2023-02-22 16:01:40 更新

概要

誤字や日本語がおかしいです


前書き

サルゲッチュの世界観はアニメが終わった後の世界観です
少しゲーム内容も混ざっています
キャラ崩壊とかしている可能性があるので気をつけてください
喋り方とか間違っているかもしれません



スネーク「俺も…いよいよ近いようだな」


オタコン「スネーク…」グスッ


スネーク「オタコン…今まで迷惑かけた」


オタコン「そんなことないよ、スネーク」


スネーク「そう泣くな、また漏らすんじゃないだろうな?」


オタコン「やめてくれよスネーク!所でスネーク」


スネーク「なんだ」


オタコン「来世は…どんな人生を送りたい?」


スネーク「そうだな…戦争とは無縁の」


スネーク「静かに穏やかに、平凡な人生を歩みたい、勉強や部活、色々な事をしてみたいものだ…」


オタコン「日本にいるハカセのところの少年たちみたいな?」


スネーク「あぁ、会ったことも見たこともないが、話には聞いている。」


オタコン「まさかスネークがピポサルに救われたと聞いた時は驚いたよ」


スネーク「あの時は若かったんだがな…」


スネーク『そういえば、ビックボスも同じ事を考えていたのだろうか…』


………………………………………


日本 某河川敷


カケル「もうそろそろ高校生だな、ヒロキ」


ヒロキ「あぁ、俺たちにとっては色々あった小中学生活だったな」


カケル「ヒロキは操られてばっかりだったけどな」


ヒロキ「やめろよそれ!結構忘れたい過去なんだから!」


カケル「聞いたぞ?まだナツミにアタックしてるんだってな?」


ヒロキ「なっ!別にいいじゃんか!」


カケル「ナツミも大学1年生だしなぁ、高校生になった瞬間色々変わったよな」


ヒロキ「あぁ、美人になったなぁ」


カケル「それ、化粧が上手くなっただけなんだよなぁ」


ヒロキ「そういうお前こそ、ハルカさんとは最近どうなんだよ!」


カケル「ハルカちゃんは…今イギリスにいるんだって、ハイテクロボバトルの準決勝に進出して中々忙しいみたい」


ヒロキ「そ、そうなのか、で?お前らは付き合ってないのか?」


カケル「よせ、ゲッチュから取ってしまったら俺に何が残る?ハルカちゃんはもう俺と住んでいる世界が違いすぎる…」


ヒロキ「世界を救ったとは思えない発言だな」ニヤ


カケル「うるせぇ」


ナツミ「おーい、あんた達!」


ヒロキ「な、ナツミさん!!」///


カケル「なんかよう?」


ナツミ「おじいちゃんが新しい発明したら来てくれって」


カケル「ハカセが?よっしゃっ!暇してたし行こうぜヒロキ!」


ヒロキ「おぅ!あたまえよ!」


カケル「俺が先だ!」


ヒロキ「あっ!ズルいぞ!カケル!!」


ナツミ「なんか過去に見た光景ね…まぁスペクターもいないし、まっ、いいか」


道中……


犬「キャンキャン!」


カケル「犬が道路のど真ん中で陽気に走り回ってる…」


ヒロキ「危ない奴だな」


ブロロロロロ


カケル(おいおいおい。車が来てるって!シャレにならないぞ!)


カケル「って、んな事を言ってる場合じゃないって!」ダダッ


犬「キャンキャン!!」


ブロロロロ


ヒロキ「おい!カ、カケル!!」


カケル「間に合え!!」


ドォォォォォォン!!!!


………………………………………


病院


ヒロキ「カケル!!」ポロポロ


ナツミ「なに目をつぶってるのよ!目を覚ましなさいよ!!」ボロボロ


ハカセ「…ワシのせいじゃ、ワシが誘わなければ…」


チャル「カケルさん…」



カケル「……っ」パチッ


4人「!!」


カケル「……」キョロキョロ


ヒロキ「カケル!!心配したんだぞ!」ダキッ


カケル「……」


ナツミ「本当よ…犬を助ける為に車に引かれるなんて、無茶ばっかりして!」


ハカセ「よかったわい…本当に」


チャル 「カケルさん!意識が戻ってよかったです!」


カケル「……」ガタッ


ヒロキ「ちょっ!カケルっ!…何処に?」


カケル「トイレ」


チャル 「あ、あんまり無理しちゃいけませんよ!」おどおど


カケル「心配はいらない。なんとか歩ける」テクテク


ナツミ「カケル…?」


ハカセ「むぅ…事故にあったとはいえ、様子がおかしすぎるようじゃのぉ」


トイレ…………


カケル「…」


『ここは日本か…』


カケル「だれ!?」キョロキョロ


『鏡を見てみろ』


カケル「こ、これは…俺の隣に薄っすらともう1人の俺がいる!」


『そうか、お前にはそう見えるのか』


カケル「もう1人の俺…」


『もう1人の俺か…いいセンスだ』


カケル「お前はだれだ!」


『カケル、お前なら聞いたことあるはずだ、林間学校中にある事件を解決したサルを』


カケル「ピポスネーク…まさか!」


『そうだ俺はスネークだ、しかし肉体はカケル、お前に乗り移っているようだ』


カケル「たしかに、目付きと表情が違う…」


『ちなみにだが、お前を乗っ取ることもできるようだ』


カケル「えっ!」


ポォーン


カケル「この通りにな」


『まって!俺の身体を返せよ!』


カケル「どうもお前の身体は貧弱だ、鍛える必要がある」


『余計なお世話だ!…っ!』


カケル「…気が付いたようだな」


『これは厨二病から来る妄想なんかとは訳が違う…生々しく刻み込まれている闘いの記憶が入ってくる…』


カケル「少し眠ってもらう」


『ちょっ!』


カケル「意識を集中させて俺だけにしたが…」


カケル「確かに俺は、平穏な人生を望んだ」


カケル「だが、何かが…違う。今の俺の人生は平穏なだけで、充実感が不足している」


カケル「俺は…またしても闘わなければ成らないのか」


カケル「だが今度は…銃を握るリア銃でなく、平凡で平穏なリア充になる為にだ!」


数日後…………


カケル「……」ボッー


ナツミ「ねぇ!カケル!高校に入ったらラクロス部に入りなさいよ!」


カケル「……」ブツブツ


ナツミ「ねぇ!聴いてるの!?」


ヒロキ「おいカケル!ナツミさんに失礼だぞ」


カケル『ここは、日本でナツミがいるってことはストーンヘッド…ハカセもいるってことだ、だから…』


ナツミ「アンタねぇ!!」


カケル「うおっ!!ビックリした!!」


ナツミ「さっきから話しかけてたでしょ!!無視しないでよ!」


カケル「そうなのか?ヒ、ヒロキ?」


ヒロキ「俺を呼ぶ時なんで疑問形なんだ?」


カケル「…」ボーっ


ナツミ「駄目ね、完全に上の空よアイツ」


クータ「ウキキキ!!!」ピョーン


ヒロキ「あっ!カケルうし」


カケル「っ!」ガシッ!


クータ「ウギィ!!」ガタガタ


ヒロキ「…ろ」


ナツミ「」


カケル「おっと、わるい」


ヒロキ「飛んできたクータを鷲掴みしやがった…」


カケル「…」ボーっ


ハカセ「お、2人とも来ておったか!」


ヒロキ「あ、ハカセ!」


カケル「!!」ビシッ!


ハカセ「カケル君…どうして敬礼なんじゃ?」


カケル「アンタがストーンヘッドか」


ハカセ「!?」


ヒロキ「カケル!!ハカセになんて事を!」


カケル『あ、しまった、カケルだって事を忘れていた…さてバトンタッチだ』


ポォーン


ハカセ「はて、聞き間違いかのぉ、今ワシのことを」


カケル「へ?なんかいった?」


ヒロキ「そ、そうだよ!聞き間違いだって!」


ナツミ『あ、いつものカケルだ』


ハカセ「そうかそうか、もう歳かのぉ」


カケル『あのおじさん、ハカセに何を言ったんだ…』


ハカセ『聞き間違い…じゃの、カケル君がワシの昔のアダ名なんて知らないはずじゃ』


ナツミ「で、どうしたのおじいちゃん?」


ハカセ「そうじゃそうじゃ、実はゲットアミを改良してみたんじゃが」


ナツミ「あのね…もうピポサルなんて何年も出現してないし、使う用途ないでしょ」


カケル「まぁまぁ、ハカセ、どんな感じに改良したんだ?」


ハカセ「見て驚け、このゲットアミを!」


ヒロキ「少しハイテクそうになっただけでいたって前のゲットアミと変わらないじゃん」


ハカセ「実はのぉ、ここのグリップの柄の部分をひねると、アミの部分が閉まって銃口に変化する事によってネットショット機能が追加されたんじゃ!」


『ほぅ、なかなかいいセンスだ』


カケル『…そうか?』


ナツミ「ただのガラクタになるだけでしょ!」


ハカセ「そ、そんな事ないわい!」


『しかし、銃として使うならまだまだ改良がいるな』


カケル『はぁ、こういうのは俺担当じゃないからわからねぇや』


『ならかわってやろう』


カケル「ちょっ!おまっ」ポォーン


ハカセ「ん?どうしたんじゃカケル君?』


カケル「いや…ハカセ、このゲットアミはいいセンスをしている」


ナツミ「は?」


ハカセ「カケル君…君なら分かってくれると思ってたぞ!」じわっ


カケル「だが、まだ不完全だ」


ハカセ「む、」


カケル「ハカセ、これはショットガンをモデルとしているのか?」


ハカセ「構造としてはそうじゃな、しかし形はライフルに近いかもしれんぞ」


カケル「だったらバットストックを長めにするべきだ、銃身が安定しにくい。

それにハンドガードも同様だ、構えた時に銃口を固定させやすくすることだ」


ヒロキ「お前いつから軍オタになったんだ」


ナツミ「カケル…キモいわよ」


ハカセ「成る程、そうじゃカケル君、君が好きそうなやつがあるぞ!」


カケル「なに?」


ハカセ「これじゃ!」


『レーザーガン?にしては小さすぎるような』


ハカセ「君が昔使ってたガチャメカなんじゃが、どうも重量が問題点となってな改良してみたんじゃ、ナツミに見せたんじゃが分かってくれなくてのぉ…」


ナツミ「当たり前でしょ!こんなガラクタ!」


カケル「ハカセ、少し見せてくれないか」


ハカセ「もちろんじゃよ」


カケル「ッ!?これはっ」


ハカセ「どうじゃ?気に入ったかい?」


カケル「フォーティーファイブ(45口径)か!」


ハカセ「よくわかったなカケル君!軍人でもわかるまで時間がかかるのに」


ヒロキ「マジかよ!」


カケル「鏡のように磨き上げたフィーディングランプ…強化スライドだ…更にフレームとの噛み合わせをタイトにして精度を上げてある」


ナツミ「うわぁ、キモすぎ…」


カケル「サイトシステムもオリジナル、サムセイフティも指を掛けやすく延長してある…」


ハカセ「暴発を防ぐためにな」


カケル「トリガーも滑り止めグループのついたロングタイプだ、それだけじゃない、ほぼ全てのパーツに入念に吟味されカスタム化されている…これ程の物を何処で手に入れた?」


ハカセ「何を言っておる、ワシが作ったんじゃよ!何せ時間だけ持ち合わせておるからのぉ」


『机から工具用の刃物を取ってどうするんだよ?』


カケル『お前には話してもわからんだろ』


『いやいや、人の体で何をしようとしているんだよ!』


ハカセ「もっと褒めてもいいんじゃぞ!」


カケル「流石だなハカセ、キャンベ…いや、ガチャメカを作っていることだけあるな」ガチャガチャ


ナツミ「やめてよ、おじいちゃんまた調子に乗ってガラクタを作り込んじゃうじゃない!」


ヒロキ「ところでさっきから何をしているんだ?」


カケル「あぁ、削ってる」


ハカセ「何をしているのかね!カケル君!」


カケル「まぁまて、近接戦闘ではハンドガンよりもナイフが有利場合がある」


ヒロキ「近接戦闘って、そんな機会ないだろ」


カケル「そんなの、まだわからないじゃないか!…万が一の時にこうしておけばナイフを握ったままハンドガンを確実に捕らえることが出来る、発砲とナイフファイトを瞬時に切り替える事が出来るんだ」


ナツミ「まるで長年戦地を駆け巡ってきた軍人みたいね…」


カケル「しかし、この身体は貧弱すぎる、昔ならもっと動けた」


ヒロキ「何ジジィくさい事言ってるんだよお前…」


ブゥーン!!!


ナツミ「ヒィッ!!?ゴキブリが飛んできた!!」


カケル「ヒロキ伏せろ」


ヒロキ「お、おぅ」


パァン!!!!


ゴキブリ「」ピクピク


ヒロキ「」


ナツミ「」


ハカセ「」


カケル「なんだ、レーザーというからなんだと思ったらスタンガンのようなものか」


ナツミ「うそでしょ…あんなけ離れたゴキブリを射撃したというの…」


ヒロキ「やっぱり事故にあってから少し変だぞお前…」


カケル「そんなことない、俺はカケルだそれ以上でもそれ以下でもない」


ヒロキ「それはそうなんだけど…」


自宅………………


カケル『スネーク!!俺の体でやりたい放題しないでくれ!変な勘違いされるは筋肉痛だわロクな目に合ってないんだぞ!』


『何か不安でもあるのか?』


カケル『大アリだ!ヒロキに関しては少し距離を置き始めたじゃないか!』


『数学の小テスト満点にしてやったのに大した態度だな』


カケル『それはっ、…感謝しているけど』


『カケル、少し君の体を借りるぞ』


カケル『またかよ!今度は何をする気だ!』


『軍事機密だ、少し大人しくしてもらう』


カケル『ちょっ!おまっ!』


ポォーン


カケル「…よし、この年ならタイムパラドックスも起きない、ヒロキから貰った無線機で通信でもするか」


Prrrrr Prrrrrr


??「だれだい、こんな早い時間から」


カケル「元気にしているかオタコン」


オタコン「なんで僕の名前を知っているだい!?しかもだれ?少年の声…」


カケル「俺だ、スネークだ」


オタコン「スネーク?イタズラ電話も大概にしてくれないか、スネークは数日前に亡くなったんだ…」


カケル「2005年、シャドーモセス島で俺たちは出会った、お前はお漏らししながら」


オタコン「何故そのことを!」


カケル「この事は俺とオタコン、2人しか知らない事実だ」


オタコン「…スネーク、本当に君なんだね」


カケル「あぁ、どういうわけか成仏出来なかったようだ、おかげでストーンヘッドの所のカケルって奴の坊主に乗り移ったようだ」


オタコン「なんだって!?それは本当かい!?」


カケル「嘘を言ってどうなる、そこで頼みがあるんだが聞いてくれるか」


オタコン「どうしたんだいスネーク」


カケル「キャンベル大佐に繋げるか?」


オタコン「わかった、やってみるよ」


数分後


キャンベル「まさか驚いたよ、ハカセの所のカケルに乗り移ったなんてな」


カケル「にわかに信じがたいが現実だ」


キャンベル「もしハカセに事情を聞かれても誤魔化せばいいだな」


カケル「よろしく頼む、それはこの坊主の為でもある」


キャンベル「ほぅ、まるで自分の子を見ているかのような対応だな」


オタコン「恐るべき子供達計画…色々あったな」


カケル「サニーは元気か?」


オタコン「あぁ、まだ寝ているよ」


キャンベル「で、どうする?銃でも送ったらいいのか?」


カケル「日本の法律に引っかかるだろ」


キャンベル「それは問題ない、部品として持つ事は違法じゃない、組み立てると違法になる」


カケル「子供に銃を握らせるわけにはいかない」


キャンベル「そうとも言ってられんぞ」


カケル「なに?」


キャンベル「実はここ最近、イラクで不審な人物が目撃されている」


カケル「まて、それは軍の仕事だ俺には関係ない」


キャンベル「それがそうでもない」


カケル「どういう事だ?」


キャンベル「イラクに大量のピポヘルとサルが送り込まれた」


『なんだって!ピポヘル!?』


カケル『いきなり出てくるな、心臓にわるい』


キャンベル「その不審な人物を我々は謎の男としているが、情報が少なく確証はない」


カケル「なぜピポヘルが…」


キャンベル「簡単な話、悪さをするのが動物、猿だった場合…その国の軍人が銃で鎮圧したりしたら動物愛護団体や国民の評価が下がる、その結果、政権が転覆するかもしれない、だから各国は手出しできなかったんだ」


オタコン「それにピポサルは正直時間稼ぎだろうね」


カケル「俺がいなかったら誰に任務を頼む予定だった?」


キャンベル「恐らく雷電だろうな」


カケル「妥当だろうな」


キャンベル「それにハカセの事だ、ピポサルが出現した瞬間、君に依頼するだろう」


オタコン「スネーク、言っておくけど殺してキャプチャーしようだなんて考えないでよ」


カケル「そんなことしなくてもレーションがある。」


オタコン「日本にレーションだなんてないだろ…」


カケル「そうなのか?」


キャンベル「日本は平和だからな、レーションなんて手に入れる方が難しいだろう」


オタコン「ならスネーク、カロリーメイトだなんてどうだい?」


カケル「日本でもあるのか!」


オタコン「そもそも日本の栄養食だよスネーク…」


カケル「そうなのか?」


オタコン「日本のゲイシャガールズ達はみんなカロリーメイトを使ってカロリーコントロールをしているらしいよ」


カケル「彼女たちがスレンダーなのはこれを食べているからなのか」


『それは無いと思うぞ…』


カケル「カケルが違うと言っているが?」


オタコン「あれ違うのかい?多分新しい新商品でも出たんじゃないかな?」


カケル「なるほど」


オタコン「って、スネーク、君は完全にカケル君の体を乗った訳じゃないのかい?」


カケル「正確には乗り移っただから、俺とは別に彼の意識も存在する」


オタコン「遊戯王の主人公みたいだね」


カケル「なんだって?」


オタコン「いや何でもない」


キャンベル「話を戻すが、カケルのままを維持するなら絶対に猿を殺してはならんぞ、君に銃を渡すのは裏に何があるかわからないだからだぞ!」


カケル「ちなみにこの無線は軍でも流れているのか?」


キャンベル「どうだろうな」


カケル「なんとバットエンディングは避けてみる」


キャンベル「君の手に銃の部品が届くのは1週間はかかる、それまでゲッチュを楽しんでくれ」


カケル「あぁ猿蛇合戦の始まりだ」


キャンベル「まさか、またやる事になるとはな」


オタコン「忘れてないよねスネーク、ピポサルを捕まえた時は」


カケル「ゲッチュ、だな」


キャンベル「それでいい、それでは健闘を祈る」


………………………………


カケル「…聞いただろ、今の話」


『スネーク、ゲッチュに関してはアンタより俺の方が専門家だ、出来るだけピポサルを傷付けたくはない』


カケル「あぁ、この身体はお前の物だ、お前の本意に従うつもりだ」


『わかってくれて助かるよ』


カケル「だが、大佐も言ってたが」


『その時はアンタに任せるよ』


カケル「わかった」


………後日………


ハカセ「カケル君、君を呼んだのは言うまでも無いと思うが」


カケル「ピポサルの事だよね」


ハカセ『おや、今日はいつも通りのカケル君じゃな』


ハカセ「その通りじゃカケル君、しかしナツミもヒロキ君も忙しくて来れない…そこでだ」


チャル「私がお伴します!カケルさん!」


ハカセ「ということで戦闘服に着替えて貰ったところで準備はいいかの?」


カケル「…性欲を持て…いやなんでもない」


チャル 「??」


ハカセ「それじゃ転送するぞ!」


ブゥオオオオン


…………………………

………………

………


チャル「カケルさん!4時方向からの投石に気をつけてください!」


カケル「うおっ!あっぶねぇ!!」


チャル「カケルさんの後ろは私に任せてください!」ヒトッ


カケル「チャ、チャル!?」


ピポ黄「ウキキキッ!!」


チャル「悪いですがしばらく痺れてもらいます!」パァン!


