2021-06-28 21:18:30 更新

概要

この作品は幻想郷闇汚染危機 5の続きです
ゆっくり見ていってね


前書き

ライル・ディスト(偽名)

外の世界から来た外来人
風を自由自在に操ることができ、自分の世界の中心核となる存在
多重人格も持っていて、いろいろな能力が使える
性格は至って普通 かなりの仲間思いで特に女性には優しい(厳しくする時は厳しくする)
名前は偽名らしい


ミレイユ・ディスト(本名 ミレイユ・ブリリアント)

回復担当の多重人格者の一人
性格は天然でいつものほほーんとしてる
怒ると怖いかはわからないが本気にするととんでもなく強くなる
画像検索で【ミレイユ・ブリリアント】と入力すると元ネタにしたキャラが出てきます 検索してみてくださいね?


ブレイク・ディスト

無効を操る多重人格者の一人
性格は危ない この多重人格者と接する時は危ないから気をつけながら話しかけた方がいい
能力が無効しか使えないため攻撃方法は素手で攻撃しかないため単体で出てくることはほぼないだろう


キール・ディスト

諸刃の拳を使う多重人格者の一人
性格は言葉使いは多少荒いが根はいい人
能力を無効にされても諸刃の拳を使う事が出来る
体力を大幅に使うため、あまり多用することが出来ない上ブレイクと同じく素手で攻撃しかない為単体で出てくることはほぼないだろう


ぜウル・ディスト

未来を見る事が出来る多重人格者の一人
性格は不明
能力もたまにしか使えないためあまり役には立たない…?


ナイト・ディスト

闇を操る事が出来る多重人格者の一人
性格はブレイク以上に危険
敵味方関係なく攻撃する危ない人格者
ライルに止めてもらわなければかなり危険な者の為、あまり姿は出されない


勇那

東方玉新楽に出てくる狐の妖怪
詳しいことは東方玉新楽と検索すれば出てきます
なかなかかわいい(もはや作者の感想)


ラティス&アイビスの家



ラティス 「…はい紅茶よ 冷めないうちに飲んでね?」コトッ


ライル 「…ありがと」カタッズズ…


ラティス 「…びっくりしたよ ライルくんが闇の世界に来てるなんて」カタッ


アイビス 「ほんとよ しかもここら辺はミントの管理内だからよけいに心配したわよ?」


アイビス 「あなたがライルだって知られたらみんなに総攻撃されるわ ミントから命令されてるから」


ライル 「…だから俺のことラーって呼んでたのか 名前を出さないために」


アイビス 「…ねぇライル なぜあなたがここにいるの?闇の世界はあなたが来ていいところじゃないわ」


ラティス 「私もそう思うよ なんで闇の世界に?」


ライル 「…」ズズ…


ライル 「…ロランドを殺しにきた」カタッ


ラティス&アイビス 「「ーっ!!」」


ライル 「……と、言いたいが 今回はロランドを殺すことは後回しにして別の目的でここに来た」


アイビス 「別の目的……?」


ライル 「仲間がロランドに攫われた あと数時間経たない内に闇の住民にされると聞いて助けるために来た」


ライル 「ロランドの居場所を教えて欲しい やつはどこにいるんだ?」


ラティス 「………」


アイビス 「……ライル 気持ちはわかるけど、あいつのところだけは行っちゃダメ」


ライル 「理由は?」


アイビス 「あいつの拠点周りには魔獣がいっぱいいるの しかも私たちが元いた世界の魔獣と比べ物にならないくらいの強さを持つ魔獣がね」


ラティス 「私たち闇の住民が一斉にロランドを倒すために動いたこともあったんだけど……」


アイビス 「あっけなくやられたわ 仲間の半数以上はやられ…わたしの腕はその時にクールシュのようにされたわ」


アイビス 「指揮を取ってたミントは相当悔しがってたわ どんなことをしてでもロランドを殺そうとしたけど…今指揮を取ってるミントがやられたらまずいから私たちが止めたわ」


ラティス 「でも未だに無理しようとしてるよね?ミントちゃん たしかに私たちの世界を壊した張本人だから倒したい気持ちはわかるけど……」


ライル 「…ミントも同じ考えか そうだよな…お前たちの世界を壊したんだ 普通に殺したいと思うよな」


ライル 「でも俺はやつのところに行く 仲間を救うために何がなんでも行かねぇといけないんだ!」


ライル 「だから教えてくれ あのバカのところを!!」


ラティス 「………」


アイビス 「…なに言っても聞かないようね あの時と同じ目をしてるわ」


アイビス 「……わかったわ あいつの場所、教えてあげる」


ラティス 「アイビスさん!!」


ライル 「ありがとう 助かるよ」


アイビス 「礼なんて言わないで ほんとは教えたくないの」


アイビス 「あなたはすぐムリするから教えたくないのよ 過去にムリして死にかけたことがあるのに…また同じ道を進ませようとしてると思うといやなのよ!」


アイビス 「だから約束しなさい 教える代わりに必ず生きて帰ってきなさい!それが絶対条件よ!」


ラティス 「………」


ライル 「…」スゥ…


ライル 「わかった 約束する!必ず生きて帰ってくる!」


ライル 「倒すことは考えないで仲間を救うことに専念する 少しでも生きて帰れる可能性を高めるために!」


アイビス 「可能性をじゃないわ 必ずよ!」


ライル 「…必ず 生きて帰ってくる!」


アイビス 「…ここから東に約100km離れた場所に闇の森があるわ 闇の森を抜けたところにロランドの城が建ってる」


アイビス 「空飛べばロランドの城がすぐ見えるけど絶対に空飛んじゃダメよ 空には魔獣がうようよと飛んでるの」


アイビス 「もちろん森の中にも存在するわ でも空と比べたら森の中は隠れることができる それを利用して行きなさい」


ライル 「わかった 情報ありがとう 早速行ってくるよ」カタッ


ラティス 「まって!ほんとに…行くの?しかもひとりで」


ライル 「あぁ 仲間を助けなくちゃいけないからな?他のみんなにも迷惑かけるわけにはいかない」


ライル 「紅茶ごちそうさま 必ず帰ってくるから安心しててね?」タッタッタッ…


アイビス 「………」


ラティス 「…まって!」


ライル 「なに?もう行かないといけないんだけど」ガチャッ


ラティス 「わたしも行く!」


ライル 「……っえ」


アイビス 「ラティス!?あなた何言ってるの!」


アイビス 「これ以上ライルと関わってたら私たちが危なくなるのよ!一緒についてったら確実にバレるわ!」


ラティス 「でもライルくんをひとりで行かせるなんて危なすぎるよ!ましてロランドの所に行くとなるとよけいに!!」


アイビス 「だとしても… ……っ」ギリッ…


ラティス 「ライルくん ひとりで行くのはかなり危険よ!だから私もついて行く!」


ライル 「いやそういうわけにはいかないよ ラティス姉たちはラティス姉たちの立場があるんだから!」


ライル 「ミントから言われてるんでしょ?俺はこの闇の世界の敵だって」


ラティス 「そんなこと関係ない!ライルくんは私たちの大事な仲間なの!」


ラティス 「あっちがう 仲間じゃなくて……」


ラティス 「…すっ好きな人、だから♡」///エヘヘ


ライル 「っ……」///カァァ…


ライル 「(らっラティス姉の照れ顔…かわいすぎ)」///


アイビス 「っ…ならわたしも行くわ!私だってライルのこと好きなんだから!」///ガタッ


ライル 「ちょっアイビスさんあなたまで…(この人も平然と言っちゃったよ!)」///


ラティス 「それじゃ決まりだね!ライルくん 道案内は任せて!」


アイビス 「援護は任せて?魔力が弱まってるから前に出ることはできないけど 必ず役に立つわ!」キリッ


ライル 「いやだから 気持ちは嬉しいけど、ラティス姉たちの立場を考えたら……」



…いいこと聞いちゃったー?ガチャッ


全員 「「ーっ!!」」バッ!!


ミント 「やっほー!ライル 久しぶりだね?」ニッコリ


ライル 「みっミント!!」


ミント 「まさかライルがこっちの世界に来てるなんてねー?驚きだなー」


ミント 「…しかも裏切り者までいるなんてね?ふたりには失望したよ」ハイライト


アイビス&ラティス 「「ーっ!!」」ゾクゥ!!!!


ライル 「…排除するのか?するなら俺は許さないぞ」スゥ… ふたりを庇うように片手を広げて手を出させないようする


ミント 「んー…本来ならそうする予定だったんだけど ちょっと今回はいいかな?むしろ許してあげようとも思ってるし」


全員 「「……っえ?」」


ミント 「ねぇライル 今からロランドのところに行くんだよね?なら私もついて行きたいんだけどいいかな」


ライル 「………。は?」


アイビス 「…どういうこと?あなたも着いてくるって」


ラティス 「ミントちゃんも協力するってこと……?」


ミント 「うん 敵同士でも目的はほぼ一緒でしょ?ならここはひとつ 協力するのも手だなって思ったの」


ミント 「ライルが強いことは私も知ってる だってわたし、【ライルの手で殺されたんだもんね?】」ハイライト


ライル 「っ…それは……」


ミント 「まぁしかたないよね?その時 わたしの身体の中にロランドが入っちゃって操られちゃったんだもんね?私を殺す以外なかったからね」


ミント 「痛かったなーあの時は?心臓部に大穴あけるぐらいの攻撃をしてきたんだから当たり前だよね 痛くても」


ライル 「………」


ミント 「…でも、今はそんなことどうでもいい 過去のことより今のことを優先する方が大事だから」


ミント 「ライル 今は争うときじゃないわ 今はお互い同じ目的を達しようとしてるから、それまで協力するってどう?」


ミント 「もしそうしてくれたらお姉ちゃんたちのことは許してあげるよ!協力してくれるよね?」ハイライト


ライル 「……そんな脅しいれなくても協力するよ 俺だって最終的には殺さないといけないんだ 今殺しても問題ない」


ライル 「ミント 俺からも頼む 協力してくれ」スゥ… 片手を差し出して握手を求める


ミント 「ふふっ!交渉成立 期待してるよ?ライル」ガシッ


ライル 「俺も期待してるぞ?ミント」


ミント 「それじゃ早速行こうか?みんなに気づかれないうちに行って殺すわよ!」


アイビス 「…っえ みんなに気づかれないうちにって……なんで?他のみんなにも伝えて協力してもらえば……」


ミント 「それはダメ この世界の闇の住民…もといこの辺、私が管理してる住民たちにライルを殺すことを伝えてあるでしょ?」


ミント 「指揮をとってる私から言ったのに、なんで私がライルと協力してるのかと言われたらなにも言えないわ いくらロランドを殺すために協力してくれてるって言っても それで通せるわけない」


ミント 「一度決めたルールを崩すわけにはいかないわ だから誰にもバレないうちに行って倒すわよ」


ラティス 「…ジェシカちゃんたちなら平気だと思うけど?」


ミント 「わたしがこんな性格になってから皆になんて言われてるか知ってるでしょ?変わり者で自分勝手な指揮官って言われてるの」


ミント 「それでもまだみんな 同じ目的を持ってるから着いてきてくれてるけど、これでもしライルと協力するなんて言ったら…わたし、消されるわ」


ミント 「私だってこんな性格になりたくなかったよ…でも、感情が出てきちゃうの 闇の感情が出る度にあんな態度をとっちゃって……」


ライル 「…自分でも気づいてたのか?」


ミント 「当たり前でしょ?こんなの私の性格じゃないことぐらい知ってるよ ほんとならあなたのことだって殺したくないのに……」


ミント(闇) 「あぁだめ やっぱり殺したい?殺したくて殺したくてしょうがない だってそうだよね?わたし、あなたに殺されたんだから!」ニタァ


ライル 「ーっ! ミント!!」ガシッ ミントの肩を掴んで正気を取り戻させる


ミント 「ーっ!! …ごめん また感情が……」スゥ…


ライル 「…ごめん ミント」ギュッ


ミント 「……っえ」ライルに抱きしめられる


ライル 「俺が…俺があのとき、守れてれば……こんなことには、ならなかったんだ…!!」ツツー…


ライル 「みんなも守れてれば…お前たちは闇の住民になることもなかった 俺のせいでみんなは……!!」ポタッポタッ…


ミント 「……そうだよね ライルが私たちを助けれなかったから、こうなったんだよね」


ミント 「ほんとひどいよね ライルは…」


ミント 「……でも、敵とみなしても 私のために泣いてくれるんだね?ほんとに優しすぎるよ」


ミント 「…ごめんねライル 闇に落ちちゃって」


ライル 「謝らないでくれ 俺のせいでこうなったんだ お前は悪くない…」


ミント 「うん じゃあそういうことにしておくね?私は思ってないけどね」


アイビス 「…ライル 私も抱きしめて欲しいんだけど」プクー


ラティス 「あっわたしも…」///


ライル 「…あの、今大事なところなんだけど 雰囲気壊すのやめてくれないかな?」


アイビス 「だって…」


ラティス 「ミントちゃんだけずるい」プクー


ライル 「いやずるいって…」


ミント 「ふふ!あげないよ ライルは私だけのものだもん!」ギュッ


ライル 「ちょっミント 火に油注がないで…」


アイビス 「ミントだけってのは認めるのね」


ライル 「いやそれも違うけど…」


ラティス 「…ふふ!いつものミントちゃんに戻ったね 闇は抜けてないけど」


ミント 「そう?まだ完全に戻ってないよ だって私は基本敬語が多かったでしょ?」


ミント 「お姉ちゃんにはタメ口だったけど 他の人はみんな敬語で話してたよ」


ラティス 「…言われてみれば そうかも」


ライル 「俺と話すときも常に敬語だったよな」


ミント 「うん だってタメで話すと恥ずかしいんだもん…」///カァァ…


ライル 「っ…」///ドキッ


アイビス 「…ライル 鼻伸びてるわよ」


ラティス 「ずるいー!」(`・н・´)プクー


ライル 「そっそんなこと言われても…」///


ミント 「ふふ!さてと おふざけもこれくらいにして?」


ミント 「早く仲間を助けないといけないね 急がないと手遅れになるわ!」


ライル 「…そうだな 早く魔理沙を助けないと!」


アイビス 「ラティス 私たちもサポートするわよ!」


ラティス 「うん!」













闇の森ー入口



ギャァァ!!ギャァァ!!…


クエェェェ!!!!ギャギャギャギャッ!!!!…



ライル 「…なんか、明らかに動物らしくない声が響いてるんだが?」


ミント 「この森に住む魔獣よ さらにロランドが作り出した魔獣もいるからそいつらの鳴き声だと思うわ」


アイビス 「この森に入った仲間が何百人も殺されたの ロランドのもとに着く前に魔獣の手によってね」


ラティス 「かなり強くてまったく歯が立たなかったの しかも倒せそうになるとなぜか傷がふさがって再び襲いかかってくるの」


ライル 「それはおそらくダメージヒールだと思う あらかじめロランドがかけてたんだろ?」


アイビス 「ダメージヒール…?」


ライル 「あぁ ダメージヒールってのは一撃殺しの技には適用されないが倒れそうになった時に発動するんだ」


ライル 「瞬時に全身の治療が開始されて完全回復するやっかいな回復魔法だ 同じやつに一回までしか加護を付けられないうえに事前につける必要があるから使いどころが難しいんだ」


ミント 「そんな魔法があるの!?初めて聞いたよ」


ライル 「ダメージヒールはマイナーな魔法だからな 知らなくて当然だ」


ライル 「とにかくだ 今この人数で魔獣と戦うのは非常に危険だ できる限り戦闘は避けていくぞ」


アイビス 「そうしたいのは山々だけど…どうやって抜けるつもり?まさかこのままこそこそ行くわけじゃないでしょうね」


ライル 「さすがにそれはないよ…魔獣には気配や音に敏感なやつがいるからこのまま行くのは不可能だ」


ライル 「だから…」ヒュー…


ラティス 「? ライルくん風吹かせて何やってるの」


ライル 「…いいかお前ら 俺が合図したら一気に走ってくれ」ヒュー…


ミント 「……っえ」


ライル 「……ふんっ!!」ギュッ!!




パァンッ!!!!パパパパァン!!!!!! ライルたちのいる場所からかなり離れたら場所で爆発音が鳴り響く


アイビス 「っ!? なに!今の音!?」


ライル 「今だ!走れ!!」ダッ!!


ラティス 「っえ ちょ、まって!?」タッタッタッ!!…


ミント 「…なるほど そういうことね」タッタッタッ!!…


ミント 「今の爆発音…ライルの風ね?遠くに吹かせて魔獣たちを陽動したのね」


ライル 「正解!音に敏感な魔獣はもちろん 音に敏感じゃない魔獣でもあんな爆発音が聞こえたら何事かと思い確かめに行くはずだ」


ライル 「音に反応した魔獣は聞こえた方にかけていくはずだ 俺の吹かせた風は左右一列ずつに吹かして爆発させたから!」


アイビス 「その中間に道ができるわけね!」


ライル 「そういうことだ!だから魔獣が戻ってこないうちに駆け抜けるぞ!」


全員 「「えぇ!!」」


タッタッタッ!!…




? 「…」タッタッタッ!!…














ロランドの城ー城門前



ライル 「…ここがロランドの城か」


アイビス 「思ったよりでかいわね 遠くからでしか見たことなかったけど」


ラティス 「…闇の森から魔獣たち来ないね 上手くいったみたいだね?」


ミント 「そうだね もし気づかれてたら追いかけてきてるはずだから」


ライル 「…待ってろ魔理沙 あと少しだからな!」ググッ…


ライル 「よし 中に入るぞ!」タッタッタッ…


ミント 「あっ…まって!」



ーッガシ!!


ライル 「っ!!」


イブ 「待てライル その門に気安く触るな!」ライルの手を掴んで門に触れさせないようさせる


ライル 「イブ!なんでお前がここに!?」


イブ 「お前たちのあとを追いかけてきたんだ 街から出るお前たちを見かけたからどこに行くのかと思えば…」


ラティス 「…」


アイビス 「…」


ミント 「…あなた どこの者?わたしの管理してるところの者じゃないわね」


イブ 「俺はフリーだよ どこのものでもない」


イブ 「それよりライル その門には呪いがかかってる 触ると死ぬぞ」


ライル 「わかってるよ だからブレイクを出してる 呪いさえ解いちまえば」


イブ 「そうするとロランドにバレるぞ 呪いを解いたらあいつのところに通達が行くはずだ」


イブ 「いくなら呪いを解かないでいくしかない バレた瞬間お前の仲間がどうなるかわからない」


ライル 「解かないで行くって…どうやって?」


イブ 「簡単だ 要は触れなければいいだけだ 風で開ければなんも問題はない」ヒュー…カチャンッ 自身の能力で風を吹かせて門の鍵を開ける


イブ 「よし これでいけるぞ あとは中にいる見張り魔獣の目を盗んで通り抜ければロランドのところに行けるはずだ」


イブ 「中に入るぞ ここからは俺もついて行く あいつと戦うなら人数が多くて越したことはないだろ?俺も参戦させてもらうよ」


ライル 「それはありがたいが…いいのか?かなり危険な目に遭うことが予想されるが」


イブ 「ならなぜ女を連れてる?お前なら置いてひとりで来てたと思うが」


ライル 「それは…」


イブ 「まぁ大方、着いてくると言って聞かなかったから連れてきたとみていいだろうな?お前自ら連れてくるとは到底思えない」


アイビス 「まったくその通りよ あなたけっこうライルのこと知ってるのね」


イブ 「これでもライルとは付き合いが長いからな 本来なら始末する対象なんだが俺はそんなのどうでもいいと思ってる」


イブ 「闇の住民なのに変だよな 人を殺さないなんて…闇の住民として有るまじきことだ」


ラティス 「でも、それはいい事だと思うよ!わたしだってライルくんを殺したくないし…」


ミント… 「わたしだって殺したくは…あぁダメ やっぱり殺したい!!ズッタズタにして引き裂きたい!!」ニヤッ


ライル 「ミント落ちつけ 闇が出てる」


ミント 「っ…ごめん 制御できなくて」


イブ 「お前たちも大変だな やっぱり闇の住民になっていいことなんてないな」


イブ 「ライル お前だけでも落ちるなよ?お前が闇に落ちたら…自分の世界は愚か、今お前がいる世界も終わるぞ!」


ライル 「…わかってる それは絶対にさせない!」ググッ…


ライル 「行こう ロランドを倒しに!」


全員 「「おう!、えぇ!」」


タッタッタッ…













ロランドの城内部ー中間通路



タッタッタッ…


イブ 「…」タッタッタッ…


ミント 「…ねぇ この城の構造って…」タッタッタッ…


ライル 「学園の構造と一緒だ ジェシカたちが通ってた魔法学園の内部と瓜二つだ」タッタッタッ…


アイビス 「わたしは中に入ったことないからわからないけど…そうなの?」


ラティス 「私も分からない…魔法使えなかったから生徒にもなれなかったし」


イブ 「ならロランドの居場所とかわかるか?構造が一緒ならいつもいるところにいるだろ」


ライル 「…理事長室 あいつがいる場所といえばそこだろうな」


ミント 「たぶんあそこだね あの部屋でロランドといがみ合ってたもんね」


ライル 「あぁ…その後部屋粉砕したがな あいつの魔法でバラバラになった」


ライル 「部屋の位置も全部一緒なら理事長室は向こうだ 行くぞ!」


タッタッタッ…













理事長室



…ーっバゴォォォン!!!!


ライル 「ロランド 来てやったぞ 魔理沙を返せ」 ガシャァン!!!!… 扉を蹴っ飛ばしてぶっ壊す


ミント 「ーっ…」タッタッタッ!!


アイビス 「っ…あれ いない?」キョロキョロ


ラティス 「……いないね どこいったんだろ?」


イブ 「……」ヒュー… 風を吹かせてロランドの居場所を探知している


ライル 「……っち ならあそこか あの悪趣味な部屋に行きたくねぇんだが」タッタッタッ…


ミント 「…悪趣味?」


ライル 「理事長室の奥に隠し部屋があるんだ 魔法で見えないようにしてるんだが…」タッタッタッ


ライル 「…ーっふん!!!!」ブンッ!!!!



ドゴォォォンっっ!!!!!!バラバラ… 理事長室の奥にある壁に拳を入れて粉砕する


ライル 「…ビンゴ やっぱりあったか」


ミント 「この部屋にこんなものが…」


イブ 「その奥に悪趣味な部屋があるのか?」


ライル 「あぁ おそらくこの奥に魔理沙もいる 行くぞ!」


タッタッタッ…








隠し部屋通路



タッタッタッ…


ライル 「…」タッタッタッ…


ラティス 「…ねぇライルくん この隠し部屋にはなにがあるの?悪趣味な部屋だって言ってたけど」タッタッタッ…


ライル 「人体実験室だ 部屋の中には死体を入れる水槽があって、その死体にあらゆる薬品を入れて化け物に変えてるんだ」


アイビス 「ば、化け物に…」ゴクッ…


ミント 「てことは攫われた子も化け物にされそうになってるの?」


ライル 「おそらくは 俺の仲間がそう言ってた」


ラティス 「仲間…?」


ライル 「…っ!」スッ 片手を広げてみんなに止まれと合図する


全員 「「っ!」」ピタッ












ロランド 「…」コポポポポ… 黒い液体を水槽と繋がっている機械に流し入れて混ぜ合わせている


ロランド 「…ふむ 闇の素はこのくらいでいいでしょう」コトッ


ロランド 「あとは水槽の水と早く混ざるように巡回を早めて…」カチカチカチッ


水槽 「魔理沙 「」」コポポポポ… 水槽の中に入れられている魔理沙に闇の素が 混ざり巡回し始める


ロランド 「…これでよし あとは数時間もすれば、この者は闇の住民に……!」ニヤッ



…闇 抜刀剣!!


ロランド 「っ!!」バッ!!



ライル 「うおぉぉぉっ!!!!」 ブンッ!!!! なにも持っていない手をロランドに向けて振りかざす


ロランド 「闇 Crazy nighT!!」スッ



シュウゥゥゥゥッ!!!!!!… ロランドが作り出したブラックホールにライルの抜刀剣が吸い込まれる



ライル 「っち!抜刀剣が吸い込まれた!」


ラティス 「ーっ…は!」バシュンッ



矢 「」カァンッ!! 部屋に置かれている機械に矢を当ててブラックホールに吸い込まれないよう跳弾させてロランドを狙…


ロランド 「小賢しい」カキィン!! 手に持っている魔法の杖で矢をはじき返す


ラティス 「っち!」


アイビス 「喰らいなさい メテオ・インパクト!!」バァンッ!!



隕石 「」ヒュヒュヒュヒュヒュンッ!!!!!! 天井に魔法陣を展開させて隕石を振らせ…


ロランド 「絶対防壁 Shine・shield!!」バァンッ!!



ガガガガガキィンッッ!!!!!! 機械や自分のまわりに防壁を張って全てを守る


アイビス「あいかわらずのとんでも魔力ね!」チッ


ミント 「みんな飛んで!」スゥ…


全員 「「っ!」」バッ!!


ミント 「アース・インパクト!!」タンッ



グシャアァァッ!!!!!! 床を踏みつけて全体的に粉々に粉砕して機械やロランドを倒そうと…



ロランド 「耐震 Break・down!!」コンッ



ゴゴゴゴゴツ!!!!!!……… 魔法の杖を床に当ててミントの地震魔法を収める


ミント 「うそでしょ!?上級魔法をたった耐震魔法のひとつで防ぐなんて!」


ロランド 「詰めが甘いですよミント・レンティルくん フレイム・アロー!!」ボゥンッ!!


ミント 「そんな初級魔法!!」スゥ… すぐに防御魔法を展開させようと…


ロランド 「と、見せかけて」コンッ 杖を床に付けさせる


ロランド 「アース・プリズンブレイク!!」



岩の柱 「「」」ズシャアァァッ!!!! 数多くの岩の柱が床から貫いてきてミントに襲いかかる


ミント 「下から!?(やばっ間に合わ……)」



ライル 「闇 抜刀剣!!」ブォンッ!!!!


岩の柱 「「」」ズバンッ!!!!ボゥゥ… 床から生えてきた岩の柱が抜刀剣で切られて黒い炎に包まれて燃え尽きる



ライル 「ミント!」ヒューッ!!


ミント 「っ!」ビュンッ!! ライルの風に引き寄せられてライルの方へ飛んでいく



ロランド 「させませんよ 風火・エアロファイア…」スゥ… ライルの元に引き寄せられているミントに目掛けて魔法を飛ばそうと…


イブ 「俺もさせねぇぞ クソ野郎が!!」シュンッ… ロランドの背後を取りナイフを構える


ロランド 「ーっな!?(いつのま…)」


イブ 「オラァ!!」ブンッ!!


ロランド 「くぅっ!!」ガキィン!! 持ってる杖でナイフ攻撃を防ぐ


イブ 「闇風 風爆散!!」バァンッ!!!! 風を爆発させて目の前に風の破片を撒き散らす


ロランド 「テレポート!!」コンッ



ヒュンッ!!スタッ 床に手に持ってる杖をつついてその場から出入口の方へワープする


イブ 「っち!」



ライル 「ーっと」ポスンッ


ミント 「助かったわ ありがとう」ヨット


ライル 「どういたしまして」


アイビス 「ロランドが装置から離れたわ!今のうちに装置からあの子を…!」



ロランド 「させませんよ」スゥ…


ロランド 「グラビティ・プレス!!」コンッ



全員 「「ーっ!!」」バタァンッ!!!!!! 重量のGが高まって全員身体が重くなり床にへばりつく



ロランド 「危ないですね 危うくやられるところでしたよ」


ロランド 「にしても、まさかあなたがここまで追いかけてくるとは思いませんでしたね?ライルくん 闇に落ちる可能性があるのによく来ましたね」


ライル 「ーっ…くぅ!!」ミシミシ…


ライル 「(ブレイク…頼む!)」スゥ… 左手にブレイクを出そうと…


ロランド 「させません」コンッ



グシャアァァッ!!!!!!


