べ!」


………………………………………………………………………………………………

………………………


摩耶『クソ…周りがボケてみるぞ』


「はい…またきます」


「また、お越しください…」


摩耶『誰が誰と話しているんだ…ちくしょう、目しか動かねぇ…』


「さて…点滴を変えますね…って聞こえてないか…」


摩耶『いや、バリバリ聞こえているぞ』


「…ん?………っ!?」ガタッ!


摩耶『…ようやく私の事に気がついたみたいだな』


「先生っ!!患者が意識を!!」


「わかった、すぐに行く」


摩耶『お、だいぶ視力が戻ってきたぞ…ってまた同じ病室かよ…もう夜になっているし…』


軍医「目が覚めましたか?顔など動かせますか?」


摩耶『なんだ?前回と違う先生だ…てか顔なんて動かなねぇよ』


軍医「無理そうですね、なら目は大丈夫ですか?今から私が右手を目の前に出して左右に動かします、貴女はそれを目で追ってください」


摩耶『ん?それならできそうだな』ジーッ


軍医「…大丈夫そうですね、はい、分かってます聞きたい事は大体予想できます」


摩耶『まじかよ』


軍医「まず、寝てた時間ですが…驚かないでくださいね」


摩耶『そういうけど、どうせ2日とかだろ?分かってるってそんなオチはよ』


軍医「貴女は実に"3年間"、眠ったままでした」


摩耶『……はい?』


軍医「もう一度いいます、3年間です」


摩耶『嘘だッ!!!』ギロッ!


軍医「落ち着いてください、そうです深呼吸して!」


摩耶『なんの冗談だよ!3年間も寝ていられるわけねぇだろ!』


軍医「ま、説明したって信じてくれなさそうですね…今鏡をお見せします」サッ


摩耶『っ!?な、なんだ!?この髪の長さは!腰の部分まであるぞ!?

てか、少し垢抜けたというか…また成長してる….』モミモミ


軍医「お判りでしょうか?貴女が予想していた所とは少し違うのがお判りでしょうか?」


摩耶「ぁ…」


摩耶『お、声が出たぞ!って、そんなことより!本当に3年も寝てたのかよ!』


軍医「?声は出せるようになりましたね、話を続けさせて貰いますが、正直なところ貴女の怪我は既に完治しています、ですが」


摩耶「まだ….あるのか」


軍医「貴女が軍属に戻る事は出来ません」


摩耶「は?なんで?」


軍医「正確な事は言えませんが、ちょうど1年半前に艦娘という部隊は解体されました」


摩耶「解体だと?それは…奴らが全滅したことか?」


軍医「いや、むしろ勢いを増して来ています」


摩耶「ならどうして!?」


軍医「艦娘より優れた兵器、MGが開発されたからです」


摩耶「MG?」


軍医「そう、MG…メタルギア、無人水陸両用二足歩行兵器という新兵器が開発され、その圧倒的な武装と機動力で、おまけに低コストで深海棲艦を退治することができるようになりました」


摩耶「そう…それで、彼女達はどうなったの?家族の元に帰ったの?」


軍医「…そういう場合もある、だが一人暮らしして新しい職場で働く者もいる、駆逐艦だった子達は基本的には親元に返しているが、いない場合は寮に集団で住ませて、学校に通ったりしているかな」


摩耶「そうか…てか、提督は?」


軍医「彼ならさっきまで貴女の見舞いに来てましたよ?」


摩耶「え?うそっ!?」


軍医「あ、まだ体は無理に動かさないでください!体の筋肉が固まってしまっているので!」


摩耶「お、おぅ…」


軍医「提督には私の方から伝えておきます」


摩耶「よろしく頼むぜ!…というより、確か私が病院で気を失った時っていつだったんだ?」


軍医「そうですね、こちらに搬送されて1週間程に目が覚めて、その日の内にまた気を失ったんですよね…前任がそう言ってましたよ」


摩耶「そっか」


軍医「それから、これからの事を話しますと…とりあえずリハビリをしてもらいます、自力に歩ける程度までに」


摩耶「まぁ、そうなるな」


軍医「そこまで出来てめでたく退院となりますが、それまでに住まいと今後の方針を決めなければなりません」


摩耶「私、艦娘だったから記憶がないんだけどどうするんだ?」


軍医「…医者である私が言うのもあれですが、記憶は忘れたままの方が幸せかと思いますよ?」


摩耶「そんなに嫌な過去があるのか!?」


軍医「どうなさいます?」


摩耶「まぁ、それはいいとしよう」


軍医「それでいいんだ…」


摩耶「てか、住まいって言ったて金がねぇぞ?」


軍医「それは軍が1年間だけ持ちます、それまで働いて欲しいと言った感じですかね」


摩耶「ところでさっき誰かいなかったか?」


軍医「さっきですか?」


摩耶「ほら?見舞いに来てくれてたんかな…しらんけど!」


軍医「言っている事がわかりませんが…もしかして提督の事を言っているのですか?でしたらさっき来ていたと言いましたが?」


摩耶「いや、明らか女の声だったからアイツの声じゃない!」


軍医「いや何を言って…あ、」


摩耶「何か思い出したか?」


軍医『そうだった、彼女の記憶は三年前で止まっているから、今の提督の事をしらないのも当然か…』


摩耶「どうしたんだ?」


軍医「可能性じゃないですか?寝起きの状態で幻聴が聞こえる事は、よくある事ですから」


摩耶『はたして幻聴だったのか…』


軍医「話を戻しますが、明日には身体から麻酔が抜けて今よりか動けるようになると思います」


摩耶「お、やったな!」


軍医「ですが、貴女が現役の時とは違いますので派手な動きはしないでください」


摩耶「ほーい」


軍医「それではまた明日、おやすみなさい」


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………………………


次の日の朝 10時頃


軍医「摩耶さん、来客が来てますが中に入れても大丈夫ですか?」


摩耶「来客?誰なんだ?」


軍医「お二人ですが一人が遅れて来ます、どちらとも貴女に関係がある方です」


摩耶「なんだそれ…まぁいいや、入っても」


軍医「だそうです、どうぞ」


??「おはようございます、そして完治おめでとうございます」


摩耶「そりゃどうも、それより自己紹介してくれないか?」


女提督「失礼しました、私は舞鶴鎮守府に勤めさせていただいている提督です」


摩耶「…は?提督?アンタが?」


女提督「はい、そうですが?」


摩耶「いやいや、うそだろ?」


「本当の事だ摩耶」スッ


摩耶「なっ!?て、提督!」


提督「元気そうだな摩耶」


摩耶「提督…少し老けたんじゃねぇか…」


提督「…かもな、早いもので28歳になってしまったからな、でも一ヶ月したら29歳に繰り上がってしまうけど」


摩耶「提督よぉ、アンタ、舞鶴鎮守府の提督業を辞めたって本当なのか?」


提督「あぁ、本当」


摩耶「どうしてだよ!なんで辞めてしまったんだ!俺が寝ている間に何があったんだ!?」ガタッ!


