先代の博麗巫女と、追憶の妖怪と(五週間目)
この作品は『東方project』の二次創作作品にあたります。ご了承願います。
まさかの予想外の乱入、ルミィーティアは一体どうなるのかな?ゆっくりしていってね!
ルミィーティア「もうやめない?流石に疲れてきたんだけど」
慧音「うるさい!」
ルミィーティアは慧音の弾幕とたまに迫ってくる頭突きを避けながら、尚も説得を試みる。
だが慧音は聞く耳を持たずにスペルカードを容赦なく使用する。
慧音の戦術は奇妙なもの。
弾幕の攻撃を主軸としているが、隙を見て突撃してくる。
その姿はまるで闘牛だ。
だが毎度くる突撃にルミィーティアは冷静に対応し、全て空振りに終わる。
ルミィーティアはできるだけ撃ち返さずに避けに徹しているが、そろそろ説得以外の方法も考えはじめた。
空を飛びながら、ただひたすらに避け続けるルミィーティアに、慧音は疲弊し始める。
慧音「なんで...撃ち返さない.....」
肩で息をしながら慧音は問う。
ルミィーティアはそんな慧音を見ながら、微笑を浮かべて答えた。
ルミィーティア「あんたを攻撃する理由がないからね。私は無意味な争いはしない主義なのよ」
慧音「だって人間を...妹紅を殺そうと...」
ルミィーティア「だから違うんだって!私はただ、あーなんだ。ちょっと組み手をね?」
妹紅「慧音、もう大丈夫だって。とりあえず落ち着こう?な?」
慧音「うっ...わかったわ」
長時間攻撃しぱっなしで疲労が溜まったからか、それとも妹紅の声が届いたからか、慧音は最初に比べて耳を貸した。
やっとのことで慧音はルミィーティア達の説得を聞き入れ、地上に舞い降りた。
ルミィーティアも一応警戒しながら追随して降下する。
慧音の先程までの攻撃態勢が解かれる。
ルミィーティアはとりあえず事が解決する方向に舵を切った事に安堵し、息を漏らす。
慧音「.....」
気まずそうに、それでも眼には明確な殺意が宿っている慧音に睨まれながらもルミィーティアはお構いなしに近づく。
妹紅は慧音が乱入してくる事は計画外だった上に、また始めるのではないかと心配そうにソワソワしている。
蓬莱人である妹紅と言えど慧音とはほぼ互角な上、唯一の理解者である慧音を傷つけたくないのであろう。
ルミィーティア「私はあんたが妹紅をどれぐらい大切にしてるかわかった」
慧音「....」
ルミィーティア「別に妹紅を殺すつもりはない。元はあっちから売られた喧嘩だからな」
慧音は不服そうな表情を浮かべ、今度は妹紅を見る。
慧音「....本当なの?」
妹紅「え?あ、うん」
突然の質問に妹紅はたじろぎながらも二つ返事を返す。
すると慧音は妹紅の目の前に立つと、彼女は軽くゲンコツを下す。
妹紅は突拍子のない攻撃にガードが間に合わずにモロに食い、痛みにより頭を押さえる。
妹紅「いっってぇ...何すんだよ!」
慧音「“何すんだよ”じゃない!心配したんだぞ!?まさか妹紅からだったなんて...」
妹紅「いやまぁ.....ごめん」
妹紅は手で頭を摩りながら頭を下げた。
そんな二人の姿を見て、ルミィーティアはまたも微笑しながら助け舟を出す。
ルミィーティア「まぁ大丈夫よ。私はピンピンしてるし、そこの蓬莱人もね」
慧音「ごめんなさい。つい考えが突っ切ってしまって...直そうと思っても中々直らなくて...」
ルミィーティア「良いって良いって。まあ蓬莱人と仲良くしなよ。...時間は限られてるからね」
妹紅「?」
きょとんとする妹紅を尻目に、ルミィーティアは飛び立った。
高く聳え立つ竹を越え、闇に紛れる。
既に空は陽が沈み、真っ暗な夜闇に包まれていた。
ルミィーティア「また今度、博麗神社にでも来なよ!その時ゆっくり話そう!」
慧音「えぇ、また」
ルミィーティアの誘いに慧音は了承の意思を伝える。
そこには先程まで暴れ狂っていた半妖怪ではなく、穏やかな半人と、男勝りな蓬莱人が居た。
ご愛読ありがとうございます。今回は短めです。何しろ忙しいものでして....お恥ずかしい限りです。
次回は必ず、明日には投稿させていただきます。
それでは次回もゆっくりしていってね!
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