2019-05-18 23:27:57 更新

概要

修正が完了しました(2019/5/18)
この作品は【犯罪者に救いの手 4】の続きです


前書き

蒼野夜一

【過去に人を何百人も殺めた犯罪者 現在は四季達と仕事して罪を解している】
【過去、天龍遥を佐久間グループから守る為に人を殺めていたが最後の最後で遥に守られ守りきれなかった…】
【体力、剣術、知識が高い万能型的存在】
【蒼野は死んだのかは不明 佐久間グループ殲滅後謎の人間?らしき者が突如出現し、その謎の人間が出したと思われる謎の空間によって蒼野は裁判所の目の前に居た】
【キレるとかなり危ない】


四季映姫

【幻想郷の閻魔を務める閻魔大王】
【蒼野と一緒に仕事をしている】
【蒼野は犯罪者だが四季映姫は蒼野が行為を持って人を殺してたとは考えられず、四季映姫と共に仕事の手伝いなどをして罪を償う刑にした】


小野塚小町

【四季の部下で亡くなった者の霊を裁判所まで運ぶ死神…だが、よくサボっている】
【よくサボって人里の団子やミスティアの夜雀に居る】


大閻魔

【四季達の上司…だけ】



四季 「…そろそろ行きますがいいでしょうか?」


蒼野 「そうだな そろそろ行くか」


四季 「それでは私達は聖さんの元へ行きますので失礼します」


ナズーリン 「あぁ あの辺はごろつきの妖怪が居るから気をつけろよ?まぁ閻魔がそう簡単にやられるとは思っていないがな」


四季 「そうですね 私より蒼野の方が心配ですね」


蒼野 「俺に流してくるのやめてくれないか?確かに俺は人間だから危ないのはわかるけどさ」


四季 「…まぁ、あの辺の妖怪なら蒼野でもなんとかなるぐらいの強さですから多分平気でしょう」


蒼野 「たぶんって…まぁいいか それじゃ行くか?」


四季 「はい」


フワー…





? 「…」 …?










滝が流れる森深く



ザーーーッ!!!!…


聖 「…」ザーッ!!!!… 白い着物を着て滝に打たれて修行してる


四季 「…まだ滝修行をしていましたか さすが命蓮寺の主ですね 誠意が出てます」ヒュー…スタッ


蒼野 「…あの人が聖か?女なのに滝修行なんて凄いな」


四季 「蒼野も滝修行をしたことあるんですか?」


蒼野 「何回かはやったことあるな 自分で決めた決意を強く思いながら滝に打たれて絶対やり遂げると考えてな」


四季 「…やはり天龍遥さんを守るためにですか」


蒼野 「…まぁな 失敗しちまったけどな……」


四季 「…」



聖 「…おや?あれは…」ザー!!… 蒼野達が近くにいることに気づく




四季 「あっ聖さんこちらに気づいたみたいですね」


蒼野 「よく集中してたのに気づいたな?音だって滝の音で聞こえないはずなのに」



聖 「…」バシャッバシャッ… 水の中に足をつけながら蒼野達の元へ寄ってくる


バシャッバシャッ…


聖 「よいしょっと?」ザバァッ… 水の中から陸地に這い上がって来る


蒼野 「…っ!?」///


四季 「お久し振りです聖さん 滝修行を行っている時に邪魔して申し訳ありません」


聖 「いえ、気にしないでください それにしても本当にお久しぶりですね」


聖 「それで、私に何か御用でしょうか?」


四季 「はい 少しお伝えしたいことがありまして」


聖 「お伝えしたいことですか?そのお伝えしたいことと言うのは長くなりますか」


四季 「…そうですね 今起きている異変に近いことも話さなくてはいけないので長くなりますね」


聖 「それなら一旦命蓮寺に行きましょう この格好でお話を聞くのもなんなので、一度着替えてからお話を聞きましょう」


蒼野 「俺もそうしてくれるとありがたいな 目のやり場に困る…」///フイッ…


四季 「…はい?」


聖 「…あなたは初めて見ますね 見たところ人間のようですが…」


蒼野 「まずは自分の名前から言うのが礼儀ってものじゃないか?…っと言いたいが、今はそんなこと言ってられないな」///


蒼野 「自己紹介は後にして早く着替えてくれないか?まじで目のやり場に困るから…」///


聖 「? 先程から目のやり場に困るとは一体どういうことですか?別にはだけているわけでは…」チラッ



聖の着物「」スケェ… 聖が着ている白い着物は水が吸っていて下につけている黒い下着がうっすらと見えている



四季 「あっ…」


聖 「…」


聖 「っ!!!?」///カァァッ!!


蒼野 「やっと気づいたか?早く帰って着替えた方がいいぞ」


聖 「はっはい…そうします……」///カァァ…


聖 「(とは言ったものの、この格好で帰るのは恥ずかしい…今までは気にせず帰っていたので気づきませんでしたが、まさか透けていたなんて…)」///


聖 「(拭くものや着替えなんて持ってきてないので透けているのを隠すことができません…どっどうしましょう!)」///


蒼野 「…あんた、着替えはともかく拭くものも持ってきてないのか?」


聖 「…はっはい いつも帰ってから着替えていたのでそのようなものは…」///


蒼野 「…次からは準備しておいた方がいいな」スッ…パサッ 懐から薄い毛布を取り出す


蒼野 「使え」スゥ…


聖 「…っえ?」


蒼野 「これで隠せば見られることないだろ?使えよ」


聖 「でっですが、今私は濡れているのでそれをお借りしたら濡れてしまいます?」


蒼野 「別に構わないよ 濡れたとしても薄いからすぐ乾くし」


聖 「たしかにそうかもしれませんが、人から借りたものを汚すようはことは…」


蒼野 「じゃあなんだ?あんたは自分の下着をいろんな人に見せたいのか?露出狂なのか?変態なのか?もしそうならそのままで帰っても構わないが」


聖 「そんなわけないじゃないですか!私はそんな趣味ありません!」


蒼野 「だったらこれを羽織って帰れ 俺は別に構わないと言ってんだから誰にも見られたくないんだったら濡らしてでも羽織ってろ」


聖 「…わかりました 迷惑をおかけしてもうしわけありませんがお借りします」スッ


蒼野 「別に構わないよ 気にするような事じゃない」


四季 「…」 ヨイショット…パサッ


四季 「(…相変わらず蒼野の言い方は悪いですね もう少し言葉を変えて言えないんでしょうか?あれでは失礼にも程があります)」


四季 「(…でも、やり方としては間違ってはいませんでしたね 受け取るのを拒んでいた聖さんにお貸しさせるとしたらこうでもしないと受け取ってもらえないことは理解していましたが、やはりもう少し言葉を変えた方がいいですね)」


四季 「(…まぁ、今回は良しとしましょう)」


蒼野 「てか、あんた着替えとか持ってこないでいつも滝修行してたと言ってたが風邪とか引かないのか?いくら夏でも帰るまで寒いだろ」


聖 「私は肉体を強化させる魔法が使えるので風邪とかは引かないんですよ」


蒼野 「…肉体を?」


四季 「蒼野 その話は命蓮寺に着いてからにしましょう それでは聖さん行きましょう」


聖 「はい!」


フワー…













命蓮寺ー客間



蒼野 「…」畳の上で正座して座っている


四季 「…」同じく畳の上で正座して座っている



サー…


聖 「お待たせしました 長らくお待たせさせてもうしわけありません」


四季 「いえ、大丈夫です 気にしてませんから」


聖 「そうですか?それなら良かったです」スッ…ストンッ


蒼野 「…まずは自己紹介からしていいかな?話の前に名前を知っておきたいんだが」


聖 「そうですね あなたとお会いするのは初めてですからね?それでは私からさせてもらいます」


聖 「私は聖白蓮と申します このお寺の主です」


蒼野 「俺は蒼野夜一 閻魔の手伝いをしている者だ」


聖 「…閻魔様のお手伝いを?あなたは人間ですよね?」


蒼野 「あぁ 人間だからなんだ?」


聖 「…いえ、人間が閻魔様の元でお手伝いなんて普通ありえないことだったので少々驚いただけです」


四季 「少し事情があって蒼野には手伝いをしてもらっています」


聖 「…その事は聞かない方が良さそうですね?わかりました 余計なことは聞かないでおきます」


四季 「そうしてもらえると助かります それでは本題に入ります」


四季 「聖さん あなたは人里で騒ぎがあったことは知っていますか?」


聖 「はい知っていますよ 人里にお住みになっている方が騒ぎを起こしたと聞きましたが?」


四季 「いえ、人里に住んでいる方がしたんではありません 外来人が騒ぎを起こしたんです」


聖 「…っえ?」


四季 「たしかに最初は人里に住んでいる方が騒ぎを起こしましたが、その方達に命令した元凶犯は外来人の方々なんです」


蒼野 「それで、その外来人ってのは俺の世界に居た組織の奴らなんだ」


聖 「っえ!?あなたの世界にいた外来人!?」


四季 「蒼野 余計なことは言わなくていいです 黙っててください」


蒼野 「どうせその犯行グループのことも話さないといけないんだから話してもいいだろ?俺が殺人鬼だと言うこともな」


聖 「っえ!?殺人鬼!?あなたが!?」


四季 「蒼野 余計なことは言わなくてもいいと言いましたよね?」


蒼野 「あいつらのことを話してなんでそこまで知ってるのか聞かれたら俺がそいつらに狙われてることも話さないといけないだろ?だから先に言ったまでだ」


四季 「まだ佐久間グループのことを話す前にあなたが元殺人鬼と話してしまってはその後に佐久間グループの話しをしても信用してもらえないのではないでしょうか?」


蒼野 「お前が居るから平気だと思ったんだよ そうじゃなければ先に言わないよ」


四季 「私が居ても信用してもらえないことだってあります 次からは順序を守ってください」


蒼野 「…はいはい?」ハァ…


聖 「…えっと、ちょっと蒼野さんに聞いてもよろしいでしょうか?」


蒼野 「なんだ?」


聖 「今あなたが仰ったことって本当なんですか?殺人鬼って…」


蒼野 「元な 俺は過去に人を何百人も殺してる 今腰に付けてるこの刀でな」


聖 「とてもあなたが殺人鬼とは思えないんですが…」


蒼野 「人は見かけによらないぞ?」


聖 「…今はもうしてないんですか?」


蒼野 「いまはもうしてない 四季の手伝いをするよう命じられた時に誰かを殺すような真似は絶対するなと言われたのもあるが、俺は必要最低限しか人を殺さない 全く関係ない奴を殺してもなんの意味もないからな」


蒼野 「今の話を信じる信じないはあんたが決めてくれ 俺が決めることじゃないからな」


蒼野 「信じれないなら次なにか用があった時に俺はここを訪れないようする 疑われてるのにここへ来ても警戒されるだけだからな?」


聖 「…」


四季 「今の話に関しては私も同情します もし蒼野を信用出来ないなら次からはこの命蓮寺付近に近寄らせないようします」


聖 「…閻魔様に一つ聞いてもいいでしょうか?」


四季 「なんでしょうか」


聖 「閻魔様はその方のことを信用していますか?殺人鬼に刀まで持たせてますがこれは信用してるんですよね」


四季 「はい 信用しています!蒼野はむやみに人を殺さないことはもちろん、ある人を守るために手を汚していたので完全に信用できます」


聖 「…ある人?」


蒼野 「四季 それは言わなくてもいいんじゃないか?何もそこまで言う必要はないと思うが」


四季 「言っておかないとあなたは疑われてしまうんですよ?またケガをしたいんでしたら構いませんが…」ギロッ


蒼野 「…」


四季 「ある人と言うのは蒼野が外の世界にいた時に一緒に居た方のことです その方は先程、蒼野が話した組織に狙われていて毎日のように追いかけられていたんです」


四季 「蒼野はその方を守る為にその組織と戦っていました 自分の命を懸けてまで守ろうと…」


聖 「…最終的、その方はどうなったんですか?なにか嫌な予感がするんですが…」


四季 「…」


蒼野 「…」


聖 「…そうですか 大体察しが着きました 辛いことをお話させて申しわけありません」


蒼野 「別にいいよ 気にしてないから…」


聖 「…」


四季 「…それで、蒼野のことは信用できますか?できないなら先程も言ったように次からはここへ連れてきませんが」


聖 「…私一人では決めづらいことですね 最低でも私も合わせて二人に決めてもらわなくては他の方に心配をかけてしまいます…なので、」


聖 「星 そこにいるんでしょ?中に入ってきたらどうかしら」


蒼野&四季 「「…っえ?」」



寅丸 「…気づかれていたんですか?私が居ること」サー… 隣の部屋の襖を開けて姿を現せる


聖 「なんとなくね 誰かが居るような気がしたのよ」


寅丸 「…そうですか」


蒼野 「…四季 あの人は?」ヒソヒソ


四季 「あの方は寅丸星 聖さんの次に、この寺で偉い方です」


蒼野 「…なんで頭の上に蓮を乗せてんだ?なんかのファッションか…?」ヒソヒソ


四季 「いや、それはないかと思いますが…私もよく知りませんが」



寅丸 「…あなた、本当に人を何百人も殺したんですか?」


蒼野 「あぁ 殺したよ」


寅丸 「…腰につけてる刀を見せてもらえませんか?」


蒼野 「別に構わないが?」スッ…カタッ 闇の刀と光の刀を手渡す


寅丸 「お借りします」カタッ 二刀の刀を受け取る


闇の刀「」クンッスゥ-… 闇の刀を半分まで鞘から抜き取り刃が剥き出しにさせる


聖 「…紅色に光ってますね しかも深い色に」


寅丸 「…でも、刀は凄く切れ味がよさそうですね?ちゃんと手入れをされているようですね」


蒼野 「最近は怠わってるけどな」


寅丸 「…この刀で何人も殺っていたのは本当みたいですね あまり疑いたくありませんでしたが…」スゥ…スチャンッ 闇の刀を鞘に収める


蒼野 「だから俺は最初に言ったんだよ 後々から疑われるより先に言った方があぁだこうだ言う必要がないからな」


寅丸 「たしかにそうかもしれませんが…」カタッスゥ… 闇の刀を置いて光の刀を手に取る


光の刀「」クンッスゥ… 光の刀を鞘から半分まで抜き取り刃を剥き出しにさせる



蒼野 「…ほぉ?光の刀を抜け取れるか あんたかなりの善人なんだな」


寅丸 「…っえ?」


蒼野 「その刀は罪人には抜けないようなってるんだ 完全な善人じゃないと抜くことも切ることもできない刀なんだ」


寅丸 「…この刀がですか?」


蒼野 「あぁ だからその刀だけは紅色に光ってないだろ?白銀色のまま保ってるはずだ」


寅丸 「…」ジ… 刀が紅色に光ってないか確かめる


聖 「…たしかにこっちの刀は紅色に光ってないですね 血が付いたらなかなか拭き取れない鍔(つば)の部分にも付いてません」


寅丸 「…確かに使用した形跡がありませんね こっちの刀はさっきの刀より凄く切れ味が良さそうです」


蒼野 「そっちの刀は使えないからな 刃こぼれとかしてないから切れ味はいいはずだ」


寅丸 「本当にこちらの刀は使えないんですか?ただ単に使ってないだけじゃ…」


蒼野 「だったらその抜き取った刀を俺に貸してみてくれないか?」


寅丸 「はい」スッ 刃の部分を手で挟むようにして手を握る場所を向けて渡す


蒼野 「…一つ言っておくが、絶対離すなよ?」スッ


寅丸 「…っえ?」


蒼野 「…」ガシッ 刀の持つ場所を掴む…



…っ



蒼野 「っ!!」ビクッ!!バッ 光の刀から手を離す


聖 「…っえ?」


四季 「…蒼野?」


蒼野 「…やっぱりダメか まだ持てないな…」


聖 「っえ?」


蒼野 「今光の刀から変な気が溢れ出てきたよ 触ったら拒絶された…今みたいにな」


寅丸 「…刀にですか?」


蒼野 「あぁ 刀だって人を選ぶからな 俺は罪人だから罪を償ってからじゃないと持たせてくれないみたいだ 家宝の刀なのに…」ハァ…


聖 「…」


蒼野 「…そろそろ返してもらえないか?もう確かめたんだから返してもらってもいいだろ?」


寅丸 「はい 見せていただきありがとうございます お返しします」スチャンッ…スッ


蒼野 「…それで、俺は次から来ない方がいいか?早く答えが聞きたいんだが」カタッスゥ…


聖 「…そうですね 私は大丈夫だと思いますけど…星はどう思う?」


寅丸 「私も平気だと思います 閻魔様と一緒に居るというのもありますが、そこまで危険性があるとは思いにくいです」


四季 「では、次からなにか用があれば蒼野は来てもいいと言うことですね?」


聖 「そうですね 私は大丈夫だと思うので許可します」


寅丸 「私も許可します」


蒼野 「ありがとな2人とも 犯罪者である俺を許可してくれて!」


聖 「別に礼を言われるようなことはしてませんよ?それでは、先ほどの話しに戻りましょう」


四季 「そうですね それでは話を戻しましょう」








夕方ー命蓮寺出入口



聖 「今日は報告して下さってありがとうございます」


寅丸 「お忙しい中、ありがとうございます」


四季 「いえ、それより皆さんも警戒するようお願いします 今かなり厄介なことになっているので気をつけてください」


寅丸 「わかっています 閻魔様方もお気をつけてください」


四季 「わかっています」


聖 「蒼野さん 先ほどお借りした薄い毛布が乾いたのでお返しします ありがとうございました!」スッ 先程蒼野から借りた薄い毛布を返す


蒼野 「次からはちゃんとタオルとか持っていけよ?」ガシッ


聖 「はい!」


四季 「それでは行きますよ 蒼野」フワー…


蒼野 「おう!」フワー…


ヒュー…



? 「…」…?













