提督「艦娘と話そう」
ただ艦娘と雑談するだけのお話
皆さんお久しぶりです。新しい作品…というか大学時代息抜きに書いていたものです。未完ですし、いつ終わるかそもそも続きが描かれるかさえわかりません。それでも良ければどうぞご覧ください
―提督室―
提督「なあ潮」カキカキ
潮「なんですか?」ペタンペタン
提督「みんなって今何してるのかな?」ペラペラ
潮「唐突ですね……。まあ…それぞれ好きなことやってるんじゃないですか?」カキカキ
提督「気に食わん」ガタッ
潮「いや別にいいでしょう」トントン
提督「だって俺が仕事してるのにみんな休んでんじゃん?そりゃ気に食わねえよ」パラパラ
潮「貴方が普段からサボってなければこんなことにはなってませんよ。手伝ってあげてるんだから文句言わずにやってください」ケシケシ
提督「俺、家庭には仕事を持ち込まないタイプなんだよ」キリッ
潮「さっさとやれ」
提督「ウイッス」
―――――
――――
―――
潮「じゃあ提督、私はこれで」
提督「おう、おつかれさん。悪いな手伝ってもらっちゃって」
潮「そう思うなら日頃からちゃんと仕事をこなして欲しいですね」
提督「手厳しいなあ…ま、善処するよ。明後日まで非番にしといたからゆっくり休め」
潮「はい。じゃあお疲れ様でした」ペコリ
提督「おーう」フリフリ
バタン
提督「さてと…俺も寝ますかね。明日は…大鷹が秘書艦だったかな…ふぁ~…」
提督「眠気MAXだなー…さっさと寝るか」
提督「よいしょっと…」ゴロリ
提督(そういや最近みんなと話せてないな…たまには交流が必要だよなあ…)
提督「あ、そうだ。いいこと考えた」
提督(あれをあーして…よし、いけそうだ。後は…)
提督「……あいつらに頼むしかねえか」
―翌日―
大鷹「おはようございます提督。今日はよろしくお願いしますね」ペコリ
提督「おうよろしくな。来てくれて早々なんだが、ちょっと放送室行ってくる」ガチャ
大鷹「わかりました。先に始めてますね」
提督「頼んだ」バタン
大鷹「…サボりじゃないよね?」
―食堂―
ワイワイ ガヤガヤ
潮「おはようございます山城さん、扶桑さん」ガタ
山城「おはよ」
扶桑「おはよう潮ちゃん。あら?今日はお休み?」
潮「ええ。昨日散々働きましたから」イタダキマス
山城「ああ…そう言えば昨日手伝ってくれーって言われてたわね」
潮「そうなんですよー。いい加減仕事を溜め込むのはやめて欲しいですね」
山城「言えてるわね。ところで潮、トマトあげるわね」スッ
潮「え?あ、はい、いただきます」
扶桑「山城、嫌いなものを人に押し付けないの」
山城「ゔ………」
潮「あはは…大丈夫ですよ扶桑さん。潮、トマト好きですから」
山城「ありがと…」
潮「いえいえ」
扶桑「潮ちゃんも甘いわね…」
ピーンポーン
扶桑「あら?」
提督『あー…皆おはよう。朝っぱらから放送して悪いが、これから呼ぶやつはちょっち集まってくれ』
提督『扶桑、山城、香取、鹿島、アブゥ、榛名、淀ちゃん、明石、バリっちゃん。以上9名は飯を食い終わり次第執務室に来るように』ブツッ
ピーンポーン
山城「朝から呼び出しだなんて不幸だわ…」
扶桑「それにしても珍しいわね。あの提督が朝から呼び出しだなんて…」
潮「しかも、ケッコン艦と任務担当の3人ですか…絶対何かありますね」
―執務室―
大鷹「提督、今の放送は?」
提督「ああ、ちょっと頼み事があってな」
大鷹「頼み事?」
提督「ああ。お前にも協力してもらいたいんだが…大丈夫か?」
大鷹「……まあ、内容次第ですね」
提督「変なことは頼まねえよ」
コンコン
提督「来たか。入っていいぞー!」
―――――
――――
山城「…で、こんな大所帯で呼び出して何の用?」
提督「実は折り入ってお前らに頼みがある」
阿武隈「頼み、ですか?」
提督「ああ」
鹿島「…仕事の手伝いですか?」
提督「その通りだ」
扶桑「この人数、ケッコン艦や大淀さん達がいるあたり、大きい仕事なんですね」
提督「ああ。ちなみにこれはお前らのためでもある」
夕張「私達のため、ですか」
提督「ああ。皆ここに大量の書類が見えるな?」ドン
香取「はい。ざっと見て一ヶ月分ぐらいですか?」
提督「流石だな香取。これは今月の仕事分だ」
榛名「…なんだか先が見えた気がします」
明石「どういうことですか?」
大淀「提督……まさかこれ全部一気にやるつもりなんですか?」
提督「鋭いな淀ちゃん。その通りだ。ちなみに今日1日でな」
阿武隈「一日で!?絶対無理ですよぉ!」
提督「俺もそう思う。そこで、だ。お前らに頼む。この仕事を手伝ってくれ」
提督「無理に、とは言わん。あくまで選択は任せる」
大鷹「…提督、ひとつ良いですか?」
提督「なんだ?」
大鷹「なんでこんな無謀なことを?」
提督「…昨日のことだ。布団についた俺は、最近みんなとちゃんと話せてないと思ったんだ」
提督「執務に時間を取られすぎてみんなと遊べなかったり、疲れてて一日中寝てたりな」
山城「サボってるのが原因じゃない」
提督「ゔ…まあそうなんだが…。とにかく、昔みたいにみんなと遊びたくなったんだ」
提督「そこで俺は思った」
提督「あれ?じゃあ仕事を大量に終わらせておけば皆で休み取れるんじゃね?と…」
阿武隈「発想が小学生レベルですね…」
提督「うるさい。とにかく、そういう経緯で今に至るわけ」
鹿島「私達のため、って言ってたのはそういう事だったんですね」
提督「そうだ。新海域の攻略もないし、こんだけ終わらせれば一ヶ月は休めるからな。まあ演習はあるけど」
提督「無茶を言っているのは承知だ。だが頼む、力を貸してくれ」
皆「「「…………」」」
榛名「…榛名は大丈夫です」
提督「榛名…無理しなくていいんだぞ…?」
榛名「無理なんてしていませんよ。だって提督、みんなとの時間を作りたいんですよね」
