恋に落ちた魔理沙 Final
修正完了(2020/12/10)
この作品は恋に落ちた魔理沙の続きになるぜ!
見てってくれだぜ!
江西気郁弥
幻想郷全体に広まっている殺人鬼
過去に何百と超える数の人や妖怪を殺してきたと言われている大犯罪
右腰にはいつも刀を付けている
能力 結界を張る(主に存在を知られないようする)程度の能力
能力 ?
霧雨魔理沙
普通の人間で普通に魔法を使う魔法使い
元気でよく盗みをするが根はいい人 強い奴と弾幕勝負するのが好き
能力 魔法を使う程度の能力
紅魔館ー門前
美鈴 「フォアチャーっ!!」ブンッ!! 飛び膝蹴りで攻撃する
妹紅 「ふんっ!!」ガシッ!! 美鈴の飛び膝蹴りを両手で受け止める
美鈴 「ハイヤー!!」ブォンッ!! もう片方の足を一気に上にあげて縦に回し蹴りを入れる
妹紅 「あぶなっ!?」クルンッ!!…スタッ 身体を後ろに傾けさせて美鈴の回し蹴りを避けてバク宙して後ろに下がる
美鈴 「…なかなかやるじゃありませんか ですが、その程度では私に勝つことはできませんよ!」
妹紅 「っち!厄介なやつだ…」
自警団員 「妹紅さん!」
自警団員 「ウソだろ あの妹紅さんが押されてるぞ!」
自警団員 「まずいな…ここの門番を倒さないと中に入れないのに!」ギリッ
自警団員 「いや 中に入れてもまだ門番より強い奴がいるから…」
自警団員 「くそっ!マジでふざけんなよ!!」ギリッ!!
妹紅 「…」ボゥッ…!!!! 手のひらに火を出して美鈴に狙いを定めて構える
美鈴 「ムダですよ わたしは妖怪なので火を当てた程度では死にません」
妹紅 「…なら燃え尽きるほどの火を食らったらどうなるかな?さすがのお前でも炭にされたら死ぬだろ」
美鈴 「…そんなの避ければいいだけです あなたとは違ってわたしは武術を磨いています」
美鈴 「いくら死なない身体を持ってるあなたでも武術などを磨いていないあなたと武闘家のわたしと比べたら話になりません」
美鈴 「あなたの攻撃はド素人もいいところです 能力に頼り切ってるあなたは私を倒すことはできません」
妹紅 「…ほぅ?ずいぶんと余裕ぶっこいたこと言ってくれるな 私に勝ち目はないなんて」
妹紅 「たしかにわたしは武術などは習ってない だが、仮にもわたしは不老不死だぞ?お前こそ私を倒す方法がないんじゃないか?」
美鈴 「…」
妹紅 「…図星みたいだな ならわたしの方が優勢だな!」ニヤッ
妹紅 「不老不死のわたしは死ぬことはない 私を倒す方法なんてないんだ さっさとあきらめてそこを通せ!」
美鈴 「…申し訳ありませんがそれはできません いくら勝てないとわかっていてもそれで通すことはできません」
美鈴 「それ以前にわたしは誰かを殺すようなことはしません いくらここを無理やり通ろうとする者がいたとしても追い返すだけで命を取るまではしません」
美鈴 「…半殺しまではしますがね」ギロッ
自警団員 「「っ!!!!」」ビクッ!!
妹紅 「…そうか 勝てないとわかってても通さないか …ならお前を倒して通るまでだ!」スッ
美鈴 「やれるものならやってみてください ド素人の方が私を倒せるなら!」スゥ…
ヒュー… 弱い風が門の前にいるもの達に吹きかかる
自警団員 「「…」」
美鈴 「…」ジリ…
妹紅 「…なぁ 殺り合う前にひとつ聞いてもいいか?」
美鈴 「なんでしょう」
妹紅 「なんで江西気郁弥を庇う お前ら紅魔館に住む者たちとは縁がなかったはず」
妹紅 「江西気郁弥の話しはここにも届いてたはずだ 庇ったところで得すること何ひとつないはずなのになぜ庇う?」
美鈴 「…簡単なことです あの人は殺人鬼ではないからです」
妹紅 「…っは?」
自警団員 「殺人鬼じゃない?何言ってんだあんた あいつは正真正銘、無差別殺人鬼江西気郁弥だぞ!」
自警団員 「過去いろんな人間、妖怪を何十と超える数の者を殺したと言われてるんだぞ!そいつが殺人鬼じゃないわけがない!」
美鈴 「いいえ あの人は誰も殺していません 誰も殺していなければ、大切な人のためなら自分をも犠牲にするほど優しい方です」
美鈴 「あんなにも優しい方が殺人鬼扱いされるなんてかわいそうです ですから、あの人を捕まえようとする者は容赦しません!」ギロッ
自警団員 「「っ!」」ジリッ…
妹紅 「(…こいつ、目が本気だ 何度かこいつを見たことあるがこんなにも真剣な目は見たことない)」
妹紅 「(いつもヘラヘラしてて温厚そうな性格で妖精や子供と戯れてる姿を見たことあるがこんなにも真面目な姿は見たことがない!)」
妹紅 「(…ほんとなのか?こいつが言ってること 江西気郁弥が殺人鬼じゃないって)」
妹紅 「(こいつが嘘をついてるようには見えない だが江西気郁弥は過去に人間や妖怪を何十人も殺している 現にわたしはその死体を調べて刀傷だってことも調べ済みだ!)」
妹紅 「(しかもどの奴らもあの呉服屋に関係してた奴らだったからなおさらだ 人間と仲良かった妖怪も後ろから切られたと思われる刀傷だって残ってたんだから江西気郁弥が殺人鬼じゃないわけが!)」
妹紅 「(…でもまてよ?そいつらがみんな殺されたのは里の中 厳重警戒されていた里の中で殺人なんてできるか?)」
妹紅 「(しかもみんな殺された時間帯は夜中 夜は至る所に自警団を見張りさせてるから潜入するのはほぼ無理に近い状態 郁弥は空を飛ぶことが出来ないから上空から潜入するというのはほぼありえない)」
妹紅 「(魔理沙と手を組むようになったのもここ最近の話だ ならどうやって中に潜入した?もし入るとするなら見張りをしてる自警団を殺してから入るはず…でも、自警団は誰一人被害にあってない)」
妹紅 「(…誰もあってない?無差別殺人鬼なのに自警団の奴らを誰一人殺してない…?)」
自警団員 「妹紅さんどうしますか このまま押し切りますか?」
自警団員 「やろうと思えばやれます!ゴリ押しならまだ望みはあるかと!」
妹紅 「………」
自警団員 「…妹紅さん?」
妹紅 「…そうだな ゴリ押しでやればいけそうだな!(なにかが引っかかるな でも今はあいつを捕まえないと!)」
美鈴 「やれるものならやってみてください 返り討ちにしてあげます!」
自警団員 「いくぞ!全員突撃ーっ!!」
自警団員全員 「「おぉーっ!!」」ダダダダダッ!!!!!! 自警団全員で美鈴に突っ込んで…
…ードスドスドスッ!!!!
自警団員 「っ!!」ビクッ!!
ナイフ 「」キラーン!! 自警団の目の前の地面に複数本のナイフが突き刺さる
咲夜 「…なにごとかしら?こんな大勢と門の前で」スチャッ 美鈴の横に現れてナイフを構えていつでも投げれる状態に体制をとる
美鈴 「咲夜さん!」
自警団員 「こっ紅魔館のメイド長だ!」
自警団員 「時間を操るあのメイド長…こいつまで出てきちまったよ!」カタカタ
自警団員 「もっ妹紅さんどうしましょう!あの格闘家はともかく、メイド長の方は!!」
妹紅 「ーっ…」ギリッ
咲夜 「美鈴 今日は寝ていなかったようね?えらいわよ」
美鈴 「えへへー!それほどでも?」ニヘラ
咲夜 「普段もそうしてくれるとありがたいのだけど?」
美鈴 「っ…」メソラシ
妹紅 「…やっぱりお前も出てくるか 十六夜咲夜」
妹紅 「お前を一番敵に回したくなかったんだが…しかたないか おまえも紅魔館に住まう一人だからな」
妹紅 「…だが、私は不老不死だ いくら傷つけられたところで死ぬことはない!」
咲夜 「死ぬことはないけどわたしは時間を操る さすがのあなたでも時間を操られたらどうしようもないじゃないかしら?」
妹紅 「っ…」ギリ…
咲夜 「わるいけどあの人だけはやらせないわよ あの人に手を出すものは本気で殺させてもらうわ!」ギロッ
自警団員 「「っ!!」」ビクッ!!
妹紅 「…あの人、というのは郁弥のことか?」
咲夜 「そうよ 郁弥はなにも悪いことをしてないのに悪者扱いされてるのだから守るのは当然よ」
妹紅 「(こいつも門番と同じことを……)」
自警団員 「なにいってんだ!江西気郁弥は殺人鬼だぞ!悪いことをしまくってるじゃないか!」
自警団員 「そうだ!江西気郁弥は人間妖怪を何十人も殺してきた犯罪者なんだぞ!そいつが悪いやつじゃないわけがない!」
咲夜 「だまりなさい!」キィンッ!!
ードスドスドスドスッ!!!!!!
自警団員 「「っ!!!!」」ビクッ!! 足元にナイフが数十本突き刺さる
咲夜 「郁弥はわるいことしてないわ!人も殺してなければ妖怪も殺していない!」
咲夜 「あの方は被害者なのよ!悪者扱いされて追いかけられるようになった かわいそうな方よ!」
咲夜 「悪くもないのになんで追いかけられないといけないの?なんで悪者扱いされるの?郁弥はなにもしてないのに!!」キッ!!
妹紅 「…」
自警団員 「…なぁ さっきからこの二人が犯罪者、江西気郁弥が悪いことをしてないって言ってるが…ほんとなのか?なんかあの二人が嘘ついてるとは思えないんだが」ヒソヒソ
自警団員 「あっあぁ 俺もそう思ってた なんか二人の顔見ると本気で言ってるように見えるが」ヒソヒソ
自警団員 「でもあいつは殺人鬼だろ?今まで人間妖怪を何十人も殺してきたじゃないか」ヒソヒソ
自警団員 「…そういえば 今まで殺されてきたやつってみんな人里の中で殺されてたよな?しかも夜遅くに」ヒソヒソ
自警団員 「そうだが…それがどうした?」ヒソヒソ
自警団員 「俺たちが夜目を光らせて見張りしてたのにどうやって入ったんだ?里の中に」
自警団員 「…っあ そう言えばたしかに」
自警団員 「言われてみれば…」
自警団員 「でも空からなら気づかれずに入れるんじゃないか?魔理沙と一緒に行動してるんだから」
自警団員 「白黒魔法使いと行動するようになったのはここ最近だろ?そんな昔からつるんでたなんて聞いたことないぞ」
自警団員 「…そういえばそうだな それじゃ一体どうやって中に…?」
郁弥 「咲夜!美鈴!」ザッザッザッ!!
咲夜 「郁弥!?あなたなんでここに!」
魔理沙 「私もいるぜ!」スチャッ すかさず八卦炉を構えて戦闘態勢に入る
霊夢 「まったく 騒がしいから様子を見にきてみれば案の定ね?」ヒュー…スタッ 空を飛んで門前に着地する
美鈴 「お二人も!?なんで出てきたんですか!」
郁弥 「なんで出てきたかって?そんなの当たり前だろ!」スーッ…スチャッ
郁弥 「俺たちを敵対してるヤツらが目の前にいるんだから出てくるに決まってるだろ!まして俺のせいで全員に迷惑かかってんだから俺が出てこないでどうする!」チャキッ
魔理沙 「わたしは郁弥の彼女だからな 郁弥を敵対してるやつらはみんな敵だぜ!」
霊夢 「異変解決はわたしの役目 異変が起きてるのだから私が動かないわけがないわ!」
郁弥 「さぁ ここに来た目的は俺の身柄を確保することだろ?できるものならやってみろ!」
郁弥 「誰一人傷つけさせねぇぞ 誰かにかすり傷一つでも作ってみろ テメェら全員バラバラにしてやるからな!!」ギロッ!!
自警団員 「「っ!!」」ゾクッ!!
妹紅 「…なぁ郁弥 ちょっと聞きたいことがあるんだがいいか?」
郁弥 「…なんだよ」
妹紅 「…お前、無差別殺人鬼なのに今なんて言った?今誰かに傷つけたら許さないと言ったか?」
郁弥 「…言ったが それがなんだよ」
妹紅 「だれ構わず殺してきたお前がそんなことを言うなんて考えられなくてな 聞き間違えたかと思ったんだ」
郁弥 「…あぁそうかい」スチャッ
妹紅 「(あの殺人鬼がそんなことを言うなんて…やっぱりなんか変だ 無差別殺人鬼が誰かに傷つけたら許さないなんてセリフを吐くのはおかしい)」
妹紅 「(それに紅魔館の奴らも郁弥と手を組むのも変な話だ なんで人間の郁弥と手を組んだ?たかが刀を手に取っただけの殺人鬼と手を組むなんて考えられない)」
妹紅 「(なにか縁があれば話は別だが紅魔館の連中と郁弥が何かのはずみで知り合ったなんて聞いたことがない まして紅魔館の連中が異変を起こしたとき、郁弥はまだ人里で働いてた時だったから被害にあってる そんなヤツらと手を組みたいなんて思わないはず)」
妹紅 「(霊夢と魔理沙が手を貸してるのもわからない なんで郁弥に手を貸してる?あの二人が殺人鬼に手を貸すなんて、今までの行動からして考えられない)」
妹紅 「(万年金欠の霊夢が金で釣られたとしても殺人鬼に手を貸すなんて考えられない 魔理沙だって殺人鬼に手を貸すほど落ちぶれてない だとしたらなぜあの二人は郁弥とつるんでる…?)」
自警団員 「…なぁ あの殺人鬼が誰かに傷つけたら俺たちをバラバラにするって言ってたが…」ヒソヒソ
自警団員 「あぁ おかしいよな 無差別殺人鬼なのになんであいつらを守ろうとしてんだ?あいつはだれ構わず殺してた殺人鬼なのに」
自警団員 「そうだよな 今まであの呉服屋に関係する人間妖怪を殺してきた無差別殺人鬼が…ってあれ?」
自警団員 「どうした?」
自警団員 「…なぁ よくよく考えてみれば、郁弥はだれ構わず殺してきた無差別殺人鬼なんだよな?」
自警団員 「そうだが?それがどうした」
自警団員 「【だとしたら無差別じゃなくて呉服屋に関係するヤツらを殺してたってことになるよな なんで無差別殺人鬼って言われてるんだ?】」
妹紅 「っ!」
自警団員 「っあ…たったしかにそういえば」
自警団員 「そうだよな 言われてみればあいつが無差別殺人鬼と言われてるのはおかしいな」
自警団員 「じゃあなんで無差別殺人鬼って言われてたんだ?最初の方は無差別だと思うかもしれないが後々から無差別じゃないってわかってくるはずだが…」
自警団員 「…てか、今思ったんだが」
自警団員 「【だれが郁弥のことを無差別殺人鬼だと判断したんだ?】」
妹紅 「ーっ!!」ハッ
自警団員 「っえ?そりゃおまえ 自警団長じゃ…あれ?」
自警団員 「…そういえば 自警団長もそう言われたって言ってたな 誰とは言ってなかったが判断したやつはちがう」
自警団員 「それじゃ一体だれが…?」
郁弥 「…なんだ あいつら話し合ってるがどうしたんだ?どう攻めるか考えてるのか?」
魔理沙 「にしてはそんな話をしてるようには見えないぜ なんか別のことで悩んでるような…」
霊夢 「…?」
妹紅 「…郁弥 もうひとつ聞きたいことがある(まさかな まさかそんなことが…)」
郁弥 「なんだよ」
妹紅 「…正直に答えてくれ おまえは…殺人鬼なのか?」
郁弥 「……っは?」
妹紅 「今自警団員も悩んでるんだが、よくよく考えたらいくつか疑問を抱くことがあってな」
妹紅 「無差別殺人鬼と言われてるのに今まで殺してきた者たちは全員呉服屋に関係する者たち 無差別ではない」
妹紅 「それに無差別殺人鬼と言われてるお前が他のやつらに傷つけたらバラバラにするとも言っていた 今まで誰かまわず殺してきた無差別殺人鬼がそんなこと言うとは考えにくい」
妹紅 「さらには今まで殺されてきた者たちはみんな夜に殺されてる しかも厳重体制に入っていた人里の中でだ!」
妹紅 「それを考えたらおまえが無差別殺人鬼と言われているのがおかしいと思い始めたんだ 私だけではなく、自警団員みんなも!」
妹紅 「だから正直に答えてくれ おまえは…ほんとうに殺人鬼なのか?」
郁弥 「…」
魔理沙 「…」
霊夢 「…」
咲夜 「…」
美鈴 「…」
自警団員 「「…」」
妹紅 「…」
郁弥 「…ここで違うといえば、信じてくれるのか?」
妹紅 「そっそれは…」
郁弥 「……わかった(信じてもらうためだ 今ここでやらなければ…!!)」スゥ…スチャンッ 構えていた刀を鞘に収める
ザッザッザッ… 郁弥は妹紅たちの方へ歩いて近づいていく
魔理沙 「郁弥…?」
妹紅 「…」ジリッ…
自警団員 「「っ…」」スチャッ 槍を構えて警戒態勢に入る
郁弥 「…」タッタッタッ 妹紅たちと魔理沙たちの距離の間ぐらいまで歩いて立ち止まる
郁弥 「…」スゥ…カタッ 刀を腰から抜いて地面に置く
自警団員 「…っえ 刀を地面に置いた?」
妹紅 「(なるほど 自ら武器を捨てて敵意はないことを示してるのか)」
妹紅 「(だがそれだけじゃ完全に示すことはできないぞ もっと証明できることをしてもらわなければ…)」
郁弥 「ーっ…」ブルッ…
郁弥 「(…しっ信じてもらうためだ こわいが…魔理沙たちのために!)」クルッ…
ストンッ… 妹紅たちに背中を向けてその場に座り込む
妹紅 「ーっな!!?」
自警団員 「っえ!?かっ刀を置いて、後ろ向いて座った!!?」
魔理沙 「郁弥!?おまっなにして!!」
霊夢 「ーっ…」唖然
郁弥 「ーっ…!!」ブルブル…
郁弥 「(めっめちゃくちゃこわい!武器を捨てて、後ろには妹紅たちがいるのに…いるのに無防備な背中を見せて!!)」ブルブル…
郁弥 「(でっでも!こうでもしないと信じてくれない もし信じてくれなかったら俺はこのまま殺されるかもしれない…殺されると思うと、震えが止まらない!!)」ガチガチ…
郁弥 「(だけど!俺だっておとこだ 今信じてもらえそうな時に証明しないでいつやるんだ!!魔理沙たちの誤解を解くためにも、俺がやんなくちゃいけない!!)」ギリッ
郁弥 「(たのむ 信じてくれ…!!)」ブルブル…
自警団員 「もっ妹紅さん これは…どっどうすればいいんでしょうか」ヒソヒソ
自警団員 「刀を置いて無防備な背中を見せて来たということは本気なんでしょうか とてもじゃありませんがあの殺人鬼がこのようなことをするとは思えないです!」
妹紅 「たったしかにわたしもそう思う あいつがあんな行動を取ってくるとは思わなかった」
自警団員 「どうしますか妹紅さん しっ指示をおねがいします!」
妹紅 「…」
美鈴 「さっ咲夜さん!あの人はなにをやってるんですか!?自ら死のうとしてますよ!」ヒソヒソ
美鈴 「あのままじゃ後ろに置いた刀で切られてしまいます!どうにかしないと郁弥さんが!!」
咲夜 「…」
咲夜 「(郁弥…本気のようね 今信じてもらえそうだから命をかけて証明しようとしてるのね)」
咲夜 「(失敗すれば死ぬ…後ろからズバッと刀で切られ殺される 死と隣り合わせの状況だわ)」
咲夜 「(信じてもらえればいいけど、もし信じてもらえなくて殺されそうになった時はわたしの能力で…!)」グッ
妹紅 「…」スゥ…
ザッザッザッ… 妹紅は無防備な背中を見せている郁弥のもとへ近づいていく
自警団員 「…妹紅さん?」
妹紅 「…」スゥ…スチャッ 郁弥が地面に置いた刀を拾い上げる
魔理沙 「っ!! 妹紅てめぇ!郁弥の刀に手を…!!」スゥッ!! すぐさま八卦炉を構えて打とうと…
郁弥 「やめろ魔理沙 手を出すな」
魔理沙 「っ! でっでも!」
郁弥 「いいから黙って見てろ 俺は…死ぬ覚悟でやってるんだ だから邪魔しないでくれ」ブルブル…
魔理沙 「ーっ…!!」ギリッ!!
