2022-03-30 11:55:18 更新

概要

この作品は『東方project』の二次創作作品にあたります。ご了承願います。


前書き

さて、愛の告白みたいな感じだったけど、今日はどうなるのかな?少し長いけどゆっくりしていってね!


今日は心地よい程清々しい快晴に恵まれた。

雲一つなく、一面真っ青な空に先代の巫女は思わず目を細めながら見つめる。



先代「....平和だねぇ」



本心である。

ここ最近では、先代の巫女のやり方を大幅に変え、結果的には多くの敵対、又は敵視寄りの中立妖怪とも仲を深めれた。

流石にルミィーティア以上の凶悪な妖怪が現れて、無闇矢鱈に人間を殺して多大な損害を生み出す様な真似をするならば強制的に成仏させたりするが、殆どの場合が一度叩きのめして、それから説教を垂れて終わるという方式でやってきている。


結果的に生かされた事で改心する妖怪もいるし、逆に屈辱的だと恨む妖怪もいる。

ただこの二つの共通点として、二度と暴れようだなんて考える者が居なくなるのだ。


理由としてはただ一つ、また暴れたら今度は成仏させられるまでに潰されるから。

先代の巫女に対して抗っても勝てないということを完全に脳内にインプットされる様だ。



ルミィーティア「おーっす。暇だから来たぞー」



色々と頭の中で考えながら、境内の掃き掃除を行なっている先代の巫女の元に来客がやってきた。



先代「あら、ルーミア。今日は早いのね」


ルミィーティア「まぁね、あっち居たってやる事ないし」


先代「ふーん、暇ならお掃除でも手伝ってもらおうかしら?」


ルミィーティア「ん。まあ良いけど」


先代「じゃあ神社の中からチリトリ持ってきてくれる?」


ルミィーティア「あいよー」



ルミィーティアは先代の巫女に頼まれた品を取りに、神社の中に入っていった。

入ってから数十秒後、すぐ出てきてチリトリを手に先代の巫女の元に戻ってきた。



ルミィーティア「あれ?そういえば霊夢は?」


先代「あー、あの子は確か幽香の所に行ったわよ。お花の手入れ手伝うんだーって言ってた」


ルミィーティア「ふーん、なるほどねぇ。ま、あいつなら大丈夫か」


先代「珍しいじゃない。他の妖怪を信じるだなんて」


ルミィーティア「幽香は怒らせたらやばいけど、義理堅いからね。あーいう義理堅いやつって大体安心できるよ」


先代「そういうものなのかねぇ....あ!ルーミア!ちょっとゴミ踏んでる!」


ルミィーティア「へ?えごめんどこ?」



ルミィーティアは指を刺された箇所から右足を上げて、覗き込む様に見てから脚を背中の方に折り曲げて、ゴミがついていないか見る。

先代の巫女はやれやれと言った感じで笑う。



先代の巫女「全くもう....はい、チリトリ置いて」


ルミィーティア「こう?」



チリトリを傾けて、ゴミを中に詰め込む。



先代「ねぇルーミア」


ルミィーティア「ん?なんだよ」


先代「もしさ、私がなんかあったらさ、霊夢を頼むよ」


ルミィーティア「...なんだよ博麗の巫女らしくない...せめて掃除中じゃない時に言ってよ」



ゴミ掃除をしている時に、いきなり先代の巫女としてはらしくない言葉を放たれたルミィーティアは一瞬、困惑するもののお得のツッコミで乗り切る。



ルミィーティア「んーまあこんな感じかな。チリトリと箒戻してくるから貸して」



ルミィーティアが手を差し出して、先代の巫女から箒をもらう。

もらったあとは神社の中に戻しに向かう、いつもより早足で。



ルミィーティア「なんだよ、博麗の巫女にしては気弱だな。なんかあったのかな?」



いつもなら聞き流すだけの言葉に、何故か今日だけは不信感が募る。

ここ数十年は共に居た者として、ルミィーティアの中で何か引っ掛かるものがあった。

しかしそれが何だかは分からない、故に考えるだけ無駄と考えて神社から出た。


