2023-06-09 13:58:33 更新

概要

この作品は犯罪者に救いの手 12の続きになっています。


前書き

蒼野夜一

【過去に人を何百人も殺めた犯罪者 現在は四季達と仕事して罪を解している】
【過去、天龍遥を佐久間グループから守る為に人を殺めていたが最後の最後で遥に守られ守りきれなかった…】
【体力、剣術、知識が高い万能型的存在】
【蒼野は死んだのかは不明 佐久間グループ殲滅後謎の人間?らしき者が突如出現し、その謎の人間が出したと思われる謎の空間によって蒼野は裁判所の目の前に居た】
【キレるとかなり危ない】


四季映姫

【幻想郷の閻魔を務める閻魔大王】
【蒼野と一緒に仕事をしている】
【蒼野は犯罪者だが四季映姫は蒼野が行為を持って人を殺してたとは考えられず、四季映姫と共に仕事の手伝いなどをして罪を償う刑にした】


小野塚小町

【四季の部下で亡くなった者の霊を裁判所まで運ぶ死神…だが、よくサボっている】
【よくサボって人里の団子やミスティアの夜雀に居る】


大閻魔

【四季達の上司…だけ(ひどい!)】













夕方 妖怪の山ー入口



ザザァ…… 弱い風が木々を揺らして吹いている


椛 「………」フサァ… 目をつぶりながら短い髪が風になびいて見張りをしてる


椛 「……来ましたか」



蒼野 「…っと」ヒュー…スタッ


椛 「お待ちしていました あなたが蒼野夜一さんですね」


蒼野 「そうだ あんたは?」


椛 「申し遅れました 私は犬走椛と申します 以後お見知りおきを」


椛 「それでは天魔様のところに案内します 着いてきてください」


椛 「…っと、その前にひとつ確認したいのですがいいですか?」


蒼野 「なんだ?」


椛 「あなたは伊吹萃香様に酒飲みで勝ったと聞いたんですが本当なんですか?」


蒼野 「ギリギリだったがな もう少しで負けてたよ」


椛 「…今日の呑みのこと聞いてますか?」


蒼野 「聞いてるよ だから来たんだろ」


椛 「参加者は?」


蒼野 「? 誰かほかにもいるのか?」


椛 「……天魔様 ひとりじゃいやだからあなたを呼んだのか なら納得した…」ハァ…


蒼野 「なんだあいつも来てるのか?これはまた飲み比べになりそうだな」


椛 「…今回は萃香様だけじゃありません 勇儀様もいるんです」


蒼野 「勇儀?あぁ おでこに長いツノが生えた人か」


蒼野 「萃香よりも強いって聞いてるがこれはまた面倒なことが起きそうだな」


椛 「ほんとに面倒だらけだから嫌なんですよ!あの方たちは酒飲むとほんっとひどいんですから!!」


椛 「前回なんて絡み酒で骨折れそうになるわ壁や机も破壊されるわでもう最悪だったんですから!!」


椛 「あの方たちが来るといつもろくな事がない!!ほんとに困りますよ!!」


蒼野 「なら断ればいいだろ そんなに嫌なら」


椛 「そんなことしたら殺されます…私だけでなくこの妖怪の山に住んでる妖怪全員ひねり潰されます」


蒼野 「えぇ…断っただけで?」


椛 「はい 断っただけでも」


蒼野 「…あいつそんな常識知らずだったか?そこまでのような気がしたか」


椛 「あなたには見せてないようですね 今から向かうので直接見た方が早いです」


椛 「ちなみにもう来て飲んでるのですぐに見れます 絡まれたら助けれないので先に言っておきます」


蒼野 「それは別に構わないが…(もう飲んでるのかよ…)」


椛 「…あともうひとついいですか」


蒼野 「なんだ?」


椛 「もし私が絡まれたら助けてください ほんっとに絡まれたくないので!!」


蒼野 「構わないが嫌なら途中まで送ってくれればいいよ あとは自分で行くから」


椛 「いやさすがにそこまで失礼なことはできません まして天魔様がお呼びした客人なのでよけいに」


椛 「とりあえず早く行きましょうか ちゃんと最後まで送っていきますので絡まれたらお願いします」


蒼野 「あいよ」


ザッザッザッ…






天狗の里



ガヤガヤ…


天狗 「おいまた萃香様が酔って暴れてるらしいぞ」


天狗 「マジかよ…相手してるのはだれだ?」


天狗 「天魔様と射命丸文、飯綱丸龍が相手してるらしい」


天狗 「天魔様も相手してるのか なら俺たちは行かなくていいな」


天狗 「てか行きたくない 鬼と酒飲みしてたら記憶が飛ぶ」


天狗 「下手したら死ぬぞ…」



蒼野 「…へー けっこういるんだな 以前来たときは夜だったから気づかなかったが」ザッザッザッ…


椛 「気をつけてくださいね 夜の妖怪の山は危険ですから」ザッザッザッ…


蒼野 「そんな危険には感じなかったがな」



天狗 「…っん 人間?なんでこんなところに」


天狗 「おい椛 お前後ろにいる人間はなんだ?」


椛 「はい この方は蒼野夜一、天魔様がお呼びした人間です」


天狗 「っ! こいつが蒼野か 話では聞いてたが直接本人を見るのは初めてだな」


天狗 「ほんとにこいつが強いのか?ただの人間風情が」


椛 「ちょっ天狗さん!天魔様の客人相手にそのような口は…」


蒼野 「あぁ別にいいよ 気にしてないから」


蒼野 「いちいち気にしてたらキリないし なにより…」スゥ…


蒼野 「人をすぐ見下すやつに構ってたらいくら殺してもキリがないからな」ギロッ


天狗たち 「「ーっ!!」」ゾクッ!!