妹紅 「…ほんとに、死ぬ覚悟でやってるんだな?」スー…チャキッ 刀を抜いて郁弥の首筋に突きつける
郁弥 「…あぁ」
妹紅 「わたしがお前を切らないとでも思ってるのか?」
郁弥 「…思ってはない もし信用できなければ容赦なく俺の首を跳ねて殺す…」
郁弥 「…でも、それでもいい おれの覚悟はその程度の覚悟だったということだ その時はそう受け止めるよ」
妹紅 「…そうか」スゥ… 刀を上にあげて振り下ろす構えを取る
霊夢 「ーっや やめなさい!」スッ!! すぐさま霊符を出して郁弥を助けようと…
咲夜 「ーっ!」チャラッ… 懐中時計を取り出して時間を止めようと…
郁弥 「手を出すな!誰もそこから一歩たりとも動くなっ!」
全員 「「っ!!」」ビタッ
郁弥 「これは俺の問題だ!他のやつは手出しするな!」
霊夢 「でっでも!」
郁弥 「…妹紅 もし俺を処刑したら…一つだけお願いがある」
妹紅 「…なんだ」
郁弥 「…魔理沙たちは無実だ 俺が全部…しでかしたことなんだ」
郁弥 「魔理沙を始めに脅して そこから霊夢、レミリア、紅魔館の連中らを脅していったんだ だから魔理沙たちはなにも悪くない」
魔理沙 「ーっは!?」
妹紅 「…そうなのか?」
郁弥 「…あぁ……」
魔理沙 「郁弥!お前なにをっ!!」
郁弥 「…わるいなみんな 今まで脅してきて、辛かったよな?大切な人が人質に取られて 今まで俺の言うことを聞いてきてめんどくさかっただろ」
郁弥 「でも安心してくれ それも今日で終わりだから…」
霊夢 「郁弥…あんた」
郁弥 「…さぁ妹紅やってくれ こんな大罪人をいつまでも生かすのは人里を守る自警団として見過ごせないだろ?その刀で一思いにやってくれ」
妹紅 「…」
魔理沙 「ふみやぁ…!!」ポタッポタッ…
咲夜 「ーっ…」ググッ…
美鈴 「ーっく…」ギリッ
霊夢 「(…もし殺されたら、私たちに被害がいかないよう自分を悪くしたのね…)」
霊夢 「(たしかに一番の元凶は郁弥だから自分がまいたタネだと言えば私たちの被害は抑えられる 私たちは脅されて従っていたと判断されるからそうなれば今までみたいに隠れながら生活することはなくなるわ)」
霊夢 「(…でも、そうしたところで誰も喜ぶわけがない それは郁弥自身もわかってるはず)」
霊夢 「(郁弥が死んだら魔理沙だけじゃない わたしや咲夜、紅魔館の連中らだって悲しむわ)」
霊夢 「(…でも、助けられない 今目の前に霊符を投げれば助けられるのに 投げれれば助けられるのに!)」ギリッ!!
霊夢 「(…郁弥はそれを望んでない 逆にここで助けたら郁弥の決意を無駄にすることになる)」
霊夢 「(…ごめん郁弥 なにもできなくて……)」
妹紅 「………」チャキッ 首元に突きつけている刀を動かそうと…
魔理沙 「ーっやめろォ!!」スチャッ 八卦炉を構えて郁弥を助けようと…
妹紅 「…まて魔理沙 撃つな」スゥ… 刀を下におろして郁弥に突きつけるのをやめる
魔理沙 「……っえ」
郁弥 「…妹紅?」
妹紅 「郁弥 この刀は昔からずっと持ってた刀だよな お前がまだ人里で過ごしていた時に何度も見たことあるがそれから変えてないよな」
郁弥 「…あぁ 一度も変えてないが」
妹紅 「何十人も殺してきたと言われてるのにこの刀 まったく紅色に光ってないんだがなぜだ?いくら切った後に拭いたとしても全部は取れない 削ったりしてるのか?」
郁弥 「削った跡があるか?悪いがおれはそんなことしない 血がついたからいちいち刀を削ってたらすぐ錆びちまうし なにより刀の刃部分がなくなっちまう」
妹紅 「たしかにそうだな それはごもっともだ」
妹紅 「…郁弥 今から質問をするから正直に答えてくれ」
妹紅 「【おまえは本当に殺人鬼なのか?】」
郁弥 「…」
妹紅 「…どうなんだ 殺人鬼なのか?もしちがうなら違うと言ってくれ」
郁弥 「…信じてくれるのか?」
妹紅 「………」スゥ…
妹紅 「【【信じよう!】】」
全員 「「っ!!」」
妹紅 「ここまで覚悟を決められたんじゃ信じざる得ない お前は確実に死ぬ気で私に覚悟を決めた」
妹紅 「刀を置いて背中向けるなんて自殺行為だ …バカじゃなきゃやらないだろ」
妹紅 「だから正直に答えろ お前は殺人鬼なのか?今ならお前の言葉を信じる!」
郁弥 「…わかった それじゃ今から嘘偽りなく答える」
郁弥 「よく聞いててくれ 聞き逃さないように耳をかっぽじいて聞いてくれ!」
郁弥 「おれは…」
? 「そいつは殺人鬼だ 誰がなんと言おうとな」スタッ どこからともなく自警団員たちの前に数人現れる
魔理沙 「っ! だっだれだ!」スチャッ
妹紅 「っな!お前ら たしか呉服屋の店主に雇われた」
俊 「護衛人の俊(しゅん)と申します そしてこの者達は私の部下です」
俊の部下 「「…」」スチャッ 忍者刀を抜いて構えている
俊 「あなた方はなにこの者の演技に騙されているんですか 自警団として情けないですよ」
妹紅 「…なに?」ピクッ
俊 「この者が殺人鬼じゃないわけがないじゃないですか 今まで何十人も殺されているのに今さら殺人鬼じゃないなんて通用するわけがない」
俊 「現に殺されたら者達の傷跡はみな刀傷であることが判明されています この者にもう間違いはないはずです」
魔理沙 「んだとコノヤロウ!!」ギリッ
妹紅 「…刀なんて誰でも手に入るのになんで郁弥だと断定できる?それに郁弥の刀には血の跡がついてない」
俊 「同じような刀をもう一本用意すればいいだけです 簡単な話しです」
妹紅 「郁弥の家は捜索済みだ もう一本の刀は発見されなかったが?」
俊 「捨てていれば発見されませんよ 捕まる前にどこかに隠すか捨てていればいいだけです」
妹紅 「郁弥の家の周辺も捜索したがなにも出なかったぞ?」
俊 「離れた場所に捨てればいいだけです なにも周辺に捨てなくても」
妹紅 「…さっきの行動が演技とは思えないんだが 演技だけに命をかけるなんておかしいと思わないか?」
俊 「演技ですからね そのくらいの覚悟がないと演技とは言えません」
妹紅 「…」
俊 「納得してもらえましたか?それじゃすみませんがあとは私たちでなんとかするのであなた方は下がってください」
俊 「殺人鬼に惑わされそうになっていた方たちに任せていたら逃がしそうなんでね」
自警団員 「あんだと!」
妹紅 「…捕まえて牢屋にぶち込むのか?」
俊 「いいえ 今日の夜…」
俊 「【処刑します】」
霊夢 「っな!処刑!!?」
咲夜 「捕まえてすぐに処刑ってどういうことよ!ふつうは尋問とかするでしょ!」
俊 「尋問する意味がありません もうその者がしでかしたことだと判明されているので必要ないです」
美鈴 「でっですが!捕まえてすぐに処刑するというのは今までなかったはずです!なぜ今回に限ってそのようなことが!」
俊 「また逃げられても困るのですぐにでも処刑した方がいいからです 牢屋に入れてる間に逃げられてしまってはまた被害が出てしまいますからね」
魔理沙 「ーっ!!」ビキッ!!
妹紅 「…なぜ夜なんだ?今まで夜に処刑なんてしたことないだろ」
俊 「夜の方がみなさん寝てる間に用を足せますので夜になりました そんな殺人鬼の死に際を見ていい思いをする方がいると思いで?」
妹紅 「…たしかにいないかもしれないが」
俊 「これ以上時間かけるとその殺人鬼がまた逃げ出すかもしれないので無駄話は終わりにしましょう」
俊 「それでは」ザッザッザッ…
郁弥 「…」
俊 「江西気郁弥 殺人容疑で捕まえさせてもらう 暴れるなよ?」スッ…シュルッ 懐から荒縄を取り出して郁弥の手を縛りつける
郁弥 「…あぁ」シュルシュル…ギュッ 両手を縛られて自由を奪われる
俊 「よし お前たち、こいつを連れて行け」
俊の部下 「「はい」」ザッザッザッ… 縛られた郁弥に近づき連れていこうと…
魔理沙 「…まてよ」
俊 「っ…」ピクッ
霊夢 「魔理沙…」
魔理沙 「…やっぱり納得いかねぇぜ なんでなにもしてない郁弥が捕まらなくちゃいけないんだ おかしいだろ!」
魔理沙 「しかもなんで今日の夜に処刑されんだよ!捕まえてすぐに処刑なんて聞いたことない!!」
魔理沙 「お前らも呉服屋のバカヤロウにいいように使われてんだろ!郁弥に罪をなすりつけておいてよォ!!」
妹紅 「…っえ なすりつけた?」
魔理沙 「そうだよ!あのバカヤロウは郁弥に自分の悪事を押し付けたんだ!あのくそやろうの能力によってな!!」
自警団員 「能力…?あの者はなにか使えるのか?」
魔理沙 「あぁ使えるよ!あいつの能力は…」
郁弥 「やめろ魔理沙 それ以上は言うな」
魔理沙 「っ! なっなんで!」
郁弥 「いいから言うな それを言ったらお前まで悪くなる 俺に脅されることはなくなったんだからもう演じる必要はない」
魔理沙 「だれがお前に脅されてたんだ!!わたしはお前になんか…」
霊夢 「やめなさい魔理沙 それ以上は言わないでおきなさい」ガシッ
魔理沙 「でも!」
霊夢 「…やめなさい いいわね…っ!」ギリッ…
魔理沙 「ーっ…うるせぇ!!」バシッ!!
霊夢 「いった!!」
魔理沙 「もうガマンできねぇ!郁弥はなんも悪くないのになんで悪くなんなくちゃいけないんだ!」
魔理沙 「郁弥!わるいがわたしはお前を見捨てることなんてできないぜ!なんとしてでもお前を助ける!!」
郁弥 「…魔理沙……」
咲夜 「…時間よ 止ま…」チャラ… 懐中時計を取り出して時間を止めようと…
ズドオォォォンッッ!!!!!!
全員 「「っ!!!!!?」」
地面 「「」」チリチリ… 地面に大穴が空いて近くの草が燃える
レミリア 「…そこまでよ それ以上はやめなさい」バサッバサッ… スピア・ザ・グングニルを手に構えて上空から姿を現す
霊夢 「レミリア!」
自警団員 「こっ紅魔館の吸血鬼だ!しかも主の方だ!」
自警団員 「や、ヤバいぞ!あの吸血鬼はまずい!俺たちの手で勝てるような相手じゃ…!!」
妹紅 「…」
レミリア 「よっと」スタッ
俊 「これはこれは…まさか紅魔館の主 レミリア・スカーレットさんが出てくるとは思いもしませんでした」
俊 「…もしかして、あなたも私たちの邪魔をしようとして?」
レミリア 「邪魔して欲しかったらしてあげるわよ これ以上騒ぎを起こさなければ邪魔しないわ」
咲夜 「っ!」
俊 「…つまり、私たちがおとなしく郁弥を連れていけば良いということですか?」
レミリア 「そうよ」
魔理沙 「っな!?」
レミリア 「用があるのはそこの男だけでしょ?なら早くその男を連れていきなさい」
俊 「…わかりました それでは早々と連れていかせてもらいます」
俊 「来い郁弥 立て」
郁弥 「…あぁ」スクッ
魔理沙 「郁弥!テメェレミリア!!お前マジでふざけ…」
レミリア 「だまりなさい」ギロッ
魔理沙 「っ!!」ビクッ!!
咲夜 「…お嬢様 あなたという方はっ!!」ググッ!!
レミリア 「…」
郁弥 「…」ザッザッザッ
俊 「…連れていけ」
俊の部下 「「はい」」
ザッザッザッ…
郁弥 「(…これで、いいんだ これで……)」ザッザッザッ…
魔理沙 「ーっ…ふみやぁ……!!」ポタッポタッ…
咲夜 「ーっ…」ギリッ!!