神社から出て先代の巫女の元に戻ると、何故かスキマ妖怪こと八雲紫が先代の巫女と話していた

咄嗟にルミィーティアは近くの木に隠れて、彼女達の様子を伺う。



先代「––––––よね。だ––––––の–––––––」


紫「––––––?......–––––」



悪いと思いながらもこっそりと聞き耳を立てる。

しかし全くと言って良いほど、彼女達の声は聞こえない。

微かに先代の巫女の声は聞こえる、いつも声が大きいと評判の彼女だから当然かもしれないが、

だが、様子を見る限りただの世間話と言ったわけではなさそうだ。

先代の巫女は終始笑顔なものの、紫の方は何処か深刻味を帯びていた。



ルミィーティア「うわぁ、これ絶対行かない方が良いわよね....どうしようか、」



コソコソしているルミィーティアを、二人が気付くはずもなく。

ルミィーティアの背後に隙間ができ、そこから手が伸びる。

ルミィーティアは紫がいきなり隙間を出して、そこに手を突っ込んだ事で悟った様で咄嗟に逃げようとしたが、難なく捕まり隙間に引き摺り込まれた。

引き摺り込まれた後、違う隙間から二人の前に出される。



紫「あら、誰かと思えば人喰い妖怪の...」


先代「何盗み聞きしてるのよ」


ルミィーティア「い、いやぁ...なんか気になってつい...」


先代「全く、そんな盗み聞きするような話じゃないのに」


紫「....それじゃ私は戻るわ。また会いましょうね」



そう紫は告げると、逃げるように去っていった。



ルミィーティア「あ、ちょ」


先代「はいはい。早く中に入りましょ、あー掃除して疲れたわー」


ルミィーティア「えあ...わかった」



ルミィーティアはこれ以上、深く詮索するのをよそうと思い、しばらくこの話を出さないでおこうと思った

理由としては先代の巫女の気持ちの面を配慮してのことでもあるが、実際にはルミィーティア自身が内容について知ることを恐れたからだ。

ルミィーティアは永く生きてきた、妖怪だから寿命もない。

そんな終わりのない生涯を送ってきたルミィーティアの中には、知って得する事と、知らなければよかった事を見極めるという考えが芽生えた。

今回の先代の巫女と紫の話も、きっとルミィーティアにとっては良い話ではないと思う。



先代「じゃあお茶とか出すから待ってて」


ルミィーティア「私も手伝うよ」


先代「良いって良いって!とりあえずそこで座ってて」


ルミィーティア「う、うん」



気不味く思うルミィーティア、いつもより口数は少ない。

対して先代の巫女はいつも通り、それどころかいつもより高いテンションな気がする。


こういう時、大体が先代の巫女にとってあまり良ろしくない、由々しき自体が起きている証拠だ。

ルミィーティアは先代の巫女のことを妖怪ながらもよく知っている。

だから今回もルミィーティアの中では心配しているのだ。


霊夢に何かあったのか、若しくは先代の巫女自身に何かあるのかもしれない。

しかしなんだろうか、結婚とか?それとも異変とか妖怪についてかもしれない。


一人、茶の間で悶々としている時、不意に台所からカシャーンという不快極まりない音が鳴り響いた。



ルミィーティア「!巫女ー!大丈夫かー?」



ルミィーティアが安否を確かめる呼び掛けの声を、先代の巫女に投げる。

しかしあの音が響いてから音も、声も聞こえない。

不審に思ったルミィーティアは急いで台所に居るはずの先代の巫女の元へ駆け寄る。



ルミィーティア「おーい。もしかしてからかってるの?今すぐ出てきたら許す....ぞ...?」



ルミィーティアは絶句した。

何故なら、そこには割れた急須とぶちまけられたお湯、そして倒れ込んでいる先代の巫女の姿があった。



ルミィーティア「嘘でしょ...巫女!!しっかりして!ほら起きな!!」


先代の巫女「うぅ....」


ルミィーティア「あぁよかった、巫女、大丈夫?!起きれそう?」


