奇跡の果て 人類の光 −第三話−
横須賀鎮守府に未曾有の大艦隊が接近し、アムロと夕張はνガンダムに乗って出撃する。今、アムロと艦娘達による“横須賀鎮守府防衛作戦”が始まった。
お気づきの方もいるでしょうが、この世界にはアムロ以外にも多くのガンダムキャラが存在しています。
そして、それは必ずしも人の形をしているとは限らない…
アムロ「アムロ!行きまーす!!」
司令部への通信を繋いでから声高に叫び、アムロはνガンダムで出撃する。バーニアと各部のスラスターを全開にして飛び上がると、そのまま敵が迫る地点に向かって空を駆けていく。
本来νガンダムは飛行性能の無い機体だが、その圧倒的なバーニア出力によって飛行に近い形での移動を可能にしていた。
夕張「すっごぉい!私達、今空を飛んでるの!?」
アムロ「厳密に言えば飛んでるわけじゃない。背面のバーニアを全開にしてジャンプの距離を伸ばしているだけさ。」
夕張「それでも、このサイズの物体を一時的にでも空中に持ち上げられるパワーはすごいわよ!!」キャッキャッ
アムロ「しっかり捕まっていろ。舌を噛むぞ!」
アムロと夕張を乗せたνガンダムは、鎮守府から飛び立つと瞬く間に見えなくなってしまった。その様子を遠目に見ていた提督と艦娘達は、その光景に唖然としていたが、ハッと我に返り出撃準備を進めていく。
提督「…ハッ!皆、アムロ一人に任せるわけにはいかん!準備が整い次第出撃せよ!」
艦娘達「「「「「了解!」」」」」
明石「夕張の艤装を簡易コンテナに入れてカタパルトで射出します。赤城さん、あとはお願いしますね。」カチャカチャ
赤城「お任せください。こちらはいつでも良いですよ。」ギリギリ…
明石「では、射出!」ポチッ
ガション バシュウッ!
赤城「発艦!」パシュッ ブゥーン!
艦載機妖精「「「「「…イマダ!」」」」」
ガシッ
カタパルトで射出された夕張の艤装を、赤城の艦載機群が空中でワイヤーを使用し受け取る。そのまま各艦載機に乗り込んでいる妖精さん達が息を合わせ、指定されたHES−88の地点に運んで行く。
赤城「頼みましたよ…夕張さん。」
加賀「赤城さん、我々も早く出ましょう。」
赤城「はい!」
長門「戦艦長門。出撃する!」バシュウ!
赤城「一航戦、赤城!」
加賀「同じく加賀。」
一航戦「「出撃します!」」バシュウ!×2
古鷹「重巡古鷹、出撃します!」バシュウ!
球磨「ヴォォォオ!!」バシュウ!
暁「暁の出番ね!見てなさい!!」バシュウ!
艦隊の旗艦である長門が一番先に出撃し、後続に空母や他の戦艦、そして巡洋艦に駆逐艦と鎮守府から出撃していく。その様子を司令室から見届けながら、提督は通信機を手に取り一人祈っていた。
提督「アムロ、みんな…」
提督「…死ぬなよ。」
鎮守府から沖に数kmの地点に到着したアムロは敵影を捕捉し、戦闘を開始していた。
アムロ「これが艦娘達の戦場か!」
夕張「海上が敵だらけで、ほとんど真っ黒じゃない…!」
アムロ「ならば、まずは数を減らす!」
そう言ってアムロはライフルの出力を落とし、マシンガンのように連射する。フルパワーであれば宇宙戦艦の主砲に匹敵するνガンダムのライフルによって、深海棲艦は次々と撃沈されていく。
アムロ「そこだ!」ズガガン! ズガガン!