ピポ黄「キィイイ!」ビクビク


『ほぅ、あの女の右手は銃にもなるのか』


カケル『チャルはアンドロイドだからな』


『そうなのか?文明の利器も進化したものだな、その割には随分と緊張しているようだが』


カケル『チャルは仕方がないというか…』


『何、気にすることない、戦場ではそれぐらいの好奇心があってもいいものだ』


カケル『ここは戦場じゃないって』


『そうだったな、ここはイースター島だったな』


カケル『まさか一番最初がイースター島だなんて思いもしなかったよ』ゲッチュ!


チャル「ゲッチュ!!カケルさん!!全部のピポサルをゲッチュしました!」ニコッ!


カケル「う、うん!そう…だね」///


チャル「カケルさん?顔が赤いですよ?」


カケル「そんなことは『ボサッとするな!落石がくるぞ!』


ポォーン!


カケル「伏せろ!!」ガバッ!!


チャル「っ!?」


ドッシャーン…


カケル「危ないところだったな、どうだ怪我はないか?」


チャル「ッー!!」////


カケル「どうした?チャル!応答しろ!チャル !チャルゥウウウウウ!!!」


チャル『あぁ…トキメキってこんな感じなんですね…』


…………………


ハカセ「にしてもさっきは大した反射神経だったの、チャルもあれぐらいなら対応出来たかもしれんが」


カケル「これ以上仲間を失いたくなかったからな」


ハカセ「なんだって?」


カケル「いや、なんでもない」


ハカセ『おかしなカケル君になっておるの』


ハカセ「ところでなんでチャルは顔が真っ赤なんじゃ?」


チャル「」プシューーー


ハカセ「あれは駄目じゃな、少しまたないといけんわい」


ポォーン


カケル「でもまぁ!チャルが無事でよかったよ!」


チャル「」ポォーン!!!


ハカセ「いったい何がどうなっておるのじゃ?」


数日後………………………………


「突如世界各国に再出現したピポサルですが、害獣駆除を名目に自衛隊を出動させるかどうかは、与野党と共に決まっておりません…

日本の一部の自治体はピポサルの出現により学校を休校とし自宅で安静にするようにと呼びかけております」


ナツミ「早速ニュースになってるわね…」


ヒロキ「自衛隊が駆除を開始する前に、俺たちが解決しないとな!」


カケル「因みにアメリカとかどうなってる?」


ナツミ「チャンネル変えてみようか」ピッ!


「この事態に合衆国政府は領海および領空に警戒レベルを上げるように指示しました。

しかし、元々サルがいないニューヨークのマンハッタン島にピポサルが出現した今、他にするべき事があるのではないかと示唆する意見も少なくありません。

ホワイトハウス前では陸軍の戦車および戦闘ヘリが待機する警戒体制を引いています」


ハカセ「アメリカもピポサルには手出ししておらんか…よかったわい」


チャル「でもハカセ、今回の件…どうしてピポサルが出現したんでしょう…」


ハカセ「わからん…ただわかっている事は我々の知らない第三者の手によってピポサルが出現した事じゃの」


『ハカセでも今回の事件の原因がわかないんだ…』


ナツミ「でも私達、結構捕まえたと思ったんだけど、今回は異様に多くない?」


カケル『たしかに、数が多すぎる』


ハカセ「そんな事もあろうかと、サルレーダーを改良してみたんじゃ!

その名もサルレーダー改!腕時計型に変わっただけじゃなく、ここのボタンを押すとじゃな…ポチッとな」カチッ


ヒロキ「すげぇ!時計からプロジェクターみたいに地図が浮き出てきたぞ!」


ハカセ「これは周囲の地形を表示していてのぉ、ピポサルがいるところを赤色のマーカーで教えてくれるんじゃよ!」


『ストーカー待った無しだな…』


カケル『もうそろそろお前に譲ることにしよう』


『え?いきなりどうしたんだ?』


カケル『ゲッチュはお前担当なんじゃなかったか?』


『はいはい、わかったよ』


ポォーン…


ナツミ「確かに従来の思いレーダーを持つより全然マシかもね」


チャル「それではトレーニングがてらにピポサルを捕まえてきてもらえます?転送位置はエジプトのカイロ郊外です!」


ナツミ「げっ!エ、エジプト…」


カケル「なんだよ、ピラミッドじゃないからミイラは出てこないよ」


ナツミ「わかってるのよ…うん、でも…」


ヒロキ「安心してくださいナツミさん!僕が代わりに行きましょう!」


ナツミ「え?ヒロキ君が?」


カケル「ヒロキ!…お前」


ヒロキ「俺も久々にゲッチュしたいんだ!何か問題でも?」


カケル「いや、お前…何かのアミューズメントと勘違いしてないか?」


ナツミ「別にいいんじゃない?それじゃ私はここでアンタ達を見守っておくわ」


ヒロキ「お任せくださいナツミさん!」


ハカセ「それじゃ早速、サルレーダー改をつけて出動してくれ!」


…………………ブゥオオオオン!!!


エジプト カイロ郊外


ゴゴゴ!!!


ヒロキ「うわっ!すごい砂ほこりだ!黄砂だこれ!」


カケル「それじゃあ目があげられないぞ!」


『なら俺に変われ、俺の方が慣れている』


ポォーン


カケル「たしか月光と初対面の時もそんな天候だったな…」


〈2人とも聞こえるか!


カケル「あぁ、問題ない聴こえている」


ヒロキ「目が!目ガァ!!!」


〈どうやら黄砂の影響で視界が悪いようじゃな、どうじゃカケルくん、ヒロキくん、レーダーの見方には問題ないか?


カケル「あぁ、しかし良く出来たシステムだ、地形だけしゃなく敵の動きまで把握できる」


〈便利じゃろ?2人の行動も全て、手に取るようにわかるがのぉ


カケル「なんでもお見通しか」


ヒロキ「それは前からだろ…」


カケル「24時間監視か…地獄だな」


〈安心でしょ?道に迷うこと無いもの


ヒロキ「ナツミさん!」


〈今回は私もサポートするわ!


ヒロキ「おいカケル!早速ピポサルをゲッチュしにいくぞ!」


カケル「やれやれ…単純な奴だ」


少しして!!!


ウッキキキ!!


ヒロキ「くそっ!あいつらは平気なのか!」


カケル「…ハカセ」


〈なんじゃカケルくん


カケル「俺が前に注文したゲットアミは完成したか?」


〈完成してあるのはあるんじゃが、視界が悪いし不向きなんじゃないかのぉ


カケル「いや、任せておけ」


〈…わかった、君なりに考えがあるんじゃな?くれぐれも気をつけてくれ


カケル「わかった、任務にもどる」


ギュウウウウン!!!


〈もっているゲットアミと入れ替えたぞ、使い方はショットガンタイプと同じじゃ、しかし、カケルくんが言った通りスナイパー仕様しておるから反動が大きいから気をつけるんじゃぞ


カケル「あぁ、ヒロキ」


ヒロキ「な、なんだよ!」


カケル「俺が隣にある建物の二階から狙撃する、お前はサルが警戒させないよう一般人を入れさせてないようにしてくれ」


ヒロキ「いやいや、おれエジプト語なんてわかんねぇし!」


カケル「多少英語ぐらい喋れるだろ?頼んだぞ」


ヒロキ「えぇ…」


カケル『さて、移動するか』


……………………………………


カケル「チャル」


〈はい、なんでしょうか?


カケル「ここら辺の人間の動きとかわかるか?」


〈熱感知で全て把握できますよ?カケルさんかは半径200メートルはヒロキさん以外人間の反応はありません


カケル「わかった、任務に戻る」


〈頑張ってくださいね!


〈しかし、あの距離からじゃろ?訓練を受けた軍人じゃない限り無理じゃ


〈アイツ厨二病を拗らせてるんだから、これで目も覚めるでしょ


〈喋り方も変じゃったしのぉ


カケル「聴こえているぞ?」


〈うぉおお!カケルくん!無線を切った物だとばかりに…


カケル『ここで見せておく必要がありそうだな』


カケル「任務に戻る」


ハカセ〈是非そうしてくれ


タァッーン!!タァッーン!!タァッーン!!


ヒロキ「」


三人「」


カケル「狙撃に必要なものは、生まれ持ったセンスだ。これについては、訓練ではどうにもならない」


〈……あ、お、おつかれ


カケル『まぁ、そうなるだろうな』


ヒロキ「」


カケル「いつまで固まっている」


ヒロキ「ば、化け物…」ガタガタ


カケル「戦場や極限状態では見えない物やあるはずのない物が見えたりする。錯覚を起こしやすい、だから落ち着け今向かう」


ヒロキ「やばい…ガチやばい」


モォオオオオオオ!!!!


カケル「っ!?この声は」


その頃研究所では


チャル「緊急事態発生!緊急事態発生!2人のいる場所に向かって正体不明の物が不規則な動きをして接近中!」


ハカセ「なんじゃと!」


ナツミ「それが何なのかわかる!?」


チャル「現在解析中………結果出ました!」


ハカセ「ピポサルの新兵器か?」


チャル 「それが…アームズ・テック・セキュリティ社製の無人二足歩行兵器。 『IRVING』(アーヴィング)です!」


ハカセ「なんじゃと!!?それはマズイ事になった…転送は!?」


チャル「黄砂が酷くて少し回復してからじゃないと…」


…………………


カケル「おい、しっかりしろ!」


ヒロキ「か、カケル…」


ドシ…ドシ…


カケル「っ!?…ダンボール!ヒロキ、ダンボールを被るんだ」


ヒロキ「へ?ダンボール?」


カケル「そうだ、悪いものではない、それに俺も被る」


モォオオオオオオ!!!


カケル「仕方がない、無理矢理被らせてもらう」サッ!


ヒロキ「うわっ!?」


カケル『…何故エジプトに月光がいる、PMCか…それともエジプト軍か…わからない以上身を隠した方がいい

くそ、こんなときにナノマシンもないからオタコンとも連絡がとれない…』


モォオオオオオオ!!!


〈カケルさん!転送まで1分かかります!なんとか隠れてください!


『なんだ!あの化け物!!』


カケル『あれは月光という二足歩行兵器だ、今の装備では、まともに渡り合える相手じゃない』


ヒロキ「なんだあれ、化け物からホースのような物を出してきたぞ…」コソコソ


チュー!!!


モォオオオオオオ!!!


ガガガガガガッ!!!!!!


ヒロキ「ヒィッ!?ね、ネズミが…」


カケル「黙ってろ」


モォオオオ


カケル『いま声で怪しまれたか…それまでに転送間に合ってくれ』


ガサッ!!


モォオオオオオオ!!!!!


研究所……………………………………


ヒロキ「し、死ぬかと思った…」ゼェゼェ


カケル「間一髪だったな」


ナツミ「よかった…間に合って」ホッ


ハカセ「…」


チャル「見てください!お二人がいたダンボールは今ではあんな穴だらけに」


ヒロキ「」


チャル「それと、2人ともシャワー室をお貸しするので汗を流しに行かれたらどうです?」


カケル「そうだな」


ヒロキ「あぁ、汗で服がビッショ濡れだよ」


………


ハカセ「カケルくん、あんな事があったのに妙に落ち着いてるのぉ」


ナツミ「たしかに…それは思ったわ、厨二病を拗らせてるてしてもあの落ち着き方は違和感を感じるわね」


ハカセ「まるで過去に見た事があるような反応じゃった。それにあの狙撃技術…」


ナツミ「あの事故以来、やはりなんかあるんじゃないかしら」


ハカセ「それもそうじゃが、問題はさっきのアレじゃな」


チャル 「通称月光とも言いますが、あれは無人兵器です」


ナツミ「ピポサルが操っているとかはない?」


チャル「そればかりは…エジプト軍の所属機かもしれません」


ナツミ「思い切り機関銃ぶっ放していたものね…」


ハカセ「どちらにせよいいことではないのは確かじゃ」


…………………………


オタコン『なんだって!?エジプトで月光が!!』


カケル「ああ、だがダンボールの中身を見抜けないのは相変わらずのようだ」


オタコン『それでも悪い知らせだね、まかさピポサルが操ってるとかは無いよね?』


カケル「さぁな、ピポサル自身が操っている事はないだろうが…」


オタコン「一応送っておいた甲斐があったね」


カケル「なに!オタコンの声が部屋から」


オタコン「ここだよスネーク」ウィーン


カケル「これはMK.Ⅱか!」


オタコン「そう、懐かしいだろ?」


『なんだかメカヨンクみたいだな』


オタコン「だけど、この姿だと研究所までついていけない」


カケル「どうして?」


オタコン「ハカセとは友達だからよく知っているんだけど、あのチャルって子、相当のやり手だよ」


カケル「そうなのか?」


オタコン「それはカケル君に聞いた方が早いと思うけど、彼女が近くにいる限り直ぐにMK.Ⅱの電波をキャッチして発見されるだろう」


カケル「なるほど…」


オタコン「それに彼女は電磁砲のような物を操り攻撃する事が出来る、単なるハカセのお手伝いさんじゃないよ」


カケル「なんだって?サイコ・マンティスのような物か?」


オタコン「そうだね、テレポーテーションも出来るし近いかもしれないね」


カケル「テレパシーはあるのか?」


オタコン「いや、聞いたことないけど」


カケル「それを聞いて安心した、戦闘において先を読まれるほど不利なことはないからな」


オタコン「そうだね、もしあったら君たちの事情がバレているものね」


カケル「知ってて言わないだけという事はないか?」


オタコン「…どうだろうね」


『まて、チャルをどうするつもりだ!』


カケル『どうもこうもない、何も危害を与えるつもりもない』


『でもさっき戦闘がどうこうって』


カケル『あれは例えだ、それぐらいわかってもらわないと困る』


『なんだって!?』


オタコン「どうしたんだいスネーク?顔色が悪いけど」


カケル「嫌なんでも…まて、今オタコン、俺の顔色が悪いと言ったな?」


オタコン「え?うん、言ったけど」


カケル「なるほど、わかった」


オタコン「どうかしたかい?スネーク」


カケル「いや、カケルと俺が対立したりすると顔に出るという事がわかった」


オタコン「なるほど、本来君の体じゃないからおかしくはないか…」


カケル「ところでオタコン、大佐は今何をしている」


オタコン「確か政府に呼ばれて忙しいみたいだよ、だから主にこれからは僕と連絡を取ることになるかな」


カケル「ニュースを見ている限り、ホワイトハウスも対応に追われているようだな」


オタコン「それもそうだけど、月光とは意外だったね…よくこの身体で無事でやり過ごせたね」


カケル「鍛えているからな、それでもまだまだ貧弱だが」


オタコン「スネーク、一応聞くけどまさかこの身体でタバコなんて吸ってないよね?」


カケル「吸いたいが、この身体じゃ買うこともできない」


オタコン「絶対吸ったりしたら駄目だよ!この身体は君の物じゃないんだから!」


カケル「わかってる…」


オタコン「それはそうと、スネーク?カケルくんと入れ替わることできるかい?」


『え?俺?』


カケル「どうしたんだ?急に」


オタコン「前から喋れるものなら喋っておきたかったからね」


カケル「わかった…」


ポォーン!!