ライル 「ガアァァッ!!!!!!」左手中心に重量が重くなり左手が潰される


ミント 「ライル!!」


ラティス 「くぅ…ライルくん!!」


アイビス 「ーっロランド キサマァァ!!!!」ビキッ


イブ 「(まずい…ライルが!!)」


ロランド 「ふふふ あなたの左手は潰させてもらいました まぁあなたの場合は左手のみならず、全て潰させてもらわなくてはいけませんがね」


ロランド 「しかし多重人格の能力増幅を成功させるなんてやはりあなたはすごい 普通なら人格増やした時点で精神が崩壊、または人格崩壊する可能性があるというのに」


ロランド 「君のような才能を持ったものを殺すのはもったいない 今からでもわたしの元に着く気は…」


ライル 「ーっ誰が仲間になるか!!てめぇの仲間になるくらいなら死んだ方がマシだ!!」


ロランド 「……そうですか 残念です」スゥ…



コンっ…


グシャアァァッ!!!!!!


ライル 「ーっ!!!!」胴体部分の重量が重くなり背骨や脇腹などの骨が粉々に折れる


ミント 「っ…」


ラティス 「ーっら」


アイビス 「ライルーっ!!!!」


イブ 「ーっ…」ググッ…


ロランド 「…惜しい方でしたよ ゆっくり眠りなさい」



ライル 「」


ミント 「…らっライル 生きてる…よね」


ライル 「」


ミント 「…ねっねぇ 返事してよ 起きてるんでしょ?」プルプル…


ライル 「」


ミント 「……わ、悪ふざけが過ぎますよ?ライル…さん」ツツー…


ライル 「」


ミント 「………ライルさん」スゥ… 目が真っ黒になり光が全て失う


ラティス 「ーっ!! みっミント?」ゾクッ



ロランド 「さてと わたしは実験の続きをしなくてはいけません」タッタッタッ…


ロランド 「あなた達はあとで始末してあげますので暫し その場に這いつくばって…」



…闇、解放


ヒュオォォォン!!!!!! この場にいる全員に闇の寒気が襲いかかる



全員 「「ーっ!!!!」」ゾクゥ!!!!



ミント(?) 「………」スク… 闇を解放と同時に重力が元通りになり立ち上がる


ラティス 「…みっミント……ちゃん?」


イブ 「おいおい…マジかよ ありえねぇよ」


イブ 「【おまえ、無限まで落ちてたのかよ!?】」



ミント(無限) 「………」ユラァ…


闇の邪気 「アーッHAHAHA!!!!闇が充満してるぜェェ!!!!」ミントの背後から出てる邪気が喋り出す


闇の邪気 「ぶち殺してやるぅゥ!!!!ヒャッハァァァ!!!!」


ロランド 「っ…バカな ありえない なぜ無限の闇をキミみたいな子に!!」タジッ…


ロランド 「ライルくんならまだ期待はあった!あの子の実力は相当なもので過去に私を倒したほど もし闇に落ちていたら無限の可能性は考えられた!」


ロランド 「だが君は違う!!君にそんな実力はない!なのになぜ無限を使える!?」


ミント(無限) 「…うるさいです」スゥ…


ロランド 「っ!! WORLD SHIELD!!」キィンッ!! 自分の周りに最強のシールドを張り守りを…


ミント(無限) 「無限 抜刀剣!!」ブンッ!!



ズバァァァンッ!!!!!! ライルが使った抜刀剣とは比べ物にならない程の威力がロランドに襲いかかる



ロランド 「ーっな!?」バリィン!!!! WORLD SHIELDはミントの抜刀剣に当たるといとも容易く粉々に粉砕する


ロランド 「(わっWORLD SHIELDが破られた!?私の最強防御魔法が!?)」


ロランド 「(しかたない 無詠唱は体に負担をかけますが使わなければ間に合わない!!)」スゥ…


ロランド 「ふんっ!!」シュゥゥー!!!! CRAZY nightを無詠唱で使い指先にブラックホールを作り出し【無限 抜刀剣】を吸い込む


ミント(無限) 「…抜刀剣吸い込んだんですか さすがですね」


ミント(無限) 「でもこれが私の本気だと思わないでくださいね?私の本気はこんなもんじゃありませんよ」ユラァ…


ロランド 「っ!(空間が歪んで…!!)」


ミント(無限) 「無限 Bad∞End∞Night!!」スゥ… 指先をロランドに向けて放つ


ロランド 「ーっく!(直接攻撃の闇魔法!!避けられない…!!)」スゥ…


ロランド 「とっトリニティ・ライフ!!」ヒュオン… 自身の体力を三倍にして受けるダメージを減らすため防御魔法陣を唱える



ズドォォォンッ!!!!!!


ロランド 「ーっがはぁ!!!!」ビチャァ!!!! 心臓部に強烈な衝撃を受けて血反吐を床一面に撒き散らす


ロランド 「(あ…あぶない!!三倍にしといて正解でした もししてなければ即死…!!)」ハァー…ハァー…


ミント(無限) 「…体力三倍にして生き残りましたか そこまでして生き残りたいんですか?」


ミント(無限) 「早く死んでくださいよ!死んで永遠の闇に落ちなさい!!」


ロランド 「くっ…!!」



ラティス 「ライルくん!ライルくんしっかり!!」


アイビス 「起きなさいライル!あんな攻撃で死ぬような男じゃないでしょ!!」


イブ 「起きろライル!生きてんだろ 目覚ませよ!!」


ライル 「」


ラティス 「ーっ…ライルくん 目覚ましてよ!!」ツツー…


ライル 「」


アイビス 「……回復魔法、使って……治るかしら?」ポタッポタッ…


イブ 「ムリだよ…死んだやつを生き返らせるのは、蘇生魔法じゃないと……!!」ギリッ!!


ライル 「」


アイビス 「…ーっライル!!」
























ライル 「………」


ライル 「……っ あれ…ここは?」


ライル 「(暗い…足場がない 周りも俺のところ以外真っ暗だ 重力も働いてないみたいだ…)」


ライル 「(どっちが上だ?今向いてる方角は?足場は?ここは…どこなんだ?)」


ライル 「(……あぁ そうか 闇の世界で死んだから永遠の闇に落とされたのか たしか闇の世界で死ぬと魂は一生闇の世界でさまよい続けるって)」


ライル 「(誰から聞いたんだっけ?ミレイユだったかな いやイブだったか?誰かに聞いたのは覚えてるんだが 誰かまでは忘れたな…)」


ライル 「(…死んじまったのか おれ…誰も守れないで、ひとり先に旅立っちまった……)」


ライル 「(みんなには悪いことしたな 先にこっちに来て…まぁこっちの世界に関しては誰も来たくないか 落ちたら最後…永久に………)」


ライル 「………」


ライル 「(…もう考えるだけ無駄だな この世界から出ることは不可能 一度入ったら消滅もせず、ずっとこの世界で孤独にさまよい続けるしかない)」


ライル 「(ちょうどよかったよ ずっとひとりになりたいと思ってたからなれてうれしい…)」


ライル 「(ひとりでいる方が落ち着くし安心する ずっとこの世界でさまよい続けても問題ないだろ)」


ライル 「…やっと落ち着ける もうみんなに会わなくて済むんだ こんなにも嬉しいことはない」


ライル 「最後に霊夢だけにはお別れ言いたかったが仕方ないよな 近くにいないんだから仕方ない うん、しかたな……」




霊夢 『ラーイル!!』ニコッ



霊夢 『大好きだよ ライル!!』///



霊夢 『…死なないでね ライル』



霊夢 『…絶対、生きて帰ってきてね 待ってるから!』



ライル 「……っ」ツツー…


ライル 「(あぁ…そうか 仕方なくないか)」ポタッポタッ…


ライル 「(俺の帰り…待ってる人がいるんだ さっきケンカしたばかりなのに……)」


ライル 「(霊夢は俺の帰りを待ってる 他のみんならわからないけど…霊夢だけは確実に待ってくれてる!)」グシッ


ライル 「…帰らないと こんな世界から出て、帰らないと!!」


ライル 「ーっ禁忌 黒魔術 冥土返し!!」バァンッ!!!! 頭上に黒くおびただしい魔法陣を展開させる



シュゥゥ… 展開させた魔法陣にライル自身吸い込まれていく
















ミント(無限) 「ーっはぁ!!」ビュンッ!! 闇で作り出した無数の槍をロランドに向けて放つ


ロランド 「World shield!!」キィンッ!! 全ての闇の槍を防いで自身の身を守る



キキキキキキィン!!!!!!… ミントの作り出した闇の槍は全て防がれて消滅する


ミント(無限) 「っち ほんとにしぶといですね いい加減諦めて死んでください」


ロランド 「…っふ!そういうわけにはいかないんですよ 私の計画を止められるわけにはいきません!」ハァ…ハァ…


ロランド 「あと数時間後には最強の闇が取り付いた少女ができるんです その間はなんとしても生きてなければなりません!」


ミント(無限) 「…そうですか ならすぐに殺してあげます!!」ブワァッ!!!!




アイビス 「ーっ…ライル 目覚ましなさい!」シュゥゥ… ライルに回復魔法をかけて治療している


ラティス 「ふーっ!!…ライルくん生き返って!!ふーっ!!……」人工呼吸してライルを目覚めさせようとしている


イブ 「ーっ!…ーっ!…ライル!!目覚ませ!!」グッ!!グッ!!… 心臓マッサージしてライルの心臓を動かそうとしている


ライル 「」グッ!!グッ!!フーッ!!シュゥゥ…


ライル 「…っ」ピクッ


イブ 「っ! 全員手を止めろ!」


アイビス&ラティス 「「っ!!」」パッ


ライル 「………」スゥ… 今まで閉じていた目を開けて意識を取り戻す


アイビス 「ライルっ!!」


ラティス 「ライルくん!生き返った!!」


イブ 「……?」


イブ 「(…なんだ?この感じ 生き返っ……たのか?)」


ライル 「………」ムクッ…スクッ すぐさま起き上がりすかさず立ち上がる


アイビス 「あっちょ!まって まだ動いちゃ……」


ライル 「……っ!」フルフル…ドンッ!! 首を横に振って自分の胸に拳を当てる


アイビス 「っえ なっなに?それだいじょうぶって言ってるの?」


ライル 「…」コクンッ


ラティス 「…ライルくん なんでしゃべらないの?もしかしてしゃべれない…わけないよね」


ライル 「………」


イブ 「…おまえ、まさか蘇生魔法使ったのか?」


ライル 「…」コクンッ


アイビス 「っえ!?あなた、蘇生魔法使えたの!?てかどうやって使ったの…?」


アイビス 「死んでからじゃ使えないはず…一体どうやって?」


ライル 「…」(。-ω´-)ンー


ラティス 「…しゃべれないの?」


ライル 「…」コクンッ


イブ 「一体どんな魔法使ったんだ?しゃべれなくなる蘇生魔法ってかなり限られてると思うが…」


ライル 「…」スッフルフル…ユビサシ 自身に指さして首を振り、ロランドの方へ指差す


アイビス 「…俺のことよりロランドを倒すぞって言ってるの?」


ライル 「…」コクンッ


イブ 「…そうだな あいつを倒すことが先決だな」


アイビス 「なんとしてもあいつは倒さないといけないわね これ以上悪事を働かせないように!!」


ラティス 「ライルくん 微力ながら援護は任せて!」スゥ…ギリリッ!!


ライル 「…」コクンッ



ロランド 「くらいなさい ブラック・トライアングル!!」ボゥンッ!!!! 一回の魔法で炎、雷、氷が混ざった球体がミントに向かって飛んでいく


ミント(無限) 「無限 ブラック・ブレス!!」スゥ…



ボワァァァンッッ!!!!!!シュゥゥ… 闇の咆哮がブラック・トライアングルをいとも容易く飲み込んでロランドに向かっていく


ロランド 「ーっく!闇 crazy night!!」スッ



シュゥゥッ!!!!… crazy nightでブラック・ブレスを吸い込んで消滅させる


ミント(無限) 「また吸い込みましたか…ならこれはどうですか?」ヒュンッ!!スチャッ 手に闇の槍を作り出し構える


ミント(無限) 「無限 ブラック・スピア・グングニール!!」ビュンッ!!!! 光の速さを超える速度でロランドに闇の槍が向かって飛ばす


ロランド 「そんなの吸い込んで…」スゥ… 向かってくる槍に向けてブラックホールを動か…



闇の槍 「」カクンカクンッ 軌道が急に変わりブラックホールの真上を通ってロランドに向かっていく


ロランド 「ーっな!?(軌道が変わって!!)」



ドスゥッ!!!!


ロランド 「がはぁっ!!!!」ズキンッ!!!! 闇の槍が容赦なくロランドの腕や太ももに刺さり貫く


ミント(無限) 「今度は刺さりましたね さすがに光の速度には追いつけなかったようですね」


ロランド 「ぐぅぅ…!!」ズキズキ…


ロランド 「(完全に油断しましたね…まさか光の速度で軌道を変えてくるとは思わなかった おかげで二箇所大穴が空いてしまった…!!)」ダラダラ…


ロランド 「(このままではまずい この少女が完全な闇を取り込むまで耐えなければいけないのに、このケガでは……)」フゥー…フゥー…


ミント(無限) 「もう観念して死んでください じっとしてれば楽に死ねますよ?」スゥ…スチャッ 闇の槍を再び作りだして構える


ミント(無限) 「わたしも拷問かけるようなことは好きじゃないんです 人の痛がる声を聞いてて心が痛いです」


ロランド 「ーっ…何言ってるんですか 無限の闇に落ちてる方が言うセリフではありませんよ」スゥ… 手に持っている杖を再び構えて戦闘態勢にはいる


ロランド 「あなたはもう立派な闇の住民なんですよ?そんな方が心痛いだなんて片腹痛い 冗談は死んでから言ってください」


ミント(無限) 「っ…へぇ そんなこと言うんですか?」ピキッ


ミント(無限) 「そうですか なら仕方ありません 無様にわめきちらしながら死んでください」ユラァ… 尋常じゃない闇のオーラが背後から出て辺りに漂わせる


ロランド 「やってみなさい わたしを倒せるなら…ーっな!?」ギョッ!!


ミント(無限) 「? どうかしましたか?なにかありえないものを見たような目で……」チラッ



ライル 「…」タッタッタッ…


ミント(無限) 「……うそ ライル…?」


ロランド 「ば、バカな!?先ほど息の根を止めたはず!!なのになぜ生きて!?」


ライル 「……っ」スゥ…ダンッ!! 勢いよく踏み込んでロランドに向かって走り込む


ロランド 「ーっち!ならもう一度死になさい!!」スゥ… 杖を構えてライルに向けて魔法を放とうと…


ライル 「…」フヨォ…スゥゥ…… ライルはその場から風のように消えていなくなる


ロランド 「ーっ!?消えた……?」



ライル 「…」スゥゥ… 風のようにロランドの背後に現れて拳を構える


ロランド 「ーっな!?いつのま…」


ライル 「ーっ!!」ブンッ!!



グシャアァァッ!!!!!! ロランドの溝部分に拳(徹甲弾)が入り肋骨がバラバラに砕ける


ロランド 「がはぁぁっ!!!!」ゴパッ!!


ライル 「ーっ!!」グシャグシャベキバキッ!!!!!!


ロランド 「ーっ…」ブヘェッ!!!! 至る所を殴られて骨が折れまくる


ライル 「…」ヒュー…スチャッヒュン!! 風の剣を作り出してロランドの首元に目掛けて振るう


ロランド 「ーっ!!」コンッ



ヒュンッ!!…スタッ ロランドは杖を床に付いてライルから離れた場所にテレポートする


ライル 「っ!」ビュンッ!! ライルの攻撃は思いっきり空振り外れる



ロランド 「ーっ…あ、あぶない もう少しで死ぬかと…ーっがはぁ!!!!」ドクンッ!!


ロランド 「(こっ拳の技…徹甲弾ですか 今のはかなり効きましたね 回復しなければ……)」シュゥゥ…


イブ 「させるかよ!!闇風 ボンバーブレイク!!」ヒュー…バァンッ!!!! ロランドに向けて風を吹かせて爆発させる


アイビス 「アイス・ランス!!」ピキピキッヒュン!!!! 氷の槍がロランドに向かって伸びていく


ラティス 「ーっはぁ!!」バシュンッ!! 矢をロランドに向けて放つ


ロランド 「ーっち うるさい小物どもが」スゥ…


ロランド 「グラウンド・ゼロ!!」コンッ



バァンッ!!!!シュゥゥ… ロランドの近くに飛んできたものがすべて消し炭になって消える


イブ 「遠距離攻撃系を無効にする技か 高度な魔法持ってんな?」


アイビス 「でもそう何度も使えないはずよ 自分の治療もしないといけないから必ずボロが出るはずよ!」


ラティス 「そのボロが出た瞬間を狙えればいいのね わかった!」スチャッギリリ…


ロランド 「…っく!」ハァ…ハァ…



ライル 「っ……」ハァ…ハァ…


ミント(無限) 「…ライルさん だいじょうぶですか?」


ライル 「……っ」コクンッ


ミント(無限) 「…? ライルさん?なぜ言葉で平気と言わないんですか?」


ミント(無限) 「それになぜ…生きてるんですか?先ほど殺されたはずじゃ」


ライル 「………」


ミント(無限) 「…まさか 蘇生術使ったんですか!?話せなくなるものだと……」


ミント(無限) 「……黒魔術 禁忌技の冥土返し、ですか?」


ライル 「…」コクンッ


ミント(無限) 「ーっ…な、なぜ あれは死んだ後では使えないはず 誰かが使ったとしても、姉さんたちが使えるとは思えません 一体どうやって……?」


ライル 「…」スッフルフル…ユビサシ 自分に指さして首を横に降りロランドに指さす(意味、俺の事よりロランドを優先するぞ)


ミント(無限) 「…そうでした 先にあの方を倒さないといけませんね」


ミント(無限) 「あの方を倒して彼女を助けたら聞かせてください どうやって生き返ったのか」


ライル 「…」コクンッ



イブ 「オラオラァ!!さっさとくたばりやがれ!!」ヒュー…バァンッ!!!!


アイビス 「ファイヤー・バルカン!!」バシュンッ!!


ラティス 「ーっ…はぁ!!」ギリリ…パシュンッ!!



ロランド 「SHIELD!!」キィンッ!!キキキキキキィン!!!!!!アイビスたちの攻撃を全て防ぐ


イブ 「まだまだァ!!闇風 風神斬撃!!」ブォンッ!!!!ヒュヒュヒュヒュン!!!!!! 手刀構えでロランドの向けてかまいたちが放たれる


アイビス 「アクアサンダー・ショット!!」バシュンッ!!ヒュヒュヒュヒュン!!!!!! 水にまとわりついた電気がロランドに向かって飛んでいく


ラティス 「ーっ…複数本 食らえっ!!」ギリリ…バシュシュンッ!! 二本の矢を同時にロランドに向けて放つ



ロランド 「喰らいませんよ SHIELD!!」キィンッ!!キキキキキキィン!!!!!! 先ほどと同じく全ての攻撃を防ぐ


イブ 「ーっち!やっぱり並の攻撃じゃ全部防がれるか やっかいだぜ」


アイビス 「わたしも片腕やられてるから並の攻撃しか出来ないからキツいわね こんな手にされてなければ…!」ギリッ


ラティス 「でもやめるわけにはいかない どんな手を使ってでもあいつを倒さないと!」


ロランド 「やれるものならやってみなさい 倒せるものならね!」


ロランド 「この少女が完全な闇に落ちるまでわたしは倒れるわけにはいかない!落ちるまで私は耐えなければ…!!」



ガシャァァァン!!!!!!ザバァー… 魔理沙が入っていた水槽が突如割れて中の水が流れ出てくる


魔理沙…? 「………」スゥ…スタッ 水槽を自らの拳で割り裸の状態で外に出てくる



ロランド 「ーっな!?」


ラティス 「なっなに!?いきなり水槽が割れたよ!?」


アイビス 「いいえ違うわ あの子がぶっ壊したのよ!まさかもう完成したの!?」


イブ 「…いや 違うみたいだぜ あいつも焦ってやがる」



魔理沙…? 「………」ポタッポタッ…


ロランド 「バッバかな 完全な闇に染まるまであと数時間とあるはず…なぜもう出てきた?」


ロランド 「しかも拳で開けられるほど、あの水槽はやわではない 男の力でも割れるかわからない強度を持つガラスを割ることが出来るなんて……」


魔理沙…? 「…うっせぇんだよ さっきからゴチャゴチャとよぉ」ギロッ


ロランド 「ーっ…」ゾワッ!!


ロランド 「(なっなんという威圧 たかが少女の睨みで、私がここまで押されるとは…!!)」


魔理沙…? 「…おい ライルはいるか?水槽から出てまだ目が馴染んでないんだ いるなら前に出ろ」



ライル 「………」タッタッタッ… 魔理沙に呼ばれてアイビスたちとロランドの間に立つ


魔理沙…? 「…今そこに歩いてきたやつ ライルか?ライルなら返事しろ」


ライル 「………」スゥ…パンパンッ!! 喋れないため手を叩いてそうだと伝える


魔理沙…? 「…なんだ しゃべれないのか?手叩いて知らせてきたが」


ライル 「…」パンッ


魔理沙…? 「…そうか まぁいい しゃべれないなら喋れないで構わない」


魔理沙…? 「……守ってくれるって言ったよな なんで守ってくれなかったんだよ」


魔理沙…? 「わたしはお前のこと信じてたのに…あいつに攫われた時、助けてくれるって思ってたのに なのにお前は……助けてくれなかった」


魔理沙…? 「邪魔が入ったからって助けられないわけじゃなかっただろ!無理すれば助けられたはずだ なのになんで助けてくれなかったんだよ!!」


ライル 「っ……」ググッ…


魔理沙…? 「お前のこと信じてたのに…信じてたのに 信じてたのに!!」ユラァ…


ミント(無限) 「っ!! ライル離れて!!」


ライル 「っ!」バッ!!



魔理沙… 「嘘つき嘘つき嘘つき嘘つき嘘つきウソツキウソツキウソツキウソツキ!!!!」ブワァッ!!!! 魔理沙の背後から尋常じゃない闇のオーラが出てくる



イブ 「おっおい 嘘だろ!?」


ラティス 「…そんな まさか……」


アイビス 「…むっ無限……」ゾクッ



ロランド 「おぉ…おぉ!!か…完成したのですか!!完成するまで時間が早すぎたはずですが」ワナワナ…


ロランド 「では早速 奴らを一掃しなさい!!あなたの無限の力で!!」


魔理沙(無限) 「…っは?なにいってんだてめぇ 誰に命令してんだ」


ロランド 「…っえ」


魔理沙(無限) 「てかお前が一番の元凶犯なんだから消えろよ 死ね」ユラァ…


ロランド 「っ!(なにかがくる!防御を…)」瞬時にシールドを張ろうと…



バグゥンッ!!!!ブチィ…


ロランド 「……っえ」グラ…ドサッ 胴体が何者かに食いちぎられて残された肩から上が地面に落ちる



魔理沙(無限) 「…まずひとり 排除完了」ユラァ…


無限闇竜 「グオォォォン!!!!!!」グワァァッ!!!! 魔理沙の背後から出ている闇のオーラで生成された龍がロランドを噛みちぎって飲み込む



ロランド 「(…ばっバカな 気配なんて微塵の欠片も感じなかった……)」ドバァ…


ロランド 「(……ざ、ザオリク………)」ググッ…トンッ 意識がなくなる前に指を床に付けて魔法を唱える



蘇生魔法陣 バァンっ!!!!シュゥゥ… ロランドの指先から魔法陣が展開されて吸い込まれて姿を消す



アイビス 「ーっな 消えた…?」


ミント(無限) 「ちがう あれは吸収型蘇生魔法陣です 魔法陣の中に吸収されて時間が経てば身体が治療されて蘇生されるものです!」


イブ 「逃げたってことか…くそ 悪あがきしやがって」


ライル 「………」



魔理沙(無限) 「…逃げたか まぁいいや まだ私のやることは終わってない」


魔理沙(無限) 「次はお前だライル よくもわたしを見捨ててくれたな 助けてくれなかった恨み、はらさせてもらうぞ!!」スゥ…


魔理沙 「いけ!!ブラックドラゴン あいつを食い殺せ!!」ヒュンッ!!


無限闇竜 「グオォォォン!!!!!!」ゴォォッ!!!! 目にも止まらない速さでライルに鋭い牙をギラつかせながら向かっていく



ミント(無限) 「させないわ!無限 レジェンドスライサー…」


ライル 「っ…」スゥ… ミントの前方に手を広げて何もするなと合図を送る


ミント(無限) 「……っえ」


ライル 「…っ」スゥ…ブンッ!! なにもない素手でブラックドラゴンに向けて拳を入れる



ゴスンッ!!!!


無限闇竜 「グエェェッ!!!!」ブヘェ!!!! 顎に拳を入れられて上空にぶっ飛ばされる



魔理沙(無限) 「ーっな!!?」


ミント(無限) 「うそっ!!?」


イブ 「こっ拳であの龍を……!!」


ラティス 「ナイスアッパー!!」


アイビス 「なっなんで能力使わないで拳なのかしら…?」



ライル 「っ…」ガシッ!!グワッ 上にぶん投げたブラックドラゴンを掴んで口を大きく開けて…


ライル 「」ガブゥッ!! 顔面からかぶりつく



全員 「「ーっえ!!!?」」


ライル 「」ガツガツモグモグガツガツモグモグ!!!!!!


無限闇竜 「ギャアォォォォン!!!!!!」ブチブチブチブチッ!!!!!! ライルに食べられてだんだんと小さくなっていく


魔理沙(無限) 「ーっう ウソだろ!?おまっ無限闇竜を食ってるのか!?」


魔理沙(無限) 「そいつは無限の闇が纏った龍だぞ!そんなもの食べたらひとたまりも!!」


ライル 「ーっ…!!」ガクガクバクバク!!…


ライル 「……っ」モグモグ…ゴクンッ!!


ライル 「……ふぅ やっとしゃべれるようになった さすがにキツすぎるよしゃべれないのわ」ケプッ


アイビス 「っえ!?しゃ、しゃべった!?」


ラティス 「なっなんで?さっきまで黙りだったじゃん!」


イブ 「……まさか 今の龍食って体力回復したのか……?」


ライル 「そうだよ 俺が使った蘇生術は体力を大幅に削って声が出せなくなるんだ」


ライル 「体力を回復するにはなんでもいいから口に入れて消化させればいいんだが 今この近くに手頃な食べ物がなかったからな」


ミント(無限) 「それであの龍を食べたんですね でも…食べて平気だったんですか?さすがに無限の闇を食べたら体に影響が出るのでは……」


ライル 「それならへいきだ 冥土返しで使った分の体力を回復するために口にした物は全部栄養とかなんもなしにされて溶かされるんだ」


ライル 「それが闇を含んだものであってもろ過されて、なんも栄養分が含まれてない食材になるんだ」


ミント(無限) 「なっなるほど 龍を食べた分の闇はなんともないってことですか」


ライル 「そういうことだ」


ライル 「…さてと 俺の問題も解決したし次はお前だな?魔理沙」


魔理沙(無限) 「…ふん なにが次はわたしだ 見捨てたやつがなにを言う」


ライル 「俺はお前を見捨てたつもりはない もし見捨てていたらここには俺はいないだろ?」


魔理沙(無限) 「霊夢の友だちだから救いに来たんだろ?霊夢が悲しむといやだからいやでも救いにきた…ちがうか?」


ライル 「ちがうな たしかに霊夢が悲しむのはいやだが、仲間がいなくなるのはもっと嫌だ!」


魔理沙(無限) 「笑わせるな!なにが仲間がいなくなるのはいやだ お前のせいで何人の人間妖怪が迷惑かけてると思うんだ!!」


魔理沙(無限) 「お前が来たことによって幻想郷は毎日が異変状態だ!!お前が連れてきた闇の住民が来たせいで死者も出てるじゃないか!!」


魔理沙(無限) 「霊夢やアリス、早苗だって被害にあってる!!霊夢とアリスは死にかけもしたんだぞ!!」


魔理沙(無限) 「おまえが来たことによって幻想郷はおかしくなってる!!お前さえいなければ!!」ギリッ!!