先代の巫女「ぁ....ぅぅ...」



どうやら意識はあるが、体がほぼ動かないらしい。

声も出せない程までに弱っているらしく、ただ小さく唸るだけ



ルミィーティア「えっと、とりあえず茶の間に...」



ルミィーティアは慎重に先代の巫女の腕を肩に回して、立ち上がると茶の間にゆっくりと向かう。

今まで気付かなかったが、先代の巫女は異常に軽く、もしかしたら重病を患ってるのかもしれない。


急いで布団を押し入れから出して引き、先代の巫女をゆっくりと横にさせる。

ルミィーティアは他人の看病は初めてだったらしく、何をすれば良いか分からない。

少し考え、ルミィーティアは神社にあった本を数冊手に取る。


霊力系、歴史系、武術系とズラーっと並べられた本の中から、『永遠亭直伝、応急処置方法』という本を手に取る。

ペラペラとページを捲る。


「『まず、呼吸を確認する。確認できなければ下のまま。確認できれば次のページへ』」


「『容態を確認する。額に手を当てて温度を確認したり、汗の量を確認する。異常に高かったり多い場合は熱の可能性が高い』」


ルミィーティア「ごめん巫女。ちょっとでこ触るぞ...って熱っ!これが風邪っていうやつか?えっと、対処方法は...」


「『もし熱ならば、直ぐに横にさせ、額や頸に冷たい水を染み込ませたタオルや、氷や冷水が入った袋などで冷やす』」


ルミィーティア「冷水...今の井戸水はいけるか?ちょっと井戸行ってくるから待ってて」



台所に置いてあった空の木星バケツを手に取り、急いで井戸に向かう。

井戸についたら急いで水を汲み上げて、バケツ一杯にした。

長い袖を水が付かない辺りまで捲って、手で温度を確認する、井戸の水はやはり夏に近づいてきた影響かとても冷たい。



ルミィーティア「これなら良いはず....タオルは....」



急いで井戸の石部分にかけてあったタオルを手に取ると、一気にバケツの中に浸す。

バケツから溢れ出た水によってワンピースのスカート部分や靴が濡れたが、ルミィーティアはお構いなしに余分な水を飛ばすためにタオルを絞る。

とりあえず水に浸したタオルを二つ用意できた。



ルミィーティア「こ、これでいいのよね?」



不安になりながらも、先代の巫女の元に戻ると、濡れたタオルを額の上に置いた。



ルミィーティア「ごめん冷たいかもだけど、我慢して」



作業を一通り終えると、水によって濡れた手の平を服で拭いて、例の本をまた手に取る。



ルミィーティア「えっとえっと...『重症の場合はすぐに最寄りの病院に連れて行く』」


ルミィーティア「やべぇ....私人喰い妖怪だから人里に降りるわけには.....」



最後の最後でまさかのこの仕打ち。

ルミィーティアは頭を抱えた、何せ一番近い病院でもだいぶ距離がある上に、その病院は人間が経営している。

特に人間から恐れられてる人喰い妖怪という種類に別けられたルミィーティアは迷いながらも、一番遠いであろう永遠亭まで飛ぶことにした。



ルミィーティア「もしかしたらこんな私だから拒絶されるかもしれない...けど、人里の連中より何倍も信用できる」


ルミィーティア「ちょっと永遠亭に行ってくるから!待ってて。すぐ戻るから」



捲った袖を下ろして、ついでに誰かが来たように置き手紙を書いた。



ルミィーティア「えっと...博麗の巫女は今倒れています。看病係は永遠亭に行っています....これで良いかな」



手紙を縁側に起き、風に飛ばされないように適当な物で押さえつける。

そしてルミィーティアは急いで博麗神社から飛び立った。


後書き

ご愛読ありがとうございました。中々に性格を掴めないキャラですね。あとナレーション下手すぎる笑
こんな作品ではございますが、次回も是非読んでいただけたら幸いです!


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