八幡「現実充実進化(リア充シフト)計画?」いろは「妹達!」
とあるの設定だけ持ってきました。とある知らなくても多分大丈夫です。
声優(佐倉綾音さん)繋がりで遊んでみたかっただけです。ラブコメには力を入れてないです。
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八幡「あと1人か…」
??「寂しい、ですか?」
八幡「どうだろうな。1人1人との時間が短すぎてよく分からん。」
??「私は、いえ、きっとみんな寂しいです。でも願いも皆同じですから。応援してます。」
八幡「ああ、明日で終わらせる。」
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はぁ、今日も今日とて暇で退屈でやる事のないいつも通りの生活だ。
授業中の記憶は無く、昼休みにはベストプレイス、放課後は由比ヶ浜のアホっぽい、というかアホ丸出しの掛け声(挨拶?)と共に部室へ。
ゆる百合した女子トークと言うには冷たい雪ノ下の対応。たまにこっちに振られる話題に答えれば、帰ってくるのは罵倒の類いばかり。
あれ?俺の日常こんなのばっかだ。これ普通なのかな?
などと悲しい現実確認をしながら文庫本に目を落とした。ある日突然何かが!みたいなの無いのかな?
ラノベやラブコメ系主人公にはそういうのはつきものじゃん?特に異世界転生系とか。
変な水の女神と出会ったり、ピンク髪の宇宙人が風呂にテレポートしたり、VR世界から帰れなくなったり、学校の塀超えてきた美少女に膝蹴りされたりさ。
最後のやだな。ペンダントは大切に。
とまぁ、軽いオタクにありがちな妄想をしていたのだが、そこで全くお呼びでない非日常が飛び込んできた。
材木座「略」
こいつの言葉は回りくどいし長いから割愛。
要するに久し振りって事だった。
………
だーれも反応しねぇな。女子は視線すら向けない。何つーか、妥当な対応だよ。
材木「は、八幡?ここまでガン無視は想定外というか辛いというか…」
うーんここは俺が反応すべき?しょうがない。地球のみんな、オラにこいつに反応するだけの無駄なエネルギーと時間を分けてくれ!
八幡「チラッ」
………
木材「い、今見たよね?まだ無視されるん?」
ちっ、こいつ泣きそうじゃん。全く、女子達が無反応だからだぞ!俺は反応してやったから悪くない。
八幡「帰れ」
木片「よかった、反応あった…」
あ、あれ?安堵されちゃった。誰だよこいつをここまで追い詰めたのは。八幡怒らないから今のうちに手を挙げな。
いや、本当に怒る気しねぇし、より残酷な対応したの俺だしな笑笑笑笑笑笑
まぁ途中で追い出そうと最後まで聞いて追い出そうと同じだ。取り敢えず無反応で先を促すことにした。
このアイコンタクトもいらない関係。これこそ……何だ?こいつとの関係性か。 無い(キリッ
すると材なんとかの雰囲気が変わった。
材「実はいつもの執筆活動とは別口の用件で八幡、お前に協力してもらいたい。」
あ、あれ?材木座なのん?声音も表情も変だぞ。もしかしてクッキー made in やっはろーでも食わされたのだろうか?
木「私は裏の世界である研究と実験をしていてな、その被験体となってもらう。」
えっと、本格的におかしくなった?先程まで見事なスルースキル発動してた2人までもがこいつを見ている。
もっとも、あのボケ担当かつ癒し担当の由比ヶ浜すら哀れみの視線を向けている。もう1人は言わずもがな。
しかし、この材木座?は気にすることなく話を続けた。
座「この実験はお前が被験体という前提で組み立てられた。八幡でしか成功しない。
どうだ、のるか?」
八幡「待て待て、その実験って何すんだよ。」
しまった、超展開に慌てつつ冷静な自分が聞いてしまった。これあれじゃない?知っちまったら逃げられない的な?
ザ「その実験の名は『人生充実進化計画』」
リア充?シフト?何言ってんだ訳分からん。
イ「お前はあのリア充の中のリア充、葉山隼人を20000体倒し、誰も辿り着けない程の最高峰のリア充へ進化するんだ。」
八幡「俺とリア充とか、赤く染まって黒い勾玉の模様浮かべてる月と、すっぽん鍋で取り除かれたアクくらいの差があるぞ」
結衣「そんなに!?てかその月なんだし!」
雪乃「あら、取り除いて貰えるの?せいぜい鍋の底にへばりついて洗い物の時水で一気に洗い流されるくらいだと思うけれど。」
口を開けばこれだよ。もっと頭おかしいのここにいるじゃん?攻撃対象変えた方が良いよ?