美鈴 「…」
霊夢 「(…これで、よかったのよね 郁弥…)」
レミリア 「…魔理沙、霊夢、咲夜 あなた達の気持ちは痛いほどわかるわ でも…運命は変えられないのよ」
レミリア 「あの男はどうしても連れていかれるのが運命だった…誰がどうしても、あなたたちがどんなに説得しても…ね」
魔理沙 「…そんなの、あんまりだぜ!なんでだよ なんでっ郁弥はわるくないのに……!!」ググッ…
霊夢 「…」
咲夜 「…」スチャッ
レミリア 「咲夜 あなたはどこに行こうとしてるのかしら?ナイフなんか構えて」
咲夜 「…すみませんお嬢様 でも、わたし…!」グッ
レミリア 「行っても無駄よ 【今】行ったんじゃあの男を助けられないわ」
美鈴 「…っえ 今…?」
霊夢 「…レミリア それ、どういう……」
レミリア 「霧雨魔理沙 あの男のためならその命、【失う覚悟で助けることできるか?】」
魔理沙 「っ!」
レミリア 「…そこの不老不死 あなたも真の犯罪者を捕まえたいか?もし捕まえたいなら私の言うことを聞け」
レミリア 「もちろんお前の部下もだ おまえ達にも協力してもらわなければならない …どうする?」
妹紅 「…」
自警団員 「…ほんとに、郁弥は犯罪者じゃないのか?」
魔理沙 「ちがうぜ!郁弥は誰一人殺してない!全部呉服屋の店主がっ!!」
レミリア 「それを判断するのはお前らだ ここでわたしが違うと言って信じるのか?」
自警団員 「それは…」
妹紅 「…なにをすればいいんだ?できる限りのことはしてやる 教えてくれ!」
全員 「「っ!」」
自警団員 「妹紅さん!?」
レミリア 「…信じるのね?」
妹紅 「…あぁ!」
自警団員 「ーっ…わっわかりました!自分も信じます!」
自警団員 「俺も信じるぜ!あんたたちがそこまで言うんだ 嘘をついてるなんてことはないと思うぜ!」
自警団員 「真犯人がいるならそいつを捕まえるまでだ!協力するぜ!」
妹紅 「みんな…!」
レミリア 「…魔理沙 あなたはどうなの?命を張る勇気はあるかしら?」
魔理沙 「…ぜったい、助けられるんだよな?」
レミリア 「それはあなた次第よ あなたが上手くやれば助けられるかもしれないわ」
レミリア 「もちろん失敗すれば…あなたの命はおろか、霊夢や私 咲夜の命だって失うことになるわ」
レミリア 「全てはおまえにかかってる…賭けるか?」
魔理沙 「…」
霊夢 「…」
咲夜 「…」
美鈴 「…」
妹紅 「…」
魔理沙 「…みんな、わたしにお前たちの命…預けてもらっていいか?」
魔理沙 「わたしは本気で郁弥を助けたい 郁弥も私たちのために命を張って助けようとしてくれたんだ それを仇で返すような真似はしなくない!」
魔理沙 「いいやちがう わたしは郁弥が好きだから助けたい!愛してるから助けたい!たとえこの命がなくなっても郁弥を助けたい!!」
魔理沙 「だからお前たちの命 私が預かる!協力してくれ!!」
全員 「「…」」
霊夢 「…ふふっ!やっと魔理沙らしくなってきたわね」クスッ
咲夜 「そうね いつもの魔理沙に戻ったわね?」
美鈴 「やっぱり魔理沙さんはこうでなくっちゃ!」
妹紅 「魔理沙がここまで言うとはな まったく、郁弥も罪深いやつだな?」
レミリア 「…全員、協力するのね?」
霊夢 「もちろんよ そんな悪党を放っておくほど、博麗の巫女は甘くないのよ!」
咲夜 「郁弥を罪人にした方は絶対に許せない かならず地獄に陥れてやるわ!」
美鈴 「あの人にはいろいろと助けてもらいましたからね その恩を仇で返すような真似はしません!」
妹紅 「おいお前ら!ほんとうの罪人を捕まえるぞ!」
自警団員 「「おおーっ!!」」
魔理沙 「みんな…!!」
レミリア 「ふふっ!どうやら一致団結のようね?なら話が早いわ」
レミリア 「霧雨魔理沙 今回の主役はあなたよ?今回の異変(騒ぎ)は弾幕戦じゃない…説得がメインになるわ」
レミリア 「あなたが得意とする弾幕ごっことはまったく真反対なことだから覚悟しなさい!」
魔理沙 「あぁ!わかってるぜ!!」
…
人里
ザワザワッ!!!!…
俊 「すいませんが前を通してください 犯罪者のお通りです」ザッザッザッ…
俊の部下 「ほら 早くあるけ」グイッ
郁弥 「…」ザッザッザッ… 両手を縛られながら連行されている…
人里の住民 「おい あいつ、江西気郁弥だ!」
人里の住民 「とうとう捕まったのか あの野郎約一年以上も逃げてやがって!」
人里の住民 「お前のせいで里の人が死んだんだぞ!お前が里のものを殺してなければ!」ブンッ!!
郁弥 「…」ゴスッ 頭に石をぶつけられる
人里の住民 「そうだそうだ!てめぇさえいなければ いろんなやつが死ぬことはなかったんだ!」ブンッ!!
人里の住民 「慧音先生にめんどうを見てもらっておいて、その恩を仇で返すとは何事だ!」ブンッ!!
人里の住民 「さっさとくたばりやがれ!」ブンッ!!
郁弥 「ーっ…」ガスゴスッガンッ!!!!…
人里 「「ーっ!!!!」」ワーワーギャーギャー!!
俊 「…」ザッザッザッ…
俊の部下 「「…」」
慧音 「ーっやめないか!バカ者共!!」ザッ!!
人里の住民 「っ! 慧音さん!」
慧音 「犯罪者相手に石をぶつけるとは何事だ!下手に怒らせて ここで暴れられたらどうする!」
慧音 「いくら縄で縛られていようと逃げられないわけじゃない!無駄に怒らせて里を危険に晒すな!!」
人里の住民 「うっ…すみません」
俊 「これは慧音さん ちょうど良いところに来てくれました」
俊 「今からこの者を牢にぶち込むので、今までしでかしたことを全部聞き出してください 情報を手に入れるためにご協力をお願いします」
慧音 「…わかった それじゃここからはわたしが郁弥を連れていこう」
俊 「わかりました どうぞ」スッ
慧音 「…こい 郁弥」ガシッ
郁弥 「…あぁ」
慧音 「…」
ザッザッザッ…
俊 「…」
…
牢屋
慧音 「…だいじょうぶか?郁弥 痛くないか」チョンチョン…ペタッ 郁弥の治療をしている
郁弥 「…平気ですよ このくらいのケガなんともありません」ペタッ
慧音 「ムリはするな ほんとは痛いんだろ?変なところでやせ我慢はするな」
慧音 「お前を何年見てきたと思ってる?お前がガマンしてるところなんて丸わかりなんだぞ」
郁弥 「…」
慧音 「…すまないな わたしが頼りないばかりに、こんなことに……」
郁弥 「慧音さんのせいじゃありませんよ 悪いのは全部あの呉服屋店主ですから」
慧音 「だから謝っているんだ わたしが騒ぎが起こる前にあやつを止めていればこんなことにはならなかったんだ」
慧音 「もしくは騒ぎが起こってもすぐにお前の潔白を証明していれば、こんなことには…」
郁弥 「慧音さんが気づいた時にはもうみんなの記憶を書き換えられていたんですから仕方ありません 自分と慧音さんの記憶は変えてなかったみたいですが…」
慧音 「…それと健利に健斗もな わたしの記憶を変えないのはわかるが、なぜあいつらの記憶を変えていないのかがわからない 全員変えた方が都合がいいはずなのに…」ウーム
郁弥 「魔理沙も変えてませんでした ルーミアはその…頭があれなので、書き換えられてたとしても、覚えてない可能性が……」
慧音 「…まぁ、可能性的にはあるな あやつの場合は」
郁弥 「…にしても、なんで俺や魔理沙の記憶を変えなかったんでしょうか 霊夢や紅魔館の人達の記憶は書き換えられていたのになんで…」
慧音 「…謎だな 人数制限があるとは思えないし、種族制限があるとも思えない」
慧音 「もし人数制限があるのだとしたら、霊夢は書き換えるとしても紅魔館の連中らの記憶を書き換える意味がわからない あの者達は人里に住む者達と関係があるわけじゃない むしろ恐れられているから記憶を変える必要性がない」
慧音 「種族制限も人里に住む者たちの記憶は書き換えられてるし 寺子屋に通っている妖怪妖精の者達の記憶も書き換えられてるから種族制限があるとも思えない」
慧音 「…それじゃ 一体、なんの為に……?」
郁弥 「…」
ギィィ…
呉服屋の店主 「…よぉ郁弥 久しぶりだな」タッタッタッ…パタンッ
郁弥 「っ! 店主!!」
慧音 「っ!」
呉服屋の店主 「ずいぶんと逃げ続けてくれたじゃないか おかげでこっちは大変だったんだぞ?」
呉服屋の店主 「お前が俺の店の元店主を殺してから他の従業員も殺してくれたおかげで警護人を雇わざるえなかったんだぞ まったく無駄な出費だ」
呉服屋の店主 「…まっ最終的には捕まえることができたからいいか 今まで高い金を払ってきた甲斐があったよ 無駄金にならなくてな!」ニヤッ
郁弥 「ーっ…」ギロッ
慧音 「…きさま どの口が開いておる?いい加減にしろよ!」
慧音 「貴様の考えていることは全てお見通しだ!自分の罪を郁弥に押し付けて 自分の野望を叶えるためにいろんなやつを殺していたのも!!」
呉服屋の店主 「…やはりお気づきでしたか まぁわかっていましたがね」
呉服屋の店主 「ですが今さらわかったところでもうどうしようもできませんがね?この人里内の者共はみーんな記憶を書き換えましたからね」
呉服屋の店主 「対処するのが遅すぎましたね 慧音さん?」ニタァ
慧音 「ーっ…キサマァ!!」ギリッ!!
郁弥 「…俺は夜 処刑されんだよな?」
呉服屋の店主 「そうだ 俺の能力を使ってお前を捕まえたのは俺だとみんなの記憶に入れるんだ!」
呉服屋の店主 「そうすれば俺は英雄と称えられる!無差別殺人鬼に臆することなく、勇気を絞って立ち向かった者として一生みんなから称えられる!!」
呉服屋の店主 「なんて最っ高なんだ!そうなれば俺は一生贅沢な暮らしができる!俺の思うがままにみんなが動く!」
呉服屋の店主 「だれも俺に反抗にる者がいなくなる!もし現れたら 俺の能力で犯罪者にしてしまえばいいだけの話し!」
呉服屋の店主 「そうすれば邪魔者は勝手にいなくなる わざわざ俺が手をかけるまでもない 誰かがやってくれるんだからな!!」アッハハハハ
慧音 「ーっバカらしいことを!!」ビキッ!!
郁弥 「…そううまくいくと思うなよ 最後に笑うのは俺だ」
呉服屋の店主 「…なに?」
郁弥 「いや、正確に言えば死んだらか 俺が死んだとき、お前は絶望に落ちるだろう」
郁弥 「もう俺は死ぬ覚悟を決めてる 死ぬときに最後の足掻きとしてお前を道連れにする!その時は覚悟しておけ」
呉服屋の店主 「…ほぅ?それはおもしろい 俺も一緒に道連れするか…果たしてそんなことができるのかな?」
呉服屋の店主 「まっなにをするかはどうでもいいとして せいぜい無駄なあがきでもしてるんだな」
郁弥 「余裕ぶっこいてられるのも今のうちだからな 今のうちに善行を積んでおくんだな」
呉服屋の店主 「はははっ!!笑わせるな 俺に善行なんて無縁なんだよ!俺の能力で全部いいことづくめに出来るんだからな!」
呉服屋の店主 「今日の夜が楽しみだ それじゃあな!」タッタッタッ…
ギィィ…バタンッ
郁弥 「…」
慧音 「…郁弥 何か良い策があるのか?あいつを道連れにすると言ってたが」
郁弥 「…あります でも…使うとしたら自分が死ぬときに使います そうじゃないと使えないので…」
慧音 「…お前が死なないと、止められないのか……?」
郁弥 「…」
慧音 「ーっ…そうか 死なないと…いけないのか」
慧音 「…郁弥 わたしはお前に死んで欲しくない 逆に生きて欲しい!なにも悪いことをしていないのになぜお前は殺されなくてはならない?」
慧音 「私だけではない 魔理沙だってお前に死んで欲しくないと思っているはずだ!それなのに、どうして……」
郁弥 「…」
慧音 「…郁弥 私に何か出来ることはないか?最後まで付き合うぞ!」
慧音 「本当ならお前を生かして、あの者を捕まえたいが…今の状況からして、ムリに等しい……」
慧音 「だがお主の死を無駄にしたくはない できることならなんだってしてみせる!あの者を絶望に落とすことができるなら!」
郁弥 「…いいんですか?下手したら 慧音さんまで巻き込んじゃいますよ」
慧音 「構わないさ 奴を陥れることができれば後のことは妹紅に任せる 妹紅も里のみんなから信頼されてるから任せられるだろう」
郁弥 「…そうですか わかりました」
郁弥 「それじゃ最後にお願いがあります あのバカを陥れるために手伝ってください!」
慧音 「わかった!!」
…
深夜ー人里から軽く離れた即席処刑台所
呉服屋の店主 「…おい どうなってんだこれは」
健利 「なにがですか?」
呉服屋の店主 「なにがじゃねぇ!なんで郁弥を処刑するためにわざわざ人里から離れたのに!」スッ
人里の住民 「おい もうすぐで郁弥の処刑が始まるらしいぞ!」ガヤガヤ
人里の住民 「やっとあの殺人鬼も処刑か これでようやく安心できるぜ」ガヤガヤ
人里の住民 「まったくだ!」ガヤガヤ
人里の住民 「早く始まらないかしら」ガヤガヤ
呉服屋の店主 「なんだこの人集りは!なんで人里の連中がここにいる だれが教えた!!」
健利 「自分が伝えました 里の者達がいつ郁弥は処刑されるのかを話されていたので、本日の日にちが変わる時に処刑されると教えました」
健利 「親方様も皆さんに見られながら郁弥を処刑なさった方が英雄として称えられるかと思いそうしました」
呉服屋の店主 「余計なことを…そんなの俺の能力でやればいいだけのことだ ただ奴を処刑したときの映像がほしいから誰にも見られずに処刑したかったんだ」
呉服屋の店主 「さすがに記憶を書き換えると言ってもなにもわからない状態で記憶を書き換えるのは難しい どういう風にどういったことで処刑したのかを確実に把握してからの方が記憶を書換える時に楽なんだ 誰かに見られながらなんていらねぇんだよ」
健利 「そうでしたか それはすみませんでした(知ってたよそんなこと)」
呉服屋の店主 「…まぁいい 見られながらの方が余計な手間が省ける 記憶を書き換えるのも楽だからいいか」
健利 「それならよかったです(じゃあいちいち余計なこと言うんじゃねぇよ)」
呉服屋の店主 「…いま何時だ」
健利 「現在時刻は日付が変わる約二十分前です」
呉服屋の店主 「よし そろそろだな 郁弥を連れてこい」
健利 「はい」スッ…
ザッザッザッ…
呉服屋の店主 「…ふふ!これでようやく俺の野望が叶う やっと俺はみんなから英雄として称えられる!」
呉服屋の店主 「長かった……最初は呉服屋の店主の座を奪うために黒田を殺した」
呉服屋の店主 「店主になってようやく楽できると思った…だが、店主になってからも仕入れだの値入れだのと毎日まいにち仕事三昧で楽なんてできなかった」
呉服屋の店主 「しかも俺が元店主を殺したのが郁弥のやつにバレて 一次追われそうになってもう散々だった!」
呉服屋の店主 「…だが、奴は俺が記憶を操ることができることを知らなかったのが誤算だったな 俺のしたことを全部あいつがしたことにしたから、逆にあいつが追いかけられるハメになった!」
呉服屋の店主 「それからも記憶を変えたとはいえ、その時はなんも考えないで無理やり郁弥を殺人鬼にしたから何人かに疑われたな 郁弥のアリバイを証明できるヤツらが俺ん所に押し寄せてきた…」
呉服屋の店主 「だが全員俺が殺して郁弥のせいにしたがな!」ニヤッ
呉服屋の店主 「くくく!あぁ…早く英雄になって楽したいぜ 英雄になっちまえば、もう俺は優雅な暮らしで過ごしていけるんだ はやく零時にならないかなぁ!」ケケケ!!
…
郁弥を入れている牢屋
郁弥 「…」
郁弥 「…あと、二十分か……俺が処刑される時間まで」
郁弥 「……あいつだけはどうにかしないとな 俺の命と引き換えに…!」
郁弥 「…魔理沙のことは慧音さんに任せてあるから平気だよな なにかあっても…慧音さんに助けを貰えるはずだ」
郁弥 「…魔理沙………」
…ガチャッ
健利 「…郁弥」
郁弥 「…健利か なんの用だ?」
郁弥 「と言いたいが、どうせ俺を処刑する準備ができたから連れに来たんだろ?」
健利 「…あぁ そうだ」
郁弥 「……そうか なら行かねぇとな」スクッ
郁弥 「しかしなんで自警団でもないお前が囚人を牢屋から出すことができるんだろうな それもあのバカの能力か?」
健利 「…」
郁弥 「…まぁいい どうせ俺はもう処刑されんだからそんなくだらないこと聞いても意味ないか」
郁弥 「…はやく牢屋開けろ」
健利 「…わかった」スッ…
カチャカチャ…ガチャン
キィィ…
健利 「…出ろ」
郁弥 「…」タッタッタッ…
健利 「…手、縄で縛るから抵抗するなよ」スゥ…
郁弥 「安心しろ ここで抵抗したところですぐ捕まるのが目に見えてる それにもう…逃げるわけにはいかないからな」
健利 「…霧雨店の娘のためか?」シュルシュル…ギュッ
郁弥 「…あぁ」
健利 「…なにか策があるのか?」
郁弥 「…っえ」
健利 「【…なにか策があるなら手伝ってやるぞ 俺もこの日のために準備しておいたんだ!】」
健利 「奴を陥れることができる決定的な証拠を用意してんだ だからもしお前がそれを望むなら手貸すぜ!」
郁弥 「健利……」
郁弥 「…いいのか 失敗したら…お前まで首を絞めることになるぞ?」
健利 「どうせいつかは首切られるよ 俺自身、けっこうあいつに反発してるからな 今首切られるのとあとで切られても同じだ」
郁弥 「…そうか わかった」
郁弥 「…健利 手伝ってくれ!あいつを絶望に落とすために!」
健利 「おう!」
…その話し、ぜひ私たちにも聞かせてくれないか
健利 「っ! だれだ!」
郁弥 「おっおまえは!?」
…
…
呉服屋の店主 「ーっ…おそい なにやってんだあいつは!」イライラ
呉服屋の店主 「あと十分ぐらいで日付が変わっちまうじゃねぇか!日付が変わるとともに郁弥を殺さねぇといけねぇのに!」ギリッ
呉服屋の店主 「早くしろよあのバカ!!」
ザッザッザッ…
健利 「…お待たせしました 郁弥を連れてきました」
呉服屋の店主 「おせぇんだよこのバカ!なにやってたんだこのノロマ!!」
健利 「郁弥が暴れたので抑えてました それにまだ時間はありますよね」
呉服屋の店主 「時間あるないの問題じゃねぇんだよ!もうすぐで日付が変わっちまうんだからさっさとやらねぇと俺の能力が使えねぇんだよ!!」
健利 「左様でしたか」
郁弥 「…」ギロッ
呉服屋の店主 「っち!時間がねぇ…ほらさっさと来い殺人鬼が!」グイッ
郁弥 「ーっ…」グイッ!!ザザザッ 縄を引っ張られて連行される
人里の住民 「おい!来たぞ!」ガヤガヤ
人里の住民 「江西気郁弥だ!呉服屋の店主が連れてきたぞ!」
人里の住民 「やっと処刑される時が来たのね よかったわ…これでようやく安心ね」
呉服屋の店主 「えー…皆の衆 お待たせしました ただいまから江西気郁弥の処刑を行いたいと思う」
呉服屋の店主 「皆の衆もわかっていると思うがこの男は過去に人間、妖怪を何十という数を殺めてきた無差別殺人鬼」
呉服屋の店主 「この男が処刑されることに反するものは…いないよな?」
人里の住民 「あたりまえだろ!そいつは過去にいろんなやつを殺害してきたんだから反対するわけないだろ!」
人里の住民 「そうだそうだ!逆に早くそいつを殺せー!」
人里の住民 「殺人鬼を生かすな!早くこの世から消しされー!」
ワーワーギャーギャー!!!!