ライル 「…たしかにそれに関しては否定しない 俺が来たことによってみんなに迷惑をかけてることは間違いない」


イブ 「っ! ライル…おまえ」


魔理沙(無限) 「認めやがったな やっぱり自分でも自覚して!!」


ライル 「だから俺はみんなを守るために戦ってる だれも失いたくないから全力で守ってる」


ライル 「アリスも言ってたが俺の限界で守ればいいと言ってた もし守れなかったとしても…だれも俺を恨んだりはしないと霊夢は言ってくれた」


ライル 「助けを求められれば必ず助ける 誰も見捨てはしない 例えそれが今は敵であるやつでも!」


アイビス 「…ライル……」


魔理沙(無限) 「…その敵がお前を本気で殺しにかかってきてもか?」


ライル 「もちろん 最初から敵なら迷うが元々仲間だったやつなら助ける!」


魔理沙(無限) 「…そうか 愉快なやつだな」スゥ… 八卦炉を構えてライルたちに向ける


魔理沙(無限) 「無限 ナイト・スパーク!!」



バシュゥゥゥンッッッ!!!!!!


全員 「「ーっ!!」」ザッ!!



ドゴォォォォンッッッ!!!!!!… 魔理沙が放ったナイト・スパークは直線上のありとあらゆるものを破壊してどでかい穴が空く



魔理沙(無限) 「………」シュゥゥ…


ライル 「…恐ろしいものだな お前のその技、そんなに威力あったのか」


ライル 「それ食らったら一瞬にして死ぬだろうな 後形もなく焼け焦げるな」


魔理沙(無限) 「…そのまま焼け焦げてくれればよかったのに」


ライル 「それは無理だな 俺は死ぬわけにはいかないし、お前を助けないといけない」


ライル 「使命が残ってる状態で死ぬわけにはいかない それに俺の帰りを待ってくれてる人もいるからな!」


魔理沙(無限) 「…霊夢のことか?」


ライル 「あぁ 他のみんなはわからないが霊夢だけは俺の帰りを待ってくれてる!それだけは確信が持てるんだ」


ライル 「ネガティブでマイナス思考な俺が唯一ポジティブに考えれることだ どんなにケンカしてもあいつは俺を待ってくれてる!」


ライル 「もちろんお前の帰りも待ってるよ たとえどんなに手を汚したとしてもお前はお前だ」


ライル 「だから帰ろうぜ?まだ戻れるよ 今だって自分の意思で動いてるじゃないか 現にロランドの命令を聞かなかった」


ライル 「無限の闇は付いちまったみたいだが、ただ付いただけなら戻れる 完全な闇に染っていなければ…」


魔理沙(無限) 「…だまれ」


魔理沙(無限) 「だまれだまれ黙れ黙れっ!!!!私を見捨てたやつがなにを言う!!」


魔理沙(無限) 「まだ戻れる?帰りを待ってる!?闇に染ってもへいき!?」


魔理沙(無限) 「ふざけるな!!今更おせぇんだよ もう闇に染った時点で手遅れなんだよ!!」


魔理沙(無限) 「闇に染ったら殺すことしか考えられなくなるってお前言ってただろうが!殺人衝動に襲われてるやつが戻れるわけないだろ!!」


魔理沙(無限) 「今だってお前を殺したくて殺したくて仕方ねぇんだよ 私を見捨てたお前が憎すぎて チリも残らず消し飛ばしたくて…!!」ウズウズ…


魔理沙(無限) 「あぁダメだ ガマンしようとしてもやっぱり衝動が湧き上がってくる!お前を殺したくて殺したくて……」フヨォ… 抑えていた闇のオーラが湧き出てきて辺りを黒く染めていく


ミント(無限) 「っ! まずいです 闇のオーラが漂ってます!」


ミント(無限) 「まだ制御もできてない方が無限の闇を扱うのは非常に危険です!!早く倒さなくてはっ!!」


ライル 「待て 倒すのはもう少し待って」タッタッタッ…


ミント(無限) 「…っえ ライルさん!?」



魔理沙(無限) 「あははは!!わざわざ殺されに来たのか?こいつは好都合だ!!」


魔理沙(無限) 「今お前を殺せば私の目的はひとつ達成できる!!おとなしくしねぇ!!」スチャッ ライルに八卦炉を構えてナイトスパークを放とうと…


ライル 「…」シュンッ!!ガシッ 目にも留まらぬ速さで魔理沙の正面に立ち腕を掴んで八卦炉を使わせないよう防ぐ


魔理沙(無限) 「ーっな!?はや…んんっ!!?」///


ライル 「…」魔理沙にキスをして動きを封じる



アイビス 「」ブフゥ!!


ラティス 「きゃぁぁ〜っ!!」///


イブ 「らっライル なにやって…」


ミント(無限) 「…っ!」ハッ



ライル 「…」スゥゥ… 魔理沙の口から息を吸うと同時に闇が一緒に抜けて吸い込まれていく


魔理沙(無限) 「んっんん!!んぅぅーっ!!」///ググッ… 離れようともがくが闇を吸い込まれていき力が抜けていく


魔理沙(無限) 「(やっ闇が…抜けていく 力も……抜けて………!!)」///プルプル…


魔理沙(無限…) 「(無限が抜けるわけないのに…なんで、抜けていく感じが……)」///


魔理沙(…) 「(やめろ やめろやめろ!!まだわたしはこいつを殺してない!こいつを殺さないといけないに まだ私の目的は達成してないのに……!!)」///


魔理沙(…) 「(達成してないのに…たっせい、してないのに………)」///ググッ……


ライル 「…」スゥゥ…


魔理沙(…) 「(…なんで、こいつはそこまでして私を助けようとすんだよ わたしはお前を殺そうとしたのに……)」///


魔理沙(…) 「(しかもわたしのファーストキスまで奪いやがって…こいつ、いろんなやつにして)」///


魔理沙(…) 「(……でも、嫌な気持ちはしない こいつに無理やりされてるのに…好きでもないやつにされてるのに……)」///スゥ…


魔理沙 「(…なんで、こんなにも心臓が熱いんだよ……)」///ツツー… 透き通るような涙が出てきて無限の闇が完全に吸われてなくなる



アイビス 「っ! 涙が…透明!?」


イブ 「そうか ライルのやつ闇を吸い込んだのか!キスすると同時に」


ミント(無限) 「まだ蘇生術で消費した分の体力枠があれば平気ですが もしなかったら……」


ラティス 「……っえ」



魔理沙 「っ……」ポタッ…ポタッ……


ライル 「…ふぅ 落ち着いたか?」ツー…


魔理沙 「ーっ…おちつく、わけねぇだろうが こんなことされて…落ち着けるわけないだろ」///ポタポタ…


魔理沙 「しかも私のファーストキスまで奪いやがって……いろんな女に手を出して 恥ずかしくないのかよ?」///グシッ…


ライル 「んっん〜…それ今言うか それ言われるとなにも言い返せないんだが……」


ライル 「…でもその様子だと落ち着いたみたいだな 闇も全部吸い出せたみたいだしよかったよ」


ライル 「もう誰かを殺したいなんて思わないだろ?俺を殺したいとも思ってないはずだ」


魔理沙 「…ある意味殺したいぜ 私のファーストキス奪ったことで怒ってるぜ」///


ライル 「それは… ……ごめん 闇を吸い出すのに効率がいいのは口から吸うことなんだ」


ライル 「魔理沙が自分で闇を払ってくれればそうしなくて済んだんだが さすがに無限の闇が取り付いた状態で自分から捨てるとは思えないから…」


魔理沙 「…たしかにそうだけどよ」



ーっドクン!!!!


ライル 「がはぁっ!!!!」ビチャアッ!!!! 心臓部に強い衝撃が走り大量に血を吐く


魔理沙 「……っえ」


ライル 「あっあァァ…っ!!ゴボォッ!!!!」ビチャビチャッ…!!!! あまりの激痛にその場に蹲り血の嘔吐が床一面に広がる



ミント(無限) 「ーっら ライルさん!!」タッタッタッ!!


イブ 「おい大丈夫かライル!!しっかりしろ!?」


ライル 「ーっ……ごふっ!!」ヒュー…ヒュー……


ラティス 「無限を吸いきれなかったの!?だとしたらまずいよ!!ライルくんの体が持たないよ!!」


アイビス 「ライル 理性は保ってるかしら?あったらなにか合図して!」


ライル 「……っ」コクンッ 微弱ながら頷き理性があることを教える


ミント(無限) 「理性はあるようですね でもかなり体力が消耗してます…このままでは闇に侵されてしまいます!」


イブ 「なにか手はないのか?闇を取り除く方法なんて…」


ミント(無限) 「あります ライルさん失礼します」スゥ…



チュッ…


ライル 「っ!!」/// ミントにキスされる


アイビス 「ーっな!?」///


ラティス 「みっミントちゃん!?いきなりなにやって!!」///アワワワ


イブ 「…っ!」ハッ


ミント(無限) 「ーっ……」スゥゥ… ライルの息を吸って同時に闇も一緒に吸い込んで取り除いている


ライル 「ーっ……」ヒュゥゥ…


ミント(無限) 「(ライルさんは魔理沙さんの闇を取り除いた…なら私でも同じ方法をやれば闇を取り除けるはず)」スゥゥ…


ミント(無限) 「(今無限を解放してるから取り込んでも影響は受けないはず 私しかできないことだから私がやらないと!)」


ライル 「ーっ……(みっミント…おまえ……)」フゥゥ…


魔理沙 「…おっおい まさかおまえ、闇を吸ってんのか?闇吸ったらライルみたいに……」


イブ 「いやだいじょうぶだ ミントは今無限の闇を使ってる ライルが吸った分の闇ぐらいどうってことないはずだ」


イブ 「あんたも平気そうだな ライルが全部吸ったみたいだから闇の影響もなさそうだ」


イブ 「だけど一度闇に染まっちまったから落ちやすくなってる 染まるのは簡単だが取り除くのは難しいからまた染まろうとすんじゃねぇぞ」


魔理沙 「わ、わかってる もうあんな思いをするのは……」



ライル 「……っ」トントン


ミント(無限) 「っ! …ぷはぁ ……もう平気なんですか?」ツツー…


ライル 「…あぁ もう大丈夫だ あとは体の治療すればなんとかなる」ハァ…ハァ…


ライル 「ありがとな 敵同士なのに助けてもらって」


ミント(無限) 「かまいませんよ 今はお互い協力し合っていますので助けるのは当然です」


ミント(無限) 「たとえこれが終わったあと 敵になるとしても…ライルさんなら助けずにはいられません」


ライル 「…ミント……」


ミント(無限) 「…さて ロランドはどこかに行って、魔理沙さんは助けられたのでもうここには用ありませんね」


ミント(無限) 「イブさん、ラティスさん 私と一緒にこの城を破壊するのを手伝ってください お姉ちゃんはライルさんの治療をおねがい」


イブ 「おう!ぜんぶぶっ壊してやろうぜ!!」


ラティス 「がっがんばります!」


アイビス 「あんた回復魔法は使える?使えるなら手伝って欲しいんだけど」


魔理沙 「っえ あっわるい 回復魔法は……」


アイビス 「じゃあ魔力私に分けてちょうだい 私が魔力吸うから隣に来て」


魔理沙 「わ、わかった!」タッタッタッ…


ライル 「だいじょうぶだ キールの自然治癒速度を上げる技を使えばなんとかなる…お前たちもこの城を破壊してくれ」ヨロ…スクッ


アイビス 「ムリしないで 無限の闇を吸って肉体崩壊してるのに大丈夫なわけないでしょ?」


アイビス 「ミレイユみたいに光魔法は使えないけど普通の治療魔法でもかけないよりかはマシでしょ?だからかけさせなさい」


ライル 「…そうか あいかわらずやさしいな?昔と変わらず」ハァ…ハァ…


アイビス 「あなたと比べたら全然だけどね あなたの方が優しすぎるわよ」


アイビス 「ここだと危ないから外に出るわよ あんたも肩貸しなさい ライルを外まで運ぶから」


魔理沙 「おっおう!」


ライル 「だいじょうぶだって ひとりで歩けるから…」ヨロッ…


アイビス 「いいからムリすんじゃない!!おとなしく運ばれなさい!!」クワッ!!


ライル 「っ!」ビクッ!!


魔理沙 「おっおい なにもそこまで言わなくても…」


アイビス 「このくらい言わないとライルは聞かないのよ 過去にも何度言っても聞かなかったことがあるから仕方ないでしょ?」


アイビス 「軽めに言うと毎回無理するのよ ほんと困った人よ…」ハァ…


魔理沙 「…たしかにライルはすぐ無理するな 言われてみれば」


ライル 「………(なんも言えない…)」ハァ…ハァ…


アイビス 「ほら行くわよ 肩貸す…よりおぶった方が早いわね」


アイビス 「乗りなさい 言い訳は聞かないわ」スゥ…


ライル 「……わかったよ わるいけどお願いするよ」ポスッ しゃがんだアイビスの背中に体を預けておぶってもらう


アイビス 「任されたわ 行くわよ」


魔理沙 「おう!」













数時間後……



ロランドの城ー城門前



アイビス 「………」シュゥゥ… ライルに回復魔法をかけながら魔理沙の魔力を吸っている


魔理沙 「っ…なんか 吸われるのって感じ悪いな 身体が悲鳴上げてるというかむず痒いというか」スゥゥ…


アイビス 「ガマンしてちょうだい 魔力を吸われるということは自分の生命線…はさすがに言いすぎだけど、それを吸われてるのと一緒だから仕方ないわ」


アイビス 「ライル 身体の方はどう?楽になってきてるかしら」


ライル 「……あぁ だいぶ楽になってきた さっきまで体全体痛かったのに今は落ち着いてきてる」シュゥゥ…


ライル 「もう平気だからやめてもいい ありがとな」


アイビス 「バカ言うんじゃないわよ まだ完全に治ってないでしょ 完全じゃなくてもある程度は治さないとダメよ」シュゥゥ…


アイビス 「時間かかるかもしれないけどじっとしてなさい いいわね?」


ライル 「…でも魔理沙が吸われるの嫌がってるだろ?ムリにしてもらうのも……」


魔理沙 「ライル 私はお前に助けられたんだからこれぐらい我慢するぜ お前がケガしたのは私のせいなんだから」


ライル 「いやべつにそんな恩がましいことは……」


魔理沙 「じゃあ私がお前の治療分の魔力をあげたいから渡してる これでいいか?」


ライル 「……わかったよ それじゃ悪いけどもう少したのむよ(これは何言っても無駄だな 気持ちは嬉しいんだけどな…)」ハァ…


魔理沙 「おう!」




ズドォォォンッッ!!!!!!ガラガラガラガラ… ロランドの城に強大な爆発が発生して木っ端微塵になる



ミント(無限) 「やっと壊れましたね はぁー…ずいぶんと手間をかけさせましたね かなり固く作ってあって」ヒュー…スタッ


イブ 「まったくだ てかお前の爆発魔法異常だな これ使えば内部壊さなくても消し飛ばせたんじゃないか?」


ミント(無限) 「無茶言わないでください さすがの私だってあそこまで強固された建物を内部壊してない状態で消し飛ばすのはムリです」


ミント(無限) 「しかも内部には外部から攻撃されたときの防衛魔法が備え付けられた魔道器具があったじゃないですか あれがあっては一回や二回では破壊できません」


イブ 「…それもそうか しかもあの爆発魔法も何回も使ってたら魔力持たないか」


ミント(無限) 「まったくもってその通りです」



アイビス 「おかえりなさい 城の破壊ご苦労さま」シュゥゥ…


ミント 「お姉ちゃん ライルさんの様子は?」スゥゥ… 無限を解いて普通の闇状態に戻る


アイビス 「順調よ ライルがムリしようとする以外問題ないわ」


ミント 「…ライルさん あなたは本当に治りませんね?その癖」ハァ…


ライル 「…別にいいだろ ムリしても」


ミント 「よくありません!まったくライルさんは昔から無理してばかりで……」ハァ…


ライル 「小言は聞きたくない」


魔理沙 「…え、えと ありがとな?みんな わたしを助けてくれて 本来なら敵同士なのに……」


ラティス 「別にお礼なんていいのよ!私たちは当たり前のことをしたまでだよ」


アイビス 「でも勘違いはしないでちょうだい 今は味方だけど、これで別れたら次会うときは敵同士よ」


アイビス 「昨日の敵は今日の友とは言わないから気をつけなさい いいわね?」


魔理沙 「……あぁ わかってるよ」


魔理沙 「…ミントって言ったよな お前にも助けてもらった恩はあるが…正直、許せない部分もある」


魔理沙 「お前は今までいろんな奴に手を出してきたんだよな?霊夢や早苗にも……」


魔理沙 「もちろん感謝はしてる してるんだが……わかんねぇよ お前にお礼言っていいのか」


ミント 「…別にお礼なんて言わなくていいですよ わたしはあなたのお友達を傷つけたんですから言われる権利なんてありません」


ミント 「闇に落ちてからは誰かを殺すことが使命と化してますからね 殺したくなくても闇の感情がそのような思いを抑制し、闇に心を操られる…」


ミント 「…ごめんなさい あなたのお友達を傷つけて それに関しては謝らせてください」


ミント 「言いわけかもしれませんが闇の感情に抑えきれずにやってしまいました それだけは信じてください」


魔理沙 「…それはわかってる わたしもさっきまで同じ思いをしてたんだ お前が自分の意思で誰かを殺したいと思ってないことは今わかった」


魔理沙 「敵であるわたしに普通謝ってくるわけない ……ありがとな 私を救ってくれて」


ミント 「っ! …はい!」


ライル 「…一時的とはいえ 仲良くなれたようでよかった」


ライル 「それじゃここにはもう用ないし帰るか ミントに俺がなんで生き返れたのかも話さないといけないしな」


イブ 「ミントだけじゃなくて俺たちにも教えてくれよ マジでどうやったのか気になる」


ライル 「わかってるよ みんなも聞きたいなら教えるから!」


ミント 「それじゃ帰りましょうか!私の家でお話しを……」


ミント 「……はまずいですね 私もあの街に家があるので、もし誰かにライルさんを連れてることがバレたら……」


イブ 「っん なら俺の家でするか?俺の家は街から離れた闇の竹林にあるから そこなら誰も来ないだろ」


アイビス 「っえ あそこに家建ててるの?」


ラティス 「闇の竹林って…たしか 闇鼬がいたよね?かなり凶暴な性格でかまいたちのように切りつけてくる闇の動物」


イブ 「あぁいるぞ あれ俺のペットだから俺が一緒なら襲ってこないよ」


ミント 「ペット!?あの凶暴な闇動物がですか!?」


イブ 「あぁ 俺ははぐれ者だからな なにかあった時に誰かの助けなんてもらえないから少しでも戦力を上げるために飼い慣らしたんだ」


イブ 「奴らは風使いで俺も風使いだったから気があったのかは知らないが意外にも俺を受け入れてくれてな 今となっちゃ癒しのペットだよ!」


アイビス 「癒しのペット…」


ラティス 「…すごいペットですね」


ミント 「ある意味最強の番人ですね…」


ライル 「…まぁイブがいれば平気なら行くか それじゃ案内たのむ」


イブ 「おう!任せとけ」















闇の竹林



ガサガサ…ガサガサ……


キィィ!!キィィ…!!



ライル 「…めっちゃへんな声聞こえんな さっきの闇の森みたいに」


イブ 「動物だからな 鳴き声ぐらい上げるよ」


イブ 「今群れを仕切ってるやつを呼ぶからまだ入るなよ?…ピーッ!!」


ミント 「…そういえばライルさん 先ほど闇の森に入ったとき、ロランドが作り出した魔獣いませんでしたね」


ライル 「いなかったな おそらくロランドがいなくなったことによって消滅したんだろ」


ライル 「あいつが作り出した魔獣だからおそらく魔法の類で作ったものだ しかも量産型だから手抜いたんだろうな?自分がやられても残るようにするのはひと手間いるから」


アイビス 「…なるほどね たしかにあれだけの数を残るようひと手間加えてたら時間かかってしょうがないものね」


ラティス 「でもそれが仇となったね 全部いなくなってくれたからあの森は安全になるね!」


ミント 「そうですね 手が空いた時でも手入れして動物が住めるようにしましょう!」


魔理沙 「…なぁ あの森ってキノコ生えてるのか?」ワクワク


ミント 「っえ キノコですか?」


魔理沙 「あったら持ち帰って調べたいんだ!あとどんな味化するのか気になる!!」(✪▽✪)キラキラ


ラティス 「めっ目が輝いてますね…」


アイビス 「キノコ好きみたいね…」


魔理沙 「なぁなぁあるのか!?あるならあとで寄りたいんだが!!」

✧(✪д✪)✧


ミント 「え、えっと…あの森にはたしかキノコ類は生えてなかった気が……」


魔理沙 「…ないのか?」( ´・ω・)


ミント 「私は見たことありませんね あの森は果実や食用植物などは育たないはずなのでおそらくは…」


魔理沙 「…そうか 残念だぜ」(´・ω・`)


イブ 「…っ! 来たな」



ガサガサ…ガサッ!!


闇鼬 「キー!」毛が黒くて目にところに傷がついたいたちが草むらから出てくる


イブ 「おっす!ただいま 異常はないか?」


闇鼬 「キー!」コクンッ


イブ 「そうかそうか ならよかった!」ナデナデ


闇鼬 「キー…!」ゴロゴロ…



アイビス 「ーっ…」///ウズッ…


ラティス 「かっかわいい…!ものすごく触りたい!!」///ワナワナ


魔理沙 「かわいい!!なっなぁ触ってもいいか!?」///


イブ 「っえ あー…だいじょうぶか?」


闇鼬 「………」ジー…


ラティス 「っ…」///ウズウズ


アイビス 「……っ」ウズウズ


魔理沙 「カモンカモン!!」///クイクイッ



闇鼬 「……キー」シュンッ!!タタタッ


ライル 「…っん おれ?」闇鼬は三人のところではなくライルの目の前に座り込む


闇鼬 「キー」フリフリ… かわいらしい尻尾を振っておねだりする


イブ 「撫でて欲しいみたいだぞ お前に!」ニヤニヤ


アイビス 「ちょっと!私たちの誰かを選ぶならまだわかるけど なんで触ろうとしてなかったライルのところに行くのよ!おかしいでしょ!!」


ラティス 「ひどいよライルくん!私たちから愛くるしい動物を奪ってたのしい!?」


魔理沙 「(´・ω・`)」ショボーン…


ライル 「いやまて なんで俺が悪いことになってんだ!?俺無関係だよな!」


ミント 「ふふ!ライルさんは罪深いですね みなさんから癒しを盗るなんて…」


闇鼬 「キー」タタタッ…ストンッ ライルから離れてミントの前に座り込み撫でてもらうのを待っている


ミント 「……あれ?」


イブ 「おっ?なんだボス その子にも撫でてもらいたいのか?」


闇鼬 「キー」フリフリ…


アイビス 「ミント!!あなたまで!!」


ラティス 「ひどいよーっ!!ふたりして奪ってー!!」ムキー


魔理沙 「(๐•̆ ·̭ •̆๐)」ムスッ


ミント 「いや待ってください!?なんで急に私のところに来たんですか!まだライルさんに撫でてもらってませんよね!?」アタフタ


イブ 「ボス ライルは風使いだからまだわかるけどなんでミントのところに?その子は風使いじゃないぞ」


闇鼬 「キー…?」クイッ 首を傾げて自分でもわからないと表現する


イブ 「…自分でもわからないのか」


ライル 「…まぁ触ってほしいなら触ってやるけど」スゥ…


ライル 「(イタチってどう触ればいいんだろう 初めて触るからわからないが……)」


ライル 「(犬や猫触る感覚でいいのかな?)」サワ…


闇鼬 「〜♪」スリスリ… ライルに頭を撫でられて喜んでいる


ライル 「(あっこれでいいみたいだな 意外にかわいいな)」ナデナデ



アイビス 「ーっ…!!」ムググ…


ラティス 「うー…いいな わたしも触りたい」(*Ծ﹏Ծ)


魔理沙 「わたしも……」( •́ㅿ•̀。 )


イブ 「あはは…わるいな あいつも人を選ぶんだ ガマンしてくれ」


アイビス&ラティス&魔理沙 「「むぐぅ……」」



闇鼬 「キー!」フリフリ… 次はミントの方を向いて尻尾を振り出す


ミント 「次はわたしですか?いいですよ あまり動物には好かれない体質なのでうまく触れるかわかりませんが…」


ライル 「犬や猫は触ったことあるだろ?それと同じ感覚で触れば嬉しがるよ」


ミント 「んー…何度かはあるんですがあまり多くはないので触り方がちょっと……」スゥ…


闇鼬 「キー♪」スリスリ…


ミント 「わっわぁぁ…!!サラサラして気持ちいい 毛並みもよくて触り心地が……!!」パァァ


ライル 「イタチも気持ちよさそうだな 触れてよかったな!」


ミント 「はい!」



アイビス 「っ…ライルと良い雰囲気ね お姉ちゃんを差し置いて!」ギリッ!!


ラティス 「…ねぇ矢打っていい?ちょっと闇が湧いてきたから」ニタァ


魔理沙 「やめろ それはシャレにならん」


イブ 「………(手がつけられん…)」



ミント 「よしよし!かわいいですね」サワサワ


闇鼬 「キー…♪」ゴロゴロ…


イブ 「…えっと、ボス 触ってもらいたいのはわかるがそろそろいいかな?群れに手出ししないよう言ってもらって」


闇鼬 「っ! キー!」シュパッ


闇鼬 「キー…キッ!!」スゥ…タタタッ!! ライルたちに頭を下げてお礼して群れに指示を出しに森の中へ戻る


ライル 「…お礼までできるのか すげぇ頭いいな?」


イブ 「闇鼬は人間と同じくらい…と言ったら言い過ぎだがそれくらい頭良いからな お礼なんて朝飯前だ」


ミント 「えへへ〜♪いっぱい触っちゃいました かわいかったです」///

(*´﹃`*)デレデレ


ライル 「ほんとだな ……」チラ



アイビス 「っっ……」イライラ


ラティス 「っ……」(#^ω^)


魔理沙 「………」(¯―¯٥)


ライル 「(…うん なにも見なかったことにしておこう!)」ドンッ!!