タ級「ナッ!?ナンダアレh」ゲキチン
リ級「巨神へi…」ゲキチン
ル級「ギャァァァアア!!」ゲキチン
ネ級「コレガオールドタイプトイウコトナノカ…」ゲキチン
ヲ級「ヲニイチャン、ミツケタ…」ゲキチン
出力を抑えているとはいえ、それでも尚強力なビームライフルによって撃沈されていく深海棲艦の軍勢。
戦艦棲姫「ヤツノ死角カラ撃テ!正面ニ固マルナ!」
とリーダー格の戦艦棲姫が命令し、駆逐級や巡洋艦級が回り込んで四方から攻撃を行おうとするも
アムロ「ッ!」ピキィィィン
アムロ「甘い!」
ツ級「今ノ攻撃ニ反応シタ!?」
アムロ「そこだ!ボヤボヤするんじゃない!」ドシュウ!
ツ級「アッシマーガァアア!?」ゲキチン
駆逐級「「「「「ギャアアアアア!!」」」」」ゲキチン
NTの知覚能力によって回避され、シールドに装備されたビームキャノンとミサイルによって反撃・撃沈される。
駆逐棲姫「ヤツニ砲撃サセルナ!懐ニ飛ビ込ンデ集中砲火ダ!」ザザザザ
駆逐軽巡「「「「「シャァアアア!!」」」」」ザザザザ
と、足の速い深海棲艦が接近すれば
アムロ「なめるな!」ピシュゥン
アムロ「でぇぇぇい!」
駆逐軽巡「「「「「ア“ァアアア“!!」」」」」ゲキチン
駆逐棲姫「何ナンダ、コノ力ハ…。私ガ直撃ヲ受ケテイル!?」ゲキチン
抜き放ったビームサーベルで両断されていく。
コクピット内でその様子を目の当たりにしていた夕張は
夕張「すごい…」
と零すことしかできなかった。
そして遂に、夕張にとって嬉しい知らせが届く。
夕張「…来たわ!」PPPP
アムロ「装備が届いたのか!」
夕張「えぇ!」
艦載機妖精『『『『『マタセタナ!』』』』』ブゥウウウン!
夕張の艤装が到着したのだ。しかし、簡易コンテナに入れられた状態で赤城の艦載機によって運ばれているため、このままではいい的になってしまう。
すると、夕張は信じられない事を言い出した。
夕張「アムロさん、あのコンテナの上に向かって飛んで!」
アムロ「一体何をする気だ?」
夕張「空中であのコンテナに乗り込んで、そのまま艤装を装着するわ!」
アムロ「無茶を言うな!いくらなんでも危険すぎる!」
夕張「このままじゃ艦載機共々いい的だし、投下してもらっても狙い撃ちされるだけよ!」
アムロ「だからって…!」
夕張の言うことも分かるが、いくらなんでも危険が大きすぎる。ただ飛び移るだけならともかく、敵の攻撃に晒されながらそれを行おうというのだからアムロは賛成できずにいる。
夕張「大丈夫。私を信じて。」
アムロ「何?」
夕張「これでも横須賀鎮守府のエースだし、修羅場をくぐってきた回数も一度や二度じゃない。」
夕張「それに…」
夕張「私は鈍足だけど、艦娘の身体能力はそこらのアスリートなんかより上なのよ?」ニコッ
アムロ「…っ!」
そう言って笑いかける夕張の表情は、エースを名乗るだけの自信と風格を感じさせるには充分だった。多くの戦場でそれらを感じ取ってきたアムロは、それに賭けることにした。
アムロ「…チャンスは一度。しかも一瞬だ。」
夕張「どんと来いってヤツよ!」
アムロ「それじゃあ、前に移ってくれ。」
アムロ「コンテナに並ぶように飛ぶから、あとは君のタイミングに任せる。」
夕張「了解!」
アムロ「行くぞ!」
アムロはνガンダムのバーニアを再度点火させ、空中のコンテナに並ぶように速度を調節する。夕張はアムロの前に移動し、コックピットハッチを開けて飛び移るタイミングを探る。
しかし、それを見逃す深海棲艦ではない。νガンダムからの攻撃が止んだことに加え、如何にも怪しいコンテナを見つけ好機と判断し攻撃を集中させる。
ル級e「攻撃ガ止ンダ…?」
タ級f「飛ンデイルコンテナニ近ヅイテイルゾ!」
ネ級改「敵ノ補給カ…?ナラバマトメテ撃チ落トス!」
レ級「コウナリャ艦載機ノ物量デ攻メヨウゼ!」アハハハ!
