2019-05-18 23:27:57 更新

概要

修正が完了しました(2019/5/18)
この作品は【犯罪者に救いの手 4】の続きです


前書き

蒼野夜一

【過去に人を何百人も殺めた犯罪者 現在は四季達と仕事して罪を解している】
【過去、天龍遥を佐久間グループから守る為に人を殺めていたが最後の最後で遥に守られ守りきれなかった…】
【体力、剣術、知識が高い万能型的存在】
【蒼野は死んだのかは不明 佐久間グループ殲滅後謎の人間?らしき者が突如出現し、その謎の人間が出したと思われる謎の空間によって蒼野は裁判所の目の前に居た】
【キレるとかなり危ない】


四季映姫

【幻想郷の閻魔を務める閻魔大王】
【蒼野と一緒に仕事をしている】
【蒼野は犯罪者だが四季映姫は蒼野が行為を持って人を殺してたとは考えられず、四季映姫と共に仕事の手伝いなどをして罪を償う刑にした】


小野塚小町

【四季の部下で亡くなった者の霊を裁判所まで運ぶ死神…だが、よくサボっている】
【よくサボって人里の団子やミスティアの夜雀に居る】


大閻魔

【四季達の上司…だけ】



四季 「…そろそろ行きますがいいでしょうか?」


蒼野 「そうだな そろそろ行くか」


四季 「それでは私達は聖さんの元へ行きますので失礼します」


ナズーリン 「あぁ あの辺はごろつきの妖怪が居るから気をつけろよ?まぁ閻魔がそう簡単にやられるとは思っていないがな」


四季 「そうですね 私より蒼野の方が心配ですね」


蒼野 「俺に流してくるのやめてくれないか?確かに俺は人間だから危ないのはわかるけどさ」


四季 「…まぁ、あの辺の妖怪なら蒼野でもなんとかなるぐらいの強さですから多分平気でしょう」


蒼野 「たぶんって…まぁいいか それじゃ行くか?」


四季 「はい」


フワー…





? 「…」 …?










滝が流れる森深く



ザーーーッ!!!!…


聖 「…」ザーッ!!!!… 白い着物を着て滝に打たれて修行してる


四季 「…まだ滝修行をしていましたか さすが命蓮寺の主ですね 誠意が出てます」ヒュー…スタッ


蒼野 「…あの人が聖か?女なのに滝修行なんて凄いな」


四季 「蒼野も滝修行をしたことあるんですか?」


蒼野 「何回かはやったことあるな 自分で決めた決意を強く思いながら滝に打たれて絶対やり遂げると考えてな」


四季 「…やはり天龍遥さんを守るためにですか」


蒼野 「…まぁな 失敗しちまったけどな……」


四季 「…」



聖 「…おや?あれは…」ザー!!… 蒼野達が近くにいることに気づく




四季 「あっ聖さんこちらに気づいたみたいですね」


蒼野 「よく集中してたのに気づいたな?音だって滝の音で聞こえないはずなのに」



聖 「…」バシャッバシャッ… 水の中に足をつけながら蒼野達の元へ寄ってくる


バシャッバシャッ…


聖 「よいしょっと?」ザバァッ… 水の中から陸地に這い上がって来る


蒼野 「…っ!?」///


四季 「お久し振りです聖さん 滝修行を行っている時に邪魔して申し訳ありません」


聖 「いえ、気にしないでください それにしても本当にお久しぶりですね」


聖 「それで、私に何か御用でしょうか?」


四季 「はい 少しお伝えしたいことがありまして」


聖 「お伝えしたいことですか?そのお伝えしたいことと言うのは長くなりますか」


四季 「…そうですね 今起きている異変に近いことも話さなくてはいけないので長くなりますね」


聖 「それなら一旦命蓮寺に行きましょう この格好でお話を聞くのもなんなので、一度着替えてからお話を聞きましょう」


蒼野 「俺もそうしてくれるとありがたいな 目のやり場に困る…」///フイッ…


四季 「…はい?」


聖 「…あなたは初めて見ますね 見たところ人間のようですが…」


蒼野 「まずは自分の名前から言うのが礼儀ってものじゃないか?…っと言いたいが、今はそんなこと言ってられないな」///


蒼野 「自己紹介は後にして早く着替えてくれないか?まじで目のやり場に困るから…」///


聖 「? 先程から目のやり場に困るとは一体どういうことですか?別にはだけているわけでは…」チラッ



聖の着物「」スケェ… 聖が着ている白い着物は水が吸っていて下につけている黒い下着がうっすらと見えている



四季 「あっ…」


聖 「…」


聖 「っ!!!?」///カァァッ!!


蒼野 「やっと気づいたか?早く帰って着替えた方がいいぞ」


聖 「はっはい…そうします……」///カァァ…


聖 「(とは言ったものの、この格好で帰るのは恥ずかしい…今までは気にせず帰っていたので気づきませんでしたが、まさか透けていたなんて…)」///


聖 「(拭くものや着替えなんて持ってきてないので透けているのを隠すことができません…どっどうしましょう!)」///


蒼野 「…あんた、着替えはともかく拭くものも持ってきてないのか?」


聖 「…はっはい いつも帰ってから着替えていたのでそのようなものは…」///


蒼野 「…次からは準備しておいた方がいいな」スッ…パサッ 懐から薄い毛布を取り出す


蒼野 「使え」スゥ…


聖 「…っえ?」


蒼野 「これで隠せば見られることないだろ?使えよ」


聖 「でっですが、今私は濡れているのでそれをお借りしたら濡れてしまいます?」


蒼野 「別に構わないよ 濡れたとしても薄いからすぐ乾くし」


聖 「たしかにそうかもしれませんが、人から借りたものを汚すようはことは…」


蒼野 「じゃあなんだ?あんたは自分の下着をいろんな人に見せたいのか?露出狂なのか?変態なのか?もしそうならそのままで帰っても構わないが」


聖 「そんなわけないじゃないですか!私はそんな趣味ありません!」


蒼野 「だったらこれを羽織って帰れ 俺は別に構わないと言ってんだから誰にも見られたくないんだったら濡らしてでも羽織ってろ」


聖 「…わかりました 迷惑をおかけしてもうしわけありませんがお借りします」スッ


蒼野 「別に構わないよ 気にするような事じゃない」


四季 「…」 ヨイショット…パサッ


四季 「(…相変わらず蒼野の言い方は悪いですね もう少し言葉を変えて言えないんでしょうか?あれでは失礼にも程があります)」


四季 「(…でも、やり方としては間違ってはいませんでしたね 受け取るのを拒んでいた聖さんにお貸しさせるとしたらこうでもしないと受け取ってもらえないことは理解していましたが、やはりもう少し言葉を変えた方がいいですね)」


四季 「(…まぁ、今回は良しとしましょう)」


蒼野 「てか、あんた着替えとか持ってこないでいつも滝修行してたと言ってたが風邪とか引かないのか?いくら夏でも帰るまで寒いだろ」


聖 「私は肉体を強化させる魔法が使えるので風邪とかは引かないんですよ」


蒼野 「…肉体を?」


四季 「蒼野 その話は命蓮寺に着いてからにしましょう それでは聖さん行きましょう」


聖 「はい!」


フワー…













命蓮寺ー客間



蒼野 「…」畳の上で正座して座っている


四季 「…」同じく畳の上で正座して座っている



サー…


聖 「お待たせしました 長らくお待たせさせてもうしわけありません」


四季 「いえ、大丈夫です 気にしてませんから」


聖 「そうですか?それなら良かったです」スッ…ストンッ


蒼野 「…まずは自己紹介からしていいかな?話の前に名前を知っておきたいんだが」


聖 「そうですね あなたとお会いするのは初めてですからね?それでは私からさせてもらいます」


聖 「私は聖白蓮と申します このお寺の主です」


蒼野 「俺は蒼野夜一 閻魔の手伝いをしている者だ」


聖 「…閻魔様のお手伝いを?あなたは人間ですよね?」


蒼野 「あぁ 人間だからなんだ?」


聖 「…いえ、人間が閻魔様の元でお手伝いなんて普通ありえないことだったので少々驚いただけです」


四季 「少し事情があって蒼野には手伝いをしてもらっています」


聖 「…その事は聞かない方が良さそうですね?わかりました 余計なことは聞かないでおきます」


四季 「そうしてもらえると助かります それでは本題に入ります」


四季 「聖さん あなたは人里で騒ぎがあったことは知っていますか?」


聖 「はい知っていますよ 人里にお住みになっている方が騒ぎを起こしたと聞きましたが?」


四季 「いえ、人里に住んでいる方がしたんではありません 外来人が騒ぎを起こしたんです」


聖 「…っえ?」


四季 「たしかに最初は人里に住んでいる方が騒ぎを起こしましたが、その方達に命令した元凶犯は外来人の方々なんです」


蒼野 「それで、その外来人ってのは俺の世界に居た組織の奴らなんだ」


聖 「っえ!?あなたの世界にいた外来人!?」


四季 「蒼野 余計なことは言わなくていいです 黙っててください」


蒼野 「どうせその犯行グループのことも話さないといけないんだから話してもいいだろ?俺が殺人鬼だと言うこともな」


聖 「っえ!?殺人鬼!?あなたが!?」


四季 「蒼野 余計なことは言わなくてもいいと言いましたよね?」


蒼野 「あいつらのことを話してなんでそこまで知ってるのか聞かれたら俺がそいつらに狙われてることも話さないといけないだろ?だから先に言ったまでだ」


四季 「まだ佐久間グループのことを話す前にあなたが元殺人鬼と話してしまってはその後に佐久間グループの話しをしても信用してもらえないのではないでしょうか?」


蒼野 「お前が居るから平気だと思ったんだよ そうじゃなければ先に言わないよ」


四季 「私が居ても信用してもらえないことだってあります 次からは順序を守ってください」


蒼野 「…はいはい?」ハァ…


聖 「…えっと、ちょっと蒼野さんに聞いてもよろしいでしょうか?」


蒼野 「なんだ?」


聖 「今あなたが仰ったことって本当なんですか?殺人鬼って…」


蒼野 「元な 俺は過去に人を何百人も殺してる 今腰に付けてるこの刀でな」


聖 「とてもあなたが殺人鬼とは思えないんですが…」


蒼野 「人は見かけによらないぞ?」


聖 「…今はもうしてないんですか?」


蒼野 「いまはもうしてない 四季の手伝いをするよう命じられた時に誰かを殺すような真似は絶対するなと言われたのもあるが、俺は必要最低限しか人を殺さない 全く関係ない奴を殺してもなんの意味もないからな」


蒼野 「今の話を信じる信じないはあんたが決めてくれ 俺が決めることじゃないからな」


蒼野 「信じれないなら次なにか用があった時に俺はここを訪れないようする 疑われてるのにここへ来ても警戒されるだけだからな?」


聖 「…」


四季 「今の話に関しては私も同情します もし蒼野を信用出来ないなら次からはこの命蓮寺付近に近寄らせないようします」


聖 「…閻魔様に一つ聞いてもいいでしょうか?」


四季 「なんでしょうか」


聖 「閻魔様はその方のことを信用していますか?殺人鬼に刀まで持たせてますがこれは信用してるんですよね」


四季 「はい 信用しています!蒼野はむやみに人を殺さないことはもちろん、ある人を守るために手を汚していたので完全に信用できます」


聖 「…ある人?」


蒼野 「四季 それは言わなくてもいいんじゃないか?何もそこまで言う必要はないと思うが」


四季 「言っておかないとあなたは疑われてしまうんですよ?またケガをしたいんでしたら構いませんが…」ギロッ


蒼野 「…」


四季 「ある人と言うのは蒼野が外の世界にいた時に一緒に居た方のことです その方は先程、蒼野が話した組織に狙われていて毎日のように追いかけられていたんです」


四季 「蒼野はその方を守る為にその組織と戦っていました 自分の命を懸けてまで守ろうと…」


聖 「…最終的、その方はどうなったんですか?なにか嫌な予感がするんですが…」


四季 「…」


蒼野 「…」


聖 「…そうですか 大体察しが着きました 辛いことをお話させて申しわけありません」


蒼野 「別にいいよ 気にしてないから…」


聖 「…」


四季 「…それで、蒼野のことは信用できますか?できないなら先程も言ったように次からはここへ連れてきませんが」


聖 「…私一人では決めづらいことですね 最低でも私も合わせて二人に決めてもらわなくては他の方に心配をかけてしまいます…なので、」


聖 「星 そこにいるんでしょ?中に入ってきたらどうかしら」


蒼野&四季 「「…っえ?」」



寅丸 「…気づかれていたんですか?私が居ること」サー… 隣の部屋の襖を開けて姿を現せる


聖 「なんとなくね 誰かが居るような気がしたのよ」


寅丸 「…そうですか」


蒼野 「…四季 あの人は?」ヒソヒソ


四季 「あの方は寅丸星 聖さんの次に、この寺で偉い方です」


蒼野 「…なんで頭の上に蓮を乗せてんだ?なんかのファッションか…?」ヒソヒソ


四季 「いや、それはないかと思いますが…私もよく知りませんが」



寅丸 「…あなた、本当に人を何百人も殺したんですか?」


蒼野 「あぁ 殺したよ」


寅丸 「…腰につけてる刀を見せてもらえませんか?」


蒼野 「別に構わないが?」スッ…カタッ 闇の刀と光の刀を手渡す


寅丸 「お借りします」カタッ 二刀の刀を受け取る


闇の刀「」クンッスゥ-… 闇の刀を半分まで鞘から抜き取り刃が剥き出しにさせる


聖 「…紅色に光ってますね しかも深い色に」


寅丸 「…でも、刀は凄く切れ味がよさそうですね?ちゃんと手入れをされているようですね」


蒼野 「最近は怠わってるけどな」


寅丸 「…この刀で何人も殺っていたのは本当みたいですね あまり疑いたくありませんでしたが…」スゥ…スチャンッ 闇の刀を鞘に収める


蒼野 「だから俺は最初に言ったんだよ 後々から疑われるより先に言った方があぁだこうだ言う必要がないからな」


寅丸 「たしかにそうかもしれませんが…」カタッスゥ… 闇の刀を置いて光の刀を手に取る


光の刀「」クンッスゥ… 光の刀を鞘から半分まで抜き取り刃を剥き出しにさせる



蒼野 「…ほぉ?光の刀を抜け取れるか あんたかなりの善人なんだな」


寅丸 「…っえ?」


蒼野 「その刀は罪人には抜けないようなってるんだ 完全な善人じゃないと抜くことも切ることもできない刀なんだ」


寅丸 「…この刀がですか?」


蒼野 「あぁ だからその刀だけは紅色に光ってないだろ?白銀色のまま保ってるはずだ」


寅丸 「…」ジ… 刀が紅色に光ってないか確かめる


聖 「…たしかにこっちの刀は紅色に光ってないですね 血が付いたらなかなか拭き取れない鍔(つば)の部分にも付いてません」


寅丸 「…確かに使用した形跡がありませんね こっちの刀はさっきの刀より凄く切れ味が良さそうです」


蒼野 「そっちの刀は使えないからな 刃こぼれとかしてないから切れ味はいいはずだ」


寅丸 「本当にこちらの刀は使えないんですか?ただ単に使ってないだけじゃ…」


蒼野 「だったらその抜き取った刀を俺に貸してみてくれないか?」


寅丸 「はい」スッ 刃の部分を手で挟むようにして手を握る場所を向けて渡す


蒼野 「…一つ言っておくが、絶対離すなよ?」スッ


寅丸 「…っえ?」


蒼野 「…」ガシッ 刀の持つ場所を掴む…



…っ



蒼野 「っ!!」ビクッ!!バッ 光の刀から手を離す


聖 「…っえ?」


四季 「…蒼野?」


蒼野 「…やっぱりダメか まだ持てないな…」


聖 「っえ?」


蒼野 「今光の刀から変な気が溢れ出てきたよ 触ったら拒絶された…今みたいにな」


寅丸 「…刀にですか?」


蒼野 「あぁ 刀だって人を選ぶからな 俺は罪人だから罪を償ってからじゃないと持たせてくれないみたいだ 家宝の刀なのに…」ハァ…


聖 「…」


蒼野 「…そろそろ返してもらえないか?もう確かめたんだから返してもらってもいいだろ?」


寅丸 「はい 見せていただきありがとうございます お返しします」スチャンッ…スッ


蒼野 「…それで、俺は次から来ない方がいいか?早く答えが聞きたいんだが」カタッスゥ…


聖 「…そうですね 私は大丈夫だと思いますけど…星はどう思う?」


寅丸 「私も平気だと思います 閻魔様と一緒に居るというのもありますが、そこまで危険性があるとは思いにくいです」


四季 「では、次からなにか用があれば蒼野は来てもいいと言うことですね?」


聖 「そうですね 私は大丈夫だと思うので許可します」


寅丸 「私も許可します」


蒼野 「ありがとな2人とも 犯罪者である俺を許可してくれて!」


聖 「別に礼を言われるようなことはしてませんよ?それでは、先ほどの話しに戻りましょう」


四季 「そうですね それでは話を戻しましょう」








夕方ー命蓮寺出入口



聖 「今日は報告して下さってありがとうございます」


寅丸 「お忙しい中、ありがとうございます」


四季 「いえ、それより皆さんも警戒するようお願いします 今かなり厄介なことになっているので気をつけてください」


寅丸 「わかっています 閻魔様方もお気をつけてください」


四季 「わかっています」


聖 「蒼野さん 先ほどお借りした薄い毛布が乾いたのでお返しします ありがとうございました!」スッ 先程蒼野から借りた薄い毛布を返す


蒼野 「次からはちゃんとタオルとか持っていけよ?」ガシッ


聖 「はい!」


四季 「それでは行きますよ 蒼野」フワー…


蒼野 「おう!」フワー…


ヒュー…



? 「…」…?













空の上ー飛行中



四季 「…」ヒュー…


蒼野 「…なぁ四季 次はどこに行こうとしてるんだ?帰り道とはまったく真逆の方に進んでるが…」ヒュー…


四季 「次は地霊殿に行って先ほどの話を伝えに行きます」


蒼野 「…地霊殿?」


四季 「元地獄の一部として使われていた場所です 今はスリム化して切り離していますけど」


蒼野 「スリム化って…ダイエットみたいな例え方だな」


四季 「そう例えた方がわかりやすいと思って言いましたが…わかりずらかったでしょうか?」


蒼野 「いやわかったけどよ…もうちょっと別の言い方ってもんがあっただろ?地獄がデカ過ぎたから一部切り離したと言えば充分わかるだろ?」


四季 「…それもそうですね そういえば良かったですね」


蒼野 「まぁ別にどっちでもいいんだけどな?どっちでもわかったし」


四季 「…それと蒼野 地霊殿に行くには旧地獄街道と言う場所を通っていかなければなりません その旧地獄街道と言う場所は鬼が住み着いていて、かなり攻撃的なので絶対に刀を抜くような真似はしないでくださいね?」


蒼野 「鬼…それって俺の世界でもよく知られてる力が強くて短気な奴か?」


四季 「そうです 一部そうではない方もいますがほとんどがそんな感じなので絶対に気をつけてくださいね」


蒼野 「わかった」


ヒュー…













旧地獄街道ー通路



タッタッタッ…


四季 「…」タッタッタッ…


蒼野 「…なんか静かだな?鬼が住み着いてるって聞いたからもっと騒がしいかと思ったけど」タッタッタッ…


四季 「ここら辺は静かですよ この通りは外に近いので鬼達は近寄らないんですよ」


蒼野 「なんでだ?鬼は外に出ないのか?」


四季 「出ないわけではありませんがほとんどの鬼は外に出ようとはしないんです 外に出て人間に見つかると一々騒がれますからね」


四季 「…まぁ 地底の方がいこごちが良いと言う方が大半ですがね 外に出るより地底にいた方が楽しいみたいです」


蒼野 「なるほどな」



…アレ?ソコヲアルイテルノハジゴクノエンマサマカイ?


蒼野 「っ!」ピクッ



ヤマメ 「やっぱりそうだ 閻魔様久しぶりだね」シュルシュル…プラーン 天井から糸を引っ張って降りてくる


四季 「ヤマメさんお久しぶりです 元気にしていましたか?」


ヤマメ 「あたしはいつでも元気だよ!それにしても閻魔さまがここに来るなんて珍しいね?何かあったの?」


四季 「えぇ 少々地上で異変が起きているのでその報告をしに来たんです」


蒼野 「…」スチャッ 刀に手をつけて警戒している


蒼野 「(上からぶら下がって来てる…この白くて紐みたいなものは蜘蛛の糸か?この子…蜘蛛の妖怪か)」ジッ…


ヤマメ 「…ところで、さっきから私のことを睨みつけてる人間は誰だい?人間のくせになかなか鋭い睨みを聞かせてくるけど」


蒼野 「まずは自分の名前から言うのが礼儀ってもんじゃないか?」


ヤマメ 「いや初めて会って早々睨みつけてくる人に言われても…」


四季 「蒼野この方は平気ですよ 初対面の人に睨みつけるのは失礼です」


蒼野 「…平気なのか?」


四季 「えぇ 平気です」


蒼野 「…わかった」スッ… 刀から手を離して睨みを解く


ヤマメ 「…閻魔さま この人間は?」


四季 「この方は蒼野夜一 私の元で手伝いをしてる方です」


ヤマメ 「っえ!?人間が閻魔さまの手伝いを!?」


四季 「はい 少々事情がありまして蒼野は手伝いをしています」


ヤマメ 「…へぇ?人間が閻魔さまのところでねぇ?」ジー


蒼野 「…なんだよ?」


ヤマメ 「…そう言えば自己紹介がまだだったね?」


ヤマメ 「私は女郎蜘蛛のヤマメ その名の通り蜘蛛の妖怪だよ」


蒼野 「蒼野夜一 閻魔の手伝いをしてる人間だ」


ヤマメ 「それで今から来るのがキスメだよ!」


蒼野 「…っえ 今から来る?」


四季 「蒼野危ない!」 ヒュー!!



ガァンッ!!!!


蒼野 「ぐごぉおっ!!!!」頭から何かが降ってきて直撃する


四季 「蒼野!?」


キスメ 「あれ?今なにか当たったような気が…」


ヤマメ 「うん もろ当たってるよ」


キスメ 「っえ?」クルッ



四季 「だっ大丈夫ですか蒼野!?もろ直撃してましたが!?」


蒼野 「いってぇ~!もう少しで首の骨がイくところだったぞ!!」イテテ


四季 「キスメさん!いきなり頭の上に落ちてきたら危ないじゃないですか!」


キスメ 「すっすみません…まさか人がいるとは思わなくて……」


四季 「謝る相手が違います 蒼野に謝ってください」


キスメ 「ごめんなさい えっと…」


蒼野 「蒼野夜一だ 次は気をつけてくれよ?」イツツ


キスメ 「はい…」


ヤマメ 「それで閻魔さま 今外で起きてる異変のことを知らせに来たって言ってたけど…さとりさんに知らせるの?」


蒼野 「…さとり?」


四季 「はい この地底湖の主、古明地さとりさんに知らせようと思っています」


ヤマメ 「…」


キスメ 「…」


四季 「…? 2人とも、どうかしましたか?急に難しそうな顔をして」


ヤマメ 「【…今行くのはやめといたほうがいいよ 今行ったらシャレにならないよ】」


四季 「…っえ」


蒼野 「なんでだ?なんでそのさとりって人に会っちゃいけないんだ なにか理由があるのか?」


キスメ 「…実は、今さとりさんの様子がおかしくて この前も無害の鬼とかにトラウマを見せたりして…」


四季 「さとりさんが!?」


ヤマメ 「うん さとりさんのペット達もトラウマを見せられて地霊殿から出てってるんだ さとりさまはあんなことするような人じゃないのに一体どうしちゃったんだか…」


蒼野 「…なぁ そのさとりって人はどういう人なんだ?トラウマを見せてくるって言ったが」


四季 「蒼野はさとりと言う妖怪を知っていますか?」


蒼野 「さとり妖怪?あぁ知ってるよ 人の心を読む人喰い妖怪のことだろ」


四季 「この地底湖の主はさとり妖怪なんです 人の心を見たりトラウマを見せることができるんです」


蒼野 「…っえ?さとり妖怪ってトラウマも見せてきたりしたっけ?それは知らないんだが」


四季 「この世界のさとり妖怪はできるんです …ですが、さとりさんはむやみやたらにそのような事をしないはずなのに…」


蒼野 「…詳しく調べた方が良さそうだな」


四季 「ですね」


ヤマメ 「さとりさんのところに行くのかい?」


四季 「はい なぜさとりさんがそのような事をするのかを確かめなくてはいけません このままではここに住んでいる方々が混乱してしまいます」


キスメ 「…無理には止めないけど、一応警告はしたからね?行かない方がいいって」


蒼野 「わかってるよ ちゃんと聞いてたから後で聞いてなかったなんて言わないから安心しろ」


キスメ 「ならいいんだけど…」


ヤマメ 「今旧都は荒れてるから裏から通った方がいいね 少し遠回りになるけどそっちの方が安全だから案内するよ」


四季 「そうしてもらえると非常に助かります 私もあまりいい目では見られないので通るのに気を引いてたところです」


蒼野 「俺は堂々と通ってもいいんだがなぁ」


四季 「…死にたいんですか?」ジロッ


蒼野 「…冗談だ 本気にしないでくれ」


四季 「どうだか」


ヤマメ 「キスメ 私が二人を案内するから裏に誰かいないか確かめてきてくれない?」


キスメ 「わかった」スルスル… 上に上がって確かめに行く


ヤマメ 「それじゃ行くよ」


四季 「はい」


タッタッタッ…








旧地獄街道裏道ー旧都に繋がる橋近く



タッタッタッ…


ヤマメ 「…」タッタッタッ…


四季 「…」タッタッタッ…


蒼野 「…静かだな けっこう深くまで歩いたような気がするんだがまだ着かないのか?」タッタッタッ…


ヤマメ 「もう少しで旧都に着くけど遠回りしないといけないからまだ時間かかるよ めんどうなことになっていいなら正面を堂々と歩くことを進めるけど」


蒼野 「…時間かかってもいいや」


四季 「…っ!」ピクッ


蒼野 「っん?どうした 四季」


四季 「…この先からものすごい殺意が感じられます しかも殺意以外にも別の気も感じ取れます」


蒼野 「…っえ?俺にはまったく感じないが…」 ヒュー…



ガァンッ!!!!


蒼野 「あがぁっ!!!!」再び頭の上に何かが落ちてくる


四季 「蒼野!?」



キスメ 「あれ?また当たっちゃった?」


ヤマメ 「うん もろ当たってるね」


四季 「蒼野大丈夫ですか!?」


蒼野 「いってぇぇっ!!またお前かよ!何か俺に恨みでもあるのかこのやろう!」


キスメ 「ごっごめん 別に当てたかったわけじゃ…」


ヤマメ 「まぁ能力が能力だから仕方ないんだけどね」


蒼野 「…能力?」


四季 「キスメさんの能力は鬼火を落とす程度の能力 つまり、人の頭の上に落ちてくる能力と言うことです」


蒼野 「なんだその変な能力?迷惑にも程がある能力だな」


四季 「釣瓶落としなので仕方ありませんよ」


蒼野 「釣瓶落とし?釣瓶落としって木の上とかから首が落ちてきて人を食らう妖怪の事だよな」


キスメ 「本来の姿はそうだけど、私はちゃんと身体もあるけどね?」


蒼野 「…はぁ ならせめて桶から出て落ちてくるか 一言言ってから落ちてきてくれないか?毎回桶が頭に当たってくるのは非常に痛い」


キスメ 「あはは…ごめんね?次からはそうするよ」


ヤマメ 「それでキスメ 降りてきたけどどうしたの?誰かこの先にいたの?」


キスメ 「うん 今あの妬まし妖怪が橋の上にいるから行かない方がいいよ」


ヤマメ 「…よりによってこのタイミングにいるなんて…」ハァ…


四季 「やはりパルスィさんですか この先からすごい殺意となにかしらの気を感じるのでもしかしたらと思っていましたが…案の定当たりましたね」


蒼野 「パルスィ?」


ヤマメ 「この先に橋があるんだけど その橋の番人だよ」


キスメ 「しかもかなりめんどうなうえ、さとりさんにトラウマを見せられた1人だからさらに面倒なことになってるよ」


蒼野 「…そのパルスィって人はどういう能力を使ってくるんだ?」


四季 「嫉妬心を操る程度の能力です わかりやすく言うなら蒼野の世界にある宇治の橋姫と言う橋の伝承を知っていますか?」


蒼野 「宇治の橋姫の伝承?たしか男を奪われた女が憎悪と殺意のあまりに宇治川に身を通して生きながら鬼になって恨みを晴らした…だっけか?」


四季 「その通りです その橋が今この先にあり、その橋を守る番人がパルスィさんと言う方なんです」


蒼野 「…てことは、さっき妬まし妖怪って言ってたがその妖怪も男を取られて鬼になったのか?」


四季 「いえ、パルスィさんはただ番人なだけであって鬼になったわけではありません 能力はその伝承通りですがね」


蒼野 「…なんか、よくわからなくなってきた」


ヤマメ 「まっその話は置いといて それでどうする?さすがにここは私でもどうにもならない 行くなら正面突破しかないよ?」


蒼野 「…戦闘は避けられないか まっいいんじゃないか?他に繋がる場所がないなら正面突破するしかないだろ」


キスメ 「閻魔様が居るから勝てると思うけど…できるだけケガはさせないでほしい パルスィも自分の意志とはまた違う意思でやってるから…」


四季 「善処します 私1人でパルスィさんを相手するのであなた達は巻き込まれないようここで待っていてください」


蒼野 「四季 悪いがそんなことはさせないぞ 俺も一緒に戦わせてもらうぞ」


四季 「あなたはまだケガが治ってないんですから無理せずここで休んでてください」


蒼野 「いやだと言ったら?」


四季 「無理にでも休んでもらいます」


蒼野 「…」


四季 「心配しなくても平気ですよ 私がやられるわけがないので安心してください」


蒼野 「…できないと言ったら?」


四季 「…」


ヤマメ 「…あんた、結構くどいね?どんだけ閻魔さまのことが心配なのよ」


キスメ 「そうだよ 人間が閻魔様を心配するなんて変な人だね?」


蒼野 「…」


四季 「…はぁ、わかりました ケガをするようなことをしなければ付いてきて構いませんがそれでいいですか?」


蒼野 「っ! あぁ わかった!」


四季 「それでは行きますよ」


蒼野 「おう!」


タッタッタッ…



キスメ 「…」


ヤマメ 「…結局あの人間も行っちゃったね?閻魔さまが一人で行くって言ってたのに」


キスメ 「…不思議な人だね?閻魔様が一人で行くことを拒んでたけど」


ヤマメ 「よくわからない人だね」


キスメ 「うん」








旧地獄街道ー橋



四季 「…」タッタッタッ…


蒼野 「…けっこう長いな 今どれくらい歩いたんだ?」タッタッタッ…


四季 「まだ半分も歩いてませんよ ここの橋はかなり長いので結構足腰にきますよ」


蒼野 「なら飛んで行ったほうが楽じゃないか?歩くより飛んだ方が楽だろ」


四季 「たしかにそうですが、あまりここでは飛ばない方がいいですよ ここら辺の妖怪はいろんなのが居るので飛ぶと標的にされたりする恐れがありますから」


蒼野 「まじかよ…」



…ネタマシイ どこからともなく声が聞こえてくる


四季&蒼野 「「っ!」」ピクッ


ネタマシイネタマシイ ダンジョソロッテフタリイッショニアルイテネタマシイ ネタマシクテコロシタクナルワ


ネタミヲトオリコシテコロシタイ アンタタチフタリヲヒキサキコロシタイ…コロシタイコロシタイ…ダカラ



パルスィ 「…あんた達を殺す」スゥ… どこからともなく蒼野達の前に姿を現す



四季 「…現れましたかパルスィさん あいかわらず凄い殺意ですね」


蒼野 「ほんとにすげぇ殺意出してるな…めっちゃ危なっかしいやつだ」


四季 「戦闘に関してはそこまで強い方とは言えません…ですが、ケガをさせないよう戦わなくてはいけないので少々面倒ですね」


蒼野 「っえ 戦闘はそこまで得意なやつじゃないのか?」


四季 「はい パルスィさんはここの番人なだけであって戦闘を好む方ではありません ここまで来た人に帰らせるよう説得して帰させるのが本来の仕事です」


蒼野 「…なるほど?」


パルスィ 「あなた達は生きてここから帰れない…必ず殺してあげる」


パルスィ 「行くよ!」シュンッ!!



