「秋月と照月」
いつも通りに生活する秋月と妹の照月。 でも、様子がおかしい?
朝、今日もいつもと変わらない。
いつも通りに起きて、いつも通りに布団を畳み、いつも通りに食堂へ向かう。
・・・・・・
今日は秋月姉もお休みだから、朝食は一緒に食べられる、すごく嬉しい・・・あ、秋月姉がやってきた。
「遅いよ、秋月姉!」
「ごめんなさい・・・少し寝過ごしてしまいました。」
「・・・昨日も深夜まで時報担当していたのよね? 姉さんあまり無理しないでね。」
「はいはい・・・それでは、朝食を食べましょうか。」
2人は盆を取って好きな食べ物を取る。
「照月はおにぎりとおしるこ! これさえあれば、他は何もいらないわ!」
「秋月はおにぎり2個とお味噌汁・・・いつもの定番食ですね。」
2人はとても質素・・・秋月の食の細さは皆知っているが、その妹は・・・やはり質素である。
しかし、食は質素だが2人が笑顔で食べている光景は周りを朗らかにさせている。
・・・・・・
「秋月姉! 今日はお休みだからどこか散歩に行かない?」
「いいですよ、どこに行きますか?」
「え~っとね・・・秋月姉さんと一緒ならどこだっていい。」
照月は秋月の事がとても好きだ・・・尊敬していて事あるごとに必ず秋月に相談しに行く。
「・・・・・・」
楽しいひと時のはずなのに、照月は何故か違和感を覚える。
「何だろう・・・秋月姉さんと一緒にいられてとても幸せなのに・・・」
言葉で言い表せないが何かがおかしい・・・と気づく照月。
「・・・・・・」
「照月、どうしたの?」
秋月が話しかけて、
「えっ!? な、何でもないよ! ちょっと考え事してただけ!」
「そう・・・じゃあ最近できた喫茶店でも行きましょうか?」
「うん! 行く行く!」
感じる違和感も、秋月と一緒だとすぐに忘れてしまう照月だった。
・・・・・・
喫茶店で紅茶とクッキーを食べながら2人で楽しい会話をし、
帰る途中で見つけた、わらび餅屋で提督と他の皆のためのお土産を買い、鎮守府へと帰っていった。
・・・・・・
夕食を終え、布団を敷き、そろそろ寝る時間。
「おやすみ、秋月姉。」
「おやすみなさい、照月。」
秋月は灯りを消した。
「・・・・・・」
そして、また朝感じた違和感を思い出す。
「何て言うんだろう、言葉では言いづらいけど・・・記憶が無い?」
照月が感じていた違和感、それは・・・一部の生活に記憶が無いことであった。
「昨日の事は覚えている、その一昨日も・・・でも、1週間前の事は・・・何でだろう・・・思い出せない。」
これは記憶障害の一種なのかな? と心配する照月。
「明日秋月姉さんに聞いてみよう・・・姉さんまで忘れてしまったら嫌だから・・・」
そう言って照月は就寝した。
・・・・・・
翌朝、一番に聞いてみる。
「秋月姉さん、相談があるんだけど・・・」
秋月は「何ですか?」と尋ねる、
「何か照月・・・記憶障害みたいなの。」
少しずつ説明していく照月・・・しかし、秋月は、
「わかりますよ、私も1週間前の事なら時々忘れますから・・・司令に頼まれていたこともこの前忘れてしまって、
後で怒られて思い出すことなんて日常茶飯事です。」
「そ、そうなのかなぁ。」
「はい、照月もあまり考えないで、普段通りに生活していれば、その内思い出しますよ。」
「そっか・・・そうだよね。」
秋月姉さんに相談してよかった・・・照月の頭の靄が晴れた。
「さぁ、今日から仕事が始まります。照月も早く着替えて準備してください。」
「はい、秋月姉!」
・・・・・・
出撃・・・秋月姉と一緒は流石に無理だよね?
