呉鎮守府の艦隊日常 指揮官「どこかで夢見た」 ウェールズ「貴方の世界」
~呉大本営支部~
ウェールズ「え~と特異点汚染の本は・・・これね!」
指揮官・・・本当に何があったの・・・?
~工廠~
明石「そう言えば・・・」
綾波「何ですか?」
明石「特異点汚染と思われる原因不明の突然ぶっ倒れたて言う事件が調べたらいくつか出てきたにゃ。」
綾波「えっ。」
明石「治しかたが・・・これにゃ」つコピー
綾波「・・・ふ~む・・・ウェールズさん呼びましょう。」
ウェールズ「呼ばれた気がした。」
綾波「もう帰ってきてたんですか。」
ウェールズ「特異点汚染の資料いくつか集めてきたわよ。それで私が何だって?」
綾波「どうぞ。」つコピー
ウェールズ「・・・これで治るの?」
綾波「あくまで特異点汚染が原因と思われる昏睡事件が起きたときの治療方法らしいですよ。」
ウェールズ「・・・ふーんじゃ早速準備しますか。」
綾波「添い寝にたいして躊躇ないんですね。」
ウェールズ「前は頭の上に指揮官乗っけたりしてたから、慣れたわ。」
明石「ごちう〇の〇ノかな?」
綾波「ご〇うさ三期来るらしいですね。」
ウェールズ「バカ言ってないで貴女もよ。綾波」
綾波「えっ。」
ウェールズ「えっじゃなくて。」
綾波「いやいやいやいや!待ってくださいよ!」
ウェールズ「大喧嘩したの気にしてるの?この指揮官のことよ?もうとっくに気にしてないわよ。」
綾波「・・・」
指揮官『理由は簡単だ。綾波と大喧嘩しちまってな・・・』
ウェールズ「どうしたの?」
綾波「・・・いえ。何でも・・・」
明石「はーいじゃぁこれ!」つ安眠セット
綾波「・・・枕と・・・」
ウェールズ「・・・錠剤?」
明石「明石特製の安眠枕と睡眠薬にゃ!」
綾波「睡眠薬!?」
ウェールズ「明石特製のとか凄まじく嫌な予感しかしないんだけど!?」
明石「酷いにゃ~・・・特に何もしてないにゃよ~」
綾波「・・・何かあったら指揮官にいつもやってる鬼神演舞1000本ノックで。」
明石「命の危機にゃ!?」
ウェールズ「はいはい。早く寝るわよ。」ヨッコイショ
綾波「・・・」ヨッコイショ
綾波「・・・え~と・・・ここですかね?指揮官の夢の中・・・」
ウェールズ「かなり荒れてる・・・」
明石『起きたかにゃ?・・・いや起きた・・・と言うより着いたかにゃ?』
ウェールズ「・・・本当にこれ指揮官の夢の中の世界?」
明石『・・・明石も見たときは信じたくなかったけど・・・これが指揮官の夢の中の世界、いや精神世界に近いにゃ。』
綾波「???」
明石『それほど追い詰められてたか・・・前の頃をいつまでも引き摺ってるか・・・どちらかにゃ?』
綾波「・・・」
ウェールズ「・・・」
明石『足柄が言ってたにゃ。昔指揮官が提督と呼ばれてた頃。指揮してた鎮守府で襲撃があって鎮守府が壊滅状態になったって。指揮官はそれから逃げるかのように少しした後提督をやめたらしいにゃ』
綾波「・・・」
明石『もっとも人員不足だった海軍は、辞表を却下して深海棲艦対策組からセイレーン対策組に異動させたらしいけど・・・』
綾波「・・・」
明石『とにかく!今は指揮官をなんとかしてあげることが最優先にゃ!』
ウェールズ「・・・」
???「・・・貴女達、誰?」
???「この世界じゃ見かけないけど・・・」
ウェールズ「貴女達こそ何者?」
綾波「・・・」ガチャ!
