第1巻 第24話 ミズカラ
琵琶湖
小野寺・鶫ペア
小野寺 「つぐみちゃんって、ボート漕ぐの上手いね。」
鶫 「いえ、潜入任務でこういった小型船で海から潜入するケースもあるので、この程度には出来るだけですよ。」
小野寺 「そうなんだ、すごいね……」
鶫 「いえ、別にそんな………!」
小野寺 「どうしたの?」
鶫 「いえ何でも無いです。」
鶫 (この星の光の気配の属性………それにこの方角は、まさか………)
その頃、楽と千棘
楽 「よーし、もうすぐ湖の中央だぜー。」
千棘 「何だか、だいぶ上手くなったわねぇ。
やっぱりあんた、細かい作業は得意よね。」
楽 「何だよ、人を小手先の器用さだけの奴みたいに………ん?」
ピカ〜!
千棘 「どうしたの?」
楽 「いや、コレ」
千棘 「え?それって………」
楽の星匣は紫色に光っていた
千棘 「これって、この近くに星獣がいるって事?」
楽 「そうだろうが、こんな色まだ見た事ねぇ!はじめての青ウミヘビの時とも、大学でのあの赤い猫との時とも違う。
クソ、何でこんな時に………」
ズズズズズズ…………
楽達のスワンボートに、水面から何か大きな影が近づいて来た
レオン 「楽、来るよ!」
楽 「え?」
? 「グギャアァァァ!」
シュンッ
楽 「わわっ!」
千棘 「キャアッ!」
楽と千棘を、紫色の触手が襲った
楽 「何だよアレ?タコかイカの足?」
レオン 「アレは海王イカだよ。」
楽 「海王イカ?」
レオン 「うん。水中活動が出来る海王星属性の星獣で、人間の感情は必要無いけど発生には大量の海王星の光が必要だから、とっても珍しいんだ。
だから、ボクも実物は初めて見た。
でも………」
楽 「でも?」
レオン 「多分この琵琶湖は、角度的に海王星の光を凄く集めやすい角度なんだ。
おそらくこの巨大な水面がレンズになって、長い時間をかけて海王イカを自然発生させたんだろう。」
楽 「そんな事が………」
レオン 「とにかく、早くボクを実体化させて!」
楽 「お………おう!」
楽 「九愛太陽 レオン!」
シュンッ
レオン 「ガォーーッ!」
千棘 「あ、レオ君!アレってやっぱり星獣なの?」
レオン 「うん。とにかく説明は後!
千棘姉は危ないからボートの奥に隠れてて!」
千棘 「う……うん。」
楽 「レオン、水中からの敵なんて今までに無いケースじゃねぇか!どうすりゃいいんだ?」
レオン 「水中に潜まれたんじゃ、剣で斬りつけるのは難しいよ。
だから盾の札で防御しつつ、籠手で水面から出た時を狙って遠距離射撃して!」
楽 「分かった!」
カシャンッ
楽は盾の札と籠手の札を発動所に差し込んだ。
「盾の札(タテノフダ)」
「籠手の札(コテノフダ)」
シュンッ
楽 「さて……これからどうすれば………」
第24話 完
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