提督「それを今から話そうと思ってな、少し落ち着け」


摩耶「…わかった」


提督「遡ること、三年前だ…」


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………………………………


回想……三年前 日本海 上空


提督「どうなっている」


軍医「心拍は回復しましたが蘇生までの時間が長かったので…未だ昏睡状態です」


提督「クソッ!舞鶴自衛隊病院に連絡しろ!」


軍医「恐らくこの怪我では大学病院の方が良いかと」


提督「ならどこの大学病院でも良いから連絡しろ!」


軍医「簡単に言わないでくださいよ…仕方がありません、大阪市立大学病院に連絡しろ」


「了解しました!」


提督「なんで大阪なんだ?」


軍医「そこに元軍医が勤めています、何かと艦娘に詳しい人がいる方が良いかと」


提督「そういうことか、了解だ…それと鎮守府に繋げてくれ」


「わかりました!……今つながりました!」


叢雲《こちら叢雲、ご用件を


提督「叢雲!摩耶が意識不明の重体だ!今から大学病院に搬送する!」


叢雲《なんですって!あのガサツ女!!


提督「俺が帰ってくるまで、一時的にお前が提督代理だ!」


叢雲《またぁ!?昨日の今日よ!?


提督「仕方がないだろ!アクシデントが起きたんだから!」


叢雲《あ"ぁー!!わかったわよ!やれば良いんでしょ!やれば!


提督「頼んだぞ!」


叢雲《あんのガサツ女の為になんで私が…


提督「なんか言ったか?」


叢雲《何もないわよ! ガチャッ!


……………………………………………………………………………………………

…………………


数時間後…大阪市立大学病院


元軍医「一応、手術は終了し成功しました」


提督「そっか…よかった」


元軍医「ですが、後遺症として記憶障害か身体に障害が残るかも知れません、よって言いにくいですが艦娘として復帰は絶望的です」


提督「なん…だと」


元軍医「私は軍医時代色々艦娘について携わっていました、もちろんクローンの事も」


提督「何か言いたそうですが、何か?」


元軍医「なぜ手術し助けたのですか?近代化改修の材料や解体にしたほうが役立たずよりマシじゃないですか?」


提督「アンタッ!!それでも医者か!?」ドンッ!


元軍医「何を怒っているのですか?あの子の代わりなんていくらでもいるでしょ?」


提督「アンタみたいな人間がいるから…戦死者は減らないんだろ…」プルプル


元軍医「何を正義ぶっているかは知らないが、私から言わしてもらうと彼女達は人間だと思わないほうが良い」


提督「ッ!?」


元軍医「彼女達は戦闘機や戦車と同じで、技術、人工的によって作られたものだ、クローンという作る過程が違うだけの兵器だ」


提督「…たしかにアンタらみたいな思考や役場の人は、割り切ってしまったらそれまでかも知れない」


元軍医「…」


提督「俺はそんな風に割り切る程上手に出来ていない」


元軍医「…馬鹿めが」ボソッ


提督「…また、見舞いに行く」スタスタ


元軍医「…」


元軍医『にしても、コイツ…手術している時に思ったが、クローンのはずなのにAI【人工自制装置】が付けられてない…ということは不良品?』


摩耶「スーッ スーッ」zzz


元軍医「にしても、良い体してるな」


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……………………………


その日の夜 舞鶴鎮守府


川内「特殊任務…ですか?」


提督「そうだ川内、お前は明日バスや電車と言った公共交通機関を使い、大阪に入れ」


川内「大阪…摩耶さんの事ですよね?」


提督「正解、お前の仕事は大阪市立大学病院の元軍医の監視だ、昼間は一般人を装い離れた所で監視、夜はバレないように追跡しろ」


川内「だけど、その元軍医と言っても顔を全くしらないんだけど」


提督「ほい、その写真の男がそうだ」ピラッ


川内「なんだか何処にもいそうなタヌキ親父だね」


提督「基本、武装はM9拳銃とサプレッサー、それとサバイバルナイフだ

携行品としてカメラと段ボールだ」ガチャ


叢雲「だ、段ボール!?」


提督「何か問題でも?」


叢雲「大有りよ!!何に使うの!?」


提督「とある潜入工作のプロフェッショナルであり、「伝説の英雄」とも呼ばれる方は言った

ダンボールは素晴らしいと」


叢雲「それは彼が異常なだけよ!」


提督「現に見つかってないじゃないか!」


叢雲「それは単に敵が無能兵だからよ!」


川内「でもなんだかスパイみたいだね!」


叢雲「ゲームと違ってコンテニュー出来ない事を忘れないでよ?」


川内「あれ?叢雲いたんだ」


叢雲「最初からいたわよ!!」キィー!


提督「こらこらケンカするなケンカを、それと奴の話す事は無視しろ、惑わされるなよ」


川内「イエッサー!!」ビシッ!


提督「これはステルス任務だ、見つかるなよ」


川内「よっしゃああ!!夜戦やりたい放題だ!」シュッ!


〈イヤッッホォォォオオォオウ!!


〈キャー!!!空から川内さんが!


〈なぁにこれぇ


〈おい、デュエルしろよ


提督「まるで意味がわからんぞ!」


叢雲「誰か牛尾さん呼んできて…」


……………………………………………………………………………………………

…………………………


午前11時頃 大阪 天王寺


川内「こちら川内、今大阪の天王寺に到着したよ!」


提督《よし、昨日も言ったがこれは隠密ミッションだ…だが昼間は一般人が沢山いるからコソコソと隠れる必要はないぞ


川内「そうなの?」


提督《その代わりやる事は沢山あるぞ、まずは監視カメラの場所を把握しておく事だ


川内「おーっ!なるほど!」


提督《それと道を覚えるついでに、人間性を調べる事


川内「人間性なんて必要なの?」


提督《弱みを握る鍵になるかもしれない


川内「でも基本接触は禁止なんでしょ?弱みも強みも無くない?」


提督《何かあった時に役に立つだろ?


川内「なるほど!」


提督《言っておくけど、髪型を変える事と私服に顔はマスクしておけよ


川内「分かってるって!絶対大丈夫!」


提督《任せたぞ!因みに周波数は346だ


川内「346?なんで、みしろ?」


提督《俺の友人が所属している会社の名前から取っているだけで、特に意味はない気にしないでくれ


川内「りょーかい」


…………………………………………………………………………………………………

………………………


現在


摩耶「私が寝ている間に何があった!?」ガビーン!