キキィーッ!!!! 竹林中に甲高い鳴き声が響いて全体的に響き渡る


キィーッ!!キィーッッ!! その声に反応したと言わんばかりにまた甲高い鳴き声が響き渡る



イブ 「っお 全体的に響き渡ったな」


イブ 「よし俺の家に行こう もう入って平気だ!」


ライル 「よし行こう!さっさと行って話しをまとめよう!」


ミント 「はい!」



アイビス 「…っち!」(°⊿°`)チッ


ラティス…? 「あははは?闇が湧いて出てきちゃうな〜」フヨォ…


魔理沙 「ちょっ!?おぉ落ち着けって!さすがに出すのはまずい!!」アタフタ


魔理沙 「そっそれよりも早く行こうぜ!行かないとイブの家わからないんだから」


アイビス 「…そうね 行きましょうか」


ラティス 「…すぅ……ふぅ 抑えるの大変だよ 少しでも妬ましいとすぐ出ちゃう」ハァ…


ラティス 「あなたも気をつけてね?私みたいになっちゃだけだよ!」ビシッ


魔理沙 「あっあぁ ならないように気をつけるぜ(多分ならないと思うが…)」


ザッザッザッ…













イブの家



イブ 「…っと 着いたぞ ここが俺の家だ」ザッザッザッ


ライル 「へぇー お前の家竹で作られてるのか この竹林の竹で作ったのか?」


イブ 「あぁ!工作系は結構好きだから自分で作ったんだ 材料は全部竹だ!」


イブ 「もちろん釘とかそういうのは一切使ってない 竹の紐を作って縛りまくって作ったんだ!」( *¯ ꒳¯*)


ミント 「器用ですね 竹だけで家を作ってしまうなんて…」


アイビス 「…竹だけだとすきま風ひどいんじゃないの?雨漏りとかもひどそうだけど」


イブ 「さすがに竹とたけの間に藁や草を詰めてあるよ 屋根は固めた土を火で焼いて水に強いよう工夫してある」


ラティス 「…それ、竹だけ使用したと言いますか?」


イブ 「おっとお嬢さんそれ以上はいけない そこまで徹底してたら雨漏り大量の風通し最高になっちまうからな!」


全員 「(思ってた(のね)んですね)」


ライル 「…っん?家の隣に置いてあるこれはなんだ なんか犬小屋に見えるが」


イブ 「あぁそれか?さっきのボスの小屋だ」


ライル 「…っえ ここで寝てるのか?群れと一緒じゃなくて」


イブ 「あぁ 最初は群れと一緒に寝てたみたいだが俺と気が合うようになってからはここで寝てるんだ」


イブ 「最初は小屋なんて作ってなかったから家の中に入ってきてな 何しに入ってきたかと思えば俺のベッドの上で寝始めたんだ」


アイビス 「えぇっ!?ベッドで寝たって…まさか、一緒に寝れたりもしたの!?」


イブ 「もちろん!今は冬だけだが寒い日は一緒の布団の中で寝てるぞ あいつけっこう暖かくて湯たんぽみたいなんだ!」


イブ 「しかも毛ふさふさでノミとか一切いないし埃臭くもないから最高なんだよ!夏でも抱き枕替わりにして寝たいくらいにな」


アイビス 「っち!自慢ばかりしやがって」( ゚д゚)ケッ


ラティス… 「羨ましすぎて闇が出てきちゃいますねー ちょっと矢を打ち込んでいいでしょうか?」フヨォ…


魔理沙 「やめろやめろっ!!」



イブ 「…よし 中に入るか」


ライル 「あっあぁ(逃げた…)」


ミント 「おっお邪魔します(お姉ちゃんたちすごく怖い…変に刺激しないでおこう)」



ガチャっ


イブ 「今紅茶入れるから座っててくれ 適当なところに!」タッタッタッ…


ライル 「…おおー!テーブルやイスも竹で作ったのか すごいな!」


ミント 「棚やベッドなんかも竹で作られてます 凄いですね!」


アイビス 「…でも辺り一面真緑ね 全部竹で作られてるから」


ラティス 「そうだね でもこれはこれで落ち着くかも!」


魔理沙 「…竹の香りがまたいい匂いだな これなら快適に過ごせそうだ」


イブ 「おいおいそんなお世辞言ってもなんも出ないぜ?紅茶は出すけどよ」コポポ…


ライル 「お世話なんか言ってねぇよ 普通に思ったことを言ったんだよ」


イブ 「ははっ!ありがとよ」カタカタッ


アイビス 「…あら良い匂い なんの紅茶?」


イブ 「ダージリンだよ 少し甘めにしてあるがこれがまた美味いんだ!」コトコトッ


ラティス 「ほんとにおいしそうだね!いただきます!」カタッ


魔理沙 「…ほぉ 甘くて美味いぜ 香りもいいから落ち着くぜ」ホッ


イブ 「お前は落ち着いた方がいいからなるべく多めに飲め おかわりも入れてやるから!」


魔理沙 「ありがとよ …にしても、お前らほんとに闇の住民なのか?今こうして普通に話してるけど」


魔理沙 「私は闇がなくなったから殺したいという気持ちはなくなったけど…お前たちはまだ闇あるよな?」


アイビス 「えぇ もちろんあるわよ あるけど今は落ち着いてるから平気よ」


ラティス 「私たちは比較的理性が聞く方で毎回誰かを殺したいとは思わないの 私はちょっとのことですぐ反応しちゃうけど…」


アイビス 「わたしはそれなりね 右手が化け物化されてから少しひどくなったけど、今のところは落ち着いてるわ」


アイビス 「…ちなみに私の闇落ち方法だけど、ライルがいろんな女にデレデレしてたらなるから気をつけてね?」クスッ


ライル 「いやなんでだよ…デレデレする以前にする相手がいないから安心しろ」


魔理沙 「いやよく霊夢としてるだろ 霊夢以外にもアリスや慧音ともしてるところ何度も見たぜ?」


ライル 「ちょっ魔理沙おま!」アタフタ


アイビス 「………」(#^ω^)


ライル 「……落ちてないじゃん」


アイビス 「…目の前でされてないからまだ耐えられるわ もし目の前でされたら闇が出るわ」フゥ…


ライル 「…うん 気をつけるよ」


魔理沙 「…ミントはどうなんだ?最初と比べたら性格すげぇ変わってるけど」


ミント 「んー…私はちょっと特殊なんですよね 落ち着いてる時もあれば闇に落ちてる時もあるので」


魔理沙 「そうなのか?アイビスたちとは違ってなにかあったら落ちるとかじゃないのか?」


ミント 「姉さんたちみたいに落ちる要素がないんですよ 定期的に落ちて、たまに普通に戻るといった感じです」


ミント 「しかもほぼ普通に戻るときはないのでこれがまたくせ者で…」


魔理沙 「…そうなのか あんたはどうなんだ?」


イブ 「んっおれ?俺はそんな衝動ないよ」


全員 「「……っえ」」


イブ 「不思議だよな 闇の住民なのに殺人衝動が出てこないなんて 普通ならありえない」


イブ 「だが今まで一度も出てきたことがないんだ だれかを殺したいとか闇が溢れ出して衝動が抑えられなかったことは今のところない」


アイビス 「なにそれ すごく羨ましいじゃない!闇に落ちないなんて最高すぎるわ!」ガタッ


ラティス 「なっなにか特別なことしたの!?魔法で抑えたとか薬で抑えたとか!!」ズイッ


イブ 「ちょっおぉ落ち着け!別になにかしたわけじゃない 闇に落ちてからずっと衝動が襲ってこないんだ」


アイビス 「ウソよ!なんで私たちは襲ってきてあなたには襲ってこないのよ 同じ闇の住民なのにおかしいわ!」


ラティス 「教えて!闇を抑える方法 私たちも知りたいの!!」


イブ 「いやだから!ほんとになにもしてないってば!」



ライル 「…大変だな イブのやつ」ズズ…


ミント 「ですね…」


魔理沙 「…ライルは平気なんだよな よく闇技使ってるけど」


ライル 「いや、正確には平気じゃない 闇を使うと普通の技を使ったときより何倍もの負担がかかる」


ライル 「使い過ぎると体力切れで倒れることだってあるし 最悪、闇に落ちる可能性もある」


ライル 「魔理沙が連れていかれる前に俺は闇を使っただろ?普通の闇までなら使い過ぎなければ平気なんだが、あの時使った闇は漆黒と言って一段階上の闇なんだ」


魔理沙 「あっそういえばあのロランドってやつもそう言ってたな たしか使えば血反吐が出るって…」


ライル 「あぁ 俺は完全な闇には落ちてないから普通は闇自体使うことなんてできないんだが、落ちかけたことによってある程度は使えるんだ」


ライル 「普通に戦うより闇の方が強いからな 闇技で相手にケガを追わせれば重症を負わせるほか、普通の治療魔法じゃ回復できない」


ライル 「だが漆黒まで使うと体が耐えきれなくて肉体的にダメージを負うんだ ダメージだけならまだいいんだが下手したら闇に落ちる可能性もある」


魔理沙 「…それをわかって使ったのか?私を助けるために」


ライル 「あぁ 俺はタフで悪運だけは強いからな 今まで闇を使って落ちかけたことは何度もあるけど落ちたことはない」


ライル 「内部が傷ついたところで死ぬことはないだろうしな まぁ傷ついたらミレイユに治してもらえば万事解決!」


ミント 「なんの解決にもなってませんが…」


魔理沙 「…ごめん あと改めてありがと」///カァァ…


ライル 「いいっていいって!俺も悪かったな お前の初めて奪っちまって」



アイビス 「」ブフゥ!!


ラティス 「」ブー!!


イブ 「ちょおまっ!俺に向けて吐くな!!」



魔理沙 「ーっ!!」(//〇□〇//)


ミント 「…ライルさん その言い方は……」


ライル 「えっ?……っあ」ハッ


魔理沙 「ーっ…!!」///プシュー…


ライル 「ごっごめん!言い方が悪かった えっと…ファーストキスを奪ってわるい お前の初めてが俺になって……」


ミント 「ライルさん変わってないです!ただ付け足しただけで最後が変わってないと意味がありません!」


ライル 「えっダメなのか?最初にファーストキスって付けたが…」


アイビス 「…ライル あなたそんなに天然だったかしら?それとも頭悪くなった?」


ライル 「ひどい!頭悪くした覚えはないけど…」


ラティス 「ライルくんがライルくんじゃなくなった…!!?」

:(;゙゚'ω゚'):


ライル 「いやもうわけがわかんないよ…」


ミント 「…ライルさん そろそろ蘇生術のことをお聞きしてよろしいでしょうか?あなたが死んでからどうやって使ったのか」


ライル 「っ! …そうだな そろそろ話そうか」


ライル 「だがその前にちょっと聞きたいことがある たしかイブかミレイユのどっちからか聞いたような気がするんだが…」


イブ 「…おれ?」


ライル 「あぁ 闇の世界で死んだら魂は永遠の闇に飲み込まれて一生さまよい続けるって聞いたんだが…イブから聞いたんだっけ?」


イブ 「……いや 俺はそんな話したことないぞ しかも永遠の闇というのも初めて聞いたが?」


ライル 「あれ それじゃミレイユからだったかな?魂がその世界に行って蘇生術を使ったんだ」


ライル 「ふつうは死んだら使えないんだが魂がそっちに飲み込まれたから使うことが出来たんだ 霊夢が俺の帰りを待ってくれてるって信じてたから闇にも落ちずに済んだ」


アイビス 「けっ!惚気話はいいから早く進めなさい」


ライル 「…えっと、説明は以上だよ」


全員 「「……っえ?」」


ミント 「…そっそれだけ、なんですか?」


ライル 「あぁ それだけだ」


ラティス 「…なにかもっとないの?もっと…こう 永遠の闇に落ちた際に強敵と戦って生き返る権利を得たとか!」


ライル 「いや永遠の闇にはなにもいないから…ほんとにそれだけだよ」


魔理沙 「………」


イブ 「…なんか、拍子抜けだな それだけなんて」


アイビス 「ほんとね しかも闇に落ちなかったのが惚れた女のことを思ってたなんて…あーぶん殴りたい」イライラ


ライル 「やめてね」


ミント 「でもそれでライルさんが闇に落ちずに済んだんですからいいじゃないですか!」


ミント 「もしこれで落ちてたら私たちは愚か、闇の世界もロランドの手によって落ちてたかもしれません」


ミント 「ライルさんも闇をまとった状態で出てきてたら…闇の世界は愚か、全世界をも破壊しかねません」


全員 「「………」」


ライル 「…えっと、ミント さすがにそれはないと思うんだが……」


ミント 「ライルさんはご自分の強さを過小評価してるようですがそんなことありませんからね あなたの力は世界を揺るがすほど強いです」


ミント 「普通の人間が多重人格を作り、能力多用所持できると思いますか?私たちみたいに魔法を使っていろんな技を出すならまだしも あなたの場合は違います」


ミント 「【能力自体を身に付けることは普通の人間では不可能です ライルさんはそれをやり遂げてるんです】」


ミント 「【しかも多重能力を身につければなにかしら体に害が出ます 多様摂取した能力が暴走して死に至る可能性だってあります】」


ミント 「【そこであなたは多重人格を使い押さえ込みました 人格にひとつひとつ能力を埋め込み、ひとりで抱えないよう工夫しました】」


ミント 「【さらにあなたは多重人格をも身につけました 普通の方が人格を増やしたら人格崩壊します】」


ミント 「【しかもひとりふたり分の人格ではありません あなたは複数の人格を作り出したんですからありえないことなんです】」


ミント 「あなたがどれだけ強いのかここにいる皆さんはわかっています なのであなたが闇に落ちて暴走したら世界が滅びます!」


ミント 「もっとご自分の力を把握してください 過小評価するのは構いませんがそれで闇に落ちられては困ります!」ビシッ


ライル 「…き、気をつけるよ なるべく」


ミント 「お願いします」


ラティス 「…ねぇミントちゃん ちょっといいかな?」


ミント 「はい なんでしょうか?」


ラティス 「……お姉ちゃんのことなんだけど」オソルオソル


ミント 「っ!」ピクッ


ライル 「ラティス姉 サラ姉のことは俺が話すよ ラティス姉が話すより俺が話した方が聞いてくれると思う」


ラティス 「…わかった それじゃおねがい」


ミント 「…なにかあるんですか?」


ライル 「あぁ 実はな…」



ライル、サラが敵じゃないことを説明中…



ライル 「…というわけなんだ」


ミント 「なるほど 自らスパイになるようしたというわけですか」


ミント 「ほんとは私たちを裏切りたくなかった…でもなにを企んでるのか知るためには裏切って近づくしかなかったと言うことですね」


ライル 「そういうことだ だからサラ姉のことを悪く思わないでくれ」


ラティス 「ごめんねミントちゃん わたしも薄々は気づいてはいたんだけど…ミントちゃんかなり怒ってたから話せなくて」


アイビス 「逆に話したら私たちまで殺されそうだったもの 今落ち着いてる状態なら話してたけど」


ミント 「………」


ライル 「…どうかな 信じてもらえるか?」


ミント 「…ライルさんがそう言うなら信じるしかありません あなたがそういうことで嘘をつかないことは知ってますから」


ライル 「それじゃ!」


ミント 「ですが私たちのもとに戻すことはできません どんな理由出会っても」


ライル 「……っえ」


ラティス 「…やっぱり、そうだよね 私たちのところには戻れないよね」


アイビス 「……仕方ないわね」


イブ 「…なんだ なにかあるのか?」


ミント 「私が仕切ってる街のみなさんにサラさんは敵だと知らせてるんです ロランドの仲間になった裏切り者だと…」


ライル 「…それがなんだよ みんなにサラ姉はもう敵じゃないと言えば!」


ミント 「それができたら苦労しません 私はみなさんからよく思われてないので一度決めたことを訂正などできません」


ミント 「下手に刺激すると反乱が起きて私は殺されてしまいます まだロランドが完全に死んでない状態でそのようなことが起きたら非常に大変なことになります」


ミント 「なので訂正はできません 私たちの間では敵として認識はしませんが他の方は…」


ライル 「……そうか なら、仕方ないか」ズズッ…カタッ


イブ 「…話はだいたいまとまったな 他になにか話しておくことはあるか?」


イブ 「俺たち同士ならまだいいがライルとそこのお嬢さんは元の世界に戻ったらもう話し合えなくなるかもしれない」


イブ 「今のうちに話しておきたいことを話しといた方がいいぞ なにか話しておきたいことはあるか?」


ライル 「俺はへいきだが…」


魔理沙 「…じゃあいいか?」


イブ 「なんだ?」


魔理沙 「…あんたは平気なんだよな 闇の住民でもライルのこと敵として見てないって言ってたが」


イブ 「あぁ 俺はライルのこと敵だと思ってない だから安心してくれ」


魔理沙 「……ミントたちはダメなのか?もうこれっきりで次会ったときは…殺し合いになるのか?」


ミント 「えぇ ほぼ確実になります なりたくなくてもなってしまいます」


ミント 「今は落ち着いていますが再び闇に覆われると性格が一転してライルさんを殺そうとします もちろんその周りにいる方々もろとも」


アイビス 「私たちは一応平気だけど…なにか話をするってなるとそう簡単には話せないわね」


ラティス 「うん…ミントちゃんの闇の人格が出てる時はとくに無理だよ 下手したら私たちまで殺されちゃう…」


魔理沙 「抑えることは…」


ミント 「できたらやってます できないから無理なんです」


ミント 「何度も抑えようとしましたができないんです 抑えようとすればするほど闇に抑え込まれて侵食されてしまいます」


ミント 「そして押さえ込んでいた分まで加算されて当初起きるはずだった闇の感情がさらに酷くなってしまうんです なので抑えることさえできないんです」


魔理沙 「……そうなのか」


ライル 「…無限使えてもだめなのか?無限くらい操れるなら闇に飲み込まれることないんじゃないか?」


ミント 「無限は基本使えません 先ほどはライルさんがロランドに殺されたことによってキレたので使えたんです」


ミント 「私の闇は普通の闇のみです 頑張れば漆黒まで使えますが」


ライル 「なんか代償受けたか?使えない無限を使ったらなにかしら体に異変が起きると思うんだが」


ミント 「えっ?……そういえば、なにもないような…?」


アイビス 「…ちょっとまって まさか、抑えられるようになったってこと!?」


ラティス 「うそ!?」


ミント 「いやまだ決まったわけではありません もしかしたらと言うだけで…」


ライル 「今ガマンしてみてくれないか?もし闇の人格が出てきたら即座に魔理沙を連れて逃げるから」


イブ 「おい待て 俺殺されないよな?さすがに無限まで使える相手と戦ったら洒落にならないぞ」


ライル 「お前は闇の住民だから平気だろ 俺と魔理沙は闇の住民じゃないから殺されるのが目に見えてる」


ライル 「もし殺されそうになったら逃げろ 死んだらアイビスさんたちが骨だけは拾っとくから」


イブ 「せめてお前が拾えよ!!」


魔理沙 「…ミント やってみてくれないか?」


ミント 「…あまり気が進みませんがやってみます 危なくなったら逃げてくださいね」


ラティス 「わかった!」


ミント 「………」頭の中で闇の人格を抑えようと強く念じる


ライル 「…」ヒュー… 風を吹かせていつでも魔理沙を連れて逃げれるように準備する


魔理沙 「…」


全員 「「………」」


ミント 「…おかしいです 闇に飲まれる感覚がありません!」


アイビス 「それじゃ!?」


ライル 「抑えられるようになったんだな さすがだミント!」


イブ 「マジか まさか闇の人格を抑えられるなんて……」


魔理沙 「じゃあ今後も平気ってことだよな!話したいときに行ってもいいよな!?」:*・'(*°∇°*)'・*:


ミント 「いえ話したいときに来るのはちょっと…私の方から行くならともかく、魔理沙さんの方から来るのはまずいです」


ミント 「今ここにいるみなさんは平気でも他の方はいけません 闇の住民でもない方がこちらに来たらなにされるか……」


ライル 「でも俺が来たときはなにもされなかったぞ?しかも闇まとってないことも気づいてたのに」


ミント 「ライルさんは…んー……闇を扱えるのでそのおかげではないでしょうか あとジェシカさんたちにも見つかってませんし…」


魔理沙 「わたしも闇まとってたぜ?今はまとってないけど元々使えたなら平気じゃないか?」


ミント 「んー……わかりませんね 平気なんでしょうか?」ウーン…


ミント 「でも来ないことをオススメします ここへ来たらほんとになにされるかわからないので…」


魔理沙 「なにかされたらさっきのマスパぶっぱなすぜ!」


ミント 「騒ぎを起こすのだけはやめてくださいね それこそ何が起きるかわかりません」


魔理沙 「ぶー…わかったよ」


ライル 「…これで平気かな?他になにかあるか」


全員 「「………」」


ライル 「…なさそうだな それじゃそろそろ解散するか」


ライル 「こっちに来るとき霊夢に伝えるよう頼んだサラ姉が心配だ 霊夢になにもされてなければいいけど…」


魔理沙 「さすがにされてないんじゃないか?そのサラって人 ミレイユと知り合いだったりしないか?」


ライル 「っん そうだが」


魔理沙 「なら平気だよ 霊夢だけならまずかったがミレイユもいるなら止めてくれるさ!その人が味方だって話しはしてあるんだよな?」


ライル 「一応してあるが…」


魔理沙 「じゃあなにも心配することないさ!帰ったら茶の間でお茶でもすすってんじゃないか?」


ライル 「……そうかな それならいいんだけど」


イブ 「よし!それじゃ解散しよう ロランドのやつもしばらくは生き返ってこないだろうから心配しなくても平気だろ」


イブ 「竹林から出るまで送っていく ここは闇鼬以外にも危ない魔物がいるからな」


ライル 「そうなのか?それじゃすまないがたのむ」













竹林入口



イブ 「…よし ここまで来れば平気だな」ザッザッザッ


イブ 「もう警戒解いていいぞ ありがとなボス!」ナデナデ


闇鼬 「キー!」フリフリ



ラティス 「いいなー 結局触らせてもらえなかった…」(´・ω・)


アイビス 「わたしも触れなかったわ 今からでも飛びついて触ろうかしら」ウズウズ


ライル 「そっそれはやめた方がいいと思うけど…」


魔理沙 「なんでライルとミントは触れるんだよ 不公平だ!差別だ!」


ミント 「そ、それを私たちに言われても……」



イブ 「それじゃ自分の持ち場に戻ってくれ あとでうまい飯やるからな!」


闇鼬 「キー!」ザザザッ…


イブ 「…さてと、ここからならもう安全に帰れるな まだ日が登ってるから夜行性の魔物も活動してない」


イブ 「帰るなら今のうちだ また何かあったら知らせてくれ」


ライル 「あぁ そうさせてもらうよ お前も気をつけろよ」


イブ 「わかってるよ じゃあな!」


ザッザッザッ…



ライル 「…」


ミント 「…ライルさん 私たちは元の居場所に戻ります なにかありましたら誰にもバレないよう連絡ください」


アイビス 「なんなら定期的にあなたのところに行ってもいいわよ?むしろ行きたいから行ってもいいわよね」


ラティス 「えっならわたしも行きたい!」


ライル 「あはは…闇の住民がぞろぞろと来たら騒ぎになるからそれはやめてな?」


ライル 「なにかあったら俺の方から行くよ お前たち以外にはバレないようにな」


ミント 「お願いします それでは失礼します」


ラティス 「じゃあねライルくん 闇に落ちちゃダメだからね!」


アイビス 「次会ったときはまた美味しい紅茶でも飲みましょ?」


ライル 「あぁ!そうさせてもらうよ」


ザッザッザッ…



ライル 「…」


魔理沙 「…よかったぜ またあいつらと話しができるとわかって」


魔理沙 「最初は敵視してたのに闇のせいで人格が変わっちまったことを聞いて考え方が変わった 次からは警戒しなくていいな!」


ライル 「そうだな あいつらに関してはもう平気だな 俺もミント達だけでも敵じゃなくなったことが嬉しいよ」


ライル 「あとはジェシカ、マリー、レイスだけだな あの三人も闇に飲み込まれなくなれば敵として見なくて済む」


ライル 「…抑えられればいいけどな こればかりは俺にはどうしようもできない」


ライル 「闇は謎が多くて闇の住民ですらよくわかっていない どういう原理で闇が付くのか、どんな時に闇が出てくるのか、なにをもって人によって闇の濃度がちがうのか」


ライル 「俺もけっこう調べたけどまったくわからなかった 闇の住民でもわからないんだから俺が調べてもわかるわけがない」


ライル 「だめだな…敵として認識したのにまだ助けたいと思ってる 本来、ミントも敵として見たのに」


魔理沙 「でも助けたいって気持ちがあったから倒さなかったんだろ?お前は優しいからな!」


ライル 「優しくなんてないさ 男として当たり前なことをしてるまでだ」


魔理沙 「男でも女でも関係ないと思うけどな 一度敵だと思ったやつを助けたいって思うのは男じゃなくても思うことだぜ?」


ライル 「そうか?」


魔理沙 「あぁ!まぁそんな今後のことは後回しにしてはやく帰ろうぜ サラっひとが心配なんだろ?」


ライル 「あぁそうだ はやく帰ろう!」


ライル 「…帰りのゲート 開門!!」バンッ!!



