指揮官の忘れられない日
指揮官の寝室に飾ってる写真の女性と指揮官の忘れられない日を綴った物語
です。
夜22時 指揮官寝室
今日はフッドと一緒に寝ていた。
フッドは指揮官が最初にケッコンした
KANーSENである。
フッド「指揮官様と一緒に寝るのは
久しぶりですわね」
フッドは普段パジャマでなくネグリジェだ。
今日のフッドのネグリジェは青系の
レース入りだ。
指揮官「今日のフッドのネグリジェは
すごく似合ってるよ」
フッド「あら、誉めても何も出ませんわよ。指揮官様。うふふっ」
フッドは少しにこやかに言った。
しばらくして
俺はふと窓に飾ってるフォトフレームの写真を見た。
その写真には、俺と亡き彼女が写っていた。
すかさずフッドも振り向いた。
フッド「指揮官様、その隣の女性は
誰ですの?」
と聞く。
指揮官「こいつは俺が付き合っていた
彼女で名前はゆりだよ。」
フッド「素敵な女性ですわ」
指揮官「そういえば明日を思い出すなぁ」
フッド「どうしてですの?」
指揮官「実は明日はゆりの命日なんだ」
フッド「命日?亡くなられたのですか」
指揮官「そうだよ。」
指揮官はその当時の事を話した。
指揮官が高校生の頃。
当時同じクラスの子でゆりと言う子が
いた。
ゆりはとても可愛いかった。その上当時の指揮官のことが好きだったと言う。
ゆりの家と俺の家は少し離れているけど
一緒に高校に通ってた。
俺は勉強はいい方だったけど、ゆりは
そんなによいとは言えなかった。
だから俺は休みの日もゆりの家に行って勉強を教えたこともある。
時々デートもしていた。私服のゆりは
すごくオシャレだった。
俺とゆりは高校を卒業すると離ればなれになった。それでも時々会いに行ってたし、LINEもやっていた。
そんなある日、ゆりからLINEが来た。
LINEにはこう書かれていた
「指揮官くん、ずっと隠しててごめんな さい。本当にごめんなさい。実は私、
白血病だったの。指揮官くんに心配されたくなくってずっと隠してた。本当にごめんなさい。」
でも俺は察していた。
高校2年の頃にゆりが長期間休んだこともあった。先生からは体調不良でお休みだとしか言ってなかった。
そして俺はこう返事した
「ゆり、白血病だったのか。初めて聞いたよ。だけどゆりなら白血病を乗り越えられると思うよ。俺は信じてる。そして
いつかケッコンしよう」
それから数ヶ月後。
ゆりの母親から電話が来た。
ゆり母「もしもし、指揮官くん?」
指揮官「そうですけど・・・どうしました?」
ゆり母「ゆりが指揮官くんに会いたいって言ってて。それで来てほしくって電話したの」
指揮官「わかりました。今行きます。」
俺は自転車でゆりが入院している病院に向かった。
病院の入り口付近でゆりの母親がいた。
指揮官「ゆりのお母さん?」
ゆり母「指揮官くん来てくれたのね。」
俺はゆりのお母さんと一緒にゆりが入院してる病室に向かった。
指揮官「ゆり?」
ゆり「指揮官・・・く・・・ん?」
ゆりは弱々しい声で俺を呼んだ。
ゆり「指揮官・・・くん。私はもうすぐ
お星様になるの。あの空できらきら光る一番星のように。」
指揮官「ゆり。俺、ゆりに出会えて嬉しかった。ゆりと一緒に思い出を作れて嬉しかった。ゆりが居なくなったら...お...俺は...さみしいよ。」
ゆり「指揮官くん。私も君に出会えて嬉しかった。ひとりぼっちだった私と友達になってくれてありがとう。
最後に私と約束して。指揮官くんが幸せになっても見守ってあげるから、だから指揮官くんもずっと私の事忘れ...ないで...。」
指揮官「うっ...うっ...ひっぐ...ゆり、...わかった、約束するよ。」
そしてゆりはお星様になった。
俺は病室に響くほど声をあげて泣いた。
フッドの表情をみた。悲しそうに
涙をぽろぽろと流しながら泣いていた。
そしてフッドはすかさず俺を抱きしめた。顔がフッドの胸に包まれた。
フッド「私が指揮官のさみしい気持ちを
清めてあげますわ。」
俺はそのまま、フッドの胸に抱かれて
眠った。
翌日
指揮官代理が来た。
俺はフッドと一緒にゆりのお墓参りに
行くのだ。
タクシーと電車を乗り継いで1時間後
ゆりの墓がある墓地に到着した。
そこにゆりの母親と父親がいた。
ゆり母 ゆり父「指揮官くん?」
指揮官「こんにちは。」
フッドもペコリと頭を下げた。
ゆり母「ゆりのために来てくれたのね。指揮官くん、そちらの方は?」
フッド「ごきげん麗しゅうございます。
私はロイヤルの巡洋戦艦、フッドと申します。」
ゆり父「と言うことは、君は...」
指揮官「海軍の指揮官になりました。」ゆり母「立派になったわね。辛くて大変かもしれないけど、頑張ってね。」
指揮官「恐れいります。」
俺とフッドは花と線香をあげて、脱帽してしばらく祈りを捧げた。
そして俺は空を見上げて心の中で
「ゆり、俺は幸せだよ。ゆりと一緒に思い出を作れて嬉しかった。ありがとう、ゆり」
そして俺は墓地を後にした。
おそらくゆりはこう言ってるだろう。
ゆり(天の声)
「指揮官く・・・ん?幸せになったんだね。立派な人になったんだね。指揮官くんなら、どんな辛いことでも乗り越えられると思うよ。だから私も応援しているよ。頑張ってね。指揮官くん。」
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