提督と○○19
提督と艦娘たちが鎮守府でなんやかやしてるだけのお話です
注意書き
誤字脱字があったらごめんなさい
基本艦娘たちの好感度は高めです
アニメとかなんかのネタとかパロディとか
二次創作にありがちな色々
長い
EXパートは思いつき小ネタです
19回目になりました
楽しんでいただければ幸いです お目汚しになったらごめんなさい
ネタかぶってたら目も当てられませんね
それではこの番組は
提督「むかーしむかし、ある所におじいさんとおばあさんがいました」
瑞鳳「なによ?いきなり…」
如月「お婆さんは川に洗濯に、おじいさんは山へ芝刈りに行きました」
睦月「おじいさんが山につくと、なんとっ大きな熊が現れたしっ」
球磨「クマ?」
木曾「おめえじゃねーよ、座ってろ」
卯月「まさかり担いで熊に突撃するおじいさんっ」
菊月「激しい相撲の末、大事なまさかりを熊に弾き飛ばされながらも、なんとか勝ちを取る」
北上「相撲とは一体…」
大井「というか、じいさん何者よ…」
長月「えーと、なんだ…一方、その頃、川に洗濯に向かったお婆さん…」
弥生「その目の前に、突然まさかりが落ちてきて、川の中に沈んでいきます」
多摩「…飛んできたにゃ…」
皐月「すると、川の中から女神が現れこう言うよっ」
文月「貴方が落としたのは、この金の斧ですかぁ?それともこの銀の斧ですかぁ?」
夕張「え…これ、何の話なの…」
望月「いいえ、私が落としたのは明日の着替えでーす…」
三日月「え?…あ、そうか…じゃあ、川の中には、真っ二つなったお婆さんの着替えが浮いていたのでした…」
金剛「ふーむ、これがムカシバナシってやつですかっ」
大鳳「そうね、ぜんぜん違うわね」
はじまりまーす
↑後「提督と木曾さん」
ー竹林ー
鎮守府近海の片隅にある小さな島
何の変哲もないただの孤島ではあるけれど
一つ特徴をあげるのなら「竹」だった
ものすっごい生えていた
島が竹なのか竹が島なのかと言わんばかりに
時期が来れば筍が取り放題でしょう
そんな小さな島に足音が響く
落ちた笹の葉、枯れた枝、それらを踏みしめる度に
小気味良い音が竹林に広がっていった
「…む」
ピタリと足とが止まる。目の前には立派な竹が一本
どうやら1人では無かった様で、3人がその竹を囲むような形となる
大和「あら、球磨さんじゃありませんか。竹藪の中から出てくるものだから、てっきりパンダかと思っちゃいました」
ニコニコと笑顔であからさまな挑発をする大和
球磨「くまくまくまくま♪面白い冗談クマ。大和こそ、1人でどうしたクマ?いい加減叩きだされたのか?」
にまにま と笑顔であからまな挑発をする球磨
大和「あらあらあら♪面白い冗談ですわね、球磨さん」
ジリジリと睨み合う2人。膨れ上がる威圧感で周囲の竹がバチバチと音を鳴らしていた
長門「お、おい…何をそんなに喧嘩腰なんだ、お前らは…」
どうしたものかと思いつつも、長門が間に割って入る
大和「あら、長門さん?」
球磨「いたのか…」
長門「いたさっ、最初からなっ」
スルーされてたことに、ちょっとムッとする長門
球磨「ぴゃーぴゃー言わないから、誰かと思ったクマ」
矛先を大和から長門に切り替え、からかう様な笑みを浮かべる球磨
長門「貴様は…終ったことを持ちだして、随分と狭量だな。デカイのは態度だけか?」
挑発には挑発を、してやったりと笑みを浮かべる長門だが
球磨「くまくまくまくま♪面白い冗談クマ。まさか体までデカイ奴に言われるとは思わなかったクマぁ」
長門「うぐっ…」
言葉に詰まる長門。口喧嘩は弱かった
大和「そんな事より球磨さん?」
球磨「くま?」
大和「そこの竹、頂いても?」
立派にそびえつ竹、その一本を指さす大和
球磨「なにゆえ球磨に聞く?」
大和「一応、この島は貴女達の管轄でしょう?断りくらい入れるのが筋かと」
球磨「真面目だな、そんなもん適当に持ってくが良いクマ」
見ての通り幾らでも生えてると
長門「そうか、では一つ頂いていこう」
長門が手近にあった竹に手を伸ばす
球磨「ん?…気が変わったクマ」
長門「なにを?」
長門が掴もうとしていた竹に、奪うように手を伸ばす球磨
その竹が軋みを上げると、球磨の指が食い込み根本から圧し折られた
球磨「笹食ってる場合じゃねぇっクマっ!」
困惑する長門を置いてけぼりにして
球磨がへし折った竹を、お空の彼方に放り投げた
大和「…お見事♪」(ぱちぱちぱち
小さく手を鳴らす大和。その上空で竹が艦載機にぶつかり撃墜していた
球磨「別に球磨1人でやってもいいが、ちょっと数が多いクマ」
長門「深海棲艦か…いつの間に」
長門の電探にも複数の艦影が映る
大和「ま、良いでしょう…」
そう言って、事も無げに竹を引き千切る大和
球磨「負けないクマ」
そして、再度竹をへし折る球磨
長門「いや、まて、お前ら…何故竹を…」
至極まっとうな疑問であった
大和「長門、竹槍は最強の武器、常識ですよ?」
球磨「古事記にも書いてあるクマ」
長門「…そう、なのか?」
そんな訳はない、が
あんまりにも堂々と言われたものだから、誤認しそうになってる長門だった
球磨「一番戦果の低い奴が罰ゲーム クマー!」
大和「ええ、それで構いません」
竹を担いで、のっしのっしと海に向かう2人
長門「あ、おい…」
大和「長門、戦う気がないのなら、竹竹(だけ)もって帰りなさいな…竹だけに、ふふふふ」
球磨「…」
長門「…」
どうしようもないことを口にして独り微笑む大和
球磨「大和…」
大和「あら?笑ってくれてもいいんですよ?:
球磨「おっもしろくねークマ」
ばっさり切り捨てる球磨ちゃん
大和「むぅ…」
不満そうな大和だった
長門「まぁ、いい…この長門が、敵を前に逃げるなどと」
手近な竹を引っ掴み、叩き折る長門
長門「それに…貴様に合う度に ぴゃーぴゃー言われては敵わんからな」
汚名返上だとさ
球磨「くまくまくまくま♪…全艦、抜錨クマ」
楽しそうに笑う球磨。それも直ぐに一転して、出撃の号令をかけた
「了解っ」
球磨の号令に応えて、3人が戦場に向かっていった
ー鎮守府・執務室ー
皐月「あれ…司令官?」
書類の上を走っていた皐月のペンが止まる
提督「なに?告白なら何時でも聞くよ?」
ソファーの上に転がっていた提督が悪戯混じりに答える
皐月「うん、後でね。それよりも…」
スルーされた
皐月「海域に深海棲艦が湧いてるんだけど…」
机の端に置いていた海域図に、深海棲艦の反応が点灯していた
提督「ああ、それか…」
皐月「…良いの?」
いつもなら飛び起きてるはずなのにと
提督「いいよ…近くに球磨がいるし、何かしらんけど」
皐月「1人で?なんであんな所に…」
これといったものなんて無かったと思うけど…
皐月「あ、でも。1人じゃさすがに危ないんじゃ?」
提督「それがさー、大和と長門もいるんだよねぇ…何かしらんけど」
皐月「なんで大本営と隣の鎮守府の娘がいるのさ」
提督「しらないよ…けどま、これだけそろってりゃどうにでもなるでしょ?」
そういって、そのまま目を閉じる提督。眠る気まんまんだった
皐月「うん、それはそうだけど…起きてるなら少しは手伝ってよ」
何事もなかったように惰眠を貪り始める提督に、苦言を呈してはみるものの
提督「えー、提督に好きって言ってくれない皐月の言うことなんて聞きませーん」
提督が頭から布団を被って断固拒否のポーズを取る
皐月「…」
皐月が椅子から降りる
サイズの合わないその椅子
浮いてた足を床に付けると、ゆっくりと提督の方へ歩いて行く
皐月「…大好きだよ、司令官」