現世の門 「」ドスゥン!!!!ギィィ… 幻想郷に帰るゲートが目の前に現れ扉が開く


魔理沙 「…でっでけぇ こんなでかい扉を作るなんて、やっぱりお前はすごいな」


ライル 「あはは…扉がでかいだけですごいと言われてもちょっと反応にこまるんだが」


ライル 「ここをくぐれば幻想郷に戻れる 早くみんなに会おうぜ?」


魔理沙 「あぁ!」


ザッザッザッ…


シュゥゥ………













博麗神社ー鳥居前



…シュンっ


ライル 「よっと!」スタッ


魔理沙 「おっと!こ、こうやって出るのか なんか瞬間移動した気分だぜ」スタッ


ライル 「感覚的には間違ってないな ゲートをくぐったらすぐ出されるからそんな感じするよな」


ライル 「それじゃはやく霊夢たちのところに行こう」


魔理沙 「おう!」


ザッザッザッ…








通路



ライル 「…おかしいな 霊夢たちがいない 茶の間にもいなかったけど…どこいったんだ?」タッタッタッ…


魔理沙 「出かけたのかな サラってやつと話し終わったからミレイユとアリスも一緒に」


ライル 「んー…サラ姉が魔理沙がロランドに捕まったことを話して帰ったとは思いにくいな まして霊夢も闇の住民であるやつをのこのこ帰させるとは思えないし」


魔理沙 「…たしかに」


ライル 「まぁいい 帰ってくるまで待ってるか 今お茶用意するから茶の間に行っててくれ」タッタッタッ…


魔理沙 「おう!」








茶の間ー数十分後…



ライル 「………」ズズッ…


魔理沙 「………」ズズッ…


ライル 「………」パリッポリポリ… 戸棚にしまってあったせんべいを食べる


魔理沙 「……おそいな あいつらなにやってんだ?どっか遠くに出かけてんのか?」バリッボリボリ…


ライル 「いやまだ三十分ぐらいしか経ってないんだが…てかもう少し落ちついて食べろ 食べかすがボロボロこぼれてる」


魔理沙 「あっわるい」


ライル 「………」






数時間後………






ライル 「………」


魔理沙 「……おそいな さすがに遅すぎるよな」


ライル 「…そうだな 飯や風呂済ませても帰ってこないなんて、なにかあったのか?」


ライル 「(でも嫌な予感はしないんだよな 霊夢たちの身になにかあった感じはしないから多分平気だとは思うんだが…)」


ライル 「(だがさすがに遅すぎる ちょっと捜索してくるか)」スクッ


魔理沙 「っん どうした?立ち上がって」


ライル 「ちょっと探しに行ってくる 辺りを見渡してくるから魔理沙は待っててくれ」タッタッタッ…


魔理沙 「えっ…ちょ、待てよ!」ガシッ


ライル 「っ!」グイッ 腕を掴まれて止められる


魔理沙 「探しに行くなら私もいくぜ ひとりだといろいろ危ないだろ?」


ライル 「いや俺は男だからへいきだよ 魔理沙は先に休んでるなりして…」ハッ


ライル 「……魔理沙をひとりにするのはあぶないか 今神社には誰もいないし、いくら脅威が去ったとはいえ 闇の住民が攻めてきても不思議じゃないから一緒に行った方がいいか」ンー…


ライル 「それじゃ一緒に行くか 疲れてると思うが無理しないでくれよ?」


魔理沙 「おう!わかった」スクッ













神社近くー上空飛行中



ヒュー…


ライル 「んー…近くにはいないな 辺り見渡しても誰もいない」ヒュー…


魔理沙 「だな まったくどこいったんだ?あのさんにんは」ヒュー… 箒に乗ってライルの隣を飛んでいる


ライル 「(どこまで出かけたんだ?そんな遠くまで出かけないと思うんだが…)」


ライル 「(…てか、今何時だっけ?たしかまだ八時(二十時)回ってなかったよな)」


ライル 「(月の登りがかなり上にあるけど…幻想郷から見える月ってこの時間から外の世界なら十二時(零時)なのかな?)」


ライル 「…なぁ魔理沙 幻想郷の月ってこの時間帯からもう真上に上がってるのか?今まで気にしてなかったんだが」


魔理沙 「えっ?…あれ、言われてみれば たしかに真上に上がってるな この時間から真上に上がってるのはおかしいな」


ライル 「っえ やっぱりそうなのか?じゃあなんでこの時間から真上に上がってるんだろ」


魔理沙 「さぁ…そこまでは」


ライル 「(…なんだろ、この胸騒ぎ さっきまでしなかったのに月がおかしい事に気づいたら急に嫌な予感が……)」


ライル 「(……まさか いやそんなはずは)」タラー…


魔理沙 「…ライル?」


ライル 「…なあ魔理沙 俺たち、普通にこっちの世界に戻ってきたよな?」


魔理沙 「えっ?あっあぁ お前と一緒に神社の鳥居前に出たぞ」


ライル 「さっきの神社は博麗神社だったよな?」


魔理沙 「? なに言ってんだ 完全に博麗神社だったろ 早苗んところの神社にでも見えたか?」


ライル 「いやちがう そういう意味じゃない いやでもそんなことがありえるわけが……」


魔理沙 「…ライル さっきからなにを…?」


ライル 「……魔理沙 この近辺から出てみよう」


魔理沙 「…っえ なんで?」


ライル 「まだ確証はないが…嫌な予感がする もしかしたら今、とんでもないことが起きてるかもしれない」


魔理沙 「とっとんでもないことってなんだよ なにが起きてんだよ!」


ライル 「まだ確信がない 確かめたいから行くぞ!」ヒュー…


魔理沙 「おっおい待てよ!」ヒュー…








幻想郷ではない場所ー名も無き平原



サァァ…ユラユラ…… 弱い風が綺麗に長さを整えられた草がなびいて月光に反射してキレイに踊っている



魔理沙 「……なっなんだここ?今私たち、普通に飛んでたらここに来たよな?」ヒュー…


ライル 「…やっぱりか 嫌な予感が的中してたよ」ヒュー…スタッ


魔理沙 「なんだよ なにがおきてんだよ」


ライル 「…ごめん魔理沙 おれ、お前を巻き込んじまったようだ」


魔理沙 「だからなにがだよ!説明しろよ なにが起きてんだ!」


ライル 「【……この世界は俺の闇の中だ いわゆる妄想空間みたいなものだ】」


魔理沙 「…っは?闇の中?おまえの妄想……?」


ライル 「…ふつうにゲート作って通ってきたと思ったんだが、なんらかの影響で俺の闇に繋がっちまったみたいだな」


ライル 「たぶん無限の闇を取り込んだときだな 全部抜いたとはいえ、影響があったみたいだ」


ライル 「あっべつに魔理沙のせいじゃないからな?責めてるわけじゃないから変に誤解はしないくれ」


魔理沙 「…帰れんのか?」


ライル 「……今のおれじゃ帰れない 帰るためにはshining・gate(シャイニング・ゲート)を作らないといけない」


ライル 「それを作れるのはミレイユだけだ 何度かこの世界には来たことあるんだがその時は俺の中にミレイユがいたから帰れた」


ライル 「今の俺の中にはいない…となると、別の方法で帰らないといけない」


魔理沙 「他にも方法あるのか?」


ライル 「いちおうな あんまり効率的じゃないがこの世界を探索するんだ」


ライル 「探索してどこかに帰還用のゲートがある それを見つければ帰れる」


魔理沙 「なんだ簡単じゃねぇか!ならパパっと見つけて帰ろうぜ!」


ライル 「そう簡単にはいかないよ 見つけるにしてもヒントなしで見つけないといけないんだぞ?」


ライル 「俺もこの世界に来て探索するのは初めてだ なにがどこにあるのかまったく検討がつかない」


魔理沙 「えっそうなのか?じゃあなんでゲートがあるってわかるんだ」


ライル 「いろいろ調べたからな 闇の住人のことは全然だが自分の闇の世界のことは他にも経験した奴がいたみたいで情報があった」


ライル 「shining・gateを通らなくとも自分の闇の世界にあるゲートを通ったら現実世界に戻ってこれたと記録が残されてた ただ見つけるのに相当時間はかかったみたいだがな」


ライル 「しかも自分の闇は自分の中で印象が強く残った場所が現れていかにもここにいたような感じになるらしい 気づいた時にはもう何日も過ごしていたやつもいるみたいだ」


魔理沙 「…となると、今日中にはまず帰れないということか」


ライル 「そうなるな 運がよければ今日中に帰れるが…まぁそれは期待しない方がいいな」


ライル 「とりあえず探索できるところまで探索しよう 探索しないことには始まらない」


魔理沙 「そうだな ちなみにここはなんなんだ?一面草が生えてるが」


ライル 「ここは名も無き平原 俺の世界に存在する場所だ」


ライル 「山の高いところにある場所で見晴らしがいい場所なんだ 嫌なこととかあるとそこで景色見ると少し忘れられるんだ」


ライル 「まさかその場所が俺の闇に出てくるなんて…驚いたよ 博麗神社はなんとなく予想はしてたが」


魔理沙 「…そうなのか」


ライル 「ここは障害物とかないから探す手間が省けるな このまま進んでいこう」


魔理沙 「わかった」


ザッザッザッ…








ライルの家



…ヒュンッ


ライル 「っと 平原から出たか いきなりワープするようになってるのか」スタッ


魔理沙 「みたいだな ふつうに進んでたのに…てかここは?」


ライル 「俺の家だ しかも俺の部屋か…またなんでここに」


魔理沙 「ここがライルの部屋なのか?なんか殺風景だな ベッドがあって机があって本棚があって……」


魔理沙 「…なんで机の上にはなにもないんだ?しかも本棚にも本がないぜ」


ライル 「魔術系の本や筆記具は反映されないみたいだな 普通の本はほとんど捨てちまったから残ってないし」


魔理沙 「えぇーっ!?魔術系の本見たかったなー!お前の読んだものがどんな内容なのか気になってたのに」


ライル 「いや気になってたて…」


魔理沙 「他にないのか?魔術じゃなくても魔法の本とか!」


ライル 「それも反映されてないよ その本棚にしまってあったはずだが魔術系の本と一緒で写ってない」


魔理沙 「しょぼーん」(´・ω・)


ライル 「早く次行くぞ 俺の部屋にはゲートないみたいだから」


魔理沙 「おう!」








ライルの家捜索中…



ライル 「…ないな」


魔理沙 「ないな ここじゃないみたいだな」


魔理沙 「あと残ってる部屋は何部屋くらいあるんだ?」


ライル 「あと一部屋だけだな でもあそこは……」


魔理沙 「? どうした?急に難しい顔して」


ライル 「……あまり確認したくないな あの部屋だけは」


魔理沙 「っえ?なんでだよ なにかあるのか?」


ライル 「………」


魔理沙 「…確認してみないとわからないだろ 案内してくれ」


ライル 「…わかった こっちだ」


タッタッタッ…








ライルの親父の部屋前



ライル 「……ついたぞ」


魔理沙 「ここは…なんの部屋だ?しかもここだけ襖なんだな 他は扉だったのに」


ライル 「親父の部屋だ 親父は和風にこだわってたからこの部屋だけ和風建築なんだ」


ライル 「……ただ、確認したくない もしこの中にゲートがあったとしても入りたくない」


ライル 「叶うならここはスルーしたい …魔理沙、お前にも見てほしくないんだ だから他を探してからでも……」


魔理沙 「はいはいそんなこと言ってないで確かめるぞ 邪魔するぞ」スーッ…


ライル 「ーっ!? ばっ開けるな!!」


魔理沙 「……っえ」



血に染みった畳 「」ビチャァ…

傷だらけの壁 「」ボロ…

バラバラになった作業机 「」グシャァ…


部屋の中は血まみれでありとあらゆるところに鈍器や刃物で傷つけられた痕に真っ二つに粉砕された作業机が至るところに散らばっている…



魔理沙 「……な、なんだよ これ」サー…


魔理沙 「こっこの畳に染みついてるのって…血か?それにこの壁の傷跡…刃物と鈍器か?」


魔理沙 「机もバラバラになってやがる…なんだよこの部屋 親父の部屋じゃないのか!?」


ライル 「……親父の部屋だよ 殺されたときと同じ形になってやがる!」ギリッ


魔理沙 「っえ!?こっ殺された!?」


ライル 「……ここにゲートはなかったからもういいだろ 次行くぞ」


魔理沙 「あっあぁ そうだな」スー…ストンッ


ライル 「(…次はどこに行くんだか)」


タッタッタッ…








とある中学校



…ヒュンッ


ライル 「…次は学校か しかも俺の通ってた中学校か」


魔理沙 「ここが外の学校…」キョロキョロ


ライル 「そんな物珍しいものはないだろ?寺子屋となんも変わらないだろ」


魔理沙 「いや全然ちがうから… …おまえはここ通ってたんだよな」


ライル 「あぁ 嫌な思い出しかないけどな」


魔理沙 「…いじめ、だよな」


ライル 「あんまり思い出させるな 余計なことは聞かないでくれ」


魔理沙 「あっわるい…」


ライル 「しかし学校か…ここは広いから探すの手間取るな 時間かかるが探すぞ」


魔理沙 「了解!」


タッタッタッ…



ライル 「…」タッタッタッ…


魔理沙 「………なぁライル ちょっと聞いていいかな」タッタッタッ…


ライル 「なんだ?」


魔理沙 「さっきのお前の親父の部屋のことなんだが…」


ライル 「…今余計なことは聞かないでくれって言ったよな」


魔理沙 「…ごめん でも気になってさ」


ライル 「…なんだよ」


魔理沙 「えっと…お前の親父さん、さっき殺されたって言ってたよな 他の家族はどうしたんだろうと思って」


ライル 「殺されたよ あの部屋でな」


魔理沙 「……っえ」


ライル 「俺は四人家族だった 父さんに母さん、妹がいた」


ライル 「俺が出かけてるときに襲われたみたいでな 親父の部屋で惨殺されていた」


ライル 「…精細までは言わないからな 聞こうとしないでくれよ」


魔理沙 「いやさすがにそこまでは聞こうとしないぜ…」


ライル 「ならいいが」


ライル 「…っと ここから確かめるか」


魔理沙 「っえ なんでここからなんだ?端っこから見た方がよくないか」


ライル 「ここは俺の教室なんだ 多分あるとしたらここだろう」


魔理沙 「あっそうなんだ」



ガララっ…


教室内部 「「」」ガラーン… 整頓された机がずらりと並べられている


ひとつの机 「」ストンッ… とある机の上に本が置かれている


魔理沙 「わぁー…キレイに並べられてるな ここが外の世界の教室か」


ライル 「…」タッタッタッ…スッ ひとつの机の上に置かれている本に手をかける


魔理沙 「…その本は?」


ライル 「……なんでこの本がここにある?しかも俺の机の上に」ペラッ


魔理沙 「っえ ここおまえの机なのか?」


ライル 「………」ペラ…ペラ…


ライル 「(…書いている内容も全部一緒だ なんでこれがここに……?)」


ライル 「ーっち いやなこと思い出させやがって!」バタンッ!!


魔理沙 「っ!?」ビクッ!!


ライル 「あっ…ごめん 驚かせたな」


魔理沙 「ほっほんとだよ いきなりどうしたんだよ」ドキドキ…


ライル 「ちょっと思い出し怒りしてた あまりにムカついてついな」


魔理沙 「おっ思い出し怒り…?」


ライル 「これは俺の日記帳だ 昔なにが起こってたかを記録してたものだ」


ライル 「…まぁ ろくなことは書いてないけどな 昔が昔だから」ストンッ


ライル 「中身は見るなよ 見てもおもしろくないし…なにより、俺の過去ことを詳しく知ってほしくない」


魔理沙 「わ、わかった」


ライル 「…ここにはなさそうだな 次行くぞ」


魔理沙 「…うん」








体育館



ガチャッギィィ…


魔理沙 「…広いな ここは?」タッタッタッ…


ライル 「体育館だ 集会や体育がある時に雨が降ってたりしたらここで運動をする場所だ」


ライル 「災害時の避難場所やイベントとかでも使われるからかなり広い構造だが見ての通り何もないことが判明してる 倉庫や二階の部屋にあるかどうかだけ調べればいい」


ライル 「…あんまり調べたくねぇけどな」ボソッ


魔理沙 「………」


ライル 「とりあえず倉庫の中見るか ゲートは俺の作ったゲートと同じくらいの大きさだから開ければわかる」タッタッタッ…


ライル 「鍵は…」ガチャンッ


ライル 「…んだよ なんで鍵かかってんだよめんどくせぇな」


魔理沙 「わたしのマスパで開けるか?」


ライル 「開け方が豪快だな…このくらいの鍵なら風で開けられるよ 風で形を把握してその通りに作れば…」ヒュー…


カチャンッ…


ライル 「よし 空いたな」


魔理沙 「便利だなおまえの風 鍵も開けられるのか」


ライル 「アナログならな デジタルの鍵は無理だが」ガララッ…



体育倉庫の中 「「」」ズラッ… 跳び箱やバスケットボール、その他様々な道具が至るところに置かれている


魔理沙 「おぉー なんかいろんなもん置いてあるな?見たことないものがいっぱいあるぜ!」


ライル 「…ないなここにも 次は反対側見に行くぞ」


魔理沙 「えっいやちょっと待てよ!もう少し見させてくれよ 物珍しいもんがいっぱいあるんだからさ!」


ライル 「そんな悠長なこと言ってる暇ないだろ さっさと現実世界に戻って帰るんだろ?」


魔理沙 「それは、そうだけどよ…」


ライル 「ならさっさと行くぞ こんなところ一分一秒と居たくないのに…」タッタッタッ…


魔理沙 「………」


ライル 「(早くこんなところから出て霊夢たちに俺たちの安否を報告しないと)」


ライル 「(こんなところで時間使ってたらサラ姉が危ない 俺が闇の世界から帰ってこないなんて霊夢が判断したら……!!)」ギリッ


魔理沙 「……なぁライル」


ライル 「なんだ さっきの倉庫なら見てる暇ないぞ 見たくても俺達には悠長なことしてる時間はない さっさと帰って……」


魔理沙 「今のお前と一緒に居たくない 今から別行動するぜ」


ライル 「……っえ」


魔理沙 「…わるいが今のお前と一緒に居たくないから別行動させてもらう 先に行きたければさっさと行ってろ」


魔理沙 「わたしはもう少しさっきの倉庫を調べてから行くから気にするな じゃあそういうことで」タッタッタッ…


ライル 「ちょっおい待て!おまえなに言ってんだ!」ガシッ 魔理沙の肩をつかんで引き止める


魔理沙 「はなせ さっさと行って調べてこいよ?私のことなんて気にしないでよ」パシッ


ライル 「気にしないで行けるか!いきなりどうしたんだ 今ここで二手に分かれて調べるなんて自殺行為だ!」


ライル 「ここは俺の闇の世界なんだぞ ここがどういうところかもわかってないやつを一人置いていけるわけないだろ!」


魔理沙 「じゃあもう少しあの部屋を調べたいから時間くれ そしたら一緒に行ってやる」


ライル 「いやだから時間がないって…」


魔理沙 「………」


ライル 「…魔理沙 いつまでもここにいるわけにはいかないんだぞ?遊んでる場合じゃないんだ」


ライル 「物珍しいもんがあって興味を引かれるのはわかるがそんなの調べてる場合じゃない わがまま言ってないでさっさと…」


魔理沙 「わがままなのはおまえだよ!!」キーンっ!!


ライル 「ーっ!?」ビクッ!!


魔理沙 「自分でわかってないのかよ!おまえさっきからイラついて当たってることによ!」


魔理沙 「過去に嫌なことがあったのは私も知ってる お前からも聞いてるが霊夢からも話は聞いてる」


魔理沙 「私だって過去に嫌なことあったよ 親父と絶縁して何年も連絡取り合ってないからお前の気持ちは少なからずわからなくはない」


魔理沙 「でもその事で誰かに当たったことなんてない!自分の親のことを話したところで意味ないし なによりそんなことで当たったところで何になる!」


魔理沙 「それと同じでお前も当たっても意味ないだろ!なんもないだろ!意味もないのに当たるんじゃねぇ!!」


ライル 「………」唖然


魔理沙 「…たのむからいつものお前に戻ってくれ 私だってこの世界に来て帰れるか不安なんだからさ」


魔理沙 「頼りのお前がそんな調子じゃ安心したくてもできやしない 不満があるなら聞いてやるから」


ライル 「……いや、だいじょうぶだ わるい お前の言う通りイラついてた」


ライル 「関係ないやつに当たるなんて最低だ …ーっふん!!」パァンっ!! 自分の両頬に手のひらをいれて喝を入れる


ライル 「……よし それじゃもう少しここを探索してみよう なにもなさそうだったら次行くぞ!」


魔理沙 「あぁ!」


タッタッタッ…








数十分後…



魔理沙 「…ライル これはなんだ?」ゴソゴソ…スッ


ライル 「それはボールに空気入れる針だな ボールに挿す穴があるからそこから刺して空気入れるんだ」



魔理沙 「これでか?…口で空気入れるのか?」


ライル 「いや空気入れる機械があるからそれで入れるんだ 口で入れられなくないが…まぁ満タンまではムリだな」


ライル 「機械どっかにあるかな?その針があるなら近くにあると思うんだが…」キョロキョロ…


ライル 「……ねぇな なんで針だけあって機械はねぇんだ?」


魔理沙 「ないのか?ならライルの風で入れてみてくれ!」


ライル 「別にかまわないが…それじゃいつも俺が風吹かしてるのと変わらなくないか?」


魔理沙 「…たしかに」


ライル 「……てか今何時だ?外はずっと真っ暗だから時間がまったくわからないんだが」


ライル 「時計はたしかあそこにかけてあったはず…あった」タッタッタッ



時計 「現在深夜二時です」体育館に付けられているスピーカーの真横に時計がかけられている


ライル 「二時…もうこんな時間だったか 倉庫の中のものを拝見しててかなり時間経ったな」


ライル 「魔理沙 今日はもう休もう いろいろあってお前も疲れてるだろ?」


魔理沙 「…そうだな 今思うと一気に疲れが……ふぁぁ」(´Q)。oO


ライル 「幸いにもここにはマットやシート、防災布団がある 寝る道具には問題ない」


ライル 「トイレや電気も使えるから不備はないだろ とりあえず準備するか」ヒュー…ガタガタッ 倉庫の中にしまってある道具を風ではじっこにずらして自分たちの寝るスペースにマットなどを敷く


魔理沙 「…ほんとに便利だな 鍵開けもそうだが一瞬にして寝るところを作るなんて」


ライル 「まぁな それじゃ俺は壁によりかかって寝るから魔理沙はそこで寝てくれ」


魔理沙 「っえ …なんで?お前は布団で寝ないのか?」


ライル 「俺はいいよ 霊夢がいるなら一緒に寝てもいいんだが…さすがにお前とふたりで寝るわけにはいかないだろ」


ライル 「いろいろと…さっきのこともあるし」ポリポリ…


魔理沙 「ーっ!!」///ボッ!!


ライル 「……まぁ俺のことは気にしないで寝てくれ 不安なら近くにいるから遠慮なく話しかけてくれ」ヨット


ライル 「あっ一応倉庫鍵かけとくか もし万が一、なにか襲ってきたら困るし 外側からじゃ鍵使わないと開けられないしな」ガチャンッ


ライル 「トイレは倉庫から出ないと行けないからもし行くときは俺に声かけてくれ 魔理沙をひとりにさせてる時になにかあったらまずいからな」


魔理沙 「えっ…と、トイレもついてくるのか!?」///カァァ…


ライル 「ついて行くとしても扉前までだからな さすがに中まで入らないぞ」


魔理沙 「あっそ、そうだよな!さすがに中に入ってこないよな?んなことわかってるって!」///アハハッ!!


ライル 「(完全に俺も中に入ると思ってたよな…)」


魔理沙 「…でっでもさ いくら夏の夜でも壁に寄りかかってたら寒いんじゃないか?布団かけてたとしても床が冷たいからさ」


ライル 「俺もマット敷くからへいきだよ 寒ければ温かい風吹かせるから言ってくれれば暖かくするよ」


魔理沙 「っ…だっだけど!体勢がわるいだろ 壁に寄りかかりながら寝ると身体痛くなるんじゃないか?」アセアセ


ライル 「すぐ反応できる体勢が寄りかかりながらなんだ 完全に寝っ転がってると反応できないから…」


魔理沙 「〜っ…」( Ŏ﹏Ŏ)うぐぐ…


ライル 「……魔理沙?」


魔理沙 「……な、ならさ 一緒に寝たいって言ったら…寝てくれるか?」///モジモジ


ライル 「………っえ」


魔理沙 「っ…」///ジッ…


ライル 「…え、えっと 魔理沙?自分でなに言ってるかわかってるか 今の状況で一緒に寝るのはちょっと……」///


魔理沙 「霊夢とはよくて私はダメなのか?」///


ライル 「いやダメというわけじゃ…」///


魔理沙 「じゃあ一緒に寝ようぜ!霊夢には言わないから安心してくれ てか言ったら私も怒られる!」///


ライル 「そっそういう問題じゃ…」///


魔理沙 「……いいだろ寝るくらい 安心しながら寝たいんだよ」///


魔理沙 「今この状況でひとりで寝るのは怖いんだ だからたのむよ…」///ジッ…


ライル 「ーっ…」///ドキッ…


魔理沙 「…だっダメか?」///


ライル 「〜…わ、わかったよ おまえが寝付くまで一緒の布団に入ってやるよ」///


魔理沙 「一緒に寝ないとダメだ!一緒じゃないと悪夢見るぜ!」///


ライル 「あ、悪夢って…ひとりで寝たら見ること確定してるのか?」///


魔理沙 「そうだ!!」///ドンッ!!


ライル 「そっそんな強調しなくても……」///


ライル 「……わかったよ それじゃ一緒に寝るか」///


魔理沙 「っ! おう!」///











ライル 「………」


魔理沙 「ーっ…」///ドキドキ… ライルと背中合わせで一緒の布団の中に入っている


魔理沙 「(やっやばい…めちゃくちゃ心臓が暴れる!ライルが隣に寝てると思うと全然鳴り止まない!)」///バクバクッ!!…


魔理沙 「(しかも寒くないように温かい風吹かせてるし…そっそれに、背中もくっつけて寝てくれてるし……)」///カァァ…


魔理沙 「(てかこいつはよく平気で寝れるよな!ひとがこんなにも落ち着けないって言うのに!)」///ヌググ…


ライル 「………」


ライル 「(…魔理沙、めっちゃ心拍早いな 俺と寝てるから意識してるんだな)」///


ライル 「(怖くて寝れないって言ってたが…これだとむしろ逆効果なんじゃないか?意識しすぎて寝れないだろ…)」///


ライル 「(俺的には…まぁ、意識してくれてるのは嬉しいことだが でも今は落ち着いて寝て欲しいんだが…)」///


魔理沙 「……な、なぁライル 起きてるか?」///


ライル 「…(寝たふりするか そうすれば俺は寝てると思って落ち着いてくれるだろ)」///


魔理沙 「……寝てる、のか?」///


ライル 「(寝てまーす だから早く寝てくれー)」///


魔理沙 「……ほんとに、寝てるか?」///


ライル 「(起きてるが寝てるよ 頼むから寝てくれ!)」///


魔理沙 「……寝てる、んだな」///ムクッ


ライル 「(? 起き上がった?なんで……?)」


魔理沙 「っ……」///タタッモゾモゾ… 布団から出てライルの顔が向いてる方に潜り込んで布団に入る


ライル 「(ーっ!? まっ魔理沙!?なんで俺の前に来て!?)」///


魔理沙 「ーっ…んしょっと」///モゾモゾ…スポッ ライルの右腕を自分の首元に置いて体の中にすっぽり収まる


ライル 「(ちょっと魔理沙!!ほんとになにやってるの!?こっちに来たと思ったら俺の体ん中に入って!!)」///


魔理沙 「……ふぅ、落ちつくぜ 背中越しよりも包み込まれたほうがより落ちつく…♡」///ウットリ


魔理沙 「最初は別になんとも思ってなかったのに 無限の闇に染まった私をファーストキスを奪いながら命懸けで助けてくれてよ…あんなの惚れちまうよ♡」///


魔理沙 「もちろんお前が霊夢のことが好きなのはわかってる お前は恋愛として見ることはできないって言ってたけど…ほんとはそんなことないんだろ?」///


魔理沙 「お前が霊夢だけ特別扱いしてるのはみんな知ってる 過去にあっていろいろ過ごしてきたことも聞いてるから特別扱いするのも仕方ないと思ってる」///


魔理沙 「…でもよ 少しくらい私を見てくれてもいいじゃんか 霊夢ばかりずるいぜ」///ギュッ…


魔理沙 「今さっき恋心を抱いたからわけもわからず突っ走ってるのかもしれない こんな気持ちを味わうなんて初めてなんだから仕方ないだろ」///


魔理沙 「霊夢から奪うようなことはしないけどよ 半分…いや、4分の1でもいいから私を見てくれよ」///


ライル 「………」///


魔理沙 「……キス、していいか?今度はわたしから」///


ライル 「(ーっ!?)」///ドキッ!!


魔理沙 「いやだめだ!したくてもさすがに寝込みを襲うのはまずい そんなことしたら嫌われる!」///ブンブンッ


魔理沙 「…いや、外の世界にいるときは霊夢に襲われてたんだよな?寝込みはさすがに聞いてなかったけど…たぶん寝込みも襲われてたよな」///


ライル 「(襲われてねぇよ さすがの霊夢も寝込みまでは襲ってこなかったよ)」///


魔理沙 「てことはわたしが襲っても問題なし…ってことでいいのか?」///


魔理沙 「そっそうだよな 霊夢だって襲ってんだから私だって許されるはず!よし そうと決まれば…」///


ライル 「さすがの霊夢も寝込みまで襲ってくることはなかったぞ あと少し落ち着こうな」///


魔理沙 「ーっ!?」///ドキッ


ライル 「まったく…人が寝てるときになにしようとしてんだ お前そんなキャラじゃなかっただろ」///パチッ


魔理沙 「らっライル!?おま、起きてたのか!?」///


ライル 「最初からな 落ち着いて寝てもらいたくて反応しなかったが段々とヒートアップしてきたからさすがに起きたが…」


魔理沙 「ーっ!!」///ボッ!!