まぁ、俺は意識的にハブられるタイプでもなくて、完全無視される方だからあながち間違ってはいない。
モ「この計画は私が長年かけて作り上げた完璧な予測演算機『材木・THE・diagram』
通称ツリーダイア○ラムが創った。」
何そのネーミング。かっこいいじゃん。
じゃねぇよ感化されんな俺。予測演算?何それスーパーコンピュータ的な?メタグロスより優秀なんだろうかそいつは。
ク「このツリーダイ○グラムの計算だと八幡は葉山隼人のクローン20000体を倒す事で成功するという結果が出たのだ。」
そうだ、さっきも20000体とか言ってたが。
何だよクローンって。やばい匂いしかしない。
ザ「昔計画されていて頓挫した軍用クローンを流用させてもらう事にした。葉山隼人は1人しかいないからな。クローンはオリジナルと同じではないから予想以上に人数が増えた。」
やばい、本格的にやばい。雪ノ下すら完全に言葉と表情を失ってる。由比ヶ浜も、俺もだ。
何?時止めちゃったの?ザ・ワールドなの?
八幡「と、取り敢えず最後まで話してみ?後で病院連れてってやるから。」
結依「う、うん。それがいいと思う…」
雪乃「今すぐでもいいと思うのだけれど…」
八幡優しい!知人の頭がおかしくなったからって病院連れてってやろうなんて。ラブコメの主人公タイプだな。
材木座(ネタギレ)「私は大丈夫だ、問題ない。」
それ、問題あるときのセリフよ?
材木座「どうだ八幡。受けるだろう?リア充になれるんだぞ?」
八幡「いやいや!大体何だよ、葉山を倒すってよ。殴り合うの?
何にしてもやらないぞ。葉山を超えるとかクローンだろうが何だろうが無理だ無理。」
断固拒否!なんか冗談で済む雰囲気じゃないから真面目に答えちゃったけどさ。俺なんか葉山にマイナス面でしか勝てねぇよ。
すると材木座は静かに笑い出した。怖っ!!
材木座「ふっはっはっはっは」
材木座「だろうな、そうだろうと思ったさ。感謝しろよ八幡。私がお前の理解者で。」
えーっと…すごく怖い。あの雪ノ下すら怯えてるように見える。姉の下さんより怖いんじゃないか?この材木座は。
材木座「ツリ○ダイアグラムに八幡のデータを入力して出た結果は確かに葉山20000体だったのだが、私は思ったのだ。この計画に八幡は乗らないだろうと。」
材木座「お前は葉山に勝てるところが無いとか思ってるのだろう?」
げっ!何で分かった。いや、葉山を超える奴とかそうはいないだろうからな。ほとんどの奴はあいつに対し劣等感を抱く。
惑わされるな俺。あとはそうだな…20000体の葉山とか見たくねぇよ。たとえはやはちが正義でも20000:1とか受けられる範囲超える。
材木座「あとは20000人の葉山なんて見たく無いきもい臭い吐き気がする、とか思ってるのではないのか?」
ナゼワカッタ!?いや、そこまでは言ってないけどよ、俺は勘のいいガキは嫌いだ。
材木座「ふっ、図星だろう?これらの情報は全て個人データベースには無い。私が八幡を知っていたから気付いたことだ。」
個人データベースとかどう考えてもやばいよ。もう関わりたくないよ(手遅れ感)
八幡「で?俺が乗らないと分かってるんなら何で話したんだよ?」
材木座「私の知り得る全ての八幡の情報をツリーダイアグ○ムに入力したところ、別の実験計画が生み出された。」
八幡「別の?それはつまり、俺の内面的な情報を考慮した上で俺が成功出来る計画って事?」
あれー?何で話に乗っかってんだろうなー俺。
何つーかさ、ちょっと楽しくなってきたな(錯乱)こいつが持ってきた非日常は何だか今の俺にぴったりハマるようだ。
横を見れば2人が俺をジト目で見ている。これはあれですね、材木座と俺を同類に見てる目だ。怖いなぁ
材木座「流石だ話が早い。そうだ、お前が乗ってくる計画を新たに創り出したのさ。」
八幡「戸部とか言うなよ?」
材木座「それはない」
よかったーーー!!マジ良かった。もしそうだったらっべーことになってた。マジっべー!
材木座「クローンを作るには元となる人間のDNAマップが必要だが、既に手に入れ、クローンの作成に入っている。」
誰だよこんな馬鹿に協力した馬鹿は。というかクローン作りとか犯罪じゃない?
通報しますよ!(ヤンデレ中学生)とか言ったらどうなるかな?