その耳元でそっと囁いた
提督「…バカじゃないの…」
布団の中から小言が漏れる
悪態こそ付いてはいたけれど
声には張りが無く、若干上ずっていた
皐月「にひひひひ。ほら、仕事しなよ?」
照れ隠しに笑顔を浮かべて、皐月が提督の布団を引き剥がす
提督「はいはい…」
この後めちゃくちゃ仕事させられた
ー竹林の島・砂浜ー
長門「ちょっとまて…おかしくはないか」(←小破
疲れた顔した長門が砂浜に膝を付いている
大和「いや、でも長門さん…」(←無傷
球磨「ほんとに竹持って突っ込むとは思わなかったクマ」(←全弾回避余裕
残念な戦艦を見るような目で長門をみる2人
長門「それは、そうなんだが…」
今更になって冷静になる長門
竹槍で深海棲艦に勝てるわけ無いだろう
いっそ素手のが幾分かマシなくらいには
長門「じゃあ、おまえら…その竹は…」
大和「それはだって、竹を取りに来たんですよ?他の人に良いのが盗られた嫌じゃないですか?」
ぎゅっと、大事そうに竹を抱きしめる大和
球磨「人ん家の竹担いで何言ってるクマ…盗人猛々しいとはこの事クマ」
大和「球磨さん、面白くありませんよ」
自分のことは、天井に上げてダメ出しする大和さん
球磨「大和の真似クマー」
大和「え…私、そんなに面白く無いですか…」
なんか肩を落とす大和
人に言われて気づくこともある、成長とはそういうもの
球磨「ま、大和のギャグセンスよりも。今は長門の方が大事クマ」
意外と怖い目をしてる大熊猫の様な目つきで、長門を見下ろす球磨
長門「うっ…」(←戦果低かった人
球磨「さぁ、罰ゲームの時間クマ」
球磨の宣言に、顔が青ざめるのを自覚する長門だった
ー鎮守府・食堂ー
大鳳「織姫と彦星、2人は一年に一度だけ会うことが許されたのでした…めでたしめでたし」
大鳳が七夕によく聞く童話を読み上げていた
弥生「うん、いいお話」
頷きながら、弥生が小さく手を叩いて拍手を贈る
卯月「ちょっと待つぴょんっ、ぜんぜんっ、めでたくないぴょんっ!」
睦月「そうだよっ、一年に一度しか会えないなんて可哀想だよっ」
物語の結末に、お子様たちはご不満のようだった
確かにめでたい話ではないかもしれない
一年に一度しか逢えない、そこだけを切り取るなら悲恋だろうけれど
長月「そうは言うがな。こいつらの自業自得だろう…」
割とリアリストな長月
菊月「なんだ…つまりはゴネ得ということか」
菊月が独り頷く
如月「んー…そういう話でもないのだけれど…」
ゴネ得か、と言われれば否定しづらいのも事実だった
大鳳「そうね、確かにめでたい話ではないわ。けどね、二人とも…このお話は…」
不満気な睦月と卯月に視線を合わせる大鳳
大鳳「好きな事ばっかりやってると、その好きな事も出来なくなっちゃうってお話なの。ね?金剛さん?」
からかう様な笑みを浮かべて、睦月達から金剛へと視線を移す大鳳
さいきん執務室に入り浸っている、金剛へのちょっとした悪戯だった
金剛「HEY,大鳳…」
大鳳のお話を紅茶の肴にしながら聞いてた金剛
手にしていたティーカップをゆっくりと机に戻した
金剛「私はそんなにスウィートではナイヨ?」
そう言って、ゆっくりと立ち上がる金剛が
由緒正しき高速戦艦のポーズを取って宣言した
金剛「天帝が邪魔をするというなら蹴り飛ばしましょう、天の川が遮るというなら干上がらせてみせるデスっ!」
そして更に語気を強める金剛
金剛「BurningLOVE!BurningLOVE!デースっ!金剛の愛は誰にも止められないヨっ!」
キラキラと覇気が輝きが帯びるほど清々しく言い切った
卯月「金剛…カッコいいぴょん…」(きらきらきら
睦月「きゃー♪金剛さんステキー♪」(きらきらきら
菊月「うむ、いい宣言だ。流石だな金剛」(きらきらきら
お子様たちのキラ付が完了した
長月「はぁ…変な影響受けなければいいがな…」
額に手をやる長月
如月「大変ね、お姉ちゃん」
長月「人事みたいに…お前の姉も含まれてるんだぞ…」
弥生「でも…あの3人が大人しくしてるとそれはそれで…」
「…」
そんな光景を想像してみる保護者3名
「あら、如月さん。タイが曲がっていてよ…」(←睦月
お姉様が板に付いてる睦月
「弥生、補給は済ませた?ハンカチは持ってる?」(←卯月
気遣いの出来る卯月
「長月、次の作戦だが…」(←菊月
生真面目な菊月
長月「くそ…始末の悪い…」
見てるこっちが落ち着かない、誰だお前と言いたくなる
如月「ふふ、現状維持ね」
弥生「ん、元気なのは良い事」
少しは大人しくしろ、なんて言いたかったが
それだと今度はこっちが落ち着かない…
馴れてしまったのか、あるいは本当に甘えてるのは自分たちなのか…
大鳳「大丈夫よ、ちゃんと釘は刺すわ」
悩ましげな顔をしている長月の肩に、手を置く大鳳
長月「どうするつもりだ…大分キラキラしているが」
「ばーにんぐらぶ♪」
「Hey!」
「ばーにんぐらぶ♪」
「Come on!」
「ばーにんぐらぶ♪」
「Foooo!」
なんて、調子に乗った金剛が幼女たちに崇められていた
大鳳「まあ、みてて?」
長月「ん、まあ…まかせる」
長月に優しく微笑みかけて、そっと頭を撫でると
お祭り会場に入っていった
大鳳「ねえ、金剛さん。さっきのお話の続きをしようと思うのだけれど?」
金剛「ほほぅ、ついに悪の天帝を懲らしめる時が来たのデスネっ」
いつの間にか悪役にされていた天帝様だった
大鳳「そうね、彦星が天帝様を蹴り上げる所からで良いかしら?」
金剛「YES!鉄拳制裁デスっ!」
大鳳「いいわ。それじゃあ…」
天帝の言いつけに、納得のいかない彦星は怒って天帝を蹴りあげてしまいました
「織姫を返せっ」
「貴様のものではあるまいっ」
彦星の行動に大層お怒りになった天帝は、彦星を国から追い出し二度と織姫と会えないようにしてしまいました
金剛「ストップストーップっ!」
話を続けようとする大鳳を、金剛が大声をだして遮った
大鳳「なにかしら?」
不思議そうな顔をして首をかしげる大鳳
金剛「どうしてそうなったっ」
大鳳「だって…天の神様に一介の牛飼いが手を上げたのよ?」
斬首されないだけ温情ではないのかと
金剛「うっ…それはっ」
まっとうな反論に金剛の口が縫い合わされた
菊月「となると、織姫はどうなったのだ?」
大鳳「そうね…それじゃあ…」
彦星と二度と会えないことを知った織姫は、涙を流しました
それでも言われた通りに機を織り続けます
涙で濡れた糸で機を織る織姫
次第に糸を紡いでいるのか、涙を紡いでいるのかも分からなくなり
涙が枯れ果てた頃、一つの織物が出来上がります
それは、大変美しい織物で、常に涙で濡れたように光り輝いていました
ですが、織姫はその織物を織り上げると同時に姿を消してしまいます
国中の皆で探しましたが、何処にも見当たりません
見つかったのは、枯れ果てた織姫の涙のように、干上がった天の川と
織姫が最後に織り上げた織物が、対岸とを繋ぐ橋の袂に落ちていただけでした…
大鳳「めでたしめでたし」
ぱんぱんっと胸の前で軽く手を叩いて、話を閉める大鳳だった
「…」
一瞬、場が静まり返る…だって、めでたくもなんともないのだもの
金剛「た、大鳳…じ、慈悲は?慈悲は無いのですか?」
恐る恐る救いを求めた金剛
大鳳「無いわね」
ばっさりだった
その慈悲を蹴り飛ばした当人に言われても、といった感じだった
金剛「おーまいがっと!」
大鳳「でもそうね…」
金剛「何デスっ!救いがあるのですかっ!」
身を乗り出して、大鳳に顔を近づける金剛