戦艦棲姫「ソウダナ。空母達ヨ、艦載機発艦セヨ!」
ヲ級改「ヲ!」ハッカン!
空母水鬼「全機発艦ヨ!」ハッカン!
装甲空母姫「ウフフフ…!」ハッカン!
夕張「…今!」バッ!
夕張「っと…。」ダンッ ゴロン
夕張「ぃヨイショッ!」ガシッ
夕張「…。」ニッ
敵空母の艦載機群が迫る中、夕張はコンテナに飛び移る。着地の衝撃を逃がすために受け身を取り、コンテナ開閉ハッチの操作レバーに捕まって姿勢を安定させると小さく笑う。
そのままコンテナに入り込み、艤装を装着し起動していく。
アムロ「やらせるか!」バババババ!
深海艦載機「「「「「」」」」」ゲキツイ
アムロ「…そこっ!」ズガァン!
装甲空母姫「アァアアアアア…!」ゲキチン
コンテナに迫る敵艦載機をバルカンで牽制しつつ撃墜し、危険と判断した装甲空母姫に対してはフルパワーのビームライフルをお見舞いし消滅させる。
一方で、コンテナの中では…
夕張「CPG設定完了、ニュートラルリンケージ…」ピッピッピッ
夕張「イオン濃度正常、メタ運動野パラメータ更新。」
夕張「原子炉臨界。パワーフロー正常。」カタカタカタカタ
夕張「全システムオールグリーン…」
夕張「軽巡夕張、艤装システム起動!」キィィィィン
コンテナ内で艤装の装備と起動を行っていた夕張は戦闘準備を完了させ、両サイドの操縦桿を握る。艤装の動きに違和感がないことを確認し、妖精さんに最後の指示を送る。
夕張「こちら夕張。これより戦闘に入ります。各艦載機はワイヤーを切り離して、赤城さんのもとに帰投してください。」
妖精さん「リョウカイ!コウウンヲイノル!!」<(`*´)
夕張の指示通りに艦載機はワイヤーを切り離し、すぐさま離脱していく。夕張はコンテナの壁を艤装で殴り飛ばし、空中で主砲と機銃を大きく広げて広範囲攻撃の姿勢を取り照準を合わせる。
その姿は、さながら翼を広げた天使を連想させた。
夕張「全砲門…てぇーっ!!」ズガガガガガ!
PT小鬼群「「「「「ギャァァァァ…!」」」」」ゲキチン
軽巡棲鬼「艦娘ガ空中デ攻撃ダト!?」チュウハ
リ級f「横須賀ノエースダ!マサカ、足ガ遅イカラッテコンテナゴト飛ンデ来タトイウノカ!?」タイハ
夕張「!」
夕張「今足遅いって言ったのはお前かぁっ!!」ズドン!
リ級f「僕ノ…ピアノッ…!」ゲキチン
軽巡棲姫「ヤラセハセン…ヤラセハセンゾオォォォォォォォ!!」ショウハ
夕張「そこっ!」シュパッ シャァァ
ヲ級改「ヲヲヲヲヲ!?」ゲキチン
夕張「鎮守府はやらせないから!」
一部私怨が混じってはいたが、軽巡艦娘としては驚異的な速度で敵を沈めていく夕張。鎮守府を守るための戦力が増えたことで深海棲艦に焦りが生じ、その隙を突く形でアムロと夕張によって次々と撃沈されていく。
アムロ(夕張…思った以上にやる!)
夕張(何でか分からないけど、凄く調子がいいわ…)
夕張(何処を狙えば良いか、どう動けば良いのかが全部分かる…こんな感覚初めて!)