空の上ー飛行中



四季 「…」ヒュー…


蒼野 「…なぁ四季 次はどこに行こうとしてるんだ?帰り道とはまったく真逆の方に進んでるが…」ヒュー…


四季 「次は地霊殿に行って先ほどの話を伝えに行きます」


蒼野 「…地霊殿?」


四季 「元地獄の一部として使われていた場所です 今はスリム化して切り離していますけど」


蒼野 「スリム化って…ダイエットみたいな例え方だな」


四季 「そう例えた方がわかりやすいと思って言いましたが…わかりずらかったでしょうか?」


蒼野 「いやわかったけどよ…もうちょっと別の言い方ってもんがあっただろ?地獄がデカ過ぎたから一部切り離したと言えば充分わかるだろ?」


四季 「…それもそうですね そういえば良かったですね」


蒼野 「まぁ別にどっちでもいいんだけどな?どっちでもわかったし」


四季 「…それと蒼野 地霊殿に行くには旧地獄街道と言う場所を通っていかなければなりません その旧地獄街道と言う場所は鬼が住み着いていて、かなり攻撃的なので絶対に刀を抜くような真似はしないでくださいね?」


蒼野 「鬼…それって俺の世界でもよく知られてる力が強くて短気な奴か?」


四季 「そうです 一部そうではない方もいますがほとんどがそんな感じなので絶対に気をつけてくださいね」


蒼野 「わかった」


ヒュー…













旧地獄街道ー通路



タッタッタッ…


四季 「…」タッタッタッ…


蒼野 「…なんか静かだな?鬼が住み着いてるって聞いたからもっと騒がしいかと思ったけど」タッタッタッ…


四季 「ここら辺は静かですよ この通りは外に近いので鬼達は近寄らないんですよ」


蒼野 「なんでだ?鬼は外に出ないのか?」


四季 「出ないわけではありませんがほとんどの鬼は外に出ようとはしないんです 外に出て人間に見つかると一々騒がれますからね」


四季 「…まぁ 地底の方がいこごちが良いと言う方が大半ですがね 外に出るより地底にいた方が楽しいみたいです」


蒼野 「なるほどな」



…アレ?ソコヲアルイテルノハジゴクノエンマサマカイ?


蒼野 「っ!」ピクッ



ヤマメ 「やっぱりそうだ 閻魔様久しぶりだね」シュルシュル…プラーン 天井から糸を引っ張って降りてくる


四季 「ヤマメさんお久しぶりです 元気にしていましたか?」


ヤマメ 「あたしはいつでも元気だよ!それにしても閻魔さまがここに来るなんて珍しいね?何かあったの?」


四季 「えぇ 少々地上で異変が起きているのでその報告をしに来たんです」


蒼野 「…」スチャッ 刀に手をつけて警戒している


蒼野 「(上からぶら下がって来てる…この白くて紐みたいなものは蜘蛛の糸か?この子…蜘蛛の妖怪か)」ジッ…


ヤマメ 「…ところで、さっきから私のことを睨みつけてる人間は誰だい?人間のくせになかなか鋭い睨みを聞かせてくるけど」


蒼野 「まずは自分の名前から言うのが礼儀ってもんじゃないか?」


ヤマメ 「いや初めて会って早々睨みつけてくる人に言われても…」


四季 「蒼野この方は平気ですよ 初対面の人に睨みつけるのは失礼です」


蒼野 「…平気なのか?」


四季 「えぇ 平気です」


蒼野 「…わかった」スッ… 刀から手を離して睨みを解く


ヤマメ 「…閻魔さま この人間は?」


四季 「この方は蒼野夜一 私の元で手伝いをしてる方です」


ヤマメ 「っえ!?人間が閻魔さまの手伝いを!?」


四季 「はい 少々事情がありまして蒼野は手伝いをしています」


ヤマメ 「…へぇ?人間が閻魔さまのところでねぇ?」ジー


蒼野 「…なんだよ?」


ヤマメ 「…そう言えば自己紹介がまだだったね?」


ヤマメ 「私は女郎蜘蛛のヤマメ その名の通り蜘蛛の妖怪だよ」


蒼野 「蒼野夜一 閻魔の手伝いをしてる人間だ」


ヤマメ 「それで今から来るのがキスメだよ!」


蒼野 「…っえ 今から来る?」


四季 「蒼野危ない!」 ヒュー!!



ガァンッ!!!!


蒼野 「ぐごぉおっ!!!!」頭から何かが降ってきて直撃する


四季 「蒼野!?」


キスメ 「あれ?今なにか当たったような気が…」


ヤマメ 「うん もろ当たってるよ」


キスメ 「っえ?」クルッ



四季 「だっ大丈夫ですか蒼野!?もろ直撃してましたが!?」


蒼野 「いってぇ~!もう少しで首の骨がイくところだったぞ!!」イテテ


四季 「キスメさん!いきなり頭の上に落ちてきたら危ないじゃないですか!」


キスメ 「すっすみません…まさか人がいるとは思わなくて……」


四季 「謝る相手が違います 蒼野に謝ってください」


キスメ 「ごめんなさい えっと…」


蒼野 「蒼野夜一だ 次は気をつけてくれよ?」イツツ


キスメ 「はい…」


ヤマメ 「それで閻魔さま 今外で起きてる異変のことを知らせに来たって言ってたけど…さとりさんに知らせるの?」


蒼野 「…さとり?」


四季 「はい この地底湖の主、古明地さとりさんに知らせようと思っています」


ヤマメ 「…」


キスメ 「…」


四季 「…? 2人とも、どうかしましたか?急に難しそうな顔をして」


ヤマメ 「【…今行くのはやめといたほうがいいよ 今行ったらシャレにならないよ】」


四季 「…っえ」


蒼野 「なんでだ?なんでそのさとりって人に会っちゃいけないんだ なにか理由があるのか?」


キスメ 「…実は、今さとりさんの様子がおかしくて この前も無害の鬼とかにトラウマを見せたりして…」


四季 「さとりさんが!?」


ヤマメ 「うん さとりさんのペット達もトラウマを見せられて地霊殿から出てってるんだ さとりさまはあんなことするような人じゃないのに一体どうしちゃったんだか…」


蒼野 「…なぁ そのさとりって人はどういう人なんだ?トラウマを見せてくるって言ったが」


四季 「蒼野はさとりと言う妖怪を知っていますか?」


蒼野 「さとり妖怪?あぁ知ってるよ 人の心を読む人喰い妖怪のことだろ」


四季 「この地底湖の主はさとり妖怪なんです 人の心を見たりトラウマを見せることができるんです」


蒼野 「…っえ?さとり妖怪ってトラウマも見せてきたりしたっけ?それは知らないんだが」


四季 「この世界のさとり妖怪はできるんです …ですが、さとりさんはむやみやたらにそのような事をしないはずなのに…」


蒼野 「…詳しく調べた方が良さそうだな」


四季 「ですね」


ヤマメ 「さとりさんのところに行くのかい?」


四季 「はい なぜさとりさんがそのような事をするのかを確かめなくてはいけません このままではここに住んでいる方々が混乱してしまいます」


キスメ 「…無理には止めないけど、一応警告はしたからね?行かない方がいいって」


蒼野 「わかってるよ ちゃんと聞いてたから後で聞いてなかったなんて言わないから安心しろ」


キスメ 「ならいいんだけど…」


ヤマメ 「今旧都は荒れてるから裏から通った方がいいね 少し遠回りになるけどそっちの方が安全だから案内するよ」


四季 「そうしてもらえると非常に助かります 私もあまりいい目では見られないので通るのに気を引いてたところです」


蒼野 「俺は堂々と通ってもいいんだがなぁ」


四季 「…死にたいんですか?」ジロッ


蒼野 「…冗談だ 本気にしないでくれ」


四季 「どうだか」


ヤマメ 「キスメ 私が二人を案内するから裏に誰かいないか確かめてきてくれない?」


キスメ 「わかった」スルスル… 上に上がって確かめに行く


ヤマメ 「それじゃ行くよ」


四季 「はい」


タッタッタッ…








旧地獄街道裏道ー旧都に繋がる橋近く



タッタッタッ…


ヤマメ 「…」タッタッタッ…


四季 「…」タッタッタッ…


蒼野 「…静かだな けっこう深くまで歩いたような気がするんだがまだ着かないのか?」タッタッタッ…


ヤマメ 「もう少しで旧都に着くけど遠回りしないといけないからまだ時間かかるよ めんどうなことになっていいなら正面を堂々と歩くことを進めるけど」


蒼野 「…時間かかってもいいや」


四季 「…っ!」ピクッ


蒼野 「っん?どうした 四季」


四季 「…この先からものすごい殺意が感じられます しかも殺意以外にも別の気も感じ取れます」


蒼野 「…っえ?俺にはまったく感じないが…」 ヒュー…



ガァンッ!!!!


蒼野 「あがぁっ!!!!」再び頭の上に何かが落ちてくる


四季 「蒼野!?」



キスメ 「あれ?また当たっちゃった?」


ヤマメ 「うん もろ当たってるね」


四季 「蒼野大丈夫ですか!?」


蒼野 「いってぇぇっ!!またお前かよ!何か俺に恨みでもあるのかこのやろう!」


キスメ 「ごっごめん 別に当てたかったわけじゃ…」


ヤマメ 「まぁ能力が能力だから仕方ないんだけどね」


蒼野 「…能力?」


四季 「キスメさんの能力は鬼火を落とす程度の能力 つまり、人の頭の上に落ちてくる能力と言うことです」


蒼野 「なんだその変な能力?迷惑にも程がある能力だな」


四季 「釣瓶落としなので仕方ありませんよ」


蒼野 「釣瓶落とし?釣瓶落としって木の上とかから首が落ちてきて人を食らう妖怪の事だよな」


キスメ 「本来の姿はそうだけど、私はちゃんと身体もあるけどね?」


蒼野 「…はぁ ならせめて桶から出て落ちてくるか 一言言ってから落ちてきてくれないか?毎回桶が頭に当たってくるのは非常に痛い」


キスメ 「あはは…ごめんね?次からはそうするよ」


ヤマメ 「それでキスメ 降りてきたけどどうしたの?誰かこの先にいたの?」


キスメ 「うん 今あの妬まし妖怪が橋の上にいるから行かない方がいいよ」


ヤマメ 「…よりによってこのタイミングにいるなんて…」ハァ…


四季 「やはりパルスィさんですか この先からすごい殺意となにかしらの気を感じるのでもしかしたらと思っていましたが…案の定当たりましたね」


蒼野 「パルスィ?」


ヤマメ 「この先に橋があるんだけど その橋の番人だよ」


キスメ 「しかもかなりめんどうなうえ、さとりさんにトラウマを見せられた1人だからさらに面倒なことになってるよ」


蒼野 「…そのパルスィって人はどういう能力を使ってくるんだ?」


四季 「嫉妬心を操る程度の能力です わかりやすく言うなら蒼野の世界にある宇治の橋姫と言う橋の伝承を知っていますか?」


蒼野 「宇治の橋姫の伝承?たしか男を奪われた女が憎悪と殺意のあまりに宇治川に身を通して生きながら鬼になって恨みを晴らした…だっけか?」


四季 「その通りです その橋が今この先にあり、その橋を守る番人がパルスィさんと言う方なんです」


蒼野 「…てことは、さっき妬まし妖怪って言ってたがその妖怪も男を取られて鬼になったのか?」


四季 「いえ、パルスィさんはただ番人なだけであって鬼になったわけではありません 能力はその伝承通りですがね」


蒼野 「…なんか、よくわからなくなってきた」


ヤマメ 「まっその話は置いといて それでどうする?さすがにここは私でもどうにもならない 行くなら正面突破しかないよ?」


蒼野 「…戦闘は避けられないか まっいいんじゃないか?他に繋がる場所がないなら正面突破するしかないだろ」


キスメ 「閻魔様が居るから勝てると思うけど…できるだけケガはさせないでほしい パルスィも自分の意志とはまた違う意思でやってるから…」


四季 「善処します 私1人でパルスィさんを相手するのであなた達は巻き込まれないようここで待っていてください」


蒼野 「四季 悪いがそんなことはさせないぞ 俺も一緒に戦わせてもらうぞ」


四季 「あなたはまだケガが治ってないんですから無理せずここで休んでてください」


蒼野 「いやだと言ったら?」


四季 「無理にでも休んでもらいます」


蒼野 「…」


四季 「心配しなくても平気ですよ 私がやられるわけがないので安心してください」


蒼野 「…できないと言ったら?」


四季 「…」


ヤマメ 「…あんた、結構くどいね?どんだけ閻魔さまのことが心配なのよ」


キスメ 「そうだよ 人間が閻魔様を心配するなんて変な人だね?」


蒼野 「…」


四季 「…はぁ、わかりました ケガをするようなことをしなければ付いてきて構いませんがそれでいいですか?」


蒼野 「っ! あぁ わかった!」


四季 「それでは行きますよ」


蒼野 「おう!」


タッタッタッ…



キスメ 「…」


ヤマメ 「…結局あの人間も行っちゃったね?閻魔さまが一人で行くって言ってたのに」


キスメ 「…不思議な人だね?閻魔様が一人で行くことを拒んでたけど」


ヤマメ 「よくわからない人だね」


キスメ 「うん」








旧地獄街道ー橋



四季 「…」タッタッタッ…


蒼野 「…けっこう長いな 今どれくらい歩いたんだ?」タッタッタッ…


四季 「まだ半分も歩いてませんよ ここの橋はかなり長いので結構足腰にきますよ」


蒼野 「なら飛んで行ったほうが楽じゃないか?歩くより飛んだ方が楽だろ」


四季 「たしかにそうですが、あまりここでは飛ばない方がいいですよ ここら辺の妖怪はいろんなのが居るので飛ぶと標的にされたりする恐れがありますから」


蒼野 「まじかよ…」



…ネタマシイ どこからともなく声が聞こえてくる


四季&蒼野 「「っ!」」ピクッ


ネタマシイネタマシイ ダンジョソロッテフタリイッショニアルイテネタマシイ ネタマシクテコロシタクナルワ


ネタミヲトオリコシテコロシタイ アンタタチフタリヲヒキサキコロシタイ…コロシタイコロシタイ…ダカラ



パルスィ 「…あんた達を殺す」スゥ… どこからともなく蒼野達の前に姿を現す



四季 「…現れましたかパルスィさん あいかわらず凄い殺意ですね」


蒼野 「ほんとにすげぇ殺意出してるな…めっちゃ危なっかしいやつだ」


四季 「戦闘に関してはそこまで強い方とは言えません…ですが、ケガをさせないよう戦わなくてはいけないので少々面倒ですね」


蒼野 「っえ 戦闘はそこまで得意なやつじゃないのか?」


四季 「はい パルスィさんはここの番人なだけであって戦闘を好む方ではありません ここまで来た人に帰らせるよう説得して帰させるのが本来の仕事です」


蒼野 「…なるほど?」


パルスィ 「あなた達は生きてここから帰れない…必ず殺してあげる」


パルスィ 「行くよ!」シュンッ!!



