僕と サヨナラ…?(最終章、第4話)
しばらくは不定期投稿のままです。
話が重いよ!!
何日か経った。白露さん? って言っていいのかどうかは分からないけれども、毎日話に来てくれた。
妹さんたちも来てくれていた。けれども…。
何も思い出せない。空っぽのままが続く。気がついたら、もう2週間も経とうとしていた。
僕は、退院できる事になった。けれども、帰る場所ってどこなんだ?
鎮守府ってところかな? それとも、何処か家でもあるのか…?
ダメだ。やっぱり、思い出せない。僕は…。僕はどうすればいいんだ?
ーー鎮守府ーー
優斗「ここが、鎮守府ってところなんですね…」
祐樹「まぁな。一応、お前が記憶を失うまではここに住みながら、提督業をやってた」
優斗「そう、ですか…」
祐樹「病院の中での会話以外の情報もここに来たら得られるからな。だから、ここにしばらくいてもらう。もしかしたら、艦娘と話す事で記憶が戻すための何かが得られるかもしれないからな」
優斗「確かに…。ところで、貴方は何処に住んでいるんですか?」
祐樹「俺は、別の鎮守府に住んでる。まぁ、お前が提督業が出来ない間は俺もここに住む事になるけれどもな」
優斗「ホントに…。すいません」
祐樹「こればかりは仕方ないだろ。不慮の事故に提督があったので、鎮守府一時休業で~す。なんて、出来るわけないしな」
優斗「ホントに…。申し訳ないです…」
祐樹「あ~! もう謝んな! こっちまで申し訳ない気分になるわ!! もういい、荷物運ぶの手伝え!!」
優斗「あ、はい…」
祐樹さんの車から、荷物を取り出すと僕の部屋(?)に荷物を運んでいった。僕の部屋と思われる部屋には写真がかけてあったり、資料のようなモノが机の上に置いてあった。
優斗「ここが、僕の部屋…」
祐樹「どうだ? 何か思い出せそうか?」
優斗「いえ、何も…」
祐樹「そう、か…」
椅子に座ってみる。けれども、何にもない。部屋をもう一度見渡してみるけれども…。
ダメだ。何にも思い出せない。どうすればいいのかも、分からない…。
??「提督が帰って来たって?」
??「なんでソレを早く言わないんだよ!」
??「しょうがないじゃん、今教えてもらったんだから!!」
何だか部屋の外が騒がしい。ドアを開けるため、ドアの方へと向かっていると…。
??「しっつれ~いしま~す!!」
元気な声と同時に数人の娘が部屋に入ってきた。
優斗「あれ、白露さん…? ダメですよ。ちゃんとノックぐらいしないと…」
白露「あ、はい…。っていうか、それだけは記憶失ってもちゃんと言うんだ…」
優斗「?」
白露「って、そんな事は置いといて…。も~!! なんで帰ってきてるなら帰って来てるって言わないのさ!!」
祐樹「言ったら言ったで、めんどくさい事になるのが目に見えてたからな」
優斗「ま、まぁまぁ…」
時雨「けれども、優斗はここで過ごすの? ここで過ごすことになるなら、祐樹の部屋がないけれども…」
祐樹「俺は、その辺の空き部屋でも勝手に使うわ」
江風「勝手にって…」
涼風「無茶苦茶だな、こいつも…」
祐樹「俺は最初から最後まで無茶苦茶だ」
江風「褒め言葉になってないだろ、それ…」
涼風「アイツにとっては、これが褒め言葉になっちまうんだよ…」
祐樹「おいコラそこ聞こえてんぞ」
江、涼「すん(ン)ません(ン)」
優斗「いや、僕の部屋を使えばいいんじゃ…」
祐樹「ワリィが、俺は他人の部屋では寝れないのでね」
白露「何なの、そのこだわり…」
祐樹「ま、俺は他の作業があるから俺はここで失礼するわ。詳しい事は明日な~」
祐樹さんは、そう言い残すと部屋の外へと出て行ってしまった。部屋の中にいるのは、僕と白露型(?)の娘だけだ。
白露さんなら、何回か話に来てくれたから知っているけれども…。他の娘は、あんまり会った事がないのでさっぱり分からない。
優斗「なんか…。色々と迷惑かけてすいません」
白露「い、いや!? 特に迷惑とかけてないから大丈夫だよ!?」
優斗「は、はぁ…」
その後は、鎮守府の中を案内してもらった。以前、大惨事が起きた工廠だったり、僕と白露さんが恥ずかしい(?)思い出を作ってしまった食堂だったり、と…。
しばらく案内してもらっていると、夕方になってきていた。
白露「もう、夕方になっちゃったみたいだね…」
優斗「そう、ですね…」
白露「あ、そういえば貴方が記憶を失う前に一番好きだった所に連れてってあげる!」
優斗「え、あ、ちょっと!?」
白露さんに手を引かれて、そのまま鎮守府のとある場所に連れて行かれた。そこは、鎮守府の前にある海だった。
ただの、変哲もない海。けれども、何かが心の中で引っかかっている気がする。
夕焼けが、海を照らす。白露さんが、海の近くを歩く。僕も、後ろについていく。
白露「ここが、貴方が好きだった所」
優斗「ここは…」
波の音が心地いい。こっちを向いている白露さんが、笑顔をこっちに見せる。
やっぱり、何かが引っかかっている。何だ? これは?