提督「あ、ああ…」
榛名「でしたら、榛名が断る理由はありません。大好きな人が仲間との時間を作りたい、そんなことを言ってるんですから、手伝わないわけがありませんよ」ニコッ
提督「榛名…」
榛名「それに…皆さんも同じですよね?」
提督「え…?」
山城「…まあ、皆のためならね。アンタ1人のためだったら一蹴してたけど」ポリポリ
扶桑「私もサボりのツケをやらされるのなら断ってました。でも、皆を思っているのなら、話は別です」
阿武隈「駆逐艦のみんなも提督と遊びたがってたし、いい機会かもですね!」
香取「ですね。遠洋練習航海の成果、発揮します!」グッ
鹿島「香取姉…多分これじゃ発揮出来ないよ…」
大淀「提督のそういう馬鹿みたいな無茶、好きですよ」ニコッ
明石「私も休み欲しいし、頑張るぞー!」
夕張「まあ、私達は休みも工廠にいるけどね」
ワイワイ アハハハハ
提督「……大鷹」
大鷹「なんですか?」
提督「俺、いい仲間を持ったよ」
大鷹「そうですね。最高の仲間です」
阿武隈「ていとくぅー!早く指示出してくださいよー!」
提督「お、おうわかった!じゃあまず…」
―――――
――――
―――
――
―翌朝―
チュンチュン
提督「ふぅ……まさか本当に終わるとはな」チラッ
ド 記入済みの書類の山 ン
提督「…今度あいつらにはなにか好きなものをプレゼントしないとな」
提督「さて……と。じゃあ始めますかね」
―食堂―
Warspite「good morning everyone」カチャ
金剛「oh!ウォースパイト!good morningデース!」
比叡「おはようございます!」
霧島「おはようございます、ウォースパイトさん」
Warspite「あら?ハルナはいないの?」
比叡「榛名なら部屋で寝てますよ!なんでも昨日は徹夜だったらしくて」
Warspite「そうなの?またAdmiralに手伝わされたのかしら」
霧島「そのようでしたが、いつもとは少し違う感じでしたね」
Warspite「どういうこと?」
霧島「疲れてはいたんですが、なんというか…こう、満たされたような…やり切った感というか」
Warspite「へえ…」
金剛「久々に榛名のあんな顔見ましたヨー」
Warspite「長姉のあなたが言うのなら相当なのね」
ピーンポーン
Warspite「あら?」
提督『あー……皆おはよう……』
金剛「テートクの声デース」
比叡「徹夜明けだからかものすごく元気ないですね…」
提督『唐突だがこれから一ヶ月休みになった…』
金剛「エ…?」
比叡「へ…?」
霧島「は…?」
Warspite「what…?」
提督『休みと言っても出撃しないだけだ…日勤の演習はあるが仕事という仕事はそれだけだ…』
提督『それと、これから俺が一ヶ月かけて皆と話す機会を設ける…詳しいことが聞きたかったらその時か俺を見かけた時に聞いてくれ…』
提督『あ、昨日の9人と秘書艦だった大鷹には聞くなよ。疲れてるからそっとしといてやれ…それじゃ』ブツッ
ピーンポーン
ザワザワ ザワザワ
Warspite「……Admiralはついに頭がおかしくなったのかしら…」
金剛「ンー…榛名がなにか知ってそうデスガ聞く訳にもいきませんネー」
霧島「お姉様、提督は皆との機会を作ると言っていました。提督なりに考えがあるのでしょう。ですからその時に聞いてみましょう」
比叡「それもそうだね。よーし、そうと決まればおもてなしの準備をしなくっちゃ!」
Warspite(この艦隊は順応性が高いわね…)
―本編開始―
No.001:長門
提督「なーがとー」コンコン
長門『今開ける。少し待ってくれ』
長門「おはよう提督」ガチャ
提督「おはよう。こんな朝早くから悪いな」
長門「気にするな。それより、早く上がったらどうだ?」
提督「んじゃお言葉に甘えて…お邪魔しまーす」
提督「あれ?むっちゃんはいないの?」
長門「陸奥なら出かけている。いた方が良かったか?」バタン
提督「んー…まあ別にいなくても支障はないかな」
長門「そうか…とりあえず座ってくれ。茶を入れよう」
提督「うーい」
―――――
――――
提督「ズズー……うん、美味い」
長門「それは良かった。……なあ提督、昨日のあれはなんだったんだ?」
提督「そのままの意味よ。一ヶ月出撃なし。それだけ」ズズー
長門「そうじゃなくてな…なんであんなことをしたんだ?」
提督「ああね。うーんとまあ、単純にみんなと話したかったからかな」フゥ
提督「ここ最近、皆とろくに話せてなかったからさ。たまには長期休暇を使って皆との時間を作ろうと思って」
長門「なるほどな…」
提督「怒らないのか」
長門「どこに怒る必要があるんだ?むしろ感謝したいぐらいだ」
長門「私達との時間を作るために相当な無理をしたのだろう?そこまで私達を想ってくれているのだと考えたら、感謝の気持ちしか出ないよ」
提督「そうか…ありがとな長門」
長門「何を言う。こちらこそありがとう提督」
提督「いやーしかしいい部下を持った」
長門「それもこちらのセリフだ。私たちこそいい提督に恵まれたよ」
提督「そうかな?はは」
長門「そうさ。ところで提督」
提督「ん?」
長門「一ヶ月休みにした訳を一人一人に話すのは煩わしくないか?」
提督「あー…それな。今回休みにしたのって、突き詰めれば雑談したいだけだし」
長門「私が皆に伝えようか?」
提督「いや、もっといい方法がある。そう、スマホというものがね」テッテレー
長門「スマートフォンか…確かにいい手だな」
提督「鎮守府のLINEグループに貼っておこう」タッ タッ
―鎮守府連絡網―
ベル『結局昨日の放送ってなんだったんだろうねー?』
タラバガニ『提督のことだから特に裏は無いかと思います…多分!』
提督だよっ☆『ボーロ俺に対して酷くね?』
RJ『お、噂をすればなんとやら』
