2018-12-05 18:05:45 更新

概要

提督と艦娘たちが鎮守府でなんやかやしてるだけのお話です

注意書き
誤字脱字があったらごめんなさい
基本艦娘たちの好感度は高めです
アニメとかなんかのネタとかパロディとか
二次創作にありがちな色々


前書き

64回目になりました
楽しんでいただければ幸いです お目汚しになったらごめんなさい
ネタかぶってたら目も当てられませんね

それでは本編を始めましょう


 ↑ 前 「提督と夜遊び」

 ↑ 後 「提督とかぼちゃのおもちゃ」






朝、カーテン越しの陽の光に目を突かれて、のっそりと体を起こす


水無月「んぅ…」


寝ぼけ眼を擦りながら ぼんやりと考えていた。今日の予定は何だったかな?

司令官…じゃなくて。遠征だったけ? 演習だったけ?

敵が彷徨てるって話は聞かなかったけど…

まぁ、それも起きてからだ。司令官に聞けば その辺も分かるだろう…


水無月「って…何で 出てくんのさ…」


その姿が浮かび上がる前に息を吹きかけると、ロウソクが消える見たいにぱっと掻き消えていった

これで本人もこうなんだから困る。要る時には居ないくせに、要らない時にばっかり目につくんだから

怒って見せればふわって消えて、落ち込んでる時は何となく近くにいるし

何がしたいのか分からない。ほんとの所、自分の事をどう思ってるんだろう?

聞けばいい? そんなの、分かりきった答えが返ってくるだけ


「好き」


きっとこう言う、絶対そう言う、からかう見たいに笑いながら

それで照れたりした日には、面白がるんだ、子供みたいにさ


水無月「ほんと、困っちゃうよね」


ほんのりと、熱くなった頬を誤魔化すみたいに独り言。想像してしまった面影から目を逸らした

別にさ、自分だってさ、司令官の事が嫌いな訳じゃないんだよ

ただ、考えてもない時に考えちゃったりして、それじゃ自分がまるで司令官の事を…


好き…


なんてね、恥ずかしいったら無い

好きだけど好きじゃないんだ。今はそういう事にして置くのが一番落ち着く気がした


「おはよう水無月」


聞こえてきたのは朝の挨拶

その、あまりに自然な声音に自分もいつも通りに言葉を返していた


水無月「おはよ司令官」


ベッドの上には二人きり。カーテンからの木漏れ日が、二人を優しく包みこむ

朝起きて、一番最初に好きな人。他愛もない挨拶、在り来りな朝の光景。ありふれた、その幸せに


水無月は声を上げていた


水無月「ぇっ…。ぅ、うわわぁぁっぁぁぁっ!?!?」


目を白黒させ、口をぱくぱく 開きながら、枕を押しつぶしてまで目一杯に距離を取る


提督「朝から元気だね、水無月は?」


うつ伏せの態勢で、両手で頬杖を付きながら、愉しそうに水無月を眺めている提督

まるで、そこにいるのが当たり前のような不自然さだった


水無月「元気じゃないよっ! びっくりだよっ! 何してんのさっ司令官はっ!!」


てんてこ舞いに騒ぎ出す

寝癖を必死に直し始めたかと思えば、毛布を手繰り寄せては抱きしめる


提督 「何って? 司令官が鎮守府に居ては行けない?」

水無月「俯瞰しないでよっ! ここっ、水無月の部屋だからっ!」

提督 「いやいや、三日月の部屋でしょ?」

水無月「自分の部屋でもあるんだよっ」

提督 「同じ様なものじゃない?」

水無月「同じだから怒ってんでしょっ!」


こんがらがった頭に、提督の戯言が放られる

積み上げた石が崩されるみたいだった。状況を把握しようと躍起になってるのに、傍から側から邪魔をする

こんなのが賽の河原にいたら、きっと誰も報われない


一体全体? いつから? 何で? どうしてさ?


飲み込めなかった状況に、答えを求めて吐き出した

分からないことは人に聞く、相手が犯人ならなおのこと


提督 「刷り込みってあるでしょう?」

水無月「刷り込み? 鳥とかの?」

提督 「そうそう」


水無月の言葉に頷く提督

返ってきたのは意味深な答え。ベッドに潜り込んだいた答えが欲しいのに


なぜ?


鳥の習性の話を始めたのか


そうやって眉根をひそめる水無月をそのままに「それでね?」と話を続ける提督


「朝起きるじゃん?」

「眼の前に私がいるじゃん?」

「好きってなるじゃん♪」


水無月「ならないよっ!!」


にこにこ と、愉しそうに語る司令官に思わず声を上げていた


水無月「バカじゃないのっ! ばっっぁかっじゃないのっ!!」


続いての罵詈雑言。両手が塞がってなければ、きっと手だって出たかも知れない


提督 「ぇぇ…。でも金剛は…」

水無月「金剛さんはねっ。水無月そんなチョロくないもんっ!」


酷い言いよう ではあったが。今の水無月に そんな事を気遣う余裕はなかった



「水無月? 朝から何を騒いでるの?」


聞こえてきたのは優しい声。姉を気遣うような妹の声

二段ベッドの上の方。ごそごそ と、誰かが動く気配が聞こえてくる

陽も昇り始めての この騒ぎ、気付かない訳がない


ぎし…


ベッドの軋む音が聞こえた


水無月「うわわわわっ、三日月ダメっ。今こっち覗かないでっ!?」

三日月「ほんとにどうし、た…あー…」


言葉は途中で途切れてしまった

目と目が合う。愉しそうな司令官と、慌てている水無月

状況は分からないが、見たままをそのまま伝えるのなら


三日月「ご、ごゆっくり…?」


そのまま頭を引っ込めた


見上げる提督

板一枚の上にいる三日月は、どんな顔をしているだろうか?

きっと頬を染めながら、良からぬ事を考えているに違いないと思う


提督「おはよう、三日月」


声を、かけてみた

在り来りな朝の挨拶。それだけの事に水無月は大慌て では合ったけど、果たして三日月はどういう…


がたっ…


ベッドが揺れた

びっくりしてる、びっくりしてる。見えないだけに、想像するのがとても楽しい

今からでも上に上がって、三日月の反応を思う存分楽しみたいくらいだ


三日月「お、おはようございます…」


遅れて、おそるおそる と返ってきた挨拶


水無月「司令官さ…」


それと、不満を隠さなくなった水無月の声


水無月「いつまで此処にいるんだよ。もう愉しんだでしょ、着替えるんだからでってよ?」

提督 「そう? それなら出ていくけども、その前に…」


「なにそれ、見たい」 とか言って、さらに騒ぎを大きくする用意はあった

けれど、それよりも引っかかった服の裾を追求するほうが面白そうだ


提督 「服、離して?」

水無月「服? ぅっ…」


不思議そうな顔をするも一時

すぐに自分が掴んでいる物の正体を把握した水無月


いつから握っていたのだろうか

ぎゅっと握りしめられた布切れは、きっちりと跡が付くほどに皺が寄っていた

きっと毛布を抱き寄せた時だ。それが良い、そうに違いないと…


そうでもないと


寝ぼけたまま、司令官の服を一晩中握りしめてた事になるじゃんかさ


水無月「っっっっっっ…」


真っ赤になる顔

「出てってっ!!」と一緒に投げられる枕

笑いながらベッドから逃げ出す提督。去り際、扉の前で足を止めて振り返る


提督「三日月、寝顔、可愛かったよっ♪」


閉じられた扉に枕が叩きつけられた




水無月「違うからね…」


それは、曖昧な姉の言い訳


三日月「私は…別に…」


それは、戸惑う妹の気遣い


三日月「あの、先に言ってくれたら…私は、その、ね?」

水無月「違うからっ。変な気遣い止めてっ」


嵐が去った部屋には、一つの気まずさが取り残されていた

まさかそれさえも、提督の悪戯の一環だと疑える程には珍妙な空気が流れている


もんもん とした頭で三日月は考えていた


一晩中、ベッドの下で、一体何があったのだろう?


