2022-04-05 22:29:13 更新

概要

この作品は『東方project』の二次創作作品にあたります。ご了承願います。


前書き

いよいよ夏に突入。新たな出会いがあると良いね。それでは、ゆっくりしていってね!


幻想郷にも、外の世界と同じように季節が巡る。

住民達は皆、この四季折々の自然や行事を楽しむ。


現在は夏の猛暑日、木々はつい先程まで咲き誇っていた桜は散り、代わりに健康的で鮮やかな緑色の葉を宿す。

至る所で蝉が鳴き、まるで大合唱でもしてる程の音量を奏でる。

てんとう虫や蚊などと言った小さな虫もポツリポツリと現れ始め、夏を彩っていた。


今日は霊夢と一緒に森へ虫取りに出かけた。

虫取り網と虫籠を携えて



霊夢「ルーミア!次はあれ取って!」


ルミィーティア「あれって.....蝉?」


霊夢「うん!」



霊夢が指さす方向を見上げると、ルミィーティアの背丈でも二倍近くある巨木の幹にアブラゼミだろうか、二匹ほど張り付いている。

ルミィーティアは虫が苦手という訳ではなかったが、労力と時間をかけてまで虫を取るようなタチでもない。

だが霊夢の期待に満ちた爛々とした眼差しを浴びせられ、渋々取りに行く。


流石によじ登るわけにはいかないので、妖怪特有の飛行を駆使する。



ルミィーティア「....えいっ」



ほぼアブラゼミと対角線上辺りまで近づいたルミィーティアは慎重に虫取り網を両手で握り、目にも止まらぬ速さで振り下ろす。

するとアブラゼミのうち一匹だけが網の中に入り、もう一匹は捕らえられる3秒前に察知し飛び立ってしまった。

みぃぃぃぃとアブラゼミは独特の悲鳴を上げながら、網に中でもがき続ける。


結果的にはアブラゼミ一匹しか手に入らなかったが、上々だろう。

ルミィーティアは捕獲した品を虫籠の中に優しく入れて、地上に降りる。



ルミィーティア「ほい、取ったぞ」


霊夢「わぁぁ...ルーミアありがとう!」


ルミィーティア「どういたしまして」



霊夢の全身を使って表現された喜びと、満面の笑顔を得たルミィーティアはニコリと笑う。

これだけでも儲け物だ。



ルミィーティア「にしてもあっついなぁ...今にでも燃えそうだわ」


霊夢「あ、ルーミア!次はあれ!あれ取って!」


ルミィーティア「え、もう見つけたのか?」



取れるところは霊夢でも取れるが、霊夢じゃ届きそうにない場所はルミィーティアが代わりに捕獲するのだ。

そんなこんなで霊夢が見つけた虫をルミィーティアが取るの一連の作業を繰り返す。


そうしているうちに、気付けば二人は森から出て、開けた所に出た。

二人は目を見開いて、思わず口も開けてしまう。

なんと目の前には一面に綺麗に咲き誇った向日葵があるのだ。


ただ美しさのあまり見惚れていると、急に右から声をかけられた。



幽香「何してるのかしら」


ルミィーティア「あ、もしかしてここは幽香の?」


霊夢「あ、幽香だ!」



霊夢は幽香を見つけた途端、小走りで幽香の元に駆け寄る。

幽香は幽香で、わざわざ屈んで手を広げ、霊夢を受け入れる。



ルミィーティア「(やっぱこうなるなんて考えれないなぁ)」


幽香「それで何用?ここに来るってことは何か理解が....あぁ、なるほどね」



幽香はルミィーティアが肩から掛けてあった虫籠と、持っていた虫取り網を見て察したようで、呆れ顔になる。



幽香「貴女妖怪でしょう?道ぐらい覚えてなさいよ」


ルミィーティア「あはは....気をつけます...」



ルミィーティアは乾いた笑いで頬を掻く。



ルミィーティア「あ、そういえば向日葵。よく手入れさせてるわね。綺麗」


幽香「でしょう?私の自信作だもの」



ルミィーティアに褒められた幽香は気分良く胸を張る。

すると、霊夢が幽香の頬を突いた。



霊夢「ねーねー幽香!一緒に遊ぼ!」


幽香「まぁ別に構わないけど、その前にその子達を解放してあげたら?」



幽香が指差した先にはルミィーティアが携えていた虫籠があった。

ルミィーティアは虫籠を手に取る。

少しだけ中に居るものたちを眺めた後、霊夢に許可を有無を問う。



ルミィーティア「えっと。霊夢は別に良い?」


霊夢「んー良いよー」



霊夢の了承を得てルミィーティアは虫籠を開けて、近くの木の株に開け口を上に向けて置いた。

捕らわれていた虫達は少し様子を伺って、安全を確認した後すぐに飛び立った。



霊夢「あーあ。いっちゃった」


ルミィーティア「また今度捕まえよう?」


幽香「さて、今日は気分が良いから何でもできるわ」


霊夢「じゃあ次は鬼ごっこしよ!」


ルミィーティア「でも暑いし...できればだるまさんが転んだとか」


幽香「まぁ楽しければ何でも良いわ。好きに決めて」


霊夢「えーじゃあ...幽香鬼ね!」


幽香「え?私?」



急な指名に少し動揺する幽香。

それを見てルミィーティアは面白がって、少し茶化す。



ルミィーティア「ほら、今日は気分良いんでしょ?早く捕まえてみてよ」


幽香「貴女ねぇ...」


霊夢「じゃあ10秒数えて!」


幽香「ちょ、私はまだやるだなんて一言も」


ルミィーティア「はい10ー!」


幽香「....どうなっても知らないから」


後書き

ご愛読ありがとうございました。ギリギリ1日一本ペースキープできてますね、首の皮一枚の状態ですけど。
...はい、私が東方万華鏡や東方茨歌仙をまったり読んでいるせいです。ごめんなさい。

では次回も、ゆっくりしていってね!


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