あきつ丸『提督殿、おはようございます!』
くまりんこ『提督、おはようございます』
提督だよっ☆『はいおはよう。唐突だが昨日の一部分を撤退したいと思います』
ワカバ『撤退?』
秋刀魚ウマー!『撤退とか草生えるwww』
餅『草に草生やすなよ』
168『草に草生やすなよ』
提督だよっ☆『撤退じゃなくて撤回な。揚げ足とって笑ってんじゃねえ』
妙高『提督、それで撤回する部分とは?』
ブルードラゴン『それでどこを変えるの?』
多聞『どこ変えるの?』
提督だよっ☆『詳細を俺に聞くってところだ。今ここで今回の休みの狙いについて言うわ』
ワレアオバ!『おおっ!』
文月『なんですかなんですかぁ?』
提督だよっ☆『ズバリ、みんなと話したかったからだ!』
白雪『はい?』
曙『は?』
赤城『?』
提督だよっ☆『ほら、俺ってば最近みんなと話せてなかっただろ?だから大量に仕事を先にこなして休みを取ったってわけさ』
卵☆マスター『なんていうか…拍子抜けだね』
一航戦の青い方『そうね。もっと考えがあったのかと思ったわ』
ブッキー『思ってたより単純ですね…』
提督だよっ☆『単純で結構。まあそれだけ皆のことを大事に思ってるってワ・ケ・さ☆』
提督だよっ☆『ねえ、既読無視やめて?』
↑既読170
――――――
提督「これでよし、と」
長門「最後の方はあれでよかったのか?」ノゾキコミ
提督「いいのさ。ところで長門」
長門「何だ?」
提督「お前スマホは?」
長門「実は先日、力を込めすぎて壊してしまってな…今は明石が修理をしてくれている。提督から支給された物なのにすまない…」
提督「そ、そうか。まあ、精密機器だし扱いは丁寧にな」
長門「ああ。肝に銘じておく」
提督「…ちなみになんでそんなに力を入れたの?一応あれってそれなりに強化はしといたはずなんだが…」
長門「猫の動画を見ていたら興奮してきてしまってな」
提督「ああー…」
――――――
提督「…んじゃそろそろお暇させてもらおうかな」ヨッコイショ
長門「む、もう行ってしまうのか?」
提督「すまんな。他にも回らにゃならないもんで」
長門「そうか…なら仕方ないな。また話そう」
提督「おう。時間ができたら、また」
長門「楽しみにしてるぞ」
提督「じゃーな」
バタン
長門「時間ができたら…か。その時間を作る為にも頑張らなければな」
―長門編 終了―
No.002:陸奥
―食堂―
提督「A定食ちょうだい」
間宮「あら提督。こんな時間に珍しいですね」
提督「まあ色々あってな。それよかむっちゃん見なかった?」
間宮「睦月ちゃんですか?いえ、見てませんね…」
提督「ああうん……陸奥の方」
間宮「ああ。陸奥さんでしたら、あそこにいますよ」クイッ
提督「ありゃホントだ」
間宮「はい、A定食です。…なにかご用でもあったんですか?」
提督「まあそんなとこ。んじゃあな、ありがと」
間宮「ごゆっくり」
―――――
提督「お隣失礼」ガチャ
陸奥「あら提督。ここに来たってことは次は私の番なの?」
提督「次はってことは長門から聞いたのか」
陸奥「ええ。嫁艦の潮ちゃんじゃなくて長門から始めたから、次は私だろうって」
提督「察しが良くて助かるよ」
陸奥「それでお姉さんの何が知りたいの?スリーサイズぐらいなら喜んで言うわよ♪」
提督「やめれ。含みとかなくて本当にただの雑談だよ」イタダキマス
陸奥「なぁんだ。つまんないの」
提督「うるせ。そもそもテメーのスリーサイズは昔聞いたわ」カチャカチャ
陸奥「えっ!?嘘ッ!?」
提督「嘘だよ」モグモグ
陸奥 カチン
陸奥「………はむっ」パクッ
提督「あ!俺のハンバーグ!何すんだよ!」
陸奥「からかうのが悪いのよ」モグモグ
提督「ちっ……なんだよまったく…」
陸奥「……ほら」スッ
提督「あん?」
陸奥「私のエビフライ、1個あげるわよ」
提督「むっちゃん…」
陸奥「ふん……」
提督「ハンバーグ一個とエビフライ一個は釣り合わないと思う」
陸奥「アナタねぇ…!」
―――――
――――
―――
提督「そう言えば陸奥さんや」ゴクゴク
陸奥「なに?」←エビフライ+ジュースで妥協
提督「そもそもなんでこんな時間にいるんだ?昼はとっくに過ぎてるだろうに」プハァ
陸奥「買い物に行ってたからよ。外食って気分でもなかったし」ズズー
提督「そういや長門がそんなこと言ってたな。…何買ってきたの?」
陸奥「ふう…。洋服よ。新作が出たから買ってきたの」
提督「ほほう?どんなのか見せてくれるか?」
陸奥「いいわよ。ええと…これね」ゴソゴソ パッ
提督「セーターか?ぶどうみたいな色だな」
陸奥「感想ひどいわね…まあいいけど。これと組み合わせようと思って」パッ
提督「サスペンダー付きのスカートか?」
陸奥「ええ。シンプルだけどいいデザインでしょ?」
提督「ああうん。にあってるにあってる(棒)」
陸奥「ファッションに関しては本当にテキトーね…そう言えば提督の私服ってどんな感じなの?」
提督「ジャージとパーカー。あとはTシャツだな」
陸奥「ラフね~。もっとオシャレしたらどうなの?」
提督「いいのいいの。俺が本気で選んだら小学生みたいな服になるし」
陸奥「…今度提督の服も買ってきてあげるわね」
提督「ありがとうママ」
陸奥「誰がママよ」
――――――
提督「ごちそーさまー」ガチャガチャ
間宮「お粗末さまです。陸奥さんとは話せましたか?」
提督「うん。ちょっと喧嘩しかけたけど」
間宮「それはそれは。あんまり厄介事は起こさないでくださいよ?」
提督「わかってるって。んじゃまたな」
間宮「はい、またのお越しを」
―陸奥編 終了―
No.003:伊勢
提督「伊勢りーん」コンコン
伊勢『てっ提督!?ちょ、ちょっと待って!』
ドタバタ ドタバタ
提督「おーなんか暴れてるなー」
『あっヤバっ!』 パリーン!