四季 「来ますよ!蒼野 下がっててください!」


蒼野 「いや ここは俺に任せろ」クンッスー…スチャッ 闇の刀を抜き取り構える


四季 「…っえ?」



パルスィ 「死ねぇ!」ブンッ!! 蒼野に拳を振るってくる


蒼野 「おっと」シュンッ 身体を捻ってパルスィの拳を受け流す


蒼野 「(今だ!)」スチャッ 刀を両手で握り締める


蒼野 「はぁっ!!」ヒュンッ!!


ボスゥッ!!!!



パルスィ 「があぁっ!!!!!?」ガハァ 力強く腹に刀を入れられる


…ガクンッ


パルスィ 「」



四季 「蒼野!?あなた本気で刀を…!?」


蒼野 「大丈夫だ 刀を逆にして入れたから気絶しただけだ 死んでねぇよ」


四季 「そっそうですか それならいいんですが…」


蒼野 「にしても、こんな簡単に上手くいくとは思わなかったな?まさか一撃で気絶させることが出来るとは思ってなかったよ」


四季 「パルスィさんは戦闘型ではありませんからね やられ慣れてないため仕方ありません」


蒼野 「やられ慣れてないって…なんか嫌な言い方だな」


四季 「とりあえずパルスィさんはここで寝かせておきましょう 起きてまた暴れだしたらめんどうです」


蒼野 「ここに寝かせたままでいいのか?他の妖怪に襲われたりしないか?」


四季 「大丈夫です この辺の妖怪はパルスィさんを襲うどころか近づきたがらないので平気です」


蒼野 「…それはそれでかわいそうだな 嫌われてるのか?」


四季 「いえ、嫌われているわけではありませんが能力のせいであまり近寄る者がいないんです」


蒼野 「…嫉妬心を操る能力だったか その能力のせいで誰も近寄らないのか?」


四季 「そうです 嫉妬心を操る能力はパルスィさん自信でも抑えることは出来るんですが完全には抑えられず、近づいてきたものに無意識に嫉妬心を与えてしまうんです」


蒼野 「…なんかかわいそうだな 自分の能力のせいで嫌われてるなんて…」


四季 「仕方ありません そういう能力を持ってしまったんですから」


蒼野 「…そうだな」



ヤマメ 「…終わったのかい?」タッタッタッ…


四季 「えぇ 終わりましたよ 蒼野がケガ一つ付けないで気絶させてくれました」


蒼野 「かなり暴力的だけどな」


ヤマメ 「…そう それなら良かった パルスィを大人しくさせられて…」


四季 「ただ気絶させただけなので起きたらまた暴れ出すかもしれません 縛って置くなどしておいたほうが良さそうですね?」


ヤマメ 「それならパルスィのことはキスメに任せよう キスメー!」


ヒュー…



蒼野 「…なんか、嫌な予感が…」 ヒュー…


ガァンッ!!!!



蒼野 「あばぁっ!!!!!!」グキィッ!!


キスメ 「あっ…」


四季 「蒼野!?」


ヤマメ 「…」


蒼野 「〜〜〜っっ!!!!!!」プルプル…


四季 「だっ大丈夫ですか!?今ものすごい音がしましたが!?」


蒼野 「〜〜〜っっ曲がっちゃいけない方に曲がった…!!!!!!」プルプル…


ヤマメ 「…キスメ あんたはなんで毎回この人間の上に落ちてくるんだい?」


キスメ 「いや、別に狙ってるつもりはないんだけど…ただ落ちたところにこの人が毎回いて……」ガシッ


キスメ 「…っえ?」後ろから頭を掴まれる


蒼野 「こんのクソがきゃぁぁ?人が怒らないことにいい気になりやがってぇぇ!!」ギロッ!!


キスメ 「ひぃぃっ!!!!!?」ビクゥッ!!


四季 「蒼野 男が女性に手を上げるのはどうかと思いますよ」


蒼野 「さすがに手は上げねぇよ ただ睨みつけただけだ?」


四季 「睨みつけるのもどうかと思いますよ 今すぐ睨みつけるのをやめてキスメさんを離しなさい」


蒼野 「…わかったよ 睨みつけて悪かったな」スッ


キスメ 「うっうん ごめんね?また頭の上に落ちちゃって…」


蒼野 「別にいいよ 俺も薄々感づいてたのに防がなかった自分も悪いんだからな まっ次は気をつけてくれ」


キスメ 「…うん」


ヤマメ 「キスメ パルスィを頼めるかい?」


キスメ 「わかった!」


ヤマメ 「それじゃ 行こうか?」


蒼野 「おう!」


タッタッタッ…













地霊殿ー入口前



ヤマメ 「着いたよ」


蒼野 「…デケェな ここにさとりって奴がいるのか?」


四季 「そうです ここに古明地さとりさんが住んでいます」


ヤマメ 「本来なら物静かで礼儀正しい方なんだけど…本当にどうしたんだろう」


蒼野 「…っん あそこに誰がいるが誰だ?」


四季 「…っえ?」




燐 「ーっ…」ビクビク… 隅っこにうずくまって震えてる




ヤマメ 「…あれは燐じゃないか なんであんな所に?」


蒼野 「燐?」


四季 「さとりさんのペットの1人です あんな所でなにしてるんでしょうか?」


蒼野 「…とりあえず行ってみるか?」


四季 「そうですね」




燐 「ーっ…」ビクビク…


燐 「(いやだ…もうやめて!もういじめられたくないの…!!)」ビクビク…


燐 「(もう追いかけられたくない…叩かれたくない!もうやめて!!)」ガタガタ…


タッタッタッ…



燐 「ひぃっ!?」ビクッ!!


蒼野 「…大丈夫か?なんか震えてるみたいだが…」


燐 「いっいやぁ…来ないで!」ガタガタ…


四季 「…燐さん?」


燐 「近寄るな!やめて!!もういじめられたくないの!お願いだから…」ガタガタ…


ヤマメ 「…完全に堕ちてるね まだトラウマが頭から離れてないようだね」


蒼野 「この娘のトラウマって何なんだ?」


四季 「…私もよくはわかっていませんが昔は猫だった時によくいじめられていたみたいです」


蒼野 「…ねこ?」


ヤマメ 「燐は化け猫妖怪だから昔そんな事があってもおかしくないね」


蒼野 「…この娘化け猫だったのか 猫耳に尻尾が生えてるから妖怪だとは思ってたが猫だったか」


四季 「今は構わない方がよさそうですね さとりさんの元に向いましょう」


蒼野 「…ほっといて平気なのか?」


ヤマメ 「仕方ないよ 今はどうしようもできないよ」


蒼野 「…」


燐 「早く離れろ!私に構うな!」ブルブル…


四季 「蒼野 行きますよ?」


蒼野 「…悪い 少し時間くれ」タッタッタッ…


ヤマメ 「ちょっ!?あんた今燐に近付いたら!」


燐 「来るな!」ヒュンッ!! 爪で蒼野に攻撃する


蒼野 「おっと?」シュンッ


燐 「死ねぇ!」ヒュンッ!! もう片方の爪で攻撃する


蒼野 「おちつけよ?別に取って食ったりしないよ」ガシッ 燐の腕をつかんで手の自由を奪う


燐 「うわぁあぁぁぁっっっ!!!!!!」グワッ!! 口を開けて鋭い歯を見せて襲いかかる


蒼野 「…」スッ


ガブゥッ!!!!



四季 「蒼野!?」


燐 「ヴヴゥーッ!!!!」ギリギリッ!!!!


蒼野 「おーおー?結構噛む力強いじゃねぇか かなり痛いな」ダラダラ… 燐に腕を噛まれて血が流れ出てくる


燐 「ヴヴゥーッ!!!!!!」ギリギリッ!!!!!!


蒼野 「そうだ もっと噛め?気が済むまで噛み続けろ 元々が猫なら血や肉を口に含めば興奮するはずだ その興奮で怯えた気を治ませろ!」ダラダラ…


燐 「ヴヴゥーッッ!!!!!!」ギリッギリッ!!!!…



ヤマメ 「…あの人間むちゃくちゃな考えをするね?まさか自分の腕を噛ませて落ち着かせようとするなんて…」


四季 「…」



燐 「ヴヴゥー…」ギリッギリッ…


蒼野 「どうした?噛む力が弱くなってきたぞ だいぶ落ち着いてきたか?」ダラダラ…


燐 「ヴヴゥ…」スゥ… 噛みつくのをやめて蒼野から離れる


蒼野 「…どうだ 落ち着いたか?」


燐 「…なんで…」


蒼野 「っん?」


燐 「なんで…噛みついても叩いてこないの?普通の奴ならなにかしら抵抗するのに…」


蒼野 「…なんだ 叩いて欲しかったのか?」


燐 「いや、叩いてほしいわけじゃないけど…」


蒼野 「怯えてる奴に落ち着かせるために叩くわけないだろ 叩いたら逆効果だ」


蒼野 「お前は元々猫だって聞いたから落ち着かせるために俺の腕を噛ませ、血を口に含ませて落ち着かせようとしたんだ 叩く理由なんてないだろ?」


燐 「…でも、痛かったんじゃないのかい?」


蒼野 「逆に痛くないという奴はいないと思うぞ?ましてこんな血が出てるのに痛くないわけがない」ダラダラ…


蒼野 「でも、血を含んでだいぶ落ち着いただろ?さっきとは大違いだ」


蒼野 「落ち着いてもらえるためなら俺の手だけで済めばまだ安いもんさ 怯えてる奴を放っておけないからな?」


燐 「…あんた…」


四季 「…蒼野 あなたは本当に無茶をする方ですね」


蒼野 「無茶なんかしてないだろ?ただ腕を噛ませただけなんだから」


四季 「普通の方はそのような痛い思いしてまでやりませんよ …まっ結果オーライなので構いませんがね」


蒼野 「手厳しいこと」


ヤマメ 「お燐 大丈夫かい?今話しても平気かい?」


燐 「…うん だいぶ落ち着いたから平気だよ 迷惑かけてごめんね?」


ヤマメ 「謝るならそこの人間に謝りな その人が落ち着かせてくれたんだから」


蒼野 「別に謝ることはない お前は悪くないんだから謝る必要はない」


燐 「…わかった ありがとね?えっと…」


蒼野 「蒼野だ 蒼野夜一」


燐 「火焔猫燐だよ ありがとね?蒼野」


蒼野 「どういたしまして」


四季 「蒼野 せめてケガの治療だけでもしておいた方がいいんじゃないですか?」


蒼野 「…それもそうだな?ヤマメ お前の糸でぐるぐる巻きにしてもらえないか?」


ヤマメ 「っえ 糸でぐるぐる巻きにするの…?」


蒼野 「医療器具なにも持ってないからな そうするしかないだろ?」


燐 「なら私が治療するよ ケガさせちゃったのはあたいだからせめてそのくらいはさせておくれ?」


蒼野 「そうか?それじゃそうしてもらおうかな」


燐 「決まりだね!今さとり様は自分の部屋でなにかしてるはずだからあたいの部屋に行こ!」


四季 「中に入って平気なんですか?もしさとりさんが出歩いてたりしたら…」


燐 「それは平気だと思うよ 私とお空が何日か見てたけど、さとり様が外に出た形跡はないから大丈夫だと思う」


四季 「っえ?そうなんですか?」


燐 「うん なにしてるかまではわからないけど部屋の中でなにかしてることは確かだよ」


蒼野 「…なにしてるか気になるけど、平気そうなら行くか?」


ヤマメ 「それじゃ私は先に入って調べてくるよ 心を無にしてればバレることないと思うから天井に張り付いて見てくるね」タッタッタッ…


四季 「お願いします」


燐 「それじゃ行くよ!」


タッタッタッ…













地霊殿ー内部通路



タッタッタッ…


四季 「…」タッタッタッ…


蒼野 「…けっこう広いな?外見もかなりでかかったから中も広いとは思ってたけど想像以上だな」


燐 「外見だけじゃどのくらい広いかわからないからね」


四季 「…ヤマメさん どうですか?さとりさんは出歩いてませんか?」


ヤマメ 「今のところは部屋から出てないみたいだよ?さとりさまの部屋以外は全部確かめたけど見当たらなかったよ」プラーン 天井からぶら下がってくる


燐 「それなら平気だね!早く私の部屋に…」



タッタッタッ…


蒼野 「っ! 待て!誰か来るぞ!」


全員 「「…っえ?」」 タッタッタッ…




さとり? 「…ネズミが紛れてきたようですね しかもやっかいな方が一名居ますね」


四季 「さとりさん!」


ヤマメ 「…最悪だね 一度確かめたから平気だと思ったけど…」


蒼野 「あいつがさとり…」


燐 「さっさとり様…」ビクビク…


さとり? 「お燐 あなたはなにをやってるの?しかも私の許可もなしで変な方達を入れて…」


さとり? 「なにをしてるのかしら?」ジロッ


燐 「ひぃっ!!」ビクッ!!


四季 「変な方々と言うのは私たちのことですか?さとりさん」


さとり? 「そうです あなた達以外に誰がいるというのですか?」


四季 「…さとりさんがそのような言葉を使うとは思えません あなた、偽物じゃありませんか?」


ヤマメ 「にせもの!?」


さとり? 「いいえ?私は正真正銘古明地さとりですよ 偽物ではありません」


蒼野 「その根拠はどこにある?お前あの時の変装能力者か!」


さとり? 「人の話を聞かない方達ですね 私は正真正銘古明地さとりです …まっ半分間違っていますがね?」


四季 「半分間違い…?」


さとり? 「まぁそのようなことはどうでもいいとして…」


さとり? 「【来て早々と絶望に堕ちて死になさい】」ニヤッ


四季 「っ! みなさん下がってください!」


全員 「「っ!」」ダッ!!


さとり? 「【想起 テリブルスーヴニール】」ヒュンッ


四季 【審判 ラストジャッジメント】スッ



ズドォォォォン!!!!!! さとり?の頭上から光が落ちてきて爆音を上げる



四季 「…」シュゥゥ…


さとり? 「…危ないですね 当たったらどうするんですか?」後方に下がって四季の攻撃を避ける


四季 「…逆に当たってくれたら嬉しかったです それで気絶してもらえれば、なお良かったです」


さとり? 「甘く見ないで欲しいですね そんな攻撃当たるわけありませんよ?」


さとり? 「まして、わたしはあなたたちの考えていることを聞くことができるんですから なおのこと当てようなんて無理ですよ」


四季 「…」



蒼野 「…あいつ、四季の攻撃を避けやがった?四季の攻撃を避けられる奴がいるなんて…」


ヤマメ 「にしても、閻魔様が居て助かったね もしいなかったら私たちはやられてたよ」


蒼野 「…なぁ さっきさとりって人が使ったテリブルスーヴニールって技はどんな技なんだ?名前だけじゃわからないんだが…」


ヤマメ 「さっきの技はトラウマを強制的に思い出させる技だよ」


蒼野 「トラウマ…てことは、さっき燐がトラウマを思い出してたのは今の技を食らって思い出してたのか?」


燐 「…そうだよ 今の技は周囲にいる人に自分のトラウマを思い出させて恐怖に追い込む技…でも、さとり様はその技をむやみに使うことはないはずなのに…」ガタガタ…


蒼野 「…」



さとり? 「さぁかかってきてください 私はいつでも準備万端ですよ」クイクイッ


四季 「…」


四季 「(困りましたね…相手が偽物じゃないなら直接攻撃を当てることはできませんね)」


四季 「(万が一、致命傷を追わせてしまっては元の子もありませんし…かといって、このままジリ貧させるにしても効率が悪すぎる…どうしますか)」


さとり? 「どうしたんですか?かかってこないんですか」


さとり? 「それならまた私からやらせてもらいます」スッ…


さとり? 「【想起 恐怖催眠術】」キィンッ!!


四季 「無駄ですよ 私にその技は効きません!」


さとり? 「知ってますよ そんなこと」ニヤッ


四季 「…っえ」



ヒュゥゥッ!!!!… 恐怖催眠術は四季の方ではなく、蒼野達の方へ向かっていく


燐 「…っえ?」


さとり? 「最初からあなたになんて狙ってませんよ まずはあなた達から殺らせてもらいます!」


四季 「(まずい!)みなさん逃げてください!」


蒼野 「っち!」ガシッ


ヤマメ 「っえ」蒼野に襟を掴まれる


蒼野 「お前らだけでも逃げろ!」ブンッ!! 燐とヤマメを左右に投げて、さとりの攻撃範囲から出す


燐 「わぁぁっ!!!?」


ヤマメ 「ちょっ!?」



ビュゥゥゥゥン!!!!!!…


蒼野 「っ!!!!!!」ゾクゥッ!!!!!!



四季 「蒼野!」


さとり? 「おや ずいぶんと仲間思いの方ですね?自分を犠牲にしてまでお燐達を庇うなんて」


蒼野 「…」


四季 「蒼野 大丈夫ですか!?」


蒼野 「…うぷっ!!」


蒼野 「おぅえぇぇえぇえおぉぉぉっっっ!!!!!!」ビチャビチャ!!…


燐&ヤマメ 「「っ!!!?」」


四季 「蒼野!?」


さとり? 「【…へぇ あなたのトラウマは初めて人を殺した時の罪悪感ですか?意外と普通ですね】」


蒼野 「うえぇ…うぷっ!!…てめぇ!!」スゥ…スチャッ 闇の刀を抜いて、手を震えさせながら構える


四季 「蒼野!無理してはいけません!下がってください!」


さとり? 「刀を抜きましたか …まぁ今の状況では切りつけることなんてできないかと思いますがね?」


蒼野 「〜っうぷ!」ブルブル…


蒼野 「(くそぉ…マジかよ!まさかあの時のトラウマをまた味わうとは…まだ吐き気が!!)」ウプッ


さとり? 「ふふ!無様ですね蒼野 あの時の活気はどこへ行ったのですか?」ニタァ


四季 「…っえ?あの時…?」


さとり? 「まだ気づかないんですか?私は半分偽物で半分本物と言いましたよね その意味がまだ、わからないんですか?」


四季 「…っ! まさか!」


さとり? 「ふふ!ようやく分かったようですね」


さとり? 「久しぶりだな?蒼野 俺のこと覚えてるか?」ニヤッ さとりの声ではなく、のぶとい男声で蒼野に問いかける


蒼野 「っ!? その声…まさかカルマか!」


カルマ 「その通り!」シュタッ どこからともなく現れる


ヤマメ 「っな!人間!?今どこから現れた!?」


カルマ 「どこから?そんなの決まってるだろ」


カルマ 「【この子の中からに決まってるだろ?】」ニヤッ


燐 「っえ!?さとり様から!?」


さとり 「」フラァ…


ドサァ…



四季 「さとりさん!」


カルマ 「安心しな ただ気絶してるだけだ?関係ねぇやつを殺す気はねぇよ」ニヤッ


蒼野 「お前も死んでからこっちの世界に来たのか?」


カルマ 「そうだよ お前に殺されてから地獄に落とされたがなんとか這い上がってこれてな?いやぁ大変だったよ 地獄から地上に戻ってくるの」


四季 「っな!?地獄から這い上がってきた!?」


カルマ 「そうだよ …とは言っても、俺一人の力じゃないけどな?さすがに1人で這い上がってくるのは無理だから あの方が手伝ってくれて助かったよ」


蒼野 「あの方…?あの方って言うのはお前達のボス 佐久間透(さくまとおる)のことか?あいつもこっちの世界に来てるのか!」


カルマ 「いや あの人も来てるがあの方がボスじゃない」


蒼野 「…っえ あいつじゃない?それじゃ一体誰がボスなんだ?」


カルマ 「それは自分の目で確かめることだな?ボスから言うなって言われてるから自分で確かめてくれ」


カルマ 「それじゃ 無駄話もこれくらいにしてさっさと決着をつけようぜ!」


カルマ 「本当は正々堂々戦いたかったんだが、お前が相手となると確実に俺が負けるからな 先手を打たせてもらったよ?」


蒼野 「…その子を操ってか?」


カルマ 「そうだ 俺の能力は【人の身体の中に入り操る程度の能力】 対象者の身体の中に入ってそいつを操ることが出来るってことだ!」


燐 「操ってた!?てことは、さとり様がいろんな奴にトラウマを見せていたのは!」


カルマ 「あぁ 俺だよ?まず手始めにこの近くにいる奴らの戦力を下げて攻め込まれないようしたんだ」


カルマ 「さすがに俺1人で多重大勢を相手するのは無理がある だから早いうちに手を打ってといたんだ…だが、一つ誤算がでちまったけどな」


ヤマメ 「誤算?」


カルマ 「あぁ まだ準備途中だったんだが、まさか蒼野がこんなにも早く来るとは思わなかった」


カルマ 「情報が伝わるにしてももう少し時間がかかると思ってたんだが…まぁ早く来ちまったものは仕方ない」


カルマ 「本当はまだ殺す予定じゃなかったが今ここで殺しても害はない」スゥ-…スチャ 鞘から刀を抜き取り構える


カルマ 「今度こそお前を殺してやる!あの時はやられたがこの世界で殺せればあの時倒せなかった未練もなくなるってもんよ!」


カルマ 「さぁ 早く始めようぜ!正々堂々じゃないが今ならお前を殺れる!俺は早くお前を殺したいんだよ!」


蒼野 「…いいだろう 相手してやる!」チャキッ


四季 「蒼野 無理してはいけません!下がってください!」


ヤマメ 「ねぇ閻魔様 あの人間とさとり様を操ってた人間って一体どういう関係なんだい?なんか知り合いっぽいけど…」


四季 「…蒼野は外の世界から来た殺人鬼です そしてさとりさんを操っていた方はおそらく、外の世界で蒼野が倒した闇組織の一員です」


燐 「っえ!?殺人鬼!?あの人が!?」


ヤマメ 「あの優しそうな人が殺人鬼?とてもそうには見えないけど…」


四季 「たしかに一見殺人には見えません…ですが、外の世界にいた時は100を越える人達を殺していたんです ある方を守るために…」


燐 「…ある方?」



カルマ 「行くぞ!」ダッ!!


蒼野 「」ダッ!!



ガキィンッ!!!!


カルマ 「よっと!」ブォンッ!! 刀同士がぶつかりあった瞬間、すかさず蒼野の脇腹に目がけて蹴りを入れる


蒼野 「っ…」パシンッ 片手を刀から離してカルマの蹴りを受け止める


カルマ 「おらよっと!」ブォンッ!! 身体を縦に回転させて蒼野の顎にもう片方の蹴りを入れる


蒼野 「ふんっ!」ブォンッ!! 同じく身体を縦に回転させてカルマの蹴りを受け流す


カルマ 「っち!避けやがったか 今の当たれば脳震盪を起こせるかと思ったのに」スタッ


蒼野 「あいにくだが、そんな攻撃じゃ俺を倒せないぞ?カルマ」スチャッ


カルマ 「上等だ!確実にお前を殺してみせる!」スチャッ


蒼野 「ーっ…」カタカタ…


蒼野 「(まずいな…さっきのトラウマがまだ効いてるな こいつを殺したらまた罪悪感が襲ってきそうだな…)」


蒼野 「(なんとか殺さないであいつを倒したいけど……)」


カルマ 「手が震えてるぜ?蒼野 まさかお前のトラウマが初めて人を殺した時の罪悪感だとは思わなかったな!」サンッ!!


蒼野 「俺だって普通の人間だ 普通人を殺したら罪悪感が襲ってくるに決まってるだろ!」ガキィンッ!!


カルマ 「いや、そうとは限らないぜ?」キィンッ


カルマ 「俺は初めて人を殺した時にはなにも起きなかったぜ?逆に人を殺すことが楽しいと思っちまったからな!」キィンッ!!キィンキィンッ!!ガキィンッ!!


蒼野 「…人を殺すことに快楽を持ったのか それなら話は別だな?」キリッ…キリッ…


カルマ 「お前も一緒かと思ったが…違ったみたいだな?」キィンッ!!タタッ


蒼野 「あたりまえだ もし人を殺すことに快楽を持ったら遥を守ってるわけないだろ」


カルマ 「たしかにな?」



四季 「蒼野 下がってください!私がその方の相手をするので無理しないでください!」


蒼野 「だいじょうぶだ!こいつは俺がなんとかするから四季はそこの2人を守っててくれ!」


四季 「だめです!今のあなたはトラウマを見せられて人を殺したことによる罪悪感が襲っているはずです!そんな状態ではまともに戦えないはずです!」


蒼野 「だいじょうぶだって言ってるだろ!こんなトラウマなんか気にしないでやればなんとかなる!」


四季 「無理しないでください!忘れたんですか 私との約束を!」


蒼野 「ーっ…」カタカタ…


カルマ 「おやおや?ずいぶんと心配されてるな 犯罪者であるお前が閻魔さまに心配されるなんてな?おもしろい光景だ!」


蒼野 「…おもしろいか?俺はおもしろくないと思うが」


カルマ 「俺はおもしろいんだよ お前がおもしろくなくても俺はおもしろいから言ったんだよ」


カルマ 「まるであの時の遥と一緒だな?お前が大ケガした状態で俺と一騎打ちをした時とな!」


蒼野 「…だからなんだ?今は昔話なんかどうでもいいだろ さっさとケリをつけようぜ?」


カルマ 「上等だ!お前の首を手土産にしてあの方の元に持ってってやるよ!」ダッ!!


蒼野 「…」スチャッ


四季 「蒼野!下がりなさい!」


蒼野 「…」 四季の命令を無視して刀を構え続ける


四季 「蒼野!!」



カルマ 「あっはははは!死ねぇ!蒼野夜一!!」スゥー…


蒼野 「…」


カルマ 「はぁぁっ!!」シュンッ!! 刀を蒼野の首にめがけて勢いよく切りつける


四季 「蒼野っ!!!!」


蒼野 「…壱ノ太刀」スゥー…


カルマ 「っ!?」ゾクッ!!


蒼野 「」シュンッ



ズバンッ!!!!!!


カルマ 「っ!!!!!!」蒼野に腹を切りつけられて貫通する


全員 「「っ!!!?」」


蒼野 「…瞬殺 かまいたち」スゥ…スチャンッ 一瞬にしてカルマの背後に立ち尽くし、闇の刀を鞘に収める


カルマ 「があぁぁぁぁぁぁっ!!!!!!」ブシャアァァッ!!!!!! 腹を切られ辺りに血しぶきを吹き散らす


カルマ 「っあ…あぁおのぉぉ…テメェっ!!!!!!」ズルッ…


…バシャンッドサ…


カルマ 「」ドバァ-… 上半身と下半身が二つに離れて辺り一面に血が流れていく



四季 「…あっ蒼野 あなた……」


蒼野 「…うぷっ!」


蒼野 「おうえぇぇうぅぇぇぇぇっっっ!!!!!!」ビチャビチャッ!!!!


蒼野 「うえぇぇ…おぇぇ……!!」ビチャビチャッ…


蒼野 「(やっちまった…マジで殺っちまった!)」


蒼野 「(殺しちまった…殺しちゃいけないのに…殺しちまった!)」ブルブル…


蒼野 「(やべぇよ!?まじでやべぇよ!!殺すなと言われたのに殺しちまったよ!!)」


蒼野 「(殺すなと言われたのに…殺すなと言われたのに!!殺しちまったよ!?)」ガクガク…


蒼野 「(どうしよう…マジでどうしよう!!)」


蒼野 「(どうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしよう…っ!!!!!!)」ガクガク…!!!!!!


蒼野 「…うぷぅっ!!!!!!」ゴポッ


蒼野 「おぅえぇぇぇぇうぅえぇぇぇぇぇっっっ!!!!!!」ビチャビチャッ!!!!



四季 「…」


タッタッタッ…


ヤマメ 「…閻魔様?」



蒼野 「うぇぇ…おえぇぇ……!!」ビチャビチャッ…


蒼野 「(どうしよう…まじでどうしよう!!)」


蒼野 「(また、殺しちまった…思いっきり殺しちまった!)」


蒼野 「(マジで殺しちまった!どうしよう…どうしよう!)」ガクガク…



タッタッタッ…


四季 「…蒼野」


蒼野 「ひぃっ!?」ビクッ!!


