2021-05-02 06:26:18 更新

概要

3 に ん で わ ち ゃ わ ち ゃ し て み た か っ た

注意事項

二次創作にありがちな色々
二次創作の薄い本にありがちな様々
都合のいい道具と、唐突な ふたなり
Drはちまっこい 女の子
私のメランサとカーディはそんな事しないって思う人




ロドスの休憩室


その机の片隅に放置されていたのは、一冊の本だった


「こ、これは…」


運が良いのか悪いのか


たまたま それを見つけしまったカーディは、驚きと好奇心で完全に動きを止めていた



目の前には一冊の本


そう、なんの変哲もないただのエロ本


肌色の多い表紙に始まり、恥ずかしい写真や、あられもない光景が惜しげもなく描き出されている


そんな、何処にでもあるただのエロ本



ごくり…


無言のままに生唾を飲み込み、見なかったことにしようと視線を外す


しかしどうしたことか


そこから先に足は動かず、外したはずの視線はじわじわと、視界の隅にエロ本を捉え始めていた


少しだけ…そうそう、こんな所にあるのが悪いんだし…

ちょっとだけ、目につかない所に片付けるだけだから


吸って吐いて、自分に言い訳をしながら深呼吸を繰り返し、内心のドキドキで逆だった毛並みを落ち着ける


ゆっくり…ゆっくり…

そっと…そーっと…


ある意味での危険物は、カーディに触れることさえ躊躇わせながら

それでも、抗いがたい誘惑は、ついに指先へと届いていた


「あ、カーディみっけっ」

「わぁぁっ!? あ、あっドクター!? へ、なんでこんな所にっ」


その場から飛び退けばよかった


後悔の文字はその通り。つい、勢いで、後ろ手に隠してしまった本がとてつもなく重たい


「なんでって? そりゃ、休憩室でしょう? 私が居てはいけない?」

「いや、それは…そうだね。休憩室だったもんね…」

「?」


挙動不審は自覚しながらも、それを直すことも出来ないまま

落ち着かない カーディの様子に、ドクターの首が こてん と、可愛らしく傾いた


「ねぇ、カーディ?」

「なんでもない…」


その先の言葉を奪うように言葉を重ねる

休憩室に居るんだもの、ちょっと疲れてるだけと、あるいは ドクターと初対面であれば、それも通じたのかも知れないが


それこそ毎朝顔を合わせて、何でも無いのにじゃれ合うような間柄


その違和感にドクターが気づかない訳もなく、見ない振りをしてくれるほど優しい子じゃないのも分かっていた


「見して? 何を隠しているのよ?」


ほら来た…


首を傾けたまま、覗き込もうと回り込んでくる


「だから、何でも無いって…」

「なんでも無いなら尚更よ。見してくれても良くなくない?」

「良くなくないから隠してるんだっての、分かってよっ」


くるくる…くるくる…


隠したいカーディと、暴きたいドクターが、コーヒーカップの如く回り続け


「とうっ! あっ…」

「ああっ…ドクターっ!?」


伸びてきたドクターの手を避けようとして、バランスを崩したドクターが転びそうになり

反射的に支えようとしたカーディの手から それがこぼれ落ちると


ぱさり…


床に広がったエロ本は、惜しげもなくそのページを晒してしまっていた



「こ、これは…」

「…」


カーディの手に支えられたまま、床に広がったエロ本を見下ろすドクター


「エロ本だわ…」

「言わないでよ…」


わざとらしく口に出されると、そんな物を隠していた事実にカーディの頬は熱くなる


「カーディは…こういうのが趣味なの?」

「そういうんじゃ…。それに、それ…私のでもないし…たまたまそこにあっただけで…」


カーディにとって幸いだったのは、まだ読んでもいなかったことか

おかげで下手な嘘を重ねる必要もなく。「ふーん…」と、それ以上ドクターに勘ぐられることもなかった


「読んでみましょっか?」

「へ?」


何気なく


それこそ、そこにあった雑誌を拾い上げるような感覚で、ドクターの手がエロ本に伸びていく


「いやいやいやっ!? ダメだよそんなの…」

「ダメってことはないでしょう? 違法なものでもないのだし。ねぇ?」

「ねぇ? って…でも、だって…」


そりゃあ、興味がないなんて事はなく…

一人っきりならなんとなくって、ページを開くくらいはしていた様な気はするけども


「大丈夫よ、カーディ。エッチな子が嫌いな男なんていないものだわ」


それは、あまりにいつもの声だった


いつも通りに可愛らしく、いつも通りにからかうような ドクターの声

一瞬言ってる意味が分からずに。だんだんと、ぼんやりとでも浮かんできた誰かの顔は


「ばっ!? 別に二人は関係ないでしょうっ!?」

「あら? 私は誰とも言ってはいないじゃない? ねぇ、カーディ? 一体誰のことを考えたのかしら?」

「なぁ…あ、むぅぅぅ…っ」


クスクスと、ドクターが笑っている


可愛らしい仕草で、可愛くないことを言ってくる

いつもはジェシカさんが掴まされている 貧乏くじを引かされた気分で、穴があったら入りたいくらいに恥ずかしい


「そ、そういうドクターこそどうなんだよっ。アンセルくんといつも一緒に居るじゃんかっ」

「な…。べ、別にアンセルくんはアンセルくんよ…。いつもなんて一緒にいないし…人を甘えん坊みたいに言わないでってっ」


唐突に思いついた反論は、ドクターの胸に突き刺さっていた

露骨に詰まる減らず口。急におとなしくなったかと思えば、知らんぷりとエロ本から手を離す




沈黙が重い


探られるのを嫌った二人の無言は、静かな牽制として休憩室を満たしていく


「ね、ねぇ…?」


そう言い出したのはどっちだったろうか?


逸らそうとした話題は自ずと分かりやすい話題に、一冊の本へとずれていき


「ど、ドクターが見たいって言うなら…少しだけ…」

「私は…カーディに付き合うだけだから…」


ぺらり…


好奇心に押されて捲ったページの先で、目が釘付けになってしまっていた





「ちょっ…カーディ、捲るの早いって」

「は、早くなんかないでしょ…。そんなまじまじみちゃってさ…ドクターのえっち…」

「えっちってなによっ。カーディだってさっき固まってたじゃないっ」

「固まってなんて…ただ、その…気持ちよさそうだなぁって…」


みたい、けど恥ずかしい


すっごくドキドキして、悪い事をしているような気分になるのに

ページを捲る手が止められず、固まった視線が動かせない


「でも…どうせ、えろ本でしょう? ちょっと大げさに描いてるだけよ…絶対、そんなの…」

「そりゃ…そうかも、だけど…」


年頃の少女が、男の人に滅茶苦茶にされているようにも見えるのに

少女の表情は とても気持ちよさそうに見えて、その最後の瞬間は涙を流すくらいに幸せそうで


もしかしたらって思ってしまう


鼓動が鳴り止まない


自分のも触ってみたら気持ちいいんじゃないかって


胸のドキドキが疼くみたいに、全身に広がってってる


絶頂って…いくって…どんな感じがするものなんだろう?


体のあちこちが ムズムズして落ちつかない



ぺらり…


ページを捲り、それが最後だったことに気づき「ぁ…」と二人して声を漏らす


終わったことほっとして、それが物足りなくって息を吐く


顔が熱い


読みすすめる内に、お互いを突きあう余裕もなくなり

熱くなった吐息だけが、沈黙の中で会話をしていた


互いに互いを盗み見て…


重なった視線を慌ててそらす



「ね、ねぇ…?」


そう言い出したのはどっちだったろうか?