提督「大丈夫か…?」
ヴェアアアア!!!
提督「誰!?」
パタパタパタ ガチャ
伊勢「提督お待たせ!さ、どうぞ!」
提督「お、おう。上がって大丈夫なのか…?」
伊勢「うん!もう大丈夫だよ」
提督「そ、そうか。じゃあお邪魔します…」
提督「おお、結構片付いてるな」
伊勢「失礼ねー。そんなにガサツに見える?」パタン
提督「さっきまではそんなこと思ってなかったよ」
伊勢「うっ…」
提督「まあいいや。…おっ、あげた掛け軸飾ってくれてるんだな」
伊勢「そりゃあ提督から貰ったものだもん。飾らなきゃ失礼でしょ」
提督「そう思ってくれて嬉しいよ」
伊勢「そう言えばこれって誰が描いたの?」
提督「横須賀にいる兄貴のとこの瑞穂が描いたんだよ」ストン
伊勢「あれ?提督って兄弟いたの?」ストン
提督「なんだ言ってなかったか。俺は次男坊で上に兄貴が一人いるんだよ」
伊勢「へぇー。さっきの口振りからするに、お兄さんも軍人なの?」
提督「ああ。つい最近横須賀に異動になってな。今は向こうで元帥やってるよ」
伊勢「すごっ!?」
提督「まあアイツは深海棲艦発見当初から提督やってたからな。当然っちゃあ当然よ」
伊勢「へぇー……」
提督「ま、艦娘にセクハラしまくって半殺しにされたっていう過去もあるけどな」
伊勢「その辺は血筋なんだね…」
提督「どういう意味だコラ」
伊勢「べっつにー?」
提督「ったく…。伊勢りん、喉乾いたからなんかちょーだい」
伊勢「図々しいなあ。レモンティーでいい?」スクッ
提督「うん。ありがとう」
――――――
提督「ズズー……美味いなこれ」
伊勢「よかった。お茶請けもあるわよ」
提督「ありがたい。貰っておこう」イケボ
伊勢「長門のマネ?似てなーい」クスクス
提督「うるせ。別に似へようと*#@dた☆→」モキュモキュ
伊勢「ハイハイ。ちゃんと口の中空にしてから喋ってね」
伊勢「フー…フー……うん、美味し♪」
提督「ンクング……ふう。そういや伊勢りん、日向はどこ行ったの?」
伊勢「日向ならまだ訓練場にいると思うよー」
提督「そっか。んじゃ次は訓練場だな」ズズー
伊勢「なになに?次の標的は日向にしたの?」
提督「まーな。一応図鑑No.順に行ってるんだ」
伊勢「あっ、だから私のところにこんなに早く来たんだね」
提督「そゆこと。んじゃ伊勢りん、俺そろそろ行くわ」スクッ
伊勢「うん。あ、日向にあんまり遅くまで訓練しないようにって言っといて」
提督「おk言っとく。じゃあまたな。お茶ご馳走様」
伊勢「うん!またね!」
―伊勢編 終了―
No.004:日向
―訓練場―
日向「ふっ……ふっ……」ヒュッ ヒュッ
提督「精が出るな」
日向「ん……珍しいな、こんな所に来るなんて。何か用か?」
提督「別に用って程じゃないけどさ。雑談しに来たんだ」
日向「雑談…?」フキフキ
提督「ああ。昨日放送で言ってたやつだよ」
日向「ああ…。この長期休暇はそういう事だったのか」
提督「うん。LINE見てなかったのか?」
日向「ああ。訓練中はあまり見ないようにしているんだ」
提督「なるほどね。とりあえず飲み物買ってきたから座って話そうぜ」チャプ
日向「すまないな」
――――――
提督「そう言えば伊勢りんが心配してたぞ」
日向「伊勢が?」
提督「ああ。あまり遅くまで訓練するなって」
日向「そうか……」
提督「……なにかあったのか?」
日向「ん?いや、キミが思っているようなことは何も無いよ」
提督「そうか」
日向「ただ…」
提督「ん?」
日向「伊勢の改二が決まって嬉しい反面、置いていかれているような気がしてな」
提督「……」
日向「性能による差はどうやっても覆せない。私が艦載機を積めないように」
日向「だからせめて私自身の力を磨いて、少しでも強くなろうとしたんだ。伊勢と共に戦うために」
日向「まあ…あまり差が縮んでいる気はしないがな」
提督「……日向、」スクッ
日向「ん?」
提督「俺と勝負しないか?」スッ
日向「なんだ藪から棒に」
提督「いいから。やるのかやらないのか」
日向「ふむ……受けて立とう」
――――――
日向「で、何で勝負をするんだ?」
提督「剣道だ。と言っても、相手に一発いれたら勝ちのシンプルなやつ。ルールは命に関わることでなければなんでもよし」スッ
日向「わかった」スッ
提督「じゃあ行くぞ………ッ!」ヒュン
日向「はっ!」バシン
提督「オラァ!!」バシバシ
日向「遅いな」ヒュンヒュン
提督「……ふっ!」ビュン!