秋月型は防空駆逐艦・・・対空性能が高いため、各編成に入れておくのがベスト・・・だから同じ編成に入ることは許されていない。
「・・・・・・」
でも、仕事が終わったらまた会えるから、ここは我慢しないとね! さぁ、出撃・・・秋月型の防空能力を見せてやるんだから!
・・・・・・
最近とても寂しく感じる・・・
出撃の際だって、皆と編成を組んで出撃しているはずなのに・・・途中から皆とはぐれちゃった。
よく孤立しちゃって海の真ん中で照月一人ってことが多々ある。
でも、運がいいのか照月が一人の時に深海棲艦と鉢合わせになったことが無い。
大半は皆と再び合流できた時には既に戦闘が終わっていて、結局照月は皆の足を引っ張ってしまう。
皆は「気にしないで」と慰めてくれるんだけど、本当に申し訳ない気持ちでいっぱい・・・
次こそは・・・次こそは・・・と、意気込むけど・・・なかなかうまくいかないよぉ。
実を言うと、海上に留まらず鎮守府内でも皆に避けられているような感じがする。
私は何か皆に悪いことをしたのかなぁ・・・
やっぱり出撃ではぐれることが原因の一つかなぁ・・・
明らかに照月が悪いんだけど、それでもやっぱり照月・・・寂しいよぉ。
・・・・・・
秋月姉さんはいつも照月の味方・・・秋月姉さんだけはいつも味方。
秋月姉さん大好き!
だから皆に避けられていても照月は我慢できた・・・照月には、秋月姉がいるから・・・
ある日の事、
急に熱を出しちゃって一日中布団の中に籠りっぱなし。
秋月姉は今日は秘書艦の日、氷枕を乗せてくれた後、執務室に行っちゃった。
・・・・・・
ずっと寝ているとはっきり言って暇・・・そうだ、昨日のことを思い出してみようかな。
「・・・あれ?」
思い出せない?・・・何で?
「・・・・・・」
熱があるから頭が働かないのかな?
「う~ん・・・」
考えてみたけど、ダメ。 全然思い出せなかった。
「仕方ないなぁ・・・素直に布団で寝ていよう。」
そう言って照月は就寝した。
・・・・・・
・・・
・
夢の中で照月は出撃している夢を見た。
「敵空母艦載機! 撃ち落とします!」
私、照月が前に出て対空砲を構え、砲撃・・・次々と撃ち落としていく中で・・・
「照月さん! 危ない!」
はっと気づいた時には既に遅い、撃ち損ねた残りの艦載機が反撃を開始・・・私は大破に追い込まれた。
「くっ・・・」
艤装は深く損傷、次装填の砲撃は・・・砲身が歪んでて砲撃不可・・・
「撤退します! 照月さんも急いで!」
旗艦の撤退命令で私は立ち上がり、その場から離れようとした。
「!? 照月さん!」
「?」
私が振り向くと・・・
・・・・・・
・・・
・
「・・・・・・」
いつもここで夢が途切れる、そしてなぜか思い出せない。
「・・・・・・」
あの後、皆で帰還してすぐに入渠・・・いつもと同じ、秋月姉と食事して一緒に部屋に戻ったはずなのに・・・
「・・・・・・」
記憶が途切れ途切れで上手く繋げられない・・・私の頭に一体何が起きたの!?
「・・・・・・」
思い出して・・・少しでもいい・・・あの時の私の行動・・・何とか思い出して!
・・・・・・
・・・
・
そうだ・・・確か、鎮守府に帰還して・・・
「照月! 照月!」
目の前で秋月姉が叫んでて・・・
「秋月・・・残念だが・・・」
側にいた提督が秋月姉に肩を添えていて・・・
「うっ・・・ううっ・・・」
私を見て秋月姉は・・・泣いていた? ・・・どうして泣いているの?
