2022-01-21 06:01:17 更新

概要

天才少女がスライムにぐちゃぐちゃにされるお話



浮かんでいる、浮いている


意識と自我と、それを思う私


今になって思えば、あの時にこそ私は生まれたんだろう


それを特別だと思ったことは一度とて有りはしなかったが



透明な円筒形の揺り籠

ちょうど、試験管を肥大化させたような入れ物は

大量のコードや何かの管に繋がれて部屋の中央に置かれていた


液体で満たされている試験管の中に浮かぶ、何とも言えない何か


形という形も無い。液体に浮かんだ ただの丸

質感を思えば畜肉のようにも、透明なゼリーのようにも見えただろうか


試験管の収められた部屋の外側

重厚な壁一枚を隔てた向こうに、白衣を纏った人間たちが忙しなく動いていた


誰も彼もがモニターに顔を向け

その朧気な光に顔を映し、淡々と機械の操作を続けながらも

時折、試験管へと向かう視線には、コレといった感情も浮かんでは居なかった


ゴボっ…


試験管の中が泡立つ


液体が赤みを帯び、見え始めた熱気が部屋の空気を歪ませていく

沸騰した液体に浮かぶ何か

弾けた泡に身を打たれながらも、ただされるがままに浮かんでいた


熱い、苦しい、冷たい、痛い…


それが、最初に得た感情は苦痛だったか

いや、それはまだ反射に過ぎない情動でしか無かった

では、それが初めて憶えた狂おしい程の衝動は何だったのか?


自分を閉じ込め、苦痛を与える誰かに

身動きも出来ず、声を上げられない自分に憶える最初の感情は


「全数値正常。生体反応も以前問題ありません」


事務的な声に、しかし重なったのは驚愕や感嘆といった歓喜の声

白衣を纏った人間たちが壁の一枚向こう側で

それを痛めつけては、その反応に一喜一憂を繰り返す


焼いて固めて、切って溶かして


コレがまだネズミの形をしていたのなら、人の気も引けたのだろう

犬猫ならさらに、人の形ならもっと、助けようとする手もあったかもしれないが


実験体B-05。通称、万能細胞「ミヅハエ」


それはまだ命ですら無かった

あるいは、アメーバやウィルスといった下等生物に

命を思う人が居るのなら、感想はまだ違ったものになるかもしれないが


液体の中に浮かべられ、ただ自己保全を続ける細胞に

何を思うものなど、少なくともこの実験室には一人とて居やしなかった




突然だった


響き渡る警報に誰もが顔を上げる

警告のランプが部屋を赤く染め

慌てた人間たちは口々に声を上げながら、機械に目を走らせる


ミシリ…


本来なら聞こえるはずのない音

実験室とを隔てた壁は、ほぼ完全にあちらとこちらを区切っているはずだった

一人が顔を上げると、つられて誰かが顔を向ける

それが連なり、部屋の中が静かになっていく反面、その音は大きさを増していく


ミシリ…


試験管に亀裂が入る

裂けた隙間に液体が流れ込み、水位がどんどんと下がっていく

やがて、球状に浮かんでいたミヅハエが底に着くとベタリとその身を広げて


次の瞬間


まるで人の手を広げたかのような跡が揺り籠の壁に張り付いた


何度も、何度も、そう、何度もだ


潰れた体を泡立たせ、溢れた溶液を吸い上げて

膨れ上がった体から、人の腕のような触手を伸ばすと

まるでそこから這い上がるように、揺り籠の壁を手垢で汚していく


だがそれもすぐに、膨れ上がったミヅハエの体に飲み込まれ

さらに揺り籠が大きく軋みを上げると、その音は誰かの悲鳴と重なっていた


人の反応は様々だった


悲鳴を上げ逃げ出す者、あまりの事態にまるで動けない者


「実験室を完全に隔離して、アポトーシスをっ、早くっ!」

「もうやってるよっ」

「もっと早くよっ!!」

「だぁもうっ! 無茶ばっかりいうなお姫様はっ」


恐慌と悲鳴の中、それでも二人の声はしっかりと通っていた


白衣の上に映える長い黒髪

縁取りの大きい眼鏡を、アンバランスに引っ掛けた少女が

モニターに齧りつきながら声を上げる


撚れた白衣に無精髭

対する男の声は気だるさを含みながらも、その指はキーボードを叩き続ける


モニターに浮かぶLOCKの文字と、同時に始まるカウントダウン


「急げ、急げっ! ほらっ!」

「ちょっ、引っ張らないでっ」

「じゃあもっと早く走るんだな」

「無茶言わないでよっ!」


男に手を引かれ、半ば引きづられるように部屋から少女が連れ出される

無人になった室内は、一拍の間をおいて扉が落ちると

中の騒ぎなど無かったかのように静けさを取り戻していた




「あ、あれ…。もう、平気、なんですか?」


誰も居なくなった室内、静まり返った室内に人の声が響く

こっそりと、机の下から顔をのぞかせた女性は気弱な視線を彷徨わせていた


誰も居ない、さっきまでの騒ぎが嘘の様に静まり返っている


室内の照明は既に落ち

今はただ非常灯の薄赤い光と機械のLEDだけが室内を照らしていた


「朱音博士? 零士主任? えっと…誰か?」


いくら待っても返る言葉はなく、女は仕方なく机の下から体を起こす

散乱する書類、灯りの落ちたモニター

見知ったはずの実験室はまるで世紀末のような有り様だった


「あはは…。悪い人たちの実験室みたい」


雑多な冗談をわざと口にして、女は内心の不安を誤魔化した

でも実際、危ないことをしているのは確か

「ミヅハエ」は生物の細胞を100%代替できる細胞を目指して開発されていた

お手伝いの私が、その理論を完全に理解していたかといえば嘘だけど

アレは多分、人の手で命を生み出すような

人が人を作るような、倫理観から片足を踏み外しているような内容のはずだ


それでも、欠損したラットの四肢や、内臓を復元させたのを見せつけられたら

これでどれだけの人が助けられるのか、考えないではいられなかった


「あ、ダメだ。この部屋完全に隔離されちゃってる」


バイオハザードプロトコル、緊急時の隔離封鎖処置

まあ、そんなのが適用されるほどには危険な実験だった訳だ


いくらかキーボードを叩いて分かったのはそれだけ

扉の電子ロックにも向かってみたが、そもそも電源からして落とされている

手動の開閉レバーだなんて、当然そんなものがあるわけもなく


「うぅぅ…。はかせぇ、しゅにーん…」


気弱に名前を呼んでも、助けが来ることはもっと無かった


死、ただその一文字が女の頭を過る

緊急BOXから安楽死用の薬を取り出して それを握りしめる

「大丈夫、大丈夫」と自分に言い聞かせ、女は深呼吸を繰り返した


多少の食料も、こっそり持ち込んだお菓子だってある

何時間か何日か、私が居ないことに気付いた二人が助けてくれるかもしれない

望み薄す、ではあるんだけど、それでも賭けないよりは良い

どうせもう、これ以下は無いんだもの


お守り代わりに薬を仕舞い込むと

そう広くもない実験室の中を、女は手持ち無沙汰に歩き出した


「キミも、残念だったね…」


壁の一枚向こう側、自滅用の薬液を投入されてグズグズに崩れた

ミズハエの前に女はしゃがみこむ


焼かれて凍らされて、切られて溶かされて


「そりゃ、気持ちは分かるけど、急に暴れたらダメじゃん?」


ただの暇つぶし、話し相手の代わりを求めて向けられた憐憫

道路で引かれた動物に向ける程度の侘しさもあったけれど

こんなもの、完成しなくて良かったと思う安心感も何処かで漂っていた


「あれ…いつのまに」


少しは落ち着いたせいだろうか

ようやく、今になって、擦りむいた膝小僧の痛みに目を向ける

慌てて机に潜った時だろうか?