郁弥 「…」ギロッ
呉服屋の店主 「そうか…なら遠慮なく処刑できるな みんなが賛成なら江西気郁弥の処刑を行う」
呉服屋の店主 「では処刑方法だが、誰かに任せると人を殺したと認識してしまうと精神的にやられることがあるから俺の手で自らやりたいと思う!異論はあるか?」
人里の住民 「っえ!あんたが!?」
人里の住民 「それは構わねぇけど…でも、それを言ったらあんたが精神的にやられるんじゃ……」
呉服屋の店主 「誰かにやらせるくらいなら俺がやってこの男を処刑する それならお前らに精神的にやられることもないだろ?」
呉服屋の店主 「(まっもう俺は何十人も人や妖怪を殺してるから精神に異常なんて起きることないけどな!)」
人里の住民 「呉服屋さん…」
人里の住民 「…いいのか?あんたは自警団でもないのに、そんな役をやって?」
呉服屋の店主 「なぁに その心配はない この殺人鬼を処刑するために仕方なく!行ったことだと言えば納得してもらえるだろ」
呉服屋の店主 「それに自警団の奴らも人を殺したいとは思ってないはずだ 誰か別の人がこいつを処刑してくれるなら本望だろ」
人里の住民 「たしかにそうかもしれないが…」
人里の住民 「…わかりました ではその時に自警団の方たちになにか言われたら私たちも説得します!」
人里の住民 「そうだ!自警団がやりたくなかったことをこの方はやってくれるんだ!なら俺たちがこの方を守ればいいんだ!」
人里の住民 「たのむぜ呉服屋さん そいつの処刑をたのむ!」
人里の住民 「「殺せっ!殺せっ!処刑しろ!殺せっ!殺せっ!処刑しろ!」」
呉服屋の店主 「…わかった それじゃお前達の期待に応えて、俺の手でこいつを処刑する!」
人里の住民 「「オォーッ!!」」ザワザワ
呉服屋の店主 「健利 刀を持ってこい!」
健利 「…はい」タッタッタッ…スッ
呉服屋の店主 「ご苦労」カタッ…シャン!! 刀を鞘から抜き取り準備が整う
郁弥 「ーっ…」ブルブル…
呉服屋の店主 「健利 こいつに目隠ししろ」
健利 「…なぜ目隠しなんてする必要があるんですか?目隠しなんていらないかと思いますが」
呉服屋の店主 「最後に恐怖を抱かせながら殺すからだ そう簡単に処刑してはい終わりなんてさせねぇ」
呉服屋の店主 「散々悪事を働かせてきたんだ だから最後ぐらい罪を滅ぼすために罪を償ってもらう!」
健利 「………」
呉服屋の店主 「なにをしてる!早く目隠し付けろって言ってんだよ 聞こえないのか!」
健利 「…わかりました 今付けます」タッタッタッ…スッ ふろしきをどこからともなく取り出して郁弥の目元に持っていく
郁弥 「ーっ……」ブルブル…
健利 「…郁弥 付けるぞ」ヒソッ
郁弥 「ーっあ あぁ……」カチカチ… あまりの恐怖に歯と歯を叩かせて怯える
健利 「…」シュルシュル…キュッ 郁弥の目元にふろしきを縛って視界を塞ぐ
呉服屋の店主 「…よし ご苦労だったな 下がれ」
健利 「…はい」スゥ…
呉服屋の店主 「さぁ皆の衆!準備は整った 今この殺人鬼には光が届かない…すなわち、今この殺人鬼は絶望に落ちている!」
呉服屋の店主 「目隠しをされてなにをされるかも目視することができない 自分が殺される瞬間も見ることができない!」
呉服屋の店主 「これだけ絶望に陥れたら さぞかしこの殺人鬼も堪えるだろう!」
呉服屋の店主 「この殺人鬼に天誅を!」スゥ…スチャッ
人里の住民 「うぉー!殺れー!」ワーワー!!
人里の住民 「降り下ろせぇ!そいつを殺せぇ!!」ギャーギャー!!
人里の住民 「呉服屋さんやってー!」ガヤガヤ!!
健利 「ーっ…」スゥ… 自身の腰につけている刀に手を付ける
郁弥 「ーっ……」ガチガチ…
呉服屋の店主 「…死ね!!」シュンッ 上にあげていた刀を一気に郁弥の首元に目がけて降り下ろ…
…マスターッスパァァァク!!!!
マスタースパーク 「」バシュゥゥゥゥン!!!!!! 呉服屋の店主に向かって容赦なく飛んでいく
呉服屋の店主 「っ!? やばっ!!」バッ!!
シュウゥゥゥゥ!!!!!!… 呉服屋の店主は横に身を投げて避け、郁弥の頭上を通って木々に当たりボロボロになって消滅する
郁弥 「…っえ?」
魔理沙 「郁弥ー!!」ヒュー!! 箒を使って凄まじい速度で郁弥の元に駆けつける
郁弥 「っ! その声…まさか魔理沙!?」
呉服屋の店主 「くそっ!霧雨店の娘か 邪魔しやがって!」
キィンッ!!
咲夜 「…そして、時は動き出す」スタッ 時間を止めて呉服屋店主の背後に回り込む
呉服屋の店主 「っな!?紅魔館のメイド長…!」
咲夜 「奇術 ミスディレクション!!」シュシュシュシュシュン!!!!!! 無数のナイフを呉服屋の店主に目掛けて乱射する
呉服屋の店主 「やばっ!」ブンッ!!
ドスドスドスドスドスッ!!!!!! 無数のナイフは地面に刺さり、呉服屋の店主は身を横に投げて転がし全て避ける
咲夜 「避けられたか…まぁいいわ」
郁弥 「咲夜!?なっなんでここに!」
霊夢 「魔理沙と咲夜だけじゃないわ 神霊 夢想封印!!」ビュンッ!!!!
魔理沙 「郁弥!しっかり捕まってろ!」ガシッ 空を飛んで勢いある速度で郁弥を抱き抱える
郁弥 「っえ!?おっおう!」ギュッ
処刑台 「」グシャアァッ!!!!!! 夢想封印で処刑台をあとかたもなく崩壊する
人里の住民 「はっ博麗の巫女だ!!」ワーワー!!
人里の住民 「裏切り者の博麗の巫女が来たぞー!」キャーキャー!!
呉服屋の店主 「博麗の巫女まで来たか!なんてタイミングに…!!」
レミリア 「あら?私もいるのよ」スゥ… 空高く飛んで両手にグングニルを構え呉服屋店主に狙いを定める
呉服屋の店主 「っな!?こっ紅魔館の吸血鬼!?」
レミリア 「死ねぇ!!神槍 スピア・ザ・グングニル!!」ビュンビュン!!!!
呉服屋の店主 「ひぃぃっっ!!!!」ダッ!!
ダンダァァン!!!!!! 地面にスピア・ザ・グングニルが勢いよく刺さって地響きが広い範囲で鳴り響く
レミリア 「あらざんねん?当たらなかったわね まっ当てる気なかったけどね」ニヤッ
人里の住民 「こっ紅魔館の吸血鬼だ!紅魔館の吸血鬼まで現れたぞ!」
人里の住民 「うそだろ!?なんでこんな時に…!!」
自警団長 「うおぉぉお!!皆のもの かかれー!」
自警団員 「「おぉぉー!!!!」」ダダダダダッ!!!!!! 自警団長に命令されて霊夢たちに一斉に恐れることなく突っ込んでいく
呉服屋の店主 「おぉ!自警団共か いいぞ!奴らを捉えよ…」
美鈴 「させませんよ?」スッ… 自警団員の前に立ち塞がり現れる
自警団員 「っな!?あなたは紅魔館の門番…!」
美鈴 「ほあちゃー!」ブンッ!!
ドスバキベキィッ!!!!!!
自警団員 「「ぐはぁっ!!…」」バタンッ… 美鈴に殴られてその場に倒れ込んで気を失う
自警団員 「おっお前ら!?こっこの!」スチャッ 手に持っていた槍を構えて抵抗を…
美鈴 「下がった方がいいですよ 死にたくなければ…ね」
自警団員 「…なに?」
バサァッ!!!!
フラン 「…」バサッバサッ… 空を飛んで全員に見せつけるように姿を現す
呉服屋の店主 「っ!!? こっ紅魔の吸血鬼 妹のほう!!!?」
フラン 「…お姉さま ほんとにやっていいの?」
レミリア 「えぇ 好きなだけやりなさい」
レミリア 「ただし、他のやつには当てちゃダメよ?あのクズだけね」
フラン 「…あはっ!!」ニタァ
呉服屋の店主 「ひぃっ!!」ゾクッ!!
郁弥 「まっまて!今そいつを殺したら…!!」
魔理沙 「だいじょうぶだ そこは考えてるぜ」
郁弥 「…っえ?」
フラン 「あっはははは!!まさかお姉さまから殺していい許可が下りるなんて思ってもなかったわ!」
フラン 「それじゃ遠慮なく殺させてもらうわ!禁忌 レーヴァテイン!!」ボオォォォッ!!!!
呉服屋の店主 「ヒィィッ!!!!」ダッ!!
フラン 「きゃはははは!!まてまてー!一瞬にして殺してあげるから逃げないでよ!」バサァッ!!!! 素早い速度で呉服屋の店主の前に回り込む
呉服屋の店主 「っな!?」
呉服屋の店主 「(こっこいつ、一瞬にして目の前にーっ!!)」
フラン 「死ねぇ!」ブォンっ!! レーヴァテインを呉服屋の店主に目がけて振り付け…
シュボオォォォッ!!!!
フラン 「…っえ」
呉服屋の店主 「アチィィィィッ!!」メラメラ… フランのレーヴァテインが当たるものの、炎が服や髪に燃え移る程度で死に至るような攻撃は受けていない
人里の住民 「ごっ呉服屋さん!!」
自警団員 「いっ今助けに…!!」
美鈴 「させませんよ はぁ!」ゴスッ!!
自警団員 「ごふぅっ!!」バタンッ…
呉服屋の店主 「アチィっ!!アツイアツイアツイ!!アツイーッ!!!!」ゴロゴロ!! 地面に転がって服や髪に付いた火を消していく
フラン 「…なんで なんで殺す気でやったのに死なないの?ねぇなんでよ!!」ブォンっ!!
シュボオォォォッ!!!!
呉服屋の店主 「ギャアァァァっっ!!アチィィィィッ!!!!」メラメラ… 転がっているところにレーヴァテインをぶつけられるが先ほどと同様で致命傷のような傷は負わなく、多少服や髪に火が燃え移る
フラン 「なんでよ!なんであなた死なないのよ!バラバラになる程の力で切ってるのに!」
フラン 「絶対殺してやる!!」ブンブンブンッ!!!!
郁弥 「…どうなってんだ?なんでフラン…お嬢の攻撃が弱く、なってるのか?たしかフランお嬢の力は凄まじかったはず」
魔理沙 「あれだぜ 郁弥」スッ
郁弥 「っえ?」
パチュリー 「ーっ…」ヒュゥゥ… 物陰から魔法を唱えて呉服屋店主が死なない程度の防御魔法を展開させている
フラン 「ねぇなんで死なないの!早く死んでよ!!あなたつまらないわ!!」ブンブンブンッ!!!!
呉服屋の店主 「アァァー!!アァ熱い!!やめてくレェェー!!」メラメラ…
郁弥 「パチュリー…様?あそこでなにやってんだ?なんか魔法を唱えてるみたいだが」
魔理沙 「呉服屋の店主にある程度の防御魔法を張ってるんだ フランの攻撃をもろに受けないようにな」
郁弥 「…なんのために?たしかに今死なれるのは困るが、なにもそんな事しなくても…」
魔理沙 「私はあいつにも痛い目に遭ってもらわないと気が済まないんだ ただ捕まるだけなんてそんな楽な終わり方はさせないぜ!」
魔理沙 「だからあいつにはフランに攻撃される恐怖と体中に火が燃え移って熱い思いをさせてるんだ こうでもしないと痛みつける事は出来ないからな」
郁弥 「…そうか」
自警団長 「くそぉ!お前ら 槍を構えろ!やつらに一斉攻撃だぁぁ!!」
自警団員 「「おぉー!!」」スチャッ 槍を魔理沙たちに構えて立ち向かおうと…
慧音 「まて!そうはさせぬぞ!」ザッ!! 攻め込もうとする自警団員たちの前に立ち塞がる
自警団員 「っな!?けっ慧音さん!?」
自警団員 「なっなぜ慧音さんがここに!」
自警団長 「…けっ慧音さん まさか、あなたもそっち側に!?」
妹紅 「慧音だけじゃないぞ!行けお前ら 魔理沙たちを囲んで防衛しろ!」
自警団員(妹紅隊) 「「おぉー!!」」ダダダダダッ!!!!!!スチャッ 魔理沙たちの周りに張り付いて防御体制に入る
自警団員 「っな!?もっ妹紅さんまで!なぜみんなしてそっちに!!」
ルーミア 「のだー!!喰らえ クナイ弾幕なのだ!!」バシュシュシュシュン!!!!
自警団員 「ルーミア!?お前もそっち側か!」キキキキキキィン!!!! 槍でルーミアのクナイ弾幕を弾いて防ぐ
自警団員 「お前までそっち側に行くとは思わなかったな!だがお前ごとき、俺たちの敵では…!」
自警団長 「まて!今日は満月だ!妖怪にとって満月は…!!」
自警団員 「…っあ!?」ハッ
郁弥 「ルーミア!」
ルーミア 「のだー!郁弥はやらせないのだ!郁弥には恩があるのだ!」
ルーミア 「郁弥をやろうって言うなら私も本気出すのだー!」スゥ… 自分の頭に付けてるリボンに手をかける
霊夢 「ルーミア!?あんた、まさか!」
ルーミア 「…封印 解くのだー!!」プチッ
シュボォッッ!!!! ルーミアがリボンを取ると自分の周りが黒い球体に包み込まれる
人里の住民 「なっなんだ!?ルーミアが黒い球体を出したぞ!」
人里の住民 「ルーミアの本気って…一体、どうなるんだ!?」
自警団員 「ーっ…」ゴクッ…
郁弥 「…一体、なにが起きんだ?ルーミアが本気出すって」
魔理沙 「…まさか EXルーミアか?」
郁弥 「…っえ EXルーミア…?」
シュゥゥ…シュバンッ!!
EXルーミア 「…」フサァ… 黒い球体が弾け飛んで、中から大人びた金髪ロングの漆黒の翼を広げた女性が現れる
自警団長 「なっなんだ!?あの姿は!あれが、ルーミアなのか!?」
自警団員 「大人の…ルーミア……?」
霊夢 「…ルーミア あんた、それ使うのはダメだとあれほど…」
EXルーミア 「ごめんなさい霊夢さん でも使わざる得なかったの」
EXルーミア 「封印された状態では雑魚妖怪もいいところ 本領を発揮させることができないから封印を解かせてもらったわ」
EXルーミア 「私はあの人に借りがあるの 空腹で倒れていた私にご飯を提供してくれたの」
EXルーミア 「あの時…わたしはあの人からご飯をもらってなければ人間を食べてたところだった あなたから人間だけは食べるなと口酸っぱく言われていたのに…」
EXルーミア 「それを阻止してくれたあの人を見殺しになんてできない だから今回は許して?」
霊夢 「…仕方ないわね 今回だけよ」
EXルーミア 「ありがとう霊夢さん …さてと、おしゃべりもここまでにして わたしも本気であなた達を倒させてもらうわ!」ギロッ
EXルーミア 「普段のわたしと同じだと思わないことね 今の私は大妖怪と同じくらい強いわよ!」ヒュン…スチャッ!! どこからともなく大剣を出して手に取り、呉服屋の店主側に着いてる者に向ける
自警団員 「「っ!!!!」」ビクッ!!!!
