第1巻 第29話 ハヤメノ
2017年5月中旬 アメリカ ビッグバーグ病院
? 「お嬢様、本当にもう日本に戻られるのですか?」
? 「当たり前じゃない曜子。リハビリも済んだし、まさかあんな治療法が18歳から出来てこんなに早く完治するなんて思わなかったもの。」
曜子 「しかし、お嬢様はすでに高卒認定試験も合格しましたから確かに来年度から大学に通う事は可能でしょうが、一条さんは本当に桐崎さんと交際を始めたそうです。」
? 「そんな事は大した問題ではありませんわ。あの方とは高校時代から楽様を奪い合って来ました。
奪う相手が偽物から本物の恋人に変わるだけの事ですわ。」
2人はその2日後、飛行機にて凡矢理へと1年半ぶりに舞い戻る
その頃、凡矢理市内スペクトル凡矢理
705号室
日曜日
千棘 「ダーリン!早く行こーよ!」
楽 「ああ、悪い千棘。まだバッグの中が準備しきれてねぇんだ。」
10数分後、凡矢理市内映画館
楽 「よーし、今日はニャックを見るぞ。」
千棘 「あんた、ホントそれ好きよねぇ。」
楽 「感動するんだから良いだろ?あ、そうだ。今日は夜につぐみが訓練を付けてくれるって言ってたから、今日のデートは17:00までな。」
千棘 「いいわよー。私も早く楽にもっと強くなって欲しいし、頑張って来てよね!」
楽 「おうよ。」
その頃、鶫
とあるホームセンター
鶫 「えーっと、籠手の札の的にする板はこの位でいいか。」
カタッ
鶫は買い物カゴに楽の星神としての訓練に使う物を揃えていた。
鶫 「今日は蒼也も別の任務でいないし、射撃術を教えてやるか………」
? 「あら?そちらにいらっしゃるのはもしやつぐみさん?」
鶫 「?誰だ?凡矢理高校の者かーーーー!」
? 「やはり。髪は長くなっていますが一年の3学期から1年間同じ席だったのですから、嫌でも顔は覚えていましたわよ。」
鶫 「貴様………何故日本にもう?貴様の体の治療にはあと半年はかかる筈では無かったのか?」
? 「いえ、私(わたくし)もそう思っていたのですが、18歳の誕生日に今まで思いもしなかった治療法が許されましてね。
予定よりだいぶ早く治療とリハビリが進んだと言う訳です。」
鶫 「18歳の誕生日、今まで思いもしなかった、……………!まさかお前?」
? 「はい。お察しの通りです。
私もすでにその力は持っていますよ。」
鶫 「まさか………貴様まで素養があったとはな。」
? 「ええ、私も驚きましたが。
それより、楽様は今どちらに?
帰って来たからには是非とも早速挨拶に伺いたいのですが。」
鶫 「いいだろう…私は今日の夜に用事で一条楽とお嬢に会う。
お前も来るといい。」
第29話 完
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