第1巻 第171話 フウスケ
紅葉公園(もみじこうえん)
木星モミジ 「キュロロッ!」
バシュウッ
木星モミジは、木の葉のカッターを放った。
スッ
カシャンッ
鶫の星匣 「盾の札(タテノフダ)」
カンッ カンッ
狼を模したバリケードが生えて、木の葉のカッターを防いだ。
鶫 「蒼也!コイツに木星チューリップの様な再生能力はあるか?」
蒼也 「無いよ、でも植物型星獣だから、奥に核がある筈。
まずはあの、邪魔な枝や葉っぱを何度かするよ!」
スッ
カシャンッ
蒼也の星匣 「弓の札(ユミノフダ)」
蒼也の手に、吹き矢が装備された。
ビュッ
蒼也は吹き矢を木星モミジに放った。
木星モミジ 「キュロッ!?」
麻酔針(ますいばり)を受けた木星モミジは、
動きが鈍くなった。
蒼也 「やはりな。
木星属性の植物型星獣は、明確な意思を持たず、動きが鈍いのが弱点だ。」
スッ
蒼也は次はククリ刀を出した。
ザンッ ザンッ
そしてそのククリ刀で、木星モミジの枝を切り落とした。
鶫 「よし。蒼也、後は私に任せろ。」
スッ
カシャンッ
鶫の星匣 「終の札(ツイノフダ)」
鶫の全身に黄色い銃やバズーカや弾丸が無数に装備された。
最後にメガオン自身が巨大な銃になり、
鶫の胸に取り付いた
カシャンッ
メガオン 「発射!」
ドンッ ドンッ ドンッ
木星モミジ 「キュロロッ!」
木星モミジは外の木の部分を焼かれ、
中の緑色の核が剥き出しになった。
蒼也 「トドメだ。」
スッ
カシャンッ
蒼也の星匣 「終の札(ツイノフダ)」
ブウロ 「ホーー!」
ガジッ
木星モミジ 「キュロロッ!?」
蒼也が終の札(ツイノフダ)を星匣に刺すと、ブウロは木星モミジの核を掴んで、空中に急上昇した。
蒼也 「はぁぁ………!」
蒼也は自らの籠手の札(コテノフダ)であるブウロの紫色の爪を、上に構えた。
ブウロ 「ホォーー!!」
ブウロはそのまま急降下した。
蒼也 「はぁっ!」
木星モミジ 「キュロロッ!!」
バガァンッ
木星モミジは蒼也の爪に貫かれ、星化(せいか)した。
メガオン 「ガォッ!」
ブウロ 「ホーー!」
メガオンとブウロは、それぞれ半分ずつ木星モミジの星の光のエネルギーを吸収した。
蒼也 「エネルギーは山分けだね、誠士郎。」
鶫 「お嬢たちはどうなっただろう………」
その頃、鹿公園の楽と千棘
スッ
カシャンッ
楽の星匣 「剣の札(ツルギノフダ)」
たあっ!
木星シカ 「ウロッ!」
楽は剣の札で木星シカに斬りかかったが、躱(かわ)されてしまった。
楽 「まただ!この星獣、動きが早すぎるぜ!」
レオン 「もしかしたら、ここら辺に大量に生えている紅葉(モミジ)のエネルギーを吸収して、パワーアップしてるのかも………」
楽 「仕方ない!レオン、太陽融合(たいようゆうごう)だ!」
スッ
楽は、鶫との初めての太陽融合の時に星匣に追加された、狼の札(オオカミノフダ)を出した。
? 「やれやれ………そんな少しパワーアップしただけの野生の星獣も、他の星神の力を借りないと倒せないのかい?
見てらんないよ。」
楽・レオン 「?」
スッ
ザンッ
木星シカ 「ウロォッ!?」
バガンッ
突然現れた、フードを被った人影が薙刀(薙刀)の様な武器を振るうと、木星シカはたちまち星化してしまった。
楽 「なんだぁっ!?」
シルフ 「一撃で………」
? 「………」
シュンッ
木星シカの残骸から、木星の光のエネルギーが現れた。
スッ
フードを被った男は、星札とは違うお札の様な物を出した。
? 「滅(メツ)!」
バシュウッ
楽・千棘 「あっ!」
男がそう言うと、木星の光は完全に消えてしまった。
レオン 「木星シカの星の光が、完全に消えた………」
楽 「なんなんだお前?星神なのか?」
? 「………僕はそんな存在じゃないよ。」
スッ
男がフードを取った。
楽 「!」
千棘 「あ…あなたは………」
? 「君たちからは強い星の光を感じてたけど、まさか本当に星神だったとはね。」
守山 黒百合旅館(もりやまくろゆりりょかん)の日本舞踏(にほんぶとう)担当、風間 風介(かざま ふうすけ)だった。
第1巻 第171話 完
このSSへのコメント