椛 「あっ蒼野さん!ここでは喧嘩するのは…!!」アタフタ


蒼野 「いやケンカはする気ないよ ただ睨みを効かせただけだ」


蒼野 「相手が喧嘩売ってきたなら話しは別だが…今の悪口は売ったと認識していいのかな?」ニコッ


天狗 「…お前はどう思ったんだ?」


蒼野 「舐められたと認識してるが 人間風情なんて言われてイラつかない人間はいないと思うが?」


天狗 「現にそうだから仕方ないことだな 所詮人間は妖怪に負ける存在だからな」


天狗 「お前も刀を持っただけの人間 妖怪相手には手も足も出ないだろ」


蒼野 「…へぇ そうか?初対面の相手にそこまで舐め腐るか」ビキッ


蒼野 「なら相手してやるよ 武器構えやがれ」クイクイッ


椛 「蒼野さんっ!!?」


天狗 「いいだろう お前の強さ見てやろう!」ジャラン 手に持ってる鉄製の杖を構える


蒼野 「へぇ…それが武器か ただの杖に見えるが?」


天狗 「鉄製の杖だ お前を倒すにはこれで十分だ」


蒼野 「…おまえ、ほんとに舐め腐ってんな?いい加減にしろよ?」ビキビキッ


蒼野 「ならその舐めきった考えを断罪してやるよ 舐めたこと後悔させてやる」クンッ 親指で刀の鍔を弾いてちょっとだけ鞘から取り出す


天狗 「やってみろ 人間風情が」ビュンッ!! 素早い速度で蒼野を杖で攻撃しようと…


蒼野 「おせぇんだよ 瞬殺かまいたち!!」ザンっ!!!!


天狗 「ーっ!!」一瞬にして腹部を切られる



椛 「ーっな!?(はやっ)」


天狗 「あっあいつ本気で切って!?」


蒼野 「だいじょうぶだ 峰打ちだ」スー…スチャンッ


蒼野 「さすがに殺しはしない 殺したら別問題だからな」


天狗 「おぉぉ…!!は、腹が……!!」プルプル…


天狗 「(こいつ、人間なのに早すぎる!!いくら本気出してないとはいえ、あの速さは……!!)」ズキズキ…


蒼野 「これでわかったか?人間でも甘く見てると痛い目に遭うぞ」


蒼野 「まぁ今の様子からしてお前も本気出してないみたいだがな 文が出してた速度よりも圧倒的に遅かったから手を抜いただろ」


天狗 「ーっこの小童が 調子に乗りおって!!」スチャッ 腰にかけていた剣を抜き取り構える


椛 「ーっな!?天狗様真剣はいけません!!」


天狗 「やめろバカタレ!!やりすぎだぞ!!」


蒼野 「真剣でやるか?敵意を向けたのはお前だからな」クンッ


天狗 「黙れ小僧!!人間風情が妖怪に勝てると思うな!!」ビュンッ!! 本気の速度で蒼野に突っ込み切りかかる


天狗 「しねぇっ!!」ヒュンっ!! 一瞬にして蒼野の目の前に立ち首元に目がけて剣を振るう



椛 「(まずい あの人が!!)」スゥ… 剣を投げて助けようと構え…


蒼野 「肆ノ太刀 崩壊 刀崩し!!」ビュンッ!!


ガキィンッ!!!!


天狗 「ーっな!?」パキィン… 蒼野の刀が当たった場所が折れて破片が地面に落ちる


天狗 「(こっこいつ 今の速度に着いてこれて!!)」


蒼野 「…まだやるか?折れた刀じゃやりづらいだろ」スゥ…チャキッ


蒼野 「これ以上やるなら俺も本気を出す 今度は殺す気でな」ギロッ


天狗 「っ…」ゾクッ



椛 「(…すっすごい 今のを防ぐなんて 今の速度は手加減してなかったにもかかわらず防いだ)」


椛 「(しかも剣まで折るなんて並の人間じゃありえない これが閻魔様の側近の実力!!)」


天狗 「おいお前たち!今すぐ闘争心を抑えろ いつまでも出してたら勇儀さんが…!!」



祭りだー!!


勇儀 「よっと!!」ドスンっ!! 空高く上空から降りてきて着地する


天狗 「ひぃっ!!ゆっ勇儀様!!」


蒼野 「おう勇儀 ずいぶんとド派手な登場だな」


勇儀 「はーっはっはっはっは!!派手な方がインパクトあるだろ!地味な登場は好かん」


勇儀 「それよりもケンカか?私も混ぜろ!!」ニヤリ


天狗 「いっいえ!ケンカなんてしてません!そのようなことは…」


勇儀 「あっ?この私に嘘つくのか ならその欠けた剣はなんだ」ギロッ


天狗 「ひぃぃっ!!こっこれは…」


蒼野 「今終わったところだよ 剣が折れたら負けたも当然、これ以上はやる気ない」


勇儀 「拳があるだろ?武器がなくなったら拳で戦えばいいだけ!」


勇儀 「武器だけに頼るなんて雑魚の考え方だ!武器を持って力を得たなんて思考するやつは雑魚の中の雑魚!!」


勇儀 「お前は武術もあるんだよな?なら私と勝負しようぜ!」


蒼野 「あいにくだが俺は拳で女とやる気はない 武術を鍛えるとかならまだしもケンカで女相手に拳使うなんてどうかしてる」


勇儀 「なんだ?それは私よりも強いから戦う必要ないということか?この私をおちょくるとはなかなかの自身だな!」


蒼野 「なんでそうなった…?」


勇儀 「行くぞ!!」ダンっ!!