カケル「入れ替わりましたよ」


オタコン「みたいだね、目付きが全然違う」


カケル「と、いいますと?」


オタコン「ん?なんというか優しくなったね」


カケル「はぁ…」


オタコン「とりあえず、よろしくねカケルくん」


カケル「よ、よろしくお願いします」


オタコン「別に敬語じゃなくていいよ」


カケル「それじゃあ……前から思っていたんだけど、なんで俺の名前を知っているんだ?」


オタコン「さっきさらっと言ったけど、ハカセと僕は友達関係にあるんだ、だから君のこともよく知っているよ…ヒカル君、サトル君、サヤカちゃんのことも」


カケル「そう…か」


オタコン「なにか引っかかってるようだね?」


カケル「貴方とハカセが一緒に組んだら事態はもっとスマートに動くんじゃないかって」


オタコン「それは…できないよ」


カケル「なんでだよ!!」


オタコン「ハカセ自身が拒むと思うよ、ハカセはキャンベル大佐たち…いわゆる軍事関連には手を貸したり借りたりしないって決めているからだよ」


カケル「それでも、ピポサルを転送しないと!」


オタコン「10年以上も前、僕も関与していたんだが、世界を崩壊させかねない兵器があるんだ

その兵器の製造に携わっていた研究者がいたんだ、それがハカセさ」


カケル「なんだって!?」


オタコン「その兵器を悪用した人を未然に防いだのがスネークなんだけど、その事を知ってからだろうね、ハカセが手を洗ったのは」


カケル「そんな事が…」


オタコン「だから僕たちに手を借りず、君たちを行かせているというわけさ

そこで、君には言っておこうと思うんだけど、今日のような敵が出てきたら、すぐにスネークと変わる事を約束してほしいんだ」


カケル「え?」


オタコン「たとえどんな都合があったとしても、君には到底勝てる相手じゃない」


カケル「わかってるよ…流石にあの化け物とは対峙できないよ」


オタコン「それを聞いて安心した、今まで操っていたピポサルの兵器とは訳が違うからね」


カケル「うん…あっ!いっけねぇ!一週間後入学式だ!入学式前の課題しないと!」


オタコン「日本だと丁度入学式のシーズンだよね、僕がこんな事をいうのもあれだけど頑張るんだよ」


カケル「ああ!ありがとう!」


オタコン「…なんだか、和むなぁ」


カケル「あれ?…歴史以外全部終わってる」


オタコン「え?もしかして…」


『俺が先にやっといてやった、歴史はともかく英語は簡単すぎた』


カケル『ま、まじで?』


オタコン「スネーク!さては君の仕業だね!」


『なにかおかしな事したか?』


オタコン「聞いていると思って話すけど、宿題ってのは自分でやらないと意味がないんだ」


ポォーン


カケル「だがヒロキに借りて丸写ししているカケルよりかマシだろう」


『よけいな事言わなくていい!』


オタコン「はぁ…いずれにしろ君がやったら意味がないだろ?わかったかい?」


カケル「…わかった」


数日後…………………………


ハカセ「今度はイギリスのマンチェスターじゃの、流石に都会の中であんな機械が出てくる事ないじゃろ」


ヒロキ「」


カケル「ヒロキ…しばらく休んどけよ」


ハカセ「無理もないじゃろう、目の前にあんな物が出てきて命も危なかったんじゃし」


チャル「それじゃ代わりに私がいきましょうか?」


ハカセ「そうじゃなまた頼むぞ」


カケル「よろしくチャル !」


チャル「はい!パートナーとして頑張ります!!」


ハカセ「しかし、今回は偉いやらかしているようじゃな、現地の人達は避難勧告がだされて避難しているようじゃ

それに早くしないと警察の特殊部隊が動くかもしれん」


チャル「ですが、今回のピポサルですが何やらUFOのような兵器に乗っているようです」


カケル「それじゃメカボーを貸してくれよ!」


ハカセ「そうじゃな、君のメカボー捌きで一掃してやってくれ!」


カケル「任せとけって!」


ハカセ「現地は真夜中じゃ、視界も暗いから気をつけるのじゃ!」


カケル「夜中に迷惑な奴らだな」


チャル「早くゲッチュしないといけませんね!」


ハカセ「それじゃいくぞ!」


ブゥオオオオン!!…………………


イギリス マンチェスター


カケル「それでサルレーダに示された通りに行ってみたけど…」


チャル「気絶してますね…機体の残骸が近くに落ちてます」


カケル「とりあえずゲッチュ!」転送!


チャル「でも軍や警察が動いた形跡と情報はありませんね…一体なにが…」


ドォオオオオン!!!


カケル「爆発音!?行ってみよう!!」


チャル「はい!」


…………………………マンチェスター


チャル「ライトタンクも壊れていますね…」


カケル「またピポサルも数が多いことで」転送


チャル「お利口なピポサルも多いって事もわかりましたね」


カケル「チャル?電子妨害とかで奴らの操っている機械を破壊ショートしたりできないのか?」


チャル「まだそこまで対応できないです…」


カケル「オッケー、しかし街のあちこちが破壊されてるな…」ゲッチュ!


チャル「全部ピポサルの兵器の仕業でしょうね、車のオジャンです」


ドシ!ドシ!!


カケル「あれはっ!?ライトメック!」


チャル「ゲッチュ!気絶してたピポサルもあれにやられたものですね!」


『なんだあれは!メタルギアか!』


カケル『二足歩行だけど違うから…』


チャル「でも離れてよく見えませんが…ライトメックもそれなりに被弾しているみたいですね」


ギュイイイィン!!!ドシ!ドシ!


カケル「奥からミドルメックが!!」


チャル「ガトリング砲を左右と火炎放射器を股に装備しています!危険です!」


『どうする?救出しに行くのか?』


カケル『見過ごすわけにはいかないだろ?』


ガガガガガガ!!!


チャル「あのままガトリング砲の砲撃を受け続けるとライトメックが持ちません!」


カケル「なにかないか…仕方がない!」


チャル「どうするつもりですか?」


カケル「チャル!あそこの歩道橋から後方支援を頼んだ!」スタッ!


チャル「え?あっ!はい!」


『なにをするつもりだ?』


カケル『あの傷付いたライトタンクを拝借して助けに行くんだよ!』


『使い方わかるのか?』


カケル『まえにハルカちゃんに聞いたことあるから何となくだけどわかる』


『だれか知らないが、ここはお前に任せる』


カケル『…ハルカちゃん、三年以上も会っていないけど覚えていてくれるかな』


『…さぁな』


カケル『聞いていたのかよ!恥ずかしいだろ!?』


チャル「…何か考えでもあるのでしょうか、流石にテレパシー技術までは備えていませんが、なんだかいい気分じゃないですね」


カケル「よし!まだ使えそうだ!」


〈カケルくん、ライトタンクを使う気じゃな?


カケル「うわっ!ハカセ!」


〈しかし、エンジン部分の調子が悪いようじゃな、エンジンが掛かるまで時間がかかるぞ


カケル「承知の上だ!」


ガガガガガガ!!!


チャル『ライトメックから炎が出てきていますね…でもここからじゃ援護しようにも遠すぎます…』


カケル「くそっ!!まだか!」ギギギィ


バァアン!!!!


カケル「ライトメックが爆発した!?くそっ!!」


〈でもどうやら搭乗員は脱出したようじゃな、いま煙でよく見えんがハッチが開いているのが確認できたぞ


カケル「あれはっ!?」ブゥオオオオン!!!


『エンジンがかかったぞ』


〈マズイぞカケルくん!ミドルメックが火炎放射器で焼き払うつもりじゃ!


カケル「突っ込め!!!」ブゥオオオオン!!!


チャル「あんなところに行くんなら私も移動しないといけないんじゃないですか!」スタタッ


………………………………




??「ゲホッ!ゲホッ!…流石に相手が多すぎたかな…」


ピポ緑「ウッキィ!!」ギュイイイィン!


??「足が痺れて動かないっ!?誰か…」


ブゥオオオオン!!


ピポ緑2「ウキッ!?」キョロ


??「この音はライトタンクの…」


ブゥオオオオン!!!!


ドッシャァン!!!!!


ピポ緑「キィ!?」


??「ライトタンクがミドルメックに突撃した!?」


カケル「間一髪だったよ、大丈夫?ハルカちゃん」パカッ


ハルカ「カケル…くん?」


〈おぉ、ミドルメックか横転したぞ!残りは一機じゃ!


ピポ緑2「キィ!!ウキッ!」ウィイイン


カケル「させるか!ミサイル発射!!」カチッ


ヒューーン!!!


ドォオン!!!


ハルカ「ミサイルでガトリング砲を破壊した…」


ピポ緑2「ウキィイイ!!」ヒューーン!


チャル「カケルさん!危ないっ!」バァアン!


バァアン!!


カケル『まだ一発残っている!』


ポォーン!!


カケル「伏せろ!!」パァン!


チャル『早いっ…しかも手ブレが全然ない』


ポォーン!!


カケル「ありがとう!チャル」


チャル「まさかハルカさんだったとは思いませんでしたよ!」


カケル「俺の事…覚えてくれてたんだね」


ハルカ「うん…でもどうしてここにって、聞くまでもないわね」


カケル「ああ、ピポサルがまた出現したんだ」


ハルカ「とりあえず、先にピポサルをゲッチュした方が良さそうね」


ゲッチュ!ゲッチュ!

ゲッチュ!


………………………………

………………


チャル「えーと、損傷は激しいですが修理すれば、まだハルカさんのライトメックは動きそうです!」


ハルカ「よかった…」


カケル「どうしてハルカちゃんが?」


ハルカ「夜の11時ごろだったかしら、ホテルで休んでいたらマンチェスターのパトカーがサイレンを鳴らしながら避難勧告を呼びかけ始めたの…災害かと思ったけ隣街から移動してきたピポサル武装集団だと聞いて…」


カケル「なんとか食い止めてたって訳か」


ハルカ「結局助けられちゃったけどね…」


カケル「いや、食い止めてくれてただけでもありがたいよ」


チャル「そうですよ!ハルカさん!」


ハルカ「2人ともありがとう!」ニコッ


カケル「っ!?」ドキッ


ハルカ「どうかしたの?」


カケル「い、いや…なんでもない」///


ハルカ「?変なカケルくん」クスス


チャル「…」


チャル『わからないです…カケルさんの気持ちが読めないです…』


『………』


ハルカ「カケルくん…もうそろそろ高校生になるんだよね?」


カケル「来週に入学式があるんだ、新入生代表挨拶にヒロキが選ばれたんだよな」


ハルカ「そういえばヒロキくん頭良かったね」


カケル「ああ、対する俺はギリギリ受かったんだよな…情け無い限りだよ」


ハルカ「そんなことないよ…何事にも苦手な事もあれば得意な事もある、そんなに落ち悩むことないわよ!」


カケル「ありがとう…ハルカちゃんはこれからどうするの?」


ハルカ「わ、私!?私は…この大会が終わったらしばらくハイテクロボバトルから離れるつもりでいるの」


カケル「えっ!?それは引退するってこと?」


ハルカ「やりたい事がいっぱいあるの、そう捉えてもらっても構わないよ」


カケル『そうか、当たり前だけどハルカちゃんも女の子だもんな、やりたい事一杯あっていいはずだ…』


カケル「そっか…いいんじゃないかな!」


ハルカ「え?」


カケル「自分のやりたい事をして何が悪いんだよ、もちろん法に触れたりすることはいけないことだけど、そうじゃない限り問題ないよ!」


ハルカ「カケルくん…」


カケル「あ、あの!その」


チャル「カケルさん、話の途中でわるいですがもうそろそろ時間です、何せ警察と消防が向かって来ています」


カケル「えっ!?もうそんな時間!?」


〈わるいがのぉその通りじゃ、転送するぞ!


カケル「ハルカちゃん!覚えてくれてありが」


ブゥオオオオン……


ハルカ「カケルくん…忘れる訳ないじゃない」


ファンファン!!!


ハルカ「懐かしいなぁ、ピラミッドの時もこんな感じだったよね…今度は私から会いに行く番だよ」///


研究所………………………………



ハカセ「お疲れ様じゃの2人とも!」


カケル「ハカセ…あの機械は一体」


ハカセ「あんなもの…どこで仕入れたんじゃろうな…」


チャル 「…」


『カケル、少し借りるぞ』


カケル『えっ!ちょっ!』


ポォーン!!


カケル「チャル」


チャル「は、はい!」


カケル「チャル、相手の心境を読もうだなんて考えるな」


チャル「なにもそんなつもりは」


カケル「さっきハルカと話している時、お前は俺の頭を見続けていた」


チャル「っ!?」


カケル「そして小難しそうな表情を見せていたな」


チャル「わからないです。デジタルで出来ない事なんてないです」


カケル「それじゃ今俺が思っている事や意味わ読み取ってみろ」


チャル「そんなのできません…言葉にしもらわなければ」


カケル「そうだ、それが俺の中の心だ」


チャル「わからないです…」


カケル「いくら情報収集技術が進もうと、人の心は傍受はできない。」


チャル「いつか…できます」


カケル「それには人の気持ちを理解することが先だ、チャル 」


チャル「理解…どうしたらいいのですか?」


カケル「誰かを好きになることだ」


チャル「誰かを好きになる…ですか」


ハカセ『まるで何十年以上も生きてきたような内容じゃな…誰かの請け負いの言葉なのかもしれない…』


…………自宅……………………



カケル「オタコン、マンチェスターの事だか…」


オタコン「ああ、ニュースで見たよ、解決したのはハルカちゃんになっているみたいだけど、スネーク達がやったんでしょ?」


カケル「いや、おれは手を出していない」


オタコン「そいつは驚いたよ、どうやってあの兵器集団を倒したんだい?」


カケル「殆どあのハルカという子がやった」


オタコン「それじゃニュースでの報道は」


カケル「間違ってはいないってことだ」


オタコン「たったライトメック一機であんなに倒したんだ、さすがハイテクロボバトルの優勝者だね」


カケル「あの歳で優勝者か…才能に恵まれているな」


オタコン「そんな彼女も辛い過去があるみたいだよ」


カケル「そうなのか?」


オタコン「母は早くに他界し、父親も仕事の都合でハルカが幼い頃から外国に行ってしまった

そして、行方不明に…

その後、いろいろな理不尽な目に遭いながらも、少しずつ精神面でも強くなっていったんだ」


カケル「理不尽な目に遭うのは、お互いさまだ問題は、その挫折をどう未来に繋げていくかじゃないのか?」


オタコン「……そうかもしれないけど、あの子には頑張ってほしいね」


カケル「とはいうが、カケルは彼女に対して好意を寄せている」


オタコン「ちょっ!?それ言っちゃっていいのかい?」


カケル「カケルの意識は今寝ている」


オタコン「そういう問題じゃ…まぁいいや、それで」


カケル「それは彼女もそうだ」


オタコン「それはつまり…両思いってやつかい?」


カケル「そうかもな」


オタコン「それでどうするつもりだい?」


カケル「何が?」


オタコン「その事、彼に伝えるの?」


カケル「いや、これは彼の人生だ他人の俺が口出しする事じゃない」


オタコン「それもそうだね、それとスネーク」


カケル「なんだ?」


オタコン「メイ・リンと回線が繋がっている、バトンタッチするけど構わないね?

あ、画面が変わるだけで僕とは回線が繋がったままだからね」


カケル「メイ・リンか…懐かしいな」


オタコン「それじゃ変わるよ」ピッ!


メイ「こんばんはスネーク!」


カケル「久しぶりだな、元気にしてたか?」


メイ「こっちは元気よ、まさか子供に憑依するなんてね」


カケル「本当にな、まるで非科学的なことが起きている」


メイ「ふーん、本当に声は子供なのに喋り方はスネークなのよね」


カケル「疑われても仕方がない、今も戦艦ミズーリの艦長を続けているのか?」


メイ「そうだよスネーク、服装見たらわかるじゃない」


カケル「せ、性欲を持て余す」


メイ「はぁい!!!??」


カケル「はっ!」


メイ「な、なな、何を言っているの!?スネーク!!」///


オタコン「全く…オイタもいい加減に…ん?」


カケル「どうしたオタコン?」


オタコン「いや、ハルカちゃんと髪型が似ているなって思って…」


カケル「そうか?」


メイ「ハルカちゃんってあのハイテクロボバトルの?」


オタコン「そうそう!…まさかカケルくんの意識の影響を受けている…」


メイ「どういうことよオタコン!」


オタコン「まぁ説明すると長くなるから省くけど、いまの発言はスネークの本意じゃないって事だよ」


メイ「ふーん、ま、普段のスネークからそんなこと言わないものね、タバコはよく要求するけどね」


オタコン「そうだね」


メイ「あのねスネーク、中国の格言にね【戦陣の間には詐欺を厭わず】っていうのがあるの」


カケル「ほう、それで」


メイ「戦いは勝つ事だけが目的だから。相手を騙す策略も厭わないって意味なの」


カケル「…」


メイ「スネークも…生き延びるためなら何でもするの?」


カケル「前の俺なら任務を遂行するまでだと言っただろう、だが今はカケルという少年の身体の中で生きている」


メイ「それで、答えは?」


カケル「答えは、この身体を借りている以上、どんな事でも生き延びることを最優先するだ、例え…ピポサルを殺してでもだ」


メイ「わかったわ、正直少しだけ安心した」


カケル「なに?」


メイ「ちゃんとカケルくんの事を考えているんだなって」


カケル「当たり前だ、俺をなんだと思っている」


メイ「朴念仁」


カケル「なんだって?」


メイ「なんでもないわ、私もできるだけ貴女達をサポートするわ、頑張って!」


オタコン「そうだスネーク、これを渡しておくよ」


カケル「これは…耳栓か?」


オタコン「そう見えるかもしれないけど、中身は小型無線イヤホンだよ

カケルくんの体にナノマシンを投入するわけにはいかないからね」


カケル「なるほど、これでいつでも通信ができるわけだな」


オタコン「一応常つけていてほしい」


カケル「了解した」


…20日後……………………………………………



ハカセ「高校の入学式間近のところで悪いがの、久々のピポサルじゃよ」


カケル「最近何もなかったのにな」


ナツミ「たしかに…言われてみれば」


ハカセ「出没はしていたのじゃが、各国の軍隊と戦闘中になっていたりと送り出せる状況じゃなかったんじゃ」


スネーク『子供を戦地に送り出す訳にはいかないか…』


カケル『ハカセも僕たちのことを心配してくれてるという事だよ』


ナツミ「んで、今回は?」


ハカセ「今回は…グロズニィグラードじゃな」


チャル「ここも大概に危険ですけどね」


ナツミ「何があるの?」


ハカセ「ここはry


カケル「ロシア語で「恐るべき要塞」。文字通り、警備が厳重だった旧巨大軍事要塞がある」


ナツミ「え?」


ハカセ「よ、よく知っているの…」


カケル『スネーク!!!』


スネーク『うっかり口を滑らせてしまった、大佐から聞いた事があった地名だったからつい』


カケル『本当に軍人かアンタ』


カケル「いや、その、ヒロキが言ってたかなーって」


ナツミ「ヒロキ君なら本当に知ってそうで怖いわ」


チャル「カケルさんが言った通り、ここには旧ソ連の軍事要塞があったところです、過去に付近で小型核兵器の爆発があったり、ある米軍兵士の亡命先として、冷戦を代表する場所として両軍内で有名です、もちろんこの事は世間に知れ渡ることは無かったですが」


ナツミ「なんでそんなところにピポサルが」


ハカセ「何かしらの意図があるのじゃろうが、何せ情報が少な過ぎるからのお、とりあえずピポサルを回収してきてほしいのじゃ」


チャル「幸いにも現在は、古びた兵器の墓場になってますから特に危険性はないかと思われます」


スネーク『何か裏があるかもしれない、その時は問答無用で入れ替わるぞ』


カケル『わかってるよ…一応拳銃は持ってきてるから』


スネーク『間違ってもお前は使うな、お前の手はゲッチュだけにしておけ』


カケル『どちらにせよ俺の身体を使うから意味がない気がするけど…』


スネーク『意識の問題だと言っている、時間がない、ゲッチュはお前に任せた』


ポォーーーン


カケル「それじゃ久々のゲッチュに行きますか!」


ナツミ「気を引き締めていくわよ!」


テンソウ!!