大鳳「来世で一緒になれると良いわね」
金剛「NOOOOOOO!」
にっこり微笑む大鳳
最後の希望もあえなく打ち砕かれた金剛さんだった
「こんごうっ!」
金剛が叫ぶと同時に、お子様達からも声が上がる
卯月「何してるぴょんっ!」
睦月「ひどいよっ金剛さんっ!」
菊月「おまえ…さすがにやり過ぎだぞ…」
ブーイングの嵐だった
金剛「で、ですが…こんな事になるとはつゆしらず…」
卯月「少しは考えてから行動しろって習わなかったのっ!」
金剛「う、卯月に言われた…」
睦月「暴力はいけないんだよっ」
金剛「はい…」
菊月「川まで干上がらせて…どうするんだ一体」
金剛「デース…」
散々な言われようだった
長月「おまえ、随分とえげつないな…」
長月がちょっと引いていた
如月「釘どころか、杭を刺しにいった感じね…」
弥生「それも心臓に…」
牽制どころか止めになってそうだった
大鳳「童話っていうのは教訓よ?金剛さん、この話で貴女が得るべき教訓は…」
「何事も程々に、ね?」
そんな七夕の日常だった
ー母港ー
球磨「おう、木曾。いい所に、ちょっと手伝うクマ」
木曾「お?」
文月「あ、球磨さん。おかえりー」
後ろから声をかけられ、2人が振り返ってみれば
でかい竹を担いで、そこら中煤けて黒くなってる球磨の姿
文月「あははは、球磨さんってば…」
木曾「パンダかお前は…」
文月の台詞を先取りする木曾
球磨「はぁ…木曾が大和と同じボキャブラリーなのに驚愕を禁じ得ないが
姉ちゃんは優しいからそーんな事は決して口にしないクマー」
棒読みだった
木曾「うぇ、あいつと同じかよ…」
文月「あははは。どんまい木曾さん」
なんて言いつつも、内心「セーフ」とか思ってる文月だった
ー鎮守府・中庭ー
夕日に照らされた中庭に、立派な竹がそびえ立っていた
木曾「ふぅ、こんなもんか…わざわざこんなものまで用意して…」
立派にそびえ立つ竹を見上げる木曾
さすがに穴掘りは疲れたのか、額に流れる汗を手で拭っていた
球磨「こんなの気分クマ、盛り上がるなら手間もかけるさ…さて、折角だし一勝負するクマ」
ぴしっと木曾を指さし宣言する球磨
木曾「勝負だ?何を?」
文月「あ、あたしもあたしもー。まーぜーて♪」
球磨「うむ、文月も良い度胸クマ。それじゃあ、今回はっ」
お題:竹でなんか面白いこと言え
文月「はーい、じゃーあたしから~。えーと…ばんぶーじゃんぷっ!」
竹持って棒高跳びしそうな単語だった
木曾「ああ、なるほど…」
球磨「くまくま、悪くはないクマ…じゃあ、次は球磨の番…ささくれだったささ」
表面撫でたらチクっとしそうな単語だった
文月「あははは、いたそー」
木曾「よく思いつくな、そんな下らんこと」
球磨「ダジャレなんてこんなものクマ。ほれ、木曾の番」
球磨が木曾を小突いて先を促した
木曾「え、あー…そうだな…。えーっと…球磨が竹竹(だけ)持ってきた、どうだっ」
自信満々に裁定を求める木曾
文月「どうかな?」
球磨「大和と同じボキャブラリーなのに驚愕を禁じ得ないが
姉ちゃんは優しいからそーんな事は決して口にしないクマー」(←棒読み
文月「だめだったー」(あちゃー
文月がおでこに手を当てて首を振る
木曾「またかよ…ちくしょう…」
ここに木曾の敗北が確定したのだった
ー
提督「まーた、どっから持ってきたんだよ、これ」
そびえ立つ竹を見上げる提督
皐月「球磨さんが取ってきたんだって。ほら、あの海域に筍取れる島あったじゃん?」
提督「ああ…あったなぁ…」
球磨が単独行動してた理由に合点がいった瞬間だった
睦月「提督、提督っ!」
提督「ん?なにさ?」
睦月「これっ」
元気よく駆け寄ってきた睦月が、提督に短冊を差し出した
【もっとほめてっ!】
提督「…よし、飾っておこう」
竹の枝に適当に括りつけた
睦月「あーっもうっ、睦月のお願いかーなーえーてーよー」
提督の服の裾を引っ張って、ゆっさゆっさと揺さぶる睦月
提督「お星様が叶えてくれると良いな」
ニヤニヤと笑う提督
睦月「あんな有象無象に叶えられる願いじゃないしっ」
天頂に人差し指を突き出して宣言する睦月
夕闇も深くなり、お空にはポツリポツリと星が輝きだしていた
睦月「睦月はっ、提督にっ、叶えて欲しいのですっ、さぁっもっと褒めるが良いぞっ!」
小さな体を目いっぱい広げて、どーんと構える睦月
提督「…睦月」
睦月「ほへ?」
提督が睦月の頭に手を置く
提督「いつもありがとう」
そう言って、睦月の頭を優しく撫でた
睦月「え、あ…えへへへ…うん、苦しゅうないぞ、くるしゅうないない…にひひひ」
一瞬何が起こったのかと、驚いた顔をした睦月だったが
褒められてるのに気づくと、直ぐに嬉しそうに顔を綻ばせた
わっしゃわっしゃわっしゃわっしゃ
睦月がご満悦になってる間に、提督が睦月の頭をかき回していた
提督「はい、ぼっさぼさー」
睦月「ふぁっ!?」
程なくして、睦月の頭がポップコーンになる
睦月「あーん、如月ちゃーん。もーどーしーてー」
提督「あははは」
如月「もぅ、司令官ったら」
駆け寄ってきた睦月を抱きとめて、ぼっさぼさの頭を櫛で梳いていく
皐月「司令官さー…照れ隠しにああいう事するのやめなよ、子供じゃないんだから」
皐月がじとーっと白い目で提督を見てた
提督「…別に照れてないし、ちょっと恥ずかしかっただけだし」
皐月「そういうの照れてるって言うんだよ、知ってた?」
提督「知ってるし…おや」
皐月の視線から逃げていると、ちょうど目の前に如月のものであろう短冊がぶら下がっていた
提督「ふむ…如月は何てかいたの?」
分かりきった問いを敢えて口にする
如月「なぁに、司令官?如月の口から聞きたいの❤」
ぱっちりと、ウィンクをして微笑む如月
提督「そうだな、如月に言わせたいな」
如月「仕方のない人ね…好きよ、司令官」
如月の口から紡がれる言葉
それは何の恥じらいも無く、当然の流れとして耳に届く
提督「ん…ありがと」
如月「あら、司令官からは言ってくれないのかしら?」
微笑む如月が期待の眼差しを提督に向ける
提督「私も…好きだよ、如月」
殊更に冷静を装って、口を開く
多少の照れはあるものの…ま、たまにはいいかと
如月「うふふふ。ありがとう、司令官」
と、そこで元通りの頭になった睦月が飛び出してくる
睦月「提督っ、睦月にも睦月にもっ」
提督「えー…」
睦月「ひどいっ。好きだと言ってよ提督っ!」
告白を要求する駆逐艦の鏡のような娘だった
提督「はいはい。好きだよ、睦月」
睦月「ほんとにっ」
提督「ほんとほんと」
睦月「にゃっしっ。これで睦月は後10年戦えるしっ」
燃費の良い娘だった
ー
睦月達が騒いでる間に、笹の枝に短冊を括りつける皐月
【ずっと皆と一緒に居られますように】
提督「さっちゃん、さっちゃん…」
皐月「なにさ…」
提督「そこ、司令官とーじゃないの?」
人の目もあるし、こんなもんかとも思ったけれど
イジらずにはいられなかった
皐月「またそうやって、ボクの事からかおうっていうんでしょ?」
ふいっと提督から顔を背ける皐月
提督「さっちゃんさっちゃん…」
皐月「今度はなにさ…」
視線だけを提督に向ける皐月
提督「はい、これ」
一枚の短冊を皐月に差し出す提督
【ずっと皐月と一緒に居られますように】
皐月「っ~~」
皐月が言葉をつまらせたかと思えば、一気に顔が赤くなった
皐月「ば、馬鹿じゃないのっ」
提督「ふふっ、さーつーきー」
皐月に後ろから抱きついた提督が、覗きこむようにして皐月に顔を近づける
皐月「ちょっやめ…今こっち見るなぁっ」