日向「っ!?」ダンッ
提督「ちっ……さすがの身体能力だな」
日向「こっちのセリフだ。最初のは油断させるためか」ストッ
提督「まーな。そうでもしねーと…一本取れねーしなっ!」ゴゥッ
日向「っ!」バシッ
――――――
―――――
――――
日向「はあ……はあ……」
提督「はあ……はあ……」
提督「もー無理……ギブ……」バタン
日向「はあ…ふう…大丈夫か提督?」
提督「大丈夫じゃない…久々の運動で体が死ぬ…」ゼェ ゼェ
日向「ふっ……それだけの軽口が叩けるのなら大丈夫だな……」ストッ
日向「それにしても提督…」
提督「ああ…?」
日向「なんで急に勝負をしようなんて言ってきたんだ…?」
提督「……お前には言葉より剣の方が伝わるかなって」
日向「……ふふっ」
提督「笑うなよ……俺なりに精一杯考えたんだから」
日向「ふふふ……すまない。あまりにも考えが少年らしくてな」
提督「うるせ…」
日向「まあそんなキミだからこそ魅力があるのかもな」スクッ
提督「ちょっと何言ってるか分からない」
日向「ふふっ。まあそのうち分かるさ。…さて、時間もだいぶ遅くなってしまった。2人で伊勢に怒られるとしようか」スッ
提督「気が重いな…」パシッ
――――――
―提督私室―
提督「あー説教長かったー…」ガチャ
提督「もうこんな時間かよー…って、ん?」
提督「手紙だ……大本営から?」
提督「なになに…『航空戦艦日向ノ改二計画ニツイテ』…?」
―日向編 終了―
No.005:雪風
バァン!
雪風「しれぇ!失礼します!」
提督「おはよう雪風。せめてそれはドアを開ける前に言おうな」
雪風「はい!次から気をつけます!」
提督「いい子だ。ところで雪風、こんな朝早くからどうした?」
雪風「しれぇとお話をしに来ました!」
提督「そうかそうか。じゃあその前に、朝ごはんを食べてもいいか?」
雪風「はい、おかまいな……」グウゥゥゥ
提督「…一緒に朝ごはん食べるか?」ナデナデ
雪風「///」コクリ
―調理中―
提督「うし。んじゃ食うか」ストン
雪風「はい!」ストン
提督「…雪風」
雪風「なんでしょう?」
提督「なぜに俺のあぐらに座った?」
雪風「一緒に食べる時はこうした方がいいって秋雲ちゃんが言ってました!」
提督「秋雲ェ…後で覚えてろよ…」
雪風「しれぇ、どうかしました?」
提督「ん、いやなんでもないよ。冷めないうちに食べようか」
雪風「はい!」
パシッ パシッ
提督・雪風「「いただきます!」」
雪風「はむっ…しれぇ、美味しいです!」ニコニコ
提督「そりゃよかった。どれどれ…ん、美味い」モグモグ
雪風「しれぇ!目玉焼きに醤油かけてもいいですか?」
提督「いいぞー」カチャ
雪風「しれぇは醤油派だったんですね」
提督「まあな。雪風もか?」
雪風「はい!」
提督「やっぱ目玉焼きには醤油だよなー」
雪風「そうですね。あ、でも陽炎型の中では醤油派って結構珍しいんですよ!」
提督「そうなの?」モグモグ
雪風「はい!半分がソース派で、醤油が私と初風ちゃんと天津風ちゃん、お好み焼きソースが黒潮姉さんと浦風ちゃんです!」
提督「へぇー。他はどうなってるんだ?」
雪風「後はケチャップだったりマヨネーズだったり、何もかけなかったりですね!」
提督「あー…確かにそっちの派閥もあったな」
雪風「後はコンデンスミルクとかですね!」
提督「!!??」
――――――
雪風「ふぅ…お腹いっぱいです……」
提督「朝から少し食べすぎたか」ナデナデ
雪風「しれぇのご飯は美味しすぎます!」
提督「あはは。嬉しい事言ってくれるな」
雪風「事実ですから!……あっ!」バッ
提督「おっ?」
雪風「そう言えば今日は午前の演習が入ってたんでした!」アタフタ
提督「おー…あと10分かー」
雪風「た、大変です…今日に限って不知火姉さんと一緒の演習です…」ブルブル
提督「あー…まあ把握してなかった俺にも責任あるし、一緒に謝りに行くよ」
雪風「そ、そんな…悪いですよ」
提督「いいのいいの。そもそも雪風は俺を起こしに来てくれただけなんだから、引き止めた俺が悪いのよ」
雪風「でも…」
提督「いいから。任せとけって、な?」ポムポム
雪風「しれぇ……ありがとうございます!」ニコッ
――――――
不知火「雪風、なぜ本日の演習に遅れたのか説明しなさい」
雪風「そ、それはその……」
提督「俺のせいだ」
不知火「司令?一体どういうことですか?」
提督「雪風は朝、俺を起こしに来てくれた。その後に演習に行くつもりだったが、俺が引き止めてしまったために遅刻してしまったんだ。だから責任は俺にある」
雪風「しれぇ……」
不知火「…………わかりました。今回は不問にします。次から気をつけるように」
雪風「ありがとうございます!」
不知火「司令も艦娘の予定は確認するようにしてください。でないと今回のようなことがまた起こりますから」
提督「ああ、わかった」
不知火「ふう……それはそれとして。司令、昨日不知火とした約束を覚えていましたか?」
提督「…………あ。」
不知火『司令、明日の朝食はご一緒させていただいてもよろしいでしょうか?』
提督『おう。じゃあ8時頃に食堂でな』
不知火『ありがとうございます。では、失礼します』
提督『おう、おやすみー』
提督「………………し、不知火さん」ダラダラダラ
不知火「なんでしょうか」ガチャコン
提督「ご、ご慈悲を……」
不知火「沈め!!」
提督「アーーーーーッ!!!」
雪風「しれぇーー!?」
―雪風編 終了―
No.006:赤城
―提督室―
赤城「提督、失礼します」ガチャ
提督「おう赤城。よく次がお前だって分かったな」ボロッ
赤城「朝に雪風さんと一緒に演習場に来てましたから、次は私かなあ、と」
提督「悪いな、足を運ばせちゃって」
赤城「いえいえ。…それにしても酷くやられましたね」
提督「ああ。まさかぬいぬいがあそこまでブチ切れてるとは思わんかった」
