2024-01-26 23:42:06 更新

概要

この作品は【霧雨 魔理沙】と オリキャの【大野 神尾(おおの かみお)】をメインにした作品です。


前書き

霧雨 魔理沙

・元気が一番の普通の魔法使い 魔法の森に家を建てて住んでいる
・努力家でいつも魔法の研究をして腕を磨いている
・今回の作品のヒロイン


大野 神尾(おおの かみお)

・半妖半人の【狼(おおかみ)】の人喰い妖怪 人間なら誰でも喰らい尽くす危険すぎる人物
・結界を貼った魔法の森の一部に小屋を建てて住んでいる 基本的に一人で住んでいて誰とも釣り合わないようにしてる一匹狼
・主食は主に野菜など(人喰い妖怪なのに!?)

能力 丸月(満月)で暴走する程度の能力
能力 静月(新月)で人間に戻る程度の能力












…どうして、なぜ……どうしてこうなった



わたしはただ、こいつを助けたかっただけなんだ こいつは……なにもしてないのに、どうして………



こいつは半妖だが誰一人として人を殺してない 食べてない!なのに……どうして………



どうして、お前はこいつを【殺したんだ!!なぜ退治したんだ!!】



こいつがなにをしたって言うんだ!!人間と妖怪が恋することがそんなにいけないのか!



なにもしてないのになぜ殺されなくちゃいけない!!わたしのすべてをぶち壊したお前が憎い!!



憎い、憎い、憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い!!!!




魔理沙 「どおしてこいつを殺したんだ 霊夢っ!!!!」ポタポタ…


霊夢 「………」


? 「」ドバァ… 腹に大きな穴を開けられて絶命している



雷雨が鳴り響き、滝のような雨が魔理沙たちに降り注ぎ打ちつけている 雨の音でほとんどの音がかき消されるであろうことに、魔理沙の怒鳴り声はその雨の音を超え何メートル離れてる者たちにも聞こえるほど通っていた



怒り、悲しみ、憎しみ、失恋、裏切り…すべてがこもった怒鳴り声は霊夢の体全身に大きく響いた その声にあの博麗の巫女でさえ震えを効かせている



魔理沙がどれだけ怒っているのかは霊夢も理解していた だが博麗の巫女としてやらなければならなかった 放っておくとは不可能だった…



魔理沙が私のことを許さんとすることはもちろん、殺されることも把握 …裏切ったのだから当然の報い



だがそれではいわかりましたとは言えない 魔理沙も問題を起こしていた半妖と手を組んでいた…これは完全な違反行為である



何度も忠告した。会う度に関わるのはやめるよう伝えた これ以上関わってるとまずいとも伝えた…にもかかわらず、魔理沙をすべて無視したのだ



もちろん魔理沙も始末する対象に入っている 関わってはいけないと伝えたのにそれを無視したのだ わたしは悪くない……そう思いたかった



霊夢 「…魔理沙 わたしは……」


魔理沙 「ぶっ殺してやる!!」スチャッ 八卦炉を構えマスタースパークを放とうと…


霊夢 「(…やっぱりダメね なら仕方ないわね)」スゥ… お祓い棒を構えてトドメを刺そうと…




…じゃあね まりさ………





















恋に落ちた魔理沙 人喰い妖怪の報い





















魔法の森ー魔理沙の家



ガチャッ


魔理沙 「おっしゃー!昨日もいい天気だ キノコ狩りだぜぇ!!」


魔理沙 「魔法の材料が少なくなってきたから大量に取らないとな 待ってろキノコ!今から行くぜ!!」ザッザッザッ…



魔法の森に住む普通の魔法使いこと霧雨魔理沙 人間でかなり危ないと言われている魔法の森に住んでいて、いつも自分の好きなように動いている



特に何もないときには博麗霊夢のところに遊びに行ったり、アリス・マーガトロイドのところに紅茶を飲みに行ったり、大図書館に行ってパチュリー・ノーレッジから本を盗…いや、借りに行ったりと自分の本能に過ごしていた



忙しいときは大抵魔法の研究をしてる時が多い もちろん自分のスペルカードをいかに上手く使いこなし、どういう行動を取れば相手を倒せるのかも研究している



自分の努力を誰かに見られることが嫌いで常に影で頑張っている 努力家で元気がある



今日は魔法の研究に必要不可欠なキノコを取りに行くため危険度が高い森の中へと足を進めて行った














魔法の森



魔理沙 「いやっほー!!キノコ大量だぜー!!」ブチブチブチブチッ


魔理沙 「でかいカゴで来たのにまさかいっぱいになるとは思わなかったぜ!今日は運がいい!」


魔理沙 「中には毒キノコも混ざってるが関係ねぇ!どうせ魔法の材料になるから毒なんか気にしねぇ!!」


魔理沙 「いやぁーこれだけ取れれば充分だ!むしろ多いくらいだ あとでアリスのところに行って分けてくるか」


魔理沙 「よーし!それじゃ帰ろっと!」ズシッ 満タンに入ったカゴを背負って帰ろうと…



…キィンッ!!


魔理沙 「っ!」ピクッ


魔理沙 「…なんだ?今なにかしたか……?」


魔理沙 「(気配的になにか結界を張ったような感じが…こんなところで?)」


魔理沙 「(だけどかなり弱い結界だな 今身体中に電気が走ってるが全然痛くねぇ…これは妖怪除けの結界だな)」ビリビリ… 微弱ながら身体中に電気が走ってるがまったく効果なし


魔理沙 「(こんなところで使うということは誰かここに迷い込んで危ない目に遭ってるのか?だが悲鳴や騒音が一切聞こえない)」


魔理沙 「…調べに行ってみるか もし人間が襲われてたらまずいからな」


魔理沙 「けど騒ぎ声とか聞こえないから急がなくてもいいかな なるべくバレないように行くか」ドサッ ザッザッザッ… カゴを置いて歩きで結界を張った誰かの元に向かっていく












魔法の森ー誰かの民家



ザッザッザッ…


魔理沙 「…ここか この民家から結界が張られてるな」


魔理沙 「しかしこんなところに民家があるなんて知らなかったな いつから建ってたんだ?」


魔理沙 「見た感じだとそれなりに新しいな まだ建てられて日が経ってないのか」


魔理沙 「(にしてもなんでこんなところに建てたんだ?妖怪除けの結界を使うならわざわざこんなところに建てなくてもいいと思うが)」


魔理沙 「(…まぁいい とりあえず確認してみるか)」ザッザッザッ…






? 「……っ」ピクッ


? 「…誰か来たな 妖怪除けの結界を張ったのに」


? 「…だれだ?」スクッ リビングに備えつけている椅子から立ち上がり警戒し始める






魔理沙 「…」ザッザッザッ…


魔理沙 「(…一階建ての木造建築か 窓も付いてるが全部カーテンで閉められて中の様子が見えない)」


魔理沙 「(家の周りにはなにもない 農作物なんかも育ててないみたいだな)」


魔理沙 「(…なにがいるんだ?)」ザッザッザッ 家の玄関前までなるべく足音を立てないで向かいたどり着く


魔理沙 「…」スゥ… ノックしようと手を上げ…



…だれだ


魔理沙 「っ!」


……気配的に妖怪じゃないな 人間か?


まぁ誰でもいい なんの用でここに来た?ここにはなにもないぞ 俺は人喰い妖怪だからさっさと帰りな


死にたくなければな…


魔理沙 「……へぇ けっこう忍び足で来たつもりだったんだけどな 気づいたか」


魔理沙 「私はお前よりも先にこの森に住んでる者だ 同じ魔法の森で住んでるのに挨拶もなしかよ」


魔理沙 「同じ場所に住んでるなら挨拶ぐらいあってもいいんじゃないのか?いくらお前が妖怪だといえよ」


…人喰い妖怪が人間のところに行って挨拶すると思うか?ふつう食うだろ


それにお前から来たんだからお前から言うのが通じゃないのか


魔理沙 「霧雨魔理沙だ 普通の魔法使いだぜ」


……大野神尾(おおのかみお)だ 狼妖怪で人を食う妖怪種だ


これでもういいだろ 俺は誰とも関わりたくないんだ 食われたくなければさっさと帰れ


魔理沙 「んだよ せっかく来たのに茶のひとつもないのかよ?」


帰れっ!!


魔理沙 「へーへーわかったよ 暇だったらまた来るぜ」ザッザッザッ…


もう来るな 目障りだ


魔理沙 「…あっそうだ 帰る前にちょっと聞いていいか?」


……帰れ


魔理沙 「お前妖怪除けの結界張ってるのか?自分が妖怪なのに」


魔理沙 「妖怪が妖怪除けの結界を張ってるのは変だから気になったんだ …ほんとに妖怪か?」


……まさか人間が俺の結界を把握するとはな


だがそんなことどうでもいい さっさと帰れ


魔理沙 「なんでだよ 気になるだろうがよ?妖怪が妖怪除けの結界張ってるなんて」


魔理沙 「なんだMなのかお前?自分を苦しめて気持ちよがるやつか」


さっさと帰れと言ってるのが聞こえないか!!いい加減ぶち殺すぞ!!


魔理沙 「やれるもんならやってみろよ 相手してやるよ!」ニヤリ



ーっバタン!!!!


神尾 「ーっしゃぁぁ!!なら望み通りぶち殺してやるよ!!」出入口をぶち破って魔理沙の前に姿を現す


魔理沙 「っ! おまえ…その姿」


神尾 「しねぇっ!!」ダンッ!! 鋭い爪を突き立てて魔理沙の方へ突っ込み…


魔理沙 「…半妖か 半分人間だろ」


神尾 「ーっ!?」ビタッ!! 魔理沙の顔面に爪を突き立てていたが寸止めしてギリギリ回避する


神尾 「(…こいつ、一瞬にして俺が半妖って……)」スゥ… 爪をしまい敵意を完全になくす


魔理沙 「…両腕両足の剛毛、髪はライオンヘアー、手の爪は鋭く足も鋭い…」


魔理沙 「でも目や口は人間そのもの 獲物を狩るような目じゃなく相手を睨みつけて動きを止めるケンカの目、口も開いたときに見えた歯は人間の歯そのもの ギザ歯でも肉を噛みちぎるような歯じゃなかった」


魔理沙 「おまえ人間食べたことないだろ?」


神尾 「…そこまでわかるのか だがそれだけで半妖半人だと断定するのはキツくないか?いくら歯や目が人間と同じだからって人間も入ってるとは…」


魔理沙 「妖怪なら妖怪除けの結界なんて張らないだろ それこそ矛盾してる」


神尾 「………」


魔理沙 「なんか訳ありか?半妖ならここに住んでもさほど危険じゃないが妖怪除けの結界を張るということはなにかあるはずだ」


魔理沙 「困ってんなら助けてやるぜ?ただし、有料だがな!」


神尾 「…あいにくだが金なんかない 半妖で人喰い妖怪の俺が里で働くなどできない」


神尾 「それにお前なんかに解決できることじゃないけど 危ない目に会いたくなければ早く帰れ」


魔理沙 「…危ない目?」


神尾 「…っ! おい女!家の中に入れ 早く!!」


魔理沙 「えっな、なんだよ?てか今帰れって…」


神尾 「早くしろ!!」


魔理沙 「おっおぅ…(なっなんだ?いきなり血相変えて)」ザッザッザッ…


神尾 「俺がいいと言うまで出てくるなよ あと声や物音も出すな!」


魔理沙 「わ、わかった」タッタッタッ… 壊れたドアから家の中に入り隠れる


神尾 「……来た」



…ザッザッザッ


人狼 「おうおうなんだこのビリビリくる気配わよ!」ザッザッザッ…


人狼2 「ここに来る度にビリビリが増してくるぜ おい神尾なんかやってんのか?」


神尾 「またテメェら来たのか…何度も来んなって言ってんのに」


人狼 「いいじゃねぇかよ同じ人喰い人狼同士仲良くやっていこうぜ!お前も人狼なんだからよ!」


神尾 「わるいが俺は半妖だ お前らとは違うんだよ」


人狼2 「とか言ってよ 半妖だが食ってんだろ?人間をよ!」


神尾 「食ってねぇよ 半人なのに食うわけねぇだろ 共食いじゃねぇか」


人狼 「俺たちは共食いしてるぜ?人狼で人が付いてるからな」


神尾 「あっそ さっさと帰れ」


人狼2 「んだよノリ悪いな 人間とも妖怪とも仲を取ろうとしないなんてつまんないぜ?俺たちと一緒に仲良くなろうぜ」


神尾 「…聞こえなかったか?いい加減帰れ」ビキッ


人狼 「おーこわい!妖怪の血が騒いだか?」ニヤニヤ


人狼2 「お前が本気出したところで半妖程度の力じゃ俺達には勝てないぜ?人間ごときが俺たちに叶うわけが…」


神尾 「ほぉ?ならやってやろうじゃねぇか 本気出してやるぜ!」ググッ…


ググググ…ビキビキブチビリィ!!!! 身体中の筋肉が盛り上がって毛が全身から生え服が破ける


神尾(妖怪化) 「アォォォォォン!!!!!!」ギラッ!! 鋭くなった爪を人狼に向けて殺意全開で睨みつける


人狼 「ちょっ!?おま、それはナシだぜ!」ビクッ


人狼2 「おいおいこんなことで本気だすんじゃねぇよ!洒落になってねぇよ」タジッ…


神尾(妖怪化) 「ガァァァーッ!!!!!!」クワッ!!


人狼&人狼2 「「ーっ!!!!」」ビクゥッ!! 神尾の気迫に押されてお互い何もできず動くことができない


神尾(妖怪化) 「フゥゥー…今帰れば許してやろう 俺の理性が保ってるうちにな!」


神尾(妖怪化) 「帰らなければテメェらを骨の髄まで食ってやる!妖怪を食すなら動物を食ってるのと一緒だからな!!」


人狼 「ーっにげろ!!」ザッ!!


人狼2 「のやろう!!また来るからな!!」ザッザッザッ!!…


神尾(妖怪化) 「二度と来るな!!」


神尾 「……ふぅ」スゥゥ… 妖怪化を抑えて元の姿に戻る


神尾 「また服ダメにしちまったよ…あいつらが来ると毎回ダメになる」


神尾 「妖怪化した姿と元の姿じゃ体型が全然違うからな まぁ作ればいいだけだからいいか」


神尾 「…おい女 もう出てきていいぞ やつらは行ったから」



魔理沙 「……なるほどな お前厄介な奴らに絡まれてるな」タッタッタッ… 家から出てきて神尾に近づく


魔理沙 「人喰い妖怪の人狼に目をつけられるとはいろいろあぶないな だから妖怪除けの結界貼ってるのか」


神尾 「そういうことだ あの馬鹿どもは俺が半妖をいいことに人間を連れてくるのに利用しようとしてるからな」


神尾 「別に俺は人間なんてどうでもいいから襲う気もないしなにかするつもりもない 向こうから襲いかかってきた場合には別だが」


神尾 「ただそれで妖怪の仲間にされるのはゴメンだがな しかも利用されるのがわかってるからよけいにならねぇ」


神尾 「わかったらさっさとお前も帰れ ここにいてもいいことねぇぞ」


魔理沙 「そのようだな じゃあ変に巻き添い喰らわないうちに帰るぜ」


蒼野 「もう二度と来るな この付近も近寄るなよ」


魔理沙 「わかったよ それじゃ」シュンッヒュゥゥ… 放棄に乗ってその場から離れて帰る


神尾 「………」


神尾 「…まったく めんどうな女だったな 帰れって言ってんのになかなか帰らねぇんだから」ハァ…


神尾 「あーあ 服も新しいの用意しねぇと ドアも直さねぇと…めんどくせぇな」ハァァ…


神尾 「日が暮れる前に直さねぇとな 服はまだ何着かあるからそれで代用しよう」


神尾 「材料取ってくるか そこらの木でつくればいいや さっさと取ってこよ」ザッザッザッ…













魔理沙の家



ガチャッ


魔理沙 「ふー…やっと帰ってこれたぜ ちょっと取りすぎたな」タッタッタッ…ゴトッ 大量に採取したキノコを床に置く


魔理沙 「あとで保存が聞くように薬作っとかないと 今使うやつだけ取り出して…」ポイポイ…



帰宅早々、籠から今使う分のキノコを選別して作業台の上に置いていく あらかじめ作りたかった薬品はリストにしておいたため、なにを使うのかはすぐにわかっていた


ポイポイと無造作にテーブルの上に投げていき毒キノコや食べれるキノコ、見分けがつきにくいものを次々と置いていく キノコの種類は多く知ってるから目で見てわかる魔理沙にとってお手の物 どれが危険なものなのかぐらいわかる


使うキノコを取り出し終わるととりあえず倉庫に残りのキノコをしまう 今から腐りを遅らせる薬を作ってその後、作りたい薬を作ろうと考えていた


その前に小腹がすいたため、キノコではなく朝作っておいたパンや木の実などを氷を入れた冷蔵庫から取り出して口にする


食べながら次は何の薬を作ろうか、または食べれるキノコを分けておこうか悩んでいるとふと先ほど会った神尾のことを思い出した。


半妖で人喰い妖怪の部類に指定されてる人狼 他の人狼に絡まれて利用されようとしてる


正直、あいつとはさっきあったばかりでなにも知らない 仕事なら受けるがあいつは別に依頼して来なかったから手を貸すこともない むしろ貸そうとしても向こうから断ってくるだろ