よほど見られたくないのか、近づく提督の顔をグイグイと押し返す
まあ、見なくても分かる。耳まで真っ赤だもの
大鳳「ふふふっ、楽しそうね提督、皐月」
提督「おや、大鳳も混ざるかい?」
大鳳「遠慮しておくわ、皐月が妬いてしまうもの、ね?」
皐月に笑いかける大鳳
皐月「別に、ボクは…そんな」
ぶつぶつと何かに言い訳しながら、俯く皐月
大鳳「うふふ、可愛いわね」
提督「知ってる。それで、大鳳のお願いごとは?」
大鳳「私?そうね…ぱっとは思いつかなくて」
大鳳が白紙のままの短冊をヒラヒラさせてみせた
大鳳「提督は何を書いたのかしら?」
提督「私かい?私はねー」
そう言って、先ほどの短冊【ずっと皐月と一緒に居られますように】
を、見せようとした所で
皐月「うわぁぁっ、だめっ、だめだってっ!?」
提督「あ」
大鳳「あら」
皐月に奪い取られた
提督「皐月?」
大鳳「皐月?」
皐月「ぅ…」
2人にじーっと見られて、居心地が悪そうに目を逸らす皐月
大鳳「…いいわ、見なかったことにしましょう」
皐月「うん、ありがと…」
大鳳「どういたしまして」
笑顔の大鳳に、小さく頷く皐月だった
提督「となると私のお願いごとは…」
短冊を取り出してスラスラと文字を連ねる
【世界平和】
提督「これでどうだ」
大鳳「素敵ね、提督が書いたものじゃなければ」
割りと辛口な大鳳さん
提督「おやおや、これでも真面目に書いてますのよ?」
大鳳「世界の前に「自分の」って書き忘れては無いかしら?」
提督「よくお分かりで」
大鳳「提督の事だもの…」
微笑んだ大鳳が、白紙だった短冊にペンを走らせた
【世界平和】
提督「世界の前に「自分の」って書き忘れてないか?」
大鳳にオウムを返す提督
大鳳「忘れてなんていないわ。だって、これで提督とお揃いでしょう?」
提督「…」
笑顔を浮かべて、提督の顔を覗き込む大鳳
提督「恥ずかしい…何言ってんのさ」
大鳳「何度だって言えるわ。それにね、提督…」
そっと、提督の傍に身を寄せる大鳳
大鳳「書き忘れてるとしたら、そこは「自分の」ではなく「貴方の」よ」
それが当然の願いだと言いたげに、大鳳が短冊を竹へと結びつける
提督「大鳳…」
大鳳「なぁに?」
提督「今こっち見んな…」
殺し文句だった…勝てる気がしなかった
大鳳「ふふ、はいはい」
大鳳から思いっきり顔を背ける提督
そんな提督の傍に寄り添ったまま、夕闇に落ちる空を見上げる大鳳
大鳳「…良い風ね」
彼女の頬を優しい風が撫でていく
皐月「ほっ…」
自分から狙いがそれて、とりあえず胸をなで下ろす皐月
提督から奪った短冊をポッケに押しこむ
その中にもう一つ…【ずっと司令官と居られますように】
なんて書いてある短冊が入っていた
ー
【もっと素直になれますように】
三日月「…」
自分で書いた短冊をしばらく眺めた後
急に顔を赤くして、ぐっと短冊を握った手に力を込める
望月「はい、ストーップ」
三日月「うっ…望月…」
短冊に皺が寄る前に、その手を望月が掴んで止める
望月「素直にーって自分で書いといてさー」
三日月「だって…こんな…はずかしぃ…」
短冊を握る手から力を抜き、顔を俯かせてしまう
望月「いっそさー、「司令官大好きっ♪」くらい書いたら吹っ切れるんじゃね?」
三日月「か、かけるわけないじゃないっ、そんなのっ」
望月「こーれ」
ちょんちょんっと、三日月の短冊を指さす三日月
三日月「うっ…そ、そういう望月は何を書いたのよ」
望月「ん?あたしかい?」
話題を逸そうと、望月の短冊を覗きこむ三日月
【世界平和】
三日月「…なに、これ?」
望月が見慣れない単語を書いてることに、困惑する三日月
望月「世界平和だよ。おかしいかい?」
三日月「おかしくは…ないのだけれど…」
そう、おかしくはない。これを書いたのが望月で無いのなら
これならいっそ、【万年床】とでも書いてもらったほうが安心できると思う
望月「よっと…よし♪」
背伸びをして短冊を竹へと括りつける望月
大鳳とお揃い→x 提督とお揃い→◎
そんな内心は顔にはださず、満足気に作業を完了させた
望月「ほら、三日月も?」
三日月「う、うん…でも、こっちで…」
【皆の願いが叶いますように】
別に用意していた短冊を、望月の短冊の隣に括りつける
望月「…随分と遠回しだな、おい」
三日月「べ、べつにいいでしょっ」
ふいっとそっぽを向いて歩き出す三日月
望月「先は長そうだな…やれやれ」
その後に望月も続いていった
【皆の願いが叶いますように】
皆の中に忍ばせた、自分の想いと願いが叶いますように…
そんな淡い期待をする三日月だった
ー
北上「大井っちは、お願い事決まった?」
自分の短冊をヒラヒラさせている北上様
折角だからと思いはするものの、これと言って思いつかないようだった
大井「私はもう叶ってますので」
笑顔で答える大井
北上「ほほぅ?なんだいなんだい、お姉さんに教えてごらんよ?」
ぬるぬると大井に這いよる北上様
大井「ひーみーつーでーすー。こういうのは言わないのが華なんですよ?」
北上「まぁ…そうねぇ。じゃあー北上さんは…これでいいかな」
白紙だった短冊にペンを走らせる
【提督、あいしてるよーん】
大井「…ツッコミ待ちですか?」
本気とも冗談ともつかない文面に、大井が反応に困っていた
北上「えー割と本気なのにー」(←棒読み
大井「だったらもう少し可愛らしく書いてくださいな…」
やれやれと息を吐きだす大井さん
北上「やだ、そんなの恥ずかしいじゃんかさ~」
乙女心を上塗りして もじもじする北上様
大井「はいはい…でも、あの人にそんな事言っても調子に乗るだけかと思いますけど」
大井が視線を提督の方に向けてみれば、丁度大鳳が擦り寄ってる所だった
大井「…(あら、案外そうでもないのかしら)」
北上「調子に乗るならそれでもいいさ。男を立てるのも良い女の条件だからねっ」
鼻息を高くして、北上がささやかな胸を張る
大井「…でも、ロリコンですよ?あの人」
北上「…そうねぇ、そうよねぇ…」
萎んだように肩を落とす北上様
大井「ふふ。ま、ロリもいけるだけって公言はしていたけれどね」
喋りながらも、がさごそと竹に短冊を括りつける大井
北上「おや?お願い、叶ってるんじゃないのかい?」
大井「ええ、私のは…なので」
【好きな人が幸せでありますように】
大井の短冊にはそんな願いが書き込まれていた
北上「ほほぅ。大井っちの好きな人って誰さ?お姉ちゃん気になっちゃうなぁ」
再度、ぬるぬると大井に這いよる北上様
大井「そんなのもちろんっ、北上さんですっ❤」
北上の手を取り抱きしめる大井
北上「私も大好きだよー、大井っち♪」
はぐっと抱き合う2人だった
ー
菊月「長月 長月っ、どうだっ」
長月「ん…お前は…」
【もっとかっこよくなりたい】
自慢気に差し出された短冊に、ちょっと気の遠くなる長月だった
菊月「ん?変…だったか?」
長月「いや…お前らしいなって」
そう言って菊月の頭をそっと撫でる
菊月「うむ、ごーいんぐまいうぇいってやつだっ」
長月「何処で覚えたんだ、そんな言葉」
菊月「金剛だっ」
長月「…(やっぱり杭を刺しておいて良かったかもしれん)」
妹の成長に気を揉む長月だった
菊月「長月は何を書いたんだ?」
長月「私か?ほら、月並みだがな」
【皆が無事で過ごせますように】
菊月「ふむ…」
長月の短冊を見て、少し考えこむように口元に手をやる菊月
皆が無事にか…わざわざ願うという事は、何か不安でもあるのだろうか?
不安か…不安とは何だ、どんな効果だ、いつ発動する?