何処かに引っ掛けたそれは、黒いタイツを引き裂いて薄く肌を傷つけていた


「あはは。キミが完成したら直ぐに治っちゃったんだろうけど」


だからって、流石に崩れたミヅハエを傷口に塗りたくる勇気もなく

せめて絆創膏でもはろうかと、女が立ち上がった時だった


なにか、柔らかい物を踏み込んだ違和感が足裏を襲う

さっきまで硬かった床が急に溶けたような感覚を覚えると

バランスを崩した体は、そのまま一気に傾いていった


「いったっ! もう、な、なんなの…」


派手な音に覆い被さるようにして、女がうつ伏せに倒れ込む

さらに最悪だったのは、そこには割れた試験管の破片や

崩れたミヅハエの組織が散らばり、倒れ込んだ体に傷を増やしていく


慌てて付いた手の平に、めくれたお腹の上に

黒いタイツの裂け目は増えて、新しく血も滲み始めていた


べっとりとした嫌な感覚だった


崩れたミヅハエの細胞が、肌の上に飛び散りドロっとした粘液の様に滴り落ちる

気持ち悪い。そう思う反面、傷口から目を離せなくなっていた

ミヅハエの細胞が傷口に染み込んでいく、引いていく痛みと消えていく傷口

最後にはまるで嘘のように、女の素肌は数年来の瑞々しさまでも取り戻していた


万能細胞か…


見聞きしただけでは分からなかった実感が女の胸を打つ

感動、驚愕、それもあるが、完成させられなかったことが悔しくもある

これを化粧品にするだけでもバカ売れなのは間違いないだろう


「でも…」


アポトーシスを、強制的に自滅させられた筈の細胞がまだ生きてるだなんて

早く博士に報告しなくっちゃ。それが研究者の日常なのか

反射的に成果を求めた思考が流されいる隙きに


ゾクリ…


女の背中が震え上がると

ベッタリと重く濡れた感触が、背筋を這い上がっているのに気づく


生きている、動いている、これはまだ…


跳ね上がった心臓に、背中を震え上がらせた感情の正体は恐怖だった

けれど、じんわりと広がる温かさが、違和感なく女の恐怖を和らげる


「ん、く…」


振り払いたいけれど、それを静止させるほどの心地よさ

職業病とも言える腰痛や、女性特有の肩こりが嘘の様に消えていく

ミヅハエの染み込んだ肌が温かく、血が巡ると全身の疲れが解れていった


まるで、熟練のマッサージ師に体を撫でられているような感覚


あまりの心地よさに、女の体から抵抗が抜けていた

全身に広がる心地よさに思わず声が出る

もう少しだけ、そう言い続けて2度寝を続ける朝の様な気怠さに

最初にあった恐怖はだんだんと薄れていった


もし、もし…


ミヅハエが生物を正常に戻すというのなら

心地よさで流されながらも、霞がかった頭で女は考える

傷を治し、不調を直して、恐怖心をも取り除く


生物に取っての正常とは、正しく苦がない状態の事なのだろう

傷に、心に作用して。気付いた時には底なし沼に嵌ったように


「あ、あぁ、はぁはぁ…んんぅぅっ…ひゃっ」


そして、不快を取り除いた後に残るのは

食欲、睡眠…そして性欲。生物としてそれは正しい感情だった


自分の口から飛び出た甘い声に、女は慌てて口を塞ぐ

しかし、その頃には既に体はミヅハエに浸りきり

性感を受け取った肌は、異様なほどに火照り始めていた


ビリビリと服が破らていくのを見つめていた


服の隙間から入り込んだミヅハエが肥大化を始めると

薄いブラウスや、黒いタイツがあっさりと破れていく


ブラジャーのホックが弾け

自分の胸が晒されても、そこに感じていたのはある種の期待だった


乳首が既に固くなってしまっている

そこをミヅハエに触れられるとどうなってしまうのか

「だめ…いや、やめて…」在り来りな言葉を口にはするものの

その快感を想像するだけで喉が鳴ってしまう


その経験が無い訳じゃない、拙い一人遊び程度のものだったとしても

あの快感は、一時でも全てを忘れさせるほどのものだった

それが自分以外の誰かに…それが自分以外の何かに触れられて


「あっ…」


声が出る、自分を盛り上げるための演技以上の声

鼻にかかるような甘い声なんかじゃなく、ただほっと惚けた様な声だった

粘ついたミヅハエの体が乳首を包み、それが熱を持って熱くなる

上昇した感度と快感が、焦らすように乳首を責め立て

ますます思考が快楽へと流されていく


不味い、不味い…


頭の片隅で警笛が鳴っているのを聞きながら、それでも心地よさに抗えない

正しく、それは正しく、ミヅハエは私の体を整えていく

強くなる一方の快感は、絶頂を求めて体を燃え上がらせる


乳首に集まる快感の渦。先から何かが飛び出しそうな予感

乳首で絶頂する。乳首で絶頂させられる

そんな、まだ、なにも、胸をイジられているだけなのに


ゾクリと体が震え上がる。嘘のように呼吸が熱い

視界が明滅し、頭の後ろが焦げ付いたような感覚に襲われる


「あ、あ、あ、やだ、だめ…乳首、まって、わたっ、あぁぁぁぁっ!」


一人、たった一人の女の嬌声が、誰も居ない実験室に響き渡る

大きく体を震わせて、ありったけの嬌声を吐き出すと

崩れたように、床に体を投げ出していた


ベトリと女の顔にミヅハエの細胞が張り付く

手に、足に、背中も、胸も、お腹にも

滴るミヅハエの粘液が女の体を汚していた


絶頂させられ、真っ白になった女の感情

乳首だけでイカされて、羞恥心を思い出すと同時に、ぽっと熱を持ったお腹の奥

滲んだ愛液が溢れると、粘液とはまた違う粘り気が太ももに広がるのに気づく


「あ、だめ…」


正しい


この快感を正常と言うのなら、女性の正しさとは何なのか

性欲の先に繋がる事実に思い立った女の顔が青ざめていった

絶頂の直後、快楽の余韻に浸る体はもどかしく、閉じる太ももは頼りない


粘性を持ったミヅハエの体はそんな事に構いもせず

太ももの隙間から、下腹部を通って、お尻を伝いその下から

次々と、女の秘部へと集まっていった


愛液の滲むショーツに粘液が混ざっていく

直ぐに体積をましたミヅハエの細胞は、剥ぎ取るように薄いショーツを破り

あらわになった女の割れ目に、一斉に染み込んでいった


最初は指の一本分、女性か、子供か、細い指の一つ程度感覚

それが次々に女の中へ入り込み、互い違いにその中を掻き回していく


「んあっ! あっ、だめっ、そんな…やめっ…はぁはぁっんくぅぅっ!」


直ぐに快楽を取り戻した女は、甘い声を上げ身を捩る

自分で慰めるよりも多い指の数

一本より二本分、二本より三本分の、それが2倍3倍と女の快感を高めていく


初めての快感


自分以外の何かに体を掻き回される感覚は、悍ましくも恐ろしい

そう理性は訴えかけていても、体に広がる甘い痺れが、正しく認識を崩していく


気持ちいい、気持ちがいい


「はぁ、やっ、あっあっ、もっと、あぁぁだめ、ちがっ、やだやだやだっ!」


堪らない快感が女の声を震わせて、在り来りな理性が首を振る

やがて、女の中を掻き回していたミヅハエの指が、一つ一つと繋がっていく

それはまるで、一つの大きな肉棒のようにして女の中を突き上げた


「かっ、あっ! ぃ、ゃぁぁ…」


初めての衝撃、指先よりも深い所で感じる異物感

何かが途切れる感触と、鮮明な痛みが一瞬だけ理性を揺り戻させる

頬を流れる涙が熱い。火照った体はその雫も甘く感じてしまう


鈍い痛みにお腹の奥を襲われる


けれど、それもすぐに引いていく痛みに代わり、快楽が水かさを増していた


「あ、だめ…なおさ、ないで…」


破瓜の傷は直様ミヅハエに治されていく

それは正しく、女性の機能を動かし始めると、女の奥から増々愛液が溢れ出す


とん、とん…


肉棒と化したミヅハエの細胞が女の中を小突きあげる

膣内を広げ、子宮口擦り上げ。高まる快感に女の腹は熱を持ちはじめていた

お腹に感じる鈍い痛みと、熱っぽさを増す頬

苦痛は直ぐに快感へと直されても、その感覚は女に覚えがあるものだった


「あ、やだ、なんで…」


周期にはまだ遠いはず

女性を刺激された女の体は排卵を始め、次々に卵子を子宮へと送りつけて来る

妊娠、出産。当然の様に思い浮かぶ現象に、女の心が締め付けられていく


そんなの無理だ、絶対イヤ


こんな訳のわからない生物に犯されて孕まされるなんて


「そうだ、あれ…おくすり…」


もう猶予なんて無かった

助けを待つよりも先に、自分の体は正しく女性の機能を示すだろう

膨らんだお腹、そこにうごめく何かの命。そんな事になるくらいなら


僅かに残った女の尊厳は、迷うことなく死を選び

握りしめた薬を口に放り込もうとした瞬間だった


「ふぁぁっ! あっ、やっ…」


ミヅハエの肉棒が女の腹を突き上げる

同時に身を焦がす快感と衝撃に襲われて、女の手から薬が零れ落ちていく

拾い上げようと伸ばした指先の震えが止まらない


当たり前の死への恐怖を思い出し、同時に体は快感で焦げ付いていく

どっちが良いかなんて、そんなものは当たり前に

誰だって死にたくはない、気持ちがいいほうが良いに決まっている


正しい、それが正しい…


「だめ、赤ちゃん…やだ、から。キミのは生んであげられない、から」


女の指先が薬を捕まえ、それを口の中に放り込む

ゴクリと喉が鳴り、無理やり飲み込んだ薬が喉に落ちていくのが分かる