試してみたい、少しだけ…


お互いに触れ合ってみたら、少しは気持ちも分かるんじゃないかって


「カーディ…」

「ドクター…」


ゆっくりと…時間が止まったような気がするくらい恐る恐る

それでも、近づいていった二人の顔、その唇は重なるように吸い込まれていく


ちゅっ…


触れるか触れないか


そんな僅かな繋がりが、二人の頬を染めると同時に、弾けるように顔を離していた


やっちゃった…しちゃった…なんかすっごいドキドキする…


似たような感想に心が悶え、飛び出しそうな心臓の音を必死に飲み込む


「ど、どうだった…ドクター?」

「どうって…そんなの…」


分かるわけない…というか覚えてもない


ドキドキに誘われてキスをして、唇からふわぁって何かが広がってきて

それも一瞬、慌てて唇を離した後は、恥ずかしくってしょうがなくなっていた


「カーディこそどうだっていうのよ…」

「どうって…そんなの…」


分かるわけない…というか覚えてもない


ドクターの顔が近づいてきて、可愛いなって思うほど急に恥ずかしくなっていて

目を閉じて、唇が温かくなって、強くなるドキドキに驚いて




なんか恥ずかしい、いつもどうやっていたかも思い出せない

今朝までは普通にじゃれ合っていた筈なのに、ちょっとキスをしてみたくらいで

二人して、この後どうしたら良いかだなんて、ぜんぜんまるで分からなくなっていた


ちらり…ちらり…


伺う顔色は赤いまんま


なのに、もうお終いとは言う気にならず


間合いを測るように じりじりと、一度離れた顔色がどんどんと近づいていく


「だ、だって…良く分からなかったし…」

「そう…だね…うん」


じゃあ…


なにが「じゃあ…」なのか、二人にも分からないまま、その唇はもう一度重なり合った


びくっと、体が震える


跳ね上がった心臓に、再び逃げ出したくもなるけれど

ぐっと堪える代わりに唇を相手に押し付ける


さっきよりも、深く、強く繋がる感触


触れ合った唇から、胸のドキドキが伝わってしまいそう


こんなに近くに あの子がいる


大好きだった。妹みたいで、お姉ちゃんみたいで

構ってあげたくて、遊んで欲しくって、もっと一緒にいたくなる


大好き…大好きだけど


その言葉が、触れ合った唇から溶け出していく


溶けて、溶けて、くっついて…離れがたい


さっきよりも長く、ずっとずっと熱いキス


もっとずっと続けていたいのに


「ぁ…」


ふいに、離れた唇から声が漏れる

唇に指を当てて、自分達にもわからない表情を隠す仕草は、鏡合わせみたいだった


どうしよう? どうしたら良いのかな?


もっとしてみたいけど、もっとしてあげたいけど


このままキスばっかりじゃ落ちつかない

お手本代わりのエロ本は、もっと凄いことまでやっていて


二人の興味は、当然のようにその先へと伸びていく



「きゃっ…!?」


ドクターの口から小さな悲鳴が上がる。慌てて抑えた手には、カーディの手が握られていた


「あ…ごめん、痛かった?」

「いたくは…痛くは無いんだど。急に触るんだもの…驚くじゃない…」


スカートの中に忍び込んだカーディの手が、探るように指先を伸ばす

薄い布地の感触と、僅かな湿り気。それを確かめようとして、ドクターに手を抑え込まれていた


「カーディのえっち…」


呟いたドクターが、真っ赤にした顔を背けたまま黙り込むと

彼女を抑えていた手から力が抜けていく


「っ…」


そんなドクターの仕草が、カーディの胸を弾けさせていた

「いいの?」と聞こうとして言葉を飲み込み、衝動的に ドクターに触れたくてしょうがなくなってくる


押し倒したい…


えっちな本の真似をするなら、きっとこの感覚がそうなのだろう

でもだからって、あんな風にドクターに乱暴をするのは気が引けるし


それでも、何もせずにはいられずに


おあずけになっていた指先を、ほんの少し進ませて


「ゃ…」

「ぅぁ…」


触れて、触れられて、二人の口から漏れる声


下着に沈み込む指先に、熱い粘り気が絡みつき

浅く入ってくる指先に、もったいつけるような感覚が昇ってくる


「ど、どう?」

「どうって…べ、べつに…何とも無いし。ぜんぜん、平気なのよ」

「そう、なの? でも…」


ゆるゆると、愛撫と言うには拙い動きで、カーディの指先はドクターの下着の上をなぞっていく

張り付いた布地に、浮き上がった形をたどりながら、時折指を滑らせていると

指先に絡みつく粘り気が増えていき、こころなしか、ドクターの吐息も熱くなってきているようにも見える


「ドクター…すっごく濡れちゃってるけど。これ、愛液…だよ、ね? たぶん…」


スカートの中から引き抜いた カーディの指先には、たっぷりと滴るほどに愛液がまとわり付いていた


「それは…だって、カーディが変な触り方するから…」

「じゃあ…やっぱり、気持ちよかったの?」

「そんなんじゃっ。ついっていうか…たまたま…っていうか…」


カーディの指先を汚す愛液を前にして、顔を赤くした二人が黙り込む


たぶんきっと、ここまではエロ本どうり…多少は大げさでも間違ってもいない感じだった


じゃあ?


もっとしてみたら、自分たちもああなっちゃうのかな


そんな予感は期待に変わり


ゾクゾクと、忍び寄る好奇心が体の中で澱んでいく



「ドクター…」

「あっ…カーディ…まっ」


すとん…と、抵抗らしい抵抗もなく、ソファの上に沈み込むドクター

慌ててカーディの肩についた手も、大した支えにならずに、すっかりと見下されてしまっている


「なにする気? だって、あなた…ついてないでしょ…」

「そりゃ…そうだけど。なんか、できそう…じゃない?」

「分かるわけ無いでしょうよっ!?」


体勢だけはエロ本の通りに


けど、ないものねだりをしてもしょうがなく

触れられて気持ちがいいなら、触れ合わせてもきっと…と、ドクターのスカートを捲くりあげた


「ぅっ…」


見られていることに恥ずかしさを感じたのか、隠すように身じろぐ小さな体

幼さの残る体を彩る下着は 色気には程遠いものなのに、濡れて透けて見える肌色が何処か艶めかしい


私のもこうなっちゃってるのかな?