エレバス「私はエレバス。こっちは妹のテラー」
テラー「宜しく。」
綾波「・・・貴女達は何故ここに?」
エレバス「・・・貴女達こそどうしてここに?」
ウェールズ「私達は指揮官が突然昏睡状態になって治すためにここに来たの。貴方達は?」
エレバス「・・・私達はそもそもここに居る。ここの住人のようなものよ。」
綾波「?どう言うことですか?」
テラー「姉様。指揮官が話してないってことは・・・」
エレバス「・・・そうね。」
綾波「・・・秘密ですか。」
エレバス「指揮官が話してないってことは、私達がまだ喋っちゃいけないことよ。」
テラー「とにかく指揮官を治すことが最優先です。」スタスタ
綾波「・・・分かりました。」スタスタ
エレバス「そう言えば、指揮官は今どうしてらっしゃるんですか?」
ウェールズ「昏睡前は、セイレーン対策組として呉で働いてたわ。」
エレバス「・・・そう」
テラー「・・・あの人はまだ気にしてるのかしらね・・・」
ウェールズ「・・・気にしてる?まさか・・・深海棲艦対策組の頃の話?何か関係があるの?」
エレバス「・・・えぇ。」
テラー「・・・ずっと昔の話・・・」
提督(現 指揮官)『・・・君達か。セイレーン対策本部からの命令でこっちに異動になったって言うのは。』
エレバス『えぇ。』
テラー『宜しくお願いします。』
提督『・・・それにしても・・・』
エレバス『?』
提督『良いのか?俺の所何か来て。つい最近鎮守府を壊滅状態にしたような輩が指揮してる所だぞ?』
テラー『他の艦娘の方からその事は聞いています。けど』
提督『?』
テラー『貴方を攻める方は居ませんでしたよ。状況を聞く限り轟沈者を出さなかったと言うだけでも優秀な人物と言うことぐらい分かります。』
提督『そう言うものか・・・』
エレバス(・・・言ったらきっと指揮官が怒りますね。照れ隠しに・・・)
綾波「・・・」
ウェールズ「ねぇ・・・あれって・・・」
(^・ω)「・・・」
綾波「何か指揮官みたいな奴ですね。」
エレバス「・・・この世界に棲む生き物よ。猫擬きと呼ばれてる生き物。」
(^!ω)「!」
テラー「あっこっちに気づいたみたいですね。」
(^!ω)「!」ピョンピョン!
テラー「おぉ~よしよし~」モフモフ
ウェールズ「・・・う~ん・・・」
エレバス「どうしたの?」
ウェールズ「あの生き物は指揮官があれと同じ姿になる前からここにいたのかしら・・・?特異点汚染は精神に影響するんでしょ?だから前からここに居てそれの影響で指揮官があの姿になったのかなって。」
エレバス「・・・あぁそう言うこと。居たわよ。昔から」
ウェールズ「・・・え?知ってたの?」
エレバス「・・・」
ウェールズ「答えて。」
綾波「ウェールズさん!エレバスさん!」
ウェールズ「どうしたの?」
綾波「あれ・・・」
指揮官?「・・・」
ウェールズ「指揮官!」
指揮官?「!」ダッ!
綾波「ちょっ!指揮官!待ってください!」ガシッ!
指揮官?「・・・」
綾波「・・・どうして逃げようとしたんですか?指揮官」
指揮官?「・・・」はぁ・・・
綾波「?」
指揮官?「・・・すまんな。俺はお前らが探してる『指揮官』じゃない。」
綾波「え?」
ウェールズ「それってどういう・・・」
エレバス「・・・提督殿」
提督「その呼び名はやめてくれと言ってるだろ・・・」
テラー「私達からすればいつでも提督です。」
提督「・・・」
ウェールズ「私達の事は、知ってるの?」
提督「・・・あぁ。」
綾波「あれ?でも何で指揮官が二人?クローンですか?」
提督「・・・うーん俺は今の俺にとって過去の残響だ。消したくても消せない存在。俺は今の俺の記憶も全て持ってる。勿論過去の提督時代の記憶も。」
綾波「・・・色々聞かせてもらいましょうか。」
ウェールズ「指揮官が過去に何をしたのか。」
提督「・・・分かった。今の俺が居るとこに向かいながら色々話そう。」スタスタ
ウェールズ「・・・」スタスタ
提督「・・・昔、俺はとある軍学校を首席で卒業した。悪戯が過ぎる事もあったが根は真面目だったと教官に言われた。」
そう言い彼は横を見る。彼の視線の先には彼の学生時代だろうか。教官である三笠に悪戯をしている光景があった。
提督「そして卒業して最前線の鎮守府についた。前任の提督が殉職し代わりと言うことでだ。あくまで指揮能力においては首席だったが運動能力は平均的だった俺は一松の不安を覚えた。」