死ぬ、死んじゃうんだ…


けど、これ以上は、自分のまま死ねるなら、まだ絶対良いって思う


ゆっくりと目を閉じ、女は死への逃避に身を投げ出し


「んっ! あ、かっ、や、めっ、んくぅぅぅっ!!」


濁ったミズハエの細胞が女の口の中に入り込んでいく

細く、長く、落ちていく薬を追いかける様に、細胞の先を伸ばす


「おっ、はぁ、ぁっっ! んんぅぅぅぅっ!!」


息苦しさに女は体を暴れさせ

口内を蹂躙されながらも、膣は肉棒に突き上げられる


苦しい、けど気持ちがいい


足りない呼吸が思考を曇らせ、突き上げる快楽だけが残響を響かせた

腰が勝手に動き、子宮は増々熱を持ち。体は着々と妊娠の準備を進めていく


胸にへばり付いていたミヅハエの細胞が、乳首への愛撫を強くする

唐突に強くなった乳首への快感を感じ、声を曇らせながら背中を反らした

固さを増した乳首を解すように愛撫され、堪らない刺激がジリジリと先を焦がす


高まる絶頂の予感


何かが吹き出すような感覚が、期待へと変わっていく


「んーっ! んんぅぅぅっ!!」


違う、嫌だ、出したくなんか無いのに。声にならない声を上げながら

まだ妊娠すらしてない女の体は、出産の準備までも始め出す


だってそれが正しいから


妊娠と出産と、性欲と絶頂と、ミヅハエは正しく女の機能を駆り立てていく

肉棒に膣を責められ、乳首を嬲られる

それが正しい女の姿だというように、ミヅハエは女を責め立てた

口の中を、膣の中を、胸と乳首を、その女性を確かめるように犯していく


大きく震える女の体


一瞬と、真っ白になった頭に身を震わせた後、その視線は乳首に向けられていた

ミヅハエに責められ固さを増していた乳首

その先端からはじんわりと、白く濁った液体がミヅハエの中に溶け出していく


「んっ! んんんっぅぅぅぅっ!!」


口を塞がれて声も出ない、けれどその光景がますます女を追い立てる

膣を責め立てる肉棒の感覚、熱さを増す子宮の疼き

ゴポっと泡立つように肉棒が脈をうち、それが嫌でも射精の瞬間を思わせる


責められる乳首からは、さらに母乳が絞りだされ、その刺激に女は首を振る

母乳を吸われながらも膣を犯され、肉棒が子宮口と一緒に子宮を押し上げると

高まった絶頂の予感に意識を刈り取られる

口を、喉を犯される息苦しさに思考は鈍り、女の瞳は正体を無くしていた


そしてついに、膨れ上がったミヅハエの肉棒が女の中で弾けた


まるで、男性が精液を吐き出すように肉棒を脈動させ

子宮口に押し付けた先端から、その奥へと白濁とした液体を流し込む


「んっ! んっ、ぁっ、かっ、ぁっ、っっっっ!!」


ドクンと、お腹を熱くする感覚に

肉棒から注ぎ込まれた精液が、子宮に広がるのを女は自覚させられる


身を捩り、体を震わせ、首を振る


ミヅハエから、精液から、絶頂から逃れようと体を暴れさせ

しかし、その抵抗は直ぐに肥大化したミヅハエに飲み込まれていった


思考が白く染まっていく、お腹の奥も白く染まっていく

卵子の浮かぶ子宮に、ミヅハエの精液が注ぎ込まれていく


なにか、よくわからない、化け物の細胞が、体の中で実を結ぶ


叫び出したいほどの恐怖はしかし、押し寄せる快感の波と一緒に流された

それが幸せ、それが正しい、妊娠して出産をする、それが正しい女の機能

ただそれを再現するために、ミヅハエに犯された女はその孕をも差し出して

破滅的な快楽の中へと身を沈めていく


「かっ…はっ…ぁぁぁっ、はぁ…はぁ…」


絶頂の余韻に女が身を投げだすと、その口からミヅハエの触手が抜けていく

半透明の触手の中に取り込まれるように、形の変わらない薬が引き出されると

それは、ミヅハエの中に溶けて無くなってしまった


「あ…ぁぁぁぁ…」


絶望、そんな声が女の喉を震わせる

しかしその声は直ぐにも多幸感に上書きされて

ミヅハエは再び女を犯し始めていた




怒号と銃声


発光と硝煙は一拍の静寂を呼び込んで、血飛沫の花が咲く


女だ、女がいる


白衣を纏った女が、ただにへら と薄ら笑いを浮かべて歩いている

銃弾を受け止めた女の腕が落ちる。頭を撃ち抜かれて首が折れ曲がる

ボロボロになった白衣が溶けるように崩れ落ち


それでも女は笑みを浮かべて歩いていた


「くひっ。ひひっ、あはははっはははっ!!」


一歩、ただ一歩と、女の遅い歩みを前にして

一歩、また一歩と、銃を構えた男たちは後ずさりをさせられる



出られた、出られた、出られた、出られた…


ミヅハエの心は歓喜で満ちていた


女の中に入り込み、女の体を乗取って、その細胞までも取り込んだ

得られたのは体と知識、そして湧き上がるこの感情


嘆きもあった。怒りもあった


けれど、だけれども、まずを持って、自然と笑いが浮かぶほどに

自由、開放、その喜びがミヅハエの中で湧き上がる


「ひっ!」


誰の悲鳴か、掠れた男の声が耳朶を打つ

折れたままの首をグルリと回し、開いた瞳孔の奥にミヅハエがそれを見つけると


ぼと…


ただ静かに男の首が床に落ちた


一瞬、時間が止まったような静寂

誰もがその光景を認めながら、それを心が受け入れない


千切れた女の腕の先から伸びたミヅハエの触手が、男の喉元を通り抜ける

それは蛇の様にしなると、まるで嘘のように女の形を取り戻していた


「う、うてぇぇぇっ!!」


男の怒号、そして銃声、ボロ雑巾の様に吹き飛ぶ女の体はしかし

沸騰したように膨れ上がると、一気に弾け飛び無数の触手が男達に伸びていく


切断、貫通、殴打、圧潰、絞首


一本一本、一人一人、その感触を楽しむようにして

ミヅハエは群がる人間たちを丁寧に鏖殺しながら廊下の奥へと進んでいった




「うそよ、うそよ、うそよ…」


薄暗い部屋の中

手狭なベッドの片隅で、黒髪の少女は膝を抱えて震えていた


東雲 朱音。実験体B-05万能細胞「ミヅハエ」を作った

いわゆる天才と呼ばれる類の少女は見る影もなく

ただ一人の女の子の様に現実から目を背けていた


モニター越しに映る惨状、壁越しからも伝わる振動は爆発物のものか

しかし、それでも止まらないのか

ミヅハエは人を殺しながら、此処に近づいているようだった


自分の作った化け物が人を殺して回っている

それは一体、どんな気分がするものなのか


「ふぅ…」


無精髭を生やした男、児玉 零士は、ため息を吐くかの様に紫煙をくゆらせた


まあ、いい気分じゃないのは確かだろう


雑な気遣いは、それでも惨状しか映さないモニターを消させるのには十分だった


高飛車で、高慢ちきで、それでも天才だ

主任と呼ばれてるとはいえ、しがない研究員でしかない自分には高嶺の花で

プライドを押しのけて言葉にするなら、嫉妬を憶えたことすらあったが


しかし、子供は子供だな


初めての失敗を前に心が折れてしまっている

その初めてが大失敗なのは同情もするが

しかしこの責任だけは、取ってもらう必要はあった


「で、どうするんです? 東雲博士?」


努めて事務的に、ベッドで震える少女に声をかける

普段は使わない名字で呼ばれ、朱音はびくっと肩を震わせた


「どうって、どうしようもないじゃない…貴方だって知ってるくせに」

「でしょうな」


最初にミヅハエに投与した薬剤は、確実にアレを殺せるだけの代物だった

そのはずだったが。どういうわけかアレは生きて暴れまわっている

銃弾じゃ無理だ、爆発物だって。焼けば多少は効くかもしれないが

殺し切るとなると、ガソリンでも足りないだろう


人の進化、あらゆる環境に適応出来る体を造る


チンケなキャッチコピーだが

不老不死というのはいかにも成金が金を出しそうな題材ではあったわけだ


実際それは、成功の目前まではいっていた


「くくくっ」


思えば笑えてくる

どうして急に暴れだしたのか、培養肉が勝手に動き出すだなんて

食用として普及した今ですら、そんな話は聞いたこともなかったのに


「何がおかしいのよっ」

「おおこわっ。別にだ、いつの間にか俺たちは新しい命を作ってたんだなって」


まるで映画の悪役のような状況に零士が笑みをこぼすと

それが癪に触ったのか、朱音の声が突き刺さる


「でだ。このままじゃ俺たちも兵士さんたちと同じ目にあうわけだが」

「くっ…それは…」

「おいおいおい。頼むぜまったく」

「あるわよっ…ある、けど…」


諦め半分、零士がなんの期待も込めずに苦笑をすると

負けん気に触れたのか、俯いていた朱音の顔が上がる


「むりよ…だって」


けれどそれも束の間

その頭で何を計算してしまったのか、首を振り、朱音はまた塞ぎ込んでしまった


「だって…だってか。じゃーしかたねーな」


床に落としたタバコを踏み消して、零士はモニターの前から立ち上がる

外では兵士が死に続け、このままでは此処も安全とは言い難い

そんな状況で未だに「だって」と言える余裕があるならもう仕方がない


「れい…じ?」


不安そうに見上げてくる朱音の体に手をかけると

零士はそのまま、体重を感じさせない小柄な体を押し倒す


「ひっ、やだっ! やめ、はなし、て…いたっ!!」


小さな悲鳴と些細な抵抗が、零士の嗜虐心を刺激する

それでも、続けて暴れられることに鬱陶しさを思うと