黒いタイツ越しにも滲み出す感触

近づけていく自分の体に、濡れたものを感じて、カーディの口から熱っぽい吐息が漏れる


「んっ…!?」


触れ合わせた下着に、あの子の熱を感じて

自分の一番恥ずかしい場所から、今まで一番気持ちのいい感覚が湧いてくる


「こんなになの…。ドクターの嘘つき…これ、すごいんだけど…」

「嘘とかじゃ…私は別に…ひゃぁっ!?」


触れ合っていた場所が擦れ合い、ドクターの口から小さな悲鳴が漏れる


「…いまのは?」

「たまたまだって言ってるでしょうっ。ちょっと驚いただけだから…」

「ふーん…。じゃあ、もっとするよ? 私これ…好きかも、だし…」

「へ? あ、まって…カーディっ、んんぅぅっ」


また擦れ合う


擦れあって、上がる悲鳴を飲み込んで、飲み込んだ分だけドクターの小さな体が震えていた


気持ちいい…


相手が誰でもこうなるなんて、あんまり考えたくないけれど

でも、今こうしてることは確かに気持ちよくて


湧き上がる快感を振り払うようにドクターが首を振っている

そんな子を押し倒して、半ば無理矢理にも自分の体を押し付けて得られる快感は、カーディから理性を奪っていく


場所を変え、向きを変えて…


繰り返す度に、気持ちのいい所を覚え始め

それが慣れてくる頃には、だんだんと腰の動きに遠慮がなくなっていった


「ドクター、ドクタぁ…。まだ、気持ちよくない? わたし、もうすっごいんだけど…」

「わ、わかんないでしょうっ。だって、さっきから、あたまちかちかして…」

「あ、それ私も。それに、体中くすぐられてるみたいで…動いてないと変になりそう…」


くちゅり…くちゅり…


押し付けるような動きに、擦れあった下着から いやらしい音が響く

同時に、溢れた愛液がドクターの太ももを、カーディのタイツをそれと分かるほどに汚していった


「まって、カーディっ。このままじゃ、わたし…」

「イキ…そう?」

「たぶん…」

「イクとか…言ったほうが良いのかな? 私も一緒に、イキたいよぅ…どくたぁ…」


快感の行き着く先を感じ取ったのか、カーディが涙混じりの声を上げる

ドクターの小さな腰を抱き寄せて、自分のものを乱暴に押し付けるさまは貪るようでもあった


「あっ、あっ…かーでぃ…まって、もうっちょっと…あぁぁ…」


与えられる快感に息を詰まらせ、小さな悲鳴を上げ続けるドクター


ちゃんと感じてくれてる、二人で気持ちよくなれてる


そんな実感が、カーディの興奮を更に高めて絶頂への道筋を作っていった


「ああっ、どくたぁっ…わたしっ、もう…っ」

「カーディ…っ、もうむりぃ…へんなのっ…へんになっちゃうからぁ…」


じわじわと…


触れ合わせいた場所から快感が広がっていく

愛液が溢れるほどに深く大きく、二人の体を染め上げて、頭の中まで、心の底まで真っ白になっていく


じわじわ…じわじわ…


体中を快感に満たされて、収まりきれなかった分が声になって溢れ出す


じわじわ…じわじわ…


終わらない快感に泣きそうになりながら、ドクターの小さな手がカーディにしがみつく


じわじわ…じわじわ…


ドクターの手を握り返し、二人分の快感を包むように、カーディはドクターの体を抱きしめた


じわじわ…じわじわ…




「はぁ…はぁはぁ…」


すとん…


まるで明かりが消えたように、快感が引いていく

互い違いに、二人で荒い息を吐き出しながら、抱きしめた互いの感覚に安堵する


「…イっちゃった…。きもちよかった…ね? どくたー…」

「うん。でもね、メイリィ。今は名前で呼んでほしいわ。しずくって、優しく呼んでほしいのよ」

「あ、うん…」


絶頂の後、覚束ない感覚のまま

拠り所を求めたドクターが、カーディの顔に手を伸ばす


「ごめんね、しずく…。でも、ありがとう…しずく…」


ちゅっ…


それは最初にしたように、重ねるだけの軽いキスだったけど

どうしてか、最初の頃よりくすぐったかった





「あわわわっ…」


みちゃったっ☆ミ


なんて気分にはとてもなれず、メランサは目をくるくる回してその場から後ずさる


薄く開く休憩室の扉の向こう


ドクターの上に覆いかぶさっているカーディの背中


それだけかもしれない


仲の良い二人のこと。少しじゃれ付いていて、傍から見るとそんな風に見えるだけ

それではまるで、真っ先にそう考えた自分がえっちな女の子みたいになってしまっているが

むしろそっちの方がまだましで、跡切れ跡切れの嬌声は、言い訳の出来ないほどに熱をあげて聞こえていた


回れ右…


そうだ、そうしよう


見なかったことにすれば、無かったのと変わらないし

あとでやんわりと、ドクターに伝えておけばそれで良い


せめてと、ゆっくり扉を締め直そうとして…


「まって、カーディっ。このままじゃ、わたし…」

「イキ…そう?」

「たぶん…」


漏れ聞こえた来た声に手は止まってしまっていた


んん~…


困った…とても困った


そもそも、こんな所を誰かに見られたらどうするの

私なら良いって訳でもないけど…今別の誰かにみつかるってのは、どっちにとっても不幸だろうし


「…はぁ」


後ろ手に扉を締めて、そのまま背中をもたれさせる

そろそろ終わりそうだったし…そう長くもかかんないだろうけど


誰かが来たらどうしよう?


言い訳なんて得意じゃないんだけど…


ドクターなら、なんて言って誤魔化すのかな?


口下手な私の代わりに、思い浮かべたのは口喧嘩の強い女の子


「ぁ…だめだ、うん」


想像は、想像だったとしても…

想像の中のドクターは「内緒にしてあげて」って微笑みながら、ありのままを伝えていていそうで怖い



どきんっと…


自分の心臓が大きく跳ねるのが分かる


耳を萎れさせて、聞こえないようにしてはみても

扉越しに伝わる声は艶かしく、相手を求める声はとても気持ちよさそうで


感極まった嬌声が、荒い吐息に変わる頃


「はぁ…」


思わず吐いた溜息は熱っぽく、私の方もなんか変な気分になりそうだった



きゃーきゃー言いながら、なんか幸せそうに出ていった二人の背中を見送った後

こっそりと、メランサは まだ熱っぽさが残ってるような気がする 休憩室の中へと忍び込んでいた


いや、忍び込む必要ないんだけど


何故か、なんとなく後ろめたいような気がして、自然と忍び足で歩いてしまっていた


部屋が散らかっていたら、少し片付けてから私も戻ろう

思いったたのはそんな親心にも老婆心で


「んんー…」


見つけてしまったのは一冊のエロ本だった


これか、こいつのせいなのか


なんとなくページを開いてみて、単純な好奇心からでも、盛り上がってしまったのは容易に想像ができた


誰のだろう?


手に取り、裏を見て、まあ名前なんて書いてるはずもないんだけど

そのまま、手癖のようにページを開いてみる


内容は…まあ普通…


可愛い女の子が、えっちな目に合ったり、普通に愛されたり、まあ乱暴されていたりとか…

シチュエーションは様々だが、主人公はそのままに、いろんな状況が見られるように工夫されていた


ただ、まあ…


どっちが先に言いだしたのかは知らないけども

なれないあの子達が読むには、ちょっと刺激が強いシーンも多いかなっていう程度


後でアンセルさんに相談して…いや、相談されるアンセルさんも困るだろうけど


「放っておくのもなぁ…」


変なふうに覚えるのはダメだし…



「おや、メランサ。どうしたんですか、こんな所で固まって」

「あ、フェン…。ううん、別に…」


扉の開く音が聞こえると、意外そうな顔をしたフェンが顔を覗かせていた


「そうですか? …っと、ああ、やっぱり此処だったんですね」


そのまま部屋を軽く見回した後、視線はメランサに、その手にあったエロ本を捉えていた


「へっ? あ、ちがっ!? これ、わたしのじゃ、べつに、ぜんぜんっ!?」


なにげなく目を通していたけれど

それがエロ本だったことを思い出し、それを誰かに見られたことが急に恥ずかしくなってくる


「何を慌てているんです? エロ本くらい誰でも読むでしょう」


ばさり…


メランサが慌てて取り落したエロ本を、そこらの雑誌の様に拾い上げるフェン


「そ、それは…そうかも知れないけど…」

「まあ、驚かせてしまったことは謝りますが」

「ううん…」


からかうでも、わらうでも、恥ずかしがるでもない

あんまりに いつも通りなフェンの様子に、冷えてきたメランサの頭は「そんなことよりも…」と言葉を続けていた


「こんな所にエロ本を置いていったことに謝って」

「分かっています。これでも急いで取りに来たんですから」

「もっと言うなら。こんな所で読まないで」

「意外とバレないものですよ? みんな、ただの雑誌くらいにしか思いませんし」


そう言って、くすっと何かを思い出したようにフェンが微笑むと


「バレたらどうしようって思うと、ちょっとドキドキもしますしね」

「…」


度し難い…


レベルの高い変態だとは思っていたけども

あくまでもドクターへの愛情を拗らせているだけだと思っていたのに、ネジが緩んでいるどころか無くなってしまっている


「それで、バレたらどうするんですか…」

「プリュムが顔を赤くします」

「謝ってっ、私になんかより、プリュムさんに謝ってっ!」

「謝りましたとも。抱き込もうとしたら、逃げられてしまいましたけどね」

「…」


絶句…言葉もないとはまさにこれか

その状況からでも共犯者を作ろうとさえする度胸は、見習おうとは思うけど、真似はしたくなかった


「ねぇ、フェン? 一つ良い?」

「ん? なんでしょう?」


思いつきの問いかけを投げると、ニコニコしたフェンが一見優しげな いつもの笑顔で返してくる


「その本の女の子…なんかドクターに似てなかった?」

「似てませんよ?」


ほぼ即答


しかしそれは、性癖を誤魔化したいからというよりも


「ドクターの方がもっと愛らしいです」

「似てることは認めるんだ…」

「似てませんって。ドクターはもっとほら…」


取り出した端末にお気に入りの写真を表示させると、ずいっと押し付けるように見せびらかせれた


右と左…エロ本と生写真


ココとかココも?


