第1巻 第236話 スニーカ
2017年10月26日(木) 16:00
LAB(ラボ)ファッション学園
デザイン科教室
千棘 「さーて、最後の作品、頑張って考えるかー〜!」
倉持 「お疲れ千棘ちゃん、今日も学校残ってくの?」
千棘 「あっ、綾ちゃん!」
綾 「昨日の彼氏さんとのデート、楽しかったーー?」
千棘 「うん。
久々に気取らないで、2人の好きなところ行けて、楽しかったよ!」
綾 「それはよかったね。
それにしても………優しそうな彼氏さんだったね。
一条君。」
千棘 「そんな事無いよ!
ぶっきらぼうだし、もやしっ子だし、
でも………。」
綾 「でも?」
千棘 「それでも………いい奴なのよ。」
綾 「だよねー。
じゃなきゃ、千棘ちゃんが付き合うわけ無いもん。
ところで、今日は何の服を考えるの?
また、メンズの長ズボン?」
千棘 「いや、今日はもう明日で服のアイデアの提出期限が来ちゃうから、
今日ので最後にしようと思ってるんだけど、
私、黒、迷彩柄、肌色って、
今までの自分の作品3つとも長ズボンばっかだったから、
そろそろ新しい種類の服を作ろうと思ってるんだ………。」
綾 「なるほどね………
それなら、靴なんてどう?」
千棘 「靴?」
綾 「靴だって、立派なアパレルじゃ無い。
私たちがバイトしてるキリオのUNIQLO(ユニクロ)にだって、一杯靴があるでしょ?」
千棘 「あっ、そっか!」
綾 「例えば、ヒールにクロックス、
サンダルにスポーツシューズに………
スニーカー。」
千棘 「スニーカー?」
綾 「うん。
男の子って、スニーカーが好きな子が多いんだよ。」
千棘 「なるほど………いいかも!」
そして………
カキカキ カキカキ………
その日の夜、
スペクトル凡矢理 705号室
千棘 「じゃじゃーん!
見てよ、楽!」
バッ
楽 「おっ!
何だそのスニーカーの絵?
お前が描いたのか?」
千棘 「うん!
今日、学校に遅くまで残って描いたの!」
千棘が楽に見せたアイデアをまとめる用のスケッチブックには、
青と白の本体に赤い紐の、見栄えのいい見事なスニーカーが描かれていた。
楽 「中々、カッコいいじゃねーか!」
千棘 「フフーン♪
そうでしょ?
あんたに似合いそうなスニーカーを考えて、
頑張ったんだから!」
楽 「そっか………
ありがとな。」
千棘 「フフーン♪」
第1巻 第236話 完
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