第1巻 第235話 サイゴノ
2017年10月26日(木) 15:00
凡矢理大学
バドミントン部、練習場前、LRT(ラブ リアル テスト)の会場
冬吾 「さーて、今日は俺たちのLRT(ラブ リアル テスト)の最後の仕上げ、[link_sstoko: SS投稿速報作品URL ]
最後の関門の準備をするぞ!」
楽 「おう。
しかし冬吾お前、俺と同じ蛍(ほたる)に頼まれただけの手伝いの助っ人なのに、
見事にこのイベントの参謀(さんぼう)みたいに活躍したな………。」
冬吾 「やだなー、楽。
やるからには盛り上げないと、
イベントってものは、つまらないでしょ?」
楽 (………冬吾、やっぱりお前、誰かさんにソックリだわ。)
楽 「しっかし、見事なイベント会場が出来たなーー。
コレ、本当に大学祭の学生間だけで準備したイベント会場か?」
楽の言う通り、色を塗ったダンボールで、
蛍(ほたる)の所属するバドミントン部の練習場の体育館前に作られたLRT(ラブ リアル テスト)のイベント会場は、
ピンク色のダンボールの壁、
各関門の5〜6個の部屋、
それらを繋げる廊下など、
とても二十歳(ハタチ)前後の学生達の手だけで作ったとは思えない出来だった。
冬吾 「まあ、俺の知り合いの建築作業員の皆さんや、デザインが出来る人に手伝って貰ったからねーー。」
楽 「………相変わらず、お前の人脈は集以上にスゲーな………。
流石、星物書き(ほしものかき)。
星神界のジャーナリスト。」
蛍(ほたる) 「ん?楽、星物書き(ほしものかき)って、何?」
楽 「!な、なんでもねーよ!」
楽 (あぶねー、あぶねー………。)
楽 「で、蛍(ほたる)最後の関門ってのはなんなんだ?
やっぱり、今までと同じ様に何か部屋とか準備するのか?」
蛍(ほたる) 「いや、最後の5つ目の関門は
すでに出来てるゴール目前の部屋に、
机と椅子(イス)を置くだけでいいんだ。
最後の関門は、ただの質問だからね。」
楽 「質問?」
蛍 「うん。
イベントに参加してくれてるお客さんのカップル2人に、
今まで2人で行った思い出で、1番楽しかった思い出や、嬉しかった思い出、
大事な思い出を聞くんだ。」
楽 「なっ!
カップルにそれぞれ、1番大事な思い出を聞くのか?」
蛍 「うん。
それをウチの部の付き合ってる、
男子バドミントン部の人と、女子のマネージャーの人が、
恋愛としてどれだけ素敵か判断するんだ。」
楽 (………俺の1番大事な千棘との思い出………
そりゃ、天駆高原(てんくこうげん)で、千棘とお互いに告白し合って結ばれたあの日だろうけど、
千棘もそう思ってくれてるかな………。)
楽 (………いや、千棘も俺も、
付き合ってても、俺もあいつも違う人間なんだ、違っててもいい、
俺は俺の1番大事な思い出を正直に話そう。)
蛍(ほたる) 「?どうしたの、楽。」
楽 「あ。いや、何でもない………。」
第1巻 第235話 完
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