蒼野 「人の話を聞かないやつだな!」スゥ… 右手右足を前に出して構えを取る


勇儀 「やる気になったな!オラァっ!!」ブンっ!! 右手に拳を作り蒼野の顔面に目がけて振るう



椛 「勇儀様!!人間相手にその力では…!!」


蒼野 「…ふんっ!!」パシンッ


勇儀 「っ!」蒼野の手のひらに拳を当てられ横に受け流される


勇儀 「(受け流されたか…なら!)」グルンっ


勇儀 「ふんっ!!」ブォンっ!! 受け流された反動を利用して一回転し右足でかかと落としをお見舞する


蒼野 「(これは受け止め…いや 受け止めたら手が折れる!)」バッ!! 勢いよく前に出してた手を後ろに振り反動で後ろにバックする


勇儀 「おぉっと!」スタッ 避けられると同時に着地にかかる負担を軽減させて体制を戻す


勇儀 「いい動きすんじゃねぇか 拳を弾いて蹴りは下がって避けるとはな!」


勇儀 「受け止めなかったのは嫌な予感がしたからか?あの状態なら受け止めた方が早かったはずだ」


蒼野 「嫌な予感というか拳の素振りで音が異常だったからな あの強さで受け止めたらおそらく折れると判断したから避けたんだ」


蒼野 「受け止められるなら受け止めてたが無理に止める必要もない 無理に止めて骨が折れたらたまらん」


勇儀 「おいおい閻魔の使いが弱気になってんじゃねぇよ!強いんだろ?いろんなやつから評価されてんじゃねぇか」


勇儀 「今その強さを見せないでいつ見せんだよ!お前の本気見せてくれよ!!」ダンっ!!


蒼野 「だから女と拳をぶつけることはしないって言ってるだろ!」スッ


勇儀 「うるせぇ!!いいからぶつけやがれ!!」ブンブンっ!!


蒼野 「お前ほんと人の話聞かないやつだな!気性が荒いにも程があるぞ!」ヒュンヒュンッ


蒼野 「(こいつマジで性格やばい!!こんな凶暴だとは思わなかった しかも素振りの音もかなりのものだから食らったら確実に折れる!!)」


蒼野 「(殺す気でやってきてないから本気出すわけにはいかないし 女じゃなければやり返してたんだが…)」


勇儀 「避けてないで戦え!!こっちは本気でやってんだからよ!!」ブンブンっ!!


勇儀 「私は正々堂々と戦うのが好きなんだ!私も本気出してんだからお前も出すのが通ってもんだろ!」ブォンっ!!


蒼野 「いやその理屈はおかしい!俺は戦う気ないって言ってるのに本気出せっておかしいだろ!」ビュンッ!!



天狗 「っ…おい あの勇儀様の攻撃を避けてるぞ」


天狗 「うそだろ!?あの早い拳攻撃を避けるなんて異常だぞ!」


椛 「これが最強の殺人鬼…!!」



勇儀 「あーっはっはっはっは!!避けられてるだけだがここまで避けたやつは久々だ!!」ビュンビュンブンっ!!


勇儀 「ずっと避けれるなら避けてみろ!いつまで避けれるかな!!」ブンブンっ!!!!


蒼野 「ーっ…おまえ、マジでいい加減にしろよ?いい加減やめねぇとキレるぞ」ビュンビュンパシンッ


勇儀 「ならもっとやらねぇとな!お前のキレたところ見せてみろ!!」ブンっ!!


蒼野 「…めんどくせぇな」ビュンッスゥ… 勇儀の足蹴りを避けて右足を上げる


蒼野 「震脚 地裂滅却!!」グシャァァッ!!!! 右足を地面に踏み込んで蜘蛛の巣状に破壊する



勇儀 「おぉっと!!?」グラッ…スタッ


天狗 「おわぁっ!?」バタンッ


天狗 「なっなんだ!?地面が!!」


椛 「ーっ…蜘蛛の巣状に破壊されてる…!!」



勇儀 「へー?地面を蜘蛛の巣状に破壊するほど力あるのか さすがじゃねぇか!」ニヤリ


勇儀 「こいつはおもしろくなってきたぜ もっとお前の実力を見せてくれよ!」ゴキゴキ


蒼野 「…おまえ いいかげんにしろよ?俺はやる気ねぇって言ってんだろうが」


蒼野 「めんどくせぇからさっさとやめろ 天魔に呼ばれてんだからそこどけ」


勇儀 「私を倒したら通っていい!だから相手しろ!」


蒼野 「ーっ」ギリッ!!



天狗 「…なぁ あの人間ものすごく機嫌悪くなってるが…まさかほんとに勇儀様と戦わないよな?」


天狗 「さぁ…だがあそこまでしつこくされたら誰でも怒る 勇儀様に手を出せば死しかないが…」


椛 「っ…」ゾク…



勇儀 「ほらかかってこいよ お前の実力確かめてやるから!」クイクイッ


蒼野 「……はぁ めんどくさ」


蒼野 「もういいや お前みたいなやつと相手してると疲れるから帰るわ 天魔にそう伝えといてくれ」ザッザッザッ…


椛 「…えっちょ!」


勇儀 「おい逃げるのか?閻魔の使いが逃げるとは情けないね」


勇儀 「そんなんじゃ誰も守れないぜ!」


蒼野 「あっそ」ザッザッザッ…


勇儀 「…なら閻魔をぶっ殺しに行くか」ボソッ


蒼野 「」ザンっ!!!!


勇儀 「うぉっ!?」ビュンッ!!



天狗の民家 「」ズバンッ!!!!…ドスゥン!!… 民家にかまいたちが斜めに入り崩れ落ちる


天狗 「わ、わしの家がー!!」


天狗 「なんだいまの!?か、かまいたちか!?」


椛 「ーっ…」唖然



蒼野 「…てめぇ 今なんつった?四季をぶっ殺しに行くと言ったか?」スチャッ 闇の刀を抜いて構える


蒼野 「冗談にならねぇこと言ったな めんどくせぇからあしらったのによぉ!」ビキビキッ


蒼野 「そんなに相手して欲しいなら相手してやるよ 半殺しで済ませてやるよ」チャキッ


勇儀 「…やっとやる気になったか いいね楽しくなりそうだ!」


勇儀 「閻魔を使って正解だったぜ さぁお前の実力見せ」


蒼野 「花ノ太刀 開花 彼岸花!!」ダンッ!!


勇儀 「てーっ!!」ゾクッ!!!!


勇儀 「(まずいっ!!)」ダンッ!! その場でジャンプして蒼野の斬撃を避ける


蒼野 「」ビュンッ!!!!


