僕のあの場所 (過去編 その2)
優香の過去編はこれで終了です。
この話は、過去がメインになるため、艦娘になる前の名前で出てくる事が多くなります。
ちなみに、この話では優香(時雨)がメインです。
(注 茜→白露 優香→時雨 となっています)
軍人の人に、僕はとある場所に連れて行かれた。
そう、あの場所。僕たちの大切な家でもあり、みんなが一緒にいられる場所。
僕が、あの場所に連れていかれたのは小学4年生の春だった。
そこには、最初は僕以外に同い年の娘たちは2人しかいなかった。そこから、更に増えていくとはこの時は知らなかったけどもね…。
(小4の春頃にて…)
優香「ここって…?」
軍人「俺の友人がやっている、施設だ。まぁ、まだあんまり子供はいないみたいだけどもな」
優香「はぁ…」
軍人「あ。あいつだ。ここの施設長って言えばいいのか? まぁ、あの人に着いて行けば大丈夫だ。俺は、ちょっと話があるからここでお別れだ」
優香「う、うん…」
軍人の人と別れて、施設の人に着いていった。
軍人「…」
男 「あの娘は?」
軍人「あのクソ海軍のせいで、親とかを失った娘だ。俺がもっと早く行動出来たら…」
男 「まぁ、そう自分を責めないでください。ところで、記憶の処理は…」
軍人「親とかを失った事を思い出して、パニックとかになって苦しんでいたみたいだからな。だから、親とかを失った時の記憶を若干処理した」
男 「こんな事をしなければならないのは、辛いですね…」
軍人「ああ…。じゃあ、俺はもう行くわ。また、誰か保護したらよろしくな」
男 「了解です。では、また…」
軍人の人は、施設の人と話した後、どこかに行ってしまった。まぁ、また少し経った後に会うことになるんだけどもね。
一方、僕はとある部屋に連れていかれた。その部屋には、僕と同い年ぐらいの子が2人いた。男の子と、女の子。
男の子の方は、あくびをしながら背伸びしていた。
女の子の方は、目をキラキラさせていた。そんなに僕の事が気になるのかな…?
??「誰だよ…。こいつ」
??「ちょっと、ゆーくん! 初めて会う娘に「こいつ」はないでしょ!?」
優香「えっと…。その…」
??「あ、私はいっちばん最高のお姉ちゃんだよ!」
優香「お姉、ちゃん?」
??「そう! ここに来たからには、私をお姉ちゃんと思っていいんだよ?」
優香「は、はぁ…」
茜 「あ、自己紹介がまだだったね…。私は茜だよ! これからよろしくね!!」
優香「よ、よろしくお願いします…?」
茜 「ほら、ゆーくんも自己紹介しないと!」
優斗「めんどくせーなぁ…。俺は、優斗だ。ま、気軽に優斗って呼んでくれ」
優香「う、うん…。僕は、優香。こ、これからよろしくね」
こうして、僕とお姉ちゃん、優斗の3人の施設での生活が始まった。まぁ、1か月後にまた増えたんだけども。
ーー2週間後、部屋にてーー
優斗「風呂いってくる…」
茜 「あ、私も入る~」
優斗「…。あのな、俺らもう小4だぞ!? 流石にこの年で一緒に風呂は無いだろ!?」
優香「僕も、一緒にお風呂はないと思うよ」
茜 「えぇ~。じゃあ、3人で入ればいいか!」
優斗&優香「なんでそうなった!?」
茜 「別にいいじゃん~。皆で一緒にお風呂入って何が悪いの?」
優斗「まぁ、そう、なんつーか、うん…」
優香「色々あるんだよ。うん」
優斗「じゃ、1人で風呂いってくる」
茜 「もう…」
優斗が、お風呂に向かった。部屋には、僕とお姉ちゃんだけになった。
優斗がいなくなってから少し経った後に、僕はお姉ちゃんに気になる事を聞いてみた。
優香「そういえば…。なんで、お姉ちゃんは僕の事を本当の妹ように扱ってくれるの?」
茜 「…。私は、いっちばん頼りになる人になりたいんだ。どんな事があっても慰めてあげられるような人に」
優香「何か、あったの? 過去に」
茜 「実はさ、ゆーくんって両親がいなくなっちゃったの。その時、ずっと泣いてた。けども、私は何にも出来なかったから、いつかこんな事にあった娘に頼ってもらえるような、そんな人になりたいと思ったから、こんな風にしてるの」
優香「へぇ…。けども、僕にとっては、茜ちゃんはもうお姉ちゃん同然だよ。だから、これからもよろしくね。お姉ちゃん」
茜 「うん!」
優斗「お~い。風呂上がったぞ~」
茜&優香「早っ!?」
(そして、今…)
優斗「そういや、そんな事あったな…」
白露「まぁ、優香にそんな過去があったって事は知らなかったけども…」
時雨「そうだよね…。僕も、こんな過去があったなんてこの資料を見るまでは忘れていたんだ。まさか、僕の記憶に処置をされていたなんて…」
優斗「まぁ、優香の本名も分かった事だし次の資料に移ろうか。けども…」
白露「ゆーくんに関係するところなんてどこにもなかったよね…」
優斗「まぁ、まだ序盤だから。由衣とかの過去の事が載ってる資料とかを読んでいったら多分分かるだろうよ」
村雨「…。私たちの過去、ねぇ…」
夕立「…」
優斗「どうかしたのか? 2人とも。なんか、見られたくない項目とかがあるのか?」
村雨「いや、見られたくない項目は無いけども…。私たちの過去って、結構、咲にとっては衝撃的だったみたくて…」
優斗「だから、今さっきから咲があんな感じなのか?」
村雨「まぁ、うん…。私も、ちょっと答えるとこがあったから…」
優斗「そう、か…。じゃあ…行くぞ」
白露「うん…」
優斗と茜お姉ちゃんが私たちの過去が載っている、資料を見始める。
あんな、悲しい過去があったんだ。私と咲に…。
次回、「赤色の目」に続く。
(おまけ)
時雨の設定
○優香(白露型2番艦「時雨」)
本名 西村 優香
過去に、両親が戦争により他界。その後、親戚の所に預けられるがその親戚も、戦争へと連れていかれた。
しかし、優香は体調不良などにより戦争へと連れて行かれる事はなく、深海棲艦との戦争はほぼ終了。
その後、1人の軍人によって優斗たちがいる施設に入ることになった。
次回、由衣と咲の過去編。
なぜ、由衣は両目の色が違うのか。咲の緑色の目は、なぜ赤色になってしまったのか。
そんな話です。次回も作者の妄想全開です。
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