思い出すのは覗き込んだ時の二人の表情

気まずそうな姉の顔と、幸せそうな司令官


最近、微妙な距離感だった二人の中が近づいてくれたのなら心配事も減るんだけど、それにしたって近すぎた


司令官、そんなに積極的だったかな?


いや、こと悪戯する時に限って言えば、スカートの一枚をめくる度胸はあるんだ

よなよな枕元に立つくらいはやりそうではある。あるいは もう一つ、文月に焚き付けられた可能性も捨てきれないが

これは確かめようがない。本人達に聞いても誤魔化すだけだろうし


三日月「はぁ…」


自分の頭が恨めしい

気になってしょうがない。でもきっと違う、水無月はきっと朝起きたら隣に居た司令官に驚いただけで

本当に何もなかったのは本当で。それなのに、何かあった時の事を考えている


それが自分だったら、どんなに良かった事かと


水無月「三日月?」


気遣わしい姉の声

きっと、ため息の一つでも漏れていたのだろう

心配させたかな? と、思うのと同じくらいに、自分がこんな事を考えているだなんて知られたくはなかった

適当な言い訳と、適当な気休め、なんて言葉を返したら良いだろう?


水無月「あの…さ?」


ずっと黙っていたのが気にかかったのか、水無月が おっかなびっくり 話し始める


水無月「水無月は、司令官の事は別に? だからさ? 三日月はそんな気にしなくても?」


「ね?」


水無月なりに気を使っているのだろう

いまさら自分の感情を隠すつもりは無いけれど、気にするなと言われれば気になってしまう


たとえばそう…


三日月「じゃあ…次は私の番でいい?」

水無月「それはダメ」

三日月「めんどくさいなぁ…」


間髪いれずに飛んできた否定の言葉に、思わず息を吐いていた


水無月「めんどくさいとか言うなっ。風紀が乱れるでしょっ、水無月がどうとかじゃなくてっ」


分かりやすい言い訳

風紀の話なら、水無月がどうとか言わなければいいのに、こっちもこっちで気にしすぎだ


三日月「そうだねー。ほら、そろそろ着替えよ? お姉ちゃん?」

水無月「違うからっ、わかってんだよねっ、そこんとこっ?」


微笑ましいやら、可愛らしいやら

姉の言い訳を聞き流して、のっそりとベッドから降りていった





執務室に戻った提督は、そのままソファに飛び込んでいた

舞い散る埃が朝日に照らされ、それを掻き回すように足をバタつかせている

そうして しばらく、突然と飽きたかのように動きを止めて微動だにしなくなった


望月「…なにやってんだよ?」


隣のソファで寝ていた望月が、不審にそうに提督を眺めていつ


提督「何って…そうね。あれだ、幸せを噛み締めてるんだ」

望月「幸せ…?」


何か良い事でもあったろうかと頭を巡らせ、そういう事かと帰結する

少し前に聞こえてきた悲鳴。今日の一番鶏は水無月かと、眠い頭で朧気に考えていたのを思い出す


望月「何したのさ?」


ごろり。寝返りを打って、司令官の方へと体を向ける


提督「なにって、起きるまで寝顔眺めてただけだよ?」


「楽しいのか、それ?」そうと口を開く前に、司令官と目があった


望月「…」


何となく、何となくだ

「望月の寝顔を見るのは楽しいよ?」そんな類の言葉を言われそうな気がして口を閉じた

いや、実際言ってただろう。問題はその後、自分はどんな顔をしたものか

嫌なら自分の部屋で寝ればいいのに そうはしていない以上、文句も言う筋もない

講義混じりに寝返りを打って、向こうを向いてしまうのが 精々だが

下手に視線を外すと、気づいた時には どっかのお化けよろしく、後ろに居そうで歯がゆくも思う


藪蛇か…


とりわけ今は、水無月を からかった後でご満悦のようだし

もっと言うなら、楽しそうな司令官を見れて…まぁ、あたしも それなりだ

からかわれた姉からすればいい迷惑かも知れないが


どうかねぇ?