提督「まあ100%俺が悪いから文句は言えんが」
赤城「不知火さん、食堂でちょっと泣きそうになってましたよ。陽炎さんが慰めてたので何とかなっていましたが」
提督「マジか……後でなんか埋め合わせはしないとな」
赤城「そうですね。そう言えば提督、演習と言えば…」
提督「あん?」
赤城「今日間宮さんが新作のメニュー出してたんで奢ってください」
提督「文脈が1個もつながってねぇよ。あと自分で払え」
赤城「えーいいじゃないですかー部下に奢ってくれてもー」
提督「普通だったら奢る時もあるよ。ただお前の場合は別。節度を持って食べるのならまだしも、冗談じゃ済まないくらい食うからヤダ」
赤城「節度を持てば奢ってくれるんですか!?」
提督「……まあ、」
赤城「じゃあ行きましょう!今すぐ!早く早く!」グイグイ
提督「ちょっと待て。お前にとっての節度はどのくらいだ?」
赤城「30杯ぐらいですかね」
提督「節度の意味調べてこい」
赤城「えー」
――――――
―――――
赤城「お願いします提督!20でいいんで!」スタスタ
提督「ダメダメ。多すぎるわ」スタスタ
赤城「じゃあ100?」
提督「なんでだよ」
赤城「もう…じゃあ15でいいです」
提督「その手にはかからねーよ。5杯まで」
赤城「5杯なんてお通しじゃないですか…」
提督「奢って貰えるだけありがたいと思え」ガラガラ
赤城「わかりましたよ…」
ワイワイ ガヤガヤ
伊良湖「いらっしゃいませー。あら提督…と赤城さん」
提督「うぃっす。席空いてる?」
伊良湖「すみません、今満席でして…」
提督「ありゃまじか。まいったな…どうする赤城?」
赤城「もちろん待ちますよ」
提督「だってよ。んじゃ空いたら…」
??「ていとくーアタシらのとこ使うー?」
提督「ん、いいのか北上様?」
北上「うん。アタシらも食べ終わってだべってただけだし、食べる人には譲らないとね」
提督「すまんな。大井っちはいいのか?」
大井「私も構いませんよ。お喋りはどこでもできますから」
赤城「二人とも、ありがとうございます」
北上「いいんですよーっと。それじゃ、行こっか」
大井「はい!」
伊良湖「ありがとうございましたー!」
伊良湖「…それじゃあ、ご案内しますね」
提督「うん」
――――――
伊良湖「ご注文は何にしますか?」
赤城「この、『間宮スペシャルスイーツ―十五夜―』を5皿ください!」
提督「俺もそれのチョコ味1個で頼むわ」
伊良湖「間宮スペシャルが6個ですね。わかりました。では、少々お待ちください」ペコリ
提督「…どんなスイーツだと思う?」
赤城「うーん……十五夜ってついてますから、白玉があるんじゃないでしょうか」
提督「だよな。味付け沢山あったけどノーマル(あんこ)でよかったのか?」
赤城「ええ。シンプルなものが一番ですから!」
提督「違いない。…そういや加賀ちゃんはどした?」
赤城「加賀さんはまだ道場ですね。一段落したら終わると言ってました」
提督「ふーん…お、来たみたいだ」
伊良湖「お待たせ致しました。こちら間宮スペシャルになります」コトッ コトッ
赤城「美味しそう…」
提督「ああ。見た目も綺麗だ」
伊良湖「赤城さんの残りは順次持ってくるので、食べながらお待ちください」
赤城「わかりました。御手数おかけします」
伊良湖「いえいえ。それではごゆっくり」
赤城「では早速…いただきます!」パシッ
赤城「う~ん♪おいひい♪」モキュモキュ
提督「本当に美味そうに食うなお前は」ハハハ
赤城「実際美味しいですから!提督、食べないなら貰っちゃいますよ?」
提督「やめてくれ。何しに来たのかわからんくなる」
提督「んじゃ俺も食うかね…いただきます」パシッ
提督「うーん♪甘い!美味い!」ニコニコ
赤城「……」ジー
提督「…ん?どうした赤城?」
赤城「あ、いえ。提督も美味しそうに食べるなあって」
提督「まあスイーツには目がないからな。男らしくないとは自分でも思う」
赤城「そんなことありませんよ。食べ物の好みなんて人それぞれ。それをどうこう言うなんておかしな話です」
提督「お菓子だけに?」
赤城「つまらないです。とにかく、食べ物の好みに対して指図をするというのは、自分の食の好みすら否定するので……提督?」
提督「今の…『つまらないです』が結構響いた…」
赤城「豆腐メンタルですか…」
――――――
伊良湖「ありがとうございましたー!」
提督「いやー美味かったな」
赤城「ええ本当に。期間限定なのが惜しいです」
提督「まあしょうがねえよ。それよか赤城、5杯で足りたのか?」
赤城「もっと食べても良かったんですか!?」グァッ
提督「うぉっ!?そ、そうじゃなくて。昼時にあれで足りたのかって」
赤城「なんだ…。もちろん足りてませんよ。これから食堂に行くつもりです」
提督「やっぱり食うんだ…。んじゃここでお別れかね」
赤城「そうですね。あ、スイーツご馳走でした」ペコリ
提督「ん。時間があったら今度はバイキングにでも行こうぜ」
赤城「いいですねそれ。楽しみにしてます」
提督「おう。んじゃまたな」
赤城「はい、また」
―赤城編 終了―
No.007:加賀
ヒュン カッ ヒュン カッ
夕暮れの道場に弓矢の音が響く。私以外誰もいないこの空間で一定のリズムが刻まれる。
ヒュン ガッ
「…もう2ミリ右ね」
「…赤城さん、今は何をやっているかしら」
数時間前に別れた友人のことを思い出す。後で合流すると言ってもうかなりの時間が経ってしまった。後で間宮でも奢ろうか。
「…これで終わろうかしら」
いい加減外も暗くなってきてしまった。さすがにこんな時間まで道場にいるわけにはいかない。そう思った私は最後の矢を放っt
提督「何ブツブツ言ってんの?」ヒョコ
加賀「たっ!?」ヒュン ガイン
提督「おー…見事に明後日の方向へ」
加賀「てっ、提督!?どうしてここに!?」ワタワタ
