第1巻 第119話 カシヤデ
2017年9月28日(木) PM:19:00
スペクトル凡矢理 705号室
千棘 「え?じゃあ今日また、あんたの大学に星獣が出たって事?」
楽 「ああ。木星ミミズって言う、ミミズ型のスゲーちっさい奴だ。」
千棘 「コレで3度目じゃない?凡矢理大学に星獣が出たの?」
楽 「ああ、入学してすぐに火星ネコが、
夏休み明けにあのレイナってオバさんの木星ガが、
そして今日の、そのオバさんが連れて来た木星ミミズだ。」
千棘 「多いわねぇ………にしても、あんたの大学の友達まで、星神の力を持ってたんでしょ?」
楽 「ああ。久野 冬吾って奴なんだけど、
入学してすぐに知り合った奴なのに、
今日の一件であいつの星匣と契約星獣を見て、始めて気付いたんだ。
あいつの方は、初めて会った頃から、
俺の星神としての覚醒を知ってたらしいんだけどな………。」
千棘 「あんたの方は、今日までその人の星の光を全く感じなかったの?
結構、強かったんでしょ?」
楽 「それがよー。
あいつが言うには、星の光の気配を戦闘時以外は消す札もあるらしくて、
冬吾の奴、大学では常にその札を使ってたらしくて、今日までサッパリだったぜ!」
千棘 「そんな札もあるんだ!
それに、このシルフの絵が描かれた札に、そんな効果があったなんてね!
ただのシルフとの契約の証かと思ってた わ!」
楽 「俺もビックリしたぜ………レオンが戦闘に参加してくれるなんてな。」
千棘 「それにしても、あんたの大学よく狙われるわね。
何か理由があるんじゃない?」
楽 「ああ、さっき、蒼也にも報告したんだが、何でも蒼也曰く、
「パピヨンコクーンの奴らは、星の光が重点的に集まる場所だけじゃなくて、星神や星の光の素養のある人間を狙ってる可能性がある」って。」
千棘 「え?それってマズいんじゃない!?」
星神に覚醒した鶫や万里花だけじゃ無くて、るりちゃんや舞子君もあんたの太陽の光の影響で、星の光が強くなってるんでしょ?」
楽 「そうなんだよ。他には……………」
翌日 2017年9月29日(金)
和菓子屋おのでら
小咲 「春ーー!この桜餅、あとどれくらい作ればいい?」
春 「あと、3〜4個追加すればストックは足りるよ。よろしく、お姉ちゃん!」
客A 「あ、これ下さーい。」
小咲 「まいど、ありがとうございます。」
春 「ふー、お姉ちゃんが料理教室の菓子の部に通うようになってから、前より断然お客さんが来るようになったねー。」
小咲 「そんな、私なんてまだまだだよ。
春が高3の今年から、和菓子の修行を本格的に始めたお陰だよ。」
春 「えへへ、そうかな………
それにしても偉いね、お姉ちゃん。
今日は大学の講義が午後からなのに、
午前中にお店の手伝いもして行くなんて。」
小咲 「春こそ、今日は凡矢理が休講日なのに、お店の手伝いしてるじゃない。
あ!いらっしゃいませー!」
御柳 「へぇ〜〜、今日は春ちゃんだけじゃなくて、小野寺さんもいるじゃん。」
小咲 「あ!御柳君!」
春 「御柳さん!?」
御柳 「俺も、後期は金曜日は午前中に講義を入れてねーんだ。
小野寺さんも金曜の午前中は空いてるから、もしかしたらココに来れば会えると思ったけど、まさか春ちゃんと2人もいるとはね。」
春 「お姉ちゃん、この前御柳さんが来た時に聞いたよ。
御柳さんとおんなじ大学で、学部も同じらしいじゃん。
御柳さんはね、今年の初めの4月から、
ウチに週1〜2で来て、色んなお菓子の味見をしていったんだよ。」
小咲 「そうなんだ………」
御柳 「まあ、そういう事だね。
春ちゃん、今日のオススメは何だい?」
春 「えっと、今日はですね………」
第119話 完
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