ライル 「寝込みを襲うのだけは止めてくれな?なんも知らないときに責任取るようなことはしたくないから」///


ライル 「俺に惚れたことに関しては嬉しいことだが……まぁ、うん ありがとな」///


魔理沙 「ーっ…」///プシュー…


ライル 「…でも俺は誰かを恋愛対象として見ることはできない 霊夢にだけ特別扱いしてるかもしれないが恋愛対象としては見てない」


ライル 「どうしても見れないんだ だれかをそういう目で見るなんて…昔、いろんな人から罵倒浴びせられたから信用できないんだ」


ライル 「なんで俺みたいな平凡でなんの取り柄もないやつを好きになるのかがわからない 俺と一緒にいてもつまらないだろ」


魔理沙 「そんなこと…」


ライル 「そんなことないと言われてもわからないんだ 過去が過去だから思いたくても俺の思考の中で否定する」


ライル 「誰かを信じることだけはなんとか取り戻せたが恋愛感情はどうしても戻らないんだ どんなに自分の心の中で説得しても完全否定する…」


ライル 「だから誰かを好きになるということはないから変に期待を抱かないでくれ 霊夢にも言ってあるんだがな…」


魔理沙 「……お前って変なところでめんどくさいよな」


ライル 「よく言われるよ 主に霊夢にな」


魔理沙 「……はぁ でも好きになっちまったものは仕方ねぇよな めんどくさくても私の初恋だ」


魔理沙 「霊夢が一番かもしれないが二番は私がもらうからな よく覚えとけよ!」ニッ


ライル 「好きになるのをやめるとは言わないんだ…」


魔理沙 「当たり前だろ そんな簡単に初恋を終わらせたくないんだ もっと詳しく調べてお前が恋愛感情を取り戻すまであきらめないぜ!」


ライル 「その言い草だと俺が恋愛感情を取り戻したら諦めると言ってるんだが」


魔理沙 「初恋はそこで一旦終わらせる そして今度は本気でお前を落とす気で告白するんだ!」


魔理沙 「もし落とせなかったら次は身体を使って落としてやるぜ 私の魅力に気づかせて好きになってもらうんだ!」


ライル 「そんな簡単に身体を使おうとするな てか女が身体を使うなんて言うな」


ライル 「女の身体は一生のものなんだからもっと大事にしろ こんな俺のために捧げようとするな」


魔理沙 「そんなお前だからこそ大事なものを捧げたいんだ ほんとに好きだから本気で私の気持ちをわかってもらうために言ってんだよ!」


ライル 「じゃあ俺がお前を選んだときに身を捧げてくれ その時は受け入れるから今はするな」


魔理沙 「…いつ選ぶんだよ」


ライル 「さぁな いつになるかなんて俺もわからない 俺の恋愛感情が戻ったときに答えるよ」


魔理沙 「………」


ライル 「…今はこれでがまんしてくれ」ギュッ 魔理沙を包み込むように抱きしめる


魔理沙 「っ!」///


ライル 「お前の気持ちを踏みにじるつもりはない…だけど、今できることはこれくらいしかない」


ライル 「寝込みを襲おうとしてたくらいだからこれじゃ満足できないかもしれないが…これでがまんしてくれ」


魔理沙 「…もっと抱き寄せろ そしたらガマンしてやる」///トクン…


ライル 「わかった」ギュッ…


魔理沙 「んっ…♡」///


ライル 「…おやすみ」


魔理沙 「うん…おやすみ」///











ライル 「すぅ…すぅ……」


魔理沙 「すー…すー……」


ライル 「…すぅー…すぅー…」


魔理沙 「んー…すぅ…すぅ……」



…カチャカチャッ


ライル 「っ…なんだ?」ピクッムク…


魔理沙 「んー…?なんだ どうかしたか?」ムクッ…



カチャカチャ…カチンッ 倉庫の扉の鍵が解かれる


ライル 「だれだっ!」バッ!! 魔理沙の前に出て守る体制に入る


魔理沙 「っ!」スッ!! すぐさま八卦炉を取り出していつでも放てるように準備する



……ギィィ


? 「………」小さい女の子が扉を開けて姿を現す


魔理沙 「…おっ女の子……?」


ライル 「…うそだろ?なんで、」


? 「…久しぶり お兄ちゃん」


ライル 「遥(はるか)!なんでここに!?」


魔理沙 「お兄ちゃん!?っえ まさか、おまえの妹!?」


遥 「初めまして 私は遥、兄がお世話になっています」


遥 「あなたのことはお兄ちゃんの記憶の中で知ってるから自己紹介はいりません 霧雨魔理沙さん」


魔理沙 「っえ おっおう…そうか」


ライル 「……はるか………!!」ジワッ…


遥 「…お兄ちゃん ほんと久しぶりだね 最後に会ったのって何年前?」


ライル 「…もう四年以上経ってるよ お前が…親父たちと一緒に殺されてから……!!」ツツー…


ライル 「またこうやって話せてよかった…!俺の記憶の中でも……お前と、話せて」ポタッポタッ…


遥 「泣かないでお兄ちゃん みっともないよ?お兄ちゃんの泣き顔なんて見たくない」


遥 「わたしだって嬉しいんだから こうやって話せることに嬉しさを感じるよ!」ニコッ


ライル 「俺だってうれしいよ …でも、長い時間は居られないんだろ?」グシッ


遥 「…うん」


魔理沙 「っえ なんでだ?」


ライル 「本来、俺の闇の中もとい誰かの闇の中には人物なんて存在しないんだ 人物どころか植物なんかを除いた生命体は出てこない」


ライル 「だが今目の前にはありえないはずの人物がいる これは俺の記憶の中で家族のことを強く思ってる部分が存在したことによって生まれた異例中の異例だ」


ライル 「本来存在しないものが存在すればいつかは消滅する 闇の中に人物という概念はないから強制削除される」


魔理沙 「削除!?てことは、もう居なくなっちまうのか!?」


遥 「すぐには居なくならないですよ お兄ちゃんの闇の中の闇が異常に気づいて徐々に消していくので気づかれてなければしばらくは一緒に居られます」


遥 「そして私は闇の中で生まれた存在だから出口もわかってる だからそこまで案内しに来ました」


ライル 「わかるのか?なら案内してもらえるか」


遥 「もちろん!かなり距離あるけど無駄な探索時間がなくなるから今日中には帰れると思うよ」


ライル 「それは助かる 早く帰って霊夢たちを安心させてやらないと」


魔理沙 「…もっと二人っきりで居たかったな」ボソッ


ライル 「…それじゃ案内してくれ」


遥 「うん」













…学校→とある商店街



…シュンっ


遥 「っと 次の場所に着いたね」


魔理沙 「…ここは、商店街か?」


ライル 「……ここか 懐かしいな そのままの形で残ってるのか」


魔理沙 「わかるのか?」


ライル 「あぁ ここはミントたちの世界だ そしてこの場所はみんなで来たことある商店街…ロランドが消滅させた場所でもある」


魔理沙 「っ!」


ライル 「…人はいないものの商品はあるのか これ食べれるのか?」タッタッタッ…スッ 商店街に並べられているりんごを手に取る


遥 「お兄ちゃん あんまり闇の中のものは食べない方がいいよ」


ライル 「さっき博麗神社で魔理沙と一緒に飯食べたときになんもなかったから平気だよ」シャクッ


ライル 「……うん 味はそのままだな こっちの世界のりんごは俺の世界と味が違うからすぐわかる」モグモグ…


ライル 「また味わえるとは思わなかったな…もうこの世界は滅んでるから味わえて嬉しいよ」


魔理沙 「…ライル……」


ライル 「…てか、俺たち朝飯食べてなかったな ちょうどここに食材があるんだから食べていかないか?」


遥 「んー…あんまり時間かけてられないんだけど 魔理沙さんはお腹すいてますか?」


魔理沙 「っえ あー…まぁ 少し」


遥 「それじゃご飯にしましょう 私はいらないからなにか適当に食材持ってくるね」タッタッタッ…


ライル 「いらないのか?」


遥 「うん お腹すいてないし、なにより私は闇の中の存在だから食べる必要もないからね」


魔理沙 「でも食えなくはないんだろ?食べようと思えば食べれるんだろ」


遥 「食べれなくはないけど…」


魔理沙 「なら一緒に食おうぜ!みんなで食べたほうがご飯おいしくなるからよ!」


遥 「…みんなで……」


ライル 「…遥 久々に食べようぜ?俺もお前と一緒に食べたい」


遥 「………」


遥 「…わかった 一緒に食べる」


魔理沙 「おっしゃー!それじゃ材料集めるぜー!」


ライル 「みんなで材料集めてみんなで作るか なにを作るかは材料を集めてから決めよう」


魔理沙 「おう!」


ザッザッザッ…









魔理沙 「ふぅー たいりょーたいりょー!これで飯が作れるぜ!」帽子の中に食材を入れて運んでる


ライル 「魔理沙 風で運ぶからお前が運ばなくてもいいんだぞ?」ヒュー… 風を吹かせて食材を宙に浮かばせて運んでる


魔理沙 「いいんだぜ このくらいなら私が運ぶから!」


ライル 「…魔理沙がそういうなら、まぁいいか」


遥 「それでなに作るの?けっこう種類あるからいろんなものができるけど」


魔理沙 「わたしはシチュー作るぜ!良さげなキノコが手に入ったし これでいいものを作るぜ!」


ライル 「なら俺は肉の炒め物を作るか こっちの肉は焼くより炒めた方が美味いからな」


遥 「それじゃサラダを作るわ 基本料理は苦手だからそれくらいしかできないから味は期待しないでね」


ライル 「期待してるぞ?はるか!」


遥 「プレッシャーかけないでよ…なるべく美味しくするよ」


ライル 「おう!期待してるからな」


遥 「だからやめてっ!」


ライル 「…っと 着いたぞ」ザザッ ひとつの民家と思われる建物の前に立ち止まる


魔理沙 「…ここは?」


ライル 「サラ姉とラティス姉の家だ 俺やミント、アイビスさんが一緒に住んでた家でもある」


ライル 「たぶん中の構造もそのままだろ 入ってくれ」ガチャッ


魔理沙 「あぁ わかった」


遥 「おじゃましまーす」



タッタッタッ…


ライル 「…よかった 中は昔と変わらない これならどこになにがあるのかわかる」


ライル 「今調理器具用意するから材料並べといてくれ まな板とかすぐ用意する」


魔理沙 「わかったぜ」










魔理沙 「…」グツグツ… 鍋でキノコを含んだシチューを作っている


ライル 「…」トントン…ジュー 細かく切った肉をフライパンに入れて炒める


遥 「…」サクサク…チュー 野菜を切ってボウルに乗せドレッシングをかける


魔理沙 「…ライル 肉余ってるか?もう少しシチューの中に入れたいんだが」


ライル 「あるよ ちょっと待ってろ?今細かく切ってやるから」トントン…


遥 「……よし これで完成っと!」キュッ


遥 「お兄ちゃんこっちは終わったよ なにか手伝うことある?」


ライル 「っん なら皿用意してもらっていいか?俺ももう少しでできるから」カチャカチャ…


遥 「わかった」タッタッタッ…


魔理沙 「…あとは肉を煮込んで染み込ませれば完成だな もう少しだぜ」トポトポ…


遥 「お兄ちゃんお皿並べとくよ」カチャカチャ


ライル 「おう!ありがとな」








数分後…



ライル 「よし!みんなできたな」


魔理沙 「うまそうだぜ!ライルの作った肉料理と遥が作ったサラダが神々しく見えるぜ!」


遥 「そんな大袈裟な…さすがにそれは言い過ぎですよ」


ライル 「それじゃ食べるか」


魔理沙 「おう!いただきまーす!」


ライル&遥 「「いただきます」」


魔理沙 「…んー!ライルが作った肉炒めうめーっ!!」モグモグ


魔理沙 「食べたことない味だぜ これなんて言う肉なんだ?」


ライル 「この肉はトロンドスっていう動物の肉だ 幻想郷にあるもので例えると………」


ライル 「……難しいな 牛や豚じゃないし、鹿や馬でもないから例えで言えない」


魔理沙 「この世界の肉なのか そうかまた食べたくなったとき食べれないのは寂しいな」


魔理沙 「…こっちのサラダもうまいぜ!やっぱり兄妹揃って料理うまいんだな」


遥 「私はそこまでです ほとんどお母さんやお兄ちゃんが作ってたので」


ライル 「そんなことないさ 遥だって料理手伝ってじゃないか」


遥 「手伝っても味付けやお皿用意してただけだよ 難しいことはしてないよ」


ライル 「味付けもけっこう難しいけどな 人によって好み違うし入れすぎても味が濃くなってまずくなったりするんだから」


遥 「そんなに難しくないよ だって適正量入れればいいだけじゃん 計量カップとか小さじ大さじで入れればいいだけだし」


ライル 「人によってはそんなこと気にせずに入れるやつだっているんだぞ 一杯とか二杯って書いてあるのにも関わらず四杯五杯入れて味見しないやつとか」


遥 「…そんな人今までいたっけ?私の知ってる限りだといないけど」


ライル 「ミレイユが現にそのひとりだ あいつはこっちの世界に来てから何度か料理したことあるんだが…元いた世界と食材が違うからって言ってたが毎回のように余計なひと手間ふた手間増やすんだ」


ライル 「砂糖と塩を間違えるぐらいならまだいい 味が完全に濃厚すぎて食べられないんだよ…いくら濃いのが好きな人でもあれは無理だ」


遥 「そ、そこまでなんだ……」


魔理沙 「…あいつ料理できなかったのか でも紅茶とかは普通に美味しかったぞ?」


ライル 「紅茶はいつも飲んでたから完全に作り方を把握してるんだ 俺の世界に来てからも毎日飲まされてたからな 実体化はたまにしかさせてなかったから俺の体を使って飲んで…おかげで何キロ太ったことか」ハァ…


魔理沙 「…た、大変だったな」


ライル 「まぁ今は実体化させてるからもうその心配はないけどな 回復魔法が使えなくなったのは痛いがミレイユがそれを望んだんだ 悔いはない」


ライル 「…まぁ最悪、回復魔法がなければ風でなんとかすればいいだけだ 手が流れるのを風で抑え込めば多少延命できる」


遥 「それ過去に何度もやって死にかけたことあるよね お願いだから同じことをするのやめてね」


ライル 「…なるべくはするよ」


遥 「……まぁ控えてくれるならいいけど」


魔理沙 「控えるならいいんだ…」








数十分後…



全員 「「ごちそうさま(でした)」」


ライル 「皿とか洗うから流しに持ってきてもらっていいか?」カチャカチャ…


魔理沙 「わかったぜ」カチャカチャ


遥 「洗う必要あるの?ここはお兄ちゃんの闇の中だから別に洗わなくても勝手に消えるよ」


ライル 「んー…気持ち的にそれはちょっとな たしかに次の場所に行けばこの世界はなくなるけど、使ったらちゃんと洗いたい」ジャー…カチャカチャ


遥 「…ほんとにまじめだねお兄ちゃん そういうところちょっとめんどくさいよ」


ライル 「なんで!?まじめでいいじゃん!」ガーン


遥 「まじめすぎだよ だってやらなくていいことしてるじゃん?どうせ次の場所でこの場所は消えちゃうんだから」


ライル 「そりゃそうかもしれないけどよ…気になるからしかたないだろ」


遥 「……ほんとにお兄ちゃんは変なところでめんどくさい」ハァ…


ライル 「ひどいっ!!」


魔理沙 「でも私はそういうところ好きだぜ?ライルがまじめなのは今に始まったことじゃないし!」


魔理沙 「むしろその真面目さがみんなを信用させるからいいところだと思ってるぜ …まぁたまにめんどくさいことはあるけどな」


ライル 「結果的に最後で台無しだよ!フォローになってない!!」


魔理沙 「別にフォローするなんて言ってないぜ?いいところだと説明しただけだぜ」


ライル 「長所を台無しにしたけど!?」


遥 「…っぷ!」クスッ


遥 「あっはははは!!やっぱりお兄ちゃんはおもしろいわ 見てて飽きないな」


遥 「いつもそんなふうにしてればみんな笑顔になれるのに お兄ちゃんはよけいなことを考えるからめんどくさがられるんだよ」


遥 「もう少しお気楽になった方がいいよ そうした方が楽に過ごせるから」


ライル 「気を楽に持てって……」


魔理沙 「それに関しては私も同意だな おまえは硬すぎるからもっと頭を柔らかくしろよ」


ライル 「これでも柔らかくしてる方なんだが…」


遥 「全然できてないからね それでできてるつもりでいるならもっとした方がいいよ」


魔理沙 「うんうん」


ライル 「難しいこと言うな…」キュッ


遥 「それじゃご飯も食べ終わった事だし、早く出口に向かうわよ!」


魔理沙 「了解だぜ!」


ライル 「君たち仲良くなるの早いな まぁ仲良くなってくれることはいいことなんだが」


タッタッタッ…













勇那の神社



…シュンっ


ライル 「……ここは、勇那の神社か 二、三回しか来たことないがあいつの神社で間違いないな」


魔理沙 「なかなか立派な神社だな 早苗んところよりかは衰えるが霊夢のところと比べたら全然いいぜ」


ライル 「それ霊夢に言うなよ 怒られるからな」


遥 「お兄ちゃん ここは神社の裏に行けば次のところに行けるよ」


ライル 「っん そうか ならさっさと行くか」


魔理沙 「っえ 中見ていかないのか?」


ライル 「見てもなんもないぞ?てかあったとしても見ないほうがいい」


魔理沙 「見ないほうがいい…?」


ライル 「…あんまり言いたくないが最後にここ訪れたときにな 見ちゃいけないもんを見たんだ」


ライル 「ここには地下室がある 地下には牢屋があって処刑場もあったんだ…」


魔理沙 「……っえ」ゾワッ


ライル 「ここまで言えばもう想像は着くだろ …それでも見たいか?」


魔理沙 「……いや、いいや やめとくぜ」


ライル 「賢明な判断だ それじゃ行くぞ」


ザッザッザッ…



魔理沙 「…」ザッザッザッ…


魔理沙 「(…あいつ、そんな趣味を持ってたのか?見た感じだとそんなことをするようなやつには見えなかったが)」


魔理沙 「(ライルのことは良く思ってるようだったけど…もしかして、そう見えるだけでほんとはライルを狙ってる?)」


魔理沙 「(いや、それならライルは敵として見てるはず 姿を見せたときすぐ攻撃するはずなのにそれがなかった)」


魔理沙 「(ならライルのことは狙ってない?だけど処刑場がある時点でそういうことをしてるということだ 趣味じゃなければ一体……)」


ライル 「…魔理沙 なにか考えてるのか?難しい顔してるが」


魔理沙 「……っえ」


ライル 「たぶんここに処刑場があるから勇那がそういう趣味を持ってるんじゃないかと考えてるだろ」


ライル 「あいにくだが、あいつはそんな趣味を持ってない 処刑する時は情報を持ってる敵とかを吐かせてから処分するときに使うだけだ」


ライル 「情報を吐かせたやつを野放しにはできないからな 必要最低限殺すために作られたものだから安心しろ」


魔理沙 「安心しろって…処刑してるやつを普通に見ろという方が無理があるだろ」


ライル 「ごもっともだ 俺も初めてみた時は恐怖を感じたぜ お前と同じく処刑趣味を持ってるのかって思った」


ライル 「その直後に勇那が後ろから現れて殺されるかと思ったよ マジであのときの勇那は怖かったな…処刑場見てすぐだったからよけいに」


ライル 「でも勇那は俺を殺す気はないと言って地下室から出してもらった この時点でこいつは信用できると思った」


ライル 「見られたからには処分されるのが目に見えてたのにあいつは情報を持った俺を逃がした…これ以上に信用できない部分はない」


ライル 「…まぁただ、どういうわけかそれから俺に懐いて…いや好意を向けてくるようになったと言ったほうがいいか 誰にも話さないか監視してたのかもしれないが明らかにスキンシップが激しすぎたんだよな」


ライル 「挙句の果てには何度もなんども襲われて…危うく逆強姦されるところだった」ハァ…


魔理沙 「ぎっ逆強姦……」ゴクリッ


遥 「お兄ちゃんってそういうところでヘタレるよね 相手が求めてるのに受け入れないなんて」


ライル 「好意を抱いてない相手とはできないよ まして俺は恋愛感情を捨ててるからよけいにな」


遥 「…捨ててる、ね」


ライル 「…なんだよ なにか言いたそうだな」


遥 「……いつまで自分を騙してるの?ほんとは気づいてるんでしょ」


ライル 「………」


魔理沙 「っえ どういうことだ?」


遥 「…お兄ちゃん ほんとは恋愛感情を捨ててないんです 厳密に言えば捨てきれてないと言った方がいいですね」


遥 「口では捨ててると言いますがほんとは持ってます 過去に何度も酷い目に遭ってたので誰かを信用するということができなくなって好きという感情を持たないようになってしまったんです」


遥 「ですがミントさんに続き早苗さん、慧音さん、霊夢さんに優しくしてもらい好きという感情を持つようになりました この人たちなら信用できる、信用したいと」


遥 「…ですがお兄ちゃんはその感情を自ら押し潰して信じることをやめました どうせ裏切られる、めんどくさくてすぐいなくなる だから信じないと」


魔理沙 「………」


ライル 「遥 喋りすぎだ それ以上話すな」


遥 「別にいいでしょ ほんとのことだし」


ライル 「ほんとのことだからこそ知られたくないんだ 俺はもう恋愛感情を持ちたくない」


遥 「うそ ほんとは持ちたいんでしょ?恋愛感情」


ライル 「いらん そんな感情があるからイヤになるんだ 嫌な思いをするならない方が…」


遥 「博麗霊夢には惚れてるのに?」


ライル 「………」


魔理沙 「(…やっぱり、霊夢に惚れてるのか……)」


魔理沙 「(そうだよな 霊夢と一番長いんだもんな 途中から入ってきた私なんて眼中ないよな……)」ググッ…


遥 「…お兄ちゃんって変なところで優しいよね 恋愛感情を持ちたくないって言いながら自分に気がある相手はわかってるんだから」


魔理沙 「……っえ」


ライル 「……別に思うくらいいいだろ 男なんだからそういうこと思って」


遥 「いろいろ矛盾してるよ なんで恋愛感情捨ててるのにそんなこと思うの?」


遥 「そんな感情がないなら思うはずないよね 矛盾がありすぎるよ」


ライル 「………」


遥 「…まぁ別にいいけどね 結果的には持ってるから、言ってることはおかしいけど」


遥 「お兄ちゃんは優しいから好意を持ってる人の思いを踏みにじりたくない でも恋愛はしたくない…けど傷つけたくないから優しくしちゃう」


遥 「それでさらに好意を向上させる…結果的には悪化してるね でも私はそういうの嫌いじゃないよ?恋は戦争だし、最後にはお兄ちゃんを巡って奪い合いなんておもしろそう!」


ライル 「いやおもしろくないから!俺の奪い合いってなに!?そんなことになったら俺死ぬから!!」


遥 「死にはしないわ ただ争奪戦が起きてるときに下手なこと言うとまずいからそれは控えてね?」


ライル 「死ぬよな!それ死ぬよな!?控えても死ぬと思うが!!」


魔理沙 「…じゃあ私は霊夢を倒せばいいわけか ライルをもらうためにはあいつを倒さないと」ググッ


ライル 「俺の意見は聞いてくれないのかな!?完全に無視!?」


魔理沙 「お前は優柔不断だから意見聞いても拉致あかないぜ なら私たちで決めた方が早い」


ライル 「決め方が乱暴すぎる!!じゃあここで俺が霊夢を選ぶって言ったらお前はどうするんだ」


魔理沙 「霊夢を倒して奪還する!!」ドンッ!!


ライル 「結果的には変わってない!!結局争奪戦になってる!!」


遥 「いいじゃんおもしろそうじゃん!私ライルの頭の中で見てるから楽しみにしてるね!?」ウキウキ


ライル 「楽しみにするな!!」













天秤の砦



…ヒュンッ


遥 「っと 次の場所到着!」スタッ


ライル 「……これはまた懐かしいな 天秤の砦か」


魔理沙 「でっでけぇ…何メートルあんだよ なんでこんな天秤があるのにも驚きだが」


ライル 「大きさ的には縦幅五十メートル、横幅八十メートルってところかな ここは闇の濃度を調べる場所だ」


ライル 「闇の濃度が高ければ高いほど右へ傾き、薄ければ薄いほど左に傾く ただの検査機だ」ザッザッザッ…スッ 天秤の中心に手を当てて闇の濃度を調べる


天秤 「」ズズズッ…グラッ


ドスゥゥゥン!!!!… 天秤は容赦なく右側に傾き勢いよく地面に叩きつけられる



魔理沙 「…躊躇なく右に傾いたな しかも勢いよく」


ライル 「まぁ当然だな 闇に落ちてないとはいえ、無限の闇を使うことができるぐらいの闇を持ってるからな」


ライル 「遥は動くのかな?ちょっと試してみてくれ」


遥 「…動くのかな?わたしライルの闇の中の妄想だけど」ザッザッザッ…スッ


天秤 「」ズズズッ…プラーン 右側に下がっていた天秤が平行になり最初の形になる



魔理沙 「…まっすぐだな これは闇濃度がふつうってことか?」


遥 「普通というか測れないって言った方が早いです 私は妄想なので実際には存在しませんから」


遥 「魔理沙さんはどうなんですかね 一時的とはいえ、無限の闇をまとっていたので」


魔理沙 「…ちょっと確かめてみるか」ザッザッザッ…スッ


天秤 「」ズズズッ…プラーン 右に斜め四十五度まで傾く



魔理沙 「……これは、濃いのか?薄いのか?」


ライル 「中間か…普通ってところかな 無限の闇をまとったのにこれで済むのはある意味すごいな」


遥 「ほんとだよね 普通で止まるんだ」


魔理沙 「っえ そんなありえないことなのか?」


ライル 「ほぼありえないな 一度無限に落ちたなら大黒はあってもおかしくない」


ライル 「煉獄でもおかしくないが…この量だと漆黒以下だな」


遥 「漆黒以下で済むなんて…魔理沙さん運いいね」


魔理沙 「……えっと、闇の強さってどれくらいあるんだ?まずそこがわからないんだが」


ライル 「っん 弱い順で並べると闇→漆黒→大黒→煉獄→無限の順番で強くなる」


ライル 「闇が濃ければ濃いほど闇の人格が出てきて飲み込まれやすい 元の人格は闇に押し込まれて闇の人格が生まれて入れ替わる」


ライル 「魔理沙のときも人格がおかしくなっただろ 乱暴で攻撃的な性格になったの覚えてるだろ?」


魔理沙 「あぁ おまえにめっちゃ攻撃してたの覚えてるぜ なんか無性に殺したくなってな」


ライル 「……うん 聞かなかったことにしよう」


ライル 「まぁとりあえずそういうことだ ありえない事だが今のお前はそこまで闇に落ちてないから再び落ちることはあまりない」


魔理沙 「あまり…」


遥 「一度落ちてるとまたなる可能性があるからね なってない人となってる人じゃ落ちる可能性も全然違うし」


魔理沙 「どのくらいの確率で落ちるんだ?」


ライル 「どのくらいか…さすがに細かい数字まではわからないが落ちてない人なら十分の一の確率で落ちる」


遥 「一度落ちてる人なら二分の一ぐらいで落ちるよね 確率的には」


魔理沙 「にっ二分の一!?マジかよ 私も危ないが霊夢も危ないのかよ」


魔理沙 「てことはライルも危ないのか?お前は…闇を使うことができるんだよな」


ライル 「もちろんあぶないよ むしろ俺は特にあぶない 十分の八ぐらいで落ちるよ」


魔理沙 「おいおいじょうだんだろ!?そこまで高いのかよ!!そんなのすぐ落ちちまうじゃねぇか!!」


ライル 「だから霊夢たちがいるんだ 俺は霊夢や早苗、慧音やお前たちに支えられてるから理性を保てる」


ライル 「誰もいなければとっくに闇に飲み込まれてたよ 手当り次第人を殺しては世界を壊す無法者にな」


魔理沙 「そっそうならなくてよかったぜ…」


ライル 「さてと、ここにはこれ以外なにもないから次行こう 次はどこに行くんだか」


遥 「えっと…次の場所は夢の中だよ」


ライル 「夢の中?…あぁ 慧音のときのか また懐かしいところに行くな」


魔理沙 「…夢の中ってどんな感じなんだ?変な感じするのか」


ライル 「なんも変わらないよ 今この世界にいるのとなんも変わらない ただの夢だからな」


魔理沙 「そうなのか?」


遥 「それじゃさっそく行くわよ 見た方が早いわ」


ライル 「そうだな 行くぞ魔理沙!」


魔理沙 「っえ お、おう!」


ザッザッザッ…












夢の中(慧音と出会った夢)



シュンっ


遥 「っと 着いたよ ここが夢の中だよ」


魔理沙 「…ここが、夢の中?」



辺りはほぼ人里と似た作りで道端に立ち尽くしている


ライル 「人里と変わらないだろ?俺もこの世界に来て人里に行ったら同じ作りに驚いたよ」


ライル 「どうやら俺の夢ではあるが慧音の記憶が反映されてるらしくこうなったみたいだ 昔の俺の記憶にはこんな場所はない」


ライル 「人里を何度も見てる魔理沙には夢の中だとは思わないだろ?」


魔理沙 「あぁ 全然わからないぜ これが夢の中だと言われても信じ難いぜ」


ライル 「だろうな でもこれが夢だという証拠はある それは…」スゥ…



ズボォっ!!!! 横に建ってる民家に手を突っ込むとバラバラにならず怪しげな空間に飲み込まれる


魔理沙 「ーっな!?な、なんだそれ!変な空間が!!」


ライル 「これが夢の中の証拠だ 夢の中のものは基本壊れないんだ 壊そうとすると空間が現れて防がれる」ズボッ…


ライル 「全部がぜんぶ壊せないわけじゃないがな 慧音と妹紅の三人でここに来たときに現れた敵は倒せたし」


魔理沙 「……敵?」


遥 「……お兄ちゃん お出迎えだよ」


ライル 「…っえ」



…ドスドスドスドスッ!!!!


