「セッ〇スとは何ですか?」
忠実で真面目な朝潮がどこで知ったのか、周りに質問をするが当の質問をされた艦娘たちは・・・
駆逐艦朝潮から突然の一言が、
「セッ〇スとは何ですか?」
質問された重巡の摩耶と鳥海が一瞬耳を疑った。
「え~っと、今何て言った?」
摩耶がもう一度聞く、
「すいません、聞きづらかったですかね・・・ではもう一度、「セッ〇スとは何ですか?」」
「・・・・・・」
「聞き違いではない」と思った摩耶。
「う~ん、それはな。」
恥ずかしいのか、急に顔を赤くする摩耶。
「すいません、急にやって来てこんな質問をして申し訳ないのですが、ちょっと気になってしまいまして・・・」
朝潮は深々と頭を下げる。
「いや、別にいいけど。 その・・・何て説明すればいいかなぁ。」
摩耶は答えづらく、頭を掻いた。
「やはり答えるのは難しいですか? そんなに難しい意味なんですね・・・」
「・・・・・・」
「嫌、そういう意味ではないんだけど。」と思った摩耶。
「鳥海さんは分かりますか?」
「・・・そ、そうですね。」
摩耶同様に恥ずかしいのか、顔を赤くする鳥海。
「摩耶さんと鳥海さんが顔を赤くしている・・・セッ〇スとはそんなに恥ずかしい事なんですね!」
「・・・・・・」
「うん、恥ずかしい!」と2人は互いに会釈する。
「ごめんなさい、私たちではちょっと説明できないわ。」
鳥海は謝って、
「構いません、いきなり何の前触れもなく聞きに来た私にも原因があります。 他の方々にも聞いてみます、
摩耶さん、、鳥海さん、ありがとうございました!」
朝潮は部屋から出て行った。
「ふぅ~・・・行ったか。」
摩耶は深く息を吸った。
「何でまたあんな質問が飛んできたんだ?」
「・・・・・・」
2人は朝潮が何故そんな質問をしてきたのかが分からなかった。
・・・・・・
「誰か知っていそうな方は・・・」
朝潮は知っていそうな艦娘を探していて、
「! そうだ! 艦隊の頭脳の”霧島”さんなら分かるかもしれません!」
そう思って朝潮は霧島の部屋へと向かう。
「霧島さん!」
部屋に入ると、
「あら、朝潮さん。 どうしたんですか?」
部屋には霧島と榛名がいた。
「霧島さんにお聞きしたいことがあります!」
朝潮が改める。
「私に? ふふ、この艦隊の頭脳の私に何を聞きたいのかしら?」
メガネをクイッと動かして、自信満々な表情をする霧島。
「私に答えられない事はありません! 何でも聞いてください!」
「流石霧島さん! では、お聞きします!」
朝潮は元気よく、
「セッ〇スって何ですか?」
「・・・・・・」
霧島の部屋の空気が一瞬凍り付いた。
「・・・え~っと、何て言ったのかしら・・・もう一度言ってもらえる?」
「聞き違いかしら?」と、霧島は敢えてもう一度訪ねた。
「すいません、聞こえませんでしたか? ではもう一度言います・・・「セッ〇スって何ですか?」
「・・・・・・」
「聞き違いではなかった。」と確信した霧島、しかし、
「それはですね・・・う~ん、何と説明すればいいんでしょう。」
霧島も顔を赤くして無言になる。
「やはり難しいんですね、先ほど摩耶さんと鳥海さんにもお聞きしたのですが、答えられませんでした。」
「・・・・・・」
「それはそうです!」と思った霧島。
「榛名さんはこの意味を知っていますか?」
思い詰める霧島をよそに朝潮は榛名に尋ねる。
「そうですね、分かりやすく言うと・・・」
榛名は素直に答えた。
「”性別”って意味ですよ。」
無難な答えを言った。
「? 性別・・・ですか?」
「そうです、英単語でs・e・x、意味は性別って言うんですよ♪」
側で見ていた霧島も、
「まとめた、すごい!」と驚きを隠せない。
「ですから、恥ずかしくもないし誰でも知っている言葉ですよ♪」と明るく返す榛名、しかし、
「でも、海外戦艦の方によるとセッ〇スは「とても気持ちいい!」と言っていたのですが?」
流石の榛名も、「そ、そうなのですか?」とたじたじ。
「はい、とても酔っていて「寝る前に一発セッ〇スするわ!」と言ったっきり、爆睡してしまって・・・私はその言葉が
とても気になって頭から離れないんです!」
「・・・・・・」
真面目な表情の朝潮に何も答えられない霧島と榛名。
「すいません、部屋に入っていきなりこんな質問をしてしまって。」
朝潮は深々と礼をして謝り、
「自分も少し考えてみます。 霧島さんに榛名さん、ありがとうございました!」
と、その場を後にした。
・・・・・・
「う~ん。」
部屋に戻っても朝潮は難しい顔をしていた。
「何をそんなにしわを寄せているのかしら?」
横から満潮が話しかけてきた。
「ちょっとね、分からない言葉があって戦艦や重巡に聞いてみたけど、誰も答えられなくて。」