チャル「ふたりとも頑張って下さいね!」


ハカセ『…グロズニィグラードの件は極秘事項だった気がするが…もう過去の話かの』


チャル「っ!?ハカセ!!カケルさん達を緊急帰還させてください!」


ハカセ「どうしたんじゃ!?」


チャル「強力な電波妨害です!転送先が釜山になっています!」


ハカセ「釜山じゃと!?なんとしても間に合わせるんじゃ!」


ハカセ『韓国は確か戒厳令が引かれていたはずじゃ…国際線は閉鎖さておるし何があってもおかしくない』


………………………………………………


カケル「ここ絶対ロシアじゃないよね、ビルでいっぱいだし」


ナツミ「ハングル語ということは、ここは韓国

の都市部の何処かで間違いないわね」


カケル「にしても静かすぎない?」


ナツミ「てかjammingってどういう事よ!連絡が取れないじゃない!」


スネーク『カケル、悪いが変わるぞ』


カケル『ちょっ、いきなり!?』


ポォーーーン


カケル「ナツミ、それよりあれを見ろ」


ナツミ「あれって…ヘリコプター?」


カケル「AH-64 アパッチ…戦闘ヘリだ、おまけに4機編隊飛行…何かがある」


ナツミ「軍オタ…これ何かわかる?」


カケル「…この足跡…まさかっ」


グゥオオオオオオオ!!!!


カケル『なんだよ!あの大きなロボットは!』


スネーク『間違いない、この声は…』


カケル「やはりか…」


ナツミ「な、なによ!この恐竜みたいなやつ!」


カケル「メタルギアRAY…韓国軍のものではない…どういうことだ」


オタコン【どうして韓国にRAYが…】


スネーク【オタコン…何がどうなっている】


オタコン【僕も戸惑ってるんだ!とにかく逃げて!】


ナツミ「そ、その、エジプトに出てきたロボットみたいなやつ?あれ」


カケル「そう捉えてくれても構わないが…」


グゥオオオオオオオ!!!!


ナツミ「ちょっと!アイツこっち見たわよ!逃げるわよ!」


オタコン【ここはナツミちゃんが言った通り、逃げた方がいい!】


スネーク【わかった】


グゥオオオオオオオ!!


ナツミ「なによアイツ!追ってくるじゃない!」


カケル「喋る暇があったら足を動かせ」


ナツミ「きゃっ!!!ミサイルが飛んでくる!」


ドゴォオオオオン!!!


カケル「ち、ビルの倒壊で道が塞がれたか…」


ナツミ「もう駄目よ!食い殺されちゃう!」


スネーク『今の武装はM9拳銃とメカボーとレーザーガンとゲットアミ…とてもこれでは戦えないが…あれは、韓国軍の戦車…』


オタコン【まさかスネーク、戦う気かい?】


スネーク【カケルの身体だが…仕方がない、このままだとナツミの予言通りになってしまう】


オタコン【SOPシステムはもう消失している、だからここら辺に落ちてる韓国軍のライフルとかは使えるハズだよ】


スネーク【ナツミはどうする?】


オタコン【大人しく怪我がしないような所に隠れてもらうしかないね】


スネーク【投棄された装甲車に乗ってもらうか?】


オタコン【危険だけど仕方がないね、そうしよう】


ナツミ「カケルっ!まさかあのバケモノとやり合う気じゃないよね!?」


カケル「知っているか?」


ナツミ「え?」


カケル「追い込まれた狐はジャッカルより凶暴だ!」タタッ!


ナツミ「何を言ってるのよ!!あのバカ!!」


スネーク『グレイ ホックスの請け負いだがな』


カケル「ナツミはあの装甲車の中に隠れていろ!危険だ!」


ナツミ「歳下を一人で行かせるわけにはいかないでしょ!」


カケル「何を言ってる!付いてくるな」


ナツミ「取り残された私の身になってみなさいよ!」


スネーク【どうするオタコン】


オタコン【仕方がないスネーク、麻酔銃で寝てもらうしかない】


スネーク【Mk.22は持ってないが】


オタコン【大丈夫だよスネーク、M9の銃弾は実弾じゃなくて麻酔弾だからね】


スネーク【了解した】


カケル「ナツミ…」


ナツミ「どうしたのよ、急に振り向いて」


カケル「悪く思わないでくれ」スッ


ナツミ「えっ?…な、なにを」


ドトーンッ!!


ナツミ「ど、どうして…」バタッ


カケル『ごめん、ナツミ…』


スネーク『さて、メインのお出ましだ』


ギィイイイイインッ!!!!


カケル『どうするの?』


スネーク『とりあえずナツミの安全を確保する』


スネーク【オタコン】


オタコン【なんだいスネーク】


スネーク【あの装甲車を遠隔操作できないか?】


オタコン【君はとんでもない難題を押し付けてくるね…】


スネーク【俺は投棄された戦車でRAYの気をそらす】


オタコン【確かに、あのRAYは無人機ぽいから気をそらす事を出来るかもしれない】


スネーク【臨機応変、それが人と機械の大きな差かもな】


オタコン【韓国軍の軍事ネットワークをハッキングして遠隔操作するのに時間がかかる、それまで耐えてくれ!】


スネーク【わかった、どれぐらいだ】


オタコン【5分は待ってくらないか】


スネーク【運良く韓国軍のアパッチのおかげで

RAYの気がそれている、今うちに頼むぞ】


オタコン【一応聞いておくけど、装甲車で都市外に向かえばいいんだね】


スネーク【韓国軍のベースキャンプは逆に危険だ、そっちの方が助かる】


オタコン【了解】


カケル「さて、運ぶか」ヒョイッ


カケル『ナツミって、こんなに軽かったんだ…』


スネーク『どうしたんだ突然』


カケル『いや、思ってたより細くて軽いなぁって』


スネーク『俺が身体を鍛えさせたからな、前の身体よりか筋肉はあるだろ』


カケル『それもあるけど、スネークが俺の身体で、あのRAYってやつに立ち向かう時にナツミも前に踏み出した時の事を思い返していたんだ』


スネーク『…』


カケル『こんな華奢な身体なのに、よく俺たちのために立ち向かったなぁって』


スネーク『俺は他人の人生に興味を持ったことはない。他人の人生に介入すれば自分を守れなくなるからな』


カケル『…ドライな性格だな』


スネーク『そうかもな』


カケル『…俺もその影響を受けているかもしれない』


スネーク『どうしたんだ突然に』


カケル『スネークの意識が寝ている時、家で銃を握る事がよくあるんだ』


スネーク『どうしてそんな事をする』


カケル『意識の持ちようかな、でも最近銃を握ることに抵抗がなくなってきたんだ、もしかしたらこのまま』


スネーク『一応忠告だけしておくが、

人を殺してショックを受けないのは異常者だけだ。』


カケル『…』


スネーク『罪悪感のない殺人は新たな殺戮を生む。 

戦場では、普段は封印されている残虐性や闘争本能が顔を出す…。 

戦場では、戦争という名のもとに罪の意識は緩和される

それが戦争ってものだ』


カケル『…』


ナツミ「…か…ける」


カケル「!?」


ナツミ「すぅ…すぅ…」zzz


カケル「なんだ、寝言か」


〈ギィイイイイイン!!!!!!


カケル「さて、ショータイムだ」


ズバッ!!


〈グゥオオオオオオオ!!!!


カケル「っ!?」


カケル『RAYのミサイルポッドが!切断された!』


スネーク『まさか…』


雷電「ふっ、またせたな」


カケル「!?、だ、誰だ?」


雷電「無理に演じなくてもいい、スネーク」


カケル「なんだって?」


雷電「一部始終見てたよ、話はオタコンから聞いていたが、どうしても半信半疑でね、でも今回の件でハッキリわかったよ」


カケル「相変わらずそうだな雷電」


雷電「…死しても尚、戦い続ける…か」


カケル「何故ここにいるのかは後で聞く、今はアイツが先だ」


雷電「あぁ、」


ブゥオオオオオオオン!!!!


オタコン【遠隔に成功した!ナツミ君をここから離れさせるよ!】


スネーク【頼んだぞ、オタコン】


??「カーッカッカッカッカッカ」


カケル『この笑い声…まさか!』


ウッキーW「久しいの小僧、まさかこんな所で会うことになるとは」


雷電「ピポサルか?」


ウッキーW「ほんのそこらの連中と一緒にされては困る、ワシはグレート戦隊一の天才、ウッキーホワイトぢゃ」


カケル「老いぼれ猿、まだ生きていたのか」


ウッキーW「しばらく見ない間に口が達者になったみたいぢゃの小僧」


雷電「貴様か、RAYを操作しているのは」


ウッキーW「いかにも、このワシぢゃ」


雷電「成る程、ならばまず貴様を切れば解決するわけか」ガチャ


ウッキーW「操っているのはワシぢゃが、ワシがくたばればこやつの制御が効かなくなるぞ」


雷電「ならば、コイツごと切るまでだ」


カケル「まて、あのRAYの腹部…やけにデカくないか」


ウッキーW「そうぢゃ、こやつの腹部には原子炉がついておる」


カケル「原子炉だと、ということは」


雷電「コイツを破壊すれば釜山の街は放射能で汚染されるわけか」


オタコン【そのRAYだけど、遠隔操作するには大掛かりな機材が必要なはずだよ、おそらく別のところに隠してあるばすだ】


スネーク【聞き出すしかないってわけか】


カケル『ここは俺に任せてほしい』


スネーク『ピポサル相手ならお前の方が戦歴が長いからか』


ポォーーーン


カケル「にしてもこの大きなRAYを操作するのに大変じゃなかった?」


ウッキーW「カーッカッカッカッカッカ!そんなもんワシにかかれば朝飯前ぢゃ!ここの奴らに手出し出来ないように平壌国際空港に制御装置を隠しておけば問題無い!」


カケル「だって」


雷電「そういう仕掛けが」


オタコン【案外簡単だったね、早速ハッキングに取り掛かるよ】


ウッキーW「し、しまったわい!おのれ!計ったな!」


ポォーーーン


カケル「自分がかってに喋っただけじゃないのか?」


ウッキーW「なにより、秘密を知られたからには、このまま帰すわけにはいかん」


雷電「頑固ジジイ」


ウッキーW「うるさい!!とにかくにもぶっ殺してやるわい!」


カケル「幸い奴は遠隔されることに気付いてないみたいだ」コソ


雷電「時間を稼げばいい訳だな」コソ


ウッキーW「ま、バレた所で何もできんと思うがな!」


カケル「俺は戦車で援護する」


雷電「俺の背中は任せた」サッ


オタコン【スネーク、投棄された韓国軍の戦車だけど発射以外はサニーが操作してくれる】


スネーク【サニーか、元気にしてるか】


オタコン【あぁ、スクスク育っているよ】


スネーク【そっか、あの時はひどい扱いしてしまったからな】


オタコン【この身体に乗り移っている間に、また機会があれば会ったてくれないか?】


スネーク【わかった、サニー頼んだぞ】


ブゥオオオオオオオン!!!!


………………数分後


ウッキーW「呵責な!えぇい!月光部隊を出せ!」


モォオオオオオオ!!!!


雷電「ち、月光までいるのか」


カケル「RAYに集中しろ雷電」


ズドンッ!!


ウッキーW『なんぢゃ、この掴み所のない違和感は…』


ギィイイイイイン!!!


ウッキーW『どうも小僧と対峙している気がしない…もっと何か別人と…』


オタコン【スネーク、マズイことになった】


スネーク【どうかしたのか?】


オタコン【どうやら米国は大使館防衛の為に在日米軍基地から攻撃機が発進した】


スネーク【なんだって?目標は釜山か?】


オタコン【あぁ、それに到着時刻があと15分だ】


スネーク【それまでRAYは止められるのか】


オタコン【それは大丈夫、あと10分程で稼働停止にできる】


スネーク【それなら問題ないんじゃないか?】


オタコン【いや、稼働停止したなんて事パイロット達おろか米軍も知らない】


スネーク【ということはRAYの姿を発見した瞬間】


オタコン【攻撃機の餌食になるだろう】


スネーク【電話回線を繋げ、管制塔に直接伝えるしかない】


オタコン【生前の君なら名案だよ、でも今の君はまだ子供だ】


スネーク【まさか、これもアイツの戦略か】


オタコン【いや、それは考えにくい、それなら最初から大使館に襲撃しているはずだからね】


スネーク【オタコン、RAYを遠隔操作出来ないか?】


オタコン【まさか海に隠すのかい?無駄だ、韓国軍が監視しているんだ、それに対潜哨戒機が上空待機している、それに時間がかかりすぎる】


スネーク【月光ならどうだ?】


オタコン【まさか、月光を身代わりに米軍の攻撃を受けさせるのかい】


スネーク【…それか、賭けになるが俺の今の姿を利用してRAYの上で攻撃中止を呼びかけられないか?子供がいる中流石に米軍も攻撃出来ないだろ】


オタコン【しかし…仕方がない、それで行こう!】


スネーク【聞いているんだろ、雷電】


雷電【わかった、作戦変更で俺がスネークを援護する、だがスネーク、危ないと思ったらすぐに退けるんだ】


ゴゴゴゴゴッッッ!!!!


ウッキーW「ん?なんぢゃこの音は」


<ギギイイ 


ウッキーW「どうしたRAY!なぜミサイルを発射しない」


雷電【今だスネーク!RAYに向かうんだ!】


ウッキーW「ええい!!だから中国製は困るんぢゃ!月光部隊!!奴をRAYに近づけるな!」


<モォオオオオ!!!


オタコン【そいつはどうかな】


ウッキーW「月光!標的はあの小僧ぢゃ!仲間同士攻撃してどうする!?」


雷電「月光同士でやりやってる…そうかオタコン!」


ウッキーW「どいつもこいつも役立たずめが!雷撃隊!どうしても食い止めろ!」


<ウッキー!!


スネーク『なんだあの兵器は』


カケル『たしかエアキャンサーという兵器だよ、大量のミサイルと腕からのレーザーガンのような光弾の連射で攻撃してくるんだ』


スネーク『なるほど、それで雷撃隊か』


スネーク【雷電!そいつは大量のミサイルと腕からのレーザーガンのような光弾の連射で攻撃してくるようだ、注意しろ】


雷電【俺がこんなものにやられる程落ちぶれてない、だが忠告感謝する】


カケル『すごい…次々と倒していってる』


スネーク『雷電は飛来するミサイルも断ち切る事が出来る、それぐらいは当然だ』


オタコン【スネーク!RAYの信号を遮断した!もうこれで奴が動くことはない!】


ウッキーW「errorだと、なぜだ!おい!RAY!」


スネーク【よし、なにか目印になるものを持って行くとするか】


オタコン【あと2分だ!急いで!】


スネーク【エアキャンサーを使う、間違えて斬るなよ雷電】


雷電【わかった】


カケル『にしても、なんでアメリカ国旗を持っていくの?』


スネーク『国旗を掲げるという事は、制圧したという意味があるからだ』


カケル『なるほど』


オタコン【あと1分!】


スネーク【もう大丈夫だ、丁度RAYの頭上に降り立った】


〈ゴゴゴゴゴゴ!!!!


ウッキーW「なんぢゃ?この音は」


スネーク『もう来たか、この国旗に気付いてくれないと不味い』


カケル『スゲェ!!戦闘機だ!』


〈ゴゴゴゴゴゴ………


スネーク『正確に言うと、あれは攻撃機だ』


オタコン【よし!ナイトホークが引き返した!…てか何でナイトホークが飛行しているんだろう?】


スネーク【…俺の記憶が正しければ、ナイトホークは2008年には退役した機体のはずだが】


オタコン【そのはずなんだけど、2014年頃にアメリカ・ネバダ州のトノパ・テストレンジにてF-117が飛行している所を目撃されたことから、アメリカ空軍はいまだ何らかの用途で飛行可能なF-117を数機保存しているとされているよ。】