戦艦棲姫「忌々シイ…!レ級!」
レ級「ナ〜ニ〜?」イヒヒ
戦艦棲姫「アノ艦娘ヲ沈メテコイ!」
レ級「イイノカ!?」パァァ
戦艦棲姫「イクラ奴ガ強カロウガ、所詮ハ軽巡ダ!」
戦艦棲姫「他ノ戦艦ヲ連レテ、数デ叩キ潰セ!」
レ級「ラジャー!!」アハハ!
アムロの乗るνガンダムではなく、軽巡ならば確実に潰せるだろうと考えた戦艦棲姫は命じ、レ級は残った戦艦を総動員して夕張に攻撃を仕掛ける。
夕張「ちょっ、なんで戦艦ばっかりコッチに来るのよ!?」
ル級e「沈メ…」ズドォン!
タ級e「沈メ。」ズドォン!!
ルタf「「沈メ!」」ズドドドドド!!!
夕張(何処に攻撃が来るか分かるから、まだ捌ききれる…けど!)
夕張「数が多いってぇ〜!!(汗)」
レ級「ァソ〜レ♪」ズドォン!
レ級「ァソ〜レ♪」シュパッ
レ級「ァソ〜レソ〜レソ〜レェ♪」ハッカン!
夕張「やっば!?」Σ(゚Д゚)
被弾こそ免れているが、数と火力の差で徐々に追い詰められていく夕張。
戦艦水鬼「沈ンデ行ケ!!」ズッドォォン!!
夕張「…ッ!」
夕張「くっ!」(><)
そして遂に、回避不可能な位置とタイミングでの砲撃を視界の端に捉えた。スローモーションのように見えるそれを前に、夕張は目を食いしばって死を覚悟する。
アムロ「ッ!」ピィィィィン
アムロ「彼女がやられる!?」
アムロ「行けっ!フィン・ファンネル!!」ヒュンヒュンヒュン!
深海棲艦「「「「「ナンダ!?」」」」」Σ(゚Д゚)
夕張の危機を察知したアムロが、彼女のもとにフィン・ファンネルを飛ばす。彼女に向けられた殺意と死の気配を感じ取り、それらを撃ち抜くイメージをファンネルに送り込む。
アムロ「…そこだ!」
ピゥン! ピゥン! ピゥン! ピゥン!
ズガガガガガァン!!
ル級f「ナッ、ナンダト!?」
タ級f「砲弾ヲ撃チ落トストハッ!!」
ピゥン! ピゥン! ピゥン! ピゥン!
ル級f「ジーク・ジオーン!」ゲキチン
タ級f「青キ清浄ナル世界ノ為ニィー!」ゲキチン
レ級「アハハハハ!」
レ級「僕ハ…僕ハネェッ!?」ゲキチン
夕張「…?」
夕張「私…生きてる?」
夕張「!?」
死に誘う衝撃がいつまで経っても訪れず、それを不思議に思った夕張はそっと目を開ける。次の瞬間目にしたものは、自分を撃ち抜くはずだった凶弾を撃ち落とし、周囲の敵をも蹂躙していくコの字型の物体だった。
艦載機では到底不可能な軌道で飛び回り、ビームライフルには及ばないながらも充分な威力のビームを放つそれらは、あらゆる方向からビームを放ち周囲の戦艦と艦載機を次々と破壊していく。フィン・ファンネルは夕張の安全を確保したところで役目を終えてνガンダムの左背面へと戻っていく。
アムロ『夕張!無事か!?』
夕張『アムロさん!今のは?』
アムロ『背面に装備していたフィン・ファンネルだ。僕の脳波をサイコミュで増幅し、それを利用している兵器だよ。』
夕張「ただの放熱板じゃなかったのね…』
夕張『脳波で操作して、広範囲かつ全方位からの攻撃って…すごい技術ね!』キラキラ
夕張『ありがとう!それのおかげで助かったわ!』
提督『二人共、無事か!?』
アムロのフィン・ファンネルによって九死に一生を得た夕張。そこへ、提督から通信が入る。
アムロ『ハヤトか!』
夕張『提督!こちらは無事です!』
アムロ『ああ。二人共損害は無い。』
提督『それは朗報だ!間もなく防衛戦力がそちらに到着する。合流して鎮守府の防衛及び敵戦力の排除を頼む。』
夕張『増援の到着ね!了解よ!』
アムロ『了解した!』
提督『待て。もう一つ伝えたいことがあるんだ。』
アムロ『もう一つ?』
提督『哨戒部隊旗艦の瑞鳳から聞いたんだが、敵は妙な新兵器を使っていたらしい。』
夕張『妙な新兵器?』
提督『なんでも、赤く光ったと思ったら命中して大破させられていたと言っていた。』
夕張『赤く光って、当たったら大破していた…まさか!』( ゚д゚)ハッ!