だがそれはそれで胸くそ悪い 知ってしまった以上、事情を知ってるのに放っておくのも後味が悪い あいつは人間を襲う気もなければ何もする気はないことはなんとなくわかる


もし人間が嫌いなら私を守ろうとはしなかったはず 奴らが来る前に私を家に入れさせ隠れさせたから少なくとも敵としては見てない


少なくとも私は助けられた。問題事に巻き込まれなかったため人喰い狼に目をつけられることはない


……たったそれだけだが心に引っかかる感覚があった 仕方ないと思いながら飯を済ませ、先程取ってきたキノコを籠から取り出しシチューを作り始めた。


一応助けてもらったからお礼として魔理沙特性キノコシチューを渡そうと考えた あんな奴ら程度なら私ひとりでも倒せるが揉め事に巻き込まれなかったから余計なことしなくて済んだのだ


あいつがキノコ嫌いか好きかまではわからないがあくまでも気持ちのため相手の意見など聞いてられない いやなら捨てればいい


シチューの材料を取り出して取りかかった













神尾の家



神尾 「…」シャー…シャー… でかい木を二本取ってきて平らに切り落としカンナ(板を平らにする道具)をかけて整えている


神尾 「(これ作ったら次は木の杭作んねぇとな 釘は買ってこれねぇから杭で代用して付けないと)」


神尾 「(めんどくせぇ…あまりにイラついてドアぶっ壊したがやっぱりむやみやたらに壊すもんじゃねぇな 今度からしないようにしないと)」シャー…シャー…


神尾 「……はぁ 余計な手間だ あと服も作るか調達しないと 無縁塚で適当にもの拾って香霖堂に売りつけるか」


神尾 「あの半妖は意外にも友好的だから助かるよ よくわからないものを拾って買い取ってくれるから最低限の物は揃えられるからな」


神尾 「…まぁ 買取は安いがな」


神尾 「釘とか売ってれば買いてぇんだけどなぁ あそこの店は拾い物しか売ってないから釘がないんだよな…」


神尾 「てかあれで経営成り立ってるのか?買いに来る客見かけないけど」


神尾 「…まぁ行く時間帯が夜だから誰も会わないか ましてこんな魔法の森なああかに近づくなんて」


神尾 「はぁ……あの馬鹿どもが騒いでなければこんなことにはならなかったのに」シャー…シャー…



おーい!ヒュー…


神尾 「…っん?」


魔理沙 「よっと さっきぶりだな?もう治してるのか」スタッ


神尾 「おまえか なにしに来た?もう来るなと言ったはずだが」


魔理沙 「まぁそんなことは置いといて」


神尾 「置くな」


魔理沙 「ほらよ!これさっきの礼だ 魔理沙特性シチューだぜ!」スッ


神尾 「えっ?…礼?なんのことだ」


魔理沙 「さっき私を巻き込ませないためにしてくれただろ?その礼だ」


魔理沙 「おまえが隠れさせてくれたおかげで私は巻き込まれなかったんだ 私は恩を返さないと気が済まないんでね」


神尾 「いやべつにあれだけのことで…作った覚えもないんだが」


神尾 「まぁでもせっかく作ってくれたんだ ありがたくいただくよ」スッ


魔理沙 「おう!なるべく早めに食べてくれ 冷めると美味しくなくなるからな」


神尾 「あたため治せばいいんじゃないのか?」


魔理沙 「それでもいいけどできれば出来たてで食べた方がうまいぜ!」


神尾 「んー…それもそうか それじゃ今食べるか」


神尾 「中に入ってくれ 客人として迎えるならお茶を出すのは基本だからな」


魔理沙 「いいのか?なら邪魔するぜ」








神尾の家



神尾 「…うまいな 俺もシチューはよく作るがここまで美味いのははじめてだ」パクッ


神尾 「意外にも料理スキルが高いようだな 魔法の森ならではの味がして口に合う」モグモグ…


魔理沙 「そいつはよかったぜ」


魔理沙 「…にしても、さっきは隠れることに集中してたから気にしてなかったが中は意外にも細かく作ってあるんだな?」


魔理沙 「台所やリビング、ベッドや浴槽と厠と思う扉の向こう側 これ全部お前が作ったのか?」


神尾 「あぁ 建築関係は全部自己流で考えたが上手くできたと思ってる 細かく作ったのもここで暮らすために不自由ないように作ったんだ」


神尾 「ここを出ても良い所があるかわからないし下手に出ると人間に出くわして退治依頼が出されても困る ならここで住んでた方が安全だ」


神尾 「とくにあの赤い巫女に見つかったらまずい 退治依頼を出されたら一目散に殺される」


神尾 「…まったく 半妖の嫌なところだよ 妖怪の部分があるだけで目つけられるなんてたまったもんじゃない」


魔理沙 「…けっこうしゃべるな?意外にもおしゃべりなのか?」


神尾 「意外はよけいだ こう見えても話はかなりするほうだよ 話し相手がいないから話すことないだけだ」


神尾 「あのバカどもとはつるみたくねぇし、かといって人里に行くわけにもいかない 人食い妖怪の人狼が半分入ってるから警戒されるのが目に見えてる」


神尾 「だからお前が来たことで久々に話しができて弾んでる ここに来たついでに少し話し相手になってくれ」


魔理沙 「それは別にかまわないけど…」



いろいろ厄介事を抱えてる神尾の話しは意外にもつまらなくなかった 誰かが困ってる話しはよく聞いてきたがここまで夢中になることは今までない



事情が事情なため仕方ないとはいえ、ほとんど理不尽に近い なりたくてなったわけでもない人狼になって人間と交流できなくなり隠れながら生活をしてる…



本人は人間のことを嫌っていない なにかしたわけでもないのにあまりにもかわいそうすぎる 挙句の果てには他の人狼に利用されそうで自分の身も危険に侵されている



この世には妖怪や妖精、神や仙人など無数にいるがここまで災難なやつはそうそういない なんとかしてやりたいものだが…



神尾 「…さっきは悪かったな 言葉を荒くして 改めて謝罪するよ」


神尾 「俺に関わるとあいつらに目つけられるから離れさせたかったんだ 言い訳かもしれないが…」


魔理沙 「いいわけじゃないだろ 私を巻き込まんとしたのはわかってる …まぁ、言いすぎて襲ってきたのは事実だが」


神尾 「…わるい」


魔理沙 「…それで、お前はこれからどうすんだ?あいつらに目をつけられてるけど」


魔理沙 「あいつらから距離を取りたいならこの場から離れるのが一番だぜ 私はいろんな場所に探検してるからそれなりに良い場所知ってるぜ」


魔理沙 「もし引っ越すなら荷物運ぶの手伝うよ ここで会ったのも何かの縁だし!」


神尾 「…たしかに引っ越せば奴らから目つけられる心配はなくなるな お前がいい場所知ってるならそっちに移りたいものだ」


神尾 「でも遠慮しとく 俺はこの家を気に入ってるから引越しはしたくない ここから出ていくのは最終案に留めてる」


魔理沙 「そうなのか?ならやめとくか 気に入ってるなら無理に出る必要はないぜ」


魔理沙 「でもそれじゃ解決にならないな そうなると別の方法を考えないと」


神尾 「今すぐにはいい とりあえずはなんとかなってるから様子見でいいだろ」


神尾 「ヤツらは俺が本気出せば毎回逃げるから今のところは問題ない …まぁ絡まれるのはめんどうだが」


魔理沙 「…てかよ 弾幕勝負はしてないのか?賭けで勝てば縁切れるぜ」


神尾 「こっちひとりで相手は数人居たら勝ち目ないよ…普通の肉弾戦なら本気出せば勝てるけど」


神尾 「しかも俺は弾幕遊戯自体経験が少ないから賭けでそれをやるのはリスクがある 一応スペルカードは数枚作ってあるけど戦い方や使い所なんかはまったくわからん」


神尾 「負けが見えてる戦いはさすがに控えたい 俺の人生がかかってるからな」


魔理沙 「なら私も手伝ってやるぜ!弾幕勝負なら任せろ!」


神尾 「ありがたいが無関係なやつを巻き込みたくない 弾幕に勝ってもあいつらにはそんなこと関係ないからな」


神尾 「殺し合いにならないための弾幕遊戯で勝敗をつけるが俺やあいつらは人喰い妖怪だ 人を食う時点で弾幕ルールなんてないようなもの」


魔理沙 「お前は人食ってないんだから関係ないだろ」


神尾 「食ってなくても人喰い妖怪の種に違いないから一緒だ 食べてないと人間に伝えてもすべては種で決まる」


神尾 「その時点で誰も俺の話なんて聞かないさ 信じてくれるわけがない」


魔理沙 「わたしはお前のこと信じるぜ?人食ってないって」


神尾 「…今日会った半妖を信じるとはまたお人好しだな 俺が嘘ついてる可能性だってあるんだぞ?」


神尾 「今こうして普通にだべってるがお前が油断したところを食らいつくかもしれない 簡単に妖怪の言うことを信じる」


魔理沙 「それを言ってる時点で信用できるんだよ そんな警戒させることをわざわざ言うか?」


魔理沙 「お前の方がお人好しだぜ 言ってることとやってる事が違いすぎる」


神尾 「…俺がお人好しねぇ」



この娘は完全に俺のことを信用してる…嬉しいことだが人喰い妖怪の部類でもっと警戒してほしいと頭の中で思った



強者の余裕と言うやつか?この娘はたしか風の流れで聞いた白黒の魔法使い…名前は忘れたがおそらくこいつで間違いないだろう



あの博麗の巫女と一緒につるんでるとか仲がいいとか…そんなことを聞いたことがある もしかしたらこいつはあの巫女に頼まれて偵察しに来てるのか?



…いや、その可能性は低いだろう 見た感じこいつは素直に話してると見える 嘘をついてる様子が見られない



ましてわざわざお礼を持ってくるくらいだからあの巫女から依頼されてるとは考えにくい しかも手作りのお礼を持ってきたからさらに低い



今までろくな奴と会ってこなかったからどうも人間妖怪を疑い深くなる ずっとひとりで生きて来て気を許した相手に話しなんてできなかった…



まぁとりあえずは様子みておこう 今は敵意を感じないから話し相手になってもらうことだけを考えよう 巻き込まないように注意を払っていればなんとかなるだろう



…しかしこのシチューは美味い あまり食に欲はなかったが今まで食べた中でいちばん美味い



飯なんて食べれればなんでもいいと思っていたが誰かの手料理というだけでここまで違うものなのか?それとも俺のより美味いだけか



様子見で伺っていこうと思っているがまた作ってくれないかとも思い始めた ここまで美味いと欲が出てきてしまう



…言えるわけないのに



神尾 「…ごちそうさま すごくうまかったよ」


魔理沙 「おう!お粗末さま」


神尾 「今洗って返すからちょっと待っててくれ なんか気になるものがあるなら見ててもいいが」カタッ


魔理沙 「そうか?ならその本棚にしまってある魔法書が見たいぜ!」


神尾 「っ! よくそこに置いてある本が魔法書だとわかったな やっぱりなにか感じるのか?」


魔理沙 「私は魔法使いだからな 魔力やオーラを感じ取るのは余裕だぜ!」


神尾 「…なるほどな(魔法使いはそういうのに敏感なのか 初めて知ったな)」


神尾 「だけど俺の魔法書は簡易的で素人が使える程度の魔法だぞ?主に今使ってる妖怪避けの結界だ」


魔理沙 「簡単だろうがなんだろうが関係ない どんなことが書いてあるのかを確かめたいんだ!」


神尾 「…まぁそれでもいいなら構わないが」


魔理沙 「それじゃ見させてもらうぜ!」タッタッタッ…スゥ


神尾 「…」ジャバー…


魔理沙 「〜♪」ペラ…








夕方



神尾 「…っと これで終わりっと」ガチャガチャッ 治し途中だった扉を治して取り付け終わる


魔理沙 「すぐ治ってよかったぜ これなら問題ないな」


神尾 「あぁ わるいな手伝ってもらって まさかお前が大工の腕を持ってるとは思わなかったよ」


魔理沙 「お前と同じで素人だよ いろんな本読んである程度の物は作ってたから作れただけだ」


魔理沙 「高度な技術まで持ってないから細かいところは無理だ 微調整は自分でやってくれよ」


神尾 「あぁ!ここまでできればあとは自分でできる 任せてくれ!」


魔理沙 「そんじゃそろそろ私は帰るぜ また気が向いたら寄るぜ!」


神尾 「できれば来ないことを進めるが…あいつらに目つけられると面倒だからバレる前に俺とは関わらない方がいい」


魔理沙 「私はこう見えて強いから平気だよ もし奴らが襲ってきたら返り討ちにしてやる!」


神尾 「女が使う言葉じゃないな…」


神尾 「…まぁいい 気をつけてな」


魔理沙 「おう!またな」ヒュン…スクッ どこからともなく箒を出してまたがる


ヒュー… 魔理沙は箒に乗って自分の家に帰っていく



神尾 「………」


神尾 「…ふぅ、あぶなかった 夜になる前に帰ってくれた…今日は満月だったよな」


神尾 「【危うく襲うところだった タイミングが悪かったな…】」


神尾 「……今日は早く寝よう 起きてると暴れちまう」


神尾 「妖怪避けの結界をもっと強くしてお香も炊いておくか 人狼は鼻がいいからキツイ匂いには敏感で嫌がるからな」


神尾 「俺も食らうけど…」


神尾 「…準備しよう」













朝ー魔理沙の家



ちゅん…ちゅんちゅん……


魔理沙 「…っん」スゥ…


魔理沙 「……あさか んん!」ググッ!!