あの手の類は 構わなくなったら なったで拗そうではあるが


提督「それでさー。水無月が「好きっ」て言ってくれるんじゃないかと思ったんだけどさー」


その、あられもない声真似に意識を戻された

さっきから水無月が どんなにだったかと、反芻しているのを聞き流してはいたが

まさか、起きて、目があって、「好き」って、そんなバカな事をしてるとまでは思わなかった


望月「そりゃ、水無月が騒ぐわけだ」


呆れて声も出ないとは言うが。一周回ると、ため息と一緒に愚痴くらいは出るようになるらしい


提督「望月は言ってくれたじゃない?」


こちらの様子を伺っている司令官

アレがダメだったからって今度はそう来たらしい


望月「いつの話だよ」


相も変わらず、人の思い出を創るのが好きな奴だった


提督「今からでも良いのよ?」


続けて笑顔。これはもう、押しても引いても歓ぶ構えをとっていた

後は あたし次第。つまる所、押すか、引くか。言うか、言わざるか


「すき…」


素知らぬ振りで言葉を転がすと、そのまま寝返りを打って視線をそらす

映った視界の端、少し驚いたような司令官の顔

まさか、本当に言われるとは思ってなかった様だ。その思惑を少しでも外せた事に優越感を覚えながら目を閉じる


すっ…


僅かな物音、衣擦れの音、背中越しに感じる視線


とっ…すり…すり…


あからさまな忍び足に、近づいてくる気配、ふと途切れた陽の光




無音。僅かな息遣いも、自分の呼吸に紛れて見分けが付かない程

確かな気配、振り向けば確実にそこにいる、ともすれば体温だって感じられる距離


一つ、思う所があった


放っておけば悪戯されるのは明白で、良くて添い寝か抱きまくらコース

下手をすれば猫っ可愛がりされるまでは想像がつくが…それでも放っておいた

あれだけ 水無月をからかっておいてまだ足りないのかとも思うが。反面、それで満足されても困るのは自分


振り返れば案の定


静かな朝の時間、二人っきりの執務室





朝食の後。金剛さんの淹れてくれた紅茶を前に、ほぅと息を吐く三日月

とうの金剛さんは提督に会いに行くと、うっきうき で執務室に向かっていた

残されたのは三日月一人。食堂の片隅、取り留めの無い思考は もんもんと立ち昇る紅茶の湯気に覆われていた


皐月「おはよ、三日月」


そんな妹の姿が気にならない訳がない

原因は恐らく朝の悲鳴、そうして犯人は司令官

悲鳴じたいは 水無月のものでは合ったけど、同じ部屋で寝ていたのなら被害は被った事だろう


三日月の隣に座って、それとなく椅子を近づける

両手でカップを持ったまま、曖昧に返ってくる朝の挨拶

湯気の向こう側に見える表情は、なにか考えているようではあったけど


皐月「司令官、今度は何したの?」


カマかけ、にもなっちゃいない

司令官が何かをしたのなんて確実で、分からないのは その内容だけ

少なくとも妹が「えっ…」と、動揺する程度の何かは やらかしたのだと判明した


三日月「いや、別に…いつもどおり、だけど…」

皐月 「別にって言った娘が、別に、だった事なんてないじゃんか」

三日月「それは、そう…」


言葉を濁す三日月

司令官を庇ってる、そういう風でもなさそうで、何か言葉を選んでるような口振りだった

それならと、しばし待つ。その間に用意していた朝食に手を付けて、パンにスープに牛乳に、順調に口に入れていった


三日月「皐月はさ…。その、朝起きて司令官が目の前に居たら好きってなる?」

皐月 「けほっ…ふへっ…な、は?」


最悪のタイミングだった

牛乳を飲み干しかけていた その時に、そんな意味不明な事を言われて、危うく吹き出しかけた


三日月「だって、司令官が…」


言葉を選んだ理由がわかった

しかし、見当たらなかった言葉は結局、司令官の言葉のままに渡ってきた


曰く、「朝起きるじゃん? 眼の前に私がいるじゃん? 好きってなるじゃん♪」


最後の ♪ が気味の悪さの集大成の様に思えてしょうがない


皐月「バカじゃないの…」


口から出たのは素直な感想


三日月「私もそう思う、けど…」


頷いたのは当然の反応

しかし、その後には「金剛さんは…」と言葉が続く


皐月 「いや、でも…金剛さんはって、言っただけでしょ…?」

三日月「そうだけど…金剛さんだよ?」

皐月 「…」


フォローのしようがない、まさかと思うがやりかねない

最初こそ驚いた顔をしたとしても「…ってなるじゃん♪」とか言われた瞬間に言いそうだ


三日月「ほら…」


言わんこっちゃないと、三日月に突かれた


皐月「いや、まぁ…。それで、水無月は?」


降参宣言

露骨とも言える程に話を逸して、先の展開を伺った


三日月「ばっかじゃないの…って」

皐月 「あはは。そりゃそうだ」


流石に姉妹か…とは思ったけど、誰だってそう言うような気はする


皐月 「それで? 三日月は?」

三日月「…」


反応は無かった

心なしか、顔を逸らされた気さえする

悩みの種は見つかった。花を咲かせてあげたいけども

真面目な妹のこと、それが難しいことは何となくでも予想がついた


皐月 「水無月が羨ましい?」

三日月「そんなんじゃないもん…」


口だけで そんな事を言われても誰も信じやしない

ボクだって気持ちは分からないでもないんだから

だったら、水無月の真似をして司令官の気を引こうかなっても考えた

けど、それはそれで子供っぽくてなんかヤダってジレンマ

そう考えてるのが余計に子供っぽいって笑われそう

じゃあ、金剛さん見たいにネジを外すのが大人かと言われれば、ボクは子供で良い気がする


皐月「司令官に頼んでこよっか?」


それは、一つの提案

絶対に妹が首を縦に振る訳もないとは分かっている話し


三日月「いいっ。なんか…夢の中にまで出てきそうだし…」

皐月 「来るかもねっ」


それが当たり前に想像できそうな事に笑ってしまいそうになる


皐月「でもさ、それで誰が困るんだい?」


実際、誰も困らないだろう。夢の中ならなおさらだ

それ以上に、それこそ、やりたい事をやっても誰にも見咎められない最高の環境とも言える

まぁ、金剛さん辺りはヤキモチをやくだろうけど、それをどうにかするのは司令官

目下の所、ボクは妹の幸せの方が大事なのさ


三日月「お姉ちゃん(皐月)が…」

皐月 「ボク?」


と、思っていたら。矛先はこちらにやってきた


三日月「お姉ちゃんが拗ねて仕事にならなくなったら大変だもん」


からかわれてると思ったのか、少々唇を尖らせていた

そういう つもりは無かったんだけど。そういう事をするなら、お姉ちゃんにだって考えがあった


皐月 「つまり、3人でなら良いんだ?」

三日月「へ?」


我ながら、意地の悪い笑みを浮かべていると思う

きっと司令官のせいだろうと、責任を投げつけて更に言葉を続けた


皐月「だからさ? ボクと、三日月と、司令官」


指折り数えて3人分。そうして最後に「ねっ♪」と指を3本立てて微笑んでみせた


三日月「ねっ♪ じゃなくてっ」

皐月 「いったろ? それで誰が困るのさって?」


食器をまとめて立ち上がる

「まってっ、まってって」慌てた三日月の声に呼ばれて、背中に越しに振り返った


三日月「私が…悪かったから…」


少しばかりバツが悪そうに、ほんのちょっぴり悔しそうに

それがとても可愛らしい。構いたがる司令官の気持ちもきっとこんな感じだろうと思う


皐月 「いぇーいっ。ボっクのかちー」

三日月「お姉ちゃんの意地悪…」


たとえ姉妹だとしても勝敗は勝敗だった

勝った方はより一層、負けた方は一頻り、喜んで拗ねて見せた後


皐月「さ、片付けはやっとくから先、行ってなよ?」


いつの間にか空になっていたティーカップ

それを三日月の手から取り上げると、自分の皿に重ねて持っていく


三日月「うん、ありがと…」


少しの微笑み

他愛のないじゃれ合いではあったけど、妹の顔に笑顔が戻って何よりだった





水無月「金剛さんっ」


廊下の先、その後姿を見つけた水無月が袖の ひらひらに飛びついた


金剛「おぅっと。どうしたの、水無月?」


袖を引かれるままに崩しかけた態勢のまま何とか踏みとどまる金剛


水無月「アレっ、ホントなの?」

金剛 「あれ?」


首をかしげる

だって、そう言われても思い当たるフシが無い

もしかして、あの時だろうか? あるいはソレかも知れないが

取り立てて水無月に問い詰められるような話しでも無い気がした


水無月「いや…だからその…」


言い淀んでいる水無月

よっぽど言いづらいことなのでしょうか? 水無月が言い淀むような話といえば…


金剛「おーらいっ。提督のことですねっ!」


親指を立ててサムズアップ

それなら話は簡単だ。提督のことなら大体分かる、なんだって聞いてくれて構わない


金剛 「良いですよっ。好きな食べ物ですかっ、好みのシチュエーションですかっ」

水無月「違うからっ。司令官はっ、関係…なくもない、けどっ」


「だから、その…」と、何度も右往左往と彷徨った後


水無月「好きって言ったっての…ほんとなの?」

金剛 「?」


これまた首を傾げてしまった

今更そんな事を聞かれるとは思わなかったが、まあ取り立てて隠すような事でもなかった


金剛「そんなの毎日言ってますよ?」


朝起きて、夜寝る前、最低2回

あとは色々だ。出撃前だったり、帰還した後だったり、何処かで戯れて見たりして


水無月「そうじゃなくて…だから…。ああっ、もうっ!」


意を決したように水無月が声を上げた後


水無月「朝起きるじゃんっ!」

金剛 「はい」

水無月「眼の前に司令官がいるじゃんっ!」

金剛 「Oh…」

水無月「好きってなるのっ!?」


半ば自棄っぱちのような問に、2度3度と頷く金剛

そうして、首を傾げて捻って、肩慣らしに一周した後、肩を怒らせている水無月に手を伸ばす


触れたのは おでこ

水色の前髪をかき分けて、そっと掌を当てると、自分の額にも同様に掌を重ねて見る


金剛「?」


平熱? ですね?

特に変わりはないようだが、それならそれで 益々分からない

提督が好きすぎて変な夢でも見たかと思えば、まだ通りもする話では合ったが


水無月「熱なんかないからっ」


金剛の手を振り払い、さっと距離をとる水無月


金剛 「でも水無月。幾ら提督でも、そんな素っ頓狂な事を…」

水無月「されたんだから仕方ないんじゃんっ。金剛さんにもしたって司令官いってたもんっ」

金剛 「え?」


初耳だった

そんな既成事実を金剛はいつの間に作ったのでしょう?