フラン 「ーっ…!!」ガタガタ… EXルーミアの圧倒的な威圧感に押されて震えている
レミリア 「(…ウソでしょ?フランが震えてる……!?あの怖いもの知らずのフランが震えるなんて!!)」
パチュリー 「(…EXルーミア 情報によれば、ルーミアはかなり弱い妖怪だって聞いてたけど…あれは桁違いね さっきの姿とはまったく別物だわ)」
パチュリー 「(しかもあのフランまで怯えるなんて…相当強いわ!!)」
呉服屋の店主 「あちちちちっ!!くそぉ…てめぇ よくもこの俺様を痛みつけやがったなぁ!」プスプス…
呉服屋の店主 「こんなことして タダで済むと思うなよ!」ギロッ
健斗 「それはどうだろうな?ばかやろうが!」ザッ
健利 「まったく ほんとにクズ野郎だなあんた」健斗を裏から連れてきて一緒にみんなの前へ出てくる
呉服屋の店主 「っな!けっ健斗!?なっなんでお前、死んだはずじゃ!!」
人里の住民 「健斗!?お前生きてたのか!」
人里の住民 「あんた、たしか郁弥に殺されたって…」
健斗 「殺されてねぇよ 俺はこのばかやろうに存在を消されたんだよ!」
自警団員 「けっ消された!?」
健利 「そうだ 健斗は俺がこのばかやろうに命令されて消したんだ …表向きにはな」
健斗 「博麗の巫女にそのバカヤロウのことを話したことがバレてな 健利が助けてくれなければ俺は死んでたぜ」
自警団長 「呉服屋店主のことを話した…?一体、なんの話しをしたんだ」
健斗 「それは…」
俊 「呉服屋店主が特定した人物の記憶を書き換えることが出来る能力が使えることを話したんだ」ザッザッザッ 郁弥たちがいる方向から現れて、呉服屋の店主側にいる者たちを敵視する目で睨みつける
俊の手下 「「…」」スチャスチャッ 忍者刀を抜き呉服屋の店主側についてる者が襲ってきてもすぐに対処できるように戦闘態勢にはいる
呉服屋の店主 「っな!?おっお前ら!?」
自警団員 「あれは…呉服屋店主さんが雇ってた護衛人じゃないか!」
自警団員 「なっなんで郁弥たちのほうに!?」
魔理沙 「おまえ…なんでこっち側に?あいつに雇われてたんじゃないのか?」
俊 「雇われていたよ 雇われてはいたがあの男は金払うのを惜しんでな 払いたくないから俺たちの記憶を書き換えて払ったことにしてたんだ」
呉服屋の店主 「っ!!」ギクッ
俊 「最初の方は払ってくれていたんだがな…俺はちゃんとその日の出来事を記録する性格でな 記憶の中では払われてたんだが、記録した記録帳には払ってもらったことが書いてなかった」
俊 「俺が記録付け忘れたとは考えられなかったからすぐに調べたら…案の定、そいつは俺たちの記憶をいじってたんだ」
俊 「金払わないやつの護衛なんかしてなんの意味がある?そんなやつの護衛なんてしたくもない」スー…スチャ
俊 「今まで騙して金払わなかった分…払ってもらうぞ?もちろん 今さら金払って許されると思うなよ」チャキッ 忍者刀を構えて呉服屋の店主に睨みつける
呉服屋の店主 「くぅぅ…っ」ギリッ!!
人里の住民 「…おい 呉服屋店主さん…ほんとなのか?あんたが人の記憶を書き換えることが出来るって」
人里の住民 「自警団はおろか、慧音さんたちまで言ってんだぞ お前そんなことしてたのか!」
呉服屋の店主 「いっいやそんなことしてない!かっ考えてみろよ?俺がそんなことすると思うか?」
呉服屋の店主 「俺はみんなのためにいろんなことをしてきたじゃないか?他の店の経営を手伝ってやったり、支援援助だってしてやったじゃないか!」アタフタ
俊 「それはみんなの記憶を書き換えたからだろ?お前の記憶の中にはそんなことした記憶はない」
呉服屋の店主 「っ!!」ギクッ
レミリア 「…魔理沙 郁弥 今までのことをみんなに知らせなさい 今なら変えられるわ!」
郁弥 「っ!」
魔理沙 「わかったぜ おいみんな!」
全員 「「っ!!」」
魔理沙 「今から私たちの言うことを聞いてくれ 今から言うことは嘘偽りないぜ!」
魔理沙 「郁弥!言ってやれ!」
郁弥 「っ…みんな!聞いてくれ!」
郁弥 「俺は…ほんとは、俺は殺人鬼じゃないんだ!俺は誰一人、妖怪や人間を殺したことがない!!」
郁弥 「やってない証拠はないが、あるとしたらみんなの記憶を読み返して欲しい!」
郁弥 「今まで妖怪や人間が殺されたのは深夜 人里の中で殺されたと知られてるはずだ!」
郁弥 「夜は自警団が完全警備してるのにどうやって入る?自警団は俺を入れないために目を光らせてたはずだ!なのになぜ俺は入れた?」
郁弥 「空を飛べればいけたかもしれないが、生憎だが俺は空を飛べない!それはみんなも分かってるはずだ!」
郁弥 「魔理沙と組んだ話しも上がってるみたいだが魔理沙と組んだのだってその後のことだ!だから俺が人里の中に入って殺すことはできない!」
人里の住民 「っ! たったしかに…言われてみれば」
人里の住民 「今まで殺されたやつって里の中で殺されたよな 郁弥が外に逃げてから…」
人里の住民 「魔理沙と手を組んだって話しもその後からだったな だとしたら郁弥が殺したというのは無理がある」
人里の住民 「じゃあだとしたら最初に殺された黒田丈は郁弥じゃないのか?あの人なら殺すことはできるが…」
魔理沙 「だとしたらなんで郁弥は黒田丈を殺してから他の奴らも殺す必要があったんだ?黒田丈が殺されてすぐに他のやつも殺したならわかるが数日空けて殺す必要はなかっただろ」
魔理沙 「同じ日にまとめて殺されたなら黒田丈を殺害した現場を見られて巻き込んだというならわかるが、数日開けながら殺したらすぐに郁弥は捕まってるぜ」
人里の住民 「っあ…」ハッ
魔理沙 「さらに言うと健斗は郁弥に殺されたはずなのに生きてるぜ?なんで郁弥に殺されたはずのやつが今ここにいるんだ」
魔理沙 「健斗がどこで殺されたかは聞いてないがここに存在してる時点で郁弥が殺してないことは確かだ!」
魔理沙 「つまり黒田丈を殺したにしても数日空けて他の人間、妖怪を人里内で殺すのはおかしい 黒田丈を殺してから郁弥は追われる身になって人里から外に出た」
魔理沙 「外に出てからは昼間に人里に現れたと言う話しは上がってたけど、誰かが殺されたというのは全部夜の時間帯だけだった 夜は自警団の警備が万全で郁弥は中に入れない」
魔理沙 「私と組む前に殺してたから空は飛べない 人里の出入口も自警団が完全警備して入れない…これでもう郁弥が殺したなんて考えられない」
魔理沙 「最終的に健斗が殺されてない時点でもう郁弥の無罪は証明してる それに健斗自身も郁弥の無罪を主張してんだ!今言ったこと以外にまだおかしいところはあるか!」
人里の住民 「…」
人里の住民 「…ない、な……」
人里の住民 「…じゃあ やっぱり、今まで殺された奴らを殺したのって……!」
魔理沙&郁弥 「「そうだ!全部呉服屋の店主だ!!」」
全員 「「っ!!!!」」ザワッ!!!!
呉服屋の店主 「ーっ…!!」ギリッ!!
自警団長 「…呉服屋店主 ちょっと一緒に来てもらってもいいか?事情聴取をさせてもらいたい」
自警団員 「「…」」スチャスチャッ 槍を構えて呉服屋店主に威嚇行動を見せつける
レミリア 「どうやら形勢逆転のようね?哀れな人間よ 自分の地位を手に入れるために起こした行動が最終的には手放すことになるなんてね」
レミリア 「無様しか言いようがないわね 滑稽すぎて笑いも出ないわ」
呉服屋の店主 「…ははっ!滑稽だぁ?なにバカな事言ってんだおめぇは」
レミリア 「…あぁ?」ピクッ
呉服屋の店主 「俺様に対して、無様で滑稽だァ?っは!笑わせんじゃねぇよ まだこの状況を挽回できるんだよ!」ニヤリ
魔理沙 「…なに?」
呉服屋の店主 「俺の能力は満月の夜に特定した人物の記憶を変えることが出来るんだ 今ここで全員分の記憶を変えちまえばいいだけのこと!」
呉服屋の店主 「一回につきひとりしか変えられないが俺の存在を変えちまえばいいだけの話 そうすれば俺は罪を逃れられる!」
呉服屋の店主 「もうすぐで日付けが変わる!その時に俺の能力が発動する条件が揃うんだ!」
呉服屋の店主 「日付けが変わった瞬間お前らの記憶を書き換えれば 俺の悪事が暴露されなかったことになる!そうすれば俺はまた称えられるようになるんだよ!!」
慧音 「なんだと!?」
妹紅 「こいつ!まだ悪い足掻きを!」
呉服屋の店主 「あっははははは!!まだ運は俺についてたみたいだな!こんな状況になっても挽回できるなんて!」
呉服屋の店主 「さぁこれで終わりだ?もう一度お前らの記憶を書き換えてやるぜ!」バァン!!!! 上空に広範囲などデカい魔法陣が店主を中心点にして現れる
自警団員 「なっなんだ!?この魔法陣は!」
パチュリー 「…この魔法陣 記憶操作系ね しかもかなり強力なものね」
パチュリー 「(これだけの力なら多くの人数の記憶を書き換えるのも容易いわね まさかこんな凡人がここまで強力な魔法を使えるなんて…)」
パチュリー 「(【…でも、その魔法を使うのは予想済み 郁弥…やるなら今よ!】)」
呉服屋の店主 「じゃあな!お前らの記憶を全て書き換えてやるぜ!」キィィン!!!! 魔法陣が光出してみんなの記憶を書き換えようと…
魔理沙 「そうはさせな…」スッ 八卦炉を構えて店主に打とうと…
郁弥 「…待ってたよ その時を!」
魔理沙 「…っえ」
郁弥 「【永久無効 代償束縛!!】」キィン
バアァァァンッッ!!!!!! 店主が作り出した魔法陣を覆うように郁弥が作り出した魔法陣が展開する
呉服屋の店主 「っな!?まっ魔法陣!?」
慧音 「これは…郁弥が出したのか?だが郁弥は魔法は使えないはず…」
魔理沙 「…郁弥 お前…この魔法って」
郁弥 「…パチュリー様に教えてもらった魔法だ 魔力を持たない俺が魔法を使うことができる 唯一の魔法だ!」
郁弥 「相手の能力を一生封じることが出来る超強力な魔法だ …代償を払ってな」
魔理沙 「……だいっしょう…?」
郁弥 「呉服屋 お前の野望もここまでだ 俺は自分の能力を犠牲にしてお前の能力を封じさせてもらうぜ!」
呉服屋の店主 「っな!なんだと!?」
呉服屋の店主 「(バカな!こんなっこんなことが、起きるなんて!!ありえない!!)」
呉服屋の店主 「(郁弥がこんな魔法を使えるなんてありえない!!こんなことが起きるなんて、ありえない!!)」
呉服屋の店主 「(俺が…俺の野望が……俺の野望を叶えるのを、邪魔されるなんて!!)」
郁弥 「…じゃあな 今後の人生、有意義に楽しくな!」ニヤッ
郁弥 「【能力束縛!!】」キィン!!!!
魔法陣 「」ジャラジャラジャラジャラ!!!!!! 郁弥が作り出した魔法陣から鎖が出てきて呉服屋の魔法陣を縛り付けるように覆いまくる
自警団員 「おぉ!呉服屋の作った魔法陣に鎖が!」
EXルーミア 「…これで終わるのね 上手くいったようね」
霊夢 「…そうね これで終わりよ」
呉服屋の店主 「やめろぉお!!俺の、俺の能力を封じるな!!たのむからやめてくれぇぇー!!」
呉服屋の店主 「この能力がなくなったら俺は、俺はもう…生きていけなくなってしまう!!だから封じないでくれ!!」
郁弥 「…なにいってんだ?おまえ 今更命乞いか?」
郁弥 「わるいけど俺はお前を許す気はない 俺だけじゃなく、他のみんなも許す気はないだろうな」
郁弥 「一生牢屋に入れられて反省するんだな 処刑されて楽になろうなんて甘い考えを抱くんじゃねぇぞ!」
郁弥 「【能力封印!!】」ギュッ!!
バリィィィィン!!!!!!… 二つの魔法陣が同時に粉々に割れて雪のような破片が散りばめられて落ちてくる
呉服屋の店主 「あぁぁーっっ!!!!おっおれの…俺の、能力がぁ……!!」ガクッ…
郁弥 「…これで、ほんとに終わったな……よかった………っ」フラ…
ドサッ…
魔理沙 「郁弥!!」
パチュリー 「だいじょうぶよ 魔力を持たない人間が魔法を使ったから体力が一気に消耗して気を失っただけよ」ヒュー…スタッ
魔理沙 「パチュリー!郁弥になにを教えたんだ!自分の能力を犠牲にするって言ってたが!」
パチュリー 「それは…」
咲夜 「ふたりとも、その話は後よ 早く郁弥を休ませてあげましょう」
魔理沙 「…そうだな とりあえず休ませないとな…っと!」ヨット 郁弥をおぶさる
慧音 「とりあえずはわたしの家で休ませてあげてくれ ここから一番近い家はわたしの家だ」
慧音 「布団などは使っていいから早く休ませてあげてくれ …あとの始末は私がしておく」
魔理沙 「わるいがそうさせてもらうぜ …たのむ あいつをぜったい許さないでくれ!」
慧音 「わかっておる 安心してくれ」
魔理沙 「…ありがとな」
ザッザッザッ…
慧音 「…さてと、郁弥は平気として」ギロッ
自警団員 「…呉服屋 ついてこい お前を連行する」
呉服屋の店主 「………」
自警団員 「黙ってねぇでさっさと立て もうお前は牢屋行きなんだからよ」
呉服屋の店主 「………」
人里の住民 「このやろう!よくも俺たちを騙してやがったな!!」
人里の住民 「この恥さらしもんが!さっさと処刑されろー!!」ブンッ!!
ビシッ!!
呉服屋の店主 「………」ツー… 額に石をぶつけられて血が流れ出る
人里の住民たち 「「しねぇ!しんじまえぇ!!殺されろー!!」」ワーワー!!!!
呉服屋の店主 「………」ビシビシッバシッビスッ!!!!
慧音 「…ーっ皆の者やめい!!」
全員 「「っ!!」」ビタッ
呉服屋の店主 「………」ダラダラ…
慧音 「…呉服屋 お前の悪事はとてもじゃないが許されることではない それはお主自身、一番わかってることだろう」
慧音 「私自身もお前を助けようとなんて微塵たりとも思ってない 逆に今すぐ処刑したいぐらいだ!」ギロッ
ザワッ!!
