第1巻 第112話 ホタルノ
2017年9月28日(木) AM:7:10
スペクトル凡矢理 705号室
楽 「おーい千棘、起きろよ!お前今日は、一限からだろ?遅刻すっぞ?」
ユサユサ
千棘 「うーん、ムニャムニャ………このステーキ美味し〜〜〜………♪」
楽 (………また、食い物の夢見てやがる。
3日に1回はこんな寝言聞くよな………)
楽 「………あーもう、こんな食い物の事ばっか考えてる女とは別れて、小野寺の事考え直そっかな〜〜〜」
千棘 「!!」
千棘 「え、やだぁ楽!行かないでよ!
私とした約束はどうしたの………って、アレ?」
楽 「………また、この起こし方で起きたか。」
千棘 「………もう!いくら私が起きないからって、ヒッドイ起こし方するわよね………
あんたそれでも、私の彼氏!?」
楽 「しょうがねーだろ!?こうでもしねーとお前、夢の中の食い物に夢中で中々起きねーんだから。」
千棘 「だって美味しーんだもん………まあいいわ。手段は悪くても私を起こしたから許してあげる。
さあ、さっさと学校行くわよ!」
楽 「へいへい………」
カチャ
凡矢理駅への道路
千棘 「う〜〜〜、何だかまだ頭がクラクラするう〜〜〜。」
楽 「そりゃ、あんだけ呑んでベロベロになったらそうだろ………幾ら初呑みだからって、呑み過ぎなんだよお前は。」
千棘 「しょーがないじゃない。あのお店のお酒、美味しかったんだもん。」
千棘 (………ホントは、あんたとお酒飲みながら話すのがスッゴく楽しくて、呑み過ぎちゃったんだけどね。)
? 「あ、一条君と千棘ちゃん。おはよう」
楽 「お、小野寺。おはよう。」
千棘 「小咲ちゃん、おっはよー。」
楽と千棘が話しながら歩いていると、曲がり角から小咲が歩いて来た
小野寺 「何だか、駅に行く途中の道で会うなんて久し振りだね。」
楽 「そうだな、大体は凡矢理駅か電車ん中だよな。」
小野寺 「そうだよね。私は今日はお店の手伝いが早めに終わったから、この時間に出発したの。」
その後 凡矢理駅にて
集 「おーす、楽!」
宮本 「今日は千棘ちゃんだけじゃなくて、小咲も一緒なのね。珍しい。」
小咲 「うん、今日は偶然ね。」
? 「らーくーさーまー!!」
楽・千棘 「げっ!」
橘 「お会いしたかっ………」
? 「フンッ」
ガシッ
改札口から突進している来た万里花を、同じく改札口からすごいスピードで走って来たロングヘアの女子が掴んで止めた
万里花 「………つぐみさん………邪魔しないで頂きたいですわ。」
鶫 「何度も言わせるな!一条楽は今、お嬢の本当の恋人なんだ。」
楽 「………何だか、久々に全員集合したなぁ………」
そして楽達は電車に乗り、それぞれの学校に
行き……………
AM:9:30 凡矢理大学
冬吾 「おーす、楽!」
楽 「おう。おはよう冬吾。」
現代経済学の講義の部屋で、楽の大学の級友の1人、茶髪に黒縁のメガネを掛けた少年、久野 冬吾が話しかけて来た。
? 「あれ〜、楽に冬吾。久々に見た〜〜。」
楽 「ん?ああ、蛍か。」
2人に話しかけて来たのは蛍 葉次(ほたる ようじ)。
ドクロが描かれた黒いニット帽を被り、紫の瞳をした小柄な少年だ。
冬吾 「平、俺もお前を久々に見たわー。
お前、最近現代経済の講義全然出て来なかったよな。お前、経済学部なのにどうしたんだ?」
蛍 「うん。最近、僕は部活が忙しかったからね〜。バドミントンの練習で持ちっ切りだったよ。」
楽 「なあ平。バドミントンって、そんなにおもしれーのか?」
蛍 「まあね〜。楽もその内、体験入部に来てみたら?ハマるよ〜〜。」
楽 「まあ、考えとくわ………」
楽が2人の級友と話しながら、平凡な大学生活を送っている。
その数10分後、楽にとっては2度目の凡矢理大学での星力犯罪(せいりょくはんざい)が起こるとは露(つゆ)ともしらずに………
第112話 完
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