提督「んー?例の件を済ませようと思ってね。」
加賀「あ、ああ…なるほど…そういうことね」
提督「うん」
加賀「…さっきの聞いてた?」
提督「ん?んー…大丈夫。ほとんど聞いてないから」
加賀「ほ、本当に?」
提督「うん。『夕暮れの道場に…』の辺りからしか聞いてないよ」ニコッ
加賀「ほとんど最初から聞いてるじゃない!」
提督「えーそうだったのー?それは知らなかったなー(棒)」
加賀「そんなわけないでしょう!」プンスコー
提督「いやいやほんとほんと。加賀ちゃんのキメ顔なんて見てないよー(棒)」
加賀「もおぉーー!!」
――――――
提督「ごめんって加賀ちゃん」
加賀「ふん!提督なんて知りません!」プイッ
提督「からかったのは悪かったからさ。許してくれよー」
加賀「嫌です!」
提督「えー…じゃあ何してくれたら許してくれんのー?」
加賀「……たま」
提督「ん?」
加賀「頭…ナデナデして、ギュッてしてくれたら…許します…」ボソボソ
提督「加賀ちゃん…………もちろんだよぉー!!」ナデナデ ギュー
加賀「///」ギュー
―廊下―
提督「そういや加賀ちゃん、後で赤城と合流するんじゃなかったのか?」スタスタ
加賀「納得のいくものが出来なくて行けなかったのよ」スタスタ
提督「ふーん?まあこれから食堂行くし、そこで合流すりゃいいか」
加賀「そうね」
提督「…なあ加賀ちゃん」
加賀「なに?」
提督「いい加減俺といる時のキャラ、皆に公開したらどうだ?」
加賀「出来るわけないわ。私を恥ずか死にさせるつもり?」
提督「俺としては皆に本当の加賀ちゃんを知ってもらいたいんだけどなあ。無愛想なんかじゃない、こんなにもかわいいんだぞーって」
加賀「かわっ…うゔん!とにかく、私は今のままでいいの」
加賀「それに、『あるべき先輩像』を壊す訳にはいきませんから」
提督「『あるべき先輩像』ねえ……。いつか本当の自分がさらけ出せるといいな」ガチャ
加賀「そうね……」
―食堂―
提督「さーてっと…」キョロキョロ
提督「あれ?赤城がいねえな」
加賀「いつもなら何十皿も食べてるからすぐに分かるはずなんですけどね…」キョロキョロ
睦月「夕立ちゃん、それフォークじゃなくてスプーンだよ」
夕立「あ、あれ?」
吹雪「もー夕立ちゃんったら~」クスクス
提督「あ、そこなるブッキー達ちょっといいか?」
吹雪「司令官…と、加賀さん!こんばんは」ビシッ
夕立「こんばんは!」
睦月「こんばんはです!」
加賀「こんばんは」
提督「おう。お前ら赤城見なかったか?」
睦月「ああ、赤城さんなら…」
夕立「腹痛で明石さんのところっぽい」
提督「腹痛?あの赤城が?」
睦月「うん。なんでも昨日のアイスが響いたとかなんとか…」
提督「何やってんだあのバカは…」
加賀「そう言えば食べてたわね…」
吹雪「止めなかったんですか?」
加賀「もちろん止めたわ。でも彼女ってブレーキが壊れやすいから……」
全員「「「あぁー……」」」
加賀「何とか10個で止めさせたけど…さすがにファミリーサイズはダメだったようね」
提督「アホなのか?アホだな」
吹雪「あはは……」
提督「…そっかなるほど。サンキュー3人とも。お礼にこれをやろう」スッ
吹雪「間宮券!いいんですか!?」キラキラ
提督「おう。3人で楽しんでこい」
夕立「提督さんありがとっぽい!」
睦月「太っ腹なのね!」
提督「にしし。んじゃ、俺らはここらで失礼するぜ」
吹雪「はい!ありがとうございました!」
――――――
加賀「提督…」スッ
提督「なに、この手は?」
加賀「間宮券……」
提督「いやあげねぇよ?」
加賀「くれてもいいじゃない」
提督「なんでよ…。それよか、どうする晩飯?」
加賀「奢ってくれるの?」
提督「ちゃうわ。食堂で食うか、それ以外か」
加賀「なんだ…。そうね、久しぶりに貴方の手料理が食べたいわ」
提督「りょーかい。んじゃ俺の部屋行くか」
加賀「ええ」
―提督私室―
加賀「お邪魔します」バタン
提督「座って待っててくれ。あ、その前に何食べたい?」
加賀「シェフの気まぐれディナーで」
提督「じゃあ生野菜でいいな?」
加賀「ごめんなさい…じゃあ、スタミナ丼で」
提督「ん。って、スタミナ丼?あんなのでいいのか?」
加賀「ええ。あれが一番好きなの」
提督「ふーん?まあいいけど…」
提督「んじゃ準備してくるからお茶でもいれて待ってて」
加賀「ええ」
提督「~♪」パタパタ
加賀「……」コポコポ
加賀「ズズー……ふぅ」
加賀「…………」
加賀「……暇ね」
――――――
提督「はい、出来たよ」コトッ
加賀「ありがとうございます…」ペラッ ペラッ
提督「いつまで漫画読んでんの!!早くご飯食べてお風呂入っちゃいなさい!!(裏声)」
加賀「お母さんですか、まったく」パタン
提督「でも、本当に早く食べないと冷めるぜ」パシッ
加賀「わかってるわ。では…」パシッ
提督・加賀「「いただきます」」
加賀「あーん…ん、おいひいわ」モグモグ
提督「そりゃどーも。しっかしなんだってこんなのが好きなんだ?」モグモグ
加賀「美味しいからよ」
提督「ああうん…」
加賀「まあ、強いて言うなら…貴方が最初に作ってくれた料理だからかしら」
提督「強いて言うのがそれかよ」
加賀「不満?」フフッ
提督「別に。…テレビつけるぞ」
加賀「あ、逃げた」クスクス
提督「うるせ。えーとリモコンはっと…」
提督「あ、あった」ピッ
TV『もうダメェェ!!イクのぉぉぉ!!』パンパン
加賀「!!??」ブッ
提督「あ、AV入れっぱだった」
加賀「なに考えてんのよぉぉぉ!!」
―加賀編 終了―
No.008:蒼龍
―深夜・提督私室―
提督「グー…グー…」
??『ていとくー!!開けてー!!』ドンドン
提督「ん……あ……?」パチッ
??『開けて開けてー!!』ガチャガチャ
提督「今開けるよー…ったく…誰だよこんな時間に…」ブツブツ
カチッ バァン!!!