魔理沙 「ふぅ…よく寝たぜ」


魔理沙 「(昨日やり途中だった研究の続きをやるか いやそれは午後からでもいいか…午前中はなんか別のことして)」


魔理沙 「……あいつのところに行ってみるか 夜襲われてたりしないよな?」


魔理沙 「(昨日は満月だから妖怪が一番活発する日だ あの人狼共が活発化してるときに襲いかかってきたらあいつも…)」


魔理沙 「…様子見てくるか 昨日あって今日大ケガしてたら嫌だし」


魔理沙 「あいつの事だから無事だと思うが念のため治療キット持ってっとくか 応急処置だけでもできるように」


魔理沙 「準備出来たら行こう」













神尾の家



ヒュー…スタッ


魔理沙 「…荒らされてる様子はないな どこか壊されたり地面に攻撃跡もない」


魔理沙 「妖怪避けの結界も聞いてるようだし平気そうだな 念のため顔合わせるか」ザッザッザッ…


魔理沙 「おーい神尾いるか?まだ寝てたら起きろー」



シーン…


魔理沙 「…いないのか?昨日は私が叩く前に気づいたから居たら気づいてるよな」


魔理沙 「…空いてるのか?」スゥ…


ガチャッ


魔理沙 「っ! 空いてる…無用心だな 昨日は危険な日だっていうのに」


魔理沙 「入るぞー」ギィィ…



神尾 「すー…すー……」口元に鉄で出来たマスク状の拘束具を付けてベッドで寝てる


魔理沙 「…まだ寝てたか 私が入ってきても気づかないなんて」タッタッタッ


魔理沙 「…なんだこれ?鉄のマスク?なんでこんなもの付けて寝てんだ」


魔理沙 「(もしかして半妖でも満月に反応するのか?むやみやたらに噛みつかないようにこれ付けてんのか)」


魔理沙 「わざわざ自分で付けるなんて…さすがだな 人間を食べないだけあるぜ」


魔理沙 「まだ寝てんなら飯もまだだろ 来たついでに作ってやるか」


魔理沙 「なにか冷蔵庫に材料は入ってないかなー」タッタッタッ…








数十分後…



ふよぉ…


神尾 「……っん」ピクッ


神尾 「(…なんだ?なんかいい匂いが……)」スゥ…



魔理沙 「〜♪」トントントントン… 台所に立って料理してる


神尾 「………」ボー…


神尾 「(…魔理沙?なんでここに)」


神尾 「(夢でも見てるのか?いや夢にしちゃ匂いがする 現実か…?)」ムクッ


魔理沙 「…っお 起きたか!ちょうどいいぐらいに目覚ましたな」


魔理沙 「もう少しでできるから顔とか洗って来い その間にできるから!」


神尾 「…なんでお前がここにいる?てか鍵閉めたはず」


魔理沙 「かかってなかったぜ 普通にドアノブ捻ったら開いたぜ」


神尾 「あれ?そうだっけ 閉めたと思ったんだが…」


神尾 「…まぁそれはいい なんでお前ここにいるんだ?しかも料理してるし」


魔理沙 「お前が昨日の夜、満月だから奴らに襲われてないかと思ってな 一応様子に見に来てやったんだ」


魔理沙 「けどお前も満月に反応するようだな その鉄で出来たマスクを見て物語ってる」


魔理沙 「飯はついでだ 半妖のお前が満月に影響されるとどうなるんだ?やっぱり興奮するのか」


神尾 「…完全な妖怪になる 満月の夜だけな」


魔理沙 「っ!」


神尾 「俺は二つ能力を持っててその内のひとつが丸月で暴走する能力なんだ 完全な妖怪と化して暴走する」


神尾 「だから満月の夜は鉄マスクして睡眠薬を飲んで抑えてる 暴走するとなにするかわからないからな」


魔理沙 「そうなのか それじゃもうひとつは?」


神尾 「静月で人間に戻る能力だ 新月の夜だけ半妖である俺が人間に戻れる唯一の時間だ」


神尾 「人間と化した俺の状態で奴らに襲われたらまずいけどな いつもみたいに妖怪の力を使うことが出来ないから確実にやられる」


神尾 「まぁ幸いにも新月のときは妖怪共がおとなしくなるから難は逃れてる 一応妖怪避けの結界は張るがな」


魔理沙 「人間に戻るのか!?それは驚きだぜ 普通半妖であっても人間に戻るなんてありえないのに」


神尾 「そういう能力だからな 元々人間なら嬉しかったんだが」


神尾 「てか息苦しいからもうマスク取るか もう朝だし」パチパチンッ


魔理沙 「…それ付ける意味あんのか?暴走したら絶対外すだろ」


神尾 「んー…なんとなく付けないと落ち着かないというかなんというか 暴走するとわかってるからなにか付けてないと心配なんだ」


神尾 「過去に何度か暴走して妖怪を襲って食い殺しそうになったからどうしても付けないと落ち着かない それ以来睡眠薬を飲み始めたからな」


魔理沙 「えっ食い殺しそうになった…?」


神尾 「あぁ 昨日ここに来た人狼いただろ?アイツらもだがねぐらの位置を特定して襲撃したんだ」


神尾 「完全体の俺には誰ひとりとして適うやつはいなくて全員瀕死状態まで追い詰め 最後に食おうとしたがなんとか理性を取り戻してその場から去り難を逃れた」


神尾 「ほんとギリギリだったよ もし食ってたら今頃血の味を覚えた俺はありとありゆる生き物を食ってただろう」


神尾 「それだけは絶対に避けたい 暴走するなら予め対策をとっておけばなんとかなる だから睡眠薬を飲んで満月の夜だけは起きないようにしてる」


魔理沙 「…すごいな まさかそこまでしてるとは思わなかったぜ」


魔理沙 「人間はともかく妖怪にも同じことをしてるなんてなかなかやるじゃないか!見直したぜ」


神尾 「ははっ!ありがとよ」


魔理沙 「…っと そろそろできたかな?」クルクル…タラー 味噌汁を小皿に少量移す


魔理沙 「ほいっ味見してみてくれ 味噌汁の味はこのくらいでどうだ?」スッ


神尾 「味噌汁まで作ってくれてたのか 朝から嬉しいものばかりだな」スゥ…クピッ


神尾 「……普通にうめぇ 味噌の加減がちょうどいい」


神尾 「風味からして豆腐の味噌汁か 味加減がちょうどよくてすごく美味しいよ!」


魔理沙 「そいつはよかった!そんじゃ飯にするか」








朝食後…



魔理沙&神尾 「「ごちそうさま」」


神尾 「はー…朝からこんなにも豪勢な飯が食える日が来るとは思わなかった いつも朝は作るの面倒だから果実を取って食ってたから」


魔理沙 「それはそれでヘルシーだな 朝から果実なんて贅沢だぜ」


神尾 「そうか?自然にできた物を採取して食べてるだけだぞ 俺的には朝は味噌汁を飲みたいよ」


神尾 「まぁめんどくてやらないけどな どうも朝から料理はやる気起きなくてな…」ハァ…


魔理沙 「なら前日の夜のうちに作っておくのはどうだ?そうすれば温めるだけで済むぜ」


神尾 「それも考えたんだが一日置くのもちょっとな 具材とかに染み込むからおいしくなるのはわかるんだが」


魔理沙 「あまり浸け置きとかしたくないタイプか ならやりたくないよな」



朝からこうやってだべれて神尾は気分がよかった しかもおいしい朝食にもありつけられてなおのこと機嫌がいい



いつも朝食はひとりで果実を食べて過ごしてたから誰かと食べれたのが非常に嬉しかった 話すことは好きな方だからこうやって話しながら誰かと食べるのは憧れであった



半妖の身で外部の妖怪とは関わりを持っていないためいつも独りだった 完全な妖怪なら違う考え方だったかもしれないが…このとおり、現状すごく嬉しい!



だが俺とつるんでいると確実に巻き込むことが明白 これ以上関わらせるわけにはいかない…早いところ、俺と関わるのを辞めさせないと……そんなことを思っていると耳の良い神尾の家近くから足音が聞こえてきた



神尾 「……っ!」ピクッ


魔理沙 「んっ?どうした」


神尾 「……こんな朝早くから来たか あのバカどもが」


魔理沙 「…また来たのか ほんと懲りないな」


神尾 「お前はここにいろ バレるといろいろと面倒だ」カタッ


魔理沙 「わかった」











人狼 「さーてと またやつのところに着いたっと」ザッザッザッ…


人狼2 「まったく親分も人使いが荒いぜ 俺たちだけにあいつを仲間にしてこいだなんて」


人狼 「ほんとだ まぁ仲間になれば俺達も楽できるってもんよ」


人狼2 「だな あいつがいれば人間食べ放だぜ!」グヘヘ


人狼 「いい加減早く仲間になれよあいつ 俺たちが何度も来てんだから」



…ガチャッ


神尾 「また来たのか ほんと懲りねぇ奴らだな」


人狼 「よう神尾 今日も会えて嬉しいぜ?」


人狼2 「いつまでもここにいないで俺たちんところに来いよ 親分はお前を喜んで招き入れるぜ」


神尾 「わるいがお前らとつるむ気はない 帰れ」


人狼 「そういうなって!昨日のことは謝るよ いきなり喧嘩腰で来たことをよ」


人狼2 「だから俺たちの仲間になろうぜ?ここの生活よりもいい生活させてやるからよ!」


神尾 「…何度言っても聞かねぇ奴らだな ほんと、しつこいにも程がある」


神尾 「何度も言うがお前らの仲間になる気はないしつるむ気もない いい加減やめねぇと殺すぞ」ギロッ


人狼 「あいかわらず否定的だな 仲間になれば済むことなのに」


人狼2 「ならお前を瀕死にして連れていこうじゃねぇか 今日は本気で行かせれもらうぜ!!」ゴキゴキッ


神尾 「…っち めんどくせぇ」ビキッ


神尾 「なら本気で殺してやるよ 俺を本気にさせたこと後悔するがいい!!」ブチブチブチブチッ!!!!!! 全身の筋肉を盛り上がらせて体が大きくなっていく


人狼 「うるせぇっ!!」バッ!! 狼の瞬発力で一瞬にして神尾の目の前にたち爪攻撃を…


神尾 「グルァァァッッ!!!!」バツンっ!! 勢いよく盛り上がった右腕を振るい向けられた手を弾き飛ばす


人狼 「ガァァァーッ!!!!」バキバキベキゴキッ!!!! 弾き飛ばされた腕の骨がバラバラに砕ける


人狼2 「ガゥゥッ!!!!」バッ!! 勢いよく飛び跳ねて神尾の腕に噛み付こうと…


神尾 「グゥンッ!!!!」ベキィッ!!!! 向けられた口に目掛けて拳を振るう


人狼2 「グヘェッ!!!!」バキバキッ!!!! 顔面の骨が砕けて折れまくる


ドサッ…


人狼 「グゥゥ…あぁぁ……!!」ズキズキ


人狼2 「」顔面を殴られた衝撃で気を失っている


神尾 「グルル…アォォォォォン!!!!!!」



勝利の雄叫び…圧勝だった たった数秒で二匹の人狼を負かせ戦意喪失させたのだ これほど嬉しいことはない



こいつらはかなり弱い方だが半妖と妖怪じゃ力の差があることは明白 だがそれでも勝つことに成功した。



相手は妖怪だからこちらも本気を出さなければやられるのは目に見えてる いくら半妖でも通常の妖怪の実力の半分しか出せない



本気と言っても暴走するほど本気じゃないから理性は効く もしこれが満月の夜だったら完全に暴走していたが…



神尾 「…あいかわらず口ほどにもない奴らだな たった一撃でダウンするなんて」


神尾 「半妖に負けて恥ずかしくないか?実力はお前らの方が上なのによ」


人狼 「くぅ…のやろう!!」ギリッ!!


人狼 「(強すぎる…半妖のくせに完全な妖怪の俺たちを負かすなんて!)」ズキズキ…


人狼 「(ほんとに半妖かこいつ!半妖がここまで強いなんて聞いたことがない 二対一でも歯が立たないなんて…!!)」


神尾 「おいおまえ、長老に伝えろ これ以上俺に関わると再び集落に災いが起きるとな」


神尾 「今回までは見逃してやる 次はもう容赦しない わかったな!」


人狼 「っ…多分あきらめないと思うぜ 親分はお前のこと気に入ってるからな」


神尾 「そしたらてめぇらの集落を焼け野原にするまでだ 楽に死ねると思うなよ」


人狼 「……っち わかったよ 親分には伝えとく」


人狼 「だが伝えたところでやめるとは思えないぜ あの方は一度決めたことは曲げない性格だからな」


神尾 「ならその考えをへし折るまで叩きのめせばいい!俺を仲間にすることを嫌になるまで痛みつけてやる」


人狼 「それでやめればいいが…」ムクッ


人狼 「おい帰るぞ いつまでも伸びてんじゃねぇ」パシッ


人狼2 「」シーン…


神尾 「そいつは顔面殴ったからな まだ起きねぇだろ」


神尾 「早く連れていけ 目障りだ」


人狼 「腕折っといてよく言うぜ たくよっ」ガシッ


人狼2 「」ズルズル… 首根っこを掴まれてズルズル引きずられていく



神尾 「…まったく 朝から機嫌悪くさせんじゃねぇよ」スゥゥ… 盛り上がった筋肉を戻らせていき人間の体に戻っていく


神尾 「あーあ…また服がボロボロだよ まだ予備はあるから平気だがそろそろ買いに行かねぇと」ハァ…



魔理沙 「…行ったか?」ガチャッ


神尾 「あぁ 返り討ちにあって帰ってったよ」


神尾 「わるいな朝から騒がしくて まさか朝来るとは思わなかったよ」


魔理沙 「別にいいさ 私も勝手に来たからな 文句は言えん」


魔理沙 「にしても半妖なのにすごいな 完全な人狼二体相手を瞬殺なんて」


神尾 「あいつら頭悪いからな 殴る突っ込むくらいしか脳にないから」


神尾 「あまり長居すると次は別のやつが来るかもしれない 誰も来ないうちに帰った方がいいぞ」


魔理沙 「そうさせてもらおうかな お前ならやられることないし一人でも平気だろ」


魔理沙 「洗い物はやっとけよ?次来たとき気が向いたらまた作ってやるから」


神尾 「なるべく来るなよ…バレたら面倒なことになるぞ」


魔理沙 「だからたまにだよ まぁバレてもなにかあればやっつけるまでだがな!」


神尾 「ほどほどにしてくれよ?たく…」













人狼の拠点ー親分の部屋



? 「…ほう またやられたのか」


? 「しかも半妖相手に腕折られるとは情けない お前は完全な人狼なのに」


人狼 「す…すみません(お前だって負けてんだろ…)」


? 「まぁいい あいつは半妖でもかなりの強さを持ってることはわしも知ってる 強くは叱らん」


? 「だがあの者を仲間にすることは未だに諦めない あいつが仲間になれば我々人狼一族はより良い生活を送れるようになる」


? 「人間の血肉は本当に美味なものだ あれはいくらでも食べれる…ずっと食べていたい!」ダラー…


? 「我々では完全な妖怪だから警戒されるがあの者なら半妖で警戒が薄れる それを使わない手はない」


人狼 「…なら次は親分が行ってはどうですか?部下である俺たちが行ってもやられるだけなので」


親分 「そうしたいのは山々だがわしも歳だ 老いぼれがあの若そうに勝てる気がせん」


人狼 「さいですか(よう言うぜ 俺たちの中で一番強いくせに)」


親分 「…ところで博麗の巫女はどう動いてる?」


人狼 「今のところ目はつけられてません 他にも危険人物を要警戒してますが特になにも」


親分 「そうか ならいい」


親分 「もし目をつけられたらすぐにここを立ち去る 博麗の巫女に目をつけられたら全員やられる」


親分 「その前に人間を貯蓄する必要があるからなんとしてもあいつを仲間にする必要がある…人狼に取って人間は重要なタンパク源 あれがないと我々は長生きできない」


親分 「今ある貯蓄は残りどれくらいだ?」


人狼 「約三十人分あります 人里の連中だと目つけられるので外から来た外来人だと思う奴らしか手つけてません」


親分 「そうか 残り三十人か…節約しても一ヶ月持つかどうかだな」


人狼 「いっそのこと別の妖怪を食べるというのは?タンパクは少ないですが」


親分 「摂取量が人間と違ってかなり多いから効率が悪い しかも妖怪同士はなるべく仲を取っておきたい」


親分 「下手に襲って食してるとバレたらなにされるかわからん 妖怪まで敵に回したらまずい」


人狼 「…妖怪賢者の八雲紫に目つけられたら洒落になりませんね」


親分 「洒落なんかじゃ済まない 我が一族全滅する」


親分 「それだけは避けたいものだ だから余計なことはするな いいな?」


人狼 「はい して、今後はどうしますか?神尾もどうするか聞きたいのですが」


親分 「神尾は次のやつに任せる あいつが仲間になるまで密かに人間をさらって貯蓄しろ」


人狼 「わかりました」













博麗神社



霊夢 「…なるほどね 被害が出てるのね」


依頼者 「はい 最近里の外で暮らす人間が帰ってこないことが多いらしいんです」


依頼者 「わたしの友人もその一人で久々に遊び行ったら無人で…勝手に泊まるのはどうかと思ったんですが心配だったので二日ほど寝泊まりしたんですが帰ってこないんです」


依頼者 「さすがに二日も戻らないのは変だったので妖怪に襲われたのかもと…」


霊夢 「その人はどこに住んでるの?」


依頼者 「魔法の森の入口近くに一軒家があります 香霖堂の真反対の入口です」


霊夢 「わかったわ 調べてみる」


依頼者 「お願いします」


ザッザッザッ…


霊夢 「…」


霊夢 「(魔法の森で、か…あそこいろんな妖怪がいるから特定させるの難しいのよね)」


霊夢 「(しかも外に住んでて二日も帰らないということはもう亡き人に近い…妖怪がそんな美味しい状況を見逃すわけがない)」


霊夢 「(ほんとに減らないわね妖怪による被害 幻想郷のことを知ってるやつなら襲わないけど知らない奴やそんなこと気にしない奴らが勝手なことをするから問題事が耐えないわ)」


霊夢 「(まったくめんどうね おとなしくしてくれれば私も楽できるのに)」


霊夢 「とりあえず被害にあった家まで行こうかしら まだ証拠とか残ってればいいけど」








アリスの家



アリス 「…へぇ 半妖の人狼がね?」カチャッ 紅茶を飲みながら魔理沙と話をしてる


アリス 「まさかこの森に住んでるなんて思わなかったわ たしかにいやな気を感じる場所はあったけど」


魔理沙 「えっまじで?私今までそんなところ知らなかったんだが」


アリス 「けっこう魔法の森探索してる割には知らないのね 少し前から感じてたわよ」


魔理沙 「マジか…あいつと知り合ったときに変な気を感じたぜ」


アリス 「それでその半妖がなんなの?まさかその半妖がいることだけを言いに来たわけじゃないわよね」


魔理沙 「まだ本題にも入ってないぜ 今から本題だ」



魔理沙は今現在、神尾の身に起きてることを話した。普通に暮らすことを望んでる神尾を放っておくことができない その解決策をアリスにも出してほしく協力を要請した



アリスは協力するのは構わないが私よりも霊夢に頼んだ方が早いのではと答えた たしかに霊夢なら問題を起こしてる妖怪妖精、人間を退治する専門 協力してもらうなら一番最適だろう