天狗の民家 「」ズバンッ!!!!グシャァァッ!!… あまりの衝撃に再び別の民家が崩れ落ちる



天狗 「あぁぁーっ!!俺のいえーっ!!」


天狗 「あ、あいつを止めろ!!これ以上暴れさせたらいろいろ壊れるぞ!」


椛 「あっ蒼野さん止まってください!!」


蒼野 「壱ノ太刀 瞬殺 かまいたち!!」ダンッ!!


勇儀 「おっと!それはさっきよりも遅いな 普通に避けられるぜ!」ヒュンッ


蒼野 「」ザザァっ!! 避けられると同時に瞬時に左足を軸にし右足でブレーキをかけながら勇儀の背後に向きを変える


蒼野 「弐ノ太刀 貫通 通刀斬!!」ビュンッ!!


勇儀 「うぉっ!?」ヒュンッ かろうじて背後から来た蒼野の攻撃を体をうねらせ避ける


蒼野 「っち!これも避けるか ならこれならどうだ!」スチャッ


蒼野 「壱ノ太刀 雷切 封魔一閃!!」ビュンッ!!


勇儀 「おぉっ!!?五人に分身した!?」


勇儀 「(全部急所狙ってきてる!さすがに急所はまずい!!)」


勇儀 「ーっふん!!」グシャァッ!!!! 地面を踏み込んで抉らせて破片を飛ばす


蒼野 「っ! 参ノ太刀 抜剣 鏡流し!!」キキキキキキィン!!!!!! 構えを変えて飛んできた石や砂を全て跳ね返す


勇儀 「いらん!!返す!!」ブンっ!!



砂や石 「「」」ビュンッ!!!! 拳の風圧で蒼野が跳ね返したものを全て返す


蒼野 「(パンチであの風圧か やっぱり拳や蹴りは喰らえねぇな)」タンッ…タタッ 横に飛び跳ねて飛んできた石などを避ける


蒼野 「(なら!)」スチャッ


勇儀 「(また右下下段構え 同じ技か?)」


蒼野 「花ノ太刀 開花 月下美人」ユラァ… 完全に気配を消して勇儀の前から消える


勇儀 「ーっな!?消えた!?どこいった!」


勇儀 「(あいつ姿を消せるのか!!気配が完全に消えた どこに!!)」キョロキョロ



蒼野 「…」スゥゥ… 気配を消しながら背後に周り刀を構える



椛 「っ! 勇儀様後ろっ!!」


勇儀 「っ!」ブンっ!!


蒼野 「っ!」ヒュンッ


蒼野 「(バレたか ならこの距離で!)」スチャッ


勇儀 「オラァっ!!」ブンっ!!


蒼野 「っち!参ノ太刀 抜剣 水路流し!」キィンッ!! 勇儀の拳を刀の平らな部分で受け止め横に受け流す


勇儀 「なっ!?(刀で受け流した!?)」ザッ!!タタッ 蒼野から距離を取り引き下がる


勇儀 「(今のタイミングなら腕を切れただろうに それを予測して次の段取りしようとしたんだが…)」


蒼野 「………」スチャッ



天狗 「今だ!!あいつを止めるぞ!」バッ!!


天狗 「止まれ小僧!!これ以上壊すな!!」


椛 「止まってください!!」ザッザッザッ!!…



勇儀 「ーっ邪魔すんじゃねぇ!!」クワッ!!


全員 「「ーっ!!」」ビクッ!!


勇儀 「今私と遊んでんだ 邪魔したらぶっ殺す!!」


天狗 「いや邪魔するなって…」


天狗 「勇儀様落ち着いてください!これ以上暴れたら建物だけでなく私たちにまで被害が及びます!」


椛 「蒼野さんもこれ以上暴れないでください 被害が拡大します!」


蒼野 「こいつが暴れるのやめたらやめてやるよ 誰か止められるか?」


全員 「「………」」


勇儀 「よし!なら続きをしようじゃないか 誰も止められないならやってもいいということだ!」


天狗 「んなわけないでしょう!!」


蒼野 「……はぁ マジでこいつ腹立つな 女にここまで腹が立ったのいつぶりだろうか」スゥー…スチャッ 蒼の刀を左手に構えて二刀流になる


蒼野 「ならさっさとてめぇをぶっ倒して終わらせてやるよ」チャキッ 闇の刀を十二時の方向に蒼の刀を三時の方向に構える


勇儀 「? なんだその構え ずいぶんと変な形してるな」


勇儀 「遊んでるなら私も遊ばせてもらうぜ!!」ダンッ!!



蒼野 「…時ノ太刀 参時 蛇鼬!!」クルン…ザンっ!! その場で一回転して衝撃波を放つ


勇儀 「またかまいたちか 一度見た技はもう喰らわ」



鎌鼬 「」ビュンッ!!…グニャァ かまいたちの形が崩れて蛇のように細長くなり軌道がグニョグニョになる


勇儀 「ーっな!?」ビュンッ!! 不規則な動きのかまいたちをかろうじて避ける


勇儀 「(かまいたちが動いた!?なんだ今の!!)」



天狗の民家 「」ズバンッ!!ドスン…!!


天狗 「あぁー!!わしのいえー!!」


椛 「(蒼野さん完全に周りが見えてない!!このままだとほんとに誰かがケガする!!)」


椛 「(ケガ人が出る前に止めないと!!)」ザッザッザッ!!…



蒼野 「弐ノ太刀 貫通 通刀斬!!」ビュンッ!! 闇の刀を前に向けて突っ込む


勇儀 「おっと!そいつはもう喰らわ」ヒュンッ


蒼野 「壱ノ太刀 風神 鎌鼬!!」ビュンッ!! 蒼の刀で勇儀の背後からかまいたちを繰り出す


勇儀 「あぶねっ!!」ビュンッ!!


勇儀 「(こいつ次の手次の手と考えるの早いな 避けられた場合を想定してすぐ攻撃が飛んでくる!)」


勇儀 「(こんなに頭が回るヤツは久々だな 博麗の巫女のときもけっこう強かったな!)」ニヤリ


勇儀 「やっぱり強いやつと戦うのは楽しいねぇ!!刀を使ってここまで動けるやつは久々に会った!!」


勇儀 「だがいつまでも攻撃てると思うなよ!!」ググッ!!