「・・・・・・」
「泣かないでよ秋月姉さん!」と言いたかったけど、なぜか言葉が出なくてその後は・・・その後は・・・
「・・・・・・」
頭が痛い・・・これ以上は無理かな・・・
「・・・・・・」
その後、入渠して秋月姉さんに笑顔が戻って、一緒に食事できたから私は嬉しかった。
でも、何であの時姉さんは泣いていたのかなぁ?
・・・・・・
数日後、すっかり元気になって私は外に出た。
「あ~・・・何て気持ちのいい朝なんだろう!」
伸びをして深呼吸・・・日差しが眩しくて、昨日まで布団に籠っていたのが噓のよう・・・あ、秋月姉!
「・・・・・・」
秋月姉が私を見て悲しそうな目をしていた・・・どうしたんだろう?
「照月・・・今日は一緒に出撃する?」
「えっ、いいの!?」
いつもは別行動のはず・・・でも、今日は一緒でいいんだって・・・こんな嬉しいことはない!
「行く行く! すぐに準備するから!」
・・・・・・
「防空駆逐艦秋月! 出撃します!」
「同じく防空駆逐艦照月! 出撃します!」
秋月型の2人と他艦娘が出撃、海域を目指して進軍していった。
・・・・・・
「今日は秋月姉と一緒に出撃できるなんて・・・」
「・・・・・・」
「秋月姉、照月嬉しい! とっても嬉しいよ!」
「・・・・・・」
「? 秋月姉?」
「・・・・・・」
秋月が進軍をやめて・・・
「どうしたの、秋月姉・・・」
「・・・・・・」
秋月姉さんが私から距離を置いた・・・気づかなかったけど、姉さんの周りに他の皆も私を囲むように立っていた。
「どうしたの、皆?」
「・・・・・・」
皆の目は悲しそうで・・・姉さんは今にも泣きそうな顔・・・
「照月・・・ごめんね!」
そう言うと秋月姉は私に主砲を向けた、周りの皆も姉さんに合わせて私に砲身を向ける。
「何で? どういうこと? 皆、私に主砲を向けて・・・一体どうしたの!?」
照月は訳が分からず、叫んだ。
「秋月姉! 何で? 何で私に主砲を向けるの!? ねぇ何で!?」
「・・・照月。」
秋月がゆっくりと口を開き、
「最後に出撃した時の事・・・覚えてる?」
「・・・・・・」
覚えている・・・もちろん覚えているよ!
あの時は、敵の艦載機で大破まで追い込まれて、皆と一緒に撤退して・・・それから入渠して・・・
「・・・・・・」
入渠して・・・あれ? おかしい・・・
入渠したはずなのに・・・お風呂に入った記憶が・・・ない。
「・・・・・・」
ふと、照月は海面を見た・・・そこに映っているのは・・・
「・・・・・・」
紛れもなく照月本人・・・のはずが、目が赤く体も一部が白く変色していた。
「何で!? 私の体・・・どうしちゃったの!? どうしてこんな体に!?」
「・・・照月・・・あなたは・・・」
「・・・・・・」
「あの時の出撃で・・・轟沈したのよ!」
「・・・・・・」
その言葉に耳を疑った。
・・・・・・
・・・
・
あの時・・・
「照月! 照月!」
帰還後、撤退中に被弾して轟沈した照月が担架で運ばれ、すぐに集中治療室へ向かった。
「司令! 照月は! 照月はどうなるんですか!?」
「・・・残念だが・・・体の損傷は甚大だ・・・恐らくは・・・もう・・・」
「うっ・・・ううっ・・・」
「・・・・・・」
そうか・・・あの時秋月姉が泣いていたのは、私の治療がもう・・・手遅れだったから。
「・・・・・・」
その後、照月は治療の甲斐あって何とか一命を取り留めたが、体が徐々に蝕んでいくのがわかった。
・・・・・・
「司令! 照月は・・・」
「残念だが、徐々に”あちら側の人間”になり替わろうとしている。 オレも精一杯の治療は施すが・・・手遅れになった時は・・・」
「・・・わかりました。 その時は姉である私が・・・照月を殺します!」
・・・・・・
・・・
・
「ああ・・・あ・・あ・・・」
全てを悟った照月が絶望を覚える。
「さぁ、秋月さん! 今なら深海棲艦化する前に止められます! 照月さんの場合は特殊ですからね。」
「・・・と、特殊?」
「・・・・・・」
深海棲艦にはランクと言うものがあり、通常→赤(エリート)→金(フラッグシップ)のような個別のレベルアップとは違い、
個々の能力が高いほどより上位の深海棲艦になる報告が挙げられている。
照月の場合、対空能力が秋月同様ずば抜けて高い。 徐々に侵食していく姿は赤い目の白い肌・・・
それは間違いなく”鬼”か”姫”である。そして対空特化・・・考えられる変貌はただ一つ・・・”防空棲姫”!