そりゃ、細かい所を指摘すれば同じ人にはならないけれど

概ね、金髪碧眼の女の子は可愛いというような共通認識があるように


大方のパーツさえ合っているのなら


「それを似てないっていうのは貴女くらいだよ、フェン…」

「まあ、分かりますけどね。分かってて買いましたし…」


諦めたように肩をすくめたフェンが、端末を懐にしまい直す


「はぁ…。本ならまだいいけど…ドクターに手を出したらダメだから…」

「やだなぁ。そんな、私にだって我慢というものはありますよ?」

「いや、我慢してる時点で相当ヤバいんだけど…」

「あっはっはっはっ…」


にこにこと、一見いつもの笑顔を浮かべるフェンが不穏でしょうがなかった






結論から言えば失敗した


アンセルさんのアドバイスのもと、やんわりとドクター達を窘めようとしたメランサだったが

2人を自分の部屋に呼んでそうそう、面白がったドクターに出鼻を挫かれてしまった


「んー…カーディ。そこの引き出し開けてみて?」

「へ? いいけど? なにかあるの?」

「さあ? あるかもしれないし、ないかもしれないわ?」

「なにそれ?」


首を傾げながらも、手をのばすカーディを横目に、怪訝な顔でドクターの様子を伺うメランサ


「何を探して…」

「なにって? あるかなって思っただけよ?」

「だから…なにが?」

「エロ本」

「っ!?」


その、可愛らしい口から飛び出た言葉に目を丸くする


だが、それが不味かった


咄嗟に? 反射的に? 思わずカーディから視線を外し、なにもない筈の所を見てしまった


「みーっけたっ」

「まって、ドクターっ!? 違うのそこには何もないからぁぁっ」

「ベッドの下だなんて、古典的すぎるのも盲点ね」

「やめてぇぇぇ、あさらないでぇぇぇ…」


ずるずると、ベッドの下に潜り込んでいったドクターを引きずり出してみると

その手にはしっかりと、隠していたつもりのエロ本が握られていた





「あ…お姉ちゃんもココよわいんだ…やっぱり姉妹だね…」

「やめて…朗読しないでぇ…」


広げたエロ本を、ドクターはまるで絵本でも読むみたいに口にしていた

その後ろでは、顔を真赤にしたカーディが、それでも興味を隠せずに覗き見をしている


何この羞恥プレイ…


自分のエロ本を、友人たちに読み込まれるのは思ってた以上に恥ずかしい

それが純愛物ならまだ言い訳もできたのに、よりによってな内容で


これでは何のために2人を呼び出したのか…


これを読まれた後で、控えるようになんて、とてもじゃないけど説得力に欠けてしまう


「わたし…お姉ちゃんなのに…下で妹が寝てるのに、指…とまんないよぉ…」

「もう、ゆるしてぇ…」

「あら…ちょっとやりすぎたかしら…」


恥ずかしさに耐えかねたメランサの瞳に涙が浮かび始めると


ぱたん…


大げさに音を立てて、メランサのエロ本が閉じられた


「ま、これでお相子ってところかしら? 私だって、見られてたと分かれば恥ずかしくも思うのよ」

「…あんな所でしてるのが悪いんじゃ…」

「ああ、やっぱり話ってそうなのね」

「まあ、そうだけど…そうだったんだけど…」


こんな事ならさっさと言ってしまえば良かった

無駄に恥ずかしい目に合っただけで、全部見透かされていたとあってはもう何も言えることもない


「いつ…? 気づいてたの?」

「まさか、そんな余裕なかったもの。メランサが 落ちつかない様子だったから、あぁって思っただけ」

「分かってるなら…。もう、場所は選んでよ…じゃないと、次はアンセルさんに怒ってもらうから…」

「アンセルくんに…? それは…なんかいやだわ」

「ふーん…」


男の子にって言うよりは、アンセルさんだからっていう風に

その名前をちらつかせただけでも しおらしく、ドクターは頬を赤く染めていた



「ねぇ、カーディ…。メイリィってば…そろそろ、それ…返して…」

「ま、まって、あとちょっとだけ…これだけ読んでから…」


私のエロ本を食い入るように読んでいる友人の姿に、果たしてなんておもったら良いもんか

もう、読まれる事は諦めても、せめてもう少し健全な方を読んでも欲しかった


「あーあ。メランサちゃんのせいで、カーディの性癖が歪んでしまうわね」

「わたしのせい?」


ドクターが一番悪影響なんじゃないか


くすくすと、からかうように笑うドクターを見ていると、なんとなしにも腹は立ってくる


「怒った?」

「べつに…」


逃げるようにベットに座り直した私を追いかけて、ドクターが飛び乗ってくると

ぽよんっと一緒になって私の体も揺れてしまう


「なに?」


少しだけ…。わざとらしく声を尖らせて、怒ったような声を返すと


「…ごめんなさい。メランサお姉ちゃん…」

「ぅっ…」


あざといんだ…


うん、分かってる。普段のドクターと真逆のその反応、いつもは使わない「おねえちゃん」って呼び方もそう

小さな手がぎゅっとシーツを握りしめている。近づくだけ近づいて、触れるのを怖がったような距離感も

見上げてくる視線、すんっと鳴らしたは鼻で涙を飲み込んで


可愛い…


分かっていても、今すぐ抱きしめたくなる衝動に駆られそうになる


「もう…怒ってないから。泣かないでって…」


雑に伸ばした手をドクターの頭の上へ

わしゃわしゃと、そのまま頭を撫でてあげると、縮まった距離感は私の膝の上に頭を乗せていた


「むふぅ…。おねえちゃん? お姉ちゃんっ♪ お姉ちゃん☆ミ お姉ちゃん…」


何を気に入ったものか


手を変え品を変え「お姉ちゃん」と、私を見上げながら何度も呼びかけてくる


「やめて、恥ずかしい…」


手でドクターの顔を覆い、減らず口を塞いでしまう

首を振り、息苦しさに耐えかねて体を起こしたドクターは、それでも楽しそうにしていた


「ねぇねぇ、どれが好きだった?」

「教えない…」


知らないではなく、教えない…


今更隠したってしょうがないけど、だからってそれというのも恥ずかしい


「ふーん、意地っ張りなお姉ちゃん」


なら…と、不穏に響いたその声と共に、ドクターが私の体に手を置いて


「体に聞いてしまおうかしら?」

「ちょっ…まって、ドクター…ぁ…」



そっと…


ベッドに押し倒された


「メランサお姉ちゃん?」

「だから、やめてって…それ…」

「なら、どうして抵抗しないの? お姉ちゃんの力なら私くらい簡単でしょう? 期待してる?」

「してない…もう、本当にっ」


重ねられた挑発を真に受けて、ドクターを押し返そうと力を入れる

ちょっとお腹に力を入れただけで、すぐにも背中はベッドから浮き上がり


近づいてきたドクターの顔がそのまんま、私の唇と重なっていた


「っ…!?」


驚いて体から力が抜ける


再びベッドに押し戻されると、私のお腹の上にまたがったドクターに、笑顔で見下されていた


「メランサお姉ちゃん…。好き、大好き…世界で一番…誰にも渡さないんだから…」

「なっ!? あっ…まっ、ちょっ…どくっ…んんぅっ!?」


それは、私のエロ本の抜粋だった

妹に押し倒されたお姉ちゃんが無茶苦茶にされるような、そんな背徳的な内容の


ぱらぱらと…


その先の展開が、頭の中で捲られていく

愛の言葉を囁かれながら、何度もキスを繰り返される内、無防備になった心に快感を刷り込まれていくような

ページを捲りながら、自分を慰めたことだってあるくらいに、その快感は私の体に焼き付いてしまっていた


一度唇が離れると、小さな手に頬を抱かれ、無理矢理にドクターの方を向かされる


「お姉ちゃん…。私ね、お姉ちゃんのことが好きよ? お姉ちゃんだって私のことが好きでしょう?」

「それは…っ、そうだけど。でも、こういうのは違うでしょう…ね?」


どうしても、そのページをなぞってしまう


私がドクターに抱いていた感情も、きっと彼女と同じもので

いつの間にかズレてしまっていた二人の距離に、どうして良いかが分からない


突き飛ばすのは簡単で、そうするには近すぎる


ドクターを傷つけないように言葉を選びながら、それで何も出来ていないのは受け入れてるのとどれだけ違いがあるんだろう


「違うの…違わないのよ お姉ちゃん。お姉ちゃんは私に いっぱい優しくないとダメなの…私はお姉ちゃんがいないとダメなのよ」

「大丈夫だから…ちゃんと私は、ね? ドクター…」

「いや、いやなの…。おねえちゃんまで、そんな…

 ドクターなんて周りが勝手に呼んでるだけじゃないっ、ちゃんと名前で呼んでよ…しずくって…」

「わかった、わかったから…おちつこう? ね? しずく?」


しずくの瞳に ふわりと涙が浮かんでくる


エロ本のページをなぞってるだけのはずだったのに

シーンが進むにつれて、演技だとおもっていた しずくの様子は真に迫り

真に受けてしまった私も、流されるように口が滑っていく


「落ち着いてるもん…。だから、こうするしか無いんじゃない…」


何かを言おうと開きかけた唇は、そのまま しずくに塞がれて

くちゅっと、弾けた唾液の水音に、いやらしく耳をくすぐられる


とにかく、キスだけはやめさせようとして


「いっ…」


動かそうとした手は、爪が食い込むくらいに強く掴まれてしまった


「やっぱりダメなの? お姉ちゃんは私じゃ、嫌なんだ…

 こんなにこんなに、好きなのに…大好きなのに。私には、お姉ちゃんしかいないのに」


ぽた…ぽた…


私を見下ろしていた しずくの瞳から、涙が溢れて私の頬を濡らしていく


泣かせてしまってる


その顔を見ているだけで、私の心はくしゃくしゃに萎れてしまっていた

大好きな筈の しずくに、こんなにまで悲しい思いをさせて…


キスくらい…


そんな風に思ってしまった

それで しずくの気が済むならって思ってしまった


先のページの事なんて忘れてしまったように


頬に落ちる涙を拭えるならと、一時の感情で体を明け渡してしまっていた



しずくと唇を重ねていく


やり方なんて分からないけども、必死に求めてくる しずくに合わせている内に

だんだんと、私の方もその気になっているみたいだった


押し付けて、奪い合うように吸い合って

お互いの唾液で、口の周りが汚れてくるのも構わずに


触れ合った唇から温もりを伝え合う、抱きしめられた体が熱くなり

ふっと、何かの拍子に広がった甘い痺れに、全身から力抜けていく


お姉ちゃん…お姉ちゃん…


好き…大好き…


うわ言のように繰り返される言葉を一身に受け止めて

しずくの中から不安が消えるように、その体を優しく撫で続けた


「んっ…やっ、しずく、そこは…ダメ、だって」


不意に、滑り込んできた しずくの太ももが、下着の上を撫でていく

刺激を受けてお腹の奥から広がる熱は、明確に快感へと変わり全身へと伝えていった


「でも、お姉ちゃんのココ…もう濡れちゃってる。私にキスされて感じてくれたんだよね?