蒼野 「それはこっちのセリフだ!!さっさと当たって倒れろよ!!」ダンッ!!


勇儀 「(真正面から突っ込んできたか なら好都合!!)」スゥ… 拳を作り構えをとる


蒼野 「はぁっ!!」シュンっ!! 勇儀の腹に目掛けて刀を振るう


勇儀 「オラァっ!!」ブンっ!! 蒼野の顔面に目掛けて拳を振るう



椛 「そこまでです!止まってください!!」バッ!! 蒼野たちが攻撃してる間に割入る


蒼野 「…っは?」


勇儀 「おまっ!?」


蒼野 「(まずいっ!!)」スゥ… 構えを変えて左上段構えになる


蒼野 「参ノ太刀 抜剣 灯篭流し!!」ヒュン… 振るった刀が椛をすり抜けて貫通する


蒼野 「参ノ太刀 抜剣 水路流し!!」パァンっ!! そのまま勇儀の拳を刀の切れない部分で上に弾き飛ばす


勇儀 「うぉっ!!?」グラッ


椛 「……っえ」


椛 「(今切られ…いや ケガしてない でも確かに刀が…)」


蒼野 「椛!!お前いきなりあぶねぇだろ!もう少しで切るところだったぞ」スチャンッ


蒼野 「生体には傷つけないようしてたのに自ら来るとか死にたいのか!」


椛 「わ、わたしのせいなんですか!?いやいや待ってください 私ではなく蒼野さんのせいですよね!」


椛 「ふたりが暴れたから止めに入ったんですよ!止めに入った私がなんで怒られなくちゃいけないんですか!」


蒼野 「互いに攻撃してる間に入る奴がいるか!止めるにしてももっと別の方法あっただろ!」


椛 「止まらなかったから間に入ったんじゃないですか!言っても聞かなかったでしょう!」


蒼野 「だからって間に入るなんて自殺行為だ!もっと別の方法が…」



勇儀 「………」ジーン…


勇儀 「(弾かれたところが痺れてる…一回目食らった時より倍以上に痺れてやがる)」


勇儀 「(しかもあんだけ衝撃波放ってたのに被害が建物だけ 誰もケガはしてない)」


勇儀 「(私のことを本気で殺しにかかってきたかはわからないが私もケガしてない…あいつ、もしかして)」



天狗 「…ゆっ勇儀様 だいじょうぶでしょうか?なにやら手を見つめていますが」ソロー…


勇儀 「………」スクッザッザッザッ…



椛 「だから私のせいじゃ…はぁ もういいです 言い合うだけ無駄ですね 私のせいで構いません」


蒼野 「なんか納得いかねぇ…ぜったい俺のせいじゃねぇのに」


勇儀 「おい蒼野」ザッザッザッ…


蒼野 「なんだよ 今お前と話しはしたく…」


勇儀 「お前手抜いてただろ 私が避けられるように」


椛 「……っえ」


蒼野 「…なぜそう思った?あれを本気だと思わなかったか?」


勇儀 「本気出してたらもっと被害が出てたはずだ 建物だけじゃなく天狗たちもケガしてるはずなのに誰もケガしてない」


勇儀 「それはつまり周りを見ながら攻撃してたということだ 誰もケガしないために手を抜いてたとしか言いようがない」


勇儀 「しかも椛が間を割って入ってきたときすぐ構えを変えたよな 普通本気出してたらすぐ構えを変えることはできない」


蒼野 「そんなことはない 本気出してても構えを変えることは可能だ ましてあのタイミングならまだ修正は効く」


蒼野 「もう少し遅ければ無理だったがあのくらいならどうにかなる …まぁ、正直危なかったが」


椛 「あの!その事で聞きたいことが」


蒼野 「お前に放った技か?当たってたはずなのにすり抜けたやつ」


椛 「はい!たしかに当たったはずなのにすり抜けたからなにが起きたのか…」


蒼野 「あれは誰かが盾にされたときに使う技だ 切りつけてるように見えて実際には刀を後ろに引っ込めて当ててないだけだ」


蒼野 「といっても相手の背後を取ったときにすぐ刀を前に出すから切ってるようには見えるよな 素早くやってるから目が錯覚を起こしてるんだ」


椛 「そ、そんなに早くできるんですか!?あなたほんとに人間ですか!?」


蒼野 「いろんなやつから言われるが人間だからな どんだけ俺化け物扱いされんだよ」


勇儀 「……蒼野 ちょっとこっち向いてくれ」


蒼野 「? なん…」クルッ


勇儀 「すまなかった」スゥ… 姿勢を正して斜め四十五度の角度で頭を下げる


蒼野 「…っえ」


天狗 「ーっ…ゆ、勇儀様……」


天狗 「頭を……下げた………」


勇儀 「喧嘩したいがために閻魔を使ったこと謝罪する そして天狗たちに被害を出さないでくれたこと感謝する」


