八幡「高校を卒業して。それから。」
高校を卒業してからの比企谷八幡。
ミソは前半のところにありますかね。
由比ヶ浜と雪ノ下、一色とは一切連絡を取らなくなった。その原因は小町も知らない。一人暮らしをしてからというもの、学校とバイト以外で外に出ることは少なくなった。精々コンビニに行くぐらいだろうか。
八幡「はぁ・・・・どうしてこうなったんだろうな。・・・いや俺が原因なのは知ってるけどさ。」
今は誰も相談できそうなやつはいなかった。あの材木座の連絡先も消していた。材木座どころではない。戸塚の連絡先すら俺は消去した。
現在の連絡先は【母・小町・父・大学の電話番号】ぐらいしかなかった。いやもう一人いたな。
八幡「あ、学校の時間・・・・・いいや寝てしまおう。」
瞼を閉じてベッドに背中を預けた。
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それは俺たちの卒業式が近づいてきたある日の昼。突然の電話で俺は起こされた。
由比ヶ浜「ヒッキー。今日暇だよね?部室に来てくれないかな?」
八幡「俺を最初から暇人扱いするのやめてね。まぁいいけどよ。」
由比ヶ浜「ありゃ、珍しく素直だ。」
八幡「おやすみ。」
由比ヶ浜「あ~!待って!!ごめんって!!」
八幡「で、何の用だ?」
由比ヶ浜「うん。少し話したいことがあってさ。・・・ゆきのんといろはちゃんも呼んであるから。」
八幡「なんか部員じゃないのが一人混じってるが・・・・・何時に出ればいい?」
由比ヶ浜「いろはちゃんは授業とかあるから放課後の時間でどうかな?」
八幡「わかった。じゃあそれまで寝てるわ。おやす・・・」
由比ヶ浜「ちょ~っと待った!!!まだ話終わってないし!!」
八幡「なんだよ・・・・部室で話すんだろう?それでいいじゃねぇか。」
由比ヶ浜「ヒッキー今暇なら一緒に出かけない?」
八幡「えぇ・・・・」
由比ヶ浜「露骨に嫌そうな声出さないでよ!!・・・無理にとは言わないよ・・・14時ぐらいに駅の前で待ってるから・・・来てよね!!!バイバイ!!」
八幡「言いたいことだけいって切りやがった・・・・準備すっか。」
~駅前~ 待ち合わせの時間まであと10分
由比ヶ浜(ヒッキー・・・・・来てくれるよね・・・?不安だなぁ・・・あ。)
八幡「すまん。待たせたか。」
由比ヶ浜「ううん!そんなに待ってないよ!!」
八幡「・・・そうか。」
由比ヶ浜「うん。・・・・ヒッキー?」
八幡「ハニトー・・・・食べに行くか?」
由比ヶ浜「!!覚えててくれたんだ!」
八幡「まぁ・・・・一応。約束したからな。」
由比ヶ浜「ありがとう。よし!レッツゴー!!」
八幡「おい!引っ張るなっての!!」
~カラオケパ〇ラ~
由比ヶ浜「おぉ~!!ハニトー!!!!」
八幡(相変わらずクリームとパンの比率がおかしい!!クリーム出し渋るなよ!もっとくれよ!!じゃないと・・・・)
由比ヶ浜「ハニトーうまぁ!!」
八幡(こいつにクリームを持っていかれんだよ・・・アイスがあるからいいけどよ。)
由比ヶ浜「ハニトー最高!!」
八幡(・・・・楽しそうでよかったわ。)
由比ヶ浜「??」
~カラオケ後~
由比ヶ浜「いやぁ~美味しかったね!!ハニトー!!」
八幡「そうだな。・・・そろそろいい時間か?」
由比ヶ浜「そうだね。学校行こっか。」
八幡(この俺が自由登校日に学校に行く事になるなんてな。しかもクラスメイトと。いつから俺はリア充になっちゃったのん?)
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八幡(とアホな事を考えていたり、由比ヶ浜と喋ったりしているうちに総武高校に到着した。)
由比ヶ浜「ふーっ・・・・・・よし!!」
八幡(一旦校門で止まるから何かと思ったら急に気合いを入れ始めた。・・・何?誰かと戦うの?巨大な悪と戦う由比ヶ浜・・・・とまたアホな妄想をしていたら見慣れた扉の前にいた。俺ってばボーっとしすぎじゃね?)