そして先程と同じようにその光景が写し出された。縦一列に並び敬礼する艦娘達、そこを少々恥ずかしげに歩く提督。思わず彼らしいと少し笑ってしまった。
提督「・・・笑わないでくれよ・・・(´・ω・`)」
ウェールズ「ごめんなさい。」
提督「・・・まぁ良いか。その後だ。数ヶ月間これと言った危機に陥ることはなかった。だが・・・ある日のことだ。事件が起きた。主力出撃中に深海棲艦が鎮守府を強襲した。その際に鎮守府に居た艦娘は、ほとんど前線に送られたばかりのもの達で混乱状態に陥った。」
またしても光景が写し出された。そこには撃たれる艦娘、混乱状態に陥りつつも何とか持ち直し戦闘を開始するもの。そして指揮を取る提督の姿だった。
提督「幸い主力は近海での哨戒任務だったためすぐに鎮守府に帰還し、何とか撃退に成功した。だがその際に多数の中破、大破者が現れ鎮守府は壊滅状態になった。」
ウェールズ「・・・それは聞いたわ。」
提督「・・・その後の話は?」
ウェールズ「ほとんど聞かされてない。」
提督「そうか。じゃぁ続けよう。壊滅状態になった後大本営は派遣としてエレバスとテラーの二人を送ってきた。彼女達は大いに活躍してくれた。だが・・・セイレーンに目をつけられてしまった。」
綾波「・・・!まさか!」
提督「ピュリファイヤー。聞いたことあるだろ?」
綾波「・・・はい。」
提督「あいつがやって来たんだ。そして奴は・・・テラーとエレバスを殺した。」
綾波「・・・!」
提督「特異点汚染は過剰に浴びると死に至る。彼女達は俺と艦娘を庇いもろに浴びた。ピュリファイヤーはそれを見て笑って去って行った」
彼はそう言いつつとても悔しそうな顔をして居た。
提督「・・・そして俺は特異点汚染研究者になり、新たに特異点汚染対策部署を立てた。そこは数ヶ月で大本営内でもとても大きな部署となった。」
横には提督や他の研究員が熱心に研究する姿が写っていた。
提督「これ以上特異点汚染の死亡者を増やさないために。その一心で提督も兼業しつつひたすら研究した。」
綾波「・・・でも今は全く違う人が研究長やってますよね?」
提督「そこが問題なんだ。俺は、突然大本営から呉のセイレーン対策組の鎮守府に視察に行くよう命令を受けて、視察を行った。ここからは知ってるよな?」
綾波「・・・・はい。」
提督「・・・あの時は、本当にすまなかった。」
そう言い彼は頭を下げる。
綾波「・・・良いんです。」
エレバス「・・・吹雪型12番艦。駆逐艦 敷波・・・ね」
綾波「・・・はい。」
提督「あの時気付けてれば助かったかもしれないのにな・・・」
ウェールズ「それと研究長変更との関係性は?」
提督「重度の特異点汚染を受けた俺は研究長からも外され、提督も外され指揮官に異動となった。今の呉鎮守府に、だ。」
ウェールズ「・・・でもどうして異動になったの?」
提督「・・・大本営にとって俺は都合の悪い存在だからだ。見た目が人間でないような奴が前線の提督をしてると知られればマスコミが飛び付く。そして適当な嘘を混ぜ混んで世間に公表する。そこからは早いもんだ。世間の海軍全体の不信に繋がる。」
綾波「・・・」
提督「ついたぞ。」
そう言い指を指す先には指揮官が立っていた。目の前には大きな海があり、今にも夕日が海に溶け込んでしまいそうだった。
提督「・・・後はお前達次第だ。」スタスタ
綾波「指揮官!」ダッ!
指揮官「おおっとと・・・何だ何だ?」
綾波「帰ってきてください!」
指揮官「?」
綾波「指揮官は現実では眠ったままなんですよ!朝から!ずっと!」
ウェールズ「本当よ。みんな心配してるわ。」
指揮官「・・・そうか。」
綾波「?指揮官?」
指揮官「・・・なかなかここから離れられなくてな。懐かしくて。」
そう言い指揮官は座り込んだ。
綾波「・・・」
指揮官「提督だった頃はここで執務をサボってた。もうそれが指揮官になってからは一度も見ることはなかったからな。懐かしいんだ。」
綾波「・・・」
指揮官「・・・お前らも、全部夢なのか?・・・いや答えなくていい。きっと夢だ。」
綾波「・・・」
指揮官「・・・いつまでも寝てちゃ迷惑かけちまうな。起きますか!」
そう指揮官が言ったとたんふと何かから突然引っ張られるように意識が飛んでいった。
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