ハンター 「キシャーッ!!」緑色で鱗が付いていて首根元部分に口がついて両手両足の爪が鋭い化け物が現れる(元ネタ、バイオに出てくるハンター)


魔理沙 「なんだコイツ!?化け物!?」


ライル 「マジかよ こいつらまで俺の闇に出てくるのかよ!」


ライル 「遥下がってろ!魔理沙手伝ってくれ!」


魔理沙 「おっおう!」スチャッ すぐに八卦炉を構えて攻撃態勢に入る


遥 「わたしも手伝うよお兄ちゃん 風の剣出して!」


ライル 「っ! …ケガすんなよ」ヒュー…スチャッ 風を操り剣を作り出す


遥 「わかってるよ!」チャキッ


魔理沙 「おいまて!遥 お前戦えるのか?戦えないなら無理して戦わなくても」


ライル 「だいじょうぶだ 心配することない」



ハンター 「キシャーッ!!」ブンッ!! 鋭いつめを勢いよく遥に向けて攻撃を…


遥 「遅いよ ふんっ!!」ザンっ!!



ハンターの腕 「」ボトッドバァァ…


ハンター 「キシャーッ!!?」ブシャーッ!! 攻撃した手を切り落とされて血が吹き出る


遥 「なに驚いてるの?そんな暇あるなら私を見ないと」スチャッ



ズバズバザンザンっ!!!!


ハンター 「」ズルズル…ボトボトっ!!ドバァァ… 体全体を乱切りされてバラバラにされる


遥 「だから私を見ないとって言ったのに 速さには自信あるんだよ?」ヒュンヒュンッスチャ


魔理沙 「…なっなんだあいつ あいつあんな強かったのか?」


ライル 「遥は剣道三段だからな 自己流の俺よりも強いぞ」


ライル 「あいつは速さを特化した攻撃をするんだ 威力は弱いものの一本取ることを特化した有段者」


ライル 「今は俺の風の剣を使ってるから一本取るとか関係ないから乱切りにしてるけどな だとしても早すぎるよ」


魔理沙 「マジかよ…戦えないかと思ってたぜ」


遥 「…お兄ちゃん まだくるよ」


ライル 「っ!」



ドスドスドスドスッ!!!!…


ハンター 「キシャーッ!!」


ハンター 「シャーッ!!」


無数のハンター 「「キシャーッ!!!!」」ドスドスドスドスッ!!!! ​八方向から無数の数でライル達のもとに攻め込んでくる


魔理沙 「ちょっ!?多すぎだろ!!」


ライル 「おぉおぉ大量だな!昔と同じ数で攻めてきたか やっかいだな」


ライル 「魔理沙 まとめて奴らを一掃しろ!遠慮なんかするなよ?」


魔理沙 「わかってるぜ!恋符 マスタースパーク!!」バシュゥゥゥン!!!!



ハンター 「ギィィーっ!!」ジュゥゥ…


ハンター 「ギャァァーっ!!」ジュゥゥ…


直線上のハンター 「「ガァァーっ!!」」ジュゥゥ…


魔理沙 「よし!直線上の化け物はいなくなったぜ」


ライル 「よくやった!乱切り かまいたち!!」ビュンッ!!!!



ズバズバズバズバッッ!!!!!


数多くのハンター 「「ギャァァーっ!!!!」」ブシャーッ!!バタバタッ… 周りにいるハンターたちの至るところにかまいたちで切られ倒れていく



遥 「やぁやぁっ!!はぁーっ!!」ザンザンッザン!!!!


ハンター 「がァァーっ!!」ブシャーッ!!


ハンター 「グォォ…」バタンッ


ハンター 「」ドバァァ…



無数のハンター 「「キシャーッ!!」」ドスドスドスドスッ!!!!


魔理沙 「まだ来るぜ!もう一発だ!!」チュドォォォン!!!!


ライル 「風矢 乱射撃!!」ビュンッ!!


遥 「乱舞 蜂の巣突き!!」ブスブスブスブスッ!!!!


数多くのハンター 「「ギャァァーっ!!!!…」」バタバタバタバタ…



無数のハンター 「「キシャーッ!!!!」」ドスドスドスドスッ!!!!



魔理沙 「っち!キリがないぜ 倒しても倒してもまだ来やがる!」バシュゥゥン!!!!


遥 「お兄ちゃんなにかいい方法ない?このままだとジリ貧だよ!」ザシュザシュッ!!!!


ライル 「っ……あるが、お前たちまで巻き込むことになる あんまり進めない」ヒュー…ザシュザシュッ!!!!


魔理沙 「けどそれやればいっぺんにやれるんだろ?だったらやれ!」


ライル 「おまっ簡単に言うなよ お前たちも巻き込むんだぞ 下手したら死ぬぞ!」


魔理沙 「なんとかするぜ!」


遥 「私もなんとかする だからお願い!」


ライル 「ーっ…わかったよ じゃあ俺の合図とともに息を吸って止めろよ!」ヒュー…


魔理沙 「…っえ 息を止める?」



無数のハンター 「「キシャーッ!!!!」」バッ!! 一斉に襲いかかりライルたちを殺そうと…


ライル 「吸えっ!!」


魔理沙&遥 「「すぅーっ!!」」


ライル 「止めろっ!!」ヒューッ!!


魔理沙&遥 「「ーっ!!」」グッ!!


ライル 「【…death Breeze(死の息)】」ヒュゥ…



無数のハンター 「「ーっ!!」」ビタッ!!ググッ… 全員その場に立ち止まり悶え始める


ハンター 「ガッ…ギガッ!!」ブルブル…


ハンター 「ゲガッ!!グギギ……っ」ブクブク… 口から泡が出てきて苦しむ


無数のハンター 「「ガッ……ァ………」」ガクン…バタンっ 意識を失い無数のハンターがその場に倒れ込む


死屍累々のハンター 「「」」シーン… 倒れた無数のハンターは全滅する…



ライル 「…死んだな よし」ヒュー…


ライル 「……もう息していいぞ」


魔理沙 「ーっぷはぁ!やっと吸えた…もう少しでガマンできなくて吸うところだったぜ」ハァハァ…


遥 「お兄ちゃん 今の技って」


ライル 「death Breeze その場一帯の空気をなくす残酷な技だ」


ライル 「酸素を吸う生物を苦しませて殺す…ここら一帯でしかできないからお前たちも巻き込むことは確実だったんだ」


ライル 「だから息を止めてもらってた 理解したか?」


魔理沙 「あっあぁ なんで止めるよう言ったのか理解したぜ」


遥 「……過去に一回だけ使ってるよねこの技 たしか闇の住民に」


ライル 「あぁ あのバカだけは許せなかったから空気をなくして殺してやった 無関係な俺の世界の人間を殺したから残酷にな」


ライル 「できればもう使いたくなかったんだが…今回は仕方ない それにこいつらは夢の中で出てきた化け物だからまだいいけどな」


魔理沙 「…なぁライル こいつらって生命体じゃないのか?さっき植物を除いた生き物は存在しないって言ってたよな」


ライル 「こいつらは生命体のように見えて違うんだ 夢の中で出てきた敵…幻だと言った方がわかりやすいかな」


魔理沙 「幻?実態があるのにか?」


ライル 「夢の中で殴られたりしたら起きたときに痛みがあることがあるだろ 現実ではなにもされてないのに痛みがある、それと一緒だ」


ライル 「実態がなくても幻には触れられるし息もしてる だから生命体のように見えて違うんだ」


魔理沙 「…なんか複雑だな だんだんわからなくなってきたぜ」


ライル 「あはは…そうだよな こういうことに詳しくないやつからしたらちんぷんかんぷんだよな」


ライル 「まぁそれは別に覚えなくてもいい この世界に来るとこは滅多にないことだし」


ライル 「遥 まだ敵は来るか?」


遥 「ううん今ので終わりだよ 雑魚は…ね」


ライル 「っ!! あいつもいるのか?」


遥 「……うん」


魔理沙 「なんだ?まだいるのか」


ライル 「……戦わなくても済ませられないか?あいつはまずい」


遥 「…あればそっちを勧められるけど」


ライル 「っ……」


魔理沙 「なんだよ まだいるならそいつもやっつければいいだけだろ?さっきの技を使えば直ぐに…」



スッタアァアァァズ!!!!!! どこからかものすごい雄叫びが里全体的に響き渡る


全員 「「ーっ!!」」



ダンッ!!……ズドォォンッ!!!!


ネメシス 「フシュゥゥ…」スク… どこから飛んできてライルたちのいる場所に着立して現れる(参照、バイオハザード3 ネメシス)


魔理沙 「なっなんだこいつ!?見た目キモっ!!」


ライル 「ネメシス…お前まで現れるか お前だけは嫌だったよ」


遥 「どうするお兄ちゃん 戦うしかないと思うけど」


ライル 「…倒さないと次の場所行けないんだろ?だったら倒すしかない」


ライル 「魔理沙 あいつの攻撃は絶対に食らうなよ 食らったらウイルスに感染してあいつみたいに化け物になるぞ!」


魔理沙 「…っえ マジ?」


ネメシス 「グオォォォッ!!!!」ニュルニュル…ビュンッ!! 腕から紫色でねちょっとした液体が付いた触手をライルたちに向けて放つ


魔理沙 「うぉっ!?あいつ遠距離攻撃も持ってるのかよ!見た目的に接近戦しかないと思ったぜ」ビュンッ!!… すぐに放棄に乗って触手から逃れる


ライル 「油断するなよ あいつは触手以外にも跳躍力や瞬発力も化け物じみてる 一瞬にして俺たちの前とかに現れるぞ」ヒュー… 遥を背中に乗せて魔理沙の隣に飛んでいる


遥 「倒すの酷だよね 一発も喰らえないから」


魔理沙 「マジかよ…」



ネメシス 「スッタアァアァァズ!!!!」ダンッ!! 異常な跳躍力で魔理沙の目の前に飛んできて止まる


魔理沙 「ーって言ってる側から見せてきたぜ!」スチャッ


魔理沙 「恋符 マスタースパーク!!」バシュゥゥン!!!!


ネメシス 「グオォォォッ!!!!」ジュゥゥ…!!!!


ライル 「風神 かまいたち!!」ビュンッ!!


ネメシス 「ーっシャアァァァ!!!!」ビュンッ!!



バシュンっ!!!! 長い触手を勢いよく振りライルの放ったかまいたちにぶつけて打ち壊す


ライル 「っ!? かまいたちを防いだ!?」


ライル 「(バカなっ前はそんなことできなかったはず なんで強化されて!?)」



ネメシス 「…」ヒュー…ドスンっ!! 飛んで急落下して着立する


魔理沙 「…マスパをもろ食らったのにピンピンしてやがるぜ」


遥 「…ねぇお兄ちゃん なんかおかしくない?」


ライル 「あぁ あいつかまいたちを防いだな 昔戦ったときは防げなかったのに」


遥 「…強化、されてる?」


ライル 「ありえるのか?俺の記憶にはあいつが強化されて出てきたことないぞ」


遥 「私の記憶にもない…でもあれは完全に強化されてるね」


魔理沙 「…なんだよ あいつ強化されてんのか?」


ライル 「あぁ 昔は俺のかまいたちを防げずに食らって重症を追わせられたんだ あぁやって触手で弾いても防げなかったのに」


ライル 「なんで強くなってる?記憶違いが起こるなんてありえない 一体どうやって強くなった…」



ネメシス 「フシュー…!!」ブチブチブチブチ… ネメシスの来ている黒い服が破れていく


遥 「っ!? おっお兄ちゃん、あれ!!」


ライル 「おいおいじょうだんだろ こんなに早く第二形態になるなんて、まだダメージもそこまで負ってないだろ!」


魔理沙 「第二形態…?」



ネメシス 「グゥゥ…ゥゥゥ……!!!!」ブチブチブチブチッ!!!!


ネメシス 「スタァアァァアァァァズッ!!!!」ブチィッ!!!! 服が完全に破かれて押さえ込んでいた力がフルになる


魔理沙 「うげっなんだよあの身体 いろんなところから触手が…」


ライル 「逃げろっ!!」ガシッ!!


魔理沙 「っえ ちょっ!!」ビュンッ!! ライルに腹部を腕で掴まれてネメシスから離れる



ネメシス 「グオォーッ!!!!」ビュンッ!!!!



多くの民家 「」グシャァァッ!!!! ネメシスの触手が勢いよく当たり壊されていく


多くの民家 「」バキバキバキバキッ!!!!


ネメシス 「ガァァーッ!!!!」ビュンビュンビュンビュンッ!!!!!!



魔理沙「ーっ…おいおい、マジかよ 私たちがいたところまで触手が届いてるぜ」


魔理沙 「しかもさっきライルが民家を殴って壊せなかった民家まで壊れてるぜ どういうことだよ」


ライル 「…どうなってやがる なんでこんなにも早く第二形態になった?」


ライル 「しかも生成された民家までも破壊してる…なんで」


遥 「…お兄ちゃん あれはまずいよね 全然ダメージ与えられてないのに第二形態になったらフルで動いてくるよ」


遥 「あの状態で攻撃を一回も喰らわないで倒すのは酷な話だよ …あんまり進めないけど、倒さないで進む方法あるよ」


ライル 「ほんとか!?なんでそれを進めない?」


遥 「遠回りになるの ちょっと程度ならいいんだけどかなり大幅に回ることになるから時間的に考えたら…」


ライル 「…なるほど ならたのむ!」


遥 「…いいんだね」


ライル 「あぁ 今の状況であいつと戦うのは危険だ 俺が回復使えるなら戦ってもよかったが使えない状態で戦うのは危なすぎる」


遥 「……わかった それじゃそっちに向かって!」スッ


ライル 「わかった 魔理沙行くぞ!」ヒューッ!!…


魔理沙 「おっおう!」ヒューッ!!…



ネメシス 「グオォォ…スタァァァズ!!」ビュンッ!! 触手を伸ばしてライルたちを追いかける


ライル 「乱切り かまいたち!!」ビュンッ!!!!



ネメシスの触手 「」ズバズバズバズバッ!!!! ライルのかまいたちに切り落とされていく


ネメシス 「グゥゥ……」ニュルニュル…









三柱神の神殿



…ヒュンッ


ライル 「っと!ふー…なんとか巻いたな あいつしつこいから逃げれてよかった」ハァ…


魔理沙 「…なんだここ?ずいぶんと神々しいな 三本の柱が立ってるだけだが」


遥 「ここは三柱神の神殿です 金、銀、銅の神が称えられてる場所です」ヨット


魔理沙 「っえ これ神殿なの?ただ柱が三本立ってるだけだぜ」


ライル 「一応神殿だ たしかに柱しか立ってないがな」


ライル 「ここなら敵も来ることはない ちょっと休もう」ヨット… 銅の柱に寄りかかって座り込む


遥 「お兄ちゃんだいじょうぶ?さっき大技使ったからかなり体力使ったけど」


ライル 「…少し休めば治る わるいが時間をくれ」フゥ…


魔理沙 「…ほんとにだいじょうぶか?キツイようなら寝てもいいんだぜ」


ライル 「……そんな時間はない、と言いたいがそうも言ってられないな かなり体力削れたから…」ハァ…ハァ…


ライル 「それじゃわるいが少し寝かせてもらう なにもないと思うがなにか言ったら起こしてくれ」スゥ…


魔理沙 「わかった」


ライル 「……すぅ…すぅ………」


魔理沙 「はやっ!もう寝たのか!?」


遥 「よほど疲れてたんだね 大技もそうだけどネメシスとも戦ったから余計です」


魔理沙 「…なぁ あの化け物は一体なんなんだ?攻撃食らったら感染するって言ってたが」


遥 「魔理沙さんがわかるよう言うなら…ゾンビと言えばわかりますか?」


魔理沙 「ゾンビ…死体が動くやつのことか」


遥 「そうです あの化け物はさらにウイルスを強化されたものを投与され変異したものです」


遥 「ハンターもその一種なんですがネメシスよりもウイルス濃度が高くないものを投与され変異したものです 弱くはありませんがそこまで強くありません」


遥 「ただそれなりに機動性があるので不意を突かれたり目で追えなかった場合にはまずいです 一瞬にして首を持っていかれます」


魔理沙 「おぉ…まじか あいつそれなりに強かったのか」


魔理沙 「その強化されたウイルスを投与された化け物だとわかってるってことはお前たちの世界にそんなのがいたのか?」


遥 「いえ、そんな化け物は存在しません 私たちの世界に存在するゲームで作られた架空の化け物です」


魔理沙 「ゲーム…?」


遥 「人が考えた妄想…とでも思ってください 主犯格がウイルスを生成して死んでる人や生きてる人に投与して化け物にした」


遥 「その主犯格が考えた妄想を私たちが見たと思ってくれればわかりやすいかと」


魔理沙 「なるほど 微妙にわかった」


遥 「…私たちも少し休みましょうか 休めるうちに休んで起きましょう」


魔理沙 「そうだな ライルが休んでるから他のところに行けないしな ここにはこの柱三本意外なんもなさそうだし」


魔理沙 「少し休むか…よっと」ストンッ ライルの横に腰かけて銅の柱に寄りかかる


遥 「私はお兄ちゃんの膝を枕にするー!」ゴロンッ ライルの膝を枕にして寝っ転がる


魔理沙 「っあ ずるいぜ!私も膝枕してもらいたい!」


遥 「早い者勝ちです!残念でしたね」ドヤッ


魔理沙 「むぐぐ…このやろう!!」ワナワナ


遥 「でも魔理沙さんはお兄ちゃんの肩に寄りかかることできるんですよ?密着できていいと思うんですが」


魔理沙 「たしかにそうだけどよ…」ムスッ


魔理沙 「……しかたないな わかったよ 肩に寄りかかる方でガマンしてやるよ」ポスッ ライルの肩に顔を乗せて寄りかかる


遥 「お兄ちゃんとの顔の距離近いですね そのままキスすることもできますよ!」ニヤニヤ


魔理沙 「しっしないぜ!いいから寝ろ」///


遥 「はーい」











ライル 「すぅ…すぅ……」


魔理沙 「すー…すー……」


遥 「…っ うっうぅ……」ムク… 胸が苦しくて目が覚め起き上がる


遥 「(やばい…妄想の世界が私の存在に気づいた 生命力が削られてる!)」ハァ…ハァ…


遥 「(このままだとお兄ちゃんたちを案内する前に消えちゃう…まだ消えるわけにはいかない!)」ドクン…ドクン…


遥 「ーっ…」チラッ


ライル 「すぅ…すぅ……」


遥 「…お兄ちゃん ごめんね ちょっと生命力分けて」スゥ…


遥 「んっ…」チュッ… ライルの唇にキスをする


遥 「(血の繋がった兄妹だけど…今はそんなこと言ってられない お兄ちゃんたちを案内するまでは死ぬわけにはいかない)」スゥゥ… ライルから生命力を吸って自分の体に渡りめぐらせている


遥 「(起きないでねお兄ちゃん 起きたらどつくからね!)」


ライル 「………」


遥 「ーっ……ふぅ これで少しマシになった あとはなるべく生命力を吸われないようにしないと」スゥ… ライルから離れて落ち着こうと…


ライル 「生命力それで足りるのか?」


遥 「ーっ!?」ドキッ!!


ライル 「…それだけじゃ足りないだろ もっと吸っていいぞ?」


遥 「お、お兄ちゃん!起きてたの!?」///


ライル 「さすがに生命力吸われたら起きるよ まして俺は基本眠り浅いんだからよけいにな」


ライル 「それよりもまだ吸えるだろ?吸えるだけ吸って自分の姿を維持してくれ」


遥 「うっうん わかった それじゃ吸わせてもらうね」///スゥ…



チュッ…


遥 「っ…」///スゥゥ…


ライル 「………」シュゥゥ… 目をつぶってあえて見ないようしてる


遥 「(…な、なんでお兄ちゃんそんな平気そうな顔できるの?妹とはいえ、仮にも男女でキスしてるのに)」///


遥 「(記憶の中では私のこと女の子として見てくれてるはずだけど…)」///


ライル 「………」シュゥゥ…


遥 「……っん もうだいじょうぶ ありがと」///スゥ…


ライル 「もう満タンになったのか?早くないか」


遥 「あくまでも記憶の中の存在だからそこまで生命力の器が大きくないの だから今のでもう満タンだよ」///


ライル 「そうか ならいいんだが」


遥 「…お兄ちゃんって私のこと、男だなんて思ってないよね」///


ライル 「っえ いきなりどうした?藪から棒に」


遥 「なんか私とキスしてもまったく反応ないから気になったの いくら実の兄妹でもお互いキスしたらなにかしら反応するでしょ?」///


ライル 「……あえてなにも考えないようにしてたんだが まして妹のお前にそういう反応したら気持ち悪がられるだろうと思って」


遥 「さ、さすがに気持ち悪くは思わないよ まして私の生命力を補給するためなんだからよけいに思わないよ」


ライル 「それならよかった まぁそうとわかっても思わないようするけどな」


ライル 「実の妹をそんな目で見るのはまずいからな 近親相姦になっちまう…」


遥 「幻想郷なら兄妹同士でも結婚してそうだよね 私たちの世界ならまずいけど」


ライル 「やめろ ほんとにしてそうだから あんまり変なこと言うな」


遥 「はーい」


ライル 「…とうとうバレたのか 生命力が削れてるということは」


遥 「…うん 完全に姿消えるのも時間の問題だよ」


遥 「お兄ちゃんから生命力をもらえば延命はできるけど長くは持たない なるべく早めに出口まで行かないと」


ライル 「…そうか 俺の妄想なのにずっと姿を維持させることができないなんて…」


ライル 「無力な兄で済まない 俺がもっと妄想のことを詳しく知ってれば打開策があったかもしれないのに」


遥 「謝らないでお兄ちゃん 妄想空間のことは謎が多いから仕方ないよ」


遥 「闇の住民たちでさえ詳しく知らないんだし 闇の住民じゃないお兄ちゃんがわかるわけないよ」


ライル 「たしかにそうかもしれないが…」


遥 「落ち込んでると魔理沙さんを心配させるよ 元気になって?」


ライル 「………」


遥 「…ふん!」バンッ!!


ライル 「おぼぉっ!!」ブフゥ!! 遥に手のひらで腹を引っぱたかれる


ライル 「ーっは はるか…おま、いきなりなにを……!!」プルプル…


遥 「お兄ちゃんがいつまでもしょげてるから喝を入れたの いつまでもそんなだとみんな心配するでしょ?」


ライル 「た、たしかにそうかもしれないが…もう少し 力加減をだな……」イテテ…


遥 「そのくらい強くしないとお兄ちゃん痛くないでしょ?だからかなり本気出した」


ライル 「せめて背中にしろよ 腹じゃなくて…っと」スクッ


遥 「わざわざ後ろにまわってまでしたら怪しむでしょ」


ライル 「そりゃそうだ 怪しむに決まってる」


遥 「…だいぶ落ち着いたみたいだね さっきと顔色ちがうよ」


ライル 「だれかさんに腹を平手打ちされたからな そりゃ変わるよ」


遥 「最初からそうしてれば平手打ち喰らわなくて済んだのに お兄ちゃんのせいだよ」


ライル 「一方的な理論だな…まぁいい お前のおかげで気持ちがすっとしたし」


ライル 「ありがとな 遥」


遥 「どういたしまして!」


魔理沙 「すぅ…すぅ……」


ライル 「魔理沙起きてくれ そろそろ行くぞ」


魔理沙 「うぁ…?」スゥ…


魔理沙 「…もう行くのか ふぁぁ……」


ライル 「起こしてわるいな すぐに行かないもいけない状況になっちまったんだ」


魔理沙 「すぐに行かないといけない…?」


遥 「私の存在がバレたんです 今生命力を奪われて存在自体を消されそうになってるんです」


魔理沙 「ーっな!?マジかよ お前消えるのか!?」


ライル 「まだだいじょうぶだ 俺が生命力を分けたから延命してる…だが、長くは持たない」


遥 「なので急ぎましょう!」


魔理沙 「…わかった 行こう」スクッ


ライル 「遥 案内をたのむ!」


遥 「うん!」








道中



ライル 「…」ヒュー… 空を飛んで次の場所まで進んでいる


魔理沙 「…」ヒュー…


遥 「っ……」ハァ…ハァ…


ライル 「…遥だいじょうぶか?かなり息切れしてるが」


遥 「ーっ…だ、だいじょうぶ まだいける」ハァ…ハァ…


ライル 「…遥 こっちに顔近づけろ」


遥 「っ!? こっここでするの!?魔理沙さんがいるのに!!」///


ライル 「仕方ないだろ お前の生命力が削がれてるんだ 進みながらできるならそっちの方が効率がいい」


魔理沙 「…私がいるとまずいのか?」


ライル 「…まぁ 異様な光景には違いないな あまり見ないでほしい」


魔理沙 「そう言われると見たくなるんだが…」


ライル 「遥 急げ!」


遥 「ーっ…もう!お兄ちゃんデリカシーないんだから!」///ズイッ


ライル 「」チュッ


魔理沙 「ーっ!!?」///ボッ!!