いえ、あの人の事です。きっとまた思い出を造りに励んだだけかと思えば納得も行きますが

どうも得心の行かないことが一つだけ


金剛 「Hey、水無月?」

水無月「なにさ?」


いかり肩な水無月の肩に手を置いた後、ぐーっと顔を近づけた


金剛「どうしてこんごうはされてないのうらやましい」


本音がダダ漏れだった


水無月「しらないよそんなのっ。ていうかっ、なにっ、嘘だったのっアレっ!?」

金剛 「落ち着いて水無月、落ち着くのです。その時の状況を金剛に話して?」

水無月「そんなの…だって…」


恥ずかしさに顔が熱くなる

今思い出しても、背中が むずむず するのに、人に説明できるはずなんてなかった




一つ、引っかかりが見つかった

「ぇぇ…。でも金剛は…」そこで言葉は切れていた

自分が騒いだせいで口を塞いだだけかと思ったが。なんの事はない、元からアレ以上の言葉なんて無かったんだ

それで自分が騒ぐのまで織り込み済みで、あんな誤解を招く言い方をして…


水無月「あぁっ、もうっ、むーかーつーくーっ!!」


思い出しては腹が立つ

朝から今まで、司令官にからかわれっぱなしだ。たまには仕返しの一つでもしないと気が収まらなかった


水無月「金剛さんっ! 司令官の弱点とかなんか無いのっ、嫌がることとかさっ」

金剛 「ありませんっ無敵ですっ。そんな事より「好き」って言ったんですかっねっ!!」

水無月「言うわけ無いでしょっ、金剛さんと一緒にしないでよっ! ていうか無敵ってなにっ、そんな子供みたいなっ」

金剛 「そりゃ金剛がついてますからっ、守り抜きますともっ。お揃いで何が悪いのっ、提督LOVEは同じでしょっ」

水無月「同じじゃないもんっ、自分のはそんなんじゃないからっ。だったら、金剛さん倒せば水無月の勝ちなんだねっ」

金剛 「ふはははっ、やれるものならやってみるが良いでーすっ小娘に負ける程この金剛、軟ではありませんよっ

    それだったら水無月っ、貴女は提督に「嫌い」って言えるんですかっ、10回言えますかっ!」

水無月「言えるもんっそんぐらいっ、10回だって100回だって余裕だからっ」

金剛 「じゃあ「嫌い」って言われたいんですかっ」

水無月「そんなの…っ」


しょうもない口喧嘩の末、突然口ごもる水無月

そんな事を思い浮かべて、何かに縋るみたいに ぎゅっと拳を握り込む

目の端には髪と同じに水の色。じわりと滲み出した途端、留まるでもなく流れていく


「そんなの…やに、きまってんじゃん。どうして、そんな事言うの…金剛さんの意地悪…」


すすり泣きの涙声

声すら上げてないものの、もう次の瞬間には泣き出したっておかしくはなかった


金剛「あ、あ…」


言い過ぎた、やり過ぎた

売り言葉に買い言葉。しょうもない口喧嘩であっても言ってはいけないこともある

そうだ、私と同じに提督LOVEなら、提督からそんな事言われたら どう思うかなんてのは、考えるだけでも悲しくなるのに

未だ開き直れない水無月に、そんな想像をさせるのはあまりにも…


金剛「ご、ごめんなさい…水無月、私は、つい、その…」


きゃんっ!?


その先を言うことも無いまま、悲鳴と一緒に廊下に沈む金剛


大鳳「流石に見てられないわ…」


頭を抑えて悶える金剛を横目に、こっそりと艤装のカートリッジを仕舞い直す大鳳

そうして 一つ息を吐くと、泣いている水無月をそっと抱き寄せた


水無月「…」

大鳳 「大丈夫よ、水無月。提督は あなたの事大好きだから」

水無月「…ほんとに?」

大鳳 「ほんとほんと。じゃなきゃ、一晩中あなたの寝顔眺めてるなんて暇なことしないでしょう?」

水無月「うん…」

大鳳 「次は「好き」って言えるようにしましょう、ね?」

水無月「それはやだ…」

大鳳 「うふふ。じゃあ、提督に言ってもらうしか無いわね」

水無月「…それもやだ」


困った娘だと微笑む大鳳

とりあえず泣き止んだ事に胸をなでおろし、後は落ち着かせて笑顔にするだけ

残る問題は、床に転がっている金剛さんだけど


大鳳「喧嘩するのもいいけど。金剛さん?」

金剛「うん。水無月…ごめんなさい」


よろよろと、起き上がり素直に頭を下げる金剛

まぁ、もとよりこっちは心配はしていない。流石に頭が冷えれば見た目相応の振る舞いは出来る娘なのだから


大鳳 「水無月もね?」

水無月「うん…水無月も変なこと言って…その、ごめん」


もっと言えば提督もなのだけど

捕まえたって捕まりゃしないし、今日のおやつは抜きにしときましょうか


大鳳「それじゃ、水無月はこっちで預かるから。金剛さんはそこで反省してて」

金剛「いえす、まむ」





廊下の片隅、慎ましく正座をしている金剛

首に手書きのボードがぶら下がっており「水無月ごめんなさい」と書かれていた


JVS「はぁ…」


説教と、慰めついでに一緒になって体育座りをしているジャーヴィスは、大きく息を漏らしていた


もはや呆れるばかりなり

よもや駆逐艦と口喧嘩した挙げ句に泣かせてしまうなんて、ウォースパイトに聞かせたら卒倒しそうな話だった


金剛「言わないでっ。分かってるからっ、私が、金剛が悪かったから」


そんなの聞きたくないと、必死になってジャーヴィスの口に蓋をする金剛


JVS「そんなの当たり前。分かってない方が大問題よ」


ねぇ、金剛…


そっと、金剛の頭を撫でながら呟いた


「大人になりましょう?」(←英語

「ひぃぃぃ…」





食堂の片隅

腰に手を当て、仁王立ちをしている如月

それは まさに怒ってますとアピールをしているようで、実際その通りでもあった


如月「それで? 余計な事を言ったのはどっち?」


目の前には弥生と文月

どちらも正座をさせられたまま、如月と目が合わないように互い違いに そっぽを向いていた


弥生「そっち」

文月「こっち」


沈黙に耐えかね、お互いがお互いに指を差す

罪のなすり付け合い、素晴らしい姉妹愛


文月「酷いよ、弥生お姉ちゃん。妹を庇おうとか思わないのっ」

弥生「冗談。真っ先に姉を売る妹を庇おうだなんて誰が思うの?」

文月「じゃあ文月がやりましたっ」


さっと手を上げる文月


弥生「だ、そうです…」


内心、その背中を蹴っ飛ばす弥生


文月「薄情者っ」

弥生「違うよ? 妹の心意気を汲み取ろうって姉の気遣いを解って? 弥生だって泣く泣く…」


ここまで全て棒読みで、相も変わらずの無表情のままでもある


文月「涙はっ、せめて泣いてみせてっ」

弥生「ふっぅぁ…ぐすん」


顔を伏せ、肩を震わせながら、こっそり影で欠伸を漏らす

目尻には生理反応的に溜まった雫。強めに目を閉じて、それを押し流すと泣き後の完成だった


文月「うっわっ、ずるぅ。如月ちゃんみた? 今の? 欠伸してたよ、弥生ちゃん」


埒が明かない

しれっと不穏当な事をする二人を 並べたのが間違っていた

このまま放置しておけば、攻守が入れ替わって延々と しょうもないじゃれ合いを続けるだろう

平時であればそれも良い、良い賑やかしになるだろう


けれど


如月は少しばかり怒っていた

そりゃ、妹一人が泣いてたのだ、放っても置けない

たとえ直接やらかしたのが間の悪い金剛さん だったとしても…


提督の悪戯


発端はそこだろう。そして そっちは大鳳さんから おやつ抜きの刑が発令されている

甘いような気もするが、悪気もあった訳でもなし。もとより誰のせいでもないのだ、金剛さんの間が悪かっただけで

そうして、残った問題はこの二人

なにせ隠れるのが上手い。気配を消したり、人の死角に心の間隙に滑り込む

物理的に居なくなる提督も厄介だが、技術的には こっちのが面倒だった


言質は取れていない、犯人はどっち?


やってないよ、と言われれば信じるつもりではいたが

何を面白がっているのか、二人でじゃれ合うばかりなり


もしや、提督(実行犯)だけ?


