僕と 白露型一番艦 白露…?(最終章、第3話)
記憶を失ってしまった優斗。
茜(白露)たちは、記憶を元に戻す事はできるのか?
色々あって、書く時間がまったくありませんでした。
なので、内容が酷い事になっている可能性がありますがご了承ください。
信じられない言葉だった。
ゆーくんは、目覚めてくれた。けれども、奇跡はここまでだった。
ゆーくんは、記憶を失っていた。自分自身の名前も。なんで海軍に入ったのかも。そして、私との思い出も。
白露「ね、ねぇ…。本当に何も分からないの?」
優斗「はい…」
白露「…」
優斗「ところで、貴方は結局誰なんですか?」
白露「え? あ、そうだよね…。全部忘れちゃっているから…。私は、白露」
優斗「白露、さん…? なんか、珍しい名前ですね」
白露「まぁ、これは艦娘としての名前だからね…。ホントはちゃんとした名前があるからね」
優斗「そうなんですか…。もう一つだけ聞いてもいいですか?」
白露「うん…」
優斗「艦娘というものは何ですか?」
白露「簡単に言えば…。私みたいに、海を守る娘のコト」
優斗「はぁ…」
白露「ところで、ここまで説明していたけれども…。何か思い出せた?」
優斗「…。すいません。まだ何も…」
白露「そうか…。じゃあ、私はそろそろ戻るね。時間もないし…」
優斗「はい…。すいません、ここまで迷惑をかけてしまって」
白露「別に大丈夫だよ…。じゃあ、また…」
病室を後にする。部屋の外に出た瞬間、崩れ落ちそうになった。
私との思い出。それが全て消えた。「ゆーくん」なんて呼び方も、今の彼の耳には別の誰かを呼ぶ声にしかならない。
白露「どうして、こんな事にならなきゃいけないの…?」
病室にいるのは、ゆーくんであってゆーくんではない。ゆーくんに似た人物である、西本優斗という人物でしかない。
どうにかして、ゆーくんを元に戻したい。けれども、元に戻す方法が分からない。
白露「どうすればいいのか分かんないよ、もう…」
??「大丈夫? 白露ちゃん」
白露「あ、由良さん…」
由良「凄く泣きそうな顔だけれども…。まぁ、大切な人の記憶がなくなっちゃったからね…」
白露「…」
白露「ううっ…」ウルウル…。
白露「うわぁぁぁ…」
由良「白露ちゃん…。よしよし…」ヾ(・ω・`)
白露「由良さぁん…。私の、所為で、私の所為でぇ…」
由良「別に、白露ちゃんが悪いんじゃないよ。白露ちゃんを守りたいから…、白露ちゃんの提督さんはそんな行動をしたんだと思う。だから、今度は白露ちゃんが提督さんを助けてあげないと。提督さんの記憶が戻るのを…。助けてあげないとね」
白露「私が…?」
由良「うん。とりあえず…、いったん鎮守府に戻ろっか。ここにずっといたら、辛くなっちゃうだろうし」
白露「はい…」
白露(私が、ゆーくんを助けなきゃいけないんだ…。だったら、私がこんな調子じゃ…。ダメだよね。待ってて、ゆーくん。絶対に私の事、思い出させてあげるから!!)