四季 「…だいじょうぶですか?蒼野」


蒼野 「ひっひぃ!来るな!来ないでくれ!!」ビクビク…


蒼野 「俺は殺りたくてやったわけじゃないんだ!殺す気はなかったんだ!」


蒼野 「お前から言われてたのに殺しちまった!殺す気はなかったのに…殺しちまった……!!」ガクガク…


蒼野 「許してくれ…本当に、ゆるしてくれ……」プルプル…


四季 「…蒼野……」


蒼野 「…すまない、本当にすまない…すまない………」ガクガク…


四季 「…」スゥ…



ピタッ…


蒼野 「ひぃっ!!!!」ビクゥッ!! 四季に頬を撫でられて恐怖を感じる


四季 「…だいじょうぶ わかっています」


四季 「あなたの気持ち、痛いくらいにわかります なので落ち着いてください」


蒼野 「…でも、俺は……」プルプル…


四季 「たしかにあなたは私の期待を裏切りました 人を殺すことは絶対にしないよう言ったのに人を殺めてしまった…」


四季 「でも、あなたは私の手を汚さないために自らの手を汚したに違いありません それはちゃんとわかっているので落ち着いてください」


蒼野 「…しっ四季……」


蒼野 「…すまない 本当に、すまない!」ツツー…


四季 「(…トラウマを見せられて落ち着けないみたいですね 人を初めて殺めた時のことを思い出して、さらに人を殺めてしまったことによる二つの後悔が一緒になって自分を苦しめてる…)」


四季 「(普段の蒼野ならありえませんね あの怖いもの知らずの蒼野が身体を震えさせるなんて…)」


蒼野 「ーっ…」ブルブル…


四季 「(なんとかしてあげたいですけど、私ではどうにもなりませんね 一体どうすれば…)」



さとり 「ーっ…私がっなんとかします」ムクッ…


四季 「っ! さとりさん!」


燐 「さとり様!意識が戻ったんですか!?」


さとり 「えぇ…まだ思考回路がうまく回らないけどなんとか戻ったわ……」フラァ…トトッ


ヤマメ 「元に戻って良かったよ」


四季 「さとりさん 蒼野のトラウマをなんとかできるんですか?」


さとり 「できます すぐにトラウマを沈めさせます」スゥ…


さとり 「【トラウマ解除】」



キィン!!


蒼野 「っ! …あっあれ?急に気が収まって……?」


四季 「蒼野 だいじょうぶですか?落ち着きましたか?」


蒼野 「あっあぁ なんか急に落ち着いた…悪い 心配させて」


四季 「構いませんよ 落ち着いたならそれでいいです」


さとり 「申し訳ありません 私が操られていたばかりに迷惑をかけてしまって…」


蒼野 「いや、あんたは悪くないから謝らないでくれ 悪いのはそこで倒れてるカルマって奴なんだからな」


さとり 「…」



カルマ 「」ドバァ… 血の湖が周りに広がって大きくなっている


さとり 「…この方とは知り合いなんですか?」


蒼野 「…あぁ 俺が外の世界にいた時に殺した人間だ」


蒼野 「死んでからこっちの世界に来て生き返ったみたいなんだ おれも詳しくはわからないけど」


さとり 「…そうですか」


四季 「さとりさん この方についてお話が…」


さとり 「平気です 今閻魔様の心を呼んでいるのでなにを話そうとしていたのかを読み取ったのですべて理解しました」


四季 「そうですか あまり読まれたくありませんでしたが話が早くて助かります」


さとり 「佐久間グループ…外の世界から来た犯罪組織集団ですか?しかも大勢に能力が付いているなんて、なかなか厄介な方たちがやって来たものですね?」


蒼野 「…本当に心を読み取ることができるみたいだな?なにも話してないのに…」


さとり 「私はさとり妖怪ですからね 誰がなにを考えていようと私の前では無意味ですよ」


蒼野 「(…なかなかおっかない奴だな?もしこいつが敵だったらと思うとゾッとするな 心を読まれるだけじゃなくトラウマまで見せてくるからな…敵じゃなくてほんとに良かった)」


さとり 「そうですね 敵ではなくて良かったですね」


蒼野 「…読まれたか」


さとり 「はい 読みました」


さとり 「それといつまでもこんなところで立ち話をするより 中に入ってあなたの腕を治療しないと血や雑菌が繁殖するので私の部屋に行きましょう」


蒼野 「…すまないがたのむ」ダラダラ…


さとり 「お燐 悪いけどお空を連れてきてここら辺の掃除をお願い?そこの死体はあなたの好きなようにしていいわ」


お燐 「マジですか!?了解です!」


ヤマメ 「さとり様 明日旧都に顔を出してみんなに誤解を解いてくれる?みんなけっこう操られてたさとり様にやられて…」


さとり 「わかっています 明日みなさんに謝罪をしに行きますのでご安心ください」


さとり 「それではいきますよ」


タッタッタッ…


燐 「…」


ヤマメ 「…あの人間、すごいね?」


ヤマメ 「一瞬にしてさとり様を操ってた人間を倒したけど、あの人間の剣さばき…なかなかのものだったね?」


燐 「うん…気づいた時にはもう後ろにいて切ってたもんね?」


ヤマメ 「…さすが殺人鬼、と言ったところだね あんなにも優しそうな人が…」


燐 「…」













地霊殿ー客間



さとり 「…これでよしっと」キュッ


蒼野 「わるいな 治療してもらって」腕を治療されて包帯を巻いてもらう


さとり 「いえ、私のせいでお燐に噛まれたんですからあなたが謝る必要はありません」


さとり 「私がもっとしっかりしていれば、こんなことには…」


蒼野 「…さとり……」


四季 「…さとりさん あなたがあの、カルマ?でしたか あの方にはいつごろ操られていたんですか?」


さとり 「…二日前ぐらいですかね?操られていたとはいえ、うっすらと記憶は残っているのでおそらくそのくらいかと…」


蒼野 「二日前…そこまで日が経ってないな?」


四季 「それで、その二日間のあいだに旧都に住む鬼や燐さんたちにトラウマを見せたんですか?」


さとり 「…はい その辺の記憶ははっきり残っているので確実です」


四季 「…」


蒼野 「…あの野郎 ほんとにろくな事しねぇな?っち!」


四季 「蒼野 今はさとりさんがいるんですから舌打ちは控えてください」


蒼野 「…わるい」


さとり 「構いませんよ 気にしていませんから」


さとり 「…それで、その者達を警戒すればいいんですね?」


四季 「はい 佐久間グループの者が来た場合には容赦なく対象して構いません 私が許します」


さとり 「…わかりました それではまた来た場合にはこちらも全力で対象させていただきます」


四季 「よろしくお願いします」



ガチャッタタタ…


蒼野 「っん?」


四季 「どうしましたか?蒼野」


蒼野 「…今、誰か入ってこなかったか?ドアが開く音がしたんだが」


さとり 「私の妹です こいし 姿を見せなさい?」


こいし 「はーい!」ヒョコッ 蒼野の背後から姿を現す


蒼野 「うぉっ!!!?」ビクッ!!


四季 「おや こいしさんどうしたんですか?姿を見せないで入ってきたりして」


こいし 「お姉ちゃんが元に戻ったってお燐から聞いたから来たんだよ!」


さとり 「心配かけてごめんね?こいし もう大丈夫よ!」


こいし 「戻ってよかったよ!お姉ちゃん」


蒼野 「…きみ、今どこから現れた?まったく気配がしなかったんだが…」


こいし 「っえ?普通に入ってきたよ?」


蒼野 「いや普通に入ってきたらわかるから…」


四季 「蒼野 こいしさんは無意識を操るんですよ」


蒼野 「…無意識を操る?」


さとり 「そうです 無意識に行動して無意識に現れる…つまり、気配や存在を操ることが出来るんです」


蒼野 「…だから見えなかったのか?誰かが入ってくるのはわかったけど誰の姿もなかったから驚いたな」


こいし 「脅かしてごめんね?それとお姉ちゃんを戻してくれたのはあなただよね?」


蒼野 「あぁ 俺は蒼野夜一」


こいし 「古明地こいしだよ!ありがとね 夜一!」


蒼野 「あぁ!」













夜ー上空



四季 「…すっかり遅くなってしまいましたね?早く帰って夕食の準備をしなくては…」ヒュー…


蒼野 「…」ヒュー…


四季 「…蒼野?」


蒼野 「…」


四季 「…蒼野 あなたが何を気にしてるかはだいたい想像がつきます」


四季 「ですが、あなたは落ち着けない状態で人を殺めてしまったんですから仕方ないことです 気にする必要はありません」


蒼野 「…だが、俺は人を殺すことはしないよう言われていた…それなのに俺は……」


四季 「場合が場合なら致し方ないことだと私は受け止めます 今回のことに関してはその致し方ないことです」


四季 「私は許します このことは大閻魔様にも話さずに黙っておきますのでいつものように元気を出してください」


蒼野 「…すまない」


四季 「謝らないでください あの時、私があなたを助けていればこんなことにはならずに済んでいたんですから…」


蒼野 「四季は悪くない 俺が全部悪いんだ?俺がもっとしっかりしていれば…」


四季 「それではおあいこということで締めましょう いつまでも同じことを繰り返していてもキリがありませんからね?」


蒼野「…わかった」


ヒュー…













彼岸ー四季の部屋



ガチャッ


四季 「ふぅ…やっと帰ってこれましたね?今日は色々な事があって疲れました…」ハァ…


蒼野 「たしかに今日は疲れたな すぐに夕食の支度するから四季は先に風呂はいってこいよ?」


四季 「頼めますか?」


蒼野 「あぁ 任せておけ!」


四季 「それでは私は先にお風呂に入ってくるので蒼野は夕食をお願いします」タッタッタッ…


蒼野 「了解!」 ガチャッ


パタンッ…


蒼野 「…」


蒼野 「…さて、ご飯作る前に大閻魔のところに行くか 今日のことを知らせに…」


蒼野 「四季は黙っててくれると言ってたがそういうわけにはいかない それじゃ俺の気が収まらない」


蒼野 「…許してもらえればいいが……」タッタッタッ…


ガチャッ…パタンッ













大閻魔の部屋



大閻魔 「…」カリカリ…


大閻魔 「んんー!やっと終わった 今日はこれくらいでいいじゃろう?」


大閻魔 「…もうこんな時間か 早く風呂など済ませて休むとしようかのう」カタッ



コンコンッ


アオノダ ナカニハイッテモイイカ?


大閻魔 「っん?蒼野か 良いぞ入って」


ガチャッ


蒼野 「邪魔する」


大閻魔 「どうした なにかわしに用か?」


蒼野 「…」


大閻魔 「…? 蒼野?」


蒼野 「…大閻魔」


蒼野 「本当にすまない」スッ 大閻魔の前で頭を下げて謝罪する


大閻魔 「っ!」


蒼野 「…今日、佐久間グループの1人 カルマって奴を…刀で切り殺しちまった 殺すなって言われてたのに…本当にすまない!」


大閻魔 「…殺ってしまったのか 殺すなとあれほど言ったのに…」


大閻魔 「一体なにがあって殺したんだ 理由を聞かせてくれないか?」


蒼野 「…わかった」



蒼野説明中…



大閻魔 「…なるほど 操られたさとりさんがお主に能力を使ってきてトラウマが蘇り 落ち着けない状態でカルマという奴を切った…か」


蒼野 「…あぁ 四季は落ち着けない状態で殺ったから致し方ない事だと言って許してくれた…だけど」


蒼野 「人を殺したことには違いない 殺すなと言われてたのに俺は殺しちまった…四季たちを裏切る真似をしちまった」


蒼野 「大閻魔 俺はどんな罰でも受けるから四季には罰を与えないでくれ この通りだ!」スッ


大閻魔 「…蒼野」


蒼野 「頼む!」


大閻魔 「…とりあえず顔を上げてくれ 頭を下げられた状態じゃ落ち着いて話しもできん」


蒼野 「…わかった」スゥ…


大閻魔 「…お主は本当に悪いことをしたと思ってるか?」


蒼野 「あたりまえだ 人を殺すことはやっちゃいけないこと!まして四季たちに言われてたのに俺は殺っちまったんだから悪いことをしたと思ってる!」


蒼野 「俺が人を殺せば四季にも罪はいくから、よけいに悪いことをしたと思ってる!だから俺は自分だけが罰を受ければいいと思ってる!」


蒼野 「だからお願いだ!四季にはなにも罰を与えないでくれ!頼む!」


大閻魔 「…肝心の四季は今何してる?」


蒼野 「今は風呂に行ってるはずだ 今さっき帰ってきたばかりだから汗流しに行ってる」


大閻魔 「…そうか ならちょうどいい」カタッ


蒼野 「…っえ?」


大閻魔 「蒼野 お主に罰与えるから付いてこい」


蒼野 「…爪はぎか?それとも指折りか?」


大閻魔 「いやそんなことせんよ…わしをなんだと思ってる?」


蒼野 「それなら何をする気だ 処刑か?」


大閻魔 「だからしないっての!そんな痛々しい罰なんかしないから安心せい!」


蒼野 「痛々しいことをしない?なら俺にどんな罰を与えるんだ?」


大閻魔 「付いてくればわかる いいから来い」


蒼野 「…?」


タッタッタッ…













風呂場(女湯)の塀裏



キャッキャッ!!… 塀内は女性の声が騒がしく塀裏まで届いてくる



蒼野 「…なぁ、大閻魔 ここって…女湯の塀裏だよな?」タッタッタッ…


大閻魔 「そうだが?それがどうした」タッタッタッ…


蒼野 「いやなんでこんなところに来る必要があるんだよ 俺にどんな罰を与えようとしてるんだ?」


大閻魔 「…蒼野ならだいたい予測がついてるんじゃないか?」


蒼野 「…お前 まさか…」


大閻魔 「そう 男のロマンと言っても過言ではない…」スッ どこからともなくカメラを出す


大閻魔 「覗きじゃ!」


蒼野 「…帰る」タッタッタッ…


大閻魔 「ちょっ!?まてまて なに帰ろうとしてるんじゃ」ガシッ 蒼野の肩を掴んで逃がさせないようする


大閻魔 「お主に罰を与えるためにここへ来たんだぞ?なのに帰るとはどういうことだ」


蒼野 「それとこれとは違うと思うが もっと別にあるはずだと思うけどな」


大閻魔 「それはお主が決めることではない というわけでほい!あとは頼んだぞ?」スッ カメラを蒼野にわたそうと…


蒼野 「」ザンッ!!



カメラ「」パカッ…ガシャンッ!! カメラは真っ二つに切られて地面に落ちる


大閻魔 「あぁぁぁぁっっ!!!!!!カメラがあぁぁぁぁっっっ!!!!!?」


蒼野 「バカバカしい お前に謝罪した俺が馬鹿だった 部屋に戻って飯の支度してくる」スチャンッ タッタッタッ…


大閻魔 「ちょっ!?まて!せめてカメラを持ってって…」




【審判 ラストジャッジメント】



ズドオォォォォンッッ!!!!!!


大閻魔 「うぎゃあぁぁぁぁぁッッッ!!!!!!」バチバチバチバチ!!!!!!


パタンッ…


大閻魔 「」プシュー…



四季 「…本当にろくなことしませんね?大閻魔様」ジトー 塀の上から覗いて哀れな目で大閻魔を見下す


職場の女性 「ほんとですよね?よく懲りずにやりますよね」(・д・)チッ


職場の女性2 「しかも話し声でバレバレでしたけどね 覗こうとしてたの」

(゚⊿゚)ケッ


職場の女性3 「それにしても、もう1人の方は覗こうとしてませんでしたね?罰がなんとかと言ってましたが」


四季 「…」


四季 「(…自ら大閻魔様に話したみたいですね まぁ蒼野の性格からしたら話すとは思っていましたが、まさかこんなにも早く話すとは思っていませんでしたね)」


四季 「(あの時は本当に落ちつけない状態で人を殺めてしまったから私は許したんですが…やはり一応上司である大閻魔様に伝えて罰を与えてもらおうとしましたか)」


四季 「(本当に蒼野は自分のしたことに責任を持って償おうとしますね その心を持つことはいい事ですが、持ち過ぎると返って邪魔になる時だってあると言うのに…)」


職場の女性 「…? 四季様?」


四季 「…蒼野はそういうのに興味ないみたいですね まっそれが普通なんですがね?」


職場の女性2 「そういうのに興味ない…?っは!まさか!?」


職場の女性3 「四季様!あの方はゲイなんですか!?」


四季 「…っは?」


職場の女性3 「女の裸体に興味ないということは男同志がお好きということですか!?」


四季 「…いや、そこまでは知りませんが…」


職場の女性 「うっひょぉぉぉ!!!!男同志萌えぇぇぇぇっっ!!!!!!」(っ'ヮ'c)ウッヒョォォォォオ


職場の女性2 「それなら女の裸体に興味ないのに納得できる!あの方はゲイだったんですね!」


職場の女性3 「気持ちわる…私はありえない」


四季 「いや誰もゲイなんて言ってませんよね?勝手に話を進めないでください」


職場の女性 「相手はだれだ!?まさかの大閻魔様かな!?」(*´Д)ハァハァ


職場の女性3 「うわぁ…マジないわ?さすがにそれはない」


職場の女性2 「うん さすがに大閻魔様はないな…」


四季 「あなた達…私の話を聞いていますか?」


職場の女性 「誰かわからないなら聞けばいいだけだ!!今から聞いてこよー!!」ザバァッ


四季 「だから人の話を聞きなさいと!」


職場の女性 「(っ'ヮ'c)<ウッヒョォォォォオ」タッタッタッ!!…


職場の女性2 「…言っちゃいましたね 四季様の話し絶対聞いてませんでしたね」


職場の女性3 「男同志のどこがいいんだろう?ただ気持ち悪いだけだと思うけど…」


職場の女性2 「それは人それぞれだから?」


四季 「…はぁ…」







一方蒼野は…



四季の部屋



蒼野 「…」グツグツ…


蒼野 「…よし これで夕飯の支度は終わったな あとは四季が来るのを待つだけだな」


蒼野 「…それにしても、あのバカは人が真剣に罪を償おうとしてるのになにが盗撮をしろだ?ふざけるのもいい加減にしろよ」


蒼野 「あんなバカに謝罪なんてしなければよかった 頭下げたことが苛立ってくる あんな奴が上司と思うとよけいだな?はぁ…」



バタンっ!!!!


蒼野 「っん?ずいぶんと勢いよく開けたな…って!?」///


職場の女性 「邪魔するわよ!」(*´Д)ハァハァ タオル1枚巻いただけで部屋の中に入ってくる


蒼野 「おまえはこの前の!てか、なんちゅう格好してんだおまえは!?」///


職場の女性 「そんなことはどうでもいいのよ!それよりあなたに聞きたいことがあるわ!」///(*´Д)ハァハァ


蒼野 「その前になんで息荒いんだ!?気持ち悪いんだが!」


職場の女性 「そんなのどうでもいいのよ!それよりあんた!じつはゲイだったりする!?」///(*´Д)ハァハァ


蒼野 「…っは?」


職場の女性 「さっき大閻魔様と一緒に女湯の塀裏に来てたわよね?その時に大閻魔様が覗きをするとかって言ってたよね?」


蒼野 「っ!」ドキッ!!


蒼野 「(マジかよ!気づかれてた!?バレてないと思ってたのに…)」


職場の女性 「でもあなたは覗こうとしてなかったよね?それはつまり、男の裸にしか興味がないってことよね!」///


蒼野 「なんでそうなる!俺はそんな趣味ない!」


職場の女性 「それじゃなんでさっき覗きに来た時に覗かなかったの?大閻魔様は覗く気満々だったのに」


蒼野 「興味ないと言えば嘘になるが、そんなことをしてまで見たいとは思わない 逆に覗かれた方もいやな気持ちになるだろ?」


職場の女性 「…意外に紳士だね?あなた」


蒼野 「別に紳士にやってるわけじゃないが?」


職場の女性 「なーんだぁ?ゲイじゃないのかぁ…ざんねん?」(´Д`)ハァ…


職場の女性 「ゲイだったら過去にどんな経験があったのかどこまでやったのかを聞きたかったのに…うへへ!」(^p^)


蒼野 「…人の趣味不趣味をあーだこーだ言う気はないがあまりそういうことは話さない方がいいぞ?お前気持ち悪がられるぞ?」


職場の女性 「だいじょうぶ!もう散々言われまくってるから慣れたわ!」

( ・´ー・`)ドヤ


蒼野 「事情しろよ!」


美紀 「あっ私のことは美紀って呼んでくれればいいからね?蒼野」


蒼野 「唐突の自己紹介だなおい!?」



ガチャッ


小町 「失礼します よいちー明日の人里の警備のことなんだけど…」


蒼野 「あっ…」


美紀 「あれ?小町じゃん どうかしたの?」タオル一枚巻いた状態


小町 「…」


小町 「っ!!!!!?」///ボッ


美紀 「? どうかしたの?急に顔を赤らめて」


小町 「みっ美紀!あんたなんて格好してんだい!?タオル一枚巻いた状態で蒼野のところにいて!!」///


美紀 「っえ?…っあ!?」///カァァッ!!


小町 「蒼野 ままさか…美紀とそういう関係だったのかい!?」///


蒼野 「ちがうから!?なんでそうなった!?なんでこの状況でそうなった!?」


小町 「じゃあなんでタオル一枚巻いた状態の美紀がここにいるんだい!そういう関係じゃなければこんな事しないはずだよ!」///


蒼野 「それはおかしい!もし仮にそういう関係だったとしてもこんなことはしないから!」


美紀 「そうだよ小町!私はただ蒼野がゲイかを聞きに来ただけで…」


小町 「っえ?蒼野ってゲイだったのかい…?」(´・д・`)ウワァ...


蒼野 「ちがうから!?俺はゲイじゃねぇ!!」


美紀 「さっき四季様たちと一緒にお風呂に入ってた時…むぐっ!」


蒼野 「またややこしくなるからもうしゃべるな これ以上はめんどくさい」ヒソヒソ 美紀の口を塞いで小さい声で問いかける


美紀 「ーっ…」コクンッ


小町 「? さっき四季様たちとお風呂に入ってなんだい?」


美紀 「あっいや、なんでもないよ それと私は蒼野とはそういう関係じゃないから勘違いしないでね?」


小町 「そうかい?まぁ別にそういう関係だったとしてもあたいは構わないんだけど…」


蒼野 「…?」


小町 「(昨日小鈴が襲われたって聞いたから仕事サボって様子を見に行ったんだけど…)」











数時間前…



人里ー鈴奈庵



小鈴 「~♪」パタパタ… はたきで本を掃除してる


ガララッ


小町 「邪魔するよ?」


小鈴 「あっ小町さん いらっしゃい!今日もおサボりですか?」


小町 「あっはははは…まぁ、それは置いといて?」


小鈴 「置いといて平気なんでしょうか…」


小町 「それより、あんた昨日襲われたらしいじゃないか 夜一の話しだとケガとかはしてないって聞いたけど平気なのかい?」


小鈴 「はい!夜一さんのおかげで私は助かりました!あの方は本当に素晴らしい方です!自分のことより他人のことを思うなんて素晴らしすぎます!!」


小町 「…夜一さん?」


小鈴 「はい!あの方は私の運命の方です!本当にかっこ良かったです!!」///


小町 「えぇっ!?う、運命の人って…まさか あんた夜一に惚れたのかい!?」


小鈴 「はい!最初は殺人鬼と聞いた時は驚きましたが、閻魔様から夜一さんの過去を聞いたらすごく仲間思いな方だとわかったんです!」


小鈴 「それで昨日は私を助けるために自らを犠牲にしてまで助けてくださって…本当にかっこよかったです!!」///


小町 「(…目が本気だねぇ?小鈴 本気で夜一に惚れたみたいだね)」


小町 「(夜一はどう思ってるか知らないけど、この事が四季様にバレたらまずいんじゃないかな いろいろと…)」


小鈴 「小町さん ちょっとお伺いしてもよろしいでしょうか?」


小町 「なんだい?」


小鈴 「もしかしてですが…小町さん 夜一さんと付き合ってたりしますか?」


小町 「はぁっ!?いやいや!付き合ってないよ!?てかなんでそう思ったんだい!?」


小鈴 「なんか相性が合いそうというかなんというか…」


小町 「…そうかい?逆にそう見えるかい?あたいはとくに思ってなかったけど」


小鈴 「うーん…ただそう見えるだけで絶対とは言えませんね?なんで急にそう思ったんでしょうか…」ウ-ン


小町 「(あれ?小鈴ってけっこう嫉妬深かったっけ?一度好きになった人をいつまでも追いかけるような子だったっけ?)」


小鈴 「それより小町さん!次夜一さんはいつ来ますか!?私、夜一さんとお話がしたいです!」


小町 「っえ?夜一なら明日あたいと一緒に人里の警備に来るけど…」


小鈴 「ほんとですか!?」パァァ


小町 「でも、警備しにくるから話すにしてもそこまで話せ…」


小鈴 「やったー!明日夜一さんがここに来てくれるー!!」(〃^∇^)ノ


小鈴 「今までお話できなかった分明日いっぱいお話しよーっと!!」


小町 「…あのー 小鈴さん?あたいの話聞いてた?」


小町 「夜一は明日、あたいと一緒に人里の警備に来るからあまり話しは…」


小鈴 「ありがとうございます!小町さん わたし、明日がすっごく楽しみです!!」


小鈴 「あぁー!はやく明日にならないかなぁ!!」o(*^▽^*)o~♪


小町 「いやだから!?夜一は明日警備に来るから…」


コスズー チョットキテモラエルカシラ?


小鈴 「あっはーい!」


小鈴 「すみません小町さん ちょっと呼ばれたので行ってきます」タッタッタッ…


小町 「ちょっ!?小鈴 あたいの話聞いて…って、まったく聞いてないね…」


小町 「明日警備するために来るのにどうしてこうなった…」


小町 「…はぁ……」














小町 「(…言えないね こんな恥ずかしいことを言うなんてあたいにはできないね…)」


小町 「(言ったら言ったで絶対に顔を赤らめて口をごもらせる(詰まらせる)自信がある…)」


蒼野 「…? 小町?さっきからなんか考えてるみたいだけど どうした?」


小町 「あっいや、なんでもないよ 気にしないで?」


蒼野 「そうか?」


小町 「うん それより美紀、あんたは早く着替えてきなよ いつまでもそんな格好じゃ風邪引くよ?」


美紀 「そうだね 早く着替えるとするよ?」


美紀 「急にお邪魔してごめんね?それじゃ、なにか四季様と進展があったら教えてね!」


蒼野 「なんで次は四季になった?てか、進展ってなんの進展だよ」


美紀 「なんでもいいよ!それじゃあね」タッタッタッ…


小町 「…」


蒼野 「…一体なんだったんだ?まったく話しについていけなかった」


小町 「ほんとだね…」


蒼野 「てか、お前はなにしにきたんだ?四季なら今風呂に入ってるぞ?」


小町 「あんたに用があってきたんだよ」


蒼野 「おれ?」


小町 「明日あたいと人里の警備することは聞いてるよね?」


蒼野 「あぁ聞いてるぞ 四季は裁判の仕事があるから俺と小町で人里の警備をしてくれってな」


小町 「慧音さん達も見回るからあたいらの見回るルートを知らせておこうと思ってね」


蒼野 「なるほど たしかに事前に見回るところがわかってれば早いからな?」


蒼野 「それでどこを見回るんだ?俺も人里を全部知ってるわけじゃないから見た範囲内だったら嬉しいんたが」


小町 「あたいらは鈴奈庵付近を見てくれと言われたから蒼野も知ってるよ」


蒼野 「鈴奈庵?あぁ 昨日助けた娘の店か 確かにあの辺ならわかるな」


小町 「その辺りを慧音さんに頼めれたから明日の朝5時くらいにはここから出るから覚えといてね?」


蒼野 「5時か 結構早いな?わかった それじゃ4時ぐらいには起きれるようしとくよ」


小町 「頼むよ?それじゃ」


タッタッタッ…パタンッ


蒼野 「…」


蒼野 「さて、早くテーブルとか拭いておわんに移すか?」














次の日ー早朝



小町の部屋



小町 「すぅ…すぅ…」


小町 「うーん…むにゃむにゃ…」


コンコン


コマチー オキテルカ?モウヨジハンニナルゾ


小町 「すぅ…すぅ…」


…ハイルゾ?


ガチャッ


蒼野 「…やっぱり寝てる 自分で5時に行くって言ってたのに…」ハァ…


小町 「えへへ〜…むにゃむにゃ…」


蒼野 「おーい 小町?起きろ もう起きる時間だぞ」


小町 「すぅ…すぅ…」


蒼野 「朝飯冷めちまうから早く起きろ おーい!」


小町 「うーん…んんっ?」スゥ…


蒼野 「やっと起きたか?早く起きろ 朝飯できてるから早く食べに行くぞ?」


小町 「…もう朝かい?まだ寝足りないねぇ…」ファァ…


蒼野 「昨日夜ふかししてたのか?はやく寝ないと体力が持たないぞ」


小町 「いや、別に夜ふかししてたわけじゃないけど…」


蒼野 「…まぁいい それよりはやく起きろ?飯食ったらさっさと行くぞ?」


小町 「了解…ふぁぁ」













慧音の家



慧音 「…」カチャカチャ…


慧音 「…よし これで洗い物は終わったな?あとは蒼野たちが来るのを待つだけだ」カタッ


コンコンッ


ケイネサンイルカ?アオノダガ


慧音 「おっ?ちょうどいいときに来たな 今行く!」タッタッタッ…


ガラッ


蒼野 「おはよう 慧音さん」


小町 「おはよう!慧音さん」


慧音 「うむ!おはよう すまないな?こんな朝早くから来させてしまってな」


蒼野 「別にかまわないよ それより、体調の方はどうだ?もう平気なのか?」


慧音 「あぁ!もう完全と言っていいほど回復した 心配かけてすまないな」


蒼野 「それならよかった」


小町 「慧音さん 警備はもう始めていいのかい?」


慧音 「構わないぞ 今妹紅たちが先に警備をしてるから交代してやってくれ」


蒼野 「わかった それじゃ行くぞ?小町」


小町 「あいよ!」


タッタッタッ…













鈴奈庵前



妹紅 「ふぁぁ…」タッタッタッ…


妹紅 「(あぁねむい…夜ぶっ通しで警備してたからめちゃくちゃねむい…)」ウトウト


妹紅 「(かと言って警備を怠わるわけにはいかないからな またあいつらが来たら私がやらないと人里に住む自警団じゃ太刀打ちができないから、私がしっかりしないとな!)」


妹紅 「…ふぁぁ…」


妹紅 「(とは言っても、眠いものは眠いな…早く次の交代者こないかな?)」ムニャムニャ…


ガララッ


小鈴 「…っあ!おはようございます妹紅さん 警備お疲れ様です!」


妹紅 「おはよう小鈴 もう店を開けるのか?」


小鈴 「いえ、まだ内装を掃除してないのでもう少し時間がかかります」


妹紅 「そうか まぁまだ開けるにしても早すぎるからな?開けたとしてもお客が入んないんじゃな」


小鈴 「そうですね」



小町 「おいーっす!交代しに来たよ」タッタッタッ…


妹紅 「っん やっと来たか?待ってたよ」


蒼野 「わるいな 遅くなって?」


小鈴 「っあ よっ夜一さん!おはようございます!この前は助けていただき、本当にありがとうございます!」


蒼野 「別に礼なんていいよ 俺は当たり前のことをしたまでだ」


小鈴 「それでも助けてくれたことには違いありません!あの時は本当に怖かったんです もし夜一さんが助けに来てくれなかったら私は今ごろ…」


蒼野 「もうその事は考えるな 助かったんだからもうそんなことを思う必要はないだろ?」


小鈴 「…そうですね もう思い出す必要はありませんね?余計なことを考えてしまってすみません」


蒼野 「別に謝ることはない 次からは思い出さないようにしろよ?」


小鈴 「はい!」


妹紅 「…」 ソレヨリヨイチサン コノアトハケイビヲナサルンデスヨネ?