確かに添い寝の一つは今更だが、唐突にそんな事をやるような…人でもあるか…


睦月「まあまあ、如月ちゃん。二人だって悪気が合ったわけじゃないんだし? やったかは知らないけど」


怒ってみせる如月の、その背中に寄り添う睦月


睦月「ここは睦月に免じて?」


正しく姉の鏡だろう

怒られる妹二人を庇う姿。多少甘くもあるだろうが、許される甘さだとも思う


文月「弥生お姉ちゃんにも見習って欲しいなぁ?」

弥生「良いの? 弥生が「にゃしー」とか言い出して? 可愛くなっちゃうよ?」

文月「自分で言う?」

弥生「にゃはははは…」

文月「うわーかわいいー」

弥生「でしょう?」


なんとも胡乱な会話だった


如月「まだ庇うの?」

睦月「もう良い…」


姉の優しさだって有限だし、それを分かるんだよ妹たちよ





提督「きーくーづーきー?」


目の前には今日のおやつ、シュークリーム

甘えるような声を出して、提督がそれに手を伸ばすと、厭うでもなく手渡そうとする菊月


長月「ダメだぞ?」

菊月「む…」

提督「長月のケチ…」

長月「誰がケチだ。自業自得じゃないか」


おやつが配られるのと一緒に、大鳳さんからのお達し

曰く「今日は提督に餌付けしちゃだめよ?」だそうな


提督「私は悪くないっ」

長月「かも知れんがな…」


自分の分のシュークリームを頬張る

滑らかな舌触りと、生地の香ばしさ、そうして広がる優しい甘さ


単純に美味い

それに舌鼓を打っていると、感じたのは視線。物欲しそうな提督からの視線だった


食べづらい…


じっと見つめられている

落ち着かない。口元にクリームでも付いてやしないかと、さりげなく触れてみるが何もあるはずがなかった

それはだって、見られているの自分じゃない。ただの食欲、手元のシュークリーム


あむっ


残りを全部口の中に放り込んだ

八つ当たりのように乱暴に、シュークリームを噛みしめると、ごくりと一息で飲み込んだ

気落ちした声が細々と聞こえてきたが、そんなものは全部無視だ


長月「だいたいお前が、水無月をからかい過ぎるから」

提督「だって。猫っ可愛がりしたかったんだもん」

長月「もんって…」


頭が痛くなる

唇を尖らせてそんな事を言われても可愛くもなんともないったら


長月「ほんとに嫌わてもしらんぞ…」

提督「長月は喜ぶじゃない?」

長月「喜んでるのはお前だろう。私は仕方なくだな…」


些細な嘘、すぐバレる嘘でもある

正直に、司令官に後ろから抱きしめて貰えるのは心地が良かった

口にするのは簡単だ。けど、それを言ってしまえば線引が出来なくなりそうで




1秒、2秒、お互いの沈黙が重なる

動きは無い、次に何を言い出すか、次に何をやりだすか、牽制の様に見つめ合ったまま

隣では、菊月がのんきにシュークリームを頬張り始めている

さっさと食べ終わってしまえばいい

そうすれば司令官の分もなくなって、この しょうも駆け引きにも区切りがつく

その一時、何となく菊月に意識が滑った隙間


がたっ


長月「動くな」

提督「ちっ…」


間髪入れずに指先を突きつけた

やりかねんと思っていたら案の定。何をするつもりだったかなんてのは愚問でしかない

私にも立場がある。皆のお姉ちゃんとは行かないでも菊月の姉ではいたい

それが簡単に好きにされては格好が付かなかった


いや、という訳じゃないがもう少し場所は選んで欲しいと思う


「し・れ・い・か~ん♪」


そこへ、ぴょんと現れる影

空気も読まずに横切って、含み笑いを隠しもせずに卯月が飛び込んできた


卯月「食べるぴょん?」


提督へ差し出されるシュークリーム。深くなっていく卯月の笑顔

きっと頭の中はこうだろう。提督が指を伸ばした瞬間に自分が ぱっくりと食べてしまう

そうして、残念そうに項垂れる提督を見て楽しもうって


しょうもない


そんな期待を知ってか知らずか

提督の指が卯月へと、その指先に摘まれたシュークリムに伸びていく


タイミングを図ったのは お互い様


手を引き戻すタイミングと、その手を掴み取るタイミング

卯月が動く、一拍遅れて提督も動いた

あるいは、野生のクマが鮭の一匹をすっ飛ばす時はこうもなろうかという勢いで

横薙ぎに振るわれた提督の指が、卯月の手首を絡め取る


卯月「ああっ!?」


後は単純な力比べ

卯月の小さな手が ずるずると提督の口元に手繰り寄せられていく

大きく開く口、騒ぎで潰れたシュークリームの中身が卯月の指先を汚している


もっしゃっ…もっしゃっ…


容赦なんか無かった

傍から見たら、子供からおやつを取り上げている最悪の光景でしか無い

一口、二口、提督の口の中へと飲み込まれていくシュークリーム

指先に残ったクリームまでもを、ぺろ と舐めあげると満足そうに息を吐く

そこに色気なんてものはなく、おやつを取られた子供の悲鳴が取って代わっていた


卯月「ああっ、何するぴょんっ! うーちゃんのシュークリームなんで食べちゃうのっ!!」

提督「うーちゃんが食べていいって言ったのよ?」

卯月「しゃこうじれい に決まってるでしょっ。どうしてわからないのっ!」

提督「人の好意には依存する主義なので」

卯月「重いぴょんっ。せめて甘えるくらいにしてっ」

提督「卯月の指先くらいに?」

卯月「やかましいぴょんっ!」


さっと提督から距離を取る卯月


卯月「ずいほーっ!! 司令官がうーちゃんのシュークリーム獲ったー」


そのまま駆け出したと思ったら、大声あげて瑞鳳の膝に泣きついた


瑞鳳「いや、今のは あんた が悪いでしょ…」


にべもない

縋り付く卯月の おでこを突っついて引き剥がす瑞鳳

いやさ、それで容赦なく取り上げる提督も大概大人気ないが、それで仕掛けた側のリスクが帳消しになるわけもない

提督の食欲を読みきれなかった卯月は、大人しく負けを認めて然るべき


なんだけど…


自分の分を半分に千切って、卯月に差し出した

別に、卯月に甘いだとか、同情した訳ではない

放ったらかしにして、そのまま纏わり疲れても面倒くさいだけ


そんだけ…


歪に割れたシュークリームの…少し、大きい方を卯月に差し出した


瑞鳳「ったくもう、これ上げるから大人しくしなさいな」

卯月「…」


差し出したシュークリームを しげしげと見つめる卯月

まさか遠慮してる? なんてある訳もないだけに、その空白の時間が不気味に思えた


卯月「ねえ、瑞鳳?」

瑞鳳「なによ?」

卯月「どうして一個じゃないの? うーちゃん全部取られたのに半分こなの? 瑞鳳はケチなの?」

瑞鳳「むか…」


私は怒っていい。怒っても許されていい筈だった


「とっぴっ」


不意に掛かる声。くすぐるような声音と、軽くなった指先

なくなっていたのはシュークリームの片割れ、行き先は提督の口の中…


瑞鳳「ちょっ、提督!? あんたなにやってっ」

卯月「とっぴっ!」

瑞鳳「ああっもうっ!」


意識が提督に向いた、その瞬間を見逃す卯月じゃなかった

すかさずシュークリームの半分を奪い去ると、勢いのままに走り去っていく


提督「これで半分こだねっ、卯月っ」

卯月「仲良しだぴょーん。うぷぷぷぷぷっ」

瑞鳳「何が半分こよっ。山分けってんでしょうがっそういうのはっ」

卯月「きゃー♪ きたぴょんっ、きたぴょんっ。しれいかんっしれいかんっ」

提督「ほいさっさっ」


伸ばされた卯月の手を拾い上げ、抱きかかえると、脱兎の如くの食堂から逃げ出すバカ二人


