「執務室での事件」
冬になり、提督が皆のためにと炬燵を受注したが・・・
季節は冬、外に限らず鎮守府内も寒く皆が我先にと暖房器具を奪おうと必死です。
提督もそれを見越してか、各部屋にヒーターを設置してくれてだいぶ良くなりました。
そして、最近執務室で・・・
「炬燵を用意したぞ。」
執務室にどっしりと炬燵が置かれました。
置いた理由は秘書艦のため・・・提督は寒くても問題ない方ですが、艦娘は手足が震えて大変でした。
それを見た司令が炬燵を受注してくれたのです。
おかげで執務がやりやすくなり、最近では休憩に炬燵に入って会話もするようになりました。
その時のお話です。
・・・・・・
昼休憩で昼食を終えた後、
執務室の炬燵に入っていたのは・・・
私、霧島と鳥海さん、大鳳さんに秋月さんの4人で、机には司令が書類整理をしていました。
4人で今日の出来事とかおいしい店とか色々話していた時の事、事件が起きました。
ぷぅ~
・・・・・・
その瞬間、その場が凍り付いた。
「・・・・・・」
しばらく沈黙が続き・・・
・・・・・・
鳥海さんが口を開きました。
「誰ですか? 今のは?」
一同「・・・・・・」
「この際だから、白状して素直に謝りましょう。 その方が気が楽じゃないですか?」
鳥海さんが言うと・・・
「あの・・・そう言う鳥海さんがしたんじゃないですか?」
大鳳さんの言葉に、
「私が!? ・・・ありえない・・・私が疑われるなんてありえないです!」
「そ、そんなむきにならなくても・・・」
「そういう大鳳さんはどうなんですか? ガスが溜まりやすいですよね? うっかり漏らしたんじゃないですか!」
「な!? 何で私がしたことになるんですか!!」
その場の空気が悪くなり、
「謝って下さい! 大鳳さんがしたんでしょ! 私はやっていませんし、漏らしてもいません! 謝って下さい!」
「私だってしていませんよ! ガスが溜まりやすいからって何ですぐ私を責めるんですか!」
「・・・あの~・・・すいません。」
横から秋月さんが話しかけて・・・
「まぁ・・・たまにはあると思いますから・・・2人とも落ち着いてください。 漏らしたものは仕方がないですよ・・・」
冷静に話す秋月さんに2人が睨む。
「な、何ですか?」
2人の視線におどおどしながら、
「もしかして・・・秋月さんがしたからこの場を終わらせようと思っているんじゃない?」
鳥海さんの言葉に、
「ち、違います! 私は断じて漏らしてなんかいません! 信じてください!」
秋月さんは泣きながら無実を訴える。
ぷぅ~
秋月さんの方向から音がして・・・
「だ・・・だから秋月じゃないですってぇ~(泣)」
「秋月さん・・・怒らないから素直に白状してください。」
鳥海さんが半ば脅しを込めた言葉で秋月さんに言い寄る。
「鳥海さん、秋月さんが可愛そうですよ・・・恐らくしてないと思いますが・・・」
私が口を挟んだことで・・・
「そういう霧島さんはどうなんです? 戦艦だからうっかりしたんじゃないですか!」
その一言に、
「な、何言ってるんですか!? 私がするわけないでしょう!!」
私は叫んだ。
「あやしい・・・普段から冷静な態度を取っている霧島さん・・・昼食もたくさん食べていたし・・・
もしかして・・・やっぱり霧島さんが・・・」
「鳥海さん・・・少し廊下で話し合いましょうか?(怒)」
「何ですか? 怒っているんですか? じゃあやっぱり霧島さんだったんですか!!」
「そんなわけないでしょ!! してもいないのに漏らした漏らしたって・・・廊下へ出なさい! 精魂叩き直してあげるわ!!」
霧島が切れた。
「あ~、これだから戦艦はすぐに切れる。 素直に言えば事が済むのに何でそんなむきになるんですか?」
鳥海が呆れる。
「ちょ・・・ちょっと霧島さん・・・鳥海さん・・・落ち着いてください。(怯)」
「秋月さんは黙っていて!!」
「は・・・はい・・・(泣)」
「霧島さん・・・鳥海さん・・・落ち着いて。」
「・・・大鳳さんは口を挟まないで!」
「いい加減やめましょう・・・こんなことしたからっていい事なんてないですよ。」
2人「・・・・・・」
「落ち着いて・・・少し冷静になって・・・」
2人「・・・・・・」
「・・・悪かったわ。」
霧島が謝る。
「私の方こそ、取り乱してすいません。」
鳥海も謝った。
ぷぅ~
「ああ! 今の音は大鳳さんからしましたよ!」
「私はしてません! 本当です!」
「大鳳さん・・・落ち着かせて、自分がするなんて・・・最低よ!!」
また2人が喧嘩を始めた。
「もう、いい加減にしてください! 見苦しいですよ!」
「何よ! 大鳳さんだって往生際が悪いわよ!!」
「そうよ! 主力部隊で多くの功績を残しているからって、ガス漏れの責任を私たちに押し付けるなんて!!」
「・・・あのね~!!!」
大鳳も切れて・・・
「あなたたちのようにガス漏れごときで喧嘩になるほど私の心は汚れていないわよ!!」
「なっ!? 心が汚れているのは鳥海さんで十分よ!!」
「私が汚れているですって!? ふざけないで!!」
3人の言い合いが始まり・・・
「あわわ・・・(震)」
秋月はその場をただ見つめていただけだった。
「大鳳の毒ガス女!!」
「霧島さんのバカ頭脳女!!」
「鳥海のアホ計算女!!」
「あわ・・・あわわ・・・(泣)」
しばらく言い合いが続いたが、それは一瞬で止まった。
うるせぇ!!!! 静かにしろぉ!!!!
3人「・・・・・・」
提督の鶴の一声で皆の怒りが収まりました。
「オレが仕事してるのになんだお前らは! 邪魔するなら出ていけ!」
3人「・・・・・・」
「ガスが漏れたか漏れてないか程度のくだらない喧嘩をするな!」
3人「・・・・・・」
「休憩時間はとうに過ぎてる! それなのにお前らは何をやっているんだ!!」
3人「・・・・・・」
「・・・霧島、大鳳、鳥海。」
3人「・・・・・・」
「お前ら来月の給料は無しな。」
「!? そ・・・そんな。」
「何だ? 文句あるのか? 言ってみろ!」
3人「・・・・・・」
「後、3人の部屋の暖房器具と執務室の炬燵は片づけるから・・・」
3人「・・・・・・」
「後、お前らが暴れて散らかした執務室内の掃除をしておけ・・・夕方までに完了しなかったら夕食抜きだ。」
3人「・・・・・・」
「書類整理もやっておいてくれ・・・秋月は今からオレの仕事を手伝ってくれ。」
「は、・・・はい!」
司令と秋月さんは執務室から出て行きました。
・・・・・・
結局、誰がガス漏れをしたのかわかりませんでしたが・・・
そのおかげで、来月の給料が本当になくなり・・・部屋の暖房具も全て取り除かれ・・・
代わりに扇風機が置いてありました・・・しくしく(泣)
「執務室での事件」 終
ちなみに誰がガス(おなら)を漏らしたのかは読んでくれた方々の想像にお任せします。
実は鳥海が全部したとか、各一人ずつ実はやっていてお互い認めたくない事で
喧嘩を起こしたとか・・・実は秋月がやっていたとか・・・考え方は多種多様です(笑)
※現実にあるだろうを艦これ風に書いてみました(笑)
提督やろ(すっとぼけ)