四季 「来ますよ!蒼野 下がっててください!」


蒼野 「いや ここは俺に任せろ」クンッスー…スチャッ 闇の刀を抜き取り構える


四季 「…っえ?」



パルスィ 「死ねぇ!」ブンッ!! 蒼野に拳を振るってくる


蒼野 「おっと」シュンッ 身体を捻ってパルスィの拳を受け流す


蒼野 「(今だ!)」スチャッ 刀を両手で握り締める


蒼野 「はぁっ!!」ヒュンッ!!


ボスゥッ!!!!



パルスィ 「があぁっ!!!!!?」ガハァ 力強く腹に刀を入れられる


…ガクンッ


パルスィ 「」



四季 「蒼野!?あなた本気で刀を…!?」


蒼野 「大丈夫だ 刀を逆にして入れたから気絶しただけだ 死んでねぇよ」


四季 「そっそうですか それならいいんですが…」


蒼野 「にしても、こんな簡単に上手くいくとは思わなかったな?まさか一撃で気絶させることが出来るとは思ってなかったよ」


四季 「パルスィさんは戦闘型ではありませんからね やられ慣れてないため仕方ありません」


蒼野 「やられ慣れてないって…なんか嫌な言い方だな」


四季 「とりあえずパルスィさんはここで寝かせておきましょう 起きてまた暴れだしたらめんどうです」


蒼野 「ここに寝かせたままでいいのか?他の妖怪に襲われたりしないか?」


四季 「大丈夫です この辺の妖怪はパルスィさんを襲うどころか近づきたがらないので平気です」


蒼野 「…それはそれでかわいそうだな 嫌われてるのか?」


四季 「いえ、嫌われているわけではありませんが能力のせいであまり近寄る者がいないんです」


蒼野 「…嫉妬心を操る能力だったか その能力のせいで誰も近寄らないのか?」


四季 「そうです 嫉妬心を操る能力はパルスィさん自信でも抑えることは出来るんですが完全には抑えられず、近づいてきたものに無意識に嫉妬心を与えてしまうんです」


蒼野 「…なんかかわいそうだな 自分の能力のせいで嫌われてるなんて…」


四季 「仕方ありません そういう能力を持ってしまったんですから」


蒼野 「…そうだな」



ヤマメ 「…終わったのかい?」タッタッタッ…


四季 「えぇ 終わりましたよ 蒼野がケガ一つ付けないで気絶させてくれました」


蒼野 「かなり暴力的だけどな」


ヤマメ 「…そう それなら良かった パルスィを大人しくさせられて…」


四季 「ただ気絶させただけなので起きたらまた暴れ出すかもしれません 縛って置くなどしておいたほうが良さそうですね?」


ヤマメ 「それならパルスィのことはキスメに任せよう キスメー!」


ヒュー…



蒼野 「…なんか、嫌な予感が…」 ヒュー…


ガァンッ!!!!



蒼野 「あばぁっ!!!!!!」グキィッ!!


キスメ 「あっ…」


四季 「蒼野!?」


ヤマメ 「…」


蒼野 「〜〜〜っっ!!!!!!」プルプル…


四季 「だっ大丈夫ですか!?今ものすごい音がしましたが!?」


蒼野 「〜〜〜っっ曲がっちゃいけない方に曲がった…!!!!!!」プルプル…


ヤマメ 「…キスメ あんたはなんで毎回この人間の上に落ちてくるんだい?」


キスメ 「いや、別に狙ってるつもりはないんだけど…ただ落ちたところにこの人が毎回いて……」ガシッ


キスメ 「…っえ?」後ろから頭を掴まれる


蒼野 「こんのクソがきゃぁぁ?人が怒らないことにいい気になりやがってぇぇ!!」ギロッ!!


キスメ 「ひぃぃっ!!!!!?」ビクゥッ!!


四季 「蒼野 男が女性に手を上げるのはどうかと思いますよ」


蒼野 「さすがに手は上げねぇよ ただ睨みつけただけだ?」


四季 「睨みつけるのもどうかと思いますよ 今すぐ睨みつけるのをやめてキスメさんを離しなさい」


蒼野 「…わかったよ 睨みつけて悪かったな」スッ


キスメ 「うっうん ごめんね?また頭の上に落ちちゃって…」


蒼野 「別にいいよ 俺も薄々感づいてたのに防がなかった自分も悪いんだからな まっ次は気をつけてくれ」


キスメ 「…うん」


ヤマメ 「キスメ パルスィを頼めるかい?」


キスメ 「わかった!」


ヤマメ 「それじゃ 行こうか?」


蒼野 「おう!」


タッタッタッ…













地霊殿ー入口前



ヤマメ 「着いたよ」


蒼野 「…デケェな ここにさとりって奴がいるのか?」


四季 「そうです ここに古明地さとりさんが住んでいます」


ヤマメ 「本来なら物静かで礼儀正しい方なんだけど…本当にどうしたんだろう」


蒼野 「…っん あそこに誰がいるが誰だ?」


四季 「…っえ?」




燐 「ーっ…」ビクビク… 隅っこにうずくまって震えてる




ヤマメ 「…あれは燐じゃないか なんであんな所に?」


蒼野 「燐?」


四季 「さとりさんのペットの1人です あんな所でなにしてるんでしょうか?」


蒼野 「…とりあえず行ってみるか?」


四季 「そうですね」




燐 「ーっ…」ビクビク…


燐 「(いやだ…もうやめて!もういじめられたくないの…!!)」ビクビク…


燐 「(もう追いかけられたくない…叩かれたくない!もうやめて!!)」ガタガタ…


タッタッタッ…



燐 「ひぃっ!?」ビクッ!!


蒼野 「…大丈夫か?なんか震えてるみたいだが…」


燐 「いっいやぁ…来ないで!」ガタガタ…


四季 「…燐さん?」


燐 「近寄るな!やめて!!もういじめられたくないの!お願いだから…」ガタガタ…


ヤマメ 「…完全に堕ちてるね まだトラウマが頭から離れてないようだね」


蒼野 「この娘のトラウマって何なんだ?」


四季 「…私もよくはわかっていませんが昔は猫だった時によくいじめられていたみたいです」


蒼野 「…ねこ?」


ヤマメ 「燐は化け猫妖怪だから昔そんな事があってもおかしくないね」


蒼野 「…この娘化け猫だったのか 猫耳に尻尾が生えてるから妖怪だとは思ってたが猫だったか」


四季 「今は構わない方がよさそうですね さとりさんの元に向いましょう」


蒼野 「…ほっといて平気なのか?」


ヤマメ 「仕方ないよ 今はどうしようもできないよ」


蒼野 「…」


燐 「早く離れろ!私に構うな!」ブルブル…


四季 「蒼野 行きますよ?」


蒼野 「…悪い 少し時間くれ」タッタッタッ…


ヤマメ 「ちょっ!?あんた今燐に近付いたら!」


燐 「来るな!」ヒュンッ!! 爪で蒼野に攻撃する


蒼野 「おっと?」シュンッ


燐 「死ねぇ!」ヒュンッ!! もう片方の爪で攻撃する


蒼野 「おちつけよ?別に取って食ったりしないよ」ガシッ 燐の腕をつかんで手の自由を奪う


燐 「うわぁあぁぁぁっっっ!!!!!!」グワッ!! 口を開けて鋭い歯を見せて襲いかかる


蒼野 「…」スッ


ガブゥッ!!!!



四季 「蒼野!?」


燐 「ヴヴゥーッ!!!!」ギリギリッ!!!!


蒼野 「おーおー?結構噛む力強いじゃねぇか かなり痛いな」ダラダラ… 燐に腕を噛まれて血が流れ出てくる


燐 「ヴヴゥーッ!!!!!!」ギリギリッ!!!!!!


蒼野 「そうだ もっと噛め?気が済むまで噛み続けろ 元々が猫なら血や肉を口に含めば興奮するはずだ その興奮で怯えた気を治ませろ!」ダラダラ…


燐 「ヴヴゥーッッ!!!!!!」ギリッギリッ!!!!…



ヤマメ 「…あの人間むちゃくちゃな考えをするね?まさか自分の腕を噛ませて落ち着かせようとするなんて…」


四季 「…」



燐 「ヴヴゥー…」ギリッギリッ…


蒼野 「どうした?噛む力が弱くなってきたぞ だいぶ落ち着いてきたか?」ダラダラ…


燐 「ヴヴゥ…」スゥ… 噛みつくのをやめて蒼野から離れる


蒼野 「…どうだ 落ち着いたか?」


燐 「…なんで…」


蒼野 「っん?」


燐 「なんで…噛みついても叩いてこないの?普通の奴ならなにかしら抵抗するのに…」


蒼野 「…なんだ 叩いて欲しかったのか?」


燐 「いや、叩いてほしいわけじゃないけど…」


蒼野 「怯えてる奴に落ち着かせるために叩くわけないだろ 叩いたら逆効果だ」


蒼野 「お前は元々猫だって聞いたから落ち着かせるために俺の腕を噛ませ、血を口に含ませて落ち着かせようとしたんだ 叩く理由なんてないだろ?」


燐 「…でも、痛かったんじゃないのかい?」


蒼野 「逆に痛くないという奴はいないと思うぞ?ましてこんな血が出てるのに痛くないわけがない」ダラダラ…


蒼野 「でも、血を含んでだいぶ落ち着いただろ?さっきとは大違いだ」


蒼野 「落ち着いてもらえるためなら俺の手だけで済めばまだ安いもんさ 怯えてる奴を放っておけないからな?」


燐 「…あんた…」


四季 「…蒼野 あなたは本当に無茶をする方ですね」


蒼野 「無茶なんかしてないだろ?ただ腕を噛ませただけなんだから」


四季 「普通の方はそのような痛い思いしてまでやりませんよ …まっ結果オーライなので構いませんがね」


蒼野 「手厳しいこと」


ヤマメ 「お燐 大丈夫かい?今話しても平気かい?」


燐 「…うん だいぶ落ち着いたから平気だよ 迷惑かけてごめんね?」


ヤマメ 「謝るならそこの人間に謝りな その人が落ち着かせてくれたんだから」


蒼野 「別に謝ることはない お前は悪くないんだから謝る必要はない」


燐 「…わかった ありがとね?えっと…」


蒼野 「蒼野だ 蒼野夜一」


燐 「火焔猫燐だよ ありがとね?蒼野」


蒼野 「どういたしまして」


四季 「蒼野 せめてケガの治療だけでもしておいた方がいいんじゃないですか?」


蒼野 「…それもそうだな?ヤマメ お前の糸でぐるぐる巻きにしてもらえないか?」


ヤマメ 「っえ 糸でぐるぐる巻きにするの…?」


蒼野 「医療器具なにも持ってないからな そうするしかないだろ?」


燐 「なら私が治療するよ ケガさせちゃったのはあたいだからせめてそのくらいはさせておくれ?」


蒼野 「そうか?それじゃそうしてもらおうかな」


燐 「決まりだね!今さとり様は自分の部屋でなにかしてるはずだからあたいの部屋に行こ!」


四季 「中に入って平気なんですか?もしさとりさんが出歩いてたりしたら…」


燐 「それは平気だと思うよ 私とお空が何日か見てたけど、さとり様が外に出た形跡はないから大丈夫だと思う」


四季 「っえ?そうなんですか?」


燐 「うん なにしてるかまではわからないけど部屋の中でなにかしてることは確かだよ」


蒼野 「…なにしてるか気になるけど、平気そうなら行くか?」


ヤマメ 「それじゃ私は先に入って調べてくるよ 心を無にしてればバレることないと思うから天井に張り付いて見てくるね」タッタッタッ…


四季 「お願いします」


燐 「それじゃ行くよ!」


タッタッタッ…













地霊殿ー内部通路



タッタッタッ…


四季 「…」タッタッタッ…


蒼野 「…けっこう広いな?外見もかなりでかかったから中も広いとは思ってたけど想像以上だな」


燐 「外見だけじゃどのくらい広いかわからないからね」


四季 「…ヤマメさん どうですか?さとりさんは出歩いてませんか?」


ヤマメ 「今のところは部屋から出てないみたいだよ?さとりさまの部屋以外は全部確かめたけど見当たらなかったよ」プラーン 天井からぶら下がってくる


燐 「それなら平気だね!早く私の部屋に…」



タッタッタッ…


蒼野 「っ! 待て!誰か来るぞ!」


全員 「「…っえ?」」 タッタッタッ…




さとり? 「…ネズミが紛れてきたようですね しかもやっかいな方が一名居ますね」


四季 「さとりさん!」


ヤマメ 「…最悪だね 一度確かめたから平気だと思ったけど…」


蒼野 「あいつがさとり…」


燐 「さっさとり様…」ビクビク…


さとり? 「お燐 あなたはなにをやってるの?しかも私の許可もなしで変な方達を入れて…」


さとり? 「なにをしてるのかしら?」ジロッ


燐 「ひぃっ!!」ビクッ!!


四季 「変な方々と言うのは私たちのことですか?さとりさん」


さとり? 「そうです あなた達以外に誰がいるというのですか?」


四季 「…さとりさんがそのような言葉を使うとは思えません あなた、偽物じゃありませんか?」


ヤマメ 「にせもの!?」


さとり? 「いいえ?私は正真正銘古明地さとりですよ 偽物ではありません」


蒼野 「その根拠はどこにある?お前あの時の変装能力者か!」


さとり? 「人の話を聞かない方達ですね 私は正真正銘古明地さとりです …まっ半分間違っていますがね?」


四季 「半分間違い…?」


さとり? 「まぁそのようなことはどうでもいいとして…」


さとり? 「【来て早々と絶望に堕ちて死になさい】」ニヤッ


四季 「っ! みなさん下がってください!」


全員 「「っ!」」ダッ!!