小町 「…小鈴の様子がおかしいかい?」 アァ コノヘンヲケイビシテクレトタノマレテナ?


妹紅 「…あぁ あの殺人鬼が来た瞬間、ものすごく笑顔になって今もめちゃくちゃうれしそうに話してるからまさかとは思ったが…そんなことはないよな?」 ホントデスカ!?ソレナラワタシモイッショニツイテッテモヨロシイデショウカ?


小町 「…そのまさかだよ」 ッエ?デモ、オマエハミセバンガアルンジャ…


妹紅 「…っえ?」 ダイジョウブデス!キョウハオカアサンニカワッテモライマス!


小町 「昨日仕事サボって小鈴が襲われたって聞いたから様子を見に来た時に、夜一に助けられてまじ惚れしたみたいだよ」 イイノカソレ?ホンライハオマエガシナイトイケナイコトジャ…


妹紅 「えぇっ!?マジかよ…しかもよりによってあの殺人鬼をか?」イエ、キホンテキニハコウタイセイデヤッテルノデカワッテモラッテモヘイキデスカラダイジョウブデス!


小町 「うん 昨日夜一の話しで盛り上がってたよ 小鈴だけ…」 ソウカ?ナラオレハベツニカマワナイケド…


妹紅 「…」 ヤッター!


蒼野 「小町 小鈴も一緒に行きたいっていうんだが平気か?」


小町 「あたいは構わないけど?妹紅 小鈴も一緒に警備に連れてっていいかい?」


妹紅 「別にいいけど、なにかあった時はちゃんと守ってやれよ?小鈴は人間でお前達とは違って戦闘関係がないからな」


蒼野 「わかってるよ なにかあった時は必ず守るから安心してくれ!」


小鈴 「夜一さん…♡」ウットリ


小町 「…まぁ、小鈴のことは夜一に任せて 気をつけながらするよ?」


妹紅 「頼むぞ?それじゃ わたしは疲れたから寝床に戻って寝付くとしよう あとは頼んだよ?」タッタッタッ…


蒼野 「了解!任せておけ」


小町 「それじゃ、さっそく警備を始めるとしようかね!」


蒼野 「そうだな ところで、警備方法はどうやってやるんだ?一緒に警備するのか?それとも別々で回るのか?」


小町 「一緒に行動してくれって慧音さんから言われてるから一緒に行動するよ この前みたいに私が拉致られても困るからって言われてね…」


蒼野 「なるほど?たしかに、あの時は俺が気づいてなければお前はあいつらになにされていたことか」


小町 「あはは…あの時は本当に油断したよ?まさか人間がそんなチートアイテムを持ってるとは思ってなくてね うかつだったよ」


蒼野 「人間を甘く見ないことだな 俺みたいに正々堂々、戦う奴もいればイカサマをしてくる奴もいるんだから気をつけろよ?」


小町 「はーい…」アハハ…


小鈴 「…小町さんも襲われたことあるんですか?」


小町 「うん この前、蒼野と四季様と一緒に買い物が終わってから団子屋に行った時にね?蒼野と四季様が小鈴の店に行った時だよ」


小鈴 「っえ!?あの時ですか!?まだそこまで日が経ってないじゃないですか!」


小町 「いやー?気がついた時にはもう蒼野に救われてたから その間になにかされてたらわからないねぇ?」


蒼野 「多分なにもされてないだろ?小町と離れてからすぐ拉致してたら時間ないし あんな人前でなにかしたら目立つから無理に等しいだろ」


小町 「…そうかい?」


蒼野 「たぶんな?断定としては言えないが時間的に考えたら無理と思っただけだ 小町と離れてから約10分ぐらいしか経ってないからな?」


小鈴 「わかりませんよ?約10分の間にできることは少なからずありますよ?」


小町 「例えばどんなことだい?」


小鈴 「例えばですか?例えば…」


蒼野 「小鈴 あんまりそういうことを口に出して言うな 女としてみっともないぞ」


小鈴 「あっはい わかりました」


蒼野 「小町も聞こうとするな 聞くなら小鈴と二人っきりの時に聞け いいな?」


小町 「っえ?あっうん わかったよ?」


小町 「(なんで聞いちゃいけないんだろう?なにかそんなにやばいことなのかな?逆に気になる…)」


蒼野 「それより、早く警備するぞ?小鈴も店番代わってもらうんだったら早く言いに行ってこい」


小鈴 「はーい!」タッタッタッ…


蒼野 「小鈴が来次第すぐ行くぞ?」


小町 「わかったよ」













朝ー人里道中



ガヤガヤ…


里の住民 「いやー?それでさぁ!」


里の住民 「それほんと?それまずくない…って、あれ?」


里の住民 「っん?どうしたの…っえ?」



小町 「…」タッタッタッ…


蒼野 「…」タッタッタッ…


小鈴 「〜♡」///ギュゥゥ 蒼野の腕に自分の腕を絡ませて一緒に歩いてる



里の住民 「…ねぇ あの子って…鈴奈庵の娘さんよね?」


里の住民 「うん しかもあの隣の人って元殺人鬼の人よね?」


里の住民 「もしかして…2人ってそういう関係?」


里の住民 「まさか?いや、でもありえるわね」



蒼野 「…なぁ 小鈴?」


小鈴 「はーい!なんですか♡」///


蒼野 「なんでお前は俺の腕に腕を絡ませてるんだ?歩きにくいんだが…」


小鈴 「気にしないでください♡」///


蒼野 「いや気にしないでくれって…」


小鈴 「えへへ~♡」///ギューッ


蒼野 「(…なんで小鈴は俺の腕を掴んでるんだ?めっちゃ歩きにくい…)」


小鈴 「(ん〜♡夜一さんの温もりがまじかで感じれてすごく嬉しい!私の運命のかた〜♡)」///


小町 「(…めっちゃ恥ずかしい…いいかげんやめてくれないかな?この2人…)」///


小町 「(周りの視線がすごく痛い…私まで巻き添いだよ…)」///



阿求 「…これはまたすごい光景ね?」タッタッタッ…


小鈴 「あっ阿求じゃん!こんなところで会うなんて珍しいね?」


阿求 「そうね?それはそうと…」チラッ


蒼野 「…?」


阿求 「…小鈴 昨日言ってた人ってこの人のこと?」


小鈴 「うん!すごくかっこいいでしょ!」


阿求 「…ふつうね」


小鈴 「えぇーっ!!!?」Σ(゚д゚lll)


蒼野 「…えっと、2人はなんの話をしてるんだ?まったくわからないんだが…」


阿求 「なんでもないわ 気にしないでください?」


蒼野 「…そうか?」


阿求 「はい それと自己紹介がまだでしたね?」


阿求 「わたしは稗田阿求 あなたの事はよく知っていますよ?外の世界の殺人鬼 蒼野夜一さん?」


阿求 「天龍瑶を誘拐して佐久間グループの者を次々と刀で切り殺していった…そうですよね?」


蒼野 「っ!」


小鈴 「違うの阿求!その瑶さんって人を誘拐したのは…!」


阿求 「わかってるわ あなたがちゃんと説明したのを聞いてたから覚えてるわ」


蒼野 「…新聞で読んだのか?俺のことが書かれたこと」


阿求 「それもあります ほとんど小鈴から聞きましたが…3時間ぐらい」


蒼野&小町 「「3時間!?」」


小鈴 「徹底的に教えました!夜一さんの素晴らしいところを全部お伝えしました!」


阿求 「全部教えられて頭が痛くなったわ…もう聞きたくない」ハァ…


小鈴 「なんでよ!まだあれだけでも半分ぐらいだよ!」


阿求 「あれで半分!?どんだけあるのよ!」


小鈴 「まだあるよ?今からでも聞く?」


阿求 「けっこうよ!」


小町 「(うわぁ…阿求かわいそうに…)」


蒼野 「…そんなに俺のこと話しても意味ないうえにつまらないだろ?」


小鈴 「そんなことありませんよ!夜一さんの話をするの楽しいし、なにより夜一さんのことが詳しく知れるんですよ!最高じゃないですか!!」


蒼野 「(なにが最高なんだろう?別に最高でもなんでもないと思うけど…)」


小町 「…えっと、そろそろ警備再開したいんだけど…?」


蒼野 「そうだな いつまでもここで油売ってるわけにはいかないな?」


阿求 「それならわたしはこの辺で失礼します それでは」


小鈴 「またね阿求!次遊びに来た時に残り半分を教えるから楽しみにしててね!」


阿求 「けっこうよ!」


タッタッタッ…



小鈴 「あーあぁ?まだ話したいことあったのに連れないなぁ?」


蒼野 「いや俺のこと話してても…って、また同じことになるからもういいか」


蒼野 「それよりいい加減離れてくれないか?歩きにくくてしょうがないんだが」


小鈴 「えぇー?もっとくっついていたいんですが…だめですか?」


蒼野 「いやだめって言うか…てか、お前は歩きにくくないのか?腕を絡めながらじゃ歩きにくいと思うが」


小鈴 「ぜんぜんそんなことありませんよ!むしろ歩きやすいです!」///


蒼野 「いや歩きやすいとは思えないが…」


小鈴 「…いやですか?離れなきゃだめですか…?」シュン…


蒼野 「…まぁ、お前がしていたいなら別に構わないが(そんなに落ち込むことか?めっちゃ悲しげな顔するほどか…?)」


小鈴 「わーい!ありがとうございます!」///ギュッ!!


小町 「…」/// アオノサンノテアッタカーイ!


小町 「(恥ずかしい…イチャイチャするなら向こうでしてほしい 周りの視線が痛い…)」/// イマハルダガ?



? 「…」ニヤッ













数時間後ーお昼 人里



ガヤガヤ…


蒼野 「…特に異常はないな そっちはどうだ?」タッタッタッ…


小町 「こっちもないね 特に目立ったことはなさそうだね」


小鈴 「ですね?」まだ蒼野の腕に絡みついている


蒼野 「よし 次は向こう側を見て回るか?」


…ググゥ~…


蒼野 「…」


小町 「…」


小鈴 「…すっすみません 大きな音で……」///カァァ…


小町 「…そういえば、もうお昼近くかな?全然気にしてなかったけど」


蒼野 「…いや、もう昼だな?太陽が真上に向いてるからちょうどお昼といったところかな」


小鈴 「太陽見ただけで時間がわかるんですか!?」


蒼野 「だいたいな?まして昼ならよくわかるよ 太陽が一番真上に向く時間帯だからな まっ多少の誤差は出るけどな?」


小鈴 「…すごいですね?見ただけで時間がわかるなんて 私には全然わかりません」


蒼野 「逆にわかっても得することないぞ?ただ時間がわかるだけでそれ以外に何かいいことあるかと言われたらなにもないからな」


小鈴 「それだけだとしてもすごいですよ!やっぱり夜一さんはすごいですね!剣術もあれば天文学の知識もあるなんて!」


蒼野 「いや太陽の位置で時間がわかるだけで天文学の知識があるってのはおかしいと思うが…」


小町 「…おーい?話してるところ悪いけど そろそろお昼にしないかい?」


小鈴 「はい!食べに行きたいです!」


蒼野 「俺は構わないけど?…なにも食べないけどな」


小鈴 「っえ なんでですか?もしかしてお腹すいてませんか?」


蒼野 「いやそういうわけじゃないが…ただっな?」


小町 「…っあ もしかして…これがない?」スッ 親指と人差し指で円を作る


蒼野 「いや 多少は持ってるぞ?大閻魔が金持たずじゃなにかと不便だから少なからず持っておけってくれたヤツがある」


小町 「あの大閻魔様が!?あのケチで自分勝手な大閻魔様が!?」


蒼野 「そこまではわからんが…まぁそんな奴からもらったんだ?」


小町 「…近々天と地がひっくり返るね?」


蒼野 「どんだけだよ!?」


ググゥ~…


蒼野&小町 「「…」」


小鈴 「…すっすみません またなってしまいました…」///カァァ…


蒼野 「…ここら辺でオススメの飯屋ってあるのか?」


小町 「…そうだね?食べたいものにも変わるけどけっこうあるよ なにが食べたいんだい?」


小鈴 「ご飯ものが食べたいです!」


蒼野 「俺は食べないからなんでもいいよ」


小町 「…なんで夜一は食べないんだい?お腹すいてないのかい?」


蒼野 「いや腹減ってないわけじゃないが…ただ、外食や買い食いは好きじゃないんだ?だからあまりな」


小鈴 「そうなんですか?」


蒼野 「あぁ だから食べるなら二人で食べてくれないか?その間、俺は警備してるから」


小町 「それはダメだよ!慧音さんから言われてるってのもあるけど四季様に夜一のことを任されてるから1人で警備させるようなことはさせないよ!」


蒼野 「なら飯食わないでこのまま警備を続けるか?俺は構わないがお前たちはつらいだろ」


小町 「あんたも一緒に食べるって選択肢はないのかい?」


蒼野 「…」


小町 「それともあたいらと食べるのは嫌なのかい?」


蒼野 「いや、そういうわけじゃないが…はぁ わかったよ?俺も食べに行くよ」


小町 「そうこなくっちゃ!それで蒼野はなにが食べたいんだい?」


蒼野 「なんでもいいよ お前らに合わせるよ?」


小町 「よし!それじゃ揚屋にしようか!あそこならご飯ものも置いてあるからね!」


小鈴 「賛成です!」


蒼野 「揚屋か まぁいいんじゃないか?」


小町 「それじゃ早速行こう!」


タッタッタッ…



? 「…」













数分後…



ガララ…


店員 「ありやとーやした!」


小町 「んー!食べた食べたー!」


小鈴 「美味しかったですね!蒼野さんはどうでしたか?」


蒼野 「なかなか良かったと思うぞ?味加減も悪くなかったかし!」


小町 「だから言ったろ?ここはオススメだって!」


蒼野 「そうだな!」


小町 「それじゃ 警備を再開するとしますか!」


小鈴 「はい!」スッ 蒼野の腕に自分の腕を絡める


蒼野 「…また絡めるのか?別に構わないけど、歩きにくくないか?」


小鈴 「全然歩きにくくありません!気にしないでください!」///


蒼野 「いや別に気にしてはないが…」



? 「…」ジー…


蒼野 「っ…」ピクッ


小町 「っん?どうしたんだい蒼野 急に立ち止まって?」


蒼野 「…誰かが俺たちを見てるな?」スッ 刀に手をかける


小鈴 「っえ?だれかって…誰も見てませんよ?」キョロキョロ…


小町 「(別の意味で注目は浴びてるけど…)」


蒼野 「(殺意は感じないな だけど目線は俺と小鈴の方に向いてるな?監視に来てるのか…?)」


蒼野 「(…まぁいい そっちが隠れてるなら俺は!)」ダッ!!


小町&小鈴 「「…っえ?」」


? 「っ!」


蒼野 「さっきからチラチラ見えてんだよ!」ガシッ!! 影から覗いてる者の胸ぐらを掴んで持ち上げる


? 「ちょっ!?ま待ってください!落ち着いてください!」


? 「わたしは敵ではありません!なので胸ぐらを掴むのやめてください!!」アワワワ


蒼野 「敵じゃないと言ってはいそうですかって言う奴がどこにいる?」


? 「たったしかにそうですが…」



小町 「蒼野!急に走ってどうしたんだい?」タッタッタッ!!…


小鈴 「…あれ?新聞屋さんじゃないですか なぜこんなところに?」


蒼野 「新聞屋?お前らの知り合いか?」


文 「はい 小町さんと小鈴さんは私の知り合いです なので胸ぐらを掴むのをやめてください!ものすごく怖いです!」


蒼野 「…小町 こいつは安全なのか?新聞屋と聞くとあまり良いイメージがないんだが」


小町 「…まぁ 半々ってところかな?良くもなければ悪くもない」


文 「ちょっ!?ひどいですね小町さん!わたしはなにも悪いことなんてしてませんよ!」


小町 「新聞に嘘の情報を書いたり話を盛ったりしてる奴が何を言うか」


文 「うっ!!」ギクッ


蒼野 「やっぱりそういうことしてるのか 新聞屋はあることないこと書いて人々に嘘を教えるからそうだと思ったよ」ギロッ


文 「ひぃっ!!」ビクッ!!


小鈴 「よっ夜一さん 文さんが怖がっているのでそろそろ胸ぐらを掴むのは…」


蒼野 「…そうだな 敵じゃないなら掴み続ける必要はないからな?悪いな 急に胸ぐら掴んで」スッ…


文 「いっいえ、敵じゃないとわかってもらえてなによりです…」


蒼野 「それで?新聞屋が俺たちに何の用だ さっきから付け回してたみたいだが?」


文 「よくぞ聞いてくれました!」

o(≧▽≦)oズイッ


蒼野 「うぉっ!?」ビクッ


文 「実は先程からあなた方を見ていたんですが 小鈴さんとはどういった関係なんですか!?一言お願いします!」


蒼野 「っえ?どういった関係って…」


文 「小鈴さん!この方とはどういった関係で?一言お願いします!」


小鈴 「っえ!?えっと…それは?」///

(/≧ω\)


文 「あやや?これはもしかしてー?」ニヤニヤ


蒼野 「? もしかしてなんだよ」


文 「夜一さん あなたは小鈴さんのことはお好きですか?」


小町 「ド直球に聞くね!?」


蒼野 「好きって…仲間としてか?」


文 「いえ、恋愛対象としてです!」


小鈴 「ちょっ文さん!?」///


蒼野 「悪いが俺はそういうのわからないんだ 過去が過去だからな」


文 「っあ…すみません なんか辛いことを思い出させてしまって」


蒼野 「別に気にしてない それより用件はそれだけか?それだけなら俺たちは警備に戻りたいんだが」


文 「あっはい どうぞ」


蒼野 「行くぞ 小町 小鈴」


小町 「…わかった」


小鈴 「はい…」


タッタッタッ…


文 「…」











ガヤガヤ…


蒼野 「…」タッタッタッ…


小町 「…」タッタッタッ…


小鈴 「…あの、夜一さん さっき文さんが言ってたことなんですが…」


蒼野 「…生憎だが、俺にそんな感情はない お前が俺のことどう思ってるか知らんがもし好意を持ってるとしたら意味ないと思え」


蒼野 「俺は過去に何度も人を殺してきた上に裏切られてきた そんな過去を持ってるやつが恋愛感情なんかあるわけがない」


小鈴 「…そう、ですよね ごめんなさい ご迷惑をおかけして……」


小町 「よっ夜一?さすがに言い過ぎだよ もうちょっと優しく言ってあげないと…」


蒼野 「じゃあなんだ 嘘ついて叶わない夢を持ち続けさせた方がよかったか?」


小町 「そっそういうわけじゃないけど…」


蒼野 「だったら一々余計なことを言うんじゃねぇ 俺は自分のことを正直に言ったまでだ?それであーだこーだ言われる権利はない」


小町 「そっそれはそうだけどさ…」


小鈴 「いいです小町さん わたしが勝手に好意を持ってしまったんですから夜一さんは悪くないです」


小町 「小鈴…」


小鈴 「すみません蒼野さんご迷惑をおかけして わたしはこの辺で失礼します 少しでもご一緒に警備できて嬉しかったです」


小鈴 「…それでは」


タッタッタッ…



蒼野 「…」


小町 「…夜一 あんた、最低だね!小鈴がいたから強くは言わなかったけど さすがに言い過ぎだよ」


小町 「小鈴は本当にあんたに惚れてたんだよ?襲われていた時にあんたに助けてもらってほんとうに良かったって目を輝かせて言ってたんだから」


蒼野 「…だからなんだ?俺は当たり前なことをしたまでだ 当たり前なことをしてなにが悪い」


小町 「そう言ってるんじゃないよ!小鈴はあんたのこと本気で!」


蒼野 「仮に付き合ったとして、犯罪者と付き合ったりしたら周りにどう見られると思う?」


蒼野 「俺なら良い目で見ない もしかしたら、そいつとなにか企んでるんじゃないかと俺は思うがな」


小町 「っ!」ハッ


蒼野 「あいつは罪のない女だ 犯罪者の俺と付き合ったとしたら、周りからどんな目で見られるかもわからないし 何されるかもわからない」


蒼野 「そんな状況になったら小鈴はこの里で生きていけるか?そんな状況でやって行けるか?」


蒼野 「俺なら無理だ 俺ならすぐ別の場所に行ってるな そんな状況になったらな」


小町 「…あんた 小鈴のことを考えてあんな冷たいことを…?」


蒼野 「どうだかな 恋愛感情がないのは本当だが、あの小娘のことを考えて言ったかまでは知らん」


蒼野 「人がどう思うが勝手だが、小町がそう受け止めるならそう受け止めてくれ 俺が決めることじゃない」


小町 「…ふふ!」


蒼野 「? なにかおかしなこと言ったか?」


小町 「いいや!なんだかんだで夜一は相手のことを考えてるんだなって思ったらついね!」


蒼野 「…あぁそうか 笑いたきゃ笑え」


小町 「あれ 怒ったかい?」


蒼野 「べつに?怒るようなことじゃないし怒ったところでなんの意味がある ないのに怒る必要はないだろ」


小町 「そうかい?笑ったから怒ったかと思ったけど、そんなことなかったみたいだね」


蒼野 「俺はそんなことで一々怒らねぇよ それで怒るとかどんだけ短気なんだよ?」


小町 「たしかにそうだね!」


蒼野 「まったく?ほら さっさと警備に戻るぞ」


小町 「あいよ!」


タッタッタッ…



? 「…」ニヤッ














人里ー道中



ガヤガヤ…


小鈴 「…」タッタッタッ…


小鈴 「(…好意を持っても無駄…か?そうだよね 人を散々殺してきた犯罪者が恋愛感情なんかあるわけないよね…)」


小鈴 「(…初めて誰かを好きになったけど、こんなに早く失恋するなんて思わなかったな…初恋だったのに……)」


小鈴 「…夜一さん…」



? 「…お嬢ちゃん ちょっといいかい?」ザッザッ


小鈴 「…っえ?」


バチィン!!


小鈴 「っ!!!?」ビリィッ!! 全身に電気が走り動けなくなる


? 「おっと ちょっと強すぎたかな?でも安心して 死ぬような電流じゃないから」


小鈴 「(なっなに!?身体が…動かない!!!!)」ガクガク…


? 「【…人避け結界】」キィンッ!!


ガヤガヤ…


………


…シーン…


小鈴 「(っえ!?なっなんで…なんで、ろみんな店の中や家に入るの!?)」


? 「驚いたかい?でも安心して 僕は君を痛みつける気ないから」


? 「それじゃ 少しの間、眠ってもらうよ?」スッ…


小鈴 「(いや!やめて!誰か…誰か助けて!!)」


小鈴 「(夜一さん…!!)」ジワァ…



バチンッ!!













夕方ー人里道中



ガヤガヤ…


蒼野 「…」タッタッタッ…


小町 「…特に異常はないね?」タッタッタッ…


蒼野 「そうだな とくにないな」


小町 「いやー!今日は異常がなくてよかった良かった!」


蒼野 「そうだな?ここ最近、あいつら連続で来てたからな 今日は来なくてよかったよ」


小町 「ほんとだね!」



妹紅 「いたいた!おーい!」タッタッタッ…


蒼野 「っん?妹紅か どうした?もう交代の時間か?」


妹紅 「それもあるがそんなことより、お前ら小鈴と一緒じゃないのか?」


小町 「小鈴かい?小鈴なら昼食取ってから少し一緒にいたけど 家に戻ったよ?」


妹紅 「…ほんとうか?」


蒼野 「ほんとだよ なにかあったのか?」


妹紅 「…小鈴がいないんだ」


小町 「…っえ?」


妹紅 「お昼頃まではおまえ達と一緒にいたことは情報でわかってるんだが、その後からは小鈴の行方がわからないんだ」


蒼野 「…小鈴が?」


妹紅 「本当に小鈴は家に戻ったのか?なにかどこかに行くとか聞いてないか?」


小町 「…いや、なにも聞いてないよ」


妹紅 「マジか…一体どこに行ったんだ?小鈴のやつ」


蒼野 「…」



タッタッタッ!!…


小鈴の母 「妹紅さん!」タッタッタッ!!


妹紅 「小鈴のお母さん どうしたんだ?そんなに慌てて」


小鈴の母 「今さっき 小鈴の部屋を確かめたらこんな物が!」スッ


妹紅 「…手紙?」スッ


蒼野 「…っ!!」



「 鈴奈庵の小娘及び、稗田の小娘を預かりました 身の安全は保証します 但し、要件を望まなければ話は別と致します


要件は蒼野夜一を太陽の畑に来させ、自分と決闘をしてもらうことです


蒼野が勝てばお二人をお返しします 負ければ…お二人の命はないと思ってください


来ることを願っています


佐久間グループ幹部 メイ 」



小町 「佐久間グループ!?しかも阿求も捕まってるのかい!?」


妹紅 「まじかよ!だからあの時、稗田の連中らもなんか慌ただしかったのは阿求がいなくなってたからか!」


蒼野 「しかもよりによってメイかよ…っち!厄介だ!」


小町 「知ってるのかい?」


蒼野 「あぁ 佐久間グループの三幹部の一人だ!」


妹紅 「幹部!?」


蒼野 「武術、剣術共に達人級でさらに頭脳派でもある万能型のやつだ」


蒼野 「外の世界にいた時もあいつを倒すのは骨が折れた …いや、正確に言えば バランスを崩して高いところから落ちたと言った方が早いな しかも頭から落ちたから即死だった」


小町 「…そんなに強いのかい?そのメイって奴は?」


蒼野 「…正直、俺より強い あの時は運が良かったと言えるかわからないが落ちて自滅してくれたからよかったが、あいつとタイマンしたら俺の勝率は20%ぐらいだな」


妹紅 「20%…」


蒼野 「…いいぜ 相手してやるぜ!」


蒼野 「あいつはいろんな卑怯な手を使ってくるが根は素直 おそらくその手紙に書いてあることは本当にやってくれるだろ?」


蒼野 「小町 その太陽の畑って場所に案内してくれ」


小町 「その前に四季様に知らせないと!」


蒼野 「だめだ あいつは俺とのタイマンを望んでるから他のやつがいると2人を殺す可能性がある だから四季には知らせないでくれ」


小町 「だけど!」


蒼野 「安心しろ!俺は死なねぇよ 必ず2人を助けて戻ってくるから四季には黙っててくれ?なにか言われれば俺が黙ってろと言ったって言うから!」


小町 「…夜一…」


小町 「…わかった でも、絶対に戻ってくるんだよ!絶対に死ぬんじゃないよ!」


蒼野 「あぁ!約束する!」


妹紅 「…本来なら私が行きたいんだが、そうはいかないみたいだな?蒼野 2人のことを頼む!」スッ


蒼野 「わかってるって?そんな頭を下げなくてもかならず救ってきてやるよ!」


蒼野 「小町 案内を頼む!」


小町 「わかったよ!」


ヒュー!!…


小鈴の母 「…小鈴…」


妹紅 「…頼むよ 蒼野!」













夜ー太陽の畑



ヒュー…スタッ


小町 「ここが太陽の畑だよ」


蒼野 「…1面向日葵が咲いてるな すごいな?」


小町 「ここの主が好きで育ててるならね 花に傷つけると殺されるから気をつけな?」


蒼野 「花を傷付けただけで!?危ねぇなそいつ!どんだけ花が好きなんだよ!」


小町 「そういう奴なんだよ それより上から見たけど そのメイって奴は見えなかったけど、どこにいたんだろうか?」


蒼野 「…」


小町 「…夜一?」


蒼野 「…小町 あとは任せて帰ってくれないか?もう来てる」


小町 「っえ!?どっどこにだい!?まったく見えないけど!」キョロキョロ


蒼野 「今は隠れてるよ 小町には危害を加える気はないみたいだから早く戻って四季が疑い始めたら説得しておいてくれ」


小町 「…わ、わかった 気をつけるんだよ?」


蒼野 「わかってるよ それじゃあな」


小町 「…うん…」


ヒュー…


蒼野 「…行ったぞ さっさと出てこいよ?メイ」


…ガサッ


メイ 「…さすがだね蒼野 気づいてたんだ?」タッタッタッ 草陰から身を潜めるのをやめて姿を現す


蒼野 「俺を誰だと思ってる?世間を騒がせた殺人鬼だぞ 誰がどこにいるかぐらいわかる」


蒼野 「とくにお前ならな?」


メイ 「ふふ!嬉しいわ わたしならとくにわかるなんて…私にとって褒め言葉だわ」


蒼野 「二人は無事なんだろうな?」


メイ 「その点は安心して?2人はケガしてるどころか傷一つ付けていないわ わたしは嘘が嫌いだからね」


メイ 「それに今回の目的は蒼野をここに呼び出すことだったから余計に手を出す気なんてなかったけどね」


蒼野 「…そうか それなら良かったよ?相手がお前で本当によかった メイ」


メイ 「…私は嬉しくないな 私の相手は蒼野なんだから…」


蒼野 「…」


メイ 「…ねぇ、蒼野?あなたはなんで佐久間グループを今でも敵対してるの?瑶が殺されたことを今でも恨んでるの?」


メイ 「たしかに佐久間グループの人たちは瑶と蒼野を狙って瑶を殺したわ…でも、それはもう過ぎたことでしょ?」


メイ 「いや、過ぎたことって言ったら失礼ね それは外の世界で起きてたことって言った方がいいかしら?」


蒼野 「…どっちにしても俺にとっては失礼だがな?」


メイ 「…ごめんなさい」


蒼野 「いやお前が謝らなくても…」


メイ 「…ねぇ蒼野 今からでもいいから、私たち佐久間グループに入らない?」


メイ 「わたしはあなたを殺したくない 殺したくない以前に殺りあいたくない だってわたしはあなたのこと、本気で好きなんだから!」


メイ 「もちろん恋愛対象として好き 男なんてみんな野獣しかいないと思ってたのにあなただけは違った 私を殺さないで…見逃してくれた」


メイ 「【わたしと殺り合っていた時に高いところから落ちそうになった私をあなたは救いの手をくれた 敵同士なのに…あなたは私を助けてくれた】」


メイ 「だからお願い蒼野!親方さまにはわたしから言うから私たちの仲間になって!」


蒼野 「…メイ…」


メイ 「お願い!」


蒼野 「…」



ヒュー… 弱い風が蒼野達の頬を撫でていく


蒼野 「…ごめん 俺はお前の仲間にはなれない」


蒼野 「お前には返しきれないほどの恩がある…外の世界にいた時にお前は敵である俺を何度も助けてくれた」


蒼野 「佐久間グループがどういう動きをしているのか 今回は誰が攻めてくるのかを教えてくれた…でも、それがバレてお前は佐久間グループの幹部 ノンに殺された…」


蒼野 「その罪を償えるならどんなことでも聞いてやりたい…でも、お前達の仲間にはなれない」


メイ 「…そう…そうだよね 蒼野が私たちの仲間になるわけないわよね…」


メイ 「…聞きたくなかったよ」クンッスー…


メイ 「その言葉」スチャッ 刀を鞘から抜いて蒼野に向けて構える


蒼野 「…メイ…」


メイ 「…抜いて その闇の剣を抜いて私に構えて」


メイ 「わたしはあなたを殺さないといけない 殺さないとわたしは親方さまに殺される」


メイ 「わたしはあなたを残して死にたくない 死ぬならあなたが死んでから私も命を絶つわ!」


蒼野 「…そうか 俺を殺したら…お前も死ぬのか」


蒼野 「…本当にお前には」クンッスー…


蒼野 「惚れるよ」スチャッ


メイ 「わたしもあなたに惚れるわ その仲間思いのところがね!」


蒼野 「ありがとよ 最高の褒め言葉だぜ!」


蒼野&メイ 「「」」ダッ!!