分からん…が、そうだな
長月「どうした?」
菊月「安心しろ長月、私は元気だっ」
そう結論した菊月
ぐっと拳を握りこみ、心配ないとアピールしてみる
長月「ふふっ…そうだな、お前はいつも元気だよな」
妙な心配をさせてしまったか、とは思うものの
気を使ってくれた事が素直に嬉しかった
菊月「どうした?何かおかしかったか?」
長月「いや、カッコいいぞ菊月」
菊月「うむ。おふこーす、当然だ」
拙い英語でこたえる菊月
小さな胸を張って、自信満々だった
どうにも、英語で答えるのがマイブームと言った風だった
長月「…何処で覚えたんだ、そんな言葉」
聞かなくても予想は付くが、念のため
菊月「金剛だっ」
長月「そうか…」
後でとっちめよう…なんて思う長月だった
ー
卯月「ずいほーずいほー」
へ○ほー見たいな発音で、瑞鳳の名前を呼びながら
卯月がたたっと、瑞鳳に駆け寄る
瑞鳳「なによ?」
卯月「お願い書けたぴょんっ!」
【ずいほうのむねが大きくなりますように】
構って欲しそうな顔で笑いながら、短冊を掲げてみせた
瑞鳳「…ちょっと待ってなさい」
卯月「ぴょん?」
【卯月の頭が良くなりますように】
白紙だった短冊に、瑞鳳がさっとペンを走らせて、お願いごとを書き上げた
卯月「むむっ、ちょっと待つぴょんっ」
【ずいほうのブラがキツくなりますように】
後ろを向いてサクッと書き上げると、再び瑞鳳の前に掲げてみせる
瑞鳳「あんたって奴は…」
再び短冊にペンを走らせる瑞鳳
【卯月の馬鹿が治りますように】
卯月「それだと、うーちゃん馬鹿って言われてるみたいぴょんっ」
瑞鳳「そう言ってんのよっ、ばーかっ」
卯月「ぶー、それじゃーそれじゃー」
瑞鳳「まだ何かあるの…」
三度、短冊に想いを綴る卯月
【ずいほう…】
と、そこまで書いて卯月の筆が止まる
卯月「…」
「好きな事ばっかりやってると、その好きな事も出来なくなっちゃうってお話なの」
ふと、思い出される大鳳の言葉
確かにこのまま筆を走らせれば、期待通りの反応が見られるのかもしれないけど…
卯月「…ぴょん」
再び動き出す筆
そして、書き上がった短冊を瑞鳳の前へ
瑞鳳「いい加減にしないと…へっ?」
卯月「にひひひ♪」
目の前には短冊と卯月の笑顔
右往左往と彷徨った瑞鳳の視線が、短冊の上に舞い戻る
【ずいほう大好き】
瑞鳳「な、何よ急に…どうせまた、うそぴょーんとか、いって」
予想外の展開に、瑞鳳の思考が止まりかける
卯月「ぶー、こんな事で嘘つかないぴょん。卯月は瑞鳳の事大好きだぴょんっ」
瑞鳳「っぅ…。ば、ばかじゃないのっ!」
ツンデレ宜しく、勢いよく明後日の方に顔を逃がす瑞鳳
卯月「それはさっきも聞いたぴょーん」
ちょっんと、瑞鳳の正面に移動して、下から瑞鳳の顔を見上げる卯月
卯月「ねー、瑞鳳。治したほうが良いぴょん?」
上目遣いで小首を傾げて、愛らしい笑みを浮かべる卯月
そして、自分の馬鹿は治すべきなのかと、問いかける
瑞鳳「う、あ…」
それはだって、バカは治した方が…
あ、でも直しちゃったら好きって言ってもらえな…
ん?すとっぷ、すとっーぷ!私よ止まれ
何を考えてるのよ…別に卯月に好きとか言われたって…
そんなの…別に…ねぇ?
卯月「ずいほう、ずいほう♪」
瑞鳳の体に手を回しじゃれつく卯月
瑞鳳「も、もう…あっち行きなさいよ…」
卯月の肩に手を置いて引き剥がす
卯月「瑞鳳は「好き」って書いてくれないの?」
目尻に涙を湛える卯月
瑞鳳「うっ…」
何を泣いてるのよ、この娘は…
バカなんじゃないの…治せって言ったのに
そんな顔されたら…私が、バカみたいじゃないの…
瑞鳳「…あーもうっ!」
何かを振り払う様に声を上げる瑞鳳、そして…
【卯月 大好き】
【瑞鳳大好き】
書いちゃった
竹の枝葉に仲良く並んだ2人の短冊
卯月と大好きの合間が目いっぱい離れてるのは最後の抵抗だった
卯月「にっひひー。瑞鳳とおそろいぴょーん♪」
瑞鳳「もぅ…なんなのよ、今日のあんたは…」
いつもと違うじゃれ方をされて、どーんっと疲れた瑞鳳だった
ー
弥生「…こう、かな?」
【卯月X瑞鳳】
弥生「…こっち、かな?」
【瑞鳳X卯月】
何やら二枚の短冊を見比べている弥生
弥生「どっち?」
悩んだ末に、文月の前に2枚の短冊を掲げる弥生
文月「あははは…どっちでもないよー、戻っておいでお姉ちゃーん」
苦笑いを隠しきれず、曖昧な笑みを浮かべる文月
弥生「むぅ…じゃあ…」
さらに短冊に書き込む弥生
【卯月X瑞鳳X文月X弥生】
弥生「うんっ」(どやぁ
文月「やめてっ!」
弥生「あ」
ものすんごい勢いで、弥生の手から短冊を奪い取り、塵芥に返す文月だった
弥生「もぅ…ただの冗談」
さわさわと、文月の頭を撫でる弥生お姉ちゃん
文月「真顔でやられたら本気にしか見えないよぉ…」
表情が固いのも困りモノだった
そうして飾られる2人の短冊は
【みんなで笑顔】
【瑞鳳X卯月】
弥生「うん、いけるっ」
文月「いかないでっ」
弥生「大丈夫、ただの冗談」
くすっと、小さく笑う弥生
文月「…」
そこで文月は理解する
あ、これ…冗談って言ってるのも冗談だ
姉の真意が読めない文月だった
ー
夕張「金剛さん?どうしたの、筆が進んでないみたいだけど」
後ろから金剛の短冊を覗きこむ夕張
それが白紙だったことが気になって声をかけていた
金剛「oh夕張…いえ、ちょっとなんと書いたら良いものかと」
お悩みのようだった
夕張「なにって、そんなの…いつもみたいに「Burning LOVE❤」とか「提督、愛してるヨー❤」とか、書けばいいじゃない」
ちょっと金剛の口調を真似てみる夕張
金剛「夕張…あんまり似てないです」
ダメ出しされた
夕張「う、うるさいわね。言わないでよ、恥ずかしいじゃない」
金剛「sorry、ですが…」
夕張「なにかあったの?」
金剛「いえ、それが…天帝を蹴っ飛ばしたら天の川が干上がってしまいまして…」
夕張「???」
夕張の頭に湧き上がる疑問符
天帝と天の川って、七夕のお話よね…でも、蹴っ飛ばして干上がるって何?