だが神尾は霊夢のことをよく思っていない…てか妖怪ならほとんど思っていない 博麗の巫女というだけでみんな恐れているからだ



とくに霊夢はなにもしてなくても問答無用で退治するくせがあるから紹介したら退治される可能性がある それだと神尾がかわいそうすぎる



なるべく霊夢には協力はしたくない だが万一に備えて話すことはする 理由は人狼が問題を起こしたときに神尾にも及ばないためだ



奴らは人間を食すから半妖である神尾も被害を受ける可能性が十分にある それを避けるために伝えなければならない



話すが協力はしてもらわないことをアリスに伝えた 理由も話して納得してもらえた



アリスには伝えたから次は霊夢のところに行って話そう なにか言われそうだが巻き添いをくらって倒されるよりグチグチ言われた方がマシだ



早く行って伝えよう…









博麗神社



魔理沙 「よっと」スタッ


魔理沙 「霊夢遊びに来たぜー」


シーン…


魔理沙 「…あれ?いないのか おーい霊夢ー」


シーン…


魔理沙 「…どっか出かけてんのか?なんだよ 急ぎで話したかったのに」


魔理沙 「まぁでもすぐ帰ってくるだろ 待ってるか」


魔理沙 「待ってる間にお茶と菓子でも食べるか」ヨット


魔理沙 「今日はなにがあるかなー」タッタッタッ…













魔法の森入り口ー香霖堂反対側にある民家



霊夢 「………」民家に入って辺りを見渡しいろいろ確認してる


霊夢 「(…妖気は感じるわね でも時間経ってるからかなりわずか…なんの妖怪か調べるの時間かかりそうね)」


霊夢 「(なにか証拠になるものがあればよかったんだけど頭の悪い妖怪じゃないみたいね 足跡や指紋、争った形跡がない…寝てるところを襲われたのかしら?)」


霊夢 「(妖気は魔法の森の中に続いてるからそこに住む妖怪だということは間違いないわね)」


霊夢 「(辿っても森に入ったらいろんな妖怪がいるから妖気を辿れなくなるわね…これは思った以上に難航しそうだわ ただでさえ面倒ごとはいやなのに…)」


霊夢 「…しかたない 辿っていくしかないわね どうせ私のこと襲う妖怪なんていないだろうし」タッタッタッ…


霊夢 「(変な妖怪じゃなければいいけど)」













魔法の森内部



霊夢 「…」ザッザッザッ…


霊夢 「…んー こっちかしら?気配が分散してわかりにくいわね」


霊夢 「(しかもいろんな妖怪がこっち見てる気配も感じるからよけいに辿りづらい…そんなに私が来ただけで見るものなの?)」


霊夢 「(一掃してもいいけど変に暴れたら気配を感じとれなくなる可能性があるからあまりやりたくないのよね ここはガマンして進む方が得策ね)」


霊夢 「(はぁ…ほんと妖怪はめんどうだわ 問答無用で退治したい)」








夜ー博麗神社



霊夢 「はぁ…結局見つからなかったわ 途中で痺れ切らして暴れちゃったから気配がなくなった…」フヨォー…


霊夢 「まったくあいつらどんだけ私見れば気が済むのよ 次見てきたらもっときつくしてやろ」


霊夢 「よっと はぁ…疲れた 早くお風呂入って寝よ」



魔理沙 「おっす霊夢 ずいぶんと遅かったな?」///縁側に座って霊夢の家に置いてあった酒を飲んでる


霊夢 「あら来てたの?てかなに飲んでんのよ」


魔理沙 「棚にしまってあった酒」///


霊夢 「ちょっとなに勝手に飲んでんのよ!私がお風呂上がったら飲もうと思ってたヤツ!!」


魔理沙 「あっ風呂は洗っといたぜ あと晩飯も軽くだが作っていた」///


霊夢 「あら気が利くじゃない でもそれとこれとは別よ」


魔理沙 「まぁいいじゃねぇか!また買えばいいだろ」


霊夢 「あんた人のものだと思って…まぁいいわ 今回は見逃してあげるわ」


霊夢 「それでなんの用よ?いつからここにいたの」


魔理沙 「昼間くらいかな?ちょっと伝えときたいことがあってな」///


霊夢 「なによ」


魔理沙 「今魔法の森で騒ぎを起こしてるヤツらがいるんだ 人狼と言えばわかるだろ?」///


霊夢 「今泉影狼のこと?」


魔理沙 「あー…たしかにあいつもそうだがあいつじゃない 別のやつだ」///


魔理沙 「完全な人狼は騒ぎを起こしてんだが半妖の人狼のやつはなにもしてないんだ だから半妖の人狼見かけたら退治しないでくれ」///


霊夢 「半妖の人狼?そんな奴がいるの?」


魔理沙 「あぁ そいつも人狼に悩まされてるんだ 半妖であることを利用して人間を捕まえさせようとしてる」///


魔理沙 「大野 神尾っていうんだがそいつは人間を襲わなければ騒ぎを起こすやつじゃない だから退治しないでくれ」///


霊夢 「…珍しいわねあんたが妖怪に楯突くなんて なにかあったの?」


魔理沙 「別になんもないぜ ただなんとなく放っておけなくてな」///


魔理沙 「まぁ強いて言うなら半妖であることを利用されれば人間が食われる可能性がある それを起こさせないためにも人狼を警戒してくれってことだ」///


霊夢 「……ねぇ魔理沙 話し変えるけど香霖堂の反対側にある民家のこと知ってるかしら?」


魔理沙 「んー?あぁあそこか 普通の人間が住んでるところだよな そこがどうした?」///


霊夢 「妖怪に襲われた可能性が高いの 証拠がないから断定としては言えないけど」


魔理沙 「……やっぱりか 何度も忠告したんだけどなぁ あそこに住んでると危ないぞって」///


魔理沙 「犯人は魔法の森に住んでる妖怪だと思ってんだよな」///


霊夢 「えぇ 距離も近いし襲う妖怪といったらそこしかないと思ってるわ」


霊夢 「そして今あなたが話した人狼…そいつらも充分怪しいわね 目付けといてよさそうね」


魔理沙 「半妖の方は違うからな まちがえるなよ?」///


霊夢 「なにもしなければなにもしないわよ たぶん」


魔理沙 「いやたぶんって…」///


霊夢 「それじゃ私はお風呂とか済ませてくるからあんたも遅くならないうちに帰りなさいよ」ザッザッザッ…ット


魔理沙 「なんだ霊夢は飲まないのか?」///


霊夢 「今は飲む気分じゃないわ 明日も調べないといけないから早めに寝て起きないと」


魔理沙 「…そっか」///


霊夢 「それと今魔法の森に住んでる妖怪と親しむのはやめときなさい なんらかの事件に巻き込まれると私も対処しないといけないから」


魔理沙 「神尾だけは違うからそれは安心しろ あいつだけはなにもしてないから」///


霊夢 「はいはいわかったわよ その神尾ってやつが変なことしなければなにもしないわ そいつにもよーく言っときなさい」タッタッタッ…


魔理沙 「あいよ」///ゴクッ








数日後…



魔理沙の家



魔理沙 「〜♪」コポポポ… なにかの実験をして薬を作ってる


魔理沙 「よーし!大鍋の中身はよく煮えたな 次はこの薬品を…」カチャカチャ…


魔理沙 「……どんくらい入れたっけ?たしか少量だったような…」


魔理沙 「…まぁいいか 多めに入れてもへいきだろ」トポポポ… 煮えきった大鍋の中身に新たな薬品を入れて混合させる


大鍋 「ゴポポポポ……!!」ボコボコボコボコッ!!!!


魔理沙 「あれー?こんなに泡出たっけ 沸騰かな?」


魔理沙 「……んなわけないな やべぇっ!!」スチャッ 危険を察知して八卦炉を構える


魔理沙 「消し飛べ マスタースパーク!!」バシュゥゥゥン!!!!!!



大鍋 「」ガシャァァンッ!!!!ジュウゥゥゥッ!!!!… マスパを直撃で喰らい壁に大穴を開けて外に出消滅していく


魔理沙 「ーっ…ぶねぇ 危うく爆発するところだったぜ 爆発する前に消し飛ばせて助かった」シュゥゥ…


魔理沙 「やっぱパワーこそ正義だな!うんうん 力があれはどうにでもなる!」


魔理沙 「……さてと 家直すか こればかりは力じゃどうにもならん」タッタッタッ…


魔理沙 「一直線に放ったから鍋と壁だけで済んだのは不幸中の幸いだぜ 爆発してたら部屋の掃除大変だからな」


魔理沙 「はぁ…めんどくせ」











魔理沙 「…」トントントントン… 壁に板を貼り付けて釘を打ってる


魔理沙 「…」ジャラジャラ…トントントントン


魔理沙 「(ちょうどいい板材がなくなってきたな 新しいの調達しねぇと)」


魔理沙 「(たぶんここ貼り付ける分は足りるだろ 表面だけでも付けとけば雨風は防げる)」


魔理沙 「(あーひとりだと大変だな 誰か来ねぇかなー…)」



…ガサッ


魔理沙 「っ!」ピクッ


魔理沙 「(…だれだ?今近くの木々から足音が)」


魔理沙 「…だれだそこにいんの わたしになにか用か?」



…おまえか でかい音がしたからなにかと思えばガサッ


神尾 「ここに住んでたのか 誰かの民家があると思って様子見てたが」


魔理沙 「神尾!ちょうどいいところに来てくれたぜ ちょっと手伝ってくれ!」


神尾 「? なにをだ?」


魔理沙 「家が壊れたから修理してたんだ おまえできるだろ?」


神尾 「もちろんできるが…」


魔理沙 「よし!じゃあ決まりだ 裏に板材があるから運んできてくれ」


神尾 「いきなり来て手伝わされるとは…まぁいい 持ってくるよ」ザッザッザッ…











魔理沙 「終わったー!予定よりも早く終わったぜ!」


神尾 「そりゃふたりでやれば早く終わるよ しかも一部の壁治しただけだから早く終わるよ」


魔理沙 「いやー助かったぜ お前が来てくれたから段取りよくできたぜ ありがとな!」


神尾 「どういたしまして」



まりさー


魔理沙 「…っん?」


アリス 「よっと 頼まれてたもの持ってきたわよ」ヒュー…スタッ


魔理沙 「おうアリス!持ってきてくれたのか ありがとよ!」スッ アリスから渡されたものを受け取る


神尾 「(…人間、じゃないか ならまだ安全か)」


アリス 「…ねぇ魔理沙 そっちの妖怪は?てか男!?」


魔理沙 「? そうだが、こいつは大野神尾 私たちと一緒で魔法の森に住んでる半妖だ!」


神尾 「神尾だ よろしくな」


アリス 「えっえぇ 私はアリス・マーガトロイドよ よろしく…じゃなくて!」


アリス 「……魔理沙 もしかして、これ?」スッ 小指を立てて彼氏かと問いかける


魔理沙 「違うちがう こいつとはそういう関係じゃないぜ ただの友達だ」


アリス 「なーんだびっくりした 魔理沙もそういう年頃かと思ったわ」ホッ


魔理沙 「どういうこと…?」


神尾 「あはは…さすがに妖怪と人間は付き合えないな いろいろと壁があるから」


アリス 「…えってことは壁さえなければ付き合ってるってこと?」


神尾 「いやまだ会って日が経ってないから付き合わない それに俺にはいろいろ問題を抱えてるからよけいにな」


アリス 「問題?」


魔理沙 「こいつは人狼の半妖で完全体の人狼に目をつけられてんだ 人間を捕食したいがために神尾を利用して連れて来させようとな」


アリス 「なるほどね 人狼のやりそうなことね」


アリス 「てか人狼って人間の姿になれないの?普通に耳とか隠せそうだけど」


神尾 「その個体にもよるんだ 完全に人間に成り済ますことができる人狼もいれば耳だけ隠せなかったり一部露わにする個体もいる」


神尾 「その人狼たちの中に完全に人間に成り済ますやつはいない 前はいたみたいだか退治されていなくなったとか」


アリス 「ふーん…」


魔理沙 「よし!家も治ったことだしみんなで一服するか!」


魔理沙 「まだ部屋ん中散らかってるがそこは気にしないでくれ お茶と茶菓子用意するぜ!」


アリス 「いやまず掃除しなさいよ」


神尾 「ほんとだよ 一服の前に掃除しろよ」


魔理沙 「えーそんなの後でいいよ 飲み食いするところはキレイにしてあるから平気だぜ!」


神尾 「いやそういう問題じゃないだろ…」


神尾 「…しかたねぇな 一緒に掃除してやるからさっさと終わらせるぞ」


魔理沙 「ほんとか!?」


アリス 「ちょっあなたそんなこと言ったら次から調子乗るわよ ただでさえ調子いいんだから」


神尾 「そうなのか?じゃあやめとくか」


魔理沙 「おいおい一度言った言葉は責任持てよ!それじゃアリスも手伝ってくれ」


アリス 「なんで私まで…しかたないわね 手伝ってあげるわ」


魔理沙 「サンキュー!!」




? 「………」








夜ー親分の部屋



親分 「なにっ白黒の魔法使いと話してただと?」


人狼 「はい それと人形使いとも話してました ただ普通に話してたように見えましたがあのふたりと親密関係になると後々めんどうかと」


親分 「…そうだな よりにもよって白黒と人形使いか」


親分 「あいつらは博麗霊夢と仲が良いうえ何度か異変解決に加わったことがある そんな奴らを敵に回すのはまずい」


人狼 「どうしますか 嘘の情報をばらまいて神尾から離らかせますか?」


親分 「誰がそれをやるんだ?わしは完全な人間になることができない さらに言うと妖気も隠すことができん」


親分 「お前だって完全な人間に化けることはできないだろ 他にできるやつはいるのか?」


人格 「それは……」


親分 「できないなら言うな できるヤツがいないんじゃ話にならん」


親分 「とりあえず良い案が浮かぶまで様子を見よう あのふたりに手出しはするなよ?敵として見られたらなにされるかわからん」


人格 「わかりました」













数日後…



魔法の森内部



霊夢 「…」ザッザッザッ… 人間を襲った妖怪を探し中


霊夢 「……あいかわらず妖気がすごいわね 誰がどの妖怪だか区別つかないわ」


霊夢 「(ほんとにここはめんどうね いろんな妖怪の気が多すぎて探すのがたいへん 早く終わらせて帰りたいのに)」


霊夢 「…強い気はこっちの方かしら 歩きにくいったらありゃしないわ」ハァ…


ザッザッザッ…








神尾の家



霊夢 「…着いた あの家から強い気を感じるわ」ザッザッザッ


霊夢 「こんなところに家があるなんてね 魔理沙やアリス以外にも住んでる奴がいたんだ」


霊夢 「(妖気的に人狼ね 人間の姿に化けて騙し、人間を主食とする薄汚い連中…)」


霊夢 「(わざわざ家まで立てるってことはここを集落としてんのかしら?にしてはデカくて派手すぎるけど)」


霊夢 「…まぁいいわ 誰かいるか確かめて居れば退治するまでね その後話しを聞こ」ザッザッザッ…


霊夢 「だれかいるかしら?いたら出てきなさい」コンコンッ



シーン…


霊夢 「いないの?ならドアぶち破るわよ」


それはやめろ 治したばかりなんだから


霊夢 「っ!」


…博麗の巫女か また面倒なやつが来たもんだ


今妖怪避けの結界付けてないから変な気は感じさせてなかったと思うんだが…感で来たのか?


霊夢 「まぁそんなところね とりあえず出てきなさい 出てこないと家ごとぶっ壊すわよ」


今出るから待ってろ まったく…


ガチャッ


神尾 「…」


霊夢 「…半妖?人狼と人間のハーフね」


神尾 「っ! 見ただけでわかるのか さすが博麗の巫女だな」


神尾 「それでおれに何の用だ なるべくお前と関わりたくないんだが」


霊夢 「…そうね あんたならまだ話しが通じそうね それにあんたの事は魔理沙から聞いてるし」


神尾 「魔理沙から?あいつ俺のこと話したのか…よりによってお前に」ハァ…


霊夢 「むしろ話されといてよかったと思うことね なにも聞いてなきゃ今ごろ問答無用で退治させてもらったわ」


神尾 「なにもしてないのにひどいなお前 …それで何の用だ?客人として来たなら茶の一つでも出すが」


霊夢 「あら気前がいいわね ならもらおうかしら」











神尾 「お茶だ 熱いから気をつけろよ」コトッ


霊夢 「いただくわ」スゥ…ゴクッ


神尾 「……警戒しないで普通に飲むんだな 妖怪から出されたものなのに」


霊夢 「あんたがそんなことするようには見えないからよ なにか入れたとしたらそれなりに動きが見られるけどあんたからその動きが見られない」


霊夢 「まっ入れてたとしても効く前にあんたを倒せばいいだけなんだけどね 毒殺でも麻痺させる薬でも少しの間は動けるからね」


神尾 「なにそれこわっ」


神尾 「…それでここにはなんの用で来た?魔理沙から話し聞いてるなら退治しに来たわけじゃなさそうだが」


霊夢 「正確には退治しに来たわ ただあなたは違うからしないけどね」


神尾 「俺はちがう?」


霊夢 「あんたとは違う人狼が騒ぎを起こしてると話聞いたわ 魔法の森の出入口近くに民家があること知ってるでしょ?」


神尾 「香霖堂のことか?」


霊夢 「その反対側 民間人が住んでる方よ」


神尾 「あぁあいつか 関わりはないが何度か見た事あるな」


神尾 「たしかいなくなったんだよな 魔理沙からあいつらがなにかしたんじゃないかと疑ってたが」


霊夢 「えぇ そこの家の知り合いが私に依頼を出してきたから調べに来たの 妖怪が悪さをしてるなら退治しないといけないからね」


霊夢 「ちなみに聞くけど人狼の集落がどこか知ってるかしら?」


神尾 「もちろん知ってるぞ 何度も行っては破壊してたからな」


霊夢 「…破壊してた?」


神尾 「あいつらが俺を利用しようと何度もここに来るから頭にきて満月の日に暴れまくった 満月の日は半妖である俺も例外じゃない」


神尾 「全壊とまではいかなかったが半壊以上はできた 立て直すのにどれくらいかかったんだろうな」


神尾 「まっ俺には知ったこっちゃない あいつらがしつこかったからやったまでだ」


霊夢 「…あんた一人相手に完全体の人狼共は倒せなかったの?」


神尾 「甘く見ないでもらいたい さすがにお前ほどじゃないがそれなりにケンカの仕方はわかってる あいつらに弾幕ルールは通用しないからな」


神尾 「まぁ弾幕で勝負しようとも思わないがな!どうも弾幕戦は苦手でな あれで戦ったらおそらく負ける」


神尾 「そんなことであいつらの言いなりになるなんてごめんだ だから殴り合いでいつもやってる」


霊夢 「…ふーん(嘘はついてないようね 瞳がまっすぐして挙動不審がない)」


霊夢 「(魔理沙の言ってた通りのようね 完全体の人狼からしたら半妖のこいつは家宝級の人材、完全に人間に化けることが出来る奴がいなければすぐにでも仲間にしたいやつね)」