遥 「っ…」///シュゥゥ…


ライル 「…」スゥゥ…


魔理沙 「ちょっ…おま、お前ら!!兄妹同士でなにやって!!」///


遥 「っ…ぷはぁ」///


遥 「……ありがと これでまた延命できた」///


ライル 「どういたしまして キツくなったらすぐに言え」


遥 「うん…」///


魔理沙 「…延命?まさかそれで生命力を与えてんのか?」


ライル 「あぁ 生命力とか口で移せるものは口で移した方が早く渡せて効率がいいんだ 手で渡すこともできるが口移しと比べたらかなり遅い」


ライル 「お前のときも口移しで闇を吸っただろ?あれと同じだよ」


魔理沙 「…なんで口移しの方が早いんだ?体に入れられればどこからでもいいと思うんだが」


ライル 「口は体内に直通してるからな 息を吸えばすぐに体内に入るだろ?吐いても同じ その原理と一緒だ」


ライル 「手とかだと皮膚やら肉やらが邪魔して通しずらいんだ さすがに鼻からやるわけにはいかないし」


魔理沙 「…たしかに鼻からは嫌だな だったら口の方がいいな」


遥 「でも実の妹とキスするのはちょっとまずいよね いろいろと」///


魔理沙 「…たしかに」///


ライル 「じゃあどこから生命力を渡せばよかったんだよ すぐ補給させることができる場所が他にもあるならそこでもいいが」


遥 「……耳?」


ライル 「耳は鼓膜とかで塞がってるから渡しにくいよ てか耳から入れたらゾワゾワしないか?」


遥 「…たしかに それじゃ他の場所といえば……」ンー


遥 「……し、下の…穴?」///カァァ


魔理沙 「」///ブフゥ!!


ライル 「実の妹に手を出すわけないだろアホォ!!てか女がそんなことを口にするな!!」


ライル 「キスだけでもかなり抵抗があるのにそれ以上のことをするわけないだろ!お前だって抵抗あるだろ!」


遥 「…まぁ 少しは……」///


魔理沙 「少しっ!?」///


ライル 「少しじゃなくかなり持ってくれ!変な誤解が生まれるから!」


ライル 「とにかくキス以外の方法ではやらないから覚えとけ いいな?」


遥 「うっうん…わかった」///


ライル 「魔理沙も変な誤解しないでくれよ 俺は妹に手は出さないからな」


魔理沙 「わ、わかったぜ」///


ライル 「それじゃいくぞ!」


ヒュー…








夜ーとある森林地帯



遥 「すぅ…すぅ……」ライルの膝を枕にして寝てる


ライル 「…」ナデナデ… 寝てる遥の頭を撫でて安らかに眠らせているのと生命力を送っている


魔理沙 「…だいじょうぶそうか?遥の様子は」


ライル 「今のところは平気だよ 生命力も地道にだが送ってる」


ライル 「このペースで送っていけば途中で途切れそうになることはないだろ 安心して寝れるはずだ」


魔理沙 「そうか…よかった」


ライル 「……だが、それも今のうちだけだろうな 時間が経つに連れ、消費する量も増やされるだろ」


ライル 「いつまでも一定量減らし続けるとは思えない 近いうちに俺が分け与える速度じゃ間に合わなくなる」


魔理沙 「そんな…どうにかならないのか?なんとかする方法は…」


ライル 「どうにもならない こればかりは為す術がない」


ライル 「助けれるなら助けたいが方法がない 延命するだけならまだしも…」


魔理沙 「………」


遥 「すぅ…すぅ……」


ライル 「…」


魔理沙 「…ほんとに、ないのかよ このままじゃかわいそうすぎるぜ」


魔理沙 「お前ならひとつやふたつ助ける方法思いつくだろ?なんとかしてくれよ!」


ライル 「なんとかしてくれって…俺だってできたらなんとかしてるよ」


ライル 「妄想の中の存在だから魂もないだろうし、生命力を分け与えて延命させることしか…」


魔理沙 「あきらめるな!なんか思いつけ お前が弱気になったら終わりなんだよ!」


魔理沙 「今遥をどうにかできるのはお前だけなんだ!私じゃどうにもできないんだよ」


魔理沙 「ここまで仲良くなったやつと一生会えなくなるのはいやだ!だからたのむよ!!」


ライル 「っ…そんなこと言われても………」


ライル 「(確かに遥がいなくなるのは俺もいやだ ずっと居させることができるなら居させたい)」


ライル 「(でも無理だよ 俺の妄想の中の存在だから魂はない…せめて魂があれば俺の人格の中に取り入れることができたかもしれない 絶対じゃないが……)」


ライル 「(妄想空間からなにかを取り出すことは不可能 俺や魔理沙は妄想空間から作り出されたものじゃないから出ることはできるが遥はこの空間で作り出されたもの異例の存在…)」


ライル 「(……異例の存在?)」


ライル 「(まてよ 異例の存在ということはなにかしら矛盾してることがあるよな 本来妄想空間の中に生命は現れない)」


ライル 「(それが起きてるということはなにか問題が起きてるはず 肉体はさすがに現れないが魂は少なからずあったりするのか…?)」


ライル 「(今でも妄想空間に魂が現れるなんて聞いたことがない 元々謎が多いからただ単に誰も知らなかったということもゼロじゃないが……)」


ライル 「(…あるのか?少なからずあればなんとかできる 少しでもあれば……)」スゥ… 生命力を送るのをやめて魂があるかを確かめる


遥 「すぅ…すぅ……」


魔理沙 「…ライル?」


ライル 「………」目をつぶって細かく精密に遥の体内に魂が存在してるかを確かめている



……っ


ライル 「っ!! ……あった まさかこんなことが起きるなんて」


魔理沙 「なにがだ?なにがあったんだ」


ライル 「…魔理沙 絶対じゃないが遥を生かす方法が見つかったぞ!」


魔理沙 「っえ!?ほ、ほんとか!!」


ライル 「あぁ 遥の中に魂が存在してる!量的には少ないがこのくらいあればなんとかなるかもしれない」


ライル 「ただ肉体は持てない 俺の人格の中に魂を入れて存在を維持することは可能だ 黒魔術を使って成功すればの話だが」


魔理沙 「その黒魔術の成功率は?」


ライル 「……この量の魂なら60%ぐらいはあるかな 決して低いわけじゃない!」


ライル 「あとは材料だ 幻想郷に存在してればいいが…あるかな」


魔理沙 「材料はなんなんだ?」


ライル 「とりあえずすぐ集まるのは俺の血と遥の魂、黒魔術の魔法陣を描く暗黒石に黒魔術用紙」


ライル 「黒魔術専用の暗黒石と黒魔術用紙は石と紙があれば俺の魔術力で作ることが可能だ だからこれはすぐ用意できる」


ライル 「あとは世界樹の葉と魂の器が必要だ このふたつが幻想郷に存在するかどうか…」


魔理沙 「世界樹の葉と魂の器…聞いたことないな そんなのが存在するのか?」


ライル 「あぁ 俺の世界に行けば世界樹の葉は存在する 魂の器は作らないといけない」


魔理沙 「作れるのか?」


ライル 「作れるがまたそこで材料が…予備に作っておいたやつがまだ使えれば俺の世界に置いてあるが」


魔理沙 「なら帰ったらすぐ紫に頼もうぜ!あいつに頼めば一発だ!」


ライル 「聞いてくれればいいけど…もしお願い聞いてくれなかったらまずいな」


ライル 「俺の異次元空間で移動も可能だが、さすがに幻想郷から俺の世界に行くことはできないかな…そもそも世界のどこに幻想郷があるのかわからないから移動ができない」


魔理沙 「? 世界のどこに幻想郷があるのかわからないってどういうことだ?お前の世界と幻想郷は一緒の世界だろ」


ライル 「それはわからない 俺の世界に存在する世界と幻想郷が存在する世界は別世界の可能性もゼロじゃない」


ライル 「実際ミレイユたちがいた世界は俺の世界とは別世界なんだ ミントはその次元を超えて俺のところに来た」


魔理沙 「っえ!そうなのか!?じゃあ紫は世界をも超えていろんなところに行けるということか!」


ライル 「そうなるかもしれないな まだ断定して言えないが」


ライル 「ここから出たらすぐにでも頼んでみよう 聞き入れてもらえればいいんだが…」


魔理沙 「たぶんいけるだろ あいつあぁ見えてけっこう優しいところあるし!」


ライル 「だといいんだがな」


遥 「すぅ…すぅ……」








夕方ー地獄の最果て入口



遥 「っと ついたよ ここを抜ければ帰りのゲートがあるよ」スタッ


ライル 「…地獄の最果てか 最悪だな……」


魔理沙 「あっつ!!んだよここ めっちゃ扉から熱が飛んできてんだが」


ライル 「ここは地獄の最果ての入り口だ 入口から焦熱地獄になってるんだ」


ライル 「八大地獄って知ってるか?たぶんこの世界でも聞いたことあると思うが」


魔理沙 「あるぜ たしか…等活地獄、黒縄衆合、衆合地獄、叫喚地獄、大叫喚地獄、焦熱地獄、大焦熱地獄、無間地獄の八つだったよな」


ライル 「そうだ ただ俺の知ってる八大地獄は順番がちょっと違うんだ 初っ端から焦熱なんだよ」


ライル 「なにがどうなってそうなったかまではわからないが…まぁそれは置いといて」


ライル 「遥 あんまり聞きたくないんだが…ここのどこに抜ける道があるんだ」


遥 「…察しがいいねお兄ちゃん 無間地獄だよ」


ライル 「やっぱりか…一番遠いところじゃねぇか」ハァ…


魔理沙 「無間地獄…マジかよ 行きたくねぇ」


遥 「でも罪人や鬼なんかはいないよ あれは生命体になるからまだその分楽だよ」


ライル 「っえ あれ生命体に入るの?際どいところだが」


遥 「なるみたい だから焦熱地獄と大焦熱地獄、無間地獄だけなんとかすれば行けると思うよ」


ライル 「焦熱と大焦熱は風でなんとかすれば行けると思う 無間地獄は…なんとかなるかな」


ライル 「支配人や罪人がいないならその三つの地獄以外警戒しないでいける それじゃさっさと行って出ようぜ!」


魔理沙 「おう!」


遥 「あっ扉熱いから気をつけてね 手で開けたら火傷…じゃすまないから」


ライル 「だろうな だから風で開けるよ」ヒュー…



ガチャッギィィ……


ボワァッ!!!! 扉を開けると熱風が一気に抜いてくる


ライル 「おっと これはまずいな 予想以上に熱いな」ヒュー… 近辺にいる魔理沙と遥を風で包み込み熱風を防ぐ


魔理沙 「あっ涼しくなった 今風使ってるのか?」


ライル 「あぁ さすがにこの熱さをもろ受けたら皮膚がただれる」


魔理沙 「っえ ま、マジか……」ゾクッ…


遥 「この先に進んでいけば次の等活地獄に行けるよ」


ライル 「よし おまえら俺から離れるなよ 風を吹かせてる範囲は半径10mにしてるから覚えとけよ」


魔理沙 「わかったぜ!」


タッタッタッ…








焦熱地獄道中



ゴォォォォォッッッ!!!!!!… 火がいろんなところから炎々と地面から吹き出ている



ライル 「…あついな 風吹かせてるのにここまで熱いか 大焦熱はもっと熱いのにいけるかな」ザッザッザッ…


魔理沙 「そんなに暑いか?私は涼しいが」


遥 「お兄ちゃんは風を吹かせてその風に当たる温度を測ってるんです 熱いと言ってるのはそっちの意味かと」


魔理沙 「あぁなるほど そういうことか」


魔理沙 「てかよライル おまえ地獄に来たことあるのか?この場所が妄想で現れたってことは」


ライル 「あるよ 俺の世界の地獄の閻魔に呼び出されて落とされたんだ」


ライル 「闇の住民を何人も殺してるから裁きを下すって言われて無間地獄まで落とされた」


魔理沙 「無間地獄まで!?…ど、どうやって出てきたんだ?」


ライル 「能力や人格は普通に使えたからそれを駆使して閻魔のところまで行ったんだ 道中の鬼や支配人をボッコボコにしてな」


魔理沙 「……ボコボコにして?」


遥 「ここの鬼は決して弱くないんですがお兄ちゃんは襲ってくる鬼たちを返り討ちにしたんです」


遥 「鬼たちは総力を出して立ち向かったんですがお兄ちゃんには傷ひとつ付けられず風やこぶしでボコボコにしたんです」


魔理沙 「……地獄の鬼たちに勝つとかどんだけだよ お前ほんとにすごいな」


ライル 「そんなにすごくないよ あいつら意外に弱かったし」


ライル 「まぁその後は閻魔もボコして地獄から追い出されたけどな 二度と来るなって言われたよ」


魔理沙 「閻魔もボコしたのか!?おまえどんだけ強いんだよ!!」


ライル 「強くはないよ ただ俺は間違ったことをしてないのに地獄に落とされたことが気に食わなくてボコしただけだから」


遥 「閻魔をボコせる時点で異常だよお兄ちゃん…」


魔理沙 「まったくだぜ」


ライル 「…そんなことより早く行くぞ さっさとこんなところから出たい」


魔理沙 「そうだな はやく行くか」













焦熱地獄を抜けて等活地獄、黒縄衆合、衆合地獄、叫喚地獄、大叫喚地獄は何事もなく抜け大焦熱地獄



ゴポゴポゴポゴポ…ブシューっ!!!! 溶岩が至る所に流れていて熱風が吹き荒れ地面から炎が吹き出ている



ライル 「…あっつ やっぱり焦熱地獄と全然ちげぇ 何百度違うんだ?」ザッザッザッ…


遥 「正確に言えば何千度だよお兄ちゃん」


魔理沙 「いや突っ込むところそこかい」


魔理沙 「…しかし、焦熱と大焦熱の違いって溶岩があるかないかぐらいか?焦熱にはなかったけど」


ライル 「表に出てないだけで溶岩はあるよ 地面から約数十メートル下に溶岩が流れてる」


ライル 「特殊な地盤なのかは知らんが地面は溶けないし吹き出すこともない 不思議な地形だよ」


ライル 「ちなみにあそこを普通に歩いてたら何千度あるかわからない熱風や火に焼かれて死ぬぞ」


魔理沙 「っ…お、恐ろしいぜ」ゾクッ


遥 「ほんとにお兄ちゃんが居てよかった もしお兄ちゃんがいなかったら今頃ネメシスのところまで戻って倒して進まないといけなかったからね」


ライル 「俺は遥が居てよかったと思うよ もしいなければどこを通ればいいのかわからなったしな」


ライル 「異例で現れてくれてありがとな 遥」


遥 「どういたしまして!」








無間地獄入口



無間地獄の扉 「」ゴゴゴゴゴ… 全長十メートルくらいある扉で禍々しいオーラを漂わせている


ライル 「…やっとここまで来たな 相変わらずいやな雰囲気を漂わせてるよ」


魔理沙 「…ここが、無間地獄の入口か?」


遥 「そうです ここを抜ければ外に出られるゲートがあります」


遥 「ただし…ここを抜けられればの話ですが」


魔理沙 「…ライルは一回ここを抜けてるんだろ?なら平気だろ」


ライル 「俺だけならな」


魔理沙 「…っえ」


ライル 「俺だけで尚且つミレイユが居れば簡単に抜けてたが今回はどっちにも当てはまらない 正直きついと思う」


ライル 「無間地獄は体の至る所から火が出てきたり激痛が走ったりとなにが起こるかわからないんだ」


ライル 「もちろんそれを止める方法はない 前に来た時はミレイユで治療や痛み軽減の魔法を使ってなんとかできたが肝心のミレイユがいない」


ライル 「治療と痛み軽減ができないからここを抜けるのはかなりキツイ 俺だけならなんとかなるが魔理沙たちはそうはいかない」


魔理沙 「…ならここを抜けられる方法はないのか?」


ライル 「ないわけじゃないが…効率的じゃない 早く行って早く抜ければ痛みはその分味わらなくていいというだけで結局痛いことには変わらない」


ライル 「多少の痛みなら我慢しろと言うが我慢できるほどの痛みじゃない むしろ死に物狂いに痛いほどだ お前たちじゃ絶対に耐えきれない」


遥 「じゃあ他に方法は?」


ライル 「他には……」


魔理沙 「………」


遥 「………」


ライル 「……耐えれるかわからないがやってみるか もし耐えられなかったら俺を置いてすぐここまで戻ってきてくれ」


魔理沙 「…っえ お前を置いて戻ってくる?」


遥 「……まさか、私たちの分の痛みをお兄ちゃんに移すの!?」


ライル 「あぁ お前たちが食らう分を俺が引き受ければお前たちは耐えれる 後は俺が持てばいいだけだ」


ライル 「さすがに三倍となるとどうなるか俺もわからないがそれしかない 他に方法は思いつかない…」


魔理沙 「ちょ、ちょっとまて!さすがにそれは横暴すぎるぜ いくら私たちがお前より弱いと言っても全部引受けることないだろ!せめて半分にするとか…」


ライル 「半分でも耐えきれないと思うぞ そんな生半可な痛みじゃない 生きるのが嫌になるほどの痛みだ」


ライル 「俺みたいに自分の体を強化できる魔法や能力を持ってれば耐えれたかもしれないが…そんな魔法覚えてないだろ?」


魔理沙 「……聖から教えてもらったことあるが興味なくて練習してない肉体強化魔法ならあるが」


ライル 「練習してない時点で無理だよ…」


遥 「…お兄ちゃん 私のは移さなくていいよ どうせ妄想の闇の存在なんだし、お兄ちゃんたちがここから出たら私消えるから」


ライル 「生憎だがお前は消えねぇよ むしろ生きてもらわないと困る」


遥 「…っえ?」


ライル 「お前には少量だが魂がある 異例の中で生まれた存在だから気になって調べたんだがあるのを確認した」


ライル 「このまま生きて出ればお前を生かす方法がある!肉体は無理だが魂だけ俺の体内に入れて人格を維持させることができる」


ライル 「俺の記憶を全部知ってるなら過去にミレイユや作り出した人格を俺の体内に入れた黒魔術を知ってるよな」


遥 「知ってるけど……本気で言ってるの?お兄ちゃん」


ライル 「本気だ 今こうしてお前に出逢えたことだって奇跡だと思ってる その奇跡を無駄にしたくない」


ライル 「生かせるなら生かせたい 人格だけでも存在できるなら存在させたい!もう誰かを失うのはいやなんだ!!」


ライル 「家族は失って、ミントたちも失って…二度も味わった失う辛さを、もう味わいたくない……!!」ググッ…


ライル 「だから生きて一緒に出るぞ なにがなんでもお前を生かせて外に出る!」


遥 「…お兄ちゃん……」


魔理沙 「………」


遥 「…うれしいな お兄ちゃんにここまで生きることを求められるなんて ほんとに……嬉しすぎて好きになっちゃいそう」


遥 「でもねお兄ちゃん 私知ってるんだよ?それ以上人格を増やしたらどうなるか」


ライル 「ーっ!!」ドキッ!!


魔理沙 「…っえ」


遥 「それ以上人格増やしたら…お兄ちゃん精神崩壊しちゃうよね?人格をひとつ入れるだけでもかなりの精神が削られるのにそれを五つも入れたんだからもう限界だよね」


遥 「ミレイユさんが出た分のところに入れるかもしれないけど…それだとまた精神が削られちゃうよね それを考えたら私は入らない方がいいと思うよ」


ライル 「っ…なら他の人格を消せば」


遥 「どうやって?刺青と一緒で入れた人格を消すことはできないよ それはお兄ちゃんも知ってるはず」


遥 「無理しなくていいんだよお兄ちゃん 私のことは気にしなくていいからっね?」ニコッ


ライル 「……絶対にいやだ なにがなんでもお前を生かす!」


遥 「お兄ちゃんわがまま言わないで 子供じゃないんだから」


ライル 「年齢的に言ったら子供だが」


遥 「そんな正論今言わなくていいから …はぁ ほんとにお兄ちゃんは変なところで頭回るんだから」


遥 「……ばかなんだから」ツツー…


魔理沙 「遥……」


遥 「…ならひとつ約束して ここから出るとき、私たちの分の痛みを受けて耐えきれないと思ったら私の痛みを遮断して」グシッ


遥 「それを守ってくれるなら生きて出たとき お兄ちゃんの人格のひとつになる…約束できる?」


ライル 「……わか」


遥 「ガマンしてるのとかすぐわかるからね 嘘はつかないでよ?」


ライル 「っ……わかったよ なるべく耐えるようにする それは許してくれ」


遥 「……わかった」


ライル 「…ダメージドレイン」キィン


魔理沙&遥 「「っ!」」シュゥゥ…


ライル 「これでお前たちの痛みは俺が受けるようになった あとは…」


ライル 「…トリニティ・ライフ 肉体強化」キィンッシュゥゥ… 自分の体力を三倍にしてキールの肉体強化を使用して防御を固める


ライル 「よし いくぞ!」


魔理沙 「おう!」


ガチャッギィィ……



ヒュオンっ!!!!


ライル 「ーっ…」ビリビリ… 扉を開けると同時に寒気が襲いかかってくる


ライル 「(まだ扉開けただけなのにこの寒気…たまんねぇな ここだけはもう二度と来ることはないと思ってたのに)」


ライル 「(耐えれるかな 耐えないといかないが自信がない……)」タッタッタッ…



ズンっ!!!!


ライル 「ーっ!!!!」ミシィッ!!!! 無間地獄の入口に入った瞬間全身の骨が軋む


ライル 「(なっ…!?やば……!!)」フラァ… 一気に痛みが襲ってきて意識をうしな…


遥 「っ! お兄ちゃん!!」ガシッブン!! ライルの襟元を掴んで後ろに投げ飛ばす


魔理沙 「っ!」ダッ!!



ライル 「っ…」ドサッ…


遥 「お兄ちゃん!」


魔理沙 「おいライル!だいじょうぶ ライル!!」


ライル 「っ………」ハァ…ハァ……


遥 「…だめ 完全に意識失ってる やっぱり三人分の痛みに耐えきれなかったんだ」


魔理沙 「マジかよ!肉体強化とトリニティ・ライフを使ってたのに持たないのか!?」


遥 「それほど無限地獄は強力なところなんです それを三人分なんですから当然こうなります」


遥 「ミレイユさんがいないのがすごく痛い…このままじゃ三人分どころか自分の分だけでも持たないかも」


魔理沙 「ーっ…ちくしょう ここまで来たっていうのに!」ググッ…


遥 「…とりあえずお兄ちゃんを休ませましょう このままここで寝かせたままでは休めません」


魔理沙 「そうだな…よっと!」ズシッ ライルをおぶさって運ぶ








ここから続きは幻想郷闇汚染危機7になります。

今後とも幻想郷闇汚染危機をよろしくお願いします。


後書き

ライルの技

竜巻 「相手の周りに風を回らせて竜巻を起こして攻撃する」属性 風

光剣の風 「光の剣を作って闇の住民相手に大ダメージを与える剣」属性 光

風の剣 「風で剣の形をした物 切れ味はもちろん錆びることや切れ味が悪くなることはない(相手の攻撃に耐えきれなくて折れることはある)」属性 風

風分身 「自分の姿をした自分を作り出す技 最高百人まで作れるが場所によっては数が限られる(主に風が吹かないところ)」属性 風

BAD END NIGHT(バッド エンド ナイト) 「空間を歪ませて相手の心臓に強大な衝撃を与える一撃瀕死技…だが、相手が闇の濃度が濃ければ濃いほど威力が弱まる」属性 闇


ミレイユの技

ヒーリング 「人の傷や風邪を治す技…平たく言えば良くある治療魔法」属性 光

Shine high healing(シャイン ハイ ヒーリング) 「光の回復魔法 高性能で闇の傷をも癒すミレイユ限定の技」属性 光

真実 誠の光 「真実を照らす光の玉を出して、その影響範囲内に入ったもの達は本当の姿を表す」属性 光

Gran hai death night(グラン ハイ デス ナイト) 「ミレイユ唯一の最強攻撃技 自分の頭上に黒い球体を出現させその球体を相手にぶつける 当たった相手は屍と化す…が相手の闇の濃度が濃ければ濃いほど相手へのダメージが弱まり屍と化す事が出来ない時もある」属性 光&闇


ライル&ミレイユの協力技

bad・death・night(バッド・デス・ナイト) 「ライルとミレイユの協力技 ライルが空間を歪ませミレイユが闇の球体を作り出し当たった者は歪んだ空間の中で闇の球体が永遠に暴れ続け死ぬまで痛み苦しむ」属性 闇


ブレイクの技

無効 「その名の通り相手のありとあらゆる能力を無効化する事が出来る ブレイク自身が出てきた場合身体のどこに当たっても無効化する事が出来る…がライルが一部しか出さなかった場合出した部分に当たらなければ無効化する事が出来ない 範囲系能力なら自分だけ無効化出来る」属性 無

無の境地 「自分から半径五m以内の能力攻撃を無効にする 自分も無効」属性 無


キールの技

徹甲弾 「相手に拳が入れば数秒後再び食らった分の威力が襲いかかる」属性 物理

三大拳 bullet&burst&徹甲弾 「拳を三回ぶつける技 自分の体力を一気に減らして威力を高める為あまり連続では出せない」属性 物理

リミッター解除 「自分の全筋肉を活性化させる技 いつもの身体能力より数倍の身体能力を発揮させることが出来るがその分体力を大幅に使う」属性 物理


ゼウルの技

不明


ナイトの技

暗転 「太陽や光の入りを曲げて周囲を暗くする技 真っ暗にすることは出来ないため使い勝手が難しい」属性 闇


霊夢のオリジナル技

霊符 『魔想封印』=霊符を相手に向けて放ち札が相手のどこかに付けば相手の動きを封じることが出来る(風で剥がれたりブレイクの無効を使われたらどうしようもできない)

霊符 『呪術封印』=対象者に札が付けばその対象者は一切の能力を使うことが出来なくなる(剥がされたりすれば意味がない)

禁符殺 『木端微塵符』=霊符で相手をバラバラにする霊夢のオリジナル禁止技 弾幕ごっこには使用出来ないため活用する場面は本気で誰かを殺そうとした時だけしかないだろう


敵の技

セスナ 「自分の周りに黒いオーラを出して自分の身を守る技 範囲的に防御出来るがそこまで防御力がない為 強い攻撃は受け止めることが出来ない」属性 闇

フルナイトシールド 「闇に覆われた盾を自分の目の前に出す技 防御は高いが前が見えなくなるのがデメリット」属性 闇

闇 ブラックバード 「カラスみたいな黒い鳥を作り出して突撃させて攻撃する技 攻撃力はなかなか高いが防御がないため、攻撃を食らったら消滅してしまう」属性 闇










世界三代魔法


世界最強魔法 【未公開】


世界次最強魔法 【未公開】


世界三次最強魔法 【光と闇のエトランゼ】

【光と闇をも反転させることが出来る最強魔法 使用者と対象者は必ずこの世から消滅し、魂も消滅してしまう悪魔のような魔法】
【使用者 ミレイユ・ディスト(本名 ミレイユ・ブリリアント)】


このSSへの評価

この作品は評価を受け付けていません

このSSへの応援

1件応援されています


SS好きの名無しさんから
2020-10-26 00:09:37

このSSへのコメント


この作品はコメントを受け付けていません

このSSへのオススメ


この作品はオススメを受け付けていません