 妹にキスされただけで感じちゃうなんて…いやらしいお姉ちゃん。でも、そういう所も大好きだよ?」


ちがうって、どんなに否定しても

押し付けられた しずくの太ももから、快感が波のように広がっていく

下着越しにも分かるぐらい、溢れた愛液から 伝わる しずくの温もり


耳元で辱められて、愛されて


恥ずかしいのに、気持ち良いのが止まらない


「私も…お姉ちゃんの体、借りるね?」

「あっ…」


濡れた感触が私の太ももに押し付けられる

熱いくらいのソコが私の上で滑ると、しずくの口から甘い声が上がっていた


「ふあぁぁ…お姉ちゃん、気持ちいい? わたし、お姉ちゃんで気持ちよくなってるよ…分かる?」


量を増した しずくの愛液で私の太ももは ぐちゃぐちゃ になっていた

同時に、私の溢した愛液で しずくの太ももも ぐちゃぐちゃ になっていて

互いの体が擦れる度に、どちらともつかない水音が いやらしく聞こえてくる


「お姉ちゃん…お姉ちゃん。ねぇ、お姉ちゃんも、私の名前もっと呼んで…もっと好きって言って欲しい」


しずく…そう、口にして心臓が跳ね上がり

好き…そう、呟いて体が熱くなる


言われるまま、求められるがまま、なすがまま


「好き…好きだよ、しずく。お姉ちゃんも、しずくのこと…大好きだから」


与えられる快感に思考が鈍くなり、求めた しずくの体に幸せを感じてしまう


私…お姉ちゃんなのに…


妹の体を抱きしめて、快楽に耽ってしまってる自分が恥ずかしい


でも…でも…


喉まで出かかった言い訳が嬌声に変わり、甘い痺れが心を溶かしていく


「お姉ちゃん…お姉ちゃん…」


涙混じりのしずくの声に熱が灯る

高めあった快感が限界へと近づくの感じて、私達はより強く相手の体を求めてしまう


「あ、だめ…体、止まんないよぉ…。しずく、お願い、もう…私…」

「うんっ。お姉ちゃん、もっと私で気持ちよくなってっ…私も…もうっ、だから…」


快感を奪い合うように激しく求め合い、お互いの快楽のためだけに身を寄せる

キスを交わしただけで幸せを感じ、お返しに太ももを抱き合わせればより強い快感に満たされた


絶頂の予感を重ね合わせ、膨らんだ幸せが パンっと勢いよく弾けると同時に


『ふぁぁぁぁぁっ!?』


二人して声を上げ、心地の良い快感の中に沈んでいった



「はぁ…はぁ…」


だめ、体が動かない


絶頂の後の多幸感に支配されて、倒れ込んできた しずくを受け止めるのもままならかった


「しずく…大丈夫?」

「んぅ…ぅん…えへへ…。きもちよかったね、メランサお姉ちゃん」

「もう、それは良いから…」


ぼやけたまんまの笑顔が くすぐったくて、誤魔化すように しずくの頭を撫で付ける


「でも…私達ばっかり気持ちよくなってちゃ、カーディが可愛そうよ?」

「へ…? あ…ぁぁっぁぁぁっぁ…」


それに気づいた途端に顔が急に熱くなってくる


ベッドに倒れ込んだまんま顔を向けると、そこには恥ずかしそうに縮こまったカーディが顔を赤くしていた


「なぁに? メランサお姉ちゃんは、そんな事も忘れるくらい夢中になってたの?」

「うるさいっ! だいたいドクターがぁぁ…。ああっ、もうっ、知らないんだからっ!」


悪戯な笑顔を押しのけて、枕に顔をうずめて顔を隠す

それでも収まりきらない恥ずかしさは体に伝わって、バタバタと足を動かしてしまっていた


「カーディも、そんな所いないでこっちいらっしゃい?」

「あ、うん…」


おずおずと、それでも何か期待するように、ドクターの隣に腰を下ろすカーディ

戸惑いながらも、顔を隠すメランサとドクターの間に視線を彷徨わせていると


ちゅっ…


「んっ!?」


不意に唇を塞がれていた


ドクターの細い腕が首に回され抱きしめられる

そのまま、くすぐるように背中を撫でられて、滑り落ちた指先が、カーディのタイツの中に潜り込んでいった


「ちょっ!? ドクターっ、そこは…あっ」


慌てたカーディがドクターの手を抑えようとして間に合わず、割れ目に触れられた感触に声が上がる


「こんなに我慢しちゃって…」

「だって…ふたりで、あんなに…」


引き抜かれた ドクターの指の間には、どろりとしたカーディの愛液が流れ出していた


「ごめんなさい、カーディ。それじゃあ、今度は3人で楽しみましょう?」

「3人って…」


その言葉に思わずか、カーディの尻尾が揺れる

ごくり…飲み込んだ期待に興奮が煽られ

その視線は自ずと、恥ずかしさに溺れているメランサに向けられていた





「メイリィ…ほんとに、するの?」


メランサの上に覆いかぶさるように、ベッドに手をつくカーディ

邪魔な衣服はすでになく、惜しげもなく健康的な肌色が晒される

そして、その割れ目には、見慣れない男性器の形を模した何かが、彼女の鼓動に合わせるように脈を打っていた


「しずくぅぅ…」


助けを求める、あるいは抗議でもするように、メランサの恨みがましい視線がドクターに向けられる


「だって、せっかく買ったのでしょう? 使わなきゃしょうがないじゃない」


ベッドの下から引きずり出されたのは、何もエロ本だけではなかった

羞恥心よりも好奇心。弾みで買ってしまったソレは、いざとなると使えないまま

それがドクターの手に落ちた途端に、真新しい包装はビリビリと破らる


使うために買ったんだ、それはしょうが無いとは思うけど

まさか、その先端が友人たちによって自分に向けられるなんて思いもしなかった


「そんな事言って、自分が見たいだけなくせにぃ」

「それはそう。好奇心は全てに勝る娯楽よメランサ。分かるでしょう?」


恨み言も意に返さず。ただただ向けられる愛らしい笑顔が小憎たらしい

こんなものまで買っておいて、その言葉が否定できるわけもなく

徐々にでも、近づいてくる玩具の肉棒を前に、胸の鼓動が期待で膨らんでいく


「でもこれ…ホントそれっぽいわね」


興味本位で伸びたドクターの指先が、カーディの股間にそびえ立つ肉棒に添えられる

そのまま つぅっと…凹凸のある表面をなぞっていくと、声を上げたカーディが体を震わせた


「あっ…。ちょっ、まっ…ドクター、それ…なんか、ムズムズ…する」

「ふふっ。じゃあ、メランサお姉ちゃんの中に入れたら、もっと気持ちがいいのでしょうね?」




からかう声に、訪れる沈黙


何かを察したように、メランサとカーディの視線が絡み合う


「えと…じゃあ…」

「うん…」


カーディの手がメランサの細い腰を捕まえる

そのまま体を落としていくと、肉棒の先端が、閉じた割れ目をなぞり上げた


「んっ…」


上がりそうになる声を飲み込んで、次の瞬間に備えて身構える


怖くもあるが、怖いもの見たさもあった


沈んでいく肉棒の先端に、自分の体が開かれていく感触が重なっていく

初めての感覚。たまらない異物感にお腹の中を抉じ開けられながら、ピリピリとした感覚が全身に広がっていった


息苦しい、胸が締め付けられるようなもどかしさ


やがて、中程まで進んだ肉棒が動きを止める

何かに引っかかった様でいて、それでも先に進みたがった肉棒は


2回、3回と


メランサの中を探るように動き、その余った勢いのまま中を突き上げた


「んあっ…」


堪らず声を上げると同時に

軽い痛みと、痺れるような甘い感覚に全身を満たされる