さとり? 「【想起 テリブルスーヴニール】」ヒュンッ


四季 【審判 ラストジャッジメント】スッ



ズドォォォォン!!!!!! さとり?の頭上から光が落ちてきて爆音を上げる



四季 「…」シュゥゥ…


さとり? 「…危ないですね 当たったらどうするんですか?」後方に下がって四季の攻撃を避ける


四季 「…逆に当たってくれたら嬉しかったです それで気絶してもらえれば、なお良かったです」


さとり? 「甘く見ないで欲しいですね そんな攻撃当たるわけありませんよ?」


さとり? 「まして、わたしはあなたたちの考えていることを聞くことができるんですから なおのこと当てようなんて無理ですよ」


四季 「…」



蒼野 「…あいつ、四季の攻撃を避けやがった?四季の攻撃を避けられる奴がいるなんて…」


ヤマメ 「にしても、閻魔様が居て助かったね もしいなかったら私たちはやられてたよ」


蒼野 「…なぁ さっきさとりって人が使ったテリブルスーヴニールって技はどんな技なんだ?名前だけじゃわからないんだが…」


ヤマメ 「さっきの技はトラウマを強制的に思い出させる技だよ」


蒼野 「トラウマ…てことは、さっき燐がトラウマを思い出してたのは今の技を食らって思い出してたのか?」


燐 「…そうだよ 今の技は周囲にいる人に自分のトラウマを思い出させて恐怖に追い込む技…でも、さとり様はその技をむやみに使うことはないはずなのに…」ガタガタ…


蒼野 「…」



さとり? 「さぁかかってきてください 私はいつでも準備万端ですよ」クイクイッ


四季 「…」


四季 「(困りましたね…相手が偽物じゃないなら直接攻撃を当てることはできませんね)」


四季 「(万が一、致命傷を追わせてしまっては元の子もありませんし…かといって、このままジリ貧させるにしても効率が悪すぎる…どうしますか)」


さとり? 「どうしたんですか?かかってこないんですか」


さとり? 「それならまた私からやらせてもらいます」スッ…


さとり? 「【想起 恐怖催眠術】」キィンッ!!


四季 「無駄ですよ 私にその技は効きません!」


さとり? 「知ってますよ そんなこと」ニヤッ


四季 「…っえ」



ヒュゥゥッ!!!!… 恐怖催眠術は四季の方ではなく、蒼野達の方へ向かっていく


燐 「…っえ?」


さとり? 「最初からあなたになんて狙ってませんよ まずはあなた達から殺らせてもらいます!」


四季 「(まずい!)みなさん逃げてください!」


蒼野 「っち!」ガシッ


ヤマメ 「っえ」蒼野に襟を掴まれる


蒼野 「お前らだけでも逃げろ!」ブンッ!! 燐とヤマメを左右に投げて、さとりの攻撃範囲から出す


燐 「わぁぁっ!!!?」


ヤマメ 「ちょっ!?」



ビュゥゥゥゥン!!!!!!…


蒼野 「っ!!!!!!」ゾクゥッ!!!!!!



四季 「蒼野!」


さとり? 「おや ずいぶんと仲間思いの方ですね?自分を犠牲にしてまでお燐達を庇うなんて」


蒼野 「…」


四季 「蒼野 大丈夫ですか!?」


蒼野 「…うぷっ!!」


蒼野 「おぅえぇぇえぇえおぉぉぉっっっ!!!!!!」ビチャビチャ!!…


燐&ヤマメ 「「っ!!!?」」


四季 「蒼野!?」


さとり? 「【…へぇ あなたのトラウマは初めて人を殺した時の罪悪感ですか?意外と普通ですね】」


蒼野 「うえぇ…うぷっ!!…てめぇ!!」スゥ…スチャッ 闇の刀を抜いて、手を震えさせながら構える


四季 「蒼野!無理してはいけません!下がってください!」


さとり? 「刀を抜きましたか …まぁ今の状況では切りつけることなんてできないかと思いますがね?」


蒼野 「〜っうぷ!」ブルブル…


蒼野 「(くそぉ…マジかよ!まさかあの時のトラウマをまた味わうとは…まだ吐き気が!!)」ウプッ


さとり? 「ふふ!無様ですね蒼野 あの時の活気はどこへ行ったのですか?」ニタァ


四季 「…っえ?あの時…?」


さとり? 「まだ気づかないんですか?私は半分偽物で半分本物と言いましたよね その意味がまだ、わからないんですか?」


四季 「…っ! まさか!」


さとり? 「ふふ!ようやく分かったようですね」


さとり? 「久しぶりだな?蒼野 俺のこと覚えてるか?」ニヤッ さとりの声ではなく、のぶとい男声で蒼野に問いかける


蒼野 「っ!? その声…まさかカルマか!」


カルマ 「その通り!」シュタッ どこからともなく現れる


ヤマメ 「っな!人間!?今どこから現れた!?」


カルマ 「どこから?そんなの決まってるだろ」


カルマ 「【この子の中からに決まってるだろ?】」ニヤッ


燐 「っえ!?さとり様から!?」


さとり 「」フラァ…


ドサァ…



四季 「さとりさん!」


カルマ 「安心しな ただ気絶してるだけだ?関係ねぇやつを殺す気はねぇよ」ニヤッ


蒼野 「お前も死んでからこっちの世界に来たのか?」


カルマ 「そうだよ お前に殺されてから地獄に落とされたがなんとか這い上がってこれてな?いやぁ大変だったよ 地獄から地上に戻ってくるの」


四季 「っな!?地獄から這い上がってきた!?」


カルマ 「そうだよ …とは言っても、俺一人の力じゃないけどな?さすがに1人で這い上がってくるのは無理だから あの方が手伝ってくれて助かったよ」


蒼野 「あの方…?あの方って言うのはお前達のボス 佐久間透(さくまとおる)のことか?あいつもこっちの世界に来てるのか!」


カルマ 「いや あの人も来てるがあの方がボスじゃない」


蒼野 「…っえ あいつじゃない?それじゃ一体誰がボスなんだ?」


カルマ 「それは自分の目で確かめることだな?ボスから言うなって言われてるから自分で確かめてくれ」


カルマ 「それじゃ 無駄話もこれくらいにしてさっさと決着をつけようぜ!」


カルマ 「本当は正々堂々戦いたかったんだが、お前が相手となると確実に俺が負けるからな 先手を打たせてもらったよ?」


蒼野 「…その子を操ってか?」


カルマ 「そうだ 俺の能力は【人の身体の中に入り操る程度の能力】 対象者の身体の中に入ってそいつを操ることが出来るってことだ!」


燐 「操ってた!?てことは、さとり様がいろんな奴にトラウマを見せていたのは!」


カルマ 「あぁ 俺だよ?まず手始めにこの近くにいる奴らの戦力を下げて攻め込まれないようしたんだ」


カルマ 「さすがに俺1人で多重大勢を相手するのは無理がある だから早いうちに手を打ってといたんだ…だが、一つ誤算がでちまったけどな」


ヤマメ 「誤算?」


カルマ 「あぁ まだ準備途中だったんだが、まさか蒼野がこんなにも早く来るとは思わなかった」


カルマ 「情報が伝わるにしてももう少し時間がかかると思ってたんだが…まぁ早く来ちまったものは仕方ない」


カルマ 「本当はまだ殺す予定じゃなかったが今ここで殺しても害はない」スゥ-…スチャ 鞘から刀を抜き取り構える


カルマ 「今度こそお前を殺してやる!あの時はやられたがこの世界で殺せればあの時倒せなかった未練もなくなるってもんよ!」


カルマ 「さぁ 早く始めようぜ!正々堂々じゃないが今ならお前を殺れる!俺は早くお前を殺したいんだよ!」


蒼野 「…いいだろう 相手してやる!」チャキッ


四季 「蒼野 無理してはいけません!下がってください!」


ヤマメ 「ねぇ閻魔様 あの人間とさとり様を操ってた人間って一体どういう関係なんだい?なんか知り合いっぽいけど…」


四季 「…蒼野は外の世界から来た殺人鬼です そしてさとりさんを操っていた方はおそらく、外の世界で蒼野が倒した闇組織の一員です」


燐 「っえ!?殺人鬼!?あの人が!?」


ヤマメ 「あの優しそうな人が殺人鬼?とてもそうには見えないけど…」


四季 「たしかに一見殺人には見えません…ですが、外の世界にいた時は100を越える人達を殺していたんです ある方を守るために…」


燐 「…ある方?」



カルマ 「行くぞ!」ダッ!!


蒼野 「」ダッ!!



ガキィンッ!!!!


カルマ 「よっと!」ブォンッ!! 刀同士がぶつかりあった瞬間、すかさず蒼野の脇腹に目がけて蹴りを入れる


蒼野 「っ…」パシンッ 片手を刀から離してカルマの蹴りを受け止める


カルマ 「おらよっと!」ブォンッ!! 身体を縦に回転させて蒼野の顎にもう片方の蹴りを入れる


蒼野 「ふんっ!」ブォンッ!! 同じく身体を縦に回転させてカルマの蹴りを受け流す


カルマ 「っち!避けやがったか 今の当たれば脳震盪を起こせるかと思ったのに」スタッ


蒼野 「あいにくだが、そんな攻撃じゃ俺を倒せないぞ?カルマ」スチャッ


カルマ 「上等だ!確実にお前を殺してみせる!」スチャッ


蒼野 「ーっ…」カタカタ…


蒼野 「(まずいな…さっきのトラウマがまだ効いてるな こいつを殺したらまた罪悪感が襲ってきそうだな…)」


蒼野 「(なんとか殺さないであいつを倒したいけど……)」


カルマ 「手が震えてるぜ?蒼野 まさかお前のトラウマが初めて人を殺した時の罪悪感だとは思わなかったな!」サンッ!!


蒼野 「俺だって普通の人間だ 普通人を殺したら罪悪感が襲ってくるに決まってるだろ!」ガキィンッ!!


カルマ 「いや、そうとは限らないぜ?」キィンッ


カルマ 「俺は初めて人を殺した時にはなにも起きなかったぜ?逆に人を殺すことが楽しいと思っちまったからな!」キィンッ!!キィンキィンッ!!ガキィンッ!!


蒼野 「…人を殺すことに快楽を持ったのか それなら話は別だな?」キリッ…キリッ…


カルマ 「お前も一緒かと思ったが…違ったみたいだな?」キィンッ!!タタッ


蒼野 「あたりまえだ もし人を殺すことに快楽を持ったら遥を守ってるわけないだろ」


カルマ 「たしかにな?」



四季 「蒼野 下がってください!私がその方の相手をするので無理しないでください!」


蒼野 「だいじょうぶだ!こいつは俺がなんとかするから四季はそこの2人を守っててくれ!」


四季 「だめです!今のあなたはトラウマを見せられて人を殺したことによる罪悪感が襲っているはずです!そんな状態ではまともに戦えないはずです!」


蒼野 「だいじょうぶだって言ってるだろ!こんなトラウマなんか気にしないでやればなんとかなる!」


四季 「無理しないでください!忘れたんですか 私との約束を!」


蒼野 「ーっ…」カタカタ…


カルマ 「おやおや?ずいぶんと心配されてるな 犯罪者であるお前が閻魔さまに心配されるなんてな?おもしろい光景だ!」


蒼野 「…おもしろいか?俺はおもしろくないと思うが」


カルマ 「俺はおもしろいんだよ お前がおもしろくなくても俺はおもしろいから言ったんだよ」


カルマ 「まるであの時の遥と一緒だな?お前が大ケガした状態で俺と一騎打ちをした時とな!」


蒼野 「…だからなんだ?今は昔話なんかどうでもいいだろ さっさとケリをつけようぜ?」


カルマ 「上等だ!お前の首を手土産にしてあの方の元に持ってってやるよ!」ダッ!!


蒼野 「…」スチャッ


四季 「蒼野!下がりなさい!」


蒼野 「…」 四季の命令を無視して刀を構え続ける


四季 「蒼野!!」



カルマ 「あっはははは!死ねぇ!蒼野夜一!!」スゥー…


蒼野 「…」


カルマ 「はぁぁっ!!」シュンッ!! 刀を蒼野の首にめがけて勢いよく切りつける


四季 「蒼野っ!!!!」


蒼野 「…壱ノ太刀」スゥー…


カルマ 「っ!?」ゾクッ!!


蒼野 「」シュンッ



ズバンッ!!!!!!


カルマ 「っ!!!!!!」蒼野に腹を切りつけられて貫通する


全員 「「っ!!!?」」


蒼野 「…瞬殺 かまいたち」スゥ…スチャンッ 一瞬にしてカルマの背後に立ち尽くし、闇の刀を鞘に収める


カルマ 「があぁぁぁぁぁぁっ!!!!!!」ブシャアァァッ!!!!!! 腹を切られ辺りに血しぶきを吹き散らす


カルマ 「っあ…あぁおのぉぉ…テメェっ!!!!!!」ズルッ…


…バシャンッドサ…


カルマ 「」ドバァ-… 上半身と下半身が二つに離れて辺り一面に血が流れていく



四季 「…あっ蒼野 あなた……」


蒼野 「…うぷっ!」


蒼野 「おうえぇぇうぅぇぇぇぇっっっ!!!!!!」ビチャビチャッ!!!!


蒼野 「うえぇぇ…おぇぇ……!!」ビチャビチャッ…


蒼野 「(やっちまった…マジで殺っちまった!)」


蒼野 「(殺しちまった…殺しちゃいけないのに…殺しちまった!)」ブルブル…


蒼野 「(やべぇよ!?まじでやべぇよ!!殺すなと言われたのに殺しちまったよ!!)」


蒼野 「(殺すなと言われたのに…殺すなと言われたのに!!殺しちまったよ!?)」ガクガク…


蒼野 「(どうしよう…マジでどうしよう!!)」


蒼野 「(どうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしよう…っ!!!!!!)」ガクガク…!!!!!!


蒼野 「…うぷぅっ!!!!!!」ゴポッ


蒼野 「おぅえぇぇぇぇうぅえぇぇぇぇぇっっっ!!!!!!」ビチャビチャッ!!!!



四季 「…」


タッタッタッ…


ヤマメ 「…閻魔様?」



蒼野 「うぇぇ…おえぇぇ……!!」ビチャビチャッ…


蒼野 「(どうしよう…まじでどうしよう!!)」


蒼野 「(また、殺しちまった…思いっきり殺しちまった!)」


蒼野 「(マジで殺しちまった!どうしよう…どうしよう!)」ガクガク…



タッタッタッ…


四季 「…蒼野」


蒼野 「ひぃっ!?」ビクッ!!


