千早「劇場公演の打ち合わせ」
ミリオンライブ二次創作物。
おはなしジェネレーターで投稿した内容のダビングです。
ジュリア「チハ、プロデューサーに呼ばれてただろう。何言われたんだい。」
千早「次の公演についてよ。私達でMelty Fantasiaをカバーしてもらいたい、ですって」
ジュリア「アタシ達でか?ミズキ達がMVを撮ってたアレだよな」
千早「ええ。私はMV撮影に少しだけ参加させてもらったけど、その時にどうせならこの曲を歌わせて欲しいってお願いしてたの。プロデューサー、ちゃんと覚えててくれたのね」
ジュリア「なるほどね。しかし、アレか。あの曲を歌うということは、つまり…」
千早「そうね。それは私達が、クール系美少女ユニットを名乗らなくてはいけないという事でもあるわ」
ジュリア「クール系美少女ユニットか。荷が重いな、アタシにクール系美少女ユニットだなんて」
千早「そんな事無いわ、ジュリアだってアイドルなんだもの、クール系美少女ユニットをやれる素質はあると思う。むしろ私の方こそクール系美少女ユニットに相応しいとは思えないわ」
ジュリア「そんな事ないだろ。それにもう決まった事だ、やるしかないんだろ、クール系美少女ユニット?」
千早「ええ。私達にクール系美少女ユニットが務まるかはともかく、精一杯やりましょう」
ジュリア「ああ。頑張ろうな、クール系美少女ユニット?」
千早「そうね。クール系美少女ユニットをやるからには精一杯クール系美少女ユニットらしくしないといけないわね…」
歩「クール系美少女ユニットクール系美少女ユニットうるさいな!絶対それ言いたいだけだろ!!」
千早「舞浜さん、来てたんですね。お疲れ様です」
歩「さっきからずっと居たよ、てかここで一緒に昼ご飯食べただろ!」
ジュリア「まあまあ、ちょっとしたジョークだよ。ほら、ワサビやるから機嫌直せ」
歩「お、いいの?へへ、サンキュー」
歩「…ってこれさっき食べたコンビニのざるそばの余り!ゴミは自分で捨てる!!」
千早「落ち着いて下さい。騒ぐのはクール系美少女ユニットに相応しくないですよ」
ジュリア「そうだな。ただでさえクール系美少女ユニットらしくないアタシらがクール系美少女ユニットやるんだ、そのためにも日頃からクール系美少女ユニットらしい振る舞いをしないと…」
歩「それはもういい!」
歩「けど千早とジュリアはいいとして、アタシでやれるかな?もっと似合う子がいると思うんだけど」
ジュリア「そうか?アユムにこの役はぴったりだと思うけど」
千早「私もそう思います」
歩「ほんとに?どの辺が?」
ジュリア「つまりだ。この三人ならアタシはミズキ役ということになるだろ、某コミックス世界線ではユニット組んでたし」
千早「私は白石さんね。あの面倒くささと扱いにくさはどこか初期の私に通じる所があるわ」
歩「メタな発言は控えようよ」
歩「あれ、じゃアタシが志保の立ち位置なの?別にいいけど、特に共通点はないと思うんだけど」
ジュリア「何言ってんだ、立派な共通点があるだろ」
千早「そうね。少なくとも私たちでは絶対に真似出来ないわ」
歩「え、何それ。志保はアタシと違ってしっかりしてるし、落ち着いてるし…」
ジュリア&千早「……」
歩「どこ見て言ってるの!?」
ジュリア「まあそういうワケだ。胸の話はともかくキッチリやろうぜ。」
千早「そうね、頑張りましょう。胸の話はさておいて」
歩「むちゃくちゃこだわってるな、まあいいけど。それじゃ、よろしく頼むよ」
ジュリア「ああ。ところで、この三人とあたし達って他に共通点はあったかな。アユムの胸以外に」
千早「そうね、白石さんや真壁さん達と私達なら、他にもあると思うわ。舞浜さんの胸以外にもね」
歩(腹立つな…)