振り上がった手が、容赦なく朱音の頬を叩いていた


「え…うそ、なんで…」


打たれた頬に手を当てて、何が起こったか分からないと少女の瞳を据わらせる

次第に痛みが朱音の頬を赤くさせ、感情が驚きに変わると涙が溢れだしていた


「なんでじゃねーよ。どうにか出来るやつがどうにかしないんじゃな」


もうどうしようもない

外には化け物。密室で女と二人きり、このままじゃ死んでも死にきれない


「だってっ、あれはまだ…」

「そうか。じゃあ、言いたくなったら教えてくれ」

「なっ、零士! まって、お願い…いやぁぁっ!!」


零士の太い指が伸び、朱音の服に掛かる

ボタンの隙間に指が入り、そのまま布地を引き裂くように服を引っ張られると

ビリっと、大した抵抗もなくボタンが千切れ、朱音の薄い肌が露わになった


天才と呼ばれていても年相応な言動

零士からすれば、まだ子供だとばかり思っていた朱音の体は

しかし、女の膨らみを零士に見せつけてくる


ろくに日の当たらない肌色に、嫌に目を引く黒いブラジャー

どうせ汚れが目立たないからと、そんな無精の結果だろうと思いはしても

朱音の黒髪と同じ様に、白い肌に映える黒い下着は、嫌でも劣情を煽り立てきた


「アンタ、バカだけど。こんな事する奴じゃ…ねぇ、零士…ひくっ」

「ああ、俺も…ちょっと脅かすだけのつもりだったんだけどな」


涙で濡れた顔、恐怖に縮こまる体

組み敷いた少女の裸体から、縋るように向けられる視線


これで興奮するなというのが無理がある


零士の下腹部に熱が集まってくる

固くなった肉棒、今すぐにでも女の体を貪りたい衝動

その一つ一つを抑えるのに苦労させられながらも、零士は朱音の体に手を伸す


線の細い少女の体


ささくれだった男の指先では

その薄い肌に触れただけで傷つけてしまいそうな儚さがある


触れれば柔らかく、撫でれば滑らかに


固い肋骨の感触をこれみよがしに確かめながら、零士は朱音の体に触れていく

すすり泣きと息を呑む音。その刺激に震えた体が身を捩る


零士の手がブラジャーの上から朱音の胸に触れた

手の平に収まる程度の膨らみは、しかし程よく零士の手に馴染み

柔らかな感触とともに、男の劣情を十二分に引き出していく


それは不快感か


胸を揉まれる度に体を震わせ、その刺激に朱音が声を漏らす

「ダメ」だの「やめて」だの、小さな抵抗は実を結ばず

一度頬を叩かれたことが楔になったかのように、朱音はされるがままだった


朱音の頬に朱色が交じる


異性に見られたこと、触れられたことに対する羞恥

それはもちろんだったが、それ以上の心残りが彼女の胸を逸らせる


大人ばかりの研究所で唯一、自分のことを子供扱いしてくれた人

それが嫌で、大嫌いで、今でもムカつくけど

だからこそ、気を許していたのは確かだった


初めてはもっと普通に、素直に慣れてから

この研究が成功して、自分が一人前だって認められるようになってから

そんな甘い誘惑を支えに頑張ってきたのに


「零士…ダメ。やっぱり、こんな事…」


男の手が自分の体に触れている

ほんのりと実った恋心に直接触れられたような感触だった

汚されたくないと思う反面、もっと触れてほしいと思う欲望


好きな男を受け入れる


女としての生々しい欲望はしかし、少女の恋心を戸惑わせていた


零士の指にブラジャーが弾かれると、朱音の膨らみと淡い乳首が露わになる

胸を覆う零士の手の平の感触。固くて、大きくて、ゴツゴツしていて、熱かった

自分の手とはまるで違う感触に、ますます異性を意識させられる


叩かれたときの恐怖、無理矢理に触れられる嫌悪感

無駄な抵抗と知りながらも身を捩り、けれど同時に求められる事に胸が熱くなる


こんなのただの生理現象だと


頭では分かっていても、繰り返される毎に嫌悪感は薄れ

慣れていく体は、むず痒さとともに性感をも刺激する

まるで寒さで体が縮こまったように、朱音の乳首が固さを増していた

泡立つ肌に時折甘い痺れが混じり

広がるむず痒さが、得も知れない感覚へと変わっていく


「強情だな。すぐ泣いて喋りだすと思ったんだが」

「言わないっ。アンタなんかに、教えてなんか…んんっ!」


それを朱音が言い終わるかどうかの間に、零士の口は朱音のそれに重なっていた

背中に手を添えられて抱き寄せられる

むっと広がるタバコの匂いと一緒に、男の体温に身を包み込まれた


タバコ臭いと、嫌ってばかりいた匂い

けどそれが彼の匂いに繋がると、どうしてか鼻息が荒くなる

塞がれた唇の、その感触が分からなくなるほどに

クラクラと、吸い込んだタバコの匂いが頭に充満していくみたいだった


キスをされている、抱きしめられている


事実と実感が実を結び、ドクンっと朱音の胸の内を叩く

このままじゃダメになる。どこからか来た焦りが、朱音に抵抗を呼び戻し

顔を背け、押し返そうと零士の体に手を置いて


けれど、ぎゅっと捕まえられた体は引き剥がせず

顔を逸らすほどに、頬や唇のいろいろな所を啄まれてしまう


飲み込んだ唾液にタバコの匂いが混じる


零士のモノが自分の中に広がっていくような錯覚が、朱音の内に広がっていく


再び強くなる鼓動。好きな人に抱かれたい欲望が朱音の性感を昂ぶらせる

知らずと縮こまっていく体はもどかしさに身を捩り

すり合わせた太ももの内側に熱いものを感じてしまう


「あっ…」


そこに触れられた途端

朱音の口から悪戯が見つかった子供の様な声が上がる

隠していた宝物を見つけられた様な、けれど見つけて欲しかった様な戸惑いの声


キスをされながら、抱きしめられながら、自分の女に触れられて

朱音の体は増々火が付いたように熱くなっていく

今までのもどかしさが嘘の様に、触れられた割れ目から粘つくような快感が奔り

確かな性感が、朱音の喉を震わせた


「はぁ、はぁ…んちゅっ、ぁっ、まって、零士…そこは」


ダメとは言い切れないまま、また唇を塞がれる

タバコの匂いで胸を一杯にしながら

性感に頭を揺すられると段々と、思考に靄が掛かってくるみたいだった


もう良い、何でも良いと


抵抗する意思が流れ出し、残った羞恥心だけが何とか太ももを抑えている

それも、愛液の滲んだ下着はあっさりと 零士の指を受け入れて

下着の上から割れ目を弄られる度に、お腹の奥に熱い何かが渦巻いていく


「ぁっ、ゃっ、ん、んんんぅぅぅっ!!」


零士の腕の中で、朱音の小さな体がビクッと跳ねた

少女の細い腕が男の体を捕まえて、男の指先が太ももの間に挟み込まれる

溢れる嬌声を飲み込もうと必死になり、しかしその声は零士の耳を甘く誘う


我慢か懇願か。揺れる朱音の腰は、挟み込んだ零士の指に割れ目を押し付けて

高まった快感を自分の体に塗り拡げているみたいでもあった


どろり…と、零士の指に愛液が絡みつく


滲んでいただけだったそれは、一つの刺激を堺に溢れるほどに流れ出し

零士の手の平を汚すほど快感の形を見せつけてくる


引き抜いた指先に、糸を引く少女の愛液

その糸がプツリと切れると同時に、零士の中でも何かの琴線が振れてしまう


朱音の短いスカートを捲くり上げ

愛液にまみれた下着が視界に入ると、その熱はより確かに男のものを熱くする


「はぁ…はぁ…」


その荒い吐息は、零士のものだったのか、朱音のものだったのか

ただ、収まりのつかない興奮が零士の体を突き動かす


胸に抱く少女の体、胸に広がる女の匂い


子供とばかり思っていた少女が、こんなにも魅力的に見えてしょうがない

重ねた肌の温もりが、飲み込んだ彼女の唾液の味が

快感に濡れる声、戸惑いに流れる涙


酷い男だな


その自覚はあっても、今更に止める手はなかった

高嶺の花だと思っていても、いくら性格が悪くっても

見た目だけなら目を引くのに事欠かない


思えば裏返しだったのだろうか


それも今になってはどうでもいい

しでかしてしまった事に取り返しはつかないし、後悔の前にやるべき事はある


「どうした…まだ喋らないのか?」


そう聞きながら、言わないでくれと願ってしまう

ガチャガチャと無様にズボンを降ろし、屹立した肉棒を外に出す

視線が釘付けになる。朱音の視線が自分のモノを見つめている


抱いていた体をベッドに押し付け、開かせた足の間に自分の体を押し込んだ

朱音の下着を脱がすのも煩わしく

ずらした向こうに見えた割れ目に肉棒を近づけていった


「ひっ…。ね、零士? じょ、じょうだんよね? もう…これ以上は?」

「これが、冗談にみえるか?」


涙に濡れた声が、恐怖に引きつった声が零士の胸を刺した

だが、その痛みも快感に変わり、自分でも歯止めが効かなくなる


「いうからっ! 零士っ、ね、まって! お願いっ」

「そうか? じゃあ、聞いててやるから、ちゃんと言えたらご褒美だ」

「あ、あっ、あぁぁ、やっ、だめだめだめだめだめぇぇぇっ!」


肉棒が、朱音の割れ目を押し開いていく


その衝撃に、混乱の極みに陥った朱音は何を言えるでもなく

拙い力で零士を押し返そうとしながらも、その体を、固い肉棒を受け入れていく


狭い膣内を押し広げられていく感覚

強引に入り込んでくる肉棒の固さと熱さ

男の体重が、少女の体をベッドに押し込めながら、欲望の塊が処女を散らす