由比ヶ浜「やっはろ~!!!」
八幡(久しぶりの奉仕部部室。そこには雪ノ下雪乃がおなじみの席で本を読んでいた。)
雪ノ下「こんにちは。由比ヶ浜さん。比企谷君。」
八幡「うす。今日は変な名前で呼ばないんだな。」
雪ノ下「あら。その言い方だと呼んでほしいみたいに聞こえるけれど・・・・呼びなおした方がいいかしら?ドM谷君?」
八幡「おい。俺の意思を確認する前に呼んでるじゃねぇか。誰がドMだ。」
雪ノ下「・・・久しぶりの間隔ね。最近は受験とかで部活もなかったし罵倒谷君を罵倒している時間がなかったもの。」
八幡「ここぞとばかりに名前変えやがって・・・楽しそうだなおい。」
由比ヶ浜「まぁまぁゆきのんもヒッキーも落ち着いて。久々に集まったんだしさ。・・・もうさすがにティーセットはないね。」
雪ノ下「もう家に持って帰ってしまったから。ごめんなさい。持ってくればよかったわね。」
由比ヶ浜「最後ぐらい私がお茶入れようと思ってたのにな~‘」
八幡「雪ノ下持って帰って正解だな。」
由比ヶ浜「ヒッキー??それはどういう・・・」
雪ノ下「えぇ。正しい選択をしたわ。」
由比ヶ浜「ゆきのんまで!?」
八幡「なんか懐かしいなこのやり取りも。」
雪ノ下「えぇ。そうね。」
由比ヶ浜「ちょっとは成長してるんだからね!!!ところでいろはちゃんは?」
雪ノ下「そういえばまだ来てないわ。もうすぐ来るのではないかしら?」ガラッ
一色「こ、こんにちは~・・・・・」
由比ヶ浜「あ!噂をすればなんとやら~。いろはちゃん久しぶり~!」
一色「お久しぶりです結衣先輩・・・・」
由比ヶ浜「緊張してる?」ボソッ
一色「しない訳ないじゃないですか・・・・・」ボソッ
八幡「ん??一色と由比ヶ浜が内緒話し始めたぞ??」
雪ノ下「そうね。比企谷君。ちょっと自動販売機で紅茶を買ってきてもらえるかしら?」
八幡「紅茶?まぁいいけど・・・・じゃあちょっと行ってくるわ。」ガラッ
雪ノ下「さて・・・・・最終確認よ。由比ヶ浜さん、一色さん。本当にこのやり方でいいのね?」
由比ヶ浜「うん・・・・正直不安はある・・・でもこのまま最後だなんて嫌だよ!!ちゃんと気持ちにけじめをつけたい。」
一色「私もです。ちゃんと言いたいです。・・・・誰が選ばれたとしても。」
雪ノ下「そうね・・・・私もきちんと伝えるわ。もう戻ってくるみたいね。」
由比ヶ浜「う、うん!!」ガラッ
八幡「ただいまーって・・・なんで突っ立てるの?」
由比ヶ浜「ヒッキー!!!」雪ノ下「比企谷君!!」一色「先輩!!!」
八幡「お、おう・・・・」
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八幡「・・・・寝ちまってたか。」
かなり長い夢だったな。あの時のことを夢に見るなんてな。情けない・・・・
時計を見たら夜の19時だった。今日はバイトはない。そして明日に限っては学校もバイトもない。このまままた眠りに落ちてしまおうか。
八幡「あの時の・・・・・夢・・・」
口にして後悔した。3人が同時に俺の名前を呼んで・・・・そして・・・・
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由比ヶ浜「ヒッキー!!!」雪ノ下「比企谷君!!」一色「先輩!!!」
八幡「お、おう・・・・」
由比ヶ浜「あたしはヒッキーが好き!!ヒッキーの彼女になりたい!!付き合ってください!!」
雪ノ下「私も比企谷君が好きよ。比企谷君の恋人になりたいと思ってるわ。私と付き合ってください。」
一色「私も先輩が大好きです!!!先輩のたった一つの本物になりたいです!私と付き合ってください!!」
八幡「・・・・・え?」
俺は思考停止した。いきなり3人から告白されたのだ。
八幡「ま、待て・・・・まず一色。お前は葉山が好きだったんじゃないのか?結構な頻度で俺のところに来てたじゃん。葉山先輩を攻略するにはどうしたら~って。」
一色「本当に先輩は鈍感ですね。・・・口実に決まってるじゃないですか。先輩に近づくための口実です。」
八幡「そ、そうなのか・・・・雪ノ下お前・・・・俺と友達になるの嫌がったじゃないか・・・・友達飛ばして彼女って・・・・」
雪ノ下「友達なんかじゃなくて恋人って選択しがよかったから。・・・最初は本当に友達になるつもりはなかったけれど。」
八幡「な、なるほど・・・・由比ヶ浜も由比ヶ浜で・・・・・由比ヶ浜はなんで?」
由比ヶ浜「私の時だけ理由わからないんだ!?」
八幡「正直な話、サブロー?を助けたぐらいしか思いつかないけど・・・・・それだけじゃ理由は弱すぎるし・・・・」
由比ヶ浜「助けてくれたこともそうだけど、関わってくうちにヒッキーの内面とかわかってきてさ。気が付いたら目で追っかけてたの。あとうちの犬の名前はサブレね。」
八幡「お、おぅ・・・・そうか・・・・」
由比ヶ浜「返事・・・聞いてもいいかな・・・・?」
八幡「お、俺は・・・・・クソッ!!」
比企谷八幡はその場から逃げ出した。3人は茫然とし、その場から動くことができず完全下校時間となってお開きになった。
その日から卒業式まで八幡は出席せず、携帯を新しく変え、今の状態にいたる。
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八幡(・・・・・思い返してもチキンだよな・・・・・)
八幡(だって仕方ないだろう・・・・・言えねぇよ。あんなに熱心に俺に気持ち伝えてくれてんのに。)
??「八幡?ようやく起きてきたね。夕飯勝手に作らせてもらったよ。・・・またあの時の事?」
八幡「あ、あぁ。悪いな。わざわざ作りに来てもらって。夢にまで出てきちまった。」
??「結局あたしと八幡が付き合ってるのって言ってないんだよね?」
八幡「あぁ・・・・そうだな・・・」
??「また悲しそうな顔してる。あたしは八幡の味方だから。安心しなよ。」
八幡「それだけが救いだ・・・・・・・・ありがとうな。」
八幡「沙希。」
また書いちゃいました。本当は折本にしてもよかったかな~と思いつつも、やっぱりこの娘でSS書くのは書いてて楽しいですね。
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