材木座「実はその協力者に来てもらっている。お前もよく知っている者だぞ。」
まじ?なら躊躇なく殴れるな。こんな馬鹿に付き合う馬鹿でも他人を殴る気にはならん。
材木座「入ってくれ。」
部室に入って来たのは……
いろは「こんにちは〜!」
結衣「いろはちゃん!?」
雪乃「一色さん?」
そう、現生徒会長にして俺をこき使う事に定評のある一色いろはだった。
いろは「こんにちは先輩!」
八幡「ああ…」
いろは「反応薄いですねぇ。心なしか髪も。」
八幡「流石にまだ大丈夫だ。小町に引っ張り回されて鍛えられてる。」
結衣「引っ張り回されてるんだ…」
雪乃「あら?家ではリードで繋がれてるのではなかったの?」
いろは「あー想像できますそれ。休日とかダラダラしてそうですし。妹さんに散歩させられてるかも。」
結衣「小町ちゃんならやりそーだね!」
ちょっと?君たち俺をいじると急にテンション上がるよね。材木座と結構シリアスなやりとりしてたのになぁ。空気殺し(ムードブレイカー)なの?あ、それ俺だわ。
八幡「脱線しすぎだ。一色、お前何やってんの?」
いろは「私のクローン作るんですよね?凄いじゃないですか!」
この子、強い!(確信)まともな思考回路持ってねぇなこいつも。
材木座「彼女のDNAマップを貰う上である契約を交わした。彼女の要求は私に損になる事ではないし、この実験の趣旨に合う物でな。」
八幡「?」
いろは「これ以上は内緒でーす!で、勿論実験やりますよね!」
八幡「何でお前がやる気なってんだ。」
いろは「DNAは渡しましたけど、先輩が実験してくれないと契約が守られないからです!」
八幡「お前の契約は俺にとってはどうでもいい。で材木座、俺は一色クローンを20000体殴り飛ばせばいいのか?」
それは結構いいかもしれない。クローンちゃんには悪いが普段こき使われてる憂さ晴らしになるかもな。
いや待て、やばいよ今の完全に悪党の考え方じゃん。ダメだダメだ。俺の心はキュアホワイトなんだから。
ちびっ子達よ、キュアホワイト可愛いけどさ、ブラックも頑張ってるよ?将来の夢にブラックになりたいってのも書いてあげて。
材木座「殴るなんて一言も言っていないぞ。これは八幡がリア充になる為の実験だぞ。」
八幡「なら、どうするんだ?」
材木座「リア充と言えば何だ?」
いろは「ラブラブカップルです!!」
は?急にどうしたこいつ。さっきから空気の2人もちょっとびっくりしてんじゃん。
いや、まぁね、リア充って言えばね、そういうのがあるってのは分からない事もない気がしなくもない事限りなし。
限りないのかよ。限りなしってこの上ない、みたいな意味だっけか。
材木座「一色いろははこんなぼっちな八幡とつるんでいるが本質は限りなくリア充組だ。」
限りなくに反応しちまった。俺さっきから馬鹿な事ばかり考えてるなぁ。
あ、今馬鹿とばかりを掛けたよ面白いね
材木座「そして見た目や評判、性格なども優秀な素晴らしい人材だ。」
フフン、と一色が胸を張る。見た目は良いが評判はちょろい男どもだけだろう。性格に関しちゃダメだ。今度教えてやるからデータベースとやらにでも入れておけ。
と、衝撃的な言葉が材木座から出てきた。
材木座「八幡、お前には20000体の一色のクローンを全員口説き落として貰う。」
「は?」「え?」「あ?」
三者三様の、全く同じ心情を表す言葉が出る。
やはり一色は計画を知っているようだ、俺らの反応を見てニヤニヤしている。
材木座「つまりだ、元々は葉山を倒し、そのリア充性を取り込んでいく予定だったが、アプローチを変えた。自らの手で20000体を落とし、男としての魅力を徹底的に鍛えあげる。」
材木座「一色いろは程見た目が良く、周りからの評判や交友関係も広く、何より性格が難しいリア充乙女(笑)を20000回も口説くなど普通の人間には出来ないだろう?」
いろは「少し馬鹿にされた気がします。」
俺が一色を口説く?いや、クローンではあるがそんな事が出来るのか?