四季 「…だいじょうぶですか?蒼野」


蒼野 「ひっひぃ!来るな!来ないでくれ!!」ビクビク…


蒼野 「俺は殺りたくてやったわけじゃないんだ!殺す気はなかったんだ!」


蒼野 「お前から言われてたのに殺しちまった!殺す気はなかったのに…殺しちまった……!!」ガクガク…


蒼野 「許してくれ…本当に、ゆるしてくれ……」プルプル…


四季 「…蒼野……」


蒼野 「…すまない、本当にすまない…すまない………」ガクガク…


四季 「…」スゥ…



ピタッ…


蒼野 「ひぃっ!!!!」ビクゥッ!! 四季に頬を撫でられて恐怖を感じる


四季 「…だいじょうぶ わかっています」


四季 「あなたの気持ち、痛いくらいにわかります なので落ち着いてください」


蒼野 「…でも、俺は……」プルプル…


四季 「たしかにあなたは私の期待を裏切りました 人を殺すことは絶対にしないよう言ったのに人を殺めてしまった…」


四季 「でも、あなたは私の手を汚さないために自らの手を汚したに違いありません それはちゃんとわかっているので落ち着いてください」


蒼野 「…しっ四季……」


蒼野 「…すまない 本当に、すまない!」ツツー…


四季 「(…トラウマを見せられて落ち着けないみたいですね 人を初めて殺めた時のことを思い出して、さらに人を殺めてしまったことによる二つの後悔が一緒になって自分を苦しめてる…)」


四季 「(普段の蒼野ならありえませんね あの怖いもの知らずの蒼野が身体を震えさせるなんて…)」


蒼野 「ーっ…」ブルブル…


四季 「(なんとかしてあげたいですけど、私ではどうにもなりませんね 一体どうすれば…)」



さとり 「ーっ…私がっなんとかします」ムクッ…


四季 「っ! さとりさん!」


燐 「さとり様!意識が戻ったんですか!?」


さとり 「えぇ…まだ思考回路がうまく回らないけどなんとか戻ったわ……」フラァ…トトッ


ヤマメ 「元に戻って良かったよ」


四季 「さとりさん 蒼野のトラウマをなんとかできるんですか?」


さとり 「できます すぐにトラウマを沈めさせます」スゥ…


さとり 「【トラウマ解除】」



キィン!!


蒼野 「っ! …あっあれ?急に気が収まって……?」


四季 「蒼野 だいじょうぶですか?落ち着きましたか?」


蒼野 「あっあぁ なんか急に落ち着いた…悪い 心配させて」


四季 「構いませんよ 落ち着いたならそれでいいです」


さとり 「申し訳ありません 私が操られていたばかりに迷惑をかけてしまって…」


蒼野 「いや、あんたは悪くないから謝らないでくれ 悪いのはそこで倒れてるカルマって奴なんだからな」


さとり 「…」



カルマ 「」ドバァ… 血の湖が周りに広がって大きくなっている


さとり 「…この方とは知り合いなんですか?」


蒼野 「…あぁ 俺が外の世界にいた時に殺した人間だ」


蒼野 「死んでからこっちの世界に来て生き返ったみたいなんだ おれも詳しくはわからないけど」


さとり 「…そうですか」


四季 「さとりさん この方についてお話が…」


さとり 「平気です 今閻魔様の心を呼んでいるのでなにを話そうとしていたのかを読み取ったのですべて理解しました」


四季 「そうですか あまり読まれたくありませんでしたが話が早くて助かります」


さとり 「佐久間グループ…外の世界から来た犯罪組織集団ですか?しかも大勢に能力が付いているなんて、なかなか厄介な方たちがやって来たものですね?」


蒼野 「…本当に心を読み取ることができるみたいだな?なにも話してないのに…」


さとり 「私はさとり妖怪ですからね 誰がなにを考えていようと私の前では無意味ですよ」


蒼野 「(…なかなかおっかない奴だな?もしこいつが敵だったらと思うとゾッとするな 心を読まれるだけじゃなくトラウマまで見せてくるからな…敵じゃなくてほんとに良かった)」


さとり 「そうですね 敵ではなくて良かったですね」


蒼野 「…読まれたか」


さとり 「はい 読みました」


さとり 「それといつまでもこんなところで立ち話をするより 中に入ってあなたの腕を治療しないと血や雑菌が繁殖するので私の部屋に行きましょう」


蒼野 「…すまないがたのむ」ダラダラ…


さとり 「お燐 悪いけどお空を連れてきてここら辺の掃除をお願い?そこの死体はあなたの好きなようにしていいわ」


お燐 「マジですか!?了解です!」


ヤマメ 「さとり様 明日旧都に顔を出してみんなに誤解を解いてくれる?みんなけっこう操られてたさとり様にやられて…」


さとり 「わかっています 明日みなさんに謝罪をしに行きますのでご安心ください」


さとり 「それではいきますよ」


タッタッタッ…


燐 「…」


ヤマメ 「…あの人間、すごいね?」


ヤマメ 「一瞬にしてさとり様を操ってた人間を倒したけど、あの人間の剣さばき…なかなかのものだったね?」


燐 「うん…気づいた時にはもう後ろにいて切ってたもんね?」


ヤマメ 「…さすが殺人鬼、と言ったところだね あんなにも優しそうな人が…」


燐 「…」













地霊殿ー客間



さとり 「…これでよしっと」キュッ


蒼野 「わるいな 治療してもらって」腕を治療されて包帯を巻いてもらう


さとり 「いえ、私のせいでお燐に噛まれたんですからあなたが謝る必要はありません」


さとり 「私がもっとしっかりしていれば、こんなことには…」


蒼野 「…さとり……」


四季 「…さとりさん あなたがあの、カルマ?でしたか あの方にはいつごろ操られていたんですか?」


さとり 「…二日前ぐらいですかね?操られていたとはいえ、うっすらと記憶は残っているのでおそらくそのくらいかと…」


蒼野 「二日前…そこまで日が経ってないな?」


四季 「それで、その二日間のあいだに旧都に住む鬼や燐さんたちにトラウマを見せたんですか?」


さとり 「…はい その辺の記憶ははっきり残っているので確実です」


四季 「…」


蒼野 「…あの野郎 ほんとにろくな事しねぇな?っち!」


四季 「蒼野 今はさとりさんがいるんですから舌打ちは控えてください」


蒼野 「…わるい」


さとり 「構いませんよ 気にしていませんから」


さとり 「…それで、その者達を警戒すればいいんですね?」


四季 「はい 佐久間グループの者が来た場合には容赦なく対象して構いません 私が許します」


さとり 「…わかりました それではまた来た場合にはこちらも全力で対象させていただきます」


四季 「よろしくお願いします」



ガチャッタタタ…


蒼野 「っん?」


四季 「どうしましたか?蒼野」


蒼野 「…今、誰か入ってこなかったか?ドアが開く音がしたんだが」


さとり 「私の妹です こいし 姿を見せなさい?」


こいし 「はーい!」ヒョコッ 蒼野の背後から姿を現す


蒼野 「うぉっ!!!?」ビクッ!!


四季 「おや こいしさんどうしたんですか?姿を見せないで入ってきたりして」


こいし 「お姉ちゃんが元に戻ったってお燐から聞いたから来たんだよ!」


さとり 「心配かけてごめんね?こいし もう大丈夫よ!」


こいし 「戻ってよかったよ!お姉ちゃん」


蒼野 「…きみ、今どこから現れた?まったく気配がしなかったんだが…」


こいし 「っえ?普通に入ってきたよ?」


蒼野 「いや普通に入ってきたらわかるから…」


四季 「蒼野 こいしさんは無意識を操るんですよ」


蒼野 「…無意識を操る?」


さとり 「そうです 無意識に行動して無意識に現れる…つまり、気配や存在を操ることが出来るんです」


蒼野 「…だから見えなかったのか?誰かが入ってくるのはわかったけど誰の姿もなかったから驚いたな」


こいし 「脅かしてごめんね?それとお姉ちゃんを戻してくれたのはあなただよね?」


蒼野 「あぁ 俺は蒼野夜一」


こいし 「古明地こいしだよ!ありがとね 夜一!」


蒼野 「あぁ!」













夜ー上空



四季 「…すっかり遅くなってしまいましたね?早く帰って夕食の準備をしなくては…」ヒュー…


蒼野 「…」ヒュー…


四季 「…蒼野?」


蒼野 「…」


四季 「…蒼野 あなたが何を気にしてるかはだいたい想像がつきます」


四季 「ですが、あなたは落ち着けない状態で人を殺めてしまったんですから仕方ないことです 気にする必要はありません」


蒼野 「…だが、俺は人を殺すことはしないよう言われていた…それなのに俺は……」


四季 「場合が場合なら致し方ないことだと私は受け止めます 今回のことに関してはその致し方ないことです」


四季 「私は許します このことは大閻魔様にも話さずに黙っておきますのでいつものように元気を出してください」


蒼野 「…すまない」


四季 「謝らないでください あの時、私があなたを助けていればこんなことにはならずに済んでいたんですから…」


蒼野 「四季は悪くない 俺が全部悪いんだ?俺がもっとしっかりしていれば…」


四季 「それではおあいこということで締めましょう いつまでも同じことを繰り返していてもキリがありませんからね?」


蒼野「…わかった」


ヒュー…













彼岸ー四季の部屋



ガチャッ


四季 「ふぅ…やっと帰ってこれましたね?今日は色々な事があって疲れました…」ハァ…


蒼野 「たしかに今日は疲れたな すぐに夕食の支度するから四季は先に風呂はいってこいよ?」


四季 「頼めますか?」


蒼野 「あぁ 任せておけ!」


四季 「それでは私は先にお風呂に入ってくるので蒼野は夕食をお願いします」タッタッタッ…


蒼野 「了解!」 ガチャッ


パタンッ…


蒼野 「…」


蒼野 「…さて、ご飯作る前に大閻魔のところに行くか 今日のことを知らせに…」


蒼野 「四季は黙っててくれると言ってたがそういうわけにはいかない それじゃ俺の気が収まらない」


蒼野 「…許してもらえればいいが……」タッタッタッ…


ガチャッ…パタンッ













大閻魔の部屋



大閻魔 「…」カリカリ…


大閻魔 「んんー!やっと終わった 今日はこれくらいでいいじゃろう?」


大閻魔 「…もうこんな時間か 早く風呂など済ませて休むとしようかのう」カタッ



コンコンッ


アオノダ ナカニハイッテモイイカ?


大閻魔 「っん?蒼野か 良いぞ入って」


ガチャッ


蒼野 「邪魔する」


大閻魔 「どうした なにかわしに用か?」


蒼野 「…」


大閻魔 「…? 蒼野?」


蒼野 「…大閻魔」


蒼野 「本当にすまない」スッ 大閻魔の前で頭を下げて謝罪する


大閻魔 「っ!」


蒼野 「…今日、佐久間グループの1人 カルマって奴を…刀で切り殺しちまった 殺すなって言われてたのに…本当にすまない!」


大閻魔 「…殺ってしまったのか 殺すなとあれほど言ったのに…」


大閻魔 「一体なにがあって殺したんだ 理由を聞かせてくれないか?」


蒼野 「…わかった」



蒼野説明中…



大閻魔 「…なるほど 操られたさとりさんがお主に能力を使ってきてトラウマが蘇り 落ち着けない状態でカルマという奴を切った…か」


蒼野 「…あぁ 四季は落ち着けない状態で殺ったから致し方ない事だと言って許してくれた…だけど」


蒼野 「人を殺したことには違いない 殺すなと言われてたのに俺は殺しちまった…四季たちを裏切る真似をしちまった」


蒼野 「大閻魔 俺はどんな罰でも受けるから四季には罰を与えないでくれ この通りだ!」スッ


大閻魔 「…蒼野」


蒼野 「頼む!」


大閻魔 「…とりあえず顔を上げてくれ 頭を下げられた状態じゃ落ち着いて話しもできん」


蒼野 「…わかった」スゥ…


大閻魔 「…お主は本当に悪いことをしたと思ってるか?」


蒼野 「あたりまえだ 人を殺すことはやっちゃいけないこと!まして四季たちに言われてたのに俺は殺っちまったんだから悪いことをしたと思ってる!」


蒼野 「俺が人を殺せば四季にも罪はいくから、よけいに悪いことをしたと思ってる!だから俺は自分だけが罰を受ければいいと思ってる!」


蒼野 「だからお願いだ!四季にはなにも罰を与えないでくれ!頼む!」


大閻魔 「…肝心の四季は今何してる?」


蒼野 「今は風呂に行ってるはずだ 今さっき帰ってきたばかりだから汗流しに行ってる」


大閻魔 「…そうか ならちょうどいい」カタッ


蒼野 「…っえ?」


大閻魔 「蒼野 お主に罰与えるから付いてこい」


蒼野 「…爪はぎか?それとも指折りか?」


大閻魔 「いやそんなことせんよ…わしをなんだと思ってる?」


蒼野 「それなら何をする気だ 処刑か?」


大閻魔 「だからしないっての!そんな痛々しい罰なんかしないから安心せい!」


蒼野 「痛々しいことをしない?なら俺にどんな罰を与えるんだ?」


大閻魔 「付いてくればわかる いいから来い」


蒼野 「…?」


タッタッタッ…













風呂場(女湯)の塀裏



キャッキャッ!!… 塀内は女性の声が騒がしく塀裏まで届いてくる



蒼野 「…なぁ、大閻魔 ここって…女湯の塀裏だよな?」タッタッタッ…


大閻魔 「そうだが?それがどうした」タッタッタッ…


蒼野 「いやなんでこんなところに来る必要があるんだよ 俺にどんな罰を与えようとしてるんだ?」


大閻魔 「…蒼野ならだいたい予測がついてるんじゃないか?」


蒼野 「…お前 まさか…」


大閻魔 「そう 男のロマンと言っても過言ではない…」スッ どこからともなくカメラを出す


大閻魔 「覗きじゃ!」


蒼野 「…帰る」タッタッタッ…


大閻魔 「ちょっ!?まてまて なに帰ろうとしてるんじゃ」ガシッ 蒼野の肩を掴んで逃がさせないようする


大閻魔 「お主に罰を与えるためにここへ来たんだぞ?なのに帰るとはどういうことだ」


蒼野 「それとこれとは違うと思うが もっと別にあるはずだと思うけどな」


大閻魔 「それはお主が決めることではない というわけでほい!あとは頼んだぞ?」スッ カメラを蒼野にわたそうと…


蒼野 「」ザンッ!!



カメラ「」パカッ…ガシャンッ!! カメラは真っ二つに切られて地面に落ちる


大閻魔 「あぁぁぁぁっっ!!!!!!カメラがあぁぁぁぁっっっ!!!!!?」


蒼野 「バカバカしい お前に謝罪した俺が馬鹿だった 部屋に戻って飯の支度してくる」スチャンッ タッタッタッ…


大閻魔 「ちょっ!?まて!せめてカメラを持ってって…」




【審判 ラストジャッジメント】



ズドオォォォォンッッ!!!!!!


大閻魔 「うぎゃあぁぁぁぁぁッッッ!!!!!!」バチバチバチバチ!!!!!!