「そのまま照月さんの意識がなくなるころには防空棲姫と変貌を遂げ、多数の艦娘たちが甚大な被害を及ぼします!
そうなる前に秋月さん! さぁ、早くとどめを!」
「・・・・・・」
「何をしているんです秋月さん! 早く照月さんを!」
「しばらく・・・」
「秋月さん?」
「しばらく2人にしてくれませんか?」
「秋月さん! 何を言って・・・」
「わかっています・・・それでも照月は・・・私の大切な妹なんです! とどめは刺します! だから、2人にさせてください!」
「・・・・・・」
堪えていた涙が溢れ、頬を伝う秋月の表情に皆は・・・
「・・・わかりました、目的が済んだらすぐに帰還してください!」
そう言って皆は撤退をした。
「照月・・・」
秋月が泣きながら近づき・・・
「姉さん・・・」
本人も悟ったのか姉に体を預ける照月、
「照月・・・私は・・・」
「? 秋月姉さん?」
・・・・・・
・・・
・
少し離れた海域で秋月の帰りを待つ皆・・・
「!? 秋月さん!!」
艦娘の1人が気づき、秋月の名を呼んだ。
「・・・・・・」
その時の秋月の目は鋭く、表情が険しかった。
他の皆も話しかけることが出来ず、先ほどの状況を考えると声を掛けることが出来なかった。
「照月は撃沈! これより鎮守府へと帰還します!」
手には照月の物だろうか、強く握りしめているのがわかった。
「さぁ、帰りましょう! 私たちの鎮守府へ!」
秋月が指示をして皆が帰還するのだった。
・・・・・・
「秋月! 無事帰還しました!」
提督と秘書艦の霧島が迎えた、他の皆は状況を考慮して待っていなかった。
「損傷した方はすぐに入渠してください! 私は結果報告を司令に伝えます!」
そう言って秋月は提督と一緒に執務室へと向かった。
・・・・・・
「司令・・・今回の結果報告ですが・・・」
「照月は眠ったのか?」
「・・・・・・」
「お前の手で・・・安らかに眠りに就いたのか?」
「はい・・・照月は眠りました。」
秋月は下を向いたままだ。
「そうか・・・」
提督は立ち上がり、秋月を抱いた。
「辛かったな・・・」
強く抱きしめ・・・
「う・・・うう・・・・・うわああああああ~~!!!!」
堪えきれなかった感情が高ぶり、秋月は泣き叫んだ。
・・・・・・
「・・・・・・」
朝起きると、隣にいるはずの照月はいない・・・
「・・・・・・」
無意識に2つの布団を用意していた秋月・・・
「・・・・・・」
秋月は改めて悟る・・・もう帰ってこないのだと・・・
「近海に敵部隊を確認! 主力部隊は急ぎ出撃せよ!」
「・・・・・・」
こんなところで泣いていられない・・・私は私で・・・やるべきことがある。
「・・・・・・」
秋月は早々に着替えて部屋から出た。
・・・・・・
「鎮守府近海に敵主力の戦艦複数と空母部隊が確認された。 こちらも戦艦・空母そして、艦載機対策として秋月!頼めるか?」
「はい! 秋月はいつでも準備はできてます!」
「・・・よし! それではこれより敵部隊の殲滅を開始する、旗艦を霧島として各員出撃せよ!」
提督の号令とともに霧島含む編成部隊が進軍を始める。
「・・・・・・」
「司令の情報によりますと、空母全員が強化型だそうです、秋月さん、迎撃を任せます!」
「お任せください! この秋月、皆を護り通してみせます!」
「・・・・・・」
妹を失ったばかりのはずなのに・・・秋月の威勢に皆は心を打たれた。
「! 敵部隊発見! 直ちに殲滅します!」
霧島たちは戦闘を開始した。
・・・・・・
「・・・・・・」
提督が皆を見送る中・・・
「提督・・・」
後ろから呼ぶ声がして・・・
「私・・・」
その人は・・・照月?