と言うか面倒くさすぎる。誰が乗るか。
八幡「やらないぞ俺は!大体誰がリア充になりたいなんて言った?俺はぼっちに誇りを持ってるんだぞ?」
と、これに答えたのは一色だった。
いろは「だからこそですよ。この実験で誰も届かない程のカリスマ性を持ったとき、どうなるか分かりませんか?」
八幡「?」
いろは「あまりに先輩が眩しすぎて周りは近付きにくくなるんです。恐れ多い、みたいな。
でも先輩から近づけばチャンスとばかりに寄って来ますよ?」
材木座「つまり、最高のハイブリッドの完成なのさ。何もしなければ1人でいられる。呼べば人はいくらでも集まる。」
いろは「中には私にとっての戸部先輩みたいな便利…優しい人もいるでしょうし、何より小町ちゃんにカッコいい人気者の先輩、見せたくありませんか?」
こ、こいつら…やばい、これは本当にやばい。何がやばいって、断る理由が見つからない。
俺の求めるものの全ても用意して来やがった。準備良すぎじゃないの?ふぇぇ怖いよぉ〜
結衣「ヒ、ヒッキー?」
雪乃「この男…完全に落ちてるわ。」
結衣「わーっダメダメ!おお落ち着いてよ!」
八幡「心配するな。こういう時雰囲気に流される俺じゃない。感じる雰囲気なんて俺の周りには無かったからな。」
結衣「え?えっと…良かった?」
雪乃「それは違うわ由比ヶ浜さん。彼の自虐はあなたの理解力では難しかったのね。」
結衣「むぅ〜馬鹿にされてるぅ…」
馬鹿は放っておこう。そうだ、残念だが俺はここで流されない悲しくも強い人間なのだ。
八幡「材木座、一色。」
「どうする?(します?)」
八幡「絶対成功させよう。」
結衣「え?」
材木座「ああ、そうだろうと思っていた。」
いろは「さっすが〜!思い切り良い人はポイント高いですよ先輩!」
雪乃「はぁ…だろうと思ったわ全く…」
結衣「お、おかしくない?流されないんじゃなかったの?」
馬鹿は放っておこう。
雪乃「そうよ、由比ヶ浜さん。あのゲス谷君はしっかりと冷静に考えた上ではっきり受ける、と答えたの。流されてなどいないわ。」
結衣「そ、そんなぁ〜」
すげぇな雪ノ下は。人の心の中を見透かして人に説明してやがる。
ゲスと言われてもね、断る理由無いじゃん?
専業主夫になるには養ってくれる人を捕まえないといけないわけだし、一色程の女子を落とせるなら自信もつくというものだ。
雪乃「ヒモ谷君は将来養ってくれる人を捕まえられなければのたれ死になのよ?彼もあれで生きるために必死な哀れヒキガエルなのよ。」
うん、まあ、ね、間違ってないけどさ、核心ついてるけどさ、後半要らないよね?
材木座より俺の事知ってそう、いや、その場で推し測られている、の方が良さそうだな。
材木座「実は既に何人かのクローンが完成しているのだ。」
八幡「マジでか?」
いろは「私もまだ見たことないですー。気になりますねぇ私の妹ちゃんたち。」
材木座「ここに呼んでいるのだ。入って来てくれ!」
声をかけるとまず入って来たのは、何というか、一色とどことなく似てる感じだった。
00001「イロハ1号でーす!よろしくねー」
一色と髪の毛と声の感じがよく似ている明るい女の子だ。(可愛い)一色の純粋な部分だけを凝縮したらこんな感じになるのかな。
服装は何だこれ、カフェでもやってるのかな?カメラをぶら下げてる。
いやいや、おかしくね?クローンでしょ?
八幡「おい、クローンなんだろ?姿形全く違うってなんなんだ?」
材木座「口説き落とすとなるとやはり皆同じでは都合が悪いだろう?そこで最新技術である程度の個性を生み出したのだ。見た目など些細な問題だ、性格も変化をつけてある。」
八幡「なら一色のクローンじゃなくても良かったんじゃないか?」
材木座「そうかもしれないがな。そこまで考えてなかった笑」
やっぱこいつ材木座だ。今確認できた。
材木座「ま、どの子にも根底にはオリジナルがいることを忘れるな、という事だ。」
クローンの子に興味津々な一色と由比ヶ浜との自己紹介が終わったらしい。次の子が入って来た。
次の子は制服だろうか、水色のセーラー服?っぽい服に緑の無駄に長いネクタイ。アシンメトリーな変わった髪型だ(可愛い)
00002「えっと、イロハ2号です。よ、よろしくお願いします。」
八幡「なぁ材木座、この見た目とか性格とか、なんか意味あんの?」
材木座「100%私の趣味だ。他意はない。」
それが問題なんだよなぁ。クローンって顔も性格も少なくとも生まれたすぐはみんな同じだと思った。なのに、顔とか性格を趣味でいじくりまわすとか変態的に凄い技術だろ。
通報しますよ!!