…思い出せない。
白露「何か思い出せた?」
優斗「何か引っかかるモノはあるんですけれども…。すいません、思い出せないです」
白露「でも、何か引っかかるモノがあるってだけで大収穫だよ!!」
優斗「そ、そうですよね」
白露「うんうん!!」
久しぶりに、白露さんの笑顔を見た気がする。何だろう。白露さんの笑顔を見ると…。
安心する。楽しいと思えてくる。けれども、なんでなんだ? 僕と白露さんが付き合っていたから? そうなのか?
…やっぱり、分からない事がたくさん出てきてくる。けれども、これほど分からない事が出てくるって事は、記憶を元に戻す鍵があるのかもしれない。
白露「…どうしたの? 急に考えこんじゃって」
優斗「すいません、ちょっと色々と考え事が重なり過ぎちゃって」
白露「あんまり、自分1人で抱え込まないでね?」
優斗「…そうですね。1人で考えるよりも、みんなで考えた方が解決できそうですし」
白露「あ、そういえばもう1つだけ記憶に残ってそうな所があった!!」
優斗「でも、今日は結構暗くなってきていますし…。明日の方がいいと思うんですが」
白露「そうだね。じゃあ、鎮守府にもっどろ~!!」
優斗「だから、置いていかないでくださ~い!!」
今日は、大きなプラスを生み出す事ができた。何かしら引っかかる事があるって事は、多分ここの周りに記憶を元に戻すための大事なモノがあるはず。
とりあえず、明日に向けて早く寝ないと…。
僕は、夕食を食堂で取ろうとしたが迷った。白露さんになんとか助けてもらって、食堂に着いた。
食堂には、たくさんの艦娘がいた。多すぎて、何人いるのかがまったく把握できない。
こんな人数を、記憶を失う前は指揮していたのか…。僕は。だったら、尚更早く記憶を元に戻さないと…。祐樹さんがオーバーワークで倒れてしまうんじゃ…。
優斗「とりあえず、早くご飯を食べて明日に備えないと…」
早めに食事を済ますと、急いで執務室に戻る。が、やはり迷った。
…移動する時は、白露さんと一緒の方がいいみたいなのかなぁ…。
(翌日)
目が覚めた。とんでもない程いい天気だなぁ…。
昨日は、白露さんに記憶に残ってそうな所に連れて行ってくれるって言ってたから、いい天気で助かるんですけれども。
朝食を手短に済ませ、執務室で白露さんが来るのを待つ。9時ごろになると、ドアをノックする音が聞こえた。
優斗「入っても大丈夫ですよ~」
白露「しっつれ~しま~す。あ、もう準備出来てたんだ。じゃあ、すぐに行けるね」
白露さんについていく。鎮守府から遠い場所かもしれないと思っていたけれども、近いところだった。
着いた場所は、近くの駅だった。
優斗「ここって…。駅ですよね?」
白露「まぁ、ね。それで、ここでこれを見てほしいんだ」
取り出されたモノは、色が落ちてボロボロになってしまっていた黄色のカチューシャだった。どこかで見たことがあるような気が…。気のせい、なのか?
優斗「これって…」
白露「このカチューシャは、貴方が私に早めの誕生日プレゼントとして送ってくれた…。私の一番大切な宝物。そして…この駅で、一旦お別れする時に私の頭に付けてくれた。私の嬉しかった思い出の一つ」
優斗「…」
白露「何か思い出せた?」
優斗「…」
頭の中で、出てきそうなのに何故か出てきてくれない。なんでなんだ?
白露さんにとっては大切な思い出なのに、僕にとっては、大した事ない思い出なのか!? ダメだ。頑張っても…。思い出せない。
優斗「ゴメン…なさい。思い出せそうなのに…。何故か出てこないんです」
白露「そっかぁ…。まぁ…、仕方ないね。まぁ、いいや!!」
優斗「え?」
白露「言ったじゃん!! 嬉しかった思い出の一つって。まだまだ思い出はたくさんあるからね!!」
優斗「そ、そうですか…。で、でも本当に大丈夫なんですか? 白露さんも大変だし…」
白露「私は大丈夫だって!! 記憶を元に戻すためには、私頑張るから!!」
優斗「…ホントにすいません。迷惑ばかりかけて」
白露「だから、謝らなくていいってばぁ!!」
この時は、まだ彼女は知らなかった。地獄は続くという事を。
白露の、元気一杯の笑顔は。じわりじわりと。壊されていく事を。
そして、絶望の淵へと叩き落とされてしまう事を。
記憶は未だに戻らない。そして、それはいつまでも続く。茜の大事な思い出は。白露の思い出は。
今の優斗の中には…。
残っていても。思い出すための何かが足りないままだ。
(次回に続く)
優香「何? あの不穏すぎる終わり方」
由衣「…嫌な予感しかない」
優香「次回も不定期投稿だよ」
由衣「次回も…。よろしくお願いします?」
暗ぁい!!白露メイクライ!!
※1
さて、明るくなる事はあるんでしょうかねぇ…。
いちゃいちゃさーん!
帰って来て!!
※3
イチャイチャさん「春休み中で〜す」
「なんだと?」
「なんだって?」
「なんやって?」
「ナニィ?」
「エッ?」
「なんてこったい!」
「チクショー!!」
いちゃいちゃさん。
春休みしている場合じゃ無いです。
※5
優斗「反応する人が多くないですか?」
※6
イチャイチャさん「俺だって、春休みぐらい欲しいんだよ!!」