ガキィン!!!! 刀同士がぶつかりあって火花が飛び散る


蒼野 「おぅらっ!」ビュンッ!! 刀を上から下に振り切りつける


メイ 「遅いわ!」シュンッ 身体を横にずらして避ける


メイ 「っは!」ヒュンッ!! 横から切りつけて胴体に目掛けて切りつける


蒼野 「っと!」シュンッ 後ろに下がって避ける


メイ 「やぁっ!!」ヒュンッ!! 先ほどとは逆の方向から横に切りつける


蒼野 「あまいっ!」ガキィンッ!! 剣を真っ直ぐに立てて横から切りつけてくる剣を防ぐ


メイ 「…やっぱり強いね蒼野 その歳でわたしの剣さばきを見切るなんてすごいよ」キィンッ!!キンキンッ!!カンッ!!


蒼野 「何度も練習してきたからな 佐久間グループを滅亡させるために死にものぐるいで殺り続けたからな」ギィンッ!!ガンガンッ!!ガキィンッ!!!!


メイ 「…わたしもその中に入ってるの?」キィンキィンッ!!ギャンッ!!


蒼野 「…」ガキィンッ!!!!


メイ 「…本当に、運が悪いわね?私たち…わたしが佐久間グループに入ってなければ、こんなことにはならなかったのに……」ギリッ…ギリッ…


蒼野 「…入ってなければお前は俺と会うことはなかったけどな」ギリッ…ギリッ…


メイ 「…たしかにそうね」キィンッ!!


蒼野 「…でも、その方が良かったかもしれないな こんなことになるなら、お前と合わない方が良かったと思う」


メイ 「…私はそう思わないわ わたしはあなたのおかげで現実を受け入れることができたわ」


メイ 「すべての男はみんな女を道具のように扱う…散々こき使って最後はゴミのように捨てられる わたしは昔からそうだった」


メイ 「親に捨てられた私は路上に捨てられて 様々な人に拾われてはこき使われ、犯されて…そして最後はまた捨てられる その繰り返しだったわ」


メイ 「それから数ヶ月経ったぐらいにわたしは佐久間グループの一員に拾われて今に至るわ すべての男を殺すためにわたしは懸命にありとあらゆる拳法を習ったわ」


メイ 「…でも、あなたに助けられてから私は変わることができた すべての男がそんな奴じゃないってあなたに教わったわ!」


蒼野 「…俺は別に教えてないけどな?助けたのは事実だが」


メイ 「助けてくれたからそう思えたのよ 蒼野が救ってくれなければ私は変われなかったわ」


メイ 「…わたしはあなたが好き 歳が離れていても好き だからあなたを殺したくないの」


蒼野 「俺だってお前を殺したくねぇよ てか、歳が離れてるって俺より10歳しか離れてないだろ?」


メイ 「10歳も離れてたら、あなたからしたら私はおばさんでしょ?」


蒼野 「26歳でおばさんなんて言わねぇよ まだ若いじゃねぇか?」


メイ 「うふふ!ありがとう 蒼野」


蒼野 「…なぁ まだ俺たちは殺しあわないといけないのか?俺は正直、もうやりたくないんだが…」


メイ 「…私もしたくないわ あなたを殺しても私には損しかないもの…でも」


蒼野 「…でも、俺を殺さないと頭がうるさいんだろ?殺せなかったらお前は殺されるんだろ?」


メイ 「…」


蒼野 「…メイ 俺はお前を殺したくない 死んで欲しくない 俺もお前のことが好きだ」


蒼野 「お前を殺すぐらいなら俺は自分で死んだ方がマシだ …だが、俺は自殺をするような真似はしたくない だから…」


蒼野 「【…切ってくれ お前の手で俺の首を跳ねてくれ】」


メイ 「…っえ?」


蒼野 「…俺を殺せば、お前は殺されることはないんだろ?なら俺を殺してくれ」


メイ 「なっなに言ってるのよ!?そんなこと、できるわけないでしょ!!」


メイ 「私だってあなたを殺したくないわ!殺したくないのに殺せだなんて…できるわけないでしょ!!」


蒼野 「だが、俺を殺さなければお前は殺される 俺はお前に死んで欲しくないんだ」


メイ 「私だって蒼野に死んで欲しくないわ!私だって…あなたに死んで欲しく……」ツツー…


メイ 「…なんで…こんなことになっちゃったんだろう こんなの…私は望んでないのに…!」ポタッポタッ…


蒼野 「…メイ…」


メイ 「…蒼野…ごめん やっぱり、わたしはあなたを殺せない 死ぬなら…」スッ…


メイ 「私が死ぬわ!!」スチャッ 自分の首元に刀を押し付ける


蒼野 「っ!? まっ待て!やめろ!!」


メイ 「私はあなたに生きてほしい!だからわたしは自害するわ!!」スゥ…


蒼野 「やめろ!メイ!!」ダッ!!


メイ 「さよなら…」ヒュンッ!!


蒼野 「(やばいっ!!間に合わない!!)」


蒼野 「ーっ綾瀬!やめてくれ!!」


メイ 「っ!」ビタッ 本当の名前で呼ばれて切りつけていた刀を寸止めする


蒼野 「(止めた!今のうちだ!!)」スッ!!



ガシッ!!


メイ 「っ!! 蒼野!?」刀を手で握り締められて止められる


蒼野 「お願いだ綾瀬!頼むから自害しないでくれ!」ツー…


蒼野 「俺はお前に死んで欲しくない!頼むから生きてくれ!!」ダラダラ…


メイ 「ちょっ蒼野!!あなた手から血が!?」


蒼野 「お前が自害をやめない限り俺は止めないぞ!いくら血が流れようと絶対に離さないぞ!!」


蒼野 「俺はお前のことが好きだ!初めて好きになった女が自害するところなんて見たくないんだ!!」


蒼野 「敵同士とかなんだとか関係ねぇ!俺は本気でお前のことが好きなんだ!」


蒼野 「だからお願いだ!死なないでくれ!綾瀬!!」


メイ 「…蒼野…!」ツツー…



スゥ…


? 「…」スゥ… 蒼野の背後に現れ拳を構える


メイ 「っ!? 蒼野あぶない!!」ガバッ


蒼野 「…っえ?」横に身を投げられる


? 「…死ね」ニヤッ


メイ 「やばっ!(間に合わな…)」



ドスゥゥゥン!!!!!!


メイ 「っ!!!!!!」ズボォ!!!!!! 心臓部に拳が貫通して風穴を開けられる


蒼野 「ーっめ」


蒼野 「メイーっ!!!!!!」



? 「…ふん クズが、幹部が敵に惚れてんじゃねぇよゴミ」ズボッ


メイ 「かはぁっ!!!!!!」ビチャァッ!!


蒼野 「ーっノン!!テメェ!!!!」ヒュンッ!!


ノン 「食らうかよ」ガキィンッ!! 腕で蒼野の剣さばきを受け止める


蒼野 「っな!?」


蒼野 「(腕で刀を止めた!?嘘だろ!?籠手を付けてるのか!)」


ノン 「死ね!」ブンッ!!


蒼野 「テメェが死ね!!」シュンッ 身体を横に傾けて避ける


蒼野 「オラァよっ!!!!」ブゥンッ!! 傾けた身体を利用して回し蹴りを入れる


ノン 「ふんっ!!」ゴンッ!! 顔に蹴りを入れられると金属のような音が鳴り響く


蒼野 「いっつ!!!?」ズキィッ!!!!


蒼野 「(かってぇぇッッ!!!!!?なんだこいつ!顔に蹴りを入れたら金属みたいな音が響いたぞ!?一体どうなってるんだ!)」


ノン 「ふん 痛くも痒くないわ そんなやわな攻撃…」


メイ 「ーっ発勁!!」ヒュンッ!!


ノン 「っ!!」ガァァンッ!!ザァァ… 腹に発勁を入れられて後ろに押し出される


メイ 「はぁ…はぁ…ガはァっ!!!!!!」ビチャァッ


蒼野 「メイ!!」


メイ 「…ははっ?ドジっちゃったな…また、ノンにやられちゃったな……」ハァー…ハァー…


蒼野 「しゃべるな!今応急処置だけでもやってやるから!!」


メイ 「無理よ…さすがにこの傷だと、助からないわ……」ハァー…ハァー…


蒼野 「諦めんじゃねぇよ!!心臓を貫かれたぐらいじゃ人間は死なねぇ!ちゃんとした適切な処置をすれば助かる!」


メイ 「今それができる…?あなたにその知識はあるの?」ハァー…ハァー…


蒼野 「ーっ…」ギリッ…


メイ 「…それに、今目の前にノンがいるから余計に無理でしょ?だから蒼野…」ハァー…ハァー…


メイ 「私を気にしないで…ノンを倒して?」


蒼野 「ーっメイ…」ツツー…


メイ 「…最後に、あなたに会えて…よかったわ?」ヒュー…ヒュー…


蒼野 「…綾瀬……」スッ


…チュッ


蒼野 「ーっ…」ポタッポタッ…


メイ 「…ふふっ!最後に…キスできて、よかっ…た………」スゥ…


ガクンッ…


メイ 「」目を閉じて、呼吸が止まり にこやかな顔をして息を引き取る…


蒼野 「ーっ…綾瀬っ!!」ポタッポタッ…


ノン 「ふん 気持ち悪い?恋だの恋愛だの興味ない俺からしたら気持ち悪いだけだな」


ノン 「裏切ってなければ死ななかったものを…ザマァないな?」


蒼野 「…うるせぇよ」


ノン 「怒ったか?唯一、惚れた女が殺されてキレたか?」


ノン 「悪いが俺はなにも間違った事はしてないぞ 敵であるものに手を貸すなんぞ、裏切ったも同然だからな 殺すのは当たり前なことだ?」


蒼野 「うるせぇって言ってんだろ!!」


蒼野 「お前だけはぜってぇ許さねぇ!!過去に同じことをして今も同じことをしやがって!!」


蒼野 「テメェだけは必ず俺の手で殺してやる!!その首を切り落としてやる!!!!」


ノン 「ふん やってみろ?そんなしょぼい刀で切れるものなら切ってみろ」


蒼野 「やってやるよ!この命に変えてもな!!」スゥ… 舌を歯の間に乗せる


ガチィン!!!!


蒼野 「行くぞ!!」ダンッ!! 舌を噛んで目を赤くして勢いよく踏み込む


ノン 「こい!今度こそお前を殺してやる!」スゥ 拳を作り構える


ガキィン!!!!













一方、彼岸では…



裁判所ー寮内通路



小町 「…」窓から外の風景を見ている


小町 「(…大丈夫かな?夜一 ちゃんと生きて帰ってくるだろうね?)」


小町 「(妹紅たちにも一応このことを知らせて私は四季様が気にし始めたら止めるために帰ってきたけど…)」


小町 「(本当なら協力してあげたかったけど、小鈴達を人質に取られてたから夜一の言う通りにしたけど…やっぱり心配だね)」


小町 「(…どうにかできないだろうか)」


…コマチ


小町 「…っあ 四季様」


四季 「どうしたんですか?あなたが窓の外を見ながらボーッとしてるなんて珍しいですね なにかあったんですか?」


小町 「…いえ、特になにも…」


四季 「…そうですか?」


小町 「はい…」


四季 「…それはそうと 先程から蒼野の姿がありませんが一体どこに行ったんですか?今日はあなたと一緒に人里で警備をしていたはずでは?」


小町 「…さぁ 帰ってきてから私も見てませんが?」


四季 「…?」


小町 「(四季様には悪いけど小鈴達のためにもここにいてもらわないと 夜一は小鈴達を助けるために頑張ってるんだ!私だって頑張らないと!)」


四季 「…小町 なにか隠していませんか?あなたが間を開けて話すことなんてなかなかありませんが」


小町 「いいえ なにも隠していませんが?」


四季 「では蒼野はどこに?」


小町 「…わかりません」


四季 「…小町 あなたも嘘をつくのが下手ですね?蒼野と一緒で間を開けてから話すのは挙動不審を隠すためですよね」


小町 「…」


四季 「もう一度聞きます 蒼野は今どこにいるんですか?」


小町 「…わかりません」


四季 「いいなさい!」


小町 「いやです!」


四季 「…そうですか なら少々手荒ですが…」スッ…


小町 「受けて立ちます!悪いですがいくら四季様でも今回だけは夜一を味方します!」


小町 「私をしばくなりジャッジメントを打つなりしても構いません!絶対に夜一の元には行かせません!」


四季 「…こっ小町?」唖然


小町 「(絶対に行かせない!どんなことがあっても絶対に行かせない!)」


小町 「(あとでなにかしら罰が下されるかもしれないがそんなこと関係ない!人の命が懸かってるんだ!罰なんかと比べたら軽いものだ!!)」


小町 「四季様 あとで罰を受けます なので今は蒼野のもとへ行かないでください!」


四季 「なぜですか なぜ行ってはいけないのかを話してもらえませんか?」


小町 「言えません ですが、人の命に関わってることだけは言っておきます!」


四季 「…まさか また佐久間グループの者が現れたんですか!」


小町 「…」


四季 「どきなさい!今すぐ蒼野のもとに行かなくては!」


小町 「だめです!行かせません!」


四季 「いいかげんにしなさい小町!!蒼野はまだ傷が完治していないことをあなたも知っているでしょ!」


小町 「知ってます!ですが、それでもだめです!」


小町 「夜一は1人で戦わなくてはいけません!他の者が行っては邪魔になります!」


四季 「ケガしてる状態でまともに戦えるわけがありません!そこをどきなさい小町!!」


小町 「いやです!どきません!」


四季 「いい加減にしなさいと!!」



大閻魔 「なにを騒いでおる?」タッタッタッ…


小町 「大閻魔様!」


大閻魔 「さっきならギャーギャーと通路に響いてうるさいんだが…なにかあったのか?」


四季 「蒼野が佐久間グループの者と戦っているんです!今すぐ蒼野のもとに行かなくてはいけないのに小町が邪魔をするんです!」


小町 「絶対に行かせません!誰も行かせるわけにはいきません!」


小町 「夜一1人で戦わなくてはいけないんです!他の者が行っては犠牲者が出てしまうんです!」


四季 「…っえ?」


大閻魔 「他の者が行ったら犠牲者が出るって…まさか、人質を取られてるのか!?」


小町 「…」


小町 「…はい 鈴奈庵の孫娘の小鈴と稗田家の9代目阿求が佐久間グループの幹部 メイという方に捕まっています」


小町 「返して欲しければ夜一を太陽の畑に来てメイとの勝負に勝ったら解放すると小鈴の部屋に置き手紙に書いてあったんです」


大閻魔 「幹部だと!?となると相当の実力者になるぞ!」


四季 「こうしてはいられません!今すぐ蒼野の元に行きましょう!」


小町 「だめです!行かせません!」


小町 「夜一は二人を助けるために一人で戦っているんです!その邪魔をしてはいけません!」


四季 「ケガをしてるのに1人で戦ったら負けが見えてるでしょう!まともに戦えない状況で勝てるわけがありません!」


小町 「だとしてもです!夜一は必ず助けると言って1人で戦っているんです!その心意気を踏みにじる気ですか!」


小町 「夜一は男です!それに必ず生きて帰ってくると約束してくれました!だから帰ってくるのを信じてここにおとなしく居て下さい!」


大閻魔 「…」


四季 「だめです!今すぐにでも蒼野のもとへ行って助けなくては!」


大閻魔 「まて 四季」


四季 「なんですか!話しならあとにしてください!」


大閻魔 「わしも小町の意見に賛成じゃ ここで蒼野のもとに行くのはあ奴の決意を踏みにじることになる」


小町 「大閻魔様!」


四季 「気をおかしくしましたか大閻魔様!今蒼野はケガをしているんですよ!そんな状況でまともに戦えると思いますか!?」


大閻魔 「だとしてもだ 蒼野は1人で戦うと言ったのであろう?ならわしらは手出し無用だ」


大閻魔 「それに人質を取られてるならわしらが行ってはまずいだろう ここは蒼野に任せた方がわしはいいと思うが?」


四季 「ーっ…ですが!」


大閻魔 「小町 明日の朝まで時間をやる 明日の朝までに帰ってこなければわしらは蒼野のもとに行く それでいいな?」


小町 「…わかりました ありがとうございます」


大閻魔 「四季 そういうことだ?明日の朝まで部屋で待機してろ 朝になっても帰ってこなければ様子を見に行く…それでいいな?」


四季 「…わかりました」


四季 「(蒼野…)」













太陽の畑



ガキィンッ!!ギィンギィンッ!!ギャィンッ!!


蒼野 「うおぉぉぉッッッ!!!!!!」ギィンギィンッ!!!!ガキィンッ!!


ノン 「無駄無駄!そんな攻撃俺には通用はしないとなんども言ってるだろ!」ガンガンッ!!!!キィンッ!!


蒼野 「ーっくそ!!」キィンッ…タタッ


ノン 「逃がすか!」ダンッ!! 一気に踏み込んで蒼野のもとに近づく


ノン 「ふんっ!」ブンッ!! 拳を蒼野の腹部に目がけて振るう


蒼野 「っく!」ガキィンッ!! 刀でノンの拳を受け止める


ノン 「オラァっ!!」ブゥンッ!! 勢いよく右から左へ蹴りを入れる


蒼野 「んなの!」スッ 左腕に力を入れてノンの蹴りを受け止めようと…


ゴスゥ!!!!


蒼野 「くぅぅっ!!!!!?」ミシィッ!!!!


ノン 「っち 折れなかったか?まぁ今の音からしたらヒビは入っただろう」


蒼野 「ーっのやろう!!」タンッ


蒼野 「っはぁ!」ブンッ!! 中に浮きながら蹴りを胸元めがけて勢いよく入れる


ノン 「ふんっ!」ガァンッ!!ザァァ… 胸元に蹴りを入れられて若干後ろに後ずさる


蒼野 「はぁ…はぁ…くぅっ!」ズキィッ!!


蒼野 「(なんだこいつの身体は!さっきから刀でいろんなところに切りつけてるのにまるで鉄を切ってるかのように硬い!)」


蒼野 「(それどころかこいつの拳や蹴りもまるで鈍器で勢いよくぶつけられたようにかなり衝撃が強い!一体どうなってやがる!?)」


ノン 「だいぶ息が上がってるな?昔と違って体力が落ちてるみたいだな」


蒼野 「…体力は落ちてねぇと思うけどな ただお前のその異常な硬さに骨が折れて息が上がってるんだよ…」ハァ…ハァ…


ノン 「ふん!やっぱりそうだよな あきらかに硬すぎるよな」


ノン 「能力を持ってないお前はやはり弱小だな まぁ能力が使えた方が有利だから当たり前か?」


蒼野 「…やっぱりその硬いのは能力を使ってるからか?最初は篭手や帷(かたびら)を巻いてるかと思ったが顔や指に切りつけても硬かったからもしやと思ったが」


ノン 「ふっやはり感づいていたか まさにその通り!」


ノン 「俺はこの世界に来てから【自身の身体を硬くする能力】を使えるようになったんだ」


ノン 「刀や銃弾の攻撃なんぞ一切通さず、拳や蹴りを入れられてもまったく痛くない!最高すぎる能力が身に付いたんだ!」


ノン 「お前にとっては最悪であろう蒼野?俺の能力とは相性が悪いよな!」ニヤッ


蒼野 「…悪いからなんだよ?まだ勝負はついてないのに勝ったつもりか?」


ノン 「勝ったも同然だ!お前の攻撃は一切通ることはないのだから勝ち目はないだろ!」


蒼野 「なら探すまでだ 絶対にないなんてありえねぇからな!」


ノン 「無駄だ お前はもう勝つ方法なんてないんだ?だからさっさと死ね!」ダンッ!! 勢いよく踏み込んで一気に蒼野のもとに近づく


蒼野 「くぅっ!」ガキィンッ!!


蒼野 「(たしかに俺の攻撃は全部効いてない さっきからノンは俺の攻撃をもろ受けてるのに傷一つついてない)」キンキンッ!!!!


蒼野 「(並の攻撃じゃ傷つけられないなら強攻撃で切りつければいけるか?闇の刀はそう簡単には折れない材質で使われてるからこれに賭けてみよう!)」ガキィンッ!!


ノン 「オラオラッ!!早くやられちまえよ!!そんないつまでも悪あがきしてねぇでよぉ!!」ガンガンッ!!!!キィンッ!!!!


蒼野 「悪あがき?っへ!言ってくれるねぇ 俺が考えなしで抵抗してるとでも思ってるのか?」キンキンッ!!ガンッ!!


ノン 「なんだ?なら俺を倒す手段でもあるって言うのか?」キィンキィンッ!!ゴスゥッ!!


蒼野 「絶対とは言えないがあるぜ?」ガキィンッ!!


ノン 「ほう?それはおもしろい ならやって見せてみろ!」タタッ


蒼野 「…いいだろう 壱ノ太刀」スゥ…


ノン 「っ!」



シュンッ…



ガキィィィン!!!!!!


蒼野 「…瞬殺 かまいたち…っ!」ジィィン… 一瞬にしてノンの腹部を切りつけて背後にまわるが…


ノン 「…なんだ 今の攻撃は?風が吹いたのか?」ニヤッ 腹部を切りつけられるが傷一つついていない


蒼野 「くぅっ!!」ビリビリ…


蒼野 「(マジかよ!かまいたちで切れないのかよ!どんだけかてぇんだよ!!)」


蒼野 「(薄々切れないとは思っていたがまさかここまでとは…だとしたらさらに強い力で切りつけねぇと!)」スチャッ


ノン 「もうあきらめろ お前の攻撃はなに一つ俺には通らねぇよ!」


ノン 「苦しんで死ぬのは辛いだろう?だからおとなしく楽に死ねよ!!」ダンッ!! 勢いよく踏み込んで一気に蒼野のもとに近づく


蒼野 「誰が死ぬかよ!なら次の技で試すまでだ!」


蒼野 「…弐ノ太刀」スゥ… 刀を相手に突き立てて構える


ノン 「っ!」


蒼野 「貫通 通刀斬!!」ヒュゥンッ!!!!!! ノンの頭に目がけて刀を突き刺す


蒼野 「(突き攻撃なら振ったときのより威力が増す!これで決める!)」


ノン 「んなもん効くかよ!!硬質化!!」ビキビキビキビキッ!!!!!! 体全体をさらに固くさせて防御体制に入る



ガキィィィン!!!!!!




…パキィン



蒼野 「っ!!!!!?」カタンッ… 闇の刀が根本から折れて地面に落ちる


蒼野 「(うっウソだろ…?闇の刀が……折れた!?)」


ノン 「あれあれぇ?まさかここにきて折れちゃったのかぁい?」ニヤッ 頭に刀を突き刺されるが傷一つついていない


ノン 「そんなやわな刀じゃないとか昔言ってたけどそんなもんだったみたいだなぁ!」


蒼野 「(…俺の、俺の刀が……折れるなんて………)」


ノン 「うらぁっ!!!!」ドスゥッ!!


蒼野 「があぁっ!!!?」ボキィッ!! 胸に拳を入れられて肋骨が折れる


ノン 「刀がなくなったお前はただの弱者!20歳も超えてねぇ奴が大人に勝てると思うな!!」


ノン 「見様見真似 北斗百〇拳!」ヒュヒュヒュヒュヒュンッッッ!!!!!!


ドスベキバキグシャッッ!!!!!!


蒼野 「ガはァァっ!!!!!!」ありとあらゆる場所に拳を入れられてあちらこちらの骨にヒビが入る


ノン 「オラオラ!さっきの威勢はどうしたよォ?もっとかかって来いよ!!」ガシッ 蒼野の髪の毛を掴んで持ち上げる


蒼野 「かはぁっ!はぁ…はぁ…」ゼー…ゼー…


ノン 「メイの仇を取るんだろ?ならもっと本気でかかってこいよ!」ゲシィッ!!!!


蒼野 「ぐぅぅっ!!!!!!」グシャアッ!!!!ザザァ-… 肋骨の骨がさらに折られて地面に叩きつけられる


ノン 「あっはははは!無様だねぇ蒼野 佐久間グループに喧嘩売るからこうなるんだ 恨むなら自分を恨むんだな!」


蒼野 「…ーっのやろぅ!!」ムクッ…


ノン 「もうあきらめろよ?これ以上殺りあってもお前に勝ち目はねぇ だからもう死んじまえよ!!」ダンッ!!


蒼野 「はぁ…はぁ……っ!!!!」ギリッ!!


ノン 「じゃあな蒼野夜一 地獄でメイに会ってきな!」スゥ…


ノン 「痛恨 貫通弾!!」


ブォンッッ!!!!!! 蒼野の胸元にめがけて勢いよく拳が進んでいく


蒼野 「……四季 ごめん…悪いけど」スゥ…



バシィンッ!!!!!!


ノン 「っ!!!?」拳を手のひらで受け止められる


蒼野 「こいつだけはぜってぇ許せねぇ 必ず殺してやる!!!!」ギロッ!! 目を真っ赤にさせてノンに睨みつける


ノン 「っな!?(なんだこいつの目!?さっきより真っ赤に!?)」グググッ!! 手を振り払おうとするがびくともしない


蒼野 「悪いがお前の攻撃を利用させてもらったよ 俺は痛みを怒りに変えて力を上げることができるんだ あの時、メイを殺した時みたいにな!」スゥ…


ノン 「っち!(やばいっ!急いでこいつから離れねぇと!!)」ブンッ!!


バキィッッ!!!!!!


蒼野 「…効かねぇよ」グググ… 顔に拳を食らうが微動だにしない


ノン 「っな!?」


ノン 「(ばかなっ!鉄のように硬いもので殴られてるのと一緒だぞ!?それなのに微動だにしねぇだと!!)」


蒼野 「お前の貫通弾 たしかメイにも使ったやつだよな?返してやるよ」スゥ…


蒼野 「数倍にしてな!!」ギリッ!!!!


ノン 「(やばいっ!!)硬質化!!」メキメキメキメキッ!!!! 能力で自身の体をさらに硬くする


蒼野 「痛恨 貫通弾!!」ブゥンッ!!!!!!



バキィィィッッ!!!!!!


ノン 「くぅぅっ!!!!!!」メキメキメキメキッ!!!!!! 硬質化した身体が悲鳴をあげる


蒼野 「うおォォォォォォっっ!!!!!!」ミシミシミシミシッッ!!!!!! 腕の骨が悲鳴をあげているが勢いをつけた拳を緩めようとしない


ノン 「ーっ!!!!!!」ビキビキビキビキッッッ!!!!!!



…バキィッッ!!!!!!


蒼野 「ヴぅぅっ!!!!!!」腕の骨が耐えきれず上腕骨の中心部が折れる


ノン 「ーっ…あっはははは!!!!どうやら腕が持たなかったようだな?まさか俺の技をパクるとは なかなかやったなぁ蒼野!」


ノン 「だが俺の硬質化の方が強かったみたいだな?正直俺の硬質化ももう少しで破られるところだ…っ!!!!!?」


蒼野 「…誰が1発だけだと言った?もう片方の手があるのを忘れるんじゃねぇぞ!」スゥ… 左手に拳を作って再び構える


蒼野 「これで終わりだ!!今度は俺のオリジナル!!」


蒼野 「憤痛 徹甲弾(痛き怒りの鉄拳)!!!!!!」


ブォォンッッッ!!!!!!


ノン 「(…だめだ さすがに2度目は耐えきれない まさかここまで蒼野がつよくなってるとはな 正直この歳で俺以上とは…考えられないな)」


ノン 「(こいつが佐久間グループの一員だったら幹部間違いなしだな 本当に惜しい男だ…メイが惚れた理由もなんとなくわかる)」


ノン 「(【御館様も…】)」



ドスゥゥゥン!!!!!!