パタンッ…


大閻魔 「」プシュー…



四季 「…本当にろくなことしませんね?大閻魔様」ジトー 塀の上から覗いて哀れな目で大閻魔を見下す


職場の女性 「ほんとですよね?よく懲りずにやりますよね」(・д・)チッ


職場の女性2 「しかも話し声でバレバレでしたけどね 覗こうとしてたの」

(゚⊿゚)ケッ


職場の女性3 「それにしても、もう1人の方は覗こうとしてませんでしたね?罰がなんとかと言ってましたが」


四季 「…」


四季 「(…自ら大閻魔様に話したみたいですね まぁ蒼野の性格からしたら話すとは思っていましたが、まさかこんなにも早く話すとは思っていませんでしたね)」


四季 「(あの時は本当に落ちつけない状態で人を殺めてしまったから私は許したんですが…やはり一応上司である大閻魔様に伝えて罰を与えてもらおうとしましたか)」


四季 「(本当に蒼野は自分のしたことに責任を持って償おうとしますね その心を持つことはいい事ですが、持ち過ぎると返って邪魔になる時だってあると言うのに…)」


職場の女性 「…? 四季様?」


四季 「…蒼野はそういうのに興味ないみたいですね まっそれが普通なんですがね?」


職場の女性2 「そういうのに興味ない…?っは!まさか!?」


職場の女性3 「四季様!あの方はゲイなんですか!?」


四季 「…っは?」


職場の女性3 「女の裸体に興味ないということは男同志がお好きということですか!?」


四季 「…いや、そこまでは知りませんが…」


職場の女性 「うっひょぉぉぉ!!!!男同志萌えぇぇぇぇっっ!!!!!!」(っ'ヮ'c)ウッヒョォォォォオ


職場の女性2 「それなら女の裸体に興味ないのに納得できる!あの方はゲイだったんですね!」


職場の女性3 「気持ちわる…私はありえない」


四季 「いや誰もゲイなんて言ってませんよね?勝手に話を進めないでください」


職場の女性 「相手はだれだ!?まさかの大閻魔様かな!?」(*´Д)ハァハァ


職場の女性3 「うわぁ…マジないわ?さすがにそれはない」


職場の女性2 「うん さすがに大閻魔様はないな…」


四季 「あなた達…私の話を聞いていますか?」


職場の女性 「誰かわからないなら聞けばいいだけだ!!今から聞いてこよー!!」ザバァッ


四季 「だから人の話を聞きなさいと!」


職場の女性 「(っ'ヮ'c)<ウッヒョォォォォオ」タッタッタッ!!…


職場の女性2 「…言っちゃいましたね 四季様の話し絶対聞いてませんでしたね」


職場の女性3 「男同志のどこがいいんだろう?ただ気持ち悪いだけだと思うけど…」


職場の女性2 「それは人それぞれだから?」


四季 「…はぁ…」







一方蒼野は…



四季の部屋



蒼野 「…」グツグツ…


蒼野 「…よし これで夕飯の支度は終わったな あとは四季が来るのを待つだけだな」


蒼野 「…それにしても、あのバカは人が真剣に罪を償おうとしてるのになにが盗撮をしろだ?ふざけるのもいい加減にしろよ」


蒼野 「あんなバカに謝罪なんてしなければよかった 頭下げたことが苛立ってくる あんな奴が上司と思うとよけいだな?はぁ…」



バタンっ!!!!


蒼野 「っん?ずいぶんと勢いよく開けたな…って!?」///


職場の女性 「邪魔するわよ!」(*´Д)ハァハァ タオル1枚巻いただけで部屋の中に入ってくる


蒼野 「おまえはこの前の!てか、なんちゅう格好してんだおまえは!?」///


職場の女性 「そんなことはどうでもいいのよ!それよりあなたに聞きたいことがあるわ!」///(*´Д)ハァハァ


蒼野 「その前になんで息荒いんだ!?気持ち悪いんだが!」


職場の女性 「そんなのどうでもいいのよ!それよりあんた!じつはゲイだったりする!?」///(*´Д)ハァハァ


蒼野 「…っは?」


職場の女性 「さっき大閻魔様と一緒に女湯の塀裏に来てたわよね?その時に大閻魔様が覗きをするとかって言ってたよね?」


蒼野 「っ!」ドキッ!!


蒼野 「(マジかよ!気づかれてた!?バレてないと思ってたのに…)」


職場の女性 「でもあなたは覗こうとしてなかったよね?それはつまり、男の裸にしか興味がないってことよね!」///


蒼野 「なんでそうなる!俺はそんな趣味ない!」


職場の女性 「それじゃなんでさっき覗きに来た時に覗かなかったの?大閻魔様は覗く気満々だったのに」


蒼野 「興味ないと言えば嘘になるが、そんなことをしてまで見たいとは思わない 逆に覗かれた方もいやな気持ちになるだろ?」


職場の女性 「…意外に紳士だね?あなた」


蒼野 「別に紳士にやってるわけじゃないが?」


職場の女性 「なーんだぁ?ゲイじゃないのかぁ…ざんねん?」(´Д`)ハァ…


職場の女性 「ゲイだったら過去にどんな経験があったのかどこまでやったのかを聞きたかったのに…うへへ!」(^p^)


蒼野 「…人の趣味不趣味をあーだこーだ言う気はないがあまりそういうことは話さない方がいいぞ?お前気持ち悪がられるぞ?」


職場の女性 「だいじょうぶ!もう散々言われまくってるから慣れたわ!」

( ・´ー・`)ドヤ


蒼野 「事情しろよ!」


美紀 「あっ私のことは美紀って呼んでくれればいいからね?蒼野」


蒼野 「唐突の自己紹介だなおい!?」



ガチャッ


小町 「失礼します よいちー明日の人里の警備のことなんだけど…」


蒼野 「あっ…」


美紀 「あれ?小町じゃん どうかしたの?」タオル一枚巻いた状態


小町 「…」


小町 「っ!!!!!?」///ボッ


美紀 「? どうかしたの?急に顔を赤らめて」


小町 「みっ美紀!あんたなんて格好してんだい!?タオル一枚巻いた状態で蒼野のところにいて!!」///


美紀 「っえ?…っあ!?」///カァァッ!!


小町 「蒼野 ままさか…美紀とそういう関係だったのかい!?」///


蒼野 「ちがうから!?なんでそうなった!?なんでこの状況でそうなった!?」


小町 「じゃあなんでタオル一枚巻いた状態の美紀がここにいるんだい!そういう関係じゃなければこんな事しないはずだよ!」///


蒼野 「それはおかしい!もし仮にそういう関係だったとしてもこんなことはしないから!」


美紀 「そうだよ小町!私はただ蒼野がゲイかを聞きに来ただけで…」


小町 「っえ?蒼野ってゲイだったのかい…?」(´・д・`)ウワァ...


蒼野 「ちがうから!?俺はゲイじゃねぇ!!」


美紀 「さっき四季様たちと一緒にお風呂に入ってた時…むぐっ!」


蒼野 「またややこしくなるからもうしゃべるな これ以上はめんどくさい」ヒソヒソ 美紀の口を塞いで小さい声で問いかける


美紀 「ーっ…」コクンッ


小町 「? さっき四季様たちとお風呂に入ってなんだい?」


美紀 「あっいや、なんでもないよ それと私は蒼野とはそういう関係じゃないから勘違いしないでね?」


小町 「そうかい?まぁ別にそういう関係だったとしてもあたいは構わないんだけど…」


蒼野 「…?」


小町 「(昨日小鈴が襲われたって聞いたから仕事サボって様子を見に行ったんだけど…)」











数時間前…



人里ー鈴奈庵



小鈴 「~♪」パタパタ… はたきで本を掃除してる


ガララッ


小町 「邪魔するよ?」


小鈴 「あっ小町さん いらっしゃい!今日もおサボりですか?」


小町 「あっはははは…まぁ、それは置いといて?」


小鈴 「置いといて平気なんでしょうか…」


小町 「それより、あんた昨日襲われたらしいじゃないか 夜一の話しだとケガとかはしてないって聞いたけど平気なのかい?」


小鈴 「はい!夜一さんのおかげで私は助かりました!あの方は本当に素晴らしい方です!自分のことより他人のことを思うなんて素晴らしすぎます!!」


小町 「…夜一さん?」


小鈴 「はい!あの方は私の運命の方です!本当にかっこ良かったです!!」///


小町 「えぇっ!?う、運命の人って…まさか あんた夜一に惚れたのかい!?」


小鈴 「はい!最初は殺人鬼と聞いた時は驚きましたが、閻魔様から夜一さんの過去を聞いたらすごく仲間思いな方だとわかったんです!」


小鈴 「それで昨日は私を助けるために自らを犠牲にしてまで助けてくださって…本当にかっこよかったです!!」///


小町 「(…目が本気だねぇ?小鈴 本気で夜一に惚れたみたいだね)」


小町 「(夜一はどう思ってるか知らないけど、この事が四季様にバレたらまずいんじゃないかな いろいろと…)」


小鈴 「小町さん ちょっとお伺いしてもよろしいでしょうか?」


小町 「なんだい?」


小鈴 「もしかしてですが…小町さん 夜一さんと付き合ってたりしますか?」


小町 「はぁっ!?いやいや!付き合ってないよ!?てかなんでそう思ったんだい!?」


小鈴 「なんか相性が合いそうというかなんというか…」


小町 「…そうかい?逆にそう見えるかい?あたいはとくに思ってなかったけど」


小鈴 「うーん…ただそう見えるだけで絶対とは言えませんね?なんで急にそう思ったんでしょうか…」ウ-ン


小町 「(あれ?小鈴ってけっこう嫉妬深かったっけ?一度好きになった人をいつまでも追いかけるような子だったっけ?)」


小鈴 「それより小町さん!次夜一さんはいつ来ますか!?私、夜一さんとお話がしたいです!」


小町 「っえ?夜一なら明日あたいと一緒に人里の警備に来るけど…」


小鈴 「ほんとですか!?」パァァ


小町 「でも、警備しにくるから話すにしてもそこまで話せ…」


小鈴 「やったー!明日夜一さんがここに来てくれるー!!」(〃^∇^)ノ


小鈴 「今までお話できなかった分明日いっぱいお話しよーっと!!」


小町 「…あのー 小鈴さん?あたいの話聞いてた?」


小町 「夜一は明日、あたいと一緒に人里の警備に来るからあまり話しは…」


小鈴 「ありがとうございます!小町さん わたし、明日がすっごく楽しみです!!」


小鈴 「あぁー!はやく明日にならないかなぁ!!」o(*^▽^*)o~♪


小町 「いやだから!?夜一は明日警備に来るから…」


コスズー チョットキテモラエルカシラ?


小鈴 「あっはーい!」


小鈴 「すみません小町さん ちょっと呼ばれたので行ってきます」タッタッタッ…


小町 「ちょっ!?小鈴 あたいの話聞いて…って、まったく聞いてないね…」


小町 「明日警備するために来るのにどうしてこうなった…」


小町 「…はぁ……」














小町 「(…言えないね こんな恥ずかしいことを言うなんてあたいにはできないね…)」


小町 「(言ったら言ったで絶対に顔を赤らめて口をごもらせる(詰まらせる)自信がある…)」


蒼野 「…? 小町?さっきからなんか考えてるみたいだけど どうした?」


小町 「あっいや、なんでもないよ 気にしないで?」


蒼野 「そうか?」


小町 「うん それより美紀、あんたは早く着替えてきなよ いつまでもそんな格好じゃ風邪引くよ?」


美紀 「そうだね 早く着替えるとするよ?」


美紀 「急にお邪魔してごめんね?それじゃ、なにか四季様と進展があったら教えてね!」


蒼野 「なんで次は四季になった?てか、進展ってなんの進展だよ」


美紀 「なんでもいいよ!それじゃあね」タッタッタッ…


小町 「…」


蒼野 「…一体なんだったんだ?まったく話しについていけなかった」


小町 「ほんとだね…」


蒼野 「てか、お前はなにしにきたんだ?四季なら今風呂に入ってるぞ?」


小町 「あんたに用があってきたんだよ」


蒼野 「おれ?」


小町 「明日あたいと人里の警備することは聞いてるよね?」


蒼野 「あぁ聞いてるぞ 四季は裁判の仕事があるから俺と小町で人里の警備をしてくれってな」


小町 「慧音さん達も見回るからあたいらの見回るルートを知らせておこうと思ってね」


蒼野 「なるほど たしかに事前に見回るところがわかってれば早いからな?」


蒼野 「それでどこを見回るんだ?俺も人里を全部知ってるわけじゃないから見た範囲内だったら嬉しいんたが」


小町 「あたいらは鈴奈庵付近を見てくれと言われたから蒼野も知ってるよ」


蒼野 「鈴奈庵?あぁ 昨日助けた娘の店か 確かにあの辺ならわかるな」


小町 「その辺りを慧音さんに頼めれたから明日の朝5時くらいにはここから出るから覚えといてね?」


蒼野 「5時か 結構早いな?わかった それじゃ4時ぐらいには起きれるようしとくよ」


小町 「頼むよ?それじゃ」


タッタッタッ…パタンッ


蒼野 「…」


蒼野 「さて、早くテーブルとか拭いておわんに移すか?」














次の日ー早朝



小町の部屋



小町 「すぅ…すぅ…」


小町 「うーん…むにゃむにゃ…」


コンコン


コマチー オキテルカ?モウヨジハンニナルゾ


小町 「すぅ…すぅ…」


…ハイルゾ?


ガチャッ


蒼野 「…やっぱり寝てる 自分で5時に行くって言ってたのに…」ハァ…


小町 「えへへ〜…むにゃむにゃ…」


蒼野 「おーい 小町?起きろ もう起きる時間だぞ」


小町 「すぅ…すぅ…」


蒼野 「朝飯冷めちまうから早く起きろ おーい!」


小町 「うーん…んんっ?」スゥ…


蒼野 「やっと起きたか?早く起きろ 朝飯できてるから早く食べに行くぞ?」


小町 「…もう朝かい?まだ寝足りないねぇ…」ファァ…


蒼野 「昨日夜ふかししてたのか?はやく寝ないと体力が持たないぞ」


小町 「いや、別に夜ふかししてたわけじゃないけど…」


蒼野 「…まぁいい それよりはやく起きろ?飯食ったらさっさと行くぞ?」


小町 「了解…ふぁぁ」













慧音の家



慧音 「…」カチャカチャ…


慧音 「…よし これで洗い物は終わったな?あとは蒼野たちが来るのを待つだけだ」カタッ


コンコンッ


ケイネサンイルカ?アオノダガ


慧音 「おっ?ちょうどいいときに来たな 今行く!」タッタッタッ…


ガラッ


蒼野 「おはよう 慧音さん」


小町 「おはよう!慧音さん」


慧音 「うむ!おはよう すまないな?こんな朝早くから来させてしまってな」


蒼野 「別にかまわないよ それより、体調の方はどうだ?もう平気なのか?」


慧音 「あぁ!もう完全と言っていいほど回復した 心配かけてすまないな」


蒼野 「それならよかった」


小町 「慧音さん 警備はもう始めていいのかい?」


慧音 「構わないぞ 今妹紅たちが先に警備をしてるから交代してやってくれ」


蒼野 「わかった それじゃ行くぞ?小町」


小町 「あいよ!」


タッタッタッ…













鈴奈庵前



妹紅 「ふぁぁ…」タッタッタッ…


妹紅 「(あぁねむい…夜ぶっ通しで警備してたからめちゃくちゃねむい…)」ウトウト


妹紅 「(かと言って警備を怠わるわけにはいかないからな またあいつらが来たら私がやらないと人里に住む自警団じゃ太刀打ちができないから、私がしっかりしないとな!)」


妹紅 「…ふぁぁ…」


妹紅 「(とは言っても、眠いものは眠いな…早く次の交代者こないかな?)」ムニャムニャ…


ガララッ


小鈴 「…っあ!おはようございます妹紅さん 警備お疲れ様です!」


妹紅 「おはよう小鈴 もう店を開けるのか?」


小鈴 「いえ、まだ内装を掃除してないのでもう少し時間がかかります」


妹紅 「そうか まぁまだ開けるにしても早すぎるからな?開けたとしてもお客が入んないんじゃな」


小鈴 「そうですね」



小町 「おいーっす!交代しに来たよ」タッタッタッ…


妹紅 「っん やっと来たか?待ってたよ」


蒼野 「わるいな 遅くなって?」


小鈴 「っあ よっ夜一さん!おはようございます!この前は助けていただき、本当にありがとうございます!」


蒼野 「別に礼なんていいよ 俺は当たり前のことをしたまでだ」


小鈴 「それでも助けてくれたことには違いありません!あの時は本当に怖かったんです もし夜一さんが助けに来てくれなかったら私は今ごろ…」


蒼野 「もうその事は考えるな 助かったんだからもうそんなことを思う必要はないだろ?」


小鈴 「…そうですね もう思い出す必要はありませんね?余計なことを考えてしまってすみません」


蒼野 「別に謝ることはない 次からは思い出さないようにしろよ?」


小鈴 「はい!」


妹紅 「…」 ソレヨリヨイチサン コノアトハケイビヲナサルンデスヨネ?