勇儀 「まさかそこまで配慮してくれてるとは思ってなかった 私も出さないようにはしてたが椛が飛び出してきたときは防いでもらわなかったら殴ってた」


勇儀 「甘く見てたがお前は予想以上に強かった 改めてお前と仲を深めたい」


蒼野 「……俺もやりすぎたところはあるが喧嘩を振ってきたのはお前だから俺は謝罪しないぞ」


勇儀 「構わない」


蒼野 「…わかったよ お前の謝罪受け入れるよ」フゥ…


蒼野 「次はないようにしてくれ 女相手に喧嘩なんてしたくないから」


勇儀 「なら次からは対戦相手になってくれ!それならいいだろ?」


蒼野 「いや拳使うのはちょっと…」



スゥゥ…シュゥゥ


萃香 「おーい!ここでなにやってんだ?」どこからともなく蒼野たちのところに現れる


椛 「萃香様!」


蒼野 「おう萃香 お前も来たのか 酒飲んでたんじゃなかったのか?」


萃香 「勇儀が祭りだー!って言って向かったきり帰ってこなかったから様子見に来たんだ それよりも…」



破壊された家の数々 「「」」ボロボロ…


萃香 「かなり暴れたみたいだな 家がバラバラじゃないか」


蒼野 「あはは…ちょっと暴れすぎたよ」


天狗 「ちょっと!?」


勇儀 「家は私が明日建て直しておくから安心しな 今日は誰かの家に泊めてもらえ」


天狗 「はっはい そうします」


蒼野 「俺も手伝うか?いくらお前からふってきた喧嘩とはいえ、壊したのは俺だし」


勇儀 「いやこれは私が責任もって直しとく お前は手出し無用だ」


勇儀 「壊れた原因は私だからな だから任せてくれ!」


蒼野 「…わかった なら任せるよ」


勇儀 「よし!それじゃ戻って酒飲むぞ!椛お前も来い!」


椛 「…っえ わ、わたしもですか!?」


椛 「いや私は遠慮しておきます!まだ仕事があるので…」


天狗 「いいぞ 仕事はわしらがやっとくから(断ったらわしらに振られる!)」


天狗 「警戒などもわしらがやっておく お前は勇儀様と飲んでいいぞ(勇儀様と飲むなんて死んでもごめん!!)」


椛 「こういうときだけほんとあなた方は!!」


蒼野 「…断れないなら俺が言うぞ?無理して参加することはない」ヒソヒソ


椛 「そ、そうしたいですが…あとが怖いので参加します」ヒソヒソ


蒼野 「なら困ったら俺に話題なんか振ってくれ そうすれば俺が相手するから」


椛 「…いいんですか?」


蒼野 「あぁ 俺は部下上司の関係じゃないから振られても普通に答えられる 任せろ!」


椛 「…わかりました ではすみませんがお願いします」


勇儀 「ほら行くぞ!早く行ってどっちが酒強いか勝負すっぞ!」


蒼野 「はいはい 飲みすぎて暴れるなよ」


萃香 「よし!今度は負けないぞ!」


ザッザッザッ…



天狗 「………」


天狗 「…あの人間、かなり強かったな 技もそうだが勇儀様が防がないで避けるなんて今まで見たことないぞ」


天狗 「あぁ 大抵の攻撃は枷で防ぐか拳でぶつけていくのにほぼ全て避けてた しかも険しい顔をして…」


天狗 「負けそうではなかったものの押されていたことには違いない とくに彼岸花という技…あれは異常だった」


天狗 「早すぎるし殺意がすごかったな あんなの向けられたら俺たち…」


天狗 「……味方でよかった あの者が仲間なら心強い」


天狗 「そうだな」













客間



天魔 「うぶ……ぎ、ぎもぢわるい 完全に飲まされすぎだ……」ウプッ


文 「断れませんからね…私も気持ち悪いです」


龍 「あはは!二人ともだらしないな お酒は適度に飲むものだよ!」


龍 「私みたいにお酒強くならないとあの二方相手できないよ」


天魔 「お前はわしたちに振ってたからそこまで飲んでないだけだろ…」


文 「回された分かなり飲まされました……天魔様の方が圧倒的量は多いですが」


天魔 「長たるもの部下よりも多く飲まんと示しがつかん …かなり無理したが」


文 「てかあの二方はどこ行ったんでしょうか?勇儀さんは祭りだーと言ってどっか行きましたが」


天魔 「そのまま帰ってくれれば嬉しいが…」


龍 「うーん…多分戻って来ますね 帰るって言ってないので」


天魔 「くそっ!だからあの者達と飲むのは嫌なんだ!毎回酒飲んでは暴れて騒ぐは物壊すはで最悪だ!!」


天魔 「しかも呼んだはずの蒼野がまだ来ない!あの人間はいつになったら来るんだ!」


文 「そろそろ来ると思いますが…」



バタンっ!!