曖昧なまま、心地いいとも苦しいとも、どっちつかず

ただ呆然と、広がった割れ目と、それを満たす肉棒に視線を落とす


「良いなぁ…。メランサお姉ちゃんもカーディも気持ちよさそうで」

「あ、や…みないで、しずく…」

「それは無理な相談よ。だって、お姉ちゃんがこんなに可愛いのだもの、ねぇカーディ?」


忘れていた傍観者


ドクターの好気の視線に晒されて、忘れていた羞恥心が呼び起こされる

それどころか、まるで取り憑かれたような熱っぽいカーディの視線が舐めるように私の体を這い回り


触れられてもいないのに、体が熱を上げていく


2人に視姦されてる


そんな恥ずかしいばっかりの状況に

胸が切なくなって、肉棒を押し込まれたままのお腹が もどかしくて仕方がない


動いて欲しい…


薄っすらと頭に過る願望

そんなに見てるなら気づいて欲しいと、勝手な期待を向けてしまう


「メランサちゃん…」


震えるような声で名前が呼ばれ、それだけで夢が叶ったみたいに胸が高鳴る


ずる…ずる…


ゆっくりと、気遣わしげに下がっていく肉棒

満たされていた筈のお腹に出来た隙間が、妙に寂しくなって、知らず知らずに涙が滲んでしまう


「ぁぁぁ…ぁぁ…」


勝手に声が上がってしまう


引かれる肉棒の感触に、広がった雁首で自分の中を引っかかれる感触に

指では届かなかった刺激。掻き出された愛液が太ももを伝ってシーツを汚していく

そうしてまた、少しの息苦しさと一緒に、押し込まれる肉棒に熱い吐息を吐き出した


私の中が肉棒の形を覚えていくみたいだった


押し込まれる度に、確かにあった抵抗は抜けていき、僅かな痛みも快感に変わっていく


くちゅくちゅと、耳をくすぐるほどに聞こえてくる水音は

肉棒によって掻き回されて、それが引き抜かれる度に私の中から溢れていく

太ももを汚していく愛液が、いやに生々しく感じられて、自分が感じてしまっていることを見せつけられる


それが気持ちいいと、メランサは確かに快感を感じていた


名前を呼びながら、必死に私を求めてくるカーディを見ているだけで幸せになれた

その肉棒に中を掻き回されて、広がった快感は体までも虜にしていく


夢にしか無かった光景。好きな人に犯される妄想は、少し違った形だったけど


「メイリィ…」


気づけば、彼女の名前を口にしていた

それだけで、愛情が胸一杯に広がって、肉棒から伝わる快感も膨れ上がっていく


「メランサちゃん…あ、はぁっ、ごめんっ。腰…止まんなくて、私…」

「いいよ…大丈夫。メイリィの好きに…大丈夫だから…」

「うんっ、うんっ…!」


決して優しいとは言えない腰の動きは

それでも、打ち付けられる度に体の熱を上げていく


「メランサお姉ちゃん…んっ」

「へっ…あっ…んんぅ…」


不意にドクターに名前を呼ばれると、そのまま唇を塞がれてしまった

忘れられていた事に文句を言うみたいに、乱暴に唇に吸い付かれて

息も絶え絶えになる頃になって、ようやくと開放される


「ふぅ…。もう、3人でって言ったのに」

「え、あ…それは…あっ…メイリィ…ちょっと…まっ…ひゃっ…!?」


言葉が思い浮かばない、不満そうにしているドクターに何もして上げられないのは心苦しいのに

何かを考えようとして、何かが浮かぶ前に、突き上げる肉棒の刺激に、全てがこぼれ落ちていく


「良いのよ。2人はそのままで、私はこっちで楽しむから…」


ちゅっ…と、その小さな唇が吸い付いた先は、いつの間にか開けてしまっていた胸元だった

乱れていた服をそのままずらして、胸の形を唇で確かめられていく


ちゅっ…ちゅっ…


胸元から円を描くように、それは段々と上に向かって…快感で固くなっていた乳首に近づいていた


「やだっ、しずく…そんな子供みたいに…いっ!?」

「誰が子供よ。子供はこんな事しないでしょう…」


噛まれた


そりゃ、甘噛だったけど…


唐突に訪れた痛みは、高まっていた快感とぶつかって

焦りにも似た、妙な感覚になって体を痺れさせる


「…ねぇ、メランサお姉ちゃん? 今の気持よかった?」

「そんなわけ…んんぅっ!?」


また、吸い付かれた乳首に歯を立てられた

まるで武器を向けられたような緊張感。淡い唇の感触に包まれながら、固い歯に挟まれる

舌で乳首をからかわれ、いつ噛まれるんだろうと不安から身を捩らせて

向いてしまった乳首への感覚は、そこから訪れる快感を確かに受け取っていく


「ほら、お姉ちゃん。ちゃんとカーディの所も見てあげないと可愛そうよ?」


お腹を撫でられ、ぐいと押し込まれる肉棒の快感を思い出す

かと思えば、また乳首を弄られて、意識が流されていく


乳首から、割れ目から、ちぐはぐになった快感が私の中でぶつかって

滅茶苦茶になったまま、体中で快感を弾けさせた


「あぁ…だめぇ…。メイリィ…しずく…私…もう…っ」


それを、最後まで言えなかった


急に頭の中が真っ白になり

渦を巻いたような感覚が、お腹の奥で肉棒にしがみつく

反り返った背中に、跳ねた乳首がドクターの歯を掠め、痛いはずの感触は快感にすり替わっていた


うわ言の様に続く自分の鳴き声が、どんどんと意識を曖昧にしていき


「あ…はぁ…っ」


まるで、電池の切れた玩具のようにベッドに体を沈めていた

朦朧とする意識の中に、それでも体中に纏わりつく快感の気だるさが、私の体を燻ぶらせている


「はぁ…メランサちゃん…」

「メイリィ…」


名前を呼んで、呼び合って、ぽっと胸が熱くなる

カーディも、私で感じてくれたなら それが嬉しいと、2人で出来たことに幸せが積み重なっていくみたいだった





「え、いいっ。私は大丈夫だから、もう満足だからっ!?」


その後、慌てていたのはドクターの方だった


快楽の抜けたメランサに捕まえられて、その上でガッチリと体を抑えられている


「3人でって言ったよね? 今度は しずくの番だと思う」

「言ったけどっ!? したでしょうっ!?」


更には、後ろからはカーディに腰を捕まえられて

その肉棒が小さな割れ目に届くまで、もう一息と言った所だった


「人の恥ずかしい所ばっかり見て、何を言ってるの…」

「それは、だって…ついというか…ごめんなさい」

「ううん。怒ってないよ、怒ってはないよ。それに、メイリィだって興味あるよね? しずくとしてみたいでしょう?」


焦るドクターの肩越しに、メランサがカーディの顔を見上げると

その瞳は、満更でもなさそうで、向けられたドクターの割れ目に釘付けになっていた


「まあ、そりゃ…はい。したい…です」

「どうしてメランサだけで満足をしないのよっ、まだ物足りないっていうの!?」

「それはそれ、男の子ってそういうものだから…」

「エロ本の読みすぎよっ。もう少し信じてあげてっ」

「まあ、アンセルさんはそうだといいね?」

「今はアンセルくん関係ないでしょうっ!」

「いや…というか、私…女の子なんだけど…」

「そんなのぶら下げといてそれを言うっ!?」

「むっ…。つけたのドクターじゃん、なんか楽しそうにしてさぁ…」


ここが勝負どころか


暴れるドクターの言葉に、不満の色を滲ませたカーディを唆すには良いタイミングだと思う


「ほら、メイリィ。せっかく しずくがつけたくれたんだからさ…」


使わなきゃしょうが無いでしょう?