小町 「…小鈴の様子がおかしいかい?」 アァ コノヘンヲケイビシテクレトタノマレテナ?


妹紅 「…あぁ あの殺人鬼が来た瞬間、ものすごく笑顔になって今もめちゃくちゃうれしそうに話してるからまさかとは思ったが…そんなことはないよな?」 ホントデスカ!?ソレナラワタシモイッショニツイテッテモヨロシイデショウカ?


小町 「…そのまさかだよ」 ッエ?デモ、オマエハミセバンガアルンジャ…


妹紅 「…っえ?」 ダイジョウブデス!キョウハオカアサンニカワッテモライマス!


小町 「昨日仕事サボって小鈴が襲われたって聞いたから様子を見に来た時に、夜一に助けられてまじ惚れしたみたいだよ」 イイノカソレ?ホンライハオマエガシナイトイケナイコトジャ…


妹紅 「えぇっ!?マジかよ…しかもよりによってあの殺人鬼をか?」イエ、キホンテキニハコウタイセイデヤッテルノデカワッテモラッテモヘイキデスカラダイジョウブデス!


小町 「うん 昨日夜一の話しで盛り上がってたよ 小鈴だけ…」 ソウカ?ナラオレハベツニカマワナイケド…


妹紅 「…」 ヤッター!


蒼野 「小町 小鈴も一緒に行きたいっていうんだが平気か?」


小町 「あたいは構わないけど?妹紅 小鈴も一緒に警備に連れてっていいかい?」


妹紅 「別にいいけど、なにかあった時はちゃんと守ってやれよ?小鈴は人間でお前達とは違って戦闘関係がないからな」


蒼野 「わかってるよ なにかあった時は必ず守るから安心してくれ!」


小鈴 「夜一さん…♡」ウットリ


小町 「…まぁ、小鈴のことは夜一に任せて 気をつけながらするよ?」


妹紅 「頼むぞ?それじゃ わたしは疲れたから寝床に戻って寝付くとしよう あとは頼んだよ?」タッタッタッ…


蒼野 「了解!任せておけ」


小町 「それじゃ、さっそく警備を始めるとしようかね!」


蒼野 「そうだな ところで、警備方法はどうやってやるんだ?一緒に警備するのか?それとも別々で回るのか?」


小町 「一緒に行動してくれって慧音さんから言われてるから一緒に行動するよ この前みたいに私が拉致られても困るからって言われてね…」


蒼野 「なるほど?たしかに、あの時は俺が気づいてなければお前はあいつらになにされていたことか」


小町 「あはは…あの時は本当に油断したよ?まさか人間がそんなチートアイテムを持ってるとは思ってなくてね うかつだったよ」


蒼野 「人間を甘く見ないことだな 俺みたいに正々堂々、戦う奴もいればイカサマをしてくる奴もいるんだから気をつけろよ?」


小町 「はーい…」アハハ…


小鈴 「…小町さんも襲われたことあるんですか?」


小町 「うん この前、蒼野と四季様と一緒に買い物が終わってから団子屋に行った時にね?蒼野と四季様が小鈴の店に行った時だよ」


小鈴 「っえ!?あの時ですか!?まだそこまで日が経ってないじゃないですか!」


小町 「いやー?気がついた時にはもう蒼野に救われてたから その間になにかされてたらわからないねぇ?」


蒼野 「多分なにもされてないだろ?小町と離れてからすぐ拉致してたら時間ないし あんな人前でなにかしたら目立つから無理に等しいだろ」


小町 「…そうかい?」


蒼野 「たぶんな?断定としては言えないが時間的に考えたら無理と思っただけだ 小町と離れてから約10分ぐらいしか経ってないからな?」


小鈴 「わかりませんよ?約10分の間にできることは少なからずありますよ?」


小町 「例えばどんなことだい?」


小鈴 「例えばですか?例えば…」


蒼野 「小鈴 あんまりそういうことを口に出して言うな 女としてみっともないぞ」


小鈴 「あっはい わかりました」


蒼野 「小町も聞こうとするな 聞くなら小鈴と二人っきりの時に聞け いいな?」


小町 「っえ?あっうん わかったよ?」


小町 「(なんで聞いちゃいけないんだろう?なにかそんなにやばいことなのかな?逆に気になる…)」


蒼野 「それより、早く警備するぞ?小鈴も店番代わってもらうんだったら早く言いに行ってこい」


小鈴 「はーい!」タッタッタッ…


蒼野 「小鈴が来次第すぐ行くぞ?」


小町 「わかったよ」













朝ー人里道中



ガヤガヤ…


里の住民 「いやー?それでさぁ!」


里の住民 「それほんと?それまずくない…って、あれ?」


里の住民 「っん?どうしたの…っえ?」



小町 「…」タッタッタッ…


蒼野 「…」タッタッタッ…


小鈴 「〜♡」///ギュゥゥ 蒼野の腕に自分の腕を絡ませて一緒に歩いてる



里の住民 「…ねぇ あの子って…鈴奈庵の娘さんよね?」


里の住民 「うん しかもあの隣の人って元殺人鬼の人よね?」


里の住民 「もしかして…2人ってそういう関係?」


里の住民 「まさか?いや、でもありえるわね」



蒼野 「…なぁ 小鈴?」


小鈴 「はーい!なんですか♡」///


蒼野 「なんでお前は俺の腕に腕を絡ませてるんだ?歩きにくいんだが…」


小鈴 「気にしないでください♡」///


蒼野 「いや気にしないでくれって…」


小鈴 「えへへ~♡」///ギューッ


蒼野 「(…なんで小鈴は俺の腕を掴んでるんだ?めっちゃ歩きにくい…)」


小鈴 「(ん〜♡夜一さんの温もりがまじかで感じれてすごく嬉しい!私の運命のかた〜♡)」///


小町 「(…めっちゃ恥ずかしい…いいかげんやめてくれないかな?この2人…)」///


小町 「(周りの視線がすごく痛い…私まで巻き添いだよ…)」///



阿求 「…これはまたすごい光景ね?」タッタッタッ…


小鈴 「あっ阿求じゃん!こんなところで会うなんて珍しいね?」


阿求 「そうね?それはそうと…」チラッ


蒼野 「…?」


阿求 「…小鈴 昨日言ってた人ってこの人のこと?」


小鈴 「うん!すごくかっこいいでしょ!」


阿求 「…ふつうね」


小鈴 「えぇーっ!!!?」Σ(゚д゚lll)


蒼野 「…えっと、2人はなんの話をしてるんだ?まったくわからないんだが…」


阿求 「なんでもないわ 気にしないでください?」


蒼野 「…そうか?」


阿求 「はい それと自己紹介がまだでしたね?」


阿求 「わたしは稗田阿求 あなたの事はよく知っていますよ?外の世界の殺人鬼 蒼野夜一さん?」


阿求 「天龍瑶を誘拐して佐久間グループの者を次々と刀で切り殺していった…そうですよね?」


蒼野 「っ!」


小鈴 「違うの阿求!その瑶さんって人を誘拐したのは…!」


阿求 「わかってるわ あなたがちゃんと説明したのを聞いてたから覚えてるわ」


蒼野 「…新聞で読んだのか?俺のことが書かれたこと」


阿求 「それもあります ほとんど小鈴から聞きましたが…3時間ぐらい」


蒼野&小町 「「3時間!?」」


小鈴 「徹底的に教えました!夜一さんの素晴らしいところを全部お伝えしました!」


阿求 「全部教えられて頭が痛くなったわ…もう聞きたくない」ハァ…


小鈴 「なんでよ!まだあれだけでも半分ぐらいだよ!」


阿求 「あれで半分!?どんだけあるのよ!」


小鈴 「まだあるよ?今からでも聞く?」


阿求 「けっこうよ!」


小町 「(うわぁ…阿求かわいそうに…)」


蒼野 「…そんなに俺のこと話しても意味ないうえにつまらないだろ?」


小鈴 「そんなことありませんよ!夜一さんの話をするの楽しいし、なにより夜一さんのことが詳しく知れるんですよ!最高じゃないですか!!」


蒼野 「(なにが最高なんだろう?別に最高でもなんでもないと思うけど…)」


小町 「…えっと、そろそろ警備再開したいんだけど…?」


蒼野 「そうだな いつまでもここで油売ってるわけにはいかないな?」


阿求 「それならわたしはこの辺で失礼します それでは」


小鈴 「またね阿求!次遊びに来た時に残り半分を教えるから楽しみにしててね!」


阿求 「けっこうよ!」


タッタッタッ…



小鈴 「あーあぁ?まだ話したいことあったのに連れないなぁ?」


蒼野 「いや俺のこと話してても…って、また同じことになるからもういいか」


蒼野 「それよりいい加減離れてくれないか?歩きにくくてしょうがないんだが」


小鈴 「えぇー?もっとくっついていたいんですが…だめですか?」


蒼野 「いやだめって言うか…てか、お前は歩きにくくないのか?腕を絡めながらじゃ歩きにくいと思うが」


小鈴 「ぜんぜんそんなことありませんよ!むしろ歩きやすいです!」///


蒼野 「いや歩きやすいとは思えないが…」


小鈴 「…いやですか?離れなきゃだめですか…?」シュン…


蒼野 「…まぁ、お前がしていたいなら別に構わないが(そんなに落ち込むことか?めっちゃ悲しげな顔するほどか…?)」


小鈴 「わーい!ありがとうございます!」///ギュッ!!


小町 「…」/// アオノサンノテアッタカーイ!


小町 「(恥ずかしい…イチャイチャするなら向こうでしてほしい 周りの視線が痛い…)」/// イマハルダガ?



? 「…」ニヤッ













数時間後ーお昼 人里



ガヤガヤ…


蒼野 「…特に異常はないな そっちはどうだ?」タッタッタッ…


小町 「こっちもないね 特に目立ったことはなさそうだね」


小鈴 「ですね?」まだ蒼野の腕に絡みついている


蒼野 「よし 次は向こう側を見て回るか?」


…ググゥ~…


蒼野 「…」


小町 「…」


小鈴 「…すっすみません 大きな音で……」///カァァ…


小町 「…そういえば、もうお昼近くかな?全然気にしてなかったけど」


蒼野 「…いや、もう昼だな?太陽が真上に向いてるからちょうどお昼といったところかな」


小鈴 「太陽見ただけで時間がわかるんですか!?」


蒼野 「だいたいな?まして昼ならよくわかるよ 太陽が一番真上に向く時間帯だからな まっ多少の誤差は出るけどな?」


小鈴 「…すごいですね?見ただけで時間がわかるなんて 私には全然わかりません」


蒼野 「逆にわかっても得することないぞ?ただ時間がわかるだけでそれ以外に何かいいことあるかと言われたらなにもないからな」


小鈴 「それだけだとしてもすごいですよ!やっぱり夜一さんはすごいですね!剣術もあれば天文学の知識もあるなんて!」


蒼野 「いや太陽の位置で時間がわかるだけで天文学の知識があるってのはおかしいと思うが…」


小町 「…おーい?話してるところ悪いけど そろそろお昼にしないかい?」


小鈴 「はい!食べに行きたいです!」


蒼野 「俺は構わないけど?…なにも食べないけどな」


小鈴 「っえ なんでですか?もしかしてお腹すいてませんか?」


蒼野 「いやそういうわけじゃないが…ただっな?」


小町 「…っあ もしかして…これがない?」スッ 親指と人差し指で円を作る


蒼野 「いや 多少は持ってるぞ?大閻魔が金持たずじゃなにかと不便だから少なからず持っておけってくれたヤツがある」


小町 「あの大閻魔様が!?あのケチで自分勝手な大閻魔様が!?」


蒼野 「そこまではわからんが…まぁそんな奴からもらったんだ?」


小町 「…近々天と地がひっくり返るね?」


蒼野 「どんだけだよ!?」


ググゥ~…


蒼野&小町 「「…」」


小鈴 「…すっすみません またなってしまいました…」///カァァ…


蒼野 「…ここら辺でオススメの飯屋ってあるのか?」


小町 「…そうだね?食べたいものにも変わるけどけっこうあるよ なにが食べたいんだい?」


小鈴 「ご飯ものが食べたいです!」


蒼野 「俺は食べないからなんでもいいよ」


小町 「…なんで夜一は食べないんだい?お腹すいてないのかい?」


蒼野 「いや腹減ってないわけじゃないが…ただ、外食や買い食いは好きじゃないんだ?だからあまりな」


小鈴 「そうなんですか?」


蒼野 「あぁ だから食べるなら二人で食べてくれないか?その間、俺は警備してるから」


小町 「それはダメだよ!慧音さんから言われてるってのもあるけど四季様に夜一のことを任されてるから1人で警備させるようなことはさせないよ!」


蒼野 「なら飯食わないでこのまま警備を続けるか?俺は構わないがお前たちはつらいだろ」


小町 「あんたも一緒に食べるって選択肢はないのかい?」


蒼野 「…」


小町 「それともあたいらと食べるのは嫌なのかい?」


蒼野 「いや、そういうわけじゃないが…はぁ わかったよ?俺も食べに行くよ」


小町 「そうこなくっちゃ!それで蒼野はなにが食べたいんだい?」


蒼野 「なんでもいいよ お前らに合わせるよ?」


小町 「よし!それじゃ揚屋にしようか!あそこならご飯ものも置いてあるからね!」


小鈴 「賛成です!」


蒼野 「揚屋か まぁいいんじゃないか?」


小町 「それじゃ早速行こう!」


タッタッタッ…



? 「…」













数分後…



ガララ…


店員 「ありやとーやした!」


小町 「んー!食べた食べたー!」


小鈴 「美味しかったですね!蒼野さんはどうでしたか?」


蒼野 「なかなか良かったと思うぞ?味加減も悪くなかったかし!」


小町 「だから言ったろ?ここはオススメだって!」


蒼野 「そうだな!」


小町 「それじゃ 警備を再開するとしますか!」


小鈴 「はい!」スッ 蒼野の腕に自分の腕を絡める


蒼野 「…また絡めるのか?別に構わないけど、歩きにくくないか?」


小鈴 「全然歩きにくくありません!気にしないでください!」///


蒼野 「いや別に気にしてはないが…」



? 「…」ジー…


蒼野 「っ…」ピクッ


小町 「っん?どうしたんだい蒼野 急に立ち止まって?」


蒼野 「…誰かが俺たちを見てるな?」スッ 刀に手をかける


小鈴 「っえ?だれかって…誰も見てませんよ?」キョロキョロ…


小町 「(別の意味で注目は浴びてるけど…)」


蒼野 「(殺意は感じないな だけど目線は俺と小鈴の方に向いてるな?監視に来てるのか…?)」


蒼野 「(…まぁいい そっちが隠れてるなら俺は!)」ダッ!!