スネーク【ここは韓国だ、アメリカじゃない】


オタコン【例外はつきものという事なんじゃないかな?】



一方…ペンタゴンでは



「なんだこれは?なぜ退避させた!」


「いえ、民間人に被害が出るので…」


「民間人?韓国政府の発表では既に避難が完了してるんじゃないのか?」


「しかし、この映像を…現場のグローバルホークからです」


「なんだこれは…ニンジャか?国務省に繋げ、大至急にだ」


「未確認生物です!海兵隊じゃない!」


「CIAとは繋がってるか?」


「はい!」


「あれは海兵隊か?陸軍かと聞いてきている」


「いえ、どちらとも該当しません!」


「じゃあ正体は見られないのか!?」


「いえ、小さすぎます!」


「ステルス兵器か?」


「兵器開発部を呼べ!」


「あらゆるIDを検索しましたが、どれも該当しなかった、それに何故あんな子供がRAYの上に乗って星条旗を振りかざしているんだ?」


「現場のグローバルホークが新たな目標を察知しました!猿?白い猿です!?」


「なにか特殊な装置に乗っているようで」


「攻撃機では一般人が巻き添いに遭う可能性がある…だが仕方がない、あの猿の座標に合わせろ」


「しかし!兵器に乗っているとはいえ、今までの無人機と違います!それに一般市民に被害が」


「あの猿があの部隊の総司令なら倒してしまった方が先決だ!それに多くの人を救うならやむおえないこと、やれ」


……………………………………………


韓国 釜山


オタコン【大変だスネーク!ナイトホークが迂回して引き返して来た!】


スネーク【何をする気だ…】


雷電【わからないが、よからぬ事をする気なのは確かだな】


オタコン【高度を下げて来たということは…空対地ミサイルだ!】


ウッキーW「お前ら!放射能が怖くないのか!?」


スネーク【頼むぞ雷電!!】


雷電「あのミサイル…AGM-65マーベリックか、似たような物は何回も斬って来た!」


ドォゴゴゴゴゴゴ………


カケル『すげぇ…』


スネーク【流石だな雷電】


雷電【いや、まだ何かする気だ】


オタコン【今度は高度を上げて来た…ということは…】


雷電【くそっ、JDAMジェイダムか!】


スネーク【ジェイダムとなると…】


雷電【斬ったとしても】


オタコン【うん、推定被害は爆風でRAYが破壊され釜山は大量の放射能で汚染される…】


カケル『そ、そんな!?』


スネーク【どうする!?他に手はないのか!?】


オタコン【ペンタゴンに伝えても遅いだろう、RAYを動かすにも再起動には時間がかかる…】


雷電【再アプローチをさせれば、まだ時間が作れないか?】


オタコン【そんなアプローチを妨害できる方法なんて…そうだ!韓国軍の地対空ミサイルだ!】


スネーク【近くにあるのか?】


オタコン【江原道・春川の空軍基地に航空機迎撃用の中距離地対空誘導弾「天弓」がある、それを上手くハッキング出来れば…】


スネーク【当てるんじゃないぞ、アプローチ飛行を乱せばいい】


オタコン【了解!今韓国軍のセキュリティーはないに等しいから今からでも発射出来るよ!】


スネーク【よし!オタコンやるんだ!】


………………………………………


ペンタゴンでは


「緊急事態です!!韓国空軍基地から地対空ミサイル!!」


「馬鹿な!友軍機だぞ?何トチ狂ってやがる」


「猿にハッキングされたのでは?」


「そんな訳ないだろ、我が軍の物ではないとはいえ猿にハッキングされる程ザルじゃない」


「ナイトホーク!チャフを使用し回避行動!」


「グローバルホーク、状況報告は!」


「グローバルホーク、ソウルに向けて進軍していた猿の軍隊が引き返して釜山に戻っているところを確認しました」


「対地兵器で一掃作戦を打診します、それで奴らは袋のネズミです」


「しかし、それでは国際問題になる!!」


「大使館防衛の為だ!それに地対空ミサイルを放ったのは韓国側からだ、ソウルに集まったアメリカ人を救うには仕方がない!」


「韓国空軍は関与していないとのことです!」


「それではなんだ!?韓国空軍基地からの発射はこちらのハッタリだとでも言うつもりか!?」


「そんな事より今後どうするかだろ!」


「だが、攻撃するにしてもこれだけの作戦規模になると、日本海に展開している第7艦隊のイージス艦からトマホークによる飽和攻撃をすることになる、幾ら火器無制限使用が出ていたとしても大統領のGoサインは必要です」


「そうだ、大統領に判断を仰ぐべきだろう」


「だが、その大統領は確かパリに」


「大至急大統領に連絡を、そして第7艦隊に連絡しトマホークミサイルの準備、嘉手納基地と岩国基地には戦略爆撃機を出動させろ、だが出撃はするなと伝えるんだ」


「韓国側へはどのように伝えるつもりで?」


「国務省に伝えろ、間に合わなくてもCNNで知ることができるだろ」


「在韓軍を撤退させますか?」


「そうだ、ヘリを使用し被害が及ばない地域への退避、間に合わない者は地下鉄へ避難を連絡!ナイトホークも帰還させろ、巻き込まれる前にな」


……………………………………………


日本 研究所


ハカセ「チャル!復旧の目処は!?」


チャル「もう少し掛かります!」


ヒロキ「ハカセ!!緊急事態と聞いたのですが!?」


ハカセ「そうじゃ!装置が故障してのお」


ヒロキ「転送先は!?」


チャル「釜山です!」


ヒロキ「そ、そんな…今釜山はとんでもない事になってるぞ!」


ハカセ「なんじゃと?戒厳令だけではないのか?」


ヒロキ「チャル!テレビをつけて!」


チャル「は、はい!」


【繰り返します、現在韓国 釜山では大規模な攻撃が行われており猿対米韓両軍が戦闘状態が続いております、現場の釜山には近づく事は出来ませんがアメリカ軍のヘリが釜山には向かって飛行していくところが確認出来ました】


ハカセ「チャル!カケル君達の現在位置だけでもわからないか!?」


チャル「どうやら現場では電磁波が飛び交っているようで特定には時間がかかります、およそ10分ほど時間を要します」


ハカセ「構わん!早急に頼むぞ!」


ヒロキ「2人が心配です!ハカセ!僕もいかせてください」


ハカセ「ダメじゃ!転送装置の調子が悪い今、送るわけにはいかん!」


ヒロキ「では2人を見捨てろと言うのですか!?」


【たった今速報が入ってきました、慶山市まで北上していた猿の勢力が釜山に引き返している事がわかりました。

釜山の戦闘が影響していると思われます】


ハカセ「まだこんなにピポサルが…」


ヒロキ「戦車やUFOまで乗っている…」


チャル「ハカセ、データ解析を進めている中で妙なものが…」


ハカセ「これは…放射能かの?」


チャル「はい…最初は劣化ウラン弾を使用したのかと思いましたが、放射能が拡散することなく留まっている事からまるで何かに溜め込んでいるように見えます…」


ハカセ「嫌な予感がする…チャル!!どの問題よりナツミとカケル君の帰還が最優先じゃ!」


チャル「しかしシステムが不完全ですと、まともに転送が出来ず電脳世界に取り残される可能性があります!」


ヒロキ「少なくとも彼方さんには関係ない事みたいだよ」


【嘉手納基地です、現在滑走路に戦略爆撃機が離陸準備に入りました、同時に戦闘機が数機離陸を始めました。これは大規模な作戦が展開されるとみて間違いはないとの事です】


ハカセ「…死んでしまっては元も子もないじゃろ!」


チャル「了解しました、緊急転送装置を作動します。それでも、10分ほど時間を要します」


……………………………………………


韓国 釜山


スネーク『なんだ、腕の時計が点滅しているが』


カケル『なんだろ、これは俺にもわからない』


チャル【カケルさん、緊急転送装置が起動しました。あと9分30秒で強制転送が開始されます】


スネーク『なに?緊急転送装置だと?』


カケル「チャル!?システムが治ったんだ!」


チャル【これはアナウンスモードです、なので返事等は出来ませんのでご了承下さい】


オタコン【こっちも伝えなければならない事があるんだ】


雷電【なに?やたらアメリカ軍のヘリが釜山から撤退しているのに関係があるのか?】


オタコン【そうだね、あと10分後にアメリカ軍によるミサイル攻撃が開始される、いくら平壌にある制御装置を乗っ取ったところで対処のしようが無い】


雷電【スネークの目論みは外れたわけか】


カケル『それじゃピポサルはどうなるんだ?』


スネーク『自分の心配をしたらどうなんだ、それよりナツミの安否を心配するべきだろう』


カケル『勿論ナツミの安否も大事だけど、ピポサルを見殺しなんて出来ない』


カケル【オタコン!ナツミの現在位置は?】


オタコン【それには心配に及ばないよ、釜山から離れた田舎まで移動させてるから】


スネーク『で、お前はピポサル達を助けるのか?』


カケル『あぁ、アイツらは操られているだけで悪い奴らじゃないんだ!』


スネーク『そうか、ならアイツらを仕切っている白い老猿を説得するんだな』


カケル【俺はピポサルを助けたい、オタコンは釜山に人が残ってないから調べて欲しい】


オタコン【うーん、ここは都市とはいえ壊滅的だから限界はあるけど、調べてはみるよ】


雷電【カケル君、ゲットアミはあるか?】


カケル【ナツミの物なら】


雷電【それを貸してくれないか?この間可能な限りピポサルを捕まえてみる】


カケル【本当に!?助かるよ!】


雷電【君はあのボスザルをどうにか説得するんだ】


カケル【ありがとう雷電のお兄さん】


雷電【雷電で良い】


ウッキーW「作戦会議は済んだかの?あの飛行機が帰還したようぢゃが?貴様らも尻尾巻いて帰ったらどうぢゃ?」


カケル「お互い争っている場合じゃないんだ!早くここから脱出しないとミサイルで死んでしまうぞ!」


ウッキーW「そんなこと信じるとでも思うか?そもそも我々、何匹も犠牲にして来ている。引き返せるとでも思いか?」


カケル「お前の優秀な洞察力で見たらわかるはずだ!戦闘機とヘリの撤退に何の意味があるか」


ウッキーW「確かに不利な状況なのはワシもわかっている、一貫にしてこのRAYは動かず月光部隊は自爆するオチぢゃ、だがこれから慶山まで進行していた我が軍が釜山に引き返しておる、次期にここに到着する予定ぢゃ」


オタコン【まさか、これがアメリカ軍の狙いか】


スネーク『一網打尽にする気だ』


カケル【怖いのはピポサルより俺達人間という事か…】


オタコン【アメリカ軍は直ぐにでもミサイルを撃ちたいだろうけど、人的配慮から数分遅れて発射するだろう、それまでが正念場だよ!】


カケル「その援軍全てが死ぬとしたらどうする?」


ウッキーW「なに?それも覚悟の上ぢゃ」


カケル「俺が小学生の時と、だいぶシリアスな性格になったよなお前」 


ウッキーW「それに比べて、全然変わっとらんようぢゃな小僧、この甘ちゃん精神ではいつまでも通用せんぞ」


カケル「この甘ちゃん精神も重要だと思うけど?」


ウッキーW「ワシもそう思っていた時期もあった、しかし貴様ら人間はワシの部下であったピポサルを捕まえ実験に使いよった!」


カケル「俺たちはそんな事っ!」


ウッキーW「そうぢゃろうな、貴様らのような甘ちゃん集団はそんな事しないぢゃろ、だが全ピポサルが捕まった訳じゃない、一部は各国の軍隊によって捕まった者もいる、そして死んだ者も」


カケル「っ、まさか今回のピポサルは」


ウッキーW「そうぢゃ、各国に捕虜や実験体として捕まっていたピポサルじゃよ、だから小僧が思っとるようなピポサルはいないんぢゃ!」


カケル「それでも!死んでしまったら元も子もないだろ!」


ウッキーW「死んだら何の意味もない?本当にそうかの」


カケル「え?」


ウッキーW「死んでもなお輝けるなら本望ぢゃろ?」


カケル「そんな馬鹿な話があるかよ!」


オタコン【その言葉、ダイヤモンド・ドックズが残した言葉だよ、スネークの父親が創設した】


雷電【カケル君、ある程度ゲッチュを済ませたが時間がない】


カケル【分かった、ありがとう】


雷電【あと30秒で攻撃が開始される、サーモグラフィーで調べたが民間人は地下に避難しているとの事だ】


ウッキーW「とにかく、戦わぬなら去るがよいわ

本当のところワシも出来れば貴様らと戦いとうなんぢゃよ」


カケル「どうして?」


ウッキーW「貴様らに捕獲されたピポサルは幸せそうだからぢゃよ、そんなお前と戦うのは筋違いだと思うのぢゃ」


カケル「だったら俺の事を信用して!一緒に来いよ!」


ウッキーW「それは出来ない相談ぢゃ、ここで退いては死んでいった者に顔向け出来んからな、奴らもそう言っとる」


ピポサル達「ウッキーッ!」


ウッキーW「さっきは偉そうな口を叩いて悪かった、ワシも頭に血が登っておったわい」


スネーク『これが奴らの答えだ』


カケル「そ、そんな事って…」


ウッキーW「ワシから見て姿は成長しても小僧は小僧ぢゃ、しかし、どうしても止めたければワシをゲッチュすることぢゃの」


〈モォオオオオ!!!


スネーク『月光が二台、残り時間を考えると厳しいぞ』


チャル【残り時間30秒です、転送準備に入ります】


カケル「く、くそぉおお!!!」


オタコン【すまないが、僕達のサポートはここまでだ、また後で…ッーッー】


スネーク『カケル、この無線機を外せ、ハカセのところまで転送されるとチャルに勘付かれる』


カケル「そ、そんな…」


スネーク『くそ、仕方がない』


ポォオオン

*ここから入れ替わった場合は蛇にします


カケル蛇「…わかった、また何処かで会おう」


ウッキーW「ふん、偉そうな小僧ぢゃ」


…………………………………………


研究所


ハカセ「おぉ!!カケル君にナツミ!無事じゃったか!?」


カケル蛇「なんとかな」


ヒロキ「ナツミさん!!しっかりしてください!!」


カケル蛇「大丈夫だ、寝ているだけだ」


ハカセ「気を失っているのかの、チャル?布団まで運んでやって欲しい」


チャル「了解です」


ハカセ「何があったのか教えてくれるかの?」


そしてカケル蛇は、雷電の事や麻酔銃の事を伏せ、俺たちは韓国軍のジープに乗って一緒に避難したと言うことにした。


ハカセ「そんな事が…よく無事で」


ヒロキ「本当だぜ、今ニュースで流れているけど釜山は火の海だせ?アメリカ軍がミサイルを大量に打ち込んだらしい」


ハカセ「普通の戦闘地帯によく、ゲッチュし続けておったの、転送履歴が更新されておるわい」


カケル蛇「実際に戦場を体験し、生き延びてきた人間には危機に関しての独特の嗅覚が備わっている物だ」


ヒロキ「戦場?エジプトの時の事を言っているのか?」


ハカセ「マップも使えんのに」


カケル蛇「マップデザイナーの気持ちになれば自ずと道を開ける」


ハカセ「何を言っているんじゃ?」


カケル蛇「俺はナツミの様子を見てくる、あれだけの事があったんだ、ヒロキ?釜山の放射能はどうなっている?」


ヒロキ「放射能?」


カケル蛇「いや、なんでもない」


ヒロキ「てか俺もナツミさんを!」


カケル蛇「お前はハカセの手伝いをしてほしい」


ハカセ「なんじゃろ、誰かに似てきているような」


ヒロキ「あんな軍オタ、他に誰がいますか?」


ハカセ「いや、昔の知人にじゃよ」


【速報です、釜山の大型兵器から放射能が漏れている事がわかりました。大型兵器の内部に原子炉のような物があり、それがメルトダウンしたと思われています。】


ヒロキ「それって…まさか」


ハカセ「チャルも言っておった放射能じゃ」


ヒロキ「チャルだけじゃない、さっきカケルも言ってたぞ…放射能なんて何処から聞いたんだ?」


ハカセ「きっと韓国の軍人が呟いていた事を聞いたんじゃろ」


ヒロキ「それは無いでしょ、アイツが韓国語を知っているわけがないんだから」


ハカセ「それもそうじゃな…ふむ、久々に昔の友人に聞いてみるかの」


…………………………………………


ナツミ「うぅ…、ここは」


カケル「良かった、目が覚めた!」


ナツミ「カケル…ここは私の家?」


カケル「そうだよ、あの後大変だったんだからな!」


ナツミ「私は確か、あのデカイ怪物に追いかけられてから記憶が曖昧なのよ…」


カケル「その後、韓国の軍人が助けてくれて郊外まで連れて行ってくれたんだ」


ナツミ「そう…なんだか恐ろしい事があった気がするの」


カケル「恐ろしい事なんて忘れてしまった方が身の為じゃない?」


ナツミ「そうなんだろうけどさ、んー、なんだか忘れてしまう程なんだしどうでもいいか」


カケル「目も覚めた事だし、俺は家に帰るから」


ナツミ「そう?もう8時じゃない、いつもみたいに、うちで食べていきなさいよ?」


カケル「いや、今日は遠慮しとくよ。なんせ明日入学式だし」


ナツミ「もうそんな時期なのね、私もあともう少しで入学式だわ」


カケル「そういう事だからさ、また明日な!」ガチャッ!


…パタンッ


ナツミ「……いつものカケルね、やっぱりあれは夢だったのかしら」


悪く思わないでくれ……


ナツミ「そもそもアイツが実銃なんて持っているわけ無いじゃない!」


ナツミ「…テレビでも見よっ」ピッ!


アナウンサー【あれから6時間は経ち日が暮れましたが、また釜山は火災の火によって赤々としています。】


ナツミ「なによこれ、街が瓦礫の山じゃない…私がいた時はまだビルとか聳え立っていたじゃない」


アナウンサー【メルトダウンしたとされる機体は現在消火活動が行われており、放射能によって近づけてない為、韓国軍のヘリが上空から放水している様子が伺えます、地下に取り残された民間人の救出はレスキュー隊によって対峙行われています。】


ナツミ「あれって確か私達を追い回してきた怪物よね…放射能ってことは原子力で動いていたのね…】


アナウンサー【大規模作戦によって瞬時に戦闘は終結しましたが、現場には無残な猿の死体が発見されており、それによって世界中の動物愛護団体によってデモ活動が行われました。韓国では一部暴徒化した団体がアメリカ大使館に駆け込み警察によって取り押さえられるなどの、緊迫した状況が続いています。

 この攻撃に国防総省は、ここで食い止めなければソウルもこのような事になっていた可能性があるとし、正当化を表明しました。

 また、アメリカ空軍機にミサイルを放ったとされる大韓民国空軍は、問題の究明に取り掛かっている最中なのでコメントは差し控えるとしています。】


ナツミ「なによこれ…カケルはこの事を知って…ないわけないよね」


 私は、あまりにも衝撃的なニュースに震えが止まらなかった。

 同時に今まで平和すぎた事を、釜山の街を観ながら実感してしまった。

 ゲットアミを振り回してピポサルをゲッチュして、黒幕であるスペクターを捕まえる事によって事態は一件落着、それが当たり前だと思っていた。

 しかし、今回は規模が規模な為にこのような事態は避けられないという現実を思い知る事になってしまった。


 それに、自分がいかに無力なのかを知る事になった。

 