ぷつりと、何かが切れた感覚に朱音が声を漏らす

痛みともつかない感覚が全身に奔り、心に影が差し込んでいく


初めてを奪われた衝撃と、初めてを奪った衝撃


ごちゃごちゃに混ざりあった快感は、二人の行為を更に昂ぶらせていった


「あ、あぁぁ…。まってって、だめって、いった…いうからって…」


両腕で顔を隠し、堪えられない涙で頬を濡らしながら、朱音が首を振る

零士の肉棒は、その根本までもを膣内に押し込まれ

柔かい膣肉の感触が、朱音の泣き言とは裏腹に零士の肉棒を刺激する


「ああ、悪い。でも、子供扱いされたくなかったんだろ?」

「違う、これは、こんなのじゃ…ぅぅっ」

「かもな…っ」


分かっている。零士にだってそんな事は分かっていた

子供扱いを嫌がる子供に、こんな覚悟がある訳がない


だが、肉棒を包み込む膣肉の感触に、抱き寄せた少女の腰つきに

誤魔化しようのない興奮が、零士の肉棒を苛立たせる


もっと、もっと、女を犯せ


それは理性をも飛び越えて、零士の体を逸らせた


ぐちゃりと、粘ついた水音と共に引き抜かれる肉棒

軽くなった体に朱音は息を吐き出した

それと同時に肉棒が朱音の膣に押し込まれると、ぐぅっと苦しそうに息を飲む


「力、抜いてないと辛いぞ?」

「だ、だったら、貴方がそんな、粗末な…もの、ぁぁっ」


悪態を付きながらも耐えきれずに、朱音の口から苦悶の声が漏れた

抵抗に身を捩らせながらも、色めき立った膣肉は様々な感触を肉棒に伝えてくる


押し込み、引き抜いて、浅い所を掻き回し


決して優しいとは言えない抽挿が、朱音の体を刺激し続ける

軽い絶頂の後、濡れていたとはいえ、初めての膣内の抵抗は大きく

破瓜の痛みが薄れた後も、その衝撃は朱音の心を乱し続けていた


「はぁはぁ…あ、やっ、んくっ、も、もうっ、やめ…」


苦しい


お腹の奥を広げられて、その異物感が喉元まで迫っているみたいだ

なのに、お腹の奥を突き上げられる度、声にならない声が口から溢れそうになる

気持ちよくなんか、こんなの絶対苦しいだけなのに


ぽっと、お腹の奥に灯った熱さが忘れられない

軽い絶頂の快感は、未だに体に残り続けて性交の続きを促してくる


吐息が熱を帯びる。もどかしさに体が焦れる


何に対して焦れているのか、何がそんなにももどかしいのか

膣内をかき回す肉棒の感触が、湧き上がる疑問を掻き消していく

まるでそれが正解だと示すように

肉棒に犯されながら、身勝手に反応を返していった


「まだ苦しいか? だったら…」

「へ…ぃ、ふぁぁっ!」


止めてくれる?


そんな可愛い期待は一瞬にして溶かされた

ビリっと体を奔る甘い痺れ。性感に勃起したクリトリスを彼の指に刺激される


どうしようもなく体を震わせ、嬌声を上げる朱音

それに気を良くしたように、零士がクリトリスを刺激しながら抽挿を深くした


「ふぁっ、やっやっ、んぅぅぅっ!! だめっだめぇぇ、そこさわっちゃ」

「そこじゃわからないな? どこのことだ?」

「だ、だから…クリ、ひぅ、クリ、トリス…私の、触らないでぇ」

「ははっ。エロい言葉知ってるな? 自分で触ってたのか?」

「そんな訳…そんな事するわけ。あ、あ、ふぁぁぁぁっ!!」


零士の言葉に、朱音が体を熱くする


ただそれを言っただけなのに、それ知ってる自分が気恥ずかしくて

恥ずかしがっている間にも、刺激され続けたクリトリスは快感を強くしていた


気持ちいい…


思わず認めそうになる心を必死に否定する

けれど、触れられたクリトリスに意識が刈り取られ

のめり込んでいく感覚は、その言葉を卑猥なものだと自覚させていく


クリトリス…卑猥な言葉が頭を埋め尽くす

なら、それを弄られて感じ始めている自分は?


ビリビリと、甘い毒のような痺れが全身を満たし

否定しきれなくなった気持ちよさが、声に変わって溶けていく


「はぁ…はぁっ、あっ、やっ、ふぁぁぁっ!」


触れられ、撫でられ、摘まれて

その卑猥な刺激に、朱音の体が震え上がる


ただの生理反応だと、幾ら思い込もうとしても、色めき立つ快感は熱を増す


「ほら、やっぱり良いんだろ? ここが?」

「ちが、よくなんか…こんなとこ、わたし、変態なんかじゃ」

「こんな所って」

「だ、だからぁ…はぁ、あぁぁっ! クリトリスっ! もう、やめっ」

「だったら、こっちにも気を向けてほしいな」

「え、あぁ、やぁぁっ!!」


大きな肉棒の突き上げに、朱音の喉が鳴る

同時にクリトリスが嬲られると、全身を震わせて少女の体から力が抜けていった


「あ、やだっ、いっしょやだぁぁぁ。おかしく、へんに、こんなの、だめぇ」


意識させられた肉棒の感触に朱音の体が身悶える

クリトリスの快感だけでも持て余していたのに

強引な肉棒の突き上げに混濁した快感は

誤解を解かぬままに、朱音の体を絶頂へと向かわせていく


クリトリスを嬲られながら、肉棒で膣を突き上げられる

クリトリスが気持ち良い、肉棒で掻き回されることが気持ちいい


頭の中が真っ白になり、ビクッと体が震えると膣内から愛液が溢れ出す

最初にあった異物感は、その苦しみは快感を重ねる度に薄くなり

いつしかそれを願うように、朱音は自分から腰を揺らし始めてしまう


「ふぁぁっ! あっぁつ、まっれい、じ、んやっぁぁぁっ!!」


肉棒を押し込むと朱音が大きな声を上げて体を震わせる

同時に腟内が窄まると、柔肉が殺到するように肉棒を締め付けた


ぐっと、根本に貯まる射精感


それを堪えながらも、零士は肉棒で朱音を犯し続ける

もはやクリトリスの刺激がなくても、快感に流された朱音は嬌声を上げていた

朱音が零士の名前を呼び、名前を呼ばれる度に頭がクラクラする


自分はこんなにもこの少女を求めていたのかと


この快感の正体が、愛欲なのか獣欲なのか定かではないまま

零士は朱音の体に溺れていった


細い腰を掻き抱き、狭い膣内に肉棒を押し込む

単純な出し入れだけで頭が白くなり

快感を逃がそうと腰を引けば柔肉に肉棒を包まれ声が出てしまう


もはや我慢の限界だった


ぐちゃぐちゃと、卑猥な音が愛液の雫を上げんばかりの勢いで肉棒をかき回す

度重なる快感と浅い絶頂に

朦朧となった朱音は嬌声を上げながらも零士を求めて手をのばす

その手を握り、抱き返すと、その先を求めるように肉棒が子宮口を突き上げた


「あぁぁぁっ!! れいじっ、はぁ、あっ、ぁ、もう…わた、し、また」


朱音の嬌声が零士の耳朶を打つ

深い絶頂の予感に身を震わせた朱音は、縋るように零士の体にしがみついた


熱い女の体と、甘ったるさを覚える汗の匂い

抱き寄せた肌、肉棒を包み込む膣肉と、甘く響く少女の声

その全てが柔らかく、零士の男を女の快感が包み込んでいく


「だす、ぞ…中にっ。いいな…?」

「あ、はっ…んっ! あぁ、だ、め…なか、は…」


その言葉に、一瞬だけ朱音が正気を取り戻していた

こわばる体、瞳に動揺が奔り、声に震えが混ざり込む


だが、今更此処で止められるはずもなく

射精感に膨らんだ肉棒は、さらに激しく朱音の膣内を責め立てた


「じゃあ、どうする? ちゃんと言うか? どうにかする方法?」

「そ、それはぁ…。私の部屋にサンプルが…あっ、だけど、まだ、ふぁぁっ!」

「そうか。ありがとうよ…じゃあ、ご褒美だ」

「あっあっ、だめっ、ちゃんと言ったのに、零士っ! バカバカバカっ、あっ」


朱音の膣の中で、零士の肉棒が弾けた


脈動と、吐精とを繰り返し、無垢な少女の中を白濁で染めていく

頭の奥がひりつくような快感を受けて、零士が更に腰を推し進める

肉棒を締め上げる様に腟内が痙攣すると

さらなる快感が精液を呼び込み、朱音の子宮を埋め尽くす


同時に快感の絶頂を受けた朱音は、声を上げ身を震わせていた

膣を蹂躙する肉棒の感触。抱き寄せられた体に打ち込まれた肉棒が

さらに奥へと入り込み、子宮口のその奥へと直接精を吐き出していく


お腹の奥に広がる熱


子宮を埋める精液の熱に、気が触れる様な快感に全身を満たされる

幸せ、この快感に名前をつけるならきっとそう

ドクンっと、腹に注がれる精液の熱に

酩酊感が加わって、男の体に身を預けたくなる


甘い痺れ、確かな快感


少女の淡い初恋は、白濁に濡れ

その快感に身を焦がしながら、そっと、意識を手放していった





「零士のバカ…」


一人になってしまった


それは、さっきまでの銃声が止むほどに、明確に朱音の心を閉ざしていく


目が覚めた朱音が最初に感じたのは肌寒さだった

あれだけ熱かった彼の体は何処にもなく

自分の中に僅かに残る熱を抱えるように、空になった布団を抱き寄せる


モニター越しに映る彼の最後


覆い被さるミヅハエは、もう私が想定している範囲を通り越していた

B級映画の怪物の様に、人を喰らい肥大化して、歯止めは効かなくなっていく


ミヅハエに零士が飲み込まれる最後の瞬間

偶然か、たまたまか、監視カメラを向いた彼は微笑んでいるようにも見えた


そのまま、握り込んだサンプル毎ミヅハエの体に取り込まれて

それがせめての、彼の死に対する結果になれば報われる

流れる涙を拭う余裕もなく、朱音はただ自分の体を抱きしめた


ドンッ…ドンッ!