霊夢 「(しかも半妖だから並のやつじゃ妖怪だと気づかないだろうし、まさに最高の人材…こいつが人間側の味方でよかったわ)」


霊夢 「(このまま放っておくのはよくないわね さっさと完全体の人狼を倒した方が良さそう)」


霊夢 「それじゃ一息ついたところで奴らの集落の場所教えてもらえる?すぐにでも退治したいから」


神尾 「あぁいいよ 退治してくれるならありがたい 喜んで案内するよ」




? 「………」ザッ…













魔法の森ー人狼の集落近く



ザザァ…ザザァ…… 弱い風が魔法の森内に吹いて木々が葉をなびかせている


神尾 「…」ザッザッザッ…


霊夢 「…結構奥まで進むわね それなりに距離あるのね」ザッザッザッ…


神尾 「あぁ この森の中央に拠点を立ててんだ どこからでも効率よく森の中を出歩けるようにな」


神尾 「しかも頭がいいから強いか弱いかを見た目で判断できる お前や異変解決に関わってたやつには手を出さないが弱い人間には襲う」


神尾 「俺は利用価値があるから無理してでも仲間にしようとよく来るが返り討ちにしてる あんな奴らの仲間になるなんてごめんだ」


霊夢 「ほんとね よかったわね自分の性格と魔理沙のおかげで 協力してたら今頃退治してたわ」


神尾 「ほんとだな 自分とあいつに感謝しないとな」



…っ


神尾 「っ!!」ピクッ


霊夢 「…警戒しなさい 囲まれてるわ」


神尾 「みたいだな さすがにお前が集落に近づいてるから気づいたか」ゴキゴキッ



ガサッ


大人数の人狼 「「…」」ザッザッザッ…


人狼 「…おい神尾 てめぇなにやってんだ?」


人狼 「博麗の巫女と一緒に歩いてるたァずいぶんと舐め腐ったことしてんじゃねぇか そいつとどこ行く気だ?」


神尾 「お前たちの集落だ 壊滅させるためにな」


霊夢 「あんたらが騒ぎを起こしてる人狼ね なら全員退治させてもらうわ」


人狼 「退治する?この人数をか?馬鹿も休み休み言え!」


人狼 「この人数相手に勝てると思ってんのか?笑いものだな!」


霊夢 「そう言ってるわりには笑わないわね みんな険しい顔してるわよ」


大人数の人狼 「「………」」ジリ…


神尾 「…なぁ こいつら半殺しまでならいいか?ほんとに舐め腐ってるからよ」ビキッ


霊夢 「せめて四分一殺しにしなさい 半殺しはやりすぎよ」


霊夢 「トドメは私がするからあんたは好き勝手暴れなさい 幻想郷を管理してないやつが殺したりトドメを刺したりはしないように」


神尾 「そうか なら四分一まで殺らせてもらうよ」ゴキゴキゴキゴキッ!!!!!!


神尾… 「ウゥー…!!!!」ビリビリゴキバキベキベキッ!!!!!! 姿形が人間から変わっていき服を破き体が大きくなって毛が生えていく



人狼 「ーっな!?おま、満月じゃないのに……!!」ゾクッ!!


霊夢 「…へぇ あんた半妖のくせにそこまでいけるのね ほんとに半妖?」


神尾(完全狼) 「グオォォォォォン!!!!!!」体長四メートルぐらいある巨大オオカミの姿になる


多くの人狼 「「ーっ!!!!」」ビリビリビリビリッ!!!!!! 神尾の迫力と圧に恐れ体全体が痺れる


人狼 「マジかよ 満月以外にもなれるのは予想外だ!いつものお前なら勝機はあったのに!!」


神尾(狼) 「シュゥゥ…」スゥゥ… 息を大きく吸って腹を膨らませる


人狼 「おっおい あれなにしようとしてんだ?まさかまた騒ぐのか?」


人狼 「騒ぎで俺たちを倒せると思ったら大間ちが…」


神尾(狼) 「ガァァァァッ!!!!!!」グワッ!!



バシュゥゥゥゥンッッ!!!!!! 神尾の口から先程吸った空気で凄まじい咆哮が放たれる



多くの人狼 「「ぎゃあぁぁぁぁっ!!!!!!」」バキバキゴキベキグキグキッ!!!!!! 神尾の咆哮をもろくらい吹き飛ばされ木々に身体をぶつけて骨が折れていく


人狼 「ーっな!?」


人狼 「(なんだ今のは!?咆哮っ!?あいつ口から咆哮を放ったのか!!?)」


人狼 「(前回のときはそんなの使わなかったぞ!あん時のこいつは全力じゃなかったのか!!)」


人狼 「なっなんだ今のは!?みんな吹き飛ばされたぞ!!」


人狼 「あんなの見たことねぇ!!あいつの能力か!?」



霊夢 「…さすがにそれは予想外ね あんた意外にやるじゃない」


神尾(狼) 「グルルル…!!」フゥー…



人狼 「がはぁっ!!は、はらが……!!」ズキズキ…


人狼 「腕がっ腕がァァー!!」プラーン…


人狼 「っ……っ………」ゼェ…ゼェ…… 胸部にもろ木にぶつかり呼吸がしにくくなっている


人狼 「ーっ…に、逃げろ!!」


人狼 「いやだっ!!死にたくない!!」ザッ!!


人狼 「犬死はいやだっ!!犬死はいやだっ!!」ザッザッザッ!!…


人狼 「おっおい!!おまえら逃げるな!!」


人狼 「目の前の敵を倒さないでどうする!目的果たさないで帰ったら親分にドヤされるぞ!!」


人狼 「殺されるならドヤされた方がマシだ!!俺は死にたくない!!」


人狼 「撤退だ!!撤退しろーっ!!」ザッザッザッ!!…


多くの人狼 「「うわぁぁぁぁっ!!!!」」ザッザッザッ!!…


人狼 「止まれお前ら!!逃げるなっ!!!!」



神尾(狼) 「シュゥゥ…」スゥゥ… もう一度息を吸い始め腹の中に貯める


人狼 「ーっくそ!!今度こそぶっ殺してやるからな!!」ザッザッザッ!!…


シーン… 多くの人狼は全員その場から離れ撤退する



神尾(狼) 「シュゥゥ…フゥー……」ハァー… 貯めていた空気を全て吐き出し通常に戻る


霊夢 「…全員逃げたわね 逃げ足が速いこと」


霊夢 「あんたもその狼化を解除しなさい その状態だと話せないでしょ?」


神尾(狼) 「…いや、普通に話せるが」


霊夢 「あっ話せるの?でも図体でかいから元の姿に戻ってくれるとありがたいんだけど」


神尾(狼) 「……えっと、そうしたいのはやまやまなんだが 元の姿に戻ると……その」アセアセ


霊夢 「? なによ」


神尾(狼) 「……素っ裸になる 着てた服全部破ってこうなったから」


霊夢 「あー…そういうことね それはこまるわね」


霊夢 「ならこのまま行くしかないわね ちょうどいいから乗せなさいよ」


神尾(狼) 「いや俺乗り物じゃないんだが…まぁいいか あぶないからしっかり毛掴めよ」スゥ… その場にしゃがみこんで乗りやすくする


霊夢 「…意外にもサラサラしてるわね もっとゴワゴワしてるかと思ったわ」サラサラ…


神尾(狼) 「そうか?自分の毛並みなんてたしかめたことないからわからん」


神尾(狼) 「それよりも早く乗れ あいつら全員逃げるぞ」


霊夢 「そうね それじゃ行きましょう」ヨット


神尾(狼) 「しっかり掴まってろよ!」ビュンッ!!


霊夢 「ちょっはや!!」グワンッ あまりにも早くて風の抵抗を受けて後ろに体が傾く


ザッザッザッ!!…








人狼の集落



ザッザッザッザッザッザッ!!!!


神尾(狼) 「着いたぞ ここがあいつらの集落だ」ザッ!!


霊夢 「…こんなところに集落あったのね 全然知らなかったわ」ヨット


霊夢 「しかも上も木々に覆われてるじゃない 上手く隠したものね」


神尾(狼) 「……半分以上は治したのか かなり破壊したんだがな」


霊夢 「………」ヒュー…


神尾(狼) 「……気配がないな 一足遅かったようだな」


霊夢 「そうね 妖気はかなり残ってるけどいる気配がないわね」ザッザッザッ…


霊夢 「追えば間に合うかしら あなたに乗って行けば間に合うと思うけど」


神尾(狼) 「構わないが村長を直で狙わないと事態は収まらないぞ あいつらは村長の指示で動くから指導者を倒さないと」


霊夢 「そいつの顔は見た事あるのよね ならちょうどいいわ」ヨット 再び神尾の背中に乗る


霊夢 「このままそいつのところに行くわよ あんた狼だから鼻いいでしょ?臭いで追いかけなさい」


神尾(狼) 「図々しいなおまえ…まぁ目的は一緒だからいいけどよ」


神尾(狼) 「しっかり掴まってろよ さっきよりも早く走るからな!」ダンっ!!


霊夢 「走る前に言いなさい!!」グラッ


ザッザッザッ!!!!…








魔法の森



ザッザッザッザッザッザッザッ!!!!


神尾(狼) 「ーっ…」ザッザッザッ!!…


霊夢 「…ねぇ あんたちゃんと追っかけてるわよね?」


神尾(狼) 「……正直言っていいか?」ザッザッザッ…


霊夢 「いいわよ 私もわかってるから」


神尾(狼) 「なら言わせてもらう あいつらいろんなところに臭い拡散させて追えてない!!」


霊夢 「やっぱりね 私も妖気が至る所から感じ取れて全然わからないわ どこいったかまったくわからない」


神尾(狼) 「お前もか なら一旦止まるか」ザッザッザッ


霊夢 「…奴らも考えたわね 妖気を出しまくって至る所を走り回ったことで追えなくさせるなんて」


神尾(狼) 「匂いも拡散されてどこから臭ってくるのかまったくわかんねぇ 奴らのくせに生意気だ」


霊夢 「追えないんじゃ仕方ないわね 一回戻りましょ」


神尾(狼) 「そうだな」








神尾の家



霊夢 「はぁ…惜しかったわね あん時に奴らを捕まえておくべきだったわ」


神尾 「しかたないさ 奴ら逃げ足だけは早いんだ 追うこと自体が難しかったんだから」


神尾 「だがまさか集落を捨ててまで逃げるとは思わなかった よっぽどお前と戦いたくなかったんだな」


霊夢 「それどういう意味かしら?喧嘩売ってんなら買うわよ」


神尾 「売ってねぇよ そんなことしたら自分の首締めるだけだろ」


神尾 「…村長のやろう あいつどこ行きやがった?あいつさえとっ捕まえられれば解決できたのに」


霊夢 「…ねぇ その村長の特徴って教えてもらっていいかしら?あと村長がいなくなったら次のやつが出てくるんじゃないの?」


神尾 「出てくるがそんな早くは出てこない 群れで動いてる場合はまず最初に強者争いが始まる」


神尾 「自分が強いことを証明するために群れてるやつと全員戦い、負けたらそいつの配下に着く」


神尾 「もちろん配下に着きたくなければ逃げればいい そうすれば弱腰のやつは仲間にされないかららくらくと逃れられる」


神尾 「…だが一度群れて集落を立ち上げるほどまでいったら話は別だ そこまで行って頭がやられたらそう簡単には立て直せない」


神尾 「新しい頭を決めるにしてもその集落のみんなで強者争いをしないといけない 集落となるとかなりの人数だから時間がかかる」


神尾 「時間かかるだけじゃなく一度崩壊した集落に留まりたいと思うやつはどのくらいいるかな?半数は思わないだろうな」


神尾 「だから捕まえるなら村長を抑えたかった 逃したのがほんと痛い」


霊夢 「…なるほどね あなたたち人狼にはそういう習慣があるのね」


霊夢 「でもあなた一度集落を襲って半壊させたのよね?なんでその時に長にならなかったのよ」


霊夢 「長になっちゃえば自分の好きなようにできたのに 命令すれば人間を食べることをやめたかもしれないわよ」


神尾 「あいつらがそんな簡単に命令聞くとは思えないがな 今まで人間を主食としてきた奴らが食べるの禁止だと言っても無視するだろ」


神尾 「それに集落まで立ち上げた奴らが横槍で長になった俺を称えるとは思えないしな 内部で反対派が出てきても変じゃない」


神尾 「そんなことになるならあいつらとは関わりを持たないでひとりで普通に過ごした方がいい あんな奴らと関わるとめんどうだからな」


霊夢 「ふーん…」


神尾 「…今後どうするか あいつらの事だからまたどっかに集落を作って立て直すだろ そしたらまた面倒なことになる」


神尾 「まだ完全崩壊してないから修復するのも楽だろうな またどっかに集落を作ればすぐ再会できる」


神尾 「そうなるとおそらく今まで以上に活発に動くぞ 集落を捨ててまで逃げたから必要な物資や食料を何がなんでも集める」


神尾 「食料はもちろん人間だから早い期間で多くの人間が死ぬだろ 百体はいるからかなり人間の数が減るぞ」


霊夢 「それは避けたいわね この幻想郷のルールも知らない奴が勝手なことするなんて言語道断、被害が拡大する前に止めたいわ」


霊夢 「…あんたは完全な人間の姿に化けれるのよね」


神尾 「完全なって…悪いが俺はこれが普通の姿だ 狼要素を出すときが化けてるときだ」


霊夢 「……っえ そうなの?」


神尾 「あぁ 半妖と言っても人間の方が強いみたいで姿は人間のままなんだ 見た目だけで判断するなら人間に見えるだろ」


神尾 「でも妖気を感じ取られるとバレるけどな 人里でなんか買い物とかしたいがバレた時のことを考えるとめんどうだし」


霊夢 「…あんまり言っていいことじゃないんだけど、人里には意外に妖怪出入りしてるわよ バレないように姿は隠してるけど」


神尾 「えっそうなのか?てかいいの?」


霊夢 「基本だめよ 問題起こさなければ目をつぶってるだけ あんたは平気そうだからこのこと話したけど」


霊夢 「妖気で気づくやつは何人かいるけど数少ないわ バレても問題起こさなければなにも言ってこないはずよ」


霊夢 「まっ言ってきたら私の名前を出すといいわ 私から許可もらってると言えば大抵の奴は黙るから」


神尾 「いやそれしたらお前の評判悪くなるだろ 基本ダメなのに出入り許可したなんて知られたらなに言われるかわからないぞ」


霊夢 「言ってきたらぶっ飛ばすから平気よ 私に叶うならかかってきなさい」


神尾 「洒落にならないからお前から許可出たことは黙っとくよ 許可と言うよりしてる奴もいるって聞いただけだが」



コンコンっ


おーいかみおー いるかー?


神尾 「っん 魔理沙か いるよ」


っお!いるか それじゃ中に入るぜ!ガチャッ


魔理沙 「おーっす!神尾 げんきか?遊びに来たぜ!」


神尾 「いや遊びに来たって…目つけられると面倒だから来んなって言ってんのに」


霊夢 「それが魔理沙よ いちいち気にしてたらキリがないわ」


魔理沙 「あれ?霊夢 なんでお前がここに?」


霊夢 「人狼の集落を壊滅するために来たのよ あんたからこいつのこといろいろ聞いたから役に立つと思ってね」


神尾 「役に立つって…言い方よ」


魔理沙 「壊滅できたのか?」


神尾 「残念ながら逃げられた 向かう途中で奴らが襲ってきてな 足止めされてる間に頭は逃げた」


神尾 「あいつさえ捕まえられればよかったんだが…姑息な真似をしやがって」


魔理沙 「…そうか てことはまだ奴らに目をつけられた状態か」


魔理沙 「霊夢にはなにもされてないよな?こいつは妖怪相手なら誰でも容赦なく退治するから」


霊夢 「機嫌が良ければしないときもあるわよ しつれいね」


神尾 「それはそれでどうなんだ…?」


神尾 「まぁなんもされてないから安心してくれ 妖怪だがむしろ協力して奴らを根絶やしにしようと行動した仲ではある」


魔理沙 「そうか ならいいんだが」


神尾 「っと お茶出すの忘れてたな 今用意するから座っててくれ」カタッ


魔理沙 「おっサンキュー!」








夜ーとある森林地帯



ザザァ…ザザァ…… 木々が生い茂っていて風で靡(なび)いている



親分 「……全員集まったか?」


数多くの人狼 「「………」」ズラッ!!!!