提督「れれれ、冷静になれ!」


女提督「貴方もね」


摩耶「わ、私の身体になにかされたのか!?」


提督「今から話すから落ち着け!!」


………………………………………………………………………………………………

…………………………


あれから4日後の夜 11時頃


川内「…妙ね、薬品調合室で何をしているのかしら…こんな時にダンボールが役立つわね!」


元軍医「これを…こうして……」


川内「あれは…お香?なんで彼はマスクなんてしているんだろ…」


元軍医「バレない程度なら…」


川内『白い粉…嫌な予感がする…カメラカメラ…』カチッ!


川内「これは…なにこれ?提督に聞いてみよう」ピッ


提督《どうかしたか?


川内「彼が何か薬の調合を始めたよ、その様子をカメラで撮ったから送るね」コソコソ


提督《なになに…白い粉に、なんだこれ?Gスポット?


川内「普通の薬かな?」


提督《いやわからん、取り敢えず伊良湖に聞いてみる 叢雲、伊良湖を呼んできてくれ


叢雲《伊良湖さん?わかったわ


提督《川内、お前はここから離脱しろ


川内「え?なんで?」


提督《奴がガスマスクを着けてるという事は、何かやばい成分が空気に漂っている可能性がある!バレないようにしろよ


川内「っ!?了解」


川内『念のため、盗聴機を設置して行こ』


……………………………………………………


病院付近のコンビニ前


川内「とりあえず、出たのはいいけど何だったのかな?あれは…」


ピロンッピロンッ


川内「あ、携帯からで知らない番号だ、もしもし」ピッ


提督《川内!俺だ!


川内「て、提督!?何かわかったの!?」


提督《伊良湖がかわれだって


川内「う、うん」


伊良湖《川内さん!あの部屋に何分ぐらいいました!?


川内「うーん、数分ぐらい?」


伊良湖《いいですか!?よく聞いてください!

あの白い粉は、ケタミンの可能性はあります


提督《ケタミン?


伊良湖《本来は麻酔としてつかわれているけど、麻酔薬としての用量は1〜2mg/kg。でもこれは、統合失調症を誘発させる用量(0.5mg/kg)よりも遥かに多いわ


提督《Gスポットは?


伊良湖《一口吸ったら0.5秒後には爆睡?昏睡状態になります

吸って気付いた時には6時間ほど経過していている危険ドラッグです。

恐らくお香をしていたのは、煙を吹きかければ目の前の人を一瞬で昏睡状態にできるほどの、劇薬だって事です


川内「危険度が高いのはどっち?」


伊良湖《どっちもどっちよ、危険薬物にどれがマシかだなんて無いわ


川内「そもそも証拠写真があるんだし、警察に追放してしまえば、それで解決じゃん!?」


伊良湖《……


提督《それが出来たら苦労しない…


川内「どういうこと?」


提督《現在、自衛隊に対する支持率が重要視されている時に、元軍医とも言えども薬物とオマケに艦娘の事を警察にバレてみろ


川内「反対運動が起こるということ?」


提督《それ以外に、メディアが騒ぎ立て艦娘を預かってくれる病院が無くなる可能性がある


川内「それじゃどうしたら…」


提督《とりあえず…様子を見て明日の夜まで待機だ


川内「了解!」


……………………………………………………………………………………………


明日 朝 天王寺


ジーッ


川内『隣のビルからスコープで見ることにしたけど…ばれないかな…何だか揉めてるのかな?…っ!?気を失った?…昨日のお香もある…って事は…』


〈なんだこのダンボールの数は?


〈知らないわよ、keep outって書いてあるし警察関係の奴じゃないの?


川内「提督…ビンゴだよ、奴は黒だ!」ピッ


提督《どうした!?何があった!?


川内「摩耶さんが気絶した!!病室にお香らしき物も確認!」


提督《やっぱりか…


川内「なにやらドアと窓を締め切って、別の煙を放出させている…」


提督《恐らく科学物質だ、証拠を隠すために薬物の成分を中和させる物質を放出させているんだろ


川内「どうするの!?」


提督《まて、そのまま夜まで監視を続けろ絶対見逃すな


川内「…わかった」


………………………………………………………


深夜1時頃


川内「予想通りだよ提督、目標は残業と言って本来の時間を大幅にオーバーしている、盗聴機からの情報から恐らく奴は摩耶さんの病室に数分後には向かうよ」


提督《川内、最終任務だ


川内「え?これでさいご?」


提督《あぁ、今から指定された所に行くんだ

TSU◯YAの返却ボックスの隣に掛けられているギターケースを回収して、◯◯ビルの屋上に上がれ


川内「りょーかい」



数分後…………………………



川内「所定の位置に着いたけど、どうするの?」


提督《ケースを開けろ


川内「え?これって…」


提督《M82狙撃銃だ、使い方はわかるな?


川内「そ、そんな銃使った事ないよ!…似たような銃でも訓練学校で使ったくらいしか…」


提督《それなら大丈夫だ、いいか?まずはストックを付けろ、そしてマガジンに弾を詰め、それから銃口にサプレッサーを取り付けるんだ


川内「こ、こんな大きな銃…私の身長の半分以上あるんじゃ…」ガチャガチャ


提督《それが終わったら、マガジンを付けてボルトハンドルを名一杯引け、その後はバイポッド…二脚を設置し銃身を固定

そして接眼レンズを覗き視度調節、レティクルがハッキリ見えるようになれば調整終了だ


川内「お、おも…たい」ガチャン!!


提督《でも着弾予想するより、見えている物を撃つという事の方が楽だろ?


川内「そうだけど…まさか人を撃つんじゃ?」


提督《あぁそうだ、人を撃つんだ…殺せ


川内「なっ!?」ぞくっ


提督《どうせ法で裁けない、どうしようもない人間だ、構う事ない…撃ち殺せ


川内「てい…とく?どうしちゃったの!?」


提督《お前らの同胞が薬漬けにされてもいいのか!?


川内「っ!?」


叢雲《提督!!落ち着いて!!


提督《うるさい!黙れ!!


叢雲《暁!!今すぐに伊良湖さんを呼んで!


《わ、わかったわ!!