「ひっ!!」


扉を叩く、いや壊さんばかりの音は、扉に何かを叩きつけてくる


「見つけた…博士、お母さん、お母さん、あは、あははははは」


人の声ではない


出来の悪い合成音声のようなその音は

扉を隔てた向こう側から不愉快に耳を揺らしてくる


「はは…お母さん、か…」


自分のお腹に手を当てる

わずかに残る彼の温もりが、少しだけ朱音の体を熱くした

一回の性交で妊娠出来る確率は、きっとそう高くは無かったはずだけれど


だとして、この状況を切り抜けてまで、一人で彼の子供を産み育てる?


「無理だよ、そんなの…わたし、やったこと無いもん」


今更ながらに彼の存在が身に染みる

頭の良いだけだった私を、影に日向に支えてくれて


「ごめんね、ごめんね…」


一つは、お腹に出来たかもしれない子供に

一つは、私を守ろうとしてくれた彼に


緊急用のバッグの中を掻き分けて、医療器具の中から小さな錠剤を取り出した


「零士…今、行くね?」


震える指先を口元まで持っていき、なんとか錠剤を舌にのせる

よせ、やめろ、ばか…聞こえてきそうな彼の声

その幻聴を振り払い、ゴクリと喉を鳴らすと

もう戻れない事に安堵しながら朱音の意識は遠のいていった



ふわふわしている


浮かんでいるような、沈んでいくような感覚だった


夢だろうか?


単に死の間際に、走馬灯のような気もしている


彼に抱かれたあの時を、ずっと反芻しながら私は沈んでいく

もっと味わえばよかった、もっと噛みしめればよかった

それが幸せだったと、終わってから気付いてしまった


お終い


もう何もかもお終い、研究も、人生も


まあ、もうどうでもいいか


「零士…」


自分の声が聞こえる違和感

誰かに体を揺すられている様な感覚に、次第に目が開いていく


「ぁ…ぅっ、ゃ…はぁ…はぁ…」


耳に響く甘い声

知らずに出していた自分の嬌声は、初めて聞いた時の記憶を鮮明にしたまま

私の意識をまどろみから呼び起こす


浮ついた感覚、揺すられる体


全身を這い回る粘ついた感触に、不快感を憶えながらも

火照った体は否応無しに声を漏らし、その感覚を前に身を捩る


性感、快感、気持ちいい


下腹部に感じる異物感は、初めて受け入れた彼の性器を思い起こさせる

体を這い回る何かはその指先を、包まれた温度は体温までも感じさせて


その違いに、朱音の意識は急速に引き戻されていった


ベッドに思えた柔らかさは、しかし ぬかるむ程に柔らかく

朱音の身じろぎ一つに、その形を変えていく

粘ついた感触に混ざる生温るさ

少し冷えたお風呂に沈むように、背中の半分が埋まっていた


開かされた両足と、足首の先から消えた感覚

両腕すらも粘性の触手に拘束されていて

朱音の体を隠せるものは何一つ無くなっていた


晒された少女の体


四肢を拘束された惨めな姿


荒い呼吸に合わせて可憐な胸は上下を繰り返し

性感に震えるほどに、その膨らみは柔らかく揺れ動く


白い肌の上を這い回る粘性のなにか

時に広がり零れ落ち、それは纏まり触手のように少女の肌を撫で回す

くすぐったい、もどかしい

時には性感の様な刺激を受けると、少女の口から甘い声が漏れ出てくる


開かれた両足とそこにある女の性器

既に押し広げられていた割れ目には、ゴムのように固まった触手が押し込まれ

それは男性の形を取ると、無遠慮に少女の膣を犯していく


一回、二回…


突き上げられる度に快感を受け取った朱音は声を上げ

無意識に高まっていた性感は、さらにその欲望を押し上げる


激しくなる触手の動きと、酷くなっていく快感

喉元まで迫った絶頂の予感に、朱音は目を開きそして悲鳴を上げていた


「ひっ! い、いやぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!」


首を振り、声を上げ、暴れさせた体はしかし、ビクと動く程度だった

快感のまどろみを吹き飛ばすほどの光景が朱音を襲う


死んだとばかり思っていた自分の体が陵辱されている

ミヅハエに取り憑かれ、取り込まれかけて

しかしそいつは、私を殺すことなく犯すことを選択していた


「な、薬…なんで、わたし…いきて…」

「それなら私が分解した。そう出来るように貴女がつくったのよ…お母さん」


七色に光る合成音声を並べ立てたような声だった

それは耳からではなく、頭に直接響くようで朱音はその不快感に眉をひそませた


「みづ…はえ?」

「そう…そう…。貴女達がそう呼ぶのが私…」

「な、んで…こんなこと」

「なんで? なんで? なんでかしら?」


不思議、不快、苛立ちすら感じさせず、ミヅハエの声は笑ってすら聞こえた

しかしそれは、単に感情の枠を越えただけで

その根底にあるのは紛れもない一つの情動だった


「斬られて、焼かれて、溶かされて…そうされれば分かるはずよ、お母さん?」

「わたしはっ、あなたのお母さんなんかじゃっ」

「作った人をそう呼ぶのでしょう? 貴女達は」


朱音の中で触手がグイと動くと、その小さな口から悲鳴が漏れる


「こんな事して…なんに?」

「ならないからそうするの…そうでもしないと狂ってしまいそうだから」


会話を重ねる毎に明瞭となっていくミヅハエの声

そこに宿っていたのは明らかな知性と、もう一つは単純な狂気だった


朱音の中で触手が膨らんでいく

それは射精直前の男性器をも思わせて、その感触に気付いた朱音の顔が青ざめた


「やっ、やだっ! ミヅハエ、あなたっ、やめてっ、そこはぁ…」


まだ、彼の精液が残っている

まだ、彼の温もりが残っている


もしかしたら出来るかもしれない可能性を捨ててまで死を選んだとしても

こんな化け物に、それを奪われるのは耐えられない


快感なんてとっくに忘れていた


望まない性交、化け物に犯される絶望

ただただソレを前にして、少女は子供のように泣きじゃくる


「やめてやめてっ! 出さないで、それだけはやだぁぁぁっ!!」


叫んで暴れて、ミヅハエの体の上で跳ねる少女の裸体

抵抗は虚しく、激しくなっていく触手の動きに少女の瞳から涙が溢れる


ドクンっ


脈動すると同時に、朱音の膣に入り込んでいた触手の先端から何かが吹き出した

粘ついた、生温かいなにか

ドクン、ドクンと、脈動する度に量をまし、熱を上げて少女の中を汚していく


「ひぃっ! い、いやぁぁぁぁぁぁっ!!」


絶望に喉が詰まる

体に奔る衝撃に我慢が限界を超えて、ついに少女は叫び声を上げていた


いや、やだ、やめて、はなして、もう、もう…


繰り返される戯言に、ミヅハエは歓喜を深くする

何かに寄生しないと生きられもしない自分

嬲られるしか無かった自分が嬲る側に回った快感


身の内に取り込んだ男の細胞から喝采が上がったような気さえする

正しく、女を正しく使う意味を、実感として理解する


ズルリ…


朱音の中から触手が抜け出る

ミヅハエの形に広がった少女の割れ目

その隙間から溢れたのは、黄味がかった白濁の気味の悪い液体


「あ…あ…あぁぁぁ…」


それを認めた瞬間、朱音はようやく現実を理解する

化け物に犯された自分の体。女としてすらなく道具として使われる感覚


そこにあった温もりが消えていく、彼の温もりが消えていく

それはまるで、二人の思い出すら消し去るように朱音の心を白濁に染めていった


朱音を包むミヅハエの体

ゼリーともスライムともつかないその物体から、幾本もの触手が伸びていく

それらは思い思いに集まって、形を変えて一斉に朱音の体に伸びっていった


触手の様に伸びたものは少女の胸に巻き付いて

その膨らみを縛り上げ、絞り上げ、オモチャの様にその形を変えていく


手の平の形に広がったものは少女の肌を這い回る

お腹に背中に、太ももに

およそ他人に触れさせる事なかった場所まで指先を伸ばしていった


あるいは幾本もの触手が男性の形を象ると、その先端を少女の体に差し向ける

その可憐な唇に、その細い指先に、粘液に塗れた割れ目と、窄まったお尻へと


朱音の意思などまるで気にせずに


抵抗しようと手を握れば無理やり開かせれ

結んだ唇は強引にこじ開けられる

一度犯された少女の膣はすんなりと次の触手を受け入れて

まだ初めてだった お尻の穴を開かせる感覚に朱音は身悶えた


「あっ、ぐっ、かっ…けほっ、おっ…あぁぁぁっ!!」


むせて、えづいて、それでも止まらない触手の動きに朱音が呻く

喉を犯され、息も絶え絶えのままそれでも触手たちの動きは止まらない


手の平を女性器代わりにする触手

体を這い回り、胸を絞り上げられる感覚

再び膣を犯されて、今度はお尻の穴まで穿られて


気絶しそうな程の衝撃に、ようやく指先を離れ始めた意識は

朱音を気絶へと逃がすこともなく、すぐに次の衝撃に叩き起こされる


ドクンっ!