人狼 「はい 何十匹かは逃げましたがさほど影響はないかと」


親分 「逃げたやつを見つけ次第連れ戻せ 少しでも役に立たせる為に利用する」


親分 「お前らよく聞け!!」


数多くの人狼 「「………」」


親分 「俺たちは今まで集落を作り、人間を攫っては食料にしてきた 人間がどれだけ俺たちにとって大事かお前たちもわかってるはず!」


親分 「妖怪の山の連中や他の妖怪共を誘ってきたが誰ひとり乗る奴はいなかった 人間を滅ぼしちゃいけないと言われ断られた!」


親分 「人間なんて食料のためにいる!滅びたところで繁殖所など作ればいい話!奴らはそれに耳を傾けようともしなかった」


親分 「なら俺たちの手で人間を支配し他の妖怪共を滅ぼす!そうすれば俺たちは永遠に人間を食べていられる!!」


親分 「そのためにはお前たちの協力が必要だ 強大な敵はかなりいるがそいつらを倒せば我ら人狼族はこの幻想郷を支配できる!!」


数多くの人狼 「「おおっ!!」」


親分 「まず手始めに…と言いたいが、まずは食料の調達が必要だ 集落を捨ててしまったからかなりの量がだ!」


親分 「人里から出てきた人間を片っ端から攫って食料にする 里の中までは入ることができないから絶対に入るなよ!入って騒ぎを起こしたら警戒されて人間が出てこなくなる」


親分 「今から役割分担を決める 決められたら心してかかれ!!」


数多くの人狼 「「おぉーっ!!!!」」













数ヶ月後…



人里ー慧音の家



慧音 「なにっ!?また行方がわからなくなっただと!」


妹紅 「あぁ 山菜を取りに行った十人組が全員一昨日から戻ってないみたいなんだ」


妹紅 「距離もそう遠くない場所だから人喰い妖怪が人里近くまで来るとは思えないんだが…」


慧音 「ーっ…これで二十人目だぞ かなり警戒してるのにどうやって攫ってる?」


慧音 「憲兵団の警備もかなり強くしてるというのに…ここまで来ると攫ってる奴らは知能が高いな」


妹紅 「おそらく高いだろ 里の外も警備してる憲兵団が誰ひとりとして問題起こしてる妖怪を見てないんだ しかも十人全員襲ったとなると複数いる」


慧音 「複数居て知能持ちか…かなり厄介だ 里の皆にしばらく里の外に出ることを禁じよう」


妹紅 「そうすると外からの作物や物資なんか来ないぞ 向こうから届けてくれればいいけどこっちから取ってくることが多いのにそれしなくなったら…」


慧音 「……人がいなくなるよりかはマシだ 物資調達は腕の立つものたちに任せよう」


妹紅 「里にいる連中じゃムリだな 霊夢や早苗に頼めば持ってきてくれるだろうけど圧倒的に人材不足だ 頼んでも焼き石に水だ」


妹紅 「私も手伝ってもたかが知れてるしそれなりに人数集めないと…」


慧音 「………」


妹紅 「…とりあえず私は里の外に出て人間を襲ったやつを調べてくる 霊夢と早苗にも伝えてくる」ヨット


慧音 「すまない 助かるよ」


妹紅 「…あまり責任を感じるなよ あんたはただでさえ責任感が強いからいつまでも悔やんでると疲れるぞ」


慧音 「…悔やむなと言う方が無理だろ 事前に警戒していれば防げたことなのに」


妹紅 「……元凶を捕まえたら懲らしめないとな 生きて返すかは別として」


慧音 「……霊夢にバレないようにしないとな もしそうするなら」


妹紅 「そうだな」








神尾の家



神尾 「…そうか また攫われたか」


神尾 「やつら食料を蓄えてるな 一気に総攻撃できるように力を付けてる」


神尾 「なにに対して総攻撃するかはわからないが早めに対処した方がいいな このままだとさらに犠牲者が出るぞ」


霊夢 「それはわかってるわ 私もなんとかしようとしてるんだけど奴らの居場所が掴めないのよ」


霊夢 「見張ってるときには姿表さないし妖気もばらまかれて追跡できない…せめてどこの方向かさえわかれば追えるのに」


神尾 「俺も確認してるが妖気と一緒で臭いもそこらにばらまいてるから全然追えない 相当警戒心が強くなってる」


神尾 「一匹でも捕まえられれば拷問かけて居場所聞き出すのに…その一匹ですら捕まらねぇ」


霊夢 「なにか良い方法ないの?同じ人狼なら行方がわかるような証拠ないの?」


神尾 「俺は単独だからな 群れで動いてるやつならあるが集落を持つほどの奴らはそれを克服してるから証拠という証拠がない」


神尾 「群れと違って頭が変わることがほぼないからそいつの言いつけですべてが変わる あいつは頭良いからよっぽどガサツな部下じゃないと残さないぞ」


霊夢 「…まいったわね ちゃっちゃと残してくれればいいのに」


神尾 「まったくだ 残してくれれば俺も対処できるのに」


霊夢 「しばらくは人里に近づかないで 下手に近づくと疑われるわ」カタッ


神尾 「安心しろ 元々人里には近づかないようにしてる 行こうとも思ったことないが」


霊夢 「あら そうだったの?教えた日から言ってるもんだと思ってたわ」


神尾 「いろいろとめんどくさいんだよ 見た目は人間だが妖気でバレたらめんどうだからな」


神尾 「そこで説得しても信じてもらえなければ意味がない 下手に騒ぎを起こすくらいなら行かない方がマシだ」


神尾 「いろんなものが売ってるのは魅力的なんだけどな 日用品だけなら香霖堂で揃えてるから最低限平気だが…あそころくなの置いてないんだよ!ほとんどガラクタだからおもしろくねぇ」


神尾 「しかも外の世界から流れてきたよくわかんないものも売ってるしよ 挙句の果てには使い方を知らないとか商売する気あんのかよ…」ハァ…


霊夢 「霖之助さんはいつものことよ 使い方がわかったら非売品にして保存しちゃうから利益なんてないようなものよ」


霊夢 「しかも壊れてても普通に売るからおっかないわ 人は良いんだけどね」


神尾 「変わり者だけどな」



ガチャッ


魔理沙 「おいーっす!遊びに来たぜー!」


神尾 「ノックぐらいしろ 最近普通に入ってきてるがここ俺の家だからな」


魔理沙 「そんな細かいこと気にするなよ!それより霊夢も来てたのか なにしてたんだ?」


霊夢 「最近人狼が活発化してるからそれの対策よ 半妖である神尾に協力してもらってるの」


魔理沙 「…やっぱり最近人里で襲われてるのはあいつらの仕業か 今のところ上手くいってるのか?」


神尾 「残念ながらまったくだ 奴らの足取りがつかめなくて困ってる」


霊夢 「妖気も臭いも分散されて後を負えないのよ どこを根城にしてるかも分からないから難航してるわ」


魔理沙 「見張っててもだめなのか?」


神尾 「見張ってるとバレてるみたいでな その場所に来ないんだ」


神尾 「変なところで警戒心が強いからふざけた野郎たちだ こうなる前にカタをつけるべきだった」


霊夢 「今さら遅いわ それにあんたがやったら私はあんたを退治しなくちゃいけなくなるわ」


霊夢 「私以外のやつが問題事起こしたら問答無用で退治することになる だから余計なことはしないで」


神尾 「…博麗の巫女が妖怪の俺に警告してくれるのか 肩を入れて平気なのか?」


霊夢 「別に肩入れてるわけじゃないわ あくまでも警告よ」


霊夢 「この幻想郷のことをよく知ってるやつなら問題は起こさないんだけど知らない奴は問題を起こすの」


霊夢 「でもその事を知ったらそれを利用して悪事を働かそうとする馬鹿なヤツらが現れるから信用してない奴には言えない …あんたのことはそれなりに信用してるんだけど、まだ会って間もないから…」


神尾 「気にするな 別に信用してもらおうなんて思ってない 半妖の時点で人間と仲良くしようなんて無理な話だ」


神尾 「今回だってお互い人狼共に頭抱えてるから協力し合ってるだけの関係 利用して利用されの状態だからそれ以上の関係は求めてない」


魔理沙 「…寂しいこと言うんじゃねぇよ 私はお前のこと信用してるぜ」


魔理沙 「人間とは関わらないようにしてるのに私や霊夢には普通に接してんだから私たちぐらい仲良くしてくれよ」


神尾 「あっいや…別に仲良くしたくないわけじゃない ただ妖怪と人間じゃ関係を築くのが難しいという意味で言ったんだ」


神尾 「ただでさえ人間は妖怪を恐れてるのに襲わないから仲良くしようなんて言っても信用してもらえないだろ?」


魔理沙 「そんなことない 信用できるやつなら妖怪でも仲良くやってるぜ」


魔理沙 「里の連中だって一部の奴らは妖怪と仲がいい 妖怪だからってみんな敵として見てるわけじゃない」


魔理沙 「だから変に言うのやめろ お前はそういう意味で言ったわけじゃなくても私たちにはそう聞こえるぜ」


神尾 「…わるい そう聞こえたなら謝るよ」


魔理沙 「霊夢 こいつなら信用できるぜ?話してもいいんじゃないか」


霊夢 「………」


神尾 「魔理沙、霊夢を困らせるな 別に無理して聞きたいわけじゃない」


神尾 「話せないなら話せないで別に構わない 話せるときが来たら聞かせてくれればそれでいい」


魔理沙 「でもよ…」


霊夢 「…ならこの騒動を解決したら全て話すわ あなたが最後まで協力してくれれば完全に信用する」


霊夢 「今の段階でもそれなりに信用してるから敵だとは思ってないわ もっと仲を深めるためにこれからも協力してちょうだい」


神尾 「協力するのはもちろんだ あのバカどもを蹴散らせるなら喜んで協力する」


神尾 「俺も期待してるよ 博麗の巫女」


霊夢 「名前でいいわ 普通に呼んでちょうだい」


神尾 「…そうか?わかった」


神尾 「それじゃ改めてよろしくな 霊夢」


霊夢 「えぇ よろしく頼むわ」


魔理沙 「わたしも協力するぜ!いいよな?」


神尾 「俺は構わないが…」チラッ


霊夢 「魔理沙なら平気でしょ いいわあなたも加わって」


魔理沙 「よっしゃー!霊夢から許可が出たぜ これで容赦なくマスパぶっぱなせる!!」


霊夢 「あんたいつも放ってるでしょ 今さら何言ってるのよ」


神尾 「たしかに」


魔理沙 「おいおい人を辻斬りみたいに言うんじゃねぇ いつもは放ってねぇよ」


神尾 「まっ魔理沙ならいろいろ異変解決してるから平気だろ ちゃんと考えて行動もしてくれてるからな」


霊夢 「異変解決を勝手にやってると言った方がいいわ 基本頼んでないもの」


魔理沙 「暇だからやってるだけだぜ!」ドンッ!!


神尾 「いや暇だからって…」


霊夢 「まっそういうわけだからよろしくね」








夜ー人里門前



自警団 「………」パチパチ… 焚き木を付けて門番をしてる


自警団2 「…寝るなよ?寝たら殺されるぞ」


自警団 「わかってる ちゃんと起きてるから安心しろ」


自警団 「しかし物騒なことになったな 今までこんな地味に被害が拡大していく異変なんてなかったから警戒するのが遅れた」


自警団2 「まったくだ 異変を起こすヤツらはみんな一気にやろうとしてたからな ここまで地味なのはいなかった」


自警団2 「慧音さんたちも動いてはいるがあの方たちだけじゃ大変だからな 俺たちも頑張らないと!」


自警団 「そうだな 気を引き締めないと!」



…フヨォ……


自警団 「……っん?」スンスンッ


自警団2 「どうした?」


自警団 「……なんか臭わないか?」


自警団2 「………そうか?なんも臭わないと思うが」スンスンッ


自警団 「いやなんか臭いするよ なんだこの臭い?なんか鼻にツンとくるような臭いが……」ボー…


自警団2 「……ほんとだ そう言われるとなんか臭いが………」ボー…


自警団 「……っ」フラァ…


自警団2 「っ……」ヨロ…



バタンっ…


自警団 「すぅ…すぅ……」


自警団2 「すぅ…すぅ……」




……ガサッ


人狼 「…やっと寝たか もっと早く寝ろよまったく」


人狼 「だがこれで運べるな さっさと運ぼうぜ」


人狼 「あぁ 誰かに見つかる前にな」ザッザッザッ…


人狼 「……まて なんか来る」


全人狼 「「っ!!」」



…なるほどな こうやって人間を拉致してんのか ほんと、お前ららしいやり方だな


神尾 「まったく姑息なやり方は昔と変わらずか 呆れて笑いも出ねぇよ」ザッザッザッ… 暗闇の中から歩いてきて姿を現す


人狼 「…神尾 てめぇなんでここに?」


神尾 「てめぇらの動きを見るために決まってんだろ 最近里の住民が拉致られてるって聞いてな」


神尾 「こんなことするのはお前らしかいねぇからな 警戒してたみたいだが同じ人狼の臭いなら多少誤魔化すことぐらいどうってことない」


人狼 「ーっ…おい警戒班!!てめぇらなにやってやがる!」


人狼 「あぁ?無茶言ってんじゃねぇよ こっちだって真剣にやってるわ!」


神尾 「見苦しいな仲間割れなんて まぁお互いぶつけ合ってくれれば俺も楽になるからいいんだが」


神尾 「…さてと、俺は別にそこの人間なんてどうでもいいんだが お前らが悪事働くと俺まで被害受けるからな」ゴキゴキベキグキ…!!!!


神尾(…) 「お前ら全員ぶっ殺してやる!!」ビリビリビリビリッ!!!!!! 筋肉が盛り上がっていき服が全て破ける



人狼 「やべぇ!全員逃げろ!!」


全人狼 「「っ!!」」ザッ!! 全員 一目散に人里から離れ…



神尾(狼) 「ガァァァァーッ!!!!」クワッ!!!!


全員 「「ーっ!!?」」ビクゥっ!!!! 神尾の雄叫びと気迫で全員その場に立ち止まる


人狼 「(やっやべぇ…動けねぇ!!)」ガクガク…


人狼 「(まずい このままだとやられる!!)」ガタガタ…



なんだ!?里の外からなにか聞こえたぞ!!(里の中にいる人間たちが神尾の雄叫びに飛び起きて反応し出す)


なにかの雄叫びか?急いで見に行くぞ!!



人狼 「やべぇ!!全員早く動け!!」


人狼 「そ、それが…!!」ガクガク…


人狼 「からだが…動いてくれねぇ……!!」ブルブル…


神尾(狼) 「逃がさねぇと言っただろ 全員この場で殺してやる!!」グルルル…


人狼 「ーっのやろう!!」ギリッ!!



ガチャガチャザザザザっ!!!!!!


自警団 「おいだいじょうぶか!生きてるか!?」ザッザッザッ!!


自警団 「ーっ!? な、なんだこいつら!?」



人狼 「(ヤバいっ!!見つかった!!)」


人狼 「り、リーダー!!あんただけでも逃げろ!このことを報告してくれ!」


人狼 「そうだ!親分に伝えてくれ!」


人狼(…) 「お前ら置いていったところでバレたら意味ねぇんだよ!…くそ しかたねぇ!!」ゴキゴキベキグキ!!!! 神尾と同じく全身の筋肉を盛り上げさせて姿が変わっていく



神尾(狼) 「…ほう?お前も本気出すか おもしれぇ!」


人狼(完全体) 「ウォォォォーンっ!!!!」クワッ!! 全身2.5m級の完全な狼になる


自警団 「ひぃぃっ!!!!」


自警団 「おっ狼妖怪が二匹も!!」


自警団 「おぉ恐れるな!!中に入れるな!俺たちの手でなんとかするんだ!!」


神尾(狼) 「ヒュォォー…!!!!」スゥゥ… 思いっきり息を吸って腹の中に空気を溜め込む


人狼(完全体) 「ガゥゥッ!!!!」バっ!!!! 神尾の攻撃が来る前に襲いかかろうと…


神尾(狼) 「ガァァッ!!!!」グワッ!!



バシュゥゥゥゥンッ!!!!!!!!


人狼(完全体) 「ガァァァァーッ!!!!!」ズバズバズバズバッ!!!!!! 咆哮の渦の中に巻き込まれて風で身体中が切られていく


人狼 「リーダー!!」



自警団 「なっなんだ!?狼妖怪同士で戦ってる!?」


自警団 「なんでだ 仲間じゃないのか?」


自警団 「だけど好都合だ!いけー!やっちまえー!!」


神尾(狼) 「グルルル…」



人狼(完全体) 「ガァァ…グゥゥ……!!」ドバァ…!!!!


人狼(完全体) 「(バ…かな 前回の時と比べ物にならない…!!)」ズキズキ…


人狼(完全体) 「(まずい このままだとみんなが…!!)」ググッ!!


神尾(狼) 「……」ズシズシズシズシ… でかい図体を動かしてリーダーに近づいていく


人狼(完全体) 「っ…ぐふ まだだ、まだ…やれる!」ギリッ


人狼(完全体) 「俺がやられたら…こいつらがやられる!そんなことはさせねぇ!!」スクッ… 血まみれになりながらも立ち上がる


人狼(完全体) 「完全体の人狼が半妖なんかに負けるわけにはいかねぇんだよ!!」ガゥゥッ!!