「気がついたか?」
「私・・・何で生きてるんですか?」
「・・・・・・」
あの時・・・
・・・・・・
・・・
・
「照月・・・私は・・・」
「? 秋月姉さん?」
「私は・・・照月を妹に持てた事を・・・誇りに思います。」
「・・・・・・」
「でも、許して・・・私にはこうすることしかできないの・・・」
秋月は主砲を突き付け、
「秋月姉さん・・・」
照月は抵抗せず・・・涙を浮かべて、
「さようなら・・・秋月姉さん。」
「ごめんなさい・・・ごめんなさい! 照月!」
ドオオオオンッ!!!!
「・・・・・・」
秋月は照月の形見を拾うと、
「皆と合流しなきゃ・・・」
秋月はその場を後にした。
「・・・・・・」
側で誰かが見ていた・・・それは、提督?
「・・・・・・」
提督は撃たれた照月を持ち上げると、そのまま来た道を戻っていった。
・・・・・・
・・・
・
「・・・・・・」
照月は自分を鏡で見る・・・目は赤くない・・・体も元のまま・・・
「照月・・・今日を持ってお前は”解体”された。 これからは普通の女性として生きていくんだ。」
「・・・・・・」
「今残っている記憶も、鎮守府から出た瞬間に抹消される・・・まだ何か思い残したことはあるか?」
「・・・いいえ。」
「・・・・・・」
「私は死んだと皆から思われていますよね? でしたら、私は秋月姉や皆の前に顔を出す理由がありません。」
「そうか。」
「・・・秋月姉に伝えてくれませんか?」
「・・・・・・」
「秋月姉と一緒にいられて、とても幸せだった・・・と。」
「わかった・・・伝えておく。」
「・・・ありがとうございます。」
そう言って照月は部屋に戻り、荷物をまとめると鎮守府を後にした。
・・・・・・
それから年月が経ち・・・
照月は普通の女性として毎日を過ごしている。
「・・・・・・」
時折感じるかすかな記憶・・・その記憶とは・・・海の上にいた記憶。
「・・・・・・」
それ以上は思い出せない・・・でも、何で海の上なんだろう?
「・・・考えても仕方ないか。」
そこで終わってしまう・・・でも、その方がいいのかも・・・と考える照月。
ポケットに入れてある携帯が鳴って・・・
「・・・うん、今行くね・・・それじゃあいつもの店で待ち合わせね。」
友達との待ち合わせのようだ・・・携帯をポケットに入れると、
「早く行かなきゃ・・・後10分しかないよぉ。」
照月は待ち合わせの場所まで走っていった。
・・・・・・
「秋月さん、今日はこの海域へ出撃します!」
「わかりました! 少し準備をしてまいります、お待ちください!」
秋月は準備のため、編成から離れる。
・・・・・・
皆と合流前に近海に立ち寄って・・・
「・・・・・・」
鎮守府近海で海を眺める秋月。
「・・・・・・」
手には、あの時自分で殺めた妹から取った形見・・・
「・・・照月。」
秋月は形見を強く握りしめ、
「先に待ってて・・・後は・・・お姉さんが・・・皆と一緒に・・・これからも海を護っていきます!」
そう心に決めて、戦場に向かう秋月だった。
「秋月と照月」 終
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