瑞鳳「まてやこらーっ!」


一緒になって追いかけていく瑞鳳も、はたから見たら同類のようでもあった




菊月「とられたな…」


湯呑を一つ

おやつの余韻を楽しんでいる菊月が、騒ぎ出した3人を見送っていた

その横顔は、見様によっては誰かをからかっている様でもあった


長月「別に…」


その意図に気づいたのか、長月が ぶっきらぼうに扉から目を逸らす


菊月「そうか…」


姉がそういうなら そうなんだろう


なんて…


素直に信じるわけでもないが

指摘した所で素直に頷くわけもないので、ここは聞き流しておいた


「なぁ…?」

「ん?」


伺うような姉の声音

いい加減に白状する気になったのかと耳を傾ける


長月「お前、最近なんか司令官に甘くないか…?」

菊月「…? そうか?」

長月「そうだよ」

菊月「そうか」


言われた上でも自覚は湧かなかった

ただ姉が言うなら そうなんだろうという ぼんやりとした感触だけが残る


菊月「ダメ、か?」

長月「いや…ダメ、でも無いが…」

菊月「?…そうか」

長月「まあ…」


奇妙な沈黙が続いた

お互い何か言おうとしてるのに、何を言ったら良いのかわからない


気まずい、歯がゆい、もどかしい


そんな時間が流れて、少し…

一つ、思いついたことがある。姉が私に、司令官に甘いと言った その理由


菊月「好きだしな…司令官のことは」


まあ、贔屓の一つもしたくなるんだろう…多分


長月「…そうか」


覚束ない姉の反応

何を心配してるのか知らないが、はっきり言っておいたほうが良さそうだった


菊月「うん。姉さんの事もな?」

長月「いや、私のことは…」

菊月「ん? 違ったのか?」


覗き込む姉の横顔

最初こそ否定しようとしていたようだが、やがて諦めた様に息を吐いた


「ちが…くもない」



「提督、ソレ以上逃げたら夕食が無くなるわよ?」

「ざんねんっ、司令官は大鳳につかまってしまったぴょっ!? やーっ、はーなーしーてっ! はーなーすーぴょんっ!?」

「まさかよっ。一人だけ逃げようなんてのはっ」

「大鳳さんっ、ナイスっ♪ いい加減叩かせろっバカどもっ!」


ー いっったぁぁぁぁいぃっ!? ー


菊月「やかましいな…」

長月「ほんとにな…」





気づけば、執務室のドアの前にいた

握ったドアノブ。軽く力を込めて押し込めば、すぐにでも司令官の顔が見れるだろう


正直…


自分が何をしたいのか分からない

いきなり 泣き出して金剛さんを びっくりさせちゃったし、大鳳さんにも心配を掛けてしまった


痛そうだったな、あれ…


思い出すの廊下でのたうち回ってた金剛さん。流石にアレは自分の責任ではないと思いたい


それもこれもなんのかんも司令官が悪いって、そう言うのは簡単だった

金剛さんにも そう言った。司令官なんか大嫌いって、10回でも100回でも言えるのにって


でも何故か…


司令官にそう言われるのだけは嫌だった。泣きそうなくらいに嫌だった


意味わかんないし


自分で嫌いって言うのは良くて、言われるのは嫌だって

嫌だから距離とって、それでも気になるから覗き込んで。そりゃ、司令官だって面白がるよ

だったらいっそ、好きにさせればよかったのか。頭を撫でられ、抱きしめられて…


知らず、指先が唇を撫でていた


思い出した感覚、初めての感触

自分からほっぺにするんじゃなくて、人からされた柔らかさ


こんなのじゃなかった


唇に押し付けていた指を離す。残ったのは口寂しさと物足りなさ

ひんやり と冷える廊下の空気。曖昧な照明の下、真っ暗なガラスの群れが、どこまでも続いていきそうな気味の悪さ

ドアノブに触れている指が冷たくなってきた。このまま此処にいると凍ってしまうんじゃないかって錯覚


いっそ、部屋に戻ろうか?


何をしに来たのか分からないのに、こんな所で、寒い思いまでして

部屋に戻れば三日月だっているだろう。わがまま言って一緒の布団に潜り込めば良い


がちゃり…


扉を開く

「何をしてるの?」と聞いてくる自分に、「顔を見るだけだって」答えていた

「それでどうするの?」と聞いてくる自分には、「別にどうもしない」と答えて


「じゃあなんで」って、知らないよそんなの


司令官が幸せそうに寝ている

そんなに今日は楽しかったのか、そんなに水無月をからかって楽しかったのか

それとも良い夢でも見てるのかな? それで自分が出ていたりして…


まぁ、ないか…


夢にまで出そうなのは、金剛さんくらいだろうし

いや、どうだろう? さっちん辺りの夢を見て「どうして金剛はでてないの?」ってコッチのほうがありそうだ


「みなづき…」


どきっとした

本当に自分の夢を見てて、名前を呼ばれて、それが嬉しいのか恥ずかしいのか考える前に


拳を振り上げていた


提督 「どきってするかと思ったんだけど?」

水無月「…」


無言だ

ただただ無言で振り上げた拳を翳してみせた

それ以上言ったら、このまま振り下ろすと口を引き結んでアピールする


提督 「怖い顔」

水無月「だれのせいだよ…」

提督 「寝ている私に悪戯しようとする水無月が悪い」

水無月「何もしてないじゃん」

提督 「おかしいな? 何もしなかった私は随分と怒られた風に思うけど?」

水無月「それは、だって…」


言われてみれば似たような状況だった

どうして自分が良くて司令官がダメなのか、そんな理由あるわけないのに

削がれた気勢に握った拳が解かれて、ゆるゆると落ちていく


やっぱり来なければよかった


また水無月ばっかり、からかわれている

けっきょく司令官にとって、自分はそういう相手なんだろう

反応が面白いから からかってるってだけだって


あの時だってきっとそう


水無月「ねぇ、司令官」


試しに聞いてみた

自分ばっかり からかわれるのは納得がいかないから

たまには、言われる立場にもなってみればいいって思う


水無月「いま、目の前に水無月いるんだけど…」


不思議そうな顔をする司令官に、そのまま顔を近づける

逃さないように、逃げられないように。見えるように、見逃さないように


水無月「だから、その…好きって、なるの?」


口にしてもバカだこれ。なるわけ無いじゃん、そんなの


でも、少しだけ…期待が無いと言えば嘘だったかもしれない


提督 「なるわけ無いじゃん」

水無月「ははっ…。なんだよそれ、自分で言っといてさ」


乾いた笑いが口から出る

予想通りだと分かった振りをしていたけれど、実際に言われると胸が重たくなった

込み上げそうな何かを必死で飲み込んで、司令官から距離を取る

もう顔なんて見てる余裕もなかった、一刻も早く部屋から出ないと自分がどうなるかなんて分からなかった


「だってもう好きだもん」


足が止まる

振り返った時には、毛布に包まりソファに埋もれている司令官


聞き間違い?


そう言う事にしておけばいい。要らない期待なんて、自分を傷つけるだけだってのは、もう十分だった


けど…


屈み込み、司令官の背中を突っつく


提督 「何?」

水無月「なんか言った?」

提督 「言った通りだよ?」

水無月「だからさ…」


「好きって言ったの?」なんて聞き返せるわけがないし、司令官は答えない


ずるい、ずるいし意地悪だ

わざとらしく爪を立てると、少しばかり司令官の背中が震えた


少しは痛いんだろうか?


