第1巻 第229話 ツナイデ
2017年10月24(火) PM:15:30
凡矢理大学
バドミントン部練習場近く
大学祭のバドミントン部のイベント、
LRT(ラブ リアル テスト)の会場前
蛍(ほたる) 「え?恋人同士で手を繋いでの橋渡り?」
楽 「ああ、LRT(ラブ リアル テスト)の関門は3つまでは決まったけど、
数が多い方がお客さんも楽しめるだろ?
なら、そういうのもいいかなぁって、
昨日、思い付いたんだ。」
冬吾 「まあ、俺も関門は多い方がいいとは思うけど………。
で、楽。
それって、具体的にどんな関門なんだ?」
楽 「ああ、会場内のダンジョンに、
細い橋みたいな道が二本通ってる部屋を作って、
その部屋でカップル同士が、手を繋いだまま橋を2人で渡るんだ、
息の合ったカップルなら、クリア出来るだろ?」
冬吾 「なるほどな………。
それ、いいかも!」
蛍(ほたる) 「あ!
でも楽、それって危なく無い?
それを出口まで渡り切れずに下に落ちちゃったら、
お客さんケガしちゃうかもしれないよ?」
楽 「ああ、
だから橋の下には、マットをしいておいて、
落ちてもケガしないようにしておくんだ。」
冬吾 「なるほど………。
よーし、試しに作ってみよう。
おーい、建設作業員のみなさん、頼むよ!」
建設作業員一同 「はーい!」
楽 「また出たな………。」
トンテンカンカン トンテンカンカン………
そして、小一時間後(こいちじかんご)………
建設作業員一同 「出来ましたーー。
久野くーん!」
冬吾 「ご苦労様ーー!」
楽 「スゲーー、
たったの1時間で一部屋を組み立てちまった………。
冬吾、お前の知り合いって、
一体どんな人脈なんだ………?」
冬吾 「アハハ………
楽、それはヒ・ミ・ツ、だよ♪」
楽 「冬吾………やっぱりお前、集にそっくりだわ。」
冬吾 「ん?
楽、集って誰?」
楽 「俺の幼馴染で悪友だよ。
それにしても………
俺のアイデアを忠実に再現して、しっかり作ったなーー。」
楽の言う通り、LRT(ラブ リアル テスト)の会場のダンジョン内の一室に、
床が抜けて、入り口から出口にかけて2つの道が架かり、
その間は、それぞれを歩いている2人が手を繋げる程に離れている。
そして、底の抜けた床の下には、
道から落ちても大丈夫な様に、
マットが敷いてある。
楽 (俺と千棘、この関門をクリア出来るかなぁ………。)
楽 (いや、俺たちは高校時代からもう3年半以上、最初はあんだけ仲悪かったのに、
少しずつお互いの良いところを分かり合って、
少しずつ仲良くなっていったんだ。
そこらの、最初から仲良かったカップルには、
息の合い具合や、コンビネーションじゃあ負けない筈だ。
大丈夫だ!)
冬吾 「ん?
楽、何1人で考え込んでるんだ?」
楽 「なんでもねーよ!
さあ、4つ目の関門も出来たし、
今日はもう帰ろーぜ!」
第1巻 第229話 完
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