特徴並べるの大変だから割愛するが、他にも来た子たちがいた。
ど田舎から来た設定らしい、赤っぽい髪の子とか服の説明がめんどい、くまくま言ってる子とアイドル?の子、赤い制服に銀髪の生徒会長などなど00006号まで来てくれた。
本当にクローン?どう考えてもいろいろ細かすぎでしょーが!てかオリジナルより可愛く思えるんですがどうしよう。流石材木座と言っておこう。
材木座「さて、八幡よ。覚悟は出来ているな。お前は毎日様々なシチュエーションで色々な子を口説き落とす。20000回目が成功した時、八幡は絶対的なカリスマ性を持つ男となる。」
八幡「任せろ。俺の真の力を見せてやるさ。」
「「もういいや…」」
完全に失望の声を漏らす2人をよそに材木座と俺と何故か一色で盛り上がっていた。
海賊○でもなく、ポ○モンマスターでもなく、俺はリア充の中のリア充、リア充のキング、そう俺はリア王になるんだ!!
いや、リア王とか悲劇の主人公だし。
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そこからは壮絶な日々だった。いやもうね、可愛い子ばっかなんだけどさ、材木座の言ってた根底には一色がいる、てのが厳しいもので。
表面的にはちょろそうな子も超ツンツンな子も内心が全然読めなくて苦労しました。女の子ってみんなこんな感じなの?
世の男どもも大変ですな。
ちなみに実験開始が2年の終わりの3月、1日1人落としたとしても20000人の相手をするのに55年必要だよね?
でもどうやら材木座が00006号までの子たちの情報を入力して演算したところ、128人でいいことが分かったらしい。
というのも、元々一色いろはを128人口説き落とす、という計画で、でもクローンはどうしてもオリジナルと同等にならず、少し劣る部分ができてしまう。その差を考慮した結果人数が増えて20000という数字になったらしいんだよな。(増えすぎじゃね?)
しかし、別に殴り合いとかフラッシュ暗算とかするわけじゃない。要するに普通に生活して俺に口説かれれば良いだけなのだ。そこに一色との差なんて生まれていない事が分かった。
まぁそうだよね。せいぜい体力がオリジナルより低くておんぶする機会が増えるとか、そんくらいの差だろう。
とにかく、いい感じのご都合主義で高校3年生の1年間、俺は受験と女に情熱を注いだのだ。
やばい、表現が神掛かってる。さっすが国語第3位だな。この前の模試でも近くの国公立大学に国語だけAに限りなく近いBだったし。他のは言うまでもない。
やっぱ手頃な私立かなぁ…
さてと、話を実験の方に移そう。勉強の話しててもね。別に親父に「A判定取るまで一人暮らしだからな。」なんて言われて女の子口説くのに絶好のシチュエーションになるわけでもなかった。
ちっ、あれなら1ヶ月で20人は落とせたのに。あのシスコン野郎が羨ましい!!
文句言っても仕方ない。小町に勘づかれるわけにも行かないし。奉仕部2人にも協力してもらって偽装工作を続けている。
今はセンター間近。少し実験はお休みで勉強に集中している。既に80人から90人くらいの子を落として来ている。多分3月に詰め込まれるんだろうな…
最初ははっきり言ってダメダメだった。当たり前だよね、俺だもん。
自分で言ってて悲しいよなぁ…
でも最近では小町にも変わった、と言われるほどには変わったらしい。
小町曰く、「あの腐ってたごみいちゃんの目がただ濁ってるだけのお兄ちゃんの目になった」
らしい。
腐ってんのは根本的にどうしようもない。が、濁ってるだけならろ過すりゃ綺麗になるってことか?
まぁ褒められてはいるんだろうが、マイナスの域を出てないんだよなぁ。実は20000人必要だったんじゃないの?なんて思う事もあったがそこは予測演算を信じよう。
最近勉強漬けでふと思う事がある。彼女たちに会えなくて寂しい、と。ぼっちの俺がこんな事考えるとは。これはいい変化と捉えても良いのだろうか?
そして自分でも信じられないが、一色本人とも会いたい、とそう思う事が多いのだ。
学校で顔も合わす事がなくなり、別に実験で一色と関わる事もない。しかし、彼女たちの中に見える微かな『一色いろは』にどうしても意識が行ってしまう。
ま、答えを急ぐ必要もないだろう。答えを出さないというのも、答えの1つなのだから。
そして俺はめでたく大学に合格した。雪ノ下は勿論だが、由比ヶ浜も雪ノ下の根気強すぎる教えのお陰でそれなりのところに受かったらしい。
俺たちは、いや、奉仕部と小町、一色は平塚先生の奢りで焼肉に行った。こんな甲斐性があってどうして結婚出来ないんだ?