人狼(完全体) 「早く逃げろお前ら!!親分にこのことを伝えて今後のことを決めろ!!」


人狼 「ーっ…わかりました!」ザッ!! リーダーの一声で全員その場から離れようと…


神尾(狼) 「逃がすかよ!!」ジャキッ 前足から鋭い爪をむき出しにし構える


神尾(狼) 「ふんっ!!!!」ブンッ!!!!



ズバンッ!!!!


数多くの人狼 「「がァァァっ!!!!!!」」ドバァッ!!!! 神尾が振りかざした爪からかまいたちが発生して人狼たちを切り刻む


人狼(完全体) 「ーっな!!?おまえらっ!!」


人狼(完全体) 「(爪からかまいたちを出した!?うそだろ!!こいつまだ技を隠し持ってやがったか!!)」


人狼(完全体) 「ーっなめやがってぇ!!」バッ!! 再び神尾の方へ飛びかかり襲いかかる


神尾(狼) 「…ふんっ!!!!」ブンッ!!!!



グシャァッ!!!!!!


人狼(完全体) 「ぶへぇっ!!!!」思いっきり顔面に拳を入れられる


人狼(完全体) 「(こっこぶし…その手で拳作れるのは予想外……!!)」


神尾(狼) 「自ら突っ込んできてくれてありがとよ おかげでもろ入れられたぜ!」


神尾(狼) 「これで終わりだと思うなよ!!」バキバキゴキベキグキゴスッ!!!!!!


人狼(完全体) 「うごぉっ!!!!!!」グシャベキベキボキゴキバキッ!!!!!! ありとあらゆる場所を殴られて骨が折れたりヒビ入ったりする



人狼 「リーダー!!」


人狼 「そんな…リーダーが!!?」


憲兵団 「いいぞ!やっちまえー!!」


憲兵団 「状況はわからんがもっとやれー!!」



神尾(狼) 「ふんっ!!」ボキボキボキッ!!!!


人狼(完全体) 「ぐぇぇっ!!!!」グシャァッ!!!!ズシャァァァ… 溝に拳を入れられて肋が砕け地面に転げ落ちる


神尾(狼) 「…ふぅ やっぱこれだけ殴り続けると疲れるな さっさとやられてればいいものを」スゥ…


人狼(完全体) 「っ…っっ………」ピク…ピク……


人狼(完全体) 「(か…体がっ息が………)」ゼェ…ゼェ……


神尾(狼) 「さてと、それじゃ次はてめぇらをやる番だ!散々人間を食ってきたんだから自分たちが殺される覚悟は出来てるよな!!」クワッ!!


人狼 「「ひぃっ!!!!」」ゾクッ!!


人狼 「(うぅ動けっ!!動けっ動けよ!!)」ガクガク…


人狼 「(動かないと殺される!動かないと殺される!動かないと殺される!!!) ガタガタ…」


人狼 「(身体が⋯動いてくれねぇ!!たのむ⋯動けよ!!)」


神尾(狼) 「それじゃ全員死ね!!」ジャキッ 爪を出して全員殺す気で⋯



待ちなさい神尾 それ以上はダメよ


神尾(狼) 「っ!!」ビタッ



霊夢 「よっと 間に合ったわね」ヒュー⋯スタッ 空から降りてきて神尾の前に着陸する


憲兵団 「はっ博麗の巫女!!」


憲兵団 「来てくれたか 早くそいつらを退治してくれ!」


霊夢 「わかってるわよ」バッ!!



御札 「「」」ペタペタペタペタッ⋯ 霊夢が飛ばした御札は人狼の背中に一枚ずつ貼られていく


霊夢 「あんたら程度に夢想封印使うまでもないわ その場で倒れてなさい」キィンッ!!



人狼 「がっ⋯あ、あぁ⋯⋯!!」ガクガク⋯


人狼 「体が⋯痺れ⋯⋯」グラッ⋯


人狼 「立てな⋯⋯い⋯⋯⋯」バタンッ⋯


全人狼 「「っ⋯⋯」」ビリビリ⋯ 全員霊符の効果で痺れて動けなくなり倒れる


霊夢 「しばらくそこで這いつくばってなさい」


霊夢 「⋯さてと」クルッ



神尾(狼) 「⋯⋯⋯」


霊夢 「⋯少し大人しくしてて 憲兵団が見てるから」ヒソヒソ


神尾(狼) 「⋯」コクンッ


霊夢 「あんた達よくやったわね こんな大人数の妖怪相手に立ち向かうなんて」


霊夢 「私が来るまでがんばったわね ありがとう」


憲兵団 「いっいえ 人里を守るためですので当たり前のことを⋯」


憲兵団 「⋯それで、そこの妖怪は敵、ではないですよね?」


憲兵団 「妖怪同士でケンカして我々を助けてくれたように感じましたが」


霊夢 「こいつは私の使い魔よ 妖怪のように見えるけど式神よ」


神尾(狼) 「っえ」


憲兵団 「式神!?妖怪じゃないんですか?見た目が完全に人狼の類かと思ったんですが」


霊夢 「あんたたち見た目で判断できるの?例で言うならならルーミアとか見た目人間じゃない」


憲兵団 「あったしかに」


霊夢 「私は別のところで見張ってこいつにはここらへんを見てもらってたのよ そしたらやっとネズミ共が罠に引っかかったわ」


霊夢 「まったく手こずらせて⋯こいつらの身柄は私が預かるからあなた達は戻って休みなさい あとはやっとくから」


憲兵団 「はっはい わかりました」


憲兵団 「それではすみませんがお願いします みんな戻るぞ!」


ザッザッザッ⋯



霊夢 「⋯⋯⋯」


神尾(狼) 「⋯使い魔で通すか 俺ただの半妖なのに」


霊夢 「しょうがないでしょ 下手に言うとあんたが妖怪で安全なんて知られたら人里の人たちが妖怪に対する目線が変わるじゃない」


神尾(狼) 「変わっちゃいけないのか?」


霊夢 「だめよ 変わると妖怪はこの世界で存在を⋯⋯っ!」ハッ


神尾(狼) 「⋯存在を、なんだ?」


霊夢 「な、なんでもないわ それよりこいつらを運ぶの手伝いなさい」


神尾(狼) 「? わかった(存在がなんだろ?気になるな)」











霊夢 「⋯ふぅ これでまとまったわね」


神尾(狼) 「まさかこの姿でこいつらの身動き封じるなんて思わなかったぞ⋯てか御札使ってるなら紐で縛る意味ないだろ」


霊夢 「まぁね でも一応念のためね」



人狼 「⋯⋯⋯」両手両足紐で縛られ、御札も貼られて身動きできない


人狼 「⋯情報なら吐かないぞ」


霊夢 「あぁ別にいいわよ あんたらから吐かせようと思ってないから」


人狼 「⋯なに?」


神尾(狼) 「⋯俺がやるか?人間のお前がやるより妖怪の俺がやった方がいいと思うが」


霊夢 「あらそう?なら頼もうかしら ここでやることは黙認するわ」


神尾(狼) 「そうしてくれると助かる 殺さない程度にやってやるよ」ズシズシズシ⋯


霊夢 「おねがいね」ザッザッザッ⋯



人狼(リーダー) 「っ⋯⋯なに、する気だ⋯⋯?」ゼェ⋯ゼェ⋯ ある程度治療されて意識を取り戻している


霊夢 「こうするのよ とりあえず音遮断」キィンッ!! 自分の周りに防音結界を張る


神尾(狼) 「⋯さて、誰かな行くかな?」ジロッ


人狼 「な、なにする気だ!」ビクッ


神尾(狼) 「なにって⋯こうすんだよ!」ググッ⋯



ーっぼすぅ!!!!


人狼 「がはぁっ!!!!」バキバキッ!!!! 胸部をぶん殴られて肋骨が砕ける



人狼(リーダー) 「ーっな!?」


神尾(狼) 「お前が吐かない限りこいつらを一匹ずつ骨折っていく 部下共よりもお前の方が情報持ってるだろうからな」


神尾(狼) 「仲間思いみたいだからそれを利用する 吐かない限り一匹ずつ死ぬ一歩手前まで痛みつける」ボスゥッ!!


人狼 「うぐぅっ!!!!」バキバキビチャァッ!!!! さらに肋骨を折られて肺に骨が刺さり血を吐く


神尾(狼) 「はい次は腕」バギィっ!!


人狼 「がぁぁぁっ!!!!」ズキンッ!!!!


人狼 「ひっひぃぃ!!!!」ガクガクッ!!!!


人狼 「りっリーダー!!おぉ俺たち、死にたくない!!」ガタガタッ!!!!


人狼(リーダー) 「や、やめろ!!そいつらには手を出すな!!」


人狼(リーダー) 「やるなら俺をやれ!!そいつらよりも情報持ってるのは俺なんだぞ!!」


神尾(狼) 「だからだよ 今のお前ボロボロだから下手したら死ぬだろ?だからこいつらでやってんだ」バギィっ!!


神尾(人狼) 「それに仲間思いのお前が目の前で仲間が傷つけられていくのを見て耐えられるか?耐えられないよな!」 アァーッ!!!!


神尾(人狼) 「これ以上傷つけられたくないならさっさと吐いちまえよ そうすればやめるから」


人狼(リーダー) 「ーっ…のやろう!!」ギリッ!!



人狼 「ーっ…り、リーダー!おぉ俺たちのことはいいから!なにも喋らないでくれ!!」ガチガチ…


人狼 「そうだ!殺されることはないんだ 命さえあればいくらでもやり直せる!!だから…」


神尾(狼) 「じゃあ殺すわ」ブチィッ!!


人狼 「……っえ」ブシャァァァ!!!!… 右手をもぎ取られて血が吹き出る


人狼(リーダー) 「ーっ!!」


霊夢 「ちょっ神尾!!あんた!!」


神尾(狼) 「そんな風に思われるほど舐められちゃぁ腹が立つ もう容赦しねぇ」ガシッ


神尾(狼) 「殺されない?んなわけねぇだろ 殺そうと思えばてめぇらなんか全員殺せんだよ!!」ブチィッ!!


人狼 「がぁぁぁっ!!!!!!」ブシャァァァ!!!!… 左手ももぎ取られて血が吹き出る


人狼(リーダー) 「ーっやめろ!!話す 話すから!!だから部下を殺すのは!!」


神尾(狼) 「もういい 情報なんかよりもてめぇらを皆殺しした方が今後のことにも都合がいい 全員殺す!!」ガシッ 人狼の首を掴んで引きちぎろうと…


人狼 「や…やめ……」ミシミシ…



霊夢 「やめなさい神尾!!それ以上問題起こしたらあんたを退治しなくちゃいけないわ!」


霊夢 「今まで我慢して来たんだから今もガマンしなさい!!殺すのはダメよ!!」


神尾(狼) 「…舐められた挙句、ほぼ毎日こいつらから攻撃受けてたのにそれを見過ごせと?」ビキッ


霊夢 「見過ごせと言ってるわけじゃないわ ただあなたは私と違って管理する権利がないわ」


霊夢 「幻想郷を管理するのは私の役目 だからあなたは勝手なことしないで」


神尾(狼) 「……っち!わかったよ」ドサッ


人狼 「かはぁっ!!ゲボっゲボっ!!」


人狼(リーダー) 「っ…今すぐ治療しろ!失血死するだろ!」


霊夢 「それはあなた次第ね あんたが根城を言えばちゃんとした治療【は】してあげるわ」


神尾(狼) 「っ!」


人狼(リーダー) 「言う!言うから早くしろ!失血死する!」


霊夢 「わかったわ 神尾、治療してあげて」


神尾(狼) 「…治療道具ないんだが」


霊夢 「なによ持ってきてないの?準備しておきなさいよ」


神尾(狼) 「むちゃくちゃ言うな…」


霊夢 「じゃああんたが情報を聞いてて 私が治療するから」ザッザッザッ…


神尾(狼) 「道具持ってきてるのか?あるようには見えないが」


霊夢 「能力で治療できるわ 得意とまでは言わないけどある程度は治せるわ」スッ 腕をもがれた人狼の元に歩み寄る


神尾(狼) 「さすが博麗の巫女だな どんな時でも対処できるとは」


神尾(狼) 「なら俺も仕事をさせてもらうよ 全部吐かせるまで問い詰める」ザッザッザッ…


霊夢 「頼むわ」シュゥゥ… 霊気を当てて治療してる



人狼(リーダー) 「っ…仲間を全員解放させろ そしたら話してやる」


神尾(人狼) 「話したら解放してやるよ まだあいつらは利用価値がある」


神尾(人狼) 「お前らの現基地はどこにある?今現在の仲間の数も教えろ」


人狼(リーダー) 「先に解放してからにしろ 話すのはその後だ」


神尾(狼) 「…あっそ じゃあ殺すか」ゴキゴキッ


人狼たち 「「ひぃっ!!」」ビクッ!!


人狼(リーダー) 「ーっわかった!今話すからやめろ!」


人狼(リーダー) 「全部話してやるから!だからこれ以上仲間に手を出すな!!」


神尾(狼) 「ふんっ最初からそうすればいいんだよ まったく無駄なことさせんじゃねぇよ」


神尾(狼) 「それじゃさっさと話せ 俺の気が変わる前にな」


人狼(リーダー) 「…わかった」



…ガサッ


全員 「「ーっ!!」」ピクッ



慧音 「…これは一体どういうことだ?」


慧音 「なぜこんなところに人狼がいる?霊夢もいるのも気になるがなんだそのでかい狼は!敵か?味方か?」


霊夢 「あらいいところに来たわね ちょうど今回の元凶を捕まえてたところよ」


慧音 「なに?」


神尾(狼) 「(…下手に話さない方がいいな 変に話すとややこしくなりそうだ)」


霊夢 「あとこのでかいのは私の式神よ …そういうことにしときなさい」


慧音 「っ! …わかった(明らかに妖怪だが何かあるようだな あとで聞こう)」コクンッ


慧音 「それで元凶を捕まえたと言ったがそいつらが里の人間を襲ってたヤツらか?」


霊夢 「そうよ んで今こいつらの情報を吐き出させてたところよ」


人狼(リーダー) 「…その見た目、人里の教師か 今まで食ってきたやつから聞いてたがお前がそうか」


慧音 「っ!! 食ってきただと…?」ピクッ


人狼(リーダー) 「あぁ 俺たちは人狼だから人間を食わねぇと生きていけねぇ 人間は餌なんだよ!」


人狼(リーダー) 「里の奴らを食べる時に叫んであんたの名前を言ってたよ 助けてくれ慧音さんってな!」ニヤリ


慧音 「ーっきさまぁ!!!!」ビキッ!!


霊夢 「慧音!!(まずいっ挑発に乗ったら殺す!!)」スゥ… 慧音を抑えようとお札を出…


神尾(狼) 「ガゥゥっ!!!!」クワッ!!


全員 「「ーっ!!?」」ビクゥっ!!


神尾(狼) 「……殺すことはするな こいつから情報をもらわないといつまで経っても騒ぎは収まらない」


神尾(狼) 「殺すならもう少し待て いいな」


慧音 「……わかった(あぶない 危うく殺すところだった あまりの怒りに我を失ってた)」


慧音 「(この者も人狼…だよな だがこいつらとは違うみたいだ 霊夢が警戒してない辺り味方と見ていいだろう)」


慧音 「(とりあえず今は話を進めよう)」


人狼(リーダー) 「…っち 殺してくれなかったか そのまま殺してくれればよかったのに」


霊夢 「あんたがリーダーなら一番情報持ってるのに殺すわけないでしょ それよりもさっさと吐きなさい」


人狼(リーダー) 「…わかったよ」


人狼(リーダー) 「今は無名の丘に拠点にしてる そこに行けば親分がいる」


霊夢 「あんなところを拠点にしてるの?ほんとかしら」


神尾(狼) 「どこだそれ?俺知らないんだが」


霊夢 「鈴蘭が咲き誇る丘よ 妖怪の山とは正反対にあるからあんたが知らないのも無理ないわ」


霊夢 「でもあそこを拠点にするならメディスンがいるはずだけど…あんたらがあの子を殺れるとは思えないわ」


人狼(リーダー) 「ガキ…?そんな奴いなかったぞ 誰のこと言ってんだ?」


霊夢 「メディスン・メランコリーよ 人形の身体をした妖怪で毒を操ることができるやつよ」


霊夢 「一部の者とは仲良いけど他の奴相手なら容赦なく攻撃してくるわ しかも致死毒を使ってね」


人狼(リーダー) 「…そんなやつ見なかったけどなぁ あんなところに誰かがいるなんて思えないが」


霊夢 「基本はいないわね だからあんた達があそこを拠点にしてるのも変なのよ」


霊夢 「それにあそこからここまでかなりの距離があるわ 行き来するにしても効率的じゃない」


霊夢 「ほんとにそこを拠点にしてるのかしら?」ギロッ


人狼(リーダー) 「…今ここで嘘言ったら仲間が殺されるだろ 嘘なんてついてねぇよ」


霊夢 「……そう 神尾」


神尾(狼) 「…もう容赦しねぇぞ?」ビキビキッ


霊夢 「加減はしなさい 死なない程度にね」


神尾(狼) 「あいよ …そこのあんた、今から拷問始めるから見ない方がいい 見慣れてるなら別に見てて構わないが」


人狼(リーダー) 「ーっな!?」


慧音 「…お前がやるのか?同種族同士なのに」


神尾(狼) 「俺は半妖だ 半分人狼で完全に人間姿になれるからこいつらから目をつけられてたんだ」


神尾(狼) 「仲間にならねぇと言ってんのにあまりにもしつこすぎて手を出したこともある …俺はこいつらとは関係ないから間違えるなよ?半分人間だから食いたくもねぇ」


慧音 「…わかった」


人狼 「おい待て!今話しただろ 無名の丘にあるとよ!」


人狼 「約束が違うだろ!博麗の巫女が約束事を破るのか!!」


霊夢 「どうも胡散臭いのよ 無名の丘に拠点を建ててるならメディスンと会うはずなのにあんたは会ってないって言ったでしょ」


霊夢 「矛盾してるのよ いるはずなのにいないなんておかしいの だからあんたは嘘ついてる」


霊夢 「正直になるなら今のうちよ じゃないと…全員殺すわ」ギロッ


人狼(リーダー) 「ほんとに無名の丘だ!!あそこに親分がいるから行ってみろ!!」


霊夢 「あっそ まだ嘘つくのね…神尾」


神尾(人狼) 「あいよ それじゃお前の腕もらうか」ガシッ


人狼 「やっやめてくれ!!ほんとに無名の丘に拠点を建ててる!!リーダーが言ってることは本当だ!!」ガタガタガタガタ


神尾(狼) 「お前たちの言い分は聞かん あいつが本当のことを言うまでな」ググッ…


人狼 「あぁぁぁぁっ!!!!!!いだい!!いだいいだい!!やめろオォォォ!!!!」ミシミシブチブチッ!!!!!!


