千鶴さんのトルコ料理
ミリオンライブ二次創作物。
昔書いたドラマシアター作品です。
伊織「いい匂いがしてきたわね。千鶴、何作ってくれてるのかしら」
星梨花「楽しみですよね。さっきちょっと美咲さんとお話ししてるの聞いたんですけど、なんでもトルコ料理らしいですよ」
伊織「トルコ料理?へえ、いいわね。フムスやサラタスとかかしら」
星梨花「フムスって、お豆のお料理でしたっけ?」
伊織「そう。あと、サラタスは要するにサラダね」
星梨花「それも美味しそうですね。私はキョフテが好きです。前にトルコ料理のお店で食べましたけど、とっても美味しかったですよ!」
伊織「千鶴ならその辺も作れそうよね。でもトルコ料理と言えば」
星梨花「そうですね、やっぱり…」
伊織・星梨花「ドネルケバブ(ですよね)!」
伊織「千鶴はお肉に詳しいものね、楽しみだわ。最後にウィーンに行った時以来食べてないし」
星梨花「あ、私はこの前家で作ってもらいましたよ」
伊織「へぇ。でも、どうせならああいうのはお店で食べた方が良くない?」
星梨花「パパが呼んでくれたんですけど、その時作ってくれた人もドイツでお店を開いてるそうなんです。だからとっても美味しかったですよ」
伊織「なるほど、それはたしかに良さそうね」
美咲(はあ〜〜すっごい会話。この二人、やっぱりお嬢様なんだよねえ。ひなたちゃん千鶴さんとぬか漬けの話で盛り上がった私とは大違いだな…あれ、でも千鶴さんもお嬢様なんだよね?)
伊織「美咲、どうかした?」
美咲「え?いえいえ、なんでもありませんよ。千鶴さんはまだですかねぇ〜」
伊織「ふふ、楽しみよね」
美咲「はい!」
美咲(まあ、千鶴さんは庶民派なだけだよね。きっと……)
(劇場キッチン)
千鶴「ナポリタンは出来上がりましたわね。あとはこれにデミグラスソースをかけて、と…完成ですわ!」
千鶴「出来ましたわよ、手を洗ってらっしゃいな」
星梨花「はーい…あれ」
伊織「どれどれ…あら?」
千鶴「おーっほっほ!セレブが手がけるのに相応しいゴージャスなランチですわ。さあ、どうぞ召し上がれ?」
星梨花「…あの千鶴さん。私達、もう中学生なんですよ?」
千鶴「え?もちろん存じてますけど」
星梨花「これ、お子様ランチじゃないですか!私はこんなもの頼む年じゃないです!」
千鶴「ええ?あの星梨花、これはですね…」
伊織「千鶴、ちょっと」
千鶴「あなたもですの。どうなさいまして?」
伊織「あのね。トルコってイスラム圏の国なの。イスラム教徒の人って豚肉は絶対に食べないのよ、豚カツなんて問題外」
千鶴「ええ、聞いた事がありますわ。けどそれが何か?」
伊織「分かってるなら気を付けなきゃダメじゃない。劇場だからいいけどこんなのを外で出したりしないこと、いいわね?」
千鶴「え、え、え?あのですね、これは……」
千鶴(ん?ああ。トルコ、ですのね。なるほどなるほど……)
千鶴「分かりました、気をつけますわ」(まあ、そう言っておきますか)
伊織「よし、ならいいわ。ほら星梨花、食べましょう?」
星梨花「…ごちそうさまでした。とっても美味しかったです!」
伊織「うん、満足出来たわ。さすがは千鶴ね。でも、ホントに気を付けてよ?」
星梨花「これはお子様ランチですよ!」
千鶴「はいはい。二人とも夕方からお仕事でしたわよね、ちゃんと歯を磨いておくんですのよ?」
伊織「分かってるわよ。星梨花、行きましょうか」
星梨花「はい。千鶴さん、どうもごちそうさまでした!」
千鶴「お粗末さま…ふぅ。あの二人、やっぱり正真正銘のお嬢様なんですのね。まったく、気が抜けませんわ…」
美咲「何がです?」
千鶴「え!?ああいえ、こちらの話ですわ。青羽さんは今からお昼休みですの?」
美咲「はい、お仕事も目処がつきましたので。あ、さっき作ってたのってそれですか?」
千鶴「ええ。あなたの分もありますわよ、はいどうぞ」
美咲「やったー、ありがとうございます!わあ、これ大好きなんですよ。いただきまーす!」
千鶴「いかが?」
美咲「うーん、とっても美味しいです!このピラフ、すっごくいい味ですね。それにこっちのカツとナポリタンも」
千鶴「でしょう?一皿で洋の東西をまとめて味わえる、まさにセレブならではの豪華料理ですわ。この……」
千鶴「トルコライスはね!」
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