博麗の先代巫女と、追憶の妖怪と(四週間目)
この作品は『東方project』の二次創作作品にあたります。ご了承願います。
さてさて、ルミィーティアvs妹紅の行方はどうなるのかな?ゆっくりしていってね!
結果的に言えば、ルミィーティアの圧勝だった。
あの後、妹紅も負けじと炎を身に纏った、一見強そうに見えたが、ルミィーティアには関係なし
無慈悲な左ストレートが炎を纏った腹に命中して、敢えなくダウンした。
ルミィーティア自身、手加減はしたつもりだったらしいが怒りの所為で上手くコントロール出来ていなかった様だ。
幸い、どうやら死にはしなかったらしい。
ただダメージが大きくて立っていられなかったのか、完全に大の字で仰向けになって寝転がった。
あまりの呆気なさと大人気のない行動に不完全燃焼な感覚を覚える。
ルミィーティア「あー...なんかごめん」
妹紅「謝んじゃねぇよ...惨めに思えるだろーが...」
妹紅は仰向けになりながら、肩で深く息をしている。
どうやらルミィーティアが思う程、負傷はしなかったらしい。
意外にも頑丈な妹紅の体に一通り感心すると、本来の目的を聞き出した。
ルミィーティア「んっと、それで?永遠亭の先生は何処かな?」
妹紅「もうとっくの昔に博麗神社にいるさ」
ルミィーティア「は?どういうこと?....まさかグルだったのか?」
どうやらはめられていたのか、そう思うとルミィーティアは再び闇を纏おうとし始める。
妹紅は急いでルミィーティアを制止する。
妹紅「ちげーよ!あの紫って奴が連れてったんだよ!お得意の空間に隙間を作ってな!」
ルミィーティア「...あんまし適当なこと言ってったら本気で潰すわよ?」
妹紅「嘘じゃないって!本当だってば!」
妹紅の必死さに、ルミィーティアは嫌々ながらも信じた。
どうやら自分は完全に掌で踊らされてたようで、思わずため息をつく。
ルミィーティア「...まぁ、あいつがわざわざ殺すわけないし...じゃあなんで私に喧嘩売るような真似したのかしら?」
妹紅「ただ確認したかったのさ」
ルミィーティア「確認?」
妹紅「ルミィーティアの意思さ。元は人喰い妖怪がどうしてそこまで人間に親しくするか気になったんだよ」
ルミィーティア「ふーん。なら尚更、喧嘩売る意味ないじゃない」
妹紅「こうやって拳交わらす方が、そいつの考えがよくわかるんだよ。意志が弱い奴とかは一瞬で降参するからな」
どうやら妹紅は悪気があってやったわけではなく、ただ純粋にルミィーティアの本心が知りたかったらしい。
まあ彼女の言い草的に、もしかしたらルミィーティアが異変でも企ててるんじゃないかと思ったのだろう。
妹紅「それに口じゃなんとでも言える。こっちの方が手っ取り早いんだよ」
そう言いながら妹紅は両手を掲げて、握り拳を作る。
ルミィーティアは妹紅の言葉を聞いて、思わず笑ってしまう。
妹紅「なんで笑うんだよ?!」
ルミィーティア「ごめんごめん。なんかくさいこと言うなぁって思ってさ」
必死に笑いを抑えていたルミィーティアだが、耐えきれずに大声を上げて爆笑してしまう。
妹紅はそんなルミィーティアを見て顔を顰める。
ルミィーティアはそんな妹紅の顔を他所に、一人腹を抱えて笑い続ける。
ルミィーティア「あーおもしろ。えっと妹紅だっけ?あんた、回りくどいけど良い奴だね」
妹紅「う、うっさい!竹林を守る為でもあったんだよ」
ルミィーティア「はいはい。まあなんか悪かったわ。とりあえず私は帰るけどあんたは大丈夫なの?」
妹紅「心配されずとも大丈夫だ。皮肉にも絶対死なないからな」
ルミィーティア「不老不死....蓬莱人って奴か。どうりで私のストレートに耐えた訳だね」
妹紅「あれは死んでてもおかしくなかった。てかなんで殴りにかかったんだよ」
一頻り話していると、奥から誰かやってくるのが見えた。
妹紅「あ、慧音」
慧音「妹紅探したわよ。って、え?」
慧音と呼ばれた女性は二人の現在の姿を見て、目を見開いた。
客観的に見れば、仰向けになって倒れている妹紅を、人々が恐れる人喰い妖怪が見下しているのだ。
今にでも息の根を留めようとしている様に見える状況に、慧音は阿呆げた顔を見せる。
慧音「...まさか妹紅を...?」
ルミィーティア「?あー、まあやったけどそれが?」
妹紅「あ、今お前それやばい...」
ルミィーティア「へ?なんで...よ...?」
ルミィーティアが何気なく放った言葉が、どうやら慧音に触ったらしく、恐ろしい形相で睨んでいる。
容姿も先程までのと心なしか変わりはじめた
腰まで届こうかというまで長い、青のメッシュが入った銀髪は黄緑色に変化し、頭には頂に赤いリボンをつけ、六面体と三角錐の間に板を挟んだような形の青い帽子を乗せていたのがいつの間にか消え、代わりに立派な対角的に聳え立つ角が生えた。
服は胸元が大きく開き、上下が一体になっている青い服が髪と同じく黄緑色に変色している。襟は白く、半円の模様数個合わせ、それを白が縁取っている。胸元に赤いリボンをつけ、下半身のスカート部分には幾重にも重なった白のレースがついている。
完全に戦闘態勢に入ってしまった慧音を見ていたルミィーティアは妹紅に顔を向ける。
妹紅は止めれないと言わんばかりに顔を左右に振り、沈黙を貫き通す。
ルミィーティア「あー、、慧音と言われてた妖怪よ。多分、あんたが思う様なことではないから、とりあえず話し合いを...」
慧音「黙れ!どうせ手を下すところだったんだろう?!」
ルミィーティア「(や、やべぇ。こいつ話通じないタイプだ)」
ルミィーティア「ちょちょっとタンマ!30秒待って!」
そう慧音に宣言すると、すぐさま後ろを振り返って妹紅に助けを乞う。
ルミィーティア「な、なぁ妹紅からも言ってあげてよ。もう無駄にやり合いたくないんだけど」
妹紅「無理だ。私はあの状況の慧音を止めれない。まあ頑張れ」
見捨てる宣言をされ、ルミィーティアは絶望した。
しかし項垂れたところで神は甘くない。
どうやら慧音はやる気になってしまったらしく、完全に身構えている。
ルミィーティア「...しゃーねーなぁ、分かった。今度は私があんたの意思を確認する番だよ」
慧音「二度とその人間には指一本触れさせない!!」
ご愛読ありがとうございました。ルミィーティアも災難ですね。妹紅の次は慧音だなんて。二人とも悪気があるわけじゃないから余計と罪悪感がすごい、でも慧音は妹紅みたいに瞬殺はされなさそう。
次回もゆっくりしていってね!
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