ノン 「ーっガはァァっ!!!!!!」バシャッ 心臓部が蒼野の勢いある拳で貫かれる


蒼野 「ーっ今度は、通ったな…?」ハァ…ハァ…ズボッ


ノン 「…そのようだな?ぶはぁっ!!!!」ビチャァッ!!ドサッ… 血を地面に吹き散らして倒れる


蒼野 「…ははっ左手までイカレちまったよ?折れてはねぇけど、全体的にヒビ入ったな……」ズキズキ…


ノン 「…だが、俺の硬質化を破った…やっぱりお前は凄いよ……」ヒュー…ヒュー…


ノン 「そんなに傷ついてなお 俺に勝ったんだから…お前は、バケモノだ……」ヒュー…ヒュー…


蒼野 「…あいにくだが、俺は普通の人間だ お前と変わらない普通のな?」


ノン 「ははっ!よく言うぜ…普通の人間が、鉄のように硬いものを拳で壊せるわけがないだろ…?」ゼー…ゼー…


蒼野 「…そうかもしれないな……っ」フラァ…ドサッ


ノン 「…やっぱり、お前も立ってられないか……」ハァ…ハァ…


蒼野 「当たり前だろ?肋骨やいろんなところが折れたんだ 立ってられるわけないだろ…」ハァ…ハァ…


ノン 「さっきまで待っていたじゃないか?なにを言うか…ごふっ!!!」ビチャァッ!!


蒼野 「…やっと死ぬか?」


ノン 「…あぁ…さすがにこの傷じゃムリだな……メイみたいに、出血多量で死ぬな……」ゼー…ゼー…


ノン 「今度こそお前を殺せると思ったが……叶わなかった、な…………」スゥ…


ガクッ……


ノン 「」ドバァ… 出血多量で息を引き取る


蒼野 「…やっぱり、お前と殺り合うのは骨が折れるよ ノン」


蒼野 「(しかし参ったな…俺も肋骨が折れてるからこのままだとちょっとまずいな すぐに治療しないといけないが…)」ピクッピクッ… 足が動くかを確かめるがピクピク動くもののまともに動かせない


蒼野 「(…だめだ 力が入らねぇ…これじゃ歩けねぇや 右手も折れてまともに動かせねぇし…お手上げだな)」ヒュー…ヒュー…


蒼野 「…っち ここまでか…せめて小鈴たちを助けてから死にたかったが…まぁ殺されることはなくなったから助かったも当然か?あとは勝手に逃げてくれれば……」


カッテニニゲテクレレバ…ネェ?


蒼野 「っ!? だれだ!」


佐久間 「ふふっ!また会ったね いーち!」タッタッタッ


蒼野 「ーっお前は佐久間!なんでこんな所に!」


佐久間 「なんで?そんなのあなたをトドメ指すのに決まってるでしょ?」


佐久間 「今のあなたなら容易く殺せる…本当ならもっと痛ぶって遊ぼうかなって思ったけど、そんな瀕死状態じゃまともに戦えないでしょ?ならいっその事殺しちゃおうかなと思ってね!」


蒼野 「…きたねぇ奴だぜ!瀕死状態の俺を狙ってくるなんてきたねぇったらありゃしねぇ」ハァ…ハァ…


佐久間 「なんとでも言って?汚くてもあなたを殺して蒼漱石を手に入れられればあとはもう最終段階に入るだけなんだから」


蒼野 「…なんで蒼漱石のことを知ってる?蒼漱石のことは俺と親父しか知らなかったはず…なのになぜお前が知ってる?」ハァ…ハァ…


佐久間 「さぁね?なんでだろうね 死にゆく人に答える義理はないよ」スゥ…スチャッ どこからともなく刀を取り出して構える


蒼野 「(…まずいな 抵抗したいが身体が動かねぇ…このままじゃやられる!)」


蒼野 「(くそ!ここまで来て佐久間グループの奴に殺されるのかよ…最悪だな)」


佐久間 「なにか最後に言い残すことはある?」スチャッ 蒼野の首元に刀を突きつける


蒼野 「…なんもねぇよ イカサマ野郎」ハァ…ハァ…


佐久間 「…そう それじゃさよなら」スゥ…


蒼野 「(…じゃあな 四季…)」スゥ… 完全に諦めて目を閉じる






? 「【…恋符 マスタースパーク!】」チュドォォォンッ!!!!!!



佐久間 「っ!」タンッ ビュゥゥゥンッ!!!! 後ろに飛び跳ねてマスタースパークが目の前を横切る


蒼野「…っえ?」


魔理沙 「大丈夫か蒼野!まだ生きてるか!」ヒュー…スタッ


蒼野 「…魔理沙?なんで、お前がここに…?」


魔理沙 「夜の散歩してたらお前が殺されそうになってるところを見かけたんだ!まだ間に合ってよかったぜ!」


佐久間 「…っち じゃまが入ったわね」


魔理沙 「おまえ何者だ?見ない顔だが、見えない角度で撃ったマスタースパークを避けるなんてなかなかできない事だぜ」スッ 八卦炉を構えていつでも打てる体勢に入る


佐久間 「丸見えだったわよ?見えなくても攻撃したものが見えればすぐによけられるわ 私の能力でね?」ニヤッ


魔理沙 「…能力?」


蒼野 「魔理沙 あいつは時間を計る能力が使えるんだ 目に見える攻撃が自分に当たる時間を計ってその間に避けることができるんだ…」ハァ…ハァ…


魔理沙 「なにっ!?あいつそんな能力が使えるのか!」


佐久間 「あいつじゃないわ 私は佐久間グループの頭領 みんなからは佐久間と呼ばれてるわ」


魔理沙 「頭領!?てことはお前が佐久間グループの親玉か!」


佐久間 「そうよ 前の頭領は副頭領として動いてもらってるわ?佐久間透わね」


蒼野 「…やっぱりお前が親玉だったか 佐久間って呼ばれてるからもしかしたらと思ってたが…ーっゴフ!!」ビチャァッ!!


魔理沙 「蒼野!?」


佐久間 「ふふっ!ノンに折られた肋骨の骨がまた心臓に刺さったのかしら?だとしたら早く治療しないとね」


魔理沙 「っえ!?そうなのか蒼野!お前心臓に肋骨が刺さってるのか!?」


蒼野 「…いや、心臓には刺さってないと思う…だけど、呼吸が異常にしづらいからおそらく肺には刺さってると思う……」ヒュー…ヒュー…


魔理沙 「肺に!?なら早く永遠亭に行って治療しないと!」


佐久間 「別に行ってもいいわよ?2人を見殺しにしてもいいならね!」ニヤッ


魔理沙 「っえ 2人を見殺しに…?」


蒼野 「小鈴と阿求のことだ さっき別の奴が2人を人質にして俺と決闘するよう申し込んできたんだ まだ2人はこのどこかにいるんだ…」


魔理沙 「小鈴と阿求が!?よりによってあの2人かよ!ならなおあぶねぇじゃねぇか!」


佐久間 「そうだよね?2人は非戦闘員だもんね もしわたしと相手することになったら簡単に殺されちゃうもんね?」ニタァ


蒼野 「(…なったら?なんで疑問形なんだ?もし2人がどこにいるのかがわかってれば疑問形で言わなくてもいいはず…)」ハァ…ハァ…


蒼野 「(…もしかして、あいつも2人がどこにいるのかわかってないのか?それなら疑問形で言ってきた理由もわかるが…)」


魔理沙 「っち!なら早くお前を倒して蒼野を永遠亭に連れていかないとな!」


佐久間 「あなたじゃ私を倒せないわ あなたの攻撃はたしかに威力だけは強い…だけど、命中率が良いかと言われたらそこまで良くない」


佐久間 「不意でもつかない限り真っ正面からじゃ効率が悪い それは自分でもわかってるんじゃないかしら?魔法使い 霧雨魔理沙」


魔理沙 「…だったらなんだよ たしかにその通りだが当てればいいだけの話だろ?お前がどんな能力を持っていようが当たれば攻撃は通るはずだ」


佐久間 「たしかに攻撃が当たれば通るわ 当たれば…ね?」ニヤッ


魔理沙 「ーっバカにしやがって!」ギリッ!!


蒼野 「魔理沙落ち着け 頭に血を上らせたら相手の思うつぼだ…」


魔理沙 「わかってるよ!言われなくても!」


魔理沙 「くらえ!恋符 マスタースパーク!」チュドォォォンッ!!!!!!


佐久間 「遅いわよ」タンッ ビュゥゥゥンッ!!!!… 横に飛び跳ねてマスタースパークが目の前を横切る


魔理沙 「もう1発だぜ!」チュドォォォンッ!!!!!!


佐久間 「むだよ」ヒュンッ ビュゥゥゥンッ!!!!… 空中に飛んでマスタースパークを避ける


魔理沙 「ならこれはどうだ!」スッ 八卦炉を二つ出して両手に構える


魔理沙 「【魔砲 ダブルファイナルスパーク!!】」チュドォォォォォォンッッッ!!!!!! どデカいレーザーが二つ八卦炉から出てきて佐久間に容赦なく向かっていく


佐久間 「っ!」


魔理沙 「これならよけられないだろ!よけれるもんなら避けてみやがれ!」



ビュゥゥゥゥン!!!!!!


佐久間 「…っち!ライ守って?よけられないわ」


…ヒュン


ライ 「了解」どこからともなく佐久間の前に現れる


ライ 「【…軌道よ 逸れろ】」



ビュゥゥゥゥン!!!!!!… 魔理沙の放ったダブルファイナルスパークは佐久間たちの横に逸れて当たらず、どこかに行ってしまう


魔理沙 「っな!?マスタースパークの軌道が変わった!?」


蒼野 「…あいつは?」


ライ 「佐久間様 このまま殺りますか?」


佐久間 「いいわよ 二人まとめて殺りなさい」


ライ 「わかりました」ヒュンッ!!!! 一瞬にして魔理沙の正面に立ちふさがる


魔理沙 「っな!?(はやっ!!)」


ライ 「死ね」ブンッ!! 拳を魔理沙の胸部に目掛けて振るう


蒼野 「魔理沙!!」ギリッ!!!!ガバッ 歯を食いしばって痛みに耐えながら立ち上がる


ガシッ


魔理沙 「おわぁっ!!!?」ドサッ 蒼野に腕を掴まれて地面に倒れ込む


ライ 「っ!」ブォンッ!! 拳は魔理沙が倒れ込んだため、当たらず空振る


蒼野 「オラァっ!!!!」ブンッ!! 左手に拳を作ってライの顔面に目掛けて振るう


ライ 「ふんっ!」ブンッ!!


ゴスンッ!!!! 両者の拳がぶつかり合う


蒼野 「くぅぅっ!!!!」ミシッ…


ライ 「…邪魔するな」ゲシィッ!! 蒼野の腹部に蹴りを入れる


蒼野 「がはぁっ!!!!」ドサァァッ…


魔理沙 「蒼野!」


ライ 「…まず1人」ザッザッザッ…スッ 蒼野の前に立ち拳を構える


蒼野 「くそぉ…(もう、力が入らねぇ…)」ハァ…ハァ…


ライ 「さよなら 蒼野夜一」ブンッ!!


魔理沙 「【恋符 マスタースパーク】」チュドォォォンッ!!!!!!


ライ 「ムダだ」スゥ…



ビュゥゥゥゥン!!!!!!… 再びマスタースパークは軌道を変えられて横に逸れる


魔理沙 「くそっ!なんで当たらないんだよ!?打った方向からして直撃のはずなのによ!!」


ライ 「生憎だが俺にそういう攻撃は当たらない 俺は軌道を変えることができるからな」


魔理沙 「…軌道を変える?」


ライ 「あぁ 俺の能力、軌道を変える程度の能力は飛び道具や遠距離攻撃の軌道を変えて横に逸らすことができるんだ」


ライ 「とはいっても、まだ完全には使えないから横に逸らすぐらいしかできないうえに刀や素手での物理の軌道を変えることはできないけどな」


蒼野 「…へぇ?だから俺の拳を拳でぶつけたのか 納得したよ」ハァ…ハァ…


蒼野 「てか、なんで無効石を持ってるのに魔理沙の攻撃を防がなかったんだ?そっちで防いだ方が早かったんじゃないか?」


ライ 「俺は持ってない そんなの使うほど俺は弱くないからな」


佐久間 「私も持ってないよ 私はあんな道具を使うより自分の手で確実に殺る方がいいからね!」


ライ 「さて、おしゃべりもこの辺にしてそろそろとどめを刺すか 恨むなら自分を恨むんだな?」


蒼野 「…っへ!自分に恨むことなんてなにひとつねぇよ 自分で選んだ道だ?いつかは死ぬと思ってたからな」ヒュー…ヒュー…


ライ 「…そうか」スゥ… 再び拳をかまえて振り下ろそうと…


魔理沙 「っさせるか!!」ヒュンッ 箒を出して跨る


魔理沙 「くらえ!」チュドォォォンッ!!!!!! 後ろにマスタースパークを放ちMAXスピードでライに突っ込んでいく


ライ 「っな!?」



グシャアァァァッッ!!!!!!


ライ 「ガはァっっ!!!!!!」ズザァァ… 箒の先が勢いよく肋骨に当たり骨が砕ける


魔理沙 「よしっ!今度は当たったぜ!」ヒュー…スタッ


ライ 「があァァっ!!あぁアァァァっっ!!!!!!」ズキズキッ!!!!


魔理沙 「お前が物理の物はできないって言ってくれたから もしかしたらと思ったが…案の定、私の予想が当たったぜ!」


魔理沙 「さぁて!あとはお前だけだぜ?佐久間グループの頭領さんよ!」ニィ


佐久間 「…」


ライ 「アァァ…さっ佐久間様ァァ…!!」ハァ…ハァ…


佐久間 「…無様ね ライ」スゥ…


ライ 「…っえ?」



グシャアァァァッッ!!!!!!


魔理沙 「っ!!!!!?」


蒼野 「っな!?」


ライ 「」佐久間に足で頭を潰されて肉片が周りに飛び散る


佐久間 「…ふん 使えない奴ね?こんな雑魚相手に遅れを取る奴なんていらないのよ」


魔理沙 「おまっ!自分の味方を殺して…うぷっ!!!!」


蒼野 「魔理沙!目を背けろ!」


佐久間 「あらあら?あなた死体慣れしてなかったの?これはかわいそうなことしたわね」


佐久間 「人間の肉片が飛び散った映像が永遠に頭の中に残ってトラウマになっちゃうね もう肉類のご飯は食べれなくなるわね?」ニタァ


魔理沙 「〜っ!!!!!!」ウプッ…


蒼野 「魔理沙逃げろ!俺のことは構わなくていい!!」


魔理沙 「ーっそういうわけにはいかない!仲間を見捨てて自分だけが助かろうなんて真似はわたしは絶対にしない!」


蒼野 「ばかやろう!!そんな落ち着けない状態でどう戦うんだ!早く逃げろ!」


魔理沙 「逃げないぜ!逃げるならこいつを倒してから逃げるぜ!」


佐久間 「倒せるかしら?そんな落ち着けない状態で?」クスッ


魔理沙 「ーっ…」カタカタ…


魔理沙 「(くそ 手の震えが止まらない…怯えてるのか?このわたしが…!)」カタカタ…


魔理沙 「(人間の頭が破裂するところを見ただけでこんなに震えるなんて…情けないぜ)」


佐久間 「どうしたの?そっちからやらないなら私から行くよ!」ダッ!!


魔理沙 「ーっくそ!弾幕はパワーだぜ!!」スッ


魔理沙 「【魔符 スターダストヴァリエ】」ビュンッ!!!!


佐久間 「むだ無駄!そんな攻撃当たらないよ!」シュシュシュシュシュンッ!!!! 魔理沙の弾幕を能力で時間を測り、全て紙一重で避ける


魔理沙 「【恋符 ノンディレクショナルレーザー】」チュドォォォンッ!!!!!!


佐久間 「当たらないよ!」ビュゥゥゥンッ!!!!… 魔理沙のノンディレクショナルレーザーを軽々しく横に体を傾けて避ける


魔理沙 「っくそ!」


佐久間 「それじゃさよなら 魔理沙?」スゥ… 拳を作り魔理沙に向けて構える


蒼野 「魔理沙っ!」


魔理沙 「(…くそ ここまでか…この距離からじゃよけられないぜ 落ち着いてればよけられたかもしれないが……)」


魔理沙 「(…夜一の言う通り、油断してたぜ…)」


佐久間 「はぁっ!!」ブゥンッ!! 魔理沙に向けて拳を振るう


蒼野 「魔理沙ーっ!!!!」




…ヒュン


? 「…よそ見してると死んじゃうよ?」スー… どこからともなく佐久間の背後をとる


佐久間 「っ!?」


? 「猛毒 トリカブトの毒」スッ 佐久間の腕を掴もうと手を伸ばす


佐久間 「っく!?」バッ!!…タタッ 瞬時に?から離れて距離をとる


? 「こっちにもいるわよ」


佐久間 「っな!?」逃げた先に別の者に背後を取られる


? 「ふんっ!!」ブォンッ!!!!


佐久間 「あぶなっ!!!?」ガバッ!!…タタッ 横に身を投げて?から距離をとる


? 「あら?当たらなかったわね 当たってれば楽に死ねたものを?」


? 「ホントだよね?」


魔理沙 「幽香!メディスン!なんでお前らがここに!?」


幽香 「ここは私の敷地よ?私が居てもおかしくないと思うけど」


メディスン 「私は幽香さんの家でお泊まりしてたからここにいるわ!」


蒼野 「…ここの地主?」 タッタッタッ!!…



小鈴 「夜一さん大丈夫ですか!生きていますか!」


阿求 「っ! 右手が…!」


蒼野 「小鈴 阿求無事だったか…ケガはしてないか?」ハァ…ハァ…


小鈴 「私たちは大丈夫です ずっと幽香さんに見守られていたのでケガ一つしてません」


蒼野 「…見守られてた?」


阿求 「はい 私たちを誘拐した方が私たちを本気で人質にする気はないと言って幽香さんのもとに連れてこられたんです」


幽香 「まったく失礼にも程があるわよ?ただでさえ人間なんて嫌いなのにこんなこと頼まれて最悪よ」


メディスン 「ほんとだよね?しかも閻魔様の使いがいるからもっと最悪だよ あんな人嫌いなのに」


幽香 「まったく同意ね なんでこんな奴を守らないといけないんだか…」ハァ…


蒼野 「(…この2人、閻魔のことを嫌ってるのか?てことは四季と相性は良くないな 警戒しないとな)」


幽香 「…でも、仕方ないわね 最初はこの2人を任せられた時はバカじゃないかと思ったわ?」


幽香 「そこの人間を呼び寄せるために連れてきたのに人質にする気ないならなんで連れてきたのか意味がわからなかったわ」


幽香 「…だけど、その理由もなんとなくわかったわ 今の現状から見てね?」スッ 悲しげな表情をしてメイの死体を見つめる


小鈴 「…メイさん…」


阿求 「…」


魔理沙 「…あの女はお前が殺したのか?」


佐久間 「私じゃないよ 殺したのはそこで死んでる元幹部のノンよ」


蒼野 「…元幹部?」ハァ…ハァ…


佐久間 「うん 元幹部のメイ、ノン、リキはあなたに一度負けてるから幹部から外して新しい人を幹部にしてるの」


佐久間 「もちろん元幹部と比べ物にならないほどの実力を待ってるわ あなた以上の実力をね!」


蒼野 「…っへ!俺以上か…そいつはめんどくせぇな?」


蒼野 「また1からやり直さないといけないなんて…ほんと とことん運がついてねぇや」ヒュー…ヒュー…


蒼野 「…でも、そうなったとしても俺はお前らを滅亡させてやるけどな お前らが生きてる限り、俺は殺し続けると決めたからな!」


蒼野 「瑶だけじゃねぇ!小町やミスティア、小鈴に阿求にまで迷惑をかけちまったからなおさらお前らを潰さねぇと気がすまねぇ!」


蒼野 「テメェだけは必ず殺す!このケガが治ったら真っ先にお前を殺してやるからな!!」


小鈴 「…夜一さん…」


阿求 「…」キュンッ


幽香 「うふふ!あなた そんなケガでよくそんなこと言えるわね?嫌いじゃないわ そういうひと?」クスッ


メディスン 「っえ!?幽香さん今なんて!?」


幽香 「勘違いするんじゃないわよ?メディ 私は嫌いじゃないと言っただけで変に好意を持ってる言い方なんてしてないでしょ?」


メディスン 「あっそういうことですか ですよねー」


幽香 「さてと?長時間遊ぶのはあまり好きじゃないからとっとと終わらせましょうか」ギロッ


メディスン 「今度は月夜茸の毒を使ってあなたを致死性の毒で殺してあげる!」ニヤッ


魔理沙 「加勢するぜ!こいつは自分の仲間を殺した最悪のクソ野郎だからな!こんな奴生かしておけないぜ!」


小鈴 「わっ私たちは…」


幽香 「無理しなくていいわ 戦えないやつが無理に戦ってもやられるだけ 足でまといだから見てなさい」


阿求 「…すみません」


佐久間 「…さすがに3対1だと部が悪いね しかも1人は妖怪の賢者だからなおさらね」


蒼野 「…賢者?」


幽香 「賢者なんてただの飾りよ 私にとってそんなの関係ないわ メディ!」


メディスン 「はーい!スーさんおねがい!」ヒュンッ


スーさん 「」ヒュー…


佐久間 「そんなの喰らわないよ!」クンッ…シャンッ!! 腰に付けていた刀を抜き取り振るう


スーさん 「」シュンッ 横に素早く移動して避ける


幽香 「」タンッ!! 一瞬にして佐久間の背後をとる


佐久間 「っ!」


幽香 「死になさい」クルッ


幽香 「はぁっ!!!!」ブォンッ!!!! 凄まじく風を切って身体を回転させて蹴りを入れる


佐久間 「無駄よ!」パシンッ 手で幽香の蹴りを弾いて軽々しく受け流す


幽香 「ならもう1発!」ブォンッ!!!! さらに回転してもう片方の足で蹴りを入れる


佐久間 「バレバレよ?あなたの動き」タンッ…タタッ 後ろに飛び跳ねて幽香の蹴りを空振りさせる


幽香 「っち!」


メディスン 「毒弾幕 月夜茸の毒!」ヒュヒュヒュヒュヒュンッッ!!!! 月夜茸の猛毒を付けた弾幕を佐久間に向けて放つ


佐久間 「…無駄よ?」ニィッ スゥ…スチャンッ 刀を鞘に収めて居合い体制に入る


蒼野 「っ!!」


魔理沙 「っえ!?刀をしまいやがったぞ!?」


メディスン 「諦めたの?なら早く死になさい!!」ヒュヒュヒュヒュヒュンッッ!!!!…


佐久間 「…」クンッ


蒼野 「(あの構え…まさか!!)」


蒼野 「メディスン!今すぐ逃げろー!!!!」


メディスン 「…っえ」


佐久間 「【壱ノ太刀 居合斬り】」ダンッ!! 勢いよく踏み込んでメディスンのもとへ走っていく


蒼野 「(まずいっ!!このままだとあの子供が!!)」


蒼野 「ーっくそおぉォオォォッッッ!!!!!!」ミシミシミシミシッッ!!!!!!…ダッ!! 激痛に耐えながら立ち上がりメディスンのもとへと走り出す


小鈴 「よっ夜一さん!?」



佐久間 「」シュシュシュシュシュンッッ!!!! メディスンの毒弾幕をすべて避けながらメディスンに近づいていく


メディスン 「嘘でしょ!?大量の弾幕の中を一つも当たらずにかけてくるなんて!?」ヒュヒュヒュヒュヒュンッッ!!!!…


メディスン 「(なんなのこの人間!?普通の人間なんかじゃ絶対ありえない!!一体どんな能力を使ってるの!?)」


佐久間 「それじゃさよなら お人形さん?」ザッ


メディスン 「しまっ!?(やばっ!)」


佐久間 「死ねぇっ!!!!」サァンッ!!


幽香 「メディっ!!」





…ズバンッ!!!!



メディスン 「…っえ」 ビチャァッ!!


蒼野 「ーっガはァっっ!!!!!!」ドサッ…バタンッ 右胸から左胸まで体の半分まで切られ、血を吹き出しながら倒れる


魔理沙 「夜一っ!!!!」


阿求 「夜一さん!!」


佐久間 「あれ 蒼野が身代わりになっちゃったの?これは予想外だなぁ」


幽香 「メディ!そいつを持って離れなさい!」スッ 佐久間に背中に背負っていた傘を向ける


メディスン 「うっうん!」ガシッ ダッ!! 蒼野を掴んで佐久間から離れる


幽香 「【葉符 マスタースパーク】」チュドオォォォンッッッ!!!!!!


佐久間 「むだよ!」スチャッ


佐久間 「【壱ノ太刀 風神鎌鼬(ふうじんかまいたち)】」サンッ!!!!


ズバンッ!!!!シュゥゥ… 幽香の放ったマスタースパークは佐久間のかまいたちで真っ二つに切られて消滅する


幽香 「…へぇ?私のマスタースパークを切るなんて…なかなかやるわね」


佐久間 「何度も練習したからね 誰かさんのおかげでね!」


幽香 「…誰かさん?」




魔理沙 「おい夜一!しっかりしろ!」


小鈴 「夜一さん!」


蒼野 「」ドクドク…


阿求 「…だめ 傷が深すぎるわ それに呼吸もしてない…このままだと夜一さんは!」


メディスン 「どっどうすればいいの!?」オロオロ



幽香 「…」


佐久間 「…気になるみたいだね?蒼野のこと 自分を犠牲にしてメディスンを守ったからそれを気にしてるのかしら?」


幽香 「…別に?人間なんてどうでもいいし あの子は勝手にメディを守ったんじゃない わたしが助けれたのに勝手に前に出て切られたのはあの子じゃない?」


佐久間 「…本当にあの時、メディスンを守れていたの?私には不可能に近いと思ったけど」


幽香 「…」


佐久間 「…はぁ?そこの毒使い 一つ助言をしておいてあげるわ」


佐久間 「蒼野を助けたければラッセルクサリヘビの毒を使いなさい 血液が固まって出血を抑えることが出来るわ」


メディスン 「ラッセルクサリヘビ…?」


阿求 「外の世界に存在する超猛毒蛇です ラッセルクサリヘビの毒を一滴でも人間の血液に混ざるとたちまち血液が固まって死に至ると言われています」


魔理沙 「一滴でも!?マジかよ!ならそれを加減して使えば!」


メディスン 「むり!私は毒を加減して使うことはできないの!それにラッセルなんとかって言う毒の成分がわからないからよけいにむり!」


阿求 「毒の成分はトロンビン様酵素と言うものです 血液を固まらせる成分で一滴でも致死性のある毒なので何万倍にも薄めなければいけません!」


メディスン 「だから加減ができないんだってば!トロンビン様酵素はわかったけど一滴を何万倍にも薄めることなんてむり!」


小鈴 「でも!今この場でそれを使えるのはあなただけなんです!私たちでは治療できません!」


魔理沙 「頼むぜメディスン!どうせこのままじゃ死ぬだけなんだ 無理でもやってみてくれ!」


メディスン 「でも!」


佐久間 「…はぁ?まったく、自分の能力に自信がないなんて笑えるわ」ゴソゴソ…スッ


佐久間 「使いなさい」ポイッ ペットボトルの中に水が入ったものを渡す


メディスン 「っえ?…っと!」パシッ


佐久間 「心臓部に一滴毒を垂らしたらその水ですぐに薄めれば多少は抑えられるわ 後は蒼野が耐えれるかどうかで決まるけどね?」


メディスン 「っえ?あっはい!わかりました!」キュポッ



幽香 「…なんで助けようとするのかしら あなたあの人間の敵じゃないの?」 ワタシガミズヲヤルカラメディスンハドクヲタノムゼ!


佐久間 「借りた恩を返しただけよ まっこれだけじゃ返しきれないけどね?」 ワッワカッタ!


幽香 「恩を返す?あなたさっきから一体なにを…」 シンチョウニオネガイシマス!


佐久間 「さてね?わたしがなにを言ってるかはあなたが知ることじゃないわ あなたには関係ないからね?」 ワカッテルヨ!


幽香 「?」 …ポタンッ


幽香 「(この人間さっきからなにを言ってるの?借りた恩を返しただけって言ってたけどどういう意味?あの人間とは敵同士なのになぜ助ける?まったく意味がわからないわ)」 トリャアァァッ!!!!イッキニウスメルゼェ!!


佐久間 「はぁ…なんか気分が変わったわ 今日はもう帰らせてもらうわ」スチャンッ ヨイチサン!ゼッタイニシンデハイケマセンカラネ!


佐久間 「どうせ蒼野もあの様子だと助からなそうだし、助かったとしてもなにかしら後遺症が残ると思うから弱くなるのは確実ね」 ゼッタイイキテクダサイヨ!


佐久間 「…本当は、弱くなって欲しくないんだけどね 弱くなって欲しくなんか……」 …チガトマッテキタゼ キイテルゼ!


幽香 「…」 デモシンゾウガマダトマッタママデス



小鈴 「私が人工呼吸をします!魔理沙さんは心臓マッサージをお願いします!」


魔理沙 「どうやれと!?今は血で見えないからまだ見られるけど、むき出し状態に近いこの状況でどうやって心臓マッサージするんだぜ!」


阿求 「直に心臓を掴んで揉んでマッサージする方法もありますが…」


魔理沙 「むりむりむりむりっ!!!?そんなことできるわけないだろ!!」


阿求 「でっですよね…それじゃメディスンさんに…」


メディスン 「…」(¯―¯٥)


阿求 「…ですよね」 タッタッタッ…


佐久間 「どいて そんな状態で心臓マッサージなんてしたら逆効果よ」


魔理沙 「っ! テメェ!」スチャッ 八卦炉を構える


佐久間 「安心して これ以上やる気はないから」


阿求 「そう言われて信じると思いますか?悪いですがあなたは敵なので信じることはできません!」


メディスン 「…」スッ… 毒を使う準備をしてスーさんを動かせるよう構える


佐久間 「ならこのまま蒼野を見殺しにするの?今のあなた達じゃ助けることはできないでしょ?」


魔理沙 「そっそれは…」


小鈴 「…本当にやる気はないんですか?」


佐久間 「うん 今日はここまでにしとくわ 次会った時は本気でやるけどね」


小鈴 「夜一さんを助けてくれるんですか?」


佐久間 「助ける代わりに蒼野が持ってる水晶をもらうけどね まっそれだけじゃ意味ないんだけどね」


小鈴 「水晶…?」


佐久間 「あなたには関係ないことだから気にしないで それじゃ、助けてあげるから…」スゥ…


佐久間 「【いち 耐えなさいよ?】」スッ指先を立てて構える


小鈴 「…っえ?」


佐久間 「【振動治療 心拍活動】」シュンッ!!


ドスドスドスドスドスッッッ!!!!!! 蒼野の腕や体に打撃を与える


蒼野 「かはァっ!!!!」ドクンッ!!!!