勇儀 「おーっす!また酒飲みに来たぞ!!」ズカズカズカ… 扉を勢いよく開けて中に入っていく


蒼野 「そんな勢いよく開けなくてもいいだろ 邪魔するぞ」


椛 「失礼します!」


萃香 「おさけおさけー!!」


龍 「おっ噂をすれば」


天魔 「やっと来たか 遅いぞ!」


文 「なんで椛も一緒にいるんですか?」


椛 「誘われました…」


勇儀 「酒はみんなで飲んだ方が楽しいからな!暇そうだったから誘ったぜ!」


文 「あー…なるほど そういうことでしたか(災難ですね椛も これはまたがぶ飲み確定ですね…)」


蒼野 「わるいな遅くなって ちょっと天狗たちと遊んでた」


天魔 「…遊んでた?」


勇儀 「あぁ!その後私と遊んでたんだ 遅くなった原因はそれだ!」


文 「えっ!?ゆっ勇儀様と遊んでた!!?」


萃香 「みたいだよ 現に集落が一部崩壊してたし」


龍 「…この子もあぶないわね 勇儀様と遊ぶことができるなんてほんとに人間?」


蒼野「人間だよ失礼な …それと、あんたとは初めて会うな」


龍 「そうね 私は飯綱丸龍 大天狗よ」


蒼野 「俺は蒼野夜一 よろしくな」


勇儀 「よし!自己紹介も終わったことだし 酒飲むぞ!」


萃香 「お酒お酒ー!!」


蒼野 「飲みすぎるなよ 飲みすぎて暴れたら力ずくで止めるからな」


勇儀 「やってみろ!止められるならな!」


蒼野 「………」ギロッ


勇儀 「っ…わ、わかったよ 暴れないようするからそんな目で見るな」タジ…


全員 「「……っえ」」


蒼野 「ならいい 酒は飲んでも飲まれるなと言うからな 飲まれなければいい」


蒼野 「萃香も飲みすぎるなよ 前回みたいに酔い潰れると困るから」


萃香 「わかってるよ!私は勇儀よりも控えめだから心配するな!」


蒼野 「ならいいが」


蒼野 「てか天魔はまだ飲めるのか?かなり顔色悪いが」


蒼野 「もしキツそうなら酒は飲まないで水やジュースでも構わないが」


天魔 「……蒼野 ちょっといいか?」チョイチョイ


蒼野 「? なんだ?」タッタッタッ…


天魔 「…おまえ、勇儀様になにかしたのか?お前に怖気付いてたが」ヒソヒソ


蒼野 「あぁ さっき喧嘩売られたから買って暴れてただけだ それなりに本気で怒ったらあぁなった」ヒソヒソ


天魔 「はぁ!!?あの勇儀様に怒っただけで怖気付いたのか!?ありえない!!」


蒼野 「いやありえないって…実際今俺が睨んだら聞いただろ?あとどう説明すればいいんだ」


天魔 「お前が嘘ついてる可能性も…」


蒼野 「嘘つく意味ないし付いてたら睨んでも効果ないだろ 今睨んで効いたのはなんだったんだよ」


天魔 「……たしかに」


勇儀 「おいふたりしてなに話してんだ?隠し事は許さねぇぞ」


蒼野 「なに他愛もない話だよ 勇儀はかわいいなと言ってただけだ」


勇儀 「かわ……っは?」


勇儀 「私がかわいい?いやいやそんなわけないだろ お前目だいじょうぶか?」


勇儀 「こんなケンカが好きなやつのことをかわいいなんて言うやつはいねぇよ 冗談も休み休み言え」


蒼野 「性格のことは言ってないだろ 俺はこういうことに関しては嘘をつかない」


蒼野 「それに性格だって元気溢れてるから嫌いじゃないしな 元気な方が俺は好きだし」


蒼野 「たしかにさっきはイラついたがちゃんと謝罪をしてきたじゃないか 関係を悪くすると今後に響くから適切な謝罪をして受け入れただろ」


蒼野 「礼儀を知ってるなら嫌うことはない お前みたいな元気っ子なら俺もタイプだし」


勇儀 「ーっ…」///カァァ…


全員 「「………。」」(゜Д゜)


蒼野 「……えっなに?なんでみんな黙るんだ?俺変なこと言ったか?」


萃香 「……おまえ、ド正直者だな 鬼も驚くほど正直過ぎるよ」


蒼野 「正直に言ってなにがわるい?別に隠すこともないだろ」


萃香 「いやまぁ…うん、そうなんだけどさ」


勇儀 「ーっ…て、てめぇ そんなに私をコケにしたいのか?」///ピクピク


勇儀 「この私にかわいいとかタイプとか言いやがって!!」///ワナワナ


蒼野 「いやコケにしたいわけじゃ…」


勇儀 「いいやしようとしてたね!私に喧嘩売るとはいい度胸じゃねぇ!!」///ガシッスポン 酒瓶を手に取り蓋を取る


勇儀 「」///ゴクゴクゴクゴクッ!!!!!!


蒼野 「えっなんでいきなり酒一気飲み…?」


勇儀 「ーっぷはぁ!」///


勇儀 「よぉし!次はお前だ お前も一本飲め!」///ガシッスゥ…


蒼野 「いきなりだな!しかも一本ってキツイから!」


勇儀 「なに言ってんだ!萃香と飲み比べして勝ったんだろ?これくらい余裕だろ!」///


勇儀 「早く飲んでどっちが潰れるか勝負しようぜ!互いに飲める限度まで飲むぞ!」///


蒼野 「いきなり勝負しかけるなよ…まぁいいけどよ」


全員 「「(いいんだ…)」」


萃香 「なら私も飲もうかな!おい天魔 お前も付き合え!」ガシッ


天魔 「はっはい!喜んでお付き合いします!」ズルズル…


文 「い、行ってらっしゃいませ…」


龍 「よし 私たちは適当に飲もう!巻き込まれないように」


勇儀 「お前たちも飲め!こっちに来て飲み比べだ!」///


椛 「…フラグ回収ですね」


龍 「ちくしょー!!」








数十分後…



蒼野 「っ…」ゴクゴク…


蒼野 「ーっぷはぁ!……匂いキッツ」///ツーン…


勇儀 「はははっ!なんだお前このくらいの酒でやられるのか?アルコールには強いのに」///


萃香 「私と飲んでるときも水で薄めながら飲んでたからね だけどその増えた分全部飲んでたよ!」///


蒼野 「そもそもこんなアルコールの強い酒飲まないからな 昔飲んでたのもそこまで強くなかったし」///


蒼野 「水で薄めていいか?一升瓶七本飲んでから言うのもなんだが」///


勇儀 「いやそこまで飲んだならこのまま原液で飲めよ いけるだろ?」///


蒼野 「いけるけど毎回鼻に刺激が来ながら飲み続けるのもな…」///


萃香 「それなら私のお酒を注いでやろぉ!!」トポポポ… 常に持ってるひょうたんからお酒を出して蒼野の升に注ぐ


蒼野 「ちょっ!おいおい待て待て 増やすな!競ってるのにわからなくなるだろ!」///


萃香 「安心しろー!今注いだのはかなり薄めのお酒だからこれなら飲みやすくなったはずだぞ」///


蒼野 「そうなのか?なら水だと思えばいいか」///ゴク…


蒼野 「……たしかに薄くなってるな これなら飲みやすい」///


勇儀 「よし!それで続行だ!まだまだ飲みまくるぞ!」///


蒼野 「飲むのはいいが溺れるなよ?」///ゴクゴク…



文 「…凄いですね あんなに飲んでも自我があるなんて」いつの間にか蒼野たちのグループから外れて別のグループで酒を飲んでる


龍 「ほんとだね あの子のおかげでこっちに来るお酒の量が少なくて助かったよ」


天魔 「わしは途中まで飲まされたがな…うぷっ」


椛 「てっ天魔様!吐くならお手洗い場で…」アタフタ…


龍 「しかし部下の天狗もひどいもんだね 椛を生贄にするなんて」


椛 「い、生贄…まぁ言い方を変えれば確かにそうですが」


椛 「…文さん 蒼野さんの実力ってどれくらいなんですか?あの勇儀様と互角…と言えるかはわかりませんがかなり押してたように見えたので今までの情報以上の詳細を知りたいです」