川内「な、なにがあったの!?」


叢雲《川内!!作戦の事だけど…


川内「中止だよね?」


叢雲《…実行して


川内「へ?」


叢雲《実行よ、提督の言う通り彼はどうしようもない人間よ


川内「そんなに酷い人なの?」


叢雲《大破して解体処分扱いになった艦娘を新薬や科学兵器の実験台にしたり、気に入った艦娘をホルマリン漬けにしたりしたの

余りにも残虐すぎるとして、軍は彼を解雇し精神病院に入院させた…


川内「なんでそんな奴が…ここに」


叢雲《本質的には違うけど天下りみたいなものね、医者としての技術は確かなんだし


川内「なるほど、法で裁けない人間ね…」


叢雲《仕留めたらすぐに、路地裏に停車しているベンツの車に乗って、撤退よ


川内「わかった…でもちゃんと撃てるかな」


叢雲《コツとして、奴は恐らく摩耶の病室に入る時にドアを開ける為に立ち止まるはずよ、そのタイミングを逃さないことよ


川内「ここからの距離、およほ400ヤード…」


川内『でも…人を殺めるのよ…これは、これは艦娘の為…国の為なんだ…』


叢雲《…ごめんなさい


川内「え?」


叢雲《貴女だけに、こんな重みをさせてしまって…


川内「大丈夫…いずれ誰かがやらないければいけない事なんだ…」


叢雲《…


川内『あ、彼がエレベーターから出てきた…頼む…そのまま通り過ぎて…』


川内「目標…そのまま摩耶さんの病室に向かっています…」


叢雲《そう…タイミングは貴女に任せるわ


川内『ドアの前に立ち止まったっ!』ダラダラ


川内「くっ!!!」パァン!!!


……………パリンッ…


川内「…うっ!?オェエエエ!!」オロロ…


叢雲《川内!!早く撤収して!!


川内「…は、はい…」


………………………………………………………


現在に戻る


提督「という事があったんだ…」


摩耶「…提督よぉ」


提督「なんだ?」


摩耶「川内は…どうしている?」


提督「今は彼女はSATの隊員になっているが」


摩耶「そう…けして病んでいる訳ではないんだな」


女提督「仮に病んでたとしても仕方がない事ですよ」


摩耶「んだと!?」


女提督「どちらにせよ、誰かしないといけない事だったのです、それに貴女は助けられたという事を自覚するべきです」


摩耶『言い返してやりたいけど、そもそも自分が怪我をしなければ済んだ話なんだと思うと何も言えねぇ…』クッ…


提督「そこまでだ、そして次の日の朝に看護師が首から上が粉砕された元軍医の無残な死体が発見された、警察は調査を開始したが…迷宮入り」


摩耶「良く証拠とか見つからなかったな」


提督「まぁ色々大変だったけど…」


摩耶「てかよ、そんな事をここで話しても大丈夫か?」


提督「ここの病室は自衛隊が管理している、だから何処にも流れる事はない」


摩耶「あ、そう」


提督「それよりこれからの事だけど、摩耶…お前はこれからどうするつもりだ?」


摩耶「考えてなかったなぁ…それに艦娘も無いしこの身体じゃ自衛官も無理そうだしな…」


提督「なら大学受験でもしたらどうだ?」


摩耶「はぁ!?大学受験だと!?どこの大学に受けるんだよ!?」


提督「京都の大学はどうだ?お前の姉貴達もいるぞ?」


摩耶「姉貴達…?高雄姉さん達の事か?」


提督「因みに鳥海もいるが…どうする?」


摩耶「でもよ、私…全然勉強してないぞ?」


提督「仕方ない…俺が教える」


摩耶「え?提督が?教えれるのか?」


提督「一応英語だけなら教えれる」


女提督「英語だけって、他の科目はどうするのですか?」


提督「数学と国語のエキスパートなら知っている」


摩耶「エキスパート?」


提督「数学は夕張、国語は鳳翔さんだ」


女提督「あー、なるほど」


摩耶「ところで、提督って今なんの仕事をしているんだよ?」


提督「…小さな街工場で働いてる」


摩耶「街工場?お前の学歴と実力ならもっと上を行けたはずだろ?」


女提督「…そのはずだけど、全会社不採用になったのよ」


摩耶「なんで!?」


提督「俺は背伸びしただけだよ」


女提督「…そう、そういう事にしておきます」


摩耶「まじか…最年少として提督まで登りつめた人間が、なんてザマだ」


提督「ははは〜面目無い」


摩耶「ったく、でも私も人の事は言えないけどな!」


提督「ちょっとごめん、トイレ行ってくる」


摩耶「おうおう行ってこい!」


女提督「…」


摩耶「ところでアイツとアンタってどういう関係?」


女提督「上司と部下の関係だっただけですよ」


摩耶「アンタってアイツの部下だったんだ」


女提督「あら?そんなに意外かしら?」


摩耶「そうだな、カップルかと思ったんだけどなぁ、違ったか?」


女提督「あの人と私がですか?無いですね」


摩耶「あー、そんなにキッパリ言うんだ…」


女提督「それより、貴女に頼みがあります…」


摩耶「へ?」


………………………………………………………


数分後……


提督「それじゃ俺らは仕事があるから戻るわ、3日後にまた来るから〜リハビリ頑張れよー」


摩耶「バーカ、言ってろ」


女提督「失礼しました」ペコリッ


摩耶「…」


摩耶『ちくしょう…調子狂うぜ…』


遡る事数分前


摩耶「どうしたんだ?」


女提督「実は彼の事を恨んでいる人が少々あるの」


摩耶「恨むってよぉ、あいつが恨まれるような事をするようなヤツじゃないだろ?」


女提督「艦娘を解散廃止に追いやったのは彼が原因だってことは知ってます?」


摩耶「あぁ、詳しい事はしらねぇよ?ただクーデターを起こしたとか」


女提督「艦娘が廃案になった事によって、仕事を失った人達もいるわけです」


摩耶「そんな事を言ったってよぉ…」


女提督「たしかにお気の毒な事だけど、でもあの人さえいなければ…って思っている人が多少いるのよね…」


摩耶「それで私は何をしたらいい?」


女提督「退院したら住む当てはありますか?」


摩耶「今の所無いけど」


女提督「でしたら申し訳無い事ですが、彼の自宅に居候してほしいのです」


摩耶「なるほど…って!はぁ!?」


女提督「そこをなんとか!お願い!」


摩耶「わ、私は別にいいのだけど男女一緒に住むのは何かと問題じゃないか!?」


女提督「そうですか?別におかしくないかと?」


摩耶「あれ?私がおかしいのか?時代遅れなのか!?」


女提督『一応摩耶さんは三年前は想定18歳ですし、多分お互い成人になってるから大丈夫でしょ!』


摩耶『だって私まだ…って三年たっているからもう21歳か…いやいや成人してるからいいって訳じゃないだろ!』ブンブン!!