アムロ『夕張も気付いたか。』
夕張『えぇ!ビーム兵器だわ!』
提督『ビーム兵器だと?』
アムロ『ハヤト、僕のνガンダムにはビーム兵器が装備されている。』
夕張『アムロさんがそれを使うところを見ましたが、あれは確かに初見じゃ回避できないでしょうね。』
アムロ『どの程度のものかは分からないが、敵も同じものを持っている可能性が高い。』
提督『そうか…。それは電探…レーダーの類にも影響するのか?』
アムロ『いや、ビーム兵器は確かに強力だが、レーダーや通信機器に影響はほぼ無いはずだ。』
夕張『それじゃあ、妖精さんの言っていた事は何なのかしら…。』
損害状況の確認や増援の報せを共有したところで、敵の新兵器についての情報が出てきた。話を聞く限りではビーム兵器の可能性が高いが、何故深海棲艦がそんな物を持っているのか…。また、哨戒部隊からの報告にあった電探や通信機器の異常は何なのか…。
戦艦棲姫「何ナノダアレハ…!」ギリッ
空母水鬼「カナリヤラレタ…(泣)」
レ級e「“アレ”…使ッチャウ?」ワクワク
防空棲姫「ドウセナラ艦娘ガ集マッタ所ニブチコメ。」
軽巡棲鬼「アノデカブツハ?」
軽巡棲姫「マトメテヤレルデショウ。」
集積地棲姫「ジャア、準備スル。」
戦艦棲姫「ヨシ、散布開始!」
アムロと夕張によって半数以上が沈められた深海棲艦は二人から一度距離を取り、牽制しながら後退していく。アムロ達が回避行動を取りながら提督と通信をしていた所に、鎮守府から出撃してきた長門達が合流し始めた。
長門「大尉、夕張!無事か!?」
アムロ「長門か!」
夕張「さっきは危ない所だったけど、アムロさんが助けてくれました。」
長門「まったく…大尉に迷惑をかけるな。」ジトッ
赤城「そうですよ夕張さん。慢心はいけません。」シャアア
夕張「赤城さん!慢心なんかしてませんよ!」
夕張「あ、艤装ありがとうございました!」ペコリ
加賀「いくらエースと呼ばれていても、単独で先行して轟沈した…なんて笑えませんからね。」
夕張「はうっ!」グサッ
古鷹「まぁまぁ、無事だったんですから…ね?」ニコッ
夕張「古鷹さ〜ん…!」ウルウル
球磨「後で神通のお仕置きだクマ。」ボソッ
暁「ぴぃっ!」ナミダメ
夕張「やめてください。死んでしまいます。」orz
アムロ「他の艦娘達はまだか?」
球磨「もうすぐ来るクマ。球磨とかわいい妹達が来れば百人力クマー。」
暁「一度に6人ずつまでしか出撃出来ないから、暁達みたいに何人かまとまって来るわよ。」
アムロ「了解した。」
長門達と合流したアムロと夕張。数人ずつ合流できるのだとしても、これで数の不利は無くなるだろうと胸を撫で下ろす。しかし、長門は敵の動きに違和感を覚えていた。
長門「奴ら…何故撃ってこない?」
暁「え?」
長門「私達が合流してから、突然距離を取り始めたように見える。」
加賀「…確かに妙ね。距離を取っているだけで、撤退しているわけでも艦載機を出すわけでもない。」
古鷹「何だか嫌な感じですね…何かを待っているみたいな…」
球磨「暁、提督に通信入れるクマ。」
暁「分かったわ!」PRRR PRRR
暁「…?」PRRR PRRR