大鳳のお話が軽く胸に突き刺さってるのに、夕張が気づくわけもなく
金剛「なにかこう…オクユカシイ言い回しとかはないものでしょうか?」
夕張「奥ゆかしいねぇ…あ、それなら」
ぽんっと手を合わせる夕張
夕張「月が綺麗ですね、なんてどう?」
金剛「月?それはまあ、いつも綺麗ですが…」
夕張「ふふ、そうじゃなくてね」
ごにょごにょっと、その意味を金剛に伝える夕張
詳しくは「月が綺麗ですね」で検索してね
金剛「Wow…そんな素敵な言葉が」
夕張「提督が知ってるかは分からないけどね」
金剛「いえ、大丈夫デスっ。なんか知ってる気がするネっ」
夕張「うん、まあそれは何となく分かるけど」
いらん事は無駄にしってたりする提督だった
金剛「そういえば、夕張のお願いごとは何デスか?」
夕張「これよ?」
【もっと良い装備を頼む】
夕張「こんな呑気な事やってるけど、戦時中だしね?」
金剛「夕張っ!」
ガシッと夕張の手を握る金剛さん
夕張「ちょっと、金剛さん?」
金剛「ならば今すぐ46cm砲の改修をっ」
夕張の手を力強く握りしめ、熱いまなざしを送る金剛
夕張「むーり♪」
ちょー笑顔で答える夕張さん
金剛「Why!?何故デースっ」
夕張「そんな資材無いっての、卯月達の主砲に使っちゃってすっからかーん、でっす♪」
ないないっと両手を振る夕張さん
金剛「何という…」
がっくりと肩を落とす金剛
夕張「ま、そのうちね」
金剛「ぶー、絶対ですからネっ」
夕張「はいはい、それより。さっさと飾っちゃいましょ」
金剛「OK」
2人で仲良く、短冊を枝に括りつける
夕張「あ、金剛さん。そっちの枝の方が目立つんじゃない?」
金剛「Thank you夕張。そうするデース」
夕張「見つけてもらえるといいわね」
金剛「ふふふふ、いざともなれば目の前に突き付けてやるのデース」
とりあえず、いつもの金剛にもどったの確認して一安心の夕張だった
ー
【M・V・P】
デカデカと短冊いっぱいに書かれた3文字が、竹に括られ風に揺れていた
木曾「MVPってお前なぁ…もうちょっとなんか無いのか?」
球磨「最近のレディの嗜みクマ。木曾みたいなお子ちゃまには分からん話クマ」
木曾「そうかよ…」
いつもの事かと、球磨の戯言を聞き流す木曾
多摩「木曾、多摩のもその辺にぶら下げてて欲しい」
木曾「あ?」
差し出された短冊受け取る
【週休5日…三食昼寝付き】
木曾「おい、働け」
多摩「にゃにを、2日も働いてるにゃ。これでも譲歩してるはず」
木曾「何処がだよ」
多摩「足りない分は木曾がやってくれるって信じてるにゃ」
ぽんっと木曾の肩に手を置く多摩
木曾「そんな信頼はいらねーよっての…たく」
しぶしぶながらも、枝に多摩の短冊を括りつける
木曾「それじゃ、俺は行くぜ」
外套を翻し、そそくさ立ち去ろうとする木曾
球磨「どこへ?」(ゴゴゴゴゴゴ
木曾「うっ…」
球磨が威圧感だけを増大させ、言葉だけで木曾の足を縫い付ける
球磨「まださっきの罰ゲームが終ってないクマ。忘れたわけではなかろう?」
木曾「…」
多摩「きそぉ…また負けたの?」
木曾「あ、そうだ。多摩、お前もやれっ」
生贄を確保しようと必死な木曾さんが、多摩の肩を掴む
多摩「にゃ?」
木曾「いいだろっ、球磨」
球磨「別に構わんクマ」
多摩「多摩に何をしろと?」
お題:竹でなんか面白いこと言え
多摩「何だそんなの…竹を使って木曾がリンボーダンスしてるのを想像するだけで、面白すぎるにゃ」
球磨「ぶふっ!?」
一瞬にして球磨が吹き出す
木曾「くそ…なんか、卑怯くせーぞ」
多摩「ダジャレなんて言われてにゃいし」
結果は覆らず、木曾の敗北だけが積み重なる
ー
木曾「…」
こそこそと、竹の影に隠れて、短冊を結びつける
木曾「…」
辺りを見回し、誰も見てないことを確認して、ほっと胸を撫で下ろした
こんなの見つかったら、どんだけ からかわれる分かったものじゃないと
如月「…ダメよ木曾さん。そういうの直接言わないと、司令官のネタにされるだけよ?」
気付けば、如月が木曾の括りつけた短冊を覗きこんでいた
木曾「うぉぉぉっ!?お前っどこから湧いたっ」
如月「もう、女の子を前に失礼しちゃうわね。これは没収でーす」
如月が木曾の短冊を手の中に収める
木曾「返せってっ」
如月「イヤよ?」
奪い取ろうと伸ばされた木曾の手を、するりと避ける
如月「返して下さい、でしょう?」
ニッコリと意地悪に笑う如月
木曾「…か、かえして下さい…」
実力行使…一瞬そんな選択肢も頭には浮かんだが
そんな騒ぎを起こしては本末転倒だと、なんとか思いとどまる
如月「お願いします?」
そして、踏みとどまった木曾の足元を見る如月
木曾「お、お願いします…」
如月「やーだ♪」
ニッコリと笑顔でお断りされた
木曾「お前はっ」
実力行使が採択された
だが、木曾が駆け出すよりも一足早く、如月が逃げ出す
卯月「あ、木曾が如月襲ってるぴょん…」
きゃーきゃー♪言いながら逃げまわる如月を、わーわー!言いながら木曾が追いかけてた
長月「何やってんだ、あいつらは?」
三日月「…珍しい、如月が悪戯してるなんて」
望月「…あれでも、あたしらの姉って事なんでしょ」
長月「どういう意味だよ…」
弥生「こういう意味…」
弥生が睦月の手を掴んで引き寄せる
睦月「お姉ちゃんだよっ!」(←ネームシップ
呼ばれた長姉が調子に乗って、決めポーズ
百聞は一見にしかずだった
長月「…」
頭が痛い
それは、睦月のことは好きだけれど…
睦月型が皆して「にゃしー」とか言ってる風に思われるのは、ちょっとアレな気がする
文月「じゃーこっち?」
文月が卯月の背中を押して、前に出す
卯月「お姉ちゃんだぴょんっ!」(←ネームシップその2
長月「…」
それはだって、姉妹艦だ
目に入れても痛くはない…いや、ちょっと余るかもしれんが
長月「…三日月、すまない少し」
三日月「え?長月…」
そっと、三日月を抱き寄せる長月
長月「はぁ…三日月は良い子だなぁ」(←現実逃避
三日月「え、あ、うん。ありがと…」
さわさわと、三日月の頭を撫でる長月
貴重な真面目枠に癒やされていた
菊月「むぅ…」
なにやら、ほっこりしてる長月を見つめる菊月
望月「撫でて貰いに行けばいいじゃんか?」
そんな菊月を望月がつっつく
菊月「何を…そんな子供ではないさ」
望月「言うほど大人でもないだろ」
菊月「そんな事は…」
長月達から視線を外す菊月
だが、気にはなるのか、時折戻りそうになる視線を押さえつけていた
望月「…お姉ちゃん♪」
菊月「な、なにをっ」
ふいに、菊月に抱きつく望月
望月「ほら、妹が甘えてるんだぜ?可愛がれよ?」
随分と上から目線の妹君だった
菊月「む、可愛げのない妹だな…」
望月「嫌いかい?」
菊月「いや、それもいい…」
ぺたぺたと、たどたどしい手つきで、望月の頭を撫で始める菊月
望月「…菊月ねぇ、撫でるの下手だな」
菊月「う、うるさいなっ」
いつもは、撫でられる側の菊月が
頭の撫で方なんて知ってるわけもなく
そんなこんなで、更けていく七夕の夜だった
ーおしまいー
ー
長門だ。此処から先はおまけとなる
大和です。具体的にはあの後の長門さんと、私のお話ですね
長門さんがお嫁さんの方たちは気をつけてくださいね♪
「…次は勝つさ」
「意地だけでは勝てませんよ?」
それでは、始まります
ーXX鎮守府・正門前ー
阿賀野「ふひゃひゃひゃっ…ひふふふふ…wwwwww]
これである
開幕からの阿賀野姉の大爆笑
お腹を抱えて芝生の上を転がり、時にはバンバンと芝生の上を叩く
これである
派手に悶えるものだから、芝生が体中にコーティングされ
更には、ただでさえ丈の短いスカートに、裾の短い制服が捲れ上がってあれな事になっていた
これである
いつき「…」(←この鎮守府の提督。男の子
そっと、自分の艦娘から目を逸らす提督
そんな残念な阿賀野姉の体でも、やはり気になる年ごろだった
さて、事の発端だが
きらりーんっと可愛らしくポーズを決め、どこかの軽巡の真似をする長門…結構上手かった
竹を持ち帰り、正門前の広場に突き立て、皆を集めた後の長門の第一声
別に頭のネジが飛んだわけではない
先刻の罰ゲームのお題がこれ
「そうだな、皆の前で艦隊のアイドル~(以下略)ってやってくると良いクマ」
「恥ずかしそうにやると、余計恥ずかしくなりますから、はっちゃけてやってくださいね」
とのお達しだった
別に無視しても良かったろうに、素直にやっちゃうあたりは
律儀というか、馬鹿正直というか
長門「では…失礼する」