魔理沙 「っな!?今ので意識が戻ったのか!?」


小鈴 「夜一さん大丈夫ですか!私がわかりますか!」


蒼野 「ーっ…」ヒュー…ヒュー…


阿求 「…意識は戻ってませんね でも心臓がまた動き出したのは確実です!」


佐久間 「心臓が止まってから約1分…普通の人間ならTime of death(死の時間)ね?生き返る可能性もあるけど、なにかしら後遺症は残る可能性が高いわ」


佐久間 「でも蒼野ならたぶん平気よ 出血多量と大傷損傷を除けば心拍停止による後遺症はないと思うよ」スッ 懐から裁縫セットを取り出す


魔理沙 「なっなにをする気だぜ!」


佐久間 「その傷を縫うのよ そんな状態だといつまで経っても傷が塞がらないでしょ?まぁ裁縫で縫うんだけどね」カチャカチャ…


佐久間 「言っとくけど、これで死んでも私のせいにしないでね?耐えきれなかった蒼野が悪いからそれだけは覚えておいてね」スッ…パチンッ


メディスン 「…縫い針で縫えるの?」


佐久間 「これしかないんだから仕方ないでしょ?それに私は医者じゃないから縫い目は荒くても仕方ないと思ってね」スッ…


ブスッ


蒼野 「っ…」ヒュー…ヒュー… 胸元に針を刺されるがまったく起きる気配がない


佐久間 「…やっぱり激痛で感覚が麻痺してるみたいだね ちょうど麻酔が欲しかったからよかったわ」プスッスー…プスッスー…


阿求 「…あの、そこを縫っても中の臓器とかは…」


佐久間 「さすがに臓器は縫えないわ こんな針に糸じゃよけいに悪化させるだけよ」プスッスー…プスッスー…


佐久間 「それに内部のものは外部の傷と違って全体から傷を直そうとする機能があるからこの大傷と比べたらさほど心配じゃないわ」


阿求 「いや、結構傷が深いので内部も心配なんですが…」


佐久間 「大丈夫よ 蒼野だから平気よ」プスッスー…プスッスー…


阿求 「なんの根拠があって言ってるんですか!?」


佐久間 「さぁね?…っと これくらいでいいわね あくまでも応急処置に過ぎないから後は本格的に治療しないと無理ね」パチンッ 玉留めをして糸を切る


蒼野 「ーっ…」ヒュー…ヒュー…


小鈴 「…これで、夜一さんは助かりますか?」


佐久間 「半々ってところかな?普通の人ならもう死んでるけど、蒼野は生命力が強いうえに傷の治りも早いからたぶん助かると思うよ」スッ… 裁縫セットを懐にしまう


佐久間 「それじゃ、約束通り水晶をもらっていくね?」スッ…チャラ 蒼野の懐から蒼漱石を取り出す


小鈴 「…それが、あなたが欲しがってた水晶ですか?すごく綺麗ですね」


阿求 「…アクアマリンと言う宝石みたいな色をしてますね 色が鮮やかで美しいです」


魔理沙 「…金目のものが欲しかったのか?」


佐久間 「そんなわけないでしょ?私はそう言うのに興味ないわ」


小鈴 「それじゃなんで…」


佐久間 「これ以上は聞かないでくれる?私はあなた達の仲間じゃないのにそんなこと言う必要なんてないでしょ」


佐久間 「それじゃ、私は帰らせてもらうわ これ以上ここに居ても無意味だからね?」


佐久間 「あっ死体はこっちで片付けてとくからそのままにしておいて?後で取りに来るわ」


幽香 「…二人だけ連れていきなさい メイって人間は置いていきなさい」


佐久間 「…もう手遅れよ?今から治療したところで生き返らないよ」


幽香 「埋葬するのよ あんたの所に持っていかれたらなにされるかわからないからこっちで埋葬させてもらうわ」


佐久間 「…まぁ、別に構わないけど?」タッタッタッ…ガシッガシッ


ノン&ライ 「「」」襟元を掴まれて運ばれる


佐久間 「…もし、埋めてあげるなら花の一つでも供えてあげて その人けっこう花好きだったから」


幽香 「…なんの花が1番好きだったのかしら?」


佐久間 「…たしか、月下美人って言ってたわ 白く輝いて美しいって言ってたわ」


幽香 「…そう 月下美人ならすぐ咲かせることが出来るからその花を添えておくわ」


佐久間 「感謝するわ …それと、そこの子…小鈴って言ったよね?」


小鈴 「っえ?あっはい」


佐久間 「蒼野に好意を向けるのは構わないけど、おそらく蒼野はあなたのことを考えて思いを受け取ろうとしないからそれだけは覚えておきなさい?」


魔理沙 「っえ!?」


小鈴 「ちょっ!?なんで知ってるんですか!私あなたに言ってませんよね!」///


佐久間 「蒼野のことに関する情報は全部筒抜けなのよ 常に私の部下を蒼野の近くで見張らせてるからね?」


小鈴 「ーっ!!!!!!」///カァァッ!!


魔理沙 「…小鈴 お前すごいヤツを好きになったな?まぁ私も仲間としては好きだが…なぁ阿求?」


阿求 「…」///


魔理沙 「…あれ?阿求?」


阿求 「っえ!?あっはい!なんですか!?」///


魔理沙 「どうしたんだ?急に顔を赤くさせて…?」


阿求 「いっいえ!べっべ別になんでもありませんよ!?私は別にそんなことはっ!!!!」///アワワワ


魔理沙 「…?」


阿求 「(あぁぁっっ!!!!!!私なに考えてるのよ!!夜一さんがメディスンを守るために身代わりになって、自分を犠牲にしてまで仲間を守ろうとするところがカッコいいなんて思って…!!)」///


阿求 「(それに夜一さんは瑶という人を守るために自分の手を汚して殺人鬼になって…仲間思いがすごく強いところもカッコイイし……)」///カァァ


佐久間 「…あなたも同じようね?稗田の9代目」


阿求 「ふぇっ!?」///ドキッ!!


小鈴&魔理沙 「「っえ!?」」


佐久間 「ついに蒼野にもモテ期が来たようね?いろんな人に惚れられて蒼野も嬉しいんじゃないかな?」クスッ


小鈴 「そうなの阿求!?阿求も夜一さんのこと好きになったの!?」


阿求 「っえ!?あっいや、その…それは……」///アセアセ


魔理沙 「…お前ら、マジかよ」


幽香 「…人間って単純ね そんなことで好きになるなんて」


メディスン 「ほんとだね?」


佐久間 「うふふ!まっそれはいいとして」


佐久間 「さっきも言った通り そのくらいの傷なら蒼野は死なないと思うから心配することはないと思うよ?」


佐久間 「それじゃ私は行くけど、一つだけ蒼野が起きたら言っておいて?」ヒュンッ


? 「次は光の刀をもらいに来るってね?」変装を解いて素顔を見せる


小鈴 「っな!!!?」


阿求 「あっあなた…ウソっ!!!?」


魔理沙 「? どうした?2人とも あいつは変装できるんだぜ?」


? 「ふふっ!あなたは知らないみたいだね?霧雨魔理沙」


? 「まっ知らないのも無理はないわ?だって私は蒼野のことが書いてある新聞にしか載ってないもんね?それを見てなければ私がどういう人かわかるはずないもん!」


魔理沙 「…蒼野のことが書かれてる新聞?一体なんの話を…」


? 「それは2人に聞いた方が早いよ?あっちなみに今の私の顔は素顔だからね?蒼野には言っちゃだめだよ?2人とも」


小鈴 「…なんで、あなたが……」


? 「なんでだろうね?それはあなたが知る必要はないわ それじゃ!」ヒュー…


ヒュー…


幽香 「…」


メディスン 「…ごめんね?幽香さん 私が油断したばかりに…」


幽香 「…別にいいわよ それより、あの人間を家に運んで看病するわよ?この時間じゃあの医者のところに行っても閉まってるだろうし あなたも救われた恩を返すために最低限の治療をしてあげなさい」


メディスン 「うん わかった!」タッタッタッ…


幽香 「…さてと、私はそこの人間を埋めてあげないとね?本当なら野ざらしにして肥料にしてもいいのだけど…」


メイ 「」ドバァ…


幽香 「…好きな男のために犠牲になったのだから、せめて埋めてあげないとね?その男もメディスンを助けてくれたからなおさらね」



魔理沙 「よっと!」ズシッ


蒼野 「っ…」ヒュー…ヒュー… 魔理沙におんぶされる


小鈴 「さすが魔理沙さん!力持ちですね!」


魔理沙 「…いや、こいつめっちゃ軽いんだが…体重何キロだ?」


阿求 「…そんなに軽いんですか?」


魔理沙 「あぁ 見た目で言うならメディスンをおぶってる感じだな?」


メディスン 「そんなに軽いの!?」


幽香 「話してないで早く部屋に連れてって寝かせなさい 傷がまた開くわよ?」


魔理沙 「おっと!そうだった そんじゃ早く運んで行くぜ!」タッタッタッ…


蒼野 「」ポタッポタッ… 血が魔理沙の服に辿りながら垂れている


阿求 「まっ魔理沙さん 服に血が…」


魔理沙 「別にいいよ 服なんてまた新しく買えばいいだけだ?1着ぐらい汚れたって構わないぜ!」


小鈴 「…魔理沙さんの場合は買うのではなく、森近さんに頼んでタダで作ってもらうんじゃ…」


魔理沙 「おっと?それ以上は禁句だぜ!」タッタッタッ…



幽香 「…さてと、さっさと埋めてあげないとね?」タッタッタッ…













朝 彼岸ー四季専用裁判場



チッチッチッ…


四季 「…」 チッチッチッ… 静寂な裁判場に時計の針が鳴り響く


小町 「…」 チッチッチッ…


大閻魔 「…」 チッチッチッ…


チッチッチッ…カチッ


四季 「…朝、6時になりました…」


小町 「…夜一……」


大閻魔 「…」


四季 「…行きましょう 約束の時間になったのでこれ以上は待てません 早く蒼野のもとに行きましょう!」ガタッ!


大閻魔 「…そうだな 行くとするか」カタッ


小町 「(…夜一 必ず戻ってくるって言ったのに…なんで戻ってこないんだい?…まさか…いや、そんなはずは……)」


四季 「小町 蒼野のもとに行きますよ?あなたの約束は守りました 次は私の約束を守ってもらいますよ!」


小町 「…わかりました 行きましょう」カタッ


小町 「(…頼むから、生きてておくれよ!)」


タッタッタッ…













幽香の家



蒼野 「…」スゥ…スゥ… 治療されてベッドに寝かされている


魔理沙 「かー…かー…」ベッドに寄りかかって寝てる


阿求 「すぅ…すぅ…」椅子に座って寝ている


メディスン 「すぅー…すぅー…」蒼野とは別のベッドで寝てる


小鈴 「…」


幽香 「…あんた、昨日の夜からずっと起きてるけどそろそろ寝た方がいいんじゃないの?」


小鈴 「…いいえ 夜一さんが目を覚ますまで起きてます」


幽香 「その人間が起きるの2日~3日はかかるわよ 傷が深すぎるうえに血が抜けすぎてるから今日明日で起きることはないわよ」


幽香 「治療はしてあるけど私は医者じゃないわ 完璧な治療をしてれば1日ぐらい早く起きたかもしれないけど、だとしても今日起きることはまずないわ」


小鈴 「…そうですか…」


蒼野 「…」スゥ…スゥ…


幽香 「…その人間はこの後、永遠亭に連れていくから安心して?だから今は体を休めなさい」


小鈴 「…ですが…」


幽香 「…っ! …ちょうどいいタイミングで来たわね」


小鈴 「…っえ?」













太陽の畑ー幽香の家前



小町 「…しっ四季様 本当に夜一はここにいるんですか…?」


四季 「…えぇ ここから蒼野が持ってる浮遊石から出てる気が感じ取れます」


小町 「でっですが、ここって…」


大閻魔 「…妖怪賢者の1人 風見幽香の家だな…なぜここから浮遊石の気が?」


四季 「…まさか 幽香が蒼野を殺して死体を持ち運んだんじゃ!!」


小町 「いやいやいやいやっ!?さすがのあの人でもそんなことはしないと思いますが!?まして人間嫌いなのによけいにありえませんよ!」


大閻魔 「だが反応があることは間違いない ここに蒼野がいることには違いないと思うが…」


四季 「…小町 ちょっと行ってきてください」


小町 「えぇっ!?あたいがですか!?」


四季 「わたしではあの方を怒らせるだけです ただでさえ嫌われていると言うのに…」


小町 「たっ確かにそうですが…」


大閻魔 「わしでも無理だな あの者を怒らせたら面倒ごとになるからな…」


小町 「…わかりました それでは行ってきます」タッタッタッ…


四季 「死んでも骨は拾っておくので安心して死んでください」


小町 「いやですよ!?」タッタッタッ…


ガチャッ…ガシッ!!


小町 「ひぃっ!!!?」ビクゥッ!! 頭を鷲掴みされて持ち上げられる


幽香 「…ちょうどいいタイミングで来てくれたわね?」ニコッ


小鈴 「小町さん!それに閻魔様も!」


小町 「こっ小鈴!無事だったのかい 阿求も無事かい?」


小鈴 「はい!私も阿求も無事です …ただ、夜一さんは…」


四季 「蒼野になにかあったんですか?死んでいませんよね!」


幽香 「だいじょうぶよ 死んではいないわ?…ただ、重症だけどね」パッ


小町 「いてっ!」ドサッ


大閻魔 「重症!?まさか、お前がやったのか!!」


幽香 「っは?」ギロッ!!


大閻魔 「っ!!!!」ゾクゥッ!!!!


小鈴 「違います 幽香さんは夜一さんを治療して保護してくれたんです やったのは別の方です」


四季 「…メイという方ですか?」


幽香 「ちがうわ たしか、ノンって言ったかしら?そいつがメイを殺してあの人間もボロボロにされていたわ」


小鈴 「その後に佐久間グループの頭領が来て、メディスンさんが殺されそうになった時に夜一さんが庇って…」


四季 「蒼野は今どこにいますか!中にいるんですか!」


幽香 「えぇ いるわよ?他にも二人余分な奴がいるけどね」


小町 「2人…?」


幽香 「とりあえず入って見た方が早いわ 本当は入れたくないのだけど、こっちもあの人間がメディスンを救ってくれた借りがあるから特別に入れてあげるわ」


四季 「…なにを企んでいるんですか?あなたが閻魔を家に入れることを許可するなんて…」


幽香 「生憎だけど、そんな下心なことはなにも考えていないわ ただ純粋にメディスンを救ってくれた借りがあるから入るのを許可しただけよ」


幽香 「友人が助けられて、その恩を仇で返すようなことはしないわ あのとき…メディスンは庇ってもらわなければ確実に死んでいたわ」


幽香 「貧弱な人間が身を制してまで助けてくれたのだからそれなりの恩を返さないと返しきれない…だからこの後、永遠亭に連れてって完全な治療をしてもらう それでこそ完全な恩を返したことになるのよ」


四季 「…命を制して守った者が負傷したら、傷を治すことで恩を返すということですか」


幽香 「そういうことよ だから安心して入っていいわよ あの人間を永遠亭に連れていくまでは我慢してあげるわ」


幽香 「入ってきなさい」


四季&大閻魔 「「…」」タッタッタッ…


小町 「よっと!」スクッ タッタッタッ…




蒼野 「ー…」スゥ…スゥ…


四季 「蒼野!」タッタッタッ!!


幽香 「だいじょうぶよ 意識はまだ取り戻してないけど死んではないわ」


魔理沙 「かー…かー…」


小町 「…なんで魔理沙がここにいるんだい?ものすごいいびきをかいて寝てるけど…」


小鈴 「幽香さんたちが夜一さんを助ける前に助けていたんです 魔理沙さんもやられそうになっていましたが、幽香さんたちが出て傷一つない状態で助かりました」


大閻魔 「…なぁ、さっき幽香が言っていたが蒼野は佐久間グループの頭領にやられたと言っていたよな?」


幽香 「言ったのはそこの小娘よ」


小鈴 「はい 言いましたが…その…」


四季 「…? どうかしたんですか?急に滑舌を悪くさせて?」


小鈴 「…えっと、その頭領さんなんですが…」


大閻魔 「…まさか、素顔を見せたのか?」


小鈴 「…はい しかも、その人物が…」


小町 「? 知ってる人だったのかい?」


小鈴 「…」


大閻魔 「…四季、小町 お前たちには話していなかったが、今回の異変はかなりやばいぞ おそらく大規模な戦争が起こるぞ!」


小町 「…っえ」


四季 「…それはどういう事ですか?大閻魔様 大規模な戦争が起きるなんて なぜわかるんですか?」


小鈴 「そっそうですよ!それにもし、大規模な戦争が起きたとしても霊夢さんがいるから平気じゃ…」


大閻魔 「無理だ 博麗の巫女なんかじゃ太刀打ちできん!今回の異変は本気でやばい!」


四季 「霊夢じゃ太刀打ちできないとは一体どういうことですか?たしかに霊夢は怠け者でグータラしてる方ですがやる時はやる方です」


大閻魔 「それでも無理だ 今回の異変は能力に頼ってるものは全員やられるだけだ 無効石の力によってな」


小鈴 「…無効石?」


四季 「ありとあらゆる能力を無効にすることができる石のことです それを持っているだけで相手のどんな能力でも無効にしてしまうんです」


小鈴 「っえ!?そんな反則的な石があるんですか!?」


大閻魔 「あぁ しかもその石は佐久間グループの者達全員持っているみたいなんだ だから霊夢だけでなく、能力に頼っているものは全員頼ることはできないんだ」


大閻魔 「四季 当たり前だがお前も無理だからな?能力を無効にされたお前はただの人間の子供に過ぎない 力があれば話は別だったがな」


四季 「…だったら、その異変は誰が解決するんですか?能力に頼っている方は無理となると相当限られた人物しか戦えないと見受けますが?」


大閻魔 「…そうなるな」


四季 「…大閻魔様 私はすごく嫌な予感がするんですが気のせいでしょうか?」


四季 「まさかとは思いますが…この状態で蒼野に戦わせるとか言いませんよね?」


大閻魔 「…さすがにこの状態で戦わせはしない だが、蒼野にも協力してもらわねばならん!」


四季 「…この傷だと、大体早くて6ヶ月ぐらいで完全治癒するかと思います その間に佐久間グループが奇襲しかけてきたらどうするんですか?」


大閻魔 「…その時は、悪いが出てもらう」


四季 「…本気で言ってるんですか?」


大閻魔 「…本気だが?」


四季 「自分の考えが間違っているとわかっていますか?」


大閻魔 「…どうだかな」


四季 「っ!!!!」ギリィッ!!!!


スゥッ!!


大閻魔 「…」四季に悔悟の棒を首元に突きつけられる


小町 「しっ四季様!?」


四季 「…大閻魔様 あなたはバカなんですか?気でも狂いましたか?」


四季 「こんな深い傷を負った状態でどう戦えと言うんですか?まともに戦えもしない状態で戦わせようとするなんてあなたはバカなんですか!!」


小鈴 「…」


幽香 「…」


小町 「ーっ…」オロオロ…


大閻魔 「…ばかに決まってるだろ」


四季 「…っえ」


大閻魔 「わし自身が馬鹿なことぐらいわかってる バカじゃなければこんな答えは出さん」


大閻魔 「だが、今回は本気でやばい 物理で攻撃できるものは誰であろうと加勢してもらわねばならん」


大閻魔 「蒼野は殺人鬼だ 刀で何百という数の人間を殺してきた程の実力を持ってる そんな奴を加勢させないわけがないだろ?」


四季 「ケガしてでも加勢させようとするんですか!まして蒼野は今瀕死に近い状態なんですよ!」


四季 「そんな状態で戦わせても死にに行くようなものです!蒼野を殺す気ですか!!」


大閻魔 「誰もそんなこと言っとらん 話を盛らんでほしい」


四季 「そう言ってるようなもんじゃないですか!まともに動けない状態で戦わせるなんて…」


幽香 「そこまでよ それ以上はやめなさい」


幽香 「閻魔同士が言い争うのもどうかと思うのに、まして他人の家で言い争うのはどうなの?閻魔が他人に迷惑をかけてどうするの?」


大閻魔&四季 「「…」」


幽香 「まったく…まぁいいわ 早くその人間を永遠亭まで運ぶからあんた達も同行しなさい」


幽香 「詳しい話はそこの3人から聞きなさい 私は面倒だから話す気ないわ いいわね?」


四季 「…わかりました 騒がしくしてすみませんでした」


幽香 「気持ち悪い 謝らないでくれるかしら?閻魔に謝られるなんて気味が悪いわ」


幽香 「謝ってる暇があるなら早くこの人間を連れていくわよ いつまでもここに居させても私は医者じゃないからこれ以上の治療はできないわ」


四季 「…わかりました」


幽香 「ほら さっさと起きなさい白黒 いつまで寝てるの?」バシッ


魔理沙 「いってぇ!?」


幽香 「稗田の娘 そろそろこの人間を病院に連れていくから起きなさい」ユサユサ


阿求 「…っん あっはい わかりました」


幽香 「よっと」スッ…ドスッ


蒼野 「っ…」ヒュー…ヒュー…


幽香 「…軽いわね?この人間 紙のように軽いわ」


大閻魔 「いや紙のように軽いって…」


魔理沙 「いってぇな幽香!もうちょっと優しく起こせよ!ハゲたらどうすんだよ!」


幽香 「起きなかったあなたが悪いのよ 私に叩かれる前に起きればよかったものを?」


魔理沙 「いや普通に考えて無理だろ!昨日寝たの夜中なんだから起きれるわけないだろ!」


幽香 「誰もここで寝ろなんて言ってないわ だったら自分の家に帰って寝てればよかったんじゃないの?」


魔理沙 「ケガ人を放って家に帰れるか!しかもお前の場合はもっと帰れねぇよ!」


幽香 「生憎だけど、わたしもさすがに無防備な相手に手を出す気ないし 殺す気もないわ」


幽香 「ましてメディのことを体を張ってまで助けてくれたのだからなおさら殺る気なんてないわ」


魔理沙 「それが信用出来ないんだよ お前は超がつくほど人間嫌いだから人に関することは信用出来ないぜ」


幽香 「…まっ別にいいわ 誰も信用してくれなんて言ってないし そんなのどうでもいいしね」


幽香 「さっさと行くわよ この人間が手遅れになる前にね」


四季 「…そうですね 早く行きましょう」


小鈴&阿求 「「…」」













永遠亭ー蒼野の病室



蒼野 「ーっ…」ヒュー…ヒュー… 治療されてベッドに寝かされている


永琳 「…」


四季 「…どうですか 蒼野の容態は?」


永琳 「…重症ね 逆にこの傷でよく生きていられたわね?常人なら死んでるわ」


永琳 「出血も酷かったように見えるし、なにより心臓のところにまで刃物が届いて切られた跡もあるし なおさら死んでてもおかしくないわ」


小鈴 「…」


永琳 「なにでこうなったかまでは聞かないけど、今の状況からして半年から一年は入院が必要よ」


永琳 「退院した後もリハビリしないといけないからそれも兼ねて一年から一年半は治療しないといけないと思ってちょうだい」


大閻魔 「一年半……」


四季 「…わかりました それでは蒼野の治療をお願いします」


永琳 「全力を尽くすわ」













永遠亭ー出入口外側



幽香 「…」タッタッタッ…


小町 「…夜一 大丈夫ですかね?ちゃんと生きて帰ってきますかね?」


大閻魔 「…さぁな わしに聞かれてもわからん」


小町 「…四季様は夜一が起きるまでそばにいると言ってましたが いつ起きるかわからないと言ってましたよね?」


大閻魔 「…言ってたな」


小鈴 「…わたしが捕まっていなければ、夜一さんは今頃ケガをしていなかったのに…私のせいで夜一さんは……」


阿求 「小鈴…」


魔理沙 「…」


幽香 「…あなたたち、いい加減に落ち込むのやめたらどうなの?いつまでも落ち込んでてもいいことなんてないでしょ?」


5人 「「…」」


幽香 「いつまでも落ち込んでんじゃない ましてそこのクソ閻魔はたかが人間風情1人にそこまで落ち込んでんじゃないわよ」


大閻魔 「…おい、今なんて言った?」ピクッ


大閻魔 「蒼野のことをたかが人間風情1人に落ち込むなと言ったか?」


幽香 「えぇ言ったわよ だからなにかしら?」


大閻魔 「ふざけるなっ!!」クワッ


4人 「「っ!?」」ビクッ!!


幽香 「っ!」


大閻魔 「蒼野は小鈴たちを助けるために自らを犠牲にして今に至るのだぞ!そんな勇姿を見せたものをたかが人間風情だと?ふざけるなよこの小童が!!」


大閻魔 「あの者は自分の意思が強く、一度守ると決めたものは必ず守る者だぞ!過去に守れなかった者のことをひどく後悔し 今でも引きずっているんだぞ!」


大閻魔 「なにも知らない奴が蒼野の悪口を言うな!次言ったら本気で殺すぞ!!」


幽香 「…」


小町 「だっ大閻魔様!?そんなこと言ったら幽香さんは本気で殺りに来ますよ!?」


大閻魔 「かまうもんか!やるなら相手になってやるわ!」


小町 「ちょっ!?マジでやめてください!!シャレになりませんよ!?」


小鈴&阿求 「「…」」


魔理沙 「…お前ら、さすがに小鈴たちがいる前で喧嘩すんのはやめろよ?お前たちが暴れたら冗談抜きでまずいからな」


大閻魔 「…」


幽香 「…そうね たしかにメディもあの人間に救われたから人間風情と言うのは失礼ね」


幽香 「前言撤回するわ あの人間を罵倒して悪かったわ」


大閻魔 「…まさか、お主が謝ってくるとは思わなかったな?驚いたよ」


幽香 「あなたがあの人間の悪口を言うなって言ったんじゃない?それとも謝って欲しくなかったのかしら?」


大閻魔 「…いや、別にそういうわけではない わかればいいんじゃよ?わかればな」


幽香 「ふんっ!ムカつく奴ね」


大閻魔 「なんとでもいえ」


幽香 「…まぁいいわ それじゃ、借りも返したことだし私は帰るから後はあなた達に任せるわ」


幽香 「わかってると思うけどそこの2人も もう私に関わらないことね?私は人間嫌いだから次私の目の前に現れたら容赦しないわよ」


阿求 「…わかりました 守っていただきありがとうございました」


小鈴 「ありがとうございます」


幽香 「別に守ってなんかいないわ ただ見てただけよ それじゃ」タッタッタッ…


小鈴&阿求 「「…」」


大閻魔 「…幽香 一つだけお主に警告しておく」


幽香 「…なにかしら?」


大閻魔 「今起きてる異変は能力を持ってるものでも危ない しかも力があるものでも危ないんじゃ」


大閻魔 「無効石には相手を麻痺させる能力も付いてるらしく、体のどこかに触られただけで全身に電撃が走り動けなくなる」


大閻魔 「現に小町もその被害に受けた1人だ だからそれだけは気をつけてほしい」


幽香 「…ご忠告どうも 覚えておくわ」フワー…



魔理沙 「…あいかわらず偉そうなやつだな?今知ったことじゃないが」


小町 「仕方ないよ そういう人だからね」


大閻魔 「小鈴 阿求 お主らは家まで送っていく 昨日は帰ってないから親達が心配してるだろうからな?早く安心させねばならん」


小鈴 「…わかりました」


阿求 「最後の最後までご迷惑をおかけしますがよろしくお願いします」


大閻魔 「かまわんよ それじゃ行くぞ」













永遠亭ー蒼野の病室



四季 「…」


蒼野 「ー…」スゥ…スゥ…


四季 「…蒼野 無理はしないと約束したじゃありませんか なのになぜ…」


四季 「小鈴さんたちの話だとあなたは最初に戦っていた方 メイと言う方は両思いで戦う気などなかった…けど、その後に現れたノンと言う方にメイは心臓を貫かれて殺害された……」


四季 「ノンと戦ったあなたはいつも大切に腰につけていた家宝の刀、闇の刀が折れて…全身をぼこぼこに殴られ、骨が折れてヒビが入り全身にダメージを負った…」


四季 「ノンを殺害した後に次に現れたのは佐久間グループの頭領 その方にあなたは胸部を刀で切られ、意識不明の死ぬ一歩手前であなたはその頭領に助けられて一命を取り留めた…」


四季 「…意味がわかりません なぜ佐久間グループの頭領は蒼野を瀕死にさせた後、治療をしたんでしょうか?わけがわからないです」


四季 「…そして、他人の手に渡ったら世界が滅びると言われていた家宝の首飾り 蒼漱石を持っていかれてしまった…次は光の刀を取りに来ると言っていた…」


四季 「…なぜ蒼野が持ってる家宝の物を集める必要があるんでしょうか?蒼漱石が他人の手に渡ったら世界が滅びるなんて考えられません」


四季 「そのような物だけで世界を終わらせることができるなら世界を滅ぼそうとしてる輩は苦労しません ありえないことです」


四季 「…でも、蒼野が嘘をついてるとは思いません 蒼野の父から聞いたと言ってましたがその時の父の顔は真剣な顔をしていたと言ってましたし…」


四季 「…もう頭の中がグチャグチャです 白黒はっきりつける私がこのようじゃ閻魔として失格ですね」


四季 「…ですが、ひとつだけまとまった答えはできました」


四季 「【佐久間グループ…絶対に許しません!!】」ギリッ!!


四季 「正義感の強い蒼野をここまで追い込んだその上に無関係な人里の住民やさとりさんまでも使った!」


四季 「許しません 絶対に許しません!次あった時は私の手で処刑しなくてはいけません!!」


四季 「蒼野には人を殺さないよう言ってあるので、これ以上人を殺めてしまってはいつまでも罪を償うことはできません だから私がしなくては!」



永琳 「閻魔様があまり口に出してはいけないことを出してるわね」ガラッ


四季 「っ! …永琳さん」


永琳 「通路にまで聞こえていたわよ 独り言を言うならもう少し声を抑えて言った方がいいわ」


四季 「…すみません 頭に血が上りすぎました」


永琳 「…まぁ わからなくもないんだけどね?自分の同僚がここまでやられたのだから そいつらを裁きたくなるのも」


四季 「…」


永琳 「…それといつまでもそこにいるのはかまわないけど、その子が目を覚ますのは大体4日ぐらいかかるわよ」


永琳 「今日明日で目を覚ますような傷じゃないから今ここにいても目を覚ますことはないわ あなたも精神的に疲れてるみたいだし、帰って休みなさい」


四季 「…いいえ ここにいます 蒼野が目を覚ますまで待ちます」


永琳 「…そう あなたがそれでいいなら別にかまわないわ あまり無理しないよう気をつけなさい?」


四季 「わかっています その点はご安心ください」


永琳 「…ならいいけど」タッタッタッ…


…ピシャンッ


蒼野 「ー…」スゥ…スゥ…


四季 「…蒼野……」













数日後…



永遠亭ー蒼野の病室 夜



ホー…ホー……



四季 「すぅ…すぅ…」ソファに寝っ転がって寝ている


蒼野 「…っん…」スゥ…


蒼野 「…あれ?ここは……」スクッ…



ズキィッッ!!!!!!