「ふ~ん、それで? 一体何を調べているのかしら?」
満潮が聞くと、
「・・・多分知らないと思うけど、一応聞こうかな。 セッ〇スって意味知ってる?」
「・・・・・・」
「やっぱり、その表情から察するに、満潮も「わからない」って顔ね? それもそうよね、戦艦の方でもわからないんだから。」
「・・・・・・」
「素直に海外艦の方から聞いた方がいいかな? ちょっと海外艦娘寮に行ってくる。」
そう言って、朝潮は部屋から出て行く。
「・・・・・・」
満潮は思った。
「何故に知りたいわけ?」と・・・
・・・・・・
「え~っと確か、ここの部屋の方だったはず。」
朝潮は扉を叩き、
「Hi! あら、あなたは朝潮ちゃんじゃない?」
海外戦艦の「アイオワ」が出てきて、
「突然伺って失礼します! 今日はアイオワさんに質問があり、ここを訪れました!」
「What? meに質問? Ok! 何でも聞いて!」
アイオワが朝潮を部屋に入れる。
「飲み物はジュースでいいかしら?」
「いえ、そんなお気になさらず!」
部屋には、これから飲むのかサラトガとビスマルクが既に座っていて、
「はい、朝潮ちゃん。」
朝潮にオレンジジュースを出す。
「あ、ありがとうございます!」
「・・・それで? 真面目で元気な朝潮ちゃんがmeに何の質問かしら?」
アイオワの質問に、
「この前、アイオワさんが酔った勢いで言っていた言葉の意味が知りたいのです!」
「・・・私が言った言葉? well・・・よく覚えていないけど、何て言ってたかしら?」
アイオワの質問に朝潮が率直に、
「セッ〇スとは何ですか?」
「・・・・・・」
一瞬、サラトガとビスマルクが吹き出し掛けて、
「ちょっとアイオワ! あなた子供にそんな言葉を教えたの!?」
「アイオワ! いくら何でも早すぎない!?」
と、2人からブーイングを受けるアイオワ。
「う~ん・・・私、そんなこと言ってたかしら?」
覚えがないようで、困りつつ尋ねるアイオワ。
「はい、確かお酒をたくさん飲んでいて、廊下で出合い頭に「一発セッ〇スするわ!」と言ってました!」
「・・・(恥)」
「その場にいた私が「それは何ですか?」 と聞いたら、「とても気持ちよくて気分が高騰する行為よ!!」と言っておりました!」
「・・・(恥)」
「それで、一体どんな行為なのか興味があり、教えてくれたアイオワさんに直接聞きに上がりました!」
「・・・・・・」
朝潮が意味を知りたく、興味津々な表情をして、
「え~っとね・・・その、何て説明すればいいかしら?」
アイオワは考えた末、2人を見るが・・・
ビ「・・・(無視)」
サ「・・・(完全無視)」
アイオワを無視して、先に飲み会を開いていた。
「ちょっとぉ~! 何2人で勝手に飲み始めてるのよ!!」
アイオワが叫ぶが、
「言い出しっぺはあなたなんだから、責任を持って教えなさい!」と言われるアイオワ。
「・・・そうねぇ~、少し説明しづらいわね。」
急に顔を赤くするアイオワ。
「そうですか、やはりセッ〇スと言うのは恥ずかしい事なんですね?」
「・・・・・・」
「うん、恥ずかしい。」と感じるアイオワ。
「!? そうだ! アドミラルに相談してみるといいわよ! meより遥かに経験者のはずだから!」
「!? 司令官が知っているのですか!?」
「ええ! meよりもテクニシャンのはずよ!」
「わかりました! この朝潮、司令官に聞いてきます! 補足ありがとうございました!」
朝潮は部屋から出て行き、
「ふぅ~・・・何とか難を逃れた。」と安心するアイオワ。
「本当にあなたって子供に対しても簡単に口走るのね~。」
「普段の格好も、子供には悪影響なのに態度すらも危ないわね。」
と、2人で愚痴をこぼしていた。
・・・・・・
「司令官は今出張中・・・」
執務室の扉には、張り紙があって「1週間出張中、用件があれば横の伝言書に内容を書き、入れておくこと。」
「困りました、わざわざ伝言書に入れる程の事ではないんですが。」
朝潮は諦めて執務室から離れた。
「あれぇ~、朝潮じゃない?」
廊下で白露と出会い、
「あ、白露さん! こんにちは!」
「お~、相変わらず元気いっぱいね!」
似た者同士なのか、話し始める2人。
「なになに、提督に聞きたいことがあるの?」
「はい、重巡や戦艦の方でも答えられなかった事を司令官に聞こうと思ったのですが・・・」
「重巡と戦艦でも答えられない・・・あたしじゃ無理だね。」
「それで、誰か答えられそうな方を探しているんですが・・・」
「だったら、村雨の店に行って見なよ。」
「? 村雨さんの店にですか?」
「そうそう! あそこに村雨と元提督がいるから、元提督に聞いてみたらどう?」