女提督「一応そんな事ないと思いますけど、万が一の事もありますので、これを」


摩耶「これは…」


女提督「M92…ベレッタです」


摩耶「おいおい、銃刀法違反になるんじゃねぇか?」


女提督「バレなければいいのよ」


摩耶「いいのか…それで」


女提督「…元提督を頼みます」


………………………………………………………


現在


スチャッ


摩耶「こんな物貰ったまったけどよ、普通見つかったらヤバイよな…はぁー」


ガチャッ


摩耶『しかし…本当に3年間も寝てたのか、にしてもいつでも死ぬ覚悟できていたはずなのに、なんだろうなぁ…なんだか拍子抜けというか…リハビリと勉強頑張るか』



こうして私はリハビリと勉強を両立する日々を過ごした

ある時はジムで歩けるようになる為に筋肉を鍛えさせたり

またある時は、数学の微分法やベクトルを教わり大学受験の為に勉強漬けにされたり


月日が経ち、およそ7ヶ月後の1月に2校の大学のセンター試験を受け

無事に第一志望の大学を合格することが出来た


その時、勉強を教えてくれた夕張と鳳翔さんと提督はすごく喜んでくれた

後にわかったことだが、参考書とか全部提督が自腹で出してくれたそうだ


……………………………………………………………………………………………

…………………………


9ヶ月後


軍医「…そうですね、もうそろそろ退院してもいいですよ」


摩耶「っしゃあ!!ようやく病院食から解放されたぜ!」


提督「喜ぶとこそこかい!」


夕張「長かったですね〜」


鳳翔「でも本来ならもっと掛かるところを1ヶ月程短縮出来たのよ?すごい事じゃない!」


軍医「それで住まいは決めました?」


摩耶「あ、完全に忘れてた」


軍医「何してるんですか!?」


鳳翔「軍医さん、私が身元引受け人となります」


摩耶「え?鳳翔さんが!?」


鳳翔「ええ、別に構わないでしょ?」


軍医「私は構わないんですが…経済面の事もありますので、今の職をお聞きしても?」


鳳翔「個人営業の定食屋を営んでおりますが…」


軍医「そうですか、まぁいいでしょう」


夕張「摩耶さん!大学生生活楽しんでください!」ガッツ


摩耶「おうっ!勉強手伝ってくれてありがとうな!」


夕張「やだなぁ、かつての仲間です!手伝って当然ですって!」


摩耶「仲間って言っても当時着任した頃、私は入院してたよな?」


夕張「まぁ現役の時に会えなかったのは残念ですが…離れていても舞鶴鎮守府に所属していた仲間なんですからね!」


摩耶「そうか、そうだよな!」


軍医「それでは退院の手続きがありますので、摩耶さんと身元引受け人の鳳翔さんは受付までお願いします、元提督さんは別件で話があるので残ってください」


提督「別件?今頃か?」


軍医「そうですね、前任が伝えていなかった事がありますので」


提督「わかった、鳳翔」


鳳翔「はい」


提督「手続きに行ったら近くの目に付くところで待っといてくれ」


鳳翔「はい、わかりました…それでは摩耶さん行きましょうか」


摩耶「なんか鳳翔さんが母さんに見えてきたぞ」


鳳翔「あらあら、私はまだそんな歳じゃないですよ?」


摩耶「そうなのか?実際のところ何歳なんだ?」


鳳翔「それは…」バタン!


シーン…………


夕張「これって私は出て行かなくてもいいの?」


軍医「別に構わないですけれど、どちらかと言えば余り聞きたくない話ですよ?」


夕張「そうなんだ…まぁいいよ、少し気になるし」


軍医「それでは話をしますが、まず前任が残していた記録に気になる事を書き残していました」


提督「気になること?」


軍医「ABS装置の事はご存知ですよね?」


夕張「アンチロック・ブレーキ・システム(Antilock Brake System)の略称で、バイクのブレーキで車輪のロックを防ぐシステムですよね?」


軍医「本来の意味ではそうですが…」


提督「日本の場合は艦娘は第二世代からクローン化が進んでいたんだが、第三世代からは脳内にABS装置が組み込まれていて、国に刃向かうような真似をしたら爆発させ頭ごと破壊する装置だよな」


夕張「うぅ、それがまだ頭の中にあると思ったら気持ち悪いよねぇ」


軍医「でも貴女方舞鶴鎮守府に着任していた艦娘だけ反応しなくなってしまいましたけどね」


提督「懐かしいよな…あのクーデターの為にEMPを発生させ無理矢理ABSを故障させたんだ」


夕張「自分もEMP装置の開発に参加したといえども…あの光を浴びた瞬間の頭痛は忘れられないよ」


軍医「そりゃそうですよ、無理矢理脳の一部を取り除いたようなものですよ」


提督「それがどうかしたの?」


軍医「最高で第五世代まである中、摩耶さんは第四世代時に製造されたクローンなんですが、


何らの不手際で何故かABS装置が付いておらず設定されたDNAが違う、いわゆるイレギュラー扱いされた艦娘のハズなのです

ですが、どういう訳かチェックを逃れ本部に搬送され舞鶴鎮守府に振り分けられています」


提督「要するに普通の艦娘とは違うという訳か?」


軍医「そういう訳です、DNAの違う部分としては…短命じゃなくてなぜか生理がくるという事です」


夕張「短命と…生理ですか?」


提督「クローンの短命説は無くなったんじゃないのか?」


軍医「ええ、よくご存知で…一般的な知識ではクローン=短命という認識になりがちですが、今は技術が進んでますので細胞など完璧にコピーさえすればモデルの歳からのスタートとなります、しかしそれをしてしまうと時間とコストがかかってしまいますので…どうせ直ぐに戦死するようであれば、完璧にせずあえて必要なところだけをコピーして不完全な状態にしてしまえば時間も短縮できコストも抑えることができます」


夕張「私の命を何だと思って…」


軍医「今は大抵の艦娘は一般人に戻る前に手術をして、ほぼ人間に近付けさせオリジナルの記憶と延命と子供を産めるように治療しましたが、彼女の場合治療しなくても並みの人間と極めて近い状態で出来ていました」


提督「それで摩耶の記憶はどうする?」


軍医「それも問題の一つです、大抵のクローンの艦娘はオリジナルが戦死していますので、クローンに記憶を書き加えたら本人同然で何の問題も無いんですが

彼女の場合は本来存在していない、いわゆる…

unknowな存在です、だから言わなくてもわかりますよね」


提督「既に彼女とは違うもう1人の摩耶がいるということか?」


軍医「そういうことです、戸籍も記憶も彼女に移されています…少し調べましたが、幸いもう1人の摩耶さんは現在フランスにいるみたいなので接触する可能性は低いですが…問題があります」


夕張「問題って…」


提督「……あぁ、全てを察したよ」


夕張「提督?」


軍医「私から説明しますと「無戸籍」であることにより、就学等に際し手続上の不利益を被ったり、選挙権が与えられない、運転免許が取得できない、婚姻届が受理されない、印鑑登録が行えないなどの不利益が生じたりします」


夕張「それって…」


提督「摩耶は自分を証明できないまま、この長い人生を生きていかないとならない…」


軍医「住民票も作成されることはありません。戸籍がなければ、パスポートなども作ることができません。住民票がない主な不利益としては、皆が当たり前に受けている行政サービスが受けられない、小学校や中学校への就学案内が届かず、入学できない恐れがある……などといったことがあります。

大学側は彼女が元艦娘という事で詳しく調べてないようですが…」


夕張「提督…」


軍医「しかし、それは前までことです」


提督「え?」


軍医「実はオリジナルというより、本人は生存してとのことらしいです」


夕張「え?それって…」


軍医「記憶は保管されているでしょう」


夕張「やったじゃん!提督!」


軍医「いや、なおさら面倒なことになりました」


夕張「え?」


軍医「一見、記憶データは誰の手にも渡ってなくて安易しがちですが、オリジナルが生きているのなら、その人のプライバシーの配慮から記憶は渡されないでしょう」


提督「それに尚更戸籍も難しい…」


軍医「国内の混乱を防ぐために、政府にバレたら抹消に掛かるでしょう」


夕張「…そんな」


軍医「軽率な発言をしてしまいますが、私としては…あの時、彼女を安楽死しておけば」


提督「テメェふざけるなっ!!!」グワッ!