蒼龍「てーとくーーー!!」グァッ
提督「うぐっ!?」ドカッ バタン!
蒼龍「ていとくぅ……」ギュー
提督「……どうした蒼龍……」ズキズキ
蒼龍「ぐずっ……うぅ……」ギュー
提督「……とりあえず離してくれないか…」
蒼龍「やだ!」ギュー
提督「ええー…」
―――――
――――
―――
蒼龍「提督、すみませんでした」ペコリ
提督「うん…もう落ち着いたか?」
蒼龍「お陰様で…」
提督「ったく…急にタックルしてくるのはやめろって言っただろ」
蒼龍「ごめんなさい…」
提督「んで?今日はなんだ?」
蒼龍「その……怖い番組見ちゃって寝れないの……だから、一緒に寝て欲しいなって……」
提督「はぁー……そんなことだろうと思ったよ。飛龍は?」
蒼龍「今日は隼鷹さん達と一緒に呑んでる……」
提督「間が悪いな……」
蒼龍「お願い!もう提督しかいないの!」
提督「選択肢少なすぎだろ。……まぁいいや。入れよ」
蒼龍「ありがとう提督!」ギュッ
提督「……おう」
――――――
提督「ミルクとココアどっちがいい?」ガサガサ
蒼龍「ミルクがいいな」
提督「了解。ホットでいいのか?」ガサガサ
蒼龍「うん!」
提督「ういういっと」コトッ コトッ
提督「…………」コポコポ
蒼龍「ねえ提督」
提督「んー?」ピッ ブーン
蒼龍「ちょっとそっち行ってもいい?」スクッ
提督「いいけど…すぐそっち戻るぞ?」
蒼龍「それでもいいよ」スタスタ
提督「そ……」
蒼龍「…………」
提督「…………」
蒼龍「…………」ギュッ
提督「フー…」
提督「……そんなに怖かったのか?」ナデナデ
蒼龍「うん…」ギュー
提督「見なきゃいいのに」ナデナデ
蒼龍「やってたら見ちゃうじゃん」ギュー
提督「見ちゃうな」
ピーーー!
蒼龍「っ」ビクッ
提督「おら、戻るぞ」スタスタ
蒼龍「うん」
――――――
提督「……フゥ」コトッ
蒼龍「温かい…」
提督「少しは眠くなってきたか?」
蒼龍「うん…」
提督「んじゃさっさと歯磨きして寝るぞ」
蒼龍「うん」
――――――
蒼龍「提督、まだ起きてる?」
提督「うん」
蒼龍「…………」
提督「…………」
蒼龍「…………」
提督「…………」
蒼龍「……まだ起きてる?」
提督「うん……」
蒼龍「…………」
提督「…………」
蒼龍「…………」
提督「…………」
蒼龍「……起きてる?」
提督「寝ろ」
蒼龍「私だってそうしたいけど……」
提督「ハァー……」
提督「……ん」パッ
蒼龍「……いいの?」
提督「俺が眠れなくなるからな」
蒼龍「…………」ギュー
蒼龍「温かい」ニコッ
提督「まったく……」
蒼龍「頭も撫でて?」
提督「ハイハイ」ナデナデ
蒼龍「……キスもして」ポッ
提督「ざけんな。……今はおでこで頼む」
蒼龍「ん……」コクッ
提督「…………」
チュッ
蒼龍「ん……えへへ……」
提督「ほら、もう寝ろ」ナデナデ
蒼龍「うん……」
蒼龍「………………提督」
提督「うん?」ナデナデ
蒼龍「…………ありがと」ニコ
提督「……ん」
―蒼龍編 終了―
No.009:飛龍
ピピピピ ピピピピ ピピ カチッ
提督「…今日は誰も起こしてくれないのか」
提督「うぅー……」ノビー
提督「っふぅ……ん?」
提督へ
昨日はありがとう。おかげでグッスリ眠れたみたい。起きて私がいないと飛龍が心配するだろうから先に帰るね。寝坊しないように!
蒼龍
提督「なーんだ…帰ったのか……んあ?」カサ
追伸
昨晩のアレ…いつかは唇にしてね。待ってるから
提督「おおう……」
提督(……まあ、いつかケッコンしたらな)
提督「さーてこいつをどこに隠すか……」
―――――
―食堂―
間宮「提督、おはようございます」
提督「おはよー。パン2枚、ブルーベリーで頼むわ」
間宮「かしこまりました」カチャカチャ
飛龍「おはよー……」
提督「おう飛龍。…その顔、飲みすぎたか」
飛龍「そうなんだー…頭痛くてさ」
間宮「はいどうぞ。あら飛龍さん、おはようございます」
飛龍「おはようございます…間宮さん、しじみの味噌汁とご飯を……」
間宮「はいはい。ちょっと待っててくださいねー」パタパタ
提督「そんなになるなら飲まなきゃいいのに」
飛龍「飲まない人には分からないんだよ……」ズキズキ
これはとても良いものですね
続きが楽しみです