アズレン短編⑪ グラーフが想うもの
アズレン短編、11作目は、にくすべさんことグラーフ・ツェッペリンです。
午前10時 母港執務室
グラーフ・ツェッペリン(以下、グラーフ)がやって来た。
グラーフ「卿よ、少しよいか?」
指揮官「ん?どうした?」
グラーフ「卿よ、我は想うのだ。」
指揮官「何をだ?」
グラーフ「我は全てが憎いのだ。自分の人生も、争いも何もかも。もし我がいたらあの戦いを制せただろうとね。それだけでない。ビスマルクもオイゲンもヒッパーだって守れただろうとも思う。過ぎたことを後悔するのは我の性に合わんが、いつも海を見つめる度に想うのだ。卿もそう想わんか?」
指揮官「うむ、グラーフが言いたいことはわかる。憎しみも後悔も誰にでもあるさ。見返す気があるなら、挽回する気があるならいくらでもやるがいいさ。」
グラーフ「ふっ、挽回…見返す…か。いい響きだな。それもそうだな。」
指揮官「生きている限りどんなことがあるかは分からない。KAN-SEN達も俺もみんなそんな世の中にいるのだよ。」
しばらくして
グラーフ「ふふっ…。卿とこうして雑談すると実にすっきりするな。面と向き合って言いたいことは言えるし、どんなつまんないことも潰れる。恩にきる。」
グラーフはそのまま執務室を後にした。
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