夕張「お、落ち着いて!!」


提督「テメェもそんな事を言うか!?そんなにクローンの命が軽いか!?」


軍医「だったら!貴方は責任が取れるのか!?まず彼女は自分がクローンだってことも知らない!

それにこの先、生きていく中で戸籍のない彼女は…まともに就職もできないんです!」


提督「それでも軽々しく死んでた方が良かったなんて言うんじゃねぇ!」


夕張「そもそも無戸籍なら法務局でどうにかなるんじゃ…」


軍医「簡単に言えた事じゃない!必要な物が不足してます!まず!これを見てください!」


 (1) 無戸籍の方が住民票に記載されている場合は,その住民票の写し

 (2) 母が戸籍に記載されている場合は,無戸籍の方の出生時の母の戸籍又は除籍の謄本等

 (3) 母子関係のあることを証する資料


  ア 医師,助産師等が発行した出生証明書

  イ 母子健康手帳

  ウ 幼稚園,保育園等に入園していたときの記録,小学校等の在学証明書等

  エ 母子共に写っている写真


軍医「これだけの物が揃っていて!始めて話が進むんです!」


夕張「そ、そんな…」


軍医「確かに元提督…貴方がした事は実に人道的でノーベル平和賞を貰ってもおかしくない事をしたかも知れない!ですが!

必ずしも艦娘が安心して一般人の中に溶け込める?そうじゃない!

舞鶴鎮守府や呉鎮守府は比較的に緩かったかも知れませんが、他の鎮守府や前線にいた艦娘は戦う事しか知らない人が殆どです!

そんな人が普通に過ごせる訳がない!結果警視庁による発表に元艦娘の暴力事件が多発してるじゃないですか!」


夕張「今その話とは関係ないでしょ!?」


軍医「貴方は革命家でもない!ただの偽善者だ!」


提督「っ!?」


夕張「言いたい放題言わないでよ!」


バチンッ!!


軍医「っ!?ぶ、ぶったな!?」


夕張「提督がいなければ私たちは、貴方達軍部のいい捨て駒になってのよ!?」


軍医「だまれ!クローンの出来損ないが!!

コイツのせいで!俺の父親は拘束されたんだ!」


夕張「ただの逆恨みじゃない!よしなさいよ!」


………………………………………………………………………………………………

……………………………


鳳翔「あら?案外遅かったじゃないですか…」


提督「…あぁ」


摩耶「どうしたんだ提督?えらく疲れ果ててるじゃねぇか!」


夕張「まぁまぁ、摩耶さん…提督は元から体調が優れて無かったのできっと疲れてるんですよ!」


鳳翔『あれ?そんな事言ってましたっけ?』


摩耶「いけねぇな提督!体がなまりすぎてるんじゃないのか?」


提督「ははは…かもな」


摩耶「ん?お、おう…わかってるんならいいんだ」


摩耶『おっかしいな…いつもの提督なら"何言ってんだ!まだまだ身体は頑丈なままだぜ!"とか言ってるのにな、これが後に言う歳をとると丸くなるって奴なのか?』


鳳翔「…それじゃ、帰りましょうか?摩耶?」


摩耶「おう!なんだか着物のせいか鳳翔さんがオカンみたいだぜ」


夕張「摩耶さん…それは鳳翔さんに失礼ですよ?」


鳳翔「ふふっ、良いんですよ…定食屋を営んでいる時点でオカンってよく言われますし」


提督「すまないが…俺は仕事があるからここで失礼するよ」


摩耶「おいおい、もう行っちまうのかよ!」


提督「すまないな、仕事を貯めてしまうのは現役の時から変わらなくてな」


夕張「全く…あれ程早く仕事を済ませろって言ったのに!」


提督「バーロー、研究所に引きこもってる奴に言われる筋合いはねぇよ!」


夕張「好きに引きこもってる訳じゃないわよ!」


提督「それじゃあ!摩耶を頼んだぞ!」


鳳翔「はいはい…」


鳳翔『あれ?提督って仕事は早めに終わらす性格だった気がしますけど…気のせいですかね』


〈ブゥオーーン!!!