「なるほど! 元司令官なら期待が持てそうです! 行って来ます、白露さんありがとうございます!」
朝潮は礼をしてその場から走り去った。
「・・・と言うか、朝潮は何を知りたかったのかしら?」
白露は朝潮は見て呟いた。
・・・・・・
「司令官、いますか!」
店の扉を開ける朝潮、
「いらっしゃい・・・おや、朝潮か?」
カウンターで提督が接客をしていた。
「今、村雨は買い出しに行ってるよ、もう少ししたら帰ってくると思うけど・・・」
「いえ、私は司令官に聞きたいことがあって来たのです!」
「? オレに?」
提督は首を傾げて、
「司令官! この私に是非とも教えて欲しいことがあります!!」
「・・・そうか、分かった。 答えられる範囲なら言おう。」
「ありがとうございます! ・・・では、コホン。」
朝潮は率直に言った。
「セッ〇スとは何ですか?」
「はい?」
一瞬何を言ったか理解できず、
「悪いけど、もう一度言ってくれる?」
「すいません、皆も言っておりましたが私の声が聞き取りにくいんですね? ではもう一度! セッ〇スとは何ですか?」
「・・・・・・」
「聞き間違いではないようだ。」と思った提督。
「司令官でも答えられませんか? やはり説明が難しいんですね。」
朝潮はがっかりするが、
「・・・別に知ってるけど。」
「!? 本当ですか!? 是非とも教えてください!!」
朝潮が期待の目で見つめる。
「セッ〇スは英単語で意味は”性別”って意味だよ。」
榛名と同じ無難な答えを言った提督だが、
「それは榛名さんから聞きました、でもアイオワさんによると「とても気分が高揚する行為だ」と言っておりました。」
「・・・・・・」
「それで、それはどう言った行為なのでしょうか?」
「・・・どうしても知りたいか?」
「はい! 知りたいです!」
「わかった、教えてやる。」
「!? 本当ですか!?」
「ああ、何事にも興味を持つことはいい事だし、かと言って間違った知識を持ってもらっては困るからな。
ここはきちんと知るべきだろう。」
「お、お願いします!!」
朝潮は真剣な眼差しで見つめる。
「教える前に質問だけど、朝潮には好きな相手はいる?」
「? 好きな相手ですか?」
「うん、例えば司令官と特別な仲とか、鎮守府外で恋仲になった相手がいるとか?」
「いえ、私にはまだ相手はいません!」
「そうか、じゃあちょっと厳しいかな。」
提督がため息をついて、
「セッ〇スと言うのは、相方がいて初めてできる行為なんだ、だから朝潮だけが今知ったところで意味が無いんだよね。」
「そ、そうなんですか!?」
「うん、もし朝潮に相方が出来たらまたこの店に来るといい。 でも、その時には相方の方が教えてくれると思うけど?」
「そうなんですね! 分かりました! とても勉強になりました、司令官! ありがとうございました!」
話をまとめた提督、朝潮は満足して店から出ようとしたが・・・
「あの、せめて・・・どんな行為かを教えていただけませんか?」
アイオワから聞かされた「気持ちいい行為」、朝潮はどうしても知りたいようで、
「いいよ、少し待ってくれ。」
そう言って、提督は裏に行って、何かを探し始めた。
「あった、ほら朝潮。」
提督は何かを渡した、
「司令官、これって?」
朝潮は渡された物を見る。
「耳かき・・・ですよね?」
「うん、試しに今ここで使ってみて。」
「? 私が使えばいいんですか?」
「そう、自分の耳に使えばいいよ。」
提督に言われ、朝潮は耳かきを始めた。
「・・・・・・」
「どうだ、気分は?」
「はい、とても気持ちがいいです。」
「そうだろ? セッ〇スは分かりやすく言うと、「耳の穴が朝潮」で「耳かきが相方」と思えばいいかな。」
「なるほど! 確かにこれなら気持ちがいいですね!!」
どんな行為かわかった? ようで、
「司令官! ありがとうございます! 朝潮、意味が分かって嬉しいです!!」
朝潮は満足して店から出た。
「よし、上手くまとめられたぞ。」
朝潮が満足してほっとする提督だった。
・・・・・・
その後、部屋に戻ろうとすると、
「あ、アイオワさん・・・またふらついてる。」
飲み過ぎなのか、足取りがおぼつかないアイオワ。
「今日はサラトガが提督と一緒に夜を明かすって?・・・じゃあ今日は私一人で抜いちゃえばいいか~♪」
そう言って、アイオワは部屋に戻って行った。
「・・・抜く? 一体何の事でしょう?」
朝潮はまた気になり、鎮守府内を回るが・・・
誰一人恥ずかしくて答えられなかったのは言うまでもない。
「セッ〇スとは何ですか?」 終
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