人里の住民 「ちょっ!慧音さん!?」
人里の住民 「慧音さんそれはまずいですよ!あなたが処刑なんてしたら…」
人里の住民 「慧音さん落ち着いてください!」
慧音 「安心しろ こいつを処刑する気なんてないから心配するな 処刑して楽にさせようなんて思っていない」
慧音 「…呉服屋 お前には私直々に罰を与える 処刑されないだけマシだと思え」
慧音 「お前には死ぬまで過酷な労働を義務付ける 牢屋内で皆の生活のために必要とする物を主に作ってもらう」
慧音 「もちろん手抜きなどしたら休憩や飯は抜きにする!お前は死刑囚だからな お前が死んだところでだれも文句は言わない」
呉服屋の店主 「………」
慧音 「自警団のみんな すまんがこのバカを牢屋に放り投げといてくれ 暴れたりしたら容赦なく痛みつけて構わん」
自警団員 「わかりました」
自警団員 「ほら行くぞ!」ガシッ
呉服屋の店主 「……」
ザッザッザッ…
慧音 「…」
俊 「…あなたらしくないですね みなさんの前で処刑したいだなんて」
俊 「皆さんから信頼されてるあなたがそのような言葉を使うのはいささかどうかと思います あなたの気持ちもわからなくはないですが」
慧音 「…それで信頼が落ちるようなら私もそこまでの信頼だったということだ 信頼が落ちてもわたしはあの者を許すことはできない」
慧音 「今まで辛い思いをしてた郁弥を助けられなかったのだ 過去に親が妖怪に殺されて、さらに呉服屋に悪いように使われたんだ…」
慧音 「そんな辛い思いをしてた者を一人守れないようじゃ それこそ信頼にかける…私が呉服屋を処刑したいとみんなに言う以上にな」
俊 「…」
慧音 「皆が私のこと失望したと思うものがいるならば思ってくれても構わない 先程の言葉を前言撤回するつもりはない」
慧音 「わたしはあの者だけは絶対許せない 人を殺しておいてその罪を郁弥に全て押し付けたのだ 郁弥はなにもしていないのに今のいままでいろんな者から追いかけられていた」
慧音 「わたしはそれに気づいていたのに助けれなかった…逆に私が助けられてしまった 里親の代わりをしてくれた恩人だからと言って、私にまで被害が及ばないよう郁弥は自ら離れていったのだ……」
慧音 「…ほんとに郁弥は優しい子だ 過去に親が妖怪に殺されているにも関わらず、全部の妖怪がそうじゃないと言って妖怪に対しても優しくする…普通あり得るか?親が妖怪に殺されているんだぞ 普通のやつならすべての妖怪を恨むのにあの者はそれをしなかった」
慧音 「あんなにもいい子に育ってくれて私は心底良かったと思っている 間違った道に足を踏み入れなくてほんとによかった!」
俊 「…っふ!たしかにそうですね あの子がいい子に育ってくれてよかったですね」
慧音 「あぁ!まったくだ」
慧音 「…さて、と」スゥ…
全員 「「…」」慧音に目線を向けて鋭い眼差しをぶつけている
慧音 「…皆の者、今回の騒動に関しては本当にすまなかった わたしが対処に遅れたばかりに起きた騒動だ 迷惑かけた詫びは必ずする」
慧音 「それと改めて言うが郁弥は殺人鬼ではない 今まで呉服屋のバカのせいで皆の記憶を弄られて自分の都合がいいようにしていた事をもう一度説明しておく」
慧音 「あのバカの刑罰だが当然処刑が普通だ …だが、それでは楽に死なせてしまうことになる」
慧音 「あの者は散々悪事を働かせていたんだ その罪を晴すことは到底不可能だが、永久的に牢屋に閉じ込めて みなの役に立つような物を作らせようと思う」
慧音 「異論は認めない わたしが決めた決定事項だ!それ以外の罰は認めない!」
人里の住民 「「…」」
慧音 「…わがままですまない そして皆の期待を裏切ることをしてほんとに申しわけない」
慧音 「皆が私を信頼していたのに…わたしは期待を裏切ることをしてしまった そのことに関しては深く謝罪する」
慧音 「もちろんこれで信頼を取り戻そうとなんて思ってない 失望したと思うなら思ったままで構わない このようなことを謝罪一つである済まそうなんてあまい考えだ」
慧音 「…ほんとに、すまない」スッ 頭を下げて深々と里の人達に謝罪する
人里の住民 「…慧音さん……」
霊夢 「…」
慧音 「…すまんが先に家に帰らせてもらう 郁弥の容態が心配だ」スッ
慧音 「霊夢、レミリア それにみんな…ほんとにありがとう 郁弥を救ってくれて 後日、私の用意できる範囲での礼をする」
慧音 「大した礼は出来ないが郁弥を救ってくれた気持ちだと思って受け取ってほしい 今回の件と比例しないかもしれないが…」
レミリア 「…そうね それじゃ楽しみにしてるわ あなたの精一杯なお礼をね?」ニコッ
霊夢 「私もなんでもいいわよ 礼なんて気持ちなんだし」
慧音 「…ありがとう」
…
慧音の家
郁弥 「すぅ…すぅ……」布団に寝かされている
魔理沙 「…」
郁弥 『相手の能力を一生封じることが出来る超強力な魔法だ …代償を払ってな』
郁弥 『お前の野望もここまでだ 俺は自分の能力を【犠牲】にしてお前の能力を封じさせてもらうぜ!』
魔理沙 「(…郁弥は自分の能力を犠牲にしたと言ってたな 本来なら魔法を使うことができない郁弥がパチュリーから教えてもらった魔法だと言ってた)」
魔理沙 「(あのバカの能力を封じるために自分の能力を犠牲にしてあいつの悪事を止めた 自分を犠牲にして……)」
魔理沙 「…情けないぜ 私は郁弥の彼女なのになにもできなかった みんなを説得することしかできなかった……」ググッ…
魔理沙 「郁弥は死ぬ気でやってたっていうのに…わたしは魔法が使えるのに、なんで私が使わなかったんだ あの術式ならすぐにかけたのに……」
魔理沙 「わたしがあの魔法使えば…郁弥は能力を犠牲にせずに済んだかもしれないのに 私の判断が遅れたせいで郁弥は……」
魔理沙 「……ごめん郁弥 ほんとに、ごめん」
郁弥 「すぅ…すぅ……」
…
夜更け…
郁弥 「…っん」スゥ…
郁弥 「…あれ ここは…?」
魔理沙 「すぅ…すぅ……」体育座りして郁弥の横で寝ている
慧音 「すー…すー……」壁に寄りかかりながら寝ている
郁弥 「…魔理沙に慧音さん この内装、慧音さんの家か…」
郁弥 「(そうだ おれ魔法を使った反動で気を失ったんだ 自分の能力を犠牲にして……)」
郁弥 「(…情けないな 魔法を使っただけで気絶するなんて しかも魔理沙の前で気を失うなんて恥ずかしったらありゃしない)」
郁弥 「(…でもあのバカの野望を封じることができたんだ これでようやく俺はみんなから追いかけられることはなくなったんだ)」
郁弥 「(…みんなにはほんとに感謝しないとな みんなのおかげで俺の誤解が解けたんだ ほんとに、感謝しきれない…!)」
魔理沙 「…っん」スゥ…
郁弥 「っん 魔理沙」
魔理沙 「…郁弥?気がついたのか!?」
郁弥 「あぁ ちょっと長い時間寝てたみたいだが今起きたよ 起きるのが遅くなってわるいな」
魔理沙 「ーっ…ふみや!!」ガバッ!!
郁弥 「うぉっと!」
魔理沙 「よかった…やっと起きたんだな 全然起きないから心配してたんぞ!」ツツー…
魔理沙 「魔力を持たないやつが魔法使うとどうなるか分からないからほんとに……!」ポタッポタッ…
郁弥 「魔理沙……」
郁弥 「…ごめんな心配させて でもちゃんと起きれたから許してくれ」ナデナデ
魔理沙 「…うん」グスッ
郁弥 「…なぁ魔理沙 あのバカはどうなったんだ?処刑はされてないよな」
魔理沙 「処刑はされてないぜ 慧音が直々に奴の刑罰は一生牢屋でみんなが生活に役立つようなものを作らせる罰にしたと言ってたぜ」
郁弥 「…そうか ならよかった」
郁弥 「(一生牢屋で労働か…妥当な罰だな すぐに処刑されて楽になるよりかはそっちの方がいいな)」
郁弥 「(これ以上恨んでも仕方ないよな 恨んだところでもうあいつは外に出ることはないんだ もう恨む必要はない…)」
郁弥 「(…ほんとに、よかった)」
魔理沙 「…なぁ郁弥 これで、終わったんだよな もう追いかけられることはないよな?」
郁弥 「あぁ もう追いかけられることはないよ みんなのおかげで俺の誤解が解けたんだ」
郁弥 「ほんとみんなには感謝してるよ 俺一人じゃどうしようもできなかったほんとに…生きてまた元の生活に戻れるなんて思ってなかった」
魔理沙 「…そうだな わたしもこれからは郁弥と一緒に安心して暮らしていけるからよかったぜ」
郁弥 「おれもだよ これからは安心して一緒に暮らせるな!」
郁弥 「近いうちにみんなにもお礼回りしないとな 大変だが生活が安定したらそれなりのものを用意しないと」
魔理沙 「そうだな みんなにも手伝ってもらったからな」
郁弥 「…なぁ魔理沙 たしかお前の親父さんって人里で働いてる霧雨店の店主だったよな」
魔理沙 「? あぁそうだぜ 親父とは絶縁状態だけどな」
郁弥 「生活が安定したらさ 挨拶しに行こうと思ってるんだが…ダメかな?」
魔理沙 「…っえ それって……!(まさか!)」ドクンッ
郁弥 「今すぐじゃないぞ ちゃんと俺も働いて魔理沙を養える程の稼ぎで安定してきたら挨拶しに行くつもりだ」
郁弥 「いくら絶縁状態とはいえ、魔理沙の親父さんには違いない あいさつをしないわけにはいかないからな!」
魔理沙 「ーっふみや…!」///パァァ
郁弥 「その時はさ …一緒に、挨拶にいこうな?結婚することを知らせるために!」
魔理沙 「ーっあぁ!」
郁弥 「…っと そうだ?ひとつやらないといけないことがあったな」
魔理沙 「? なんだ?」
郁弥 「朝じゃないけど 起きたら一番にやることと言えば!」スッ…
魔理沙 「あっ……」///
チュッ…
魔理沙 「…」///
郁弥 「…おはよ 魔理沙!」
魔理沙 「…ずっずるいぜ 不意打ちすぎるよ……」///カァァ…
郁弥 「でも紅魔館で働いてたときは毎朝してただろ?初めてキスしてからずっと」
魔理沙 「そうだけどよ…」///
郁弥 「照れてる魔理沙かわいいなぁ!やっぱり魔理沙は世界一かわいいな!」ナデナデ
魔理沙 「それは当たり前だろ?わたしはお前の彼女…じゃない」
魔理沙 「…おっお嫁さんなんだから……」///カァァ…
郁弥 「っ…」///ドキッ
魔理沙 「……なっなぁ郁弥 その、だな もし嫌じゃなければさ」///
魔理沙 「すっすこしだけ、イチャつかないか…?」///ドキドキ
郁弥 「…っえ こっここでか?」///
魔理沙 「あっあぁ…その、やっとお前と本気で愛し合えると思ったら その、少しでもいいから……」///プシュー…
郁弥 「…でっでも、隣には慧音が……」///アセアセ
魔理沙 「大きい声出さなければ平気だぜ だから…」///
郁弥 「ーっ…」///チラッ
慧音 「すぅ…すぅ……」
郁弥 「…すっすこしだけだぞ?ほんとに、すこしだけ……」///
魔理沙 「あぁ…」///
郁弥 「(とっとりあえず最初は抱きしめてやるか さすがに初っ端からキスするのは順序的に変だもんな 起きた時とは別に)」///アタフタ
郁弥 「(いやもう抱きしめてるか 魔理沙からだが抱きついてきたからそのまま抱いちまったが)」///
郁弥 「(…もっもうすこし強く抱きしめるか)」///ギュッ…
魔理沙 「っん…」///トクン…
郁弥 「(いっ痛くないように強すぎず そして優しく撫でて…)」///ナデナデ
魔理沙 「〜♡」///ワシャワシャ
郁弥 「…どうだ?魔理沙 気持ちいいか?」
魔理沙 「あぁ…もっと撫でてくれ もっとお前の温もりを感じたい」///
郁弥 「わ、わかった」
イチャイチャ…
慧音 「…」/// フミヤモットー…♡
慧音 「(こっこのふたりは私の家でなにをしてるんだ!なにやら話し声がすると思って目を覚ましてみれば!)」/// オッオウ!
慧音 「(これでは起きるに起きれん…だが、今起きなければもっと激しくなるかもしれない おっ起きた方がいいか?)」/// アァー…キモチィィイゼ
慧音 「(…いや、今この状況で起きたら ふたりが愛し合ってるのにそれを邪魔をするのもわるい やっとの思いでふたりの時間ができたんだ それに水を差すのは野暮だ)」 ナァフミヤ ソロソロシタインダガ…イイカナ?
慧音 「(…だが、この状況で狸寝入りを続けるのもつらい やっぱりこれ以上激しくならないうちに起きた方が…)」 …ワカッタ
チュッ…
慧音 「っ!」///ビクッ
慧音 「(なっ…なんだ 今の、唇と唇が触れ合ったかのような音は!)」///
慧音 「(もっもしかして…今、あの者たちは接吻してるのか!?私の寝てる目の前で!?)」///
慧音 「(やっやはりこれ以上は止めさせなくては!わたしの家で一線なんてされたら…!!)」///
んんっ…ん!
慧音 「ーっ…」///
慧音 「(おっ…起きれん 今ここで目を覚ましても空気が重くなる そうなったら私が悪いみたいになる)」///
慧音 「(というか昨夜は満月だったから正直、こういう声を聞いてると身体が……)」///ウズウズ…
ひゃあっ!!!?
慧音 「っ!」///ドキッ
まっまてふみや!おちつけ!
さすがに首に跡をつけるのはやめろ!誰かに見られたら…!!
チュゥゥ…
こっこら!無言で吸い続けるのやめろ!お前は吸血鬼か!
慧音 「っっっ……!!」///プルプル… マジデヤメロッテ!コンナアト、ダレカニミラレタラ!!
慧音 「(くっ首元に接吻跡を付けるとは…郁弥 お前どこでそんな知識を!)」///オレノアトダトジマンゲニイッテクレヨ オレハコンナニモマリサヲアイシテルゾッテイミダト
慧音 「(魔理沙も口では嫌がっているが内心、まんざらでもない感じが……)」///ハズカシクテイエルカソンナコト!タシカニオマエノアトダトオモウトウレシイケド…
きゃぁ!!ドサッ
慧音 「っ!」///
ちょっふみや おまえ……
ーっ…ごっごめん つい…
……いいぜ 来てくれ
…っえ でっでも……
もうガマンすることないだろ?…いいよ
まりさ…
…たっただ、優しくしてくれよ?痛くしたら ゆるさないからな
…なっなるべくがんばるよ ぜったいとは言えないけど…
多少は私もがまんするから …一緒に、気持ちよくなろうぜ?
っ! …そっその顔反則だよ
魔理沙……
あっ……
慧音 「ーっもうガマンできるかー!!」///ガバッ!!
郁弥 「うぉっ!?けっ慧音さん!?」ビクッ!! 魔理沙を押し倒してキスしようとしていた
魔理沙 「けっ慧音!お前起きて!?」///郁弥に押し倒されて気持ちよくしてもらおうとしていた
慧音 「おぉお主ら!わたしの家でイチャつくとは何事だ!しっしかも私が寝てる真横で!」///
慧音 「途中から目を覚まして起きたら悪いだろうと思って狸寝入りをしていれば どんどんヒートアップしていきおって!」///
郁弥 「あぁいや!その、そんなヒートアップなんて……」アタフタ
慧音 「していたであろう!現に押し倒してる時点で興奮してるだろ!」///
郁弥 「そっそんなことは……」トオイメ
慧音 「魔理沙!お前もおまえで受け入れようとするな!ここは私の家だぞ!」///
慧音 「他人の家でしようとなんてするな!するなら自分たちの家でしろ!」///
魔理沙 「はっはい……」///プシュー…
慧音 「まったく…とっとにかくだ 今日はもう寝てくれ これ以上されても私がこまる!」///
慧音 「もしくは今からでも帰って家ですると言うならそれはそれで構わないが…」///
郁弥 「……いや おとなしく寝ます」
魔理沙 「おなじく寝るぜ 今ここで帰っても そっそういうことをするために帰ったってわかられてるから…その……」///カァァ
慧音 「わ、わかった それじゃおとなしく寝てくれ(まぁそうだよな ふつうはそうするよな 今ここで帰られても私もこまるが…帰った理由がわかってるきら)」///
郁弥 「それじゃおやすみなさい慧音さん 今日はすみませんが泊まらせてもらいます」
魔理沙 「わっわたしも泊まるぜ…」///プシュー…
慧音 「うむ 了解した」
○月✕日 江西気郁弥の無差別殺人鬼誤解騒動は幕を閉じた
江西気郁弥は約一年間の逃亡から魔理沙たちのおかげで誤解を解き、みんなから追われることはなくなった
郁弥は改めて助かったと思った そして改めて魔理沙たちと出会ってよかったと思った
もしあっていなければ今ごろ、郁弥はもっと遠くに逃げていたか もしくは捕まって殺されていたか…はたまた、どこかで野垂れ死んでいたことか
そうなれば郁弥はいつまでも誤解されたまま永遠に人里の記憶に刻まれてしまっていた…それだけではない もし解けていなければ、あの呉服屋の店主だってさらに悪事を働かせていたに違いない
それだけはどうしても避けたかった 奴の思い通りにだけはしたくなかった もし魔理沙達に合っていなければ、郁弥は奴を殺して自害していた…それだけは確実だった
だが魔理沙と出会い 紅魔館で働き住まうことになってからはその考え方は少し変わった 郁弥が死ぬことには違いないがパチュリーに魔法を使うことができない郁弥に代償を払うことによって、魔法を使うことができない郁弥でも使うことができ、なお一般の魔法よりもより強力な魔法を教えてもらった
これを使えば奴の能力を封じることができる…奴がなにかしてから記憶を変えようと思って能力を使おうとしても能力が使えなければ 奴の悪事が人里内に漏れる
そうなれば奴も捕まり処刑は免れない そして上手くいけば魔理沙たちの誤解も解ける…慧音さんがみんなに説明してくれれば皆も納得するはず だからそういう策も考えていた
…だが、魔理沙たちは優しかった 郁弥が死ぬのを許可してくれなかった 郁弥だって最初はみんなと一緒に生きて誤解を解くことを考えていた…でも、捕まったときにはもう終わったと思っていた
捕まればもう助からない…処刑は免れないとわかっていたからだ 魔理沙たちは捕まらなかったから、魔理沙たちは助かると思っていた だから郁弥は自分を犠牲にして呉服屋の店主と一緒に死のうとしていた
だが魔理沙はそんな絶望に落ちていた郁弥を助けに来た 絶対見捨てようとせず、死ぬ気で郁弥を助けに来てしまった
もう少しで魔理沙たちだけでも助けられたのに 魔理沙たちが来てしまったことによって助けられなくなってしまった…でも、助けに来てくれてほんとに嬉しかった
切り捨てられて死ぬより、みんなに見られながら死ねるなんて贅沢にも程がある…だが、郁弥は最後の最後で希望が湧き出た
みんなが来てくれた…郁弥を助けに来てくれた 助けに来てくれてほんとに嬉しかった ほんとに優しかった…そう何度も心の中で叫んだ だからみんなと生きる希望を拾い上げた
みんなが来てしまっては仕方ない 生きる希望を拾い上げた郁弥はみんなの前で、魔理沙の前で魔法を見せびらかした 呉服屋の店主を陥れるために!