さも意地悪く、意趣返しにオウムを返すと


「メランサぁぁ…」


諦めたのか、泣き落としに掛ったのか

涙を浮かべたドクターに、メランサは笑顔を浮かべると


「メイリィ…優しくね」

「え、あっ、まって…きゃぁぁっ!?」


突然の刺激に声を上げ、メランサの体にしがみつくドクター

その後ろでは、偽物でもそれ故に生々しい肉棒が、小さな割れ目を押し広げて刻々と中へと沈んでいく


「あっ、あぁぁ…っ」


悲鳴とも、鳴き声とも、声あげて、首を振り、その刺激から逃げようとして逃げられず

ぽたぽたと、溢れた涙がメランサの頬を濡らしていく


「しずく…大丈夫だから…ね?」

「だったらやめなさいよっ!?」


それは最もでは合ったが、だからってメランサにやめる気もなく

その代わりにと、ドクターの頬に唇を重ね流れた涙を啜り、そのまま唇を塞いでキスを繰り返す


「んあっ!?」


ドクターの肩が震え、あれだけあった肉棒がすっかりとその中へ収まっていた

それでも、多少の無理はあったのか、小さなお腹がそうと分かる程度には膨らんでいて


友人が犯されている


その事実をまざまざとみせつけられて、可愛そうと思う程に、後ろ暗い興奮にも煽られる


「ねぇ、カーディ。メイリィったら…もう、良いでしょう?」


相変わらずなメランサに見切りをつけて、ドクターが後ろのカーディに助けを求めていた


「良いって…動いても?」

「ちがくて…あっ!?」


ずる…


引き抜かれていく肉棒


たださえ狭いドクターの割れ目の中で、一杯になった肉棒は容赦なく彼女の中を責め立てていく

軽い痛みと息苦しさ、その中に麻薬の様に混ざる酩酊感に、少しずつでも心が狂わされていった


肉棒が抜かれて、ほっとして

また一杯にされて、声を上げる


次第に遠のいていく痛みと息苦しさ

繰り返される度に甘い痺れが全身に広がり、快感を感じ始めているのに気付かされる


それがまた怖い


だんだんと、自分じゃない感覚に支配されていくみたいで

けれど、快感が強くなる程に、やめて欲しくも無くなっている


もっと…


ぽつり…ぽつりと、頭の中に浮かんでくるその言葉

首を振って、振り払おうとしても、ただただ全身に散らかるだけで、すぐにも快感は心と体を満たしていった


「しずく…。ふふっ、すっかりおとなしくなっちゃって…気持ちよくなってきた?」

「なって…ないぃぃ…」

「そうなの? メイリィ、自分ばっかり気持ちよくなってちゃダメでしょう?」

「ごめんっ。でもっ…しずくの中すごくって…」

「ちがっ…そうじゃなくて、もう…ふぁぁっ…!?」

「ふーん…」


軽い嫉妬


好きな子が好きな子の体に溺れているというのは、仲間はずれにされたみたいでつまらない

なるほどと、ドクターが意地悪をしたくなる理由にもうなずけた

自ずと伸びたメランサの指は意地悪に、快感で一杯一杯になっているドクターの胸に差し向けられ


「いっ、ひゃあぁっ!?」


自己主張を始めたばかりの乳首を摘み上げていた


指先で挟み込み、こりこりと遊ばせて

膨らみ始めたばかりの幼い胸を、手のひらで包み、優しく形を変えていく


「んぅ…あぅ、メランサ…それ、やめてぇ」


涙混じりの声に熱がこもり、割れ目とは別の快感にドクターが身を捩り始める


「人に散々しておいて…。噛みつきまでしたくせに…」

「それは…あやまるからぁ」

「いいよ、大丈夫、怒ってないから」


そうは言っても、メランサ指はドクターの胸を愛撫し続け、まるで許す気はなさそうだった


「ごめんなさい、ごめんなさいって…」


謝りながらも、2人に犯されるドクター


メランサに胸を弄ばれて、カーディには割れ目を犯される

嫌と言ってもやめてはもらえず

それどころか、快感ばっかりが大きくなって、あられもない姿を晒してしまっていた


「はぁ…しずく…」


その姿は、メランサの嗜虐心を加速させていく

可愛いドクター。友人で上司の女の子

そんな子が自分たちに犯されて、快感に声を上げて鳴いている


なんてエロ本…


だけど、届かないものがこうして目の前に転がっているというだけで、我慢するのはもう限界だった


ちゅっ…


無理矢理にドクターの唇を奪い、強引に抱き寄せると2人の胸が重なり合う


触れ合い、押し付けられる乳首


そのまま足を絡ませて、ドクターの太ももを自分の割れ目に押し付けると

突き上げてきた肉棒の刺激が、その快感が、ドクターの体を震わせて、重ね合わせたメランサの体にも快感を伝えていく


「メイリィ…もっとぉ…」

「ああっ!? まって、メイリィ、だめだってばぁ…」


2人のちぐはぐなお願いに、胸を躍らせたカーディも快感を高ぶらせていた


一突きする度にドクターの鳴き声が聞こえ、メランサの嬌声に求められる

後で怒られるかもしれない。ドクターに泣かれでもしたらどうしよう

心の片隅に引っかかる感覚は確かに残っていて、それがまたカーディの興奮を煽っていく


どうせ怒られるならって、言い訳じみた言葉が浮かんでは消えていく


だって、こんなにも気持ちがいい。男の子ってずるいっても思う

おもちゃの肉棒でもこうなんだから、きっと本物はどんなに気持ちが良いんだろう


それで感じてみたいし、それを感じても見たい


肉棒で感じる2人を見てるだけで、それが羨ましくてたまらないのに

自分のもので感じている2人を見ているだけで、それが嬉しくてたまらない


男性的な欲求と、女性的な感情がぐちゃぐちゃになっていく


もっとしたい…


ドクターの声を、メランサの顔を…見たくて、聞きたくて、2人が欲しくてたまらない


求めるままに伸ばした手はドクターの体を捕まえると、メランサから奪うように、乱暴に胸を揉みしだき始める


「んあぁぁっ!? メイリィっ、なにして…ああっ」


声を上げ体を震わせるドクターを抱えて、突き上げるように肉棒を打ち込んでいく


「いやぁ、メイリィ…しずく返してよぉ…」

「やだぁ…しずくの、気持ちいいんだもんっ」


メランサの手が伸びて、寂しくなった胸元を埋めようとドクターを抱き返す


「ふぅ…ふぅ…あぁぁっ!? ふたりとも、やめっ、こわれちゃっ…」


抱きしめて、抱き返されて、割れ目を犯されながら、胸を揉みしだかれる

奪い合うような2人の愛情に挟まれて、逃げ場をなくした快感はドクターの小さな体を壊していった


「ふわぁ、やっやっ、もうっ、変に、おかしく、やだぁ…ああああぁぁっ!?」


耐えきれずに声を上げ、絶頂に達するドクター


きゅっと割れ目が締まり、押し出されそうになった肉棒をカーディが強引に奥へと押し込んでいく

乳首が擦れ合い、震える太ももが割れ目を刺激する

重なった二人の体に快感が行き交い、ドクターに流されるようにしてメランサもまた絶頂へと達していた





「以上、健康と安全。それと節度を守っていただけるのでしたら、私から何も言うことはありません」


そう締めくくり。アンセルの保健体育の授業は幕を閉じた


必要なことと分かってはいても、まさか異性から教わることになると思わず