小町&小鈴 「「…っえ?」」


? 「っ!」


蒼野 「さっきからチラチラ見えてんだよ!」ガシッ!! 影から覗いてる者の胸ぐらを掴んで持ち上げる


? 「ちょっ!?ま待ってください!落ち着いてください!」


? 「わたしは敵ではありません!なので胸ぐらを掴むのやめてください!!」アワワワ


蒼野 「敵じゃないと言ってはいそうですかって言う奴がどこにいる?」


? 「たったしかにそうですが…」



小町 「蒼野!急に走ってどうしたんだい?」タッタッタッ!!…


小鈴 「…あれ?新聞屋さんじゃないですか なぜこんなところに?」


蒼野 「新聞屋?お前らの知り合いか?」


文 「はい 小町さんと小鈴さんは私の知り合いです なので胸ぐらを掴むのをやめてください!ものすごく怖いです!」


蒼野 「…小町 こいつは安全なのか?新聞屋と聞くとあまり良いイメージがないんだが」


小町 「…まぁ 半々ってところかな?良くもなければ悪くもない」


文 「ちょっ!?ひどいですね小町さん!わたしはなにも悪いことなんてしてませんよ!」


小町 「新聞に嘘の情報を書いたり話を盛ったりしてる奴が何を言うか」


文 「うっ!!」ギクッ


蒼野 「やっぱりそういうことしてるのか 新聞屋はあることないこと書いて人々に嘘を教えるからそうだと思ったよ」ギロッ


文 「ひぃっ!!」ビクッ!!


小鈴 「よっ夜一さん 文さんが怖がっているのでそろそろ胸ぐらを掴むのは…」


蒼野 「…そうだな 敵じゃないなら掴み続ける必要はないからな?悪いな 急に胸ぐら掴んで」スッ…


文 「いっいえ、敵じゃないとわかってもらえてなによりです…」


蒼野 「それで?新聞屋が俺たちに何の用だ さっきから付け回してたみたいだが?」


文 「よくぞ聞いてくれました!」

o(≧▽≦)oズイッ


蒼野 「うぉっ!?」ビクッ


文 「実は先程からあなた方を見ていたんですが 小鈴さんとはどういった関係なんですか!?一言お願いします!」


蒼野 「っえ?どういった関係って…」


文 「小鈴さん!この方とはどういった関係で?一言お願いします!」


小鈴 「っえ!?えっと…それは?」///

(/≧ω\)


文 「あやや?これはもしかしてー?」ニヤニヤ


蒼野 「? もしかしてなんだよ」


文 「夜一さん あなたは小鈴さんのことはお好きですか?」


小町 「ド直球に聞くね!?」


蒼野 「好きって…仲間としてか?」


文 「いえ、恋愛対象としてです!」


小鈴 「ちょっ文さん!?」///


蒼野 「悪いが俺はそういうのわからないんだ 過去が過去だからな」


文 「っあ…すみません なんか辛いことを思い出させてしまって」


蒼野 「別に気にしてない それより用件はそれだけか?それだけなら俺たちは警備に戻りたいんだが」


文 「あっはい どうぞ」


蒼野 「行くぞ 小町 小鈴」


小町 「…わかった」


小鈴 「はい…」


タッタッタッ…


文 「…」











ガヤガヤ…


蒼野 「…」タッタッタッ…


小町 「…」タッタッタッ…


小鈴 「…あの、夜一さん さっき文さんが言ってたことなんですが…」


蒼野 「…生憎だが、俺にそんな感情はない お前が俺のことどう思ってるか知らんがもし好意を持ってるとしたら意味ないと思え」


蒼野 「俺は過去に何度も人を殺してきた上に裏切られてきた そんな過去を持ってるやつが恋愛感情なんかあるわけがない」


小鈴 「…そう、ですよね ごめんなさい ご迷惑をおかけして……」


小町 「よっ夜一?さすがに言い過ぎだよ もうちょっと優しく言ってあげないと…」


蒼野 「じゃあなんだ 嘘ついて叶わない夢を持ち続けさせた方がよかったか?」


小町 「そっそういうわけじゃないけど…」


蒼野 「だったら一々余計なことを言うんじゃねぇ 俺は自分のことを正直に言ったまでだ?それであーだこーだ言われる権利はない」


小町 「そっそれはそうだけどさ…」


小鈴 「いいです小町さん わたしが勝手に好意を持ってしまったんですから夜一さんは悪くないです」


小町 「小鈴…」


小鈴 「すみません蒼野さんご迷惑をおかけして わたしはこの辺で失礼します 少しでもご一緒に警備できて嬉しかったです」


小鈴 「…それでは」


タッタッタッ…



蒼野 「…」


小町 「…夜一 あんた、最低だね!小鈴がいたから強くは言わなかったけど さすがに言い過ぎだよ」


小町 「小鈴は本当にあんたに惚れてたんだよ?襲われていた時にあんたに助けてもらってほんとうに良かったって目を輝かせて言ってたんだから」


蒼野 「…だからなんだ?俺は当たり前なことをしたまでだ 当たり前なことをしてなにが悪い」


小町 「そう言ってるんじゃないよ!小鈴はあんたのこと本気で!」


蒼野 「仮に付き合ったとして、犯罪者と付き合ったりしたら周りにどう見られると思う?」


蒼野 「俺なら良い目で見ない もしかしたら、そいつとなにか企んでるんじゃないかと俺は思うがな」


小町 「っ!」ハッ


蒼野 「あいつは罪のない女だ 犯罪者の俺と付き合ったとしたら、周りからどんな目で見られるかもわからないし 何されるかもわからない」


蒼野 「そんな状況になったら小鈴はこの里で生きていけるか?そんな状況でやって行けるか?」


蒼野 「俺なら無理だ 俺ならすぐ別の場所に行ってるな そんな状況になったらな」


小町 「…あんた 小鈴のことを考えてあんな冷たいことを…?」


蒼野 「どうだかな 恋愛感情がないのは本当だが、あの小娘のことを考えて言ったかまでは知らん」


蒼野 「人がどう思うが勝手だが、小町がそう受け止めるならそう受け止めてくれ 俺が決めることじゃない」


小町 「…ふふ!」


蒼野 「? なにかおかしなこと言ったか?」


小町 「いいや!なんだかんだで夜一は相手のことを考えてるんだなって思ったらついね!」


蒼野 「…あぁそうか 笑いたきゃ笑え」


小町 「あれ 怒ったかい?」


蒼野 「べつに?怒るようなことじゃないし怒ったところでなんの意味がある ないのに怒る必要はないだろ」


小町 「そうかい?笑ったから怒ったかと思ったけど、そんなことなかったみたいだね」


蒼野 「俺はそんなことで一々怒らねぇよ それで怒るとかどんだけ短気なんだよ?」


小町 「たしかにそうだね!」


蒼野 「まったく?ほら さっさと警備に戻るぞ」


小町 「あいよ!」


タッタッタッ…



? 「…」ニヤッ














人里ー道中



ガヤガヤ…


小鈴 「…」タッタッタッ…


小鈴 「(…好意を持っても無駄…か?そうだよね 人を散々殺してきた犯罪者が恋愛感情なんかあるわけないよね…)」


小鈴 「(…初めて誰かを好きになったけど、こんなに早く失恋するなんて思わなかったな…初恋だったのに……)」


小鈴 「…夜一さん…」



? 「…お嬢ちゃん ちょっといいかい?」ザッザッ


小鈴 「…っえ?」


バチィン!!


小鈴 「っ!!!?」ビリィッ!! 全身に電気が走り動けなくなる


? 「おっと ちょっと強すぎたかな?でも安心して 死ぬような電流じゃないから」


小鈴 「(なっなに!?身体が…動かない!!!!)」ガクガク…


? 「【…人避け結界】」キィンッ!!


ガヤガヤ…


………


…シーン…


小鈴 「(っえ!?なっなんで…なんで、ろみんな店の中や家に入るの!?)」


? 「驚いたかい?でも安心して 僕は君を痛みつける気ないから」


? 「それじゃ 少しの間、眠ってもらうよ?」スッ…


小鈴 「(いや!やめて!誰か…誰か助けて!!)」


小鈴 「(夜一さん…!!)」ジワァ…



バチンッ!!













夕方ー人里道中



ガヤガヤ…


蒼野 「…」タッタッタッ…


小町 「…特に異常はないね?」タッタッタッ…


蒼野 「そうだな とくにないな」


小町 「いやー!今日は異常がなくてよかった良かった!」


蒼野 「そうだな?ここ最近、あいつら連続で来てたからな 今日は来なくてよかったよ」


小町 「ほんとだね!」



妹紅 「いたいた!おーい!」タッタッタッ…


蒼野 「っん?妹紅か どうした?もう交代の時間か?」


妹紅 「それもあるがそんなことより、お前ら小鈴と一緒じゃないのか?」


小町 「小鈴かい?小鈴なら昼食取ってから少し一緒にいたけど 家に戻ったよ?」


妹紅 「…ほんとうか?」


蒼野 「ほんとだよ なにかあったのか?」


妹紅 「…小鈴がいないんだ」


小町 「…っえ?」


妹紅 「お昼頃まではおまえ達と一緒にいたことは情報でわかってるんだが、その後からは小鈴の行方がわからないんだ」


蒼野 「…小鈴が?」


妹紅 「本当に小鈴は家に戻ったのか?なにかどこかに行くとか聞いてないか?」


小町 「…いや、なにも聞いてないよ」


妹紅 「マジか…一体どこに行ったんだ?小鈴のやつ」


蒼野 「…」



タッタッタッ!!…


小鈴の母 「妹紅さん!」タッタッタッ!!


妹紅 「小鈴のお母さん どうしたんだ?そんなに慌てて」


小鈴の母 「今さっき 小鈴の部屋を確かめたらこんな物が!」スッ


妹紅 「…手紙?」スッ


蒼野 「…っ!!」



「 鈴奈庵の小娘及び、稗田の小娘を預かりました 身の安全は保証します 但し、要件を望まなければ話は別と致します


要件は蒼野夜一を太陽の畑に来させ、自分と決闘をしてもらうことです


蒼野が勝てばお二人をお返しします 負ければ…お二人の命はないと思ってください


来ることを願っています


佐久間グループ幹部 メイ 」



小町 「佐久間グループ!?しかも阿求も捕まってるのかい!?」


妹紅 「まじかよ!だからあの時、稗田の連中らもなんか慌ただしかったのは阿求がいなくなってたからか!」


蒼野 「しかもよりによってメイかよ…っち!厄介だ!」


小町 「知ってるのかい?」


蒼野 「あぁ 佐久間グループの三幹部の一人だ!」


妹紅 「幹部!?」


蒼野 「武術、剣術共に達人級でさらに頭脳派でもある万能型のやつだ」


蒼野 「外の世界にいた時もあいつを倒すのは骨が折れた …いや、正確に言えば バランスを崩して高いところから落ちたと言った方が早いな しかも頭から落ちたから即死だった」


小町 「…そんなに強いのかい?そのメイって奴は?」


蒼野 「…正直、俺より強い あの時は運が良かったと言えるかわからないが落ちて自滅してくれたからよかったが、あいつとタイマンしたら俺の勝率は20%ぐらいだな」


妹紅 「20%…」


蒼野 「…いいぜ 相手してやるぜ!」


蒼野 「あいつはいろんな卑怯な手を使ってくるが根は素直 おそらくその手紙に書いてあることは本当にやってくれるだろ?」


蒼野 「小町 その太陽の畑って場所に案内してくれ」


小町 「その前に四季様に知らせないと!」


蒼野 「だめだ あいつは俺とのタイマンを望んでるから他のやつがいると2人を殺す可能性がある だから四季には知らせないでくれ」


小町 「だけど!」


蒼野 「安心しろ!俺は死なねぇよ 必ず2人を助けて戻ってくるから四季には黙っててくれ?なにか言われれば俺が黙ってろと言ったって言うから!」


小町 「…夜一…」


小町 「…わかった でも、絶対に戻ってくるんだよ!絶対に死ぬんじゃないよ!」


蒼野 「あぁ!約束する!」


妹紅 「…本来なら私が行きたいんだが、そうはいかないみたいだな?蒼野 2人のことを頼む!」スッ


蒼野 「わかってるって?そんな頭を下げなくてもかならず救ってきてやるよ!」


蒼野 「小町 案内を頼む!」


小町 「わかったよ!」


ヒュー!!…


小鈴の母 「…小鈴…」


妹紅 「…頼むよ 蒼野!」













夜ー太陽の畑



ヒュー…スタッ


小町 「ここが太陽の畑だよ」


蒼野 「…1面向日葵が咲いてるな すごいな?」


小町 「ここの主が好きで育ててるならね 花に傷つけると殺されるから気をつけな?」


蒼野 「花を傷付けただけで!?危ねぇなそいつ!どんだけ花が好きなんだよ!」


小町 「そういう奴なんだよ それより上から見たけど そのメイって奴は見えなかったけど、どこにいたんだろうか?」


蒼野 「…」


小町 「…夜一?」


蒼野 「…小町 あとは任せて帰ってくれないか?もう来てる」


小町 「っえ!?どっどこにだい!?まったく見えないけど!」キョロキョロ


蒼野 「今は隠れてるよ 小町には危害を加える気はないみたいだから早く戻って四季が疑い始めたら説得しておいてくれ」


小町 「…わ、わかった 気をつけるんだよ?」


蒼野 「わかってるよ それじゃあな」


小町 「…うん…」


ヒュー…


蒼野 「…行ったぞ さっさと出てこいよ?メイ」


…ガサッ


メイ 「…さすがだね蒼野 気づいてたんだ?」タッタッタッ 草陰から身を潜めるのをやめて姿を現す


蒼野 「俺を誰だと思ってる?世間を騒がせた殺人鬼だぞ 誰がどこにいるかぐらいわかる」


蒼野 「とくにお前ならな?」


メイ 「ふふ!嬉しいわ わたしならとくにわかるなんて…私にとって褒め言葉だわ」


蒼野 「二人は無事なんだろうな?」


メイ 「その点は安心して?2人はケガしてるどころか傷一つ付けていないわ わたしは嘘が嫌いだからね」


メイ 「それに今回の目的は蒼野をここに呼び出すことだったから余計に手を出す気なんてなかったけどね」


蒼野 「…そうか それなら良かったよ?相手がお前で本当によかった メイ」


メイ 「…私は嬉しくないな 私の相手は蒼野なんだから…」


蒼野 「…」


メイ 「…ねぇ、蒼野?あなたはなんで佐久間グループを今でも敵対してるの?瑶が殺されたことを今でも恨んでるの?」


メイ 「たしかに佐久間グループの人たちは瑶と蒼野を狙って瑶を殺したわ…でも、それはもう過ぎたことでしょ?」


メイ 「いや、過ぎたことって言ったら失礼ね それは外の世界で起きてたことって言った方がいいかしら?」


蒼野 「…どっちにしても俺にとっては失礼だがな?」


メイ 「…ごめんなさい」


蒼野 「いやお前が謝らなくても…」


メイ 「…ねぇ蒼野 今からでもいいから、私たち佐久間グループに入らない?」


メイ 「わたしはあなたを殺したくない 殺したくない以前に殺りあいたくない だってわたしはあなたのこと、本気で好きなんだから!」


メイ 「もちろん恋愛対象として好き 男なんてみんな野獣しかいないと思ってたのにあなただけは違った 私を殺さないで…見逃してくれた」


メイ 「【わたしと殺り合っていた時に高いところから落ちそうになった私をあなたは救いの手をくれた 敵同士なのに…あなたは私を助けてくれた】」


メイ 「だからお願い蒼野!親方さまにはわたしから言うから私たちの仲間になって!」


蒼野 「…メイ…」


メイ 「お願い!」


蒼野 「…」



ヒュー… 弱い風が蒼野達の頬を撫でていく


蒼野 「…ごめん 俺はお前の仲間にはなれない」


蒼野 「お前には返しきれないほどの恩がある…外の世界にいた時にお前は敵である俺を何度も助けてくれた」


蒼野 「佐久間グループがどういう動きをしているのか 今回は誰が攻めてくるのかを教えてくれた…でも、それがバレてお前は佐久間グループの幹部 ノンに殺された…」