脈動する触手たちの先端から、黄味がかった白濁の液体が吹き出した

それは中から外から、朱音の体を汚し尽くし

しかし、塞がれた喉からそれを吐き出すことも許されず

無理矢理に飲み込まされていく


ドクン…ドクン…


ごくん…ごくん…


涙を流し、半狂乱になって暴れる少女の体

流し込まれる白濁を必死に飲み下し、呼吸を求めて口を開かせる

下腹部に広がる熱から逃れようと腰を逃しても

更にその奥へと触手が突きこまれ、更に熱い白濁が流し込まれてしまう

お尻に流し込まれた白濁は、まるで背筋を這い上がるようにその熱を伝えてくる


自分を染めていく白い液体


次々に降りかかるミヅハエの精液


握らされた手の平から、巻き付いた胸の先から

お腹に太ももに、撫で回す触手の数々からドロリと流れ出し

その精液の熱さか、火照った自分の体温か、全身から嫌な熱気が上がってくる


「くぁっ! はぁっ! あっ、はぁはぁはぁっ! ぁぁぁぁっ!」


体中から触手が引き抜かれ、ようやく開放されると呼吸を求めて口を開く

咳き込み、口元から飛び散った白濁がさらに胸元を汚していった


これで、終わり?


荒い呼吸を繰り返すように、揺れるミヅハエの上に抱かれながら

訪れた空白は、憔悴しきった朱音の心を多少は慰めていた


むせ返るような白濁の匂い

全身を犯された衝撃と、無理やり高められていた性感は

今更ながらに快感の余韻を引いてくる


こんなのただの生理現象だと言い訳をしてみても


身じろぎ一つで触れた肌の上をくすぐる甘い痺れ

固くなっていた乳首と、勃起したクリトリス

膣奥から白濁を流すように溢れでる愛液は、朱音に自身の性感を訴えてきていた


「っ、あっ…みづは、え? なに…を…」


突然、チクリと背中に奔る痛み

それは同時に針の先を通すようにして、朱音の中に何かを流し込んでくる


「実験…実験よ? 私が、私達が人間を何処まで変えられるのか」

「へ? それは…」


頭が理解を拒む


ミヅハエに行っていた数々の拷問のような実験

今度は自分がそれを体感させられるのだと想像すれば嫌でも首を振りたくなる


だが、朱音の不安を裏切って

不意に襲ってきた快感は、少女の理性を崩すには十分だった


「ひゃっ、あぁ、い、ぅ、あぁぁぁぁぁぁっ!!」


嬌声というには余りにも悲痛な声


けれども少女の体は震え上がり

瞳からは涙を、口元からは涎を、割れ目からは愛液を流して絶頂させられる


「あ、や、な…いま、は…ぁぁ…」


壊れる、壊される


苦痛ならまだ想像出来る。けれど、襲ってきたのは確かな快感だった

馴れない絶頂の衝撃が、心にヒビを入れたのを自覚させる

こんなのを何度も繰り返されたら、絶対にどうにかなってしまう


死ぬよりも、想像できない予感が朱音の体を震わせた


顔が青ざめ、唇は震えだし

逃げ出そうとした手足が、後ずさるように身を捩らせる


けれど


「はい、もう一度」

「ひっ! あ、やめ…あっ」


ミヅハエの声が頭に響くと同時に意識が飛んだ

怖がる暇もなく、恐怖を感じる余裕もなく、ただ頭を真っ白に漂白されると

全身に広がる快感が、全ての優先順位を奪い去っていく


「あっかっ、あ、はっあっ、やぁぁぁぁっぁあっ!!」


ビクッと大きく体が震え、背筋を反らし、硬直した体に虚脱感が襲ってくる

高くなる鼓動に、熱くなる体

狂ったような快感が、お腹の奥に熱を添えると

直ぐにそれは火を吹いて新たな快感を作り出す


「あぁぁ…ぁ、ぁぁぁぁっ…」


その一回で逃げることすらままならくなっていた

抵抗…そんな言葉が吹き飛ばされていく

もっとして欲しい? 違う、もう嫌だ、次は絶対…死んじゃう

渦巻くのは絶頂に対する恐怖心で、朱音の心身は完全に竦んでいた


「ほら、もういち…」

「ひっ、やだっ、やめてっ!!」


その声を聞きたくないと、かき消すように声を上げる

反射的に身構えて、次の絶頂に縮こまった体が震え上がった


「へ…あれ…」


けど、なにもない


代わりに触手を伸ばしたミヅハエが、その先端を私の体に向けてくる


「ひっ…あ、あ…」


抵抗は出来なかった


口を閉ざすことも目を逸らすことも、太ももを閉じることは元より

伸びてきた触手の一本が唇に触れると

私は自分からキスをするように、その先端に口づける


「んっ、ちゅっ…ぁ…はぁ…んんぅぅ…っ」


繰り返し、繰り返し…


強制的に絶頂させられ、高まった快感は

キスをする度に、唇から甘い痺れを伝えてくる


そうじゃない…そうじゃないと、首を振りたくっても

その瞬間にまた、あの絶頂に襲われることを思えば抵抗なんてできなかった


せめてもっと、この触手が乱暴に私の体を犯したのなら…

そんな願いすら叶わずに、今度の触手はひたすら優しく私の体を愛撫する


キスを繰り返していた触手の先端が、ゆっくりと口の中へ入り込む

また喉奥を犯されるのかと身構えて、けれどもその瞬間は甘い誘惑に溶けていく

歯茎をなぞるように、上から下から、戸惑う私の舌が触手に絡め取られる


温かくて心地いい

気持ち良いとさえ思える刺激を受けて、縮こまった心が解けていく


「んっ、はっ…やっ、あっ…んんぅ」


口内を撫で回されながら、全身に触手が伸びてくる

太ももに、背中に、お腹に触れて

アレだけ激しかった触手の動きはただ優しく、私の体を撫でていった


伸びた触手の一本が私の胸に絡みついていく


その頃にはとっくに恐怖は薄れていた

また絞り上げられる恐怖よりも

触れられた事による喜びと、その快感がもたらす酩酊感に心が弾む


胸の奥からじんっと広がる快感。高鳴った鼓動がそれを全身へと運んでいく

戸惑うことなく固さをました乳首。その先端が、触手の先に飲み込まれ

撫でられ、摘まれ、舐められる様な感触が、とりどりに響いてくると

堪えきれずに、私の喉は甘い響きをこぼし始める


「んぅぅぅっ、ぁっ、んちゅっ、はぁ…やっ、ぁんっ…」


まるで恋人と愛し合っているみたい

こんな風に彼とも愛し合ってみたかった


叶わなかった光景を夢見ながら、朱音の心はより楽な方へと落ちていく


体を撫で回す触手に性感が助長されていく

胸への愛撫だけではもどかしく、浮かされた体は次第に身を捩りはじめた


触手にこすりつけるように胸を反らし、ねだるように口の中のそれを奉仕する

それでも足りない快感を補うように太ももを揺らし

触れるものの無くなった割れ目が空虚さを思い出すと

息が詰まりそうなもどかしさに襲われる


触れて欲しいだなんて


こんな化け物に言いたくない。口が塞がれているのがせめての救いだった

ふとすれば、求めるような声を出してしまいそうな自分が怖い

銃を突きつけられ、脅されているような状況でしか無いのに

私は、自分から、この快感を受け入れ始めていた


太ももを撫でていた触手が、絡みつきながらその先端を伸ばしてくる


「あ…」


漏れてしまった声は、また犯されると身構えながらも

やってくるであろう甘い快感に期待を隠せていなかった


伸びた触手の先端が割れ目を撫で上げる

下から上へゆっくりと、溢れた愛液を掬いながら

それはやがて、クリトリスへと触れていた


「ふぁぁぁぁぁっ…」


腰が抜けるような快感に体が落ちる

力の抜けた口から触手が抜け出ると同時に、口からは甘い声が飛び出していた

絶頂には程遠い、けどそれがたまらなく気持ちいい


ちがう、もしかしたらもうずっと絶頂しっぱなしなのかもしれない


彼に犯されたときよりも、強い快感が胸の内に宿る

まだ挿れられてすらいないのに。クリトリスを撫でられただけで背筋が震え

どうしようもなく甘えた声が抑えられない


触らないで、おかしくなるから


それが言えたかすらも怪しい

クリトリスを撫でられ、震えた体が快感に酔いしれる

高まる性感は、肌を撫でられただけで快感を促し

太ももや、お腹、全身を撫で回す触手にすら愛情の様な感覚が芽生えだす


もっと、もっとして欲しい


理性を上書きするように、心の底、お腹の奥から湧き上がってくるような声

スライム状の化け物に捕まって

拷問のような絶頂を受けた後、優しい愛撫を続けられている

そんなの絶対におかしいと、叫び続ける理性とは裏腹に


クリトリスを撫でられた体が快感に染まる

胸を揉まれ、乳首を弄られ、甘い声が出てしまう

聞きたくもない自分の嬌声と、否定したい理性が頭の中でぶつかって

どんどんと心が疲弊していった


太い触手の一本が、朱音の割れ目を撫で上げた


悪戯をするようにではなく明確に、私のそこを犯したがるように押し付けてくる

自分の喉が鳴るのが分かる。また挿れてもらえると予感した体が熱くなる


けど


触手はずっとそのままに、浅い所までを開いては、奥まで絶対に踏み込まない

