2019-06-01 23:05:49 更新

2017年10月24(火) PM:15:30


凡矢理大学


バドミントン部練習場近く

大学祭のバドミントン部のイベント、

LRT(ラブ リアル テスト)の会場前


蛍(ほたる) 「え?恋人同士で手を繋いでの橋渡り?」


楽 「ああ、LRT(ラブ リアル テスト)の関門は3つまでは決まったけど、

数が多い方がお客さんも楽しめるだろ?

なら、そういうのもいいかなぁって、

昨日、思い付いたんだ。」


冬吾 「まあ、俺も関門は多い方がいいとは思うけど………。

で、楽。

それって、具体的にどんな関門なんだ?」


楽 「ああ、会場内のダンジョンに、

細い橋みたいな道が二本通ってる部屋を作って、

その部屋でカップル同士が、手を繋いだまま橋を2人で渡るんだ、

息の合ったカップルなら、クリア出来るだろ?」


冬吾 「なるほどな………。

それ、いいかも!」


蛍(ほたる) 「あ!

でも楽、それって危なく無い?

それを出口まで渡り切れずに下に落ちちゃったら、

お客さんケガしちゃうかもしれないよ?」


楽 「ああ、

だから橋の下には、マットをしいておいて、

落ちてもケガしないようにしておくんだ。」


冬吾 「なるほど………。

よーし、試しに作ってみよう。

おーい、建設作業員のみなさん、頼むよ!」


建設作業員一同 「はーい!」


楽 「また出たな………。」


トンテンカンカン トンテンカンカン………



そして、小一時間後(こいちじかんご)………



建設作業員一同 「出来ましたーー。

久野くーん!」


冬吾 「ご苦労様ーー!」


楽 「スゲーー、

たったの1時間で一部屋を組み立てちまった………。

冬吾、お前の知り合いって、

一体どんな人脈なんだ………?」


冬吾 「アハハ………

楽、それはヒ・ミ・ツ、だよ♪」


楽 「冬吾………やっぱりお前、集にそっくりだわ。」


冬吾 「ん?

楽、集って誰?」


楽 「俺の幼馴染で悪友だよ。

それにしても………

俺のアイデアを忠実に再現して、しっかり作ったなーー。」



楽の言う通り、LRT(ラブ リアル テスト)の会場のダンジョン内の一室に、

床が抜けて、入り口から出口にかけて2つの道が架かり、

その間は、それぞれを歩いている2人が手を繋げる程に離れている。

そして、底の抜けた床の下には、

道から落ちても大丈夫な様に、

マットが敷いてある。



楽 (俺と千棘、この関門をクリア出来るかなぁ………。)


楽 (いや、俺たちは高校時代からもう3年半以上、最初はあんだけ仲悪かったのに、

少しずつお互いの良いところを分かり合って、

少しずつ仲良くなっていったんだ。

そこらの、最初から仲良かったカップルには、

息の合い具合や、コンビネーションじゃあ負けない筈だ。

大丈夫だ!)


冬吾 「ん?

楽、何1人で考え込んでるんだ?」


楽 「なんでもねーよ!

さあ、4つ目の関門も出来たし、

今日はもう帰ろーぜ!」


第1巻 第229話 完


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