俺が10歳歳とってりゃすぐにでも狙いそうだ。
まぁ、いくら気にかけてた生徒がみんな受かったからといってその生徒の前で酔い潰れるあたり、そういうことなのだろう。
俺たちはその後近くの大きな公園へ花見にも行った。あ、勿論実験もスパートかけてるけど。俺たちの時間も大切に、てのが平塚先生からの直々の依頼だ。完遂することのない、ずっと俺らを繋いでくれる、最高の先生の言葉だ。
俺たち、というのにはもう既に小町や一色が溶け込んでいる。小町は俺の眼球にぶち込んでも失明することを良しと思えるレベルだが、一色がいることに何一つ違和感がない。
あんなイかれた実験を知ってても普通でいられる2人も大したものだが…
やはりここは俺にとってなくてはならない場所でこいつらはいなくちゃいらない存在なんだと、今では素直に思える。
この実験が無かったら…なんて考えるのには意味がない。今の俺たちと昔の俺たちと、これからの俺たちが全てだ。
さてと、では今の俺は今の俺のすべき事を終わらせよう。
明日は卒業式だ。そしてそのあと128号との約束がある。そしてその前日、今日は127号を落とす日なのだ。
俺と127号ちゃんは街を一緒に歩いていた。この子はまぁ自分で言うのもあれだが、かなり俺に夢中になってくれている。口説くのはほぼ確実に成功するだろう。
しかし何というか名残惜しいのか、少しこのままでいようと思い、街をぶらぶらしていたのだが、静かな127号ちゃんが訊いてきた。
127「明日で…最後なんですね。」
静かな声だった。
八幡「あと1人か…」
127「寂しい、ですか?」
八幡「どうだろうな。1人1人との時間が短すぎてよく分からん。」
127「私は、いえ、きっとみんな寂しいです。でも願いも皆同じですから。応援してます。」
八幡「ああ、明日で終わらせる。」
よく分からん、なんて言ったな。あれは嘘だ。いや、心の中で言ってもしょうがないけどさ、127号だけじゃない、みんなが恋しいんだろう。だから127号の前だけで口にするのも変だなと思い誤魔化してしまった。
127「明日はきっと…寂しくないですよ。」
八幡「え?」
彼女は今までで1番柔らかな笑顔を浮かべた。
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卒業式だ。なんでも一色は今回も生徒会長やってたらしい。小町も話題にしなかったから知らなかった。
あいつの送辞は…はっきり言ってやばかった。あいつが泣きそうなのもあって余計に、ね。俺意外とああいうの弱いんだよなぁ。
送辞の終わる寸前でこっちを見た気がした。そして涙を溜めつつ、かなりいい(可愛い)笑顔を浮かべて壇上を降りた。
卒業式って感動するもんなのか。新発見!!
式が終わった。皆めいめいに別れを惜しむなり最後を楽しむなり色々だが俺の足はある教室にしか向いていない。
彼女もそうだろう。いや、あいつはいつも1番早くいるか。
彼女は女王との付き合いもあるだろうし。別に遅くなったからといって問題がある訳じゃないから。楽しんでこいとは言ってある。
そして彼女も…俺の1番可愛い後輩もきっとここに来てくれる。約束はない。でも、ここは彼女の居場所でもあるのだから。
そう思いながらドアを開けた。
雪ノ下「こんにちは。」
八幡「うす。」
いろは「先輩おっそ〜い!」
八幡「何でいんの?」
いろは「何ですかー!久し振りなのに冷たいなぁ全くもう!」プク-
いつも通りだ。本当に。苦笑いを浮かべながら定位置に座る。
筈だったのだが、一色に腕を掴まれたので何事かと動きを止める。
いろは「雪乃先輩!先輩借りますね!」
雪乃「ええ、いろはさんのご自由に。数十分したら結衣さんも来ると思うから。あまり遅くならないようにね。」
いろは「はい!先輩行きますよー」
いつのまにか下の名前で呼んでるのね。仲よさそうでよかったよ。君怖がってたもんね。
それよりどんどん一色に引っ張られていく。あの雪ノ下の対応はきっともとから予定されてたんだろう。抵抗する意味もない。
八幡「おい、こんな人気無いところで。俺を一体どうする気だ?」
言う立場が逆なんだよなぁ。
いろは「おぉにいちゃん、ええ身体してやんなぁ〜そそるわぁ〜」
言う立場が逆なんだよなぁ。てかそのキャラなんだよ可愛い顔が台無しだぜ?