ナツミ「何が歳上としてよ…私の方がよっぽど無力じゃない…」


 忘れる事の出来ないあの銃声、自分がいつ死ぬかもしれない状況を経験したからなのか、銃声なんて程遠く、安全な日本にいるのに震えが止まらなかった。

 それなのに、歳下のカケルは私の心配して側にいてくれた。本来なら私が守ってあげなければいけない筈なのに、情けないと感じた。


コンコンッ


ハカセ「失礼するよ、ナツミ…」


ナツミ「おじいちゃん…」


ハカセ「今回の件じゃが、ワシの認識が甘かったと痛感した」


ナツミ「おじいちゃんのせいじゃないよ」


ハカセ「いや、世界がこんな危険な状況なのに子供達を送り出すといった事自体が間違いだった」


ナツミ「そんなの今まで」


ハカセ「今まで運がよかっただけじゃよ、前まで軍が動く前に対処できたからよかったが、今回は違う」


ナツミ「…」


ハカセ「この騒動のことの発端は、ワシが開発したピポヘルが原因じゃ、なので責任者として来週までにはワシントンD.C.に出向くことにした」


ナツミ「そ、そんな!なんでおじいちゃんが!」


ハカセ「仕方がない、これは大人がやる事だから、カケルくん達にも伝えるつもりじゃ」


ナツミ「今アメリカなんて行ったら…」


ハカセ「当分帰ってこれないじゃろうな、だからのクータの事はしっかり見てやるんじゃぞ、ピポヘルと関わりがないわけじゃないからの」


…………………………………………………………………………………………


オタコン「無事に脱出できたようで、よかったよ」


カケル蛇「薄情な奴だな」


オタコン「残念だな、僕の作戦を理解してくれると思ったのに」


カケル蛇「なんのことだ?まぁ放射能を浴びずに済んで助かった。」


キャンベル「日本暮らしで身体が鈍っていたのかスネーク?」


カケル蛇「あぁ、多少はあるかもしれない、ましては少年の身体だからな」


メイ「どこか怪我とはない?」


カケル蛇「あぁ、腕が痛い」


メイ「そう、かわいそうに、鎮痛剤の量を増やした方がいいんじゃない?」


カケル蛇「ただの筋肉痛だ、眠くないしデキセドリンは必要ない、性浴を持て余す」


オタコン「こんなけ元気なら必要ないね」


キャンベル「それで話を戻すが、先程ハカセの方から連絡があって、君達少年少女をゲッチュに出させる事を中止しようと打診してきたのだ」


オタコン「まぁ、そりゃ普通に考えたらそうだよね」


カケル蛇「それで、俺はどうすればいい。」


キャンベル「…そうだな、君はしばらくハカセの指示に従ってもらう、ハカセは自身の責任を感じているのかワシントンに渡米すると言ってきたが、必要無いと断るつもりだ。」


カケル蛇「普通の学生生活をしろということか?」


オタコン「ハイスクールを味わう良い機会じゃないかスネーク」


メイ「たしかにね、転生した気分を味わえるわね!」


カケル蛇「そもそも、この身体は俺の物ではない、カケルの指示に従うのが筋というものだろう。



メイ「もうそれは、銃を握ったり戦場を駆け巡ったりしている時点で手遅れな気がするけど。」


カケル蛇「それは仕方が無かったことだ。」


オタコン「あ、そうそう、気が付いていると思うけど、短い情報は受話オンリーモードで受信してもらえるように、君の無線機を設定しておいたよ。これはそのままエムコンにもなるから、君の位置を不用意に特定される危険を減らせる。」


カケル蛇「いつの間に…」


キャンベル「今回の騒動で、アメリカ側に君の存在を認識されることになった、スネークとしてはなくアジア人の少年としてな。」


オタコン「この無線は、もし不審な動きがあったときに使う」


キャンベル「まぁ…しばらく戦場から離れるのもいい物だと思うぞ」


メイ「そうよ!スネークは充分戦ったんだから!」


カケル蛇「人を年寄り扱いするなメイ・リン」


オタコン「でも本来なら君は寿命で死んでるはずなんだよなぁ」


キャンベル「とにかく、今は自粛することだスネーク」


カケル蛇「了解した」


…………………通信終了


カケル「…なぁ、スネーク」


スネーク【どうした?】


カケル「釜山に残された人やピポサル…どうにか出来なかったのかなって」


スネーク【…】


カケル「俺は」


スネーク【考えたところで死人は戻ってこない、今出来ることは今後どうするかだ】


カケル「極論はそうかもしれないけど、俺はまだ高校生になる直前の!」


スネーク【子供だ、だが自分で踏み込んだからにはそれなりの覚悟がいる、俺の仲間にお前と同じぐらいの奴がいるが、お前よりしっかりしているぞ】


カケル「比べないでくれ!俺は戦場なんて出た事がないんだ!」


スネーク【なら二度とゲットアミを握らない事だな、ピポサルは今世界中に出没してる。戦場は避けられない】


カケル「それじゃピポサルが死んじゃう」


スネーク【お前はピポサルを守る為にゲッチュをしているのか?人間を守る為なのかどっちだ】


カケル「両方じゃダメか?」


スネーク【いずれどっちを取らないといけない時が来る、そのときに対処できるか?】


カケル「そんな事…」


スネーク【今回、ナツミとピポサルを天秤に掛けたからナツミは助かった、違うか?】


カケル「なんで、そんな事を言うんだ、」


スネーク【そう怒るな、映画のようにどちらとも救ってみせるなんて事を考えているようだと】


カケル「…スネークは経験が豊富だから」


スネーク【ヘマをすればどんな目に遭うか、俺自身が一番良く知っている、だがこの身体はお前のものだ、お前が決める権利がある】


スネーク【自分の事は自分で決める事だ、だがクヨクヨとする癖を治した方がいい】


カケル「…わかったよ」


スネーク『とは言っても、まだ戦争を知らない子供だ。しかし、ピポサルの動きからして素人当然の民兵のような動きをしている訳ではない、多少の立ち回り方を知っている、だとすれば誰かが訓練の指揮をとっている事に間違いはないだろう』


……………………………………………………………………………………………

…………………


次の日 朝



ヒロキ「しかし、よく今日学校に行く気になったな」


カケル「入学式だぞ?行かないと出遅れるだろ」


ヒロキ「あんな事を経験したら行く奴はいないと思うけどな」


カケル「だけどよ、詰襟制服からジャケット制服に変わって違和感があるな」


ヒロキ「俺は制服より先にスーツを着ること機会があったから、そんなに違和感がないけどな」


カケル「金持ちアピールやめてもらっていいですか?」


ヒロキ「そう気を落とすなよ、人生まだまだ先は早いさ」


カケル「とにかくにもさっさと体育館にいくぞ、そこでクラスメイトもわかる事だし」


ヒロキ「クラスメイトって言ってもよ、俺以外知っている人いないだろ?」


カケル「…確かに」


ヒロキ「先が思いやられるぜ」


スネーク【これが日本の高校か、やたらと狭いな】


カケル【アメリカの高校と比べたら仕方がないよ】


ヒロキ「えーと、なになに、新入生御入学おめでとうございます。体育館に行くと係の者がいるので、自分の名前を伝えて指定された席に座ってください。だとよ」


カケル「座った列が一緒の人がクラスメイトのパターンじゃないか?」


ヒロキ「それっぽいな」


 俺たち2人は、体育館に足を運び指定された席に座った。運が良いのか悪いのかヒロキとクラスが一緒だったが、俺はクラスメイトの事より昨日の出来事を忘れられずにいた。


 どうこうしている内に、学園長の話も終わり俺たちは担任の先生に言われるがままに着いて行き、教室に入ることになった。


 本来、学籍番号順として席が振り分けられている事が多い、しかし俺たちのクラスは担任の考えのせいで、そんな席順をランダム形式にしたせいでヒロキが俺より頭に来ている状況ができてしまった。


 一方で、俺の隣の席が空席であった、欠席者なのか欠番なのかは、俺が知る由もなかった。


カケル『25番、ということは後ろの方の名前だな』


スネーク【丁度、ハ行かナ行だろう】


カケル『ま、知ったところでどうもこうもないんだけど』


ヒロキ『何故俺が一番右端の前なんだよ、これじゃぼっち確定じゃないか!』


 ヒロキが半泣きで俺の方を見てくるが、俺は席なんてどこにでもよかったのだ。角が立たない普通のそこそこの学校生活ができればそれで良いと思っていた。


 それからというと、俺とヒロキは学校で程々の友達を作り、ナツミは大学生生活を送っていた。

 日本ではまだピポサルの活動報告は無く、俺たちの身近という存在では無くなっていた。一方で海外ではピポサルの対処に追われており、中国では爆撃を行なっているほどである。

 そんな事もあり、ハカセは俺たちを戦争地域に送る事を自粛する事した。


 スネークは学校生活の間は基本的に大人しくしている、夜になるとキャンベルさん達と会議しているけど、俺には難しい内容を話している。


 自粛してからすっかりナツミとも疎遠になってしまったまま、月日は過ぎ去りあっという間に夏になってしまった。


 俺は、すっかりスネークのせいで身体が筋肉質に仕上がっており、髪型はツンツンヘアではあるが抑え気味にしている。

 

 そんな平凡な日常は突如と崩れさることになる



7月初頭 学校にて


担任「さぁて、月日は流れてようやく欠番の25番が埋まる時が来たぞ!よかったなカケル、ようやく隣の席に人が来るぞ!」


カケル「正直、席替えしても隣が欠番なのは何かの嫌がらせとしか思えなかったのだが」


ヒロキ「ま、良いじゃないか、それも今日でおさらばじゃん」


担任「では入ってきてくれ」


??「失礼、します」


カケル『女子か、長髪だし雰囲気がティフ○にそっくりだな』


ヒロキ『胸も申し分ない、テ○ファにそっくりだ』


ハルカ「転校してきたハルカです、よろしくお願いします。」


スネーク【ハルカって、以前見覚えがある気がするが】


カケル『え?いやないない、ハルカちゃんとは容姿が違うし…』


ヒロキ『うわあ、気が付かなかったぜ…しばらく会ってなかっただけであんなに変わる物なんだなあ』


担任「ではあのカケルというツンツン男の隣の席についてね」


ハルカ「っ!?あ、はい、わかりました」


ヒロキ『ん?やけに大人しいな、まぁ、時が過ぎれば落ち着くものだろうし』


スネーク【見れば見るほど、メイ・リンにそっくりだ】


カケル『メイ・リンさんってあんな感じなのか?』


スネーク【いや、髪は短いから髪だけで見るとナオミに似ているか】


カケル『誰だかわからないよ、それ』


ハルカ「すみません、今日からよろしくお願いします」


カケル「うん、よろしく」


ヒロキ『あれ、おかしい、あまりにも他人行儀過ぎやしないか?もしかしてお互いに気が付いてないとか言わないよな??』


ハルカ『…容姿はなんだか、ノク○に似ていてカケル君と似てないけど、どことなくカケル君の雰囲気がある…』


ヒロキ『あ、これ多分、アイツの身体がガイルみたいになったせいだわ』


カケル『あれ、なんでこの人俺の方をチラチラ見てくるんだ?俺おかしい事をしたか?スネーク?』


ヒロキ『くっそ、なんでカケルの方は無反応なんだ?こうなったらスマホで!』


カケル『なに?ヒロキからだ、どこかで会ったことあるって書いてある』


スネーク【とにかく話しかけたらどうだ?】


ハルカ『えーと、どうしよ、、こうなったら声をかけるべきよね?よーし!』


カケル「ヒロキのお知り合いの方ですか?」


ハルカ「……へ?」


ヒロキ『なんでこうなるんだよっ!!!』バンッ


担任「ヒロキ君!どうしたんだ?」


ヒロキ「い、いえ、蚊がいたので」


ハルカ「」


ヒロキ『ほらっ!!ハルカちゃん固まっちゃったよ!?』


カケル『固まっちゃったじゃないか!この朴念仁』


スネーク【なにもそこまで言わなくてもいいじゃないか?】


ハルカ「え、えー、と、」


ハルカ『そ、そうよ!落ち着け私!ヒロキ君がいるなら目の前にいるカケル君は、私が知っているカケル君だという証拠になるじゃない!』


ハルカ「私の事、覚えてない?」


ヒロキ『もうここまで言わせんなよ!ここはハッキリといってやるんだ!カケル!!』


カケル『またヒロキからだ、はっきりと言ってやれって書いてある』


スネーク【まさか、オクトパスの様な能力が…正体を知る必要がある】


カケル『オクトパス?』


スネーク【コピー能力の様なものだ】


カケル『疑ってかかった方がいいと言うことか』


カケル「どこで俺の事を知った?」


ハルカ「え?どこって、小学生の時から」


カケル「どこで?」


ハルカ『も、もしかして私の事をわからない?』


担任「はい、とりあえずホームルームを始めていくぞー」


……………………………………………………………………………………………


昼休み 


スネーク【付けられているな】


カケル『なんだって、誰に?』


スネーク【さっきの女だ】


ヒロキ「今日の学食は何にするんだ?俺は弁当があるんだから早くしてくれよ」


カケル「お前、いつも高そうなの食ってるよな」


ヒロキ「いつも用意してくれるのだから仕方がない」


カケル『そうか、こいつ実家金持ちだった』


スネーク【敵勢力なら手遅れになる】


カケル『わかったよ』


カケル蛇「すまないが腹を下した、用を足すから先に行ってくれ」


ヒロキ「なんだよ、先に食堂に行ってるぞ」


ササッ


スネーク『人気の無いところまでついてくるとは、黒と見るか…念には念を』


ピッ


オタコン【どうしたんだい?スネーク】


カケル蛇「俺のいる地域に特殊な電波が通ってないか検査してくれ」


オタコン【敵かい?】


カケル蛇「わからん、今日転校して来た女に必要以上に付けられている」


オタコン【…考え過ぎなんじゃないか?ここは学校だよ?】


カケル蛇「念には念をだ、オクトパスの様な敵なら」


オタコン【わかったよ、一応調べておくよ】


カケル蛇「隠れて死角を突くとするか」スチャッ


ハルカ「あれ、そっち行ったはずなのに」

キョロキョロ


カケル【スネーク、一応出来るだけ銃は】


スネーク『それは相手の出方次第だ』


カケル蛇「動くなっ!」ガチャ


ハルカ「っ!?」


カケル蛇「両手をあげろ!!」


ハルカ「カ、カケル君!?」


カケル蛇「胸ポケットにある携帯を捨てろ、こっちになっ!」


ハルカ「わ、わかった」ポイッ


カケル蛇「どうだ?」コソッ


オタコン【今のところ、このスマートフォンから不審な電波は確認出来ないよ】


カケル蛇「こっちを振り向いて顔を見せろ」


ハルカ「どうして銃を…」


カケル蛇「動くな!そのまま!」


ハルカ「…そうよね、カケル君はそんな事するような人じゃない…貴方どこの」


カケル蛇「腰に仕込んでいるカッターナイフを捨てろ」


ハルカ「…」ガチャ


カケル蛇「違う!外窓に捨てろ!」


ハルカ「っ、」


カケル蛇「その位置で回るんだ、ゆっくりな」


ハルカ「…プロのようね」


カケル【声はハルカちゃんにそっくりだ…】


スネーク『声だけならいくらでも誤魔化しが効く』


ハルカ「でも、あまいわよ!」パァン


カケル蛇「っ!?」さっ


カケル【弁当箱が!?】


スネーク『サプレッサー付きの仕込み銃だと?』


カケル蛇「スカウト・ボックスとはな、スペツナズ出身か?」


ハルカ「褒めてあげる、初めてよ私の一撃を交わしたの…」


カケル蛇「そうか、この歳で褒めやる、だが脇があまい」パァン


ハルカ「えっ、」バタンッ


カケル蛇「戦場で話している余裕はない…だが安心しろ麻酔銃だ死にはしない」


ハルカ「っ、、、」


ブゥーーーーン


スネーク『っ?この音は』


ブゥーーーーン……


スネーク『サイファー?』


オタコン【スネーク、彼女の持ち物を調べてみたら?】


カケル蛇「箱の中身はロシア製の銃…だが身元がわかるようなものは無し、他は目立ったものは無い」


オタコン【僕の方では掴めたよ】


カケル蛇「なに?」


オタコン【この女の子の顔で、出入りしたところを検索にかけたところ、モルドバの沿ドニエストル共和国に入国している】


カケル蛇「その国は確か親ロシア派の」


オタコン【少なくとも、この武器といい何かしら絡んでいるのは確かだろう】


カケル蛇「確かに、俺も今、サイファーらしき無人偵察機を見た」


オタコン【海兵隊サイファーT?】


カケル蛇「いや、陸軍だ」


オタコン【これは単純な話では済まないかもしれないね…】


カケル【まってよ!この女子はハルカちゃんじゃないの?】


カケル蛇「それで、女の正体は?ハルカなのか?」


オタコン【スネーク、一応細かく調べたけど、整形やマスクの特徴はないよ、でもDNAとかで調べてないから確証はないけどね】


カケル蛇「どうするか」


オタコン【…その人、死んじゃいないよね?】


カケル蛇「あぁ、麻酔で寝ているだけだ」


オタコン【そうか。】


カケル蛇「寝顔は可愛いものだな」


オタコン【なにか変な事考えてない?】


カケル蛇「いや」


オタコン【確かに眠り姫は王子様のキスで目覚めるものだけど、彼女にはこのまま眠っておいた方がよさそうだね】


カケル蛇「そうだな、じゃじゃ馬の相手をするのは勘弁してほしい」


オタコン【でも、このままにしておく訳にもいかないだろ】


カケル蛇「Mk-Ⅱに彼女のDNAを渡して検査出来ないのか?」


オタコン【…出来ない事はないけど、ハルカちゃんのDNAデータを持ってないから比べようが】


カケル【それならハカセのところにハルカちゃんのゲットアミがあるから指紋で】


カケル蛇「どうやらハカセのところに、指紋があるみたいだから指紋検査という事はできないか?」


オタコン【わかった、彼女の指をMk-Ⅱに】


カケル蛇「付けたぞ」


オタコン【これで彼女のDNAを確保出来た、この子は…】


カケル蛇「保健室に連れて行こう、夢物語だと思わせておこう」


オタコン【…これで通じるかな】


カケル蛇「それしか方法はない、サイファーの事もある、慎重に行動する」


オタコン【わかったよ、一応この事はキャンベル大佐に伝えておくよ】


……………………………………………………………………………………………

…………………


昼過ぎ 研究所


カケル「学校早退しちゃったけど、今それどころじゃないよな」


カケル『ここで問題なのは、スネークが仮眠中でMk-Ⅱが研究所に近づけれない事なのよな』


カケル「まぁ、研究所にはチャルがいるから仕方ないけど、ゲットアミの保管場所に行かないと」


(管理者権限によってロックされています)