その結果、郁弥は生きている 魔理沙も生きている 死んだやつはいない…みんな生きて生還できた ほんとに…顔には出ていないが心の中で涙が流れた 心から溢れかえりそうになっていた
能力は代償を払い使えなくなってしまったがそれでも生きている…生きているなら能力が失ったくらいどうでもいい また魔理沙と一緒に過ごせるんだ これ以上に嬉しいことはなかった
追われなくなった郁弥は人里に戻ろうと…はせず、魔法の森に建てていた自分の家に住まうことにした 別に戻ってもよかったのだが、なんとなく戻る気にはならなかった
逃亡してから今まで過ごしてきた家、慣れた土地感 魔理沙と過ごした家…そんな家を手放したくなかった
だから郁弥は人里に戻らなかった 魔理沙も自分の家にはたまに帰って自分の荷物を取りに行くぐらいで寝泊まりは郁弥の家でした
魔理沙自身も郁弥と本格的に恋愛することができて嬉しかった しかも結婚することも決めているからなおのこと嬉しかった!
郁弥と会う前は今まで誰かと恋をするなんて思っていなかった 男の知り合いと言ったら霖之助ぐらいしかいなかったから恋なんて無縁だと思っていた
…でも郁弥と会ってからは恋心を抱いた 最初は本屋で盗みをしようとした時に助けられたからその恩を返すために追いかけられていた郁弥を里から連れ出して逃がした
そこからは異変が起こってるなんて聞いてなかったから調べはじめて なぜか放っておけなくて調べていたらいつの間にか郁弥の家に泊まり込んでいた
なぜそうなったかはわからない…だがなんとなく 郁弥は安全だと思ったのは違いない
殺人鬼にしては優しすぎるし、なによりわたしの心配を優先に考えていてくれた
俺は殺人鬼だから関わってると死ぬぞ…と そう何度も私に言い聞かせていた
それでも私は一緒にいた なぜ一緒にいたかはわからない 私にもわからなかった 最初は郁弥といるとなんかおもしろくて離れたくないと思っていた
…だけどそれは間違いだった いや、間違いではないけど少し違っていた
その時の私はもう…郁弥のことが好きだったんだ 今だからこそわかる!
…それから数ヶ月後 郁弥は過去の知識を活かして再び呉服屋で働いていた
もうあいつはいないから普通に働くことができた 呉服屋は意外に収入が良くて生活を安定するのには十分なくらいの金額を得ることができた
魔理沙は家で家事などをして郁弥の帰りを待っている よく外に出ているが郁弥が帰る時間帯には家で出迎えている
郁弥がただいまと言えば、魔理沙はおかえりと言ってくれる…郁弥はほんとに幸せだなと思った
生活が安定してきた頃、郁弥は魔理沙を連れて霧雨店に足を踏み入れた ご両親に挨拶するためだ
最初は魔理沙が帰ってきたことに親父さんは目を大きく開かせて驚いていたがすぐに表情を鋭くさせて郁弥を見つめた
見つめられた郁弥は一礼をして、魔理沙の親父さんに頭を下げた 親父さんも何用で来たのかを把握し、二人をすぐ店裏へと案内させた
客間
霧雨(親父) 「…」
郁弥 「…」
魔理沙 「…」
スーッ…
使い人 「失礼します お茶をお持ち致しました」
霧雨(親父) 「…入れ」
使い人 「失礼致します」スクッ タッタッタッ…
霧雨(親父) 「…」コトッ
魔理沙 「…」コトッ
郁弥 「…どうも」コトッ
使い人 「それでは失礼致します」
スーッ…ストンッ
霧雨(親父) 「…」
魔理沙 「…」
郁弥 「ーっ…魔理沙の親父さん 今日はお忙しい中、時間を下さりありがとうございます 本日、ここへ来た理由と致しましては…」
霧雨(親父) 「堅苦しい話し方はやめろ 話しづらい」
郁弥 「…っえ あっはい」キョトンッ
魔理沙 「…おやじ?」
霧雨(親父) 「…江西気 郁弥」
郁弥 「っ! はっはい!」ビクッ
霧雨(親父) 「…お前のことはよく聞いている 今まで辛い思いをしてきたにも関わらず、よく生きていたな」
霧雨(親父) 「しかも!まさか魔理沙とお前が付き合うとは思いもしなかった 追いかけられてる身の時も魔理沙と暮らしていたみたいだが?」
郁弥 「っえ あっえと…はい 数ヶ月間、自分の家で一緒に住んでいました」
霧雨(親父) 「今もか?」
郁弥 「はい 今も自分の家で一緒に暮らしています」
霧雨(親父) 「…そうか」
魔理沙 「…親父 さっきからなにを?」
霧雨(親父) 「…魔理沙 わたしは、お前のようなやつを嫁にしてくれるやつがいるとは思ってもいなかった」
霧雨(親父) 「この家を出てから異変解決だの魔法研究だの、さらには盗みをするという話しを聞くばかりでほんっとに!ろくでもない娘を産んでしまったと思った」
霧雨(親父) 「霧雨家を恥さらしにしたお前がほんとに私は大っ嫌いだった 二度と顔を見たくないほどにな!」
魔理沙 「ーっ…」ギリッ
郁弥 「…親父さん それは今、自分の前で言うことですか?俺はそんな話をしに来たわけじゃ…」
霧雨(親父) 「だからもう二度とここへは来るな 私の前に二度と顔を現すな!」
霧雨(親父) 「【ふたりで幸せにやっていけ 結婚でもなんでも好きにするがいい】」
魔理沙 「っ!」
郁弥 「おっ親父さん……」
霧雨(親父) 「…江西気郁弥 こんな娘だが、どうか」スッ…
霧雨(親父) 「よろしく 見てやってくれ」スゥ… 礼儀正しく、両手を揃えて土下座をしてお願いする
魔理沙 「ーっ…おやじぃ……!!」ツツー…
郁弥 「ーっはい!かならず幸せにしてみせます!」
霧雨(親父) 「…出ていけ」ツツー…
郁弥 「はい ありがとうございます!」
郁弥 「行くぞ魔理沙!」スクッ
魔理沙 「ーっあぁ!」グシッ
タッタッタッ!!
魔理沙 「…親父 今までありがとな」
霧雨(親父) 「…早く出ていけ!」ポタッポタッ…
魔理沙 「…あぁ」
タッタッタッ…
霧雨(親父) 「ーっこの、バカ娘が…!今まで苦労させて……!!」ポタッポタッ…
霧雨(親父) 「…ちゃんと、幸せに暮らしていくんだぞ……!」ツツー…
…一ヶ月後
博麗神社
ガヤガヤ…
文 「いやー これは大スクープですよ!大スクープ!!早く準備しなくては!」カチャカチャ… にとりに作ってもらったビデオカメラを何台も設置して準備してる
はたて 「あんた…さすがに多いんじゃないの?なにもそこまで用意しなくても」
文 「なに言ってんですか 今日はあの魔理沙さんが結婚する日なんですよ!?こんなめでたくてスクープになる瞬間を納めなくては新聞記者として失格ですよ!!」
文 「いろんな角度から撮影して魔理沙さんの花嫁姿を取って編集するんですよ!」
はたて 「…まぁたしかに いろんな角度から撮るのもありね いろんな方向から見るのも見方変わるしね?」
文 「そういうことです!」
慧音 「やっとこの日が参ったな!いやぁ まさか郁弥が魔理沙と結婚するなんて……!」ホロリ
妹紅 「ほんとだよな まさかあの二人がくっつくなんて私も思わなかったよ」
ルーミア 「ほんとなのだー!」
レミリア 「ふふっ!ほんとに、運命なんてすぐ変わるものね?とくにあの二人は運命をすぐに変えてしまうわ」クスッ
パチュリー 「ほんとね 本来ならBAD ENDだったのに、それをHappy ENDに変えちゃったものね」
フラン 「魔理沙早く出てこないかなー?早くかわいい魔理沙が見たーい!!」
咲夜 「…」ハァ…
美鈴 「…えと、咲夜さん?なにを考えてるかだいたい想像つきますがさすがに今日という日には、その……」アセアセ
咲夜 「…やっぱり諦めきれないものね 恋というのは……」ハァ…
美鈴 「(…マジですか まだ諦めないんですか……)」
早苗 「わっわたしより先に結婚なんて…魔理沙さん いつからそういう関係を作って!?」ガーン
神奈子 「安心しろ?早苗 お前を嫁にやる気なんてないから!」ドンッ!!
早苗 「いやなんでですか!?いやまぁ たしかにまだそういう方は見つかっていませんが」
諏訪子 「(神奈子は過保護だねぇ?まぁ…私もそうたけど)」
霖之助 「いやぁ まさか魔理沙が結婚するなんて思いもしなかったね?」
朱鷺子 「ほんとだよね あんな性格の悪い人間…」
霖之助 「まぁたしかに性格は良いとは言えないね?でも…その中でも良い性格も持ってるから それに惚れたんだろう?郁弥という人は」
朱鷺子 「…まぁ、そうかもね」
菫子 「…なんか、今日は休みだから昼間から寝て来てみたら凄いことになってるんですが……」唖然
歌仙 「私も驚いてるわ まさかあの魔理沙が結婚なんて、誰が思ったかしら?」
菫子 「(いいなぁ…わたしも早くそういう人見つけて ドレス着てみたい)」
成美 「魔理沙さんが結婚…招待されたはいいんですが わたし、ここにいて邪魔になりませんかね?地蔵がこんなところに立ってたら非常に邪魔になると思うんですが…」
白蓮 「大丈夫ですよ 今の姿なら邪魔になりませんよ」
成美 「それなら良かった…!」
紫 「うふふ!みんな盛り上がってるわね」
霊夢 「あーはいはい!みんな 盛り上がってるところ悪いけど そろそろ主役が着替えてこっち来るから静かにしなさい?」
っお!そろそろくるかー!
早くみたーい!!魔理沙のかわいい姿ー!!
早くみせてー!!
霊夢 「あーもう!さっきより騒ぐんじゃなーい!」
紫 「うふふ!それは無理よ みんな楽しみにしてるんだから?」クスクス
霊夢 「それはわかってるわよ だけどいつまでも騒いでたら式ができないでしょ!」
紫 「まだ来てないのだからいいじゃない?もう少し盛り上がらせても」
霊夢 「…はぁ わかったわよ」ハアー
霊夢 「(早く来なさいよ二人とも わたしも重要な役をやるんだから、やる気があるうちに早く済ませなさいよ!)」ドキドキ
霊夢 「(私だって緊張するのよ!魔理沙を幸せにしてやるためにもいろいろかける言葉とか考えてきてんだから!!)」
霊夢 「(あと十分で来なかったら無理やり連れてくる!!)」ドンッ!!
…
博麗神社ー着替えの間
魔理沙 「ーっ…あっアリス これ、可愛すぎやしないか?たしかにウェディングドレスがいいとは言ったが、私に白のドレスなんて……」///
アリス 「なにいってんのよ ウェディングドレスって言ったら白一択でしょ?黒のウェディングドレスなんてあんたには似合わないわよ」スッ…シュッシュッ
魔理沙 「でっでも、私いつも黒と白の服着てるし やっぱり黒の方が……」///
アリス 「自信を持ちなさい!今日の主役はあなたなのよ?黒より白の方がみんなから注目を浴びて 普段とはちがう姿の魔理沙にみんな釘付けよ!」
アリス 「それに今から黒のドレス作れって言われても無理だから!一番の原因はそれだけどね!」ドンッ!!
魔理沙 「本音言っちゃったよこの人!?あっ人じゃなかった 魔女だった」
あのー、アリスさん 着替え終わったんですが(隣の部屋には郁弥が着替えている)
アリス 「終わった?なら入ってきて」
スー…
郁弥 「これで、いいのかな……っ!」
魔理沙 「あっ…ふみや」///
郁弥 「ーっ…」///カァァ
郁弥 「(まっ魔理沙のウェディングドレス姿…めっちゃかわいい!おっ思わず見とれちまった……!!)」///
郁弥 「(普段とは真逆の白一色でまた違うかわいさが出てて…やばい 鼻血出そう!!)」///
魔理沙 「…どっどうかな?似合うか…な?」///ドキドキ
郁弥 「っ……に、似合ってるよ 似合いすぎてまともに直視できない もろに見たら鼻血出そう…」///
魔理沙 「っえ!?そっそこまでなのか…?」///ドキッ
魔理沙 「普段とは真逆の白なんだぜ?私に白なんて合わない気が……」///
郁弥 「いや全然似合うから!その白い肌に白のウェディングドレスが合わさっていつも以上にかわいいよ!」
魔理沙 「かっかわ…!!」///カァァ!!
郁弥 「それにその細い腕に白い…えと、腕に付けるやつ!細さが強調してスラッとした感じがまたかわいい!」
郁弥 「これでお姫様抱っこなんてしたらもっとかわいくなるんだろうな?うん!ぜったい可愛いに決まってる!」ドンッ!!