それを聞かされていた少女たちは、みな一様にして気まずい表情を隠せないでいた


「特にドクター」


しかし、Cパートは続くものだ

やっと終わったと、息を吐いた所に飛んできたのは、いつものお小言だった


「むやみに人に噛みつかない。こんな事で怪我をさせても面白くないでしょう」

「それは…ついというか、たまたまというか…」


赤い瞳を白くさせて、アンセルの視線がドクターに向く

覚えはあるのか、延長戦を嫌ったものか。付いて出たドクターの言い訳も尻すぼみ、観念したようにむくれていた


「それから、カーディ。力加減は考えて下さい。みんな貴女みたいに頑丈ではないのですから」

「…はい」


しゅんっと、尻尾と耳を垂れ下げて

素直なカーディは、赤くなった顔を隠すように項垂れていた


「次、メランサさん。そういったものはちゃんと隠していて下さい、面白がる子も居るんですから」

「かくしてたし…」

「でしょうけど…」


誰とは言わないが、主にドクターに視線を向けながら

嘆息と、アンセルは深い溜め息を漏らす


「最後にジェシカさん」

「…はい」

「なんでいるんですか?」

「わかりません。ドクターに聞いて下さい…」


申し開きも分からず。縮こまったジェシカは、恥ずかしさに顔を染めて縮こまっていた


いや、聞きたいと言うなら構わない


誰かが言わなければいけないことだし、医者という立場上そういう話をする側でもあるが

アンセルがお小言に呼んだのは、説得に失敗したメランサと件の2人だけのはずだった


「だって、私ばっかり恥ずかしいじゃない。ジェシカも一緒じゃなきゃ嫌なんだから…」

「わたし…関係ないじゃないですかぁ」


もう、泣きそうだった


そうやって、懐いてくれるのは嬉しいが

こうやって、事あるごとに巻き込もうとしてくるのは頂けない


知りませんと、突っぱねれば良いものを


しかし、甘え上手のドクターの為せる業か

それとも、甘いと称されるほどに気の弱い自分の業も合わさってか


気づけばドクターの傘にされていて、一緒にずぶ濡れになるのにも慣れてしまっていた



ーおしまいー



おまけの没シーン供養


プリュム「さっきから熱心に何を呼んでいるのですか?」

フェン 「ああ、コレですか? エロ本ですよ」

プリュム「ぷふっ!? けほっ、は? 何を言ってっ、アナタはっバカですかっ!!」

フェン 「おやおやぁ。可愛い反応ですねぇ。もしかして、読んだこと無いとか言ったりします?」

プリュム「当たり前でしょうっ! そんなっ…だって、如何わしいものを…。良いから仕舞って、ドクターの目についたらどうするんですか」

フェン 「如何わしいとは随分な。あの子だっていずれはする事でしょう? 貴女だってそうですよ、プリュム」

プリュム「それは…いえ、私は…」


フェン 「良いんですか? その時に何も出来ないでは。男ならそういう子も許せますが、可愛いのは最初だけですよ?

     全然全く、綺麗なまんまでは逆に手が出しづらいもので、めんどくさいとか思われたくないでしょう?」

プリュム「良いじゃないですか。ドクターなら、それでも…全然…可愛い、かと…」

フェン 「あの子がそんな殊勝なもんですか。貴女の心配をしているのですよ、私は…」

プリュム「私? 私には…関係のない話です…。そんなものは…」

フェン 「はいこれ」

プリュム「ひんっ!?」

フェン 「ここのシーンなんてどうです? 真面目な貴女なら、こういう方が好みでしょうか?」

プリュム「やめっ…広げるなっ、近づけるな、近づくなっバカっ、変態っ!?」

フェン 「やだなぁ。あんまり罵倒しないでくださいよ…ちょっと、ドキドキするじゃないですか」

プリュム「ひぃぃぃぃぃっ!?」

フェン 「あっはっはっはっ。まったく、いちいちそうやって反応なんてするから」



ドクター「ねぇ、フェン。ちょっと苦情が来てるのよ?」

フェン 「ふむ? 内容は?」

ドクター「笑顔でエロ本広げて徘徊してるオペレーターが居るって」

フェン 「なんですか? そんな不審者は?」

ドクター「まったくよ。まるで怪談なのだわ、そんな七不思議は御免こうむるのよ」

フェン 「怪談ていうか、猥談ですよね。うふふふっ」

ドクター「やかましい。あんたのことを言ってるのよフェンっ

     自重しなさいよ、プリュムが怯えちゃってるじゃないっ。あれじゃ逆効果よ、いい迷惑なのだわ」

フェン 「おや? プリュムに興味がおありで?」

ドクター「だけれど…。真面目すぎてねぇ…からかう分には楽しいのに」

フェン 「分かります」




アンセル「なんで私にそれを…。そういうのはハイビスにでも」

メランサ「そうなんだけど…。女の子どうしだと、それはそれで恥ずかしいし…」

アンセル「拳骨が必要ならガヴィルさんに代わりますが?」

メランサ「いいっいいからっ、ていうかガヴィルさんも女の子っ。それにドクターの話ならその…アンセルさんの方が…」

アンセル「…私だって、男…なんですが」

メランサ「そうじゃなくって。ドクターってほら、アンセルさんの言う事なら…割と? アーミヤさんの次くらいには」

アンセル「いつも文句ばっかりですけどね。だからって、アーミヤさんにする話でもありませんか…」

メランサ「うん…。なんか、目を回しそうで…」

アンセル「まあ、良いでしょう…。一応、メランサさんの方からそれとなくお願いしても?」

メランサ「言っては見るけど…たぶん…」

アンセル「まあ、用意はしておきます」



フェン 「で、ここの表情がまた…」

メランサ「…私は、こっちのほうが…」


ドクター「あの2人、なにをコソコソしてるのかしら?」

プリュム「…」

ドクター「プリュム。手を離して? 前が見えないのだわ」

プリュム「いけません。ドクターは見なくて良いものです」

ドクター「うふふっ。困ったわね、隠されると余計に見たくなるものよ? ねぇ、プリュム、貴女の目には何が見えているの?」

プリュム「それは…しりませんっ。行きましょう、私達にはきっと関係のないことですよ、ええ…」



ドクター「なんか…結構エグいのね」

カーディ「うん…思ってたより…」

メランサ「かえして…かえして…」

ドクター「しかも脳波コントロールできるらしいわ」

カーディ「脳波って…どういう?」

ドクター「つまり…こうっ、して、こうっ!」


ぺちん…ぺちん…ぺちん…


ドクター「あははははっ! おちんちんがのたうってるわっ」

カーディ「きもちわる…」

メランサ「もう許してぇ…」



後書き

ドクター「気づいてしまったのよ。ジェシカを落ちに使うのが物凄く楽なことに」
ジェシカ「ドクターは私をどうしたいんですか…」
ドクター「そんなの決まってるじゃない。もう私のものなんだから、どうもこうもないものよ」
ジェシカ「はぁ…ですよね」

最後までご覧いただきありがとうございました

前の:


このSSへの評価

このSSへの応援

このSSへのコメント


このSSへのオススメ


オススメ度を★で指定してください