カケル「まじか、ロックが掛かっている、チャルじゃないと開けられないぞ」


チャル「私がどうかしました?」


カケル「うぉっ!?ビックリした」


チャル「それはこっちのセリフですよ、何故この時間帯に研究所にいるのですか?」


カケル「それは色々深いわけがありまして…」


チャル「まぁ深くは聞きませんけど、何かお手伝い出来ることはあります?」


カケル「あ、そうだ、このゲットアミを取りたいんだけど管理者権限によって開けられないんだ」


チャル「なるほど、防犯システムを張っていましたので、にしても何故ゲットアミを…」


カケル「素振りだよ素振り!いざという時に触れないとなれば洒落にならないから!」


チャル「そういう事ですか、承りました!」


カケル『よし、このまま何もなければ!』


チャル「にしても久し振りですよね、もう来ないのかと思っていました」


カケル「いや、それは無いんじゃないかな」


チャル「私は寂しかったですよ」


カケル「え?」


チャル「私はAIです、なのでカケルさんみたいに歳をとる事はありません、ですが同時に感情はあります」


カケル「チャル…」


チャル「私はデータ解析等は瞬時に仕事を終わらせるのに、ハカセは常海外と連絡を取らないといけなかったり忙しそうですし、ナツミさんは大学で帰ってくるのは夜だったり」


カケル「そんな状況なのか」


チャル「私は心配です、カケルさんの付近に不審な電波が度々観測されています」


カケル『うそ、感知されているの』


チャル「でもそれは危険性のあるものではないと踏んでいるので、今のところは何もせずにいますけど…」


カケル「考え過ぎだぜチャル、てかチャルは外に出れないのか?」


チャル「外に出ても何もする事がありません、お金もありませんしこの姿では」


カケル『確かに、チャルは昔のままの姿でいつからか、俺の胸元ぐらいまでしか身長がない』


カケル「ハカセに言って、バージョンアップして貰えよ、多分ハカセの事だからモデルケースとかあると思うぜ?」


チャル「は、はぁ」


カケル「それで俺と同じくらいになったら、今度外に出てみようぜ」


チャル「それは」


カケル「深く考えるなくてもいいじゃん、遊びに出るぐらいよ」


チャル「…あ、ありがとうございます」///


カケル「それじゃ、ゲットアミを借りていくぜ」


チャル「あ、はい」///


チャル『急に来て何を言い出すんですか全く!だからテレパシーが無いと何も予想できなくて不便ですよ!でも、嬉しいです…ハカセの許可を得たら服の選択から入って!!』///


…………………………………………………………………………


夕方過ぎ


カケル「それで結果は?」


オタコン【ゲットアミに付着されていた指紋と彼女の指紋は一致していることがわかった、よって彼女はハルカちゃん本人だよ】


カケル「喜ぶべきなのか分からないな」


スネーク『お前自身が考えることだ、周りが決めることじゃない』


オタコン【まぁ、彼女の最初の反応からみて、カケル君から歩みよれば何かしらわかる事があるかもしれないね】


カケル「今も保健室に居るのか?」


オタコン【今のところGPSからみて動きは無いね】


カケル「いつの間にGPSなんて付けたんだよ」


スネーク『用心はするに越した事はないからな』


オタコン【キャンベル大佐は、今回の事で日本に雷電の相棒を付けさせるとの事だそうだ】


スネーク『相棒?アイツに相棒…まさかローズか?』


オタコン【犬ぽいって言ってたけどもう着いてるんじゃないか?】


カケル「え?」


??「俺がそうだ人間」


カケル「うおっ!かっけぇ!」


ウルフ「俺の名前はウルフ、思考形態は人間と異なるが俺にも知性がある」


カケル「俺はカケル、よろしく」


ウルフ「お前の活躍は雷電から聞いている」


カケル「え、ほんと?照れるなぁ」


ウルフ「お前の事じゃない、中にいるソリッド・スネークの事を言っている」


スネーク『ウルフドック…雷電から聞いてはいたが、初めて見る』


オタコン【見た目に寄らず、雷電に忠実だから大丈夫だよ】


ウルフ「スネーク、まず俺がこの先の様子を視察する」


カケル「俺の名前で呼んでくれないかなぁ」


ウルフ「肯定と捉える、任せろ」サッ


カケル「うわぁ、聞いちゃいねぇ」


オタコン【蛇と犬かぁ、どうなる事やら楽しみだ】


カケル「そう言われても困るんだよなぁ」


オタコン【それで学校に行くのかい?】


カケル「あぁ、ハルカちゃん本人なら話を聞かなければならない」


オタコン【そうか、警戒しておくんだよ】


カケル「用心するさ」


ウルフ【今のところ、周りにサイファーなどの無人機の動きは無い】


カケル「了解、行ってくる」


……………………………………………………………………………………………


ハルカ「zzz」


カケル「まだ寝てたんだ」


スネーク『だが、もうそろそろ起こしたら起きるぐらいにはなっているはずだ』


カケル「ハルカちゃん、もうそろそろ下校時間だよ」


ハルカ「ぅーん、んぁ」


カケル「お、起きた」


ハルカ「この声はカケル君…だよね?」


カケル「ごめん、朝の時は気が付けなくて」


ハルカ「という事は…カケル君だよね」


カケル「そうだよ?ハルカちゃん急に倒れたと聞いたからビックリしたよ」


ハルカ「そうだったんだ…」


カケル「まだぼんやりする?」


ハルカ「ううん、大丈夫…そうだよね、カケル君はあんな表情見せない」


カケル「あんな表情?」


ハルカ「いや、なんでも無いの…でも」


カケル「ん?」


ハルカ「ようやくちゃんと会話が出来たね」


カケル「そ、そうだな…改めて言われると」///


ハルカ「そして、ようやく見つけた」


カケル「え?」


ハルカ「カケル君自身だよ」ギュッ


カケル「ハルカちゃん…」


ハルカ「結構傷付いたんだから、朝の態度」


カケル「ご、ゴメン、最近用心深くなってて」


ハルカ「なにかあったの?」


カケル「いや、釜山のことで…」


ハルカ「もしかしてあの時」


カケル「うん、俺もそこにいた、そして沢山の死体を見た」


ハルカ「私も似たような場面に鉢合わせちゃって」


カケル「え?」


ハルカ「イギリスからギリシャに行く際に、ピポサルの勢力がアドリア海上空に展開して空軍と戦闘状態になったことによって、緊急にモルドバのキシナウ国際空港に着陸することになったの」


カケル『どこそれ…』


スネーク『ウクライナの隣国だ』


ハルカ「そして、ピポサルの軍勢はキシナウ空港にも進出して来て、モルドバ軍が対処してたけどすぐに壊滅したわ…」


スネーク『モルドバ国軍の戦闘車輌の主力はBTR-60やBMD-1などのIFVだ、月光とかを扱っているサルと戦えば勝ち目はない』


カケル「それでどうしたの?」


ハルカ「皆、飛行機に乗るように指示されモルドバから出るように軍に指示された…」


……………………………………………………………………………………………

…………………


5ヶ月前 キシナウ国際空港 


「În prezent este suspendat」


ハルカ「ルーマニア語だから何を言っているのかわからない…」


 まだここが国際空港で助かった、何故なら電光掲示板に英語表記で表示されているからだ。

 現在、運行を見合わせていると書かれている、それにしても


ブゥオオオオン


 装甲車の走行が目立っている、ピポサルに掲載してだろうか。私は自分のライトメックの整備をしていた、イギリスの時のような事態がないとは言い切れないからだ。


 この慎重さが、ある意味予兆していたのか、空港内でサイレンが突然鳴り響いた、アナウンスがルーマニア語なので何を言っているのかわからないが、軍のヘリが鳴り響いていることから緊急事態なのは容易に理解出来た。


 それと同時に、運行を見合わせていた筈の旅客機のエンジン音が鳴り響く、どうやら飛行機で避難するようだ、しばらくもたたないうちに軍人が作業を中止して飛行機に乗れと片言な英語で話して来た。


 私は対空兵器があるかもしれないので、辞めた方がいいと伝えたが、事態はそれどころではないらしい、どうやら前線に投入された部隊は壊滅したとのことだ。軍人は指を指して早くあの飛行機に乗れとジェスチャーで伝えてきた。


 私は2機ある内の後半組らしい。私はライトメックに乗り旅客機に向かった。

 ターミナルに出ると既に前半の1機目が滑走路を走っていた、そして丁度機体と地面が離れて高度を上げる姿勢になった瞬間、南東の方角から飛来してきたミサイルによって撃墜され機体は炎上しバチオイの街に墜落した。


 尽かさずライトメックに搭載されているスコープで飛来してきた方角を確認したところ、ピポサル兵が直前まで接近して来ていたのだ。


 本来なら非武装装置を解除して迎え撃つところだが、飛行機に乗っけるにあたって武装部品を分解することになっていたので、交戦する兵器がない。この状態のライトメックで突入したところで焼き石に水であることは予想できた。


 すると上空から爆音が響かせて数機の攻撃機が急降下を始めた、所属機体はウクライナ空軍のSu-25(スホーイ25、スホイ25(ロシア語:Су-25スー・ドヴァーッツァチ・ピャーチ)であった。

 恐らく、ウクライナの首都キエフ防衛の為に派遣されたものだと思われる、攻撃機はミサイルやロケットで進行を続ける月光部隊を攻撃し、足止めすることに成功すると、ウクライナの軍用車両がゾロゾロと空港の滑走路を走り抜けた。


 しかし、このままだとピポサルが大量に死ぬことになる、私はライトメックに搭載されたゲットアミでピポサルをゲッチュする事にした。攻撃手段は無いが、軍が対峙しているので必要ないと判断した。


ハルカ「本来、ライトメックはスポーツマンシップにのっとって戦時利用することは禁止されているけど、これの場合は別よね」


 私は空港を抜けるウクライナ軍の戦車の背後に続きピポサル兵がいる戦闘地帯に足を踏み入れた。国際マークは日の丸になっていたが、日本の自衛隊だとは思わないだろう、戦禍に紛れピポサルをゲッチュし続けていく。

 基本的に兵器に搭乗しているピポサルが危険であって、ピポサル単体はレーザー銃という電流銃しか装備していないので殺傷能力は無いのだ。


 とは言え、ウクライナ軍側にも負傷者が出ており衛生兵と叫んでいた。その兵士は部隊から孤立しており、このままでは誘爆で死ぬのは目に見えていた。


ハルカ「大丈夫ですか?」


 ウクライナ人に通じるかわからないが、英語で話しかけるとウクライナ兵士は、片言の英語で助けてくれと叫んだ。

 私はライトメックのタンクの上にウクライナ兵士を乗っけ、安全な場所を探していると、ウクライナ軍の連隊を見つけた。しかし、安心も束の間ヘリの音が鳴り響く


 「赤い星のMiー24VハインドE!!ロシア軍のハインドだッ!!」


 ウクライナの兵士が叫び出すと、ライトメックを叩きここから離れろと言い出した。


ハルカ『攻撃してる。近くの山岳にピポサルがいるのかしら』


 しかし、ロシア軍は友軍の筈のウクライナ軍にも攻撃しているようにも見えた、それに対しウクライナ側もスティンガーで反撃していた、何故西側の兵器があるのか疑問が残るが


ハルカ「スティンガーを撃ってるのと別部隊ですか?」

 

「民間人に答えられん!!」

 

ハルカ「彼らは全滅です!貴方の隊をハインドから遠ざけてください!あの機体は人狩り専用です!!」

 

「どういう事だ!!」

 

ハルカ「センサーポッドを見て!あれは温度センサーです!!通常のLLLTV《ラドガ・F》が東欧サードパーティー製に換装されている。パイロットがその気になったら、彼らは丸見えです!!」


「なんだと、、、」


 荒らすだけ荒らした後、ハインドは赤い星の見せつけるかのように、低空飛行を続け捌けて行った


ハルカ「ふぅ危ないところでしたね」


「今のうちに避難するだなラッキーガール、普通はこんなところに一般人が居ていい訳ないんだから」


ハルカ「生憎、ロシア軍に歯向かった時点で一般人ではなくなりました、私も同行させてください」


「それは自業自得だろうが!」


ハルカ「そんな事を議論している時間はありません、あの人狩りハインドは直ぐに戻ってきます」


「ち、わかった。その代わり、このライトメックは目立ち過ぎる。俺らのトラックに乗せて搬送する、お前もそれに乗れチャイニーズ」


ハルカ「アジア人は全員中国人じゃない、私は日本人よ」


「そんな事どうでもいい、早く着いてこいヤポンスキー」


 こうして、私はウクライナ軍人に連れて行かれた。どうしてウクライナに協力することにしたのか、それは情報統制がされたロシア側に着くより、まだウクライナの方が待遇はマシだと思ったからだ。

 そして、約5ヶ月前に入隊し、その2ヶ月後には後悔した。ジャンヌダルクになる為に来た。と言いたかったが、本当は早くNATOや国連に身柄を引き渡してくれると思ったからだ。

 恥ずかしい話だけど、ここは私がいるべき場所ではない。身柄を引き渡すところか私は、バルカン半島でも南部の方にまで連れて行かれ、コソボ辺りまで来た辺りから、日本に帰れないことを悟った。


 そして今から約3ヶ月前、私は紛争地域にて白人同士の銃撃戦に参加していた。

 相手はロシア人かセルビア人、そして赤い星のマークが貼られた兵器、それしかわからない中、私はライトメックを駆使して、兵士を薙ぎ払った。

 幸いにもライトメックの武装化は、阻止する事が出来た。彼ら曰く俺たちは"奴ら"と違うという理由らしい。

 なので殺傷能力はないが、無力化は出来る。それに戦車と比べて小回りは効きやすいので、砲弾からの回避は簡単だった。

 しかし、自分の手で殺すことは無くても、後ろでライフルを構えている兵士が銃殺してしまう。これは戦争であって仕方がないと、現場の人間は言うのかもしれないが、平和育ちの日本で女子高生の私には、とても受け入れ難いことであった。


「全く、俺たちは誰と戦っているだろうな」


「昨日はサルだったのに、今日はセルビア人ときた」


「おい、ヤポンスキー、10時の方向にRPGを持った男がいる、障害物を利用しろ撃たれるぞ」


ハルカ「問題ない、先に手を打てばいい」


 ライトマックのアームは重機並みの力がある、そこら辺の瓦礫や車を持ち上げる事ぐらい容易い。

 私は、オンボロのセダン車を持ち上げると10時の方向に目掛けて投げ飛ばすと、後方にいる兵が手榴弾を投げ爆破させて、敵兵を爆風で吹き飛ばした。


「ヒュー!!やはりヤポンスキーにしておくには勿体ぜ」


ハルカ「そんなことを言ってる場合ですか、早く陣地移動してください、RPGに被弾したら元も子もないんですから」


「わかってる!援護射撃たのむ!」


「こちらイーグル!スナイパーとロケット兵がホテルに立て篭もって身動きが出来ない!方角230度、距離は教会から180メートル!どうぞ!」


ハルカ「近すぎる!もっと距離を取る必要がある!」


「時間がない、頭を低くしてろ」


「さぁ来たぞ!我が国の爆撃を味わえ!」


 すると、何処からか激しい爆音の音が通り過ぎたと同時に、敵兵が潜んでいたホテルが吹っ飛んでいた。


「ざまぁ見やがれ!お前らの負けだチクショ!このために俺は来たんだ!」


「どうした!ヤポンスキー!聞こえないのか!?」


ハルカ「・・・私は何をしてるんだろう」


「何をしている、吐きたいのか?」


ハルカ「大丈夫、問題ない」


 こうして、また新たな拠点を取り戻した。この紛争は拠点を奪われては取り返しての繰り返しであり、全く終わりの見えない戦いである。

 ハッチを開いてライトメックから出ると、車体は爆風や粉塵によって、所々汚れや傷が目立っていた。それはまるで、戦争地域に転がっている兵器と同じような姿であった。


 それに彼らはNATO軍でもなければ、国連平和活動の軍人でもない、ウクライナの軍人なのだ。当然、場合によっては彼らとも戦うことにも時間の問題だった。


 そこで、私は腰にロシア製の銃を忍ばせてある機会を伺ってNATOのイギリス軍側に亡命する事にした。

 不思議な事に彼らウクライナ軍人側は、私の事を処罰する事はなく、暗黙の了解のように見逃してくれた。そして、イギリス側は私を保護し日本との政治的交渉をした後に、横田の米軍基地を経由して帰国した。



 そして 現在に戻る



ハルカ「これが私の出来事よ、正直引いたでしょ?」


 彼女の腕などを見ると、所々傷跡が目立っていた。恐らく戦地で負った傷だろう。


スネーク『なんてこった』


カケル「掛ける言葉が見つからないとは、この事を言うんだな。気休めにしかならないや」


ハルカ「帰国してから私は、関係各所取り調べを受けさせられた後、国際便を使ってバラした銃を自宅へ運んだわ、それがこの銃よ」


 すると、彼女は偽装した物を壊し中からハンドガンを取り出した。


スネーク『マカロフ PMか、昔オセロットが本銃を愛用していたらしいが』


カケル「そんな物を握っちゃ駄目だ!!引き戻せなくなる!」


ハルカ「人こそ殺めていないけど、私は十分すぎるほど、銃に依存してしまってる」


カケル「そんなことない!」


ハルカ「そんなことあるわ!カケル君自身釜山にいたならわかるでしょ!?いつ死ぬかも分からない状況におかれたら!」


スネーク『まだ16の子供には厳しい現実だな、日本という平和な国で育ったなら尚更だろう』


ウルフ【レーダーに反応有り、恐らく先程の機体と同機と思われる、追撃する】


カケル「え?」


スネーク『聞いたな?切り替えるぞ』


カケル蛇「ハルカ、身体は動けるか?」


ハルカ「え?何故か腕が痺れてるけど歩けるぐらいには」


スネーク『麻酔の影響か、だが歩けるなら問題ない』


カケル蛇「それなら話は早い、どうやら囲まれたようだ」


ハルカ「え?」


ウルフ【スネーク、ドローンは仕留めて何処の組織か調べた、どうやら仕様は陸軍の物だが部品はロシア製も混ざっている、この雑な作りは何処かの国の軍隊ではない。

 それに、お呼びではない来客もいるぞ】


カケル『まさかピポサル!?』


ウルフ【アイツら、妙に動きが素早い、おそらく特殊部隊と見ていい】


カケル蛇「久しぶりの対面はアンタだけじゃなかったみたいだ、ピポサルが数匹いる」


ハルカ「うそ!?ゲットアミは?」


カケル『確かカバンの中に、拳銃型のゲットアミがあったはず、弾数が9発しかないから気をつけて』


スネーク『これか、用意周到だな』


カケル蛇「生憎これしかないが、ここでは銃はしまっておけ。足跡がつくことになる」


ハルカ「まって、銃の扱いは私の方が慣れてるわ」


カケル蛇「その前に君は怪我人だ、ここは大人しく着いてくるだけでいい」


ハルカ「わかった、今はカケル君を信じる」


カケル蛇「さぁ、猿蛇合戦第2ラウンド開始だ」


ウルス【スネーク、正面玄関下駄箱に3匹のピポサル兵だ、奴らサブマシンガンを装備している。用心しろ】


スネーク【こちらスネーク、オタコン話は聞いていたな、状況は?】


オタコン【警察や自衛隊に動きはないよ、奴ら暴れる事なく隠密行動してここまで来たと見て間違いないよ】


スネーク【サルの癖に一丁前だな】


ウルフ【スネーク、こっちが片付いたら合流した方がいいか?」


スネーク【いや、後方援護に回ってくれ、ハルカにまだ君の存在を明かしたくはない】


ウルフ【了解した、保健室前に奴らの存在は確認出来ない、そのまま正面玄関まで突っ切れ】


カケル蛇「さて、完全に囲まれる前に、ここから正面玄関まで突っ切るぞ」


ハルカ「わかった」


オタコン【そういえばスネーク、麻酔弾の薬莢は回収したのかい?】


スネーク【足跡を残さない、それがどうかしたのか?】


オタコン【いや、余計なお節介だっただけだよ】


スネーク【心配しなくてもここまで平和ボケはしていない】


オタコン【お節介ついでにもう一つ、ドローンやピポサルがうろついているのに、学校の教職員や在校生はやたらと静かだね】


カケル『たしかに!!』


スネーク【捕らえられたか?】


オタコン【可能性はあるね、僕はこの事で解析しておくよ、スネーク達は現場の事だけを考えてくれ】


「ウキッ!!」パァン!