そんな決意を胸に抱いてから、病院を後にする。今はクヨクヨしてる場合なんかない…。よね。
鎮守府に帰ると、優香たちが心配そうな顔をして私に詰め寄ってきた。まぁ、普通はそうなっちゃうよね。
時雨「おかえり…。それで、優斗は…。大丈夫だったの?」
白露「まぁ、ね…。一応、命に別状はないみたい。けれどもね…」
時雨「けれども? なんかあったの?」
白露「記憶が、全部なくなっちゃってた。何かも、ね…」
村雨「何もかも!? それって、私たちの事もってコト?」
白露「そういう事。頭を強く打っちゃったみたいでね…」
村雨「そんな簡単に言ってるけれども…。茜お姉ちゃんと優斗の思い出も消えちゃってるのよ!?」
白露「分かってるよ、そんな事」
村雨「じゃあ、何でそんなに落ち着いていられるの…?」
白露「私が…。ゆーくんを元に治してあげればいいって分かってるから。たとえ、何日でも、何十日でも、何百日かかったとしても…ね」
村雨「でも…」
白露「大丈夫だよ、由衣。私は、そんなに弱くなんかないからね!!」
夕立「けれども、無茶してる風にも見えるっぽい…」
白露「…。やっぱり、そう見える?」
夕立「茜お姉ちゃんは、辛い事があったらだいたい誰にも分からないところで、泣いてるっぽい…」
白露「…」
夕立「茜お姉ちゃん、目が赤いっぽい…」
白露「まぁ、ね…。ちょっぴり…。泣いちゃった」
時雨「お姉ちゃん…。その、辛い事があったら僕たちを頼ってもいいんだよ?」
村雨「そうそう。こういう辛い事があったら、皆で支えあうのが一番でしょ?」
夕立「どんな時も、皆で支えあうのが一番っぽーい!」
春雨「とりあえず、結構記憶に残ってそうなモノを探しましょうか」
五月雨「けれども、結構ある気がするよ?」
海風「もう、しらみつぶしにやっていくしかなさそうですね…」
山風「忘れたままだと、困る…」
江風「えーっと、アレもあったし、コレもあったし…」
涼風「多すぎるな…」
白露「皆…。ありがとう…」
海風「あ、でも…。ここの提督はどうするんですか?」
白露「確か…。祐樹が一時的に兼任するって」
海風「そう…ですか」
白露型全員が、優斗の記憶を元に戻す為に動こうとし始めた時。病院でも、別の動きが起きていた。
茜たちの希望を粉々にしてしまうような事だが。
ーー病室ーー
優斗「それで、貴方が僕の上司にあたる人…。なんですね」
祐樹「…ああ」
優斗「まさか、同世代の人にこんな凄い人がいるなんて…。驚きました」
祐樹「…」
優斗「それで、話があるって事でしたけれども」
祐樹は小さくうなづいた。横にいる由良は、ただ黙っているだけだ。
祐樹「話っていうのは…。結構キツイ話なんだ」
優斗「別に…大丈夫ですよ」
祐樹は、詰まりながら話し始めた。
祐樹「その…俺って、一応元帥って立場だからさ。前線に出れなくなった、もしくは前線での活躍が見込まれなくなった奴には、退くように言わなきゃなんないんだ」
優斗「はい。その話を僕にするって事は…」
祐樹「察しがよくて助かる…って言うのは流石にひどいか。まぁ、その、な…」
優斗「僕に、提督を辞めろ。って事ですね」
祐樹「まぁ、その…。うん」
優斗「まぁ、仕方ないですよね。記憶をなくしちゃったら、戦術とかもどうしようもないですから」
祐樹「いや、でも、お前の場合を特別な事情があるから…。期限は、ある」
優斗「期限?」
祐樹「ああ。まぁ、期限はお前が19歳になる時…。つまり、4月5日だな」
優斗「なんで、僕の誕生日に…?」
祐樹「お前が事故にあってから、ちょうどその日で2ヶ月になるんだよ」
優斗「はぁ…」
祐樹「まぁ、その日までに記憶を取り戻すことが出来て、提督業も行える状態まで戻れたら…。お前はやめなくても済むって事だ」
優斗「まぁ…。頑張ります」
祐樹「頑張ってもらわなきゃ…。困るんだよ…!!」(小声)
優斗「? 何か言いました?」
祐樹「いや、何も。じゃ、俺も仕事があるから…。じゃ、また。行こうぜ、由良」
由良「あ、はい…」
逃げるように病室から出る。…今なら分かる気がするよ。白露。
お前も…。こんな気持ちだったのか? 大切な人が…。いなくなるかもしれないって。
ーー鎮守府(優斗の方)ーー