だったら丁度いい、仕返しだ

そのまま ジリジリと背中を爪でなぞって行く


横に1本、十字に切って円を伸ばす

続けて横に2つ、斜めに落としてさらに一つ


単純な二文字

そんな簡単なことに、そんな簡単なことで、少しばっかり気が楽になっていた


「…なんて書いたの?」

「ばかって書いたの」

「ぜったいうそ」

「にひひ…。どうかな?」




それは、ある日のこと


提督「ねぇ、弥生…」


珍しく神妙な顔した提督と


水無月「ねぇ、ふみちゃん…」


どこか不安そうな顔をした水無月


「もしかして私、避けられてる?」

「もしかして水無月…嫌われてる、かな?」


言いたい事は分かったが、言ってる意味が分からない


そりゃ、ああも からかえば距離を取ろうとするだろうし

そりゃ、そんな距離のとり方をすれば気だって使われるだろう


説明するのが面倒だった

ぐちゃぐちゃ になった好意の糸を解いて回るくらいなら


文月「しれーかーん。たまには 水無月(みぃ)ちゃんに構ってあげなよ?」


って、言う方が早いし


弥生「いつ司令官に好きっていうの?」


なんて意識させた方が早いと思った


きっと、司令官はGOサインを出されたと思うだろうし

きっと、水無月は割れる直前の風船みたいに膨らむだろう


弥生「明日が楽しみだね…」

文月「わかる。対岸の火事って綺麗だもん…」


「「ねー」」



ーおしまいー



後書き

水無月「…」
望月 「何も見てないって…」
水無月「ほんとに?」
望月 「そりゃ、司令官の背中に◯◯って書いてたなんて、恥ずかしくて見てられないだろ?」
水無月「ほらーっ、バッチリ見てんじゃんかっ!?」
望月 「まじで書いたのかよ…」
水無月「え…。あ、や、なしっ、今のナシっ」
望月 「べつに誰にも言わないっての…」
水無月「そんなの当たり前でしょっ。言いふらしたら酷いんだからっ」
望月 「あたし はな?」
水無月「あたしは…って…」

文月「はぁい♪ みぃちゃんっ♪」(←どっかのピエロ風

水無月「ひぃぃっ!?」
弥生 「安心して、弥生もいる…」
水無月「いやぁぁっ!?」
文月 「大丈夫だよっ、誰にも言わないからっ」
弥生 「うん。ちょっと向こうでガールズトーク(猥談)したいだけ」
水無月「せめて字幕伏せてっ!?」
文月 「じゃあ、行こうか?」

水無月「え、まってっ、司令官ったすけ…」
提督 「私もまぜて?」
弥生 「おいでおいで…」
水無月「こっちくんなっ!」

提督 「忙しい娘…ふふっ」



提督「じゃあ、望月。こっちはこっちで、コメント返し(ガールズトーク)しよっか?」
望月「あいあい」



・怒ってる球磨ちゃん…

提督「人に心配をかけるとね…もっと構って欲しくなるよね」
望月「ならねーよ。反省しろバカ」

提督「愛玩動物の球磨ちゃんか…。ひたすらベタベタしてきそうだな…」
望月「アホ毛が常時ハートマークだったり…」

球磨「ていとくー、だいすきだクマー♪」

提督「みたいな? 今度罰ゲームで言わせてみようぜ」
望月「勝てると良いな」

・嫁は皐月

提督「でも望月だってっ」
望月「ひっつくな、分かってんだよそんなのは」
提督「そう?…でも望月だってっ」
望月「だーもーっ」





ここまでご覧いただきありがとうございました
また、いつも コメント・オススメ・評価・応援も合わせ、重ねてお礼申し上げます

定期的に水無月に構いたくなる病気

イベントになると、皐月が一人で先制対潜と対空カットインをこなしてくれる、強い
輸送任務も出来るし、集積地が一発で死ぬ、強し


ー以下プロフィール(長いー


提督
練度:神頼み 主兵装:刀 物理無効・神出鬼没
「触らぬ神に祟りなしって、言うだろう?」
長髪の黒髪、何時も気だるげな表情をしてる癖に、人をからかうときだけはすっごい楽しそう
一応、白い制服を着けてはいるが、上から羽織っている浴衣が全てを台無しにしている、不良軍人
そもそも、軍人どころか人ですら無い、元土地神様
覚えている人もいなくなり、ようやく開放されたと思えば、深海棲艦が湧いてきて…
3食昼寝付きの謳い文句も手伝って、提督業を始めだした
性格は、ほとんど子供。自分でやらないでいい事はまずやらない、明日できることはやらないで良い事
悪戯好きで、スカートめくりが好きなお年ごろ
また、結構な怖がりで、軽度は人見知りから始まり、敵は全て殲滅する主義

三日月と一緒にお風呂に入れる券;残り…

皐月ー愛称:さつきちゃん・さっちゃん・さっきー
練度:棲姫級 主兵装:12・7cm連装砲(後期型 好感度:★MAX
「え、司令官かい?そりゃ…好き、だよ?なんてな、えへへへ♪」
初期艦で秘書艦の提督LOVE勢。提督とは一番付き合いの長い娘
その戦闘力は、睦月型どころか一般的な駆逐艦の枠から外れている程…改2になってもっと強くなったよ
「ボクが一番司令官の事を分かってるんだから」とは思いつつも
まだまだ照れが抜けないせいか、ラブコメ時には割とヘタレである

睦月ー愛称:むつきちゃん・むっつー・むっつん
練度:褒めてっ 主兵装:12・7cm連装砲(後期型 好感度:★MAX
「提督っ、褒めてっ!」
わかりやすい提督LIKE勢、「ほめて、ほめて~」と、纏わりつく姿は子犬のそれである
たとえその結果、髪の毛をくしゃくしゃにされようとも、撫でて貰えるのならそれもよしっ
好感度は突っ切っているが、ラブコメをするにはまだ早いご様子

如月ー愛称:きさらぎちゃん・きさら
練度:おませさん 主兵装:12・7cm連装砲(後期型 好感度:★MAX
「司令官?ふふ…好きよ?」
提督LOVE勢。良い所も悪い所もあるけれど
むしろ、悪い所の方が目立つけど、それでも あなたが大好きです
だから、何度でも言いたいし、何度でも言われたいの、ね?司令官?

弥生ー愛称:やよいちゃん・やよやよ・やーよ
練度:無表情 主兵装:3式爆雷 好感度:★9
「司令官?好きだよ、普通に」
普通の提督LOVE勢。変わらない表情をそのままに平気で悪戯をしてくる娘
表情が変わらないならと、大袈裟なリアクションも いつもの澄まし顔で本気に取ってもらえない
結局は卯月の姉、卯月絡みで何かあったら半分くらいは弥生のせいと思っていい

卯月ー愛称:うーちゃん・バカうさぎ、うーちゃんねーさん
練度:ぴょんぴょん 主兵装:超10cm高角砲★MAX 好感度:★7
「司令官?そんなの大好きに決まってるぴょんっ」
ぴょんぴょんする提督LIKE勢。毎日ぴょんぴょんと、あちこちで悪戯しては怒られる毎日
主な対象は瑞鳳、「だって、からかうとおもしろいだもん」なんのかんので構ってくれる瑞鳳が好き
口が滑る水無月と違って、一言多いタイプそれもわかった上、いらん事をよく言う2人である

水無月ー愛称:みぃ・みーな
練度:うん、わかるよ 主兵装:12・7cm連装砲(後期型 好感度:★8
「司令官、呼んだかい?」
よく笑う提督LOVE勢。艦娘として姉として妹として仲間として
頼って欲しいと自己アピールは欠かさない。欠かさないけど裏目にでる
胸を張った途端の平謝りが板についてきた
一言多い卯月と違って、よく口が滑るタイプ、いらん事を良く言う2人である
自分が結構ツンデレ気味のやきもち焼きだと気づいたこの頃、降って湧いた恋愛感情と格闘中

文月ー愛称:ふみ、ふーみん、文月さん
練度:ほんわか 主兵装:12・7cm連装砲(後期型 好感度:★9
「しれいかん?えへへー…なーいしょっ♪」
ふんわりとした提督LOVE勢。ちゃっかりと美味しい所はいただくタイプ
ラブコメをする姉妹たちの背中を押したり、喧嘩の仲裁に入ったり
緩衝材みたいに立ち回りつつ、実際はプロレスのロープみたいに跳ね飛ばしてくる
二人っきりになるとそこはしっかりと、ラブコメだってやってみせる
本人曰く「大福餅」白くて甘くて…その先は内緒