カケル蛇「アイツらの武器はレーザーか?」


ハルカ「バルカン半島でも同じ物を使ってたわ。殺傷力はないけど、スタンガンと同じ威力があるから気をつけて!」


カケル蛇「動きは俊敏だが、頭隠して尻隠さずとはよく言ったものだ、尻が丸見えだ」パァン!


ゲッチュ!!


ハルカ「凄い・・・正確にヒットしてる」


カケル蛇「実弾と比べると、少々誤差があって癖があるが、慣れればどうってことない」


ハルカ「でも、アイツらは小柄な故にすばしっこいよ」


カケル蛇「そうだな、だがゲノム兵と比べると敵じゃない」パァン!!


ハルカ「え?」


オタコン【スネーク、やっぱり教職員や在校生はピポサル兵に銃で脅されていたよ。場所は、運動場と体育館と職員室だ。】


スネーク【敵の数は?】


オタコン【およそ20匹、捕獲という意味では無理な話だが、君の麻酔銃と彼女の持っている銃を使えば無力化出来る】


スネーク【それは極力避けたい、足跡を残すリスクと彼の意思に反する】


オタコン【だろうね、だから君達には時間を稼いで貰ってほしいんだ】


スネーク【何かする気か?】


オタコン【ヒロキ君に、カケル君の携帯経由でゲットアミを持って学校に行って欲しいと連絡している】


スネーク【この間に時間稼ぎしろということか】


ウルフ【話は聞いた、俺はどうすればいい?】


スネーク【人目につかないところにいるピポサルを無力化してくれ、言っておくが殺すなよ】


ウルフ【了解した】


ハルカ「どうしたの?ブツブツ呟いて」


カケル蛇「いや、なんでもない。それよりこれだけのピポサルがいるなら、部活動中の生徒が心配だ。」


ハルカ「そうだね、ここから一番近いところでいそうなところは?」


カケル蛇「体育館だ、とりあえずそこに行くぞ」


ハルカ「わかった、それとカケル君」


カケル蛇「どうした?」


ハルカ「ピポサルを無力化させるだけなら問題ない?」


カケル蛇「どうするつもりだ」


ハルカ「私ね、こう見えても強いの」ポキッ


カケル蛇「なるほどCQCか、問題ない」



体育館……………………


「zzz…」


ハルカ「いくらピポサルでも入り口の警備ぐらいしっかりしてほしいわね、敵だからラッキーだけど」


スネーク『ウルフの仕業か』


カケル蛇「手間が省けた、行くぞ」


ハルカ「ゲッチュは?」


カケル蛇「弾丸も有限だ、既に無防備になっているピポサルに対して使う余裕は無い」


ハルカ「あ、そうだった」


カケル蛇「既にヒロキにも今回の事を伝えている、そう言ったピポサルはヒロキに捕まえて貰えばいい」ギュッ


ハルカ「でも手足は縛るのね」


カケル蛇「縄ではなく、そこらへんの生えている雑草で強度は無いが、長時間拘束するわけではないし簡単に解けないから安心していい」


ハルカ「は、はぁ」


カケル蛇「それより残り残弾が後7発だ、体育館の舞台前で構えているピポサル兵は4匹、2階に上がっている監視が2匹。ハルカ?上に上がって物音を立てて物陰まで引き寄せろ」


ハルカ「誘導作戦ということ?」


カケル蛇「そうだ、気がそっちに向いている間に一気に畳み掛ける」


ハルカ「わかったわ、タイミングはどうする?」


カケル蛇「それはお前のタイミングに任せる」


ハルカ「了解」


スネーク『とは言っても、6匹ともライフル型のレーザー銃を装備している。ハルカ曰く殺傷力はないと言っていたが、必ずとも限らない・・・』


カケル『それでハルカちゃんを退げたの?』


スネーク『そういう訳でもないが・・・まぁいい』


カケル『?』


ガッシャーン!!!


「ウキッ!!」


スネーク『上のピポサルが2匹物陰に向かった、そして舞台前からは1匹こちらに向かってきた』


カケル『ハルカちゃんは強なったといえ、女の子なんだからちゃんと見ないと!』


スネーク『戦闘の邪魔だ、大人しくしてろ』


ハルカ「ていっ!」


ドンッ!!


「ウキッ!?」スタスタ!


カケル蛇「迂闊に物陰に近づもんじゃないな」トンッ


「グギィ!」


「ウキキッ!!?」アタフタ


カケル『陣形が乱れた!』


「ウキッ!!」


カケル蛇「遅いっ」パァン‼︎パァンパァン!!


ゲッチュッ!!


カケル蛇「こっちは片付いた、そっちは?」


ハルカ「こっちも大丈夫!!」


「た、助かった…」


「ありがとうございます!」


カケル蛇「ここで何があった?」


「えーとですね、私たちバレー部なんですけど、いつも通りに練習してたら突然サル達が現れまして」


カケル蛇「そしたらこの銃で脅されたと」ガチャ


「はい、突然の出来事にどうすることも出来なくて」


スネーク『この重さと仕掛け、見た目こそ小型でオモチャのようだが』


スネーク【オタコン、この銃をどう見る】


オタコン【ハルカちゃんが言っていたレーザー銃にしては仕掛けがシンプルな気がするね、見た目こそオモチャのようだけど、薬莢を弾いた痕跡が見える】


スネーク【つまりこれは】


オタコン【レーザー銃じゃなくて、普通の銃と変わらない可能性があるね】


スネーク【なんてこった】


オタコン【少なくとも、この銃は生徒達の手が届かない所へ持っていく必要がありそうだね】


「どうかされました?」


カケル蛇「いやなんでもない、ところでここで練習していたのは女子だけか?」


「それがですね…男子部員は」


「キキッ!!」スチャッ


カケル蛇「!?」


「ヒィッ!?」


カケル蛇「しまった!まだ隠れてたのか!」スッ


ハルカ「伏せてカケル君!!」スチャッ


カケル蛇「よ、よせ!!」


バババババッ‼︎


「ウキッ!?」


「キャァア!!!」


ハルカ「うそっ!?なにこれ!?」


カケル蛇「やはり実弾だったか、それよりも」スチャッ


「キィ」


カケル蛇「お前の確保が先だ」パァン


ゲッチュ‼︎


ハルカ「こ、これって」


カケル蛇「ハルカ!今構えている銃を持って降りて来い」


ハルカ「わ、わかった」


カケル蛇「アンタ達は外に待避して、安全なところまで避難するんだ」


「き、君たちはどうするの?」


カケル蛇「俺たちの心配より自分の心配をするんだな」


「わかった、でも気をつけて」スタタッ!


ハルカ「カケル君、この銃って本物よね」


カケル蛇「あぁ、しっかりと殺傷能力のあるライフル銃だ」


ハルカ「そんな!今まではレーザーだったのに!」


カケル蛇「それだけ俺たち人間を懲らしめたいのさ、奴らは」


スネーク『といっても、これだけのものを扱うよう教育させた奴は一体何が目的だ?』


カケル蛇「残り弾薬が3発、心細いな」


ズシンッ…ズシンッ…


ハルカ「ねぇ、何か揺れてない?」


カケル蛇「嫌な予感がする、物陰に隠れるぞ」


ハルカ「わかった」


オタコン【大変だよスネーク!!なんだか蜘蛛みたいな奴がそっちに向かってる!】


スネーク【蜘蛛だって?】


ウルフ【2人とも伏せろ!】


カケル蛇「っ!?伏せろ!」ガバッ!


ハルカ「!?」


ガッシャン!!!!!


〈ゴゴゴォオオ!!!


カケル蛇「これは・・・何かの脚か?」


ハルカ「っ!?カケル君!そこから離れて!」


カケル蛇「こいつの事を知っているのか?」


ハルカ「ヨーロッパと同じ機体なら股の下に火炎放射器が備えられているはず!」


カケル蛇「なんだって?」サッ


オタコン【大変だスネーク!突然大きな蜘蛛が!】


スネーク【その蜘蛛と出会したところだ、オタコン】


オタコン【月光の発展型というわけでもなさそうだね】


スネーク【そもそもコイツはどこから現れた?この図体ならオタコンやウルフが察知していてもおかしくない】


オタコン【ワープループを使用したんだ】


スネーク【なんだそれは】


オタコン【あのピポサル兵と同じだよ、アイツら何事もなく突如湧いて出てきただろ?】


スネーク【そんなSF映画みたいなことが】


オタコン【スネーク自身も身をもって経験しているはずだよ、ハカセの研究所にも転送装置があるじゃないか】


スネーク【!?】


オタコン【それと同じ原理というわけさ、だから何処からか意図的に送られてきているだ】


ハルカ「カケル君!!」


カケル蛇「どうした!?」


ハルカ「この兵器にライフルは効かない!ここは退くしかないよ!」


カケル蛇「先に行け!俺が引きつける」


ハルカ「わかった!一階のロッカールームで落ち合いましょう!」


カケル蛇「さて、手榴弾でも効いてくれるといいが」スチャッ


オタコン【いつの間に手榴弾を】


カケル蛇「用事しておいて損はない」


〈グゥオオオオ…………


カケル蛇「先に脚を折る、ウルフ!」


ウルフ「俺を呼んでも大丈夫なのか?」


カケル蛇「ここには誰もいない」


ウルフ「そうか、俺も応戦するべきか」


カケル蛇「お前はピポサル兵の残党を頼む、ゲットアミを貸そう」


ウルフ「まるでカマイタチのようだな」


カケル蛇「中々に似合っているぞ」


ウルフ「用はこれだけか、もう行くぞ」


カケル蛇「最後に、手榴弾は持ってないか?」


ウルフ「俺の背中に手榴弾を潜ませてある、取っておけ」


カケル蛇「流石雷電の相方だな」


ウルフ「フンッ」シュッ!


オタコン【思うんだけど、背中に潜ませておいたら衝撃で誤爆とかしないんかな】


スネーク【気を引き締めるためだろ】


オタコン【ロボットなのに?】


ウルフ【聴こえているぞハル・エメリッヒ】


オタコン【うわっ、誰かさんと似て地獄耳みたいだ】


カケル蛇「とりあえず、あれを対処してからだな」


〈グゥオオオオオ


オタコン【スネーク、本体より脚部を破壊した方が良さそうだね】


カケル蛇「それより先に銃座を破壊する、カケル起きてるか?」


カケル『もちろん』


カケル蛇「これからこういった事が頻繁に起こる可能性がある、だから身体で多少は覚えておけ」


オタコン【スネーク!一応彼はまだ】


スネーク【一般人?まだ少年?そんな事を言ってる状況じゃない】


ゴゴゴゴゴゴォォ


カケル蛇「いいか、手榴弾にも色々タイプがあるが基本的には、ネズミ捕り式信管装置で出来ている。安全ピンを抜くことで開放された撃鉄は、安全レバーを弾き飛ばしつつ約180度回転して、信管上部の雷管を叩き、雷管から発生した火焔によって延期薬が着火する。燃焼したのちに、信管下部の起爆薬に引火して炸裂させるまでに掛かるのに約4秒だ」


カケル『簡単に言えば?』


スネーク『つまりピンを抜いて4秒後に爆発する、こうやって』ピッ


ドゴォオオオオオン!!!


スネーク『抜いてから1.5秒程経ってから投げるといい、本体はむりでも銃座ぐらいは破壊出来るだろう』


カケル『な、なるほど』


オタコン【スネーク、日本の警察車両数台がそっちに向かっているみたいだ】


スネーク【日本の警察は優秀じゃなかったのか?少し遅くないか?】


オタコン【なにしろこんなデカいのが突然前触れもなく出現したんだ、周りの人からすれば慌てふためくだろうし、交通状況も一気にめちゃくちゃになるよ】


スネーク【だが到着したところで、S&W M37リボルバー銃ではどうにもならないだろう】


オタコン【こんなけ派手に暴れているんだ、太刀打ち出来ないとしても向かわないといけないんじゃないかな?】


スネーク【恐らく鎮圧というより、避難誘導に転じそうだがな】


オタコン【だろうね、だから警察の機動隊もヘリで向かってきてる】


スネーク【ウルフを見られると厄介だ、一時撤退だ】


ウルフ【了解】


<ウッキー!!


カケル蛇「アイツら校舎の屋上に登り出したぞ」


カケル『でも、日本の機動隊は訓練を積んでいるはずだから、ピポサル兵ぐらいは鎮圧できるんじゃない?』


スネーク『ピポサルだからって甘く見ていると痛い目を見るぞ?』


オタコン【スネーク、民兵は素人同然だと僕が言ったの覚えてる?】


スネーク【ピポサル兵と被せているのであれば、天を仰いで絶望するほど酷い戦いぶりってわけでも無いぞ】


オタコン【うん、それはそうだよ。奴らの中には数年前に引き起こした、ミリオン事件を経験している猿がついていて、かなり的確な戦闘指揮を行っているんだから】


カケル『ミリオン事件って、あの空中戦艦の』


オタコン【実際に現場で動いていなかったから見落としたかもしれないけど、周囲に号令を出したり合図を送っている猿がいる筈だ】


スネーク【そいつが指揮を図っているわけか】


オタコン【他の猿は大きく依存している筈だから、そこを叩けば指揮系統が乱れが生じて戦闘力の低下に繋がるだろう】


スネーク【わかった、だが先にコイツをどうにかしないと始まらないだろ】


オタコン【今ある武器でどうにかなる相手じゃない、ここは当初の予定通り退くのが懸命だよ】


スネーク【それもそうだな、ハルカの事も心配だ】


オタコン【幸いなことに、先の爆発による粉塵と黒煙のお陰でヤツは君たちを見失っているようだから今がチャンスだよ】


…………ロッカールーム


ハルカ「大丈夫かなカケルくん」


???「まさか君がいるとはね」


ハルカ「っ!?誰!?」


ブルー「何年振りの再会だろうな、すっかり大人らしくなったじゃないか、ウッキーブルーだ」


ハルカ「貴方どうしてここに」


ブルー「見てわからないか、奇襲しに来たんだ」


ハルカ「ということは貴方が、ここの頭を張っているのね」


ブルー「本来なら俺ではなくホワイトが担当だったが、あの老耄が隣国でおっちんでしまったから作戦を引き継いだということだ」


ハルカ「そう、でも貴方達はこんな軍事作戦というより、もっと雑な作戦やワンマンなイメージがあるけど」


ブルー「いつの話をしている、変わったのは自分たちだけかと思いか?それに、我々の目標達成の為に以前のような生温い作戦だと意味がない」


ハルカ「目標?」


ブルー「ま、それぐらいは話してもいいだろう。我々の目標は、人類に対する反乱だ」


ハルカ「反乱なんて以前と同じじゃない」


ブルー「言い方が悪かったな、主導権、食物連鎖のトップになることと言った方が正解だろう」


〈ウッキィ!!


ハルカ「増援!?」


ブルー「ただの兵士じゃない、独自のヘルメットとボディスーツに身を包み身体強化機能がある、カタパルト無しで高く跳躍できるほどにな」


カケル蛇「そして、更に壁や天井に張り付く事も可能で、尚且つ感覚が強化されており、暗視モードのソリッドアイ等が発するわずかな音に反応するだろ?」


ブルー「っ!?」


ハルカ「カケルくん!」


カケル蛇「どこからこの技術を入手したのか教えて貰おうか」


ブルー「そうか、事前に情報が入ってきてまさかと思っていたが、なるほどそういうことか」


オタコン【スネーク!複数の機影を確認!】


ウルフ【先のドローンと同型機だがどうする】


ブルー「もはやアメリカの手先となった貴様らに話すことなどない」


ハルカ「アメリカ?どういうことよ!!」


カケル蛇「ということは、外のドローンは第三者による襲撃か」


オタコン【どうするスネーク】


カケル蛇「よし、右に飛べハルカ!」


ハルカ「っ!?」サッ


カケル蛇「ウルフ!!」


ウルフ「ガァア!!」ダダッ!!


ブルー「オオカミだと?」


































このSSへの評価

3件評価されています


SS好きの名無しさんから
2022-12-17 14:23:00

SS好きの名無しさんから
2021-08-30 16:26:27

SS好きの名無しさんから
2021-07-28 19:46:25

このSSへの応援

4件応援されています


SS好きの名無しさんから
2023-11-10 13:16:56

SS好きの名無しさんから
2022-12-17 14:23:03

SS好きの名無しさんから
2021-08-25 22:03:13

SS好きの名無しさんから
2021-07-28 08:33:35

このSSへのコメント

2件コメントされています

1: SS好きの名無しさん 2021-07-28 08:36:57 ID: S:uel1pJ

久しぶりに投稿された!!!!!

2: SS好きの名無しさん 2021-08-06 10:02:43 ID: S:qZpu82

好き


このSSへのオススメ


オススメ度を★で指定してください