暁「変ね…」PRRR PRRR
夕張「どうしたの?」
暁「司令官に繋がらないの。」
長門「何だと?」
敵の動きがおかしいと気付き、提督に伝えようとするも通信ができない。長門達もそれぞれに提督や後続の艦娘への通信を試みるが、耳障りなノイズが返ってくるばかりであった。
異変はそれだけではない。
古鷹「あれ、おかしいな?」
暁「どうしたの?」
古鷹「電探が動かないの。さっきまで何も問題無かったのに。」
球磨「水上、対空どっちもダメだクマ。うんともスンとも言わんクマ。」
夕張「ちょっと見せて。」
夕張が確認するが、電探も通信装置も異常は見当たらない。しかし、現にどちらも使えなくなっている。
夕張「電探の異常と通信障害…」
夕張「っ!」( ゚д゚)ハッ!
夕張「哨戒部隊の時と同じだわ!」
長門「妖精さんが言っていたやつか!」
動かない電探に繋がらない通信装置。瑞鳳と妖精さんの報告にあった通りだった。
夕張「っ!?」ピィィィィン
アムロ「これは!?」ピィィィィン
夕張「何…これ…!?」
アムロ「まさか…!」
その時、夕張の頭の中にある光景が浮かび上がる。それは現実離れしていながらも、これから間違い無く起こるであろうという確信に満ちた光景でもあった。
アムロも同じものを感じ、周囲の様子をモニターで細かく確認していく。
アムロ「やはりそうか!」
夕張「一航戦のお二人!」
赤城「何か分かりましたか?」
アムロ「すぐに艦載機を飛ばしてくれ!」
加賀「艦載機を?何故ですか?」
夕張「うまく説明できないけど…とにかく急いで!」
長門「落ち着け夕張。飛ばせと言うが、何処に飛ばせば良いんだ?」
夕張「後続の皆と鎮守府…提督に向けて発艦させてください!」
夕張「急いでこの事を伝えなきゃ、皆が危ないのっ!」
一航戦「「!!」」
加賀「…赤城さん。」
赤城「えぇ。仲間の危機とあっては動かない訳にはいきませんね。」
アムロ「通信機器が使えないから、光信号か妖精さん?に直接伝えてもらってくれ。」
加賀「分かりました。では、なんと伝えれば良いのかしら?」
夕張「電探と通信装置の異常は、敵の妨害工作であると伝えてください。」
アムロ「索敵は目視で行い、連絡は艦載機の光信号と会話で取るようにとも伝えてくれ。」
一航戦「「了解。」」
赤城「私は提督に。加賀さんは後続の皆さんに向けてお願いします。」
加賀「分かりました。」
一航戦「「発艦!」」パシュッ×2
長門「電探が使えない以上、我々も目視で索敵を行うしかない。」
長門「総員、警戒態勢をとれ!」
全員「「「「「了解!」」」」」
赤城達の艦載機を見送り、長門の指示で艦娘達は警戒態勢に移行する。
そんな中、アムロはある事に衝撃を受けていた。
アムロ「何故だ…?」
アムロ「何故この世界に、ビーム兵器とミノフスキー粒子が存在するんだ!?」
To be continued…
2021年のうちに投稿できなかった〜!(泣)
何だかんだ初めて戦闘シーンを書いたけど、他の作者さん達が言うように難しい…
長くなってしまったので、鎮守府防衛戦は2話に分ける事にします。
カミーユ「そんな作者、修正してやる!」
このSSへのコメント