千早「そうね。たとえばだけど、あの三人は劇場以外で親しくしている友人はそんなにいないそうなの。私と似たようなものね」
ジュリア「その気持ち、理解できるよ。あたしも学校には特別親しいダチってのはいないしな」
歩「もう少し明るい話題ないの?」
千早「そういう点から見ればあの子達の気持ちは理解出来るわ。だからまずは同じ感覚で歌えばいいと思うの」
ジュリア「OK。自分たちの持ち味を出すのはその後ってワケだね」
千早「そういう事よ。舞浜さんもそれでいいですよね?」
歩「かまわないけどさ、アタシは友達けっこうたくさんいる方だよ?」
千早&ジュリア「………え?」
歩「いや、アタシを何だと思ってるのさ。現にこの打ち合わせの後も大学の友達とショッピングに行く予定だし」
千早「なるほど。つまり、舞浜さんは劇場の公演より友達との関係を優先させたい、と言うわけですね?」
歩「そんな事言われても、前から決めてたことだし…」
ジュリア「よせよチハ、そんな言い方。何でもかんでも全部大切にするってのは無理なんだ、誰にだって優先順位はあるんだよ」
千早「ジュリア…でも、悔しいわ。私たち、新・クール系美少女ユニットの絆がこんなにも脆いものだったなんて」
歩「さっき結成したばっかじゃない。てかいつの間に新がついたのさ」
ジュリア「仕方ないだろ、アユムにとっての順位はあたし達新・クール系美少女ユニットじゃなくて、大学の友達の方が上だった。それだけの話しさ、違うかい?」
千早「ジュリア。そうね、仕方のない事なのよね…(チラッ)」
ジュリア「ああ。悔しいだろうけど、諦めなきゃしょうがないんだよ(チラッチラッ)」
歩「いや、何コレ?」
千早「仕方ないわね。とにかく、新・クール系美少女ユニットの打ち合わせを続けましょう」
ジュリア「そうだな。まだこの新・クール系美少女ユニットの方向性を決めてなかったもんな」
歩「どうでもいいけどその新・は必要なの?」
千早「それで、毎日ご友人とアゲ⤴アゲ⤴で過ごしてる陽キャラの舞浜さんは、劇場以外では特に親しい友人を持たない陰キャな私達と、どういうユニットを組みたいでですか?」
歩「悪意ある言い方だな!」
ジュリア「こらチハ、失礼だろ。で、リア充でパーリーピーポーなアユムは名前はジュリアでもリアルが充実してないあたし達と、どんな活動をしていきたい?」
歩「あーもうめんどくさい!分かったよ、こうなったら。」
歩「……よし。友達にメッセ送ったよ、今日の予定はキャンセル。これでいい?」
千早「えっ?あ、いや。何もそこまでしなくたって」
ジュリア「お、おい。そんな真似して大丈夫なのかい、友達に悪いんじゃ?」
歩「平気だよ、アタシが仕事で急に予定が変わったりする事はみんな知ってるから。それよりほら、早く打ち合わせ終わらせて三人で遊びにでも行こうよ」
千早&ジュリア「え?」
歩「へへ、せっかくユニットを組むんだもん。まずはお互いを知る事から、でしょ。アタシも新・クール系美少女ユニットの一員なんだもんね」
千早「舞浜さん…」
ジュリア「アユム…」
千早「…このユニット、本来はEscapeというんですが」
ジュリア「だな。ちゃんとそう呼んでやらないと、ミズキ達に悪いと思うぜ?」
歩「ちょっと!?」
歩「………」ムスッ
千早「あ、あの。舞浜さん?」
歩「……何?」
ジュリア「そ、その〜。もしかして、怒ってる?」
歩「………別に」ムスッ
千早(ちょっとジュリア。どうするのよ、舞浜さん完全に拗ねちゃってるじゃない)
ジュリア(あたしのせいかよ、チハだって悪ふざけしてただろうが)
千早(それを言うならあなただって…いや、お互い様よね。とにかく謝りましょうよ)
ジュリア(そ、そうだな。たしかにお互いちょっとやりすぎだったよな…)
歩「二人とも、何ボソボソ喋ってるの。打ち合わせ、やるんじゃなかった」