摩耶「ん?提督ってあんなボロボロな軽トラに乗ってるの?」


夕張「あれは会社の物よ、摩耶さんが退院と聞いて飛んできたのよ」


鳳翔「んー、ねぇ夕張ちゃん」


夕張「あ、はい!」


鳳翔「摩耶の退院と合格祝いに今日はご馳走にしようと思っているの、だから元鎮守府のメンバーで近くに住んで知っている人を出来るだけ連絡してほしいの」


夕張「そう言う事でしたらお任せください!」


鳳翔「さぁてと、腕がなるわね!」


………………………………………………………………………………………………

……………………………


一時間後


大阪 東大阪市内 町工場



提督「…」


??「どうした?元気無いやないか?」


提督「…なんだよカズ、いきなり」


金髪オールバックでサングラスをかけている同じ町工場仲間のカズは、ボルトを製造している提督に笑顔で話しかけてる


カズ「今日は提督時代の部下の退院日だったんやろ?どうしてそんなに疲れ果ててるんや」


提督「そういうお前はどうしてその事を知っているんだよ」


カズ「どうしてって、社長が言ってた」


提督「…はぁ」


カズ「まぁまぁ、お前にとっては提督時代の事は触れてほしくない事かもしれんけど俺はお前の事を嫌う理由なんてありゃへんで」


提督「そりゃそうだろ、お前には関係ないもんな」


カズ「そりゃあ、クローンの事が公にされ日本の立場は最悪になって、おまけに同じ計画をしていたアメ公や中国も批判され世界中からお前さんを狙ってるかもしれないけど…

お前がやった事は悪い事やない、ここで働いている仲間皆んなそう思っとる、世間がなんて言おうともお前さんはお前さんや!」


提督「カズ…ありがとうな」


カズ「しかし変な感じやわ」


提督「何が?」


カズ「このボルト一つ一つが、色んな所で使われてるやろ?机とかタンスと言った家具からお前さんが発案した恐竜みたいなロボットも…

このボルトが無かったら出来ない物なんや」


提督「まぁ、提督時代は任せきりだったから何も知らなかったけど、中小企業の大切さは今になって良くわかったよ」


カズ「それはいいけどよ、疑問なのはどうして自分の貯蓄した多額の金をそこまで部下達に出してあげたんや?」


提督「ハリウッド映画みたいな下手な台詞を言わせて貰うと家族として思っていたからかな」


カズ「ほんま下手な台詞やな、恥ずかしくてよう言わんわ!」


提督「うるせぇよチンピラ!」


カズ「おうおう!元気が出てきたやんけ!やっぱお前さんはツッコミが合ってるわ!」


提督「言っとくけど俺は吉本に行くつもりはないからな」


カズ「心配せんでも俺もそのつもりはない」


提督「…なぁカズよ」


カズ「なんや?」


提督「確かお前って娘っていたよな」


カズ「あぁいるで、7歳児の長女と5歳児の次女がいるけど、いきなりどうしたんや?」


提督「いや、なんでもない」


カズ「どうしたんや?あ、もしかして三十路近くなってきて相手がいない事に不安になっているな!?」


提督「バ、バーロー!そんなんじゃねぇよ!そもそも何処に俺の事を好きになる人がいるんだよ」


カズ「そんな事わからんやろ?確かに難航はするやろうけど」


提督「…いや、なんというか」


カズ「まぁ、お前さんはまだ若いんやし焦る事はないで」


"大丈夫…何が合っても私だけはアンタの味方でいてあげるわよ"


提督「行ってみるしかないか…」


カズ「へ?行くってどこに?」


提督「少し市役所まで行ってくるわ」


カズ「ちょいちょい!なんでまたそんなところに行くんや?」


提督「色々と野暮用でね」


カズ「…まぁええけど、あまりほっつき歩いてたら怒られるで?」


提督「わかってるって、少しばかり行ってくるわ」スタスタ


カズ「…にしても市役所になんて、ホンマに何しに行くんやろ?ま、ええか」


…………………………………………………………………………………………………

………………………………


夕方四時頃


市役所


「それでは、次から住民票をお待ちくださいね」


〈はい、すまないねぇ…


「いえいえ、大丈夫ですよ!」


区役所と違い市役所は広い、それはもちろん受付員も多いのは当然なのだが、その人数の中で一際目立つ人が1人いた

腰まである毛先の切りそろえられたモイストシルバーの長髪に、赤の強いオレンジ色の瞳。前髪は一直線に揃えられ、もみあげは赤い紐で先を結ってある。

かつての仲間でもあり、秘書艦でもあった

吹雪型駆逐艦…叢雲である


提督「こんなけ広いのに、アイツだけはすぐに分かるんだよな…あ、目が合った」


叢雲『…て、提督よね…あんなボロボロな作業着を着てるけど…』


叢雲とは、クーデター以降一度とも会った事がなかった

会おうと思えば会えたのだが、彼女が市役所で頑張っていると聞いてから

会って変に気を使わせて折角順調に進んでいる彼女の平和な生活を壊わしたくなかったからだ


叢雲『どうしよう…久々に見れたのに、話しかけられないなんて…』


もちろん、叢雲自身提督に対する世間のイメージを知らないはずがなかった

犯罪者じゃないのに…犯罪者のような目で周りの人達は提督に向ける


「どうしてここにいるの?」


「忌々しい…お前のせいで会社からリストラされたようなものなのに…」


クーデター以降、メディアは提督の顔写真を公開、最初は人道的活動家として評価していたが世界各国から日本は冷たい目で見られるようになってから

日系外資企業の株価が低下していき、景気が落ち込んでいくようになっていった

その結果、リストラが目立つようになり失業者が増え社会問題となっていた

するとメディアは、この最悪の不景気の原因はクーデターのせいだと報道し始め

首謀者である提督を一斉に叩き始めた、それにより提督は英雄から、国をどん底に突き落とした売国奴として見られるようになった


提督『…ま、仕方がないよな、俺になんて話しかけたらお前までも巻き添えをくらうことになるもんな』


提督が諦めてその場から立ち去ろうとした時


叢雲「提督!!!」


提督「えっ…」


ザワザワ…ザワザワ…


コツコツ…


叢雲「これからの事で警察から話がありましたので、お時間をいただけますか?」


提督「け、警察!?」


叢雲「いいですか?」ギロッ


提督「あ、はい」


ザワザワ… ザワザワ…


………………………………………………………


市役所内 別室


提督「…それで警察ってのは」


叢雲「嘘に決まってるでしょ、バカ」


提督「ば、馬鹿だと!?」


叢雲「……よかった」


提督「へ?」


叢雲「提督が…生きててよかった」ポロ…


提督「あれ?夕張とかから聞いてなかったのか?」


叢雲「私…しばらく軍部に拘束されてたから皆の連絡先を知らないのよ」


提督「そうだったのか…」


提督『俺も親友のT提督の奴から知らされてなかったら、叢雲の居場所なんて知らなかったもんな…』


提督「叢雲」


叢雲「何かしら?」


提督「…スーツ姿、似合ってるぞ」ニコッ


叢雲「…バカ」


提督「お世辞じゃ無いんだけどな…」


叢雲「それで提督?」


提督「その前に、俺はもう提督じゃない…町工場で働くただの作業員だ」


叢雲「嫌と言ったら?呼び方なんて、その人の自由でしょ?」


提督「もうなんでもいいよ」


叢雲「そう…ま、私の中では提督であり続けていたいだけかもしれないけど…」


提督「どういうこと?」


叢雲「もうっ、なんでも無いわよ朴念仁」


提督「ひ、ひでぇ…そういえば何か言いかけてた?」


叢雲「そうよ!ここに来たって事は何か用事があるって事でしょ?要件は?」


提督「実は…ry」


叢雲「へぇー、あのガサツ女がねぇ…懐かしいわね、丁度4年前よね?入院したのは」


提督「それぐらいだったかな?」


叢雲「にしても貴方も人が良すぎるわよ?提督時代に溜めた貯金の大半を治療費に回したでしょ?」


提督「どうしてそれを?」


叢雲「職業柄から行政に関しては詳しいのよ、丁度2年ほど前から軍部が治療費を持たなくなった事も考えたら直ぐにわかるわよ」


提督「流石秘書艦だったことだけあるな、お見通しという訳か」


叢雲「貴方とは一番長い付き合いよ?考えていることなんて直ぐに分かるんだから」


提督「それで…法政枠ギリギリのところで何とかならないか?」


叢雲「摩耶の無戸籍問題でしょ?正直私にじゃなくて法務局に行って聞いて来いと言いたいところだけど…そういう訳にはいかないよね」


提督「…お気遣いどうも」


叢雲「別にいいわよ」


提督「それに」


叢雲「ん?」


提督「周りの目が気にならないように、態々嘘まで付いて別室に連れて行ってくれたんだろ?ありがとうな!」ニッコリ


叢雲「わ、わかってくれたらいいのよ!」///


提督『ほんと、叢雲には感謝だな』


叢雲「…現実的に考えると、戸籍取得は難しいと思うけど、人道的な配慮から住民票作成や国民健康保険証を交付などは出来るかもしれないわ」


提督「やっぱり戸籍は難しいのか…」


叢雲「難しいとかの問題より、立っている土俵が違うのよ…本来無戸籍者にも両親がいて誰の子供なのか、だいたい親の問題から入るのだけれど…そもそも摩耶の場合はクローンでしょ?」