いろは「ゴホン、悪ふざけは良いんです。真面目な話ですから。」
どうやら本気らしい。ここはベストプレイス。落ち着いて喋るにはもってこいだ。我ながら良い場所を見つけたもんだ。
八幡「で、話ってのは?」
先を促す。
いろは「今日128人目…ですよね?」
八幡「ああ。」
いろは「実は、ですね……」
八幡「?なんだよ言いにくいことか?」
いろは「いえ!いいます。その為にここにいるんですから。」
深呼吸を一つ二つして目を閉じる。そして目を開けると真っ直ぐこっちを見て言った。
いろは「実は、128号はいないんです。」
八幡「いない?なんだそれ。もしかしてなんかの不具合か?それとも交通事故でも?」
珍しく、でもないけど慌てた。
いろは「いえいえ!そうではなくてですね、元々128号はいないんです。」
いろは「これが私がDNAマップを提供するときに出した条件です。」
八幡「128号を作らない事、か?でも計画が成功しないと駄目じゃなかったのか?」
いろは「そうです。最後の仕上げは先輩の成功に懸かってるんです。」
八幡「えーっと、つまり?」
いろは「そうです。128人目の相手は私です。」
いろは「オリジナルの、言うなれば0号かな?」
いろは「材木座先輩に頼んだんです。最後の1人分は開けてくださいって。私自身が、先輩の相手になる為に。」
八幡「なるほどな…お前の願い…俺の成功に懸かってる、か。」
いろは「はい、ですけど安心してください。その、えっと、返事が、あの、あれでも、128号を作る事は出来らしいので。先輩の計画は失敗はしないと思い、ます。」
ああそうか、俺が計画の成功の為に、その為に一色の告白を受けるのは嫌だってことか…
八幡「一色」
いろは「はい…」
八幡「俺はさ、実験中ずっとお前に会えなくて正直寂しいと感じてた。」
いろは「!!」
八幡「あの子達の中にさ、たまに、少しだけ、見えるんだ『一色いろは』が」
八幡「んでよ、昨日会った127号にな、寂しいって言われちまった。」
いろは「……!」
八幡「私だけじゃない、みんな寂しいってな。でも明日はきっと寂しくない、とも言われたんだ。」
いろは「明日…つまり、今日ですか…?」
八幡「そうだ、きっとさあの子達には俺が実験を通して、彼女たちを通して別の人を見ていた事が分かっちまったんだな。」
八幡「情けないよ。本当に。口説くとか言っておいて最低だ。もし次彼女たちに会った時、俺はどうすればいいんだろうな…」
いろは「……」
八幡「でも127号は、いや彼女たちは、こんな俺にも応援してるって言ってくれた。」
いろは「応援…」
八幡「お前の作戦、彼女たちに教えてた?」
いろは「いえ…私と材木座先輩だけです。」
八幡「あいつが口を滑らすとは思わないから。きっと何もかもお見通しだったんだろうな。」
八幡「彼女たちは分かってた。お前の気持ちも、今日の作戦も。」
いろは「…!」
八幡「あと…俺の気持ちも、さ」
いろは「!!!!」
八幡「今日で最後だ。お前を、いろはを口説き落として実験は大成功、この高校生活を最高の形で終わらせる。」
いろは「せ…ぜんばい……」
八幡「好きだいろは。1年間待っててくれて本当にありがとう。」
いろは「うわ〜〜!いろはも!大好きです!」
ギュ……
八幡「今日の送辞最高だったよ。学校の卒業式如きで泣かされるとはね…」
いろは「あれ、は、グス 全部、ホントの、本物の気持ち、だった、から…」
八幡「分かってるよ。お前の普段のテンプレ文の図工みてぇな作文で泣けるか!」
いろは「ひどい…ですよ先輩それは!先輩こそああいうのは手抜きしそうなのに!」
いろは「ていうか、卒業式如きってなんですか如きって。」
八幡「俺は基本、アニメやマンガ以外で感動泣きはしないんだよ。」
いろは「あはっ想像出来ますね。本片手に泣いてるキモい先輩が」
八幡「うるせぇよったく。」
八幡「そろそろ戻るか。無駄じゃない話が長引きすぎた。」
いろは「そうですねー大切な話でしたし、仕方ないです。でもやっぱり先輩は回りくどい。」
八幡「悪かったな。回りくどくて。俺は詩人なんだ。回りくどさ万歳。」
いろは「詩人は自分を詩人とは言いません。」
八幡「え?そうなの?」
いろは「さぁ?早く戻りましょう。雪乃先輩のぜったいれいどで先輩がワンパンされます。しかも必中ですし。」