千早「ま、舞浜さん。その、私たちが悪かったです。反省します」
ジュリア「悪かったよ。謝るからさ、機嫌直してくれよ、な?」
歩「ふんだ。どーせアタシは胸以外に何の取り柄もないポンコツだもんね」
千早「そ、そんなこと無いですよ。私たち三人の中では一番ダンスが上手いですし」
ジュリア「そうそう。いや、あたし達だけじゃなくて劇場の中でもトップクラスだろ。なんたってマコやビッキーと張り合ってるぐらいだもんな」
歩「……他には?」
千早「え?」
歩「他に無いの、アタシのいい所。とりあえずダンスを褒めておけばいいと思ってるんじゃない?」
千早「そそそそんな事ありませんよ。えっと、ええっと…ジュリア?」
ジュリア「ええっ!?あ、いや違う。その、アレだ。いつも明るくて前向きで、あとアメリカナイズで?」
千早「そ、それですよ。ワールドクラスというか世界レベルというか。さすがは帰国子女ですよねって、ジュリアといつも言ってるんです!」
歩「……」
千早「あの、えっと」
ジュリア「よ、余計怒らせちまったか?」
歩「…ぷっ!あはは、二人とも褒めるの下手すぎ。もう少しマシな褒め言葉思いつかなかったの?」
千早「え?」
歩「あはは、ちょっと怒ったフリしたらすぐオロオロしちゃって。これじゃあどっちがポンコツだか分からないじゃない」
ジュリア「へ?」
歩「あ〜おっかし。へへ、笑いを堪えるの大変だったんだからね?」
千早「ま、舞浜さん。もしかしてその、さっきまで怒ってたのって…」
歩「そ、ワザと。さんざん弄られたお返しね、それにしても二人ともヘタレすぎじゃない?」
ジュリア「なっ…アユムに言われたかないよ!」
歩「はいはい。それにしてもさっきの二人の慌てようと来たら…ぷぷっ。アタシ達、いいユニットになるかもね。これだけポンコツが揃ったんだもん」
千早「ちょっと舞浜さん、それは言い過ぎじゃないですか。ジュリアはともかく私がポンコツというのは」
ジュリア「こら、ホラー映画見たあと一人でトイレに行けなかったヤツが何偉そうに言ってんだよ」
千早「あの時は特別よ!何よ、ぬいぐるみ抱えて寝てるくせに」
ジュリア「アレはお守りみたいなものだってちゃんと説明しただろ!チハだってハルカに会えない日が続くと、すげえ寂しそうにしてるじゃない…」
歩「ストップストップ。二人とも、そういうのは自分たちだけの時にしておこう?Escapeの三人にでも聞かれたらすごくショックを受けると思うから。ね?」
千早&ジュリア「……」
歩「今度はこっちがむくれちゃったよ。もう、本当に…」
ジュリア「…謝らないからな」
千早「それはこっちのセリフよ」
歩「はいはい。仲良くやろうよ、せっかくユニット組むんだからさ」
千早「あ、すみません。言い争いはクール系美少女ユニットに相応しくなかってですよね」
ジュリア「それもそうだな。クール系美少女ユニットならクール系美少女ユニットらしくしないといけないよな」
歩「それ本当に気に入ってるんだね…」
(後日)
プロデューサー(P)「お疲れ、歩。どうだ、Escapeのカバーユニット。上手くやれそうか?」
歩「お疲れ様。まあ、色々大変だけど、何とかやれそうだよ」
P「そうか。お互い得意分野が違うから良い刺激になるだろう、頑張ってくれ」
歩「刺激的というならたしかにそうだね… 」
P「ん?どうした、元気ないな。あの二人に合わないとかか?」
歩「まあ、そういう事にしといてよ」
P「おいおいしっかり頼むぞ、歩にだってクール系美少女ユニットの雰囲気はけっこう似合うと思って編成したんだから」
歩「クール系美少女ユニット、ね。どちらかと言えば…」
P「ん?」
歩「ポンコツアンドロイドの方が、ぴったりだと思わない?」
???「世界レベル!?」(ガタッ