魔理沙 「ーっ…!!!!」///プシュー…
アリス 「あー暑い暑い 氷の魔法でも使おうかしら?」アツイアツイ
アリス 「あなた容赦ないわね そんなに言ったら魔理沙恥ずか死するわよ」
郁弥 「っえ まっマジで?まだ可愛いところいっぱいあったんだが…」
アリス 「やめてあげなさい ほんとに死んじゃうから」
郁弥 「わ、わかった」
魔理沙 「(あぁー!!アリス何言ってんだよバカ!余計なこと言いやがって!!)」///
魔理沙 「(いやたしかに恥ずかしいよ?郁弥にウェディングドレス姿をかわいいって言われるのすごく恥ずかしいよ?)」
魔理沙 「(でもそれは恥ずかしいだけであって、言って欲しくないわけじゃない もっと褒めて欲しかったのに…)」///シュン…
アリス 「……魔理沙 あなたものすごく顔に出てるわよ?もっと言って欲しかったって」
魔理沙 「ふぇっ!?」///
アリス 「たしかに言ってもらいたい気持ちはわかるけど それは後にしなさい」
アリス 「今は準備もあるし なにより恥ずかしがっていたら式に影響が出るかもしれないわ」
アリス 「式が終わってからならいくらでもイチャついていいから今はガマンしなさい いいわね?」
魔理沙 「あっいや、べべつに言って欲しいだなんて……」///アタフタ
郁弥 「…そうだな 後でこれでもかと言うぐらい褒めてやらないとな!」ニヤリ
魔理沙 「ふみやっ!?」///
アリス 「郁弥 ちょっと着崩れしてるわね 治すからじっとしてて?」スッ
郁弥 「おう!」
アリス 「……」スッ…パッパッ
アリス 「…よし!これでいいわね 後はあなたたちに任せるわ」
郁弥 「あぁ!ありがとな それじゃ行くぞ!魔理沙」
魔理沙 「っえ おっおぉう!」///
アリス 「上海、蓬莱 魔理沙のスカートを持ち上げて 引きずらないようにね?」スッ
上海人形 「シャンハーイ!」ヒュー…
蓬莱人形 「ホウラーイ!」ツカミ…ヒョイッ
アリス 「魔理沙 しあわせにね?」ニコッ
魔理沙 「…うん ありがとな!アリス」ニコッ
アリス 「大江戸 開幕花火に行きなさい!」
大江戸人形 「オオエドー!」ヒュー…
アリス 「さぁその他の人形たちは魔理沙たちを誘導してあげなさい!みんなに魔理沙たちが来ることを知らせなさい!」
全人形 「「ハーイッ!!」」フワー…
ガヤガヤ…
大江戸人形 「オオエドー!」ヒュー… 博麗神社の真上を空高く飛んでいく
霊夢 「っ! 来たわね!」
パァンっ!!パチパチパチパチ…
紫 「あら?開幕花火なんて これはまたハデにやるわね!」クスッ
文 「おぉっ!?てことは…!!」
霊夢 「さぁみんな 主役の登場よ!ハデに手を鳴らしなさい!!」
全員 「「ワァーっ!!」」パチパチパチパチ!!!!!!…
魔理沙 「ふっふみやぁ…待ってくれ!めめっちゃ恥ずかしい!!」///アワワワ
郁弥 「おぉ俺だって恥ずいよ!だけど行くぞ!」///
魔理沙 「うぅー…!!」///
霊夢 「ほら魔理沙!いつまでも祭殿の中で立ち止まってないで出てきなさい!」
魔理沙 「れっれいむぅ〜…もっもう少しよぉ?みんなを大人しくさせてくれよぉぉ……」///アタフタ
霊夢 「主役がなにいってんのよ!らしくないわね」
霊夢 「郁弥!あんた男なら魔理沙を引っ張ってやりなさい!」
郁弥 「っ…いっいくぞ!」///グイッ
魔理沙 「ーっわ わかったよ!いくよ!」///
祭壇から出るとお祝いに来てくれた観客たちがより一層 幻想郷中に響き渡るかもしれないほどの盛大な拍手が鳴り響いた
普段は男気満開な魔理沙も今では女らしく、白いウェディングドレスを着て頬を赤くさせて照れていた
人形たちが郁弥たちを誘導して博麗神社の象徴 門の前まで観客に囲まれながら立ち止まらせた
博麗神社の敷地で生えた神木で作った結婚式の段を門の前に置いてあり、郁弥たちは息を合わせながら一歩一歩 登り始めた
登り終えると霊夢が飛んで郁弥たちの前に立ち お祓い棒を懐から取り出して厄祓いのお祓いと幸運が着くよう願う祈願 そして…いつまでも幸せに暮らしていけるようにと霊夢の思いを魔理沙たちは受け取った
観客のみんなも霊夢の祈りに釣られ 魔理沙たちの祝福を願った…辺りは静かになり、先程まで騒がしかったのが嘘のように粛清されていた
数秒間の静けさを霊夢が破り 魔理沙たちに祝福の言葉を語り始めた
郁弥と魔理沙は静かに霊夢の祝福の言葉を聞き、胸の奥深くまで届かせ 目をつぶりながら笑顔で聞いた
一通り、話が終わると霊夢は次の段階に入った …結婚式定番の式を始めた
霊夢は魔理沙の古き良き友人で魔理沙のいいところを話し始めた …だが、途中途中に悪いところを入れては静けさに包まれていた周りを笑わらせた
魔理沙も顔を真っ赤にさせていちいち言わなくていいと霊夢に怒鳴りつけては郁弥も笑いを堪えられず吹き出してしまった
それを見た魔理沙はウェディングドレスを着ながらも郁弥を蹴っ飛ばして笑うなと怒鳴りつけた スカートを持っていた人形たちも魔理沙が急に動いたことによってバランスを崩したがすぐさま体制を整えて持ち直した
霊夢はクスクスと笑いながらも魔理沙を止めて式を再開させた 霊夢からふっかけてきたのにとぶつくさ言ってたが郁弥にまぁまぁと言われ再び、霊夢の話しを聞いた
二人は夫婦になることを誓いますか?…はい
いつまでも愛し合っていくことを誓いますか?…はい
どんなことがあっても、どんな状況でも二人でなら乗り越えていくことを誓いますか?…はい
…それでは、指輪の交換をお願いします
ふたりはお互い用意していた指輪を取り出し、お互いの左手薬指にはめあった はめる時も魔理沙たちはお互いの顔を見つめ合いながら、幸せそうな表情で交換をし合った
観客たちも幸せそうな二人を見て自分たちも幸せな気分になれた べつに自分たちが結婚してるわけじゃない…そんなことはわかっていた
…でも、二人を見ているとそんな感じになってしまっていた 誰かが結婚するところを見送ることがこんなにも幸せなことだと思いもしなかった
永遠に幸せになって欲しい…いつまでも元気に過ごして欲しい みんなはそんな気持ちを抱きながら魔理沙たちを見つめていた
指輪の交換を終えた魔理沙たちは再び霊夢のもとに顔を向け、次の指示を待った
…あなたたちは今ここで、承認は私で夫婦になったことを認めます この博麗の巫女があなたたちが夫婦になることを了承致します
……それでは、誓いのキスをお願いします
魔理沙たちはお互い見つめ合い、お互いの顔を近づけていく
ゆっくり…ゆっくりと徐々に徐々に近づけて、お互いの唇がくっつこうと………
魔理沙 「…〜っやっぱ無理!!」///グイッ
郁弥 「はぶっ!」グキッ 魔理沙の手が顔に押し付けられて首の骨が鳴る
魔理沙 「こっこんな人前でキスなんてできねぇよ!恥ずかしいぜ!!」///
郁弥 「いや俺だって恥ずかしいわ!でも結婚式なんだから仕方ないだろ!」///
魔理沙 「れっ霊夢!キスはなしでもいいか?恥ずかしくてできないぜ!」///
霊夢 「なに言ってんのよ 主役がそんなこと言ってたら次行けないでしょ?ほら!早くしなさい!」
魔理沙 「鬼ぃぃぃ!!」///
霖之助 「魔理沙 弾幕はパワーだろ?恥ずかしさを勢いで飛ばすんだ!」
魔理沙 「いや意味がわからないぜ!?恥ずかしいのを勢いで飛ばせって!」///
パチュリー 「そのままの意味だと思うわ あなた勢いで何でもしようとするから」
フラン 「魔理沙はやくはやくー!」
(((o(*゚▽゚*)o)))
魔理沙 「いや早くって言われても…」///
咲夜 「…早くしないと奪うわよ?」
魔理沙 「ーっな!」
郁弥 「咲夜!?」
レミリア 「ぷっ!咲夜 あなた隙あらば付いていくわね?」クスクス
咲夜 「当然です 私は今でも諦めていませんので」
美鈴 「咲夜さん…あきらめが悪いですよ さすがに結婚するところまでいったらあきらめた方が……」
グサッ!!
美鈴 「うぎゃあぁぁぁっっ!!!!」ブシャー 脳天にナイフを刺される
咲夜 「黙りなさい美鈴 私が諦めわるいのは今始まったことじゃないわ」チャキッ
咲夜 「手に入れられるチャンスがあるならその瞬間を狙ってなにが悪いの?いけないなんて決まりはないでしょ」
美鈴 「いやたしかに決まりはありませんが…」イタタ…
咲夜 「というわけで魔理沙 キスしないなら郁弥をもらっていくわ わたしは…」スゥ…
キィンッ!!
咲夜 「いつでもキスできるもの」ズイッ 時間を止めて郁弥に顎クイしていつでもキスできる体勢をとる
郁弥 「ーっな!?」
魔理沙 「てってめぇ!」
咲夜 「さぁ郁弥 こんなヘタレなんかより私としましょ?」
咲夜 「わたしはいつでもできるからしていいわよね?」
郁弥 「…咲夜 ヘタレって言われると俺の事を言われてるように感じるんだが……」
咲夜 「あなたのことなんて言ってないわ わたしは魔理沙に言ったのよ」
咲夜 「だからするわよ いいわね?」
郁弥 「……咲夜 それは無理だ」
郁弥 「おれは魔理沙以外とはしない お前とはしない」
咲夜 「でも魔理沙はあなたとしたくないみたいよ?いつまでもためらってしようとしないじゃない」
咲夜 「もしかしたらあなたのこと好きじゃないのかもしれないわ」
魔理沙 「ーっ…咲夜 テメェいい加減なことばっかり言いやがって!」ピキッ
咲夜 「だったらなんでしないのかしら みんなの前だと恥ずかしいから?結婚式というものはみんなに二人が結ばれるのを見届けるものなのに、あなたはしようとしてないじゃない」
咲夜 「式を中断して長引かせていたらいつまで経っても終わらないわ だったら今すぐできるわたしとした方が早く終わるでしょ?」
郁弥 「早く終わる終わらないの問題じゃない 俺は魔理沙以外とはしないと言っただろ」
郁弥 「俺が好きなのは魔理沙だけだ どんなに式が長引こうと俺は他の奴とはしない」
咲夜 「でも他のみんなに迷惑かかっちゃうわ いつまでも時間かけてたらイライラして…」
郁弥 「だったら…」スゥ…
魔理沙 「…っえ」
チュッ…
魔理沙 「ーっ!!?」///
レミリア 「あら?これはまた大胆にいったこと」
パチュリー 「しかも咲夜の前でなんて…なかなかやるわね」
フラン 「わぉう!魔理沙がチューしたー!!」ヽ(*゚∀゚*)ノ
文 「」パシャシャシャシャシャ!!!!
はたて 「」パシャシャシャシャシャ!!!!
慧音 「さすが郁弥だ 男を見せたな!」
妹紅 「てか最初っから男を見せてればこんなことにはならなかったのにな」
早苗 「はわわわわ…!!みなさんの前でだっ大胆に……!!」///アワワワ
神奈子 「天狗ども撮りすぎだろ…何枚撮ってんだ?」
諏訪子 「というかあのカメラ 連射機能付いてたんだ」
菫子 「」パシャシャシャシャ…
歌仙 「あなたもなに撮ってんの…てか、そっちもものすごい連写ね」
白蓮 「あらあら?魔理沙さん 不意をつかれて恥ずかしそうに!」ウフフ
成美 「」///コチーン あまりの恥ずかしさに地蔵に戻ってしまう
ルーミア 「ちゅーしたのだー!」
霖之助 「ははっ!やっぱり魔理沙も女の子だね いつもは男気満載なのに今は完全に女の子だよ?」
朱鷺子 「ーっ…」///シオシオ… 広げていた羽が恥ずかしくて下に垂れ下がっていく
魔理沙 「ーっは はわ……」///プシュー…
郁弥 「…これでどうだ?俺は魔理沙だけが好きなんだ 魔理沙以外とはキスしない!」
咲夜 「………」
郁弥 「(やっやべぇ…マジで恥ずかしい!みんなの前でキスするのが、こんなにも恥ずかしいとは思わなかった!!)」///
郁弥 「(しかも咲夜の目の前でしたからよけいに恥ずかしい…いや、恥ずかしいのもあるが、ものすごい殺意が出てる気が……)」
咲夜 「…ふーん わたしの目の前でキスするなんて…根性あるわね?郁弥」ギロッ
郁弥 「まっまぁな 俺の嫁だからな!」
咲夜 「ふーん…そう なら」スゥ…
キィンッ!!
咲夜 「じゃま者は退散するわ それじゃ」タッタッタッ… 時間を止めて石階段を降りていく
美鈴 「…っえ さっ咲夜さん!?」
レミリア 「あら?ずいぶんとあきらめがいいこと さすがに目の前でキスされたらどうにもならないと思ったのかしら」
パチュリー 「まぁさすがに目の前でやられたらね?諦めざる得ないわよね」
フラン 「なーんだ つまんないの?咲夜なら縛ってでも奪っていくと思ったのに」
美鈴 「いやフラン様 さすがにそれは…」
霊夢 「ふふっ!やっと男を見せたわね?時間かけすぎよ」
郁弥 「そっそんなこと言われてもな…」///
霊夢 「まぁいいわ これで次に進めるわね」
霊夢 「アリス 準備して!」
アリス 「わかってるわよ 人形たち!」シュンッ
上海人形 「シャンハーイ!」ズシッ
蓬莱人形 「ホウラーイ!」グイッ
ゴロゴロゴロゴロ…
特大なウエディングケーキ 「」ドンッ!! 白い大きなテーブルの上に置かれたケーキが魔理沙たちの前に用意される
郁弥 「デカっ!!?」
魔理沙 「そっ想像を超えるデカさだぜ…」
アリス 「当たり前でしょ?通常より3倍近く大きくしたんだから!」
(`・ω・´)フンスッ
魔理沙 「いやなんでだよ!?別に普通の大きさでもよかったのに!」
アリス 「なにいってんのよ 魔理沙の結婚式なんだからこのくらいはしないと盛り上がらないでしょ!」
魔理沙 「いや盛り上げるところおかしいだろ!なんでケーキで盛り上げようとした!?」
アリス 「ケーキだけじゃないわよ それ!」バッ!!
多数の人形 「「」」フワー…スッ 長いロウソクを持った人形たちが魔理沙たちが今から通る道に並んで道を作る
慧音 「おぉっ!人形たちが道を作るような並ぶとは なかなか良いものだな!」
妹紅 「だな!アリスもなかなか考えるじゃないか?」
文 「フィルムが無くなりました…次のフィルムを!」カチャカチャ
はたて 「ヤバいヤバいっ!わたしもフィルムがなくなったわ!文フィルム貸して!」カチャカチャ
菫子 「…」ジー 携帯を動画モードにして撮影してる
歌仙 「菫子 あなたさすがに動画に収めるのは……」
郁弥 「おっおぉ…これはまたすごいな?人形が道を作って並ぶなんて」
魔理沙 「しかもロウソク持ってキレイにならんで めっちゃロマンチックだぜ!」
アリス 「ふふっ!そうでしょ?人形たちが作った道をあなたたちが進んでケーキを切りに行くの」
アリス 「昼間だからロウソクの光があまり目立たないけど 逆に夜だとやりにくいからね?」
アリス 「さぁ人形たちで作った道を進みなさい!そのまま進んでいけば 大迫力なケーキが待ち構えているわ!」
アリス 「そのケーキを目の前にいる人形が持ってる包丁で共同作業しなさい!」
上海人形 「シャンハーイ!」スチャッ 手にはケーキを切るための包丁…ではなく、刀を持った人形が待ち構えている
郁弥 「おいちょっとまて あれは包丁じゃない 刀だぞ!しかもあれ俺のじゃねぇか!?」ビシッ
アリス 「そうよ?こんなデカいケーキをそんじゅそこらの包丁で切れるわけないでしょ」
アリス 「そしたらちょうどいい物が慧音の家に上がらせてもらった時に置いてあったのよ これはもうケーキ切るためにあるものじゃない!っと思ってね?」
(๑•̀⌄ー́๑)b
郁弥 「いや違うから!あれは自分の身を守るために買ったやつだから!ケーキ切るために買ったわけじゃない!」
魔理沙 「てか刀でケーキ切るっていろいろとまずいだろ 主に衛生面的に…」
アリス 「そこは安心して?ちゃんと念入りに拭いて消毒してあるから!」
o(・ω´・+o) ドヤァ…!
魔理沙 「いやそういう問題じゃないと思うが……」
アリス 「まぁ冗談はこれくらいにしておいて」
郁弥 「ほんとに冗談か…?」
アリス 「でも一般的に使われる包丁じゃ届かないのはたしかよ こんだけ大きければ半分も届かないわ」
魔理沙 「そんなふうにしたのはお前だろ…」
アリス 「だから今回用意したのはこれよ!」スッ
上海人形 「シャッシャンハーイ…」プルプル… 手に持っている特大サイズの包丁を郁弥たちに差し出す
郁弥 「うおぉあぶねぇあぶねぇ!!めっちゃ手震えてる!?」ガシッ
魔理沙 「あぶないぜ!」ガシッ
アリス 「…さすがに一体で持たせたのは重すぎたわね まぁ落とさなかったからいいわ!」
郁弥 「ーっ…あっアリス これ……さすがにデカすぎる!」プルプル…
魔理沙 「ふっ二人がかりでもキツイ…てか、二人の方がきついような……」プルプル…
アリス 「わかってるわ 上海!」
上海人形 「シャンハーイ!」フワー…ガシッ 特大サイズの包丁のさきっちょを掴んで重みを軽減する
アリス 「これでいいかしら?」
郁弥 「あっあぁ これならなんとか…」
魔理沙 「…なんか 思ってたケーキ入刀とちがうんだぜ」
アリス 「まぁまぁそんなこと言わないで!あなたの結婚式なんだからド派手にハプニングがあった方がおもしろいでしょ?」
魔理沙 「ありがた迷惑だぜ…」
アリス 「それじゃ…ケーキ入刀!」
郁弥 「魔理沙 せーので行くぞ?」
魔理沙 「あぁ!せーの」
スゥー………ストンっ
観客全員 「「わぁーっ!!!!」」パチパチッ!!!!…
魔理沙 「ーっ…えへへ!なんか 恥ずかしいな?みんなに見られながらふたりでケーキ切るの」///
郁弥 「そうだな でもわるい気分じゃないな?」
魔理沙 「あぁ!」
アリス 「あっちなみに聞くけど そのケーキあなたたちで切る?全員分切ってもらえると助かるんだけど」
魔理沙 「鬼かお前っ!!こんなでかいケーキ全員分に切れってムリだわ!」
郁弥 「それ以前にこの巨大な包丁 重すぎて何度も下ろせない…」
アリス 「でしょうね ならあとの切る作業は私がやっておくわ!」
アリス 「さぁ人形たち ケーキ入刀を終えた魔理沙たちを席までロード(道)を作ってあげなさい!!」スッ
人形たち 「「シャンハーイ!!」」フワー…スタスタスタスタッ 郁弥たちの席まで人形たちが道を作る
霊夢 「さぁ新郎新婦が席に着くわよ!盛大な拍手で見送りなさい!!」
全員 「「ワーワーキャーキャー!!!!」」パチパチパチパチッッ!!!!
魔理沙 「…へへっ!」///
郁弥 「っん?どうした 魔理沙」
魔理沙 「…いや こんなにも幸せなことがあるんだなと思ってな?今までこんな嬉しいと思ったことがなくてつい!」
郁弥 「…そうか」
魔理沙 「…郁弥 大好きだぜ!」
郁弥 「おれもだよ 魔理沙!」
ーENDー
すごく良いお話でした.....!
もし良ければですが、この後のお話の短編小説みたいなのを書いていただけないでしょうか...?
お褒めコメありがとうございます。
その後の話ですが、現在作品がかなり多くなっておりますので作るとしてもかなり遅くなってしまうかと思います。
それ以前に恋に落ちた魔理沙ですがまだ作品としては出来てないのですが、コメントページにも書き込んである第二作品、恋に落ちた魔理沙(妖怪版)を作成しようかと考えているので尚のこと難しいかと自分では思っています。
一応検討して置きますが期待はしないでください…
了解しました。こちらこそわがままみたいになって申し訳ないです。
コメントページという場所があるのは知りませんでした。
どうするかはそちらのご都合で自由に決めていただけたらと思います。
これからも頑張って下さい。