八幡「やだなぁそれ。せめて某名探偵くんの姉ちゃんのツノドリルの方がマシだ。」
俺たちは他愛もない話をしながら部室へと戻っていく。
結衣「あー!やっと戻ってきたー!遅いよもうー!結構優美子達と時間使ったのにー!」
雪乃「結衣さん?時間稼ぎに三浦さん達を使っていた事がバレてるわよ?」
結衣「え?あ、あー!無し無し!今のなし!待ってないよ待ってない!。私いろはちゃんとヒッキーがいないなんて知らなかったし!」
いろは「どんどん墓穴掘っていきますね。」
八幡「可哀想だろ。哀れみの視線を向けつつ見守ってやれ。」
結衣「温かい視線じゃないの!?」
雪乃「それより早く席につきなさい。卒業祝いもだけど、2人の祝福も兼ねてるのよ?」
結衣「そーだよ!早くパーティーしよう!」
いろは「はい!!」
女子はすぐさま菓子に飛びつく。いや、由比ヶ浜に至っては飛びかかるの方が適切だ。
言わなければならない。俺はいろはにはっきりこう言った。
「高校生活を最高の形で終わらせる」と。
ならば、2人にも、だ。
八幡「えっと、いろは。」
「「!!」」
2人は驚いたようだ。
結衣「そっかー。ヒッキーもちゃんと下の名前で呼べるんだね!」
雪乃「成長、かしら。少し遅すぎるくらいだけれどね。」
2人の温かい笑顔と1人の愛しい笑顔が集まるこの場所は『最高』だ。
八幡「あと…雪乃と、結衣。」
「「「!!!!!!!!」」」
あ、あれ?ビックリマークの量が違うなぁ。
そんなに意外かな?意外か。当たり前だね。
いろはが怒ったのではないかとちらっと見るとこちらもとてもいい笑顔だ。勿論雪乃と、結衣も同じく。
俺はこれからもこの笑顔を見て、この声を聴いて、この雰囲気を感じていたい。だから、俺がいうべきことは単純明快だ。
八幡「今まで本当にありがとう。」
八幡「これからも宜しくな。」
「「「こちらこそ!!」」」
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材木座「というのが今回の作品なのだがどうだろうか?諸君よ。」
俺らは絶句も絶句。最早誰一人として顔が見れない。
俺は意を決して息を吸い声を出した。
八幡「ふざっっけんな!!!」
材木座「ふぇぇぇ」
可愛くねぇんだよこんちくしょう!
八幡「なんだこれ!!まず人名変えやがれ!!俺らを勝手に題材にして名前もそのままで!!さらにはそれを俺らに読ませるか普通よ!!」
一色とか首から耳まで真っ赤じゃねぇか!!
なんだこの結末は!甘過ぎだろふざけんなよ!羨ましい!あ、野心出ちゃいました。
野心じゃねえな、ただの妄想だった。
材木座「な、内容は良かったでしょ?」
八幡「はぁ!?別作品の設定まんま持ってきただけだろ!よく自分の作品の如く見せれるもんだな!」
一色「はぁまさかこんなマッカンの甘みを10倍苦味を10分の1したような話見せられるなんて予想外です…」
八幡「ただ、かなりの功労者である作品内の材木座を最後には出さないとは、お前らしくないんじゃないか?」
材木座「ラブコメに力入れてたら自分わすれてた……」
八幡「バカなんだよなぁ。」
雪乃「頭が痛いわ…」
結衣「いいなぁ〜ヒッキーといろはちゃん。」
「「「え?」」」
結衣「…え?あ!な、なんでもないよ!うん!なんでもないから!」
八幡「由比ヶ浜、お前まさか…」
結衣「ち、違う!べっ別にヒッキーと…」
八幡「お前、こういうベタで甘ったるい結末大好きな乙女(笑)か?」
結衣「むっ良いじゃん甘くて!マッカン好きなくせに!!」
雪乃「もういいわ。取り敢えず剣豪奴隷さん、原稿持って帰ってもらえるかしら?」
奴隷にされてやがる。ざまぁwwwww
ガラララララ
はぁ……
奴隷の寂しそうな背中を誰も見送らず深いため息が漏れる。
雪乃「紅茶をもう一杯入れましょうか。」
「「「お願いします」」」
やっぱり平凡な日常が1番だな。何かが起きないかとか思うと良いこと起きないわ…
今日もいつも通り、小町にこき使われよう…
皆さん、クローンが誰か分かったでしょうか?先に書いた通り佐倉さん繋がりで遊んでみたので分かる人はすぐ分かるでしょう。
後日談をあげる予定です。
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