文 「んー…詳細と言われましてもねぇ 記事に乗せてない情報ならいくつかあるのでそれでわかればいいですが」スッパララララ… ポケットからメモ帳を取り出して開く


文 「……これならわかりやすいですかね 月の民である綿月依姫が認めるほどの腕を持つ強豪、元白玉楼の庭師 魂魄妖夢の叔父 魂魄妖忌をも認める人材、あの剣豪と呼ばれた者が天賦の才と口にしたほど…」


椛 「いやちょっと待ってください あの魂魄妖忌が認めるほど!?」


龍 「それほんと?さすがにそれは嘘じゃ…」


天魔 「…いや、嘘じゃないだろ 大閻魔から話しを聞いてるが魂魄妖忌が佐久間グループの三幹部の中を相手に手こずっていたところ蒼野が参戦して押すことに成功したと言っていた」


天魔 「最終的には相手が謎の強化を受け蒼野は目を負傷し相手方が撤退したみたいだがそれでも蒼野がいなければ魂魄妖忌は勝てなかっただろう」


天魔 「それどころか命を落としていたかもしれない どんなに戦っても傷一つ付けられなかったと話していたよ」


椛 「ーっ…ほんと、なんですね 信じられません……」


龍 「…敵じゃなくてほんとよかったよ 敵だったら今頃この妖怪の山は崩壊してたかもしれないね」


文 「皆さん同じことを口にしますよ 能力も無効にして妖怪以上の強さを持ってるのでほんとに化け物ですよ」



蒼野 「おい 誰が化け物だって?」///


文 「あやっ!!?」ビクッ!!


蒼野 「あんまり化け物化け物って言わないでくれるか?俺も普通の人間だから良い思いはしないんだよ」///ゴクゴク…


蒼野 「ーっぷはぁ!いくら強いと思うからといってそれで化け物扱いしないでくれ 心の中で思うのは別に構わないが」///トポポポ…


文 「すっすみません…(今の聞こえてたんですか?結構小さめだと思ったんですが)」



勇儀 「あーっはははは!化け物と言われてなにが悪い?むしろ言われるほど強いということなんだから逆に誇りに思えよ!」///


蒼野 「思えたら思ってるよ 妖怪や鬼は言われても気にしないみたいだが人間の俺はけっこう気にするんだぞ?」///


蒼野 「外の世界でも化け物だの猟奇殺人鬼だのって言われ続けて嫌気さしてたからな 誰が猟奇殺人鬼だよ」///


萃香 「ほんとだよな お前みたいな優しいやつが猟奇殺人鬼なわけないよな!普通の殺人鬼なのにな!」///


蒼野 「それフォローのつもりか?結果殺人鬼に違いないんだが」///


萃香 「でも猟奇殺人鬼よりかはマシだろ?」///


蒼野 「…まぁ たしかにそれに関してはそうだが」///


勇儀 「っ…ぷはぁ!!ほら蒼野 次はお前だぞ!はやく飲め飲め!」///トポポポ…


蒼野 「ちょっ差し出す前に入れるな 差し出してから入れてくれ」///


勇儀 「どうせ飲むんだからいいだろ さっはやく飲め!」///


蒼野 「そんな急かすな 急いで飲んでもいいことないだろ」///


蒼野 「ゆっくり飲んで楽しみながら飲むのが通ってもんだ 競い合ってても飲むペースは変えさせないでくれ」///


勇儀 「(そう言いながらこいつさっきから一気飲みなんだよなぁ…普通に飲むペース早いんだが)」///


萃香 「ほら蒼野!弱い酒注ぐから差し出せ!」///スッ


蒼野 「んっ悪いがたのむよ」///スゥ…



文 「……蒼野さんは酒豪で鬼と対等できるっと…」カリカリ… ネタ帳に記録して覚えておく


龍 「いやせめて勝ってから決めなさいよ まだ飲み会ってるのに対等とは言わないでしょ」


文 「いやいや勇儀様たちと普通に飲んでるんですから対等してますよ 私たちと飲んでるときとは大違いです」


龍 「それは…たしかにそうだけど」


天魔 「…次からあいつを呼ぶか そうすればわしらの負担が減る」


龍 「賛成ね」


椛 「賛成です」


文 「賛成です!」


蒼野 「(全部聞こえてんだが…)」///ゴクゴク…








数時間後…



蒼野 「っうぷ…もう、飲めねぇ………」///プルプル…


勇儀 「私も飲めねぇ……これ以上飲んだら全部出てくる」///プルプル…


萃香 「あはははは!ふたりとも顔が凄いことになってるよ!」///ケラケラ


萃香 「途中でリタイアしといてよかった 危うく私もそうなるところだったよ…」///


蒼野 「っ…け、結局 何本飲んだんだ?」///チラッ



空き瓶酒樽の山 「「」」デデドン!!


勇儀 「もう途中から数えてない…お互い同じペースで飲んでたから……うぶっ」///


蒼野 「吐くなよ 吐くなら厠でしろよ…うぷっ」///


萃香 「ねーお腹突っついていい?」///


蒼野&勇儀 「「ぜったいやめろ!!」」



文 「……やはり化け物ですね 勇儀様と同等なんて…」


龍 「…ほんとに人間なの?本気で疑ってきたわ」


椛 「…人間のはずですが」


天魔 「だがおかげで助かった 次から必ずあやつを呼ぼう!そうすればわしら全員適量で飲める」


文 「酒飲みだけの理由で来てくれればいいですが…」



バタンっ!!


天狗 「天魔様!!」ハァハァ…


天魔 「なんだ騒々しい 入るならちゃんとノックして…」


天狗 「里に襲撃者です!!しかも多くの敵が攻めてきてます!!」


全員 「「ーっ!!」」


天魔 「なんだと!?まさか佐久間グループか!!」


天狗 「おそらくそうかと思われます!能力使って攻撃してくる上、こちらの能力は全て無効にされています!!」


天狗 「掛け声で無効石を返せと言っています!奪還しに来たと見受けます!!」


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