蒼野 「いぃっ!!!!」ドサッ 胸部に激痛が走り再びベッドに倒れ込む


四季 「…っん…?」スゥ…


蒼野 「いってててて…くそぉ!!」ズキズキッ…


四季 「…蒼野?目を覚ましたんですか!?」ガバッ


蒼野 「…四季?なんでお前ここに てか、ここは…?」


四季 「永遠亭です 一度来たことありますよね?」


蒼野 「永遠亭?…あぁ、あの兎がいた病院か どうりで見たことある天井だと思ったよ」


四季 「それよりけがの方は大丈夫ですか?痛くありませんか?」


蒼野 「…別に、こんなの大したことねぇ よすぐに治るよ」


蒼野 「そんなことより小鈴たちは?2人は無事か?」


四季 「2人は無事です 蒼野のおかげでケガひとつしないで助かりました」


蒼野 「俺の手柄じゃない 助けたのは魔理沙と幽香とメディスンだ 俺はあの2人を守ることはできなかった…」


四季 「そんなことありません あなたがいなければ2人は殺されていたかもしれません 最初にあなたがいなければ…」


蒼野 「でも俺はやられた 結果的に助けたのはあの3人…俺は救えなかった あの時、瑶の時みたいに……」


四季 「…」


蒼野 「…俺がここに運ばれてからどのくらい経ったんだ?俺はどのくらい寝てた?」


四季 「…一週間です」


蒼野 「一週間?そんなに寝てたのか」


四季 「はい 永琳さんが予想した日数と違い 正直焦っていました」


四季 「永琳さんは運ばれてから4日ぐらいで目を覚ますと言っていたのに対し、あなたは一週間で起きた」


四季 「さすがに一週間となると体力の低下、精神に異常などを心配しました このままあなたが起きなければどうしようかと思いました…」


蒼野 「…心配かけて悪かったな 俺がやられてなければこんなことにはならなかったのに」


四季 「ほんとですよ 無理はしないよう約束したじゃありませんか?それなのにあなたは無理して…」


蒼野 「…ごめん」


四季 「いえ、謝らなくてもいいです 仕方なかったことですから…2人が人質に取られて、助けるためにはあなたが行かなければいけなかったんですから」


蒼野 「…なぁ四季 もう一つ、謝らないといけないことがあるんだ」


四季 「…なんですか?」


蒼野 「…俺は…また、人を殺めちまったんだ 佐久間グループの1人 ノンってやつの胸部に拳を貫通させて殺しちまった……」


四季 「知ってますよ 話しはだいたい小鈴さんたちに聞いたのであなたが人を殺めたことは聞きました」


蒼野 「…そうか なら話が早いな」


蒼野 「俺の処罰はどうする?…処刑か?」


四季 「そんなことしません あなたは2人を助けるために人を殺めたのですから処刑どころか処罰を受けなくていいです」


蒼野 「だが、俺は人を殺すことはするなと言われていた それを破ったことは処罰を受けることになるだろ?」


蒼野 「それで処罰を受ける対象にならないというのはおかしいんじゃないか?」


四季 「致し方ない過ちと受け止めます あなたは2人を助けるためにやむ得まいとして人を殺した…それなら仕方ないことだと私は思います」


蒼野 「それはお前がそう思ってるだけで他の閻魔はそう思ってないかもしれないだろ?お前一人の判断で決めれることじゃ…」


四季 「あなたの管理下は私にあるので安心してください 他の方がなにを言おうが私に決定権があります」


四季 「私が処罰を出さないと言えばそれで決まります 誰がなんと言おうが関係ありません」


蒼野 「…だが、そうすればお前の印象は悪くなるんじゃないか?罰するものに罰しなくさせたらお前の立場は…」


四季 「ご心配なく あなたが心配することはありません」


四季 「この事を誰にも言わなければいいだけです 幸いにも、この件に関して知ってる者は私や大閻魔様、小町にあなた以外には知られていないので誰かが言わない限り知られることはありません」


蒼野 「…内密にするのか?」


四季 「知らせる必要もありませんからね?他の閻魔は私とは関係がありませんし、なにより幻想郷を管理してるのは私なんですから他の方に知る理由がありません」


四季 「周りにも被害を受けるとなれば話していたかも知れませんが他の方に被害が行くとは考えにくいです まして、閻魔相手に手を出す者がいるとも思えませんからね」


蒼野 「たしかにそうかもしれないが…」


四季 「これ以上よけいな事を考えなくていいです あなたが心配することはありません」


四季 「処罰は言い渡しました あなたが今するべきことは早くケガを治すことです いいですね?」


蒼野 「…わかった」



ガラ…


鈴仙 「失礼します 夜間の診察に来ました 患者さんの具合はどうですか?」


四季 「鈴仙さん 大丈夫です蒼野なら今さっき目を覚ましたところです」


鈴仙 「っえ!?目を覚ましたんですか!?」


蒼野 「あぁ まだ体は痛いけどな」


鈴仙 「ちょ、ちょっと今から師匠を呼んできます!待っててください!」タッタッタッ!!…


蒼野 「そんなに急がなくても…って、もういないか」


蒼野 「…はぁ この傷だとどのくらい入院かな?半年ぐらい入院かな」


四季 「永琳さんが言うには半年から一年ぐらいかかると言ってました」


蒼野 「うぇ…マジかよ」


四季 「その傷ですからね 仕方ありませんよ」


蒼野 「まぁたしかにそうだが…あっそうだ」


蒼野 「四季 俺の刀ってどうなってるか知ってるか?2本とも見当たらないんだが」


四季 「ここにあります …ただ、闇の刀は…」カタッス… 蒼野が寝てるベッドの下から二つの刀を取り出す


蒼野 「…根本から折れちまったからな 今は鞘に収めてあるけど、刃はその中に入ってるのか?」


四季 「はい 鞘の中に入れておかないとケガをする恐れがあるので入れています」


蒼野 「…無茶な使い方しちまったな 家宝の刀を折っちまうなんて、刀使いとして恥ずかしいよ」


蒼野 「なぁ四季 この世界に刀鍛冶師っているか?いたら闇の刀を治してもらいたいんだが」


四季 「…えっと、すみません 私はそういうことに関しては専門外なんです 幻想郷全体のことは小町の方がよく知ってるので小町に聞いた方が…」


蒼野 「…そうか なら仕方ないな?次小町が来た時に聞いてみるか」


四季 「すみません お役に立てなくて」


蒼野 「いや謝ることはない 閻魔にだって知らないことはある 何がなんでも知ってるやつなんてこの世にはいない」


蒼野 「…しかし、万が一いなかったらどうするか?道具があったとしても、俺の腕じゃ素人もいいところだからな」


蒼野 「やり方は知ってるけど実際にやったことはないからな?居てくれないとちょっとまずいな…」


てゐ 「知ってるうさよ 鍛冶師がいる場所」ヒョコッ 蒼野が寝てるベッドの下から顔を出して姿を現す


四季 「きゃあぁぁぁぁっっ!!!!!?」ビクゥッ!!


蒼野 「うるせっ!?」キーンッ!!


てゐ 「くっくっくっ!閻魔様を驚かせることに成功したうさ!」クスクス


四季 「てゐさん!あなたはいつもいつもイタズラばっかりしてますね!」


四季 「今日という今日はあなたに説教を致します!そこに正座してください!」


てゐ 「いやうさよ〜 私はだれからの指図も受けないうさよ〜!」


四季 「あなたという方は…っ!!」ピクピクッ


蒼野 「まて四季 一旦落ち着け」


蒼野 「なぁお前 今この世界に鍛冶師がいると言ったか?」


てゐ 「言ったうさ」


蒼野 「腕はかなりの者か?」


てゐ 「そこまではわからないうさ でも刀を大金槌で叩いてるのを何度も見たことあるうさ」


蒼野 「その鍛冶師はどこにいるんだ?」


てゐ 「教えてもいいけど、情報料を貰ううさよ?」スッ 親指と人差し指で円を描く


蒼野 「…しっかりしてるな?」ゴソゴソ…


蒼野 「ほら これで足りるか?」スッ 懐からお金を出して差し出す


てゐ 「毎度ありうさ」チャリンッ


四季 「…閻魔の目の前で情報料を取る行動を見せないでもらえますか?てゐさん」


てゐ 「閻魔様には関係ないうさ 私はこの人間と取引をしてるんだから部外者が口を出してくるなうさ」


四季 「部外者って…」


蒼野 「それで、その鍛冶師はどこにいるんだ?」


てゐ 「魔法の森の入口近くに香霖堂って店があるうさ そこの店主が刀を大金槌で叩いてたうさ」


蒼野 「魔法の森?」


四季 「森近さんがですか?あの方刀扱っていましたっけ?」


てゐ 「売ってはないけどいじってるのを何度も見たうさ」


蒼野 「…その人に頼めば治してもらえるかな?俺の刀」


四季 「1度見せないとわかりませんね よりによって根本から折れてますからね」


蒼野 「(…刀を治すのにいくらかかるかな 俺の持ち金で足りるかな?)」


蒼野 「(多分足りないだろうな…仕方ない その時はそこの店主の手伝いして払うか 刀だけは治してもらいたいからな)」


ガラッ…


永琳 「目が覚めたようね 蒼野」


鈴仙 「失礼します」タッタッタッ… 治療用具を持って入ってくる


四季 「永琳さん」


永琳 「どう?今の調子は?」


蒼野 「胸もとが痛い以外ないかな 起き上がろうとしたら激痛が走って起き上がれないのもありますが」


永琳 「それは仕方ないわ 逆にその傷で生きてられる方が不思議でしょうがないわ」


永琳 「普通の人間ならショック死してるレベルよ?ショック死してなくても、出血死の可能性だって十分あったわ ほんとによく生きてられたわね」


蒼野 「昔から悪運だけは強いですから 俺は死ぬに死にませんから!」


永琳 「みたいね?うどんげ 薬の用意をしてちょうだい」


鈴仙 「はい」


永琳 「それじゃ傷を見るから服を脱いでもらえるかしら?」


蒼野 「はい」スッ… 身体を起き上がらせようと…


ズキィッッ!!!!!!


蒼野 「いぃっ!!!!!!」ドサッ!! 激痛が走り再びベッドに倒れ込む


四季 「蒼野!?大丈夫ですか!」


蒼野 「いっててて…!またやっちまったよ さっきも起き上がろうとして…!」イテテ


永琳 「…一人じゃ無理そうね うどんげ 薬は後にして服を脱がさせてもらえるかしら?」


鈴仙 「はい わかりました」タッタッタッ…


鈴仙 「それでは服を脱がすので失礼しますね?」スッ


蒼野 「わるいが頼む」


スルスル…


鈴仙 「うわぁ〜…ちょっと傷が開いてますね 傷口から血が流れ出てます」


永琳 「けっこう多いかしら?」


鈴仙 「いえ そこまで多く出てないので、このくらいでしたらガーゼなどで傷口を止めておけば止まるかと思います」


永琳 「そう なら再手術しなくても平気そうね」


鈴仙 「ガーゼを貼る前に消毒をかけますね?染みますけど我慢してください」


蒼野 「わかった」



四季 「…」 エーット、ショウドクショウドク…


四季 「(やはり傷が深いですね…縫い目のあとが生々しく残っていますね)」 アッ!コレデス


四季 「(…あの時、私が早く駆けつけていれば、蒼野は傷つかなかったのに…私が早く駆けつけていれば!)」ギリッ ソレデハカケマスネ プシュッ イッツゥ!!


永琳 「…あまり自分を追い詰めることはしない方がいいわよ?まして、閻魔ならなおさら気にしない方がいいわ」 イソジンモヌリマスネ?チョンチョンッ


永琳 「いつまでも気にしてると閻魔としての仕事にも影響及ぶし なによりあの人間がまたケガすることに繋がることもあるのよ」 イィッ!!


四季 「…わかっています わかってはいるんですが……」 ダイジョウブデスカ?シミルイガイニイタミハアリマセンカ?


永琳 「…」 アッアァ…シミルイガイハ…



鈴仙 「それじゃガーゼを付けて包帯を巻きますね?キツかったりしたら言ってください」カチャカチャ…スッ


蒼野 「わかった」ペタッペタッ…


鈴仙 「ぐるぐる〜♪」グルグル… 蒼野の胴体にガーゼを付けて包帯を巻いていく


蒼野 「…」 パチンッ


鈴仙 「あとは結んでっと…」シュッシュッ…キュッ


鈴仙 「よし!これでもう平気ですよ あとは時間かかってしまいますが治るのを待つだけです」


蒼野 「すまないな 助かったよ」


鈴仙 「いえ!これも仕事ですから それでは服を着させますね?」スッ 先ほど脱がした上着を手に取り蒼野に着せる


永琳 「うどんげ 着替えさせたら次の患者のところに行くわよ?まだ診察は終わってないから急ぐわよ」 シュルシュル…


鈴仙 「はい師匠!」スッ


永琳 「なにかあったら私かうどんげを呼んでちょうだい?それじゃ」


タッタッタッ…パタンッ


四季 「…」


蒼野 「…はぁ 半年ぐらいか…かなり長いな?半年も入院してないといけないのか…辛いな」


四季 「仕方ありません その大ケガなんですから半年は入院して治療しなくてはなりません」


四季 「逆に半年で済んでまだよかったかと思います そのケガでしたら、2年以上かかることだってあるんですよ?」


蒼野 「たしかにそうだが…」


四季 「…蒼野 私はあなたに謝らなければいけないことがあります」


蒼野 「あやまる?なにをだ」


四季 「…実は、蒼野が佐久間グループの者と戦っていたこと…昨日の夜から知っていたんです」


四季 「小町が先に帰ってきて蒼野が帰ってこなかったので聞いたら、小鈴たちが人質に取られて蒼野が一人で助けようと戦っていたにも関わらず 私は助けに行かなかった…本当に申し訳ありません」


蒼野 「…あいつ、帰ってからすぐ話したのか?話さないよう言っておいたのに…」ハァ…


四季 「いえ、最初は頑として言おうとしてませんでした 言わなければラスト・ジャッジメントを食らわすと言っても構わないと言うほど話そうとしませんでした」


四季 「あんなにも必死になる小町は初めてみました いつもの小町にはありえないほどの決死が感じられました」


蒼野 「…でも、最終的には話したんだろ?」


四季 「はい 大閻魔様にも言われてようやく話しました 蒼野が小鈴たちを救うために1人で佐久間グループの幹部と戦っていると」


蒼野 「心配させたくなかったから話さないよう言ったのにあいつは…」ハァ…


四季 「怒らないであげてください 小町だって最初は話さないようしていたんですから半分は約束を守っています」


四季 「それにもし小町がその事を話していなければ私はすぐにあなたの元に向かっていました そうなっては人質に捕まっていた小鈴さんたちの命も危なかったんじゃありませんか」


蒼野 「…いや、それはなかった」


蒼野 「メイはそんな卑怯なことはしない ただ俺を呼び出すために小鈴たちを人質に取っただけだ」


蒼野 「その証拠に人質に取った小鈴たちを幽香に預けてた 普通人質を味方でもないやつに任せる奴はいないだろ?」


四季 「そのことは私や小町は知りませんでした それにあなたは小町にメイのことを敵だと言っていたみたいですが?」


蒼野 「っ! そっそれは…」


四季 「…小鈴さんたちから聞いたんですが、あなたとメイは両思いだったと聞いたんですが本当なんですか?」


蒼野 「…」


四季 「…」


蒼野 「…だったらなんだよ 両思いだったらなんだってんだよ!!」


蒼野 「あぁそうだよ!俺はメイと…綾瀬とは両思いだったよ!俺の世界にいる時も俺のことを味方してくれて、俺のことを思って毎回のように助けてくれた!!」


蒼野 「一度戦ったときはビルの上で綾瀬がバランスを崩して落ちそうになった時…絶望に落ちた顔を見せたんだ」


蒼野 「その時見せた顔は今でも忘れられない 俺と同じ思いをしたことのある絶望の顔だった…だから俺は、敵である綾瀬を助けた」


蒼野 「助けた後に過去のことを聞いたら案の定、綾瀬も過去にひどい目に遭ってた…しかも、俺以上に……」


蒼野 「すべての男を撲滅するために綾瀬は佐久間グループに入ったと言ってた…でも、俺が助けたことによってそんな思考を捨てたと言っていた それから俺は綾瀬とは思いを寄せるようになった」


蒼野 「…だけど、綾瀬は俺を手助けしてる事がバレて 幹部の1人、ノンに殺された……」


蒼野 「俺は助けに向かった時にはもう…遅かった 綾瀬は…心臓に一突き、刀を刺されていた……!」


蒼野 「俺は、遥も守れなければ…綾瀬も救うことができなかった…だからせめて、その仇を取るためにノンを殺した」ツツー…


蒼野 「…でも、ノンを殺したところで綾瀬は戻ってくることはない…そんなことはわかってた わかってたけど…殺さずにはいられなかった」ポタッポタッ…


蒼野 「そして今回、2度目のチャンスが来たというのに…また、ノンに殺された……」ポタッポタッ…


蒼野 「綾瀬は俺を横に弾き飛ばして…俺を庇って………」ポタッポタッ…


四季 「…蒼野 それ以上自分を追い詰めるのはやめなさい あなたの気持ちは痛いほどわかります」


四季 「過ぎたことを思い出して後悔しても自分を弱くするだけです それどころか、一生振り切ることができなくなって自害する方だっているんですよ?」


蒼野 「…なら、忘れろって言うのか?」


蒼野 「俺の大事な人が死んだのに、そいつのことを忘れろって言うのか!!」ギリッ!!


四季 「誰も忘れろとは言ってません 逆に聞きますが、忘れることはできるんですか?」


蒼野 「できるわけないだろ!!忘れたくもねぇよ!!」


蒼野 「あいつは本気で俺を好きでいてくれた!俺だってあいつのこと好きだった!敵同士でもそんなの関係なかった!」


蒼野 「そんな思いを寄せてたやつのことを忘れることなんてできるわけがねぇ!」


四季 「…なら、どうしたいですか?あなたは大切な人を二度も殺されて、過去に守っていた者も殺されました」


四季 「いつまでも過去のことを引きずってこれから罪を滅ぼしていきますか?それとも…その仇を晴らしたいですか?」


蒼野 「晴らしたいに決まってるだろ!誰がどんなことを言おうと、俺はあいつらを許さねぇ!!」


蒼野 「佐久間グループ…1度滅ぼした組織がまた再形成されたならもう1度滅ぼすまでだ!!」ギリィッ!!!!


四季 「…蒼野 あなたは私の立場が危うくなることをわかってそう言ってますか?あなたの管理下は私にあるんですよ?」


蒼野 「っ!!」ギクッ


四季 「あなたが騒ぎを起こせば私にも被害が及ぶ…今までの騒動は大閻魔様がなんとか免除してくれましたが、さすがに佐久間グループを滅ぼすほどの大騒ぎを起こせば必ず他の閻魔にも知れ渡ります」


四季 「…それでも、あなたは大切な人の仇を取りたいですか?」


蒼野 「ーっ!!!!」ギリッ!!


四季 「…」


蒼野 「…そんなこと、できるわけねぇだろ……」


蒼野 「お前は俺を闇から救ってくれた…光に導いてくれた その恩を仇で返す真似はしたくねぇ」


蒼野 「…でも、俺はあいつらを許せねぇ 誰がなんと言おうと、俺はあいつらを許さねぇ!」


蒼野 「殺して地獄に落とさねぇと気がすまねぇ!…でも殺せないなら俺は、一体どうすればいいんだ?」


蒼野 「殺したいほど恨んでるのに、散々悪事を働かせていた奴らを殺せないなんて…このままじゃあいつらの思いがままじゃねぇか!」


蒼野 「そんなことは絶対にさせたくねぇ…でも、あいつらは和平交渉ができるような奴らじゃない 殺さねぇとあいつらはいつまでも悪事を働かす……」


蒼野 「…どうすればいいんだよ…どうすれば、あいつらを止められるんだよ もうわかんねぇよ……!」ポタッポタッ…


四季 「蒼野…」


四季 「…たしかに、あの者たちに和平交渉は難しいですね 蒼野とは完全に敵対してるのでまず不可能に近いです」


四季 「かと言って、このまま野ざらしにするわけにもいきません それは誰もが思うこと!」


四季「蒼野 あなたにお願いがあります」


蒼野 「…なんだよ」グシッ


四季 「【あなたに佐久間グループの者を処刑する許可を与えます 一人残らず処刑してください】」


蒼野 「…っえ」


四季 「あなたは佐久間グループに対する恨みより、私を優先しましたよね?私に被害が及ぶことを優先して自分の思いを押さえ込みました」


四季 「ここで私より佐久間グループを殺すことを優先したら処刑許可を出しませんでしたが…あなたはそこまで落ちぶれていなかったみたいですね」


四季 「どうせあの者達は地獄確定です ならば、早めに手を打っても誰も文句は言いません」


四季 「さすがに私の手で殺めてしまってはまずいですが、あなたに任せれば犯罪組織滅亡の為に致し方ないことだと認められます そうなれば蒼野も罰せられることはありません」


四季 「…蒼野 佐久間グループ滅亡の為に、協力してくれますか?いやならいやで構いません 強制はしません」


蒼野 「…いやなわけがないだろ」


蒼野 「俺はあいつらの組織を壊滅させたいんだ 一人残らず、全員地獄に送りたい!」


蒼野 「四季が許可をくれるなら俺は容赦なくあいつらを殺す 本当にいいんだな?」


四季 「許可します ただし、処刑していいのは佐久間グループの者達だけです その者達以外の方を殺すことは絶対にしないでください」


蒼野 「わかってる 絶対にしないことを約束する」


四季 「お願いします」













次の日の夜ー蒼野の病室



蒼野 「…」ベッドに寝っ転がって起きている


蒼野 「…まだ体動かないな 左手と右足はなんとか動くがそれ以外は激痛が走ってまともに歩けないな…」


蒼野 「…はぁ 半年か…長いな もっと早くケガを治したいな」


蒼野 「早く治して佐久間グループの奴らを殺さないとあいつらなにしでかすか分からないからな 早めに手を打たないといけないのに…」


蒼野 「…早くこのケガを治す薬とかってないかな?あるわけないか そんな都合のいい薬なんて…」


…アルウサヨ


蒼野 「…っえ?」


てゐ 「おっと?叫ぶなよ 叫ばれると鈴仙たちが来て面倒ウサ」ヨット 窓から入ってくる


蒼野 「…おまえ、今言ったこと…本当か?」


てゐ 「本当だウサ さすがに1日じゃ治らないが3日ぐらいで治るウサ」


蒼野 「…その薬、欲しいと言ったらくれるか?」


てゐ 「いいよ タダでやるうさ」スッ 薬を差し出す


蒼野 「…っえ タダで?」


てゐ 「あぁ お前、人里で騒がしてた外来人を始末したらしいじゃないか」


蒼野 「…ロキのことか?」


てゐ 「そいつだウサ 実はそいつに私の仲間が何匹か重症を負わさせられてな 私自ら始末しようかと思ってたんだが、お前が先に始末してくれたからその必要がなくなったウサ」


てゐ 「その礼でその薬をタダでやるのと昨日話した刀鍛冶の奴には私からタダでやってもらうよう言っておくウサ」


蒼野 「…いいのか?そんなことまで頼んで」


てゐ 「いいウサよ 仲間の仇を取ってくれたんだ このくらいの事をして当然ウサ」


てゐ 「それとその薬だけど、たしかに早く治るが副作用が強いからそれだけは気をつけろウサ」


蒼野 「…その副作用と言うのは?」


てゐ 「短縮する分、その日数に応じて痛みが一気に襲ってくるウサ」


てゐ 「お前の場合は約半年の入院が必要だって言われてたからその分が3日の間に襲ってくるウサ」


てゐ 「…尋常にならない痛さだウサ お前以外にも使いたいと言って、渡して使った奴がいるがすぐに発狂して自我を失って自殺しようとしたウサ」


てゐ 「すぐにワクチン打って薬を除去させたが、それ以来その患者は別の病院でもらった薬とかがその薬なんじゃないかと思ってトラウマになったウサ」


てゐ 「薬の効果は絶大だからそれは保証するウサ ただ使う使わないはお前に任せるウサ」


蒼野 「…っへ!なに言ってんだよ?使わないわけがないだろ?」スッ 薬を受け取る


蒼野 「俺は一日でも早くこのケガを直して佐久間グループを滅ぼさねぇといけねぇんだ その為なら半年分の痛みが一気に襲おうが関係ねぇ!」


蒼野 「上等じゃねぇか!」スッ…


ゴクンッ…


蒼野 「…」


てゐ 「即効性だからすぐに効いてくるはずだうさ …頼むから、死なないでくれよ?」


蒼野 「…生憎だが、俺は自殺するような真似はしたくないんでね?そんなことはしな…」



ドクンッ!!!!!!


蒼野 「っがはぁ!!!!!?」


てゐ 「…きたな」


蒼野 「あっあぁぁぁー…っ!!!!!!」ガクガクガクガク… 全身に激痛が走りヨダレを垂らしながら意識が朦朧する


蒼野 「ガあぁあァァあぁァァァっっっ!!!!!!」ビキビキビキビキッッッ!!!!!! 全身に激痛が走り傷が開いてえぐれていく


てゐ 「…」スッ… ワクチンを取り出してすぐ打てるよう準備する


蒼野 「うぅぅぅっっっ!!!!!!…あァっあぁぁぁあァァァぁっっっ!!!!!!」ズキズキズキズキッッッ!!!!!!



タッタッタッ!!…ガラッ!!


鈴仙 「どっどうしたんですか!?すごい叫び声を上げて!」


蒼野 「ヴァァッッ!!!!!!ガアァアァァァッッッ!!!!!!」ビキビキビキビキッッッ!!!!!!


てゐ 「やっぱり来たウサね まっ来るとは思ってたウサ」


鈴仙 「てゐ!あんた、まさかまたあの薬を使ったの!?あの薬は人間には耐えられないって何度も教えたよね!」


てゐ 「私の意思じゃないウサ ちゃんと警告してからこいつは自分の意思で薬を飲んだウサ」


てゐ 「早くケガを治したいって言ってたから私はあげただけウサ 被害に遭ってた兎たちの礼をかねてな」


鈴仙 「今までその薬を使ってきた患者が全員痛みに耐えきれなくて自殺しようとしたの忘れたの!」


てゐ 「ちゃんとその事も話したウサ こいつは自分で自害するような真似はしないと言ってたウサ」


てゐ 「わたしはこいつに借りがあるウサ こいつの借りを返すために願いを叶えたんだ 一々文句言わないでほしいウサ」


鈴仙 「たったしかにこの人には恩があったかもしれないけど!だからってその薬を出してくることはないでしょ!」


鈴仙 「勝手に薬を使ったらまた師匠に怒られるわよ!」


てゐ 「上等だ!こっちは仲間の仇を取ってもらったんだ そのくらいの罰受けてやる!」


鈴仙 「っ!」


鈴仙 「(てゐが本気だ!いつもふざけた目でいろんな人を見るのに目が真剣だ!)」


鈴仙 「(しかもバツを受けてもいいだなんて…普段のてゐならありえないわ それほどこの人に感謝しているのね)」


蒼野 「ヴァァっアァアァァアァァァァッッッ!!!!!!」ビキビキビキビキッッッ!!!!!!


てゐ 「…まだ大丈夫そうだな だけど、あとどれくらいもつかな」


てゐ 「今までの奴は打ってすぐに自殺を図ろうとしたがこいつはもう少し持ちこたえそうだウサ」


蒼野 「ウゥゥアァァァッッッ!!!!!!」ビキビキビキビキッッッ!!!!!!



…ドクンッ!!!!


蒼野 「っ!!!!!!」スゥ… 目が赤くなる…


てゐ 「…っえ?」


蒼野 「がはぁっっ!!!!!!」ビチャァッ!!!! 布団の上一面に吐血を吐く


鈴仙 「っえ!?とっ吐血!?」


てゐ 「そっそんなバカな!?あの薬使って血を吐くなんて説明書にそんなこと書いてないウサ!」


蒼野 「ヴァァアァァァアァッッッ!!!!!!」ガクガクガクガクッ!!!!!!… 凄まじく体を震えさせて痙攣する


鈴仙 「すっすごい痙攣!これやばいんじゃないの!?」


てゐ 「なんでだウサ!痙攣するとも一言も書いてないウサ!!あのやぶ医者失敗作を置いてたのか!!」


鈴仙 「いや、その薬は完全に完成したやつのはずよ 私が実験でやって本当に傷とかが治ったから効果はたしかなはず!」


てゐ 「それじゃなんで血を吐いたり痙攣してるんだ!そんな症状が出るなんて説明書に書いてないウサ!」


鈴仙 「そっそれはわからないけど…」


蒼野 「ヴァァアァァァアァッッッ!!!!!!」ビキビキビキビキッッッ!!!!!!



ドクンッ!!!!!!




この続きは【犯罪者に救いの手6】になります

今後度ともよろしくお願いします


後書き

この続きは犯罪者に救いの手6になります
今後ともよろしくお願いします










蒼野の情報

年齢 16歳
性別 男
身長 172cm
体重 30kgから40kgの間(痩せすぎている)
学力 IQ?(作者は馬鹿なので不明)
体力 かなり高い
剣術 かなりの使い手
武術 かなりの使い手
能力︰結界を操る程度の能力



 蒼野の荷物
・闇の刀(打刀 約90cmの刀)
・光の刀(打刀 約90cmの刀)
・小刀(脇差 約50cmの懐刀)
・メリケンサック(ごく普通のメリケン)
・薄い毛布(医療用に使われる防寒型毛布)
・携帯食料(スナック菓子みたいな高カロリー食料)


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2019-03-22 21:50:56

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2016-11-18 08:54:25

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