神尾(狼) 「はい一本目」ブチブチィッ!!!!


人狼 「があぁぁぁっあぁぁぁぁ!!!!!!」ドバァァ…ボタボタボタボタッ 右腕がちぎられて血が大量に流れ落ちていく


神尾(狼) 「はい次は左手 死ぬなよ?死んでも失血死で片付けるからな」ガシッ


人狼 「いやだっ!!やめて!!死にたくない!!リーダー!!」ガクガクガガク!!!!


人狼(リーダー) 「やめろっ!!俺は嘘ついてねぇ そんなに疑うなら行って確かめてみろよ!!」


人狼(リーダー) 「その目で見て確認して嘘だったら仲間を殺して構わない!!だから確認するまでは仲間に手を出すな!!」


神尾(狼) 「確認するまでもねぇ 確認しに行ってる間にお前たちが逃げる可能性がある てか絶対に逃げるからそんなことしねぇ」ブチブチブチブチッ!!!!…


神尾(狼) 「早く本当のことを言うんだな じゃないと仲間が苦しんでいくぞ?」ブチンっ!!


人狼 「アァアァァアァァァァッ!!!!!!!」ブシャァァァッ!!!!!!


神尾(狼) 「あーもうめんどくせぇから足もふたつ取るわ はい切断」ドスゥッ!!ブチンっ!!


人狼 「ガァァァっ!!!!!!っ……」パタッ… 四肢をもがれて激痛により失神する


神尾(狼) 「あっ失神した まぁいいか さぁて次はお前でいっか」ガシッ


人狼 「ひぃぃっ!!!!」ビクゥッ!!


人狼(リーダー) 「やめろぉぉぉっ!!!!」グググッ!!!!…スクッ 負傷した状態で立ち上がり仲間を救おうと…



霊夢 「はい動かないでね そこで寝てなさい」キィンッ


人狼(リーダー) 「っ!!?」ズキンっ!!ガクンッ… 霊夢に治療された部分から激痛が走り倒れる


人狼(リーダー) 「(なっなんだ!?治療された場所がまた痛みが!!)」ズキズキッ!!!!…


霊夢 「残念だったわね まだ完全に治療されてなければ途中でやめること可能なのよ まだ治療中だったことに気づかなかったようね」


霊夢 「慧音 あんたも許せないなら殺さない程度に痛みつけていいわよ トドメは私が刺すから」


慧音 「っ…」ゾクッ


人狼 「っ…てめぇ さっきと言ってることがちげぇじゃねぇか!素直に言えば解放するって約束だったろ!」


霊夢 「素直に言わないから痛みつけてるんじゃない なにか間違えた?」


人狼 「だから正直に言ってんだろ!!親方は無名の丘にいるって!!」


霊夢 「ありえないのよメディスンがいないなんて あんたたちがメディスンを倒せるとも思ってないけど姿形を見てない時点で嘘ついてんのよ」


霊夢 「さっさと本当のことを言った方がいいわよ あんたの仲間、苦痛を味わい続けるわよ」


人狼(リーダー) 「ーっ…お前ふざけんなよ さっきから正直に答えてんのにそれを信じようとしてねぇのはお前の方じゃねぇか」ワナワナ…


人狼 「何度も言うが無名の丘で拠点を作ってる!そこに行けば親方がいるからそこに行けばわかる!!」


人狼 「行って確かめてみろよ!絶対にいるから!!」


霊夢 「……あっそ ならもういいわ」


霊夢 「神尾 全員半殺しまでして」


人狼 「ーっな!!?」


神尾(狼) 「あいよ めんどうだから全員まとめてやる…スゥゥー…」ヒュゥゥー!!!!…


人狼 「おいまて!なにをする気だ!?まさか咆哮を放つ気じゃ…!!」ゾクッ!!


人狼 「やっやめてくれ!それ食らったらまた全身の骨が…!!」ガタガタ!!…


神尾(狼) 「死ね…ガゥゥッ!!!!」バッ!!



バシュウウウウウンッ!!!!!!…


数多くの人狼 「「ギャアァァァァッ!!!!!!」」バキバキベキゴキグキキッ!!!!!! 身動き封じられた状態で咆哮をもろ喰らい地面や木々に叩きつけられてあらゆる骨が骨が折れまくる


人狼(リーダー) 「おまえらっ!!ーってめぇ よくも仲間を!!」ビキビキッ!!!! 全身の筋肉が持ち上がっていき再び狼の姿になろうと…


霊夢 「はい暴れないでね おとなしく寝てなさい」キィン


人狼 「ぐぅぅっ!!ーっ…くそぉ!」ズキンっ!!ドサッ… 霊夢の治療能力で治療された場所が再び激痛が走り倒れる


神尾(狼) 「シュゥゥ……全員ある程度大ケガしたか?」ヒュゥゥ…



人狼 「うぐぅ…う、腕が……足が……!!」ズキズキ


人狼 「がはっ!!…な、内蔵が……」ハァハァ…



霊夢 「…ありがと神尾 あとは私に任せて」


神尾(狼) 「あいよ あとは頼む」ズシズシ…


慧音 「(…むっむごい 身動きできない相手に風の咆哮を放つとは)」


慧音 「(…いや 私も止められてなければ同じことをしてたかもしれない 無惨に殺して小気を失っていたかも……)」



霊夢 「…さてと、それじゃあんた達を退治するわ 幻想郷のバランスを崩すやつは野放しにできない」


霊夢 「さよなら」パサッ…



御札 「「」」ババババババッ!!!!!! 人狼たちの周りに御札が飛び回り囲む


霊夢 「永久封印 夢想結界!」バッ!!



キィンッ!!


人狼(リーダー) 「なっなんだ…?周りが光り出して………」スゥ…


人狼 「…あれ、痛みが消えて……」スゥ…


人狼 「意識が……っ」スゥ…



数多くの人狼 「「………」」スゥ…スゥ… 全員深い眠りに入り結界内で眠る


霊夢 「…これでこいつらの対処は終わったわね あとは大元を潰さないと」


神尾(狼) 「おい こいつら殺さないのか?さっき治療はしてやると言ったからその後に殺すと思ってたんだが」


霊夢 「そう簡単には殺せないわ いくら人食い妖怪といっても幻想郷にはルールがあるの」


霊夢 「そのルールはあなたに説明できないわ …ごめんなさい」


神尾(狼) 「……そうかよ まぁこいつらが再起不能になるなら別にかまわん 二度と封印から解かれないようしてくれ」


霊夢 「わかってるわ 安心して」


慧音 「…もう、里に被害はなくなるのか?」


霊夢 「えぇ こいつらによる被害はなくなるわ あとは大元を潰せば完全に解決するわ」


霊夢 「それとこいつのことは誰にも話さないで いろいろ事情があるから話されるとめんどうだわ」


霊夢 「幻想郷のことを理解してるあなたならわかるわよね 慧音」


慧音 「……わかった」


霊夢 「神尾 博麗神社まで連れてってくれないかしら こいつらを封印して隠す必要があるから道具を持って来たいの」


神尾(狼) 「それは構わないが…空飛んだ方が早くないか?地上走るより障害物がない空の方がいいと思うが」


霊夢 「疲れたから楽したいのよ 察しなさい」


神尾(狼) 「横着なやつだな…わかったよ 乗れよ」スゥ… しゃがみこんで乗りやすくなる


霊夢 「慧音 今日のことは誰にも話さないでね 人狼は退治されたことは話していいけど神尾のことは他言無用で」ヨット


慧音 「何度も言われなくてもわかってる その者が使い魔じゃないこともな」


霊夢 「まぁバレるわよね だけどこいつは人間の味方だから安心して 人間と関わりは持ちたくないみたいだけど」


神尾(狼) 「人食い妖怪の分類されてる人狼だからな 人間となんて仲良くやっていけるわけない」


霊夢 「でも私や魔理沙とは普通に接してるじゃない それは仲良くやってるとは言わないの?」


神尾(狼) 「…どうなんだろうな お前たちが一方的に接してきてるから仲良くやってるのかわからん」


神尾(狼) 「今まで誰とも関わろうとしてこなかったからそういうのがわからん お前がそう思うなら出来てるのかな?」


霊夢 「私はできてると思ってるけど 現に何度もあんたの家でお茶飲んでるし」


神尾(狼) 「あれは仲良くしてるのか?ただお茶飲みながら話してるだけだと思うが」


霊夢 「仲良くないやつとお茶飲んだ話しなんてしないでしょ?心を許してるからするんじゃない」


神尾(狼) 「…それもそうか」


霊夢 「それじゃ行くわよ 早く行って早く帰ってくるわよ」


神尾(狼) 「わかってるよ しっかり掴まってろよ」


霊夢 「えぇ」


神尾(狼) 「それじゃ慧音…と言ったよな この人狼は霊夢が片付けてくれるからあとは任せてくれ」


神尾(狼) 「俺はここの奴らと関わる気ないから忘れて構わないが害を出すこともしないから退治しようとするのはやめてくれ」


慧音 「わかった だがここにその妖怪を封印するのはやめてくれ 封じ込めとくなら別の場所でたのむ」


霊夢 「わかってるわよ こいつの家に封印させとくわ」


神尾(狼) 「ふざけんな 俺ん所で封印したら全員殺すぞ」


霊夢 「殺したらあんたも封印しないといけなくなるわ てか冗談だから安心しなさい」


神尾(狼) 「ならいいけどよ そんじゃ行くぞ!」ダっ!!


霊夢 「ちょっ!いきなり走るんじゃない!」ブォンっ!!


ザッザッザッ!!…



慧音 「…」











無名の丘ー親方の簡易小屋



親方 「………」


親方 「…遅い あいつら時間になっても帰ってこないなんて今までなかった」


親方 「なにかあったな 博麗の巫女辺りにやられたか?じゃなきゃあの大人数やられん」


親方 「…もしくは神尾の可能性もあるな あいつに邪魔されてやられたかもしれん」


親方 「どちらにしてもアイツらがここに拠点を建ててることを話した可能性がある すぐにでもここから離れなくては」スクッ


親方 「一陣」



シュタッ


一陣 「ここに」どこからともなく親方の前に現れる


親方 「調達班が全員やられた この場所が知られた可能性がある すぐに移動の準備しろ」


一陣 「わかりました すぐ手配させます」


一陣 「念のため調達班の安否は確認しますか?」


親方 「いらん 十中八九やられてるだろうから余計なことはしなくていい」


一陣 「わかりました では準備が出来ましたら後ほどお伺いします」ヒュンッ 再び親方の目の前から瞬時にいなくなる


親方 「…くそ 調達班全員失ったのは痛いな 半分ずつ行かせた方がよかったな」


親方 「人間どもめ…餌のくせに抗ってんじゃねぇよ おとなしく食われろよ」


親方 「余計な手間を増やしやがって …くそっ!!」ギリっ!!


親方 「…まぁいい 調達班がやられたなら五陣に行かせればいい 幹部五陣衆の最下位だがあいつの実力ならそこらの人間には負けん」


親方 「五陣」



…パサっ


五陣 「はーい なんでしょう?」出入口から普通に入ってくる


親方 「調達班がやられた お前たちの班で食料調達してきてくれ」


五陣 「了解しました 調達するものは人間重視でいいですか?」


親方 「当然 人間を狩れるならいくらでも取ってこい」


五陣 「わかりました では場所移動が終わり次第、調達に向かいます 他に用件は?」


親方 「それだけだ 下がれ」


五陣 「はい では失礼します」タッタッタッ…パサっ


親方 「…これで食料問題はなくなったな 戦力はまだあるから戦闘時はなんとでもなる」


親方 「博麗の巫女が相手じゃなければなんとかなるだろ 神尾も…まぁ、なんとかなるか」


親方 「(あいつを仲間にできれてば今頃楽に食料調達ができたんだが…ほんとにあいつは妖怪としての意識が足りん)」


親方 「(だがなにかうまいこと利用すれば言うことを聞くだろうか 脅しは効かないから人質でも捕まえてくれば聞くか?)」


親方 「(博麗の巫女は捕まえられないから他のやつじゃないと…誰か手頃な奴は……)」


親方 「……白黒の魔法使いか あいつも神尾と関わりを持ってるな あいつ辺りなら行けるか?」


親方 「異変解決に何度も参加してるみたいだが隙をついて捕まえれば捕まえられるか?」


親方 「人形使いの方は複数体人形を操ってくるからあいつはちと面倒だ 白黒の方なら単体で済むからゴリ押せば行けるだろ」


親方 「だが油断はできない 単体とはいえど、異変解決に参加してるほどの実力者だから下手に攻めると返り討ちにされる」


親方 「よく考えて攻めなくてはな 準備ができ次第、実行しよう」


親方 「くくくっ!待っていろよ餌ども 必ずお前らを食い尽くしてやるからな!」ニヤリ













数時間後…



無名の丘



ザッザッザッザッザッザッ!!…


神尾(狼) 「着いたぞ だいぶ時間かかっちまったが」ザッ!!


霊夢 「ごくろうさま」ヨット



無数に咲く花 「「」」ザザァ…ザザァ…… 弱い風が吹いて花がなびいてる


霊夢 「…一足遅かったようね 妖気が弱いわ」


神尾(狼) 「みたいだな 臭いはすげぇあるが気配がねぇ どっか移動したな」


霊夢 「先にここ来るべきだったわ あの人狼共を封印するよりも優先するべきだった」


神尾(狼) 「そうだな だが今更悔やんでも仕方ない とりあえずどこに向かったか調べるぞ」


霊夢 「そうね 探しましょ」








数時間後…



神尾(狼) 「…ぜんぜん見つからねぇ あいつら臭いを全体的にばらまいてどこいったかわからないようにしてやがる」


霊夢 「妖気もばらまかれて全然わからないわ あいかわらず逃げるのだけは上手いわね」


神尾(狼) 「まったくだ くそ!今度こそ潰せると思ってたのに」


霊夢 「はぁ…今日は諦めましょう もうお腹すいて元気でないわ」


神尾(狼) 「なら俺の家で飯食うか?果物や野菜関係が多いがそれでもいいなら」


霊夢 「ほんと!?いただくわ!」

(✧д✧)


霊夢 「あとついでだからお風呂も貸して 着替えも適当に貸して」


神尾(狼) 「…男もんしかないんだが」


霊夢 「…一旦神社まで送ってって 着替え持っていくから」


神尾(狼) 「めんどくせぇな…しかたねぇな 乗れ一旦寄ってやるから」ズシンッ… その場にしゃがんで乗りやすくさせる


霊夢 「助かるわ それじゃお願い」ヨット


神尾(狼) 「しっかり掴まってろよ!」ダッ!!


霊夢 「だから走る前に言いなさい!!」ビュンッ!!


ザッザッザッ!!…













数日後…



夜ー神尾の家



神尾 「はぁぁ…暇だな 夜はいつもやることなくて暇なんだよな」ハァ…


神尾 「いつもなら早く寝てるんだがまだ寝れねぇんだよな どうすっかなぁ」ウーン…


神尾 「…散歩でもすっかな」スクッ



おーいかみおー!まだ起きてるかー?


神尾 「っん?その声は魔理沙か なんの用だこんな夜更けに」


今日はいい月だから散歩しようと思ってな!よかったら一緒に行かないか?


神尾 「奇遇だな 俺も今から散歩に行こうと思ってたところだ 今行く」タッタッタッ…


ガチャッ


神尾 「…ほんとにいい月だな 雲ひとつねぇ」


魔理沙 「だろ!こんな日に家にいたらもったいないぜ!少し散歩行こうぜ」


神尾 「あぁ!」








空の上