長月ー愛称:なつき、なっつん、なっつ
練度:頼りになる 主兵装:5連装酸素魚雷 好感度:★8
「司令官…いや、まあ…いいだろ別にっ」
おでこの広い提督LOVE勢。司令官に ちゅーしてこの方
自分の感情を見ない振りも出来なくなり、最近は割りと素直に好意を見せてくれたりもする
自分の感情に振り回されるくらいにはラブコメ初心者。あと、シスコン(菊月)

菊月ー愛称:菊→菊ちゃん→お菊さん→きっくー→くっきー
練度:威張れるものじゃない 主兵装:12・7cm連装砲B型改2★MAX 好感度:★8
「ながなが?ながなが ながなが」
箱入り提督LIKE勢。おもに長月に過保護にされてるせいでラブコメ関連はさっぱり
しかし、偶に見せる仕草はヘタなラブコメより攻撃力は高い。やっぱり如月の妹である
大艦巨砲主義者、主兵装は夕張に駄々を捏ねて作らせた。それとシスコン(長月)
最近、司令官との共通言語が出来た。合言葉は「ながなが」

三日月ー愛称:みつき・みっきー
練度:負けず嫌い 主兵装:12・7cm連装砲(後期型 好感度:★9
「し、しれいかん…そ、その…好きですっ!」
おませな提督LOVE勢。どこで仕入れたのか変な知識は一杯持ってる
そして、変な妄想も結構してる。すぐ赤くなる、可愛い、むっつり
提督と望月に、からかわれ続けたせいで、たくましくなってきたここ最近
ラブコメモードは基本に忠実

望月ー愛称:もっちー、もっち
練度:適当 主兵装:12・7cm連装砲(後期型  好感度:★MAX
「司令官?あー、好きだよ、好き好き」
適当な提督LOVE勢。とか言いつつ、好感度は振り切ってる
だいたい司令官と一緒に居られれば満足だし、司令官になんかあれば不言実行したりもする
ラブコメには耐性があるが、やるとなれば結構大胆

球磨ー愛称:ヒグマ・球磨ちゃん
練度:強靭・無敵・最強 主兵装:46cm…20.3cm(3号 好感度:★MAX
「提督?愚問だクマ」
突き抜けてる提督LOVE勢。気分は子グマの後ろに控えている母グマ
鎮守府と提督になんか有ろうものなら、のっそりと顔を出してくる、こわい
積極的にラブコメをすることもないが、昔は提督と唇を奪い合った事もある
大艦巨砲主義者。最近、私製46cm単装砲の命中率があがった、やったクマ

多摩ー愛称:たまちゃん・たまにゃん
練度:丸くなる 主兵装:15・2cm連装砲 好感度:★6
「提督?別にどーとも思わないにゃ?」
気分は同居ネコ。とか言いつつ、なんのかんの助けてくれる、要は気分次第
絡まれれば相手もするし、面倒くさそうにもするし、要は気分次第
特に嫌ってるわけでもないし、いっしょに昼寝もしたりする、要は気分次第
ラブコメ?何メルヘンなこと言ってるにゃ

北上ー愛称:北上様・北上さん
練度:Fat付き 主兵装:Fat付き酸素魚雷 好感度:★9
「提督?愛してるよん、なんちって」
奥手な提督LOVE勢。気分は幼なじみだろうか
このままゆるゆると、こんな関係が続くならそれで良いかなって思ってる
初キッスはチョコの味がした

大井ー愛称:大井さん・大井っち
練度:北上さん 主兵装:北上…53cm艦首(酸素)魚雷 好感度:★8
「提督?愛してますよ?」
分かりにくい提督LOVE勢。そうは思っていても口にはしない、絶対調子に乗るから
足と両手が埋まったなら、胸…艦首に付ければいいじゃない、おっぱいミサイルとか言わない

木曾ー愛称:きっそー、木曾さん
練度:悪くない 主兵装:甲標的 好感度:★7
「提督?まあ、アリなんじゃないか?」
カッコイイ提督LOVE勢。提督に赤くさせられたり、提督を赤くしたりと、まっとうなラブコメ組
そういうのも悪くはないが、本人はまだまだ強くなりたい模様
インファイター思考だけど、甲標的を使わせたほうが強いジレンマ

金剛ー愛称:こう・こうちゃん・こんご
練度:Burning Love 主兵装:Burning…46cm3連装砲 好感度:★MAX
「提督…Burning Loveです♪」
分かりやすい提督LOVE勢。提督の為ならたとえ火の中水の中
何時からだったのか、出会った時からか
ならそれはきっと運命で、この結果も必然だったのだろう
けれど、鎮守府ではオチ担当、艦隊の面白お姉さん、取り戻せ、お姉さん枠

見た目の割に子供っぽい

瑞鳳ー愛称:ずいほー・づほ姉ちゃん
練度:卵焼き 主兵装:99艦爆(江草 好感度:★6
「だれがお姉ちゃんよっ」
気分は数ヶ月早生まれな幼なじみ。ラブコメルートもあった気がしたけど、何処行ったかな
卯月にからかわれて追っかけまわすのが日課。弥生に唆されてモヤモヤするのも日常
だからって、別に卯月を嫌ってるわけでもなく実際はその逆である

夕張ー愛称:ゆうばりん
練度:メロン 主兵装:軽巡に扱えるものなら何でも 好感度:★6
「ゆうばりんって…気に入ったのそれ?」
気分は一個上のお姉さん。卯月や菊月の駄々に付き合ったり
球磨や提督の無茶振りで、アレな兵装を作ったりと、信頼と安心の夕張さんである
特に決まった装備は無く、戦況次第でなんでも持ち出すびっくり箱、安心と実績の夕張さんである

大鳳ー愛称:大鳳さん
練度:いい風 主兵装:流星改 好感度:★9
「提督、愛してるわ」
素直な提督LOVE勢。金剛見たいにテンションを上げるでもなく、息を吐くように好意を伝えてくる方
ラブコメに悪戯にと我慢強い方だが、許容量を超えると…
その落ち着いた物腰からは、艦隊の保護者っぽくなっているが、内心は見た目通り歳相応だったりもする

見た目以上に大人気ない

U-511ー愛称:ゆー、ゆーちゃん
練度:ですって 主兵装:WG42 好感度:★8
「Admiral…提督さん、次は何をすれば良い?」
好きとか甘いは良く分からないけれど、Admiralの お手伝いが出来ればいいなって思います
素直、とても素直、素直すぎてすぐ手が出るくらい素直
鎮守府の番犬・猟犬・あるいは狼も通り越して、やっぱり番犬の位置に落ち着いている
如月に貰った三日月型の髪飾りは宝物

ポーラ-愛称:ポーラさん
練度:赤ワイン 主兵装:白ワイン 好感度:★7
「提督さん?面白い人ですよねー」
ゆーの舎弟。あんまりな言い方をすれば、そういう立場
酒は飲んでも飲まれるな。口も態度も緩くなるが、意外と理性は残ってる


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SS好きの名無しさんから
2018-10-22 10:43:03

SS好きの名無しさんから
2018-10-15 22:42:25

SS好きの名無しさんから
2018-10-11 19:53:33

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2018-10-11 19:53:33

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-: - 2018-10-11 19:55:56 ID: -

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2: 十六夜月乃 2018-10-20 14:11:04 ID: 3HHEzUqA

久々の睦月型全員登場!
皐月たちの可愛い姿(?)が見れて大満足です!!
水無月がまだまだ照れが抜けてないところや皐月の「やったーボクのかちっ!」のとことか文月と弥生が相変わらずなところとかっ!最高。

懐かしくなってもう一度1話から読み直したのですが、みつよ様が私のストライクロリゾーンだったことに今更気づく。
というわけで、また出してくださると嬉しいです!

アーケードもイベントが始まりました!
前半は北方棲姫だったのですが、
「ひゅう、楽勝じゃーん」
と撃破したのも束の間、ほっぽちゃんの轟沈(?)台詞に殺られました。
早く水無月実装してくれないかなー

今回のssも面白かったです!頑張ってください!


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-: - 2018-10-11 19:54:24 ID: -

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