白露「とりあえず…。私…。いや、「白露」になってから初めて会った頃の事からかな」
時雨「確かにいい案だけれども…。なんでそこを?」
白露「久しぶりに再会した時の事だから、いっちばん記憶に残っているかもしれないじゃん?」
時雨「まぁ、確かに…」
白露「じゃあ、「白露」になってから初めて会った時の事を話してみようっと…。じゃ、そろそろ寝るね。もう夜遅いし」
窓の外は、暗闇に包まれていた。時計は11時をすでに回っている。
茜たちは、ベッドに横になる。優斗との思い出を思い出しながら。
そして、優斗の記憶を取り戻すための日々が始まる。
(翌日)
朝。病室の前。茜たちは、リラックスしようとするけれども、リラックスしようとすると、余計に焦る。
白露「だだだ、大丈夫だよね?」
時雨「ま、まぁねぇ…」
村雨「なんでこんなに緊張してるの? 私たち」
白露「さ、さぁね…? じゃ、じゃあ、行こうか」
茜が病室の戸を開く。病室の中では、優斗が待っていた。
優斗「あ…。どうも」
白露「ど、どうも…」
なんか、緊張する。目の前にいるのは、確かにゆーくん。けれども、中身は空っぽ。
そのせいで、初対面の人と話している感じだ。まぁ、記憶を戻すまでの辛抱…。だよね。
優斗「それで、僕と皆さんに関連がある過去の出来事について話してくださると聞いたんですが…」
白露「あ、うん…。じゃ、じゃあ、今日はあなたと、私が艦娘になってから初めて会った時について話すね」
優斗「はい」
白露「けども、まず私とあなたとの関係についてから話した方がいいかも」
優斗「はぁ…」
白露「私とあなたは、幼馴染だったの。そして、恋人…。だった」
優斗「だから、最初に会った時にあんな呼び方だったんですね」
白露「そう。それで、元の話題に戻るけれども。私とあなたは、艦娘になってから初めて会った時は、喜んだよ。まぁ…。数年ぶりに会ったからね」
優斗「まぁ、そうでしょうね…。何年も会えていない人に会えるのは、嬉しいでしょうし」
白露「その後、色々あったよ。着任パーティーで、私達がお酒を間違って飲んじゃってさ…」
そのまま、数時間話し続けた。けれども、ゆーくんはうなずいたりはしてるけれども、記憶を思い出すには至らなかった。
まぁ、1回話しただけで元に戻るのは流石にないだろうしね…。
白露「じゃあ、また来るから…」
優斗「すいません。わざわざ僕のために…」
白露「別に大丈夫だよ。けれども、いつか元に戻してみせるから」
優斗「はい…。お願い、します」
白露「今度は、小学生の頃の話をしに来るね」
優斗「分かりました。では、また…」
白露「うん。また、ね…」
そう言って、病室から出る。外では、優香たちが待ってくれていた。
白露「ちょっと話しすぎちゃって…。待たせてゴメンね」
時雨「別に大丈夫。皆も優斗に早く記憶を戻してほしいって思ってるからね」
村雨「ちなみに、今日は…。どうだったの?」
白露「…」
村雨「あ、べ、別に言いたくなかったら言わなくてもいいからね!?」
白露「いや、ちゃんと言わなきゃいけないから…。…まだ、無理みたい」
村雨「そう…。なかなかにキツイ戦いになりそうね…」
白露「うん…。けれども、決めてるから。絶対に、ゆーくんの記憶を元に戻してみせるって」
時雨「いつか、きっと上手くいくと思うよ」
村雨「私も、そう思う」
白露「ありがと…。じゃあ、いったん鎮守府に戻ろうか。咲とかが待ってるだろうし」
病室を後にして、鎮守府へと向かう。たとえ、辛い事があっても…。
私は、ゆーくんの横にいるからね。だから…。待ってて。
絶対に思い出させてみせるから。
(次回に続く)
咲 「なんか、重い話になる気がするっぽい…」
春香「まぁ、仕方ないのかもしれませんけれども…。はい…」
咲 「次回も、不定期投稿っぽい。だから、急に出したりするかもしれないっぽい」
春香「その時は、よろしくお願いいたします、はい」
咲&春香「では、また次回にお会いしましょう(っぽい!)」
今まで、イチャイチャだったから、
ここに来て、心にズドン!と来る
重い話が、来ましたが、
それでも、今後どうなっていくのか
楽しみです。
※1
イチャラブがどっかに行っちゃいました。