いきなりの事に、言葉をなくす一同の前から足早に立ち去る長門
後に島風は語る「すっごい、速かったよっ」って
具体的には、競歩で26ノットは出ていただろうとの事だった
そして、最初に戻る
正気を取り戻した阿賀野が爆笑し、その笑い声が皆を現実に引き戻す
能代「あ、阿賀野姉…笑いすぎ…」
なんて言ってる本人の体も小刻みに震えてはいる
酒匂「能代ちゃんっ、大変だよっ、矢矧ちゃんがっ」
矢矧「ふふっ…大丈夫よ、酒匂…矢矧はこの程度で…」
沈んだりしそうだった
体を丸めてしゃがみ込む矢矧
笑ってしまいたい欲望と、それを留める理性とがせめぎ合って
目をグルグル回していた
葛城「私…長門ってもっと怖い人かと思ってたわ」
見送る葛城の先には小さくなった長門の背中
雲龍「あの方は、何処に向かっているのでしょうね?」
天城「いえ…まっとうな戦艦でいたいだけかと思いますが…多分」
あまりの事に断言しきれなくなってる天城
雲龍「そうね…連合艦隊旗艦だもの。アイドルと言われればそうなのかもしれないわ」
天城「そう…ですね」
否定しようとも思ったが、間違ってもなさそうなのが厄介だった
天津風「なによ…今の…」
放心気味に言葉を漏らす天津風
時津風「笑えばいいと思うよー?」
雪風「え、でも…」
にやにやと長門を見送る時津風と、困惑気味の雪風
島風「ねー提督、早く短冊かざろーよー」
いつき「ははは…そう、しましょうか」
去るもの追わず、往くもの止めず
完璧にスルーしてる島風の反応は長門には幸なのか不幸なのか
そうして、竹に短冊が飾られる
【来年も皆で七夕が迎えられますように】
海風に揺れる短冊には、一様に同じ願いが並んでいた
いつき「皆で同じお願い事にしませんか?」
との、いつきの提案だった
1人で願うより、皆で願ったほうが叶いそうじゃないかって
いつき「…それに、まあ。僕も着任して日が浅いですし、皆との思い出が欲しいかな、と…ははは」
照れ隠しに曖昧に笑う いつき
その顔に、「しょうがないなぁ」なんて、ニヤけた艦娘たちの視線が集まっていた
ー
ー大本営・中庭ー
中庭という名の日本庭園
青々とした木々が綺麗に配置され
その隙間を穏やかな河の流れが縫い合わる
流れる水音が風鈴と合わさり、涼を誘い
水面に顔をだしたアヤメが目にも鮮やかだった
みつよ「大和っ」(←大元帥閣下。幼女、見た目は
そんな庭園の一角。その全てを見渡せる畳間から声が上がる
大和「はい」
名前を呼ばれるか、それより早くに大和が動く
畳の上に広げられる短冊…ではなく掛け軸
みつよ「大潮っ」
大潮「こちらにっ」
控えていた大潮が、ささっと墨の溜まった硯と でかい毛筆を用意する
みつよ「それじゃあ、書くわっ」
墨を染み込ませた毛筆を握りしめ、一息で書き上げる
意外と達筆だった
大和「流石です、おひいさま♪」
大潮「おひいさま、かっこいいですっ♪」
みつよ「当然よっ!」
大絶賛の駆逐艦と戦艦からの煽りを受け、無い胸を張る みつよ様
龍鳳「クーデターでも起こしそうな勢いですねぇ」
優しい笑みを浮かべて、楽しそうな3人を眺める龍鳳
大淀「しませんよ、あの子はそんな事…」
多分に、征服したいのは向こう側…深海の方なのだろうけど
龍鳳「冗談ですよ、ふふふ♪ でも…」
でももし、彼女がそう言い出したのなら…
大淀「龍鳳?」
途中で区切られた言葉が気になり、先を促す大淀
龍鳳「なんでも。さ、おやつでも持ってきましょうか」
その視線を笑顔で遮り、奥に下がる龍鳳
大淀「…手伝いましょう」
その後に大淀も続く
気にはなるが、問い詰めるほどでも無いかと
ー
でかい掛け軸をもって、竹の前で背伸びをする みつよ様
つま先が震えるほどに背を伸ばしても、思う場所には てんで届いていなかった
みつよ「…大和っ」
大和「はい」
そっと、みつよ の両脇を掴み抱き上げる大和
そのまま肩車の体勢に移行しようとした所で…
ゴンっ…!
乾いた音が畳間に響く
そして、何かに引っ掛かり大和の手がとまった
みつよ「…痛いわ…大和」
畳間の屋根、その雨避けに みつよの頭がぶつかっていた
大和「…おひいさまの頭にぶつかるなんて…こんな屋根があるから…」
声を震わせた大和が、いきなり艤装を展開して、51cm砲を屋根に向ける
大潮「ちょっ、止まって下さい大和さんっ、流石に屋根をふっ飛ばしたら大淀さんにぃぃっ」
大潮が大和の腰の辺りにしがみついて、なんとか押しとどめようと声を上げる
大和「む…ですが」
みつよ「止めなさいな、大和。この屋根はここに居るって仕事をしてるのよ。悪いのはぶつかった私のほうねっ」
ぶつけた頭をさすりながら、大和を止める みつよ
大和「むぅ…おひいさまがそう仰るなら…」
しぶしぶ艤装をたたむ大和
みつよ「背が大きいのも大変なのねっ」
大和「そういうこともありますね、確かに」
みつよ「でも私は大きいほうが良いわねっ」
大潮「はいっ、大潮もそう思いますっ」
「だって…そっちの方がカッコいいものっ(じゃないですかっ)」
幼女と幼女。2人の思惑が一致する
大和「うふふふ、そうですね」
みつよを肩に乗せて、竹の前まで移動する大和
そうして、立派な日本庭園の一角に、デカデカと「世界征服」の文字が飾られた
龍鳳「みなさーん、おやつの時間ですよー」
畳間から龍鳳が3人を呼ぶ
みつよ「大和っ」
大和「はい」
みつよを肩に乗せたまま、畳間に戻ろうと足を動かす
大潮「あっ、大和さんっ」
ゴンっ…!
みつよ「痛いわ…大和…」
大和「ごめんなさい…」
おやつを食べる みつよ様のおでこに絆創膏が追加されていた
ーEX:その後の2人・おしまいー
はい、というわけで最後まで読んでくれた方。本当にありがとうございました
貴重な時間が少しでも楽しい物になっていれば幸いです
それではこの番組は
北上「ふーん…じゃあ。それを不憫に思った女神様は、お婆さんに金の斧と銀の斧を手渡しました」
提督「なぜ続いたし…」
大井「…その話を聞きつけた隣のおじいさんとおばあさんが、自分も貰ってこようと斧を持って…山に入るわ」
多摩「おじいさんが山に入ると、手負いの熊が現れるにゃ」
如月「あ、さっきの熊ね…」
睦月「生きてたかっ」
球磨「くまくまくまくま♪手負いの熊は機嫌が悪かったクマ。おじいさんを見つけると、襲いかかったクマー!」
木曾「「あーじゃー、じいさんは熊にボコボコにされ、その勢いで斧がどっかに飛んでくぜ」
長月「やっぱり、さっきの爺さんなにものだよ…」
菊月「きっと筋骨隆々とした大男だったんだろうなっ」
瑞鳳「えと…それじゃあ、その頃、洗濯中のお婆さんの所に斧が飛んでくるわ…」
卯月「ずいほー、それじゃ普通過ぎるぴょん、何か面白い事いうぴょーん」
やよい「お婆さんの背中に斧が突き刺さるくらいするべき…」
瑞鳳「うっさいわよっ、そこっ!}
夕張「あー…うん。すると、川の中から女神現れこう言います…私に斧を突き刺したのは貴女ですね?」
皐月「女神様っ!?」
文月「川の水が赤く染まるよぉ~」
金剛「た、大鳳…どうするデースこれ、オチはオチはっ」
大鳳「どうしましょうか…」
望月「おーおー、悩んでるねぇ…」
三日月「それはまあ、あんなムチャぶりされれば…」
大鳳「それじゃあ…驚いて逃げ帰ったお婆さん。しかし、家にはおじいさんの姿は無く、戻ってくることもありませんでした」
金剛「お、おぅ…あー。欲張ってはダメってお話ネっうんっ」
もろもろのメンバーでお送りしました
ー
ー以下蛇足に付きー
ー
♪教えて皐月ちゃんのコーナー♪
皐月「…前書きと後書きのあれは何?」
提督「日本昔話(仮」
皐月「いやいや、仮どころか未満でしょ」
提督「細かいことはいいんだよ」
皐月「細かいかなぁ…」
皐月「そいえば、結局 最後に木曾さんは短冊になんて書いてたんだい?」
提督「クタマが言いそうで、それをネタに木曾がイジられそうなこと」
皐月「くたまって…そんな略し方しなくても…」
提督「ご想像にお任せしますってやつだな」
皐月「人、それを丸投げという」
提督「あー聞こえませーん」
皐月「…司令官、大好き…」
提督「わんもあぷりーず」
皐月「聞こえてんじゃんか…」
♪皐月ちゃんラジオ♪
皐月「はい、それじゃいつものお手紙という名のコメント返しだよ」
提督「いつもと言えるだけコメントが付くようになったのな…」
皐月「うん、しかも今回はいつもより多いよ。皆ありがとなっ」
・睦月型好きにはオススメ
・睦月型を遠征でlv50に
・皐月や三日月のお願い事
・察して
・みんな戦闘のプロやなぁ...