提督「親がいないという事」


叢雲「それだけじゃないわ、貴方の話の中に既にもう1人…本物の摩耶に戸籍が移っているって言ったわよね?」


提督「おぅ、今フランスにいるらしいけど」


叢雲「そんな事はどうだっていいの、問題は異例尽くしでどうしたらいいのか…さっぱり見当もつかないわ

親がいないクローンで、本来の貰えているはずの戸籍は別の瓜二つの別の人が持っているなんて、聞いた事無いわよ…」ハァ…


提督「打つ手はあるのか?」


叢雲「…ない事は無い」


提督「本当か!!教えてくれ!」


叢雲「…方法は2つよ、1つは防衛省に対して裁判を起こす事よ」


提督「裁判?」


叢雲「その前に著名活動とか…メディアに注目してもらうように何かしないといけないのだけれど…」


提督「だけど?」


叢雲「人間ならいいけど、彼女はクローン…それに元艦娘の犯罪件数…クーデターの元凶…色々な事情をひっくるめて印象と立場は最悪よ」


提督「…主な理由は、煽られての暴行だけど」


提督「それでもう1つの方法は?」


叢雲「…彼女を連れて防衛省に行く事ね」


提督「防衛省か…話が通じるような相手じゃないぞ?」


叢雲「それはクーデター前の防衛省内部の人間の事でしょ?今は人事編成が行われて、だいぶ人は変わったのよ?

もしかしたら人が変わって対策案が見出せるんじゃないかと期待できるんじゃないかしら?」


提督「無理だ」


叢雲「そ、即答ね…根拠は?」


提督「どこの世界に自分を狙っている組織のところに丸腰で現れる奴なんているんだ?」


叢雲「ご、ごめん、そうだったわね」


提督「それに本物が存在しているなら尚更混乱を防ぐために抹消に掛かる」


叢雲「…亡命」


提督「亡命?」


叢雲「日本政府から遠い関係の国に亡命して難民として入国する手もあるわ、でも勿論貴方は反対するでしょ?」


提督「彼女には日本人として普通の人間として生きて欲しいからな」


叢雲「まるでアイツの父親ね」


提督「親代わりみたいなもんだ」


叢雲「…どうしたらいいもんかしらね」


提督「なぁ?叢雲」


叢雲「なによ」


提督「彼女にしたら、俺がした事は返って不幸になってしまったのかもしれない」


叢雲「何言っているのよ!あんなふざけた政策が良い訳ないじゃん!」


提督「皆んなが幸せであってほしいかったのに…くそっ!」


叢雲「大丈夫よ」ギュッ


優しく叢雲は俺の手を握ってくれた


叢雲「何があっても私はアンタの味方でいるからね、心配しなくてもいいわよ、少なくとも今の私は幸せだから」ニコッ


提督「おまえ…」


叢雲「さて、やらない事が分かったところでまずは彼女が置かれている状況で何が出来るか調べる所から始めなきゃね」


提督「手伝ってくれるのか?役所の仕事で忙しいのにいいのか?」


叢雲「何拍子ぬけた事言ってるのよ、仲間が困ってるのに助ける理由なんているかしら?」


提督「…ハハッ、おまえも十分お人好しじゃないか」


叢雲「バカ、アンタには負けるわよ」


提督「初期艦は伊達ではないって事だな!」


叢雲「それって褒めてる?」


〈ピピピィッ!!!


提督「あ、すまん、少し席外す」バタッ


叢雲「いいわよ」


………………………………………………


提督「はい、どうしたんだ鳳翔?」


鳳翔《お仕事はまだまだ続きそうですか?


提督「んー、じき帰宅するけど」


鳳翔《今晩、元舞鶴のメンバーで摩耶の退院祝いするつもりなのですが、やはり提督の貴方がいないと締まらない

と思うので、早く帰宅してほしいのですが、いかがでしょうか?


提督「わかった、わからないが一緒に叢雲も連れて行くけど大丈夫か?」


鳳翔《それは全然構いませんが…どうして叢雲と一緒なのですか?


提督「役所に用事があって、そこでね」


鳳翔《なるほど、わかりました


提督「買ってほしいやつとかある?ついでだし買ってくるけど」


鳳翔《基本大丈夫ですけど、強いて言うのなら摩耶の退院祝いのプレゼントをお願いしますね


提督「それなら既に買ってあるよ、当たり前じゃないか」


鳳翔《そうでしたら大丈夫です


提督「わかった、それじゃ今晩に」


………………………………


叢雲「で、話は終わったの?」


提督「あぁ、鳳翔からだった」


叢雲「鳳翔さんかぁ、また懐かしい名前ね」


提督「今日摩耶の退院祝いをするから今晩来て欲しいそうだ」


叢雲「退院祝いとか鳳翔さんらしいわね」


提督「勿論お前も来るんだ」


叢雲「え?なんで」


提督「え?逆に来ないつもり?」


叢雲「うん」


提督「いやいや、残業とか公務員だから無いだろ何で来ないんだ?」


叢雲「私が行ったところでケンカになるのは目に見えてるわよ、それが原因で変な空気にしたくないのよ」


提督「流石にこの歳でケンカはないだろ」


叢雲「確かに大人びたOL姿で役所で働いているけど、私はまだ今年で19よ?」


提督「今少し自分の事を棚に上げただろ」


叢雲「あら?本当は大学に行きたかったのに働いているだけでも偉いと思いなさい」


提督「そんな子は世の中幾らでもいる、対して偉い事じゃない」


叢雲「相変わらず手厳しいよね、アンタ」


提督「で、頼むよ、一緒に祝ってやってくれないか?」


叢雲「一応、彼女の方が私より年上なのよ…まぁ仕方が無いわね」


提督「






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2020-01-14 23:41:15

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2021-12-12 02:00:37

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2016-12-19 00:54:25

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1: FLAN 2016-12-19 00:58:10 ID: I3XG5uqU

M82にサプレッサーかいいねぇ!
欲しい

続き楽しみにしてます


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