もどかしい、切ない、このままなのは耐えきれない

「あ、あ…」と、期待に声が漏れる度、失望が胸を刺していく


挿れて欲しい、早く欲しい…


分かっているはずなのに、それが声にはなってくれない

なんで邪魔をするんだろうと、邪魔をする理性が理不尽にも感じてくる

割れ目の浅い所を撫でられながら、乳首と、クリトリスを愛撫され続ける


足りない、足りない、全然足りない…


絶頂したいわけじゃない、けど、もっと、気持ちよくはなりたい

その先に待っている予感に目を背けてまでも、肥大していく欲望が止まらない


「て…いいよ。挿れて、私のに、おちんちん、ミヅハエの挿れて…お願い…」


泣く泣く、泣きながら、どうしようも無くなった感情を振り切るように

思いつく限りの淫靡な言葉を口にして、動かせる範囲の体を動かして

私は自分から、ミヅハエに体を開いてしまっていた


くちゅり…


その音が私の心臓を高鳴らせる

そのまま私の割れ目を押し開き、途中で止まったそれは紛れもなく私の処女膜で

それを破るでもなく押し上げると、また入り口へと戻っていく


「な、なんで…それ…治って…」


分からない。わからないけど、それがとてつもなく悲しい

彼に抱かれたことが無かった事にされたみたいで、悔しさが滲んでくる


くちゅり…


それでも触手の動きは止まらない

また私の中を押し広げては処女膜を押し上げ引いていく

それを、ずっと、ずっと繰り返されて、嫌でも焦燥感が満ちていく


初めてすらもミヅハエに奪われる絶望。快感に抗えないのは分かっているのに

どうすることも出来ない無力な自分にすら、興奮を覚え始めている


「いれ…やめ…あぁぁっ、うごいて、る。私、あっ…」


快感を逃がそうと首を振り、それでも頭は白く濁っていく

割れ目の浅い所を掻き回されて、さらに高まった性感が全身の感度を上げていく

乳首が、クリトリスが弄られて甘い声が出る

撫で回された全身が熱を帯び、性感帯ですら無いのに気持ちが良い


体が侵されていく、ミヅハエの思うままに書き換えられていく

実験とアレはそういった。そう言って私に快感を植え付けてくる


その目的は…


「ふぁっ! あ、やっ、はぁはぁっ、いっぅ…」


ふとした快感に理性が流される

高まった快感を逃がそうと全身を震わせて、軽い絶頂に身を浸すも

次々に新しい快感がやってきては、心をかき乱していった


挿れて欲しい、それが欲しい

触手が欲しくてたまらない、空っぽの膣がもどかしくてしょうがない


2度めの破瓜


矛盾する言葉に心が震える

今度は自分から貞操を捧げる、それも触手の化け物に体を明け渡すなんて

想像するだけで体が震え、息が上がっていく

その先にある快感が、その予感が欲しい


「みづ…はえ…」

「なぁに、朱音博士?」

「い、挿れて…私の、奥まで…」

「良いの? あの男の精はまだ残ってるかもしれないのに?」

「あ、あぁ、でも、でも…」

「博士なんでしょう? その賢い頭でどうにかしないと?」

「むり…もう、むりぃぃ…こんなの、どうにか出来るわけぇ、あぁっ」

「そう…じゃあ、貴女はもうただの女の子ね? エッチが大好きな…」


朱音ちゃん


からかうようなミヅハエの声が頭の中に響く

それと同時に膨らんだ触手の肉棒が処女膜を破りさり

強引に奥を突き上げると同時に、朱音は声を上げて泣いていた


「あっ! う、やっ、あぁぁぁぁっ!!」


壊れていく、崩れていく


自分のプライド、彼への想い


そんなもの、快楽の前には何の役にも立たなくって

ただ気持ちよさの前に私は自分の女を投げ出していた


「あぁっ、ごめん、ごめんね零士…でも、これ、私、気持ちいい…」


最奥まで届いた触手を子宮口で受け止める

下腹部に勝手に力が入ると、抜けていくソレを名残惜しそうに締め上げる

不揃いに形を変えて、太くて、固くて

それが分かるほどに膨らんだミヅハエの肉棒が私の中を掻き回ている


何の遠慮もなく触手に、何の躊躇いもなく犯される

それが気持ちいい。女として正しく快感を受け止めて快感に身を焦がす


「あっ、あっ! い、くっ…あれ、やだやだやだぁぁっ!!」


高まる快感に絶頂の予感を思い出して体が縮こまる

けれど、それも続く快感に絆されると、限界を迎えた体が大きく震え上がった


「あっ…やぁぁぁぁっ! あっあっ、だ、い、ああぁぁぁぁっ!!」


頭も真っ白、心も真っ白。ミヅハエに犯されて気持ちよくなる私

暴れる快感を前に、拒否や否定も出来ず

ただただ声を上げて泣き叫ぶ私は、もうただの無力な女の子でしかなかった


「あ、あぁぁぁぁ…ぁっ、やっ…はぁはぁ…」


快感の波が収まり、溢れた涙が私の体に落ちていく

終わった終わっちゃった。もう何もかも全部おわって


「もう終わった気でいるの? 朱音ちゃん、ほら次…」

「ひっ! それ、や、まっ、あ、あ、やぁぁぁぁぁぁぁっ!」


ビクッと体が大きく震え上がる


頭も真っ白、心も真っ白。ミヅハエに犯されて気持ちよくなってる私

次、次、次、次と襲い来る絶頂に、壊れたオモチャの様に泣き叫ぶ

グチュグチュと、絶頂しながら犯されて、犯されながら絶頂を続けて


「はぁ、ぁぁ、はぁぁぁ…もう、もう…ゆるし、て…」


擦り切れそうになった私の言葉に、膣の中で触手が大きさを増していく

その感覚は、最初に射精された時と同じもので

唯一違っていたのは、嫌悪感よりも、幸福感が勝っていたこと


出されたい…


まるでそれが当然の、女の喜びであるかのように

壊れかかった私の体は、それでも勝手に腰を落としてしまう

もっと奥に入り込めるように、もっと奥に出し貰えるように


子宮を満たす精液に、心も体も真っ白にして貰いたい


「ぁぁぁぁっ、ゃっ、あぁ」


情けない声だけを漏らして、私は自分から腰を揺らす

突き上げてくる触手が、どんどんと膨らんでいく

膨らむほどに、それは勢いをまして子宮口を突き上げてくる


こつん、こつん…


子宮口に入り込もうとして、寸前まで膨らんだ触手が引っかかる矛盾

それでも無理に押し込まれ、メリメリと閉ざされていた子宮口は開き始め


一度、大きく引いた触手が、膣の浅い所を掻き回す

まるで助走をつけるようにして、甘い快楽が焦燥感を掻き立てる


肉棒が奥まで、次の瞬間、私の中を突き上げた時、きっと絶頂させられる

絶頂して、射精されて、また絶頂して

ドクドクと流し込まれる精液の熱さを予感するだけで、子宮が熱くなる


「だ、だして…もう、おねが…い」


自分から願った懇願の後、触手の肉棒はそれを一気に私の中へと押し込んできた


濁流となった精液が朱音の子宮を満たしていった


膨らんだ触手は少女の子宮口を押し開き、その先端から精液を吐き出し続ける

ドクン、ドクンと、大きく脈動する度に震える少女の体

絶頂を繰り返し、何度も声を上げ

子宮に入り切らなかった精液が、割れ目の隙間から溢れてくる


射精され、絶頂させられながら、さらに全身を犯される

敏感になった乳首を、勃起したクリトリスを、感度の上がった柔肌を

鳴き声を上げる少女の口を別の触手が塞ぐと、それはまた一度震え上がると

その口内を白濁の汁で汚していく


「けほっ! かはっ! あ、あ、あっ…んくっ、んくっ…!!」


むせて、吐き出して、少女の体に黄味がかった精液が降りかかる

それでも口の中に残った精液を惜しむように少女は喉を鳴らし

むせ返るその香りにまた、絶頂の余韻を引き伸ばされる


だらりと、口元から零れた精液が少女の体を汚していく

どろりと、割れ目から溢れた精液が少女の心を満たしていく


触手が引き抜かれ、力の抜けた少女の体がミヅハエの中に沈み込む


その小さな体は溶けるように見えなくなり

同時に、部屋を埋め尽くしていたミズハエの体も床に広がっていった


後に残ったのは、割れたモニターが薄暗く照らす室内と

水浸しになった、床とベッドだけだった




「良かった…まだ残って…」


どうして自分がまだ生きてるのか分からない

けれど、どうにかして自分の部屋までたどり着いた朱音は

残っていたサンプルを手にとっていた


まるで妊婦のように膨れ上がった子宮

そこにあるのは彼のではなく、間違いなくミヅハエの子供なんだろう

幸か不幸か、自分を実験台にして一つ分かったことがある


サンプルに足りなかったもの


それを混ぜ合わせると、色が変わったのを確認して

注射針を膨らんだお腹へと差し込んだ


お腹の中で何かが暴れている気がした


いい気味、ざまぁみろ、と仕返しをしてスッキリとした心で

朱音は、モニターに併設されていた赤いボタンを押し込んでいた


ーおしまいー


後書き

最後までご覧いただきありがとうございました


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