・菊月の主砲
・ぜかまし親衛隊
・XX鎮守府の将来
・皐月ちゃんに野獣の幻影
・世に文月のあらんことを
・ガンダムネタ
・撃ちたくない~
・面白かったです、次回も楽しみに待ってます(←いっぱいあった
皐月「今回はこんな感じだねっ」
提督「ほんとに多いな…尺足りるか?」
皐月「分かんないから、さくっと行こう」
・睦月型好きにはオススメ
皐月「オススメしてくれて、ありがとうね」
提督「文月辺りは良く話に出るんだけどな」
皐月「世に文月のあらんことおーってやつだね」
提督「あと皐月も」
皐月「ボク?」
提督「ほら、「可愛いねっ」なんてよく言うから、お前のほうが可愛いって、さ?」
皐月「うっ…」
提督「あ、これね?照れてるんですよ?」
皐月「うるさいよっ」
提督「なはははは」
・睦月型を遠征でlv50に
提督「東京急行いけるようになったら、80くらいまでなら直ぐ上がる」
皐月「思った以上に経験値貰えるんだよね、あの遠征」
提督「たまに大成功挟むからな」
・皐月や三日月のお願い事
提督「予想通りだったかな?」
皐月「何を予想されてたのか、凄い気になるんだけど…」
提督「皐月がポッケに隠してた短冊に書いてたことじゃない?」
皐月「うっ…次行くよ」
提督「はいはい」
・察して
提督「ふむ…察して」
皐月「あははは…次行こうか」
・みんな戦闘のプロやなぁ...
提督「怖がられてる…」
皐月「大鳳さん以外だと、ボクらの艦隊ちょっと古かったり何だったりするから、埋められる所は埋めないとって」
球磨「艤装が古いとか言い訳してる暇あったら、魚雷の一つでもブチ込むクマー」
提督「御覧ください、こちらが家の方針です」
皐月「完全に脳筋だね…」
・菊月の主砲
提督「大丈夫、弾薬消費が倍になろうが所詮駆逐艦の消費でしか無いし」
皐月「なんとは言ってもB型改2だしね」
提督「理論値だと火力+6だったか、15・5cmより1低いくらいって相当よな」
・ぜかまし親衛隊
提督「きっとそのうち、一礼して魚雷の進路開けたりする」
皐月「今回はその役は天津風がやってた気がするけど」
・XX鎮守府の将来
提督「強くなるといいねぇ…」
皐月「今度はボクと演習してもらおうかなっ」
提督「いじめ良くない」
皐月「えー…」
・皐月ちゃんに野獣の幻影
皐月「これなんだけど…」
提督「すまないな、勉強不足で私が元ネタ分かんないな。でも、一つだけ分かる事があるよ?」
皐月「なにさ?」
提督「皐月ちゃん可愛い」
皐月「…次」
提督「あ、これね?照れてるんですよ?」
皐月「それはもういいからっ」
・世に文月のあらんことを
提督「世に文月のあらんことを~」
皐月「世に文月のあらんことを~」
提督「…ふっ」
皐月「…ふふっ」
・面白かったです、次回も楽しみに待ってます(←いっぱいあった
提督「いつもご覧いただきありがとうございます」
皐月「何回も読んでくれてる人もいるみたいで」
提督「なんかもう、感無量ですな」
皐月「何か質問とかでも、答えられる範囲で答えるよっ」
提督「露骨なコメ稼ぎイヤらしい…」
皐月「いいじゃんかっ、少しくらい。ファンサービスだよ、ファンサービス」
提督「…君も俺のファンに…」
皐月「はい、すとーっぷ」
提督「言わせてくれてもいいのに…」
・ガンダムネタ
皐月「司令官も好きだよね」
提督「使いやすい台詞多いからな」
皐月「なんて言ってるけど。やり過ぎてないか、いっつも気にしてるからね」
提督「うるさいよ…」
皐月「にひひ。でも、楽しんでもらえてるみたいで良かったじゃん?」
提督「まあ、ね」
・撃ちたくない~
皐月「撃ちたくない、撃たせないでって。誰の台詞?」
提督「キ○・ヤマトだねぇ…私も言われて思い出したレベルだけど」
皐月「SEEDか、家の鎮守府だと、クル○ゼとかアズ○エルとかのが人気だもんね」
提督「あと、シ○・アスカとかな。あれは弄りがいある人材…ふふふふふ」
皐月「笑顔が黒いよー」
提督「と、失礼。どこかで使えそうな台詞ではあるけどね…いつとは言えないし、というわけで」
皐月「折角だから、気分だけでもどうぞっ」
球磨「撃ちたくないクマ撃たせないで欲しいクマっ!」
両手に15・5cm砲、更に主砲塔に20.3cm砲を担ぎ上げた球磨
その砲口が一斉に火を吹いた
木曾「クソっ、撃ちたくないって言いながらお前はなんだよっ!」
群がる砲弾を紙一重で避けていく木曾
球磨「はぁ?そんなの撃つに決まってるクマっ!」
木曾「ん?」
球磨「艤装は持ってりゃ嬉しいコレクションじゃないクマっ、折角大量の資材を使って作ったクマ
使わなきゃしょーがないクマぁっ!」
雄叫びを上げ、再度全砲門を斉射する球磨
木曾「ちょっ。提督っこいつ止めろっ。ていうか、なんで実弾入ってんだよっ」
皐月「…ま、こうなるよね?」
提督「知りながらも突き進んだ道ですし…」
皐月「基本的にさ…家の娘たちって皆撃つよね」
提督「撃つねぇ…ベタな所だと電あたりが言えば違和感ないんだろうけど」
皐月「助けるために沈めるのです…」
提督「それ、プラズマやん…」
皐月「あはははは。さて、それじゃー今回はこんな感じだね」
提督「ちなみに、19も待ってますってのをイクって読んだのは内緒」
皐月「艦これの弊害だね…」
提督「それでは、よければまた次回」
皐月「ここまで読んでくれてありがとう。またねー」
木曾「この、パンダがっ。少しは可愛げ見せろっ!」
球磨「だから何だ、重雷装艦!鉄火を持って闘争を始めるのに、提督も艦娘もパンダもあるもんかっ」
提督「程々にしろよー」
木曾「助けろーっ!」
皐月「あははは…」
途中で主人公から降ろされたからってシンを弄るのはやめたげて!
元帥は征服の征を間違えそうだったけど、そんなことなかったな。むしろ、作者が間違えてるし。
うーずい?
ンア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙(昇天)
他では見れないカップリングが見れて楽しいです
三機で囲んでサイコジャマー
艦載機は死ぬ
アンタって人はぁぁぁああ!
おひい様将来はお転婆超絶美人ですよね
大和おばあちゃんは座ってて下さい
次回も楽しみにしてます!
次で20か、何か記念イベントでもないかな?
シンは妹が死んでも、恋人が死んでも、一生懸命頑張ってるんだぞ!
提督のライバルは、いないのか?提督のことをライバルと思ってるけど、提督はライバルと思ってないような人物は?
長月と三日月の抱き合いの絵、ちょっと見てみたいかも・・・。
毎回見てて楽しいな〜。
提督が弄った時の皐月や三日月の反応がかわいい。
上司、後輩ときたら、次は同期が登場するのか?
次で20か。面白いと結構続くもんなんだな。ssとはいったい…。
シンってウルトラマンダイナに、変身する人と同じ名前なんだよなぁ。
提督って曲がりなりにも、神様だろ?ということは、どっかに祀られてた神社があるのか?
次20楽しみです。いつも楽しませてもらってます。
SEEDいいですよねぇ...
SEED見てていつも思うのはミーティア装備した状態でどうやってプロヴィデンスの弾幕を避けてたんでしょう?
長門に大和と武蔵装備して弾幕避けてるようなもんですよねぇ...
seedは本編よりMSVの方がいいな。
フォビドゥンブルー・ソードカラミティ・
制式仕様レイダーが、かっこいい。